JP6616520B2 - 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
例えばフラッシュメモリやDRAM等の半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に薄膜を形成する基板処理工程が実施されることがある。係る工程を実施する基板処理装置として、基板が載置されたサセプタを移動させ、プラズマ生成部により処理ガスのプラズマが生成された領域に基板を通過させることにより、基板上に薄膜を形成する基板処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−222960号公報
近年、配線寸法等が微細化する傾向にあるため、基板の面内における薄膜の膜厚や、複数の基板間における薄膜の膜厚を再現性良く均一にすることが重要となる。しかし、上述の基板処理装置では、特にプラズマ生成部により生成されるプラズマを用いた処理において、基板の面内における薄膜の膜厚や、複数の基板間における薄膜の膜厚を再現性良く均一にすることが困難である場合があった。
本発明は、基板の面内における薄膜の膜厚や、複数の基板間における薄膜の膜厚を均一にする半導体装置の製造方法、基板処理装置等を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、処理室内に回転自在に設けられた基板載置台上に、前記基板載置台の回転方向に沿って複数の基板を載置する工程と、前記基板載置台の回転方向に沿って前記処理室内に設けられた第1処理領域および第2処理領域を前記基板が通過するように前記基板載置台を回転させる工程と、前記第1処理領域内に第1元素を含有する第1元素含有ガスを供給する工程と、酸素ガス及び水素ガスを含む混合ガスをプラズマ励起して活性種を生成し、前記活性種を前記第2処理領域内に供給する工程と、を有し、前記混合ガスにおける酸素ガスと水素ガスの比率は95:5〜50:50の範囲の所定の比率である、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明に係る半導体装置の製造方法、基板処理装置等によれば、基板の面内における薄膜の膜厚や、複数の基板間における薄膜の膜厚を均一にすることができる。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備えるプロセスチャンバの横断面概略図。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備えるプロセスチャンバの縦断面概略図であり、図1に示すプロセスチャンバのA−A’線断面図。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備えるプロセスチャンバの上面概略図。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図。 本発明の一実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る改質工程のフロー図である。 本発明の第1の実施例において形成される薄膜の面内膜厚均一性とWER比を示すグラフ。 本発明に係る比較例2において形成される薄膜の面内膜厚均一性を示すグラフ。
<本発明の第1実施形態>
(1)基板処理装置の構成
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置は、処理炉としてのプロセスチャンバ202を備えている。
(処理室)
図1及び図2に示されているように、プロセスチャンバ202は、円筒状の気密容器である反応容器203を備えている。反応容器203内には、ウエハ200を処理する処理室201が形成されている。
反応容器203内の上側には、中心部から放射状に延びる4枚の分割構造体としての仕切板205が設けられている。4枚の仕切板205は、処理室201内の天井部からサセプタ(基板載置台)217の直上までの空間を遮るように設けられている。これにより、4枚の仕切板205は、処理室201を、第1処理領域201a、第1パージ領域204a、第2処理領域201b、第2パージ領域204bに仕切るように構成されている。なお、第1処理領域201a、第1パージ領域204a、第2処理領域201b、第2パージ領域204bは、サセプタ217の回転方向Rに沿って、この順番に配列するように構成されている。
仕切板205の下端は、仕切板205がウエハ200に干渉しない程度にサセプタ217に近付けて配置されている。これにより、仕切板205とサセプタ217との間を通過するガスは少ない。よって、各領域内で異なるガスが混ざり合うことが抑制される。
(サセプタ)
仕切板205の下側、すなわち反応容器203内の底側中央には、反応容器203の中心に回転軸の中心を有し、回転自在に構成された基板載置台としてのサセプタ217が設けられている。サセプタ217は、ウエハ200の金属汚染を低減することができるように、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、セラミックス、石英等の非金属材料で形成されている。
サセプタ217は、反応容器203内にて、複数枚(例えば5枚)のウエハ200を同一面上に、かつ同一円周上に並べて支持するように構成されている。ここで、同一面上とは、完全な同一面に限られるものではなく、サセプタ217を上面から見たときに、複数枚のウエハ200が互いに重ならないように並べられていればよい。また、サセプタ217は、複数枚のウエハ200を回転方向に沿って並べて配置するように構成されている。
サセプタ217表面におけるウエハ200の支持位置には、ウエハ載置部217bが設けられている。処理するウエハ200の枚数と同数のウエハ載置部217bがサセプタ217の中心から同心円上の位置に互いに等間隔(例えば72°の間隔)で配置されている。それぞれのウエハ載置部217bは、例えばサセプタ217の上面から見て円形状であり、側面から見て凹形状である。
サセプタ217には、サセプタ217を昇降させる昇降機構268が設けられている。サセプタ217の各ウエハ載置部217bの位置には、貫通孔217aが複数設けられている。上述の反応容器203の底面には、反応容器203内へのウエハ200の搬入・搬出時にウエハ200の裏面を支持するウエハ突き上げピン266が複数設けられている。貫通孔217a及びウエハ突き上げピン266は、ウエハ突き上げピン266が上昇させられた時、又は昇降機構268によりサセプタ217が下降させられた時に、ウエハ突き上げピン266が貫通孔217aを突き抜けるように、互いに配置されている。
昇降機構268には、サセプタ217を回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸は、サセプタ217に接続されており、回転機構267を作動させることでサセプタ217を回転させることができるように構成されている。
回転機構267にはコントローラ300がカップリング部267aを介して接続されている。サセプタ217を回転させることにより、サセプタ217上に載置されたウエハ200は、第1処理領域201a、第1パージ領域204a、第2処理領域201b及び第2パージ領域204bをこの順番に通過することとなる。
(加熱部)
サセプタ217の内部には、加熱部としてのヒータ218が一体的に埋め込まれており、ウエハ200を加熱できるように構成されている。ヒータ218に電力が供給されると、ウエハ200表面が所定温度にまで加熱可能に構成されている。
サセプタ217には温度センサ274が設けられている。ヒータ218及び温度センサ274には、電力供給線222を介して、電力調整器224、ヒータ電源225、及び温度調整器223が電気的に接続されている。温度センサ274により検出された温度情報に基づいて、ヒータ218への通電具合が制御されるように構成されている。
続いて、図2および図3を用いてプロセスチャンバ202のガス供給系について説明する。
(第1元素含有ガス供給系)
第1処理領域201aにおける反応容器203の天井部には、第1ガス導入部281が設けられている。第1ガス導入部281の上端に設けられた第1ガス導入口281aには、第1ガス供給管231aの下流端が接続されている。第1ガス導入部281は、スリット状に開口する第1ガス噴出口283から第1処理領域201aに、第1ガス供給管231aから供給された第1元素含有ガスを噴出させるように構成されている。第1ガス供給管231aには、第1元素含有ガス供給源231b、マスフローコントローラ(MFC)231c、及び開閉弁であるバルブ231dが設けられている。
また、第1ガス供給管231aのバルブ231dよりも下流側には、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234aの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234aには、不活性ガス供給源234b、MFC234c、及びバルブ234dが設けられている。第1処理領域201a内に供給される不活性ガスは、第1元素含有ガスのキャリアガス或いは希釈ガスとして作用する。
主に、第1ガス供給管231a、MFC231c、バルブ231d、第1ガス導入部281及び第1ガス噴出口283により、第1元素含有ガス供給系(第1ガス供給系、もしくは第1元素含有ガス供給部)が構成される。なお、第1元素含有ガス供給源231bを第1元素含有ガス供給系に含めて考えてもよい。また、不活性ガス供給管234a、MFC234c、バルブ234dを第1元素含有ガス供給系に含めて考えても良い。
第1元素含有ガスは、原料ガス(プリカーサ)、すなわち、処理ガスの一つである。ここで、第1元素は、例えばアルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の金属元素である。例えばAlを含有するガスとしては、有機金属化合物であるトリメチルアルニウム(Al(CH:TMA)を含むガスを用いることができる。また、第1元素をシリコン(Si)とした場合、シリコン含有ガスとしては、例えばビスターシャリブチルアミノシラン(BTBAS)ガスを用いることができる。
(不活性ガス供給系)
反応容器203の天井部の中央部には、不活性ガス導入部282が設けられている。不活性ガス導入部282の第1パージ領域207a側および第2パージ領域207b側における側壁には、それぞれ第1パージ領域207aに開口する第1不活性ガス噴出口256、第2パージ領域207bに開口する第2不活性ガス噴出口257が設けられている。
不活性ガス導入部282の上端には、第2ガス供給管232aの下流端が接続されている。第2ガス供給管232aには、不活性ガス供給源232b、MFC232c、及びバルブ232dが設けられている。第1パージ領域207a内及び第2パージ領域207b内に供給される不活性ガスは、パージガスとして作用する。
ここで「不活性ガス」としては、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等の希ガスや窒素(N)ガスのうち少なくともいずれか一つを用いることができる。ここでは、不活性ガスにNガスを用いている。
(酸素含有ガス供給系)
反応容器203の天井部であって、第2処理領域201bの上方には、連通口203aが設けられている。連通口203aには後述するプラズマ生成室290が接続される(プラズマ生成室290の開口部を連通口203aとしてみなしてもよい)。さらにプラズマ生成室290の上部には、天井292に設けられた酸素含有ガス噴出孔294b及びバッファ室294aが設けられている。バッファ室294aの上部には酸素含有ガス導入孔292aが設けられており、酸素含有ガスがバッファ室294a及び酸素含有ガス噴出孔294bを介してプラズマ生成室290内に供給される。
酸素含有ガス導入孔292aには、第3ガス供給管233aの下流端が接続されている。第3ガス供給管233aには、酸素ガス供給源233b、MFC233c、及び開閉弁であるバルブ233dが設けられている。更に、第3ガス供給管233aのバルブ233dよりも下流側には、水素ガス供給管235aの下流端が接続されている。水素ガス供給管235aには、水素ガス供給源235b、MFC235c、及びバルブ235dが設けられている。
酸素ガス供給源233bから供給される酸素ガス(Oガス)は、水素ガス供給源235bから供給される水素ガス(Hガス)と、第3ガス供給管233aにおいて合流する。合流したOガスとHガスは、酸素及び水素を含む混合ガス(以後、単に混合ガスとも称する)となって、第3ガス供給管233a、プラズマ生成室290、連通口203aを介して、第2処理領域201b内に供給される。
第3ガス供給管233a、MFC233c、バルブ233dにより酸素ガス供給系が構成される。また、水素ガス供給管235a、MFC235c、バルブ235dにより水素ガス供給系が構成される。更に、酸素ガス供給系と酸素ガス供給系により、酸素含有ガス供給系(酸素含有ガス供給部)が構成される。なお、酸素ガス供給源233b、及び水素ガス供給源235bを酸素含有ガス供給系に含めて考えてもよい。
なお、希釈ガス又はキャリアガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給系を、酸素含有ガス供給系に付加してもよい。
酸素含有ガスは、処理ガスの一つであり、反応ガスまたは改質ガスとして考えてもよい。なお、本実施形態では、酸素源としてOガスを用いているが、代わりにオゾン(O)ガスを用いてもよい。
(排気系)
図2に示されているように、反応容器203の底部には、反応容器203内を排気する排気口240が設けられている。各々の排気口240には、排気管241の上流端が接続されている。排気管241の合流部分よりも下流側には、圧力センサ248、APC(Auto Pressure Controller)バルブ243、およびバルブ245を介して、真空ポンプ246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力となるよう真空排気し得るように構成されている。主に、排気管241、APCバルブ243及びバルブ245により排気系が構成される。
(プラズマ生成部)
図2及び図3に示されているように、反応容器203の第2処理領域201bにおける天井部には、少なくとも反応容器203の半径方向においてウエハ200の基板径よりも長い開口部を有する連通口203aが設けられている。連通口203aの上部には、プラズマ生成室290が接続されている。プラズマ生成室290は側壁291及び天井292を有する。
連通口203aは小判型形状、もしくは楕円形状であり、その長辺の方向(長軸の方向)は反応容器203の半径方向である。つまり、連通口203aの長辺の方向と、その直下を通過するウエハ200の移動方向Rは互いに垂直である。また、プラズマ生成室290の側壁291は連通口203aと同じ断面形状を有する筒状構造であり、外周にコイル293が巻かれている。側壁291は例えば石英で構成されている。連通口203aは、下方を通過するウエハ200に対向する位置に設けられており、且つ、ウエハ200の外周が連通口203aの内側を通過する位置に配置される。
コイル293には、波形調整回路296、RFセンサ297、高周波電源298と周波数整合器299が接続される。コイル293は遮蔽板295に囲まれている。高周波電源298はコイル293に高周波電力を供給するものである。RFセンサ297は、供給される高周波の進行波や反射波の情報をモニタするものである。周波数整合器299は、RFセンサ297でモニタされた反射波の情報に基づいて、反射波が最小となるよう高周波電源298を制御する。
コイル293は、所定の波長の定在波を形成するため、一定波長モードで共振するように巻径、巻回ピッチ、巻数が設定される。すなわち、コイル293と隣接する波形調整回路296を合わせた電気的長さは、高周波電源298から供給される電力の所定周波数における1波長の整数倍(1倍、2倍、…)に相当する長さに設定される。
主に、プラズマ生成室290、コイル293、波形調整回路296、RFセンサ297、周波数整合器299により、本実施形態に係るプラズマ生成部270が構成されている。尚、プラズマ生成部270として高周波電源298を含めても良い。
プラズマ発生時のコイル293における共振のずれを電源側で補償するため、周波数整合器299は、プラズマが発生した際のコイル293からの反射波電力を検出して出力を補完する機能を有する。斯かる構成により、本発明の共振装置では、コイル293において一層正確に定在波を形成でき、容量結合の極めて少ないプラズマを発生させ得る。
(制御部)
図4に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)301a、RAM(Random Access Memory)301b、記憶装置301c、I/Oポート301dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM301b、記憶装置301c、I/Oポート301dは、内部バス301eを介して、CPU301aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ300には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置302が接続されている。
記憶装置301cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置301c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ300に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM301bは、CPU301aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域として構成されている。
I/Oポート301dは、MFC231c〜235c、バルブ231d〜235d、圧力センサ248、APCバルブ243、真空ポンプ246、温度センサ249、RFセンサ297、周波数整合器299、高周波電源298、回転機構267、昇降機構268、ヒータ218、電力調整器224、ヒータ電源225、及び温度調整器223等に接続されている。
CPU301aは、記憶装置301cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置302からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置301cからレシピを読み出すように構成されている。CPU301aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC231c〜235cによる各種ガスの流量調整動作、バルブ231d〜235dの開閉動作、圧力センサ248に基づくAPCバルブ243による圧力調整動作、温度センサ274に基づくヒータ218の温度調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、回転機構267によるサセプタ217の回転および回転速度調節動作、昇降機構268によるサセプタ217の昇降動作、高周波電源298による電力供給および停止、周波数整合器299によるインピーダンス調整動作等を制御するように構成されている。
コントローラ300は、外部記憶装置(例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)303に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置301cや外部記憶装置303は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置303単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置303を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(3)基板処理工程
続いて、本実施形態に係る半導体製造工程の一工程として、プロセスチャンバ202を備える基板処理装置を用いる基板処理工程について説明する。
まず、図5及び図6を用い、基板処理工程の概略について説明する。なお、以下の説明において、プロセスチャンバ202の構成各部の動作は、コントローラ300により制御される。
ここでは、第1元素含有ガスとしてAl含有ガスであるTMA含有ガス(以後、単にTMAガスと称する)を用い、酸素含有ガスとしてOガスとHガスの混合ガス(以後、単に混合ガスと称する)を用い、ウエハ200上に薄膜として酸化アルミニウム(Al)の膜を形成する例について説明する。
(基板搬入・載置工程S102)
まず、サセプタ217をウエハ200の搬送位置まで下降させることにより、ウエハ突き上げピン266がサセプタ217表面よりも突出した状態とする。続いて、ウエハ移載機を用いて、所定枚数(5枚)のウエハ200(処理基板)をウエハ突き上げピン266上にそれぞれ水平姿勢で載置する。続いて、サセプタ217を上昇させることにより、各載置部217b上にウエハ200を載置する。更に、ゲートバルブ151を閉じて反応容器203内を密閉し、真空ポンプ246を、少なくとも基板搬入・載置工程(S102)から後述する基板搬出工程(S106)が終了するまでの間、常に作動させた状態とする。
ウエハ200をサセプタ217の上に載置する際は、ヒータ218に電力を供給し、ウエハ200の表面が所定の温度となるよう制御される。本実施形態では、ウエハ200の温度は、例えば室温以上300℃未満の範囲の所定の温度であり、好ましくは、100℃以上300℃未満の範囲の所定の温度であり、より好ましくは、100℃以上200℃以下の範囲の所定の温度である。なお、ウエハ200の温度が室温より低いと、TMAガスが十分にウエハ200に吸着しない可能性があり、300℃以上だと、TMAガスが自己分解してしまいウエハ200上に不純物が多く吸着してしまう可能性がある。
なお、シリコンで構成されるウエハ200の加熱処理では、表面温度を750℃以上にまで加熱すると、ウエハ200の表面に形成されたソース領域やドレイン領域等に不純物の拡散が生じ、回路特性が劣化し、半導体デバイスの性能が低下してしまう場合がある。ウエハ200の温度を上述のように制限することにより、ウエハ200の表面に形成されたソース領域やドレイン領域における不純物の拡散、回路特性の劣化、半導体デバイスの性能の低下を抑制できる。
また、ダブルパターニング法などのようにウエハ200の上にホトレジストパターンが形成された状態で、ホトレジストパターンの上に薄膜を形成する場合では、ウエハ200の温度が例えば200℃を超える高温であるときにホトレジストパターンが熱変化してしまう可能性がある。本実施形態では、低温で基板処理工程を行うことが可能であるため、ホトレジスト膜の劣化を抑制することができる。
(薄膜形成工程S104)
薄膜形成工程S104では、第1処理領域201a内に第1元素含有ガスであるTMAガスを供給し、第2処理領域201b内に酸素含有ガスである混合ガスを供給してウエハ200上にAl膜を形成する。
なお、薄膜形成工程S104では、基板搬入・載置工程S102後、継続して不活性ガス供給系から第1パージ領域204a内および第2パージ領域204b内にパージガスとしてのNガスが供給されている。
(サセプタ回転開始S202)
ウエハ200が各ウエハ載置部217bに載置されたら、回転機構267によってサセプタ217の回転を開始する。サセプタ217の回転速度は例えば1回転/分以上100回転/分以下である。
(ガス供給開始S204)
ウエハ200が所望とする温度に達し、サセプタ217が所望とする回転速度に到達したら、第1処理領域201a内に不活性ガスと共にTMAガスの供給を開始し、更に第2処理領域201b内に混合ガスを供給する。
TMAガスの供給流量は、例えば10sccm以上50sccm以下、より好ましくは例えば約20sccmである。また、同時に供給される不活性ガスとしてのNガスの供給流量は、例えば100sccm以上500sccm以下の範囲の所定の値、より好ましくは例えば約225sccmである。本実施形態では、後述する第3工程S210までTMAガスを一定流量で流し続ける。
また、バッファ室294aに導入された混合ガスは酸素含有ガス噴出孔294bを介してプラズマ生成室290に供給される。酸素含有ガス噴出孔294bを介して供給された混合ガスは側壁291方向に拡散され、側壁291に沿ってコイル293の近傍に供給される。なお、混合ガスの供給流量は、例えば1000sccm以上4000sccm以下の範囲の所定の値、より好ましくは例えば約3000sccmである。ここで、本実施形態では、後述するように、混合ガス中におけるOガスとHガスの流量比率(又は体積比率)が所定の比率となるようにMFC233c及び235dが制御される。また、本実施形態では、プラズマ生成停止S210まで混合ガスを一定流量で流し続ける。
また、本実施形態では、APCバルブ243を制御することにより、処理室201内の圧力を例えば1Pa〜10kPaの範囲の所定の値、好ましくは例えば100Pa〜200Paの範囲の所定の値、より好ましくは約120Paとする。
なお、ガス供給開始S204のときから、ウエハ200の表面上に後述する所定の厚さを有するAl含有層が形成され始める。また、プラズマ生成室290におけるプラズマ生成開始までに混合ガスの流量を安定させるため、遅くともTMAガスがウエハ200の表面上に吸着してAl含有層を形成し始めてからウエハ200が1周するまでの間に、混合ガスの供給を開始することが望ましい。
(プラズマ生成開始S206)
次に、プラズマ生成部270のコイル293に高周波電力の供給を開始することによって、第2処理領域201bの上部空間であるプラズマ生成室290内において混合ガスをプラズマ状態で励起する。
具体的には、TMAガス及び酸素ガスの流量と処理室201内の圧力が安定したら、コイル293に対して高周波電源298によって高周波電力の印加を開始する。これにより、プラズマ生成室290内に、側壁291に沿って誘導プラズマが励起される。プラズマ状の混合ガスは解離し、酸素原子及び水素原子を含む活性種やイオン等、酸素原子のみを含む活性種、水素原子のみを含む活性種、等の反応種(以降、総称して活性種等と呼ぶ)が生成される。プラズマ生成室290内で生成された活性種等は、連通口203aを介して第2処理領域201b内へ供給される。
(改質工程S208)
その後、プラズマ生成部270によるプラズマ生成を継続し、ウエハ200の上にAlの層を形成していく改質工程S208を行う。改質工程S208では、ウエハ200が第1処理領域201a、第1パージ領域204a、第2処理領域201b、第2パージ領域204bの順に通過するようにサセプタ217が継続して回転している。これによりウエハ200には、TMAガスの供給、不活性ガスの供給、プラズマ状態とされた混合ガスの供給、不活性ガスの供給を1サイクルとして、このサイクルが順に実施される。
以下、図6を用い、改質工程S208の詳細を説明する。
(第1処理領域通過S302)
ウエハ200が第1処理領域201aを通過するときに、TMAガスがウエハ200に供給される。ウエハ200表面の上には、TMAガスがウエハ200の上に接触することによって「第1元素含有層」としてのAl含有層が形成される。
(第1パージ領域通過S304)
次に、ウエハ200は第1パージ領域204aに移動する。ウエハ200が第1パージ領域204aを通過するときに、第1処理領域201aにおいてウエハ200に結合できなかったTMAガスの成分が、不活性ガスによってウエハ200上から除去される。
(第2処理領域通過S306)
次に、ウエハ200は第2処理領域201bに移動する。ここでウエハ200は、小判型形状もしくは楕円形状をした側壁291の水平断面(連通口203aと同一形状)の長辺方向と直交するように回転方向Rに移動しながらプラズマ生成室290の下方を通過する。
プラズマ生成室290では前述のように側壁291に沿って誘導プラズマが形成されており、ウエハ200がプラズマ生成室290の下方を通過するときに、プラズマ生成室290内におけるプラズマ励起によって発生した酸素原子及び水素原子の少なくとも一方を含む活性種等により、Al含有層がAlの層に改質される。
(第2パージ領域通過S308)
次に、ウエハ200は第2パージ領域204bに移動する。ウエハ200が第2パージ領域204bを通過するときに、第2処理領域201bにおいてウエハ200に結合できなかった混合ガスの成分が、不活性ガスによってウエハ200上から除去される。
(判定S310)
この間、コントローラ300は、上記1サイクルを所定回数実施したか否かを判定する。具体的には、コントローラ300は、サセプタ217の回転数をカウントする。所定回数実施していないとき(S310でNoの場合)はさらにサセプタ217の回転を継続させて、S302、S304、S306、S308のサイクルを繰り返す。所定回数実施したとき(S310でYesの場合)は改質工程S208を終了する。
(プラズマ生成停止S210)
次に、改質工程208の後に、プラズマ生成部270の電力供給を停止し、プラズマ生成を停止する。
(ガス供給停止S212)
プラズマ生成停止S210の後、少なくともバルブ232d及びバルブ233dを閉じ、第1元素含有ガス及び混合ガスの第1処理領域201a及び第2処理領域201bへの供給を停止する。
(サセプタ回転停止S214)
ガス供給停止S212の後、サセプタ217の回転を停止する。以上により、薄膜形成工程S104が終了する。
(基板搬出工程S106)
次に、サセプタ217を下降させ、サセプタ217の表面から突出させたウエハ突き上げピン266上にウエハ200を支持させる。その後、ゲートバルブ151を開き、ウエハ移載機を用いてウエハ200を反応容器203の外へ搬出する。以上により、基板処理工程を終了する。
(4)改質工程S208の詳細について
ここで、改質工程S208におけるAlの層の形成において、以下のような課題が存在する。
本実施形態におけるプロセスチャンバ202は、ウエハ200が反応容器203の中心を周回することにより移動し、各処理領域を通過するように構成されている。従って、反応容器203の中心に近い面領域ほどサセプタ217の回転角速度に対するウエハ200の移動速度が小さく、反対に反応容器203の外周側に近い面領域ほどサセプタ217の回転角速度に対するウエハ200の移動速度が大きくなる。そのため、連通口203aの下方を通過し活性種等に曝される1サイクル当たりの時間は、ウエハ200の面領域のうち、反応容器203の中心に近い面領域ほど長く、反対に反応容器203の外周側に近い面領域ほど短い。結果として、1サイクル当たりの処理時間が短くなる面領域では改質反応が十分に行われず、形成されるAl膜の膜厚が面内において不均一となってしまう。また、改質反応が十分に行わない面領域に形成されたAl膜は膜質が低くなってしまう。このような課題は、サセプタ217の回転速度を大きくする場合においてより顕著になる。
上述の課題を解決するため、発明者は一手法として、酸素含有ガスをプラズマ励起する際にコイル293に供給する高周波電力を大きくして、活性種等の密度を上げることにより改質反応を促進させることを検討した。しかしながら、当該手法では顕著な改善結果を得ることはできなかった。そこで発明者は更なる解決手法として、本実施形態のように、Al含有層を改質する工程においてプラズマ励起される処理ガスとしてOガスとHガスの混合ガスを用いた。以下、比較例と本実施形態との比較を示す。
<比較例1>
比較例1では、本実施形態におけるプロセスチャンバ202を用いて、以下の処理条件においてAl膜の形成処理を行った。処理手順は上述の本実施形態のものと同様である。以下の処理条件では、プラズマ励起される酸素含有ガスとしてOガスのみを用いており、Hガスの混合は行っていない。
・高周波電力:500W
・供給流量1(TMAガス/Nガス):20sccm/225sccm
・供給流量2(Oガス/Hガス):3000sccm/供給無し
・処理室内圧力:120Pa
・基板温度:200℃
・サセプタ回転速度:60rpm
・処理時間:25min
<第1の実施例>
一方、本実施形態の第1の実施例として、以下の処理条件においてAl膜の形成処理を行った。第1の実施例と比較例1との処理条件における違いは、酸素含有ガスにおけるHガスの混合の有無のみである。
・供給流量1(TMAガス/Nガス):20sccm/225sccm
・供給流量2(Oガス/Hガス):2750sccm/250sccm
次に、比較例1と第1の実施例において形成された薄膜の膜厚に関する分析データをそれぞれ以下に示す。
a)比較例1
・面内膜厚均一性[±%]:2.30%
・面内膜厚均一性[ρ%]:1.46%
・面内最大膜厚差:85.19Å
・成膜レート[Å/サイクル]:1.23
b)第1の実施例
・面内膜厚均一性[±%]:0.76%
・面内膜厚均一性[ρ%]:0.55%
・面内最大膜厚差:29.95Å
・成膜レート[Å/サイクル]:1.32
本実験結果の比較から、第1の実施例において酸素含有ガスにHガスを混合したことにより、ウエハの面内膜厚均一性が大幅に改善されたことが分かる。また、比較例1と比べて第1の実施例では、成膜レートも向上されたことが分かる。
ここで、第1の実施例における面内膜厚均一性の改善については、プラズマ励起される酸素含有ガスとしてOガスとHガスの混合ガスを用いることにより、第2処理領域通過S306におけるAl含有層に対する改質反応が促進されたことが要因であると推測される。すなわち、この混合ガスを用いることにより、Al含有層に対する酸化力が向上したと考えられる。更にこれにより、プラズマ励起によって生成された活性種等に曝される時間が短いウエハ200上の面領域についてもAl含有層の改質反応が十分に行われるため、活性種等に曝される時間の長短にかかわらず、1サイクルでAl含有層を均一に改質することができるものと考えられる。
更に、第1の実施例では、ウエハ200の面内全体においてAl含有層に対する改質反応が十分に行われため、Al膜の成膜レートを向上させることができる。また同様に、第1の実施例では、処理時間が短いウエハ200の面領域においてもAl含有層に対する改質反応が十分に行われため、それらの面領域においても、形成されるAl膜の膜質、例えばウエットエッチングレート(WER)を改善することができる。なお、WERの改善の要因としては、更に混合ガスに含まれる活性化された水素原子の作用によって、形成されるAl膜中の不純物が還元・除去されるということも考えられる。
なお、本実施形態では、水素原子を含む活性種等がウエハ200に対して供給されるが、水素原子を含む活性種、例えばOHラジカル等は、他の活性種に比べて特に失活しやすい。従って、本実施形態におけるプラズマ生成部のように、プラズマが生成されるプラズマ生成室290から直接活性種等を処理室201内のウエハ200に供給できる構造となっていることが特に好ましい。
<第2の実施例>
続いて第2の実施例として、酸素含有ガスにおけるOガスとHガスの流量比率を変化させ、それぞれの流量比率におけるウエハ200の面内膜厚均一性と、形成されるAl膜の膜質を示すWERを測定した。図7にその測定結果を示す。なお、処理条件はOガスとHガスの流量比率以外は、第1の実施例と同じである。
図7に示すグラフの横軸は、OガスとHガスの混合ガスにおけるHガスの濃度(混合ガスにおけるHガスの流量比)を示している。グラフ中の■はウエハ200の面内膜厚均一性の測定値を示しており、◆は形成されたAl膜のWERの測定値を示している。
本実施例における測定結果から、Hガスの濃度が0%(OガスとHガスの流量比は100:0)、すなわち混合されていない場合は、面内膜厚均一性が2.5%程度であったが、Hガスの濃度が5%(同流量比は95:5)の場合は、面内膜厚均一性が1%未満まで大幅に改善されたことが分かる。また、Hガスの濃度が5%以上、50%以下(同流量比は50:50)の範囲では、面内膜厚均一性を1%未満に維持できていることが分かる。なお、Hガスの濃度が50%超の範囲では、Oガスの濃度低下により改質反応が低下するため、面内膜厚均一性が悪化していると推測される。従って、面内膜厚均一性を改善するためには、Hガスの濃度を5%以上50%以下の範囲の所定の濃度とすることが望ましい。
一方、WERについても同様の改善が確認できる。Hガスの濃度が0%の場合におけるWERを1とするWER比を指標とすると、Hガスの濃度が10%(同流量比は90:10)の場合は、WER比が0.7程度まで改善されたことが分かる。また、Hガスの濃度が10%以上の範囲では、WER比を同程度に維持できていることが分かる。なお、Hガスの濃度が80%超の範囲では、Oガスの濃度低下により改質反応が十分に行われないためにWER比が悪化していると推測される。従って、WERを改善するためには、Hガスの濃度を10%以上の範囲の所定の濃度とすることが望ましい。
また、面内膜厚均一性とWERの両者を改善するためには、Hガスの濃度を10%以上50%以下の範囲の所定の濃度とすることが望ましい。
なお、酸素含有ガスとしては、OガスとHガスの混合ガスに限らず、水蒸気(HO)のような酸素原子と水素原子を含む単一のガスを用いることも考えられる。しかし、単一のガスを用いる場合、酸素含有ガス中の酸素原子と水素原子の比率を任意に選択することができず、所望の比率を実現することが難しい。例えば、HOのみを用いる場合、ガス中の酸素原子と水素原子の比率を、50:50〜95:5のような望ましい比率とすることができない。一方、第1の実施例、及び第2の実施例を含む本実施形態では、酸素含有ガスとして、それぞれMFC233c、235cにより個別に流量調整が可能なOガスとHガスの混合ガスを用いている。そのため、混合ガス中の酸素原子と水素原子の比率を、各ガスの流量を調整することによって容易に調整することが可能となっている。
<比較例2>
続いて、本実施形態においては第1元素含有ガスとしてTMAガスを用いるのに対して、第2元素含有ガスとして四塩化チタン(TiCl)ガスを用いる例を比較例2として説明する。比較例2では、TiClガスを用いることにより、ウエハ200上に酸化チタン(TiO)膜を形成する。
比較例2における処理条件は、第1元素含有ガスの種類と流量を以下とした点以外は、第2の実施例とほぼ同様である。
・供給流量1(TiClガス/Nガス):60sccm/350sccm
第2の実施例と同様に、酸素含有ガスにおけるOガスとHガスの流量比率を変化させ、それぞれの流量比率におけるウエハ200の面内膜厚均一性を測定した。図8にその測定結果を示す。
比較例2における測定結果では、Hガスの濃度が0%の場合は、面内膜厚均一性が2.6%程度であった。一方、Hガスが混合されている場合、TMAガスを用いる本実施形態においては面内膜厚均一性が大幅に改善されたが、比較例2においてはHガスが混合された場合であっても面内膜厚均一性の有意な改善は確認されなかった。
本実施形態と比較例2との間におけるこのような効果の違いは、第1元素含有ガスと、水素原子を含む活性種等との間での反応の起こり易さに違いがあるために生じるものと推測される。例えばOガスとHガスの混合ガスをプラズマ励起して生成された活性種等は、TiClのような無機金属原料よりも、TMAのような有機金属原料と改質反応を起こし易いと考えられる。特に、メチル基やエチル基等のアルキル基をリガンドとして有する金属原料に対しては、アルキル基を脱離させて酸化する改質反応を起こし易いと考えられるため、本実施形態において特に好適である。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
第1元素含有ガスに含まれるリガンドとしては、例えば、エチル基やブチル基等のアルキル基や、シクロペンタジエニル基、カルボニル基等であってもよい。また、第1元素含有ガスとしては、例えば、Ti[(CN]、Ti[N(CH、Ta(OC、Hf[N(CH)CHCH、Hf[N(CH、Hf[N(C)、Zr[N(CH)CHCH、Zr[N(CH、Zr[N(C)、(C)Zr[N(CH)、(CNH)W(CN)、W(CO)、C1418Co、CoCO)、Y(CCH(CHCH、C1418Ru等の有機金属原料ガスを用いることも可能である。
200 ウエハ(基板)
201a 第1処理領域
201b 第2処理領域
203 反応容器
206 プラズマ生成部
217 サセプタ

Claims (10)

  1. 処理室内に回転自在に設けられた基板載置台上に、前記基板載置台の回転方向に沿って複数の基板を載置する工程と、
    前記基板載置台の回転方向に沿って前記処理室内に設けられた第1処理領域および第2処理領域を前記基板が通過するように前記基板載置台を回転させる工程と、
    前記第1処理領域内に第1元素を含有する第1元素含有ガスを供給する工程と、
    酸素ガス及び水素ガスを含む混合ガスをプラズマ励起して活性種を生成し、前記活性種を前記第2処理領域内に供給する工程と、を有し、
    前記混合ガスにおける酸素ガスと水素ガスの比率は95:5〜50:50の範囲の所定の比率である、
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記混合ガスにおける酸素ガスと水素ガスの比率は90:10〜50:50の範囲の所定の比率である、請求項1記載の方法。
  3. 前記基板を前記基板載置台上に載置する工程の後、前記基板を100℃以上300℃未満の範囲の所定温度に加熱する工程を更に有する、請求項1記載の方法。
  4. 前記基板を所定温度に加熱する工程では、前記基板を100℃以上200℃以下の範囲の所定温度に加熱する、請求項3記載の方法。
  5. 前記第1元素含有ガスは、メチル基を有する有機金属化合物を含むガスである、請求項1記載の方法。
  6. 前記有機金属化合物は、トリメチルアルミニウムである、請求項5記載の方法。
  7. 前記活性種を前記第2処理領域内に供給する工程では、前記活性種を前記第2処理領域に設けられた活性種供給口を介して前記第2処理領域内に供給する、
    請求項1記載の方法。
  8. 前記混合ガスはプラズマ生成部により励起され、
    前記プラズマ生成部は、前記混合ガスが供給されるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室の周囲に設けられ、高周波電力の印加を受けて前記プラズマ生成室内に供給された前記混合ガスをプラズマ励起するコイルと、を有し、
    前記活性種供給口は、前記第2処理領域内を通過する前記基板に対向するように前記第2処理領域の上部に設けられる、
    請求項7記載の方法。
  9. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内に回転自在に設けられ、回転方向に沿って複数の基板が載置される基板載置面を備えた基板載置台と、
    前記基板載置面に載置された前記基板を加熱するよう構成された加熱部と、
    前記基板載置台を回転させる回転機構と、
    前記基板載置台の回転方向に沿って前記処理室内に設けられた、前記複数の基板を処理する第1処理領域および第2処理領域と、
    前記第1処理領域に第1元素を含有する第1元素含有ガスを供給する第1元素含有ガス供給部と、
    酸素ガス及び水素ガスを含む混合ガスをプラズマ励起して活性種を生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマ生成部に前記混合ガスを供給する混合ガス供給部と、
    前記第2処理領域内に設けられ、前記プラズマ生成部で生成された前記活性種を前記第2処理領域内に供給する活性種供給口と、
    前記混合ガスにおける酸素ガスと水素ガスの比率が95:5〜50:50の範囲の所定の比率となるように前記混合ガス供給部を制御するように前記加熱部を制御するよう構成された制御部と、
    を備える基板処理装置。
  10. 基板処理装置の処理室内に回転自在に設けられた基板載置台上に、前記基板載置台の回転方向に沿って複数の基板を載置する手順と、
    前記基板載置台の回転方向に沿って前記処理室内に設けられた第1処理領域および第2処理領域を前記基板が通過するように前記基板載置台を回転させる手順と、
    前記第1処理領域内に第1元素を含有する第1元素含有ガスを供給する工程と、
    酸素ガス及び水素ガスを含む混合ガスをプラズマ励起して活性種を生成し、前記活性種を前記第2処理領域内に供給する手順と、を有し、
    前記混合ガスにおける酸素ガスと水素ガスの比率は95:5〜50:50の範囲の所定の比率である、
    コンピュータにより前記基板処理装置に実行させるプログラム。


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