JP6614660B2 - 多孔質ニッケルの製造方法 - Google Patents
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Description
前記アルミニウム含有溶融塩中に浸漬したニッケル基材に、アルミニウムが電析する電位を印加してニッケルアルミナイド合金層を形成するアルミニウム電析段階と、
前記ニッケルアルミナイド合金層を形成した前記ニッケル基材に、アルミニウムを溶解し、かつニッケルを溶解しない電位を印加して、前記ニッケルアルミナイド合金層からアルミニウムを溶解させて多孔質層を形成するアルミニウム溶解段階と、
を有する、多孔質ニッケルの製造方法。
前記アルミニウム溶解段階は、前記アルミニウム含有溶融塩中に参照極および対極を浸漬し、前記ニッケルアルミナイド合金層が形成された前記ニッケル基材をアノードとしたとき、前記参照極に対するアノード電位が−1.25V〜−0.3Vとなるようにする、上記(1)に記載の多孔質ニッケルの製造方法。
多孔質ニッケルの製造方法は、まずAl含有NaCl−KCl溶融塩を準備する(S1)。これには、塩化ナトリウム(NaCl)および塩化カリウム(KCl)とともに、アルミニウム(Al)源としてフッ化アルミニウム(AlF3)を用意する。これらをそれぞれ所定量坩堝などの耐熱容器に入れて加熱することでAl含有NaCl−KCl溶融塩を得る。なお、この溶融塩準備段階は、NaCl−KClを加熱して溶融塩を用意し、この溶融塩中にフッ化アルミニウム(AlF3)を溶解させてもよい。
次に、このAl含有NaCl−KCl溶融塩(レアアースを含む場合も含む。以下同様)中に浸漬したNi基材にカソード電位を印加して、Ni基材にAlを電析させる(S2)。
次に、NiAl層を形成したNi基材に、Alを溶解しかつNiを溶解しないアノード電位を印加して、NiAl層からAl(レアアースがある場合はそれを含めて)を溶解させて多孔質層を形成する(S3)。
実施例1および2の溶融塩を用いてAl電析を行った。実施例1については、それぞれ別のNi基材からなる試料を用いて、カソード電位を−1.4V、−1.5V、−1.6Vとした3つの試験を行った。実施例2についてはカソード電位を−1.5Vとした。いずれもカソード電位を一定にした定電位電析である。それぞれのAl電析時間は3.6ksとした。また、Al電析中の溶融塩温度は900℃とした。
実施例1〜3および比較例1の溶融塩を用いて、カソード電位−1.5Vによる定電位電析における時間経過に伴う電流密度の変化を観測した。電流密度はポテンショスタットの作用極(カソード)と対極(アノード)の間に流れる電流の密度である。溶融塩温度900℃で行った。
実施例1〜3および比較例1のAl電析後、NiAl層が形成されたNi基材(NiAl層付Ni基材)の試料を用いてAl溶解を行った。
次に、実施例1〜3および比較例1から作製したNiAl層付Ni基材を用いて、アノード電位を変化させてAl溶解を行い、分極電流を観測した。ここで用いた試料は、試験3同様に、実施例1〜3および比較例1の溶融塩を用いて、カソード電位−1.5V、溶融塩温度900℃。時間3.6ksによる定電位電析を行って作製した。
次に、実施例4および5の溶融塩を用いてAl電析を行った。いずれもカソード電位は−1.5Vの定電位電析である。Al電析時間は3.6ks、溶融塩温度は900℃とした。
次に、実施例5および比較例1の溶融塩で作製したNiAl層付Ni基材を用いて、アノード電位を変化させてAl溶解を行い、分極電流を観測した。NiAl層付Ni基材の作製(Al電析段階)は試験5と同様に、カソード電位−1.5V、溶融塩温度900℃、時間3.6ksで行った。
次に、実施例5の溶融塩から作製したNiAl層付Ni基材を用いて、Al溶解を行い時間経過に伴う電流密度の変化を観測した。電流密度はポテンショスタットの作用極(アノード)と対極(カソード)の間に流れる電流の密度である。なお、NiAl層付Ni基材の作製(Al電析段階)は試験5と同様に、カソード電位−1.5V、900℃、3.6ksで行った。Al溶解は、等モル量のNaCl−KCl溶融塩、溶融塩温度750℃、アノード電位−0.3V一定で行った。
次に、実施例5の溶融塩から作製したNiAl層付Ni基材を用いて、Al溶解を行い多孔質層を形成した。なお、NiAl層付Ni基材の作製(Al電析段階)は試験5と同様に、カソード電位−1.5V、溶融塩温度900℃、時間3.6ksで行った。Al溶解は、等モル量のNaCl−KCl溶融塩、溶融塩温度750℃、アノード電位−0.3V一定で、時間3.6ks行った。
次に、実施例6の溶融塩を用いてAl電解を行ってNiAl層付Ni基材を製作した。すなわち、等モル量のNaCl−KClに、Al3.5mol%、およびHf0.1mol%を含む溶融塩を用いてAl電析を行った。Al電析は、溶融塩温度900℃、アノード電位−1.5V一定、時間3.6ksによる定電位電析である。
次に、YF3の濃度を変えてAl電析を行い、Al電析の前後での質量増加量を計測した。
101 Ni基材、
101a NiAl層付Ni基材、
102 NiAl層、
103 多孔質層、
200 電析溶解装置、
201 電気炉、
202 石英管、
203 アルミナ坩堝、
204 蓋部、
206 排気管、
210 ポテンショスタット、
211 参照極、
212 対極、
213 作用極、
214 温度センサー、
220 電気炉制御装置。
Claims (5)
- 塩化ナトリウム、塩化カリウム、およびアルミニウムを含むアルミニウム含有溶融塩を準備する溶融塩準備段階と、
前記アルミニウム含有溶融塩中に浸漬したニッケル基材に、アルミニウムが電析する電位を印加してニッケルアルミナイド合金層を形成するアルミニウム電析段階と、
前記ニッケルアルミナイド合金層を形成した前記ニッケル基材に、アルミニウムを溶解し、かつニッケルを溶解しない電位を印加して、前記ニッケルアルミナイド合金層からアルミニウムを溶解させて多孔質層を形成するアルミニウム溶解段階と、
を有する、多孔質ニッケルの製造方法。 - 前記アルミニウム電析段階は、前記アルミニウム含有溶融塩中に参照極および対極を浸漬し、前記ニッケル基材をカソードとしたとき、前記参照極に対するカソード電位が−1.8V〜−1.2Vとなるようにし、
前記アルミニウム溶解段階は、前記アルミニウム含有溶融塩中に参照極および対極を浸漬し、前記ニッケルアルミナイド合金層が形成された前記ニッケル基材をアノードとしたとき、前記参照極に対するアノード電位が−1.25V〜−0.3Vとなるようにする、請求項1に記載の多孔質ニッケルの製造方法。 - 前記溶融塩準備段階は、アルミニウム源としてフッ化アルミニウムを用いて、前記アルミニウム含有溶融塩の全量に対し前記フッ化アルミニウムの濃度を1〜5mol%にする、請求項1または2に記載の多孔質ニッケルの製造方法。
- 前記溶融塩準備段階は、前記アルミニウム含有溶融塩に、さらにイットリウム、ジルコニウム、およびハフニウムのうち少なくともいずれか一つの元素を含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の多孔質ニッケルの製造方法。
- 前記溶融塩準備段階は、前記イットリウム、ジルコニウム、ハフニウムのうち少なくともいずれか一つの元素源として、フッ化イットリウム、フッ化ジルコニウム、およびフッ化ハフニウムからなる群から選択されたいずれか一つのフッ化金属を用いて、前記アルミニウム含有溶融塩の全量に対し前記いずれか一つのフッ化金属の濃度を0.01〜0.2mol%にする、請求項4記載の多孔質ニッケルの製造方法。
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