JP6614206B2 - 金型用ガス抜き装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金型用ガス抜き装置に関する技術分野に属する。
従来より、鋳造品を鋳造する金型のキャビティ内からガスを抜くための金型用ガス抜き装置として、特許文献1や特許文献2に開示されたものが知られている。これらの金型用ガス抜き装置は、固定型及び可動型の合わせ面部に形成された排気通路を備えている。この排気通路の入口は、金型のキャビティに連通し、出口は、キャビティ内のガスを吸引する吸引装置に接続されている。上記固定型における上記排気通路の入口側には、断面円形の受圧ピンが設けられている。この受圧ピンは、排気通路側及び反排気通路側に摺動自在に設けられていて、該排気通路に流入した溶湯の流動圧により反排気通路側へ摺動するように構成されている。また、上記固定型における上記排気通路の出口側には、上記受圧ピンの反排気通路側への摺動により、連動レバーを介して、上記排気通路を閉じるように構成された閉鎖バルブが設けられている。この構成により、排気通路に流入した溶湯が、上記排気通路の出口から排出されるのを防止することができる。
上記特許文献1では、上記受圧ピンの排気通路側の端面である先端面に、溶湯と該先端面との接触面積を増大させて受圧ピンを反排気通路側へ押圧し易くするために、椀状の凹部が形成されている。また、上記特許文献2では、底面側の端部が拡径された略円柱状の凹部が形成されている。
特開2000−197959号公報 特開2000−094113号公報
ところで、上記のような金型用ガス抜き装置では、受圧ピンががたつくことなくかつスムーズに摺動するように、受圧ピンの外周面と該受圧ピンが嵌合する嵌合孔の内周面との間に、所定の隙間を設ける必要がある。このため、その隙間に溶湯が入り込み、キャビティで繰り返し多数の鋳造品を形成し続けると、やがて、その隙間に入り込んで固化した溶湯により、受圧ピンが摺動し難くなって、閉鎖バルブにより排気通路を閉じることができなくなったり、閉鎖バルブ自体も作動し難くなって、キャビティ内からガスを抜くことができなくなったりする。
そこで、本発明者らは、鋭意研究した結果、受圧ピンの先端面に形成する窪み部(凹部)の形状及び内径を適切にすることで、溶湯が上記隙間に入り難くなることを見出した。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、受圧ピンの外周面と該受圧ピンが嵌合する嵌合孔の内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを出来る限り抑制しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、固定型と、可動型と、該固定型及び該可動型の合わせ面に形成され、金型のキャビティに連通する排気通路と、上記固定型における上記排気通路の入口側に、排気通路側及び反排気通路側に摺動自在に設けられ、該排気通路に流入する溶湯の流動圧により反排気通路側へ摺動するように構成された断面円形の受圧ピンと、上記固定型における上記排気通路の出口側に設けられ、上記受圧ピンの反排気通路側への摺動により、連動レバーを介して、上記排気通路を閉じるように構成された閉鎖バルブと、を備えた金型用ガス抜き装置を対象として、上記受圧ピンの排気通路側の端面である先端面に、該受圧ピンと同心状に、該受圧ピンの軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部が形成されており、上記窪み部は、上記受圧ピンの外径から該窪み部の内径を引いた値の1/2が、0よりも大きくかつ1mm以下になるように形成されており、上記窪み部の底面が、反排気通路側ほど径が小さくなる先細り状に形成されている、という構成とした。
上記の構成により、排気通路に勢いよく流入した溶湯が受圧ピンの窪み部に一旦入り込み易くなり、窪み部に入り込んだ溶湯は、窪み部の、受圧ピン軸方向に沿って延びる内周面に当接して、溶湯の速度が低減される。こうして速度が低減されて勢いがなくった溶湯は、窪み部から出た後は、上記隙間に入り難くなる。仮に、窪み部の形状が椀状や円錐状である場合には、溶湯が窪み部に入り込んでも、窪み部による溶湯の速度低減効果が十分に得られないまま窪み部から出てしまう。また、窪み部の内径が小さい場合には、溶湯が窪み部に入り難くなって、溶湯の速度低減効果が得られない。したがって、受圧ピンの先端面に、受圧ピンの軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部を形成して、該窪み部の内径を大きくする(受圧ピンにおける窪み部周囲の部分の肉厚を薄くする)ことで、溶湯の速度を十分に低減して、受圧ピンの外周面と嵌合孔の内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを出来る限り抑制することができる。
また、窪み部の底面が、反排気通路側ほど径が小さくなる先細り状に形成されていることで、窪み部に入り込んだ溶湯により、受圧ピンを反排気通路側へ良好に押圧することができる。また、窪み部をドリルにより容易に加工することができる。
上記金型用ガス抜き装置において、上記受圧ピンの外径から上記窪み部の内径を引いた値の1/2が、0.5mm以上でかつ1mm以下である、ことが好ましい。
このことにより、受圧ピンにおける窪み部周囲の部分の肉厚(つまり強度)を確保しながら、出来る限り多くの溶湯を窪み部に入れて、溶湯の速度を十分に低減することができる。よって、受圧ピンの外周面と嵌合孔の内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを最大限に抑制することができる。
上記金型用ガス抜き装置において、上記窪み部の内周面の、上記受圧ピンの軸方向の長さが、3mm以上でかつ4mm以下である、ことが好ましい。
このことで、窪み部に入り込んだ溶湯の速度低減効果が良好に得られるとともに、受圧ピンにおける窪み部周囲の部分(肉厚が薄い部分)の受圧ピン軸方向の長さが長くなり過ぎず、該部分の肉厚を小さくしても、該部分の強度を確保し易くなる。よって、受圧ピンにおける窪み部周囲の部分の強度を確保しながら、受圧ピンの外周面と嵌合孔の内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを、より一層良好に抑制することができる。
上記金型用ガス抜き装置の一実施形態では、上記受圧ピンの軸方向中間部に、上記先端面の径よりも小さい小径部が形成されている。
このことにより、受圧ピンの摺動抵抗を出来る限り小さくして、受圧ピンを摺動させ易くすることができる。一方、このような小径部があると、受圧ピンの外周面と嵌合孔の内周面との間の隙間に入り込んだ溶湯が、その小径部に溜まり易く、受圧ピンの摺動不良を招き易い。しかし、本発明では、上記隙間に溶湯が入り込むのを抑制することができるので、受圧ピンの摺動抵抗を出来る限り小さくしながら、溶湯による受圧ピンの摺動不良を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の金型用ガス抜き装置によると、受圧ピンの先端面に、該受圧ピンと同心状に、該受圧ピンの軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部が形成され、上記窪み部は、上記受圧ピンの外径から該窪み部の内径を引いた値の1/2が、0よりも大きくかつ1mm以下になるように形成され、上記窪み部の底面が、反排気通路側ほど径が小さくなる先細り状に形成されていることにより、受圧ピンの外周面と該受圧ピンが嵌合する嵌合孔の内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを出来る限り抑制することができる。
本発明の実施形態に係る金型用ガス抜き装置が設けられたダイキャスト用金型の基本構成を示す断面図である。 金型用ガス抜き装置の詳細構成を示す断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 受圧ピンを示す側面図(一部断面図)である。 受圧ピンA、受圧ピンB、受圧ピンC及び受圧ピンDについて、受圧ピンの外周面とピン用ブッシュの嵌合孔の内周面との間の隙間に入り込んだアルミニウム量を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金型用ガス抜き装置1が設けられたダイキャスト用金型31(以下、金型31という)の基本構成を示し、図2は、金型用ガス抜き装置1の詳細構成を示す。
金型31は、固定主型32と、固定主型32に対して離接する方向(図1の左右方向)に移動する可動主型33とを備える。固定主型31には、キャビティ固定型34が設けられ、可動主型33には、キャビティ可動型35が可動主型33と共に移動するように設けられている。キャビティ固定型34及びキャビティ可動型35の合わせ面には、鋳造品(アルミニウム鋳造品やマグネシウム鋳造品等)を形成するキャビティ36が形成されている。
固定主型32は、キャビティ36に連通する射出スリーブ38を有し、この射出スリーブ38内には、射出ピストン39が嵌挿されている。この射出ピストン39によって射出スリーブ38内の溶湯(アルミニウム溶湯やマグネシウム溶湯等)を押し出してキャビティ36内に充填させる。
可動主型33には、キャビティ36での鋳造品の形成後における金型31の型開き後に該鋳造品を押し出すための押圧板41及び押出ピン42が設けられている。
金型用ガス抜き装置1は、キャビティ36を挟んで、溶湯が充填される側(図1の下側)とは反対側(図1の上側)に設けられていている。金型用ガス抜き装置1は、固定主型32に設けられた固定型2と、可動主型33に設けられて可動主型33と共に移動する可動型33とを備えている。可動型33は、固定型2に対して離接する方向(図1の左右方向、図2の上下方向)に移動することになる。固定型2及び可動型3の合わせ面には、キャビティ36に連通してキャビティ36内のガスを排気するための排気通路4が形成されている。
本実施形態では、排気通路4の長さ方向の中間部分が、固定型2及び可動型3の合わせ面に形成されている。排気通路4におけるキャビティ側(入口側)の部分は、キャビティ固定型34及びキャビティ可動型35の合わせ面に形成されていて、キャビティ36に接続されている。一方、排気通路4における出口側の部分は、後述のバルブ用ブッシュ13内及び固定型2内に形成されている。排気通路4の出口は、キャビティ36内のガスを吸引する吸引装置5に接続されている。
排気通路4における、固定型2及び可動型3の合わせ面に形成された部分は、入口側(図2の右側)から後述の受圧ピン8の先端面に対向する位置にまで延びた後、図2の紙面の手前側及び奥側を通って(迂回して)、後述の閉鎖バルブ12の弁本体部12aに対向する位置に達する。
金型用ガス抜き装置1は、固定型2における排気通路4の入口側(図2の右側)に設けられた断面円形の受圧ピン8と、固定型2における排気通路4の出口側(図2の左側)に設けられた閉鎖バルブ12とを更に備えている。
受圧ピン8は、固定型2及び可動型3の合わせ面に垂直な方向に延び、かつ、該方向の排気通路4側(可動型3側)及び反排気通路4側(反可動型3側)に摺動自在に設けられている。本実施形態では、受圧ピン8の排気通路4側の部分が、固定型2に固定された円筒状のピン用ブッシュ9の中心部を貫通する嵌合孔9aに嵌合されており、受圧ピン8はピン用ブッシュ9に対して摺動する。受圧ピン8の排気通路4側の端面である先端面並びに後述の窪み部8cの内周面及び底面に、排気通路4に流入した溶湯が接触して、該溶湯が、その流動圧でもって、受圧ピン8を反排気通路4側へ押圧する。これにより、受圧ピン8は、反排気通路4側へ摺動する。
受圧ピン8の外周面とピン用ブッシュ9の嵌合孔9aの内周面との間の隙間量は、受圧ピン8ががたつくことなくかつスムーズに摺動するような所定の範囲内(受圧ピン8と嵌合孔9aとの嵌合レベルとして、従来と同様の嵌合レベル(例えば、0.01mm以上でかつ0.025mm以下の範囲内))にある。尚、受圧ピン8の軸方向中間部(ピン用ブッシュ9の嵌合孔9a内に位置する部分)には、上記先端面の径よりも小さい小径部8aが形成されている。また、本実施形態では、ピン用ブッシュ9の嵌合孔9aの内周面におけるブッシュ軸方向の中間部に、他の部分の内径よりも大きい内径を有する大径部9bが形成されている。受圧ピン8の小径部8a及び嵌合孔9aの内周面の大径部9bは、受圧ピン8の摺動抵抗を出来る限り小さくするためのものである。これら小径部8a及び大径部9bは、なくてもよい。
また、受圧ピン8の反排気通路4側の端面である後端面の近傍部分(ピン用ブッシュ9の嵌合孔9aから外側に出た部分)には、上記先端面の径よりも大きい大径部8bが形成されている。この大径部8bは、受圧ピン8が排気通路4側へ摺動したときに、固定型2に当接するようになっており、受圧ピン8は、その当接した位置から排気通路4側へ摺動することができないようになされている。
閉鎖バルブ12も、受圧ピン8と同様に、固定型2及び可動型3の合わせ面に垂直な方向に延びている。閉鎖バルブ12は、該閉鎖バルブ12の軸方向の可動型3側の端部に、円板状の弁本体部12aを有するとともに、閉鎖バルブ12の軸方向の中間部に、固定型2に固定された円筒状のバルブ用ブッシュ13の中心部を貫通する貫通孔13aに嵌合して摺動する摺動部12bを有する。この摺動部12bの摺動により、閉鎖バルブ12は、閉鎖バルブ12の軸方向の可動型3側及び反可動型3側に摺動することになる。
バルブ用ブッシュ13の貫通孔13aの可動型3側の部分は、排気通路4の一部とされていて、バルブ用ブッシュ13の周側面に形成された連通孔13b、及び、排気通路4における、固定型2内に形成された部分を介して、排気通路4の出口(吸引装置5)に接続される。バルブ用ブッシュ13の貫通孔13aの可動型3側の開口端は、排気通路4における、弁本体部12aに対向する部分に接続される。
弁本体部12aは、閉鎖バルブ12が反可動型3に摺動したときに、バルブ用ブッシュ13の貫通孔13aの可動型3側の開口端を閉じる(つまり、排気通路4を閉じる)ように構成されている。また、弁本体部12aは、閉鎖バルブ12が可動型3側に摺動したときには、上記開口端を開く(つまり、排気通路4を開く)。
閉鎖バルブ12における、貫通孔13aで構成された排気通路4内に位置する部分は、図3に示すように、貫通孔13aの内径と略同じ外径を有する円筒の周方向の3箇所に切欠部12cが形成された形状をなし、各切欠部12cと貫通孔13aの内周面との間の空間が排気通路4となっている。
閉鎖バルブ12は、受圧ピン8の反排気通路4側への摺動により、連動レバー15を介して、排気通路4を閉じるように構成されている。具体的に、連動レバー15は、受圧ピン8の中心軸及び閉鎖バルブ12の中心軸を含む平面に対して垂直な方向(図2において紙面に垂直な方向)に延びる揺動軸16回りに揺動(回動)可能に構成されている。この揺動軸16は、受圧ピン8よりも排気通路4の入口側に設けられており、連動レバー15は、揺動軸16から、上記平面に沿って閉鎖バルブ12における後述の係合凹部12dの位置にまで延びている。
連動レバー15の先端部は、閉鎖バルブ12の軸方向の反可動型3側の端部近傍における周側面に設けられた係合凹部12dに係合している。連動レバー15の長さ方向中間部と受圧ピン8の後端面とは、互いに当接可能な位置関係にある。金型31の型開き状態では、連動レバー15は、圧縮スプリング17によって、上記平面に対して垂直な方向に延びる押圧板18を介して、揺動軸16回りに、図2で反時計回り方向に付勢される。これにより、受圧ピン8の後端面が連動レバー15により押圧されて、受圧ピン8は排気通路4側へ摺動する。また、閉鎖バルブ12は、可動型3側へ摺動して、排気通路4を開く。
この状態から金型31を型締め状態(図2の状態)にすると、可動型3によって押圧ピン19を介して押圧板18が、圧縮スプリング17の付勢力に抗して反可動型3側に押圧される。これにより、連動レバー15には、圧縮スプリング17の付勢力は作用しなくなる。また、受圧ピン8及び閉鎖バルブ12にも力が作用しなくなり、図2に示すように、これらは、上記のように連動レバー15により押圧された位置に位置する。つまり、閉鎖バルブ12は、排気通路4を開いた状態にある。尚、受圧ピン8は、大径部8bが固定型2に当接するまで排気通路4側へ摺動することもある。
金型31を型締め状態にした後、射出ピストン39によってキャビティ36内に溶湯を充填させる。その際、吸引装置5が作動して、排気通路4を介して、キャビティ36内からガスが抜かれる。
そして、キャビティ36内に溶湯が充填された後、溶湯が排気通路4に流入する。この溶湯が受圧ピン8の先端面に対向する位置に達して、溶湯の流動圧により受圧ピン8が反排気通路4側へ摺動する。この受圧ピン8の摺動により、該受圧ピン8の後端面によって連動レバー15の長さ方向中間部が反可動型3側へ押圧される。これにより、連動レバー15が揺動軸16回りに、図2で時計回り方向に回動する。この連動レバー15の回動により、閉鎖バルブ12が反可動型3側へ摺動して、排気通路4を閉じる。この閉鎖バルブ12の閉じ動作と並行して、溶湯は、受圧ピン8の先端面と対向する位置から、閉鎖バルブ12の弁本体部12aに対向する位置に向かうが、排気通路4が迂回しているので、溶湯が弁本体部12aに対向する位置に達する前に、閉鎖バルブ12が排気通路4を閉じる。こうして、排気通路4に流入した溶湯が、排気通路4における、閉鎖バルブ12の弁本体部12aよりも下流側(延いては、吸引装置5)に流れることが防止される。
受圧ピン8の外周面とピン用ブッシュ9の嵌合孔9aの内周面との間には、上記のような所定の範囲内の量の隙間が形成されているため、その隙間に溶湯が入り込み、キャビティで繰り返し多数の鋳造品を鋳造し続けると、やがて、その隙間に入り込んで固化した溶湯により、受圧ピン8が摺動し難くなって、閉鎖バルブ12により排気通路4を閉じることができなくなったり、閉鎖バルブ12の特に切欠部12cとバルブ用ブッシュ13の貫通孔13aの内周面との間に、固化した溶湯が詰まって、キャビティ36内からガスを抜くことができなくなったりする。特に受圧ピン8の小径部8aには、溶湯が溜まり易く、受圧ピン8の摺動不良を招き易い。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、受圧ピン8の先端面に、該受圧ピン8と同心状に、該受圧ピン8の軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部8cが形成され、この窪み部8cは、受圧ピンの外径D2から窪み部の内径D1を引いた値の1/2(=t)が、0よりも大きくかつ所定値以下になるように形成されている。すなわち、窪み部の内径D1を大きくして(受圧ピン8における窪み部8c周囲の部分の肉厚tを薄くして)、窪み部8cの内周面が、受圧ピン8の径方向において受圧ピン8の外周面に対して近接するようにする。上記所定値は、溶湯が上記隙間に入るのを抑制できるような値(小さいほど好ましい)に設定されるが、本実施形態では、1mmに設定される
溶湯が上記隙間に入るのを抑制する観点からは、上記所定値が小さいほど好ましいが、受圧ピン8における窪み部8c周囲の部分の肉厚tが薄くなり過ぎると、該部分の強度が低くなるので、このことも考慮して、窪み部8cの内径D1を決定するのがよい。したがって、上記部分の強度を確保しながら、溶湯が上記隙間に入るのを抑制する観点から、受圧ピン8の外径D2から窪み部8cの内径D1を引いた値の1/2は、0.5mm以上でかつ1mm以下であることが好ましい。
受圧ピン8の先端面に、上記のような窪み部8cが形成されていると、排気通路に勢いよく流入した溶湯が窪み部8cに一旦入り込み易くなり、窪み部8cに入り込んだ溶湯は、窪み部8cの、受圧ピン8軸方向に沿って延びる内周面に当接して、溶湯の速度が低減される。こうして速度が低減されて勢いがなくった溶湯は、窪み部8cから出た後は、上記隙間に入り難くなる。仮に、窪み部8cの形状が椀状や円錐状である場合には、溶湯が窪み部8cに入り込んでも、窪み部8cによる溶湯の速度低減効果が十分に得られないまま窪み部8cから出てしまう。また、窪み部8cの内径D1が小さい場合には、溶湯が窪み部8cに入り難くなって、溶湯の速度低減効果が得られない。したがって、受圧ピン8の先端面に上記のような窪み部8cが形成されていることで、溶湯の速度を十分に低減して、上記隙間に溶湯が入り込むのを出来る限り抑制することができる。
窪み部8cの内周面の、受圧ピン8の軸方向の長さL(窪み部8cの最外周部での深さ)は、3mm以上でかつ4mm以下であることが好ましい。すなわち、上記長さLが3mm以上であることで、窪み部8cに入り込んだ溶湯の速度低減効果が良好に得られるようになる。また、上記長さLが4mm以下であることで、受圧ピン8における窪み部8c周囲の部分(肉厚が薄い部分)の受圧ピン8軸方向の長さが長くなり過ぎず、該部分の肉厚tを小さくしても、該部分の強度を確保し易くなる。よって、受圧ピン8における窪み部8c周囲の部分の強度を確保しながら、上記隙間に溶湯が入り込むのを、より一層良好に抑制することができる。
本実施形態では、窪み部8cの底面は、反排気通路4側ほど径が小さくなる先細り状(本実施形態では、円錐状)に形成されている。これは、窪み部8cをドリルにより加工したからである。このような底面形状にすることで、窪み部8cに入り込んだ溶湯により、受圧ピン8を反排気通路4側へ良好に押圧することができるようになる。尚、窪み部8cの底面は、反排気通路4側ほど径が小さくなる円錐台形状に形成されていてもよい
ここで、受圧ピン8として、受圧ピンA、受圧ピンB、受圧ピンC及び受圧ピンDの4種類を用意して、各受圧ピン8を金型用ガス抜き装置1にそれぞれ組み込み、各受圧ピン8を組み込んだ金型用ガス抜き装置1によりガス抜きを行いながら、ダイキャスト用金型31のキャビティ36でそれぞれ1000個の鋳造品(ここでは、アルミニウム鋳造品)を形成した後に、各受圧ピン8の外周面とピン用ブッシュ9の嵌合孔9aの内周面との間の隙間にそれぞれ入り込んだアルミニウム量を測定した。
各受圧ピン8の外径D2は同じであり、15mmとした。受圧ピンAには、窪み部8cが設けられておらず、受圧ピンAの先端面は、受圧ピンAの中心軸に対して垂直な平面である。受圧ピンB、受圧ピンC及び受圧ピンDは、受圧ピンAの先端面に、ドリルで、上記実施形態と同様の窪み部8cを形成したものであり、窪み部8cの内径D1が互いに異なる。受圧ピンBの窪み部8cの内径D1は11mmである(上記肉厚t=2mm)。受圧ピンCの窪み部8cの内径D1は13mmである(上記肉厚t=1mm)。受圧ピンDの窪み部8cの内径D1は14mmである(上記肉厚t=0.5mm)。受圧ピンB、受圧ピンC及び受圧ピンDの窪み部8cの受圧ピン軸方向の長さLは、いずれも3mmとした。
上記測定の結果を図5に示す。この結果より、窪み部8cの内径D1が大きいほど(上記肉厚tが小さいほど)、上記隙間に溶湯が入り込み難くなることが分かる。特に、受圧ピンC及び受圧ピンDのように、受圧ピン8の外径D2から窪み部8cの内径D1を引いた値の1/2(上記肉厚t)が1mm以下であれば、その効果が顕著であることが分かる。
したがって、本実施形態では、受圧ピン8の先端面に、受圧ピン8と同心状に、受圧ピン8の軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部8cが形成され、その窪み部8cは、受圧ピン8の外径D2から窪み部8cの内径を引いた値の1/2(上記肉厚t)が、0よりも大きくかつ上記所定値以下になるように形成されているので、受圧ピン8の外周面とピン用ブッシュ9の嵌合孔9aの内周面との間の隙間に溶湯が入り込むのを出来る限り抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、鋳造品を鋳造する金型のキャビティ内からガスを抜くための金型用ガス抜き装置に有用である。
1 金型用ガス抜き装置
2 固定型
3 可動型
4 排気通路
8 受圧ピン
8a 小径部
9 ピン用ブッシュ
9a 嵌合孔
12 閉鎖バルブ
12a 弁本体部
15 連動レバー
31 ダイキャスト用金型
36 キャビティ

Claims (4)

  1. 固定型と、可動型と、該固定型及び該可動型の合わせ面に形成され、金型のキャビティに連通する排気通路と、上記固定型における上記排気通路の入口側に、排気通路側及び反排気通路側に摺動自在に設けられ、該排気通路に流入する溶湯の流動圧により反排気通路側へ摺動するように構成された断面円形の受圧ピンと、上記固定型における上記排気通路の出口側に設けられ、上記受圧ピンの反排気通路側への摺動により、連動レバーを介して、上記排気通路を閉じるように構成された閉鎖バルブと、を備えた金型用ガス抜き装置であって、
    上記受圧ピンの排気通路側の端面である先端面に、該受圧ピンと同心状に、該受圧ピンの軸方向に内径が一定の円柱状の窪み部が形成されており、
    上記窪み部は、上記受圧ピンの外径から該窪み部の内径を引いた値の1/2が、0よりも大きくかつ1mm以下になるように形成されており、
    上記窪み部の底面が、反排気通路側ほど径が小さくなる先細り状に形成されていることを特徴とする金型用ガス抜き装置。
  2. 請求項1記載の金型用ガス抜き装置において、
    上記受圧ピンの外径から上記窪み部の内径を引いた値の1/2が、0.5mm以上でかつ1mm以下であることを特徴とする金型用ガス抜き装置。
  3. 請求項1又は2記載の金型用ガス抜き装置において、
    上記窪み部の内周面の、上記受圧ピンの軸方向の長さが、3mm以上でかつ4mm以下であることを特徴とする金型用ガス抜き装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載の金型用ガス抜き装置において、
    上記受圧ピンの軸方向中間部に、上記先端面の径よりも小さい小径部が形成されていることを特徴とする金型用ガス抜き装置。
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