以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板液処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
次に、処理ユニット16の構成について図2を参照して説明する。図2は、処理ユニット16の概略構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウェハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウェハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、処理流体供給源70に接続される。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
次に、処理ユニット16の排気経路について図3を参照して説明する。図3は、処理ユニット16の排気経路を示す図である。なお、図3では、処理ユニット16の排気経路を説明するために必要な構成要素を主に示しており、一般的な構成要素についての記載を適宜省略している。
まず、本実施形態に係る処理ユニット16の構成について説明する。図3に示すように、処理ユニット16が備える処理流体供給部40(「処理液供給部」の一例に相当)は、ノズル41と、このノズル41に一端が接続される配管42とを備える。配管42の他端は複数に分岐しており、分岐した各端部には、それぞれアルカリ系処理液供給源71、酸系処理液供給源72、有機系処理液供給源73およびDIW供給源74が接続される。また、各供給源71〜74とノズル41との間には、バルブ75〜78が設けられる。
かかる処理流体供給部40は、各供給源71〜74から供給されるアルカリ系処理液、酸系処理液、有機系処理液およびDIW(常温の純水)をノズル41からウェハWの表面(被処理面)に対して供給する。
本実施形態では、アルカリ系処理液としてSC1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)、酸系処理液としてHF(フッ酸)、有機系処理液としてIPA(イソプロピルアルコール)が用いられるものとする。なお、酸系処理液、アルカリ系処理液および有機系処理液は、これらに限定されない。
なお、本実施形態では、アルカリ系処理液、酸系処理液、有機系処理液およびDIWが1つのノズル41から供給されるものとするが、処理流体供給部40は、各処理液に対応する複数のノズルを備えていてもよい。
ここで、SC1使用時に処理ユニット16から排出されるアルカリ系排気と、HF使用時に処理ユニット16から排出される酸系排気と、IPA使用時に処理ユニット16から排出される有機系排気とは、たとえば安全性や排気管の汚染防止等の面から個別に排出することが好ましい。このため、本実施形態に係る基板処理システム1では、アルカリ系排気、酸系排気および有機系排気ごとに排気経路が設けられる。
つづいて、処理ユニット16の排気経路の構成について説明する。基板処理システム1の処理ステーション3は、処理ユニット16の排気経路として、第1排気管100と、第2排気管200と、排気切替ユニット300とを備える。
第1排気管100は、複数の個別排気管101〜103を備える。個別排気管101は、アルカリ系排気が流れる排気管であり、個別排気管102は、酸系排気が流れる排気管であり、個別排気管103は、有機系排気が流れる排気管である。これら個別排気管101〜103には、排気機構151〜153がそれぞれ設けられる。排気機構151〜153としては、ポンプ等の吸気装置を用いることができる。
本実施形態に係る個別排気管101〜103は、少なくとも一部が処理ユニット16よりも上方に配置される。個別排気管101〜103の具体的な配置については後述する。
第2排気管200は、処理ユニット16からの排気を第1排気管100へ導く配管である。かかる第2排気管200は、処理ユニット16の排気口52に一端側が接続され、他端が、後述する排気切替ユニット300を介して、第1排気管100の処理ユニット16よりも上方に配置される部分に接続される。
第2排気管200は、処理ユニット16の排気口52から水平に延びる水平部201と、水平部201の下流側に設けられ、上方に向かって鉛直に延びる上昇部202とを備える。また、上昇部202の最下位置には、第2排気管200内の液体を外部へ排出するドレン部250が設けられる。
排気切替ユニット300は、第2排気管200の上昇部202に接続され、処理ユニット16からの排気の流出先を個別排気管101〜103の何れかに切り替える。第1排気管100と同様、かかる排気切替ユニット300も処理ユニット16よりも上方に配置される。
処理ユニット16の排気経路は上記のように構成されており、処理ユニット16からの排気は、第2排気管200および排気切替ユニット300を介して個別排気管101〜103の何れかに流出する。
ここで、本実施形態に係る基板処理システム1では、上述したように、第1排気管100の少なくとも一部と排気切替ユニット300とが処理ユニット16よりも上方に配置され、第2排気管200の他端側が、排気切替ユニット300を介して、第1排気管100の処理ユニット16よりも上方に配置される部分に接続される。これにより、処理ユニット16からの排気は、第2排気管200の上昇部202を上昇した後、排気切替ユニット300から第1排気管100へ流出することとなる。
処理ユニット16からの排気には、ミストが含まれる場合がある。しかし、ミストは気体よりも重いため、排気と比較して上昇部202を上昇し難い。このため、ミストを含んだ排気は、上昇部202を流れる間に、上昇部202を上昇し易い排気と上昇部202を上昇し難いミストとに分離される。この結果、排気は、上昇部202の上方に設けられた排気切替ユニット300を介して第1排気管100から外部へ排出され、ミストは、温度低下により液化した後、上昇部202の最下位置に設けられたドレン部250から外部に排出されることとなる。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、処理ユニット16の排気経路に上昇部202を設け、処理ユニット16からの排気を上方に導くこととしたため、処理ユニット16からの排気の気液分離性を向上させることが可能である。また、上昇部202において気液分離が行われるため、上昇部202よりも下流側(上方)に配置される排気切替ユニット300にミストに起因する汚れや不純物等が付着することを防止することができる。
また、ミストは、液化すると、上昇部202を落下して上昇部202の最下位置に溜まるため、上昇部202の最下位置にドレン部250を設けることで、第2排気管200内の液体を効率良く外部へ排出することができる。
ここで、本実施形態において上昇部202の最下位置は、水平部201と上昇部202との角部に相当する。第2排気管200を流れるミストは、水平部201から上昇部202へ移動する際に、上記角部に衝突することにより液化する場合がある。このため、水平部201と上昇部202との間に角部を設け、かかる角部にドレン部250を配置することで、第2排気管200内の液体をより効率的に回収することができる。
なお、基板処理システム1は、上昇部202の上部から上昇部202内に冷却水を噴出する冷却水噴出部を備えていてもよい。これにより、上昇部202内のミストを冷却水により冷却して積極的に液化させることができる。
第2排気管200には、アルカリ系排気、酸系排気および有機系排気の全てが流れるため、たとえば塩が発生するなどして第2排気管200内が汚れる可能性がある。そこで、基板処理システム1は、第2排気管200内に洗浄水を噴出する洗浄水噴出部を備えてもよい。これにより、第2排気管200内の汚れを洗浄水により除去することができる。
本実施形態では、上昇部202の最下位置(水平部201と上昇部202との角部)にドレン部250が配置される場合の例を示したが、ドレン部250は、水平部201に配置されてもよい。また、ここでは、第2排気管200が水平部201を有する場合の例を示したが、第2排気管200は必ずしも水平部201を有することを要しない。
また、本実施形態では、上昇部202が鉛直に延びる場合の例を示したが、上昇部202は、たとえば斜めに延びる形状や蛇行しながら延びる形状や螺旋状に延びる形状等であってもよい。このような形状とすることで、鉛直に延びる場合と比較して上昇部202の流路長を長くすることができる。上昇部202の流路長が長くなるほど、上昇部202においてより多くのミストが温度低下により液化するようになるため、気液分離性をさらに向上させることができる。
次に、上述した第1排気管100、第2排気管200および排気切替ユニット300の配置について図4〜図7を参照して説明する。図4は、処理ステーション3の模式斜視図である。また、図5は、同模式側面図であり、図6は、同模式平面図である。なお、ここでいう側面図とは、処理ステーション3をY軸正方向に見た場合の図であり、平面図とは、処理ステーション3をZ軸負方向に見た場合の図である。また、図4には、処理ステーション3のうち、搬送部15(図1参照)よりもY軸正方向側の構成を省略して示している。
図4および図5に示すように、処理ステーション3は、複数の柱部401と複数の梁部402とを有するフレーム構造体400を備えており、柱部401と梁部402とによって形成される収容空間に、複数の処理ユニット16と複数のバルブボックス60とが収容される。
複数の処理ユニット16は、搬送部15に沿って並列に配置され、かつ、上下2段に積層される。複数のバルブボックス60は、たとえばバルブ75〜78(図3参照)等が収容される容器であり、各処理ユニット16の下部に配置される。
以下では、上下2段に積層される処理ユニット16のうち、上段に配置される処理ユニット16を「処理ユニット16U」と記載し、下段に配置される処理ユニット16を「処理ユニット16L」と記載する場合がある。なお、本実施形態では、処理ユニット16が上下2段に積層される場合の例を示すが、処理ユニット16の積層数は2段に限定されない。また、図4〜図6では、5台の処理ユニット16が並列に配置される場合の例を示すが、並列に配置される処理ユニット16の台数は5台に限定されない。
第1排気管100が有する個別排気管101〜103は、フレーム構造体400の上部に載置される。また、個別排気管101〜103の上部には、各処理ユニット16に対応する複数の排気切替ユニット300が載置される。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、個別排気管101〜103と排気切替ユニット300とをフレーム構造体400の外部に配置することとした。これにより、フレーム構造体400の部分と、個別排気管101〜103および排気切替ユニット300の部分とを別々に搬送することができる。また、搬送作業や設置作業を容易化することができる。
また、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、第1排気管100および排気切替ユニット300がフレーム構造体400の外部に配置されるため、第1排気管100および排気切替ユニット300の構造を基板処理の内容に応じて変えることも容易である。
たとえば、アルカリ系処理液および酸系処理液の2種類しか使用しない場合、フレーム構造体400上には、個別排気管103を有しない第1排気管100およびこの第1排気管100に対応する排気切替ユニット300を設置することが容易である。このように、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、設計自由度を高めることができる。
また、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、第1排気管100および排気切替ユニット300をフレーム構造体400の内部に配置した場合と比較して、フレーム構造体400の内部に余剰スペース410(図5参照)を設けることが容易である。余剰スペース410は、フレーム構造体400の最下段に設けることができ、たとえばアルカリ系処理液供給源71や酸系処理液供給源72などの各種供給源の収納スペースとして利用することができる。
また、本実施形態に係る排気切替ユニット300は、個別排気管101〜103の上部に配置される。言い換えれば、排気切替ユニット300は、処理ステーション3の最上部に配置される。これにより、作業者は、排気切替ユニット300の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。なお、排気切替ユニット300は、少なくとも処理ユニット16よりも上方に配置されていればよく、たとえば、個別排気管101〜103の下部に配置されてもよい。
図4および図5に示すように、第1排気管100は、最上段に配置される処理ユニット16Uよりも上方に配置され、かつ、上段側の処理ユニット16Uおよび下段側の処理ユニット16Lのそれぞれに対応する第2排気管200U,200Lが排気切替ユニット300U,300Lを介して接続される。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、上段側の処理ユニット16Uと、下段側の処理ユニット16Lとで、第1排気管100を共用することとしている。このため、上段側の処理ユニット16Uと下段側の処理ユニット16Lとで、第1排気管100をそれぞれ設けた場合と比べ、基板処理システム1の製造コストを低く抑えることができる。
なお、図6に示すように、基板処理システム1は、搬送部15よりもY軸負方向側に配置される処理ユニット16に対応する第1排気管100と、搬送部15よりもY軸正方向側に配置される処理ユニット16に対応する第1排気管100とを備える。各第1排気管100は、対応する処理ユニット16が配置される領域の上方にそれぞれ配置される。
ここで、複数の第2排気管200のうち、上段の処理ユニット16Uに接続される第2排気管200Uと、下段の処理ユニット16Lに接続される第2排気管200Lとは、処理ユニット16U,16Lの同じ側に配置される。たとえば図5に示すように、第2排気管200U,200Lは、処理ステーション3をY軸正方向に見た場合の処理ユニット16U,16Lの右側に配置される場合の例を示している。
また、複数の排気切替ユニット300のうち、上段の処理ユニット16Uに対応する排気切替ユニット300Uと、下段の処理ユニット16Lに対応する排気切替ユニット300Lとは、処理ユニット16の並び方向に沿って交互に配置される。
そして、排気切替ユニット300Uと排気切替ユニット300Lとは、同一の構造を有し、かつ、互いに向かい合わせに配置される。具体的には、図5に示すように、処理ステーション3をY軸正方向に見た場合に、上段の処理ユニット16Uに対応する排気切替ユニット300Uと、下段の処理ユニット16Lに対応する排気切替ユニット300Lとは、これらの処理ユニット16U,16Lに接続される第2排気管200U,200Lを中心線Xとして線対称に配置される。
このように、基板処理システム1では、上段の処理ユニット16Uに接続される第2排気管200Uと、下段の処理ユニット16Lに接続される第2排気管200Lとが、処理ユニット16U,16Lの同じ側に配置される。また、上段の処理ユニット16Uに対応する排気切替ユニット300Uと、下段の処理ユニット16Lに対応する排気切替ユニット300Lとが、これら第2排気管200U,200Lを中心線Xとして線対称となるように向かい合わせて配置される。このような配置とすることにより、上段と下段とで、第2排気管200U,200Lや排気切替ユニット300U,300Lを共通化させることが容易となる。
なお、排気切替ユニット300Uと排気切替ユニット300Lとは、必ずしも向かい合わせに配置されることを要しない。たとえば、排気切替ユニット300Uと排気切替ユニット300Lとは、同じ方向を向いて配置されてもよい。この場合、たとえば下段の処理ユニット16Lに接続される第2排気管200Lを垂直に延在させて排気切替ユニット300Lと接続し、上段の処理ユニット16Uに接続される第2排気管200Uを斜めに延在させて排気切替ユニット300Uと接続すればよい。
次に、排気切替ユニット300の構成について図7および図8を参照して説明する。図7および図8は、排気切替ユニット300の模式斜視図である。
図7および図8に示すように、排気切替ユニット300U,300Lは、排気導入部310と、複数の切替機構320_1〜320_3と、外気導入部330と、複数の流出部340とを備える。また、排気切替ユニット300U,300Lは、外気取込管350と、差圧ポート360と、排気流量調整部370とを備える。
各排気切替ユニット300U,300Lは、第2排気管200U,200Lに外気取込管350が接続されるとともに(図8参照)、個別排気管101〜103に流出部340が接続される(図7参照)。そして、第2排気管200U,200Lからの排気は、差圧ポート360、排気流量調整部370および排気導入部310を介して切替機構320_1〜320_3の何れかに流入し(図8参照)、切替機構320_1〜320_3から流出部340を介して個別排気管101〜103の何れかに排出される。
なお、排気切替ユニット300U,300Lは、排気導入部310、切替機構320_1〜320_3、外気導入部330、流出部340、外気取込管350、差圧ポート360および排気流量調整部370がユニット化された構成を有する。したがって、排気切替ユニット300U,300Lは、個別排気管101〜103や第2排気管200への取り付け、取り外しが容易である。
排気導入部310は、中空状の箱体である本体部311を有し、本体部311における切替機構320_1〜320_3と対向する側面に、切替機構320_1〜320_3の各排気取込口322に連通する複数の連通口(図示せず)が形成される。また、本体部311の下面には、排気流量調整部370に連通する連通口(図示せず)が形成される。かかる排気導入部310は、第2排気管200から後述する外気取込管350、差圧ポート360および排気流量調整部370を介して導入される排気を切替機構320_1〜320_3へ流入させる。
ここで、排気流量調整部370から排気導入部310へ導入された排気は、排気導入部310の上面にぶつかった後で、切替機構320_1〜320_3の何れかに流入することとなる。このため、仮に、排気導入部310に導入された排気にミストが含まれていたとしても、かかるミストを排気導入部310の上面にぶつけて液化させることができ、ミストの切替機構320_1〜320_3への流入を抑制することができる。
なお、本実施形態では、排気導入部310が直方体状の箱体である場合の例を示したが、排気導入部310の形状は、直方体状に限定されない。たとえば、排気導入部310は、円柱状の箱体であってもよい。排気導入部310を円柱状とすることで、たとえば、パイプなどで形成される配管と部材を共通化させることができる。また、排気導入部310を円柱状とした場合でも、排気導入部310へ導入された排気は、排気導入部310の内面にぶつかった後で、切替機構320_1〜320_3の何れかに流入することとなる。このため、排気導入部310を直方体状とした場合と同様に、ミストを排気導入部310の内面にぶつけて液化させることが可能である。
また、本実施形態では、排気導入部310を箱体としたが、排気導入部310は、必ずしも箱体であることを要しない。たとえば、排気導入部310は、一端が排気流量調整部370に接続され、他端が複数に分岐してそれぞれ切替機構320_1〜320_3に接続される配管であってもよい。
切替機構320_1〜320_3は、個別排気管101〜103の各々に対応し、個別排気管101〜103の並び方向と同一の方向(Y軸方向)に沿って並べて配置される。各切替機構320_1〜320_3には、排気導入部310と、外気導入部330と、流出部340とが接続される。排気導入部310と外気導入部330とは、切替機構320_1〜320_3の一つの側面に上下に所定の間隔をあけて接続される。また、流出部340は、切替機構320_1〜320_3の排気導入部310および外気導入部330が接続される側面とは反対側の側面に接続される。
かかる切替機構320_1〜320_3は、内部に設けられた弁体を動作させることで、排気導入部310と流出部340とが連通した状態と、外気導入部330と流出部340とが連通した状態とを切り替えるように構成される。ここで、切替機構320_1〜320_3の内部構成について図9を参照して説明する。図9は、排気切替ユニット300の構成を示す図である。
図9に示すように、切替機構320_1〜320_3は、本体部321を備える。本体部321は、両端が閉塞された円筒状の内部空間を有し、その内周面には、排気導入部310に連通する排気取込口322と、外気導入部330に連通する外気取込口323と、流出部340に連通する流出口324とが形成される。
本体部321の内部空間には、本体部321の内周面に沿って摺動可能な弁体325が設けられている。弁体325は、切替機構320_1〜320_3の外部に設けられた駆動部326(図7参照)によって駆動される。駆動部326は、制御部18によって制御される。
本体部321の内周面に形成される排気取込口322、外気取込口323および流出口324のうち、排気取込口322および外気取込口323の何れか一方は、弁体325によって塞がれた状態となっている。言い換えれば、排気取込口322および外気取込口323の何れか一方のみが流出口324に連通した状態となっている。切替機構320_1〜320_3は、弁体325を本体部321の内周面に沿って摺動させることにより、流出口324と連通する開口を排気取込口322から外気取込口323へ、または、外気取込口323から排気取込口322へ切り替える。すなわち、排気導入部310と流出部340とが連通した状態と、外気導入部330と流出部340とが連通した状態とを切り替える。
外気導入部330は、切替機構320_1〜320_3に接続されており、外気を内部に取り込んで切替機構320_1〜320_3へ供給する。ここで、外気導入部330の構成について図10を参照して説明する。図10は、外気導入部330の構成を示す図である。なお、図10では、外気導入部330の平断面の形状を模式的に示している。
図10に示すように、外気導入部330は、本体部331を備える。本体部331は、中空状の箱体であり、切替機構320_1〜320_3と対向する側面に、切替機構320_1〜320_3の各外気取込口323に連通する複数の連通口332〜334が形成される。また、本体部331における複数の連通口332〜334が設けられる側とは反対側の側面には、連通口332〜334の並び方向に沿って開口するスリット状の開口部335が形成される。
外気は、開口部335から本体部331の内部に流入した後、本体部331を通って連通口332〜334の何れかから切替機構320_1〜320_3の何れかへ流入する。
ここで、開口部335は、連通口332〜334の並び方向に沿って形成される。これにより、本体部331内において圧力損失をできるだけ均等に発生させることができるが、かかる点については後述する。なお、本実施形態では、開口部335をスリット状としたが、開口部335の形状はスリット状に限定されない。たとえば、開口部335は、複数の小孔が複数の連通口332〜334の並び方向に沿って設けられたものであってもよい。
なお、外気導入部330は、開口部335の開口度合いを変化させる開口調整部を備えていてもよい。開口調整部としては、たとえば、開口部335が形成される本体部331の側面に取り付けられて、開口部335を塞ぐシャッターを用いることができる。このように、開口調整部を設けることにより、本体部331内に生じる圧力損失を調整することができる。
ここでは、本体部331における複数の連通口332〜334が設けられる面とは反対側の面に開口部335が設けられる場合の例を示したが、開口部335は、少なくと、連通口332〜334が設けられる面とは異なる面に設けられていればよい。たとえば、複数の連通口332〜334が本体部331の側面に設けられる場合において、開口部335は、本体部331の上面に設けられてもよい。
外気取込管350は、一端側が第2排気管200に接続されるとともに、他端側が大気に開放された配管である(図7〜図9参照)。外気取込管350の中途部には、外気流量調整部351が設けられる。外気流量調整部351は、たとえばダンパであり、ダンパの開度を駆動部352(図7参照)を用いて変化させることで、外気取込管350の一端側へ流れる外気の流量を調整する。なお、駆動部352は、制御部18によって制御される。かかる外気取込管350および外気流量調整部351は、処理ユニット16への給気量を切り替える際に用いられる。
なお、本実施形態では、外気取込管350の一端側が第2排気管200に接続される場合の例を示したが、外気取込管350の一端側が接続される位置は、少なくとも切替機構320_1〜320_3よりも上流側であればよい。たとえば、外気取込管350の一端側は、排気導入部310に接続されてもよい。
差圧ポート360は、上流側の端部が外気取込管350の一端側に接続され、下流側の端部が排気流量調整部370に接続される。かかる差圧ポート360は、上流側と下流側との圧力差を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。制御部18は、差圧ポート360から取得した検出結果に基づいて、後述する排気流量調整部370を制御することにより、排気導入部310へ流れる排気流量を所定の値に保つことができる。なお、差圧ポート360は、中途部に絞り部を有し、かかる絞り部の上流側と下流側との圧力差を検出する構成であってもよい。
排気流量調整部370は、上流側の端部が差圧ポート360に接続され、下流側の端部が排気導入部310に接続される。排気流量調整部370の内部には、たとえばダンパが配置される。かかる排気流量調整部370は、ダンパの開度を駆動部371(図8参照)を用いて変化させることで、差圧ポート360から排気導入部310へ流れる排気の流量を調整することができる。なお、駆動部371は、制御部18によって制御される。
ここで、上述したように、本実施形態に係る基板処理システム1では、フレーム構造体400上に配置される第1排気管100を、上段側の処理ユニット16Uと下段側の処理ユニット16Lとで共用することとしている。かかる構成とした場合、処理ユニット16Lに接続される第2排気管200Lの長さは、処理ユニット16Uに接続される第2排気管200Uよりも長くなる。これにより、排気流路の流路抵抗に差が生じ、処理ユニット16Uと処理ユニット16Lとで排気量が不均等となるおそれがある。
これに対し、本実施形態に係る排気切替ユニット300は、差圧ポート360と排気流量調整部370とを備えている。したがって、制御部18は、上段側および下段側の差圧ポート360の検出結果に基づき、上段側および下段側の排気流量調整部370を制御することで、上段側の排気流量と下段側の排気流量とを均等に揃えることができる。
次に、処理ユニット16からの排気の流出先を個別排気管101〜103の間で切り替える場合の動作について説明する。
たとえば、図9には、アルカリ系排気を個別排気管101へ流す場合の例を示している。この場合、排気切替ユニット300は、切替機構320_1の排気取込口322が排気導入部310と連通し、残りの切替機構320_2,320_3の外気取込口323が外気導入部330と連通した状態となっている。
このように、切替機構320_1が排気導入部310に連通している間、残りの切替機構320_2,320_3は外気導入部330に連通した状態となっている。これにより、個別排気管101にアルカリ系排気が流入し、残りの個別排気管102,103には外気が流入することとなる。
つづいて、排気の流出先を個別排気管101から個別排気管102へ切り替える場合について考える。この場合、制御部18は、切替機構320_1,320_2の駆動部326を制御することにより、切替機構320_2の排気取込口322を排気導入部310に連通させ、残りの切替機構320_1,320_3の外気取込口323を外気導入部330に連通させる。これにより、個別排気管102に酸系排気が流入し、残りの個別排気管101,103には外気が流入することとなる。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、個別排気管101〜103の何れか一つに処理ユニット16からの排気が流入する間、残りの個別排気管101〜103には外気が流入する。したがって、排気切替の前後において、各個別排気管101〜103に流入する気体の流量は大きく変動することがない。したがって、流量の変動に伴う処理ユニット16の圧力変動を抑えることができる。
また、本実施形態に係る基板処理システム1では、切替機構320_1〜320_3が備える外気取込口323の前段に、各外気取込口323に連通する外気導入部330を設けることで、排気切替中における処理ユニット16の圧力変動も抑えることができる。
かかる点について図11を参照して説明する。図11は、排気切替中の状態を示す図である。
たとえば、排気の流出先が個別排気管101から個別排気管102へ切り替わる場合、切替機構320_1の弁体325が外気取込口323を塞ぐ位置から排気取込口322を塞ぐ位置へ移動するとともに、切替機構320_2の弁体325が排気取込口322を塞ぐ位置から外気取込口323を塞ぐ位置へ移動する。その途中においては、図11に示すように、切替機構320_1,320_2の排気取込口322と外気取込口323とがともに流出口324に連通した状態となる。
ここで、仮に、各切替機構320_1〜320_3の外気取込口323が直接大気に開放されていた場合、排気取込口322の前段に排気導入部310が設けられる排気の流入経路と比較して、外気の流入経路の圧力損失は小さくなる。この結果、圧力損失が少ない外気取込口323から流入する外気の流量は、排気取込口322から流入する排気の流量よりも多くなる。
切替機構320_1,320_2の本体部321へ流入する外気の流量が増加すると、相対的に、排気取込口322から本体部321へ流入する排気の流量が少なくなる。つまり、排気切替中における排気流量は、排気切替の前後における排気流量と比較して少なくなる。そうすると、処理ユニット16内が給気過多となり、処理ユニット16からの雰囲気漏れ等が生じるおそれがある。
これに対し、本実施形態に係る基板処理システム1では、各切替機構320_1〜320_3が備える外気取込口323の前段に外気導入部330を設けることとした。これにより、外気の流入経路と排気の流入経路との圧力損失の差が減るため、排気切替中における外気の流量の増加を抑えることができる。言い換えれば、排気切替中における排気流量の減少を抑えることができるため、排気流量の減少に伴う処理ユニット16の圧力変動を抑えることができる。
また、切替機構320_1〜320_3の各排気取込口322は、排気導入部310を介して相互に連通可能である。また、切替機構320_1〜320_3の各外気取込口323も同様に、外気導入部330を介して相互に連通可能に構成される。したがって、排気切替中においては、排気導入部310と外気導入部330とが切替機構320_1〜320_3を介して相互に連通した状態となる。
かかる構成とすることにより、排気切替中において、排気の流入経路側で生じた圧力変動を、外気の流入経路側で生じる圧力変動によって相殺することができる。したがって、排気切替中における処理ユニット16の圧力変動を効果的に抑えることができる。
次に、酸系排気が流れる個別排気管102から有機系排気が流れる個別排気管103へ排気の流出先を切り替える場合について考える。この場合、制御部18は、切替機構320_2,320_3の駆動部326を制御することにより、切替機構320_3の排気取込口322を排気導入部310に連通させ、残りの切替機構320_1,320_2の外気取込口323を外気導入部330に連通させる。これにより、個別排気管103に有機系排気が流入する間、残りの個別排気管101,102には外気が流入することとなる。
ここで、処理ユニット16で使用される処理液の種類を有機系処理液であるIPAに切り替える場合、制御部18は、FFU21を制御することにより、処理ユニット16への給気量を他の処理液の使用時の第1流量から第1流量よりも少ない第2流量へ変更する。
処理ユニット16への給気量が減少すると、必要な排気量も減少することとなる。本実施形態に係る基板処理システム1では、処理ユニット16への給気量を第1流量から第2流量へ変更する場合に、排気機構151〜153による排気量を変更することなく、排気機構151〜153による排気量と必要な排気量との差を外気取込管350からの外気の取り込みによって補うこととした。かかる処理(以下、「流量調整処理」と記載する)について図12および図13を参照して説明する。図12および図13は、流量調整処理の説明図である。
なお、図12では、処理ユニット16への給気量が第1流量である場合の例を示しており、図13では、処理ユニット16への給気量が第2流量である場合の例を示している。また、図12および図13では、排気機構151〜153による排気量が、それぞれ1m3/minに設定される場合の例を示している。また、ここでは、外気取込管350から差圧ポート360へ流入する外気の流量の初期値が、0m3/minであるものとする。
たとえば、アルカリ系処理液であるSC1や酸系処理液であるHFが処理ユニット16において使用される場合、処理ユニット16への給気量は、図12に示すように、第1流量(たとえば1m3/min)に設定される。かかる場合、必要となる排気量は、1m3/minであり、排気機構151〜153による排気量との差は0m3/minである。したがって、外気取込管350から差圧ポート360へ流入する外気の流量は、0m3/minに維持される。なお、図12には、一例として、アルカリ系処理液であるSC1が処理ユニット16において使用される場合を示している。
一方、有機系処理液であるIPAが処理ユニット16において使用される場合、処理ユニット16への給気量は、図13に示すように、第1流量から第2流量(たとえば0.5m3/min)に切り替えられる。かかる場合、必要となる排気量は、0.5m3/minであり、排気機構151〜153による排気量との差は0.5m3/minである。したがって、制御部18は、外気流量調整部351を制御して、外気取込管350から差圧ポート360へ流入する外気の流量を0.5m3/minに調整する。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、処理ユニット16内への給気量を第1流量から第1流量よりも少ない第2流量へ切り替える場合に、外気流量調整部351を制御して、外気取込管350の一端側へ流れる外気の流量を増加させる流量調整処理を行うこととした。これにより、排気機構151〜153による排気流量を維持しつつ、処理ユニット16への給気量を変更した場合でも、処理ユニット16の圧力変動を抑えることができる。
なお、本実施形態では、FFU21から処理ユニット16への給気量を第1流量から第2流量へ変更する場合の例を示したが、給気量を第1流量から第2流量へ変更する処理は、上記の例に限定されない。たとえば、処理ユニット16へ給気される気体の種類をFFU21により供給される気体(たとえば、清浄空気)から他の給気部(たとえば、FFU21内に配置される天井ノズル)により供給される気体(たとえば、乾燥気体)へ切り替える処理であってもよい。
次に、本実施形態に係る基板処理システム1において実行される基板処理の一例について図14を参照して説明する。図14は、基板処理システム1において実行される基板処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図14に示す一連の基板処理は、制御部18が処理ユニット16および排気切替ユニット300等を制御することによって実行される。制御部18は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部19に記憶された図示しないプログラムに従って処理ユニット16および排気切替ユニット300等を制御する。
図14に示すように、処理ユニット16では、まず、第1薬液処理が行われる(ステップS101)。かかる第1薬液処理では、まず、駆動部33が保持部31を回転させることにより、保持部31に保持されたウェハWを所定の回転数で回転させる。つづいて、処理流体供給部40のノズル41がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ75が所定時間開放されることによって、アルカリ系処理液供給源71から供給されるSC1がノズル41からウェハWの被処理面へ供給される。ウェハWへ供給されたSC1は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの被処理面の全面に広がる。これにより、ウェハWの被処理面がSC1によって処理される。
かかる第1薬液処理が行われる間、処理ユニット16には、FFU21から第1流量で給気が行われる。第1流量での給気は、ステップS104の第2リンス処理が終了するまで維持される。また、第1薬液処理が行われる間、処理ユニット16からの排気であるアルカリ系排気は、第2排気管200から排気切替ユニット300の切替機構320_1を通って個別排気管101へ排出される。
つづいて、処理ユニット16では、ウェハWの被処理面をDIWですすぐ第1リンス処理が行われる(ステップS102)。かかる第1リンス処理では、バルブ78が所定時間開放されることによって、DIW供給源74から供給されるDIWがノズル41からウェハWの被処理面へ供給され、ウェハWに残存するSC1が洗い流される。この第1リンス処理が行われる間、処理ユニット16からの排気は、たとえば個別排気管101へ排出される。
つづいて、処理ユニット16では、第2薬液処理が行われる(ステップS103)。かかる第2薬液処理では、バルブ76が所定時間開放されることによって、酸系処理液供給源72から供給されるHFがノズル41からウェハWの被処理面へ供給される。ウェハWへ供給されたHFは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの被処理面の全面に広がる。これにより、ウェハWの被処理面がHFによって処理される。
制御部18は、かかる第2薬液処理が開始される前に、排気切替ユニット300を制御することにより、排気の流出先を個別排気管101から個別排気管102へ切り替える。これにより、第2薬液処理が行われる間、処理ユニット16からの排気である酸系排気は、第2排気管200から排気切替ユニット300の切替機構320_2を通って個別排気管102へ排出される。
つづいて、処理ユニット16では、ウェハWの被処理面をDIWですすぐ第2リンス処理が行われる(ステップS104)。かかる第2リンス処理では、バルブ78が所定時間開放されることによって、DIW供給源74から供給されるDIWがノズル41からウェハWの被処理面へ供給され、ウェハWに残存するHFが洗い流される。この第2リンス処理が行われる間、処理ユニット16からの排気は、たとえば個別排気管102へ排出される。
つづいて、処理ユニット16では、乾燥処理が行われる(ステップS105)。かかる乾燥処理では、バルブ77が所定時間開放されることによって、有機系処理液供給源73から供給されるIPAがノズル41からウェハWの被処理面へ供給される。ウェハWへ供給されたIPAは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの被処理面の全面に広がる。これにより、ウェハWの被処理面に残存するDIWが、DIWよりも揮発性の高いIPAに置換される。その後、処理ユニット16では、ウェハWの回転速度を増速させることによってウェハW上のIPAを振り切ってウェハWを乾燥させる。
制御部18は、乾燥処理が開始される前に、排気切替ユニット300を制御することにより、排気の流出先を個別排気管102から個別排気管103へ切り替える。これにより、乾燥処理が行われる間、処理ユニット16からの排気である有機排気は、第2排気管200から排気切替ユニット300の切替機構320_3を通って個別排気管103へ排出される。
また、制御部18は、乾燥処理が開始される前に、FFU21からの給気量を第1流量から第1流量よりも少ない第2流量へ切り替える。また、制御部18は、外気流量調整部351を制御することにより、外気取込管350から差圧ポート360へ流入する外気の流量を増加させる。これにより、排気機構151〜153による排気流量を維持しつつ、処理ユニット16への給気量を変更した場合でも、処理ユニット16の圧力変動を抑えることができる。
その後、処理ユニット16では、駆動部33によるウェハWの回転が停止した後、ウェハWが基板搬送装置17(図1参照)によって処理ユニット16から搬出される。これにより、1枚のウェハWについての一連の基板処理が完了する。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理システム1(「基板液処理装置」の一例に相当)は、処理ユニット16(「液処理部」の一例に相当)と、第1排気管100と、第2排気管200とを備える。処理ユニット16は、処理液を用いてウェハWを処理する。第1排気管100は、少なくとも一部が処理ユニット16よりも上方に配置される。第2排気管200は、処理ユニット16に一端側が接続され、排気機構151〜153により第1排気管100を介して処理ユニット16を排気する。また、第2排気管200は、第1排気管100の処理ユニット16よりも上方に配置される部分に他端側が接続される。
したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、処理ユニット16からの排気の気液分離性を向上させることができる。
(変形例)
次に、本実施形態に係る基板処理システム1の変形例について図15および図16を参照して説明する。図15は、第1変形例に係る処理ステーションの模式側面図であり、図16は、第2変形例に係る処理ステーションの模式平面図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
上述した本実施形態では、上段側に配置される処理ユニット16Uと下段側に配置される処理ユニット16Lとで、第1排気管100を共用する場合の例を示したが、基板処理システムは、上段用の第1排気管100と下段用の第1排気管100をそれぞれ備える構成であってもよい。
たとえば、図15に示すように、第1変形例に係る処理ステーション3Aは、上段に配置される処理ユニット16Uに対応する第1排気管100Uと、下段に配置される処理ユニット16Lに対応する第1排気管100Lとを備える。第1排気管100Uには排気切替ユニット300Uが設けられ、第1排気管100Lには排気切替ユニット300Lが設けられる。
第1排気管100Uは、フレーム構造体400Aの上部に配置される。また、第1排気管100Lは、フレーム構造体400Aの内部に配置される。具体的には、フレーム構造体400Aは、上段側のバルブボックス60が配置される空間と下段側の処理ユニット16Lが配置される空間との間に第1排気管100Lおよび排気切替ユニット300Lの収容空間を有する。そして、第1排気管100Lおよび排気切替ユニット300Lは、かかる収容空間に配置される。
このように、第1変形例に係る処理ステーション3Aでは、上段に配置される処理ユニット16Uに対応する第1排気管100Uが、処理ユニット16Uの上方に配置され、下段に配置される処理ユニット16Lに対応する第1排気管100Lが、処理ユニット16Lの上方かつ処理ユニット16Uの下方に配置される。言い換えれば、各第1排気管100U,100Lは、対応する段に配置される処理ユニット16U,16Lよりも上方、かつ、対応する段の一つ上段に配置される処理ユニット16U,16Lよりも下方に配置される。
かかる構成とすることにより、上段側と下段側とで第2排気管200U,200Lの長さを揃えることができる。これにより、処理ユニット16Uと処理ユニット16Lとで、排気流路の流路抵抗にバラツキを生じさせ難くすることができる。このため、処理ユニット16Uと処理ユニット16Lとで、排気量に差を生じさせ難くすることができる。
また、上述した本実施形態では、搬送部15よりもY軸負方向側に配置される複数の処理ユニット16に対応する第1排気管100と、搬送部15よりもY軸正方向側に配置される複数の処理ユニット16に対応する第1排気管100とが、対応する処理ユニット16が配置される領域の上方にそれぞれ配置される場合の例を示した(図6参照)。しかし、第1排気管100の配置は、上記の例に限定されない。たとえば、図16に示す第2変形例に係る処理ステーション3Bのように、第1排気管100は、搬送部15の上方に配置されてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。