JP6611486B2 - フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体 - Google Patents

フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6611486B2
JP6611486B2 JP2015131214A JP2015131214A JP6611486B2 JP 6611486 B2 JP6611486 B2 JP 6611486B2 JP 2015131214 A JP2015131214 A JP 2015131214A JP 2015131214 A JP2015131214 A JP 2015131214A JP 6611486 B2 JP6611486 B2 JP 6611486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
defocus amount
time
focus
driving
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015131214A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017015871A (ja
Inventor
英秋 高宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015131214A priority Critical patent/JP6611486B2/ja
Publication of JP2017015871A publication Critical patent/JP2017015871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6611486B2 publication Critical patent/JP6611486B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Studio Devices (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

本発明は、フォーカス制御装置に関し、特に動画撮影時のオートフォーカス制御に関する。
映画やドラマの1シーンで、遠くの人や物にピントが合っていて近くの人や物がボケている状態から、ピントを移動してボケていた近くの人や物が鮮明にみえるようになるといった映像を見ることがある。
このような映像は、動画撮影時に、被写界深度を浅く設定し、マニュアルフォーカス(以下、MFともいう)でフォーカスレンズを駆動させることで撮影することができる。しかし、この撮影を行うためには、ピントを合わせたい被写体の距離に応じたフォーカスレンズの合焦位置を把握して、その合焦位置までスムーズに且つ任意の時間をかけてフォーカスリングを回転させる高いフォーカシング技術が必要であった。そのため、一般ユーザーがこの撮影をマニュアル操作で行うことは困難であり、オートフォーカス(以下、AFともいう)を用いて合焦位置までのフォーカスレンズの駆動速度を任意の速度で動かしながら撮影を行いたいという要望があった。
そこで、特許文献1は、ユーザーが表示部を指でなぞった時間(なぞり時間)を計測し、該なぞり時間に応じてフォーカスレンズの駆動速度を決定し、該決定された駆動速度でフォーカスレンズを駆動することができる技術を開示している。
また、特許文献2は、ユーザーが操作部材を操作することにより、フォーカスレンズの駆動速度を最高速、中速、低速のいずれかに容易に切り替えることができる技術を開示している。
特開2012−173531号公報 特開2013−178323号公報
しかしながら、特許文献1では、カメラが検出するデフォーカス量が狂いなく正確である必要があり、デフォーカス量の検出誤差が発生する場合は、指定したAF時間通りにならないことが考えられる。撮像面でデフォーカス量を検出してAFを行う撮像面位相差AFなどは、検出されるデフォーカス量が大きいほど、被写体によっては、その値の信頼性も低くなる傾向である。したがって、最初に検出したデフォーカス量が大きく、信頼性が低いと、結果的にユーザーが希望するAF時間でAFを完了することができない恐れがあった。
また、特許文献2では、ユーザーがレンズ駆動速度を変えながら、レンズ駆動開始からレンズ駆動停止までの時間(AF時間)を計測し、所望のAF時間になるレンズ駆動速度を探さなくてはならず、作業が煩雑であった。
本発明は、上記課題を鑑み、動画撮影時のオートフォーカスに有利なフォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としてのフォーカス制御装置は、被写体のデフォーカス量を算出するデフォーカス量算出手段と、ユーザーの操作情報に基づいて前記被写体に合焦させる合焦時間を設定する設定手段と、前記デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する駆動速度で光学素子を駆動してフォーカス制御を行う制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記フォーカス制御において、前記光学素子の駆動開始前に算出された前記被写体の第1デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第1駆動速度で前記光学素子の駆動を開始し、前記光学素子の駆動中に、前記光学素子の駆動開始後に算出された前記被写体の第2デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第2駆動速度に前記光学素子の駆動速度を変更し、前記デフォーカス量が所定値より大きく該デフォーカス量の信頼性が低いと判断される場合、前記駆動速度を所定の駆動速度に設定する、ことを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、動画撮影時のオートフォーカスに有利なフォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供することができる。
本発明の実施例1における撮像装置の概略構成図である。 本発明の実施例1における画素配列の概略図である。 本発明の実施例1における画素の概略平面図と概略断面図である。 本発明の実施例1における画素と瞳分割の概略説明図である。 本発明の実施例1における撮像素子と瞳分割の概略説明図である。 本発明の実施例1における第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の概略関係図である。 本発明の実施例1における焦点検出処理の流れの概略図である。 本発明の実施例1における第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングの概略説明図である。 本発明の実施例1におけるフィルター周波数帯域例である。 本発明の実施例1におけるAF時間設定UIの例である。 本発明の実施例1におけるAF時間設定UIの変形例である。 異なるデフォーカス量を同じレンズ駆動速度で駆動してAF時間が異なる場合を示すレンズ駆動の例である。 図12においてAF時間を等しくした場合を示すレンズ駆動の例である。 本発明の実施例1におけるAF時のレンズ駆動の例である。 本発明の実施例1における焦点調節動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例2におけるAF時のレンズ駆動の例である。 本発明の実施例2における焦点調節動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例3におけるレンズ駆動速度にかける係数を示す図である。
[実施例1]
本実施例では、撮像装置が検知するデフォーカス量を元に、レンズ駆動速度を決定しAFを行う。以下に、デフォーカス量を検知するための一つの手段である撮像面位相差AF方式とその構成について説明する。
[全体構成]
図1は本発明における撮像素子を有する撮像装置であるカメラの構成図を示している。同図において、101は撮影光学系(結像光学系)の先端に配置された第1レンズ群で、光軸方向に進退可能に保持される。102は絞り兼用シャッタで、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行なうほか、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとしての機能も備える。103は第2レンズ群である。そして絞り兼用シャッタ102及び第2レンズ群103は一体となって光軸方向に進退し、第1レンズ群101の進退動作との連動により、変倍作用(ズーム機能)をなす。
105は第3レンズ群(フォーカスレンズ)で、光軸方向の進退により、焦点調節を行なう。106は光学的ローパスフィルタで、撮影画像の偽色やモアレを軽減するための光学素子である。107は2次元CMOSフォトセンサーと周辺回路からなる撮像素子であり、撮影光学系(結像光学系)の撮像面(結像面)に配置される。
111はズームアクチュエータで、不図示のカム筒を回動することで、第1レンズ群101ないし第3レンズ群103を光軸方向に進退駆動し、変倍操作を行なう。112は絞りシャッタアクチュエータで、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して撮影光量を調節すると共に、静止画撮影時の露光時間制御を行なう。114はフォーカスアクチュエータで、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行なう。なお、フォーカスアクチュエータ114は、撮像素子107(光学素子)を光軸方向に駆動してピント調節を行うようにしてもよい。
115は撮影時の被写体照明用電子フラッシュ(照明手段)で、キセノン管を用いた閃光照明装置が好適だが、連続発光するLEDを備えた照明装置を用いても良い。116はAF補助光手段で、所定の開口パターンを有したマスクの像を、投光レンズを介して被写界に投影し、暗い被写体あるいは低コントラスト被写体に対する焦点検出能力を向上させる。
121はCPUで、カメラ本体の種々の制御を司るカメラ内CPUで、演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイス回路等を有する。また、ROMに記憶された所定のプログラムに基づいて、カメラが有する各種回路を駆動し、AF、撮影、画像処理と記録等の一連の動作を実行する。CPU121は本発明の画像処理手段である。
122は電子フラッシュ制御回路で、撮影動作に同期して照明手段115を点灯制御する。123は補助光駆動回路で、焦点検出動作に同期してAF補助光手段116を点灯制御する。124は撮像素子駆動回路で、撮像素子107の撮像動作を制御するとともに、取得した画像信号をA/D変換してCPU121に送信する。125は画像処理回路で、撮像素子107が取得した画像のγ変換、カラー補間、JPEG圧縮等の処理を行なう。
126はフォーカス駆動回路で、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ114を駆動制御し、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行なう。このように、フォーカス駆動回路126は、光学素子である第3レンズ群105を光軸方向に駆動する駆動手段としての機能を有する。本実施例では、フォーカスアクチュエータ114、フォーカス駆動回路126、CPU121、画像処理回路125とにより、撮像素子から得られる信号に基づいて、撮影光学系の焦点状態を検出して焦点状態を調節する焦点調節装置が構成される。また、焦点調節装置は、CPU121(内部の各構成)からなるフォーカス制御装置により制御される。128は絞りシャッタ駆動回路で、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッタ102の開口を制御する。129はズーム駆動回路で、撮影者のズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。
131はLCD等の表示手段(表示器)で、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像と撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態表示画像等を表示する。タッチパネルによる入力は、ユーザーが該表示手段に直接触ることにより、各種操作を行う。132は操作スイッチ群で、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等で構成される。133は着脱可能なフラッシュメモリで、撮影済み画像を記録する。
[撮像素子]
本実施例1における撮像素子の撮像画素と焦点検出画素の配列の概略図を図2に示す。
図2は、本実施例1の2次元CMOSセンサー(撮像素子)の画素(撮像画素)配列を4列×4行の範囲で、焦点検出画素配列を8列×4行の範囲で示したものである。
実施例1において、図2に示した2列×2行の画素群200は、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。さらに、各画素は2列×1行に配列された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202により構成されている。
図2に示した4列×4行の画素(8列×4行の焦点検出画素)を面上に多数配置し、撮像画像(焦点検出信号)の取得を可能としている。本実施例1では、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、焦点検出画素の列方向周期PAFが2μm、焦点検出画素数NAFが横11150列×縦3725行=約4150万画素の撮像素子として説明を行う。
図2に示した撮像素子の1つの画素200Gを、撮像素子の受光面側(+z側)から見た平面図を図3(a)に示し、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図3(b)に示す。
図3に示すように、本実施例1の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にN分割(2分割)、y方向にN分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。
光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしても良い。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルター306が形成される。また、必要に応じて、各副画素毎にカラーフィルターの分光透過率を変えても良いし、カラーフィルターを省略しても良い。
図3に示した画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルター306で分光されたのち、光電変換部301と光電変換部302で受光される。
光電変換部301と光電変換部302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層(不図示)に蓄積され、一方、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子外部へ排出される。
光電変換部301と光電変換部302のn型層(不図示)に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図3に示した本実施例1の画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図を図4に示す。図3(a)に示した本実施例1の画素構造のa−a断面を+y側から見た断面図と撮影光学系の射出瞳面を図4に示す。図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
図4で、第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズによって、概ね、共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
図4で、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズによって、概ね、共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
また、図4で、瞳領域500は、光電変換部301と光電変換部302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を全て合わせた際の画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
本実施例1の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した概略図を図5に示す。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子の各画素に、それぞれ、異なる角度で入射し、2×1分割された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で受光される。本実施例1は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例である。必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行っても良い。
本発明の撮像素子は、撮影光学系の第1瞳部分領域と第2瞳部分領域を合わせた瞳領域を通過する光束を受光する撮像画素が複数配列されている。本実施例1の撮像素子では、それぞれの撮像画素が第1焦点検出画素と第2焦点検出画素から構成されている。換言すれば、本発明の撮像素子は、撮影光学系の第1瞳部分領域を通過する光束を受光する第1焦点検出画素と、第1瞳部分領域と異なる撮影光学系の第2瞳部分領域を通過する光束を受光する第2焦点検出画素と、が複数配列されている。
必要に応じて、撮像画素と第1焦点検出画素、第2焦点検出画素を個別の画素構成とし、撮像画素配列の一部に、第1焦点検出画素と第2焦点検出画素を部分的に配置する構成としても良い。
本実施例1では、撮像素子の各画素の第1焦点検出画素201の受光信号を集めて第1焦点信号を生成し、各画素の第2焦点検出画素202の受光信号を集めて第2焦点信号を生成して焦点検出を行う。このように、本実施例1の撮像素子は、位相差検出方式の焦点検出演算を行うための焦点検出用信号を出力可能な画素を複数有している。また、撮像素子の各画素毎に、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
[デフォーカス量と像ずれ量の関係]
以下、本実施例1の撮像素子により取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係について説明する。
図6に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図を示す。撮像面800に本実施例1の撮像素子(不図示)が配置され、図4、図5と同様に、撮影光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面までの距離を大きさ|d|とし、被写体の結像位置が撮像面より被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)として定義される。また、被写体の結像位置が撮像面より被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)として定義される。被写体の結像位置が撮像面(合焦位置)にある合焦状態はd=0である。図6で、被写体801は合焦状態(d=0)の例を示しており、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、一度、集光した後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子に配列された各画素を構成する第1焦点検出画素201(第2焦点検出画素202)により受光され、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)が生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。
したがって、本発明では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。
[焦点検出]
以下、本実施例1における位相差方式の焦点検出方法について説明する。
位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量(第1評価値)を計算し、相関(信号の一致度)が良くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する関係性から、像ずれ量を検出デフォーカス量に変換して焦点検出を行う。
図7に、本実施例1の焦点検出処理の流れの概略図を示す。なお、図7の動作は、本実施例1の焦点検出信号生成手段である撮像素子107、焦点検出手段である画像処理回路125とCPU121によって実行される。
ステップS100で、撮像素子の有効画素領域の中から焦点調節を行う焦点検出領域を設定する。焦点検出信号生成手段により、焦点検出領域の第1焦点検出画素の受光信号から第1焦点検出信号を生成し、焦点検出領域の第2焦点検出画素の受光信号から第2焦点検出信号を生成する。
ステップS200で、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、信号データ量を抑制するために列方向に3画素加算処理を行い、さらに、RGB信号を輝度Y信号にするためにベイヤー(RGB)加算処理を行う。これら2つの加算処理を合わせて第1画素加算処理とする。
ステップS300では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。
以下、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングについて説明する。図8に、撮像素子の周辺像高における第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502、および撮影光学系の射出瞳400の関係を示す。
図8(a)は、撮影光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子の設定瞳距離Dsが同じ場合である。この場合は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、撮影光学系の射出瞳400が、概ね、均等に瞳分割される。
これに対して、図8(b)に示した撮影光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより短い場合、撮像素子の周辺像高では、撮影光学系の射出瞳と撮像素子の入射瞳の瞳ずれを生じ、撮影光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。同様に、図8(c)に示した撮影光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより長い場合、撮像素子の周辺像高では、撮影光学系の射出瞳と撮像素子の入射瞳の瞳ずれを生じ、撮影光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度も不均一になり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなるシェーディングが生じる。
図7のステップS300では、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(撮影光学系)のF値、射出瞳距離に応じて、第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数を、それぞれ生成する。第1シェーディング補正係数を第1焦点検出信号に乗算し、第2シェーディング補正係数を第2焦点検出信号に乗算して、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。
位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)を基に、第1検出デフォーカス量の検出を行う。瞳ずれによるシェーディングが生じると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)が低下する場合がある。よって、位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)を改善し、焦点検出性能を良好とするために、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行うことが望ましい。
図7のステップS400では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、第1フィルター処理を行う。本実施例1の第1フィルター処理の通過帯域例を、図9の実線で示す。本実施例1では、位相差方式の第1焦点検出により、大デフォーカス状態での焦点検出を行うため、第1フィルター処理の通過帯域は低周波帯域を含むように構成される。必要に応じて、大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節を行う際に、デフォーカス状態に応じて、第1焦点検出時の第1フィルター処理の通過帯域を、図9の1点鎖線のように、より高周波帯域に調整しても良い。
次に、図7のステップS500では、第1フィルター処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせる第1シフト処理を行い、信号の一致度を表す相関量(第1評価値)を算出する。
第1フィルター処理後のk番目の第1焦点検出信号をA(k)、第2焦点検出信号をB(k)、焦点検出領域に対応する番号kの範囲をWとする。第1シフト処理によるシフト量をs1、シフト量s1のシフト範囲をΓ1として、相関量(第1評価値)CORは、式(1)により算出される。
シフト量s1の第1シフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(k)とk−s1番目の第2焦点検出信号B(k−s1)を対応させ減算し、シフト減算信号を生成する。生成されたシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域に対応する範囲W内で番号kの和を取り、相関量(第1評価値)COR(s1)を算出する。必要に応じて、各行毎に算出された相関量(第1評価値)を、各シフト量毎に、複数行に渡って加算しても良い。
ステップS600では、デフォーカス量算出部121aにおいて、相関量(第1評価値)から、サブピクセル演算により、相関量が最小値となる実数値のシフト量を算出して像ずれ量p1とする。像ずれ量p1に、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(撮影光学系)のF値、射出瞳距離に応じた第1変換係数K1をかけて、デフォーカス量を検出する。このように、CPU121において、デフォーカス量算出部121aは、被写体のデフォーカス量を算出するデフォーカス量算出手段として機能する。
[AF時間設定方法]
次に、これらの焦点検出手段を用いてユーザーが所望する時間(AF時間)にてAFを完了させるためのアルゴリズムを図15を用いて説明する。なお、図15の動作は、CPU121により制御・実行される。
まず、ユーザーは、図15のS101に示したAF時間設定シーケンスにおいて、シーンに応じたAF時間をカメラUIから指定する。このとき、設定部121bは、ユーザーにより指定されたAF時間を被写体に合焦させるまでの合焦時間として設定する。このように、設定部121bは、ユーザーの操作情報に基づいて被写体に合焦させるAF時間(合焦時間)を設定する設定手段として機能する。図10に示したような実際のAF時間を直接指定するものでも良いし、図11に示したような簡易な表示のものでも良い。図11はUI上の表示が簡易なだけであって、カメラ内部ではそれぞれの設定値に対応するAF時間を内部メモリーに記憶しておく必要がある。
その他のいかなるカメラUIによるAF時間の指定も、必ず各設定値に対応するAF時間を内部メモリーに記憶しておく必要があり、演算に用いるAF時間を間接的に指示できる方法であれば、カメラUIはいかなる形式であっても良い。
[レンズ駆動速度算出方法]
次に、上記AF時間設定方法にて設定されたAF時間でAFを完了させるためのレンズ駆動速度の算出の仕方について説明する。
まず、撮像装置はユーザーが指定した測距位置におけるデフォーカス量を、前述した位相差方式の焦点検出方法を用いて検出する。
この時検出されたデフォーカス量で、図12のグラフの縦軸に示したd1、d2のようにデフォーカス量が違う場合、同じレンズ駆動速度vでAFを行うと、図12に示したように当然、AF時間はt1、t2と異なってしまう。
ここで、デフォーカス量が異なるd1、d2からそれぞれAFを行った時でも図13に示したように同じAF時間でAFが完了するためには、デフォーカス量に応じてレンズ駆動速度を、式(2)にて算出する必要がある。
レンズ速度をv、検出デフォーカス量をd、AF時間をtとしたときに、
v=d/t (2)
となるようにレンズ速度vを算出すれば、おおまかなAF時間は揃うことになる。
しかし、検出したデフォーカス量に検出誤差がある場合は、最初に検出したデフォーカス量でレンズ駆動速度を決めてAFを行うと、最終的に合焦してレンズが停止するまでの時間にズレが生じてしまう恐れがある。
そもそも前述した焦点検出方法は、検出したデフォーカス量が大きい値の時ほど、その検出誤差も大きくなっている可能性が高く、また被写体のコントラストや周波数特性、輝度などによっても検出量に大きな差が出る場合がある。
なお、上記焦点検出方法は、レンズを駆動し合焦位置に近づいていく過程においてもデフォーカス量を随時検出していくことが可能である。したがって、ユーザーが設定したAF時間でAFを完了させるためには、合焦位置に近づいて行く際に随時更新されていくデフォーカス量を元にレンズ駆動速度を修正していく必要がある。
そこで本発明は、図14及び図15に示したように、デフォーカス量算出部121aによりデフォーカス量を算出(検出)するたびに、残り時間を算出し、残り時間と検出されたデフォーカス量から、その都度レンズ駆動速度を修正していく。
まず、デフォーカス量算出部121aは、図15のS102に示した焦点検出を行い、デフォーカス量を算出する。その時のデフォーカス量をdとした時に、判定部121cは、図15のS103において、検出されたデフォーカス量dがd0以下であるかどうかを判定する。
図14の縦軸のdで示したデフォーカス量は、デフォーカス量が非常に大きく、検出されたデフォーカス量の信頼性が低い状態を示している。この時の焦点検出状態は、デフォーカス量の信頼性は低く、合焦位置の方向のみ分かっている状態とする。
この状態から、図14の14−1に示したように、デフォーカス量算出部121aにより所定のデフォーカス量d0が検出されるまでは、制御部121dは、S104で示したように、第3レンズ群105を所定のレンズ駆動速度Vmaxで駆動させる。このように、制御部121aは、デフォーカス量dが所定値(所定のデフォーカス量d0)より大きく該デフォーカス量dの信頼性が低いと判断される場合、レンズの駆動速度をAF時間tによらず所定の駆動速度Vmaxに設定する。
ここでの所定のデフォーカス量d0は、残りデフォーカス量と合焦位置の方向が分かるデフォーカス量を指し示している。
また、ここでのレンズ駆動速度Vmaxの設定の仕方は、残りのデフォーカス量の信頼性が低く、合焦位置までどれくらいレンズ駆動に時間が必要かが分からないので、残りのデフォーカス量が判明する位置d0まではできるだけ短時間で到達する必要がある。そのため、可能な限り速いことが好ましい。例えば、上記式(2)にて算出された駆動速度vよりも速い駆動速度に設定する。
このようにしてデフォーカス量と合焦位置の方向が判明するd0までレンズを駆動する。この間、計測部121eは、AFを開始してからd0に到達するまでにかかった時間t0を算出する。このように、計測部121eは、レンズ(光学素子)が駆動を開始してからデフォーカス量算出部121aがデフォーカス量を算出した時間までの経過時間を計測する計測手段として機能する。そして、制御部121dは、S105にて式(3)により次のレンズ駆動速度v0を算出する。
v0=d0/(t−t0) (3)
上式は、ユーザーが所望するAF時間tからt0を引いた残りAF時間と残りデフォーカス量d0を元に、v0を算出しAFを行うことを示している。このように、制御部121dは、検出したデフォーカス量と合焦時間とに基づいて算出する駆動速度で被写体の合焦状態を変更する第3レンズ群105(光学素子)を駆動してフォーカス制御を行う制御手段として機能する。
さらにここから、S106からS108において、より信頼性の高いデフォーカス量を検出できるデフォーカス量d1まで、レンズ駆動速度v0で、図14の14−2に示した領域においてレンズ駆動を行う。すなわち、制御部121dは、デフォーカス量d0を算出した際に、該デフォーカス量d0と、AF時間tから経過時間t0を引いた残存時間と、に基づいて算出される駆動速度v0でレンズを制御する。なお、S106からS108までの処理は、上述したS102からS104と同様に、デフォーカス量算出部121a,判定部121c,制御部121dにより実行される。以下のS110からS112、および、S114からS116についても同様である。
このように、制御部121dは、まず第3レンズ群105(光学素子)の駆動開始前に算出された被写体の第1デフォーカス量とAF時間tとに基づいて算出する第1駆動速度で光学素子の駆動を開始する。このとき、第1デフォーカス量が所定値(所定のデフォーカス量d0)より大きい場合は、上述したように所定の駆動速度Vmax(第1駆動速度)でフォーカス制御を行う。逆に、第1デフォーカス量が所定値より小さい場合(所定値以下の場合)は、第1デフォーカス量とAF時間tとに基づいて、上記式(2)を用いて算出される駆動速度(第1駆動速度)でフォーカス制御を行う。そして、光学素子の駆動開始後に算出された被写体の第2デフォーカス量(第1デフォーカス量より小さいデフォーカス量)とAF時間tから経過時間t0を引いた時間とに基づいて算出する第2駆動速度に光学素子の駆動速度を変更する。換言すれば、制御部121dは、第1駆動速度でフォーカス制御を行っている間に、算出された被写体の第2デフォーカス量とAF時間tから経過時間t0を引いた時間とに基づいて算出される第2駆動速度に駆動速度を変更(修正)する。
次に、デフォーカス量がd1となった時の経過時間t1とデフォーカス量d1から、制御部121dはS109にて次のレンズ駆動速度v1を式(4)により算出する。換言すれば、制御部121dは、レンズ駆動速度v0で制御している間に、デフォーカス量d0よりも小さいデフォーカス量d1(第2デフォーカス量)を算出した際に、駆動速度v0を、式(4)により算出される駆動速度v1(第2駆動速度)に、変更する。ここで、駆動速度v1は、下記式(4)に示すように、デフォーカス量d1と、AF時間tから経過時間t1を引いた残存時間に基づいて算出される。
v1=d1/(t−t1) (4)
同様の方法で、S110からS112において、より信頼性の高いデフォーカス量を検出できるデフォーカス量d2になるまで、レンズ駆動速度v1で、図14の14−3に示した領域にてレンズ駆動を行う。そして、デフォーカス量がd2となった時の経過時間t2とデフォーカス量d2から、S113にて次のレンズ駆動速度v2を式(5)により算出する。
v2=d2/(t−t2) (5)
同様の方法で、S114からS116において、合焦領域であるデフォーカス量d3になるまで、レンズ駆動速度v2で、図14の14−4に示した領域にてレンズ駆動を行う。そして、デフォーカス量がd3以下となったら、S117において合焦表示を行い、AFを終了する。
上記の方法を用いることにより、AF開始時のデフォーカス量がいかなる値であっても、ユーザーが所望するAF時間でAFを完了させることが可能となる。
本実施例は、レンズの駆動速度を修正する回数を3回とした時を例として説明したが、レンズ駆動速度の修正回数は任意の回数n回として設定できる。
レンズ駆動速度の修正回数をn回とした時、n回目のレンズ駆動速度は式(6)により算出してレンズ駆動速度の変更を行う。
v(n−1)=d(n−1)/(t−t(n−1)) (6)
このようにして、それぞれのデフォーカス位置において、上記式により算出されたレンズ駆動速度でレンズを駆動することにより、AF開始時にいかなるデフォーカス量を検出した場合においても所望のAF時間でAFを完了することが可能となる。
[実施例2]
次に実施例2について説明する。
実施例1は撮像面位相差方式の焦点検出手段を用いた例を示したが、撮像装置の中には、複数の焦点検出手段を組み合わせてAFを行うものもある。
例えば、撮像面位相差方式で合焦位置付近までレンズを駆動してから、コントラストAFに切り替えてさらに高精度に合焦位置を追いこむ方式などが実施されている。
しかし、コントラストAFはデフォーカス量を検出することができないため、実施例1の方法を用いることができない。
そこで実施例2は、コントラストAF方式に切り替わってから合焦させるのに必要な時間(すなわち、コントラスト情報に基づく合焦動作に必要な所定時間)をtcとして、あらかじめ固定値として設定した上で、レンズの駆動速度を算出する方法をとる。
コントラストAFは、そもそも残りのデフォーカス量を算出することができないため、コントラストAF単体ではAF時間を特定することはできない。
しかし本実施例で用いるような撮像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせて用いる方法では、コントラストAFに切り替える時点でのデフォーカス量が判明している。そのため、そこからのコントラストAFによるAF時間は、ある程度の誤差はあるものの、おおよその予測をたてることができる。
そのため、コントラストAFで最終合焦に到達するまでの時間を固定値tcとしてあらかじめカメラ内で設定しておき、残り時間からtcをさらに引いた上で、途中のレンズ駆動の速度を算出する。そうすれば、ユーザーが所望するAF時間に対し、大きくずれることなくAFを完了させることが可能となる。
次に、本実施例における、焦点検出手段を用いてユーザーが所望する時間(AF時間)にてAFを完了させるためのアルゴリズムを図17を用いて説明する。なお、図17の動作は、CPU121により制御・実行される。
まずS201にて、ユーザーがAF時間を設定したのち、S202にて焦点検出を行いデフォーカス量を判定し、S203からS204までは、図16の16−1で示すように実施例1と同様に行う。
次に、デフォーカス量がd0となったとき、制御部121dは、S205にて、最初のレンズ駆動速度の修正を行う。このレンズ駆動速度の修正の際に、コントラストAFを開始するデフォーカス量d2の位置まで、残り時間からtcを引いた時間で到達するように、レンズ駆動速度v0を式(7)にて設定する。すなわち、S205にて、制御部121dは、検出したデフォーカス量d0からコントラストAFを開始するデフォーカス量d2を引いた残りデフォーカス量を算出する。また、AF時間tから経過時間t0および所定時間tcを引いた残存時間を算出する。そして、これら残りデフォーカス量と残存時間とに基づいて、式(7)を用いて駆動速度v0を算出する。このように、制御部121dは、本実施例では、検出したデフォーカス量とAF時間tと所定時間tcに基づいて、駆動速度を算出する。
v0=(d0−d2)/(t−tc−t0) (7)
このようにして算出したレンズ駆動速度v0で、デフォーカス量がd1となるまで、S206からS208を繰り返すようにして、図16の16−2の領域を駆動する。
同様に、デフォーカス量がd1となったとき、S209にて、デフォーカス量d2の位置まで、残り時間からtcを引いた時間で到達するように、レンズ駆動速度v1を式(8)にて設定する。
v1=(d1−d2)/(t−tc−t1) (8)
このようにして算出したレンズ駆動速度v1で、デフォーカス量がd2となるまで、S210からS212を繰り返すようにして、図16の16−3の領域を駆動する。
上記方法にて、デフォーカス量d2の位置までレンズ駆動を行った後、コントラスト検出部121f(コントラスト検出手段)は、撮像素子107の出力信号からコントラスト評価値(コントラスト情報)を検出する。そして、制御部121dは、検出したコントラスト情報に基づいて、図16の16−4に示すように、デフォーカス量d2から合焦位置までレンズの駆動を制御し、コントラストAFを行う。このように、本実施例では、制御部121dは、デフォーカス量が閾値(デフォーカス量d2)より大きい場合、検出したデフォーカス量と算出した駆動速度に基づいて撮像面位相差方式AFによりレンズの駆動を制御する。また、デフォーカス量が閾値(デフォーカス量d2)より小さい場合(閾値以下の場合)、検出したコントラスト情報に基づいてコントラスト方式AFによりレンズの駆動を制御する。
本実施例は、上記方法でAFを行うことにより、撮像面位相差方式AFとコントラスト方式AFを組み合わせた場合においても、実施例1と同様に、ユーザーが所望するAF時間tから大きくずれることなくAFを完了させることができる。
[実施例3]
上記実施例1ないし2の方法を用いれば、AF開始時のデフォーカス量が大きな値であっても、ユーザーが所望するAF時間でAFを完了させることができる。
しかし、低輝度下の条件であったり、被写体のコントラストが低い場合など、検出されるデフォーカス量の信頼性が低い場合、まだ合焦位置まで到達していないうちにAF時間を超えてしまう恐れがある。
そのため、本実施例においては、実施例1および2において算出されたレンズ駆動速度に、残りデフォーカス量に応じて所定の係数をかけた値を用いる。
具体的には、例えば、実施例1における図15のS108、S112、S116にそれぞれ示したv0、v1、v2に対し、図18に示した所定の係数をかける。このように、本実施例では、検出したデフォーカス量とAF時間とに基づいて算出される駆動速度に対し所定の係数をかけることを特徴とする。この所定の係数は、図18に示されるように、1以上の係数であり、算出される駆動速度が変更(修正)されるにつれて(すなわち、検出されるデフォーカス量が小さくなるにつれて)、小さくなる。
信頼性が比較的低めなv0で駆動する領域においては、図15のS108で算出されたv0に対して所定の係数2をかけたv0の2倍の速度で駆動し、早めに合焦位置に近づいておく。さらにS112で算出されたv1で駆動する領域においては、v1を1.5倍にした速度で駆動し、早めに合焦位置近くまでレンズを駆動させておく。
そして最後のS116で算出したv2で駆動する領域において、算出されたv2の速度をそのまま用いて駆動することにより、ユーザーが設定したAF時間通りにAFを完了させることができる。
このように、検出されるデフォーカス量の信頼性が低い領域において、早めに合焦位置近くまで駆動しておき、最後にAF時間通りにAFを完了できるように調整することによって、ユーザーが設定したAF時間通りにAFが完了する可能性を高くすることができる。
[その他の実施例]
次にその他の実施例について説明する。
上記実施例1および2おいては、撮像面位相差AF方式、もしくは撮像面位相差AFとコントラストAFを併用した例を示したが、焦点検出手段はこれに限定されるものではない。例えば撮像面ではない専用の焦点検出用のセンサを用いて焦点検出を行ったものでもよいし、DFD(Depth From Defocus)方式を用いたものでもよい。つまり、デフォーカス量を検出することができる焦点検出手段を用いる、もしくはデフォーカス量を検出できる焦点検出手段と組み合わせて用いる方法であれば、本方式は適用可能である。
以上説明したように、最初に検出したデフォーカス量が大きい場合、そのデフォーカス量を元に算出したレンズ駆動速度で駆動すると、デフォーカス量にズレが生じることがあり、結果的にユーザーが希望するAF時間でAFを完了することができない。これに対し、上記実施例によれば、レンズが駆動開始してからの時間を測定し、ユーザーが設定したAF時間からレンズ駆動時間を引いた残存時間を算出し、該残存時間と残りのデフォーカス量を用いて合焦までのレンズ駆動速度を算出する。残り時間と残りデフォーカス量に応じたレンズ駆動速度を設定することにより、ユーザーが所望するAF時間でAFを完了させることができる。すなわち、いかなるデフォーカス状態においても、確実にユーザーが希望するAF時間でAFを完了することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するための手順が記述されたコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
本発明は、撮影光学系の焦点を調節する焦点調節装置に好適に利用できる。
121a デフォーカス量算出部
121b 設定部
121d 制御部

Claims (15)

  1. 被写体のデフォーカス量を算出するデフォーカス量算出手段と、
    ユーザーの操作情報に基づいて前記被写体に合焦させる合焦時間を設定する設定手段と、
    前記デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する駆動速度で光学素子を駆動してフォーカス制御を行う制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記フォーカス制御において、
    前記光学素子の駆動開始前に算出された前記被写体の第1デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第1駆動速度で前記光学素子の駆動を開始し、
    前記光学素子の駆動中に、前記光学素子の駆動開始後に算出された前記被写体の第2デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第2駆動速度に前記光学素子の駆動速度を変更し、
    前記デフォーカス量が所定値より大きく該デフォーカス量の信頼性が低いと判断される場合、前記駆動速度を所定の駆動速度に設定する、
    ことを特徴とするフォーカス制御装置。
  2. 前記第2デフォーカス量は、前記第1デフォーカス量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス制御装置。
  3. 前記光学素子が駆動を開始してから前記デフォーカス量算出手段がデフォーカス量を算出した時間までの経過時間を計測する計測手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記デフォーカス量と、前記合焦時間から前記経過時間を引いた残存時間と、に基づいて、前記駆動速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のフォーカス制御装置。
  4. 撮像素子の出力信号からコントラスト情報を検出するコントラスト検出手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記デフォーカス量と、前記合焦時間と、前記コントラスト情報に基づく合焦動作に必要な所定時間と、に基づいて、前記駆動速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のフォーカス制御装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記デフォーカス量と、前記合焦時間から前記所定時間を引いた残存時間と、に基づいて、前記駆動速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載のフォーカス制御装置。
  6. 前記光学素子が駆動を開始してから前記デフォーカス量算出手段がデフォーカス量を算出した時間までの経過時間を計測する計測手段を有し、
    前記制御手段は、
    前記デフォーカス量と、前記合焦時間から前記経過時間および前記所定時間を引いた残存時間と、に基づいて、前記駆動速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載のフォーカス制御装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記デフォーカス量が閾値より大きい場合、前記デフォーカス量と前記駆動速度に基づいて前記光学素子の駆動を制御し、
    前記デフォーカス量が閾値より小さい場合、前記コントラスト情報に基づいて前記光学素子の駆動を制御する、
    ことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載のフォーカス制御装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出される駆動速度に所定の係数をかけることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のフォーカス制御装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記デフォーカス量が小さくなるにつれて、前記所定の係数を小さくすることを特徴とする請求項に記載のフォーカス制御装置。
  10. 被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子から得られる信号に基づいて、撮影光学系の焦点状態を検出して焦点状態を調節する請求項1ないしのいずれか1項に記載のフォーカス制御装置と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  11. 前記撮像素子は、位相差検出方式の焦点検出演算を行うための焦点検出用信号を出力可能な画素を複数有することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記光学素子を駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項10または11に記載の撮像装置。
  13. 被写体のデフォーカス量を算出するデフォーカス量算出ステップと、
    ユーザーの操作情報に基づいて前記被写体に合焦させる合焦時間を設定する設定ステップと、
    前記デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する駆動速度で光学素子を駆動してフォーカス制御を行う制御ステップと、
    を有し、
    前記制御ステップは、前記フォーカス制御において、
    前記光学素子の駆動開始前に算出された前記被写体の第1デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第1駆動速度で前記光学素子の駆動を開始し、
    前記光学素子の駆動中に、前記光学素子の駆動開始後に算出された前記被写体の第2デフォーカス量と前記合焦時間とに基づいて算出する第2駆動速度に前記光学素子の駆動速度を変更し、
    前記デフォーカス量が所定値より大きく該デフォーカス量の信頼性が低いと判断される場合、前記駆動速度を所定の駆動速度に設定する、
    ことを特徴とするフォーカス制御方法。
  14. 請求項13に記載のフォーカス制御方法の手順が記述されたコンピュータで実行可能なプログラム。
  15. コンピュータに、請求項13に記載のフォーカス制御方法の各ステップを実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
JP2015131214A 2015-06-30 2015-06-30 フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体 Active JP6611486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131214A JP6611486B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131214A JP6611486B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017015871A JP2017015871A (ja) 2017-01-19
JP6611486B2 true JP6611486B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=57827995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131214A Active JP6611486B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6611486B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023044327A (ja) 2021-09-17 2023-03-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3211366B2 (ja) * 1992-05-11 2001-09-25 株式会社ニコン 自動焦点調節装置
JP4928190B2 (ja) * 2006-08-11 2012-05-09 キヤノン株式会社 フォーカス制御装置および撮像装置
JP4987526B2 (ja) * 2007-03-22 2012-07-25 富士フイルム株式会社 オートフォーカスシステム
JP5604160B2 (ja) * 2010-04-09 2014-10-08 パナソニック株式会社 撮像装置
JP5379739B2 (ja) * 2010-04-30 2013-12-25 キヤノン株式会社 レンズ装置
JP2012173531A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Sony Corp 撮像装置、およびフォーカス制御方法、並びにプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017015871A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8159599B2 (en) Focus detection apparatus, focus detection method, and image sensing apparatus
US8654227B2 (en) Focus detection apparatus, focus detection method, and image sensing apparatus
JP6249825B2 (ja) 撮像装置、その制御方法、および制御プログラム
JP5898481B2 (ja) 撮像装置及び焦点検出方法
US20140340567A1 (en) Focus adjustment apparatus, focus adjustment method and program, and imaging apparatus
JP6239857B2 (ja) 撮像装置およびその制御方法
JP6532119B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP5656613B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP6808333B2 (ja) 表示制御装置及び方法、及び撮像装置
JP2016038414A (ja) 焦点検出装置およびその制御方法、並びに撮像装置
CN110312957B (zh) 焦点检测设备、焦点检测方法和计算机可读存储介质
JP6700986B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム
US9392162B2 (en) Imaging apparatus and its control method
JP2014235417A (ja) 撮像装置およびその制御方法
JP2015210285A (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP2012220790A (ja) 撮像装置
JP6611486B2 (ja) フォーカス制御装置、撮像装置、フォーカス制御方法、プログラム、および記憶媒体
JP6254843B2 (ja) 画像処理装置およびその制御方法
JP2015145970A (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP7309383B2 (ja) 撮像装置
KR20170087029A (ko) 촬상 장치 및 그 제어 방법
JP2017219782A (ja) 制御装置、撮像装置、制御方法、プログラム、および、記憶媒体
JP2017054052A (ja) 制御装置、撮像装置、制御方法、プログラム、および、記憶媒体
JP2015225311A (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP2015225310A (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6611486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151