JP6611069B1 - 液体注入ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 凝集剤、特に希釈された凝集剤による固形物に起因する注入管の閉塞を少なくできる凝集剤注入用に好適に使用できる液体注入ノズルを提供する。【解決手段】 片端部に流出口14を有する筒状のノズル本体10と、当該ノズル本体10の筒部空間11内に当該ノズル本体10の筒軸方向に配設される弁軸20と、前記弁軸20の片端に備えられ、前記流出口14の近傍に配置される制御弁21と、前記ノズル本体10内の液体圧に応じて前記流出口14と前記制御弁21間の開口度を調整する調整機構40と、を備え、前記ノズル本体10は好ましくは2以上の液体流入孔12,13を前記ノズル本体10の筒軸方向に備えた液体注入ノズル1とする。【選択図】図2

Description

本願発明は液体注入ノズルに関する。
浄水場における一般的な水処理フローでは、河川等の水源から取水された原水に、混和池で凝集剤等の水処理薬剤が注入され、急速攪拌機等で混和された後、フロック形成池、薬品沈澱池、急速ろ過池を経て、最終的に消毒処理された後、家庭などに給水される。
近年、消費エネルギーの低減化を図る水処理方法として、混和池流入部や薬品沈殿池流出部に設けられた越流堰からオーバーフローした被処理水の水面上又は被処理水中に、自然流下ではなく、噴霧ノズルから凝集剤を噴霧する処理方法が提案されている(特許文献1)。この方法では凝集剤の分散性や混和効率が大幅に向上し、攪拌に必要な電気エネルギーだけでなく凝集剤量の使用量が大幅に減少される。
ところで、水処理における凝集剤として、一般的にポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム、ポリシリカ鉄が使用されている。これらのうちPACは硫酸アルミニウムに比べて優れた凝集性を示し、適応pH値範囲が広く、アルカリ度の低下量も少ない等の特徴があることから、最近では広く使用されている。
PAC等の凝集剤は通常濃厚水溶液(原液)として浄水場内の貯蔵設備に貯蔵され、移送配管、注入管により原水等の被処理水に連続注入される。PACは貯蔵期間によっては加水分解が進行して、貯蔵槽内においてもアルミニウムを主成分とする固形物が析出する。析出した固形物は移送配管、注入管等を閉塞して凝集機能を阻害する原因となる。PAC原液の原水への注入量は原水1m3当たり数十ml(容積注入率で数十ppmオーダー)であって原水に対して極めて少量である。確実な凝集効果を維持するためには混和池での急速な拡散・混和が必要であるが、原液注入量が微量なために注入むら等が発生し、急速な拡散・混和性能に課題が生じる場合がある。このため、特許文献1に記載されたように、浄水場では運用条件等を考慮して、希釈水(例えば構内水)等でPAC原液を希釈して、注入量そのものを増加させて注入する方法が採用される場合がある。PAC原液は希釈水で希釈した場合には固形物の析出が加速され、原液を注入する場合に比べて凝集機能が阻害されやすくなる。このために、希釈して注入する場合には、固形物の析出にともなう注入管等の閉塞に細心の注意を払うとともに、定期的な注入管洗浄等の閉塞防止対策をとる必要性が高くなる。
しかしながら、上記した固形物の日常的な監視と障害発生の防止のための定期的な注入管洗浄には多大な労力を必要とするため、効率的な閉塞防止対策は期待されているものの、それらの改善が進行しているとは必ずしも言えない。また、固形物の洗浄除去が容易である注入管等を導入することも考えられるが、人為的な洗浄では洗浄頻度にも限界があり、迅速な対応が困難であるなどの課題がある。
また、特許文献1ではPAC原液と希釈水を混合するインジェクターから噴霧ノズルに至る希釈凝集剤注入管に、インジェクターに備えられた切替バルブによって希釈水のみが流れるように構成されているが、人為的な洗浄による閉塞防止対策は欠くことができず、噴霧ノズルが用いられているのでさらなる閉塞防止対策が求められる。
一方、2液を混合して吐出する混合ノズルが特許文献2に記載されている。この混合ノズルは複数の液体が混合された混合液体を噴霧させる噴出孔に、目詰防止針を設け圧縮空気により当該目詰防止針を移動させることで噴出孔から混合液体を噴霧させ、あるいは孔の目詰まりを防止する。しかしながら、この混合ノズルは目詰防止針を噴出孔に挿入させることで目詰まりを防止するように構成されているので、混合液体の連続吐出が考慮されておらず、PCA希釈液のような希釈凝集剤を連続吐出した場合には目詰まりが直ちに生じてしまい、目詰まり防止のために吐出を頻繁に停止させる必要がある。
特開2013−013870号公報 実開昭53−145215号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであって、凝集剤、特に希釈された凝集剤による固形物に起因する閉塞を少なくした凝集剤注入用として好適に利用できる液体注入ノズルを提供することにある。
本発明の液体注入ノズルは、片端部に流出口を有する筒状のノズル本体と、当該ノズル本体の筒部空間内に当該ノズル本体の軸方向に配設される弁軸と、前記弁軸の片端に備えられ、前記流出口の近傍に配置される制御弁と、前記ノズル本体内の液体圧に応じて前記流出口と前記制御弁間の開口度を調整する調整機構と、を有し、前記ノズル本体の側面に1以上の液体流入孔を備えている。
本発明の液体注入ノズルによると、固形物の発生によりノズル本体の筒部空間内の液体圧(内圧)が高まった場合に前記注入口と前記制御弁間の間隙が大きくなって、生じた固形物が排出されやすくなり、いわゆる目詰まりの発生する度合いが減少する。また、固形物の排出で筒部空間の液体圧が元に戻ると間隙が小さくなって目詰まり前の状態に戻る。この結果、目詰まり解消のための停止を行うことなく、希釈された凝集剤の連続注入がなされる。
図1は本発明の一実施形態に係る液体注入ノズルの概略分解断面図である。 図2は図1の液体注入ノズルの動作説明図であって、定常状態を示す図である。 図3は図1の液体注入ノズルの動作説明図であって、洗浄時の状態を示す図である。 図4は液体注入ノズルの一使用態様を示す説明図である。 図5は本発明の別な一実施形態に係る液体注入ノズルの概略断面図である。
本発明に係る液体注入ノズルは、ノズル本体と、弁軸と、ノズル本体の流出口の近傍に配置される制御弁と、前記流出口と前記制御弁間の開口度を調整する調整機構とを有する。
ノズル本体は、片端部に流出口となる開口を有し他端が閉塞された筒状に形成されている。筒状であればノズル本体の外観形状の形状は問われず、筒部空間の形状は角柱状でもあり円柱状でもあり得る。ノズル本体の材質も特に限定されるものではなく、合成樹脂や、ステンレス,鉄、銅などの各種金属製が用いられ、混合する液体や混合された後の混合液体の性質等によって適宜選択される。
ノズル本体は少なくとも1つの液体流入孔を有する。液体流入孔はノズル本体の側面に設けられる。ノズル本体の筒部空間は液体がほぼ充満される液室となり、ノズル本体が2以上の液体流入孔を備える場合には、2種類以上の液体が混合される混合室となり得る。液体流入孔の位置は特に限られるものではないが、2以上の液体流入孔が備えられる場合には、少なくとも1つの液体流入孔はできる限り流出口の近傍に位置し、他の液体流入孔はそれと同じであるかそれよりも流出口から遠位側に位置することが好ましい。流出口近傍に1つの液体流入孔を位置させることで、混合後の液体の滞留時間が短くなるからである。また、ノズル本体の周方向における2つ以上の液体流入孔の位置関係も限定されるものではないが、筒部空間内での混合を考慮すると、流出口近傍の液体流入孔と他の液体流入孔がほぼ同軸上に位置するのが好ましい。また、2以上の液体流入孔の大きさは同じであっても、異なっていてもよい。
ノズル本体の筒部空間には、一方端に制御弁を備えた弁軸が配置される。弁軸はその他端を流出口から突出させるとともにその他端をノズル本体の閉塞端を貫通させて、ノズル本体に固定されることなく、筒部空間のほぼ軸心に配置される。弁軸の流出口側の端には制御弁が交換可能若しくは不可能に備えられ、その他端には、ノズル本体の流出口と制御弁間の開口度を調整する調整機構が備えられる。ここで開口度とは、制御弁と流出口間の間隙の大きさを意味する。つまり、弁軸(制御弁)が流出口側に移動すると開口度が大きくなる、言い換えると流出口と制御弁間の間隙が広くなり、弁軸(制御弁)がノズル本体の閉塞端側へ移動すると開口度が小さくなる、言い換えると流出口と制御弁間の間隙が狭くなることを意味する。流出口と制御弁間の間隙は、制御弁の全周囲に設けられる場合や、制御弁の周囲の一部に設けられる場合もあり得る。弁軸の材質も限定されるものではなく、合成樹脂や金属製のものであり得る。制御弁にかかる圧力の大きさや筒部空間内に流入する液体ないし混合された後の液体の性質によってその材質が適宜選択される。
制御弁は、ノズル本体の流出口との間で液体の吐出状態を制御するための弁である。ここで吐出状態とは、例えば、流出口から吐出される液体の吐出量であり、吐出方向であり、吐出の態様、例えば霧状に吐出させる(流出口との間隙を極めて小さくする)、霧よりも若干大きな滴状に吐出させる(流出口との間隙を若干広くする)などである。制御弁の形状は、ノズル本体の流出口の形状と所望する吐出状態によって適宜決定され得る。その形状としては、単純な円盤状のもの、流出口に向けて端面積が小さくなる錐台状のもの、円盤状の基礎部に流出口に向けて端面積が小さくなる錐台状部を備えたものなどが例示される。その大きさも、流出口の大きさや形状、混合液体の性質(例えば粘性)、吐出圧などとの関係によって決定され、流出口に向かう端面は流出口よりも大きくても小さくてもよく、流出口にほぼぴったりと嵌まる大きさでもよい。例えば、制御弁を、円形の流出口よりも小さな端面を有する円盤状にすると、流出口から前方に向けて吐出され、円形の流出口よりも大きな端面を有する円盤状とすると、流出口から側方に向けて吐出される。また、円形の流出口よりも小さな端面を有する錐台状にすると扇状に吐出される。
調整機構はコイルバネや板バネ、ゴムなどの弾性部材と、ノズル本体内に開口度が大きくなる方向に液体圧が加わった場合に、ノズル本体を元の位置に戻そうとする復元力を生じさせるための支持部材を備える。当該調整機構は、ノズル本体内の液体圧に応じて開口度を変化させ、制御弁に一定の圧力が加わった状態で所望する開口度に調整する。
支持部材は弁軸の制御弁側と反対側の端又は端近傍に備えられる。支持部材は、ノズル本体が設置架台などに固定された場合には、制御弁と支持部材が共にノズル本体の軸方向に移動するように弁軸を支持する。例えば、支持部材を貫通させた弁軸にナットで固定する方法、支持部材の閉塞端にねじ止めする方法や接着剤で固定する方法が例示される。支持部材の形状は特に制約されることはない。例えば、厚みのある円盤状のものであってもよく、ノズル本体が挿入され得るようになった一方端が閉塞した筒状のものが示される。支持部材はノズル本体の軸方向に移動するので、この移動が滑らかに行われる構造となった一方端が閉塞した筒状のものが望まれる。
弾性部材は支持部材とノズル本体の閉塞端との間に配置される。弾性部材は一つでも複数でもよいが、支持部材が弁軸の軸方向にほぼ平行に移動できるように配置される。例えば弾性部材が一つのコイルバネであれば、弁軸をコイルバネに挿通させて、ノズル本体閉塞端の端面のほぼ中央に位置させる。複数のコイルバネを設ける場合には、ノズル本体閉塞端の端面に対して周方向に均等間隔で位置させることもできる。
弾性部材は、前記流出口から吐出される液体量がほぼ一定となるように設定された開口度よりも大きくなるような液体圧が前記筒部空間内に生じた場合に大きくなった開口度を元に戻す方向に復元力を発揮するように備えられる。その弾性力は、目詰まりを生じた際に生じると予測される圧力増加、あるいは流出口と制御弁間の間隙が狭くなり所望する吐出量が確保できなくなると予想される圧力増加があった場合に開口度が大きくなり、定常状態、すなわち、ノズル本体に流入した液体が流出口からほぼ一定量で継続的に吐出している状態が確保されるように決定される。弾性力は流出口の大きさ、制御弁端面の大きさ、定常状態における流出口と制御弁の開口度、混合液体の吐出量、ノズル本体に流入する液体の圧力、流入量等に応じて設定される。もっとも定常状態であっても流入する流入量の変化によりわずかな圧力変化は生じ得るので、このようなわずかな圧力変化で開口度がたやすく変化しない、つまり吐出量がほぼ一定量に保たれることが望ましい。弾性部材は、定常状態において弾性部材に復元力が働くように、例えば弾性部材がコイルバネであれば、コイルバネがやや圧縮された状態でノズル本体と支持部材の間に配置される。
また、液体を吐出させながら定常状態が確保できるように、開口度を事後的に調整できる調整部材が備えられる。当該調整部材には、例えば、弁軸の端部に設けられたねじ山とそれに螺合するナット、弁軸の端部に設けられた雄ねじと支持部材の閉塞端内側に設けられた雌ねじが用いられる。前者では、ねじ山は少なくとも支持部材から制御弁と反対側に突出した部分に設けられる。ナット又は雌ねじを螺合することで支持部材とノズル本体間の距離が変化し、定常状態における開口度が調整される。調整部材により、定常状態におけるノズル本体の流出口と制御弁間の開口度を任意に設定できる。
ノズル本体の開口部先端側には必要に応じてその周方向において部分的に制御壁が弁軸方向に突設される。本発明に係る液体注入ノズルは、流出口と制御弁間の間隙から液体を吐出するが、制御弁の形状等によりその吐出状態が変化し、例えば、錐台状の制御弁を用いた場合には流出口から扇状に液体が吐出される。制御壁はこの吐出方向を制限し、必要とされる方向に液体を吐出させる。
液体流入孔は吐出させる液体を送液する液体ポンプと配管によって接続され、本発明に係る液体注入ノズルは液体注入装置として使用される。液体ポンプは定圧ポンプであり、定流量ポンプのいずれでもよい。送液される液体は特に限定されることはなく、その用途に応じて適宜選択される。例えば、浄水場や下水処理場の水処理において用いられる場合を考えると、1つの液体流入孔のみを備えた液体注入ノズルでは、例えば、希釈された凝集剤であり、消毒用の塩素水やpH調整用の水酸化ナトリウム水溶液であり得る。2つの液体流入孔を備えた液体注入ノズルでは、例えば、1つの液体は水であり、もう1つの液体は凝集剤の濃厚液(凝集剤原液)であり、濃厚塩素水であり、水酸化ナトリウムの濃厚水であり得る。凝集剤も特定されず、通常の水処理に用いられるPACや硫酸アルミニウム、ポリシリカ鉄が例示される。もちろん、2液を混合することで粘性を生じさせるような場合や3液以上を混合する場合であっても差し支えない。
定常状態では、液体ポンプから液体流入孔を通じてノズル本体に1又は2以上の液体が供給される。供給された液体は流出口と制御弁間の間隙からほぼ一定量で吐出される。液体の混合により生じた固形物や供給された液体中に含まれる異物等により、いわゆる目詰まりが生じると、ノズル本体の内圧が高まる結果、弾性部材の復元力に反して制御弁が流出口方向に移動し、流出口と制御弁間の開口度が大きくなる。この際に、目詰まりの原因となった固形物や異物が排出されれば、ノズル本体の内圧が低下して、弾性部材の復元力によって開口度が小さくなるが、ほぼ一定の吐出量が確保される。
また、定常状態における流入量よりも過大な流入量又は流入圧で液体をノズル本体に供給すれば、定常状態における復元力よりも大きな力が弾性部材に加わることになるので、開口度は定常状態よりも大きくなり、吐出量が増大する。従って、固形物により制御弁の駆動が出来なくなったような異常時などに、定常状態よりも過大な流入量や流入圧で液体を供給することで、ノズル本体の空洞内部や流出口周辺、制御弁が洗浄され、異常の解消が図られる。また、定期的に定常状態における流入量や流入圧よりも過大な流入量又は流入圧で液体を供給してもよい。
液体ポンプを備えた本発明に係る液体注入装置には、必要により、所定の時間、液体ノズル本体内の液体圧を高めるための制御部が備えられる。制御部には、予めプログラミングにより送液圧力や送液量を定常状態よりも増加させる時期や時間が設定され得る。設定される時期や時間は任意であり、例えば1時間毎に1分程度の時間であり、6時間毎に5分程度の時間であり、毎日定時に数分間でもあり得る。増加後の流量や圧力は弾性部材の定常状態における復元力よりも過大な復元力が得られるように設定される。このような流量設定や圧力設定により、所定時間、流出口と制御弁間の開口度が定常状態よりも広がり、流出口と制御弁間の間隙、空間ノズル本体の内部空間に存在する固形物や異物等が排出され得る。その後、定常状態での送液状態に戻すと、流出口と制御弁間の開口度が定常状態に戻り、一定の吐出量で吐出される。制御部は1又は2以上の任意の液体ポンプを制御し得るが、好ましくはノズル本体の流出口から遠位側にある液体流入孔に接続される液体ポンプを制御する。このとき、3つ以上の液体流入孔がある場合には、最も遠位側にある液体流入孔に接続される液体ポンプを制御するのが望ましい。こうすることで、当該液体流入孔から供給される液体、例えば水によるホンプ本体の内部空間内の洗浄効果がより一層望まれるからである。
本発明に係る液体注入ノズル又は液体注入装置の使用目的や設置場所は特に制約されるものではないが、液体の混合直後に吐出される構造を採用できるので、液体の混合により変化を生じやすい場合に使用される。例えば、水処理システムにおけるPACと水であって、希釈により固形物を生じる可能性がある場合である。水処理システムでは浄水処理や下水処理を問わず、特許文献1に例示されたように、越流堰の近傍において、越流堰を流れ出た水流面にノズル本体の流出口を向けて設置される。これ以外にも2種類以上の液体の混合により粘性が高まる場合や固化を生じやすくなる場合にも好適に利用される。
以下、図面に基づき本発明についてさらに説明するが、本発明の液体注入ノズルは下記実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲、明細書、図面から把握される技術的思想の範囲内において種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
図1は本発明の一実施形態である液体注入ノズルの分解断面図である。この液体注入ノズルは、水処理システムにおける凝集剤注入用のノズル1であって、PCA原液を希釈用水で希釈して注入するために用いられる。
液体注入ノズル1は、片端部に液体が吐出する流出口14となる開口部を有し、他端が閉塞端となった略円筒形状のノズル本体10と、片端部に制御弁21が固定された弁軸20と、ノズル本体10の閉塞した他端部側に配置される片端が閉塞した略円筒形状の支持部材30を有する。弁軸20は、制御弁21を流出口14近傍に位置させるともに、弁軸20の他端を、ノズル本体10の閉塞端の貫通孔16を通してノズル本体10の内部空間11内を挿通されている。このノズル本体10の側面には、弁軸20方向に2つの液体流入孔12,13が設けられ、各液体流入孔12,13には図示しない液体ポンプからの送液パイプが接続される接続部12a,13aがそれぞれノズル本体10と一体に形成されている。一方の液体流入孔13は流出口14の近傍に設けられ、他方の液体流入孔12はそれよりも流出口14の遠位側、ノズル本体10の閉塞端の近傍に設けられている。また、流出口14近傍の液体流入孔13の孔径は、閉塞端側の流体流入孔12の孔径よりも小さく形成されている。ノズル本体10には周壁の一部に流出口14から先端側(吐出側)に制御壁15が延設されている。制御壁15の延設長さは、定常状態において、流出口14と制御弁21間の間隙17から吐出された凝集剤の拡散を防げる程度の長さに設定される。また、周方向の長さ(円弧長さ)も任意であり、水処理システムに設置される状況、例えば、ノズル本体10の設置角度などに応じて適宜設定される。
支持部材30は、その内径がノズル本体10の外径よりもわずかに大きく作製され、支持部材30の筒部空間31に閉塞端側から挿入されたノズル本体10が、支持部材30の筒部空間31内を滑らかに移動可能となっている。ノズル本体10及び支持部材30はそれぞれ凝集剤による腐食性を考慮して合成樹脂製であり、弁軸20は耐腐食性を有する金属製である。
制御弁21は、円盤状の基部に円錐台状部21aを備えた形状に作製されており、流出口14に向いた端面はその反対側の端面よりも小さい。制御弁21は、図2に示す定常状態ではその一部がノズル本体10の内部空間11内に位置し、その際に制御弁21の周面とノズル本体10の内周面の間にわずかに間隙17ができる大きさである。この間隙17の大きさは、吐出量によっても左右するが、定常状態において好ましくは霧状若しくはそれよりも若干大きな滴状で、扇状に液体が吐出されるように設計されている。制御弁21も弁軸20と同様に耐腐食性を有する金属製である。制御弁21は弁軸20に例えばねじ止めされている。
支持部材30の筒部空間31とノズル本体10の閉塞端との間には、調整機構40を構成する1つのコイルバネ41が配置されている。コイルバネ41には、ノズル本体10の閉塞端を貫通した弁軸20が挿通されている。弁軸20は支持部材30の閉塞端にある貫通孔32を挿通し、少なくとも支持部材30を貫通する部分から外側端にはねじ山43を有する。当該ねじ山43には支持部材30の閉塞端側からナット42が螺合される。螺合することでコイルバネ41に復元力を生じさせ、ナット42の回転量を調整することで支持部材30の閉塞端内側とノズル本体10の閉塞端外側の間の距離を調整できる。ノズル本体10に希釈用水やPAC原液が供給されていない状態では、ナット42は弁軸20の脱落防止機能を発揮する。希釈用水やPAC原液が所定の流量で供給されるとコイルバネ41はやや圧縮状態となる。そして、ナット42を回すことで所望する吐出量が得られるように流出口14と制御弁21間の開口度を調整する。
ノズル本体10の流出口14から遠位側にある液体流入孔12には、接続口12aに接続された送液ホースを介して第1の液体ポンプ(図示せず)から希釈用水が送液され、ノズル本体10の流出口14に近い側の液体流入孔13には、接続口13aに接続された送液ホースを介して第2の液体ポンプ(図示せず)からPAC原液が送液される。第1の液体ポンプ、第2の液体ポンプはそれぞれ、定常状態となるように設定された所定の流量で希釈用水及びPAC原液を送出する。また、第1の液体ポンプは、タイマーを備えた制御部によって、設定された所定の時刻になると、定常状態における流量よりも過大な量で送液するように制御され、一定時間過大な流量で希釈用水を送液する。制御部は、必要に応じてそれに合わせて第2の液体ポンプを停止させる。過大な流量で希釈用水が送液されると、図3に示すように洗浄状態に移行し、流出口14と制御弁21間の開口度(間隙17)が定常状態よりも大きくなり、多量の希釈用水が吐出される。もちろん、タイマーに頼ることなく、手動で第1の送液ポンプの送液圧力や送液量を変え、第2の送液ポンプを停止させることもできる。
この液体注入ノズル1は、例えば特許文献1に記載されたように水処理システムにおける越流堰近傍に備えられ、越流堰を越えて流れる処理水に向けて凝集剤を吐出する(図4参照)。このとき、処理水に対してほぼ垂直に凝集剤が吐出されるようにノズル本体10を傾斜させて設置される。また、ノズル本体10の上方に凝集剤が吐出されるのを防ぐために、制御壁15を斜め上方に向けて設置される。
一例として、特許文献1に記載されたように越流堰の近傍に設置して使用することを前提とし、設置する水処理システムの水処理量や越流堰の設置状況を考慮して、定常状態において、PAC原液流入量を約0.01〜0.1L/分、希釈された後の凝集剤吐出量を5〜10L/分となるようにノズル本体10の大きさを設計した。また、固形物が発生することで0.01MPaの圧力変化が生じた場合でも前記の吐出量が確保できることとしてバネ定数が約5N/cmのコイルバネを採用し、流出口と制御弁間の間隙(開口度)を、円錐台状部の基部(制御弁の最大径となる部分)において0.2〜0.4mmとなるように調整機構40(ナット42)を調整した。また、1時間に1分間、開口度を2〜3mm程度となるように希釈用水のみが流れるように液体ポンプを駆動して洗浄状態とした。この結果、2ヶ月の連続運用においていわゆる目詰まりを起こすことなく、凝集剤の連続注入を継続させることができた。
図5は本発明の他の一実施形態である液体注入ノズル1の概略的断面図である。この液体注入ノズル1は、1つの液体流入孔12のみを備えている点で実施例1に示す液体注入ノズル1と異なっている。この液体注入ノズル1は、水処理システムにおける凝集剤注入用として利用される場合では、例えば予めPCA原液が希釈用水で希釈された希釈PAC水が、定量ポンプ(図示せず)から接続部12aを介して送液される。また、送液流路に切替弁を設けて、希釈PAC水と洗浄用水を切り替えて送液できるように構成し、定期的に洗浄用水を液体注入ノズル1に送液することでノズル本体10の洗浄を行うようにしてもよい。このように1つの液体流入孔12のみを備えている場合でも、目詰まりにより注入ノズル本体10内の液体圧が高まった場合でも定常状態を確保し、定常状態よりも過大な圧力又は流量で洗浄用水を送液することで、目詰まりが解消される。
本発明に係る液体注入ノズルは、水処理システムにおける凝集剤の注入だけに限らず、2液以上の液体を混合して吐出若しくは噴霧させる装置としても利用し得る。
10 ノズル本体
12,13 液体流入孔
17 流出口と制御弁間の間隙
20 弁軸
21 制御弁
30 支持部材
41 コイルバネ
42 ナット

Claims (10)

  1. 片端部に流出口を有する筒状のノズル本体と、
    当該ノズル本体の筒部空間内に当該ノズル本体の軸方向に配設される弁軸と
    前記弁軸の片端に備えられ、前記流出口の近傍に配置される制御弁と、
    前記液体ノズル本体内の液体圧に応じて前記流出口と前記制御弁間の開口度を調整する調整機構と、を有し、
    前記ノズル本体はその側面に2以上の液体流入孔を備え、2種類以上の液体が前記液体流入孔から前記ノズル本体に送液される液体注入ノズル。
  2. 片端部に流出口を有する筒状のノズル本体と、
    当該ノズル本体の筒部空間内に当該ノズル本体の軸方向に配設される弁軸と
    前記弁軸の片端に備えられ、前記流出口の近傍に配置される制御弁と、
    前記液体ノズル本体内の液体圧に応じて前記流出口と前記制御弁間の開口度を調整する調整機構と、を有し、
    前記ノズル本体はその側面に2以上の液体流入孔を備え、
    当該液体流入孔の1つは前記流出口の近傍に備えられ、残る液体流入孔は前記流出口の近傍に備えられた液体流入孔よりも前記流出口に対して遠位側に位置する液体注入ノズル。
  3. 前記調整機構は弾性部材を備え、当該弾性部材が、前記流出口から吐出される液体量がほぼ一定となるように設定された開口度よりも大きくなるような液体圧が前記筒部空間内に生じた場合に前記開口度を元に戻す方向に復元力を発揮するように備えられた請求項1又は2に記載の液体注入ノズル。
  4. 前記調整機構は前記復元力を調整する調整部材を備えた請求項3に記載の液体注入ノズル。
  5. 前記調整部材は前記弁軸と当該弁軸の前記制御弁と反対側端部に螺合されるナットからなる請求項4に記載の液体注入ノズル。
  6. 前記ノズル本体に前記流出口から吐出される液体の吐出方向を制限する制御壁が備えられた請求項1〜5の何れか1項に記載の液体注入ノズル。
  7. 前記制御弁は前記流出口側に向けて端面積が小さくなる錐台状部を備えた請求項1〜6の液体注入ノズル。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の液体注入ノズルと、
    前記液体流入孔のそれぞれに送液する2以上の送液ポンプを備えた液体注入装置。
  9. 前記液体流入孔の1つは前記流出口の近傍に備えられ、残る液体流入孔は前記流出口の近傍に備えられた液体流入孔よりも前記流出口に対して遠位側に位置する請求項2〜7の何れか1項に記載の液体注入ノズルと、
    前記液体流入孔のそれぞれに送液する2以上の送液ポンプを備え、
    前記流出口より遠位側に位置する前記液体流入孔の一つから液体を送液して、所望する時期に前記弾性部材の復元力よりも大きな液圧をノズル本体に生じさせる制御部を備えた液体注入装置。
  10. 請求項1〜7の何れか1項に記載の液体注入ノズル若しくは請求項8又は9に記載の液体注入装置を備えた水処理システム。
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