JP6610355B2 - 通信端末、および、パケット転送方法 - Google Patents
通信端末、および、パケット転送方法 Download PDFInfo
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Description
本実施形態の通信端末は、例えば、マルチホップネットワーク構成し、各所に分散配置されている多数の通信端末のうちの1つである。なお、無線端末を、単に、「端末」と呼ぶ場合がある。
図1に示すように、本実施形態の通信端末は、転倒判定部1と、経路決定部2と、近傍端末情報保持部3(端末情報保持部)と、無線部4と、を機能部として備えている。
転倒判定部1は、加速度センサ、傾斜センサなどの各種センサの値から、自身の通信端末の設置状態が転倒状態であるかどうか(端的に、自身の通信端末が転倒しているか否か、と表現する場合がある)を判定する。判定の方法として、3軸の加速度センサを用いて判定する場合は、あらかじめ設置状態が正常なときに測定した重力加速度のベクトルと、所定時間経過後に測定した重力加速度のベクトルのなす角度が一定以上となったときに転倒と判定する方法がある。転倒判定部1は、こうして判定した無線端末の設置状態の情報を、判定結果として経路決定部2に通知する。
経路決定部2は、マルチホップ通信によって、宛先となる無線端末にパケットを送信するための経路を決定する。経路決定部2は、定期的に経路を維持するための制御パケット(以下、「Helloパケット」と呼ぶ場合がある。)を出力する。Helloパケットには、自端末のアドレス情報や、根(root)となる端末(「根ノード」「宛先端末」と呼ぶ場合がある。)まで中継するために必要な送信回数(「ホップ数」、「ホップカウント(HC(Hop Count)と呼ぶ場合がある)」)が記載されている。各端末はホップ数の最も小さい端末に中継することで、データパケットを根ノードに転送することができる。
一方、転倒判定部1から入力した判定結果が転倒状態であるときは、(予め設定されている親端末ではなく、)近接端末の中で最も受信信号強度(以下、「RSSI(Received Signal Strength Indicator)」と呼ぶ場合がある)が大きい端末(転倒状態の通信端末が最も強い信号を受信することができる端末)を中継先に選択する。
また、前記ルールとして、直接は自身を親として選択していなくても、ホップ数が自身の端末より大きい端末へ中継した場合には、ループ状態になる可能性がある。このため、RSSI値が大きくても、ホップ数が自身より大きい端末については、中継先として選択する際の優先度を最も小さくする。
近傍端末情報保持部3は、近傍端末からのHelloパケットを受信した際に、Helloパケットに記載されている、送信元アドレス(パケットを送信した近傍端末に割り当てられているアドレス)、パケットを送信した近傍端末から根ノードに到達するまでのホップ数、近傍端末に対して設定されている親端末のアドレス、近傍端末のRSSIを保存(登録)する。経路決定部2は、パケットの中継先を決定する際に、近傍端末情報保持部3の情報(近傍端末情報)を参照することができる。
無線部4は、近傍端末からのパケットの受信を経路決定部2に通知する。また、パケットの送信を行った場合は、そのパケットを正しく宛先端末に送信できたかを示す送信状況を経路決定部2に通知する。パケットの送信が成功したか否かの判定方法は、送信先(自身の端末からのパケットを受信した端末)から到達確認パケット(Ackパケット)を返信してもらうことで行う。Ackパケットが返信されない場合は、再送を行い、指定回数再送しても、Ackパケットの応答がない場合は、送信が失敗したと判断する。
第1の実施例の動作を図2および図3で説明する。図2に示すように、マルチホップネットワークを構成する端末s0〜s9が分散して配置されている。端末s0〜s9は、図1に示す各種機能部を備えた標識具である。端末s0〜s9にはそれぞれ、アドレス0000〜0009が割り当てられている。また、図2には、端末s0〜s9のHCが示されている。端末s0はマルチホップネットワークの根となる端末であり、それ以外の端末s1〜s9はセンシングした情報を端末s0宛に送信する。以下では、アドレス0005が割り当てられた端末s5を対象として動作を説明する。図3には、端末s5の近傍端末情報保持部3に保持されている近傍端末情報の詳細が示されている。
「HC」には、端末s2〜s4,s6〜s8の各々から宛先となる端末s0までのホップ数が格納されている。
「RSSI」には、端末s2〜s4,s6〜s8の各々の受信信号強度の値が格納されている。
「親」には、端末s2〜s4,s6〜s8の各々に対して設定されている親端末に割り当てられているアドレスの値が格納されている。
「優先順位」には、端末s5が転倒状態になったときに、端末s5から転送されるパケットの中継先となる端末に設定された優先度が格納される。優先度の数値が小さいほど優先順位が高いことを示す。
このように、複数の通信端末間でパケットを転送する際、特定の通信端末が転倒していても宛先の通信端末にパケットを確実に転送させることができる。
本発明の第2の実施例の動作を示す。第2の実施例では、第1の実施例との相違点について主に説明する。第2の実施例は、第1の実施例と経路決定部2の動作が異なる。
また、他の通信端末から中継されるパケット(中継パケット)の受信時の動作に関しても、ブロードキャストアドレスでの中継パケットを受信した場合には、経路決定部2は、送信元アドレスが割り当てられた通信端末のホップカウントを近傍端末情報保持部3から参照し、自端末のホップカウントとの差によってランダムジッタを加えて中継を行う。
具体的には、送信元の通信端末のホップカウントが自身の通信端末のホップカウント以上である場合にはランダムジッタを短く設定し、逆に、自身の通信端末のホップカウントよりも小さい場合にはランダムジッタを長く設定する。これにより、最終宛先である根ノードに近い端末が先に中継できるようになる。
もし、ランダムジッタを設定しない場合には、送信元の通信端末からパケットを受信した複数の通信端末は、根ノードへ同時に中継を行い、その結果、中継したパケット同士が衝突してロスが発生する確率が高くなるという問題がある。そこで、送信元の通信端末からパケットを受信した複数の通信端末は、根ノードへの中継に対して乱数を用いて意図的に待ち時間を決定する。
各通信端末のホップカウントは、根ノードからの距離に相当するので、送信元の通信端末とのホップカウントの差に基づいて、根ノードに近い通信端末が先に送信するように、中継パケットを送信するまでのランダムジッタを設定する。
送信元の通信端末よりもホップカウントが大きくなる通信端末は、根ノードから遠い位置にある。そのため、送信元の通信端末よりもホップカウントが同じかそれよりも小さくなる通信端末が中継を行うよりも、根ノードまでパケットを送信する遅延は長くなる。
そこで、送信元の通信端末よりもホップカウントが大きくなる通信端末については、待ち時間の乱数の幅を長くし、待ち時間が長めになるようにランダムジッタを長く設定する。また、送信元の通信端末よりもホップカウントが同じかそれよりも小さくなる通信端末については、待ち時間の乱数の幅を短くし、待ち時間が短めになるようにランダムジッタを短く設定する。これにより、送信元の通信端末よりもホップカウントが同じかそれよりも小さくなる通信端末が根ノードへの中継を先に行い、その中継が失敗したとしても、送信元の通信端末よりもホップカウントが大きくなる通信端末による中継が後で実行されるという動作が期待され、根ノードへの通信を確実に実現することができる。
第2の実施例の動作を図2および図3で説明する。第2の実施例の動作において、端末s5が転倒していないときの動作は第1の実施例の場合と同様である。
端末s5から送信されたパケットは、端末s5が転倒状態でなければ、端末s2〜s8が受信可能であるが、転倒によってアンテナ高が低くなっているため、通信可能範囲Eのうち有効に通信を行うことができるエリアが小さくなり、結果的には、端末s4,s6,s7がこのブロードキャストを受信したとする。
2 経路決定部
3 近傍端末情報保持部(端末情報保持部)
4 無線部
Claims (9)
- センサの値から自身の通信端末が転倒しているか否かを判定し、判定結果を出力する転倒判定部と、
他の通信端末からの制御パケットを受信した場合、この制御パケットに記載されている情報を保持する端末情報保持部と、
定期的に経路を維持するための制御パケットを出力し、前記転倒判定部から入力した判定結果、および、前記端末情報保持部が保持する情報、により中継先となる通信端末を選択する経路決定部と、
パケットの受信とパケットの送信状況とを前記経路決定部に通知する無線部と、を備える、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項1に記載の通信端末であって、
前記判定結果が転倒状態である場合には、前記経路決定部は、前記端末情報保持部が保持する情報である、前記他の通信端末の受信信号強度、宛先端末までのホップカウント、親端末のアドレス情報のうち少なくとも1つに基づいて、前記経路の優先順位を決定する、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項2に記載の通信端末であって、
前記経路決定部は、前記受信信号強度の最も大きい通信端末を優先して選択する、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項2に記載の通信端末であって、
前記経路決定部は、前記自身の通信端末のホップカウントよりも大きい通信端末の優先度を下げて、前記中継先となる通信端末を選択する、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項2に記載の通信端末であって、
前記経路決定部は、前記自身の通信端末を前記親端末として選択している通信端末を除いて、前記中継先となる通信端末を選択する、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項1に記載の通信端末であって、
前記判定結果が転倒状態である場合には、前記経路決定部は、根ノードとなる通信端末宛のパケットの前記中継先のアドレスをブロードキャストアドレスとする、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項6に記載の通信端末であって、
前記ブロードキャストアドレスを中継先のアドレスとするパケットを受信した場合には、前記経路決定部は、前記端末情報保持部が保持する情報である送信元となる通信端末のホップカウントに応じてランダムジッタの長さを設定したり、または、パケットを中継するか否かを判定したりする、
ことを特徴とする通信端末。 - 請求項7に記載の通信端末であって、
前記経路決定部は、前記端末情報保持部が保持する情報である送信元の通信端末のホップカウントが、前記端末情報保持部が保持する情報である自身の通信端末のホップカウント以上であるときは前記ランダムジッタを短く設定し、前記自身の通信端末のホップカウントよりも小さいときは前記ランダムジッタを長く設定する、
ことを特徴とする通信端末。 - 複数の通信端末の間でパケットを転送するときのパケット転送方法であって、
前記通信端末は、
センサの値から自身の通信端末が転倒しているか否かを判定し、判定結果を出力する転倒判定ステップと、
他の通信端末からの制御パケットを受信した場合、この制御パケットに記載されている情報を保持する端末情報保持ステップと、
定期的に経路を維持するための制御パケットを出力し、前記転倒判定ステップにて出力された判定結果、および、前記端末情報保持ステップにて保持されている情報、により中継先となる通信端末を選択する経路決定ステップと、
パケットの受信とパケットの送信状況を通知する通知ステップと、を実行する、
ことを特徴とするパケット転送方法。
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