以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
図1に、本実施形態に係る電子機器を含む無線通信システム1を示す。無線通信システム1は、本実施形態に係る電子機器として機能する印刷装置100と、この印刷装置100と通信する通信端末200と、を備える。無線通信システム1は、印刷装置100に備えられたアンテナの位置に関する情報を報知する報知システムとして機能する。
印刷装置100は、印刷紙等の印刷記録媒体に所望の印刷パターンを印刷する印刷機能を備える。印刷装置100は、例えば住居、会社、工場、公共施設等のような施設内に設置されている。通信端末200は、例えばスマートフォン等のような、ユーザが把持しながら操作可能な携帯型の端末装置である。通信端末200は、NFCを介して、印刷装置100と通信する。
NFCは、近接無線通信(近接場型の無線通信又は非接触型の無線通信ともいう。)である。NFCの通信エリアは、数センチから数十センチ程度の極短距離の範囲に限られており、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等のような近距離無線通信の通信エリアよりも狭い。
例えばユーザが、把持している通信端末200を印刷装置100に近付ける(かざす)ことにより、通信端末200のNFCアンテナと印刷装置100のNFCアンテナとがNFCによる通信が可能な通信エリア内にまで近接すると、印刷装置100と通信端末200との間でNFCによる通信が開始する。印刷装置100と通信端末200とは、NFCによって直接データを送受信してもよい。或いは、印刷装置100と通信端末200との間で容量の多いデータを送受信する場合には、ハンドオーバの手法により、端末間のペアリング及び認証だけをNFCで行い、実際の通信をより高速で通信距離が長い無線通信である無線LANやBluetooth等に引き継いでもよい。
なお、以下では、通信端末200が、NFCによる通信を開始するイニシエータとして機能し、印刷装置100が、イニシエータの命令に受動的に従うターゲットとして機能する場合を例にとって、説明する。
図2に、印刷装置100の構成を示す。印刷装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ111と、NFC通信部121と、NFCアンテナ122と、無線LAN通信部131と、無線LANアンテナ132と、印刷制御部150と、印刷部151と、を備える。
CPU110は、例えばマイクロプロセッサ等であって、様々な処理や演算を実行する中央演算処理部である。CPU110は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して印刷装置100の各部と接続され、印刷装置100全体を制御する。
メモリ111は、例えばCPU110のワークメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等のような不揮発性メモリを含む。メモリ111は、CPU110が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、CPU110が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
また、印刷装置100は、図示しないが、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部と、各種画像を表示する表示部と、を備える。CPU110は、入力部を介して入力された各種データをメモリ111に保存し、メモリ111に保存された各種データを、表示部を介して外部に表示出力する。
NFCアンテナ122は、ターゲットとして機能する印刷装置100が、NFCによって通信するためのアンテナである。NFC通信部121は、NFCアンテナ122を介して、イニシエータである通信端末200とNFC通信する。
より詳細に説明すると、NFC通信部121は、印刷装置100がターゲットとして機能するためのNFC−TAG(NFCタグ)を備える。NFCタグは、イニシエータによってデータが読み書きされるIC(Integrated Circuit)チップを内蔵したタグである。このICチップは、イニシエータとの間に生じる磁界によって誘導電流が流れるコイルを搭載し、コイルに流れる誘導電流によって、データが更新される。例えば、イニシエータとして機能する通信端末200が、NFCの通信エリアである至近距離まで印刷装置100に近接すると、NFCタグに記憶されているデータが読み書きされる。
無線LAN通信部131は、CPU110の制御のもと、無線LANアンテナ132を介して無線通信するための無線LANモジュールである。無線LAN通信部131は、DSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、及び、シリアル/パラレル変換回路やベースバンド回路等の各種の回路を備える。
より詳細に説明すると、無線LAN通信部131は、CPU110から供給された送信データに対してシリアル/パラレル変換等の処理を実行して、送信データを無線LANアンテナ132から通信先となる通信端末200に送信する。また、無線LAN通信部131は、通信端末200から送信されたデータを、無線LANアンテナ132を介して受信すると、受信データに対してシリアル/パラレル変換等の処理を実行して、受信データをCPU110に供給する。
印刷部151は、例えば無線LAN通信部131を介して受信した印刷データに従って、印刷処理を実行する印刷機構である。具体的に説明すると、印刷部151は、トナー画像を形成する画像形成部、搬送ローラ等によって印刷媒体を搬送する搬送部、印刷媒体にトナー画像を熱定着させる定着装置等を備える。印刷制御部150は、CPU110の制御のもと、このような印刷部151を制御する。
また、印刷装置100は、NFCアンテナ122の位置をユーザに誘導(ガイド)するための誘導装置10を備える。誘導装置10については、後ほど、図4〜図8を参照しながら詳細に説明する。
通信端末200は、図3に示すように構成される。通信端末200は、CPU210と、メモリ211と、入力部212と、表示部213と、NFC通信部221と、NFCアンテナ222と、無線LAN通信部231と、無線LANアンテナ232と、を備える。
CPU210は、例えばマイクロプロセッサ等であって、様々な処理や演算を実行する中央演算処理部である。CPU210は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して通信端末200の各部と接続され、通信端末200全体を制御する。
メモリ211は、例えばCPU210のワークメモリとして機能するRAM、及びROMやフラッシュメモリ等のような不揮発性メモリを含む。メモリ211は、CPU210が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、CPU210が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
入力部212は、例えばキーボード、マウス、ボタン又はタッチパネル等の入力手段を備える。入力部212は、ユーザから入力された各種の操作指示を受け付け、受け付けた操作指示をCPU210に送信する。
表示部213は、例えば液晶ディスプレイ等のような表示手段を備える。表示部213は、例えば印刷装置100に送信するデータ等、各種の情報をCPU210から取得して、取得した情報を示す画像を表示する。
NFCアンテナ222は、イニシエータとして機能する通信端末200が、NFCによって通信するためのアンテナである。NFC通信部221は、NFCアンテナ222を介して、ターゲットとして機能する印刷装置100とNFC通信する。
より詳細に説明すると、NFC通信部221は、NFCタグに対してデータを読み書き可能なリーダ/ライタ機能を備える。NFC通信部221は、ターゲットのNFCタグを検出するための検出コマンドとして、自機の周りに磁界を、予め定められた周期で繰り返し発信する。そして、NFC通信部221は、検出コマンドによって自機に近接したターゲットのNFCタグを検出すると、ターゲットのNFCタグに内蔵されたICチップに誘導電流を発生させることにより、NFCタグにデータを読み書きする。例えば、ユーザが通信端末200を印刷装置100に近づけて「かざす」だけで、印刷装置100のNFCタグに記憶されたデータを取得したり、NFCタグに新たにデータを書き込んだりすることができる。
無線LAN通信部231は、CPU210の制御のもと、無線LANアンテナ232を介して無線通信するための無線LANモジュールである。無線LAN通信部231は、DSP等のプロセッサ、及び、シリアル/パラレル変換回路やベースバンド回路等の各種の回路を備える。
より詳細に説明すると、無線LAN通信部231は、CPU210から供給された送信データに対してシリアル/パラレル変換等の処理を実行して、送信データを無線LANアンテナ232から通信先となる印刷装置100に送信する。また、無線LAN通信部231は、印刷装置100から送信されたデータを、無線LANアンテナ232を介して受信すると、受信データに対してシリアル/パラレル変換等の処理を実行して、受信データをCPU210に供給する。
次に、印刷装置100が備える誘導装置10について、図4〜図8を参照しながら説明する。図4に、誘導装置10の構成を示す。誘導装置10は、受信部12と、報知部13と、電流検出部14と、報知制御部15と、を備える。
受信部12は、4つのセンサ20a〜20dを備える。4つのセンサ20a〜20dのそれぞれは、通信端末200から発信された、NFCによる無線信号である検出コマンドを受信するセンサであって、NFCアンテナ122とは異なる位置に、また、互いに異なる位置に配置されている。受信部12は、イニシエータとの間に生じる磁界によって誘導電流が流れるコイルを搭載し、コイルに流れた誘導電流は、そのコイルに接続されている発光素子であるLEDや各回路へと伝達される。受信部12は、受信手段の一例である。
報知部13は、それぞれ発光素子である4つのLED(Light Emitting Diode)(報知素子)30a〜30dを備える。報知部13は、受信部12に備えられた4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいてNFCによる無線信号(検出コマンド)が受信されると、4つのセンサ20a〜20dのうちの検出コマンドを受信したセンサ20に応じた態様で、自機のNFCアンテナ122の位置に関する情報を報知する。報知部13は、報知手段の一例である。
図5に、誘導装置10における4つのセンサ20a〜20d及び4つのLED30a〜30dの配置を示す。図5における破線は、印刷装置100に備えられたNFCアンテナ122の位置を示している。誘導装置10は、その中央部に印刷装置100のNFCアンテナ122が位置し、4つのセンサ20a〜20d及び4つのLED30a〜30dがNFCアンテナ122の周囲に位置するように、印刷装置100に設置されている。
なお、4つのセンサ20a〜20dは、それぞれ互いに同等の構成及び機能を有する。そのため、以下では、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれを特に区別せず称する場合には、センサ20と称する。同様に、4つのLED30a〜30dは、それぞれ互いに同等の構成及び機能を有する。そのため、以下では、4つのLED30a〜30dのそれぞれを特に区別せず称する場合には、LED30と称する。
4つのセンサ20a〜20dのそれぞれは、互いに同じ形状であって、NFCアンテナ122の周囲において、NFCアンテナ122から互いに同じ距離の位置に等方的に配置されている。より詳細に説明すると、4つのセンサ20a〜20dは、NFCアンテナ122を囲む仮想的な矩形50(図5において一点鎖線で示した図形)を考えた場合に、この矩形50の4つの辺上に、それぞれ1つずつ配置されている。なお、この矩形50は、理解を容易にするために仮想的に図中に描いたものであって、実際には誘導装置10上に描かれていない。
4つのセンサ20a〜20dのそれぞれは、通信端末200から発信された検出コマンドによって内部に電流が誘起されることによって、検出コマンドを受信する。具体的に説明すると、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれは、導線を円環状に巻いたコイル(ループアンテナ)を有する。検出コマンドによる磁束がコイルを貫くと、誘導起電力が発生し、これによってコイルに誘導電流が流れる。
このような4つのセンサ20a〜20dのそれぞれは、NFCアンテナ122に重ならない位置、具体的には、NFCアンテナ122のNFCによる通信エリアの外側に配置されている。すなわち、印刷装置100とのNFC通信できない場所に位置している通信端末200から発信された検出コマンドを受信できるように、各センサ20の受信エリアの少なくとも一部は、NFCアンテナ122のNFCによる通信エリアの外側に設けられている。
例えば図6は、ユーザが印刷装置100のNFCアンテナ122の位置を見付けることができ、通信端末200のNFCアンテナ222を印刷装置100のNFCアンテナ122に近接させた(かざした)場合を示している。図6において、通信端末200内の破線は、通信端末200に備えられたNFCアンテナ222の位置を示している。
図6に示すように、通信端末200のNFCアンテナ222と印刷装置100のNFCアンテナ122とが、NFCの通信エリアである至近距離まで近接した場合、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドは、印刷装置100のNFCアンテナ122によって受信される。その結果、通信端末200は、印刷装置100との間で、NFCによる通信を正常に開始することができる。なお、通信端末200のNFCアンテナ222は指向性が強く、例えば、通信端末200のNFCアンテナ222を印刷装置100のNFCアンテナ122に対して略平行に保持し、かつ、通信端末200のNFCアンテナ222がなす閉領域が、印刷装置100のNFCアンテナ122がなす閉領域に重なるように、通信端末200を印刷装置100上にかざすことで、初めて、通信端末200は、印刷装置100との間で、NFCによる通信を正常に開始することができるように構成されていることもある。また、NFCアンテナ222の指向性は固定的であり、通信端末200側で、NFCアンテナ222の指向性を調整することは、通常は行われない。このため、特に、通信端末200のNFCアンテナ222や印刷装置100のNFCアンテナ122の平面サイズが小さい場合などは、これらの間で通信を正常に開始するのにユーザが苦労することがある。
一方で、図7及び図8は、通信端末200が、印刷装置100のNFCアンテナ122の位置まで近接していない場合を示している。
例えば、図7に示すように、通信端末200のNFCアンテナ222が、4つのセンサ20a〜20dのうちのセンサ20aに近接した場合、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドは、印刷装置100のNFCアンテナ122によっては受信されず、このセンサ20aによって受信される。これに対して、図8に示すように、通信端末200のNFCアンテナ222が、4つのセンサ20a〜20dのうちのセンサ20bに近接した場合、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドは、印刷装置100のNFCアンテナ122によっては受信されず、このセンサ20bによって受信される。
このように、4つのセンサ20a〜20dは、通信端末200が、印刷装置100のNFCアンテナ122によって検出コマンドを受信できない位置にある場合において、その通信端末200から発信された検出コマンドを受信できる位置に設けられている。このような4つのセンサ20a〜20dのいずれかにおいて、通信端末200から発信された検出コマンドが受信されると、誘導装置10は、NFCアンテナ122の位置に通信端末200を誘導する。
図4に示す誘導装置10の構成の説明に戻る。電流検出部14は、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて誘起された電流を検出する。電流検出部14は、電流検出手段の一例である。
具体的に説明すると、電流検出部14は、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおけるコイルに接続された、電流値を測定する回路等を備え、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて生じた電流値を測定する。そして、電流検出部14は、CPU等の制御回路の機能によって、4つのセンサ20a〜20dのいずれかの電流値が予め定められた閾値を超えたか否かを判別し、電流値が予め定められた閾値を超えた場合に、そのセンサ20において検出コマンドが受信されたと判別する。これにより、電流検出部14は、4つのセンサ20a〜20dのうちのどのセンサ20において検出コマンドを受信したかを判別する。
報知制御部15は、電流検出部14によって電流が検出されると、電流が検出されたセンサ20に応じた態様で、NFCアンテナ122の位置に関する情報を報知するように、報知部13を制御する。報知制御部15は、報知制御手段の一例である。
具体的に説明すると、報知制御部15は、CPU等の制御回路の機能によって実現され、電流検出部14による電流の検出に基づいて、報知部13に備えられた4つのLED30a〜30dの発光を制御する。このような電流検出部14及び報知制御部15として機能するCPU等の制御回路は、誘導装置10内に独自に備えられていてもよい。或いは、電流検出部14及び報知制御部15は、上述した印刷装置100のCPU110の制御によって実現されてもよい。以下、報知制御部15によって実行される報知部13の制御について、具体的に説明する。
4つのLED30a〜30dのそれぞれは、報知制御部15による制御によって、予め定められた色(波長)の光を発する発光素子である。図5に示すように、4つのLED30a〜30dは、4つのセンサ20a〜20dの外側であって、誘導装置10の縁部にそれぞれ設置されている。
これら4つのLED30a〜30dは、4つのセンサ20a〜20dと1対1で対応している。すなわち、LED30aとセンサ20aとが対応し、LED30bとセンサ20bとが対応し、LED30cとセンサ20cとが対応し、LED30dとセンサ20dとが対応している。報知部13は、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて、通信端末200から発信された検出コマンドが受信されると、検出コマンドが受信されたセンサ20に対応するLED30が発光することによって、NFCアンテナ122の位置に関する情報を報知する。
例えば図7に示すように、通信端末200のNFCアンテナ222が、4つのセンサ20a〜20dのうちのセンサ20aに近接した場合、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドは、センサ20aによって受信される。このようなセンサ20aによる検出コマンドの受信を電流検出部14が検出すると、報知制御部15は、図7に示すように、報知部13を制御して、4つのLED30a〜30dのうちの、センサ20aに対応するLED30a、すなわちNFCアンテナ122の位置を基準としてセンサ20aが配置されている側とは逆側に配置されているLED30a、を発光させる。このように、NFCアンテナ122の位置に対してセンサ20aとは反対側のLED30aを発光させることにより、報知部13は、印刷装置100のNFCアンテナ122が、通信端末200の現在の位置よりもLED30a側に位置していることを、ユーザに報知する。
これに対して、図8に示すように、通信端末200のNFCアンテナ222が、4つのセンサ20a〜20dのうちのセンサ20bに近接した場合、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドは、センサ20bによって受信される。このようなセンサ20bによる検出コマンドの受信を電流検出部14が検出すると、報知制御部15は、図8に示すように、報知部13を制御して、4つのLED30a〜30dのうちのセンサ20bに対応するLED30b、すなわちNFCアンテナ122の位置を基準としてセンサ20bが配置されている側とは逆側に配置されているLED30b、を発光させる。このように、NFCアンテナ122の位置に対してセンサ20bとは反対側のLED30bを発光させることにより、報知部13は、印刷装置100のNFCアンテナ122が、通信端末200の現在の位置よりもLED30b側に位置していることを、ユーザに報知する。
図示していないが、センサ20c及びセンサ20dによって検出コマンドが受信された場合も同様である。すなわち、通信端末200のNFCアンテナ222がセンサ20cに近接し、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドがセンサ20cによって受信されると、報知制御部15は、NFCアンテナ122の位置を基準としてセンサ20cが配置されている側とは逆側に配置されているLED30c、を発光させる。また、通信端末200のNFCアンテナ222がセンサ20dに近接し、NFCアンテナ222から発信された検出コマンドがセンサ20dによって受信されると、報知制御部15は、NFCアンテナ122の位置を基準としてセンサ20dが配置されている側とは逆側に配置されているLED30d、を発光させる。
このように、報知制御部15は、上側のセンサ20で検出コマンドを受信した場合には下側のLED30を発光させ、下側のセンサ20で検出コマンドを受信した場合には上側のLED30を発光させ、左側のセンサ20で検出コマンドを受信した場合には右側のLED30を発光させ、右側のセンサ20で検出コマンドを受信した場合には左側のLED30を発光させるように、報知部13を制御する。このように、NFCアンテナ122の位置を基準として、検出コマンドを受信したセンサ20の位置とは相対する位置のLED30を発光させることにより、誘導装置10は、通信端末200がNFCアンテナ122からずれた位置に近接した場合に、通信端末200を、NFCアンテナ122の位置へ誘導(ガイド)することができる。また、発光するLED30が対応するセンサ20とは逆側に配置されているので、印刷装置100に近接した通信端末200によって発光するLED30が隠れてしまってユーザが視認できなくなることを抑制できる。
以上のような無線通信システム1において実行される処理の流れについて、図9及び図10に示すフローチャートを参照して、説明する。図9に示すフローチャートは、印刷装置100と通信端末200との間でのNFCの接続確立処理の流れを示しており、図10に示すフローチャートは、印刷装置100が備える誘導装置10において実行される誘導処理の流れを示している。
図9のフローチャートに示すNFCの接続確立処理は、イニシエータとして機能する通信端末200、及び、ターゲットとして機能する印刷装置100のそれぞれにおいて、電源が投入されてNFC通信が可能な状態になると、開始する。
ターゲットとして機能する印刷装置100において、NFC通信部121は、NFC通信が可能な状態になると、NFCアンテナ122によって、通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末から発信された検出コマンドを受信するまで待機している(ステップS11)。
一方、イニシエータとして機能する通信端末200では、NFC通信部221は、NFC通信が可能な状態になると、検出コマンドを発信するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS21)。
具体的に説明すると、NFC通信部221は、予め定められた周期で検出コマンドを発信する。そのため、NFC通信部221は、自機が最後に検出コマンドを発信した時刻からの経過時間を計時部によって計測し、最後に検出コマンドを発信した時刻から予め定められた周期に相当する時間よりも短い時間が経過した場合に、検出コマンドを発信するタイミングが到来していないと判定する(ステップS21;NO)。最後に検出コマンドを発信した時刻から予め定められた周期に相当する時間が経過した場合に、検出コマンドを発信するタイミングが到来したと判定する(ステップS21;YES)。検出コマンドを発信するタイミングが到来すると、NFC通信部221は、NFCアンテナ222を介して、自機の周囲のNFCによる通信エリア内に、検出コマンドを発信する(ステップS22)。
検出コマンドを発信すると、NFC通信部221は、印刷装置100等のターゲット機能を有する機器からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS23)。応答を受信していない場合(ステップS23;NO)、通信端末200の処理は、ステップS21の処理に戻る。すなわち、NFC通信部221は、計時を再開して、次に検出コマンドを発信するタイミングが到来したか否かを再度判定する。このように、通信端末200は、電源が落ちている状態等のようなNFC通信が不可能な状態でない限り、一定の周期で検出コマンドを発信し続ける。
このように一定の周期で検出コマンドを発信している通信端末200が、印刷装置100に近接して、印刷装置100に搭載されたNFCアンテナ122の通信エリア内に入るまでの間、印刷装置100において、NFC通信部121は、NFCアンテナ122を介して、通信端末200から発信された検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS12)。
NFCアンテナ122を介して検出コマンドを受信すると(ステップS12;YES)、NFC通信部121は、NFCアンテナ122を介して、検出コマンドの発信元である通信端末200に、検出コマンドに対する応答を送信する(ステップS13)。検出コマンドを受信していない場合(ステップS12;NO)、印刷装置100の処理は、ステップS11の処理に戻る。すなわち、NFC通信部121は、NFCアンテナ122によって、通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末から発信された検出コマンドを受信するまで再び待機する。
通信端末200において、NFC通信部221は、NFCアンテナ222を介して、印刷装置100から送信された応答を受信する(ステップS23;YES)。通信端末200は、応答を受信することにより、印刷装置100がNFC通信のターゲットとなる機器であることを判別する。
通信端末200が印刷装置100からの応答を受信すると、通信端末200のNFC通信部221及び印刷装置100のNFC通信部121は、ペアリング(相互認証)、通信モードの設定等を行って、両端末間におけるNFCの接続を確立する(ステップS14,S24)。NFCの接続が確立すると、通信端末200と印刷装置100とは、NFCによってデータを直接通信してもよいし、ハンドオーバによって無線LANやBluetooth等に通信を引き継いでもよい。以上により、図9のフローチャートに示したNFCの接続確立処理は終了する。
このようにNFCによる無線通信を行うために通信端末200が印刷装置100に近接した場合であっても、通信端末200がNFCアンテナ122の通信エリア内に入っていなければ、印刷装置100は、NFCアンテナ122によっては検出コマンドを受信しない。誘導装置10は、このようにNFCアンテナ122の通信エリア内に入っていない通信端末200を、NFCアンテナ122の位置へ誘導(ガイド)する処理を実行する。このような誘導装置10の誘導処理の流れについて、図10を参照して説明する。
図10のフローチャートに示す誘導装置10の誘導処理は、誘導装置10に電力が供給されて、通信端末200から発信された検出コマンドを検出可能な状態になると、開始する。
誘導装置10において、報知制御部15は、受信部12に備えられた4つのセンサ20a〜20dのいずれかで検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS31)。すなわち、報知制御部15は、電流検出部14で検出された各センサ20の電流値を監視して、4つのセンサ20a〜20dのいずれかにおいて、電流値が予め定められた閾値を超えた場合に、そのセンサ20において検出コマンドを受信したと判定する。
4つのセンサ20a〜20dのいずれにおいても検出コマンドが受信されない場合(ステップS31;NO)、誘導装置10の処理は、ステップS31に留まり、4つのセンサ20a〜20dのいずれかで検出コマンドが受信されるのを待ち受ける。
一方で、4つのセンサ20a〜20dのいずれかで検出コマンドが受信されると(ステップS31;YES)、報知制御部15は、報知部13を制御して、NFCアンテナ122の位置を報知する(ステップS32)。すなわち、報知制御部15は、報知部13に備えられた4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドを受信したセンサ20に対応するLED30であって、NFCアンテナ122の位置を基準として検出コマンドを受信したセンサ20とは逆側のLED30を発光させる。
NFCアンテナ122の位置を報知すると、誘導装置10の処理は、ステップS31に戻る。すなわち、誘導装置10は、引き続き4つのセンサ20a〜20dのいずれかで検出コマンドが受信されるのを待ち受ける。そして、いずれかのセンサ20によって検出コマンドが受信された場合に、検出コマンドを受信したセンサ20に対応するLED30を発光させる。
このように、誘導装置10は、検出コマンドを受信可能な状態である限り、4つのセンサ20a〜20dのうちのいずれかのセンサ20での検出コマンドの検出を待ち受け、いずれかのセンサ20によって検出コマンドが受信された場合に、検出コマンドを受信したセンサ20に応じて異なるLED30を発光させる。これにより、印刷装置100に備えられたNFCアンテナ122のおおまかな位置を、ユーザに報知する。
以上説明したように、本実施形態において、NFCのターゲット機能を有する印刷装置100は、誘導装置10において、NFCアンテナ122の周囲に配置された4つのセンサ20a〜20d及び4つのLED30a〜30dを備える。そして、印刷装置100は、通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末が、印刷装置100のNFCアンテナ122からずれた位置に近接した際に、4つのセンサ20a〜20dのいずれかによってこの端末から発信された検出コマンドを受信し、NFCアンテナ122の位置を基準として検出コマンドを受信したセンサ20とは逆側のLED30を発光させる。
その結果、イニシエータ機能を有する端末のユーザは、印刷装置100に備えられたNFCアンテナ122の位置を正確に把握していなくても、NFCアンテナ122の位置を容易に推測し、見付けることができる。そのため、NFC通信を開始するための、位置調整(位置合わせ)に関するユーザの苦労を軽減することができる。また、センサ20a〜20dを単純なコイルで作成でき、報知部13をLED30a〜30dによって作成できるため、装置の小型化や薄型化が容易である。そのため、本実施形態に係る印刷装置100は、簡易な構成で、ユーザをNFCアンテナ122の位置に誘導することができる。
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、誘導装置10は、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて誘起された電流を検出する電流検出部14と、電流検出部14による電流の検出に基づいて4つのLED30a〜30dの発光を制御する報知制御部15と、を備えていた。すなわち、上記実施形態では、誘導装置10は、4つのセンサ20a〜20dは、CPU等の制御回路を経由して間接的に、4つのLED30a〜30dに接続されていた。しかしながら、本発明において、誘導装置は、例えば図11に示す誘導装置10aのように、電流検出部14と報知制御部15とを備えなくてもよい。
図11に示す誘導装置10aにおいて、報知部13における4つのLED30a〜30dのそれぞれは、受信部12における4つのセンサ20a〜20dのうちの対応するセンサ20に、CPU等の制御回路を経由せずに接続されている。すなわち、各センサ20のコイルを形成している導線が、対応するLED30に直接接続されている。
4つのLED30a〜30dのそれぞれは、対応するセンサ20において受信された検出コマンドによって電流が誘起されると、この誘起された電流が流れることによって発光する。通信端末200等のイニシエータからは検出コマンドが周期的に発信されているため、この検出コマンドを受信したセンサ20では周期的に電流が誘起される。その結果、この電流が供給されたLED30は、周期的に点滅を繰り返す。このように、各センサ20を対応するLED30に直接接続することにより、NFCアンテナ122の位置にユーザを誘導するための装置の基板のパターンを、CPU等の制御回路を有さない簡易な構成にすることができる。
また、上記実施形態では、報知部13は、4つのLED30a〜30dを備え、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて検出コマンドが受信されると、4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドが受信されたセンサ20に対応するLED30が発光することによって、NFCアンテナ122の位置を報知した。しかしながら、本発明において、誘導装置は、図12に示す誘導装置10bのように、報知部13bにおいてスピーカ等の音声出力部17を備え、NFCアンテナ122の位置に関する情報を、音声によって報知してもよい。
図12に示す誘導装置10bにおいて、報知制御部15bは、4つのセンサ20a〜20dのそれぞれにおいて、検出コマンドによって誘起された電流が電流検出部14によって検出されると、電流が検出されたセンサ20に応じた態様で、NFCアンテナ122の位置に関する情報を報知するように、報知部13bの音声出力部17を制御する。なお、本変形例では、誘導装置10bは、略鉛直平面内にNFCアンテナ122、センサ20、LED30が配置するように設けられているものとする。具体的には、図5に示す誘導装置10のセンサ20c、LED30aが鉛直方向上側に、センサ20a、LED30cが鉛直方向下側に、センサ20b、LED30dが鉛直方向左側に、センサ20d、LED30bが鉛直方向右側に配置するように設けられている。例えば、NFCアンテナ122の位置よりも下側に位置するセンサ20aにおいて検出コマンドを受信した場合、報知部13bは、「もう少し上側の位置に端末をかざして下さい。」等の音声メッセージを、音声出力部17から出力する。或いは、NFCアンテナ122の位置よりも左側に位置するセンサ20bにおいて検出コマンドを受信した場合、報知御13bは、「もう少し右側の位置に端末をかざして下さい。」等の音声メッセージを、音声出力部17から出力する。このように、報知部13bは、検出コマンドを検出したセンサ20の位置を基準とした、NFCアンテナ122の相対的な位置の情報を示す音声メッセージを、音声出力部17から出力する。これにより、イニシエータ機能を有する端末のユーザを、NFCアンテナ122の位置に誘導する。
なお、例えば、誘導装置10bが、略水平平面内にNFCアンテナ122、センサ20、LED30が配置するように設けられている場合であって、かつ、音声メッセージだけによりユーザに通信端末200を適切な位置へ移動するように誘導させる場合には、誘導装置10bによる誘導を開始する前に、ユーザが誘導装置10bに対して適切な相対位置から向き合うように案内をする必要がある。例えば、誘導装置10bに、センサ20aが設けられた位置に赤色の下三角形(▽)などの視認可能な識別マークを予め印刷しておく。そして、誘導装置10bの報知部13bは、まず、「赤色の下三角形の手前に立ってください。」等の音声メッセージを、音声出力部17から出力する。ユーザが誘導装置10bに対して適切な相対位置から向き合ったかどうかは、ユーザの操作により決定しても良いし、近接センサ等によって検出してもよい。ユーザの操作により決定する場合は、誘導装置10bは誘導開始を指示するための指示ボタンを備えるようにして、上記の音声メッセージを出力した後、ユーザにより指示ボタンが押下されるまで待機するようにしてもよい。ユーザが誘導装置10bに対して適切な相対位置から向き合ってからは、上述の変形例と同様の制御を行ってよい。つまり、通信端末200が発信する検出コマンドによって誘起された電流が電流検出部14により検出されると、報知制御部15bにより、NFCアンテナ122の位置に関する情報を報知するように、報知部13bの音声出力部17を制御させる。具体的には、NFCアンテナ122の位置に対してユーザが立っている方に位置するセンサ20aにおいて検出コマンドを受信した場合、報知部13bは、「もう少し向こう側に端末をかざして下さい。」等の音声メッセージを、音声出力部17から出力する。また、ユーザから見てNFCアンテナ122の位置より向こう側に位置するセンサ20cにおいて検出コマンドを受信した場合、報知部13bは、「もう少し手前側に端末をかざして下さい。」等の音声メッセージを、音声出力部17から出力する。これにより、本変形例においても、イニシエータ機能を有する端末のユーザを、NFCアンテナ122の位置に誘導することができる。
上記実施形態では、図5に示したように、誘導装置10の受信部12において、円環状の4つのセンサ20a〜20bが、NFCアンテナ122の位置を囲む仮想的な矩形50の4つの辺上に、それぞれ1つずつ配置されていた。しかしながら、本発明において、センサ20の数、形状及び位置は、上記実施形態において説明したものに限らない。
例えば、図13に示す誘導装置10dのように、4つのセンサ20a〜20bは、NFCアンテナ122の位置を囲む仮想的な矩形50の4つの頂点に、それぞれ1つずつ配置されていてもよい。この場合、4つのLED30a〜30dは、NFCアンテナ122に対して4つのセンサ20a〜20dのうちの対応するセンサ20の逆側、すなわち誘導装置10dの四隅に、配置される。
或いは、誘導装置が備える複数のセンサ20は、NFCアンテナ122の位置からの向きが同じであって、NFCアンテナ122の位置から異なる距離の位置に配置された2以上のセンサ20を含んでいてもよい。例えば図14に示す誘導装置10eは、NFCアンテナ122から遠い位置に配置された4つのセンサ20a〜20dと、NFCアンテナ122から近い位置に配置された4つのセンサ20e〜20hと、を備える。これら8つのセンサ20a及び20e、センサ20b及び20f、センサ20c及び20g、センサ20d及び20hは、NFCアンテナ122に対して逆側に配置された4つのLED30a、30b、30c、30dと、2対1で対応している。NFCアンテナ122に対して同じ側に配置された2つのセンサ20のどちらで検出コマンドが受信されても、逆側に配置された1つのLED30が発光する。
このような誘導装置10eにおいて、報知制御部15は、NFCアンテナ122から近いセンサ20e〜20hで検出コマンドを受信した場合と、NFCアンテナ122から遠いセンサ20a〜20dで検出コマンドを受信した場合とで、報知部13の報知態様を変える。例えば、報知制御部15は、NFCアンテナ122から近いセンサ20eで検出コマンドを受信した場合、NFCアンテナ122から遠いセンサ20aで検出コマンドを受信した場合に比べて、より短い周期で点滅するように、又は、より大きな強度で発光するように、対応するLED30の発光を制御する。これにより、NFCアンテナ122からの遠近をユーザに認知させることができ、ユーザは、NFCアンテナ122の位置を探しやすくなる。
なお、センサ20のNFCアンテナ122からの距離によってLED30の発光強度を変える場合に、NFCアンテナ122からの距離が互いに異なるセンサ20a、20eの受信感度を異ならせておくことにより、センサ20a、20eとLED30aが互いに電流検出部14を介さずに直接接続されている場合であっても、検出コマンドを受信したセンサ20a、20eにより、LED30aが互いに異なった強度で発光するようにしても良い。例えば、センサ20aとセンサ20eの巻数を異ならせておくことにより、検出コマンドを受信したときのセンサ20aとセンサ20eによって検出される電流量を異ならせることで、センサ20aとセンサ20eの受信感度を異ならせることができる。また、前述のように、報知部13bの音声出力部17から音声メッセージを出力することによりユーザを誘導する場合には、検出強度が互いに異なるセンサ20a、20eとLED30aとを電流検出部14を介して接続し、当該電流検出部14で検出された電流の大きさが第1の閾値を超えた場合と第2の閾値を超えた場合とで、音声出力部17によって異なる音声メッセージを出力するようにしても良い。このように検出した電流の大きさによって報知態様を変えることによって、イニシエータ機能を備える通信端末200がセンサ20に近いか遠いかをユーザに報知することができる。
更には、図示しないが、例えば、NFCアンテナ122の位置を囲む矩形50の任意の隣り合う2辺上に、それぞれ1つずつ配置された2つのセンサ20a,20b、及びこれらに対応する2つのLED30a,30bのみ配置さていてもよい。或いは、図示しないが、例えば、NFCアンテナ122の位置を囲む矩形50の任意の対向する2辺上に、それぞれ1つずつ配置された2つのセンサ20a,20c、及びこれらに対応する2つのLED30a,30cのみ配置されていてもよい。更には、NFCアンテナ122の位置を囲む矩形50の任意の3辺上に、それぞれ1つずつ配置された3つのセンサ20(例えば、センサ20a,20b,20c)、及びこれらに対応する3つのLED30(例えば、LED30a,30b,30c)のみ配置されていてもよい。なお、これらの変形例における各センサ20は、矩形50の辺上に代えて、矩形50の頂点に配置されていてもよい。
このように、最低限、NFCアンテナ122の位置に対して異なる2つの向きの位置にセンサ20が配置されていれば、ユーザは、NFCアンテナ122の位置に関する2次元的な情報を得ることができるため、NFCアンテナ122の位置を探しやすくなる。そのため、少ないセンサ20のみを備える簡易な構成であっても、ユーザがNFCアンテナ122の位置を探す手間を軽減することができる。
また、誘導装置が備える複数のセンサは、受信エリアの一部が重なった2以上のセンサ20を含んでもよい。このような例について、図15及び図16を参照して説明する。
図15に示す誘導装置10fは、NFCアンテナ122を囲むように配置された4つのセンサ21a〜21dを備える。4つのセンサ21a〜21dのそれぞれは、導線がL字状に巻かれたコイルを有し、L字状の受信エリアを有している。4つのセンサ21a〜21dは、NFCアンテナ122を囲む矩形50の4つの頂点に、それぞれ1つずつ配置されており、矩形50の4つの辺上のそれぞれにおいて、4つのセンサ21a〜21dのうち隣り合う2つのセンサの受信エリアが重なっている。図15において、受信エリアが重なっていない領域をA,B,C,Dで示し、受信エリアが重なっている領域をE,F,G,Hで示している。
これに対して、図16に示す誘導装置10gは、NFCアンテナ122を囲むように配置された4つのセンサ22a〜22dを備える。4つのセンサ22a〜22dのそれぞれは、導線が直線状(長方形状、すなわちL字状のように折れ曲がっていない形状)に巻かれたコイルを有し、直線状の受信エリアを有している。4つのセンサ22a〜22dは、NFCアンテナ122を囲む矩形50の4つの辺上に、それぞれ1つずつ配置されており、矩形50の4つの頂点のそれぞれにおいて、4つのセンサ22a〜22dのうち隣り合う2つのセンサの受信エリアが重なっている。図16において、受信エリアが重なっていない領域をA,B,C,Dで示し、受信エリアが重なっている領域をE,F,G,Hで示している。
通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末が、図15に示す誘導装置10f又は図16に示す誘導装置10gにおける受信エリアが重なっていない領域A,B,C,Dのそれぞれに近接した場合、検出コマンドは、端末が近接した領域に受信エリアを有するいずれか1つのセンサによって受信される。その結果、上記実施形態と同様に、4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドを受信した1つのセンサに対応する1つのLED30が発光する。一方で、イニシエータ機能を有する端末が、受信エリアが重なっている領域E,F,G,Hのそれぞれに近接した場合、検出コマンドは、端末が近接した領域に受信エリアを有する2つのセンサによって受信される。その結果、4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドを受信した2つのセンサに対応する2つのLED30が発光する。
例えば、図15に示す誘導装置10fにおいて、センサ21aの受信エリアとセンサ21bの受信エリアとが重なっている領域Eに端末が近接した場合、センサ21aに対応するLED30aと、センサ21bに対応するLED30bとが、どちらも発光する。その結果、ユーザは、発光した2つのLED30a,30bの間あたりの位置に、NFCアンテナ122があることを知ることができる。或いは、図16に示す誘導装置10gにおいて、センサ22cの受信エリアとセンサ22dの受信エリアとが重なっている領域Gに端末が近接した場合、センサ22cに対応するLED30cと、センサ22dに対応するLED30dとが、どちらも発光する。その結果、ユーザは、発光した2つのLED30c,30dの間あたりの位置に、NFCアンテナ122があることを知ることができる。
このように、複数のセンサを受信エリアの一部が重なるように配置することで、複数のLEDの発光態様(発光パターン)を増やすことができる。その結果、誘導装置10f,10gは、NFCアンテナ122の位置に関するより多くの情報を、ユーザに報知することができる。なお、本変形例では、隣り合うセンサ21の一部が重なるように配置することにより、通信端末200がNFCアンテナ122に対して上、下、左、右、右下、左下、左上、右上の8つの向きにずれた位置(図15に示す領域E,F,G,H,A,B,C,D)にかざされたときに、それぞれ異なる態様でLED20の発光を制御することで、ユーザに通信端末200を誘導させるようにしたが、図17に示す誘導装置10hのように、これらの互いにずれた8つの位置(図17に示す領域A〜H)にそれぞれ別の8つのセンサ23a〜23hを設けるようにしても良い。この場合に、LED30を点灯させる態様は、図15に示したものと同様であって良い。即ち、例えば、領域Aに設けたセンサによって電流が検知された場合には、1つのLED30aを発光させ、領域Eに設けた別のセンサによって電流が検知された場合には、2つのLED30a、30bを発光させるようにして良い。
また、誘導装置が備える複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、一の領域と他の領域とで巻数が異なるものであって良い。このような例について、図18を参照して説明する。
図18に示す誘導装置10iは、NFCアンテナ122を囲むように配置された4つのセンサ24a〜24dを備える。4つのセンサ24a〜24dのそれぞれは、導線が矩形状に巻かれたコイルを有し、矩形状の受信エリアを有している。また、4つのセンサ24a〜24dは、巻数が第1の既定値(例えば、10回)である第1受信エリア(241a〜241d)と巻数が第2の既定値(例えば、20回)である第2受信エリア(241e〜241h)とを含み、NFCアンテナ122の位置からの向きが同じであって、NFCアンテナ122の位置からの距離が遠い位置に第1受信エリアが配置され、距離が近い位置に第2受信エリアが配置されるように設けられている。
通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末が、図18に示す誘導装置10iのセンサ24a〜24dにおける巻数が1回の第1受信エリア(241a〜241d)のいずれか1つのエリアに近接した場合、検出コマンドは、端末が近接した当該受信エリアを有するいずれか1つのセンサによって受信される。その結果、上記実施形態と同様に、4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドを受信したいずれか1つのセンサ24a〜24dに対応する1つのLED30が、第1の強度で発光する。一方で、イニシエータ機能を有する端末が、誘導装置10iのセンサ24a〜24dにおける巻数が2回の第2受信エリア(241e〜241h)のいずれか1つのエリアに近接した場合、検出コマンドは、端末が近接した当該受信エリアを有するいずれか1つのセンサによって受信される。その結果、4つのLED30a〜30dのうち、検出コマンドを受信したいずれか1つのセンサ24e〜24hに対応する1つのLED30が、第2の強度で発光する。ここで、第2の強度は第1の強度よりも大きい強度である。従って、ユーザが通信端末200を誘導装置10i上にかざして移動させたときに、まずある強度でLED30aが光り、次いでより大きい強度で同じLED30aが光った場合には、ユーザは、たったいま通信端末200を動かした向きに沿って通信端末200をさらに移動させれば、通信端末200をNFCアンテナ122上に配置できる可能性が高いことを知ることができる。
このように、検出強度が互いに異なる複数の受信エリアを有するセンサを、これらの複数の受信エリアが、NFCアンテナ122を中心とした仮想的な円の半径上において該中心からの距離が異なる位置に配置されるように設けることで、センサ24a〜24dとLED30a〜30dが互いに電流検出部14を介さずに直接接続されているような簡易な構成であっても、ユーザが通信端末200をNFCアンテナ122上に移動するように誘導することができる。
上記実施形態では、本発明に係る電子機器として、印刷装置を例にとって説明した。しかし、本発明に係る電子機器は、印刷装置に限らない。例えば、電子機器は、テレビやエアコン等の家電製品、電子辞書やスタンプメーカー等の電子文具、スキャナ、ファクシミリ、デジタルカメラ、音響機器、ゲーム機等、通信端末と近接無線通信できるものであれば、他の種類の機器であってもよい。
また、上記実施形態では、通信端末200として、スマートフォンを例にとって説明した。しかし、本発明において、通信端末は、スマートフォンに限らない。例えば、通信端末は、一般的なPC(Personal Computer)、タブレット端末、又はウェアラブル端末等、電子機器との間で近接無線通信できるものであれば、他の種類の端末であってもよい。
ターゲットとして機能する電子機器のサイズが大きい方が、機器内のアンテナの位置を探す労力が大きいことが想定されるため、本発明の効果が大きいと考えられる。しかしながら、本発明の適用例は、これに限られるものではない。例えば駅の自動改札機等のような電子決済システムでは、イニシエータ側の機器のサイズの方が大きくて、ターゲット側の機器のサイズが小さい。このような場合であっても、機器間の位置合わせがずれていた場合に、ターゲット側の機器のアンテナの位置に関する情報を報知することによって、機器間の位置合わせにおけるユーザの手間を軽減できる一定の効果がある。
上記実施形態では、誘導装置10は、本発明に係る電子機器として機能する印刷装置100内に備えられていた。しかしながら、誘導装置10は、印刷装置100等のアンテナを有する様々な機器に、着脱可能に取り付けられるものであってもよい。この場合、誘導装置10が単独で、本発明に係る電子機器として機能することができる。
上記実施形態では、誘導装置10は、無線信号を受信したセンサに対応する報知素子としてのLEDを発光させることにより、予め定められた位置に関する情報を報知したが、本発明の他の実施形態において、誘導装置10は、無線信号を受信したセンサに対応する報知素子として、当該センサに接続された音声出力素子(例えばスピーカ等)から音声を出力させることにより、予め定められた位置に関する情報を報知するようにしてもよい。この場合、ユーザは音声が聞こえて来た方へ通信端末200を移動することで、当該通信端末200を電子機器100のNFCアンテナ122の近くへ移動させることができる。また、報知素子としてLEDといった発光素子を用いた場合の報知方法は、必ずしも上述の実施形態のように発光と非発光との切替である必要はなく、例えば、発光色を変化させることにより報知してもよいし、電子機器100のNFCアンテナからの距離によって発光色や出力音声の周波数を徐々に高く又は低く変化させてもよい。
上記実施形態では、印刷装置100と通信端末200とは、NFCを介して通信した。しかし、本発明は、NFCに限らず、例えばTransferJet(登録商標)等のような他の方式の近接無線通信によって通信する機器、及び、FeliCa(登録商標)、MIFARE(登録商標)等のような近接無線通信又はRFID(Radio Frequency Identifier)による無線通信を介して通信する機器に対しても適用できる。すなわち、本発明は、通信エリアが極近距離に限られるため、ユーザがアンテナの位置を見付けにくいことが想定される様々な近接無線通信を介して通信する機器に、適用することができる。
また、本発明の他の実施形態において、報知手段が報知する情報は、NFC等のアンテナの位置に関する情報に限らず、NFC等のアンテナ以外の自機における予め定められた位置に関する情報を報知してもよい。例えば、探索対象の位置は、電子機器の電源の位置等、自機の中でどこにあるのかが分かりにくい部分の位置であってもよい。このような探索対象の位置の周囲に上述したような誘導装置10が設置され、通信端末200等のイニシエータ機能を有する端末が誘導装置10に近接すると、端末をこの探索対象の位置に誘導するように、報知手段がLEDや音声によってこの位置に関する情報を報知してもよい。
また、本発明の他の実施形態として、本発明に係る電子機器はワイヤレス給電装置であってもよい。この場合、上記の実施形態における電子機器のNFCアンテナはワイヤレス給電装置の給電部であってよく、また、上記の実施形態における通信端末のNFCアンテナは通信端末の受電部であってよい。さらに、これらのワイヤレス給電装置の給電部や通信端末の受電部はそれぞれがNFCアンテナを兼ねていてもよい。ワイヤレス給電においては、送電効率を高めるため、給電装置の給電部と通信端末の受電部とが互いにずれないようにできるだけ近くで対向配置させた状態を保持して受給電を行うことが望ましい。本発明をワイヤレス給電装置及び当該給電装置を利用して受電を行う通信端末に適用した場合、ワイヤレス給電装置の給電部の位置に関する情報を報知することによって、ユーザに通信端末の給電部をワイヤレス給電装置の給電部の近くに移動するように誘導させることができる。
また、本発明の他の実施形態において、センサ20〜24は、単なるコイルであってもよいものとして説明したが、これに限らず、センサ20〜24は、NFCアンテナ122と同様にNFC−TAGを備えていてもよく、各NFC−TAGは、上述の実施形態におけるセンサ20〜24と同様のコイルを搭載してよい。センサとしてのこれらのNFC−TAGは、通信端末200が発信する無線信号を受信する受信部と、予め定めた情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された情報を送信する送信部とを備えている。この場合、4つのNFC−TAGのそれぞれに固有の情報を予め記憶させておく。通信端末200が発信する無線信号を受信部により受信したいずれかのセンサに、当該センサの記憶部に記憶された固有の情報を、当該センサの送信部により、その無線信号を発信した通信端末200に対し送信させ、この通信端末200が当該固有の情報をNFCアンテナ(受信部)222により受信するようにしてもよい。また、センサ20〜24のそれぞれに予め記憶させておく固有の情報は、各センサの位置に関する情報であってよい。例えば、図5に示すセンサ20aに、ユーザが誘導装置に対して適切な相対位置から向き合っているときのNFCアンテナ122に対する相対的な位置情報として、「下」という位置情報を記憶させておき、同様に、センサ20b〜20dには、「左」「上」「右」という位置情報を記憶させておくことができる。各位置情報を受信した通信端末200は、CPU210が表示部(報知手段)213を制御することにより、表示部213にその位置情報に基づいた情報を報知するようにしてもよい。これにより、例えば、センサ20aから「上」という位置情報を受信した場合、通信端末200は表示部213や音声出力部を介して、「もう少し上側の位置に端末をかざして下さい。」という、ユーザに通信端末200をNFCアンテナ122の位置へ移動するように誘導させるための情報を、報知するようにできる。
また、上記実施形態では、印刷装置100及び通信端末200は、それぞれCPU110及びCPU210を備えていた。しかし、本発明において、電子機器及び通信端末は、CPUの代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用の制御回路を備えていてもよい。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた電子機器及び通信端末として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の情報処理装置等を、本発明に係る電子機器又は通信端末として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した印刷装置100又は通信端末200による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の情報処理装置等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る電子機器又は通信端末として機能させることができる。また、本発明に係る報知方法は、報知システム(上記実施形態における無線通信システム1)、電子機器(上記実施形態における印刷装置100又は誘導装置10)、及び通信端末(上記実施形態における通信端末200)を用いて実施できる。
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
無線信号を受信するセンサであって、互いに異なる位置に配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサのそれぞれにおいて前記無線信号が受信されると、前記複数のセンサのうちの前記無線信号を受信したセンサに応じた態様で、予め定められた位置に関する情報を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
(付記2)
前記無線信号を発信する通信端末と、無線通信により通信するためのアンテナをさらに備え、
前記複数のセンサのそれぞれは、前記アンテナに重ならない位置に配置され、
前記報知手段は、前記予め定められた位置に関する情報として、前記アンテナの位置に関する情報を報知する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記無線信号を発信する通信端末に給電するための給電部をさらに備え、
前記複数のセンサは、前記給電部の外側に配置され、
前記報知手段は、前記予め定められた位置に関する情報として、前記給電部の位置に関する情報を報知する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
(付記4)
前記報知手段は、複数の報知素子を備え、前記複数のセンサのそれぞれにおいて前記無線信号が受信されると、前記複数の報知素子のうち、前記無線信号が受信されたセンサに対応する報知素子が報知することによって、前記予め定められた位置に関する情報を報知する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記5)
前記複数の報知素子のそれぞれは、前記予め定められた位置を基準として、前記複数のセンサのうちの対応するセンサが配置されている側とは逆側に配置されている、
ことを特徴とする付記4に記載の電子機器。
(付記6)
前記複数のセンサのそれぞれにおいて、前記無線信号によって電流が誘起され、
前記複数の報知素子のそれぞれは、前記複数のセンサのうちの対応するセンサに接続された発光素子であり、当該対応するセンサから供給された前記電流によって発光する、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の電子機器。
(付記7)
前記複数のセンサのそれぞれにおいて、前記無線信号によって電流が誘起され、
前記複数のセンサのそれぞれにおいて誘起された前記電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって前記電流が検出されると、前記複数のセンサのうちの当該電流が検出されたセンサに応じた態様で、前記予め定められた位置に関する情報を報知するように、前記報知手段を制御する報知制御手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記8)
前記複数の報知素子のそれぞれは前記複数のセンサのうちの対応するセンサに接続された音声出力素子である、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の電子機器。
(付記9)
前記複数のセンサは、複数の報知素子に対応付けられたセンサを含む、
ことを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記10)
前記複数のセンサは、前記予め定められた位置を囲む矩形の2つ以上の辺上又は頂点に対応する位置に、それぞれ1つずつ配置されている、
ことを特徴とする付記1から9のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記11)
前記複数のセンサは、受信エリアの一部が互いに重なった2以上のセンサを含む、
ことを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記12)
前記複数のセンサは、前記予め定められた位置からの向きが同じであって、前記予め定められた位置から異なる距離の位置に配置された2以上のセンサを含む、
ことを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記13)
前記予め定められた位置から異なる距離の位置に配置された2以上のセンサは、前記無線信号の受信感度が互いに異なる2つのセンサを含む、
ことを特徴とする付記12に記載の電子機器。
(付記14)
前記複数のセンサは、前記無線信号の受信感度が互いに異なる複数の受信エリアを有するセンサを含み、
前記複数の受信エリアを有するセンサは、受信感度の大きさが第1の感度である第1受信エリアと受信感度の大きさが第2の感度である第2受信エリアとが、前記予め定められた位置からの向きが同じであって、前記予め定められた位置から異なる距離の位置に配置するように設けられている、
ことを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の電子機器。
(付記15)
無線信号を受信するセンサであって、互いに異なる位置に配置された複数のセンサを備える電子機器に、前記複数のセンサのそれぞれにおいて前記無線信号が受信されると、前記複数のセンサのうちの前記無線信号を受信したセンサに応じた態様で、予め定められた位置に関する情報を報知させるため、前記電子機器に前記無線信号を発信するアンテナを備えることを特徴とする通信端末。
(付記16)
無線信号を発信する通信端末と、
前記通信端末から発信された無線信号を受信するセンサであって、互いに異なる位置に配置された複数のセンサと、前記複数のセンサのそれぞれにおいて前記無線信号が受信されると、前記複数のセンサのうちの前記無線信号を受信したセンサに応じた態様で、予め定められた位置に関する情報を報知する報知手段と、を有する電子機器と、
を備えることを特徴とする報知システム。
(付記17)
無線信号を受信する受信部と、固有の情報を記憶した記憶部と、前記無線信号が受信されると、前記記憶部に記憶された前記固有の情報を外部へ送信する送信部と、をそれぞれが備える複数のセンサに、前記無線信号を発信するアンテナと、
前記複数のセンサのいずれか一つのセンサから送信された、当該一つのセンサに対応付けられた前記固有の情報を受信する受信部と、
前記受信した固有の情報に基づいて、予め定められた位置に関する情報を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
(付記18)
互いに異なる位置に配置された複数のセンサのそれぞれによって、無線信号を受信し、
前記複数のセンサのそれぞれにおいて前記無線信号が受信されると、前記複数のセンサのうちの前記無線信号を受信したセンサに応じた態様で、予め定められた位置に関する情報を報知する、
ことを特徴とする報知方法。
(付記19)
無線信号を受信する受信部と、固有の情報を記憶した記憶部と、前記無線信号が受信されると、前記記憶部に記憶された前記固有の情報を外部へ送信する送信部と、をそれぞれが備える複数のセンサに、前記無線信号を発信し、
前記複数のセンサのいずれか一つのセンサから送信された、当該一つのセンサに対応付けられた前記固有の情報を受信し、
前記受信した固有の情報に基づいて、予め定められた位置に関する情報を報知する、
ことを特徴とする報知方法。