<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、外周壁31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁31に囲繞されて構成される。また、遊技領域32の左側には、外周壁31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491が設けられている。
遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図32参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下部に配された特別変動入賞装置38の右下部には一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図32参照)により検出される。
センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)及び第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。この入賞装置90は、上部の流入口91に流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている。この振分部材92は前後方向に沿った回動軸を中心として回動可能であり、流入する遊技球の重みにより傾倒する方向が変化し、左側の第1始動入賞口36と右側の第2始動入賞口97とに交互に遊技球を振り分けるようになっている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図32参照)により検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図32参照)により検出される。また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図32参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図32参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は上面617が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
この情報表示装置630は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成され、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されている。第2表示装置にはこれらの六つの発光部材が三つずつ左右に二列で並んで配されている。右列の上部二つの発光部材は第1情報表示部を構成し、左列の上部二つの発光部材は第2情報表示部を構成している。また、右列の下部一つの発光部材は第3情報表示部を構成し、左列の下部一つの発光部材は第4情報表示部を構成している。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成されているが、それぞれの情報表示部の周囲には二つの発光部材が関連していることがわかるような意匠が施されており、一見して二つの発光部材で一つの情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。また、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されているが、これらの情報表示部の周囲の意匠はそれぞれ独立していることがわかるような意匠とされており、一見して一つの発光部材で情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。なお、発光部材の周囲の意匠は遊技機全体の意匠と一体感のあるものとされ、美観を損なわないようにされている。また、発光部材の周囲の意匠は、シールなどを貼付したものではなく誘導部616を構成する部材に成形されたものであり、製造の際の手間やコストを削減できる。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の右下部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38の構成の詳細については後述するが、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材990が大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図32参照)により駆動される開閉部材990によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態(第2特別遊技状態)中や小当り遊技状態(第1特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図32参照)が配設されている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された各種表示器を備える。各種表示器には、特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器、特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器が含まれている。また、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置の開閉回数)を表示するラウンド表示部、時短状態(普電サポート中、特定遊技状態中)であるかを報知する第1遊技状態表示部、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第2遊技状態表示部が含まれている。また、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)、普図変動表示ゲーム用の普図表示器、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器が含まれている。
特図1表示器51では、第1特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図1変動中表示を繰り返し行う。そして、第1特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第1特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図1変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第1特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
特図2表示器52では、第2特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図2変動中表示を繰り返し行う。そして、第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第2特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図2変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第2特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
普図表示器では、普図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する普図変動中表示を繰り返し行う。そして、普図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該普図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。普図変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、普図変動表示ゲームを表示するための識別情報(普図、普通図柄)をなす。
特図1保留表示器は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数(第1保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器は、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数(第2保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。普図保留表示器は、普図変動表示ゲームの実行権利である普図始動記憶の数(普図保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。
ラウンド表示部は、特別遊技状態中でない場合にはすべての発光部を消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応した点灯態様とする。第1遊技状態表示部(時短状態報知部)は、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示部は、電源投入時に高確率状態である場合にはLEDを点灯し、高確率状態でない場合はLEDを消灯状態にする。
次に、本発明の実施形態の遊技機10における遊技盤30の詳細について説明する。図3に示すように遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース40の前側部分を構成する前方構成部材600と、センターケース40の後側部分を構成するとともに遊技盤30に必要な各種部材が取り付けられた後方構成部材700と、を備える。
前方構成部材600は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に対して前面側から嵌め込まれることで取り付けられるようになっている。この前方構成部材は円環状のベース部材610を有し、このベース部材610に各種の部材が取り付けられている。ベース部材610は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に挿入され、遊技領域32よりも後方へ窪んだ凹室状の空間における内周壁の前側部分を形成する周囲壁611と、該周囲壁611の前端に周囲壁611に対して垂直に形成された板状の鍔状の取付部612と、を備える。
取付部612のうち、周囲壁611で囲まれた空間より外側に形成された部分は、遊技盤本体80に形成された開口81に前方構成部材600を前面側から挿入した際に、開口81の周縁よりも外側に延出し、遊技盤本体80の前面にその裏面が当接するようになっている。これによって、遊技盤本体80に対する前方構成部材600の前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。また、この取付部612には複数のねじ穴が形成されており、ねじによって前方構成部材600を遊技盤本体80に固定できるようになっている。さらに、取付部612の一部は遊技盤本体80の前面側であって遊技者から視認可能な位置に配されるものであり、その前面には装飾が施されている。また、ベース部材610には、この他にもねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
ベース部材610の前面には、後述するステージ部620、ワープ流路形成部材614、普通変動入賞装置37が配される部分を除き、規制壁613が設けられている。この規制壁613は、取付部612よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。よって、前方構成部材600を遊技盤本体80の所定位置に取り付けることで、取付部612よりも前側に位置する規制壁613が遊技領域32内に延出し、遊技領域32を流下する遊技球がセンターケース40内に流入することを規制するようになっている。これにより、表示装置41の視認性を確保するとともにステージ部620への遊技球の流入数を制限するようになっている。
また、ベース部材610の前面側から見て左側の側部には、センターケース40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ、ステージ部620へと誘導するワープ流路を形成するワープ流路形成部材614が取り付けられている。ワープ流路形成部材614は、取付部612の前面に取り付けられ、取付部612よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。また、ワープ流路形成部材614の上端は、ベース部材610の前面側から見て左側の側部において取付部612よりも前方へ延出するように取り付けられた規制壁613の下端に連続するようになっている。
ワープ流路形成部材614により形成されるワープ流路は、遊技球が一列で流下可能な内径を有する筒状の流路であり、センターケース40の左方の遊技領域32に向けて開口し、遊技領域32を流下する遊技球を受入可能となっている。この上流側端部がワープ流路の流入口をなす。さらにワープ流路は、上流側端部から流入した遊技球を右下方へ誘導した後に後方へ誘導するL字状の流路となっている。そして、下流側端部は後方に開口し、ステージ部620の左端部に遊技球を誘導するようになっている。
ステージ部620は遊技球が前後左右に転動可能であり、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、入賞装置90の流入口91の直上となる中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。なお、ステージ部620の中央部は上向きに突出しているが左右両端よりは低くなっている。このステージ部620には、左端からワープ流路を通った遊技球が流入し、左右方向に沿って転動するようになっている。また、ステージ部620の下方で跳ねた遊技球も流入可能である。
この略W字状に形成されたステージ部620において、上向きに突出した中央部の両側に位置する最も低くなった部分には、前方に下る傾斜面621が形成されている。この傾斜面621により、ステージ部620上で流下勢が弱まった遊技球はステージ部620の前端から下方の遊技領域32へ誘導される。
また、略W字状に形成されたステージ部620において、上向きに突出した中央部の頂点となる部分には、前後方向に沿って延在し、後方へ向かって下る溝状の流下路622が形成されている。この流下路622は浅い溝となっており、多くの遊技球は溝に嵌らずに左右に転動する。流下路622に嵌った遊技球は後方へ誘導されて図示しない流入口に流入し、ステージ部620の下方に形成された誘導流路623に流入する。誘導流路623は前方へ下る流路であり、下流側端部は入賞装置90の流入口91の直上に位置しており、高い確率で入賞装置90へ流入するようになっている。
また、前方構成部材600の前面側から見た右側には、上下に遊技球が通過可能な普図始動ゲート34が設けられている。普図始動ゲート34には通過する遊技球を検出するゲートスイッチ34aが設けられている。さらに、普図始動ゲート34の下方には可動部材37bを備える普通変動入賞装置37が設けられている。この普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は前方構成部材600の後方へ誘導され、図示しない排出流路へ流入するようになっている。また、普通変動入賞装置37は入賞した遊技球を検出する始動口2スイッチと可動部材37bを駆動する普電ソレノイド37cを備えている。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部の上面617は左方へ下る傾斜面となっており、流下路615を下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
図3、図4に示すように後方構成部材700は、前方に開口した凹部711を有する略矩形箱状の後方ベース部材710を有しており、この後方ベース部材710には、ねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。また、後方ベース部材710の前端には、側壁712に対して垂直に外側に向かって延出する鍔状の固定部713が形成されており、後方構成部材700を遊技盤本体80の裏面の所定位置に固定できるようになっている。また、後方ベース部材710の後壁714には、前後に貫通する貫通孔715が形成されている。この貫通孔715は、後方ベース部材710の後方に取り付けられる表示装置41の表示面を視認可能とするものである。
後方ベース部材710の後壁714の裏面に取り付けられる表示装置41は、後方ベース部材710の後壁714に形成された貫通孔715の全体を覆うことのできる表示面を有する液晶表示装置を備えている。この表示装置41は、表示面が前側となるように取り付けられることで、後方ベース部材710に形成された貫通孔715を介して表示面の画像が遊技盤30の前方から視認可能となるようにされている。なお、表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限られず、例えば、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
後方ベース部材710の凹部711の内部には動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44をなす、下可動役物ユニット730、上可動役物ユニット800及び中央可動役物ユニット880が設けられている。
図3に示すように下可動役物ユニット730は、貫通孔715の下方に配される。図5〜図8に示すようにこの下可動役物ユニット730は、幟を模した二つの第1下可動部材740、741と、瓢箪を模した第2下可動部材770を備え、これらの第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を表示装置41の前側に出現させるように動作可能である。また、下可動役物ユニット730には、第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を動作するための駆動機構や各種部材を取り付けるベース部として、前側に配される第1下ベース部731、中央に配される第2下ベース部732、裏面側に配される第3下ベース部733を備える。
第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を駆動するための駆動源をなすモータ734は、第3下ベース部733の前面側から見た右下部に、駆動軸が前後方向に沿うように取り付けられる。下可動役物ユニット730には第1下可動部材740、741と第2下可動部材770が設けられているが、これらは一つのモータ734により駆動される。モータ734からの駆動力は、前後方向に沿った軸を中心に回転可能な第1歯車735と、この第1歯車735と噛み合い前後方向に沿った軸を中心に回転可能な第2歯車737に同時に伝達される。第1歯車735は第1下可動部材740、741を動作するためのもので、前面側には第1下可動部材740、741へ動力を伝達するための第1駆動軸736が前方に延出するように設けられている。
また、第2歯車737は第2下可動部材770を動作するためのもので、裏面側には第2下可動部材770へ動力を伝達するための第2駆動軸738が後方に延出するように設けられている。後述するように、第1下可動部材740、741はモータ734を所定方向(ここでは前面側から見て時計回り)に駆動した場合に第1駆動軸736を介して駆動力が伝達されて動作し、第2下可動部材770はモータ734を上記の所定方向とは反対方向(ここでは前面側から見て反時計回り)に駆動した場合に第2駆動軸738を介して駆動力が伝達されて動作するように構成されている。
図6に示すように、一方の第1下可動部材740は下端部に軸受部742を備え、この軸受部742が第2下ベース部732の上部に設けられた前後方向沿った回動軸751によって回動可能に軸支されている。軸受部742は歯車となっており、モータ734からの駆動力を受けて第1下可動部材740が回動軸751を中心に動作可能となっている。また、他方の第1下可動部材741も同様に下端部に軸受部743を備え、この軸受部743が第2下ベース部732の上部に設けられた前後方向沿った回動軸752によって回動可能に軸支されている。軸受部743は歯車となっており、モータ734からの駆動力を受けて第1下可動部材741が回動軸752を中心に動作可能となっている。
前方から見て左側の回動軸751で軸支される第1下可動部材740に設けられた軸受部742の歯車は前後に二重になっており、前側の歯車でモータ734からの駆動力を受けるようになっている。そして、後ろ側の歯車は他方の第1下可動部材741に設けられた軸受部743の歯車に駆動力を伝達するようになっており、一つのモータ734で二つの第1下可動部材740、741が同時に動作できるようになっている。
前方から見て左側の回動軸751で軸支される第1下可動部材740に設けられた軸受部742の前側の歯車は、軸受部742の下方に配され前後方向に沿った軸を中心に回転可能な歯車753と噛み合っている。この歯車753は、第2下ベース部732の前面に当該第2下ベース部732に対して左右にスライド可能に設けられたスライド部材760の上部に設けられたラック歯車761と噛み合うようになっており、スライド部材760を左右に動作することで第1下可動部材740、741が動作するようになっている。
スライド部材760は平板状の部材であって、板面が第2下ベース部732の前面に沿うように配されている。スライド部材760には前後に貫通し左右に延在する長円形の被支持部762が形成されおり、この被支持部762に第2下ベース部732の前面に形成された前方へ突出する支持軸754が挿通されることで左右方向にスライド可能に支持される。さらに、第2下ベース部732の前方に取り付けられる第1下ベース部731がスライド部材760を覆うことでスライド部材760が前方に脱落しないように保持される。
また、スライド部材760には、前後に貫通した線状の貫通孔763が形成されている。この貫通孔763は、円弧状部分と、前面側から見て円弧状部分の右端部から下方に延出する直線部分とを備える。この貫通孔763には、第1歯車735に設けられた第1駆動軸736が後方から挿通され、モータ734からの駆動力がスライド部材760に伝達されるようになっている。
図6(a)は第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770がいずれも初期位置にある初期状態である。この状態では第1駆動軸736は貫通孔における円弧状部分と直線部分の接続部分に位置している。貫通孔763の円弧状部分における円弧の半径は、第1歯車735の中心から第1駆動軸736の中心までの長さに等しい。そして、初期状態では、第1歯車735の中心と貫通孔763の円弧状部分における円弧を形成する円の中心とが前後に一致した状態となっている。
この初期状態から、第1歯車735を前面側から見て時計回り方向に回転すると、第1駆動軸736がスライド部材760を左方に押しながら貫通孔763の直線部分を移動する。これにより、図6(b)に示すようにスライド部材760は左方にスライド移動し、ラック歯車761が歯車753を回転させることにより第1下可動部材740、741が上方へ向けて回動して表示装置41の前側に出現した状態となる。初期状態に戻す際には上述と反対の動作となる。なお、後述するように初期状態から第1歯車735が前面側から見て反時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動することで第2下可動部材770を動作させることができる。このとき、第1駆動軸736は貫通孔763の円弧状部分に沿って移動するので、スライド部材760を押圧することがなく、第1下可動部材740、741は動作しない。第2下可動部材770を動作した状態から初期状態に戻す際も同様である。
図5、図7に示すように第2下可動部材770は、下端部に前後方向に沿った回動軸771を備え、この回動軸が第2下ベース部732及び第3下ベース部733により回動可能に支持されている。また、回動軸771の近傍には、前後に貫通した線状の貫通孔772が形成されている。この貫通孔772は、円弧状部分と、図5に示す状態で前面側から見て円弧状部分の左端部から延出する直線部分とを備える。この貫通孔772には、第2歯車737に設けられた第2駆動軸738が前方から挿通され、モータ734からの駆動力が第2下可動部材770に伝達されるようになっている。
図7(a)は第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770がいずれも初期位置にある初期状態である。この状態では第2駆動軸738は貫通孔772における円弧状部分と直線部分の接続部分に位置している。貫通孔772の円弧状部分における円弧の半径は、第2歯車737の中心から第2駆動軸738の中心までの長さに等しい。そして、初期状態では、第2歯車737の中心と貫通孔772の円弧状部分における円弧を形成する円の中心とが前後に一致した状態となっている。
この初期状態から、第2歯車737を前面側から見て時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動すると、第2駆動軸738が第2下可動部材770を上方へ押し上げながら貫通孔772の直線部分を移動する。これにより、図7(b)に示すように第2下可動部材770は上方に回動して表示装置41の前側に出現した状態となる。初期状態に戻す際には上述と反対の動作となる。なお、上述したように初期状態から第2歯車737が前面側から見て反時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動することで第1下可動部材740、741を動作させることができる。このとき、第2駆動軸738は貫通孔772の円弧状部分に沿って移動するので、第2下可動部材770を押圧することがなく、第2下可動部材770は動作しない。第1下可動部材740、741を動作した状態から初期状態に戻す際も同様である。
また、図8に示すように、第2下可動部材770が上方に回動して表示装置41の前側に出現した状態では、表示装置41に第2下可動部材770を強調するエフェクト表示を行うことが可能となっている。もちろん第1下可動部材740、741が表示装置41の前側に出現した状態でも同様にエフェクト表示を行うようにしても良い。またエフェクト表示の表示態様はこれに限られず、表示装置41の前側に出現した可動部材を強調するような表示であれば良い。
また、第2下可動部材770における瓢箪を模した部分には、複数のLEDが設けられており、発光による装飾ができるようになっている。また、「デアルカ」の文字も発光するようになっている。この4つの文字はそれぞれ独立して発光するようになっているが、「ル」については「ノ」の部分と「レ」の部分がさらに独立して発光するようになっている。これにより、図7(b)や図8に示すように、「デ」の部分と、「ル」における「ノ」の部分のみを発光させて、「デレ」と表示することが可能となっている。このように文字を分割して異なる情報を表示可能としたことで、斬新な演出を行うことができる。なお、「デレ」の表示は、複数の演出モードのうちの一つであるデレモードであることを報知するものである。このように可動部材における表示により演出モードを報知するようにしたことで、設定されている演出モードを遊技者に対してわかりやすく伝えることができる。
図3に示すように上可動役物ユニット800は、貫通孔715の上方及び両側方に配される。図9、図10に示すようにこの上可動役物ユニット800は、円形の第1上可動部材848と、虎の手を模した第2上可動部材860を備え、これらの第1上可動部材848、第2上可動部材860を動作することで演出を行うものである。
上可動役物ユニット800には、後方ベース部材710に取り付けられるベース部材801と、ベース部材801に対して上下方向に動作可能であり第1上可動部材848を備える可動部材ユニット820と、を備える。ベース部材801は前面側から見てコ字状になっており、貫通孔715の上方に配される上ベース部802と、貫通孔715の前面側から見て左方に配される左ベース部803と、貫通孔715の前面側から見て右方に配される右ベース部804と、からなる。
左ベース部803の右端部及び右ベース部804の左端部には、上下方向に沿って延在する案内部805が設けられている。この案内部805は、可動部材ユニット820を上下方向に沿って案内するものである。また、左ベース部803及び右ベース部804には、可動部材ユニット820を上下に駆動する駆動機構806がそれぞれ備えられている。各駆動機構806は駆動源としてのモータ807を有し、モータ807を駆動することでアーム808が回動するようになっている。アーム808の先端には駆動軸809が設けられている。この駆動軸809は、可動部材ユニット820のリンク部材830に接続するものであり、モータ807を駆動することによりリンク部材830を動作して可動部材ユニット820を上下に駆動できるようになっている。
可動部材ユニット820は、駆動機構806と接続されるリンク部材830と、各種部材を取り付けるためのユニットベース部841と、ユニットベース部841の前側に配される第1上可動部材848と、ユニットベース部841の裏面側に配されて第1上可動部材と第2上可動部材を駆動する駆動部850と、駆動部850の後方からユニットベース部841の裏面を覆う裏面カバー849と、裏面カバー849の裏面に固定され、左ベース部803及び右ベース部804に設けられた案内部805によって案内される被案内部材842と、を備える。
リンク部材830は、左ベース部803と右ベース部804にそれぞれ回動可能に取り付けられ、互いに対向する方向へ延出するように配される。このリンク部材830は、左ベース部803に設けられた前後方向に沿って前方へ延出する回動軸810又は右ベース部804に設けられた前後方向に沿って前方へ延出する回動軸810が挿通される軸受部831を一端部に備え、左ベース部803又は右ベース部804により回動可能に軸支される。また、リンク部材830には、駆動機構806のアーム808に設けられた駆動軸809を挿通する長穴である第1案内部832が形成されており、モータ807を駆動してアーム808を回動することで、駆動軸809が第1案内部832に沿って移動しながらリンク部材830を上下に回動させるようになっている。
さらにリンク部材830における軸受部831が設けられた一端部と対向する他端部には、可動部材ユニット820のユニットベース部841に接続するための接続軸833が後方へ延出するように設けられている。また、リンク部材830には、当該リンク部材830の前側を覆うように取り付けられる第2上可動部材860の裏面の一端部に設けられた支持軸861を挿通可能な長穴である第2案内部834が形成されており、第2案内部834により第2上可動部材860の一端部を案内及び支持するようになっている。
ユニットベース部841は円形の本体部844と、本体部844から左右へ延出する被支持部845とを備える。被支持部845には前後に貫通して左右に延在する長穴である第3案内部846が形成されており、この第3案内部846には、リンク部材830の接続軸833がスライド可能に接続され、モータ807の駆動に基づくリンク部材830の動作に応じてユニットベース部841が上下に動作するようになっている。また、本体部844の中央には、円形の第1上可動部材848の中心から後方へ延出する図示しない駆動軸を挿通可能な挿通部847が形成されている。この挿通部847は、挿通された駆動軸を回転可能に支持することで第1上可動部材848を回転可能に支持する。
駆動部850は、駆動源をなすモータ851と、第1上可動部材848と接続される回転駆動部852と、第2上可動部材860を駆動する駆動アーム853とを備える。モータ851を駆動することにより、回転駆動部852は前後方向に沿った軸を中心として回転する。また、駆動アーム853は、モータ851の駆動により回転する歯車855の裏面に設けられた接続軸856に一端部が接続しており、モータ851を駆動することにより駆動アーム853が左右に揺動するようになっている。
回転駆動部852の回転中心には、ユニットベース部841の挿通部847に挿通された第1上可動部材848の駆動軸が接続され、回転駆動部852が回転することで駆動軸が回転されて第1上可動部材848が回転するようになっている。また、駆動アーム853の他端部には、第2上可動部材860の他端部の裏面に設けられた接続軸862が接続され、駆動アーム853が左右に揺動することで第2上可動部材860が左右に揺動するようになっている。
また、裏面カバー849は、駆動部850を覆うようにユニットベース部841の裏面側に固定される。この裏面カバー849の裏面には、被案内部材842が固定され、これによって、被案内部材842とユニットベース部841と固定される。被案内部材842は、左右方向に延在するように配される板状の部材で、左右端部には左ベース部803及び右ベース部804に設けられた案内部805によって案内される被案内部843が設けられている。
図10〜図12には上可動役物ユニット800の動作を示した。なお、説明のために一部の部材を省略している。図10は可動部材ユニット820が動作範囲の上端にある初期状態であり、図11、図12は可動部材ユニット820が動作範囲の下端にある動作状態である。図10に示す初期状態では、可動部材ユニット820が動作範囲における上端の位置にある。この初期状態から駆動機構806を動作してアーム808の先端に設けられた駆動軸809を表示装置41側へ向かうように回動させると、リンク部材830が下方に回動し、可動部材ユニット820が下方へ移動する。そして、可動部材ユニット820が動作範囲の下端にある動作状態では、図11(a)に示すように駆動軸809は回動範囲における下端に位置しており、リンク部材830も回動範囲における下端に位置している。すなわち、第1上可動部材848が所定の演出動作を行うことが可能な第1演出可動体をなし、駆動機構806やリンク部材830が第1演出可動体を動作するための第1駆動機構部をなし、これらで第1演出装置を構成する。
また、駆動部850を動作させると、第1上可動部材848は一方向に回転し、第2上可動部材860は図11に示すように第1上可動部材848側に寄った状態と、図12に示すように第1上可動部材848から離れた状態との間で左右に動作することを繰り返す。図11(a)に示すように第2上可動部材860が第1上可動部材848側に寄った状態では、図11(b)に示すように歯車855の裏面に設けられた接続軸856が、互いに最も近づいた状態となり、駆動アーム853が第2上可動部材860を第1上可動部材848側に引き寄せた状態となる。この状態から歯車855が回転することで、接続軸856が駆動アームを外側に押し出し、第2上可動部材860が第1上可動部材848から離れるように動作する。
そして、図12(a)に示すように第2上可動部材860が第1上可動部材848から最も離れた状態では、図12(b)に示すように歯車855の裏面に設けられた接続軸856が、互いに最も離れた状態となり、駆動アーム853が第2上可動部材860を第1上可動部材848から最も離した状態となる。この状態から歯車855が回転することで、接続軸856が駆動アームを内側に引き込み、第2上可動部材860が第1上可動部材848に近づくように動作する。歯車855が一方向に回転し続けることでこの動作が繰り返されて第2上可動部材860が左右に動作することとなる。すなわち、第2上可動部材860が所定の演出動作を行うことが可能な第2演出可動体をなし、駆動部850が第2演出可動体を動作するための第2駆動機構部をなし。これらで第2演出装置を構成する。
また、第2上可動部材860は、図10に示す初期位置でも図11や図12に示す動作後の位置でも、リンク部材830を覆って隠すように配され、リンク部材830を覆った状態で動作を行うようになっている。動作する第2上可動部材860でリンク部材830を覆うことで遊技者の意識を第2上可動部材860に引き付けることができ、リンク部材830に視線が行くことを効果的に防止でき、単に動作しない装飾部材で覆う場合に比べて高い隠蔽効果を得られる。また、特に初期位置では図2に示すようにリンク部材830が遊技者から視認できないように覆っている。これにより遊技の大部分を占める初期位置にある状態で遊技者から不要な部分が見えなくなり装飾性が向上する。
以上のことから、所定条件の成立に基づいてゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に制御され、動作することにより遊技に関する演出を行う第1演出装置(第1上可動部材848、駆動機構806、リンク部材830)及び第2演出装置(第2上可動部材860、駆動部850)と、を備え、第1演出装置は、所定の演出動作を行うことが可能な第1演出可動体(第1上可動部材848)と、第1演出可動体を動作するための第1駆動機構部(駆動機構806、リンク部材830)と、を備え、第2演出装置は、所定の演出動作を行うことが可能な第2演出可動体(第2上可動部材860)と、第2演出可動体を動作するための第2駆動機構部(駆動部850)と、を備え、第1駆動機構部を覆うように第2演出可動体が配されていることとなる。
したがって、第1駆動機構部を覆うように第2演出可動体が配されているので、遊技者から不要な部分が見えにくくなり、動作する演出装置による演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。特に動作する第2演出可動体で第1駆動機構部を覆うことで遊技者の意識を第2演出可動体に引き付けることができ、第1駆動機構部に視線が行くことを効果的に防止でき、単に動作しない装飾部材で覆う場合に比べて高い隠蔽効果を得られる。
また、第2演出可動体(第2上可動部材860)は、少なくとも第1演出可動体(第1上可動部材848)が初期位置にある状態において第1駆動機構部(リンク部材830)が遊技者から視認できないように覆うようにしている。したがって、遊技の大部分を占める初期位置にある状態で遊技者から不要な部分が見えにくくなり、動作する演出装置による演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
図3に示すように中央可動役物ユニット880は、貫通孔715の周囲を囲むように配される。図13〜図15に示すようにこの中央可動役物ユニット880は、4つに分割された複数の中央可動演出部材900,910,920,930が表示装置41の前方で組み合わさるように動作することで演出を行うものである。
中央可動役物ユニット880は、後方ベース部材710に取り付けられる可動演出ベース部材881を備える。また、可動演出ベース部材881の前面上側に配されて動作する第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910と、可動演出ベース部材881の前面下側に配されて動作する第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930と、を備える。
可動演出ベース部材881は、表示装置41の上側に位置する部分の左右方向の中央に、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が取り付けられるようになっている。この部分には、第1中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第1回動軸882と、第1中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第1案内部883が設けられている。また、第2中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第2回動軸884と、第2中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第2案内部885が設けられている。
そして、可動演出ベース部材881における表示装置41の上側に位置する部分の前面側から見て右側には、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910を動作するための駆動源をなすモータ886が設けられている。可動演出ベース部材881の裏面側であって、第1回動軸882からモータ886にかけての部分にはモータ886の駆動力を第1中央可動演出部材900に伝達するための複数の歯車等を備える駆動機構が配されており、この駆動機構の裏面を覆うように裏面カバー896が取り付けられる。
また、可動演出ベース部材881は、表示装置41の下側に位置する部分の左右方向の中央に、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が取り付けられるようになっている。この部分には、第3中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第3回動軸891と、第3中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第3案内部892が設けられている。また、第4中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第4回動軸893と、第4中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第4案内部894が設けられている。そして、可動演出ベース部材881における表示装置41の下側に位置する部分の前面側から見て左側には第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を動作する駆動源をなすモータ895が設けられている。
右上部に配される第1中央可動演出部材900は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部901を備える。また、第1中央可動演出部材900の一端部には、第1回動軸882が挿通される前後に貫通した第1軸受部902が設けられており第1中央可動演出部材900は第1回動軸882を中心として回動可能に軸支される。
また、第1軸受部902の近傍には、第1中央可動演出部材900の回動中心を中心とする扇形の第1扇形歯車903及び第2扇形歯車904が設けられている。第1扇形歯車903は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第1扇形歯車903は、可動演出ベース部材881における第1回動軸882の右側に形成された前後に貫通する貫通部887を通って可動演出ベース部材881の裏面側に臨むようになっている。そして、可動演出ベース部材881の裏面側でモータ886からの駆動力を伝達する歯車と噛み合うようになっている。
また、第2扇形歯車904は、前面側から見て左側を向くように設けられている。この第2扇形歯車904は、第1中央可動演出部材900の左方に隣接して配される第2中央可動演出部材910に設けられた第3扇形歯車913と噛み合うようになっている。これにより、第1扇形歯車903で受けたモータ886からの駆動力が第2扇形歯車904を介して第2中央可動演出部材910にも伝達されるようになる。また、第1中央可動演出部材900の裏面には、後方へ延出する被案内軸905が設けられている。この被案内軸905は第1案内部883に挿通されるようになっており、第1中央可動演出部材900が回動動作する際には第1案内部883の延在方向に沿って案内されることで第1中央可動演出部材900の円滑な動作を可能としている。
左上部に配される第2中央可動演出部材910は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部911を備える。また、第2中央可動演出部材910の一端部には、第2回動軸884が挿通される前後に貫通した第2軸受部912が設けられており第2中央可動演出部材910は第2回動軸884を中心として回動可能に軸支される。
また、第2軸受部912の近傍には、第2中央可動演出部材910の回動中心を中心とする扇形の第3扇形歯車913が設けられている。第3扇形歯車913は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第3扇形歯車913は、第2中央可動演出部材910の右方に隣接して配される第1中央可動演出部材900に設けられた第2扇形歯車904と噛み合うようになっている。また、第2中央可動演出部材910の裏面には、後方へ延出する被案内軸914が設けられている。この被案内軸914は第2案内部885に挿通されるようになっており、第2中央可動演出部材910が回動動作する際には第2案内部885の延在方向に沿って案内されることで第2中央可動演出部材910の円滑な動作を可能としている。
また、第2軸受部912の近傍には、後方へ延出する係合部915が設けられている。この係合部915は、可動演出ベース部材881における第2回動軸884の左方に形成された前後に貫通する貫通部888を通って可動演出ベース部材881の裏面側に臨むようになっている。そして、図14(b)に示すように可動演出ベース部材881の裏面側でねじりコイルばね889の一端部が係合するようになっている。このねじりコイルばね889の他端部は、可動演出ベース部材881に形成された係止部890に係止されていて、第2中央可動演出部材910の係合部915が上方へ付勢されるようになっている。これにより、ねじりコイルばね889の付勢力が、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910を動作範囲における上端の位置である初期位置で保持する際の補助となるとともに、下方へ動作した第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が初期位置へ戻る際の補助となる。
図13に示すように左下部に配される第3中央可動演出部材920は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部921を備える。また、第3中央可動演出部材920の一端部には、第3回動軸891が挿通される前後に貫通した第3軸受部922が設けられており第3中央可動演出部材920は第3回動軸891を中心として回動可能に軸支される。
また、第3軸受部922の近傍には、第3中央可動演出部材920の回動中心を中心とする扇形の第4扇形歯車923及び第5扇形歯車924が設けられている。第4扇形歯車923は、前面側から見て左下側を向くように設けられている。この第4扇形歯車923は、可動演出ベース部材881における第3回動軸891の左下部に配されたモータ895の歯車と噛み合うようになっている。
また、第5扇形歯車924は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第5扇形歯車924は、第3中央可動演出部材920の右側に隣接して配される第4中央可動演出部材930に設けられた第6扇形歯車933と噛み合うようになっている。これにより、第4扇形歯車923で受けたモータ895からの駆動力が第5扇形歯車924を介して第4中央可動演出部材930にも伝達されるようになる。また、第3中央可動演出部材920の裏面には、後方へ延出する被案内軸925が設けられている。この被案内軸925は第3案内部892に挿通されるようになっており、第3中央可動演出部材920が回動動作する際には第3案内部892の延在方向に沿って案内されることで第3中央可動演出部材920の円滑な動作を可能としている。
右下部に配される第4中央可動演出部材930は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部931を備える。また、第4中央可動演出部材930の一端部には、第4回動軸893が挿通される前後に貫通した第4軸受部932が設けられており第4中央可動演出部材930は第4回動軸893を中心として回動可能に軸支される。
また、第4軸受部932の近傍には、第4中央可動演出部材930の回動中心を中心とする扇形の第6扇形歯車933及び第7扇形歯車934が設けられている。第6扇形歯車933は、前面側から見て左側を向くように設けられている。この第6扇形歯車933は、第4中央可動演出部材930の左側に隣接して配される第3中央可動演出部材920に設けられた第5扇形歯車924と噛み合うようになっている。また、第4中央可動演出部材930の裏面には、後方へ延出する被案内軸935が設けられている。この被案内軸935は第4案内部894に挿通されるようになっており、第4中央可動演出部材930が回動動作する際には第4案内部894の延在方向に沿って案内されることで第4中央可動演出部材930の円滑な動作を可能としている。
また、第7扇形歯車934は、前面側から見て右下側を向くように設けられている。この第7扇形歯車934は、第4中央可動演出部材930の右下に配される付勢機構940に設けられた第8扇形歯車942と噛み合うようになっている。付勢機構940は、前後方向に沿った回動軸941を中心として回動可能であり第8扇形歯車942を備えている。この付勢機構940は、前面側から見て回動軸から左側に延出するように設けられており、図示しない付勢部材により下方(反時計回り方向)に付勢されている。これにより、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が動作範囲における下端の位置である初期位置へ向かう方向へ付勢されることとなる。よって、付勢機構による付勢力が、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置で保持する際の補助となるとともに、上方へ動作した第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置へ戻る際の補助となる。
以上のように構成される中央可動役物ユニット880は、図14に示す初期状態と図15に示す動作完了状態とに変換可能である。図14に示す初期状態では、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910は動作範囲の上端である初期位置にあり、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930は動作範囲の下端である初期位置にあって、略表示装置41の前面から退避した状態となっている。この初期状態から、モータ886を動作させると、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が下降するように回動し、モータ895を動作させると第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が上昇するように回動する。
そして、図15に示す動作完了状態では、第1中央可動演出部材900の装飾部901、第2中央可動演出部材910の装飾部911、第3中央可動演出部材920の装飾部921及び第4中央可動演出部材930の装飾部931が表示装置41の前面に重なるように配される。また、各装飾部901,911,921,931の端面は、隣接する装飾部901,911,921,931の端面と対向して近接し、全体で一つの円環状の形状を形成するようになっている。なお、各装飾部901,911,921,931は、光を透過可能な材質からなり、装飾部901,911,921,931を透して表示装置41を視認可能である。
次に特別変動入賞装置38の構成について説明する。図2、図16〜図18に示すように特別変動入賞装置38は、遊技盤本体80の前面に沿って配される流路後壁962と、当該流路後壁962の前方に配される流路前壁952とに挟まれて、遊技球が一列で流下可能な流下路38fを備える。この流下路38fは、前面側から見て左へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で左方へ向かって一列に流下するようになっている。
図17、図18に示すように、この流下路38fの略中央部分の底面は、前後方向にスライド可能な開閉部材990により構成されている。開閉部材990は、図17、図18(a)に示すように前方へ突出して特別変動入賞装置38(大入賞口38d)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図18(b)に示すように後方へ退避して大入賞口38dへ遊技球が入賞可能な状態である開状態と、に変換可能となっている。すなわち流下路38fを流下する遊技球は、開閉部材990が閉状態である場合には開閉部材990の上面を流下して大入賞口38dを通過し、開閉部材990が開状態である場合には大入賞口へ流入するようになっている。なお、開閉部材990が閉状態である場合に流路前壁952との間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の隙間である。
図19に示すように特別変動入賞装置38は、流路前壁952を備える前壁部材950と、流路後壁962を備える後壁部材960と、開閉部材990などが取り付けられる本体部970と、本体部970の裏面を覆うカバー部材979と、を備える。
前壁部材950は、板状の前面部951を備えている。前面部951の前面はガラス枠15のカバーガラス14の裏面に近接して配されるようになっていて、この前面の前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部951の前面は遊技者から視認可能な面であり、装飾が施されているとともに一部が光を透過可能なレンズとされている。この前壁部材950の裏面には装飾手段として図示しないLEDが配されるようになっており、光によって特別変動入賞装置38を装飾することが可能となっている。なお、特別変動入賞装置38を装飾する光の色は、一括表示装置50の発光色とは異なる色とされており、隣接する一括表示装置50の表示がわかりにくくなることを防止している。また、板状の前面部951の上部は、流下路38fの前側の側壁をなす流路前壁952となっている。
図17に示すように流路前壁952の裏面側には、後方に突出する複数の前壁突出部954が設けられている。この前壁突出部954は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた突出部992のそれぞれの前方に、突出部992に対してわずかに上流側に位置するように設けられている。この前壁突出部954と突出部992は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。前壁突出部954がわずかに上流側に位置することで、左方へ流下する遊技球が前壁突出部954で後方へ誘導された後に突出部992でさらに後方へ誘導されるようになり、効果的に遊技球を誘導できるようにされている。
図20に示すように前壁部材950の裏面側は、板状の前面部951の裏面から後方へ延出するリブ状の延出壁953が複数設けられている。この延出壁953は、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、流下路38fの底面を形成する底面部953a、大入賞口38dの側壁や底面をなす大入賞口形成部953b、大入賞口38dに入賞した遊技球を誘導する誘導流路955を形成する誘導流路形成部953c、大入賞口スイッチ38aを取り付ける取付部956を形成するスイッチ取付部形成部953d、一般入賞口35を形成する一般入賞口形成部953e、特別変動入賞装置38の周囲を流下する遊技球の内部への侵入を防止する周囲壁953fとしての機能を有する。
流下路38fの底面を形成する底面部953aは、裏面側から見て右側に傾斜する傾斜面となっている。また、大入賞口形成部953bは大入賞口38dに流入した遊技球を誘導流路955へ集めるように傾斜している。誘導流路955へは遊技球が一列で流入可能であり、誘導流路955への流入部分には大入賞口スイッチ38aが設けられている。これにより、大入賞口38dに流入した全ての遊技球は大入賞口スイッチ38aで検出された後に誘導流路955へ流入することとなる。誘導流路形成部953cにより形成される誘導流路955は、大入賞口38dからの遊技球を遊技盤30の裏面側へ誘導する流路であり、前面部951の裏面には遊技球を後方へ誘導するためのリブ957が形成されている。また、一般入賞口形成部953eは特別変動入賞装置38の前面側から見て右方に開口する一般入賞口35を形成するものである。前面部951の裏面にはこの一般入賞口35へ流入した遊技球を後方へ誘導するためのリブ958が形成されている。
図21(a)に示すように後壁部材960は、板状の後面部961を備えている。後面部961の前面には前壁部材950が取り付けられるようになっており、後面部961の前面のうち前壁部材950で隠されない部分には装飾が施されている。後面部961の上部は、流下路38fの後側の側壁をなす流路後壁962となっている。また、流路後壁962の下端となる位置には、開閉部材990を後壁部材960の裏面側から挿通するための前後に貫通した開閉部材挿通部963が形成されている。
また、流路後壁962の前面側には、前方に突出する複数の後壁突出部964が設けられている。図17に示すように後壁突出部964は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた凹部993に隣接する位置に設けられている。後壁突出部964と凹部993は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。後壁突出部964が凹部993に隣接して設けられていることで、凹部993が設けられていない部分で遊技球が流下路38fの右側部分を流下することを防止でき、確実に遊技球を蛇行させることが可能となる。
図21に戻り、後面部961の中央部分であって前壁部材950において誘導流路955が形成された部分と対向する部分には、誘導流路955が後面部961の裏面側に連通するように前後に貫通した貫通部968が形成されている。また、この誘導流路955の上方には、大入賞口スイッチ38aの後部を収容可能に前後に貫通したスイッチ取付部965が形成されている。さらに、後面部961の右側部分であって前壁部材950において一般入賞口35が形成された部分と対向する部分には、一般入賞口35に入賞した遊技球を後壁部材960の裏面側へ誘導する一般入賞口流路966を後面部961の裏面側に連通するように前後に貫通した貫通部966aが形成されている。
図21(b)に示すように後壁部材960の裏面側には、板状の後面部961の裏面から後方へ延出するリブ状の延出壁967が複数設けられている。この延出壁967は設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、誘導流路955を形成する誘導流路形成部967a、一般入賞口流路966を形成する一般入賞口流路形成部967b、特別変動入賞装置38の周囲を形成する周囲壁967cとしての機能を有する。
誘導流路形成部967aは、貫通部968から裏面側へ誘導された遊技球を下方へ案内するように誘導流路955を形成する。また、後面部961に形成された誘導流路955の下流側端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ969が形成されている。一般入賞口流路形成部967bは、貫通部966aから裏面側へ誘導された遊技球を下方へ案内するように一般入賞口流路966を形成する。また、後面部961に形成された一般入賞口流路966の下流側端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ966bが形成されている。
周囲壁967cは、遊技盤本体80における特別変動入賞装置38を取り付ける部分に形成された前後に貫通する貫通部の形状に合わせて形成されており、特別変動入賞装置38を遊技盤本体80に取り付けた際には周囲壁967cは貫通部に挿通された状態となる。また、周囲壁967cよりも外側に位置する後面部961の裏面は、特別変動入賞装置38を遊技盤本体80に取り付けた際に遊技盤本体80の前面に当接した状態となる。この部分には位置決めのためのボスやねじ止めのためのねじ穴が複数形成されている。
図22に示すように本体部970は、後壁部材960の周囲壁967cと前後に一致する周壁971を備える。この本体部970は、後壁部材960の裏面に形成された誘導流路形成部967aと対向し、誘導流路955の後壁をなす後壁部972を備えている。この後壁部972において、後壁部材960に形成された貫通部968と対向する位置には、貫通部968を通って後壁部材960の裏面へ誘導された遊技球を、誘導流路955に沿って右方へ誘導するリブ973が形成されている。また、後壁部972において後壁部材960に形成された誘導流路955の下流側端部と対向する位置には、前後に貫通する貫通部974が形成されている。誘導流路955を流下した遊技球は、後壁部材960に形成されたリブ969により後方へ誘導されて貫通部974を通り、本体部970の裏面側へ誘導されて遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
また、後壁部材960に形成された一般入賞口流路966の下流側端部と対向する部分には、一般入賞口流路966を流下する遊技球を本体部970の裏面側へ誘導する貫通部975が形成されている。一般入賞口流路966を流下した遊技球は貫通部975を通って本体部970の裏面側へ誘導されて入賞口スイッチ35aで検出された後、遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
また、後壁部材960に形成された開閉部材挿通部963と対向する位置には、前後方向に動作する開閉部材990を案内及び支持する開閉部材保持部976が設けられている。開閉部材保持部976は、本体部970の前後に貫通するスリット状の貫通部であり、開閉部材990の上下左右の面に当接可能であって開閉部材990を案内及び支持することが可能な案内壁977が前後方向に沿って延在するように設けられている。
本体部970の裏面側には、開閉部材990と該開閉部材990を動作する動作機構を備える開閉部材ユニット980が取り付けられている。この開閉部材ユニット980は、各種部材を取り付けるためのユニットベース部材981と、前後方向にスライド動作可能な開閉部材990と、開閉部材990を動作するための大入賞口ソレノイド38bを備える。
この開閉部材ユニット980は、図23(a)に示すように開閉部材990を前方へ突出させた状態として特別変動入賞装置38を閉状態とする状態と、図23(b)に示すように開閉部材990を後方へ退避させた状態として特別変動入賞装置38を開状態とする状態とに開閉部材990を変換可能である。なお、開閉部材990は、本体部970に形成された開閉部材保持部976や後壁部材960に形成された開閉部材挿通部963を介して大入賞口38dの上方に出現可能となっている。
開閉部材990は、ユニットベース部材981の上部に形成された保持部982に前後にスライド可能に配されている。図24(a)に示すように開閉部材990は、上面における大入賞口38dの上方へ延出する前端部分が一段低くなるようにされて流下路38fの底面をなす流路形成部991とされている。
この流路形成部991には、開閉部材990の前端部分の近傍に上方へ突出する複数の突出部992が形成されている。突出部992の上流側の側面は後方側が下流側へ向くように傾斜しており、右方から流下する遊技球を凹部993へ向けて後方に滑らかに誘導できるようにされている。また、突出部992の下流側の側面は後方側が上流側へ向くように傾斜しており、凹部993から前方へ流出する遊技球が接触した場合に下流側方向へ案内できるようにされている。
また、一段低くなった流路形成部991の段差部分であって、突出部992とスライド方向に対向する部分には、段差部分が後方へ窪んだ凹部993が形成されている。凹部993を形成する段差部分の側面と突出部992の側面の間隔は何れの位置でも遊技球が一列で流下可能な間隔とされている。また、凹部993を形成する段差部分の側面のうち下流側の側面は、前方側が下流側へ向くように斜めに形成されており、凹部993から前方へ遊技球が滑らかに流出できるようにされている。
すなわち、開閉部材990の上面には、突出部992や凹部993のような起伏が設けられている。後述するようにこのような起伏により開閉部材990の上に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされている。
また、図24(b)に示すように、開閉部材990の上面は左側へ下る斜めの面とされており、遊技球を左方へ向けて流下させるようになっている。また、開閉部材990の下面の左右には下方へ延出する摺動部994が形成されている。この摺動部994は前後方向に沿って延在するように形成されており、ユニットベース部材981の上部に形成された保持部982の上面に当接することで開閉部材990が保持部982上で摺動可能となる。
また、図23(a)に示すように開閉部材990の前端部分は、上端よりも下端が後方側に位置するように傾斜する傾斜面996となっている。このように傾斜面996が形成されていることで、開閉部材990を閉状態とする際に開閉部材990と流路前壁952との間に遊技球が存在する場合に、当該遊技球を上方又は下方へ遊技球を逃がすことができる。
また、図25に示すように開閉部材990の下面の中央部分には、開閉部材990を駆動する大入賞口ソレノイド38bからの駆動力を伝達する駆動アーム983が接続される接続部995が形成されている。駆動アーム983は保持部982の下方に位置している。図25(b)に示すように保持部982には駆動アーム983から上方に延出する接続ピン983aを挿通可能な貫通部982aが形成されており、この貫通部982aを通して接続ピン983aが開閉部材990の接続部995に接続されている。また、図25(a)に示すように保持部982には、接続部995の左右に位置し、前後方向に沿って延在する案内リブ982bが形成されている。この案内リブ982bは接続部995を前後方向に案内することで開閉部材990を前後方向に沿って案内するものである。
図26に示すように駆動アーム983の一端は、大入賞口ソレノイド38bに接続された連結部材984に連結している。また、駆動アーム983には上下方向に沿った回動軸983bを備えており、この回動軸983bを中心として回動可能となっている。なお、回動軸983bは、本体部970及び後壁部材960によって前後から挟まれて回動可能に保持される(図19参照)。
図26(a)に示すように特別変動入賞装置38を閉状態とする状態では、大入賞口ソレノイド38bの駆動軸38gが伸長して駆動アーム983が回動範囲の前端に位置する状態となる。この状態では、駆動アーム983が回動軸983bを中心として裏面側から見て時計回り方向に最も回動した状態となり、接続ピン983aが移動範囲の前端に位置している。
この状態から特別変動入賞装置38を開状態とする場合は、大入賞口ソレノイド38bの駆動軸38gを退縮させることで、駆動アーム983が回動軸983bを中心に裏面側から見て反時計回り方向に回動して、接続ピン983aを後方へ向かうように移動させて開閉部材990を後方へ退避させる。これにより、図26(b)に示すように特別変動入賞装置38を開状態とする状態となる。特別変動入賞装置38を閉状態とする場合は、上述の動作と逆の動作を行う。
図27〜図30には、特別変動入賞装置38における遊技球の流下態様を示した。なお、図29や図30では説明のために前壁部材950の一部を透視した図となっている。流下路38fを右から左へ流下する遊技球は、まず最も上流側に位置する後壁突出部964により斜め前側へ誘導され、開閉部材990における流路形成部991に流入する。そして、前壁突出部954により斜め後方へ誘導されるとともに開閉部材990の突出部992により斜め後方へ誘導されて凹部993へ流入する。凹部993に流入した遊技球は、下流側へ向けて斜めに形成された凹部993の下流側の側面や、下流側に隣接する前壁突出部954により再び斜め前方へ誘導される。
以降、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返され、流下路38fを流下する遊技球は前後に蛇行しながら流下するようになる。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材990の上に滞留する時間が長くなることとなる。このため、図29や図30(a)に示すように開閉部材990の上に遊技球が常に存在する状態となり、特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材990を開放した際に図30(b)に示すように開閉部材990の上に存在している遊技球が落下して大入賞口38dに入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせることができる。なお、短開放となるラウンド前において特別変動入賞装置38を閉状態とするインターバル時間について、遊技球が開閉部材990の上で滞留した状態となるのに必要な時間を確保しておくことが好ましい。
また、図31(a)に示すように、開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球は、開閉部材990に形成された突出部992に接触することで図31(b)に示すように跳ねて大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。また、跳ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964などに接触することでさらに大入賞口38dから離れることもある。また、開閉部材990に形成された突出部992は遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接触せずに落下することもある。なお、後述する短開放となる場合の特別変動入賞装置38開放時間は、上述のように突出部992等に接触して跳ねた遊技球であっても大入賞口38dに流入可能な時間となっている。これにより短開放であっても大入賞口38dへの流入は可能である。
このように突出部992や前壁突出部954、後壁突出部964を備えることで、開閉部材990を開放する際の遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、開閉部材990を開放した際に開閉部材990の上に存在している複数の遊技球の大入賞口38dへの流入タイミングをずらすことができ、大入賞口38d内で球詰まりが発生することを防止できる。
なお、流下路38fに起伏として前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993を設けたが、これ以外のものであっても良い。例えば、起伏として開閉部材990の上面に蛇行する溝を形成し、遊技球が溝に沿って蛇行しながら流下するようにしても良い。また、起伏として開閉部材990の上面に流下方向と略直交するようにリブ状の突出部や溝を設けて、遊技球が流下する際に突出部や溝によって上下方向に動かされながら流下するようにしても良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別変動入賞装置38は、上方に向いた開口から遊技球が入賞可能であり、閉状態では開口を閉鎖して遊技球の入賞を不能とするとともに開状態では開口を開放して遊技球の入賞を可能とする開閉部材990が備えられ、閉状態においては開閉部材990の上面を遊技球が流下可能に構成され、開閉部材990は、上面に起伏(突出部992、凹部993)が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされていることとなる。したがって、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、開閉部材990の上面により構成される流下路38fの周囲に、当該流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部(前壁突出部954、後壁突出部964)が設けられていることとなる。したがって、接触部に接触することで開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようになり特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、閉状態においては開閉部材990の上面における左右の端部の一方から他方へ遊技球が流下するように構成され、開閉部材990の上面に形成された起伏は、流下する遊技球を前後に蛇行させるように形成されていることとなる。したがって、開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようになり特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、特別変動入賞装置38は、前後方向にスライド移動する開閉部材990により開閉するものとしたが、閉状態では大入賞口38dを覆うように上面が平行な状態となり、開状態とする場合には下方へ回動するような構成としても良い。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別変動入賞装置38は、上方に向いた開口から遊技球が入賞可能であり、閉状態では前方に突出して開口を閉鎖して遊技球の入賞を不能とするとともに開状態では後方に退避して開口を開放して遊技球の入賞を可能とするように前後方向にスライド移動する開閉部材990が備えられ、閉状態においては開閉部材990の上面を遊技球が流下可能に構成され、開閉部材990は、上面に起伏(突出部992、凹部993)が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされているとともに、当該開閉部材990の前端部分に、前端に向かってスライド方向に垂直な方向の厚みが減少するような傾斜面996が形成されていることとなる。
したがって、開閉部材990は、上面に起伏が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされているので、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、開閉部材990の前端部分に、前端に向かってスライド方向に垂直な方向の厚みが減少するような傾斜面996が形成されているので、閉鎖の際に遊技球を挟み込むことを防止できる。
また、開閉部材990の前端部分における上面はスライド方向に沿った平面であり、開閉部材990の上面よりも下側の部分が傾斜面996とされていることとなる。したがって、閉鎖の際に遊技球を挟み込むことを防止できるとともに、傾斜面996によって下方へ案内されることで特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図32は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置450へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置450との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図33を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46や情報表示装置630を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図32参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図32参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器や特図2保留表示器に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。さらに情報表示装置630でも表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)や情報表示装置630で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。また、情報表示装置630における飾り特図変動表示ゲームは、変動表示中は発光部材を点滅させ、停止時間となると発光部材を特図変動表示ゲームの結果に対応した発光態様(点灯、点滅、消灯など)とする。すなわち発光部材の発光態様で構成される飾り特別図柄(第4図柄)により結果態様を表示する。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41や情報表示装置630に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材990を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図34及び図35に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図38に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図34及び図35に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図35のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図35のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図35のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図36には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図37には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップS61)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS62)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS63)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS64)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図38に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図38のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図39に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS122)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(ステップS123)、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128、S133)の詳細について説明する。図40に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図41に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、例えば、一括表示装置50に設けられる各種表示器である、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器、特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器、ラウンド表示部及び第2遊技状態表示部をダイナミック点灯させる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図42に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、かつ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
〔乱数更新処理1〕
図43には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS213)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS216)。その後、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS219)。その後、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS220;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS220;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS221)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS222)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図44には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図45には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブルを準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや始動口3スイッチ97a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、の状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図46には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS332)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS333)、値が0でない場合(ステップS333;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS333;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS334)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS335)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS336)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS336;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS337)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS336;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS338;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS338;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS339)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS340)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図47には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図48には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS311,S313,S316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS371)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS372)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS374)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS375)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS376)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS377)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS378)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS379;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS379;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS380)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS381)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS383;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS383;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS384)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS385)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS385;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS385;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS386)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS387)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS374で準備した状態オフコマンド又はS377で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図49には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS391)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS391;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS392)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS393)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS391;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS394)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS395)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS396;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS397)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS398)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS396;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS393又はステップS395で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS400)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS400;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS400;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS401)、ステップS392又はステップS394で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS402)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図50に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図51に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。
ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102,A110,A117)の詳細について説明する。図52に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA131)、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA132)。
そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA132;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA132;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA133)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA134)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA134;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA134;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA135)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA136)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図53に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。
一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。
更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA160)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から3)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA154)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA155)。ステップA155にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA155;N)には、ステップA158の処理に移行する。一方、ステップA155にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA155;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA156)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA157)。ステップA158では、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA158)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA159)、特図保留情報判定処理(ステップA160)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA160)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図54に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA161)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA162;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA163)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA164)、ステップA171の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA162;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA165)。
ステップA165にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA165;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA170)、ステップA171の処理に移行する。
一方、ステップA165にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA165;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA166)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA167;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA170)、ステップA171の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA167;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA168)、ステップA156にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA169)、ステップA171の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA171)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA172)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA173)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA174)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA175)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA176)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA173における特図情報設定処理、ステップA174における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図55に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップA206;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA214)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図56に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図57に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、52m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA309)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図57に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図58に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA349)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、104m秒)をセーブし(ステップA353)、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図59には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA361)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA362)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA363)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA364)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA365)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りである場合(ステップA366;Y)は、ステップA362にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA367)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りでない場合(ステップA366;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA368)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りである場合(ステップA369;Y)は、ステップA361にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA370)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りでない場合(ステップA369;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図60には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図61には、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA161、A365、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA365)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA365)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図62には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA166、A368)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図63には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。
これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA410;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図64には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA173、A324、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図65に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA174、A326、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図66に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔振り分け処理〕
図67には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図68には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図67に示す振り分け処理の構成と、図68に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327、A347)の詳細について説明する。図69に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA504)。さらに、変動順序フラグ格納領域をシフトし(ステップA505)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA506)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図70に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
そして、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA605)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA606)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図71及び図72に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1(4R確変(突確))以外)である場合にはON、出玉のない大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1(4R確変(突確)))である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図73に示すように、時間短縮変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、時短中であるかを判定する(ステップA752)。そして、時短中でない場合(ステップA752;N)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時短中である場合(ステップA752;Y)は、時間短縮変動回数を−1更新して(ステップA753)、時間短縮変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA754)。
時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップA754;N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップA754;Y)には、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。次いで、時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA759)。次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA760)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA761)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図74に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA787)、左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図75に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図76に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図77に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放(第2開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放(第1開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、16R確変A(全て長開放)、16R確変B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、16R通常A(全て長開放)、16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、4R確変(全て短開放)が設定されている。なお、確変とは特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態となる大当りであり、通常とは特別遊技状態の終了後の確率状態が低確率状態となる大当りである。したがって、大入賞口動作判定テーブルには、16R確変Aデータと開放切替判定値「0」、16R確変Bデータと開放切替判定値「4」、16R通常Aデータと開放切替判定値「0」、16R通常Bデータと開放切替判定値「4」、4R確変データと開放切替判定値「0」が対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図78には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図79に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図80には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の開閉部材990を閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図81に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、以降のラウンドが短開放ラウンドとなることを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、16R確変A(全て長開放)、16R確変B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、16R通常A(全て長開放)、16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)の何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが16R確変A又は16R通常B(全て長開放)であれば、ラウンド継続報知演出において長開放が継続することが報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、選択された大当りパターンが16R確変B又は16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)であれば、ラウンド継続報知演出においてランクダウン演出が行われて短開放となることが報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図82には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図83には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図84に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1201)。
高確率データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA1202)、高確率データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行って(ステップA1203)、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1204)、コマンド設定処理(ステップA1205)を行う。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA1206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA1207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA1208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1209)。
その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA1210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップA1211)、コマンド設定処理(ステップA1212)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図85には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1221)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA1223)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA1224)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA1225)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば100)をセーブして(ステップA1226)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
図86には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1231)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA1233)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA1234)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA1235)、時間短縮変動回数領域をクリアして(ステップA1236)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図87には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図88(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図88(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉部材990を開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図89に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図90に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図91に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図92(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図92(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図93に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。図94に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図95に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図96に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(ステップA2107)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA2106でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されており、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として104msに相当する値が定義されており、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA2107における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA2107において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA2108、A2111ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として8が定義されており、変動図柄番号を0〜7の範囲で更新可能である。よって、第1特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図1変動中表示は8回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として2が定義されており、変動図柄番号を0と1で交互に更新可能である。よって、第2特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図2変動中表示は2回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として4が定義されており、変動図柄番号を0〜3の範囲で更新可能である。よって、普図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する普図変動中表示は4回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図97に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図98に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態(例えば、大当り中、小当り中、特図時短中(普電サポート中))であるかを判定する(ステップB102)。
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば「4」)未満であるかを判定する(ステップB105)。また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB105;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図99に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB202;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば「6」)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上である(ステップB204;Y)と判定すると、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば「4」)セーブし(ステップB205)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図100に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB201;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB302)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB303)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB304)。
普図高確率中でない場合(ステップB304;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB305)、普図高確率中である場合(ステップB304;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB306)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB307)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB307;N)、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB308)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB307;Y)や、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB308;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB309)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB310)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB311)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
一方、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB308;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB312)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB313)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB314)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB315)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB316)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB317)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB318)、普図保留数を−1更新する(ステップB319)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
図101には、前述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)、後述の普図表示中処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を示した。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB331)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB332)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB333)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図102には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB341)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB342)。
その後、普図変動時間(例えば500m秒。本実施形態の場合、普図低確率状態と普図高確率状態とで普図変動時間は共通となっている。)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB343)、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB344)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB345)。
そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(ここでは52ms)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして(ステップB346)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図103(a)に示すように、普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)を行う。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)の詳細について説明する。図103(b)に示すように、普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB411)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB412)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB413)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB414)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB415)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図104に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を行って、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「2」,「4」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、500m秒又は1700m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB506)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB211)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
図105には、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB507)を示した。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB511)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB512)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB513)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB514)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB515)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB516)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB517)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図106に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図107には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。
制御ポインタの値が「0」又は「2」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB616)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB617)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB619)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB619)、普電作動移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB612にてウェイト時間として200m秒を、ステップB614にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB618にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図104に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「500m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「500m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が500m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図104に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「2」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「2」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄3」である場合は、図104に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)の詳細について説明する。図108(a)に示すように、普電残存球処理では、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)を行う。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)の詳細について説明する。図108(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理では、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB711)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB712)。
その後、普図エンディング時間(例えば100m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB713)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB714)、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする(ステップB715)。そして、普図当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップB716)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図109(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)を行う。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)の詳細について説明する。図109(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB811)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB812)。
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB813)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB814)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS111)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器、第1遊技状態表示部、第2遊技状態表示部、ラウンド表示部を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図110に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップS502)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。
そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。
そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。
そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。
さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、ラウンド表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、第1遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第2遊技状態表示部での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、第2遊技状態表示部のセグメント領域にセーブして(ステップS519)、セグメントLED編集処理を終了する。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、小当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS112)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図111に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁気センサ61がオンである場合(ステップS601;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップS602)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。本実施形態の場合、磁石不正監視タイマが32m秒以上である場合にタイムアップしたと判定する。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61がオンでない場合(ステップS601;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS608)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS603;N)も、ステップS609の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS610;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS610;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップS612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS613;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS613;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS601;N」→「ステップS608」→「ステップS609」→「ステップS610;Y」→「ステップS611」→「ステップS612」→「ステップS613;Y」が正常ルートである。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図112に示すように、電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS702)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップS703)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップS704)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、磁気不正の場合は、磁気センサ61のオンが所定回数検出された時点で異常が発生していると判定する一方、盤電波不正の場合は、盤電波センサ62のオンが1回検出された時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサ62がオンでない場合(ステップS701;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS706)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS706;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS706;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップS707)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップS708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS709;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS711)、盤電波不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS701;N」→「ステップS705」→「ステップS706;Y」→「ステップS707」→「ステップS708」→「ステップS709;Y」が正常ルートである。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図113及び図114に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS816)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS817)、ステップS818の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS815)、ステップS818の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS818)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS819)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS820)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS821)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS821;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS822)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS821;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップS818)の詳細について説明する。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(本実施形態の場合、10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
図115に示すように、メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS831)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS832)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS832;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS833)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップS833;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップS834)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS835)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
また、メイン賞球信号出力回数が「0」である場合(ステップS833;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS832;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS836)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS836;Y)は、ステップS837の処理に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS836;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップS819)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図116に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS841)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS842)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS842;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS843)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップS843;N)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップS844)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS845)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップS843;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS842;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS846)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS846;Y)は、ステップS847の処理に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS846;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
次に、遊技における演出と、この演出を制御する演出制御装置300での制御について説明する。図117、図118には、特別遊技状態での演出の一例を示した。ここでは、短開放を含む16R確変B大当りが発生した場合を示した。
特図変動表示ゲームで大当りの結果態様が導出された後に、図117(a)に示すように大当り種類に応じたファンファーレ演出が行われた後、ラウンド遊技が開始される。図117(b)に示すように表示装置41では、ラウンド数を示すラウンド数表示41a、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41b、右打ちを指示する右打ち指示表示41c、長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dが表示される。
そして、図117(c)に示すように長開放となるラウンドで特別変動入賞装置38へ遊技球が入賞して賞球を獲得すると、当該賞球数が賞球数表示41eとして表示されるとともに、獲得遊技球数表示41dに加算される。ラウンドが終了してインターバルとなると図117(d)に示すようにインターバル演出が行われる。ここでは次回のラウンドも長開放であるので、長開放用のインターバル演出が行われる。
また、ラウンド遊技が進行して、特別遊技状態の終了時の報知態様や特別遊技状態の終了後の演出態様を選択可能なモード移行選択ラウンドとなると、図117(e)に示すようにモード移行選択画面41fが表示される。このモード移行選択画面41fでは、第1モードをなす通常モードと第2モードをなすデレモードを選択可能であり、遊技者が演出ボタン演出ボタン25やタッチパネル29を操作することにより指を模したカーソルを移動させることで選択を行う。
また、次回から短開放となる可能性のあるラウンドのインターバル演出、すなわち、ここでは4R終了後のインターバル演出では、次回以降も長開放が継続するか否かを報知するラウンド継続演出41gが行われる。このラウンド継続演出41gでは、図118(a)に示すように「短」、「長」の文字が交互に点滅し、最終的に点灯した文字により結果を示すものであり、ここでは大当り種類が16R確変Bなので短開放となることが報知されている。さらに、短開放となることが報知された場合にはインターバル演出として図118(b)に示すように特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hが行われる。なお、例えば大当り種類が16R確変A(全て長開放)の場合は、ラウンド継続演出41gでは「長」の文字が点灯して長開放となることが報知される。
図118(c)に示すように短開放でのラウンドでも促進演出41hは継続される。さらに、特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iが行われる。この強調演出41iは、特別変動入賞装置38から光が照射されているかのような表示となっている。なお、特別変動入賞装置38は発光による装飾を行う装飾手段を備えているが、この装飾手段による発光態様と、強調演出41iの表示態様とで、発光タイミングや発光強度、発光色などを関連付けるように同期させても良いし、同期させないようにしても良い。
また、短開放でのラウンドが開始されると、長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dとは別に短開放で獲得した賞球数を示す短開放獲得遊技球数表示41jが表示される。また、ラウンド数表示41aでは残り開放回数を表示する。ここでは、実行中のラウンドを含めて残り12ラウンドがあって各ラウンドで1回開放されるので、あと12回開放と表示されている。その後、図118(d)に示すように短開放でのラウンドが終了してインターバル時間となると促進演出41hは継続されが、特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iは一旦終了し、図118(e)に示すように次のラウンドが開始されると強調演出41iが再開される。
そして、最終ラウンドが終了すると図118(f)、(g)に示すようにエンディング演出が行われる。このエンディング演出では、図118(f)に示すように長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dに、短開放で獲得した賞球数を示す短開放獲得遊技球数表示41jでの値が加算される演出が行われ、図118(g)に示すように特別遊技状態で獲得した賞球数の総数を表示する総数表示41kが行われる。
また、エンディング演出では特別遊技状態の終了後の確率状態を示唆する表示である状態示唆表示41mが行われる。この状態示唆表示の内容は、遊技者がモード移行選択ラウンドにおいて選択した演出モードによって異なるようになっており、図119に示すように特別遊技状態の終了後の確率状態に応じて(1)〜(4)のキャラクタが所定の選択率に応じて選択されるようになっている。図119(a)に示すように第1モードをなす通常モードが選択された場合には、高確率状態となる場合に(1)のキャラクタのみが選択され、低確率状態となる場合に(2)のキャラクタのみが選択される。また、図119(b)に示すように第2モードをなすデレモードが選択された場合には、確率状態に応じて(1)〜(4)のキャラクタが選択率に応じて選択されるようになっている。なお、キャラクタ画像だけでなく、セリフなどの文字情報によっても確率状態を示唆するようにしても良い。
〔メイン処理〕
上述のような演出を行うために本実施形態の遊技機では、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって図120に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。図120に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図121には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図122には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔単発系コマンド処理〕
図123には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図124には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図125には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC323)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC323;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
図126には、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC240)を示した。この図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC351)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC352)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
図127には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図128には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、情報表示装置630において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
〔大当り系コマンド処理〕
図129には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態になる場合には、高確率状態となる旨の報知を行う画面情報を設定するなど、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが特別変動入賞装置38への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
〔カウント演出設定処理〕
図130には、上述の大当り系コマンド処理におけるカウント演出設定処理(ステップC414)を示した。このファンファーレ演出設定処理では、まず、開放可能時間が所定時間以下である短開放ラウンドであるかを判定する(ステップC421)。なお、本実施形態では、短開放ラウンドは開放可能時間が0.2秒であり、長開放ラウンドでは開放可能時間が29秒である。
そして、短開放ラウンドでない場合(ステップC421;N)、すなわち長開放ラウンドである場合は、大入賞口カウントコマンドに基づいて獲得遊技球数カウンタを更新し(ステップC422)、獲得遊技球数カウンタに基づいた獲得遊技球数表示41dの表示設定を行って(ステップC423)、カウント演出設定処理を終了する。獲得遊技球数カウンタは、長開放ラウンドにおける特別変動入賞装置38への入賞により払い出される賞球数をカウントするものであり、ステップC422では入賞に基づき払い出される賞球数を加算する更新が行われ、ステップC423で更新後の値が表示される。
また、短開放ラウンドである場合(ステップC421;Y)は、大入賞口カウントコマンドに基づいて短開放パターン用カウンタを更新し(ステップC424)、短開放パターン用カウンタに基づいた短開放獲得遊技球数表示41jの表示設定を行って(ステップC425)、カウント演出設定処理を終了する。短開放パターン用カウンタは、短開放ラウンドにおける特別変動入賞装置38への入賞により払い出される賞球数をカウントするものであり、ステップC424では入賞に基づき払い出される賞球数を加算する更新が行われ、ステップC425で更新後の値が表示される。
これにより、長開放における特別変動入賞装置38への入賞数と、短開放における特別変動入賞装置38への入賞数が別々に計数され、表示されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、特別変動入賞装置38への入賞が、第1開放態様(長開放)と第2開放態様(短開放)との何れにおける入賞であるかを判別する入賞判別手段をなす。また、演出制御装置300が、入賞判別手段による入賞の判別に基づき、第1開放態様(長開放)における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様(短開放)における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に計数する計数手段をなす。
〔ファンファーレ演出設定処理〕
図131には、上述の大当り系コマンド処理におけるファンファーレ演出設定処理(ステップC402)を示した。このファンファーレ演出設定処理では、まず、ACTは大当りファンファーレであるかを判定する(ステップC431)。すなわち、ファンファーレコマンドが16R確変A、16R確変B、16R通常A又は16R通常Bの何れかに対応するファンファーレコマンドであるかを判定する。
ACTは大当りファンファーレである場合(ステップC431;Y)は、大当り回数を+1更新し(ステップC432)、確率状態、大当り回数に基づいて大当りファンファーレ演出の表示内容を決定する(ステップC433)。なお、大当り回数は、高確率状態や時短状態でない通常遊技状態となることに基づき0クリアされる。すなわち、いわゆる連チャン回数を計数するものである。その後、決定した内容に対応するファンファーレ演出の表示設定を行い(ステップC434)、大当りは短開放を含むかを判定する(ステップC435)。短開放を含まない場合(ステップC434;N)、すなわち全てのラウンドが長開放である場合は、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。また、短開放を含む場合(ステップC434;Y)は、短開放大当り情報をセットし(ステップC436)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定して(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
ACTは大当りファンファーレでない場合(ステップC431;N)は、ACTは突確ファンファーレであるかを判定する(ステップC437)。すなわち、ファンファーレコマンドが4R確変(突確)に対応するものであるかを判定する。ACTは突確ファンファーレである場合(ステップC437;Y)は、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続して実行される演出である連続演出からの当りであるかを判定する(ステップC438)。
連続演出からの当りでない場合(ステップC438;N)は、確率状態に対応する突確専用演出の表示設定を行い(ステップC439)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。確率状態に対応する突確専用演出は、低確率状態において4R確変となった場合には特別遊技状態の後に高確率状態となるので、その旨を報知又は示唆する演出を行う。また、高確率状態において4R確変となった場合には特別遊技状態の後も高確率状態が継続するので、その旨を報知又は示唆する演出を行う。
また、連続演出からの当りである場合(ステップC438;Y)は、今回の変動中演出(連続演出)に関連する突確演出パターンの中から実行する突確演出を抽選し(ステップC440)、決定した突確演出の表示設定を行い(ステップC441)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。すなわち、連続演出からの4R確変の場合は、特別遊技状態でも連続演出に関連した演出が行われることとなる。なお、4R確変の場合も大当り回数を+1更新するようにしても良い。
ACTは突確ファンファーレでない場合(ステップC437;N)は、ACTは小当りファンファーレであるかを判定する(ステップC442)。すなわち、ファンファーレコマンドが小当りに対応するものであるかを判定する。ACTは小当りファンファーレでない場合(ステップC442;N)は、ファンファーレ演出設定処理を終了する。また、ACTは小当りファンファーレである場合(ステップC442;Y)は、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続して実行される演出である連続演出からの当りであるかを判定する(ステップC443)。
連続演出からの当りでない場合(ステップC443;N)は、確率状態に対応する小当り専用演出の表示設定を行い(ステップC444)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。小当りの場合は小当りの前後で確率状態に変化はないため、確率状態に対応する小当り専用演出では、小当り発生時の確率状態が維持されることを報知又は示唆する演出を行う。
また、連続演出からの当りである場合(ステップC442;Y)は、今回の変動中演出(連続演出)に関連する小当り演出パターンの中から実行する小当り演出を抽選し(ステップC445)、決定した小当り演出の表示設定を行い(ステップC446)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。すなわち、連続演出からの小当りの場合は、特別遊技状態でも連続演出に関連した演出が行われることとなる。
連続演出からの4R確変や小当りの場合、4R確変や小当りが導出される際(突確や小当りとなる特図変動表示ゲームの終了の際)に結果態様を明確に示さずに、4R確変や小当りに基づく特別遊技状態中に何れであるかを示す演出を行う。例えば、敵キャラクタと味方キャラクタが戦う演出を連続演出として行い、結果態様の導出時では依然として戦いの決着がついていない状態とする。そして、特別遊技状態において、4R確変の場合は味方キャラクタが勝利する演出(突確演出)を行い、小当りの場合は敵キャラクタが勝利する演出(小当り演出)を行う。
〔ラウンド演出設定処理〕
図132には、上述の大当り系コマンド処理におけるラウンド演出設定処理(ステップC405)を示した。このラウンド演出設定処理では、まず、右打ち指示の表示設定を行い(ステップC461)、小当り又は突確(4R確変)に基づく特別遊技状態であるかを判定する(ステップC462)。
小当り又は突確に基づく特別遊技状態である場合(ステップC462;Y)は、小当り・突確ラウンド演出の表示設定を行い(ステップC474)、ステップC475に移行する。また、小当り又は突確に基づく特別遊技状態でない場合(ステップC462;N)は、ラウンドコマンドからラウンド数を導出し(ステップC463)、短開放ラウンドを含む大当りの場合に設定される短開放大当り情報があるかを判定する(ステップC464)。
短開放大当り情報がない場合(ステップC464;N)、すなわち、長開放ラウンドのみの特別遊技状態である場合は、ラウンド数の表示設定を行い(ステップC465)、長開放パターンのラウンド演出の表示設定を行う(ステップC466)。次に、長開放パターンに基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定する(ステップC467)。
その後、特別遊技状態の終了時の報知態様や、特別遊技状態の終了後の演出態様を選択可能なモード移行選択ラウンドであるかを判定する(ステップC468)。モード移行選択ラウンドでない場合(ステップC468;N)は、ラウンド演出設定処理を終了する。また、モード移行選択ラウンドである場合(ステップC468;Y)は、モード移行選択画面の表示設定を行って(ステップC469)、ラウンド演出設定処理を終了する。
一方、短開放大当り情報がある場合(ステップC464;Y)、すなわち、短開放ラウンドを含む特別遊技状態である場合は、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値であるかを判定する(ステップC470)。そして、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値でない場合(ステップC470;N)、すなわち長開放となるラウンドである場合は、ステップC465に移行する。
また、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値である場合(ステップC470;Y)、すなわち短開放となるラウンドである場合は、短開放パターンのラウンド演出の表示設定を行い(ステップC471)、ラウンド数上限値情報とラウンド数から残り開放回数を算出する(ステップC472)。そして、短開放で開放される回数である残り開放回数の表示設定を行い(ステップC473)、特別変動入賞装置38への入賞を狙うことを促す強調演出の表示設定を行う(ステップC475)。その後、強調演出に基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC476)、ラウンド演出設定処理を終了する。
すなわち、短開放となるラウンドや、短開放である小当りや4R確変のラウンドにおいては、長開放のラウンドとは異なる演出が行われる。上述したように特別変動入賞装置38は開閉部材990に遊技球を滞留させやすくなっており、短開放であっても入賞を狙うことが可能であるので、遊技者に入賞を狙うように促す強調演出41iを行う。
〔インターバル演出設定処理〕
図133には、上述の大当り系コマンド処理におけるインターバル演出設定処理(ステップC408)を示した。このインターバル演出設定処理では、まず、長開放用インターバルのBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC481)、短開放ラウンドを含む大当りの場合に設定される短開放大当り情報があるかを判定する(ステップC482)。
短開放大当り情報がない場合(ステップC482;N)、すなわち長開放ラウンドのみの特別遊技状態である場合は、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、図117(d)に示したような長開放用インターバルが設定された状態となる。また、短開放大当り情報がある場合(ステップC482;Y)、すなわち短開放ラウンドを含む特別遊技状態である場合は、ラウンド数は所定値であるかを判定する(ステップC483)。ここでの所定値とは長開放となる最後のラウンド数であり、本実施形態では4である。
ラウンド数は所定値である場合(ステップC483;Y)、すなわち次回から短開放となるラウンドである場合は、ラウンド継続報知演出の表示設定を行い(ステップC484)、ラウンド継続報知演出に基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定して(ステップC485)、インターバル演出設定処理を終了する。これにより、図118(a)、(b)に示したようなラウンド継続報知演出が設定される。
一方、ラウンド数は所定値でない場合(ステップC483;N)は、ラウンド数は所定値よりも大きいかを判定する(ステップC486)。ラウンド数は所定値よりも大きくない場合(ステップC486;N)は、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、次回も長開放となるラウンドである場合であり、長開放用インターバルが設定されたままとなる。
また、ラウンド数は所定値よりも大きい場合(ステップC486;Y)は、短開放用インターバルの表示設定を行い(ステップC487)、短開放用インターバルのBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC488)、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、図118(d)に示したような短開放用インターバルが設定されることとなる。なお、短開放用インターバルでは促進演出41hが行われるが強調演出41iは行われない。ただし、ラウンド中と同様に強調演出41iも行うようにしても良いし、インターバル専用の強調演出を行うようにしても良い。
〔エンディング演出設定処理〕
図134には、上述の大当り系コマンド処理におけるエンディング演出設定処理(ステップC411)を示した。このエンディング演出設定処理では、まず、今回の特別遊技状態の発生の契機となった大当り種類の情報である大当り種類情報をロードし(ステップC491)、大当り種類情報と第1モードでの選択率(図119(a)参照)から状態示唆表示の設定を行う(ステップC492)。
次に、モード移行フラグがあるかを判定する(ステップC493)。特別遊技状態の終了後の演出モードには第1モードと第2モードがあり、遊技者が選択可能となっている。第1モードと第2モードは確率状態を示唆する表示である状態示唆表示41mの内容や、特図変動表示ゲームの演出などが異なる演出モードである。この演出モードの選択は、モード移行選択ラウンドにおいて表示されるモード移行選択画面41fにて行うことが可能であり、遊技者は演出ボタン25やタッチパネル29を操作することにより選択を行う。そして、遊技者が第1モードを選択した場合にはモード移行フラグはセットされず、遊技者が第2モードを選択した場合にはモード移行フラグがセットされるようになっている。
モード移行フラグがない場合(ステップC493;N)、すなわち第1モードが設定される場合は、ステップC495に移行する。この場合はステップC492で設定された状態示唆表示となる。また、モード移行フラグがある場合(ステップC493;Y)、すなわち第2モードが設定される場合は、第2モードでの選択率(図119(b)参照)に基づく状態示唆表示を設定し(ステップC494)、ステップC495に移行する。
その後、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタから合計の獲得遊技球数を算出し(ステップC495)、合計の獲得遊技球数に基づいた加算演出の表示設定を行う(ステップC496)。そして、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタをリセットし(ステップC497)、短開放大当り情報をリセットして(ステップC498)、エンディング演出設定処理を終了する。以上の処理により、遊技者が選択した演出モードに応じた状態示唆表示41mが特別遊技状態の終了時に行われるとともに、特別遊技状態において獲得した遊技球数が総数表示41kとして表示されることとなる。
図135には、特別遊技状態における演出の変形例を示した。図135(a)〜(c)に示すように右打ちを指示する右打ち指示表示41cを表示画面の左から右へ流れるように表示しても良い。この場合、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41bに重ならない位置で右打ち指示表示41cを流れるように表示する。また、図柄表示41bに重なる位置で右打ち指示表示41cを流れるように表示しても良いが、図柄表示41bの裏側を右打ち指示表示41cが流れるように表示し、図柄表示41bは常に視認可能な状態とする。なお、図柄表示41b以外の表示である、ラウンド数を示すラウンド数表示41aや強調演出41iなどは右打ち指示表示41cで隠されても良いし、隠されないようにしても良い。
また、図135(d)〜(f)に示すように特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hを特別変動入賞装置38に向かって流れるように表示しても良い。この場合、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41bに重なる場合には、図135(d)に示すように図柄表示41bの裏側を促進演出41hが流れるように表示し、図柄表示41bは常に視認可能な状態とする。また、図柄表示41bに重ならない位置で促進演出41hを流れるように表示するようにしても良い。なお、図柄表示41b以外の表示である、ラウンド数を示すラウンド数表示41aや強調演出41i、短開放獲得遊技球数表示41jなどは促進演出41hで隠されても良いし、隠されないようにしても良い。また、図135(a)〜(c)のように右打ち指示表示41cを動作する表示と、図135(d)〜(f)のように促進演出41hを動作する表示とを同時に行うようにしても良い。
図136にも、特別遊技状態における演出の変形例を示した。図136(a)に示すように、特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hや特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iとして、操作部24や特別変動入賞装置38の画像を用い、操作部24を大きく右へ回すように指示したり特別変動入賞装置38を狙うように指示したりするようにしても良い。このようにすることで、遊技者がより理解しやすくなる。特に、複数の特別変動入賞装置38を備える場合にはどの特別変動入賞装置38を狙うべきかを明確に指示できる。また、表示装置41の右下方に位置する実際の特別変動入賞装置38での発光態様と、表示装置41に表示した特別変動入賞装置38の画像での発光態様を同期させており、一見して狙うべき特別変動入賞装置38がわかるようになっている。もちろん操作部24の発光態様についても同様に同期させても良い。
なお、画像としては、模式的なアニメーションでも良いし実際の特別変動入賞装置38を写した動画でも良い。また、表示装置41に表示した操作部24や特別変動入賞装置38の画像において、実際の操作部24や特別変動入賞装置38での発光演出と同期した表示を行うようにしたがしなくても良い。また、表示装置41に表示した操作部24や特別変動入賞装置38の画像は静止画としても良い。
また、右打ち指示表示41cや促進演出41hに含まれる文字情報や矢印の画像については、上述したように流れるような表示を行うようにしても良い。この場合、操作部24や特別変動入賞装置38の画像の前側を移動するようにしても良いし、後側を移動するようにしても良い。また、操作部24や特別変動入賞装置38の画像に一括表示装置50が表示される場合、実際の一括表示装置50の表示態様と同期した表示を行うようにしても良いし、同期しない表示としても良い。同期しない表示態様とする場合はどのような表示態様であっても良いが、例えば、全て点灯又は消灯した状態や、特定の点灯態様(7セグの場合には「7」などの大当りを連想させる特定の数字を点灯する。LEDの集合体の場合には大当り発生時に特有の点灯態様として大当りを連想させる等)とする。
また、右打ちとする遊技状態が開始される場合に、操作部24を大きく右へ回すように指示したり普通変動入賞装置37を狙うように指示したりする画像を表示するようにしても良い。また、左打ちとする遊技状態が開始される場合に、操作部24を小さく右へ回すように指示したり入賞装置90を狙うように指示したりする画像を表示するようにしても良い。
また、図136(b)に示すように、最終ラウンドの終了までの残り時間を表示する残時間表示41nを行うようにしても良い。短開放の場合に成立するラウンドの終了条件は、特別変動入賞装置38へ所定数の遊技球が入賞するよりも開放可能時間が経過する場合の方がほとんどであり、ラウンドが一定の時間で終了する。よって、以降のラウンドが短開放となる場合は、最終ラウンドの終了までのラウンドの時間とインターバルの時間を積算することで最終ラウンドの終了までの残り時間を算出することができる。このように残り時間を表示することで、残りラウンド数で報知する場合とは異なる印象を与え、遊技の興趣を向上することができる。すなわち、特別遊技状態の終了までの残り時間を算出する残時間算出手段(遊技制御装置100又は演出制御装置300)を備え、当該残時間算出手段により算出された残り時間を報知可能であることとなる。
なお、上述の実施形態では、第1開放態様を継続して開状態となる時間が所定時間以上である長開放とし、第2開放態様を継続して開状態となる時間が所定時間以下である短開放として説明したがこれに限られるものではなく、第1開放態様と第2開放態様が異なるものであればどのような開放態様であっても良い。また、遊技機として、始動領域への入賞に基づき変動表示ゲームを実行する遊技機を挙げたが、これ以外の遊技機であっても良い。例えば始動領域への入賞に基づき補助遊技装置への入賞が可能となり、当該補助遊技装置に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生するいわゆる羽根物(旧2種タイプ)の遊技機でも良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38と、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様には、第1開放態様(長開放)と、該第1開放態様とは異なる第2開放態様(短開放)と、があり、演出制御手段は、第2開放態様が実行される際に、特別変動入賞装置38へ向けた遊技球の発射を促す促進演出41hを実行可能であることとなる。したがって、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制し、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技者が操作して遊技球の発射勢を調節するための発射操作部(操作部24)と、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41と、特別変動入賞装置38を発光により装飾する装飾手段と、を備え、演出制御手段は、促進演出41hとして、特別変動入賞装置38へ向けて遊技球を発射するための発射勢とするのに必要な発射操作部の操作方法の表示と、装飾手段による特別変動入賞装置38の装飾態様の表示と、を表示装置41で行うようにしている。したがって、遊技者が促進演出41hの内容を理解しやすくなる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様には、第1開放態様(長開放)と、該第1開放態様とは異なる第2開放態様(短開放)と、があり、特別変動入賞装置38への入賞が、第1開放態様と第2開放態様との何れにおける入賞であるかを判別する入賞判別手段(演出制御装置300)を備えている。したがって、入賞判別手段による情報に基づき遊技の演出や進行を制御でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、特別変動入賞装置38への入賞に基づき所定数の賞球を払い出すように構成され、入賞判別手段による入賞の判別に基づき、第1開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に計数する計数手段(演出制御装置300)を備えている。したがって、計数手段による情報に基づき遊技の演出や進行を制御でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、計数手段による計数結果に基づき、第1開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に報知可能であることとなる。したがって、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、計数手段による計数結果の一部のみを報知した後に、所定のタイミングで未だ報知されていない計数結果を報知することが可能であることとなる。したがって、遊技の興趣を向上することができる。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、加算演出の実行態様が異なる。
図137にに示すように本変形例では、短開放で獲得した賞球数を短開放獲得遊技球数表示41jで即座に表示しないことを可能としている。図137に示す例では、図137(a)、(b)に示すように短開放でのラウンドが行われており、図137(b)に示すようにここまでは短開放で獲得した賞球数に等しい値が短開放獲得遊技球数表示41jで表示されている。この後に新たに短開放で獲得した賞球が15個発生したが、図136(c)に示すようにこの15個については短開放獲得遊技球数表示41jに加算されていない。
そして、最終ラウンドが終了した後のエンディング演出では、図137(d)に示すように長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dに、短開放で獲得した賞球数を示す短開放獲得遊技球数表示41jでの値が加算される演出が行われ、図137(e)に示すように特別遊技状態で獲得した賞球数の総数を表示する総数表示41kが行われる。この時点では総数表示41kに図137(c)で加算されなかった15個の賞球数は含まれていない。その後、エンディング演出の後半において図137(f)、(g)に示すように加算されていなかった15個の賞球が総数表示41kに加算される上乗せ演出が行われる。
短開放のラウンドに関しては、遊技価値(賞球)をどのぐらい獲得できるかという点について遊技者は興味をもつものであり、短開放獲得遊技球数表示41jで表示していた値に加えてさらに上乗せされるような演出を行うことで、遊技者に得をしたような感覚を与えて遊技の興趣を高めることができる。
〔カウント演出設定処理〕
このような制御を行うために演出制御装置300では、図130に示したカウント演出設定処理に替えて図138に示すカウント演出設定処理を行う。このカウント演出設定処理では、短開放ラウンドである場合(ステップC421)に、獲得した賞球数を短開放獲得遊技球数表示41jで即座に表示するかを抽選するカウント表示抽選を行う(ステップC601)。
カウント表示抽選の結果、表示するとされた場合(ステップC602;Y)には、ステップC424、C425の処理を行い、獲得した賞球数を短開放獲得遊技球数表示41jで即座に表示する。また、カウント表示抽選の結果、表示しないとされた場合(ステップC602;N)には、大入賞口カウントコマンドに基づいて非表示カウンタを更新し(ステップC603)、カウント演出設定処理を終了する。この場合は獲得した賞球数が非表示カウンタでカウントされるが、この時点では表示されない。
〔エンディング演出設定処理〕
また、図134に示したエンディング演出設定処理に替えて図139に示すエンディング演出設定処理を行う。このエンディング演出設定処理では、合計の獲得遊技球数と非表示カウンタから再合計数を算出し(ステップC611)、再合計数に基づいた上乗せ演出を設定する(ステップC612)。そして、非表示カウンタをリセットする(ステップC612)。この処理により、図137(d)、(e)に示す加算演出の後に、図137(f)、(g)に示す上乗せ演出が行われるようになる。
なお、特別遊技状態で所定の条件を満たした場合にのみ未だ報知されていない賞球数を報知する上乗せ演出を行うようにしても良い。例えば、長開放となるラウンドにおいて、一のラウンドで入賞可能な規定数(例えば9)以上の入賞が発生した場合にのみ上乗せ演出を行うようにしても良い。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、状態示唆表示41mの表示に関する処理が異なる。
図140には本変形例における特別遊技状態での演出の一例を示した。図140(a)に示すように短開放でのラウンドにおいて所定のラウンドとなると、遊技者が演出ボタン25を操作する演出ボタン操作演出が開始される。この演出ボタン操作演出は、演出ボタン25の操作結果に応じて状態示唆表示41mの表示態様を異ならせるものである。
この演出ボタン操作演出では、演出ボタン25の操作を促すとともに操作状況を表示するメータ表示41pが表示される。このメータ表示41pは、複数の領域が上下に重なった表示であり、遊技者が演出ボタン25を長押しした時間や演出ボタン25を押下した回数に応じて下段の領域から順次表示色を変化させることで操作状況を報知するようになっている。
遊技者が有効期間内において、所定時間以上演出ボタン25を長押し又は所定回数以上演出ボタン25を押下し、最終条件を達成した場合は、図140(b)に示すようにメータ表示41pの全ての領域の表示色が変化する。そして、図140(c)に示すようにエンディング演出では、モード移行選択ラウンドにおいて遊技者が選択した演出モードに応じた状態示唆表示41mが表示される。
また、遊技者が有効期間内において、演出ボタン25を長押し又は演出ボタン25を押下したが最終条件を達成しなかった場合は、図140(d)に示すようにメータ表示41pの一部の領域の表示色が変化する。ここでは、最終条件は達成していないが、所定の中間条件を達成した場合となっており、図140(e)に示すようにエンディング演出では、一部分が隠蔽された状態示唆表示41mが表示される。
また、遊技者が有効期間内において、演出ボタン25を操作しなかった場合は、図140(f)に示すようにメータ表示41pの全ての領域の表示色は変化しない。そして、図140(g)に示すようにエンディング演出では、状態示唆表示41mが表示されない。なお、遊技者が有効期間内において、演出ボタン25を長押し又は演出ボタン25を押下したが中間条件を達成していない場合も同様に状態示唆表示41mが表示されない。
図140(e)に示す一部分が隠蔽された状態示唆表示41mは、特別遊技状態の終了後の確率状態に応じて図141に示す選択率で選択される。これらの状態示唆表示41mは一部分が隠蔽されているが、それぞれ表示態様が異なるので慣れている遊技者であれば判別することが可能である。ただし、それぞれの状態示唆表示41mは高確率状態と低確率状態の何れでも選択可能であるので、明確に特別遊技状態の終了後の確率状態を把握することは困難となっている。
〔演出ボタン操作演出処理〕
このような制御を行うために演出制御装置300では、図120に示したメイン処理における演出ボタン入力処理において図142に示す演出ボタン操作演出処理を行う。この演出ボタン操作演出処理では、まず、演出ボタン操作演出の実行中であるかを判定し(ステップC621)、演出ボタン操作演出の実行中でない場合(ステップC621;N)は、演出ボタン操作演出処理を終了する。また、演出ボタン操作演出の実行中である場合(ステップC621;Y)は、演出ボタンの操作があるかを判定し(ステップC622)、操作がない場合(ステップC622;N)は、演出ボタン操作演出処理を終了する。
演出ボタンの操作がある場合(ステップC622;Y)は、演出ボタンの操作態様に対応して操作入力カウンタを更新し(ステップC623)、操作入力カウンタに基づいてメータ表示を設定して(ステップC624)、演出ボタン操作演出処理を終了する。すなわち、演出ボタン25の長押しが一定時間継続する毎、又は演出ボタン25の短押しが行われる毎に操作入力カウンタの値が更新されるようになっており、この値に応じてメータ表示が行われる。
〔エンディング演出設定処理〕
また、図134に示したエンディング演出設定処理に替えて図143に示すエンディング演出設定処理を行う。このエンディング演出設定処理では、操作入力カウンタは上限値であるかを判定し(ステップC631)、上限値である場合(ステップC631;Y)、すなわち最終条件を達成した場合は、操作入力カウンタをリセットして(ステップC635)、エンディング演出設定処理を終了する。この場合はステップC491〜C494で設定された状態示唆表示41mが表示されることとなる。
また、操作入力カウンタが上限値でない場合(ステップC631;N)は、操作入力カウンタは所定値以上であるかを判定する(ステップC632)。操作入力カウンタは所定値以上である場合(ステップC632;Y)、すなわち中間条件を達成した場合は、再設定テーブルの選択率(図141参照)に基づく状態示唆表示41mを設定し(ステップC633)、操作入力カウンタをリセットして(ステップC635)、エンディング演出設定処理を終了する。この場合は図140(e)に示すように一部が隠蔽された状態示唆表示41mが表示されることとなる。
また、操作入力カウンタは所定値以上でない場合(ステップC632;N)、すなわち中間条件を達成していない場合は、状態示唆表示を非表示に設定し(ステップC634)、操作入力カウンタをリセットして(ステップC635)、エンディング演出設定処理を終了する。この場合は図140(g)に示すように状態示唆表示41mが表示されないこととなる。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態中における遊技者による操作部(演出ボタン25、タッチパネル29)の操作態様に基づき、当該特別遊技状態の終了後の遊技に関する情報の報知態様を異ならせるようにしたこととなる。
なお、演出ボタン25の操作に応じて(操作入力カウンタの値に応じて)、状態示唆表示41mが完全に隠蔽された状態から完全に視認可能な状態まで徐々に変化するようにしても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態における遊技結果に応じてポイントを付与するようにしている。
図144には本変形例における特別遊技状態での演出の一例を示した。図144(a)に示すように短開放でのラウンドが行われており、この短開放のラウンドにおいて特別変動入賞装置38に遊技球が1個入賞することに基づき図144(b)に示すようにキャラクタを1つ獲得できるようになっている。キャラクタを獲得した場合には獲得したキャラクタの種類を報知する獲得表示41qが行われるとともに、当該特別遊技状態で獲得したキャラクタの表示する総獲得表示41rに獲得したキャラクタが表示される。図144(b)では獲得表示41qにおいて星のキャラクタを獲得したことが報知されており、総獲得表示41rにおいて星のキャラクタを1つ獲得していることが示されている。
図144(c)に示すように再び特別変動入賞装置38に遊技球が1個入賞すると、キャラクタを1つ獲得する。ここでは獲得表示41qにおいて桃のキャラクタを獲得したことが報知されており、総獲得表示41rにおいて星のキャラクタを1つと桃のキャラクタを1つ獲得していることが示されている。獲得するキャラクタは、図144(h)に示すような選択率に従って入賞毎に選択されるようになっている。
図144(d)に示すようにエンディング演出では、総獲得表示41rにおいて獲得したキャラクタの種類が表示される。ここでは星のキャラクタを7つ、桃のキャラクタ、音符のキャラクタ、宝箱のキャラクタをそれぞれ1つずつ獲得したことが示されている。キャラクタ1つが特別変動入賞装置38への1個の入賞に対応することから、総獲得表示41rに対応して短開放獲得遊技球数表示41jが表示され、獲得遊技球数表示41dに加算される加算演出が行われる。
さらに、獲得したキャラクタに応じた特典が付与され、これに伴い特典の付与を報知する付与報知表示41sが行われる。図144(e)に示すように桃のキャラクタを獲得している場合はポイントが付与される。このポイントは遊技の演出を遊技者がカスタマイズするために利用可能となっている。また、図144(f)に示すように音符のキャラクタを獲得している場合は、特別遊技状態の終了後のBGMとして特別なBGMが設定される。また、図144(g)に示すように宝箱のキャラクタを獲得している場合は、特別遊技状態の終了後の背景として特別な背景が設定される。
このように特典を付与することで、短開放であっても特別変動入賞装置38への入賞を狙わせるようにすることができ、遊技の興趣を向上することができる。特に、賞球とは異なる遊技価値を付与することで、より遊技の興趣を高めることができる。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別変動入賞装置38への入賞に基づき賞球とは異なる遊技価値を付与可能であることとなる。
〔カウント演出設定処理〕
このような制御を行うために演出制御装置300では、図130に示したカウント演出設定処理に替えて図145に示すカウント演出設定処理を行う。このカウント演出設定処理では、短開放ラウンドである場合(ステップC421)に、表示アイコンテーブルの選択率(図144(h)参照)に基づいてキャラクタを選択し(ステップC651)、キャラクタの表示設定を行う(ステップC652)。これにより、図144(b)、(c)に示したように獲得表示41qや総獲得表示41rが行われる。
〔エンディング演出設定処理〕
また、図134に示したエンディング演出設定処理に替えて図146に示すエンディング演出設定処理を行う。このエンディング演出設定処理では、ポイント付与キャラクタ(ここでは桃のキャラクタ)を獲得したかを判定する(ステップC661)。ポイント付与キャラクタを獲得していない場合(ステップC661;N)は、ステップC663に移行する。また、ポイント付与キャラクタを獲得している場合(ステップC661;Y)は、獲得数に基づいてポイントを付与し(ステップC662)、ステップC663に移行する。
次に、BGMキャラクタ(ここでは音符のキャラクタ)を獲得したかを判定する(ステップC663)。BGMキャラクタを獲得していない場合(ステップC663;N)は、ステップC665に移行する。また、BGMキャラクタを獲得している場合(ステップC663;Y)は、特典BGMを設定し(ステップC664)、ステップC665に移行する。
次に、背景キャラクタ(ここでは宝箱のキャラクタ)を獲得したかを判定する(ステップC665)。背景キャラクタを獲得していない場合(ステップC665;N)は、エンディング演出設定処理を終了する。また、背景キャラクタを獲得している場合(ステップC665;Y)は、特典背景を設定し(ステップC666)、エンディング演出設定処理を終了する。
〔メイン処理〕
また、図120に示したメイン処理に替えて図147に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、演出ポイントに関する処理を行うための演出ポイント制御処理(ステップC671)を行う。
〔演出ポイント制御処理〕
図148には、上述のメイン処理における演出ポイント制御処理(ステップC671)を示した。この演出ポイント設定処理では、まず、ポイントに基づき遊技者が付与特典を選択している状態に設定される付与特典選択操作中フラグがあるかを判定する(ステップC691)。ここで選択可能な付与特典としては、特典BGMや特典背景の他、特別なキャラクタを登場させることや、特別なリーチを発生可能とすることなど、通常では見ることのできない演出を発生可能とするものが挙げられる。
付与特典選択操作中フラグがある場合(ステップC691;Y)は、ステップC702に移行する。また、付与特典選択操作中フラグがない場合(ステップC691;N)は、状態情報を取得する(ステップC692)。状態情報とは、特図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中、客待ち状態中など、遊技機の状態を示す情報である。
次に、取得した状態情報に基づきポイント累積値のリセット契機となる状態であるかを判定する(ステップC693)。ここでは客待ち状態中である場合がリセット契機となる状態とする。ポイント累積値のリセット契機となる状態でない場合(ステップC693;N)は、ステップC694に移行する。また、ポイント累積値のリセット契機となる状態である場合(ステップC693;Y)は、ポイント累積値をリセットし(ステップC694)、ステップC695に移行する。
次に、取得した状態情報に基づき付与特典のリセット契機となる状態であるかを判定する(ステップC695)。付与特典とは、特典BGMや特典背景である。また、ここでは客待ち状態中である場合がリセット契機となる状態とする。付与特典のリセット契機となる状態でない場合(ステップC695;N)は、ステップC697に移行する。また、付与特典のリセット契機となる状態である場合(ステップC695;Y)は、付与特典をリセットし(ステップC696)、ステップC697に移行する。
次に、取得した状態情報に基づきポイント交換が可能な状態であるかを判定する(ステップC697)。ここでは客待ち状態中以外である場合が、ポイント交換が可能な状態とする。ポイント交換が可能な状態でない場合(ステップC697;N)は、演出ポイント制御処理を終了する。また、ポイント交換が可能な状態である場合(ステップC697;Y)は、ポイント交換条件が成立しているかを判定する(ステップC699)。ポイント交換条件とは、ポイント累積値が各付与特典に設定されている交換に必要なポイントのうち最も少ないポイント以上であることである。このポイント交換条件が成立していない場合(ステップC699;N)は、演出ポイント制御処理を終了する。また、ポイント交換条件が成立している場合(ステップC699;Y)は、ポイント交換開始操作があるかを判定する(ステップC700)。
ポイント交換開始操作とは、演出ボタン25やタッチパネル29において所定の操作を行い、ポイントと付与特典との交換を開始する操作のことである。このポイント交換開始操作がない場合(ステップC700;N)は、演出ポイント制御処理を終了する。また、ポイント交換開始操作がある場合(ステップC700;Y)は、付与特典選択操作フラグをセットし(ステップC701)、演出ポイント制御処理を終了する。
一方、付与特典選択操作中フラグがある場合(ステップC691;Y)は、付与特典の決定操作があったかを判定する(ステップC702)。付与特典の決定操作がない場合(ステップC702;N)は、演出ポイント制御処理を終了する。また、付与特典の決定操作があった場合(ステップC702;Y)は、選択された付与特典を設定し(ステップC703)、付与特典選択操作フラグをリセットして(ステップC704)、演出ポイント制御処理を終了する。
なお、ポイントの獲得の契機としてポイント付与キャラクタを獲得した場合としたが、これ以外の場合にポイントを獲得できるようにしても良い。例えば、先読み演出を実行する場合に、当該実行する先読み演出に応じてポイントを獲得できるようにしても良い。また、所定時間に亘り遊技を継続した場合や、特定の演出が発生した場合、入賞口へ入賞があった場合などにポイントを獲得できるようにしても良い。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、開閉部材990に至るまでの遊技球の流下速度を低下させるようにしている。
図149に示すように誘導部616の上面617には、開閉部材990の流路形成部991に設けられた突出部992や凹部993と同様の突出部481や凹部482が形成されている。このような突出部481や凹部482により、誘導部616の上面617を流下する遊技球は前後に蛇行しながら左方へ流下するようになり、これら突出部481や凹部482がない場合よりも流下速度が低下する。これにより、特別変動入賞装置38の開閉部材990に至るまでに十分に流下速度を低下させることができ、開閉部材990の上で遊技球が滞留する時間を長くすることができる。
なお、図149(a)の構成では、図149(b)の構成よりも遊技球がより遊技者に近い位置まで近づくので、特別変動入賞装置38へ向かう遊技球の流下態様が見やすく、遊技の興趣を向上することができる。また、図149(b)の構成では、遊技球がガラス枠15のカバーガラスの裏面に衝突することを防止できるので、カバーガラスを保護することができるとともにカバーガラスに衝突することで発生する騒音を低減することができる。
また、図150に示すように、流下路38fにおける開閉部材990よりも上流側の部分に、流下する遊技球を蛇行させる突出部481を設けても良い。このようにすれば開閉部材990へ流入する遊技球の速度を低減させることができ、より開閉部材990の上に遊技球が滞留する時間を長くすることができる。また、図151に示すように、流下路38fにおける開閉部材990よりも上流側の部分に、流下する遊技球を蛇行させる突出部481と凹部482を設けても良い。これによっても同様に開閉部材990へ流入する遊技球の速度を低減させることができ、より開閉部材990の上に遊技球が滞留する時間を長くすることができる。
なお、遊技球が蛇行することにより振動が発生するが、この振動を検出する検出センサを設けても良い。または遊技球が蛇行する部分に遊技球の存在を検出する検出センサを設けても良い。そして、演出制御装置300は、検出センサからの検出信号に基づきLEDを発光させるなどの演出を行うようにする。このようにすることで、蛇行して滞留する遊技球に注目を集めることができ、短開放において遊技球が特別変動入賞装置38に流入可能であることを示すことができる。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別変動入賞装置38の構成が異なる。
図152、図153に示すように本変形例の特別変動入賞装置38は、本体部970と後壁部材960で構成される誘導流路955が、下方へ延在するV流路955aと、右方へ延在する排出球流路955bとに分岐している。V流路955aの流入部分となる位置には、前後方向にスライド移動可能なV扉501が設けられている。このV扉520は前方に突出してV流路955aへの流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路955aへの流入を許容する許容状態とに変換可能である。
大入賞口38dに入賞して誘導流路955に流入した遊技球は、後壁部材960に形成された貫通部968を通って後壁部材960の裏面へ誘導され、本体部970に形成されたリブ973により右方へ誘導され、V流路955aと排出球流路955bの分岐部分に至る。V扉520が後方へ退避している状態では下方のV流路955aへ流入可能であり、V流路955aに流入した遊技球はV流路955aに流入した遊技球を検出する確変作動領域スイッチ460で検出された後、後壁部材960に形成されたリブ969により後方へ誘導されて貫通部974を通り、本体部970の裏面側へ誘導されて遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。後述するように本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路955aに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ460で検出されることに基づき高確率状態となるようにされている。
一方、V扉520が前方へ突出している状態では、分岐部分に至った遊技球はV扉520の上面を通って右方へ誘導されて排出球流路955bに流入する。排出球流路955bに流入した遊技球は右方へ誘導され、本体部970に形成された前後に貫通する貫通口462を通って本体部970の裏面側へ至り、さらに下方へ誘導されて排出球流路955bを流下する遊技球を検出する残存球排出スイッチ461で検出された後に遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。後壁部材960の裏面であって貫通口462と対向する位置には、排出球流路955bを流下する遊技球を後方の貫通口462へ誘導するリブ463が形成されている。
図154〜図157に示すように、本体部970の裏面側にはV扉を動作するためのV扉ユニット500が設けられている。このV扉ユニット500には、V扉520と、V扉520を駆動するレバーソレノイド502と、レバーソレノイド502の駆動に応じてV扉520を動作するためのリンク部材510が設けられている。
レバーソレノイド502は上下方向に沿って下方に駆動軸503が延出するように配される。駆動軸503の先端部にはリンク部材510の第1リンク部材511が接続されている。この第1リンク部材511は駆動軸503の動作に伴い上下方向に沿ってスライド移動可能となっている。第1リンク部材511には、第2リンク部材513の一端に設けられた接続軸514を受け入れる軸受部512が設けられており、駆動軸503の動作に伴い接続軸514が上下に動作するようになっている。
第2リンク部材513は、く字状に屈曲した形状をしており、屈曲部分から一方へ延出した腕部517の端部には第1リンク部材511と接続する接続軸514が設けられている。また、屈曲部分から他方へ延出した腕部518の端部にはV扉520と接続する接続軸515が設けられている。また、屈曲部分には回動軸516が設けられている。回動軸516は屈曲部分から延出する腕部517、518の延出方向に対して垂直であり、接続軸514,515は回動軸と平行に延出するようになっている。回動軸516は本体部670の裏面に形成された軸受部464により左右方向に沿って軸支されており、第2リンク部材513は回動軸516を中心として回動可能となっている。
V扉520は、V流路955aに延出可能な扉部521を備える。扉部521は上面が前面側から見て右方に傾斜する傾斜面となっており、V流路955aに延出した状態において遊技球を右方の排出球流路955bへ流下させるようにされている。また、扉部521の延出方向の前端部は、上端よりも下端が後方側に位置するように傾斜する傾斜面となっている。このように傾斜面が形成されていることで、扉部521を前方へ向かってV流路955aへ延出させる際にV流路955aへの流入部分に存在する遊技球を上方又は下方へ逃がすことができる。
また、V扉520の後部には、第2リンク部材513の接続軸515を挿入する挿入部522が形成されている。挿入部522の前後幅は接続軸515の外径よりわずかに広い程度であるが、上下幅は接続軸515の外径よりも十分に広く、接続軸515が挿入部522内で上下方向に移動可能とされている。
また、V扉520の底面には、前後方向に沿ったスリット状の被案内部523が形成されている。図154に示すように本体部670におけるV扉520が配される部分には、前後に貫通する貫通部467が形成されており、本体部670の裏面側に設けられたV扉ユニット500のV扉520の扉部521は、この貫通部467を通って本体部の前面側のV流路955aの流入部分へ延出するようになっている。この貫通部467にはV扉520の前後方向への動作を案内する前後方向に沿って延在する案内リブ465が形成されており、V扉520の被案内部とスライド可能に嵌合するようになっている。
以上のように構成されたV扉ユニット500は、図155(a)、図156(a)、図157(b)に示すように、レバーソレノイド502の駆動軸503が動作範囲において最も伸長した状態(OFF状態)では、第1リンク部材510が動作範囲の下端に位置し、第2リンク部材513が右方から見て最も反時計回り方向に回動した状態となって第2リンク部材513の接続軸515は移動範囲の最も前端に位置した状態となる。これにより、V扉520は移動範囲の前端に押し出された状態となって、V流路955aの上方へ延出してV流路955aへの遊技球の流入を阻止する状態となる。
この状態からレバーソレノイド502を動作させて駆動軸503を退縮させる(ON状態とする)と、第1リンク部材510が上方へ動作し、第2リンク部材513が右方から見て時計回り後方に回動する。これに伴い第2リンク部材513の接続軸515は後方へ移動し、V扉520が後方へ移動する。そして、図155(b)、図156(b)、図157(c)に示すように、レバーソレノイド502の駆動軸503が動作範囲において最も退縮した状態では、V扉520が移動範囲の後端に位置する状態となり扉部521がV流路955aから完全に退避した状態となって、V流路955aへの遊技球の流入が許容される状態となる。扉部521をV流路955aの上方へ延出させてV流路955aへの遊技球の流入を阻止する状態とする場合は、上記と逆の動作を行う。
図158には、本変形例の遊技機における遊技制御装置100のブロック図を示した。特別変動入賞装置38に設けられた確変作動領域スイッチ460や残存球排出スイッチ461からの遊技球の検出信号は遊技制御装置100に入力される。また、レバーソレノイドは遊技制御装置100によって制御される。
本変形例の遊技機での大当り種類には、16R確変A、16R確変B、16R通常A、16R通常B、4R確変が設定されている。そして、各大当り種類の1ラウンド目は確変決定ラウンドとされている。この確変決定ラウンドは、V流路955aへ遊技球が流入するか否かにより特別遊技状態の終了後に高確率状態となるかを決定するラウンドである。各大当り種類の名称における確変とはV流路955aに遊技球が流入する可能性が高く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりやすいことを示し、通常とは、V流路955aに遊技球が流入する可能性が低く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりにくいことを示している。なお、本実施形態の遊技機では、V流路955aに遊技球が流入するか否かにより高確率状態となるか否かが決定されるので、大当り種類が確変であってもV流路955aに遊技球が流入しなければ高確率状態とはならず、大当り種類が通常であってもV流路955aに遊技球が流入すれば高確率状態となる。
図159には、特別遊技状態の各ラウンドで実行可能な特別変動入賞装置38の動作を示した。図159(a)に示すようにV開放は、ラウンドの開始に伴い特別変動入賞装置38を開放する(t31)。さらに、ラウンドの開始に伴いレバーソレノイド502をON状態(退縮させた状態)とするとともに、確変作動領域スイッチ460を有効とする。レバーソレノイド502がOFF(伸長させた状態)である状態では扉部521がV流路955aを覆って遊技球が流入できない状態であり、レバーソレノイド502がONである状態では扉部521がV流路955aから退避して遊技球が流入可能な状態となる。また、確変作動領域スイッチ460が有効である状態とは、確変作動領域スイッチ460での遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。これに対して確変作動領域スイッチ460が無効である状態は、確変作動領域スイッチ460での遊技球の検出があっても無効なものとして扱う状態である。
レバーソレノイド502はラウンドの開始から64ms経過することでOFF状態となる(t32)。そして、レバーソレノイド502がOFF状態となってから100ms経過すると確変作動領域スイッチ460が無効となる(t33)。すなわち、特別変動入賞装置38が開放した直後に入賞した遊技球はV流路955aに流入する可能性がある。
ラウンドの開始から200ms経過すると特別変動入賞装置38が閉鎖される(t34)。そして、2700ms経過すると再び特別変動入賞装置38が開放される(t35)、25000msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドが終了する(t39)。その後、インターバル時間と大入賞口残存球処理時間が開始され(t39)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t41)。
また、特別変動入賞装置38の2回目の開放(t35)の後、レバーソレノイド502も所定の時間に亘りON状態となる(t36〜t37、t38〜t39)。また、確変作動領域スイッチ460も有効となる(t36)。この特別変動入賞装置38の2回目の開放は十分に長い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド502のON状態も長時間継続するので、ほぼ確実にV流路955aに遊技球が流入することとなる。よって、大当り種類が確変である場合はほぼ確実に高確率状態となる。
また、レバーソレノイド502は特別変動入賞装置38が閉鎖した後も所定の時間に亘りON状態とすることが可能であり(t40〜t43)、閉鎖間際に特別変動入賞装置38に流入した遊技球についてもV流路955aへの流入が可能となっている。なお、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより特別変動入賞装置38が閉鎖し、当該特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が大入賞口残存球処理時間内に全て排出された場合には、残存球処理時間の終了(t42)に伴いレバーソレノイド502がOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ460が無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより特別変動入賞装置38が閉鎖し、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド502がON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出された場合は、当該排出の完了時にレバーソレノイド502がOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ460が無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより特別変動入賞装置38が閉鎖し、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が大入賞口残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド502がON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出されなかった場合は、レバーソレノイド502がON状態となる期間の終了(t43)をもってレバーソレノイド502がOFF状態となって動作を終了する。この場合には、レバーソレノイド502がOFF状態となってから(t43)、100ms経過すると確変作動領域スイッチ460が無効となる(t44)。
図159(b)に示すようにショート開放では、V開放における特別変動入賞装置38の1回目の開放と同様の開放を行い(t51〜t54)、当該開放が終了することに基づきラウンドを終了する(t54)。この特別変動入賞装置38の開放は非常に短い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド502のON状態も短時間であるので、V流路955aに遊技球が流入する可能性は低い。よって大当り種類が通常である場合に高確率状態となることはまれである。
なお、レバーソレノイド502の動作及び確変作動領域スイッチ460の有効、無効の切り替えは、特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している限りはV開放の場合と同じ動作を行う(t56〜t63)。よって、大入賞口残存球処理時間が経過しても特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している場合は、当該残存球の排出が完了した時点でレバーソレノイド502がOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ460が無効となる。また、レバーソレノイド502がON状態となる期間の終了(t62)までに全ての遊技球が排出されなかった場合は、レバーソレノイド502がON状態となる期間の終了(t62)をもってレバーソレノイド502がOFF状態となって動作を終了し、レバーソレノイド502がOFF状態となってから(t62)、100ms経過すると確変作動領域スイッチ460が無効となる(t63)。
ただし、ショート開放においてレバーソレノイド502や確変作動領域スイッチ460を図159(b)のように制御するのは1ラウンド目にショート開放が行われる場合のみである。これ以外のラウンドでショート開放が行われる場合には、レバーソレノイド502を動作せず、確変作動領域スイッチ460も無効のままとなる。また、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
図159(c)に示すようにロング開放では、ラウンドの開始に伴い特別変動入賞装置38を開放し(t61)、25000msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t62)。その後、インターバル時間と大入賞口残存球処理時間が開始され(t62)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t63)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。このロング開放では、レバーソレノイド502はOFF状態のままとされ、確変作動領域スイッチ460も無効のままとされる。
上述の各大当り種類において、確変大当りの場合は1ラウンド目にV開放が行われる。また、通常大当りの場合は1ラウンド目にショート開放が行われる。そして、2ラウンド目以降については、16R確変A及び16R確変Aでは全てロング開放となり、16R確変B及び16R通常Bでは2〜4Rはロング開放、5〜16Rはショート開放となる。また、4R確変では全てショート開放となる。ただし2R以降のショート開放ではレバーソレノイド502はOFF状態のままとされ、確変作動領域スイッチ460も無効のままとされる。なお、小当りの場合にも特別変動入賞装置38は開放されるが、レバーソレノイド502はOFF状態のままとされ、確変作動領域スイッチ460も無効のままとされる。
V開放における扉部521の最初の開放期間(t31〜t32)と、ショート開放における扉部521の開放期間(t51〜t52)は、開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球がV流路955aに到達することが困難な期間となっている。
図31(a)に示したように、開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球は、開閉部材990に形成された突出部992に接触することで図31(b)に示したように跳ねて、大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。すなわち特定領域をなすV流路955aから離れる方向へ誘導される。また、跳ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964などに接触することでさらにV流路955aへ至る時間が長くなるようになっている。このことから開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球がV流路955aに到達することは困難となっている。ただし、開閉部材990に形成された突出部992は遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接触せずに落下した遊技球はV流路955aに流入する可能性がわずかにある。もちろん突出部992を遊技球が通過可能な間隔をおかずに配したり、上面の前端に沿って連続してリブ状に設けたりして、開状態とする際に開閉部材990の上にある遊技球が必ず接触するようにしても良い。
また、V開放における特別変動入賞装置38の最初の開放期間(t31〜t34)と、ショート開放における特別変動入賞装置38のの開放期間(t51〜t54)は、上述のように突出部992等に接触して跳ねた遊技球であっても大入賞口38dに流入可能な時間となっている。これにより短開放であっても大入賞口38dへの流入は可能である。なお、扉部521の開放期間や特別変動入賞装置38の開放期間は、遊技機の設計段階で設定される高確率状態を発生させる設計値や短開放での入賞率の設計値となるように、開閉部材990などの特別変動入賞装置38の構造に応じて設定するようにする。
〔確変作動領域スイッチ監視処理〕
また、遊技制御装置100では、図160に示す確変作動領域スイッチ監視処理を行う。この確変作動領域スイッチ監視処理では、まず、確変作動領域スイッチ460が有効中であるかを判定する(ステップA2401)。確変作動領域スイッチ460が有効中とは、確変作動領域スイッチ460での遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。確変作動領域スイッチ460が有効中でない場合(ステップA2401;N)は、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。また、確変作動領域スイッチ460が有効中である場合(ステップA2401;Y)は、確変作動領域スイッチ460に入力があるかを判定する(ステップA2402)。
そして、確変作動領域スイッチ460に入力がない場合(ステップA2402;N)は、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。また、確変作動領域スイッチ460に入力がある場合(ステップA2402;Y)は、確変作動領域通過コマンドを準備し(ステップA2403)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA2404)。これにより、演出制御装置300ではV流路955aに遊技球が流入したことに対応した演出を実行可能となる。
次に、大当り図柄はV容易図柄であるかを判定する(ステップA2405)。V容易図柄とは、16R確変A、16R確変B、4R確変に対応する図柄である。これらの図柄による大当りの場合はV開放が行われるので、ほぼ確実にV流路955aに遊技球が流入することとなる。これに対して、V容易図柄ではない16R通常Aや16R通常Bによる大当りの場合はショート開放となるため、V流路955aに遊技球が流入することはまれである。
そして、大当り図柄はV容易図柄である場合(ステップA2405;Y)は、確変作動領域正常通過情報を設定し(ステップA2406)、設定した情報を確変作動領域通過情報領域にセーブして(ステップA2408)、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。また、大当り図柄はV容易図柄でない場合(ステップA2405;N)は、確変作動領域イレギュラー通過情報を設定し(ステップA2407)、設定した情報を確変作動領域通過情報領域にセーブして(ステップA2408)、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
そして、図84に示した大当り終了処理に替えて図161に示す大当り終了処理を行う。この大当り終了処理では、V流路955aに遊技球が流入した場合に設定される確率作動領域通過情報(確変作動領域正常通過情報又は確変作動領域イレギュラー通過情報)があるかを判定する(ステップA2411)。そして、確率作動領域通過情報がない場合(ステップA2411;N)は、大当り終了設定処理1を行う(ステップA1202)。この場合は高確率状態とならない場合である。また、確率作動領域通過情報がある場合(ステップA2411;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA1203)。この場合は高確率状態となる場合である。すなわち、大当り図柄にかかわらずV流路955aに遊技球が流入した場合には高確率状態となる。
〔レバーソレノイド制御処理〕
また、遊技制御装置100では、レバーソレノイド502を制御するためのレバーソレノイド制御処理を行う。図162に示すようにこのレバーソレノイド制御処理では、まず、レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコード(ここでは−1)であるかを判定する(ステップA2501)。レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコードである場合(ステップA2501;Y)は、レバーソレノイド制御処理を終了する。また、レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコードでない場合(ステップA2501;N)は、レバーソレノイド制御タイマを−1更新し(ステップA2502)、レバーソレノイド制御タイマが0となったかを判定する(ステップA2503)。
レバーソレノイド制御タイマが0となっていない場合(ステップA2503;N)は、レバーソレノイド制御処理を終了する。また、レバーソレノイド制御タイマが0となった場合(ステップA2503;Y)は、レバーソレノイド制御テーブルを設定し(ステップA2504)、レバーソレノイド制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する(ステップA2505)。そして、次動作の制御ポインタを取得してレバーソレノイド制御ポイント領域にセーブし(ステップA2507)、次動作の出力データを取得してレバーソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA2508)。その後、確変作動領域有効判定フラグを取得して確変作動領域有効判定フラグ領域にセーブして(ステップA2509)、レバーソレノイド制御処理を終了する。
以上の処理により、所定時間が経過するごとにレバーソレノイド制御ポインタが順次更新され、図159に示すようにレバーソレノイド502のON、OFFが設定されるとともに、確変作動領域スイッチ460の有効、無効が設定される。なお、所定の条件を満たすことによりレバーソレノイド502の動作を終了する場合には、レバーソレノイド制御ポインタとして0を設定することで、レバーソレノイド502がOFFとなるとともに確変作動領域スイッチ460が無効となる。そして、レバーソレノイド制御ポインタとして0を設定した後にレバーソレノイド制御ポインタとして−1を設定して動作を停止した状態が継続するようにする。
なお、V流路955aへの遊技球の到達を遅らせて、V開放における扉部521の最初の開放期間(t31〜t32)や、ショート開放における扉部521の開放期間(t51〜t52)で、開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球がV流路955aに到達することを困難とするために、V流路955aに至る誘導流路955に凹部471を設けて遊技球の流下速度を遅くするようにしても良い。
例えば、図163(a)に示すように後壁部材960に形成された貫通部968の後方に位置し、後壁部材960の裏面側へ誘導された遊技球をV流路955a側へ誘導する屈曲部分470に、図163(b)や(c)に示すような凹部471を複数設ける。凹部471の角は曲面として遊技球の流下を過剰に妨げないようにすることが好ましい。
また、図163(c)の凹部471は図163(b)の凹部に比べて遊技球の流下方向側の壁面が傾斜しており、遊技球の凹部471からの流出が容易となって球止まりを防止することができる。なお、このような凹凸を設ける部分は屈曲部分470に限らず、誘導流路におけるV流路955aへ至るまでの部分であれば良い。また、V流路955aに至るまでに屈曲部分を多くして遊技球の流下速度を遅くするようにしても良い。すなわち、V流路955aに至るまでの流路に、凹部471や屈曲部などの流下速度低下機構を設け、当該流下速度低下機構がない場合よりも流下する遊技球の流下速度や球威を低下させ、V流路955aに至るまでの時間を長くするようにしている。また、V流路955aへ至るまでの流路の底面に突起を設けて遊技球が跳ねるようにし、V流路955aへの到達タイミングを遅らせるようにしても良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別変動入賞装置38は、上方に向いた開口から遊技球が入賞可能であり、閉状態では前方に突出して開口を閉鎖して遊技球の入賞を不能とするとともに開状態では後方に退避して開口を開放して遊技球の入賞を可能とするように前後方向にスライド移動する開閉部材990が備えられ、閉状態においては開閉部材990の上面を遊技球が流下可能に構成され、開閉部材990は、遊技球が流下可能な上面に上方へ突出する突出部992が設けられていることとなる。したがって、突出部992で遊技球の転動態様が変化するので、遊技の興趣を高めることができる。また、意図ないタイミングで特定領域に遊技球が流入することを防止でき、設計値とは異なる確率状態の移行となることを防止できる。
また、突出部992は、少なくとも開閉部材990の上面におけるスライド方向の前端部に設けられていることとなる。開閉部材990を開状態に変換する際に突出部992で遊技球の転動態様が変化するので、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、特別変動入賞装置38は、内部に遊技球が流入可能な特定領域(V流路955a)を備え、遊技制御手段は、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき、遊技球が特定領域に流入しなかった場合よりも遊技者に有利な遊技状態を当該特別遊技状態の終了後に発生可能であり、突出部992は、開閉部材990が開状態に変換される際に当該突出部992に接触した遊技球が特定領域から離れる方向へ誘導されるように形成されていることとなる。したがって、特定領域から離れる方向へ誘導されるので遊技者の不安感を煽り遊技の興趣を高めることができる。
また、開閉部材990は、上面に複数の突出部992が間隔をおいて備えられ、開閉部材990が開状態に変換される際に当該開閉部材990の上面に位置する遊技球が、突出部992の間を通過してスライド方向の前端から流下することが可能なように突出部992が配されていることとなる。したがって、開閉部材990を開状態に変換する際の遊技球の転動態様が多彩になり、遊技の興趣を高めることができる。
また、突出部992は、閉状態において開閉部材990の上面を流下する遊技球が接触可能な位置に設けられ、当該突出部992がない場合よりも当該開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされていることとなる。したがって、開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされているので、特別変動入賞装置38に入賞する可能性が高まり、遊技の興趣を高めることができる。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技領域32の構成が異なる。
図164に示すように本変形例の遊技盤30は、センターケース40の上方から右側にかけて、センターケース40と外周壁31との間に板状の区画壁531が設けられている。この区画壁531は、外周壁31に沿うように当該外周壁31から遊技球の直径以上の間隔をおいて配されている。また、区画壁531は、遊技盤本体の前面から遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出している。
また、区画壁531とセンターケース40の外周に形成された規制壁613との間隔も遊技球の直径以上の間隔となっており、区画壁531を挟んだ両側はそれぞれ遊技球が流下可能な流下領域となっており、区画壁531と外周壁31とにより挟まれた第1流下領域541と、区画壁531と規制壁613とにより挟まれた第2流下領域542が形成されている。
区画壁531の下端は誘導部616の上端に接続している。本変形例の遊技機では、誘導部616の右側も遊技球が流下可能となっており、区画壁531と外周壁31とにより挟まれた第1流下領域541は、誘導部616の右側の領域に連続し、遊技球をアウト口30aまで誘導するように形成されている。この第1流下領域541を流下する遊技球は、普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35、入賞装置90の何れにも入賞することなくアウト口30aまで誘導される。これに対して区画壁531と規制壁613とにより挟まれた第2流下領域542を流下する遊技球は、普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一般入賞口35、入賞装置90に入賞する可能性がある。なお、本変形例では右打ちの場合も入賞装置90に入賞する可能性があるが、右打ちの場合は入賞装置90に入賞できないようにしても良い。
第1流下領域541と第2流下領域542の何れに遊技球を流入させるかは、発射勢を調整することにより選択できるようになっている。第1流下領域541と第2流下領域542の流入口はセンターケース40の上方に位置しており、第1流下領域541の流入口の方が第2流下領域542の流入口よりも上方に位置している。よって、第2流下領域542への遊技球の流入を狙うには、第1流下領域541へ遊技球を流入させる場合よりも発射勢を弱くする必要がある。
従来の遊技機では、左打ちを行う場合には発射勢を調整して遊技を行うが、右打ちを行う際には操作部24を最大限回すのみとなっていた。これに対して本変形例の遊技盤30では、右打ちを行う際にも発射勢を調整して第1流下領域541へ流入しないようにする必要があり、右打ちを行う遊技状態における遊技の興趣を向上することができる。また、遊技店において上皿21に遊技球が残されたまま遊技者が遊技をやめてしまった場合に、店員が操作部24を最大限回して遊技球を発射して第1流下領域541へ遊技球を流入させることで、遊技球を入賞口に入賞させることなく処理することが可能となる。
なお、図165に示すように、区画壁531の一部を途切れさせて第1流下領域541と第2流下領域542とが連通する連通部532を設け、遊技球が流下する領域が変更される可能性を持たせるようにしても良い。このようにすることで、より遊技の興趣を高めることができる。
連通部532によって分断された区画壁531の端部の間隔を調整することで遊技球が流下する領域が変更される可能性の高さを調整することができる。例えば遊技球の直径よりもわずかに広い程度の幅として稀にしか遊技球が流下する領域が変更されないようにしたり、十分に広い間隔として頻繁に遊技球が流下する領域が変更されるようにしたりすることができる。また、連通部532へ向けて遊技球を誘導する誘導部533を設けることでも遊技球が流下する領域が変更される可能性を高めることができる。図165の例では、センターケース40の規制壁613により、第2流下領域542を流下する遊技球を連通部532へ誘導する誘導部533が形成されており、第2流下領域542から第1流下領域541へ遊技球が移動する可能性が高められている。また、連通部532に風車などの障害物を設けるようにしても良い。
また、連通部532で分断された区画壁531は何れも一のベース部材534の前面に形成されている。ベース部材534は遊技盤本体80の前面に沿って配されてねじによって遊技盤本体80に固着されるが、連通部532にねじ穴を設けることで、区画壁531のない広い部分でねじ止め作業をすることができ、遊技盤30の製造作業の効率を向上することができる。
図166には区画壁531を設けた遊技盤30の別例を示した。図166に示すように第1流下領域541と第2流下領域542でも入賞口への入賞の可能性があるようにしても良い。このような構成とすることで、右打ちをする遊技状態における遊技球の転動態様を多彩なものとすることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、この遊技盤30では、特別変動入賞装置として第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39を備え、これらを交互に開放可能である。また、入賞装置90に替えて第1始動入賞口36のみを備える。遊技の方法等は第1実施形態の遊技盤30と同様であり、遊技状況に応じて左打ちと右打ちを選択するようになっている。
この遊技盤30のようにセンターケース40の大きさを小さくした場合に、外周壁31と規制壁613との間に広い空間ができることとなる。この場合にはこの空間に遊技釘や風車などの障害部材を配することが一般的であるが、障害部材の存在により右打ちを行う場合に右側の遊技領域へ到達する遊技球のタイミングや速度にばらつきができてしまう。このため安定して右側の遊技領域へ遊技球を到達させることが困難となり、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への安定的な入賞が阻害され、遊技者の利益が低下してしまうおそれがある。
そこで、この空間を区画壁531により第1流下領域541と第2流下領域542とに分割することで、第1流下領域541を障害部材がなく安定して右側の遊技領域へ遊技球を到達させることが可能なルートとし、第2流下領域542を障害部材による遊技球の転動態様の変化を楽しむ領域とすることができる。これにより、遊技の興趣を高めつつ遊技者の利益も適切に確保することが可能となる。
また、図166に示すように障害部材を設けない第1流下領域541を上側に設けることで、操作部24を最大限回して最も強い発射勢で遊技球を発射した場合には第1流下領域541に流入することとなる。そして、第1流下領域541を遊技球が一列で流下する幅とすることで、左方へ向かう遊技球を外周壁31に設けた緩衝部545で常に受け止めることが可能となる。これにより、緩衝部545以外の部分に強い発射勢の遊技球が衝突することを防止でき遊技盤30の破損を防止することができる。
なお、第1実施形態の遊技機のような特別変動入賞装置38を設けた場合に、短開放でも特別変動入賞装置38へ遊技球を入賞させるためには、開閉部材990の上に常に遊技球が滞留するようにする必要がある。このようにするためには安定して一定のタイミングで特別変動入賞装置38へ遊技球を到達させる必要があるが、上述のような区画壁531を設けることで可能となり、遊技者の利益を適切に確保することができる。
また、図167に示すように遊技球が右方へ向かって移動する範囲に連通部532を設けるようにしても良い。このようにすることで、第1流下領域541の始端には到達するが発射勢の弱い遊技球は連通部532から第2流下領域542へ落下するようになる。これにより、第1流下領域541を終端まで流下させることを可能とする発射勢がより狭い範囲に限られるようになり、特別変動入賞装置38などへ到達する遊技球のタイミングをより安定させることができる。なお、この場合、第2流下領域542を流下する遊技球は、第1流下領域541を流下する遊技球よりも特別変動入賞装置38などへの入賞率が低くなるようにするなど、遊技者にとって不利となるようにすることが好ましい。
さらに、第2流下領域542における連通部532の下方となる位置に、上方から落下する遊技球が入賞可能な入賞口や通過可能なゲートを設けるようにしても良い。このようにすることで、第1流下領域541の始端に達する発射勢で、かつ、連通部532の所定位置で落下するような発射勢で遊技球を発射した場合にのみ入賞口やゲートに流入することとなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、図164〜図167では、外周壁31と規制壁613との間に板状の区画壁531を配することで第1流下領域541や第2流下領域542を形成していたが、断面がコ字状をした溝状の流路形成部材により第1流下領域541や第2流下領域542を形成するようにしても良い。この場合、溝状の流路形成部材を前側に開口するように配して流下領域の側壁と奥壁を構成するように配しても良いし、溝状の流路形成部材を後側に開口するように配して流下領域の側壁と前壁を構成するように配しても良い。また筒状の流路形成部材により第1流下領域541や第2流下領域542を形成するようにしても良い。
このようにすることで、センターケース40の規制壁613や外周壁31を用いることなく単一の流路形成部材により第1流下領域541や第2流下領域542を形成することが可能となる。これにより、センターケース40の規制壁613などに遊技球が衝突する頻度を少なくすることができ、遊技盤の構成部材を再利用する際に廃棄する部材を少なくすることができる。また、流路形成部材が破損した場合には流路形成部材のみを交換すればよく、補修のコストを削減することができる。
また、この流路形成部材に遊技内容の説明や、長時間同じ光を近距離から凝視しないように指示する情報や、不正防止センサが搭載されている旨の情報などの文字情報を記載するようにし、必要な文字情報が記載された流路形成部材を用いるようにしても良い。このようにすれば、遊技盤の表面に印刷するよりも容易に文字情報を変更することが可能となる。
また、外周壁31と規制壁613との間に区画壁531を複数設けて3つ以上の並行する流下領域を設け、遊技者が発射勢を調整することで流下させる流下領域を選択できるようにしても良い。この場合、各流下領域に流下する遊技球を検出するセンサを設け、遊技球が流下する流下領域に応じて遊技者に対して異なる演出を行うようにしても良い。
また、区画壁531の始端をセンターケース40の上方であって遊技球が右方へ向かう部分に設けたが、センターケース40の右方であって遊技球が下方へ向かう部分に設けても良い。また、区画壁531をセンターケース40の上方及び右方に設けたが、これ以外の場所に設けるようにしても良い。
また、区画壁531を設ける遊技機として、上述したような始動領域への入賞に基づき変動表示ゲームを実行する遊技機を挙げたが、これ以外の遊技機に対しても設けることが可能である。例えば始動領域への入賞に基づき補助遊技装置への入賞が可能となり、当該補助遊技装置に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生するいわゆる羽根物(旧2種タイプ)の遊技機でも良い。この場合、遊技球が流下する流下領域に応じて補助遊技装置への入賞の可能性の高さや、補助遊技装置において特定領域へ入賞する可能性の高さが異なるようにしても良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づいてゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技盤30は、遊技領域32の外周を区画する外周壁31と、外周壁31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491と、遊技領域32の略中央に設けられたセンターケース40と、を備え、センターケース40と外周壁31との間に板状の区画壁531を備え、区画壁531を挟んだ両側にそれぞれ遊技球が流下可能な流下領域(第1流下領域541、第2流下領域542)が形成されていることとなる。したがって、遊技球の流下態様に変化を持たせ、興趣を向上することができる。
また、誘導路490は、遊技領域32の左右一側に設けられ、区画壁531は、遊技領域32の左右他側に設けられ、遊技者が発射勢を調整することにより、区画壁531を挟んだ両側にそれぞれ形成された流下領域の何れに遊技球を流入させるかを選択可能としたこととなる。したがって、遊技者が流下させる流下領域を選択可能であるので興趣を向上することができる。
また、区画壁531は、遊技球の転動方向における上流側端部がセンターケース40の上方に位置している。したがって、遊技者から視認しやすいセンターケース40の上方で流下させる流下領域を選択可能となる。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、反射面550を備える。
図168に示すように本変形例の遊技機は、遊技領域32におけるセンターケース40の上方に反射面550を備え、遊技者に対して情報を提示する文字列551の一部が反射面550に重なるように表記されている。遊技者に対して情報を提示する文字列551としては、長時間同じ光を近距離から凝視しないように促す表示や不正防止センサが搭載されている旨の情報のような注意喚起文字、遊技内容や操作方法の説明などが挙げられる。
このような文字列551が反射面550に重なるように表記されていることで、周囲とは異なった印象を与える反射面550に遊技者の注意をひきつけ、遊技者が反射面550を見た際に自然に文字列551も見ることとなり、効果的に遊技者に情報を伝達することができる。特に、文字列551の先頭の数文字が反射面550に重なっていることで、読み始めることが容易となり効果的に遊技者に情報を伝達することができる。もちろん文字列551の先頭以外の文字のみが反射面550に重なっていても良いし。文字列551の全体が反射面550に重なっていても良い。
また、反射面550が設けられた位置や文字列551が記載される位置は遊技球が通過する位置であり、遊技球を追う過程で反射面550や文字列551も自然に目に入ることとなるため、効果的に遊技者に情報を伝達することができる。なお、ここでは遊技球が右方へ移動する部分に文字列551を配しており、文字列511を読む方向と遊技球の移動方向が一致している。これによっても自然に文字列551を読めるようになる。もちろん遊技球の移動方向と文字列551を読む方向が異なっていても良い。
反射面550は、遊技盤本体80の前面に貼付されるセルに形成されており文字列551もセルに印刷されている。例えば、セルに金属光沢を持たせる加工をすることで形成することができる。さらに、シート状のレンズを重ねても良い。また、鏡のような反射部材を遊技盤本体80の前面に配し、その前面を透明なセルで覆うようにしても良い。
反射面550が映す領域としては、図169(a)に示すように遊技機10の正面に座って遊技を行っている状態で遊技者552の顔全体を映すことができることが好ましい。自身の顔が映っていることで遊技者の興味をひきつけ、より反射面550を見る機会を増やして文字列551を見る機会も増やすことができる。また、遊技者552の上半身が映るようにしても良い。また、遊技者の左右後方の領域を映すことができれば、例えば球箱の交換の際に店員が来たことを確認することができる。
さらに、図169(b)に示すように反射面550が遊技者の左右後方の領域を映すことができるようにするようにしても良い。この場合、遊技者の後方に位置する島設備の遊技機553に設けられる前面枠のランプの状態を視認できることが好ましい。このようにすることで、遊技者の後方に位置する遊技機553の状態を振り向くことなく確認することができる。また、後方の遊技機553からの光が反射面550で反射することにより、間接的に反射面550が装飾されるとともに、より文字列551に注目させることができる。また、反射面550を凸面鏡としての機能を有するものとすれば、小さい反射面で広い領域を映すことができる。もちろん凹面鏡としても良い。
また、遊技機10の発光部材からの光や遊技店の照明などからの光が反射面550によって遊技者に対して直接反射されないようにすることが好ましい。遊技機10の発光部材からの光については、発光部材の配置や光の放射方向を調整し、光が反射面550で反射して遊技機10の正面に放射されないようにする。また、遊技店の照明など遊技機10の外部からの光については、反射面550をわずかに下向きにすることや、前面枠12の前面周囲を前方へ突出させて反射面550への光の入射を防ぐことで対応することができる。
また、反射面550を設ける位置は図示した位置に限られるものではない。例えば、反射面550を誘導壁491の近傍に設け、文字列551を誘導壁491に沿うように配置しても良い。例えば、反射面550を外周壁31の近傍に設け、文字列551を外周壁31に沿うように配置しても良い。また、反射面550を誘導部490に設け、文字列551を外周壁31や誘導壁491に沿うように配置しても良い。また、動作する役物に反射面550を設け、この反射面550に文字情報を重ねても良い。この場合の文字列551としては遊技の演出に関する文字列(「激熱」など)が挙げられる。
また、反射面550をハーフミラーとしても良い。この場合、反射面550の裏面側に空間を設け、この空間を発光部材により照らすことができる構成とする。このようにすることで、発光部材を消灯して空間を暗くすれば遊技者からは反射面550が鏡として見える状態となり、発光部材を点灯して空間を明るくすれば遊技者からは反射面550を透して空間を視認することができる状態となる。
また、反射面550と文字列551を遊技盤30の遊技領域32の外側に設けても良いし、前面枠12に設けても良い。また、反射面550と文字列551を設ける遊技機として、上述したような始動領域への入賞に基づき変動表示ゲームを実行する遊技機を挙げたが、これ以外の遊技機に対しても設けることが可能である。例えば始動領域への入賞に基づき補助遊技装置への入賞が可能となり、当該補助遊技装置に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生するいわゆる羽根物(旧2種タイプ)の遊技機でも良い。また、スロットマシンにおける遊技者が視認可能な部分に反射面550と文字列551を配しても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づいてゲームを実行し、前記ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技者が視認可能な前面に光を反射する反射面550を設け、遊技者に対して情報を提示する文字列551の一部が前記反射面550に重なるように表記されていることとなる。したがって、反射面550により遊技者の注意をひきつけることで遊技者に文字列551の存在を気づかせることができ、遊技者に対して効果的に情報を提供することができる。
また、反射面550は、凸面鏡としての機能を有する。したがって、より反射面550に遊技者の注意をひきつけることができ、遊技者に対して効果的に情報を提供することができる。また、広範囲を映すことが可能となる。
また、反射面550は、少なくとも遊技を行っている遊技者の顔全体を映すことが可能である。したがって、より反射面550に遊技者の注意をひきつけることができ、遊技者に対して効果的に情報を提供することができる。
また、反射面550は、遊技者の左右後方の領域を映すことが可能である。したがって、より反射面550に遊技者の注意をひきつけることができ、遊技者に対して効果的に情報を提供することができる。また、遊技者の後方の状態を確認することが可能となる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に反射面550を設けるとともに、当該反射面550の前方を遊技球が流下可能とするようにしたこととなる。したがって、より反射面550に遊技者の注意をひきつけることができ、遊技者に対して効果的に情報を提供することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態における遊技機10について説明する。以下の説明において、特に断りがない場合には、第1実施形態と共通の実施形態(構成)が適用可能である。
〔遊技盤〕
図170は、第2実施形態における遊技機10が有する遊技盤30の正面図である。
図170に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、第1始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は第1始動入賞口36に入賞し易くなっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図32参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図32参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図32参照)によって検出される。
また、センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図32参照)によって検出される。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と第2始動入賞口97との間には、普通変動入賞装置37が設けられている。
本実施形態では、第1実施形態と異なり、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)への入賞によって、特図1変動表示ゲームがすぐに実行されるか、特図1始動入賞記憶(第1始動記憶)が記憶される構成としている。すなわち、本実施形態において、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)は、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞領域である。そして、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図32参照)によって検出され、始動口2スイッチ37aによって遊技球が検出された場合には、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームをすぐに実行するか、特図1始動入賞記憶を記憶する。
このように、本実施形態では、普電入賞口37dと第1始動入賞口36とが第1始動入賞領域(特図1の始動口)に相当し、第2始動入賞口97が第2始動入賞領域(特図2の始動口)に相当する。
遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普図変動表示ゲームの所定の抽選結果に基づいて普通変動入賞装置37の可動部材37bを開状態と閉状態とに変換する制御を行う普電ソレノイド37c(変換制御手段)に接続する(図32参照)。普通変動入賞装置37の構成の詳細については後述するが、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材37bは、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで、普電入賞口37dを開放する(普電入賞口37dへ遊技球が流入可能な状態にする)所謂ベロ型の普通電動役物である。なお、普通変動入賞装置37の可動部材37bとして、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで普電入賞口37dを開放するアタッカ形式の普通電動役物を設けてもよい。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37cを介して可動部材37bを開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入可能な開状態に変化させる。
また、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで時短状態(普電サポート(電サポ)状態)を発生させる。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特別変動入賞装置38が設けられている。
特別変動入賞装置38は、図17に示すように、開閉部材990が前後方向に進退(スライド)することで、大入賞口38dを遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口38dを閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口38d内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図32参照)によって検出される。
本実施形態の特別変動入賞装置38は、一般入賞口35が設けられていない点が第1実施形態の特別変動入賞装置38と異なり、それ以外の点は第1実施形態の特別変動入賞装置38と同じである。
すなわち、本実施形態の特別変動入賞装置38は、第1実施形態の特別変動入賞装置38と同様、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材990が大入賞口38dを閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。そして、例えば図27に示すように、特別変動入賞装置38に到着した遊技球は、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返されて、前後に蛇行しながら右から左へ流下する。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材990上に遊技球が滞留する時間が長くなる。そのため、開閉部材990上に遊技球が常に存在する状態となり、特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材990を開放した際に開閉部材990上に存在している遊技球が落下して大入賞口38dに入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせることができる。
また、例えば図31に示すように、開閉部材990を開放する際に開閉部材990上に滞留していた遊技球は、突出部992に接触することで跳ねて大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。また、跳ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964などに接触することで更に大入賞口38dから離れることもある。また、突出部992は遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接触せずに落下することもある。
このように、突出部992や前壁突出部954、後壁突出部964を備えることで、開閉部材990を開放する際の遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、開閉部材990を開放した際に開閉部材990上に存在している複数の遊技球の大入賞口38dへの流入タイミングをずらすことができ、大入賞口38d内で球詰まりが発生することを防止できる。
遊技制御装置(遊技制御手段)100は、変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。なお、本実施形態では、特別遊技状態は、大当り態様(第2特別結果)となった場合に発生可能な大当り遊技状態(第2特別遊技状態)と、小当り態様(第1特別結果)となった場合に発生可能な小当り遊技状態(第1特別遊技状態)とを含むものとする。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普電入賞口37d(第1始動入賞領域)又は第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、このような制御を行う第1実行制御手段を含む。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、このような制御を行う第2実行制御手段を含む。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第2特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率、かつ、普電サポート有り)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、このような制御を行う特定遊技状態発生手段を含む。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36や、当該第1始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、第2始動入賞口97、当該第2始動入賞口97の上方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の普電入賞口37d、及び特別変動入賞装置38の大入賞口38dのいずれかに遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図32参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。
また、第1始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
図171は、第2実施形態における遊技機10が有する遊技盤30の分解斜視図である。
図171に示すように、遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース40の前側部分を構成する前方構成部材600と、センターケース40の後側部分を構成するとともに遊技盤30に必要な各種部材が取り付けられた後方構成部材700と、を備える。
後方構成部材700は、前方に開口した凹部を有する略矩形箱状の後方ベース部材710を有しており、当該凹部の内部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44をなす、各種可動役物ユニットが設けられている。
前方構成部材600には、一般入賞口35、ワープ流路形成部材614、ステージ部620等が設けられている。
また、遊技盤本体80には、前方構成部材600の他に、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一括表示装置50等が設けられている。
また、図170や図171に示すように、普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球(具体的には、普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)は、流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は、上面617が左方へ下る傾斜面になっており、流下路615を下方へ流下する遊技球を上面617で受け止めて、第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
〔普通変動入賞装置〕
次に、図172から図180を参照して、第2実施形態における普通変動入賞装置37の構成の一例について説明する。
図172は、第2実施形態の普通変動入賞装置37の分解斜視図である。また、図173(a)は、可動部材37bが閉状態である普通変動入賞装置37の上面図であり、図173(b)は、可動部材37bが開状態である普通変動入賞装置37の上面図である。
図173に示すように、普通変動入賞装置37は、遊技盤本体80の前面に沿って配される流路後壁373aと、当該流路後壁373aの前方に配される流路前壁371aとに挟まれて、遊技球が一列で流下可能な流下路37fを備える。この流下路37fは、前面側から見て右へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で右方へ向かって流下するようになっている。
また、普通変動入賞装置37は、当該普通変動入賞装置37の内部(具体的には、前ベース部材373及び後ベース部材375によって構成されるベース部の内部)に、遊技球が一列で通過可能な略U字状の迂回路37gを備える。図172に示すように、迂回路37gの入口37g1(迂回路37gの一方の端部)及び出口37g2(迂回路37gの他方の端部)は流路後壁373aに形成されており、遊技球は、入口37g1を介して一つずつ流下路37fから迂回路37gへ流入し、出口37g2を介して一つずつ迂回路37gから流下路37fへ流出するようになっている。
図172に示すように、流路前壁371aは、後方へ突出して流路後壁373aを貫通する突出部371bを有する。突出部371bは、流下路37fを流下している遊技球が衝突する位置であって、迂回路37gの入口37g1と出口37g2との間の位置に配設されている。したがって、突出部371bは、流下路37fにおける遊技球の流下を、途中で(すなわち、流下路37fの終点(下流端部)に流入する前に)阻むことによって、当該遊技球を迂回路37gへ誘導するようになっている。そして、流下路37fの途中に突出部371bが設けられているため、遊技球は、迂回路37gを通過しないと、流下路37fの終点に流入できない。
図173に示すように、流下路37fの中央部分及び右端部分の底面と迂回路37gの底面とは、前後方向にスライド可能な可動部材37bによって構成されている。
可動部材37bは、図173(a)に示すように前方へ突出して普通変動入賞装置37(普電入賞口37d)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図173(b)に示すように後方へ退避して普電入賞口37dに遊技球が入賞できる状態である開状態と、に変換可能となっている。すなわち、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には可動部材37bの上面を転動して普電入賞口37dへ流入不能であり、可動部材37bが開状態である場合には普電入賞口37dへ流入可能である。
具体的には、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には、可動部材37bの上面を転動する。すなわち、流下路37fを突出部371bまで流下し、当該突出部371bに衝突して迂回路37gへ流入する。
また、可動部材37bの上面を転動する遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった場合や、流下路37fを流下する遊技球が可動部材37bの上面に流入した際に可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。
また、迂回路37gを通過して流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37bが開状態である場合には、普電入賞口37dへ流入する。
一方、迂回路37gを通過して流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には、普電入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部へ進出して、例えば流下路615を通って誘導部616へ流下する。すなわち、当該遊技球は、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球(普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)に相当する。
なお、可動部材37bが閉状態である場合に流路前壁371aとの間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の隙間である。
図172に示すように、普通変動入賞装置37は、始動口2スイッチ37aと、可動部材37bや普電ソレノイド37cを有する可動部材ユニット374とを備える。さらに、普通変動入賞装置37は、流路前壁371aを備える前飾り部材371と、流路後壁373aを備える前ベース部材373と、可動部材37bなどが取り付けられる後ベース部材375と、後ベース部材375の後面を覆う後カバー部材377と、前LED基板372a及び当該前LED基板372aを前飾り部材371の後面に固定するための前基板ホルダ372と、後LED基板376a及び当該後LED基板376aを後ベース部材375の後面に固定するための後基板ホルダ376とを備える。
少なくとも前飾り部材371と前ベース部材373と後ベース部材375とは、光を透過可能な材質からなる。前飾り部材371の後方には装飾手段として前LED基板372aが配されているとともに、後ベース部材375の後方には装飾手段として後LED基板376aが配されており、光によって普通変動入賞装置37を装飾することが可能となっている。
前飾り部材371は、板状の前面部371cを備えている。前面部371cの前面はガラス枠15のカバーガラス14の後面に近接して配されるようになっていて、この前面の前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部371cの前面は遊技者から視認可能な面であり、装飾が施されている。また、板状の前面部371cの上部は、流下路37fの前側の側壁をなす流路前壁371aとなっている。
図173に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する複数(本実施形態では2個)の上流側前壁突起部371dが設けられている。この上流側前壁突起部371dは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起である。この上流側前壁突起部371dは、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
また、図173に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する下流側前壁突起部371eが設けられている。この下流側前壁突起部371eは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起である。この下流側前壁突起部371eは、流下路37fの終点に流入した遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。さらに、この下流側前壁突起部371eは、普通変動入賞装置37の周囲(普通変動入賞装置37の外部)を流下する遊技球が、普通変動入賞装置37の内部へ下流側(流下路37fの終点側)から侵入することを防止する機能を有する。
図174(a)は、前飾り部材371の裏面図である。
図174(a)に示すように、前飾り部材371の後面側は、板状の前面部371cの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁371fが複数設けられている。この延出壁371fは、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの始点(上流端部)の底面)を形成する底面部371f1、普電入賞口37dの側壁や底面をなす普電入賞口形成部371f2、普電入賞口37dに入賞した遊技球を誘導する誘導流路37eを形成する誘導流路形成部371f3、始動口2スイッチ37aを取り付ける取付部を形成するスイッチ取付部形成部371f4、普通変動入賞装置37の周囲を流下する遊技球の内部への侵入を防止する周囲壁371f5としての機能を有する。
流下路37fの底面を形成する底面部371f1は、後面側から見て左側に傾斜する傾斜面となっている。
普電入賞口形成部371f2は、普電入賞口37dに流入した遊技球を誘導流路37eへ集めるように傾斜している。
誘導流路37eへは遊技球が一列で流入可能であり、誘導流路37eへの流入部分には始動口2スイッチ37aが設けられている。これにより、普電入賞口37dに流入した全ての遊技球は始動口2スイッチ37aで検出された後に誘導流路37eへ流入することとなる。誘導流路形成部371f3により形成される誘導流路37eは、普電入賞口37dからの遊技球を遊技盤30の後面側へ誘導する流路であり、前面部371cの後面には遊技球を後方へ誘導するためのリブ371gが形成されている。
前LED基板372a及び前基板ホルダ372は、前飾り部材371の後面のうちの周囲壁371f5よりも内側(周囲壁371f5に囲まれた部分)に配設されている。
また、前飾り部材371の後面のうちの周囲壁371f5に囲まれた部分には、光を散乱させるための加工(図174(a)に示す例では凹凸加工)が施されている。これにより、前LED基板372aや後LED基板376aからの光によって普通変動入賞装置37を効果的に装飾することが可能となっているとともに、前LED基板372a自体や前基板ホルダ372などを前飾り部材371の前方から前飾り部材371を透して視認することが困難となっている。
また、図174(b)に示すように、前ベース部材373の下部には、前LED基板372a等の熱を放出するための孔部が複数(図174(b)に示す例では7つ)設けられている。これらの孔部も、前飾り部材371に施した光を散乱させるための加工によって、前飾り部材371の前方から視認困難となっている。
図172に示すように、前ベース部材373は、板状の後面部373bを備えている。後面部373bの前面には前飾り部材371が取り付けられるようになっており、後面部373bの前面のうち前飾り部材371で隠されない部分には装飾が施されている。後面部373bの上部は、流下路37fの後側の側壁をなす流路後壁373aとなっている。また、流路後壁373aの下端となる位置には、可動部材37bを前ベース部材373の後面側から挿通するための前後に貫通した可動部材挿通部373cが形成されている。
また、図173に示すように、前ベース部材373の前面側には、前方へ突出する複数(本実施形態では2個)の後壁突起部373dが設けられている。この後壁突起部373dは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起であり、流路前壁371aに複数設けられた上流側前壁突起部371dのそれぞれの後方に、上流側前壁突起部371dに対してわずかに下流側に位置するように設けられている。この後壁突起部373dは、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
図174(b)は、前ベース部材373の裏面図である。
図174(b)に示すように、後面部373bの中央部分であって前飾り部材371において誘導流路37eが形成された部分と対向する部分には、誘導流路37eが後面部373bの後面側に連通するように前後に貫通した貫通部373eが形成されている。
また、図174(b)に示すように、前ベース部材373の後面側には、板状の後面部373bの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁373fが複数設けられている。この延出壁373fは、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、誘導流路37eを形成する誘導流路形成部373f1、普通変動入賞装置37の周囲を形成する周囲壁373f2としての機能を有する。
誘導流路形成部373f1は、貫通部373eに流入した遊技球を後方へ案内するように誘導流路37eを形成する。また、誘導流路形成部373f1の下端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ373gが形成されている。
誘導流路形成部373f1の下端部と、当該下端部に形成されたリブ373gとは、上面が後方へ下る傾斜面とされており、貫通部373eに流入した遊技球をこれら上面で受け止めて後方へ誘導するようになっている。誘導された遊技球は、遊技機10の外部へと遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
周囲壁373f2は、遊技盤本体80における普通変動入賞装置37を取り付ける部分に形成された前後に貫通する貫通部の形状に合わせて形成されており、普通変動入賞装置37を遊技盤本体80に取り付けた際には周囲壁373f2は貫通部に挿通された状態となる。また、周囲壁373f2よりも外側に位置する後面部373bの後面は、普通変動入賞装置37を遊技盤本体80に取り付けた際に遊技盤本体80の前面に当接した状態となる。この部分には位置決めのためのボスやねじ止めのためのねじ穴が複数形成されている。
図172に示すように、後ベース部材375は、前ベース部材373の周囲壁373f2と前後に一致する周壁375aを備える。
また、図172に示すように、後ベース部材375のうちの前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cと対向する位置には、前後方向に動作する可動部材37bを案内及び支持する一対の可動部材保持部375bが設けられている。一対の可動部材保持部375bは、所定の間隔(間隙375c)をあけて配設されており、可動部材37bの下面に当接可能であって可動部材37bを案内及び支持することが可能なように前後方向に沿って延在するように設けられている。
図172に示すように、後ベース部材375の前面側には、可動部材37bと当該可動部材37bを動作するための動作機構(駆動機構)とを備える可動部材ユニット374が取り付けられている。この可動部材ユニット374は、前後方向にスライド動作可能な可動部材37bと、可動部材37bを動作するための普電ソレノイド37cと、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するスライダ374a及びクランク374bとを備える。
可動部材ユニット374は、図173(a)に示すように可動部材37bを前方へ突出させた閉状態と、図173(b)に示すように可動部材37bを後方へ退避させた開状態とに変換可能である。なお、可動部材37bは、後ベース部材375に形成された可動部材保持部375bや前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cを介して普電入賞口37dの上方に出現可能となっている。
図175(a)は、可動部材ユニット374の分解斜視図であり、図175(b)は、可動部材37bの正面図である。また、図176(a)は、可動部材37bの上面図であり、図176(b)は、可動部材37bの下面図である。
図175(a)に示すように、可動部材37bは、上段部37b1と、当該上段部37b1よりも低い位置に設けられた第1中段部37b2と、当該第1中段部37b2よりも低い位置に設けられた第2中段部37b3と、当該第2中段部37b3よりも低い位置に設けられた下段部37b4とが、左右方向に並んだ段差形状をなしている。上段部37b1が最も左側に配されるとともに下段部37b4が最も右側に配されるよう、上段部37b1、第1中段部37b2、第2中段部37b3、下段部37b4の順で並んでおり、遊技球を左から右へ流下させるようになっている。
上段部37b1は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされている。上段部37b1の流下路形成部は、上段部37b1の流下路形成部以外の部分よりも一段低くなっている。また、上段部37b1の流下路形成部以外の部分の右端部からは、下壁突出部37b5が前方に向けて延出している。この下壁突出部37b5は、左側面が斜面となっており、流下路形成部の幅(前後方向の長さ)を徐々に狭めるように設けられている。この下壁突出部37b5は、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
第1中段部37b2は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされており、当該前端部分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部分)が、迂回路37gの底面をなす迂回路形成部とされている。第1中段部37b2のうち、流下路形成部と迂回路形成部との境界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路37gの入口37g1の直下に配される。
第1中段部37b2は、前端よりも後端が下側に位置するように傾斜している。これにより、例えば図176(a)に示すように、迂回路37gの上流部を前側から後側へと遊技球が転動しやすくなっている。
また、第1中段部37b2の上面には、上方へ突出し前後に延在する蛇行状の左突条部37b6が形成されている。これにより、迂回路37gを転動する遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
第2中段部37b3は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fを流下する遊技球を迂回路37gへ誘導する突出部371bの直下に配される。
下段部37b4は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの終点の底面)をなす流下路形成部とされており、当該前端部分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部分)が、迂回路37gの底面をなす迂回路形成部とされている。下段部37b4のうち、流下路形成部と迂回路形成部との境界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路37gの出口37g2の直下に配される。
下段部37b4は、前端よりも後端が上側に位置するように傾斜しているとともに、後端部分が第1中段部37b2の後端部分と面一になっている。これにより、例えば図176(a)に示すように、迂回路37gの下流部を後側から前側へと遊技球が転動しやすくなっている。なお、下段部37b4の後端部分は、第1中段部37b2の後端部分よりも低い位置に設けられていてもよい。
また、下段部37b4の上面には、上方へ突出し前後に延在する蛇行状の右突条部37b7が形成されている。これにより、迂回路37gを転動する遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
このように、可動部材37bには、下壁突出部37b5や左突条部37b6や右突条部37b7のような起部が設けられている。さらに、前飾り部材371には、上流側前壁突起部371dのような起部が設けられているとともに、前ベース部材373には、後壁突起部373dのような起部が設けられている。このような起部によって、可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされている。
また、図174(b)に示すように、可動部材37bの左端部及び右端部には下方へ延出する摺動部37b8が形成されている。この摺動部37b8は前後方向に沿って延在するように形成されており、前ベース部材373に形成された一対の保持部373hの上面に当接することで可動部材37bが保持部373h上で摺動可能となる。
図175(b)や図176(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分には、下方へ突出する接続ピン37b9が設けられている。また、図175(a)に示すように、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するクランク(駆動アーム)374bには、接続ピン37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、貫通部374b1に接続ピン37b9の先端部(下端部)が挿通することで、可動部材37bとクランク374bとが接続される。
また、図175(b)や図176(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分のうち、接続ピン37b9の前側及び後側には、下方へ突出し前後方向に沿って延在する案内リブ37b10が設けられている。この案内リブ37b10は、前ベース部材373が有する一対の保持部373hの間に前後方向に沿って形成された間隙373i(図174(b)参照)や、後ベース部材375が有する一対の可動部材保持部375bの間に前後方向に沿って形成された間隙375c(図172参照)に挿入可能である。これらの間隙373i,375cに可動部材37bの案内リブ37b10が上方から挿入することで、可動部材37bの前後方向への直線移動(スライド移動)を案内することができる。
すなわち、前ベース部材373の間隙373iや後ベース部材375の間隙375cに可動部材37bの案内リブ37b10が嵌ることで、可動部材37bの左右方向への移動が規制されるため、可動部材37bの移動を前後方向への移動に限定することができる。
図175(a)に示すように、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するクランク374bは、略L字状の部材であり、一端部には可動部材37bの接続ピン37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、他端部には凸部374b2が形成されている。また、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するスライダ374aには、クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1が形成されており、凹部374a1に凸部374b2が挿通することで、スライダ374aとクランク374bとが接続される。
また、クランク374bの屈曲部には上下方向に沿った回動軸374b3が形成されており、クランク374bは、この回動軸374b3を中心として回動可能となっている。なお、回動軸374b3は、後ベース部材375によって上下から挟まれて回動可能に保持される。
図175(a)に示すように、スライダ374aは、上下方向に直交する平板状の本体部374a2と、本体部374a2の左端に接続され当該本体部374a2に直交する左壁部374a3と、本体部374a2の前端に接続され当該本体部374a2に直交する前壁部374a4と、前壁部374a4から前方へ突出する突出片374a5とを備えて構成される。クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1は、本体部374a2に形成されている。
スライダ374aの左壁部374a3は、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1に係合されており、スライダ374aは、駆動軸37c1が伸長(本実施形態の場合、駆動軸37c1の先端が右へ移動)すると当該駆動軸37c1に押されて右へと移動し、駆動軸37c1が退縮(本実施形態の場合、駆動軸37c1の先端が左へ移動)すると当該駆動軸37c1に引かれて左へと移動する。
図174(b)に示すように、前ベース部材373の後面側には、左右方向に沿って延在する窪み部373jが設けられている。窪み部373jには、スライダ374aの突出片374a5が挿入可能であり、この窪み部373jに突出片374a5が後方から挿入することで、スライダ374aの左右方向への直線移動(スライド移動)を案内することができる。
また、スライダ374aの前壁部374a4は、前ベース部材373の窪み部373jにスライダ374aの突出片374a5が後方から挿入した際に、前ベース部材373の後面に当接する。これにより、前ベース部材373に対するスライダ374aの前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。
可動部材37bを開状態から閉状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1を伸長させる。駆動軸37c1が伸長すると、スライダ374aが右へスライド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て反時計回り方向に回動するため、接続ピン983aが前方に向かうように移動して可動部材37bが前方へ突出する。これにより、可動部材37bが閉状態(図173(a)に示す状態)となって、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が不能となる。
一方、可動部材37bを閉状態から開状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1を退縮させる。駆動軸37c1が退縮すると、スライダ374aが左へスライド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て時計回り方向に回動するため、接続ピン37b9が後方に向かうように移動して可動部材37bが後方へ退避する。これにより、可動部材37bが開状態(図173(b)に示す状態)となって、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が可能となる。
図177から図180には、普通変動入賞装置37における遊技球の転動態様を示した。なお、図177から図180では、説明のために、一部の部材の図示を省略している。
普通変動入賞装置37に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)は、まず、上流側に位置する上流側前壁突起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、上流側に位置する後壁突起部373dによって斜め前側へ誘導されて、可動部材37bの上段部37b1の前端部分に流入する。
可動部材37bの上段部37b1に流入した遊技球は、下流側に位置する上流側前壁突起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、下流側に位置する後壁突起部373dや可動部材37bの下壁突出部37b5によって斜め前側へ誘導されて、可動部材37bの第1中段部37b2の前端部分に流入する。すなわち、遊技球は前後に蛇行しながら流下路37fを流下する。これにより、流下路37fに下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部がなく直線的に流下する場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
可動部材37bの第1中段部37b2に流入した遊技球は、突出部371bに衝突し、当該突出部371bや後方へ下り傾斜している第1中段部37b2によって後側へ誘導されて、図177(a)に示すように、迂回路37gの入口37g1から当該迂回路37gへ流入する。
図178に示すように、後ベース部材375の内部には、迂回路37gを転動する遊技球を、第1中段部37b2から下段部37b4へと誘導する第1ガイド片375dと、下段部37b4上を後側から前側へと誘導する第2ガイド片375eとが設けられている。遊技球は、図178に示すように第1中段部37b2上を転動して後ベース部材375の内部に流入すると、図179に示すように第1ガイド片375dによって右側へ誘導されて、下段部37b4に流入する。
可動部材37bの下段部37b4に流入した遊技球は、図180に示すように第2ガイド片375eや前方へ下り傾斜している下段部37b4によって前側へ誘導されて、図177(b)に示すように、迂回路37gの出口37g2から流下路37fの終点(下段部37b4の前端部分)へ流入する。
ここで、第1中段部37b2には蛇行状の左突条部37b6が形成されているため、遊技球は左右に蛇行しながら後側へと迂回路37gの上流部を転動する。また、下段部37b4には蛇行状の右突条部37b7が形成されているため、遊技球は左右に蛇行しながら前側へと迂回路37gの下流部を転動する。
さらに、図174(b)に示すように、前ベース部材373は迂回路37gの上流部と下流部とを隔てる隔壁373kを備えており、この隔壁373kの後端部のうち迂回路37gの上流部に対応する部分には、中間突起部373k1が形成されている。したがって、遊技球は、迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転動している最中に、中間突起部373k1に衝突しバウンドして、入口37g1側へと一旦押し戻される。
これにより、迂回路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部がなく直線的に転動する場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
このように、流下路37fには下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部が設けられているとともに、迂回路37gには左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部が設けられているため、可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。また、これらの起部を備えることで、可動部材37b上を転動する遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、これらの起部を備えることで、可動部材37bを開放した際に可動部材37b上に存在している複数の遊技球の普電入賞口37dへの流入タイミングをずらすことができ、普電入賞口37d内で球詰まりが発生することを防止できる。
普通変動入賞装置37に到着した遊技球は、流下路37fを流下して、まず可動部材37bの上段部37b1に流入する。遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37bが閉状態である場合には、当該遊技球は、流下路37fを流下して突出部371bへ向かう。
そして、遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態にならなかった場合には、当該遊技球は、突出部371bに衝突して迂回路37gへ向かう。
遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態になった場合も、遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態にならなかった場合も、当該遊技球は、引き続き迂回路37gを転動して出口37g2へ向かう。
そして、遊技球が迂回路37gの出口37g2から出てきた際、可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が迂回路37gの出口37g2から出てきた際、可動部材37bが閉状態である場合には、当該遊技球は、普電入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部(遊技領域32)へ進出して、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球となる。
ここで、前ベース部材373の隔壁373kに形成された中間突起部373k1(図174(b)参照)は、遊技球を蛇行させて可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間を長くする機能だけでなく、遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが作動(前後に移動)した場合でも十分な滞留時間を確保する機能も有する。
例えば遊技球が迂回路37gの下流部(すなわち、下段部37b4上)を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材37bとの摩擦抵抗や、右突条部37b7等との接触などによって、迂回路37gの下流部内で後側(上流側)へと引き戻されるため、遊技球が迂回路37gの下流部を転動している最中に可動部材37bが状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる。
一方、例えば遊技球が迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材37bとの摩擦抵抗や、左突条部37b6等との接触などによって、迂回路37gの上流部内で後側(下流側)へと引き込まれるため、遊技球が迂回路37gの上流部を転動している最中に可動部材37bが状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間が短くなる。
これに対し、本実施形態の普通変動入賞装置37は迂回路37gの上流部に中間突起部373k1を設けているため、遊技球は、迂回路37gの上流部内で後側(下流側)へと引き込まれる際に、中間突起部373k1に衝突してバウンドする。すなわち、遊技球は、下流側へ引き込まれる途中で、中間突起部373k1に衝突して、迂回路37gの上流部内で前側(上流側)へと一旦押し戻されるため、遊技球が迂回路37gの上流部を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合であっても、遊技球の可動部材37b上における十分な滞留時間を確保することができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤本体80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(本実施形態の場合、普電入賞口37d)と、入賞領域を閉じる閉状態と、入賞領域を開く開状態とに変換可能な開閉部材(可動部材37b)と、遊技球が転動可能な流路(流下路37f)と、遊技球を滞留させるための滞留領域(迂回路37g)と、流路を転動(流下)する遊技球を滞留領域へと誘導する誘導部(突出部371b)と、を備えている。そして、流路は、閉状態の開閉部材によって取付壁部の前面側に形成され、開閉部材が開状態である場合には、当該開閉部材が閉状態である場合に当該流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞するよう構成され、滞留領域は、開閉部材の状態にかかわらず取付壁部の後面側に形成され、流路に連通する複数の連通口を有し、誘導部によって誘導されて当該複数の連通口のうちの一の連通口(入口37g1)を介して流路から流入してきた遊技球を、当該複数の連通口のうちの前記一の連通口とは異なる連通口(出口37g2)を介して流路へと流出可能に構成されている。
具体的には、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤本体80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(普電入賞口37d)と、前後にスライド移動することで、入賞領域に遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な閉状態と、入賞領域に遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能なスライド部材(可動部材37b)と、遊技球が転動可能な第1流路(流下路37f)及び第2流路(迂回路37g)と、第1流路を転動(流下)する遊技球を第2流路へと誘導する誘導部(突出部371b)と、を備えている。そして、第1流路は、スライド部材が閉状態である場合に、当該スライド部材によって取付壁部の前面側に形成され、スライド部材が開状態である場合には、当該スライド部材が閉状態である場合に当該第1流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞するよう構成され、第2流路は、スライド部材の状態にかかわらず当該スライド部材によって取付壁部の後面側に形成され、両端が第1流路に連通する連通口であり、誘導部によって誘導されて当該両端のうちの一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路から流入してきた遊技球を、当該両端のうちの他方の連通口(出口37g2)を介して第1流路へと流出可能に構成されている。
すなわち、本実施形態の普通変動入賞装置37は、流下路37g(流路、第1流路)に、迂回路37g(滞留領域、第2流路)を追加した構成となっている。このように迂回路37gを追加することで、迂回路37gがない場合よりも可動部材37b(開閉部材、スライド部材)の上面に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる。したがって、入賞口(本実施形態の場合、普電入賞口37d)に遊技球が入賞しやすくなり、所定の遊技状態(本実施形態の場合、時短状態)中における遊技球の減少を抑制することが可能となるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、右側遊技領域(遊技領域32のうちセンターケース40の右方の領域)に遊技球滞留機能を具備する普通変動入賞装置37を配設したため、遊技者は、右側遊技領域での遊技球の転動態様を楽しむことができる。さらに、本実施形態において、前飾り部材371は、光を透過可能な材質からなり、普通変動入賞装置37内での遊技球の転動態様も十分に視認可能であるため、右側遊技領域での遊技球の転動態様をより楽しむことができる。
なお、遊技領域32に設けられた変動入賞装置は、普通変動入賞装置37に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、特別変動入賞装置38であってもよい。具体的には、変動入賞装置は、例えば、第1実施形態や本実施形態の特別変動入賞装置38の流下路38f(流路、第1流路)に、迂回路37g(滞留領域、第2流路)を追加したものであってもよい。
また、入賞口を閉じる閉状態と入賞口を開く開状態とに変換可能な開閉部材は、スライド部材に限定されず、適宜変更可能である。本実施形態の場合、例えば図181A(a)に示すように、開閉部材として、前後にスライド移動することで入賞口を開閉するスライド部材(可動部材37b)を設けたが、開閉部材は、これに限定されず、例えば図181A(b)に示すように、回動軸Zを中心に回動することで入賞口を開閉する回動部材(可動部材37b)であってもよい。
また、遊技球を滞留させるための滞留領域は、迂回路37g(第2流路)に限定されず、適宜変更可能である。具体的には、滞留領域は、例えば、上流部と下流部とが分かれていない空間、すなわち、迂回路37gから、当該迂回路37gの上流部と下流部とを隔てる隔壁373kを取り除いた空間や、迂回路37gから、隔壁373kのうち前端部分(入口37g1と出口37g2と隔てる部分)以外の部分を取り除いた空間などであってもよい。
また、本実施形態においては、一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路(流下路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球が流入する割合は、他方の連通口(出口37g2)を介して第1流路(流下路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球が流入する割合よりも高く、スライド部材(可動部材37b)に、一方の連通口が、他方の連通口よりも高い位置に配されるような高低差(本実施形態の場合、段差や傾斜)を設けるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球が第1流路(流下路37f)や第2流路(迂回路37g)をスムーズに転動できるようになるため、第1流路や第2流路で球詰まりが発生することを防止できる。
また、本実施形態においては、スライド部材(可動部材37b)の上面に、第1流路(流下路37f)又は第2流路(迂回路37g)を転動する遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(本実施形態の場合、下壁突出部37b5、左突条部37b6、右突条部37b7)を設けるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、スライド部材(可動部材37b)の上面に遊技球が滞留する滞留時間を更に長引かせることができるようになるため、所定の遊技状態(本実施形態の場合、時短状態)中における遊技球の減少を抑制することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、球威抑制部として、流下路37fに下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部(凸部)を設けるとともに、迂回路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部(凸部)を設けたが、球威抑制部は、これらに限定されず、適宜変更可能である。
また、球威抑制部として、流下路37fや迂回路37gに、伏部(凹部)を設けてもよい。具体的には、例えば、可動部材37bの上面に伏部として蛇行する溝を形成し、遊技球が当該溝に沿って蛇行しながら転動するよう構成してもよい。
また、球威抑制部として、流下路37fや迂回路37gに、起伏(起部と伏部の両方)を設けて、遊技球が当該起伏によって蛇行等しながら転動するよう構成してもよい。
また、球威抑制部は、起部(凸部)や伏部(凹部)に限定されず、適宜変更可能である。
また、本実施形態においては、遊技領域32に、遊技球滞留機能を具備する滞留装置(普通変動入賞装置37)の他、球威を抑制する部材(障害釘、風車、流下路615、誘導部616等)、すなわち遊技球滞留機能を具備する滞留部材が配設されている。したがって、滞留装置と滞留部材とによって、右側遊技領域に遊技球を滞留させることができるため、右側遊技領域での遊技球の転動態様をより楽しむことができる。
また、表面に凹凸を設けることで遊技球を滞留させる手法、摩擦係数の高い素材を用いることで遊技球を滞留させる手法、駆動源(ソレノイド等)の駆動力で一定の動作を行うことで遊技球を滞留させる手法、振分装置を設けることで遊技球を滞留させる手法等によって、所定の部材や装置に遊技球滞留機能を持たせてもよい。
また、普通変動入賞装置37は、起部や迂回路37gによって遊技機10の前後方向に遊技球を滞留させることができるため、滞留部材(普通変動入賞装置37以外の滞留装置であってもよい)は、前後方向以外の方向(遊技機10の左右方向や上下方向)に遊技球を滞留させることができるよう構成することが好ましい。これにより、滞留部材(及び/又は普通変動入賞装置37以外の滞留装置)と普通変動入賞装置37とによって、遊技機を3次元的に滞留させることができるようになるため、滞留時間を稼ぐことができるとともに、遊技球の転動に対する興趣が向上する。
また、迂回路37gの途中にアウト口30cや一般入賞口35など(以下「アウト口30c等」という。)を設けてもよい。これにより、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球が、普通変動入賞装置37から出てくるか否かにも遊技者の注目を集めることができ、興趣が向上するとともに、出玉率が大きくなりすぎないように調整することや、迂回路37g内での球詰まりの発生を防止することが可能となる。
また、迂回路37gの途中にアウト口30c等を設ける場合、可動部材37bが動作した際にアウト口30c等に遊技球が流入するようにしてもよい。具体的には、例えば図181Bに示すように、可動部材37bのうちの当該可動部材37bが閉状態のときに迂回路37gを形成する部分に貫通孔37b11を設ける。そして、可動部材37bが開状態(閉状態であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位置が一致して(貫通孔37b11がアウト口30cの直上に位置して)、可動部材37b上の遊技球がアウト口30cに流入可能な状態になり、可動部材37bが閉状態(開状態であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位置が一致せず(貫通孔37b11がアウト口30cの直上からずれて)、可動部材37b上の遊技球がアウト口30cに流入不能若しくは流入困難な状態になるよう構成することも可能である。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。
図182は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。図182は、各遊技状態についてまとめたものであり、それぞれの遊技状態における遊技制御装置100による制御と、演出制御装置300による制御と、遊技状態における特徴とが示されている。
本実施形態において遊技状態は、通常遊技状態と、第1の特定遊技状態と、第2の特定遊技状態と、第3の特定遊技状態とが存在する。
まず、各遊技状態について説明する。
通常遊技状態において、遊技制御装置100は、当り確率(特図の当り確率)を低確率とし、普電サポート(電サポ)が無しとなるように制御する。
また、通常遊技状態において、演出制御装置300は、演出モードを通常モードとする。
また、通常遊技状態において、発射方向として左打ちが推奨される。そのため、主始動領域は第1始動入賞口36となることから、主変動特図は特図1変動表示ゲームとなる。
第1の特定遊技状態において、遊技制御装置100は、当り確率(特図の当り確率)を高確率とし、普電サポートが有り(サポート回数は50回)となるように制御する。すなわち、第1の特定遊技状態では、普電ソレノイド37c(変換制御手段)による変換制御が通常遊技状態よりも多く実行するように制御されるとともに、確率状態が高確率状態に設定されるといえる。
また、第1の特定遊技状態において、演出制御装置300は、演出モードを確変モードとする。
また、第1の特定遊技状態において、遊技球の発射方向は右打ちが推奨される。右打ちがされることにより普図始動ゲート34に入賞しやすくなるため、主始動領域は普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)となる。本実施形態では、普電入賞口37dへの入賞により特図1変動表示ゲームが実行されることになることから、主変動特図は特図1変動表示ゲームとなる。
第2の特定遊技状態において、遊技制御装置100は、当り確率(特図の当り確率)を高確率とし、普電サポートが無しとなるように制御する。すなわち、第1の特定遊技状態から第2の特定遊技状態に移行した場合には、普電ソレノイド37c(変換制御手段)による変換制御が通常遊技状態と同じ制御に戻されるとともに、特図の確率状態が高確率状態に設定されるといえる。
また、第2の特定遊技状態において、演出制御装置300は、演出モードを小当りRUSHとする。本実施形態の場合、第2の特定遊技状態において特図2変動表示ゲームの変動時間が短時間に設定されていることから、小当りRUSHは短期間に小当りが連続的に発生しやすい状態といえる。このように、本実施形態では、第2の特定遊技状態が実行される場合に、特図2変動表示ゲームの結果として、小当り(第1特別結果)を導出可能としている。
また、第2の特定遊技状態において、遊技球の発射方向は右打ちが推奨される。そのため、主始動領域は第2始動入賞口97であり、主変動特図は特図2変動表示ゲームとなる。
第3の特定遊技状態において、遊技制御装置100は、当り確率(特図の当り確率)を低確率とし、普電サポートが有り(サポート回数は50回)となるように制御する。
また、第3の特定遊技状態において、演出制御装置300は、演出モードを時短モードとする。
また、第3の特定遊技状態において、遊技球の発射方向は右打ちが推奨される。右打ちがされることにより普図始動ゲート34に入賞しやすくなるため、主始動領域は普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)となる。本実施形態では、普電入賞口37dへの入賞により特図1変動表示ゲームが実行されることになることから、主変動特図は特図1変動表示ゲームとなる。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。
通常遊技状態において大当りが発生したとする。当該大当りが確変大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は通常遊技状態から第1の特定遊技状態へと移行する。また、通常遊技状態において大当りが通常大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は通常遊技状態から第3の特定遊技状態へと移行する。
第1の特定遊技状態において大当りが発生し、当該大当りが通常大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は第1の特定遊技状態から第3の特定遊技状態へと移行する。また、第1の特定遊技状態において大当りが確変大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は再び第1の特定遊技状態に移行する。
一方、第1の特定遊技状態において、大当りが発生せず普電サポートが終了すると、遊技状態は第1の特定遊技状態から第2の特定遊技状態へと移行する(図182における「高サポ規定回数」が終了。なお、「高サポ」とは、当り確率が高確率でかつ電サポ有りの状態を表している)。
すなわち、第1の特定遊技状態では、他の遊技状態への移行条件として、大当り遊技状態(第2特別遊技状態)の発生を条件(第1移行条件)とする場合と、所定回数の普電サポート(変動表示ゲームの実行)を条件(第2移行条件)とする場合とがあることになる。このように構成することによって、例えば、通常遊技状態において大当り遊技状態(第2特別遊技状態)の発生後に第1の特定遊技状態が発生可能とされるが、この第1の特定遊技状態において、前述の第2移行条件が成立すると、第2の特定遊技状態が発生可能とされることになる。
第2の特定遊技状態において大当りが発生し、当該大当りが確変大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は第2の特定遊技状態から第1の特定遊技状態へと移行する。また、第2の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は第2の特定遊技状態から第3の特定遊技状態へと移行する。すなわち、第2の特定遊技状態では、他の遊技状態への移行条件として、大当り遊技状態(第2特別遊技状態)の発生を条件としている。
第3の特定遊技状態において大当りが発生し、当該大当りが確変大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は第3の特定遊技状態から第1の特定遊技状態へと移行する。また、第3の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態は再び第3の特定遊技状態に移行する。
一方、第3の特定遊技状態において、大当りが発生せず普電サポートが終了すると、遊技状態は第3の特定遊技状態から通常遊技状態へと移行する(図182における「低サポ規定回数」が終了」。なお、「低サポ」とは、当り確率が低確率でかつ電サポ有りの状態を表している)。
このように遊技状態が移行するので、通常遊技状態で確変大当りが発生した後、遊技状態を通常遊技状態から第1の特定遊技状態へと移行させることができる。第1の特定遊技状態では、普電サポートが実行されるとともに当り確率も高確率に設定されているため、大当りを発生しやすくすることができる。そして、遊技の興趣を向上させることができる。
また、仮に、第1の特定遊技状態において大当りが発生しない場合であっても、本実施形態において、遊技状態は、第1の特定遊技状態から第2の特定遊技状態へと移行する。第2の特定遊技状態では、普電サポートは実行されないものの、第2始動入賞口97に入賞することによって特図2変動表示ゲームを実行させることができる。ここで、特図2変動表示ゲームにおける小当り確率は特図1変動表示ゲームと異なり高確率に設定されている(図184参照)。そのため、第2の特定遊技状態では、次の大当り遊技状態(第2特別遊技状態)が発生するまで、小当り遊技状態(第1特別遊技状態)を高頻度で発生させる「小当りRUSH」モードを実行することができる。そして、大当り遊技状態以外の遊技状態で出玉増加を図ることができるので、斬新な遊技性を有する遊技機10を提供することができる。
また、第2の特定遊技状態においては通常遊技状態と同様に普電サポートを無しとするが、第2の特定遊技状態では、通常遊技状態よりも特図2変動表示ゲームの変動時間が短時間に設定されている。したがって、第2の特定遊技状態においては小当り遊技状態(第1特別遊技状態)が多く割り振られた特図2変動表示ゲームをテンポよく実行することができる。
ここで、本実施形態において、各遊技状態の変動パターンテーブルにおける変動時間(特図変動表示ゲームの実行時間)の平均値は、第2の特定遊技状態<第1の特定遊技状態及び第3の特定遊技状態<通常遊技状態となっており、第2の特定遊技状態において選択可能な変動パターンの種類は、通常遊技状態において選択可能な変動パターンの種類よりも少なくなっている。すなわち、選択可能な変動パターンの種類が少ないほど、変動時間の平均値が小さくなるよう構成されている。第2の特定遊技状態において選択可能な変動パターンの種類が多い(すなわち、変動時間の平均値が大きい)と、テンポよく小当りを発生させることができない、出玉率が100%以上となってしまう等の問題が生じるが、本実施形態のように、第2の特定遊技状態において選択可能な変動パターンの種類を少なく(すなわち、変動時間の平均値を小さく)することで、テンポよく小当りを発生させることができるとともに、設計値通りの出玉率を実現することが可能となる。
また、第2の特定遊技状態においては大当り確率が高確率に設定されているため、適度なタイミングで大当り遊技状態(第2特別遊技状態)が発生して他の遊技状態への移行条件が成立する。そのため、第2の特定遊技状態が過度に継続することによる極端な出玉増加を防止することができる。
本実施形態の普通変動入賞装置37は、可動部材37bの上面に遊技球を滞留させる遊技球滞留機能を具備しているため、可動部材37bが閉状態である間に可動部材37b上に遊技球を滞留させて、可動部材37bが開状態になると遊技球を飲み込む(可動部材37b上に滞留している遊技球を落下させて普電入賞口37dへ入賞させる)ことができる。したがって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球、すなわち普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず普電入賞口37dに入賞できない遊技球を減らすことができる。
また、普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97が配設されているため、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球は、第2始動入賞口97に入賞可能である。本実施形態の場合、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球が減るため、主始動領域が普電入賞口37dである遊技状態(第1の特定遊技状態、第3の特定遊技状態)において、第2始動入賞口97へ入賞させにくくできる。
高/低確率サポ有状態(第1の特定遊技状態、第3の特定遊技状態)の主始動領域は普電入賞口37dであり、高確率サポ無状態(第2の特定遊技状態)の主始動領域は第2始動入賞口97であるため、高/低確率サポ有状態のときには第2始動入賞口97への入賞が不能(困難)であり、高確率サポ無状態のときのみ第2始動入賞口97への入賞が可能であることが好ましい。右打ちサポ有状態(第1の特定遊技状態、第3の特定遊技状態)のときに第2始動入賞口97に遊技球が入賞して小当りが発生すると、出玉率が設計値から大きく乖離する虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2始動入賞口97を遊技領域32の右下に配置し、当該第2始動入賞口97の上方に普通変動入賞装置37を配置している。そして、普通変動入賞装置37は、遊技球滞留機能を具備しているため、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができる。さらには、普通変動入賞装置37の可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間や、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間(流下路37fの始点から終点までを遊技球が転動するのにかかる時間)などを調整することによって、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞の失敗をほぼ0にする、すなわち普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることも可能である。普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることで、当該普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2始動入賞口97へ入賞させにくくできるため、狙い通りの性能(出玉率)を実現することができる。
普通変動入賞装置37への入賞率は、下記の式(1)を用いて算出することができる。
入賞率[%]=普電入賞口37dに入賞した遊技球の個数/普通変動入賞装置37に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)の個数×100・・・(1)
一方、高確率サポ無状態(第2の特定遊技状態)のときは、普通変動入賞装置37が開かないため、第2始動入賞口97へ遊技球を入賞させることができ、小当りRUSHを実現することができる。
このように、本実施形態によれば、高確率サポ無状態(第2の特定遊技状態)のときのみ第2始動入賞口97へ入賞させるよう構成可能であるとともに、狙い通りの性能が実現できる。
ここで、例えば図183(a)に示すように、普図変動の時間(すなわち、普図変動時間)が200m秒であり、普図停止の時間(すなわち、普図表示時間)が100m秒であり、普電作動の時間(すなわち、普図の当り状態1回あたりのトータルの普電開放時間とトータルのウェイト時間との和)が5800m秒であり、エンディングの時間(すなわち、普電残存球処理時間と普図エンディング時間との和)が700m秒である場合、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間は、少なくとも1000m秒(=700m秒+200m秒+100m秒)になる。
この場合に、流下路37fや迂回路37gの長さ、流下路37fや迂回路37gに設ける起伏の個数や形状等を適宜設計して、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を1000m秒に近づけることによって、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることが可能となる。
無論、ここで示した例のように、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間に応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率がほぼ100%になるよう、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を設定してもよいし、逆に、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間に応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率がほぼ100%になるよう、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間を設定してもよい。
すなわち、本実施形態においては、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間と、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間と、の一方を、他方に応じた時間(他方と略同一の時間、他方以上の時間等)に設定することで、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞率を高めることができる。
また、起部や伏部などの球威を抑制する部分を増やす等して普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を増加させることで、普電のインターバル中(可動部材37bの動作終了から動作開始までの間)、可動部材37b上により多くの遊技球を滞留させることができ、可動部材37bが開状態となったときに、その可動部材37b上に滞留していた遊技球を入賞させることができるため、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞率が向上する。
また、本実施形態において、普通変動入賞装置37は遊技球滞留機能を具備しており、当該普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が配設されているため、遊技球が発射されてから第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38に到着するまでの時間を、普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合よりも長くすることができる。
したがって、推奨しない打ち方がされることを回避できるとともに、大入賞口の開放パターン(開閉部材990の開閉パターン)の自由度を高めることができる。
通常遊技状態では左打ちが推奨されているが、通常遊技状態のときに右打ちがされて遊技球が第2始動入賞口97に入賞すると、特図2変動表示ゲームが実行される。通常遊技状態では、第2の特定遊技状態よりも特図2変動表示ゲームの変動時間が長時間に設定されているため、狙い打ち(止め打ちやタイミング打ちなど)を行うことによって、大入賞口へ遊技球を入賞させることが可能となる。
すなわち、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合には、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームが実行された際に、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことによって、小当り遊技状態の終了までに遊技球を特別変動入賞装置38に到着させて大入賞口へ入賞させることが可能となる。
したがって、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームを実行させるために、推奨しない打ち方(右打ち)がされてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態の場合、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しているため、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかる。したがって、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームが実行された際に、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球は、小当り遊技状態の終了までに特別変動入賞装置38に到着できない。したがって、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームを実行させても無駄であるため、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームを実行させる打ち方、すなわち通常遊技状態において推奨しない打ち方がされることを回避できる。
このように、本実施形態によれば、攻略による不正入賞、すなわち、通常遊技状態において右打ちで小当りを発生させ、狙い打ちを行って小当り入賞(小当りの期間における大入賞口への入賞)を獲得することを防ぐことができる。
また、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合、攻略による不正入賞を防ぐ(推奨しない打ち方がされることを回避する)ためには、短開放を1回だけ行う等、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンに制限を設ける必要があった。
これに対し、本実施形態の場合、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しているため、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかる。したがって、小当り遊技状態中に大入賞口が複数回開放しても、攻略による不正入賞を防ぐことが可能であるため、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができる。
ここで、例えば、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しておらず、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約2秒かかるとする。
このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図183(b)に示すようなパターン、すなわち1.8秒の開放を1回だけ行うパターンであれば、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには小当り遊技状態が終了しているため、遊技球は大入賞口に入賞できない。
一方、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図183(c)に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンであれば、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことで、小当り遊技状態の終了までに遊技球を特別変動入賞装置38に到着させることができるため、遊技球は大入賞口に入賞可能である。
したがって、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして、大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すると、攻略による不正入賞を防ぐことができない。その一方で、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すること、すなわち小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができれば、小当り性能の向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるが、攻略による不正入賞によって実現できない。
攻略による不正入賞を防ぐことと小当り性能を向上させることとを両立するために、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間を遅延させる滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)等を設けるとする。仮に、その滞留装置によって2秒遅延する(2秒の遅延時間が付与される)と、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかることとなる。
これにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図183(c)に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンである場合、開閉部材990の動作終了までに3.5秒(=0.5秒+1.0秒+0.5秒+1.0秒+0.5秒)かかるのに対し、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかる。すなわち、本実施形態においては、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの時間よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間が長くなるように、小当り遊技状態における開閉部材990の開閉パターン(大入賞口の開放パターン)に応じて、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を決定するよう構成可能である。
小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの時間(この例では、3.5秒)よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間(この例では、約4秒)を長くすることで、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには小当り遊技状態が終了していることとなる。したがって、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして大入賞口を複数回開放する開放パターンを採用しても、攻略による不正入賞を防ぐことができる。
このように、本実施形態によれば、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間に遅延時間を付与する滞留装置等を設けることによって、攻略による不正入賞を防ぎつつ、小当り性能を向上させることができる。また、当該遅延時間が長いほど、小当り遊技状態のトータル時間を延ばすことができるため、小当り性能を高めることができる。また、当該遅延時間が長いほど、特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかるため、攻略による不正入賞も難しくなる。
また、このような滞留装置等を設けることは、普電サポート中の狙い打ちだけでなく、小当りRUSH中の狙い打ちに対しても効果がある。また、当該遅延時間が長いほど、狙い打ちが難しくなるため、打ちっぱなしにしなくてはならなくなり、ホールの運用上でも安定したデータが取得可能となる。
また、本実施形態の場合、通常遊技状態において、右打ちをして第2始動入賞口97に入賞して小当りが発生し、その後、普図始動ゲート34に遊技球が通過して普図が当った場合、普通変動電入賞装置38の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができるため、普通変動入賞装置37の下方に配設されている特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる。
すなわち、本実施形態によれば、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかるため、攻略による不正入賞を防ぐことができる。さらに、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができる(特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる)ため、攻略による不正入賞による被害を最小限に抑えることができる。
また、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることによって、小当り性能の向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるだけでなく、大入賞口38dを開放する回数を増やすことも可能となるため、遊技者は大入賞口38dに遊技球が流入するか否かを楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間として、滞留装置がない場合には約2秒、滞留装置がある場合には約4秒を例示したが、これらの到着時間はあくまでも実測値の平均値であり、無論、実際の到着時間には誤差がある。
また、通常遊技状態のときに右打ちされた場合に行う注意喚起(エラー報知)は、所定個数の遊技球が第2始動入賞口97に入賞したという条件を満たした際に行ってもよいし、所定個数の遊技球が普図始動ゲート34を通過したという条件を満たした際に行ってもよいし、第2始動入賞口97に入賞した遊技球の個数と普図始動ゲート34を通過した遊技球の個数との和が所定個数に達したという条件を満たした際に行ってもよい。これにより、間違って右打ちしたのにすぐに注意喚起されてしまって、興趣が低下してしまう、遊技意欲が低下してしまう等の不都合を回避できる。
また、通常遊技状態のとき、第2始動入賞口97に入賞した遊技球をカウントするカウンタや、普図始動ゲート34を通過した遊技球をカウントするカウンタは、所定タイミングでクリアするよう構成してもよいし、あるいは、第1始動入賞口36に入賞する度に−1更新するよう構成してもよい。
以下、第2実施形態における各処理について説明する。
本実施形態においては、タイマ割込み処理(図38)において普図ゲーム処理(ステップS110)を行うため、普図変動表示ゲームを実行することができる。そして、普図変動表示ゲームが当り態様のときには、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)を開状態にし、普電入賞口37dに遊技球が入賞することにより特図1変動表示ゲームを開始することができる。
特に、第1の特定遊技状態及び第3の特定遊技状態においては、普電サポートが実行されている(図182参照)。第1の特定遊技状態においては、普電サポート(電サポ)により、特図1変動表示ゲームを頻繁に発生させることができ、かつ、当り確率が高確率であるので、大当りを発生しやすくすることができる。また、第3の特定遊技状態においても、普電サポートにより、特図1変動表示ゲームを頻繁に発生させることができる。
図184は、本実施形態における大当り確率、小当り確率、はずれ確率、確変確率を例示するテーブルである。これらのテーブルは、大当り判定処理と小当り判定処理による大当り確率(判定結果が大当りになる確率)、小当り確率(判定結果が小当りになる確率)、はずれ確率(判定結果がはずれになる確率)、確変確率(確変突入率)を、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとについて示している。図184(a)は低確率状態における確率を示し、図184(b)は高確率状態における確率を示し、図184(c)は確変突入率を示す。
本実施形態においても、大当り確率(大当りの発生確率)は、高確率状態において、低確率状態よりも高くなっている。
また、小当り確率(小当りの発生確率)は、高確率状態と低確率状態とで同じになっている。なお、小当り確率を高確率状態で高くし、低確率状態で低くする構成も可能である。例えば、低確率状態において特図1変動表示ゲームの小当り確率を「0」に設定してもよい。
また、はずれ確率(はずれの発生確率)は、高確率状態において、低確率状態よりも低くなっている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)又は特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)において大当り態様(第2特別結果)が導出される確率が低確率に設定される低確率状態と、この低確率状態よりも高い確率が設定される高確率状態とに制御可能な確率設定手段を含む。
また、本実施形態において、大当り確率は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで共通であるが、小当り確率は、特図2変動表示ゲームにおいて、特図1変動表示ゲームよりも高くなり、はずれ確率は、特図2変動表示ゲームにおいて、特図1変動表示ゲームよりも低くなる(高確率状態において、特図2変動表示ゲームのはずれ確率は0である)。したがって、第2の特定遊技状態において、第2始動入賞口97への入賞により小当りを極めて高い確率で発生させることができる。
ここで、本実施形態においても、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
そして、本実施形態の場合、特図2変動開始処理(図58)における特図情報設定処理(ステップA344)のステップA458(図65)では、演出モード情報が低確率状態である際に設定される演出モードに関する情報である場合には、当該演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタとして長時間変動用の後半変動グループ選択ポインタを取得するため、特図2変動表示ゲームは長時間変動(長変動)になる。一方、演出モード情報が高確率状態である際に設定される演出モードに関する情報である場合には、当該演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタとして通常の変動時間の変動用の後半変動グループ選択ポインタを取得するため、特図2変動表示ゲームは通常の変動時間の変動(長変動に比較して短変動)になる。これにより、高確率状態である第2の特定遊技状態では、低確率状態である通常遊技状態等よりも、特図2変動表示ゲームにより小当りが頻繁に発生することになる(小当りRUSH)。
また、本実施形態においては、大当りパターンとして、16R確変Aと、16R確変Bと、16R通常Aと、16R通常Bと、4R確変と、4R通常とが設定されている。
そして、本実施形態では、大当り状態終了後は、確変状態か通常状態となる。図184(c)に示すように、16R確変突入率は特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームともに2%であり、4R確変突入率は特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームともに60%である。すなわち、確変突入率は、62%に設定される。そして、大当り終了後は、50回転の時短と普電サポートが実行される。
なお、16R確変突入率として、例えば、特図1変動表示ゲームが2%、特図2変動表示ゲームが40%とし、4R確変突入率として、例えば、特図1変動表示ゲームが60%、特図2変動表示ゲームが22%というように、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの確変状態における大当りのラウンド数の振り分けが異なるように設定してもよい。このように構成すれば、小当りRUSHモードにおいて確変大当りに当選すれば、その大当り遊技中も多数の遊技球を獲得することが可能となるため、小当りRUSH中により多くの小当りを発生させて遊技球を獲得しようとする遊技者の遊技意欲向上に加えて、確変大当り当選に対する期待度も向上させることができる。
また、確変大当りの発生が小当りRUSHモードの終了契機となるため、確変大当りの発生が遊技者の遊技意欲を低下させるおそれがあるが、この確変大当りでも十分な遊技球を獲得することが可能となるため、遊技者の遊技意欲を維持しつつ、再度小当りRUSHに突入させようとする新たな遊技意欲を付与することができるようになる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図51に示す始動口スイッチ監視処理に替えて、図185に示す始動口スイッチ監視処理を行う。この始動口スイッチ監視処理では、まず、ステップA101〜A103の処理を行う。ステップA101〜A103の処理は、図51と同じであるため説明を省略する。
そして、特図1の始動口である第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞がある場合(ステップA103;Y)には、通常遊技状態中(特図低確率&時短なし中)であるか判定する(ステップA104a)。
通常遊技状態中でない場合(ステップA104a;N)には、ステップA105の処理に移行する。ステップA105〜A106の処理は、図51と同じであるため説明を省略する。
本実施形態の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、通常遊技状態では左打ちが推奨されているとともに、第1〜第3の特定遊技状態では右打ちが推奨されている。したがって、通常遊技状態中でない場合に第1始動口に入賞があった際(すなわち、第1〜第3の特定遊技状態中に左打ちされた際)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップA104a;Y)には、ステップA107の処理に移行する。ステップA107〜A113の処理は、図51と同じであるため説明を省略する。
そして、特図1の始動口である第2始動口(普電入賞口37d)への入賞がある場合(ステップA111;Y)であって、普通電動役物が作動中である場合(ステップA112;Y)、あるいは、特図1の始動口である第2始動口(普電入賞口37d)への入賞がある場合(ステップA111;Y)であって、普通電動役物が作動中でない場合(ステップA112;N)であって、普電不正発生中でない場合(ステップA113;N)には、通常遊技状態中(特図低確率&時短なし中)であるか判定する(ステップA124a)。本実施形態では、普電入賞口37dと第1始動入賞口36とが第1始動入賞領域に相当し、第2始動入賞口97が第2始動入賞領域に相当するため、第2始動口(普電入賞口37d)は、特図1の始動口である。
通常遊技状態中である場合(ステップA124a;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA125a)、演出コマンド設定処理(ステップA126a)を行って、ステップA114の処理に移行する。
本実施形態の場合、第2始動口(普電入賞口37d)へは右打ちでないと入賞せず、通常遊技状態では左打ちが推奨されているとともに、第1〜第3の特定遊技状態では右打ちが推奨されている。したがって、通常遊技状態中である場合に第2始動口に入賞があった際(すなわち、通常遊技状態中に右打ちされた際)には、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、左打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
一方、通常遊技状態中でない場合(ステップA124a;N)には、ステップA114の処理に移行する。ステップA114〜A118の処理は、図51と同じであるため説明を省略する。
そして、特図2の始動口である第3始動口(第2始動入賞口97)への入賞がある場合(ステップA118;Y)には、通常遊技状態中(特図低確率&時短なし中)であるか判定する(ステップA119a)。
通常遊技状態中である場合(ステップA119a;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120a)、ステップA121の処理に移行する。ステップA121〜A123の処理は、図51と同じであるため説明を省略する。
本実施形態の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは右打ちでないと入賞せず、通常遊技状態では左打ちが推奨されているとともに、第1〜第3の特定遊技状態では右打ちが推奨されている。したがって、通常遊技状態中である場合に第3始動口に入賞があった際(すなわち、通常遊技状態中に右打ちされた際)には、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、左打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
一方、通常遊技状態中でない場合(ステップA119a;N)には、ステップA122の処理に移行する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図53に示す特図始動口スイッチ共通処理に替えて、図186に示す特図始動口スイッチ共通処理を行う。この特図始動口スイッチ共通処理は、ステップA155の処理を行わない点が、図53に示す特図始動口スイッチ共通処理と異なる。すなわち、本実施形態では、第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であるか否かにかかわらず、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA156)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA157)。ステップA141〜A154,A156〜160の処理は、図53と同じであるため説明を省略する。
〔特図保留情報判定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図54に示す特図保留情報判定処理に替えて、図187に示す特図保留情報判定処理を行う。この特図保留情報判定処理は、ステップA165の処理を行わない点が、図54に示す特図保留情報判定処理と異なる。すなわち、本実施形態では、第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であるか否かにかかわらず、小当り判定処理(ステップA166)を行う。ステップA161〜A164,A166〜176の処理は、図54と同じであるため説明を省略する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図59に示す大当りフラグ1設定処理に替えて、図188に示す大当りフラグ1設定処理を行う。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして(ステップA361a)、ステップA362の処理に移行する。ステップA362〜A369の処理は、図59と同じであるため説明を省略する。
そして、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りである場合(ステップA369;Y)には、ステップA361aにてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA370a)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図60に示す大当りフラグ2設定処理に替えて、図189に示す大当りフラグ2設定処理を行う。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブして(ステップA361b)、ステップA371の処理に移行する。ステップA371〜A376の処理は、図60と同じであるため説明を省略する。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)には、小当り判定処理(ステップA368b)を行う。
小当り判定処理(ステップA368b)の判定結果が小当りである場合(ステップA369b;Y)には、ステップA361bにてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA370b)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA368b)の判定結果が小当りでない場合(ステップA369b;N)には、大当りフラグ2領域にも小当りフラグ2領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図62に示す小当り判定処理に替えて、図190に示す小当り判定処理を行う。この小当り判定処理では、まず、ステップA391の処理を行う。ステップA391の処理は、図62と同じであるため説明を省略する。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)には、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA395a)。
今回の変動が特図1の変動である場合(ステップA395a;Y)には、特図1変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定して(ステップA396a)、ステップA392の処理に移行する。
一方、今回の変動が特図1の変動でない場合(ステップA395a;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定して(ステップA397a)、ステップA392の処理に移行する。ステップA392〜A394の処理は、図62と同じであるため説明を省略する。
このように、今回の変動が特図1の変動である場合には特図1変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定し、今回の変動が特図2の変動である場合には特図2変動表示ゲーム用の小当り上限判定値を設定することで、図184に示すように、小当り確率を、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで異ならせることができる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図63に示す特図1停止図柄設定処理に替えて、図191に示す特図1停止図柄設定処理を行う。この特図1停止図柄設定処理では、まず、ステップA401の処理を行う。ステップA401の処理は、図63と同じであるため説明を省略する。
大当りフラグ1が大当りである場合(ステップA401;Y)には、ステップA402の処理に移行する。ステップA402〜A409,A418〜A423の処理は、図63と同じであるため説明を省略する。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)には、小当りフラグ1が小当りかを判定し(ステップA410a)、小当りである場合(ステップA410a;Y)には、ステップA411の処理に移行する。ステップA411〜A415の処理は、図63と同じであるため説明を省略する。
また、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA410a;N)には、ステップA416の処理に移行する。ステップA416〜A417の処理は、図63と同じであるため説明を省略する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図64に示す特図2停止図柄設定処理に替えて、図192に示す特図2停止図柄設定処理を行う。この特図2停止図柄設定処理では、まず、ステップA431の処理を行う。ステップA431の処理は、図64と同じであるため説明を省略する。
大当りフラグ2が大当りである場合(ステップA431;Y)には、ステップA432の処理に移行する。ステップA432〜A439,A442〜A446の処理は、図64と同じであるため説明を省略する。そして、ステップA446の処理の後、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする処理(ステップA423b)を行って、特図2停止図柄設定処理を終了する。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)には、小当りフラグ2が小当りかを判定し(ステップA410b)、小当りである場合(ステップA410b;Y)には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードし(ステップA411b)、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412b)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA413b)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA414b)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステップA415b)、ステップA442の処理に移行する。
一方、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA410b;N)には、ステップA440の処理に移行する。ステップA440〜A441の処理は、図64と同じであるため説明を省略する。
〔特図表示中処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図71及び図72に示す特図表示中処理に替えて、図193に示す特図表示中処理を行う。この特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードし(ステップA701a)、RWMの小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアして(ステップA702)、ステップA703の処理に移行する。ステップA703〜A724の処理は、図71と同じであるため説明を省略する。
そして、ロードした大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)には、ロードした小当りフラグ1が小当りかを判定する(ステップA725a)。
小当りフラグ1が小当りである場合(ステップA725a;Y)には、ステップA726の処理に移行する。一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA725a;N)には、ロードした小当りフラグ2が小当りかを判定する(ステップA725b)。
小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA725b;N)には、ステップA735の処理に移行する。ステップA735〜A741の処理は、図72と同じであるため説明を省略する。一方、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップA725b;Y)には、ステップA726の処理に移行する。ステップA726〜A727の処理は、図72と同じであるため説明を省略する。
そして、ステップA727の処理の後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する処理(ステップA728)を行わずに、ステップA729の処理に移行する。ステップA729〜A734の処理は、図72と同じであるため説明を省略する。すなわち、本実施形態では、特図の高確率中であるか否かにかかわらず、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行い、小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行う。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図73に示す時間短縮変動回数更新処理に替えて、図194に示す時間短縮変動回数更新処理を行う。この時間短縮変動回数更新処理では、まず、ステップA752〜A758の処理を行う。ステップA752〜A758の処理は、図73と同じであるため説明を省略する。
そして、ステップA758の処理の後、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751a)。特図高確率中でない場合(ステップA751a;N)、すなわち第3の特定遊技状態(特図低確率&時短ありの状態)である場合には、ステップA759〜A761の処理を行う。ステップA759〜A761の処理は、図73と同じであるため説明を省略する。これにより、低サポ規定回数で通常遊技状態に移行することができる。
一方、特図高確率中である場合(ステップA751a;Y)、すなわち第1の特定遊技状態(特図高確率&時短ありの状態)である場合には、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA762a)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA763a)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA764a)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。これにより、高サポ規定回数で第2の特定遊技状態に移行することができる。
なお、高サポ規定回数で移行する前の遊技状態(第1の特定遊技状態)も、高サポ規定回数で移行した後の遊技状態(第2の特定遊技状態)も、右打ちする遊技状態であるため、ステップA763a〜A764aの処理は省略してもよい。
〔大当り終了設定処理1〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図85に示す大当り終了設定処理1に替えて、図195に示す大当り終了設定処理1を行う。
ここで、図84に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1201)。そして、高確率データでない場合(ステップA1201;N)、すなわち今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類が通常大当りである場合に、大当り終了設定処理1を行う。
本実施形態においては、図182に示すように、通常遊技状態及び第1〜第3の特定遊技状態のいずれの状態においても、大当りの種類が通常大当りであった場合には、第3の特定遊技状態に移行する。
すなわち、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類が通常大当りである場合に、大当り終了設定処理1を行うことで、第3の特定遊技状態に移行する。
具体的には、大当り終了設定処理1では、まず、低確率&時短ありの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221a)、低確率&時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222a)。
次いで、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1227a)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA1228a)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1229a)、ステップA1223の処理に移行する。ステップA1223〜A1226の処理は、図85と同じであるため説明を省略する。本実施形態の場合、サポート回数は50回であるため、ステップA1226では、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値として「50」をセーブする。
このようにすることで、大当り遊技状態の終了後、停止図柄番号に対応する確率変動判定データが低確率データである場合において、当り確率を低確率に設定するとともに普電サポートを有りとして、第3の特定遊技状態に移行することができる。
ここで、通常遊技状態において大当りが通常大当りであった場合は、左打ちする遊技状態である通常遊技状態から右打ちする遊技状態である第3の特定遊技状態へ移行する。
第1の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第1の特定遊技状態から右打ちする遊技状態である第3の特定遊技状態へ移行する。
第2の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第2の特定遊技状態から右打ちする遊技状態である第3の特定遊技状態へ移行する。
第3の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第3の特定遊技状態が継続する。
したがって、第1〜第3の特定遊技状態において大当りが通常大当りであった場合は、右打ちする遊技状態が継続するため、ステップA1227a,A1229aの処理を省略してもよい。
〔大当り終了設定処理2〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図86に示す大当り終了設定処理2に替えて、図196に示す大当り終了設定処理2を行う。
ここで、図84に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1201)。そして、高確率データである場合(ステップA1201;Y)、すなわち今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類が確変大当りである場合に、大当り終了設定処理2を行う。
本実施形態においては、図182に示すように、通常遊技状態及び第1〜第3の特定遊技状態のいずれの状態においても、大当りの種類が確変大当りであった場合には、第1の特定遊技状態に移行する。
すなわち、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類が確変大当りである場合に、大当り終了設定処理2を行うことで、第1の特定遊技状態に移行する。
具体的には、大当り終了設定処理2では、まず、高確率&時短ありの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1231a)、高確率&時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232a)。
次いで、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1237a)、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブし(ステップA1238a)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1239a)、ステップA1233の処理に移行する。ステップA1233〜A1235の処理は、図86と同じであるため説明を省略する。
ステップA1235の処理の後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(本実施形態の場合、50)をセーブして(ステップA1236a)、大当り終了設定処理2を終了する。
このようにすることで、大当り遊技状態の終了後、停止図柄番号に対応する確率変動判定データが低確率データではない(高確率データである)場合において、当り確率を高確率に設定するとともに普電サポートを有りとして、第1の特定遊技状態に移行することができる。
ここで、通常遊技状態において大当りが確変大当りであった場合は、左打ちする遊技状態である通常遊技状態から右打ちする遊技状態である第1の特定遊技状態へ移行する。
第1の特定遊技状態において大当りが確変大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第1の特定遊技状態が継続する。
第2の特定遊技状態において大当りが確変大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第2の特定遊技状態から右打ちする遊技状態である第1の特定遊技状態へ移行する。
第3の特定遊技状態において大当りが確変大当りであった場合は、右打ちする遊技状態である第3の特定遊技状態から右打ちする遊技状態である第1の特定遊技状態へ移行する。
したがって、第1〜第3の特定遊技状態において大当りが確変大当りであった場合は、右打ちする遊技状態が継続するため、ステップA1237a,A1239aの処理を省略してもよい。
〔小当り中処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図89に示す小当り中処理に替えて、図197に示す小当り中処理を行う。この小当り中処理は、ステップA1405,A1406の処理を行わない点が、図89に示す小当り中処理と異なる。すなわち、本実施形態では、特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブされているフラグが特図高確率中に関するフラグであるか否かにかかわらず、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行う。
〔小当り終了処理〕
図182に示す遊技状態遷移図を実現するために、本実施形態では、図93に示す小当り終了処理に替えて、図198に示す小当り終了処理を行う。この小当り終了処理では、まず、ステップA1601〜A1619の処理を行う。ステップA1601〜A1619の処理は、図93と同じであるため説明を省略する。
ステップA1619の処理の後、ステップA1601でロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定し(ステップA1624a)、特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1624a;Y)には、ステップA1623の処理に移行する。
一方、特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1624a;N)には、ステップA1620の処理に移行する。ステップA1620〜A1623の処理は、図93と同じであるため説明を省略する。すなわち、本実施形態では、ステップA1601でロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1624a;N)であって、ステップA1619でロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)に、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1621)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA1622)。
このようにすることで、当り確率が高確率中でなく、かつ、時短中でない場合には、発射方向が右打ちである小当り遊技状態から発射方向が左打ちである通常遊技状態へと移行させることができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、遊技領域32に設けられた始動領域への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行可能であり、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動領域は、遊技領域32の左側に向けて発射された遊技球が入賞可能な第1始動領域(第1始動入賞口36)と、遊技領域32の右側に向けて発射された遊技球が入賞可能な第2始動領域(第2始動入賞口97)と、を含み、遊技領域32のうちの第2始動領域よりも上流側に、遊技球を滞留させる滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)を設けるよう構成されている。
したがって、第2始動領域(第2始動入賞口97)よりも上流側に滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)が設けられているため、滞留装置における遊技球の滞留に加えて、滞留装置によって滞留された遊技球の行方(第2始動領域に入賞するか否か等)にも遊技者の注目を集めることができ、滞留装置による演出効果を的確に向上させることができる。
また、本実施形態において、滞留装置は、可動部材37bが動作することで、遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な状態と、遊技球が入賞可能な状態とに変換可能な普通変動入賞装置37であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留に加えて、普通変動入賞装置37によって滞留された遊技球の行方(普通変動入賞装置37と第2始動領域(第2始動入賞口97)とのどちらに入賞するか等)にも遊技者の注目を集めることができ、滞留装置(普通変動入賞装置37)による演出効果を的確に向上させることができる。
また、本実施形態においては、特別遊技状態の終了後、所定回数の変動表示ゲームを実行するまで、通常状態よりも普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞しやすい電サポ状態(時短状態)を発生可能な電サポ制御手段(遊技制御装置100)を備え、電サポ状態においては、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間を、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間と略同一となるように設定するよう構成可能である。
このように構成することによって、電サポ状態(第1の特定遊技状態や第3の特定遊技状態)のときは、第2始動領域(第2始動入賞口97)へ遊技球が入賞しにくくなるため、狙い通りの性能(出玉率)を実現できる。
また、本実施形態の遊技機10は、始動領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行可能であり、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、特別遊技状態の発生に応じて開閉部材990が動作することで遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な状態から遊技球が入賞可能な状態に変換可能な変動入賞装置(本実施形態の場合、特別変動入賞装置38)と、変動入賞装置よりも上流側に設けられ、遊技球を滞留させる滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えるよう構成されている。
したがって、特別変動入賞装置38よりも上流側に滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)が設けられているため、滞留装置における遊技球の滞留に加えて、滞留装置によって滞留された遊技球の行方(特別変動入賞装置38に入賞するか否か等)にも遊技者の注目を集めることができ、滞留装置による演出効果を的確に向上させることができる。
また、本実施形態において、特別遊技状態は、第1特別遊技状態(小当り遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態(大当り遊技状態)と、を含み、第1特別遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの期間よりも、遊技球が発射されてから変動入賞装置(本実施形態の場合、特別変動入賞装置38)に到着するまでの期間が長くなるように、滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)における遊技球の滞留期間(滞留時間)を設定するよう構成可能である。
このように構成することによって、開閉部材990の開閉パターン(大入賞口の開放パターン)にかかわらず、第1特別遊技状態(小当り遊技状態)の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには第1特別遊技状態が終了しているため、小当り性能を高めつつ(小当り遊技状態での出玉を増加させつつ)、攻略による不正入賞を防ぐことができる。
また、本実施形態においては、開閉部材990の第1特別遊技状態(小当り遊技状態)における動作態様として、遊技球が発射されてから変動入賞装置(本実施形態の場合、特別変動入賞装置38)に到着するまでの期間に、複数回の動作が可能な動作態様を選択可能であるよう構成することができる。
このように構成することによって、小当り性能を高める(小当り遊技状態での出玉を増加させる)ことができる。
また、本実施形態においては、例えば図170に示すように、普図始動ゲート34に設けられた誘導部材34bによって、普図始動ゲート34を通過した遊技球は、普通変動入賞装置37の流下路37fの左側(上流側)に誘導される。したがって、右側遊技領域を流下する遊技球が滞留装置(普通変動入賞装置37)を経る可能性が高くなるため、より一層、通常遊技状態時の攻略による不正入賞が困難になるとともに、時短状態中における遊技球の減少を抑制することが可能となる。
また、本実施形態においては、遊技領域32に、滞留装置(普通変動入賞装置37)の他、球威を抑制する部材(障害釘、風車、流下路615、誘導部616等)、すなわち遊技球滞留機能を具備する滞留部材が配設されている。滞留装置と滞留部材とを用いて遊技球を滞留させることによって、遊技球の転動態様に変化をつけることができるため、遊技の興趣が向上する。
無論、滞留装置や滞留部材の配置等は、適宜選択可能である。具体的には、滞留装置や滞留部材の配置は、例えば、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても大入賞口に遊技球が入賞しない配置(すなわち、攻略による不正入賞ができないような配置)であることが好ましい。
なお、変動入賞装置は、特別変動入賞装置38に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、普通変動入賞装置37であってもよい。
また、滞留装置は、普通変動入賞装置37に限定されず、適宜変更可能であり、前後方向等にスライド移動自在なスライド部材によって遊技球を滞留させる装置、回動軸によって回動自在に軸支されているシーソー部材によって遊技球を滞留させる装置、回転軸によって回転自在に軸支されている回転部材によって遊技球を滞留させる装置等、遊技球を滞留可能であれば、どのような構造のものであってもよい。また、滞留装置は、普通変動入賞装置37のような入賞口を備えるものに限定されない。また、滞留装置は、複数設けられていてもよい。
また、本実施形態の遊技機10は、小当り遊技状態を発生させる場合に、開閉部材990を閉状態から開状態に変換する特別変動入賞装置38を備えている。そして、特別変動入賞装置38は、開閉部材990が閉状態のときにおいて開閉部材990上に遊技球が滞留可能に構成されているとともに、開閉部材990が開状態のときにおいて開閉部材990上に滞留した遊技球が入賞可能に構成されている。これにより、開状態が短い小当りでも、開閉部材990に滞留していた遊技球が特別変動入賞装置38に入賞することで多くの遊技球を入賞させることができ、第2の特定遊技状態において効率良く出玉を増加させることができる構成となっている。
本実施形態の遊技機10において、第2の特定遊技状態で小当りRUSHが発生すると、第2始動入賞口97に入賞する毎に変動が開始される。図184に示すように低確率状態であっても高確率状態であっても特図2の小当り確率は極めて高く設定されており、かつ、第2の特定遊技状態では特図2変動表示ゲームの変動は短変動に設定されている。そのため、小当り動作が次々と発生することになる。
小当り遊技状態が発生すると、その1回の小当り遊技状態につき大入賞口を複数回開放することが可能である。1回の小当り遊技状態につき大入賞口を複数回開放する場合、例えば、小当り動作中(小当り遊技状態中)において、特別変動入賞装置38の大入賞口の開状態の時間は閉状態の時間よりも短く設定される。具体的には、例えば図183(c)に示すように、大入賞口の閉時間が1.0秒であるのに対して開時間を0.5秒とすることができる。
特別変動入賞装置38では、開閉部材990上の遊技球の流下勢が弱められる構成とされている。これにより、遊技球は開閉部材990上に滞留しやすくなっている。
このような構成において、小当りが高頻度で発生する小当りRUSHが発生すると、大入賞口の閉状態の時間が開状態の時間よりも長く設定される場合は、閉状態の時間に多くの遊技球を開閉部材990上に滞留させることができる。その後、開閉部材990が開状態とされるので、開閉部材990上で滞留していた多くの遊技球が大入賞口に一気に入賞することになる。これにより、小当りRUSHが発生すると、遊技者に対して多くの賞球を与えることができる。
このようにすることで、本実施形態のように確変ループタイプの遊技機10では、第1の特定遊技状態を抜けた後に第2の特定遊技状態において小当りRUSHを実行することができるので、はまればはまるほど遊技球を獲得できるとという新たな遊技性を実現することができる。
なお、所定の変動表示ゲームで小当りが発生し、この所定の変動表示ゲームの次の変動表示ゲームで小当りが発生する場合に、次の変動表示ゲームにおける識別情報の変動期間によって、遊技球の流下及び滞留状態を確保するための期間を確保することができる。これにより、小当り動作が2ゲーム続く場合に、後のゲームの変動時間を利用して、遊技球を開閉部材990の上に滞留させることができる。そして、開閉部材990上に滞留していた多くの遊技球を大入賞口に一気に入賞させて、遊技者に対して多くの賞球を与えることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、大当り遊技状態の終了後、第1の特定遊技状態において所定回数の変動表示ゲームが実行されると、小当り態様(第1特別結果)を導出可能な第2の特定遊技状態へと移行されるため、従来にない斬新な遊技状態遷移を行うことができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、小当りが多く割り振られた特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を効率良く変動させることができる。
また、本実施形態では、小当りである場合も大当りである場合も、図柄が確定(図柄が停止)する前に、当りの種類を報知する報知演出が実行されるよう構成されている。すなわち、小当りか大当りかを図柄停止前に報知するよう構成されている。これにより、小当りである場合も大当りである場合も、共通のタイミングで当りの種類を報知するため、遊技の興趣が高まるタイミング、報知を見るべきタイミングが分かりやすくなっている。
また、本実施形態では、第2の特定遊技状態(小当りRUSHモード)において、小当りに対応した予告演出(短めの演出)と、大当りに対応した予告演出(長めの演出)とを実行可能であり、演出の頻度は小当りに対応した予告演出の方が高くなっているとともに、演出の開始タイミングは大当りに対応した予告演出の方が早くなっている。大当りに対応した予告演出は、小当りに対応した予告演出よりも演出時間が長いため、時間調節等の都合上、大当りに対応した予告演出の開始タイミングは、小当りに対応した予告演出の開始タイミングよりも早くなっている。また、開始タイミングが早い方の予告演出の頻度を高めると、遊技者の変動に対する興味が早い段階で低下してしまう虞があるため、本実施形態では、開始タイミングが遅い方の予告演出(すなわち、小当りに対応した予告演出)の頻度が、開始タイミングが早い方の予告演出(すなわち、大当りに対応した予告演出)の頻度よりも高くなっている。
また、所謂ガセの演出として、大当りに対応した予告演出や小当りに対応した予告演出を実行可能であり、この場合、例えば、大当りに対応した予告演出(ガセの演出)→小当りに対応した予告演出(ガセの演出)→大当りに対応した予告演出(ガセではない演出)の順で実行することで、遊技者が注目し続ける予告演出を実行することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時変動する(通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間がとても長い)タイプの遊技機であってもよい。さらに、同時変動タイプの遊技機である場合、左打ちする遊技状態において、右打ちをして第2始動入賞口97に入賞し当該入賞に基づくゲームの結果が大当りである場合、特殊な演出(カウントダウン演出、特殊ゾーンに突入する演出等)を実行する、すなわちエラー報知演出(注意喚起演出)以外の演出を実行するよう構成することも可能である。このように構成することによって、無人状態での大当り発生が防止可能となる。
また、本実施形態では、特別変動入賞装置38が、大当り用の大入賞口及び小当り用の大入賞口として機能するよう構成したが、大当り用の大入賞口と小当り用の大入賞口とは、分かれていてもよい。
具体的には、例えば、図170に示す遊技機10において、特別変動入賞装置38の大入賞口38dを小当り用の大入賞口とし、右側遊技領域に設けられた一般入賞口35と流下路615との間に、大当り用の大入賞口や当該大入賞口を開閉する開閉部材を有する第2の特別変動入賞装置を設けてもよい。第2の特別変動入賞装置を有する開閉部材は、例えば、前後方向にスライド可能な部材であり、当該開閉部材の少なくとも上面(遊技球が転動・滞留する面)が摩擦係数の高い素材からなるため、当該開閉部材の上面が摩擦係数の低い材料からなる場合よりも当該開閉部材上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
すなわち、本実施形態の遊技機10において、特別遊技状態は、第1特別遊技状態(小当り遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態(大当り遊技状態)と、を少なくとも含み、第1特別遊技状態の発生に応じて遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な状態から遊技球が入賞可能な状態に変換可能な第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)と、第2特別遊技状態の発生に応じて遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な状態から遊技球が入賞可能な状態に変換可能な第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)と、を備え、第1変動入賞装置及び第2変動入賞装置は、遊技球を滞留させるための滞留機能(遊技球滞留機能)を有し、第1変動入賞装置よりも上流側に、第2変動入賞装置を配設するよう構成可能である。
このように構成することによって、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)よりも上流側に第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)が設けられているため、第1変動入賞装置における遊技球の滞留に加えて、第2変動入賞装置における遊技球の滞留や、第2変動入賞装置によって滞留された遊技球の行方にも遊技者の注目を集めることができ、滞留装置(第2変動入賞装置)による演出効果を的確に向上させることができる。
なお、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)の遊技球滞留機能は、起部(伏部や起伏であってもよい)を設けることによって生じる機能、すなわち表面に凹凸を設けることで生じる機能に限ることはなく、適宜変更可能である。
また、第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)の遊技球滞留機能は、摩擦係数の高い素材を用いることによって生じる機能に限ることはなく、適宜変更可能である。
また、遊技球滞留機能は、複数の構成を組み合わせることによって生じる機能であってもよい。すなわち、例えば、表面に凹凸を設けることと摩擦係数の高い素材を用いることとによって生じる機能であってもよい。
また、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)や第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)配置等は、適宜選択可能である。
また、本実施形態の遊技機10は、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)及び第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)と異なる第3変動入賞装置(例えば、普通変動入賞装置37)を更に備え、第3変動入賞装置は、開閉部材(例えば、可動部材37b)が動作することによって遊技球が入賞可能な入賞領域(例えば、普電入賞口37d)と、遊技球を滞留させるための滞留領域(例えば、迂回路37g)とを有し、第1変動入賞装置が状態変換する期間(開閉部材990の動作開始から動作終了までの期間)の長さを、開閉部材が動作する期間(可動部材37dの動作開始から動作終了までの期間)の長さ以下とするよう構成することが可能である。
このように構成することによって、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)よりも上流側に、遊技球滞留機能を具備した第2変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)と、遊技球滞留機能を具備した第3変動入賞装置(例えば、普通変動入賞装置37)が設けられているため、通常遊技状態時の攻略による不正入賞を効果的に防止することができる。
なお、例えば図183(a)〜(c)に示すように、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了まで期間の長さである「1.8秒」や「3.5秒」は、可動部材37dの動作開始から動作終了までの期間の長さである「5800m秒」よりも短く設定されている。すなわち、本実施形態では、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了まで期間の長さは、可動部材37dの動作開始から動作終了までの期間の長さ未満であるが、これら期間の長さは、これに限定されない。具体的には、例えば、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了まで期間の長さ(あるいは、当該時間に小当り残存球処理時間を加えた期間の長さであってもよい)は、可動部材37dの動作開始から動作終了までの期間の長さと同一であってもよい。
また、第1変動入賞装置における遊技球の滞留時間と、第2変動入賞装置における遊技球の滞留時間と、第3変動入賞装置における遊技球の滞留時間とは、全て同じであってもよいし、全て異なってもよいし、何れか2つは同じで残りの1つは異なっていてもよい。
具体的は、例えば、[1]滞留時間が、第2変動入賞装置>第1変動入賞装置≧第3変動入賞装置又は第2変動入賞装置>第3変動入賞装置>第1変動入賞装置である場合、すなわち第2変動入賞装置における遊技球の滞留時間が最も長い場合には、第2変動入賞装置は右側遊技領域の中腹に配設されているため、右側遊技領域の中腹における遊技球の転動態様を楽しむことができる。さらに、滞留時間の組合せが[1]の場合には、小当り用の大入賞口を有する第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)よりも上流側にある第2変動入賞装置にて遊技球を長く滞留することができるため、遊技球が第1変換入賞装置に到着するタイミングを遅らせることができる。開閉部材990の動作終了直後に第1変動入賞装置に到着した遊技球は、開閉部材990の動作開始前に開閉部材990から落下してしまう(第1変動入賞装置への入賞に失敗してしまう)可能性が高いが、第2変動入賞装置によって遊技球が第1変換入賞装置に到着するタイミングを遅らせることによって、開閉部材990の動作終了直後に第1変動入賞装置に到着する遊技球を減らすことができるため、小当り遊技状態でより出玉を獲得できる。
また、例えば、[2]滞留時間が、第3変動入賞装置>第2変動入賞装置>第1変動入賞装置である場合には、球詰まりしにくくなる。すなわち、遊技領域の下流側よりも上流側の方が球威を抑える必要が高く、従来の遊技機では上流側により多くの滞留部材(障害釘や風車など)を配設して球威を抑えていた。これに対し、滞留時間の組合せが[2]の場合には、最も上流側に配設されている第3変動入賞装置における遊技球の滞留時間が最も長く、上流側における球威を第3変動入賞装置によって抑えることができ、球威を抑制するためだけに配設される滞留部材の数を減少させることができるため、球詰まりしにくくなる。さらに、滞留時間の組合せが[2]の場合には、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)よりも上流側にある第2変動入賞装置及び第3変動入賞装置の遊技球滞留機能によって、遊技球が第1変動入賞装置に到着するまでの時間をより長引かせることができるため、通常遊技状態時の攻略による不正入賞をより効果的に防ぐことができる。
また、例えば、[3]滞留時間が、第2変動入賞装置及び第3変動入賞装置>第1変動入賞装置である場合には、第1変動入賞装置(特別変動入賞装置38)よりも上流側にある第2変動入賞装置及び第3変動入賞装置の遊技球滞留機能によって、遊技球が第1変動入賞装置に到着するまでの時間をより長引かせることができるため、通常遊技状態時の攻略による不正入賞をより効果的に防ぐことができる。
滞留時間の組合せとして上記[1]〜[3]の何れも採用可能であり、採用した組合せに対応して、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターン(大入賞口を開くタイミングや大入賞口を閉じている時間など)等が設定される。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。