[1]超音波流量スイッチの概略構成
以下、本発明の一実施の形態に係る超音波流量スイッチ(以下、流量スイッチと略記する。)について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る流量スイッチの外観斜視図である。図2は、図1の流量スイッチ1の内部構成を示す模式的横断面図である。図1に示すように、流量スイッチ1は、クランプ部100およびセンサ部400により構成される。
クランプ部100は、上クランプ部材200および下クランプ部材300を含む。クランプ部100は、上クランプ部材200および下クランプ部材300により配管2を挟み込むように配置される。これにより、クランプ部100が配管2の外周面に取り付けられる。図1および図2の例では、配管2の内径はdである。本実施の形態においては、センサ部400は、2個のセンサ固定ねじ410によりクランプ部100の上クランプ部材200に固定される。
図2に示すように、センサ部400は、筐体部500、結合部600、超音波制御機構700および電子回路部800を含む。筐体部500は、上筐体部510、下筐体部520および経路部材530を含む。上筐体部510は、透明部材により形成された窓部511を上面に有する。下筐体部520の上部に上筐体部510が取り付けられるとともに、下筐体部520の下部に経路部材530が取り付けられる。これにより、筐体部500の内部に水および油等の液体が浸入不可能な空間が形成される。
結合部600は、固体形状の音響カプラント610および後述する保持部材620(図14および図20参照)を含む。音響カプラント610は、筐体部500の経路部材530と配管2との間に配置される。保持部材620は、音響カプラント610を筐体部500の下筐体部520に保持する。
筐体部500の内部に超音波制御機構700が収容される。超音波制御機構700は、2個の超音波素子710,720、超音波遮蔽板730および2個の充填部材740,750を含む。超音波素子710は、配管2に対して所定の角度を成すように配置され、音響接合剤711により経路部材530に接合される。同様に、超音波素子720は、配管2に対して所定の角度を成すように配置され、音響接合剤721により経路部材530に接合される。
超音波遮蔽板730は、経路部材530を貫通するように超音波素子710,720間に配置される。充填部材740,750は互いに異なる部材により形成される。充填部材740は、超音波素子710,720の周囲を取り囲むように配置される。充填部材750は、充填部材740の上方に配置される。超音波遮蔽板730および充填部材740,750の詳細については後述する。
上記の配置においては、超音波素子710により送信された超音波は、経路部材530および音響カプラント610を通して入射角θで配管2内の流体に入射される。流体を通過した超音波は、反射角θで配管2の内面で反射され、音響カプラント610および経路部材530を通して超音波素子720により受信される。
同様に、超音波素子720により送信された超音波は、経路部材530および音響カプラント610を通して入射角θで配管2内の流体に入射される。流体を通過した超音波は、反射角θで配管2の内面で反射され、音響カプラント610および経路部材530を通して超音波素子710により受信される。
電子回路部800は、制御部811、記憶部812、表示部821、接続部830、操作部840および表示ランプ850を含む。制御部811、記憶部812および表示部821は、筐体部500の内部に収容される。接続部830、操作部840および表示ランプ850は、筐体部500の上筐体部510の上面に設けられる。
記憶部812には、流量スイッチ1を動作させるための種々のデータおよびプログラムが記憶される。制御部811は、記憶部812に記憶されたデータおよびプログラムに基づいて、超音波素子710,720、表示部821および表示ランプ850の動作を制御する。また、制御部811は、接続部830およびケーブル3を通して図示しない外部装置に接続される。
本実施の形態においては、制御部811は時間差Δtを測定する。時間差Δtは、超音波素子710により送信された超音波が超音波素子720により受信されるまでの時間と超音波素子720により送信された超音波が超音波素子710により受信されるまでの時間との差である。測定された時間差Δtに基づいて、制御部811は、配管2内を流れる流体の速度Vfを下記式(1)により算出するとともに、配管2内を流れる流体の流量Qを下記式(2)により算出する。
ここで、dは配管2の内径であり、θは超音波の入射角であり、V
sは超音波の速度である。Kは、配管2の断面内で所定の分布を有する流体の速度を平均速度に換算するための流量補正係数である。入射角θ、速度V
sおよび流量補正係数Kは既知である。使用者は、操作部840を操作することにより、配管2の内径dを記憶部812に記憶させることができる。また、使用者は、操作部840を操作することにより、流量のしきい値を記憶部812に記憶させることができる。
制御部811は、上記式(2)により算出された流量Qを記憶部812に記憶されたしきい値と比較し、比較結果に基づいてオンオフ信号を出力する。オンオフ信号は、接続部830に接続された外部装置のオン状態とオフ状態とを切り替えるための信号である。表示ランプ850は、外部装置のオン状態とオフ状態とを識別可能に点灯する。
表示部821は、上筐体部510の窓部511に近接する位置に配置される。表示部821には、上記式(1)により算出された流体の速度Vf、上記式(2)により算出された流量Qまたは記憶部812に記憶されたしきい値等の種々の情報を表示することができる。
[2]クランプ部
(1)上クランプ部材
図3は、上クランプ部材200の斜視図である。図4は、上クランプ部材200の端面図および縦断面図である。図5は、上クランプ部材200の平面図である。図6は、上クランプ部材200の側面図である。図4(b)は、図5(a)の上クランプ部材200のA−A線断面図を示す。以下、図3〜図6を参照して上クランプ部材200の構成を説明する。
図3に示すように、上クランプ部材200は、固定部分210および可動部分220により構成される。固定部分210は、図1の配管2に固定される。可動部分220は、固定部分210に対して移動可能に設けられる。本実施の形態においては、可動部分220は、固定部分210に対してスライドすることにより移動可能である。
図5(a)および図6(a)は可動部分220をスライドさせないときの上クランプ部材200を示し、図5(b)および図6(b)は可動部分220をスライドさせたときの上クランプ部材200を示す。図5(b)および図6(b)における可動部分220の位置を第1の位置と呼び、図5(a)および図6(a)における可動部分220の位置を第2の位置と呼ぶ。
固定部分210は、上面部230、2個の端面部240、2個の側面部250および2個の当接部260を含む。本実施の形態においては、上面部230、2個の端面部240、2個の側面部250および2個の当接部260は、金属等の剛性が高い部材により一体的に形成される。
上面部230は、平面視において一方向に延びる矩形枠状を有する。以下、平面視における上面部230の長手方向を流量スイッチ1の長手方向と呼び、上面部230の幅方向を流量スイッチ1の幅方向と呼び、長手方向および幅方向に直交する方向を流量スイッチ1の上下方向と呼ぶ。流量スイッチ1が配管2に取り付けられた状態で、流量スイッチ1の長手方向が配管2の軸心方向(配管2が延びる方向)と一致し、流量スイッチ1の幅方向が配管2の周方向と略一致し、流量スイッチ1の上下方向が配管2の半径方向と一致する。
図3および図5(a),(b)に示すように、長手方向における上面部230の両端部には、上下方向に貫通するねじ孔231がそれぞれ形成される。各ねじ孔231には、図2のセンサ固定ねじ410が螺合する。上面部230の長手方向における両端部の内周面には、切欠部232が形成される。各切欠部232には、下方に突出する突出部233が形成される。これにより、上面部230の長手方向における両端部の内周面には、突出部233を挟むように2個の凹部234が形成される。
図3および図6(a),(b)に示すように、2個の端面部240は、長手方向における上面部230の両端部からそれぞれ下方に延びる。図4(a)に示すように、各端面部240には、下方に開口する多角形状の切欠部241が形成される。これにより、切欠部241内における端面部240の切り口に複数の切断面が現れる。本例においては、各端面部240に2個の垂直切断面211、1個の水平切断面212および2個の傾斜切断面213が現れる。
2個の垂直切断面211は、端面部240の下部から上方に垂直に延びる。2個の垂直切断面211の幅方向の間隔は、配管2の外径よりも大きい。水平切断面212は、2個の垂直切断面211間の上方で幅方向に水平に延びる。水平切断面212の幅方向における長さは、配管2の外径よりも小さい。一方の傾斜切断面213は、一方の垂直切断面211の上部から水平切断面212の一端部まで傾斜するように延びる。他方の傾斜切断面213は、他方の垂直切断面211の上部から水平切断面212の他端部まで傾斜するように延びる。
図3および図4(a),(b)に示すように、2個の側面部250は、幅方向における上面部230の両端部からそれぞれ下方に延びる。図4(b)に示すように、2個の当接部260は、2個の側面部250にそれぞれ対応して設けられる。各当接部260は、水平部261および傾斜部262を含む。水平部261は、対応する側面部250の下端部から屈曲するように内方に水平に延びる。傾斜部262は、水平部261の端部から傾斜するように内方に斜め上方に延びる。
一方および他方の傾斜部262の傾斜角度は、端面部240の一方および他方の傾斜切断面213の傾斜角度とそれぞれ略等しい。上クランプ部材200が配管2に取り付けられていない状態においては、一方および他方の傾斜部262の下面は、端面部240の一方および他方の傾斜切断面213よりもわずかに内下方に突出する。これにより、一方および他方の傾斜部262の下面は配管2の外周面に当接可能である。
図4(b)および図6(a),(b)に示すように、各水平部261には、上下方向に貫通する複数の貫通孔263が形成される。本例では、各水平部261には、2個の貫通孔263が所定の距離を隔てて長手方向に並ぶように形成される。水平部261の複数の貫通孔263には、上方から複数のクランプ固定ねじ110がそれぞれ挿通される。
本例では、図5(b)および図6(b)に示すように、可動部分220を第1の位置にスライドさせることにより、上方から複数の貫通孔263が視認可能となる。この状態で、複数の貫通孔263に複数のクランプ固定ねじ110がそれぞれ挿通される。可動部分220が第1の位置にある状態では、センサ部400を上クランプ部材200に取り付けることができない。そのため、図1のセンサ部400を上クランプ部材200に取り付ける際には、図5(a)および図6(a)に示すように、可動部分220は第2の位置に戻される。
各クランプ固定ねじ110には、姿勢維持機構120が設けられる。各姿勢維持機構120は、円環状部材121およびばね部材122を含む。円環状部材121は、水平部261の貫通孔263にクランプ固定ねじ110が挿通された状態で、上下方向におけるクランプ固定ねじ110の略中央部に固定される。ばね部材122は螺旋形状を有し、ばね部材122の外径は円環状部材121の外径よりも小さい。ばね部材122は、水平部261と円環状部材121との間で、水平部261および円環状部材121を付勢するように配置される。
この構成によれば、長手方向または幅方向が垂直方向を向くように上クランプ部材200を配置した場合でも、複数のクランプ固定ねじ110は姿勢維持機構120により水平部261に対して略垂直に維持される。これにより、上クランプ部材200を垂直方向に延びる配管2に取り付ける場合でも、複数のクランプ固定ねじ110を下クランプ部材300の後述する複数のねじ孔に容易に螺合させることができる。
(2)下クランプ部材
図7は、下クランプ部材300の斜視図である。図8は、下クランプ部材300の端面図である。図9は、下クランプ部材300の平面図である。図10は、下クランプ部材300の側面図である。以下、図7〜図10を参照して下クランプ部材300の構成を説明する。
図7に示すように、下クランプ部材300は、底面部310、2個の端面部320および2個の側面部330を含む。本実施の形態においては、底面部310、2個の端面部320および2個の側面部330は、金属等の剛性が高い部材により一体的に形成される。
図7および図8に示すように、底面部310は、長手方向に延びる湾曲形状を有する。底面部310の上面の曲率は、配管2の外周面の曲率よりも大きい。そのため、底面部310の湾曲した上面には、図1の配管2の外周面が当接可能である。図7および図9に示すように、2個の側面部330は、幅方向における底面部310の両端部にそれぞれ設けられる。各側面部330は、2個の突出片331、2個の突出片332および1個の傾斜片333を含む。
図9および図10においては、各側面部330の2個の突出片331をそれぞれ突出片331A,331Bと呼び、2個の突出片332をそれぞれ突出片332A,332Bと呼ぶ。図9および図10に示すように、各側面部330において、突出片331A、突出片332B、傾斜片333、突出片331Bおよび突出片332Aが長手方向にこの順で並ぶように配置される。
図7〜図10に示すように、各端面部320は、2個の突出片321を含む。一方の端面部320の2個の突出片321は、2個の突出片331Aの長手方向における一端部からそれぞれ上方に突出するように設けられる。他方の端面部320の2個の突出片321は、2個の突出片332Aの長手方向における他端部からそれぞれ上方に突出するように設けられる。
図9に示すように、各側面部330の突出片331A,331Bは、幅方向における底面部310の両端部から外方に水平に突出する。各側面部330の突出片332A,332Bは、幅方向における底面部310の両端部から外方に水平に突出する。各側面部330の傾斜片333は、幅方向における底面部310の両端部から外上方に傾斜するように突出する。
図10に示すように、突出片331A,331Bは、互いに略等しい高さに位置する。突出片332A,332Bは、突出片331A,331Bよりも下方において、互いに略等しい高さに位置する。図9に示すように、各突出片331A,331Bには、上下方向に貫通するねじ孔331hが形成される。各突出片332A,332Bには、上下方向に貫通するねじ孔332hが形成される。
各側面部330における突出片331A,331Bのねじ孔331h間の間隔は、図6(a)の上クランプ部材200の一方の水平部261における2個の貫通孔263間の間隔と等しい。各側面部330における突出片332A,332Bのねじ孔332h間の間隔は、図6(a)の上クランプ部材200の一方の水平部261における2個の貫通孔263間の間隔と等しい。
以下、図9および図10に示すように、突出片331Aが長手方向における一端に位置し、突出片332Aが長手方向における他端に位置するときの下クランプ部材300の向きを第1の向きと呼ぶ。一方、図9および図10とは反対に、突出片331Aが長手方向における他端に位置し、突出片332Aが長手方向における一端に位置するときの下クランプ部材300の向きを第2の向きと呼ぶ。作業者は、下クランプ部材300を上下方向に平行な軸を中心に180度回転させることにより、下クランプ部材300の向きを第1の向きまたは第2の向きに配置することができる。
上記の構成によれば、下クランプ部材300を第1の向きに配置した状態で上クランプ部材200および下クランプ部材300により配管2を挟み込んだ場合、図6(a)の複数のクランプ固定ねじ110が複数のねじ孔331hにそれぞれ螺合する。一方、下クランプ部材300を第2の向きに配置した状態で上クランプ部材200および下クランプ部材300により配管2を挟み込んだ場合、図6(a)の複数のクランプ固定ねじ110が複数のねじ孔332hにそれぞれ螺合する。
ここで、突出片331と突出片332とは異なる高さに位置する。すなわち、図6(a)の貫通孔263からねじ孔331hまでの上下方向の距離と、図6(a)の貫通孔263からねじ孔332hまでの上下方向の距離とは互いに異なる。そのため、配管2の外径に応じて下クランプ部材300を配置する向きを第1の向きと第2の向きとで適切に選択することにより、下クランプ部材300を配管2により容易にかつ適切に取り付けることができる。
[3]センサ部
上記のように、センサ部400は、筐体部500、結合部600、超音波制御機構700および電子回路部800を含む。図11は、センサ部400の斜視図である。図12は、センサ部400の端面図である。図13は、センサ部400の平面図である。図14は、センサ部400の底面図である。図15は、センサ部400の側面図である。図16は、図13のセンサ部400のB−B線断面図である。
筐体部500は、上筐体部510、下筐体部520および経路部材530に加えて、複数のシール部材、複数の補強部材および複数のねじ部材により構成される。図17は、筐体部500の上筐体部510および電子回路部800の斜視図である。図18は、下筐体部520の斜視図である。図19は、経路部材530および超音波制御機構700の斜視図である。図20は、結合部600の斜視図である。以下、図11〜図20を参照してセンサ部400の各部の構成を説明する。
(1)筐体部
(a)上筐体部
上筐体部510は、例えば樹脂により形成される。図11、図16および図17に示すように、上筐体部510は、平面視において長手方向に延びる略矩形状を有する。上筐体部510には、上下方向に貫通する2個のねじ用開口512が形成される。2個のねじ用開口512は、長手方向における上筐体部510の両端部に配置される。各ねじ用開口512は、上方から挿通されたセンサ固定ねじ410のねじ頭を上筐体部510内に埋め込みつつ係止するための座ぐり(counterbore)を含む。2個のセンサ固定ねじ410は、2個のねじ用開口512内でそれぞれ回転可能に固定される。
図12、図13および図15に示すように、長手方向における上筐体部510の両端部の下面の各々には、上下方向に延びる有底形状の2個のねじ孔517が形成される。各ねじ孔517は、幅方向における上筐体部510の略中央部に配置される。図12および図13に示すように、2個のねじ孔517は、ねじ用開口512を挟んで幅方向に並ぶように配置される。
また、図11、図16および図17に示すように、上筐体部510には、上下方向に貫通する表示部用開口513、接続部用開口514、操作部用開口515およびランプ用開口516が形成される。表示部用開口513は、長手方向における上筐体部510の略中央部に配置される。接続部用開口514は、一方のねじ用開口512と表示部用開口513との間に配置される。操作部用開口515およびランプ用開口516は、他方のねじ用開口512と表示部用開口513との間において、長手方向に並ぶように配置される。
表示部用開口513は、略矩形状を有する。表示部用開口513の内周面には、内方に突出する表示部用フランジ513Fが形成される。表示部用フランジ513Fの上面と窓部511の下面の縁部との間に表示部用シール部材541が配置される。この状態で、表示部用開口513に上方から窓部511が嵌め込まれる。
接続部用開口514は、略円形状を有する。接続部用開口514の内周面には、内方に突出する接続部用フランジ514Fが形成される。電子回路部800の接続部830は、略円筒形状の外周面を有する。接続部用開口514の外周面には、外方に突出するフランジ部831が形成される。接続部用フランジ514Fの上面と接続部830のフランジ部831の下面との間に接続部用シール部材542が配置される。この状態で、接続部用開口514に上方から接続部830が嵌め込まれる。
操作部用開口515は、略矩形状を有する。操作部用開口515の内周面には、内方に突出する操作部用フランジ515Fが形成される。ランプ部用フランジ516Fの上面と電子回路部800の操作部840の下面との間に操作部用シール部材543が配置される。この状態で、操作部用開口515に上方から操作部840が嵌め込まれる。
ランプ用開口516は、略矩形状を有する。ランプ用開口516の内周面には、内方に突出するランプ用フランジ516Fが形成される。操作部用フランジ515Fの上面と電子回路部800の表示ランプ850の下面の縁部との間にランプ用シール部材544が配置される。この状態で、ランプ用開口516に上方から表示ランプ850が嵌め込まれる。
(b)下筐体部
下筐体部520は、例えば樹脂により形成される。図16および図18に示すように、下筐体部520は、嵌合部521、外フランジ部522および内フランジ部523を含む。図12および図14に示すように、嵌合部521は、2個の嵌合側面部521Aおよび2個の嵌合端面部521Bを有する。2個の嵌合側面部521Aは、それぞれ幅方向における嵌合部521の両端の側面部である。2個の嵌合端面部521Bは、それぞれ長手方向における嵌合部521の両端の端面部である。嵌合部521の上部および下部は開口している。
各嵌合側面部521Aの外周面は、図5(a)の上クランプ部材200の幅方向における上面部230の内周面に嵌合する形状を有する。図18に示すように、各嵌合側面部521Aの下部には、筐体部500に結合部600を取り付けるための複数の鉤状の掛止部529が形成される。各嵌合端面部521Bは、幅方向に並ぶ2個の凸部524を有する。各2個の凸部524は、上下方向に延びかつ長手方向における外方に突出する。複数の凸部524は、図5(a)の上面部230の複数の凹部234にそれぞれ嵌合する。
本実施の形態においては、嵌合端面部521Bの下端面は、嵌合側面部521Aの下端面よりも下方に突出する。そのため、流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、各嵌合端面部521Bの下端面は配管2に接触する。そこで、図11、図12、図14および図18に示すように、各嵌合端面部521Bには、下端面を補強するための配管接触面補強板金551が取り付けられる。
各配管接触面補強板金551は、断面J字形状を有する。各配管接触面補強板金551は、嵌合端面部521Bの外周面における2個の凸部524の間から嵌合端面部521Bの下端面を通って嵌合端面部521Bの内周面に回り込むように配置される。
図11、図12、図14〜図16および図18に示すように、外フランジ部522は、嵌合部521の上部から外方に突出する。長手方向における外フランジ部522の両端部の上面の各々には、2個のねじ孔525、ねじ用開口526および2個のねじ用開口527が形成される。各ねじ用開口526は、幅方向における外フランジ部522の略中央部に配置される。図12および図16に示すように、複数のねじ用開口526は、上下方向に貫通し、上筐体部510の複数のねじ用開口512とそれぞれ連通する。
図18に示すように、各2個のねじ孔525は、ねじ用開口526を挟んで幅方向に並ぶように配置される。複数のねじ孔525は、外フランジ部522の上端面に形成され、上下方向に延びる有底形状を有する。
各2個のねじ用開口527は、2個のねじ孔525およびねじ用開口526を挟んで幅方向に並ぶように配置される。図12および図15に示すように、複数のねじ用開口527は、上下方向に貫通し、上筐体部510の複数のねじ孔517にそれぞれ連通する。各ねじ用開口527は、下方から挿通された後述する筐体固定ねじ501のねじ頭を外フランジ部522内に埋め込みつつ係止するための座ぐりを含む。
図11、図15、図16および図18に示すように、外フランジ部522には、上端面を補強するための下筐体部補強板金552が取り付けられる。下筐体部補強板金552は、外フランジ部522の上端面および幅方向における外フランジ部522の両端の側面部を覆うように配置される。
図18に示すように、長手方向における下筐体部補強板金552の各端部には、上下方向に貫通する2個のねじ用開口552a、ねじ用開口552bおよび2個のねじ用開口552cが形成される。複数のねじ用開口552aは、外フランジ部522の複数のねじ孔525にそれぞれ重なるように配置される。複数のねじ用開口552bは、外フランジ部522の複数のねじ用開口526にそれぞれ重なるように配置される。複数のねじ用開口552cは、外フランジ部522の複数のねじ用開口527にそれぞれ重なるように配置される。
複数の板金固定ねじ502が上方から下筐体部補強板金552の複数のねじ用開口552aにそれぞれ挿通される。この状態で、各板金固定ねじ502が外フランジ部522の対応するねじ孔525に螺合する。これにより、下筐体部補強板金552が外フランジ部522に取り付けられる。
図16および図18に示すように、外フランジ部522の上端面の内縁には、筐体間シール部材545が配置される。次に、外フランジ部522に上方から上筐体部510が配置される。その後、図14に示すように、複数の筐体固定ねじ501が複数のねじ用開口512にそれぞれ挿通される。
この状態で、各筐体固定ねじ501が、下筐体部補強板金552のねじ用開口552cを通って、対応するねじ孔517に螺合する。これにより、上筐体部510が下筐体部520に取り付けられる。図11、図12、図15および図16に示すように、上筐体部510の各ねじ用開口512に挿通されたセンサ固定ねじ410の先端は、ねじ用開口526を通って外フランジ部522よりも下方に突出する。
図16および図18に示すように、内フランジ部523は、嵌合部521の内周面から内方に突出する。図14に示すように、内フランジ部523の下面の外縁には、下方に突出する複数(本例では3個)の位置決め用突起523a,523b,523cが形成される。2個の位置決め用突起523a,523bは、長手方向に並ぶように、幅方向における内フランジ部523の一端部に配置される。1個の位置決め用突起523cは、幅方向における内フランジ部523の他端部に配置される。
また、内フランジ部523の下面の外縁には、上下方向に延びるように、有底形状を有する複数のねじ孔528が形成される。複数のねじ孔528のうち半数のねじ孔528が、長手方向に並ぶように、幅方向における内フランジ部523の一端部に配置される。残りの半数のねじ孔528が、長手方向に並ぶように、幅方向における内フランジ部523の他端部に配置される。内フランジ部523の下面の内縁には、筐体経路間シール部材546が配置される。内フランジ部523の下面には、経路部材530が取り付けられる。詳細は後述する。
(c)経路部材
経路部材530は、非金属でかつ高い剛性および高い音響透過性を有する材料により形成される。また、経路部材530は、高い耐環境性を有する材料により形成されることが好ましい。本例では、経路部材530は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂またはULTEM(登録商標)樹脂により形成される。
図16および図19に示すように、経路部材530は、底面部531および外フランジ部532を含む。底面部531は、平面視において長手方向に延びる略矩形状を有する。底面部531の下面は、平面形状を有する。底面部531の下面を配管結合面530Cと呼ぶ。
底面部531の上面には、長手方向に並ぶように、上方に突出する2個の突出構造533,534が形成される。また、底面部531には、幅方向に延びるように、突出構造533,534間を上下方向に貫通する遮蔽板用開口535が形成される。遮蔽板用開口535には、超音波制御機構700の超音波遮蔽板730が嵌め込まれる。
この場合、配管2内を流れる流体中を伝播せずに超音波素子710から超音波素子720へ超音波が向かうことが防止される。同様に、配管2内を流れる流体中を伝播せずに超音波素子720から超音波素子710へ超音波が向かうことが防止される。これにより、配管2内の流体の流量をより正確に算出することができる。
突出構造533は、長手方向において斜め上外方を向く傾斜面を有する。突出構造534は、長手方向において斜め上外方を向く傾斜面を有する。突出構造533,534の傾斜面をそれぞれ素子結合面530A,530Bと呼ぶ。
具体的には、素子結合面530Aは、長手方向において素子結合面530Bに最も近い端部a1と、長手方向において素子結合面530Bから最も遠い端部a2とを有する。素子結合面530Aは、端部a2が端部a1よりも配管に近くなるように傾斜する。素子結合面530Bは、長手方向において素子結合面530Aに最も近い端部b1と、長手方向において素子結合面530Aから最も遠い端部b2とを有する。素子結合面530Bは、端部b2が端部b1よりも配管に近くなるように傾斜する。
素子結合面530Aには、超音波制御機構700の超音波素子710が接合される。素子結合面530Bには、超音波制御機構700の超音波素子720が接合される。この場合、超音波素子710は、配管2に対して傾斜した状態で配管2内の流体に超音波を送信するように配置される。超音波素子720は、配管2に対して傾斜した状態で配管2内の流体を伝播した超音波を受信するように配置される。これにより、配管2内の流体への超音波の送信および配管2内の流体を伝播した超音波の受信を効率よく行うことができる。
このように、超音波素子710,720を共通の経路部材530により支持可能である。これにより、部品コスト、製造コストおよび組立コストがより低減される。また、流量スイッチ1の組立工程をより単純化することができる。さらに、流量スイッチ1を小型化することができる。
外フランジ部532は、幅方向における底面部531の両端部の上部から外方に突出する。外フランジ部532には、上下方向に貫通する複数(本例では3個)の位置決め用開口536a,536b,536cが形成される。2個の位置決め用開口536a,536bは、長手方向に並ぶように、幅方向における外フランジ部532の一端部に配置される。1個の位置決め用開口536cは、幅方向における外フランジ部532の他端部に配置される。複数の位置決め用開口536a〜536cは、内フランジ部523の複数の位置決め用突起523a〜523c(図14)にそれぞれ対応する。
経路部材530の下方に矩形枠状を有する経路固定用板金553が配置される。経路部材530の底面部531は、経路固定用板金553の内周面に嵌合する。また、経路部材530の外フランジ部532の下面は、幅方向における経路固定用板金553の両端部の上面に接触する。
幅方向における経路固定用板金553の両端部には、上下方向に貫通する複数のねじ用開口553aが形成される。複数のねじ用開口553aのうち半数のねじ用開口553aが、長手方向に並ぶように、幅方向における経路固定用板金553の一端部に配置される。残りの半数のねじ用開口553aが、長手方向に並ぶように、幅方向における経路固定用板金553の他端部に配置される。複数のねじ用開口553aは、内フランジ部523の複数のねじ孔528(図14)にそれぞれ対応する。
図14の内フランジ部523の複数の位置決め用突起523a〜523cが上方から経路部材530の位置決め用開口536a〜536cにそれぞれ嵌め込まれる。この場合、内フランジ部523の下面と経路部材530の外フランジ部532の上面との間に筐体経路間シール部材546(図18)が配置される。
複数の板金固定ねじ503が下方から経路固定用板金553の複数のねじ用開口553aにそれぞれ挿通される。この状態で、各板金固定ねじ503が内フランジ部523の対応するねじ孔528に螺合する。これにより、経路部材530および経路固定用板金553が下筐体部520に取り付けられる。
上記の構成においては、内フランジ部523の複数の位置決め用突起523a〜523cと経路部材530の位置決め用開口536a〜536cとにより位置決め機構が構成される。この構成によれば、経路部材530を長手方向において正常な向きとは反対の向きで下筐体部520に取り付けることできない。そのため、経路部材530を長手方向において正常な向きで容易に下筐体部520に取り付けることができる。
上記の取り付け作業により、内部に空間を有する筐体部500が完成する。筐体部500における複数の部材の接合部分には、表示部用シール部材541、接続部用シール部材542、操作部用シール部材543、ランプ用シール部材544、筐体間シール部材545および筐体経路間シール部材546が設けられる。そのため、筐体部500の内部の空間に水および油等の液体が浸入することが防止される。
(2)結合部
図14および図20に示すように、結合部600は、音響カプラント610および保持部材620を含む。音響カプラント610は、高分子ゴムまたはゲル状物質等からなる軟質弾性体材料により形成される。
音響カプラント610は、図16の経路部材530の音響インピーダンス値と配管2の音響インピーダンス値との間の音響インピーダンス値を有することが好ましい。これにより、音響カプラント610と配管2との間、および音響カプラント610と経路部材530との間での超音波の反射をより小さくすることができる。その結果、超音波素子710,720による超音波の送信効率および受信効率を向上させることができる。
音響カプラント610は、底面部611および外フランジ部612を含む。底面部611は、平面視において長手方向に延びる略矩形状を有する。長手方向における底面部621の略中央部には、幅方向に延びるスリット613が形成される。
外フランジ部612は、幅方向における底面部611の両端部の上部から外方に突出する。外フランジ部612には、上下方向に貫通する複数の位置決め用開口614が形成される。複数の位置決め用開口614のうち半数の位置決め用開口614が、長手方向に並ぶように、幅方向における外フランジ部612の一端部に配置される。残りの半数の位置決め用開口614が、長手方向に並ぶように、幅方向における外フランジ部612の他端部に配置される。
保持部材620は、例えば樹脂により形成される。保持部材620は、底面部621および2個の側面部622を含む。底面部621は、平面視において長手方向に延びる略矩形状を有する。幅方向における底面部621の中央部には、長手方向に延びるカプラント用開口623が形成される。
底面部621には、上方に突出する複数の位置決め用突起624が形成される。複数の位置決め用突起624のうち半数の位置決め用突起624が、長手方向に並ぶように、幅方向における底面部621の一端部に配置される。残りの半数の位置決め用突起624が、長手方向に並ぶように、幅方向における底面部621の他端部に配置される。複数の位置決め用突起624は、音響カプラント610の複数の位置決め用開口614にそれぞれ対応する。
2個の側面部622は、幅方向における底面部621の両端部からそれぞれ上方に延びるように設けられる。各側面部622の内面には、複数の鉤状の掛止部625が形成される。2個の側面部622の複数の掛止部625は、下筐体部520の複数の掛止部529(図18)にそれぞれ対応する。
底面部621の複数の位置決め用突起624が下方から底面部611の位置決め用開口614にそれぞれ嵌め込まれる。また、底面部611が上方から底面部621のカプラント用開口623に嵌め込まれる。これにより、音響カプラント610が保持部材620に固定され、結合部600が完成する。この状態で、2個の側面部622の複数の掛止部625と下筐体部520の複数の掛止部529(図18)とがそれぞれ互いに結合される。これにより、筐体部500に結合部600が取り付けられる。
この構成においては、音響カプラント610が保持部材620により下筐体部520に保持される。音響カプラント610の底面部611の上面は、経路部材530の配管結合面530C(図16)に密着する。また、音響カプラント610の底面部611の下面は、保持部材620の底面部621の下面よりも下方に突出する。作業者は、音響カプラント610を筐体部500とともに扱うことができるので、流量スイッチ1の取り扱い性が向上する。また、流量スイッチ1の取り付け作業の効率が向上する。
(3)超音波制御機構
超音波制御機構700は、筐体部500の内部に収容される。図16に示すように、超音波制御機構700は、2個の超音波素子710,720、超音波遮蔽板730および2個の充填部材740,750を含む。2個の超音波素子710,720は、それぞれ平板形状を有する。
また、超音波制御機構700は、超音波素子710に対応する音響接合剤711(図2)、素子裏音波遮断部材712および素子固定部材713を含む。さらに、超音波制御機構700は、超音波素子720に対応する音響接合剤721(図2)、素子裏音波遮断部材722および素子固定部材723を含む。本実施の形態においては、音響接合剤711,721は微小なフィラーが分散されたグリスである。素子裏音波遮断部材712,722は、発泡ゴムにより形成される。素子裏音波遮断部材712,722は、例えば多孔質材料により形成されてもよい。
超音波素子710の一面が、音響接合剤711により経路部材530の素子結合面530A(図16)に接合される。超音波素子710の他面に素子裏音波遮断部材712が取り付けられる。この状態で、超音波素子710は、素子固定部材713により経路部材530に固定される。超音波素子710は、素子結合面530Aとの間を遮らないように設けられる。
同様に、超音波素子720の一面が音響接合剤721により経路部材530の素子結合面530B(図16)に接合される。超音波素子720の他面に素子裏音波遮断部材722が取り付けられる。この状態で、超音波素子720は、素子固定部材723により経路部材530に固定される。素子固定部材723は、超音波素子720の一面と素子結合面530Bとの間を遮らないように設けられる。
この構成によれば、超音波素子710,720は、それぞれ素子固定部材713,723により経路部材530に固定される。この場合、超音波素子710,720を経路部材530に固定するために接着剤を用いる必要がない。すなわち、超音波素子710の一面と素子結合面530Aとの間、および超音波素子720の一面と素子結合面530Bとの間に接着剤が配置されない。これにより、超音波の損失が防止される。その結果、超音波素子710,720による超音波の送信および受信の効率を向上させることができる。
また、音響接合剤711により超音波素子710の一面から超音波が効率よく抽出され、素子結合面530Aから経路部材530内に伝達される。同様に、音響接合剤721により超音波素子720の一面から超音波が効率よく抽出され、素子結合面530Bから経路部材530内に伝達される。
上記のように、音響接合剤711,721は、グリスに微小なフィラーが分散された構成を有する。この場合、音響接合剤711,721の音響インピーダンスが経路部材530の素子結合面530A,530Bの音響インピーダンスに近い値を有する。これにより、超音波素子710と素子結合面530Aとの間での超音波の反射が低減するとともに、超音波素子720と素子結合面530Bとの間での超音波の反射が低減する。その結果、超音波素子710,720による超音波の送信および受信の効率を向上させることができる。音響接合剤711,712は、接着剤に微小なフィラーが分散された構成を有してもよい。
さらに、超音波素子710の他面および超音波素子720の他面には、それぞれ素子裏音波遮断部材712,722が取り付けられる。この場合、超音波素子710の他面および超音波素子720の他面から抽出される超音波が遮断される。これにより、超音波素子710,720により生成される超音波の損失を低減し、超音波素子710の一面および超音波素子720の一面から抽出される超音波の強度を増加させることができる。
超音波遮蔽板730は、素子裏音波遮断部材712,722の材料と同様の材料により形成される。上記のように、超音波遮蔽板730は、経路部材530の遮蔽板用開口535に嵌め込まれる。この場合、経路部材530内での超音波素子710,720間の超音波の伝達が遮蔽される。これにより、超音波素子710から送信された超音波が、経路部材530内を通って超音波素子720により直接受信されることが防止される。同様に、超音波素子720から送信された超音波が、経路部材530内を通って超音波素子710により直接受信されることが防止される。
充填部材740は、経路部材530の特性インピーダンスに近い値の特性インピーダンスを有し、かつ超音波を減衰(分散)させる特性が大きい材料により形成される。例えば、充填部材740は、異なる特性インピーダンス値を有する複数の部材が分散された材料により形成される。本実施の形態においては、充填部材740は、充填材として酸化アルミニウムが分散されたシリコンにより形成される。
充填部材740は、超音波素子710,720の周囲を部分的に覆うように配置される。この場合、配管2内を流れる流体中を伝播せずに超音波素子710,720から周囲に送信された超音波は、充填部材740により減衰される。これにより、超音波素子710から周囲に送信された超音波が迷信号として超音波素子720により受信されることが防止される。同様に、超音波素子720から周囲に送信された超音波が迷信号として超音波素子710により受信されることが防止される。
充填部材750は、断熱材料により形成される。充填部材750は、充填部材740の上方でかつ後述する電子回路部800の制御基板810の下方に配置される。この配置によれば、配管2内に低温の流体が流れる場合でも、配管2から制御基板810に放射される熱(冷気)は、充填部材750により遮断される。これにより、制御基板810が結露することが防止される。また、結露を防止するために制御基板810を樹脂等により充填する必要がないので、センサ部400の組立および分解を容易に行うことができる。
上記の構成によれば、超音波素子710により送信された超音波は、素子結合面530Aに入力され、経路部材530の内部を通して配管結合面530Cから出力される。配管結合面530Cから出力された超音波は、音響カプラント610を通して配管2内の流体に入射され、配管2の内面で反射された後、再び音響カプラント610を通して配管結合面530Cに入力される。配管結合面530Cに入力された超音波は、経路部材530の内部を通して素子結合面530Bから出力され、超音波素子720により受信される。
同様に、超音波素子720により送信された超音波は、素子結合面530Bに入力され、経路部材530の内部を通して配管結合面530Cから出力される。配管結合面530Cから出力された超音波は、音響カプラント610を通して配管2内の流体に入射され、配管2の内面で反射された後、再び音響カプラント610を通して配管結合面530Cに入力される。配管結合面530Cに入力された超音波は、経路部材530の内部を通して素子結合面530Aから出力され、超音波素子710により受信される。
(4)電子回路部
図16および図17に示すように、電子回路部800は、制御基板810、表示基板820、接続部830、操作部840および表示ランプ850を含む。制御部811は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含む。記憶部812は、例えば揮発性メモリまたはハードディスクを含む。制御部811および記憶部812は制御基板810に実装される。表示部821は、例えばセグメント表示器を含む。表示部821は、ドットマトリクス表示器を含んでもよい。表示部821は表示基板820に実装される。
制御基板810は、超音波素子710,720に近接するように超音波素子710,720の上方に配置される。これにより、超音波素子710,720と制御基板810とを接続する接続線が最短になる。これにより、超音波素子710,720からの放射ノイズを抑制することができる。
操作部840は、複数の操作ボタンを含む。表示ランプ850は、複数の発光素子を含む。各発光素子は、例えばLED(発光ダイオード)である。操作部840および表示ランプ850は表示基板820に接続され、表示基板820は制御基板810に接続される。また、制御基板810は、接続部830およびケーブル3を通して図示しない外部装置に接続される。
制御基板810、表示基板820および超音波素子710,720は、ケーブル3を通して外部装置の電源から電力を取得する。この場合、制御基板810、表示基板820および超音波素子710,720に電力を供給するための電源を筐体部500に設ける必要がない。そのため、流量スイッチ1を小型化することができる。
表示基板820は、上筐体部510の窓部511に近接する位置に配置される。これにより、使用者は、上筐体部510の窓部511から表示部821を視認することができる。表示部821には、上記式(1)により算出された流体の速度Vf、上記式(2)により算出された流量Qまたは制御部811のメモリに記憶されたしきい値等の種々の情報を表示することができる。
表示ランプ850は、外部装置のオン状態とオフ状態とを識別可能に点灯する。例えば、外部装置がオン状態である場合には表示ランプ850が点灯し、外部装置がオフ状態である場合には表示ランプ850が消灯してもよい。逆に、外部装置がオン状態である場合には表示ランプ850が消灯し、外部装置がオフ状態である場合には表示ランプ850が点灯してもよい。これにより、使用者は、外部装置のオン状態とオフ状態とを容易に識別することができる。
本実施の形態においては、表示ランプ850は、緑色に発光する発光素子および赤色に発光する発光素子を含む。外部装置がオン状態である場合には表示ランプ850が緑色に点灯し、外部装置がオフ状態である場合には表示ランプ850が赤色に点灯する。逆に、外部装置がオン状態である場合には表示ランプ850が赤色に点灯し、外部装置がオフ状態である場合には表示ランプ850が緑色に点灯してもよい。
[4]流量スイッチの取り付け
(1)配管へのクランプ部の取り付け
図21は、配管2へ取り付けられる前のクランプ部100の分解斜視図である。図22は、配管2へ取り付けられた後のクランプ部100の斜視図である。図23(a),(b)は、それぞれ図22のクランプ部100の平面図および側面図である。以下、図21〜図23を参照して配管2へのクランプ部100の取り付けを説明する。図21〜図23の例では、下クランプ部材300が第1の向きに配置される。
まず、図22および図23(a),(b)に示すように、上クランプ部材200の可動部分220が第1の位置にスライドされる。この場合、図23(a)に示すように、上方から複数のクランプ固定ねじ110を視認することができる。これにより、複数のクランプ固定ねじ110が上方から操作可能となる。なお、本例では、複数のクランプ固定ねじ110は、複数の貫通孔263(図21)にそれぞれ挿通された状態で、回転可能に固定される。
次に、図21に示すように、上クランプ部材200および下クランプ部材300は、配管2を挟んで上下方向に対向するように配置される。ここで、上記のように、上クランプ部材200の当接部260の傾斜部262の下面は、端面部240の傾斜切断面213よりもわずかに内下方に突出する。そのため、配管2の上部の外周面は、上クランプ部材200の当接部260の傾斜部262の下面に当接する。また、配管2の下部の外周面は、下クランプ部材300の底面部310の上面に当接する。
この状態で、ねじ回し等の工具により上方から複数のクランプ固定ねじ110が操作される。これにより、複数のクランプ固定ねじ110が下クランプ部材300の複数の突出片331のねじ孔331hにそれぞれ螺合する。なお、下クランプ部材300が第2の向きに配置された場合には、複数のクランプ固定ねじ110は、下クランプ部材300の複数の突出片332のねじ孔332hにそれぞれ螺合する。
複数のクランプ固定ねじ110を複数のねじ孔331hにそれぞれ螺合させることにより、当接部260の傾斜部262の下面と配管2の外周面との間の圧力が大きくなる。この場合、当接部260の傾斜部262は、当初の位置よりも外上方へ歪むように変形する。これにより、配管2の上部の外周面は、上クランプ部材200の端面部240の傾斜切断面213に当接する。また、配管2の下部の外周面は、下クランプ部材300の底面部310の上面に当接する。
この構成によれば、配管2に垂直な切断面において、配管2は、上クランプ部材200に少なくとも2箇所当接するとともに、下クランプ部材300に少なくとも1箇所当接する。すなわち、配管2に垂直な切断面において、配管2は、クランプ部100に少なくとも3箇所当接する。これにより、クランプ部100は配管2に確実に固定される。
また、上記のように、水平切断面212の幅方向における長さは配管2の外径よりも小さく、2個の垂直切断面211の幅方向の間隔は配管2の外径よりも大きい。この構成によれば、水平切断面212の幅方向における長さ以上でかつ2個の垂直切断面211の幅方向の間隔以下の範囲において、種々の外径を有する配管2にクランプ部100を取り付けることが可能となる。
(2)クランプ部へのセンサ部の取り付け
図24は、センサ部400が取り付けられる前のクランプ部100の斜視図である。図25(a),(b)は、それぞれ図24のクランプ部100の平面図および側面図である。以下、図24および図25を参照してクランプ部100へのセンサ部400の取り付けを説明する。
配管2にクランプ部100が取り付けられた後、図24および図25(a),(b)に示すように、可動部分220が第2の位置に戻される。これにより、クランプ部100にセンサ部400を取り付け可能となる。2個のセンサ固定ねじ410がクランプ部100の2個のねじ孔231にそれぞれ螺合されることにより、クランプ部100にセンサ部400が取り付けられる。
このように、本実施の形態においては、クランプ部100にセンサ部400が取り付けられた状態では、クランプ部100を配管2に取り付けることができない。そのため、クランプ部100を配管2に取り付けた後に、クランプ部100にセンサ部400が取り付けられることとなる。これにより、適切な固定力でセンサ部400を固定するための手順を確実に実行することができる。
また、2個のセンサ固定ねじ410は、長手方向において超音波素子710,720を挟んで配置されるので、センサ部400は、配管2に対して傾くことなく配管2の中心に向かって半径方向に固定力を加えられる。これにより、作業者は、配管2に対するセンサ部400の傾きの調整を意識することなくセンサ部400の取り付け作業を行うことができる。
筐体部500の下筐体部520の嵌合部521の外周面は、上面部230の幅方向における両端部の内周面に嵌合する。ここで、上記のように、嵌合部521の各嵌合側面部521Aは、幅方向における上面部230の内周面に嵌合する。また、長手方向における上面部230の各端部の内周面には、突出部233を挟むように2個の凹部234が形成される。筐体部500の下筐体部520の各嵌合端面部521Bには、上面部230の内周面の2個の凹部234にそれぞれ嵌合する凸部524が形成される。
この場合、嵌合部521により、クランプ部100上で配管2の軸心方向および配管2の周方向においてセンサ部400を変位させることなく、配管2の半径方向においてのみセンサ部400を変位させることができる。このように、センサ部400をクランプ部100に取り付けた場合、センサ部400の長手方向および幅方向への変位が規制される。一方、センサ部400の上下方向の変位は許容される。
図26(a),(b)は、それぞれ流量スイッチ1の端面図および断面図である。図27(a),(b)は、それぞれ流量スイッチ1の側面図および断面図である。図26(b)は図26(a)の流量スイッチ1のC−C線断面図を示し、図27(b)は図27(a)の流量スイッチ1のD−D線断面図を示す。
図7(b)のセンサ固定ねじ410が締め付けられることにより、センサ部400が下方、すなわち配管2に近づく方向に移動する。この場合、図26(b)および図27(b)の音響カプラント610が筐体部500により押し潰される。
上記のように、本実施の形態においては、嵌合端面部521Bの下端面は、嵌合側面部521Aの下端面よりも下方に突出する。そのため、嵌合端面部521Bの下端面(配管接触面補強板金551)が配管2に接触する。これにより、センサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。このように、嵌合端面部521Bは、音響カプラント610の押し潰し量を規制する機能を有する。嵌合端面部521Bは、音響カプラント610の押し潰し量が最も大きい部分での音響カプラント610の押し潰し量を規制する。
本実施の形態においては、音響カプラント610の押し潰し量は、押し潰されていないときの音響カプラント610の厚みの10%以上50%以下になるように規制される。この場合、経路部材530の配管結合面530C(図16)と配管2とが十分な圧力で密着する。これにより、配管2内の流体に効率よく超音波を入射することができる。一方で、音響カプラント610に過度な圧力が加わることが抑制される。これにより、音響カプラント610が破損することが防止される。
(3)下クランプ部材の向き
上記の配管2へのクランプ部100の取り付けにおいては、下クランプ部材300が第1の向きに配置されるが、下クランプ部材300は第2の向きに配置されてもよい。図28(a),(b)は、それぞれ下クランプ部材300が第1の向きに配置された状態の流量スイッチ1の斜視図および側面図である。図29(a),(b)は、それぞれ下クランプ部材300が第2の向きに配置された状態の流量スイッチ1の斜視図および側面図である。
図28(a)に示すように、下クランプ部材300が第1の向きに配置された場合には、複数のクランプ固定ねじ110は、複数の突出片331のねじ孔331hにそれぞれ螺合する。一方、図29(a)に示すように、下クランプ部材300が第2の向きに配置された場合には、複数のクランプ固定ねじ110は、複数の突出片332のねじ孔332hにそれぞれ螺合する。
ここで、突出片331は突出片332よりも上方に位置する。すなわち、水平部261の貫通孔263から突出片332のねじ孔332hまでの上下方向の距離は、水平部261の貫通孔263から突出片331のねじ孔331hまでの上下方向の距離よりも大きい。
配管2の外径が比較的大きい場合において、下クランプ部材300を第2の向きに配置すると、貫通孔263からねじ孔332hまでの上下方向の距離がクランプ固定ねじ110の長さよりも大きくなることがある。この場合、配管2にクランプ部100を取り付けることができない。したがって、図28(b)に示すように、配管2の外径が比較的大きい場合には、下クランプ部材300が第1の向きに配置される。これにより、配管2にクランプ部100を適切に取り付けることができる。
一方、配管2の外径が比較的小さい場合において、下クランプ部材300を第1の向きに配置すると、貫通孔263からねじ孔331hまでの上下方向の距離がクランプ固定ねじ110の長さよりも過剰に小さくなることがある。この場合、クランプ部100を配管2に固定するためのクランプ固定ねじ110の操作量(締め付け回数)が多くなり、作業者の負担が大きくなる。したがって、図29(b)に示すように、配管2の外径が比較的小さい場合には、下クランプ部材300が第2の向きに配置される。これにより、配管2にクランプ部100を低い負担で取り付けることができる。
[5]変形例
(1)音響カプラントの取り付け方式
本実施の形態においては、音響カプラント610が保持部材620により保持され、保持部材620の複数の掛止部625と下筐体部520の複数の掛止部529とがそれぞれ結合される。この方式により筐体部500に音響カプラント610が取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。他の方式により筐体部500に音響カプラント610が取り付けられてもよい。
図30は、音響カプラント610の取り付け方式の第1の変形例における下筐体部520の側面図および断面図である。図30(b)は図30(a)のセンサ部400のE−E線断面図を示す。図30の例では、音響カプラント610の底面部611の上面が、接着部材421により下筐体部520の嵌合部521の下面および経路部材530の外フランジ部532の下面に接着される。これにより、筐体部500に音響カプラント610が取り付けられる。本例では、簡単な構成で音響カプラント610を筐体部500に一体化することができる。
図31は、音響カプラント610の取り付け方式の第2の変形例における下筐体部520の側面図および断面図である。図31(b)は図31(a)のセンサ部400のF−F線断面図を示す。図31の例では、音響カプラント610の底面部611の上面が、複数のねじ部材422により下筐体部520の嵌合部521の下面に固定される。これにより、筐体部500に音響カプラント610が取り付けられる。
図32は、音響カプラント610の取り付け方式の第3の変形例における下筐体部520の側面図および断面図である。図32(b)は図32(a)のセンサ部400のG−G線断面図を示す。図32の例では、音響カプラント610と保持部材620とが一体的に形成される。この状態で、保持部材620の複数の掛止部625と下筐体部520の複数の掛止部529とがそれぞれ結合される。これにより、筐体部500に音響カプラント610が取り付けられる。
図30および図31の例においては、結合部600に保持部材620が設けられない。図30または図31の例においては、接着部材421または複数のねじ部材422を用いることに代えて、音響カプラント610と下筐体部520とが一体的に形成されることにより、筐体部500に音響カプラント610が取り付けられてもよい。図32の例においては、複数の掛止部625を用いることに代えて、接着部材または複数のねじ部材を用いることにより筐体部500に音響カプラント610が取り付けられてもよい。
(2)押し潰し量規制方式
本実施の形態においては、嵌合端面部521Bが音響カプラント610の押し潰し量規制部である。この方式においては、嵌合端面部521Bの下端面が配管2に接触することにより音響カプラント610の押し潰し量が規制されるが、本発明はこれに限定されない。他の方式により音響カプラント610の押し潰し量が規制されてもよい。
図33は、音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第1の変形例における流量スイッチ1の側面図および断面図である。図33(b)は図33(a)の流量スイッチ1のH−H線断面図を示す。図33の例では、長手方向における筐体部500の両端部に、上下方向に貫通するように押し潰し量規制ねじ401が設けられる。各押し潰し量規制ねじ401は、幅方向における筐体部500の略中央部に配置される。
各押し潰し量規制ねじ401の先端は、筐体部500の下面よりも下方に突出する。ねじ回し等の工具により上方から各押し潰し量規制ねじ401を操作することにより、筐体部500の下面に対する各押し潰し量規制ねじ401の先端の突出量を調整することが可能である。
流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、筐体部500の下面により音響カプラント610が押し潰される。ここで、各押し潰し量規制ねじ401の先端が配管2に接触すると、クランプ部100上でのセンサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
図34は、音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第2の変形例における流量スイッチ1の側面図および断面図である。図34(b)は図34(a)の流量スイッチ1のI−I線断面図を示す。図34の例では、長手方向における筐体部500の両端部の下面にそれぞれ対応するように、板状の押し潰し量規制部材402が配管2の外周面に配置される。上下方向における各押し潰し量規制部材402の厚みは、上下方向における音響カプラント610の底面部611(図20)の厚みよりも小さい。
流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、筐体部500の下面により音響カプラント610が押し潰される。ここで、長手方向における筐体部500の両端部の下面が押し潰し量規制部材402の上面に接触すると、クランプ部100上でのセンサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
本例においては、筐体部500と配管2の外面との間の所望の位置に押し潰し量規制部材402を配置することができる。これにより、押し潰し量規制部材402の配置の自由度が向上する。
図35は、音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第3の変形例における流量スイッチ1の側面図および断面図である。図35(b)は図35(a)の流量スイッチ1のJ−J線断面図を示す。図35の例では、長手方向における筐体部500の外フランジ部522両端部の下面にそれぞれ対応するように、複数(本例では2個)の押し潰し量規制突起101が上クランプ部材200の上面に形成される。
各押し潰し量規制突起101の先端は、クランプ部100の上面よりも上方に突出する。クランプ部100の上面に対する各押し潰し量規制突起101の先端の突出量は、上下方向における音響カプラント610の底面部611(図20)の厚みよりも小さい。
流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、筐体部500の下面により音響カプラント610が押し潰される。ここで、長手方向における筐体部500の外フランジ部522両端部の下面が複数の押し潰し量規制突起101の先端に接触すると、クランプ部100上でのセンサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第3の変形例において、押し潰し量規制突起101は、上クランプ部材200の上面に設けられず、上クランプ部材200と接触するように筐体部500の下面に設けられてもよい。本例においては、作業者は、押し潰し量規制突起101を筐体部500およびクランプ部100のうち一方とともに扱うことができるので、流量スイッチ1の取り扱い性が向上する。また、流量スイッチ1の取り付け作業の効率が向上する。
図36は、音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第4の変形例における流量スイッチ1の側面図および断面図である。図36(b)は図36(a)の流量スイッチ1のK−K線断面図を示す。図36の例では、長手方向における筐体部500の外フランジ部522両端部の下面にそれぞれ対応するように、板状の押し潰し量規制部材403が上クランプ部材200の上面に配置される。上下方向における各押し潰し量規制部材403の厚みは、上下方向における音響カプラント610の底面部611(図20)の厚みよりも小さい。
流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、筐体部500の下面により音響カプラント610が押し潰される。ここで、長手方向における筐体部500の外フランジ部522両端部の下面が押し潰し量規制部材403の上面に接触すると、クランプ部100上でのセンサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
本例においては、筐体部500と上クランプ部材200との間の所望の位置に押し潰し量規制部材403を配置することができる。これにより、押し潰し量規制部材403の配置の自由度が向上する。
図37は、音響カプラント610の押し潰し量規制方式の第5の変形例における流量スイッチ1の端面図および断面図である。図37(b)は図37(a)の流量スイッチ1のL−L線断面図を示す。図37の例では、長手方向における筐体部500の外フランジ部522両端部の下面にそれぞれ対応するように、板状の押し潰し量規制部材601が音響カプラント610の両端面に配置される。
上下方向における各押し潰し量規制部材601の厚みは、上下方向における音響カプラント610の底面部611(図20)の厚みよりも小さい。押し潰し量規制部材601は、接着部材により音響カプラント610に接着されてもよいし、音響カプラント610と一体的に形成されてもよい。
流量スイッチ1が配管2に取り付けられた際には、筐体部500の下面により音響カプラント610が押し潰される。ここで、音響カプラント610の底面部611の厚みが各押し潰し量規制部材601の厚みと略等しくなるまで音響カプラント610が押し潰されると、各押し潰し量規制部材601の下端面が配管2に接触する。この場合、クランプ部100上でのセンサ部400の下方への移動が停止するとともに、筐体部500による音響カプラント610の押し潰しが停止する。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
この場合、作業者は、押し潰し量規制部材601を音響カプラント610とともに扱うことができるので、流量スイッチ1の取り扱い性が向上する。また、流量スイッチ1の取り付け作業の効率が向上する。
(3)切欠部の形状
本実施の形態においては、上クランプ部材200の各端面部240の切欠部241は2個の垂直切断面211、1個の水平切断面212および2個の傾斜切断面213を含む多角形状を有するが、本発明はこれに限定されない。上クランプ部材200の各端面部240の切欠部241は、以下の第1〜第4の変形例のいずれかの形状を有してもよいし、第1〜第4の変形例を組み合わせた形状を有してもよいし、他の形状を有してもよい。
図38は、切欠部241の形状の第1の変形例を示す図である。図38に示すように、切欠部241の形状の第1の変形例においては、切欠部241は、図4(a)の水平切断面212に代えて湾曲切断面212aを含む。湾曲切断面212aは、一方の傾斜切断面213の上部と他方の傾斜切断面213の上部との間を湾曲するように接続する。
図39は、切欠部241の形状の第2の変形例を示す図である。図39に示すように、切欠部241の形状の第2の変形例においては、切欠部241は、図4(a)の2個の傾斜切断面213に変えて2個の急傾斜切断面213aおよび2個の緩傾斜切断面213bを含む。
一方の急傾斜切断面213aは、一方の垂直切断面211の上部から傾斜しながら内方に延びる。一方の緩傾斜切断面213bは、一方の急傾斜切断面213aの上部から傾斜しながら内方に延びる。他方の急傾斜切断面213aは、他方の垂直切断面211の上部から傾斜しながら内方に延びる。他方の緩傾斜切断面213bは、他方の急傾斜切断面213aの上部から傾斜しながら内方に延びる。水平切断面212は、水平に延びるように2個の緩傾斜切断面213bの内方の端部間を接続する。
水平方向に対する急傾斜切断面213aの傾斜は、緩傾斜切断面213bの傾斜よりも大きい。図39の例においては、2個の緩傾斜切断面213bが配管2の上部の外周面に当接する。2個の緩傾斜切断面213bではなく、2個の急傾斜切断面213aが配管2の上部の外周面に当接するように構成されてもよい。
図40は、切欠部241の形状の第3の変形例を示す図である。図40に示すように、切欠部241の形状の第3の変形例においては、切欠部241は、図4(a)の水平切断面212を含まず、2個の傾斜切断面213の内方の端部が幅方向における端面部240の略中央で互いに接続される。
図41は、切欠部241の形状の第4の変形例を示す図である。図41に示すように、切欠部241の形状の第4の変形例においては、切欠部241は、図4(a)の2個の垂直切断面211を含まず、各傾斜切断面213の外方の端部が幅方向における端面部240の端部まで延びる。各傾斜切断面213の外方の端部は、幅方向ではなく、上下方向における端面部240の端部まで延びてもよい。
(4)超音波素子の配置
本実施の形態においては、2個の超音波素子710,720が共通の経路部材530に接合され、共通の筐体部500に一体的に保持されるが、本発明はこれに限定されない。2個の超音波素子710,720は、別個の経路部材530に接合されてもよい。この場合、2個の超音波素子710,720は、共通の筐体部500により保持されてもよいし、別個の筐体部500により個別に保持されてもよい。これにより、超音波素子710,720の配置の自由度が向上する。なお、電子回路部800は、一方の筐体部500に保持されてもよいし、両方の筐体部500に保持されてもよい。
図42は、超音波素子710,720の配置の第1の変形例における流量スイッチ1の側面図である。図42の例においては、2個の筐体部500および2個のクランプ部100が準備される。超音波素子710が一方の筐体部500に保持され、一方のクランプ部100により配管2に取り付けられる。超音波素子720が他方の筐体部500に保持され、他方のクランプ部100により配管2に取り付けられる。2個の筐体部500は、配管2を挟んで対向するように配置されてもよい。
図43は、超音波素子710,720の配置の第2の変形例における流量スイッチ1の側面図である。図43の例においては、2個の筐体部500が準備される。クランプ部100の下クランプ部材300は、筐体部500を配管2に取り付け可能である。超音波素子710が一方の筐体部500に保持され、上クランプ部材200により配管2に取り付けられる。超音波素子720が他方の筐体部500に保持され、下クランプ部材300により配管2に取り付けられる。
この場合、超音波素子710と超音波素子720とが配管2を挟んで対向するように配置される。これにより、部材を追加することなく透過型の構成を用いて配管2内の流体の流量を算出することができる。
(5)クランプ部の構成
本実施の形態においては、クランプ部100の上クランプ部材200と下クランプ部材300とが分離可能に構成されるが、本発明はこれに限定されない。クランプ部100の上クランプ部材200と下クランプ部材300とが一体的に構成されてもよい。あるいは、クランプ部100は下クランプ部材300を含まなくてもよい。
図44は、クランプ部100の構成の第1の変形例における流量スイッチ1の端面図である。図44の例においては、クランプ部100の上クランプ部材200の一部分と下クランプ部材300の一部分とが蝶番部111により接合される。これにより、上クランプ部材200および下クランプ部材300は、一部分を固定された状態で配管2を挟み込むことができる。本例においては、クランプ部100の上クランプ部材200と下クランプ部材300とが一体的に構成されるので、クランプ部100の取り扱い性が向上する。
図45は、クランプ部100の構成の第2の変形例における流量スイッチ1の端面図である。図45の例においては、クランプ部100は下クランプ部材300を含まず、結束バンド112を含む。上クランプ部材200は結束バンド112により配管2に固定される。この場合、センサ部400は、上クランプ部材200および結束バンド112により配管2に取り付けられる。
[6]効果
(1)結合部による効果
本実施の形態に係る流量スイッチ1においては、クランプ部100が配管2の外面に取り付けられかつセンサ部400がクランプ部100に保持された場合、超音波素子710,720が配管2に音響的に結合されるように音響カプラント610が配管2の外面に押圧される。ここで、配管2による音響カプラント610の押し潰し量が最も大きい部分での音響カプラント610の押し潰し量が筐体部500の嵌合端面部521Bにより規制される。
この構成によれば、比較的大きい外径を有する配管2にセンサ部400を取り付ける場合でも、超音波素子710,720と配管2とが音響的に確実に結合するように音響カプラント610が配管2に押圧される。一方、比較的小さい外径を有する配管2にセンサ部400を取り付ける場合でも、音響カプラント610の最大の押し潰し量が確実に規制されるので、配管2による過度の押し潰しにより音響カプラント610が破損することが防止される。
これらの場合、配管2の外径および作業者によらず、音響カプラント610の最大の押し潰し量が一定値に規制されるとともに、音響カプラント610が最小の厚み部分で一定の厚みを有する。それにより、超音波素子710,720と配管2との音響的な結合が画一的に決定する。その結果、流量スイッチ1の性能の均一性を損なうことなく、種々の寸法を有する配管2に流量スイッチ1を安定に取り付けることができる。
また、本実施の形態においては、押し潰し量規制部として、嵌合端面部521Bが筐体部500に一体的に設けられる。嵌合端面部521Bが配管2の外面に接触することにより、配管2の外面と経路部材530の下面との間の間隔が規制される。これにより、音響カプラント610の押し潰し量が規制される。
この場合、押し潰し量規制部を別個に用意する必要がないので、流量スイッチ1の部品数を削減することができる。また、作業者は、押し潰し量規制部を筐体部500とともに扱うことができるので、流量スイッチ1の取り扱い性が向上する。さらに、流量スイッチ1の取り付け作業の効率が向上する。
さらに、音響カプラント610は、保持部材620により筐体部500に着脱可能である。そのため、筐体部500への音響カプラント610の取り付けおよび筐体部500からの音響カプラント610の取り外しが容易になる。これにより、作業者は、音響カプラント610の交換作業を容易に行うことができる。その結果、流量スイッチ1のメンテナンスコストを低減することができる。
(2)クランプ部による効果
本実施に係る流量スイッチ1においては、配管2の外面にクランプ部100が取り付けられる。センサ部400が、センサ固定ねじ410によりクランプ部100に固定される。ここで、センサ部400がクランプ部100に固定されていない状態においては、配管2の軸心方向および配管2の周方向におけるセンサ部400の変位は規制されるが、配管2の半径方向におけるセンサ部400の変位は許容される。この場合、クランプ部100の取り付け位置により、配管2の軸心方向および周方向におけるセンサ部400の取り付け位置が決定する。また、クランプ部100上で、配管2の半径方向におけるセンサ部400の位置を調整することができる。
この構成によれば、配管2に対するクランプ部100の固定力とクランプ部100に対するセンサ部400の固定力とを別個に調整可能である。そのため、クランプ部100を強固に配管2に固定することにより配管2の軸心方向および周方向におけるセンサ部400の位置を決定することができる。その後、センサ固定ねじ410を操作することにより、センサ部400が十分に配管2に接触するように配管2の半径方向におけるセンサ部400の位置を決定することができる。
したがって、種々の寸法を有する配管2にセンサ部400を取り付ける場合でも、センサ部400を過度に強く配管2に接触させる必要がないので、センサ部400を破損させることなく超音波の出射部分の位置を正確に定めることができる。また、超音波の出射部分の位置が正確に定まると、超音波の受信感度を所望の値に調整することが容易になる。その結果、種々の寸法を有する配管2に流量スイッチ1を安定に取り付けることが可能になる。
また、上クランプ部材200の端面部240は、2個の傾斜切断面213を含む。2個の傾斜切断面213は、センサ部400の超音波の送受信面に交差しかつ半径方向および軸心方向を含む対称平面に関して互いに対称に傾斜するように対称平面の一方側および他方側にそれぞれ位置する。
この構成によれば、種々の寸法を有する配管2にクランプ部100を取り付ける場合でも、クランプ部100の2個の傾斜切断面213が配管2に接触する。これにより、配管2に対するクランプ部100の固定力を向上させることができる。また、センサ部400の送受信面は、2個の傾斜切断面213の間に位置する。そのため、種々の寸法を有する配管2にクランプ部100を取り付ける場合でも、クランプ部100上で配管2の軸心方向および配管2の周方向においてセンサ部400を変位させることなく、配管2の半径方向においてのみセンサ部400を変位させることができる。
さらに、クランプ部100の下クランプ部材300の底面部310の少なくとも1箇所が配管2に接触する。そのため、配管2の外径に関わらず配管2に対するクランプ部100の固定力を向上させることができる。また、配管2にクランプ部100を強固に固定しても、配管2が楕円形状に変形することが防止される。
(3)筐体部による効果
本実施の形態に係る流量スイッチ1においては、超音波素子710,720は、筐体部500の経路部材530の素子結合面530A,530Bとそれぞれ音響的に結合する。筐体部500の経路部材530の配管結合面530Cが配管2と音響的に結合する。この構成によれば、超音波素子710,720は、経路部材530により所望の位置および所望の姿勢で支持される。これにより、配管2内の流体への超音波の送信するように超音波素子710を配置するとともに、配管2内の流体中を伝播した超音波を受信するように超音波素子720を配置することが容易になる。
また、超音波素子710により送信される超音波は、経路部材530を通してとして配管2に導かれるとともに、配管2内の流体中を伝播した超音波は経路部材530を通して超音波素子720に導かれる。ここで、経路部材530は超音波を透過する部材により形成されるので、経路部材530の音響透過性が向上する。
このように、超音波素子710,720を支持する部材と超音波の経路を構成する部材とを別個に設ける必要がない。これにより、部品コスト、製造コストおよび組立コストが低減される。また、超音波素子710,720を支持する部材と超音波の経路を構成する部材とが一体的に接合されているので、温度変化および機械的な負荷がある場合でも、接合部分で超音波の送信および受信の効率が低下することがない。また、接合部分から水または油等の液体が浸入することがない。さらに、流量スイッチ1の組立工程を単純化することができる。これらの結果、超音波の送信および受信の効率を低下させることなく低コストで容易に流量スイッチ1を製造することが可能になる。
さらに、超音波制御機構700および電子回路部800の一部は、上筐体部510、下筐体部520および経路部材530により構成される筐体部500に収容される。筐体部500には、表示部用シール部材541、接続部用シール部材542、操作部用シール部材543、ランプ用シール部材544、筐体間シール部材545および筐体経路間シール部材546等の防水構造が設けられる。これにより、流量スイッチ1の耐熱性、耐水性および耐油性等の耐久性が向上する。
(4)他のセンサ部の効果
本実施の形態に係る流量スイッチ1においては、クランプ固定ねじ110およびセンサ固定ねじ410の操作が共通の方向(本例では上下方向)から操作可能である。また、表示部821は共通の方向から視認可能に設けられ、接続部830は共通の方向からケーブル3が接続可能に設けられる。
この場合、作業者は、配管2へのクランプ部100の取り付け操作およびセンサ固定ねじ410によるクランプ部100へのセンサ部400の固定操作を共通の方向から効率よく行うことができる。また、使用者は、表示部821を共通の方向から容易に視認することができる。さらに、配管2と干渉することなく接続部830にケーブル3を容易に接続することができる。
[7]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、センサ部400は伝播時間差方式に基づいて式(2)により配管2内を流れる流体の流量Qを算出するが、本発明はこれに限定されない。センサ部400はドップラー方式に基づいて配管2内を流れる流体の流量Qを算出してもよい。この場合、超音波素子710,720の一方が超音波送信素子により構成され、超音波素子710,720の他方が超音波受信素子により構成されてもよい。
(2)上記実施の形態において、電子回路部800は表示部821および表示ランプ850を含むが、本発明はこれに限定されない。電子回路部800は、表示部821を含まなくてもよいし、表示ランプ850を含まなくてもよい。
(3)上記実施の形態において、下筐体部520と経路部材530とが別体として形成されるが、本発明はこれに限定されない。下筐体部520と経路部材530とは、一体的に形成されてもよい。この場合、下筐体部520と経路部材530との間の防水を容易に行うことができる。
(4)上記実施の形態において、下筐体部520と結合部600との結合部分には防水構造が形成されないが、本発明はこれに限定されない。下筐体部520と結合部600との結合部分に防水構造が形成されてもよい。
(5)上記実施の形態において、筐体部500は1個の経路部材530を含み、当該経路部材530に素子結合面530A,530Bおよび共通の配管結合面530Cが形成されるが、本発明はこれに限定されない。筐体部500は、別体として設けられた2個の経路部材530を含んでもよい。この構成においては、一方の経路部材530に素子結合面530Aおよび配管結合面530Cが形成され、他方の経路部材530に素子結合面530Bおよび配管結合面530Cが形成される。
(6)上記実施の形態において、筐体部500の上クランプ部材200は固定部分210に可動部分220が設けられるが、本発明はこれに限定されない。上クランプ部材200は固定部分210に可動部分220が設けられなくてもよい。特に、センサ部400をクランプ部100に取り付けた状態において、複数のクランプ固定ねじ110がセンサ部400の下方に位置する場合には、上方から複数のクランプ固定ねじ110を操作することができない。このような場合には、固定部分210に可動部分220を設ける必要がない。
(7)上記実施の形態において、各クランプ固定ねじ110に姿勢維持機構120が設けられるが、本発明はこれに限定されない。各クランプ固定ねじ110に姿勢維持機構120が設けらなくてもよい。特に、水平に延びる配管2にクランプ部100を取り付ける場合には、各クランプ固定ねじ110は略垂直に維持されるので、各クランプ固定ねじ110に姿勢維持機構120を設ける必要がない。
また、クランプ部100の寸法が小さく、クランプ固定ねじ110が短い場合には、長手方向または幅方向が垂直方向を向くようにクランプ部100を配置しても、各クランプ固定ねじ110は略垂直に維持される。このような場合にも、各クランプ固定ねじ110に姿勢維持機構120を設ける必要がない。
(8)上記実施の形態において、下クランプ部材300を第1の向きと第2の向きとで選択することにより、クランプ固定ねじ110が螺合するねじ孔をねじ孔331hとねじ孔332hとで選択されるが、本発明はこれに限定されない。他の方式によりクランプ固定ねじ110が螺合するねじ孔をねじ孔331hとねじ孔332hとで選択可能であってもよい。
例えば、長手方向に並ぶにように下クランプ部材300にねじ孔331hまたはねじ孔332hがさらに設けられてもよい。この場合、長手方向において、下クランプ部材300に対する上クランプ部材200の位置を選択することにより、クランプ固定ねじ110が螺合するねじ孔をねじ孔331hとねじ孔332hとで選択可能である。
(9)上記実施の形態において、クランプ固定ねじ110およびセンサ固定ねじ410が共通の方向から操作可能に設けられ、表示部821が共通の方向から視認可能に設けられ、接続部830が共通の方向からケーブル3を接続可能に設けられるが、本発明はこれに限定されない。クランプ固定ねじ110およびセンサ固定ねじ410が他の方向から操作可能に設けられてもよいし、表示部821が他の方向から視認可能に設けられてもよいし、接続部830が他の方向からケーブル3を接続可能に設けられてもよい。あるいは、表示部821または接続部830は、任意の方向を向くように筐体部500に対して回転可能に設けられてもよい。
(10)上記実施の形態において、音響カプラント610は、超音波素子710,720の両方と超音波素子と配管2とを音響的に結合するように配置されることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。音響カプラント610は、超音波素子710,720のうち少なくとも一方の超音波素子と配管2とを音響的に結合するように配置されてもよい。
(11)上記実施の形態において、センサ部400がクランプ部100により配管2に取り付けられることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。センサ部400は、図45の結束バンド112と同様の結束バンドにより配管2に取り付けられてもよい。
(12)上記実施の形態において、超音波素子710,720を支持するとともに、超音波の経路を構成する経路部材530が筐体部500の一部として設けられるが、本発明はこれに限定されない。経路部材530に代えて、超音波素子710,720を支持する部材と超音波の経路を構成する部材とが別個に筐体部500に設けられてもよい。
[8]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、配管2が配管の例であり、流量スイッチ1が超音波流量スイッチの例であり、超音波素子710,720がそれぞれ第1および第2の超音波素子の例である。制御部811が算出部および出力部の例であり、筐体部500が素子保持部の例であり、クランプ部100が取り付け具の例であり、音響カプラント610が音響接触媒質の例である。
押し潰し量規制突起101、押し潰し量規制部材402,403,601または嵌合端面部521Bが押し潰し量規制部の例であり、押し潰し量規制ねじ401が押し潰し量規制部およびねじ部材の例である。保持部材620が媒質保持部材の例であり、接着部材421が接着部材の例であり、センサ固定ねじ410が固定部材の例であり、表示部821が表示部の例であり、ケーブル3が接続線の例であり、接続部830が接続部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。