JP4614666B2 - 流量計取付治具 - Google Patents
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Description
冷却水用配管を長期間に亘って使用すると、この冷却水用配管の内壁に、錆こぶや、水あか、ヘドロ等の付着物が堆積して、冷却水の流量が低下し十分な冷却効果が得られなくなる。
なお、このような問題は、前述した水力発電所の冷却水用配管に限らず、例えば、原子力発電所等のその他のプラントに用いられる冷却水用配管でも同様に発生していた。
まず、前記流量計取付治具が利用されるプラントとしての水力発電施設について説明する。図1は、水力発電施設の概要を示す図である。水力発電施設1は、図1に示すように、貯水池の取水口から水を導き、この水の流れや落差を利用して回転する水車11と、この水車11の回転によって発電する発電機12とを備えている。
発電機12は、図1に示すように、縦軸型の発電機であり、一端に水車11が取り付けられ他端側にロータ(図示略)が取り付けられた主軸13と、この主軸13を複数箇所で支持する軸受け部14とを備え、水車11の回転に伴って主軸13が回転し、この主軸13に取り付けられたロータが発電機コイルに対して回転して発電する。
軸受け部14は、水車11近傍の主軸13を支持する下部側軸受14Aと、主軸13の胴体部分を支持する上部側軸受14Bとを備えている。
水冷機構3は、前記取水口から冷却水を導く水圧鉄管31と、この導いた水から土砂等を除去する沈砂槽32と、土砂等が除去された水を用いて発電機12の各箇所を冷却する冷却水系統33と、熱交換後の冷却水を排出するドラフト34とを備えている。
冷却水系統33A〜33Dは、沈砂槽32から冷却水を導くステンレス製等の冷却水用配管35と、この冷却水用配管35の冷却対象より下流側に設けられる流量継電器36とをそれぞれ備えている。
具体的に、各冷却水系統33A〜33Dにおいて、流量継電器36のスイッチがオン・オフする流量値は、以下の通りである。なお、単位は、L/minである。すなわち、下部側冷却水系統33Aは、例えばオンが73でオフが54である。上部側冷却水系統33Bは、例えばオンが26でオフが22である。オイルクーラ冷却水系統33Cは、例えばオンが340でオフが240である。エアークーラ冷却水系統33Dは、例えばオンが365でオフが275である。なお、前記測定流量とスイッチのオン・オフ流量とをまとめたものを表1に示す。
図2は、超音波流量計が取り付けられた流量計取付治具を示す正面図であり、図3は、図2のIII−III断面図である。図4は、超音波流量計の計測方法を模式的に示す横断面図である。図2に示すように、超音波流量計40は、超音波パルス信号の送信および受信を行う一対の検出器41と、この一対の検出器41に所定のケーブルで接続され、上部側冷却水系統33Bの流量を測定する測定部(図示略)とを備えている。
上流側検出器411と下流側検出器412とは、所定間隔をあけて冷却水用配管35の外壁の同じ側(図2の例では上側)に取り付けられる。この取付け間隔は、冷却水用配管35の口径に応じて適宜変更される。例えば、口径が50mmの場合には、取り付け間隔が40.4mmである。なお、口径が80mmの場合には65.8mmであり、口径が100mmの場合には87.6mmである。
また、各検出器411,412の信号送受信方向は、一方の検出器411,412のセンサから送信された信号が、対向する内壁面で反射した後、他方の検出器412,411のセンサで受信されるように、冷却水用配管35の軸方向に対して所定角度だけ傾いている。従って、図4の矢印Xに示すように、超音波流量計40では、上流側検出器411から冷却水用配管35の対向する内壁面の下流側に向かって斜めに超音波パルス信号を送信し、内壁面で反射した超音波パルス信号を下流側検出器412で受信する。また、同様に、下流側検出器412から前記内壁面の上流側に向かって斜めに超音波パルス信号を発信し、内壁面で反射した超音波パルス信号を上流側検出器411で受信する。
図2,図3に示すように、流量計取付治具50は、一対の検出器41を冷却水用配管35の外壁の所定位置に配置する治具であり、冷却水用配管35の軸方向に沿って延びる金属製等の保持板51と、この保持板51の軸方向の両端縁に取り付けられた一対のクランプ部材52と、保持板51に取り付けられ、一対の検出器41を所定間隔で保持する一対の検出器保持部材53とを備えている。
保持板本体511は、冷却水用配管35の軸方向に沿って延びる板材であり、この軸方向の長さ寸法は、一対の検出器41が一対のクランプ部材52に隣接して取り付けられた際に、一対の検出器41の取付け間隔が一定長(例えば40.4mm)となるように設計されている。
図3に示すように、基部561の底部には、冷却水用配管35の曲面に対応する切欠き561Aが形成され、左右側の端縁には、上下方向に貫通する貫通孔561Bがそれぞれ形成されている。
突出部562は、図3に示すように、正面視縦長の長方形状の部材であり、その左側面562Aが保持板本体511の右面511Aに当接するとともに、その上側面562Bが折曲部512の下面512Aに当接している。このため、突出部562は、保持板本体511によって図3中の左右方向の移動が、また、折曲部512によって図3中の上下方向の移動が規制され、保持板51対して位置決めされた状態で当接している。
ボルト部材58は、各端縁において、基部561の貫通孔561Bと、配管下部側当接部材57の貫通孔57Bとを貫通するボルト58Aと、冷却水用配管35を挟んで、配管上部側当接部材56および配管下部側当接部材57を締め付けるナット58Bとを備えている。
各検出器保持部材531,532は、各検出器411,412の姿勢を保持するホルダ61と、このホルダ61を冷却水用配管35の外壁側へ押圧する押圧部材62と、ホルダ61および押圧部材62を保持板51の所定位置に位置決め固定する固定部材63とを備えている。
押圧部材62は、図2に示すように、ホルダ61を冷却水用配管35の外壁側に押圧する軸部材62Aと、軸部材62Aを中心として回転し、軸部材62Aをホルダ61に対して進退させる調整つまみ62Bとを備えている。
また、固定部材63は、回転つまみ63Bの締め付けを解放することにより、保持板51の折曲部512の長手方向に沿って摺動可能とされ、この際、ホルダ61の2本の突条部61B(図3)により、ホルダ61も折曲部512の長手方向に沿って摺動する。
このため、折曲部512は、固定部材63を着脱する部分としての機能と、固定部材63を摺動させるレールとしての機能とを果たしている。
まず、一対の検出器保持部材53のそれぞれにおいて、検出器411,412をホルダ61に保持させてから、固定部材63の回転つまみ63Bを軽く回転させて、保持板51の折曲部512を固定部材63のクランプ部63Aで仮留めしておく。
次に、一対のクランプ部材54,55のそれぞれにおいて、冷却水用配管35の上部側に配管上部側当接部材56を当接した後、冷却水用配管35の下部側に配管下部側当接部材57を当接する。この状態で、配管上部側当接部材56の貫通孔561Bと、配管下部側当接部材57の貫通孔57Bとの間にボルト58Aをそれぞれ挿通し、配管下部側当接部材57の下側で、ボルト58Aにナット58Bを螺合させて、クランプ部材54,55を冷却水用配管35に固定する。
次に、図2に示すように、各検出器保持部材531,532のホルダ61が、対応するクランプ部材54,55に当接するように検出器保持部材53を摺動させ、保持板51の折曲部512を固定部材63のクランプ部63Aで締める。
次に、押圧部材62の調整つまみ62Bを回転させて、軸部材62Aの先端でホルダ61を冷却水用配管35の外壁側へと押圧し、冷却水用配管35の外壁にホルダ61すなわち検出器411,412を位置決め固定する(検出器固定工程)。
ここで、閾値は、流量継電器36のスイッチのオン・オフ流量値を考慮して、例えば29L/minと設定している。以上の手順により、冷却水用配管35の管理している。
(1)保持板51の両端縁に固定されたクランプ部材54,55を冷却水用配管35に取り付けるだけで、一対の検出器41を冷却水用配管35の外壁の所定位置に所定間隔で簡単に、かつ高精度に取り付けることができる。このため、作業者の熟練度等に関係なく、冷却水用配管35内を流れる冷却水の流量値を正確で、かつ簡単に把握できる。従って、冷却水用配管35内の洗浄時期を正確に特定できるため、発電機12の稼働率を向上できて、発電コストを低減できる。
本実施形態では、各クランプ部材54,55において、当接部材56,57間を接続する接続部材をボルト部材58としたが、これに限らず、例えば、磁石等で接続してもよく、当接部材56,57間を接続できれば、その構成は特に限定されない。
また、各クランプ部材54,55において、配管一側および配管他側の当接部を配管上部側および配管下部側の当接部材56,57としたが、これに限らず、例えば、これらの当接部が配管35の左右側となるようにしてもよい。さらに、配管上下部側として2つの当接部材56,57を備えた構成としたが、これに限らず、例えば、2つの当接部をリング状に一体的に形成するとともに、その一部が開環する構成とし、このリング状の当接部を配管に取り付けた後、開環した端部同士を前記接続部材で接続する構成としてもよい。要するに、各クランプ部材54,55の構成は、冷却水用配管35を挟持できる構成であれば特に限定されない。
また、前記実施形態において、複数系統を構成する冷却水用配管35のうち冷却水の流量値が最も小さい上部側冷却水系統33Bの冷却水用配管35を管理対象としたが、これに限らず、例えば、冷却水の流量値が大きいオイルクーラ冷却水系統33C等の他の冷却水用配管35を管理対象としてもよいし、冷却水の流量値が最も小さい上部側冷却水系統33Bの冷却水用配管35を含む複数の冷却水用配管35を管理対象としてもよい。
図5に示すように、一対の検出器41を保持する流量計取付治具50を、上部側冷却水系統33Bの冷却水用配管35の直管部分に取り付け、月ごとに一年間に亘って流量値を測定し、閾値を29L/minとした結果、発電機12の上部側軸受14Bは、常に60℃以下の温度に管理された。
33 冷却水系統
33A 下部側冷却水系統
33B 上部側冷却水系統
33C オイルクーラ冷却水系統
33D エアークーラ冷却水系統
35 冷却水用配管
36 流量継電器
40 超音波流量計
41 一対の検出器
50 流量計取付治具
51 保持板
52 一対のクランプ部材
53 一対の検出器保持部材
54 上流側クランプ部材
55 下流側クランプ部材
56 一対の配管当接部材を構成する配管上部側当接部材
57 一対の配管当接部材を構成する配管下部側当接部材
58 接続部材であるボルト部材
61 ホルダ
62 押圧部材
63 固定部材
411 上流側検出器
412 下流側検出器
511 保持板本体
512 折曲部
531 上流側保持部材
532 下流側保持部材
Claims (4)
- 冷却水用配管の外壁に配置して使用される一対の検出器を有し、これらの検出器の間で信号を送受信させることにより前記冷却水用配管内の冷却水の流量値を測定する流量計の前記一対の検出器を前記冷却水用配管の外壁に取り付ける流量計取付治具であって、
前記冷却水用配管の軸方向に沿って延びる保持板と、
この保持板の軸方向の両端縁に取り付けられ、前記冷却水用配管を挟持する一対のクランプ部材と、
前記保持板および一対のクランプ部材の少なくともいずれかに取り付けられ、前記一対の検出器を所定間隔で保持する一対の検出器保持部材とを備え、
前記一対の検出器保持部材を構成する各検出器保持部材は、各検出器の姿勢を保持するホルダを有し、
前記ホルダがそれぞれ対応するクランプ部材に当接することにより、当該ホルダに保持された前記一対の検出器が前記所定間隔で保持されるように構成されており、
前記保持板は、前記クランプ部材の側面と対向するように前記冷却水用配管の軸方向に沿って延びる保持板本体と、前記保持板本体の上端が垂直に折曲げられてなり、前記ホルダが取付けられる折曲部とから構成され、
前記ホルダの側面には前記冷却水用配管の軸方向に延びる突条部が形成され、前記ホルダは前記突条部が前記保持板本体に当接するように前記折曲部に取付けられることを特徴とする流量計取付治具。 - 請求項1に記載の流量計取付治具において、
前記一対のクランプ部材を構成する各クランプ部材は、前記冷却水用配管に当接する一対の配管当接部材と、
これらの一対の配管当接部材を接続する接続部材とを備え、
前記一対の配管当接部材のうちのいずれかの配管当接部材は、前記保持板に取り付けられていることを特徴とする流量計取付治具。 - 請求項1または請求項2に記載の流量計取付治具において、
前記一対の検出器保持部材は、前記保持板に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする流量計取付治具。 - 請求項3に記載の流量計取付治具において、
前記一対の検出器保持部材を構成する各検出器保持部材は、
前記ホルダを冷却水用配管の外壁側へ押圧する押圧部材と、
この押圧部材を前記保持板に固定する固定部材とを備えることを特徴とする流量計取付治具。
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