JP6608381B2 - 生物学的試料分析のための光選択的方法 - Google Patents

生物学的試料分析のための光選択的方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6608381B2
JP6608381B2 JP2016553632A JP2016553632A JP6608381B2 JP 6608381 B2 JP6608381 B2 JP 6608381B2 JP 2016553632 A JP2016553632 A JP 2016553632A JP 2016553632 A JP2016553632 A JP 2016553632A JP 6608381 B2 JP6608381 B2 JP 6608381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
probe
sequence
moiety
specific binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016553632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017507656A (ja
Inventor
ネルソン アレキサンダー,
ラリー モリソン,
セディデ オズチュルク,
Original Assignee
ヴェンタナ メディカル システムズ, インク.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヴェンタナ メディカル システムズ, インク. filed Critical ヴェンタナ メディカル システムズ, インク.
Publication of JP2017507656A publication Critical patent/JP2017507656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6608381B2 publication Critical patent/JP6608381B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6823Release of bound markers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本開示は、標的の光選択的検出及び/又は単離のための方法の実施態様、並びに生物学的分析のためにこれらの実施態様を実施するのに適したプローブ及びアッセイに関する。
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織からタンパク質を多重化的かつ定量可能な様式で検出することは、組織診断の重要な側面である。免疫組織化学法などの現在の方法は、感度が低く、ダイナミックレンジが狭く、多重化能力が限られている。核酸と違って、タンパク質は増幅することができず、それゆえに、多重化検出技術、及びFFPE組織から低発現性タンパク質標的を定量化することは困難であり得る。また、対象となるタンパク質は、典型的には、幅広い範囲の場所にわたって試料中に発現しており、同じ組織試料からの複数の標的の同時検出をよりいっそう困難にさせている。単一の試料(例えば、組織試料)において複数の標的を検出するために有用である高度に多重化された試験は、試料単離を必要とする。溶解は、分析のために組織から試験可能な被分析物を取り出すために用いられる典型的な方法である。肉眼的ダイセクション及びレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)などの典型的な溶解方法は、これらの方法が組織状況全体を破壊し、組織破壊を引き起こし得、及び/又は試料から組織の切片を物理的に取り出すことを必要とするため、問題であり得る。組織試料における多重化アッセイもまた、これらの型のアッセイに用いられるプローブ及び標識のせいで、限られた数の標的を分析することに制限される。
個々の細胞内の染色体変化もまた、in situハイブリダイゼーション技術(ISH)を用いて分析することができる。現在、これらの分析は、遺伝子全体より大きい異常に限定されている。特定の標的又は改変(例えば、SNP、プロモーターメチル化、miRNA、及び100kbより実質的に小さい構造的変化)は、ISHを用いて検出することができない。多重化腫瘍学診断に関連した開示として、全内容が本明細書に出典明示により援用されている、A.V.Ullalら(2014)によるScience Translational Medicineに発表された「Cancer Cell Profiling by Barcoding Allows Multiplexed Protein Analysis in Fine−Needle Aspirates」が参照される。特に、その参考文献は、腫瘍学において診断能力を拡大するための多重化診断方法の重要性を記載している。その開示は、高度に多重化されたアッセイにより提供される医学的価値があるロバスト分析を提供する一方で、試料は、本明細書に記載されているような状況的情報から切り離されている細針吸引に限定された。定量可能なデータを生じ、かつ様々な生物学的試料において次世代シークエンシング、PCR、及び/又はアレイテクノロジーを用いて、感度が高く、かつ多重化された標的分析を兼ね備えることができる生物学的アッセイについての必要性が、当技術分野で存在している。
生物学的試料を分析するためのプローブ、及びそのようなプローブを用いる方法が本明細書に開示されている。本明細書に開示された方法は、様々な異なる型の試料の状況的分子診断を実施するために用いることができる。一つの開示された方法において、状況的分子診断は、試料を、光開裂性部分、特異的結合部分、及び検出タグを含むプローブと、試料中での特異的結合部分と標的の結合を促進するのに十分な条件を用いて接触させ、試料と結合しないプローブを除去し、状況的情報に基づいて照射のための試料の領域を選択し、試料の選択領域に、光開裂性部分を切断するのに十分な波長及び強度の光を照射し、それにより、試料の選択領域から検出タグを遊離させ、検出タグを検出することにより、実施される。この方法は、複数の標的との特異的結合部分を有する複数のプローブを含む接触工程をさらに含んでもよく、その複数の異なるプローブは、固有の検出タグ及び固有の特異的結合部分を含み、検出タグを検出することが、複数の固有の検出タグを検出することを含む。実例的には、方法は、追加の領域を選択することをさらに含んでもよく、そのため、方法は、その追加の領域を繰り返しかつ別々に照射することをさらに含む。方法は、追加の別々の反応バイアル内に追加の領域からの検出タグを繰り返し置くことをさらに含み得る。追加の別々の反応バイアルは、別個のID配列を有するPCRプライマーを含有し得る。それとして、方法は、検出タグにPCRプライマーを付加することを含んでもよい。実例的には、方法は、追加の選択領域から検出タグを繰り返しかつ別々に検出することを含み得る。方法は、試料の分子プロフィールを作成するために、選択領域からの検出タグの検出を試料に関連づけることをさらに含んでもよく、分子プロフィールが、試料全体の選択区域から検出された検出タグを有する各選択区域に関係している。
別の開示された方法において、状況的分子診断は、試料を、光反応性部分、特異的結合部分、及び検出タグを含むプローブと、試料中での特異的結合部分と標的の結合を促進するのに十分な条件を用いて接触させ、試料と結合しないプローブを除去し、状況的情報に基づいて照射のための試料の領域を選択し、試料の選択領域に、光反応性部分を反応させるのに十分な波長及び強度の光を照射し、それにより、さらなる反応のために検出配列を遊離させ、検出オリゴヌクレオチドに作用する酵素に組織試料を曝露させて、変化をもたらし、その変化を検出することにより実施することができる。一実施態様において、検出タグは、ポリメラーゼ連鎖反応プライマーであり、光反応性部分は、光開裂性ブロッキング基であり、酵素はポリメラーゼであり、変化はプライマー配列の伸長である。別の実施態様において、方法はさらに、選択領域を照射した後、隣接する検出タグをライゲーションすることを含む。
光活性化プローブを用いて状況的診断を実施するための開示されたシステムにおいて、システムは、試料を受け入れるように構成されたスライド、光活性化プローブを含有する容器、スライドを受けるように構成されたスライド画像化デバイス、及び試料を選択的に照射するように構成された光源を含む。光活性化プローブは、特異的結合部分、光活性化部分、及び検出タグを含み、光活性化プローブは、選択的照射により検出可能であるように構成される。状況的診断を実施するための開示されたキットにおいて、キットは、特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグを含むプローブ試薬溶液を含む。
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して進める以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
(A)光反応性リンカーを通して連結した特異的結合部分及び検出タグ、(B)特異的結合部分が抗体であるプローブ、及び(C)特異的結合部分がオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドであるプローブ、(D)特異的結合部分、検出タグ、及びそれに連結した光反応性部分、及び(E)特異的結合部分がオリゴヌクレオチド/ポリヌクレオチドであるプローブを示すプローブの概略図である。 (A)光開裂性部分に連結した様々な同定成分を有する検出タグの概略図、(B)例示的な同定部を示す検出タグの配列(配列番号1)表示を示す。 状況的分子診断を実施する方法を示す概略図である。 試料の2つの領域を選択する手法を示す顕微鏡写真である。 試料の領域を選択的に照射するための(A)顕微鏡対物レンズ、(B)液晶スクリーン、及び(C)デジタルマイクロミラーデバイスの使用を示す概略図である。 開示された方法の実施態様を図示する概略図であり、(A)は、(B)に図示された曝露工程における光への曝露前の、試料に結合したプローブを図示する。図6(C)は、その後のプローブ伸長を図示し、(D)は、伸長したプローブが次世代シークエンシングに供されることを示す。 図6(A)−(B)に類似した代替の光活性化手法を示す。 オリゴ/ポリヌクレオチド、光開裂性部分、及び検出可能な標識で修飾されたタグ配列を含むプローブが試料に加えられ、光を照射される、開示された方法の実施態様を図示する概略図である。 光での照射がケージドATPを自由にし、検出を可能にするように、ケージドATP部分が用いられる、開示された方法の実施態様を図示する概略図である。 リガーゼが、試料内の標的と結合した2つの異なる隣接プローブを連結する、開示された方法の実施態様を図示する概略図である。 試料の繰り返し照射、及びそれらからの検出タグの別個の容器への別々の収集を示す、状況的組織診断を実施するための方法であって、その容器が場所タグを含む場合も含まない場合もある、方法を図示する概略図である。 開示された方法の実施態様に用いられるコントロール試料から得られた結果を図示する写真画像である。 試料の選択的照射を図示する写真画像である。 図13は、試料の選択的照射を図示する写真画像である。図14は、選択的に照射されている試料から得られたシグナルの違いをさらに図示する、図13の写真画像の分解図である。 図15は、デジタルマイクロミラーデバイス及びパターン形成されたマスクを用いてスライドを選択的に照射することにより得られたパターン形成された試料の写真画像である。図16は、図15に図示された画像の分解図である。 特異的結合部分からの光選択的切断後の固有配列識別子の検出を図示する電気泳動ゲルの画像である。 最初のプローブ配列からさらに離れている伸長したプローブの領域を検出するためにリバースプライマーが用いられる、in situポリメラーゼ伸長実施態様を図示する概略図である。 in situポリメラーゼ伸長を用いて得られる、単離された配列を分析する電気泳動ゲルの画像である。 in situポリメラーゼ伸長を用いて得られる、単離されたCHR17配列を分析する電気泳動ゲルの画像である。 in situポリメラーゼ伸長を用いて、同じ試料内の2つの異なるプローブの伸長から得られる、単離された配列を分析する電気泳動ゲルの画像である。 (A)は、in situポリメラーゼ伸長実施態様を図示する概略図であり、(B)は、それから単離された配列を分析する電気泳動ゲルの画像である。 ケージドチミジン有り、及び無しの伸長したBRAFエクソン13プローブ(A)及びHER2エクソン10プローブ(B)について得られる、単離された配列を分析する電気泳動ゲルの画像である。
I.用語
特に断りのない限り、技術的用語は、従来の使用に従って用いられる。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin、Genes VII、Oxford University Press出版、2000(ISBN 019879276X);Kendrewら(編)、The Encyclopedia of Molecular Biology、Blackwell Publishers出版、1994(ISBN 0632021829);及びRobert A.Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference、Wiley,John & Sons,Inc.出版、1995(ISBN 0471186341)、並びに他の類似した参考文献に見出され得る。
本明細書で用いられる場合、単数形用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに他に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、語「又は」は、文脈が明らかに他に示さない限り、「及び」を含むものとする。また、本明細書で用いられる場合、用語「含む(comprises)」は「含む(includes)」を意味する。このゆえに、「A又はBを含むこと(comprising A or B)」は、A、B、又はA及びBを含むこと(including A,B,or A and B)を意味する。核酸又はポリペプチ又は他の化合物について述べられた、ヌクレオチドサイズ又はアミノ酸サイズ、及び分子量若しくは分子質量の値は、一般的に近似であり、説明のために提供される。
濃度、量、及び他の数値データは、範囲として本明細書に表現又は提示され得る。そのような範囲は、ただ便宜及び簡潔さのためだけに用いられ、範囲限定として明確に列挙された数値を含むだけでなく、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分的な範囲も、あたかもそれぞれの数値及び部分的な範囲が明確に列挙されているかのように、含むと解釈されるべきである。実例として、「約1−約5」の数値範囲は、約1−約5の明確に列挙された値だけでなく、その示された範囲内の値及び部分的な範囲、例えば、2、3、及び4、並びに1−3、2−4、及び3−5などの部分的な範囲、加えて、個々に1、2、3、4、及び5も含む。この同じ原理は、最小値又は最大値として1つの数値だけを列挙する範囲に適用される。さらに、そのような解釈は、範囲の幅、又は説明されることになっている特性に関わらず、適用されるべきである。
本明細書に記載されたものと類似した、又は等価の方法及び材料が、本開示の実施又は試験に用いることができるが、適切な方法及び材料は下に記載されている。本明細書で言及された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全内容が本明細書に出典明示により援用される。加えて、材料、方法、及び例は、実例となるのみであり、限定することを意図されたものではない。
特定の用語の以下の説明は、様々な開示された実施態様の閲覧を容易にするために提供される。
時々「Ab」と短縮される「抗体(Antibody)」は、免疫グロブリン、又は免疫グロブリン様分子(例として、かつ非限定的に、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、それらの組み合わせが挙げられる)、(例えば、ヒト、ヤギ、ウサギ、及びマウスなどの哺乳動物における)免疫応答中に生じる類似した分子、加えて、他の分子との結合を実質的に排除して、対象となる分子(又は対象となる非常に類似した1群の分子)と特異的に結合する抗体断片を指す。例えば、抗体及び抗体断片は、典型的には、生物学的試料において他の分子に対する結合定数より少なくとも10−1大きく、少なくとも10−1大きく、又は少なくとも10−1大きい、対象となる分子に対する結合定数を有する。「抗体」はさらに、抗原のエピトープを特異的に認識し、かつ結合する、少なくとも軽鎖又は重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドリガンドを指す。抗体は、重鎖及び軽鎖を含み得、それらのそれぞれが、可変重鎖(VH)領域及び可変軽鎖(VL)領域と名付けられた可変領域を有する。一緒になって、VH領域及びVL領域は、抗体により認識される抗原に結合することに関与している。「抗体」はまた、無傷の免疫グロブリン、及び当技術分野でよく知られた、それらの変異体及び部分を含む。抗体断片は、当技術分野で知られているような、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fab’−SH断片、及びFab断片などのタンパク質分解性抗体断片;sFv断片、dsFv断片、二重特異性sFv断片、二重特異性dsFv断片、F(ab)’2断片などの組換え抗体断片;一本鎖Fvタンパク質(「scFv」);ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」);ダイアボディ;(当該技術分野で知られているような)トリアボディ;及びラクダ科の抗体(例えば、米国特許第6015695号、第6005079号、第5874541号、第5840526号、第5800988号、及び第5759808号参照)が挙げられる。「抗体」はまた、Bリンパ球の単一クローンにより、又は単一抗体の軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子がトランスフェクトされている細胞により産生されることを特徴とするモノクローナル抗体を含む。モノクローナル抗体は、当業者に知られた方法により作製される。モノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体を含む。
「コンジュゲート」は、直接的又は間接的に、互いに連結した2つ以上の部分を指す。例えば、第1の部分は、第2の部分に共有結合的に、又は非共有結合的に(例えば、静電気的に)連結し得る。2つの部分の間に位置した分子又は原子団であり得るリンカーを用いることなどにより間接的付着が可能である。
「接触させること」は、2つ以上の部分の間に会合を可能にする配置、特に、例えば、固体の形及び/又は液体の形の両方である場合、直接的に物理的会合を可能にする配置(例えば、本明細書に開示されたプローブを含有する溶液などの組成物と接触した、スライドに付着した生物学的試料などの生物学的試料の配置)を指す。
「状況、状況的な」は、試料に付随した環境を指し、試料のある特定の部分の完全性、又はそれから得られる情報が、それを試料環境全体と比較することにより決定することができる。状況的情報は、試料の空間的及び関係的特性を考慮することにより理解することができる情報である。例として、組織試料についての状況的情報は、細胞の型、及び組織試料における様々な細胞の間での空間的関係を含む。一態様によれば、病理学者は、組織試料を、細胞構造、様々な細胞及び組織の形態学的特徴を用いて顕微鏡的に、若しくは画像を通して、又は試料内の染色(すなわち、免疫組織化学(IHC)抗体染色)の解釈を通して調べる場合、状況的情報を集めて、解釈する。状況的情報は、細胞の分類、又は腫瘍組織若しくは正常組織としての領域を含み得る。状況的情報はまた、空間的な腫瘍不均一性の観察、又は浸潤性周縁部若しくは目視検査を通して明らかな他の生物学的特徴の認識を含み得る。状況的情報は、脈管構造などの組織フィーチャー又は免疫細胞浸潤の同定を含み得る。本明細書で用いられる場合、状況的情報が、試料が、その試料から溶液を作製するために溶解され、又は碾かれる場合、どうかすると破壊されることは理解されている。この溶液の作製は、それらの生物学的場所から様々な成分を採取し、それらを溶液中に置き、その溶液において、空間的関係の少なくとも一部が失われている。状況的情報は、化学的又は分子的診断情報が画像又は試料場所に戻って関連づけることができる場合、保存することができる。別の例において、試料の化学的又は分子的画像化は、試料の状況的情報を保存するものとみなすことができる。
「検出する」は、例えば、試料において、作用物質(例えば、シグナル、又は特定の抗原、タンパク質、若しくは核酸)が存在するかどうか、又は存在しないかどうかを決定する能力を指す。いくつかの例において、これはさらに、定量化及び/又は局在化、例えば、細胞又は特定の細胞コンパートメント内での局在化を含み得る。「検出工程」は、標的分子が生物学的試料中に存在するかどうかを決定するなどの、あるものが存在するかどうか、又は存在しないかどうかを決定する任意の方法を指す。例えば、「検出工程」は、視覚によるデバイス、又は機械的デバイスを用いて、試料が特定の特性を示すかどうかを決定することを含み得る。ある特定の例において、標的と、又は標的の近位で結合した検出可能な標識を検出するために、光学顕微鏡法及び他の顕微鏡的手段が用いられる。検出工程はまた、検出タグのシークエンシング、アレイ分析、及び/又はPCR増幅を実施することを包含し得る。
「検出可能な標識」は、検出することができ、又は組織試料などの試料において、標的分子などの標的の存在、数、場所、及び/又は濃度を示す(例えば、視覚的に、電子的に、又は別の様式で)検出可能なシグナルを生じることができる分子又は材料を指す。標的と直接的に、又は標的の近位で結合することが可能である分子にコンジュゲートしている場合、検出可能な標識は、標的を位置づけ、及び/又は定量化するために用いることができる。検出可能な標識は、直接的又は間接的に検出することができ、いくつかの異なる検出可能な標識は、1つ又は複数の標的を検出するために組み合わせて用いることができる。
「ハイブリダイゼーション」は、DNA、RNAの2つの鎖の相補的領域の間で、又はDNAとRNAの間で塩基対を形成し、それにより二重鎖分子を形成することを指す。特定の程度のストリンジェンシーを生じるハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション方法の性質、並びにハイブリダイズする核酸配列の組成及び長さに依存して異なる。一般的に、ハイブリダイゼーションの温度及びハイブリダイゼーションバッファーのイオン強度(例えば、Na濃度)が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する。ハイブリダイゼーションバッファーにおいてハイブリダイゼーションを減少させる化学物質(例えば、ホルムアミド)の存在もまたストリンジェンシーを決定する(Sadhuら、J. Biosci. 6:817-821、1984)。特定の程度のストリンジェンシーに達するためのハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrookら、(1989)Molecular Cloning、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Plainview、NY(9章及び11章)に論じられている。ISHについてのハイブリダイゼーション条件もまた、Landegentら、Hum.Genet.77:366−370、1987;Lichterら、Hum.Genet.80:224−234、1988;及びPinkelら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:9138−9142、1988に論じられている。
「多重化する、多重化された、多重化」は、試料において複数の標的を、又は複数の試料において複数の標的を、同時に(concurrently)、実質的に同時に(simultaneously)、又は連続的に検出することを指す。多重化は、複数の異なる核酸(例えば、DNA、RNA、mRNA、miRNA)及びポリペプチド(例えば、タンパク質)を、個々に、かつありとあらゆる組み合わせの両方で、同定及び/又は定量化することを含み得る。
「オリゴヌクレオチド」は、ホスホジエステル結合により連結された複数の連結されたヌクレオチドを指す。ヌクレオチドの数は様々であり得るが、オリゴヌクレオチドは、典型的には、約6ヌクレオチドから約500ヌクレオチドまでを含む。「オリゴヌクレオチド」は、DNAオリゴヌクレオチド、RNAオリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド(例えば、天然に存在しないDNA若しくはRNA配列である配列、又はそれらを含有する配列)、及びオリゴヌクレオチドアナログ(オリゴヌクレオチドと同様に機能するが、天然に存在しない部分を有する部分である)を指す。例えば、オリゴヌクレオチドアナログは、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドなどの変化した糖部分又は糖間結合などの天然に存在しない部分を含有し得る。天然に存在するポリヌクレオチドの機能性アナログは、RNA又はDNAと結合することができ、それには、ペプチド核酸分子が挙げられる。
「近位の」は、参照点に、又は参照点近くに位置していることを指す。本明細書で用いられる場合、近位とは、参照点の約5000nm以内、約2500nm以内、約1000nm以内、約500nm以内、約250nm以内、約100nm以内、約50nm以内、約10nm以内、又は約5nm以内を意味する。
「試料」は、対象から得られる、ゲノムDNA、(mRNAを含む)RNA、遺伝子、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、又はそれらの組み合わせなどの生物学的分子を含有する生物学的標本を指す。例として、血液(例えば、末梢血)、尿、唾液、組織生検、外科標本、羊水穿刺試料、及び剖検材料が挙げられるが、それらに限定されない。
「特異的結合部分」は、試料の他の潜在的な結合ペア又は標的にされていない区域との結合を実質的に排除して、特異的結合ペアの第2のメンバー又は標的と特異的に結合する部分/化合物/配列を指す。特異的結合ペアは、他の分子との結合を実質的に排除して、お互いに結合する分子のペアである(例えば、特異的結合ペアは、その結合ペアの2つのメンバーの何れかについての、生物学的試料中の他の分子との結合定数より少なくとも10−1大きく、10−1大きく、又は10−1大きい結合定数を有し得る)。例示的な特異的結合部分には、タンパク質(例えば、抗体又はそれらの結合可変領域)、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNAなど)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、アプタマー、特異的結合ペアのメンバー、プライマー、プラスミド、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
「標的核酸配列又は分子」は、核酸分子の限定された領域又は特定の部分、例えば、ゲノムの一部(例えば、遺伝子、又は対象となる遺伝子を含有する哺乳動物ゲノムDNAの領域)を指す。標的核酸配列が標的ゲノム配列である例において、そのような標的は、染色体上の特定の場所を参照することにより、遺伝子地図上のその場所を参照することにより、仮定上の、若しくは構築されたコンティグを参照することにより、その特定の配列若しくは機能により、その遺伝子名若しくはタンパク質名により、又はゲノムの他の遺伝子配列の中からそれを一意的に同定する任意の他の手段により、例えば、細胞遺伝学的命名法に従って、(例えば、正常細胞における)染色体上のその場所により定義することができる。いくつかの例において、標的核酸配列は、哺乳動物ゲノム配列(例えば、ヒトゲノム配列)である。
いくつかの例において、標的核酸配列(例えば、ゲノム核酸配列)の変化は、疾患又は状態「に関連している」。いくつかの例において、標的核酸配列の検出は、試料の状態を疾患又は状態に関して推測するために用いることができる。例えば、標的核酸配列は、第1の型が疾患又は状態の非存在と相関し、第2の(又は異なる)型が疾患又は状態の存在と相関するような、2つ(又はそれ以上)の識別可能な型で存在することができる。2つの異なる型は、ポリヌクレオチド多型などにより、定性的に識別可能であり得、及び/又は2つの異なる型は、細胞中に存在する標的核酸配列のコピーの数などにより、定量的に識別可能であり得る。
「固有配列識別子」は、特定の標的及び/又はプローブの特異的結合部分と特異的に相関する配列を有するように構成されている核酸配列を指す。各固有配列識別子は、試料に存在する他の固有配列識別子と異なる配列を有し得、したがって、特定の標的及び/又はプローブの特異的結合部分を同定するために用いることができる。
II.概要
本開示は、組織及び細胞試料などの生物学的試料についての様々な分析技術に関する。本開示により企図された様々な分析技術には、標的検出、遺伝子シークエンシング(例えば、次世代シークエンシング)、多重化、増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応など)、質量分析に基づいたタンパク質分析などを挙げることができるが、それらに限定されない。本明細書に開示された分析技術は、光化学に基づいたテクノロジーを用いることにより容易にすることができる。
本開示はまた、複数の標的、場合によっては、多数の標的を分析するための効率的な方法を提供するための、当技術分野における現在のニーズに対処する分析技術及び単離技術に関する。分析を受けている最中に試料を破壊せず、それにより試料状況の完全性を維持する分析技術及び単離技術もまた、開示されている。例えば、当技術分野で現在知られている組織試料において標的を検出するための方法は、組織分析に利用可能なプローブの型を考慮すれば、ごくわずかな標的を検出することに限られる。これらの方法はまた、典型的には、次の分析を受ける単離された標的を供給するために様々な厄介で組織破壊的な単離技術(例えば、組織溶解又はレーザーキャプチャーマイクロダイセクション)を必要とする。本開示は、本明細書に提供された開示により例示されたプローブ、そのプローブを用いる方法、及び選択的単離技術を提供することによりこれらの問題及び限界に取り組む。
III.プローブ
試料において1つ若しくは複数の標的を検出し、及び/又は遺伝子異常の存在を決定するために有用な遺伝子情報を提供するためのプローブ実施態様が本明細書に開示されている。いくつかの実施態様において、プローブは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料、新鮮な試料、又は凍結試料を分析することを容易にするために用いられる。試料は、組織試料、細胞試料、又は可溶型タンパク質試料であり得る。追加として、開示されたプローブは、検出タグの実質的に無制限の数の組み合わせを提供することができる。この独特な特徴は、多重化アッセイにおいて複数の標的を検出するのに特に適している。
特定の開示されたプローブ実施態様は、分析方法及び単離のために特別な利点を与える光開裂性部分を含む。例えば、開示された光開裂性部分を用いることは、非特異的結合事象検出を減少させることにより分析中のバックグラウンドシグナルを低下させ得る。例えば、鋳型配列と、光開裂性部分を含む特異的に結合するプローブに付着したタグ配列との間に形成される二重鎖は、照射事象により切断することができ、その後、単離及び分析することができる。対照的に、非感光性相互作用(例えば、静電気性及び/又は疎水性相互作用)を通して試料とハイブリダイズする、(バックグラウンドノイズに寄与する)非特異的に結合した鋳型配列は、照射工程により切断され得ず、したがって、照射事象中に切断される所望のプローブに関して単離されるよりむしろ、試料についてシークエンシングされる可能性があり得る。このシナリオの下、所望のプローブ(又はプローブの所望の部分)だけが次の分析(例えば、増幅、遺伝子シークエンシング、アレイ分析など)を受ける。それとして、バックグラウンドの問題を生み出している試料配列をブロックするために非感光性プローブを試料に加えることができる。本明細書に記載されたある特定のプローブは、共有結合した光開裂性又は光反応性部分を含むが、プローブという用語は、そのように限定されない。他の実施態様において、プローブは、照射の後にプローブの特異的結合部分及び/又は標識成分と相互作用する別個の分子上に存在する光反応性部分又は光開裂性部分を含んでもよい。
A.プローブ成分
プローブのある特定の実施態様は、生物学的標的などの特定の結合ペアと結合するのに適した特異的結合部分(SBM)を含む。プローブはまた、光反応性部分(PRM)を含んでもよい。実例的な実施態様において、光反応性部分は、光開裂性部分である。特に、光開裂性部分は、適切な波長を有する光への曝露で、特異的結合部分などの他のプローブ成分から切断することが可能であり得る。プローブの実施態様はさらに、下流分析(例えば、アレイに基づいた分析、シークエンシング、及び/又はPCR増幅)に適した検出タグ((TAG)を含んでもよい。これらの成分、加えて、他のプローブ成分のそれぞれは、下記でより詳細に論じられている。
例示的プローブ実施態様は図1(A)−(E)に図示されている。図1(A)は、特異的結合部分101、光開裂性部分102、及び検出タグ103を含むプローブ実施態様100の一般的な図示を提供する。図1(B)は、例示的プローブ110を図示し、特異的結合部分101が抗体111であり、プローブがさらに、光開裂性部分102、及び検出タグとして働く固有配列識別子113を含む。固有配列識別子113は、特定の配列を含んでもよいし、又は特定のサイズ(例えば、ある特定の数のヌクレオチド)を有するように構成することができる。これらの可変で選択可能な特性は、プローブにより試料標的に効果的に連結したそれぞれの異なる固有配列識別子を一意的かつ弁別的に検出する能力を提供する。図1(C)は、例示的プローブ120を図示し、特異的結合部分がオリゴヌクレオチド121であり、プローブがさらに、光開裂性部分122及び固有配列識別子123を含む。
図1(D)は、特異的結合部分131、検出タグ132、及び光開裂性部分133を含むプローブ実施態様130の一般的な図示を提供する。図1(E)は、例示的プローブ140を図示し、特異的結合部分がオリゴヌクレオチド141であり、プローブがさらに、固有配列識別子143及び光開裂性部分142を含む。示されていないが、例示的プローブ140及び110に類似したプローブは、本開示の範囲内であると理解される。特に、別の例示的プローブは、130に類似した連結パターンを有する抗体特異的結合部分を含む。
1.光反応性部分(PRM)
光反応性部分は、光により反応し、又は切断される部分である。いくつかの実施態様において、光反応性部分は、1つ又は複数のプローブ成分から切断される。いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、光によって化学的に活性化されて、それが連結されている成分(又は複数の成分)から分離され、典型的には、(結合切断などにより)化学的に分離することが可能である。いくつかの実施態様において、切断事象は、プローブの部分を分離する(例えば、特異的結合部分を検出タグから分離する)。他の実施態様において、切断事象は、保護基を切断する。いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、ある特定の波長の光を吸収することが可能である。特定の開示された実施態様において、光開裂性部分は、紫外線及び/又は可視光により切断され得る。適切な紫外線は、典型的には、約250nmから約375nmまで、又は約260nmから約365nmまで、又は約280nmから約350nmまでなどの.約200nmから約400nmまでの範囲の波長を有する。適切な可視光は、典型的には、約450nmから約750nmまで、又は約500nmから約725nmまで、又は約550nmから約700nmまでなどの約400nmから約790nmまでの範囲の波長を有する。
ある特定のプローブ実施態様に用いられる光開裂性部分は、プローブのある特定の物理的性質、及び生物学的アッセイにプローブを用いることに関連した条件を考慮することに基づいて選択され得る。例えば、光開裂性部分は、光に基づいた切断反応の動力学に基づいて選択され得る。したがって、選択についてのある特定の例示的判断基準は、光開裂性部分が光化学的に切断される速度、光化学的切断の効率、そのサイズ、及び選択された分析/保存条件下でのその安定性を含む。いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、適切な波長の光に曝露されてから1分以内に、好ましくは適切な波長の光に曝露された後約5分以内など、適切な波長の光への曝露から実質的にすぐに光化学的に切断されるべきである。好ましい実施態様は、適切な波長の光に曝露された後1分未満に切断することができる光開裂性部分を用いることに関する。いくつかの実施態様において、光に曝露された実質的に全部の光開裂性部分が、この時間枠内に切断されるべきである。例えば、適切な波長の光に曝露された光開裂性部分の約50%から約100%までが切断されるべきであり、いくつかの実施態様は、約60%から約99%までの切断、又は約70%から約95%までの切断、又は約80%から約90%までの切断を有する。
光開裂性部分を含むプローブは、実質的に分解を防止するために特定の分析技術に関連した条件に対して十分安定であるべきである。例えば、光開裂性部分を含むプローブは、用いられる処理溶液、用いられるpH条件、及び/又は特定の技術に関連した温度により実質的に分解されずにあるべきである。さらに、プローブ及び光開裂性部分は、いかなる破壊性副産物も試料分析に干渉するのを防ぐために、切断前及び後、十分にロバストであるべきである。
いくつかの開示された実施態様において、光開裂性部分は、本明細書に開示されたプローブ成分とそれを連結するのに適したリンカーを含むことができる。適切なリンカーには、脂肪族リンカー、酸化アルキレンリンカー、ジスルフィドリンカー、市販のリンカー、重合体リンカーなどが挙げられるが、それらに限定されない。リンカーは、プローブに親水性又は疎水性の増加を与えるように選択されてもよい。単に例として、本明細書に開示された酸化アルキレンリンカーは、本明細書に開示されたプローブ成分の1つ又は複数に光開裂性部分を連結するために、及びプローブ全体の親水性を増加させるために用いることができる。
開示された光開裂性部分のいくつかの実施態様は、下記に提供された式I又は式IIを有する:
式I又は式IIに関して、各Rは、独立して、ハロゲン、水素、又はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルなど)であり得、各Rは、独立して、アルキル、アリール、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、エーテル、エステル、アミン、アミド、又はハロゲンから選択され得、各Yは、独立して、酸素、硫黄、NH、NR(ただし、Rは脂肪族、特にアルキルである)、−C(O)−、−OC(O)−、−NHC(O)−、又はハロゲン(例えば、Cl、Br、Fl、又はI)から選択することができ、各Aは、独立して、炭素又は窒素であり得、nは0、1、2、又は3であり得、mは0又は1であり得る。
光開裂性部分の例示的種は下記に図示されている。これらの種、及び本明細書に提供された一般式に関して、
という記号は、光開裂性部分が結合し得る他の成分(例えば、特異的結合部分、リンカー、検出タグなど)への省略された結合を示すために用いられる。
いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、下記に提供された式III又は式IVを有し得る:
式IIIと式IVの両方に関して、R、Y、nのそれぞれは、式Iについて上記で示されている通りであり得る。式IIIの「W」という変項は、OH又はN(R(ただし、Rの少なくとも1つは水素であり、その他のR部分は水素又は脂肪族、特に、アルキルであり得る)から選択することができる。式IIを有する光開裂性リンカーの例示的実施態様が下記に提供されている。これらの例に関して、PGは、アミン保護基を指し、それは、当業者により容易に認識される。
光開裂性部分は、本明細書に開示された方法において光開裂性部分を組み入れ、及び/又はその使用を容易にするのに適した追加の官能基又は部分を直接的か又は間接的かの何れかで含み得、又は結合し得る。例えば、光開裂性部分は、光開裂性部分の核酸特異的結合部分への組み入れを促進するためにホスホラミダイトに結合していてもよい。他の実施態様において、光開裂性部分は、ビオチン分子などの検出可能な標識に結合していてもよい。特に開示された実施態様において、光開裂性部分は、ホスホラミダイト含有光開裂性部分、ビオチン含有光開裂性部分、及び/又はアミン含有光開裂性部分から選択される。光開裂性部分を含む例示的実施態様は下記に提供されている。
いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、2つの異なる成分を互いに連結するためのリンカーとして働き得る。ある特定の例示的プローブ実施態様について、光開裂性部分は、検出タグなどの別のプローブ成分に特異的結合部分を連結する。特異的結合部分がプライマー配列である場合などの他の開示された実施態様において、光開裂性部分は、プライマー配列の3’末端、プライマー配列の5’末端、又は両方において(しかし、より典型的には、プライマー配列の3’末端において)、ポリメラーゼブロッキング部分としての役割を果たし得る。それにより、光開裂性部分は、適切な波長の光に曝露されていない試料のそれらの特定の部分上でポリメラーゼ酵素により伸長されることから、プライマー配列の3’末端をブロックすることができる。試料の照射された部分に存在するそれらのプライマーのみが、ブロッキング部分が除去され、それに従って、プライマーがポリメラーゼ酵素によって化学修飾することが可能であるため、ポリメラーゼ酵素によって伸長される。別の実施態様において、ケージドチミジンが同様に用いることができる。ケージドチミジンが、塩基対形成に干渉することによりin situポリメラーゼ伸長を阻害するために用いられ得ることが観察された。
光開裂性部分はまた、プローブ以外の成分上に存在してもよい。例えば、方法の特定の開示された実施態様は、ATP分子をブロック又はケージするために光開裂性部分を用い、すなわち、光開裂性部分が、試料が適切な波長の光を照射されて、光開裂性部分を切断して、ATP分子を放出するまで、ATPがATP依存性酵素反応に用いられることを防ぐ。例示的なブロックされたATP化合物(100)が下記のスキーム1に提供されている。適切な波長の光への曝露により、ATP化合物102が得られる。
光開裂性部分についての方法及び組成物に関連した開示のために全内容が本明細書に出典明示により援用されている、米国特許第7432368号及び米国特許公開第2014/0051605号が参照される。
同様に、別の実施態様において、標的核酸配列にハイブリダイズしたプライマーのポリメラーゼ酵素(例えば、標的がDNAである場合、DNAポリメラーゼ及びその変異体、又は標的がRNAである場合、逆転写酵素)による伸長を防ぐために、ケージドデオキシヌクレオシド三リン酸が用いられる。照明の非存在下で有意なプライマー伸長を防ぐために、全ての4つのデオキシヌクレオシド三リン酸がケージされ得、又は少なくも単一のヌクレオシド三リン酸がケージされ得、残りのデオキシヌクレオシド三リン酸がケージされない。ケージドデオキシヌクレオシド三リン酸の例は、ケージドdATPであり、その例は、デオキシリボース糖がリボース糖部分に取って代わることを除いて、スキーム1に図示されている。ケージドdATPを合成する例は、The Development of Methods for the Time−Resolved Imaging of the Replication of Single DNA Molecules、Richard David Perrins Ph.D.論文、the University of Birmingham(2005年8月)に記載されている。ケージドジデオキシリボシルチミン三リン酸、ジデオキシアデノシン三リン酸、及びアラビノシルシトシン三リン酸の調製は、Meldrumら、「Kinetics and mechanism of DNA repair」、Biochem.J.(1990)266、885−890により記載されている。Walkerらは、「Photolabile 1−(2−Nitropheny1)ethyl Phosphate Esters of Adenine Nucleotide Analogues.Synthesis and Mechanism of Photolysis」、J.Am.Chem.Soc.1988、110、7170−7177を記載する。別の参考文献において、Meldrumらもまた、「Use of Caged Compounds in Studies of the Kinetics of DNA Repair」、METHODS IN ENZYMOLOGY、291巻、1998を記載する。
2.特異的結合部分
特異的結合部分は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質(例えば、抗体又はその断片)、核酸、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、miRNAなど)、特異的結合ペアのメンバー(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンなど)、プライマー、アプタマー、プラスミド、又はそれらの組み合わせから選択することができる。特異的結合部分として用いられる適切な抗体には、一次抗体及び/又は二次抗体が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、抗体は、試料中の標的と直接的に結合する一次抗体であってもよいし、又はそれは、別の抗体を通して試料中の標的と間接的に結合する二次抗体(例えば、抗種(anti−species)抗体)であってもよい。抗体はまた、モノクローナル抗体であり得る。適切な例示的な特異的抗体には、HER−2/neuウサギモノクローナル抗体、PRウサギモノクローナル抗体、トポイソメラーゼIIaウサギモノクローナル抗体、ERウサギモノクローナル抗体、Ki−67ウサギモノクローナル抗体、p53抗体、及び本明細書に開示された特定の標的配列の何れかを含め、知られている標的、又は今後決定される標的を有する試料を分析することに用いるのに適し得る任意の他の抗体が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に開示されたプローブは、特異的結合部分として抗体全体に限定されず、結合可変領域などの抗体断片を含んでもよい。
特異的結合部分として用いる適切なオリゴ/ポリヌクレオチドには、特定の標的配列(又は標的配列断片)とハイブリダイズするのに適したものが挙げられるが、それらに限定されない。特定の開示された実施態様において、特異的結合部分は、DNA又はRNAとの相補的結合に適したオリゴ/ポリヌクレオチドであり得る。他の開示された実施態様において、特異的結合部分は、ポリメラーゼ媒介性伸長による伸長に適した、少なくとも1つの末端に含むDNAプライマー又はRNAプライマーなどのプライマーであり得る。例えば、プライマーは、ポリメラーゼ酵素を用いるプライマーの伸長を可能にする遊離のヒドロキシル基を含み得る。他の適切な特異的結合部分には、アプタマー及び/又はプラスミドが挙げられる。
開示された実施態様を実施するのに適した特異的結合ペアのメンバーには、イムノアッセイ及び/又はハイブリダイゼーション手順に典型的に用いられるメンバーが挙げられるが、それらに限定されない。特異的結合ペアの特定の開示された実施態様には、アビジン、ビオチン、ストレプトアビジンなどが挙げられ得る。
ある特定のプローブ実施態様は、標的配列若しくは標的配列の一部と特異的に結合することが可能であるオリゴ/ポリヌクレオチド、又は標的タンパク質におけるエピトープと結合することが可能である抗体である特異的結合部分に関する。例示的標的配列は本明細書に提供され、対象となるある特定の標的は、BCL2(18q21.3;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000018、相補鎖、ヌクレオチド58941559 59137593)、TOP2A(17q21−q22;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000017、相補鎖、ヌクレオチド35798321 35827695)、ERG(21q22.3;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000021、相補鎖、ヌクレオチド38675671 38955488)、PTEN(10q23.3;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000010、ヌクレオチド89613175 89716382)、p53(17p13.1;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000017、相補鎖、ヌクレオチド7512464 7531642)、EGFR遺伝子(7p12;例えば、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000007、ヌクレオチド55054219 55242525)、又は配列番号8−19の何れか1つから選択される。
オリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分は、これらの標的の配列又は配列の部分と相補的に結合することが可能であるヌクレオチドの任意の配列を有し得、標的配列(又は標的配列の部分)と結合する少なくとも5ヌクレオチド−約5,000ヌクレオチド(又は、例えば、約5−約4,500ヌクレオチド、約10−約4,000ヌクレオチド、約20−約3,500ヌクレオチド)を含み得る。オリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分はまた、(本明細書に開示されているような光開裂性ホスホラミダイトなどの)光開裂性部分を含むことができる。特異的結合部分のこれらの実施態様はさらに、以下の何れか1つ(又は複数)を含む固有配列識別子を含むことができる:アダプター配列、アラインメント配列、試薬バーコード配列(試薬バーコード配列は、プローブ中に存在する特定のオリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分に固有のランダム配列を有するように選択された少なくとも6−約200ヌクレオチドを含む)、及び/又は対象インデックス配列。
抗体特異的結合部分を含むプローブの実施態様は、以下の例示的コンジュゲート化構造を有し得る:HER(例えば、HER1、HER2、HER3、又はHER4)ウサギモノクローナル抗体−光開裂性部分−固有配列識別子;PRウサギモノクローナル抗体−光開裂性部分−固有配列識別子;TOP2aウサギモノクローナル抗体−光開裂性部分−固有配列識別子;ERウサギモノクローナル抗体−光開裂性部分−固有配列識別子;Ki−67ウサギモノクローナル抗体−光開裂性部分−固有配列識別子;p53抗体−光開裂性部分−固有配列識別子。固有配列識別子は、配列番号1−3又は21−23の例示的配列のうちの1つなどの任意の適切な配列を有し得る。他の実施態様において、これらのコンジュゲートに提供される各固有配列識別子は、タグ配列に置き換えられてもよい。
開示されたプローブにおいて特異的結合部分として用いられ得るオリゴ/ポリヌクレオチド配列の例示的実施態様には、配列番号4などの17番染色体アルファサテライトリピート配列、配列番号5などのALU反復配列、又は配列番号20などの7番染色体アルファサテライトリピート配列が挙げられる。
他の適切なプローブには、DNP−TATTTT−DNP−TATTTTなどのDNPタグ化プローブ、並びに配列番号6及び/又は配列番号7などのプライマー部位を含むプローブが挙げられる。他のプローブには、配列番号34−41から選択されるオリゴ/ポリヌクレオチド配列を含むものが挙げられるが、それらに限定されない。さらに他の実施態様において、オリゴヌクレオチド特異的結合部分は、一意的に特異的な核酸プローブを作製するための方法に関連した開示のために全内容が本明細書に出典明示により援用されている、米国特許公開第2011/0160076号に開示された型であり得る。さらなる例示的実施態様において、プローブは、米国特許出願第61/645247号又は国際公開第WO2013/167387号に開示され、それらのどちらも、一意的に特異的なプローブに関連した開示のためにその全内容が本明細書に出典明示により援用される。さらに他の実施態様において、オリゴヌクレオチド特異的結合部分は、米国特許第8420798号又は米国特許第7869959号に開示された型であり得、それらの特許は、核酸プローブを選択し、及び/又は作製するための方法に関連した開示のためにその全内容が本明細書に出典明示により援用される。
特定の例として、プローブは、細胞内ドメインにおいて、配列番号10のアミノ酸1231−1250(GAPPSTFKGTPTAENPEYLG)などのHer2細胞内ドメインにおけるエピトープを認識することが可能である、一次抗体4B5(Ventana Medical Systems,Inc.から入手できる)を含み得る。プローブはさらに、抗体に結合した光開裂性部分を含む。配列番号1−3又は21−23に記載された配列の何れか1つを有する固有配列識別子(又はタグ配列)もまた、光開裂性部分に結合している。
3.検出タグ
プローブのある特定の開示された実施態様は、検出タグを含む。いくつかの実施態様において、検出タグは、固有配列識別子であり得る。他の実施態様において、検出タグは、タグ配列であり得る。
各固有配列識別子は、ヌクレオチドの固有配列を有する。その配列は、所望の情報を提供するように設計することができる。いくつかの実施態様において、固有配列識別子におけるヌクレオチドの数は、1ヌクレオチドより多くから少なくとも約100ヌクレオチドまで、より典型的には、約3ヌクレオチドから約150ヌクレオチドまで、さらにより典型的には、約50ヌクレオチドから約90ヌクレオチドまで、又は約18ヌクレオチドから25ヌクレオチドまでの範囲であり得る。一実施態様において、バーコード配列は少なくとも18ヌクレオチドであるが、NGSのためのタグ配列(インデックスタグ)は典型的には4−6ヌクレオチドである。各固有配列識別子の個々の配列は、試料中に存在する潜在的に無限の数の固有配列識別子の間を、固有配列識別子の配列及び/又はサイズに基づいて容易に識別する能力を提供する。例えば、混合された細胞型(例えば、ヒト細胞及びマウス細胞)を含む試料において、ヒト細胞が第1の特定の固有配列識別子を含むプローブで検出することができ、かつマウス細胞が第2の完全に異なる固有配列識別子で検出することができるように、固有配列識別子は、細胞型を区別するために用いることができる。固有配列識別子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いることなどにより、当業者に知られた技術を用いて検出を向上させるために増幅されてもよい。固有配列識別子はまた、所望の標的が検出された後、コード化情報について分析されてもよい。いくつかの実施態様において、固有配列識別子は、次世代シークエンシングを用いることなどにより、シークエンシングされてもよい。他の実施態様において、固有配列識別子は、マイクロアレイ(例えば、DNAマイクロアレイ)を用いることなどにより、アレイハイブリダイゼーションを用いて同定されてもよい。
図2(A)−(B)は、(A)検出タグの概略図、及び(B)本開示により企図される実例的な固有配列識別子を提供する。固有配列識別子200は、光反応性部分(PRM)202に連結することができ、1つ又は複数のアダプター配列(204及び212)、アラインメント配列206、任意選択の患者インデックス配列208、及び試薬バーコード210を含む。
アダプター配列204及び/又は212は、典型的には、固有配列識別子の分析を容易にするために操作され得る短いヌクレオチド配列を含む。例えば、アダプター配列は、次世代シークエンシング技術に用いられる基材上に存在する対応する核酸配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含み得る。アダプター配列は、いくつかの実施態様において、固体相増幅シークエンシング技術を利用し、それに従って、固体相増幅基材(例えば、フローセル)を用いる次世代シークエンシングに用いるために構成される。他の実施態様において、アダプター配列は、エマルションPCRに用いるために構成され得、それにより、マイクロビーズ基材に結合するのに適し得る。ある特定の開示されたアダプター配列は、用いられることになっている特定の次世代シークエンシング試料(例えば、固体相増幅フローセル上に含まれる配列、又はマイクロビーズ上に含まれる配列)とハイブリダイズするのに十分な数のヌクレオチド、例えば、1ヌクレオチド−少なくとも50ヌクレオチド、典型的には、約5ヌクレオチド−約40ヌクレオチド、より典型的には、約15ヌクレオチドから約30ヌクレオチドまでを有する。
固有配列識別子200はまた、配列206などの1つ又は複数のアラインメント配列を含んでもよい。アラインメント配列は、特定の固有配列識別子を読み取るための起始点を提供することにより正確なシークエンシングを促進する。特定の開示された実施態様において、アラインメント配列は、固有配列識別子の5’末端近くに位置する。アラインメント配列は、約3ヌクレオチドから少なくとも約20ヌクレオチドまで、より典型的には、約5ヌクレオチドから約15ヌクレオチドまでなど、読み取りのための正確なアラインメントを可能にするのに十分な数のヌクレオチドを含む。
配列208などの対象インデックス配列は、分析される特定の対象に相関し、それによりそれを一意的に同定するように設計される特定の固有ヌクレオチド配列を有する。例えば、患者のアイデンティティは、対象インデックス配列と等しく扱われ得、したがって、この配列は、特定の患者に関する特定の試料から単離された固有配列識別子を同定するために用いることができる。いくつかの実施態様において、対象インデックス配列を含むことは、対象を特定の試料と容易に相関させることができるため、複数の試料が一度に分析される場合、有用であり得る。対象インデックス配列は、約3ヌクレオチドから少なくとも約10ヌクレオチドまで、例えば、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、又は10ヌクレオチドを含む固有ヌクレオチド配列を含む。
試薬バーコード210などの試薬バーコードは、試料内の標的上にプローブを(例えば、ハイブリダイゼーション、共有結合、抗原/抗体認識などを通して)配置するために用いられる各特異的結合部分と相関するように設計されるヌクレオチドの配列を提供する。例えば、特異的結合部分として抗体を含むプローブは、その特定の抗体に固有の(又はそれと相関する)ヌクレオチドの配列を含む試薬バーコードを含む固有配列識別子と結合し得る。他の実施態様において、試薬バーコードは、ロットデータ、製造データ、日付情報、供給源情報、又はそれらの組み合わせなどの他の情報をコードするように構成することができる。いくつかの実施態様において、試薬バーコード配列は、約6ヌクレオチド−約150ヌクレオチド、又は6ヌクレオチド−約100ヌクレオチド、又は約6ヌクレオチド−約50ヌクレオチドなどの約6ヌクレオチドから約200ヌクレオチドまでを含み得る。
図2(A)に図示されているように、固有配列識別子200は、その成分の各末端にアダプター配列204及び212を含み得る。典型的には、少なくとも1つのアダプター配列(204又は212)は、光反応性部分202に結合している。光反応性部分202は、固有配列識別子200を特異的結合部分(未呈示)に連結し得、又は光反応性部分202は、固有配列識別子200に付加する保護基であり得る。アラインメント配列206は、典型的には、光開裂性部分202と結合しているアダプター配列204の次に位置し、試薬バーコード210は、アラインメント配列206のすぐ次に、又は近接して位置してもよい。対象インデックス配列208は、アラインメント配列206と試薬バーコード210の間に位置してもよい。最後に、第2のアダプター配列212は、典型的には、試薬バーコードの次に位置する。第2のアダプター配列212は、固有配列識別子200を特異的結合部分に連結することを容易にし得る。
適切な固有配列識別子が、上記で論じられた全ての成分を含んでもよいし、又はそれはある特定の成分を省いてもよいことを、当業者は認識しているであろう。各成分は、図2(A)により図示された順序で位置することができ、又は異なる成分順序づけが用いられてもよい。例えば、用いられる次世代シークエンシングの特定の方法は、アダプター配列を必要とする場合もあるし、必要としない場合もあることを当業者は認識しているであろう。追加として、対象インデックス配列は、任意選択の成分であり、したがって、存在してもよいし、省かれてもよい。開示された固有配列識別子の特定の実施態様は、コンピュータアルゴリズムにより作成されてもよく、そのコンピュータアルゴリズムは、それぞれが、ヌクレオチドの異なる配列を含む試薬バーコード、並びに/又はアダプター配列、アラインメント配列、対象インデックス配列、及び/若しくは試薬バーコード配列の組み合わせを有する、実質的に無限の数の固有配列識別子配列を作成することが可能である。
例示的固有配列識別子215は、図2(B)に図示されている。固有配列識別子は、1つの末端で光開裂性リンカー(未呈示)に連結されてもよく、その光開裂性リンカーは、アダプター配列218と直接的か又は間接的かの何れかで連結される。例示的固有配列識別子215はさらに、アラインメント配列220、対象インデックス配列222、試薬バーコード配列224、及び第2のアダプター配列226を含む。他の例示的固有配列識別子には、配列番号1−3及び21−23が挙げられる。
他の開示された実施態様において、検出タグは、タグ配列であり得る。本明細書に開示された固有配列識別子とは別個で、異なるタグ配列は、組織試料上の特定の標的に関する情報(例えば、プローブアイデンティティ、ロットデータ、製造データ、日付情報、及び供給源情報など)をコードするために用いられ得る。タグ配列はまた、PCR増幅に適している試料との鋳型鎖の結合を促進する。いくつかの実施態様において、タグ配列は、特異的結合部分を通して組織試料のタンパク質標的と結合し得る。単に例として、タグ配列は、光開裂性リンカーにより抗体又はオリゴ/ポリヌクレオチドと結合していてもよく、その抗体又はオリゴ/ポリヌクレオチドは、試料中の特定の標的と結合する特異的結合部分としての役割を果たす。タグ配列は、少なくとも1ヌクレオチドから約25ヌクレオチドまで(例えば、少なくとも1ヌクレオチド−約22ヌクレオチド、又は少なくとも約1ヌクレオチド−約20ヌクレオチド、又は少なくとも1ヌクレオチド−約18ヌクレオチド)などの、鋳型鎖とのハイブリダイゼーションを促進するために十分な数のヌクレオチドを有する。
いくつかの実施態様において、タグ配列は、1つ又は複数の隣接プライマー配列を含み得、又はそれらをさらに含むように修飾され得る。例えば、いくつかの実施態様において、タグ配列は、それが試料と結合する前に、隣接プライマー配列を含む。他の実施態様において、タグ配列は、試料と結合していてもよく、その後、プライマー配列で修飾され得る。さらに他の実施態様において、特異的結合部分自体が、タグ配列であってもよく、タグ配列の5’末端、タグ配列の3’末端、又はタグ配列の5’末端及び3’末端の両方と結合した隣接プライマー配列を含むことができ、又は含むように修飾することができる。各タグ配列は、同じ隣接プライマー配列又は異なる隣接プライマー配列を含み得る。例えば、いくつかの実施態様において、同じ隣接プライマー配列は、試料内の全てのタグ配列について用いられ得る。これは、試料内に存在する全てのタグ配列の同時的増幅を可能にする。
タグ配列は、いくつかの実施態様において、分析の前に、鋳型配列と組み合わせられてもよい。一般的にヌクレオチドのより長い鎖を含む鋳型配列は、PCRなどの増幅技術を促進するために用いられる。鋳型配列は、例えば、定量的PCRに適した長さを有するオリゴヌクレオチド(例えば、約50ヌクレオチドから約100ヌクレオチドまで、又は約60ヌクレオチドから約90ヌクレオチドまで、又は約70ヌクレオチドから約80ヌクレオチドまでを有するオリゴヌクレオチド)であり得る。いくつかの実施態様において、鋳型配列は、タグ配列と(例えば、配列相補性を通して)特異的にハイブリダイズして、安定な二重鎖を形成するように構成することができる。本明細書で開示される場合、安定な二重鎖は、典型的には、60℃より高い融解温度(T)を有する。いくつかの実施態様において、この二重鎖は、タグ配列を特異的結合部分と結合させる光開裂性部分の開裂を通してさらなる分析のために溶液へ移すことができる。このタグ−鋳型二重鎖プローブを用いることは、1つ又は複数の追加の認識生体分子/ペプチド配列を、鋳型配列に直接的に付着させる必要性(そのことは、典型的には、当技術分野で用いられている)を避ける。例えば、当技術分野で用いられるイムノPCR方法は、試料中の標的に結合する抗体に鋳型鎖を直接的にコンジュゲートする。しかしながら、これらの方法は、大きな鋳型鎖がこの特異的結合に干渉し得る場合が多いため、抗体−抗原結合の低下を生じ得る。本明細書に開示されているように、鋳型配列は、特異的結合部分が結合した後に加えられてもよく、それにより、大きな鋳型配列によって引き起こされる特異的結合干渉を減少させ、好ましくは実質的に排除する。
他の開示された実施態様において、タグ配列は、1つ又は複数のペプチド核酸及び/又はロックド核酸を含むように改変されてもよい。ペプチド核酸(PNA)は、プリン及びピリミジン塩基が連結されている、ペプチド結合により連結されたN−(2−アミノエチル)−グリシン単位のバックボーンを含む人工的に合成されたポリマーである。PNAは、PNAが、DNA中に典型的に見出される荷電リン酸基を含まず、それゆえに、天然DNA鎖である鋳型配列とより強いハイブリダイゼーションを示すため、鋳型配列(又はタグ配列)とのハイブリダイゼーションを向上させるために用いられ得る。ロックド核酸(LNA)は、リボースを3’−内部立体構造においてロックする、ヌクレオチドのリボース部分において架橋を含む1個又は複数の改変ヌクレオチドを含む。この立体構造は、塩基スタッキングを増強し、それにより、タグ配列(又は鋳型配列)の鋳型配列(又はタグ配列)とハイブリダイズする能力を増加させる。したがって、タグ配列中にPNAか又はLNAの何れかを用いることは、鋳型配列の非特異的結合により生じるバックグラウンドシグナルを低下させることができ、さらに、タグ配列と鋳型配列との間に形成される二重鎖を強化することができる。
開示された検出タグは、各検出タグが含み得るヌクレオチドの型において限定されない。例えば、固有配列識別子及びタグ配列のような検出タグは、1個又は複数の天然に存在するヌクレオチド、合成されたヌクレオチド、化学修飾されたヌクレオチド、及びそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施態様において、固有配列識別子及び/又はタグ配列は、1つ又は複数のペプチド核酸又はロックド核酸成分を含むことができる。
固有配列識別子又はタグ配列の塩基比は、固有配列識別子及び/又はタグ配列の構造に化学的及び/又は物理的改変を与えるように構成され得る。例えば、タグ配列に存在する塩基組成は、鋳型配列とのハイブリダイゼーションでのこの成分の熱融解温度に影響を及ぼすように構成され得る。すなわち、タグ配列の塩基比は、鋳型配列とのハイブリダイゼーションを促進するように改変され得、又はそれは、タグ/鋳型ハイブリダイゼーションを低下させるように改変され得る。鋳型の塩基比もまた、同様の様式で改変され得る。そのような操作は、検出タグに限定されず、オリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分などの特異的結合部分にも適用され得る。これらの特異的結合部分は、標的配列との特異的又は非特異的結合を促進するある特定の塩基比を有するように構成することができる。
ある特定のプローブ成分の塩基比はまた、プローブについての情報を伝えるように構成することができる。例えば、固有配列識別子及び/又はタグ配列の塩基比は、その特定の固有配列識別子及び/又はタグ配列を表すように用いることができるある特定の塩基比を有するように構成することができる。いったん、この特定の塩基比を含むプローブが置かれ、かつその後単離されたならば、特定の塩基比が、最初の試料上の、その特定の単離された固有配列識別子及び/又はタグの起源を追跡するために用いることができる。
塩基比はまた、検出タグの単離を容易にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施態様は、アレイ分析及び/又は次世代シークエンシングのために検出タグを単離することに関する。これらの実施態様において、アレイ及び/又は次世代シークエンシング分析中に検出タグが結合する基材の塩基比が、検出タグに存在する相補的塩基比と特異的にハイブリダイズするように構成することができる。
開示されたプローブはまた、2つ又はそれ以上のプローブ成分を連結することを促進する1つ又は複数の連結促進物質を有し得る。適切な連結促進物質には、1つ又は複数のアミド結合、エステル結合などを形成するのを促進するために当技術分野で典型的に用いられる官能基が挙げられるが、それらに限定されない。連結促進物質は、1つ又は複数のプローブ成分の間の連結を促進する化合物であり得るが、プローブへ組み入れられていない。例示的連結促進物質には、カルボジイミド、NHSエステル、イミドエステル、マレイミド、ハロアセチル、ピリジルジスルフィド、ヒドラジド、アルコキシアミン、ジアジリン、アリールアジド、イソシアネートなどが挙げられるが、それらに限定されない。
実例的な検出タグは、一意的に異なる核酸タグを作製するための方法に関連した開示のために全内容が本明細書に出典明示により援用されている、米国特許公開第2012/0070862号により開示されているように、一意的に異なるタグであるように選択され得る。
4.他の成分
ある特定の実施態様において、プローブは、特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグ以外の1つ又は複数の追加の成分を含んでもよい。
ある特定のプローブ実施態様はまた、典型的には選択された特異的結合部分(1つ又は複数)に連結した、検出可能な標識を含んでもよい。検出可能な標識の特定の開示された実施態様は、ハプテン、酵素、発色団、フルオロフォア(例えば、量子ドット)、特異的結合ペアのメンバー、又はそれらの組み合わせから選択され得る。これらの検出可能な標識は、検出タグの積極的な精製を促進するために用いることができる。開示された方法において有用なハプテンには、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオウレア、ロテノイド、クマリン、シクロリグナン、ジニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、又はローダミンが挙げられるが、それらに限定されない。今開示された実施態様において用いられ得るハプテンの特定の実施態様は、全内容が本明細書に出典明示により援用されている、米国特許第7695929号に開示されている。例示的ハプテン種には、5−ニトロ−3−ピラゾールカルバミド、2−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−4−カルボン酸)、3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミド、2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−カルバミド、及び2−アセトアミド−4−メチル−5−チアゾールスルフォンアミドが挙げられるが、それらに限定されない。他の例示的ハプテンには、以下が挙げられる:
特定の開示された実施態様において、検出可能な標識は、次の単離工程における単離及び/又は精製を容易にするためにプライマーと連結され得る。例えば、検出可能な標識は、プライマーのヌクレオチドに(例えば、ヌクレオチドの官能化塩基を通して、又はホスホラミダイトに基づいたオリゴヌクレオチド合成により)連結することができる。また、プローブは、検出を容易にするために、タグ配列又は固有配列識別子と結合した検出可能な標識を含んでもよい。これらの特定のプローブを作製するために、同様の塩基官能化方法及び/又はホスホラミダイトに基づいたオリゴヌクレオチド合成方法が用いられ得る。いくつかの実施態様において、検出可能な標識は、ポリメラーゼによるプライマー配列の伸長により取り込まれるようになるヌクレオシド三リン酸に付着していてもよい。
いくつかの実施態様において、プローブは、チラミン又はチラミン誘導体などのシグナル増幅部分をさらに含んでもよく、そのシグナル増幅部分は、検出可能な標識により発生したシグナルの強度を増加させるために用いることができる。したがって、チラミドシグナル増幅(TSA)は、開示されたプローブの実施態様と共に用いられ得る。適切なチラミン誘導体、加えてチラミン誘導体を付着させる方法の特定の例は、本明細書に出典明示により援用されている、米国特許公開第2013/0109019号に開示されている。適切なチラミン誘導体は以下の式を有し得る:
式中、Rは、ヒドロキシル、エーテル、アミン、及び置換アミンから選択され、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OR、−NR、及び−SR(ただし、mは1−20であり、nは1−20である)から選択され、Zは、酸素、硫黄、又はNR(ただし、Rは、水素、脂肪族、アリール、又はアルキルアリールから選択される)から選択される。
チラミン誘導体は、タグ配列及び光開裂性部分に、チラミン誘導体のZ部分を通して付着され得る。いくつかの実施態様において、チラミン誘導体のZ部分は、光開裂性部分と連結され得、その光開裂性部分がまた、タグ配列と連結される。
例示的合成スキームは、下記のスキーム2に提供されている。チラミド化合物200は、光開裂性部分202と組み合わせられて、コンジュゲート204を形成し得る。コンジュゲート204は、コンジュゲート204と連結することが可能である露出したアミン部分を有するタグ配列と組み合わせられて、チラミド含有コンジュゲート206を形成し得る。スキーム2に記載された連結の特定の順序が改変され得ることを当業者は認識しているであろう。例えば、光開裂性部分202は、まずタグ配列と、その後、シグナル増幅化合物200と連結することができる。
チラミン又はチラミン誘導体は、試料の所望の標的区域の近位に複数のタグ配列を置くために用いられ得る。チラミン含有プローブと連続して、又は同時に、ホースラディッシュペルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼを試料に加えることは、タグ配列を置くことを容易にする。
B.プローブの作製
本明細書に記載されたプローブは、今知られている、又は今後開発される任意の方法により作製され得る。プローブを作製するための方法は、プローブに含まれることになっている特定の成分に、少なくとも一部、基づいて選択され得る。本明細書に開示された方法は、当業者により理解されているように、本明細書に明確に開示されたものとは異なる成分に適応するように変化及び改変され得る。
特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグを含むプローブは、当技術分野で知られた連結条件を用いて作製され得る。例えば、特異的結合部分が抗体である場合には、方法は、抗体を光開裂性部分に、抗体の官能基(例えば、アミン、チオール、カルボニルなど)を通して連結することを含み得る。光開裂性部分は、NHSエステル、マレイミドなどの反応性官能基を含み得る(又は含むように修飾され得る)。これらの2つの成分は、EDCI、DCC、EDCなどの当技術分野で典型的に用いられる連結試薬を用いて連結することができる。例えば、スキーム3は、光開裂性部分300が、NHS基と連結されて、活性化NHSエステル302を提供する実施態様を図示する。その後、エステル302は、抗体と反応し、光開裂性部分で標識された抗体(コンジュゲート304)を提供する。この方法が、本明細書に開示された特定の光開裂性部分の何れかについて適切に改変することができることを、当業者は認識しているであろう。
特異的結合部分としてオリゴ/ポリヌクレオチドを用いるいくつかの実施態様において、光開裂性部分は、光開裂性官能基を含むホスホラミダイト試薬を用いることによりオリゴ/ポリヌクレオチドへ化学的に組み込まれ得る。光開裂性ホスホラミダイトを組み込むために、オリゴヌクレオチド合成機が用いられてもよい。例示的実施態様は、下記のスキーム4に図示されている。スキーム4に図示されているように、光開裂性部分を含むホスホラミダイト試薬400は、オリゴ/ポリヌクレオチドのヌクレオチド402に連結されて、標識オリゴ/ポリヌクレオチド404を提供し、その後、404が、対応するリン酸エステル406へ酸化される。その後、シアノエステル部分が除去されて、非保護化リン酸エステル408を提供する。前に指摘しているように、光開裂性部分は、タグ配列、固有配列識別子、又は本明細書に開示された他のプローブ成分と連結されるようにさらに操作され得る、他の官能基を含んでもよい。スキーム4に図示され、かつ単に例として提供されているように、光開裂性部分400はさらに、保護化アミン基−NH−PGを含み、式中、PGはアミン保護基である。光開裂性部分を本明細書に開示されたプローブ成分の1つ又は複数に連結することを可能にするために、その保護基は除去され得る。
いくつかの実施態様において、特異的結合部分は、Fc特異的連結条件、非特異的連結条件などの当技術分野で知られた連結条件を用いて検出可能な標識と結合し得る。いくつかの実施態様において、検出可能な標識は、抗体に、抗体のチオール部分を通して連結され得る。いくつかの実施態様において、検出可能な標識は、抗体に、抗体上に生じたアルデヒド部分を通して連結され得る。
検出可能な標識はまた、特異的結合部分に、リンカーを通して連結されてもよい。適切なリンカーには、脂肪族リンカー、酸化アルキレンリンカー、ジスルフィド含有リンカー、市販のリンカー、重合体リンカーなどが挙げられるが、それらに限定されない。開示されたプローブ成分と共に用いられるリンカーの類の1つの特定の実施態様は、下記に示された一般構造体を有するポリアルキレングリコールリンカーである:
式中、A及びBは、本明細書に開示されたプローブ成分と反応するのに適した、類似した、又は異なる反応基(例えば、カルボニル反応基、アミン反応基、チオール反応基などであり、しかも、検出可能な標識又は特異的結合部分と反応するのに適している)を含み、xは、2から10までの整数(例えば、2、3、又は4)であり、yは1から50まで、例えば、3から20まで又は4から12までなどの2から30までの整数である。
PEGリンカーなどの例示的リンカー、及び特異的結合部分を検出可能な標識に、そのようなリンカーを用いて連結するための方法は、本明細書に出典明示により援用されている米国特許第7695929号に提供されている。これらの開示されたリンカーはまた、検出可能な標識及び特異的結合部分を連結することだけ以外に、プローブの様々な成分を連結するために用いられ得る。例えば、リンカーは、特異的結合部分を検出タグ及び/若しくは検出可能な標識に連結するために用いられてもよいし、又は1つ若しくは複数のリンカーが、光開裂性部分を、本明細書に開示された他のプローブ成分の1つ若しくは複数と連結するために用いられてもよい。リンカーは、本明細書に開示された一次及び/又は二次の切断技術の何れかを用いて切断され得る。
開示された方法のいくつかの実施態様は、化学的に切断可能なリンカーを切断することができる化合物又はラジカル種の形成を光化学的に誘導する照射事象を用いることに関する。照射事象により形成される化合物又はラジカル種は、リンカーの切断を引き起こす様式で、プローブ(又は異なるプローブ種)中に存在するリンカーの1つ又は複数の官能基と相互作用することが可能であるべきである。単に例として、プローブ部分は、照射事象により切断されて、ラジカル種などの種を提供することができる光開裂性部分を含み得、その後、その種は、続いて、プローブ中の別の非感光性リンカーを切断することができる。他の実施態様において、光誘導性切断事象は、光開裂性部分から切断及び/又は放出されて、プローブ(又は異なるプローブ)中に存在するリンカー種と相互作用することが可能である別個の化学種を形成することができる1つ又は複数の部分を含む光開裂性部分の切断を促進することができる。
C.プローブ改変
本明細書に開示されたプローブ成分の1つ又は複数は、ある特定の条件下で多かれ少なかれロバストであるように構成され得る。例えば、プローブ中に存在するリンカー及び/又は光開裂性部分は、光化学的及び/又は化学的に誘導されて、そのような光化学的及び/又は化学的操作後に多かれ少なかれロバストである種になり得る。いくつかの実施態様において、特異的に結合するプローブは、試料と結合する前又は後に、よりロバストになるリンカー及び/又は光開裂性部分を有するように構成することができる。したがって、これらのプローブは、特定の波長の光への曝露により切断されない検出タグを含む。よりロバストな光開裂性部分を含まないプローブが切断される。その後、二次切断事象は、異なる波長の光、より長時間の照射、より強い光源、熱的切断、化学的切断、酵素的切断、又はそれらの組み合わせを用いることなどにより、特異的に結合したプローブを切断することを企図され得る。
そのような技術はまた、光化学的に不安定ではなく、むしろ化学的に不安定であるプローブの成分にも適用され得る。例えば、プローブ中に存在する(光開裂性部分以外の)リンカーは、プローブが試料に(例えば、リンカーの1つ又は複数の官能基の化学修飾を通して)結合した後、よりロバストであるように構成され得る。それゆえ、ロバストなリンカーは、それがさもなければ通常切断される条件下で、化学的切断を受けない。その後、試料の操作及び/又は分析は、ロバストなリンカーを化学的に変化させないそのような条件を用いて行われ得る。その後、ロバストなリンカーは、続いて、ロバストなリンカーについて特別に選択された条件(例えば、典型的な生理的に望ましいものより、より塩基性及び/又は酸性である条件)を用いて切断され(例えば、化学的に切断され)得る。
いくつかの実施態様において、リンカー及び/又は光開裂性部分は、最初の分析のために用いられる切断事象(例えば、光化学的及び/又は化学的切断)を受けにくいほどロバストであるように構成され得る。したがって、これらのロバストな成分を有するプローブを含む試料は、分解することなく保存することができる。その後、そのような試料は、しばらく経って、分析することができる。
プローブはまた、細胞壁透過を促進する成分を有するように構成されてもよい。いくつかの実施態様において、プローブは、具体的には、細胞成分(例えば、核、ミトコンドリア、リボソームなど)の分析を促進するために細胞壁を透過するように設計される。そのようなプローブは、プローブの脂溶性を促進する1つ又は複数の成分(例えば、光開裂性部分又は他のプローブ成分上の脂肪族リンカー、脂肪族官能基)を含むように構成することができる。
他の開示された実施態様において、プローブの疎水性又は親水性は、試料分析用に用いられるある特定の処理溶液における溶解性(又は不溶性)を達成するように構成することができる。例えば、プローブは、多かれ少なかれ親水性であり、したがって、フォトレジスト材料と共に用いられる現像液中で多かれ少なかれ可溶型であるように構成することができる。用いられることになっている現像液の型が、プローブが多かれ少なかれ疎水性(又は親水性)であるように構成されるべきかどうかを左右することを、当業者は認識しているであろう。
プローブの疎水性及び/又は親水性はまた、切断事象後に検出タグを単離するために用いられる溶出溶液などの処理溶液における溶解性を促進するように構成することができる。これらの実施態様において、溶出溶液として水性バッファーが用いられる場合には、最後には切断されることになるプローブの部分(例えば、検出タグ)は、試料からのその溶出を促進するために親水性であるように構成することができる。切断される部分が単離されることになっていない場合には、プローブは、それが水性溶出バッファーで溶出されないよう、親水性がより低いように、(試料に加えられる前又は後に)構成することができる。
IV.標的
本明細書に開示されたプローブ及び方法の実施態様は、多くの異なる生物学的標的を同定及び/又は定量化するために用いられ得る。標的タンパク質が言及される場合のこの開示を通じて、そのタンパク質に関連した任意のポリヌクレオチドもまた標的として用いられ得ることは理解されている。標的は、ウイルスゲノム由来などの、ウイルス、細菌、又は細胞内寄生生物などの病原体由来のタンパク質又は核酸分子であり得る。例えば、標的タンパク質は、疾患に関連した(例えば、相関した、原因として関与した、など)標的ポリヌクレオチドから産生され得る。ある特定の開示された実施態様において、対象となる標的(1つ又は複数)は、一塩基多型、プロモーターメチル化、mRNA発現、siRNA、特定コピー数の変化、突然変異、ある特定の発現レベル、再編成、又はそれらの組み合わせなどの遺伝子異常を含む可能性がある特定の核酸配列であり得る。いくつかの実施態様において、標的は、血清、血漿、及び/又は尿などの生物学的試料から得られる可溶型タンパク質である。開示された方法のいくつかの実施態様は、同じ試料から(例えば、同じ組織切片から)同時に、同じ標的(例えば、HER2)のDNA、RNA、及びタンパク質を検出及び定量化するために用いられ得る。
開示された方法は、マイクロRNA(miRNA又はmiR)を検出するために用いられ得る。マイクロRNAは、翻訳抑制などにより遺伝子発現を負に制御する低分子のノンコーディングRNAである。例えば、miR−205は、胚発生中に組織リモデリングを促進する過程である、上皮間葉転換(EMT)を制御する。しかしながら、EMTはまた、腫瘍転移における初期段階でもある。miR−205などのマイクロRNAの下方制御は、腫瘍進行における重要な段階であり得る。例えば、miR−205の発現は、いくつかの乳がんにおいて下方制御され、又は喪失している。miR−205はまた、扁平上皮癌及び非小細胞肺癌を重層化するために用いられ得る(J. Clin. Oncol.、2009, 27(12):2030-7)。他のマイクロRNAは、血管新生シグナル伝達カスケードを調節することが見出されている。例えば、miR−126の下方制御は、血管新生及び炎症増加を通してがん進行を悪化させ得る。したがって、マイクロRNA発現レベルは、疾患状態を示し得る。
標的核酸配列は、サイズが実質的に様々であり得る。非限定的に、核酸配列は、変数の核酸残基を有し得る。例えば、標的核酸配列は、少なくとも約10個の核酸残基、又は少なくとも約20個、30個、50個、100個、150個、500個、1000個の残基を有し得る。同様に、標的ポリペプチドは、サイズが実質的に様々であり得る。標的ポリペプチドは、典型的には、ペプチド特異的抗体又はその断片と結合する少なくとも1つのエピトープを含む。いくつかの実施態様において、そのポリペプチドは、ペプチド特異的抗体又はその断片と結合する少なくとも2つのエピトープを含み得る。
特異的な非限定的例において、標的タンパク質は、新生物(例えば、がん)に関連した標的核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)により産生される。多数の(転座及び他の再編成、増幅、又は欠失を含む)染色体異常は、腫瘍細胞、特にがん細胞、例えば、B細胞及びT細胞白血病、リンパ腫、乳がん、結腸がん、神経学的がんなどにおいて同定されている。したがって、いくつかの例において、標的分子の少なくとも一部は、試料中の細胞の少なくともサブセットにおいて増幅され、又は欠失した核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)により産生される。一例において、ゲノム標的核酸配列は、1つ又は複数の悪性腫瘍(例えば、ヒト悪性腫瘍)において重複している遺伝子(例えば、がん遺伝子)を含むように選択される。がん遺伝子は、いくつかのヒト悪性腫瘍の原因であることが知られている。例えば、染色体18q11.2の切断点領域に位置するSYT遺伝子に関わる染色体再編成は、滑膜肉腫軟組織腫瘍によく見られる。
例えば、c−erbB2又はHER2/neuの別名でも知られたHER2は、細胞増殖の制御において役割を果たす遺伝子である(代表的なヒトHER2ゲノム配列は、GENBANK(商標)アクセションNo.NC_000017、ヌクレオチド35097919−35138441に提供されている)。その遺伝子は、チロシンキナーゼファミリーのメンバーである185kdの膜貫通細胞表面受容体をコードする。HER2は、ヒト乳がん、卵巣がん、及び他のがんにおいて増幅され、それゆえに、HER2遺伝子(又はHER2遺伝子を含む17番染色体の領域)は、ゲノム標的核酸配列として用いることができる。他の乳がん関連タンパク質には、エストロゲン受容体(ER)及びプロゲステロン受容体(PR)が挙げられる。
他の例において、悪性細胞において欠失(喪失)している腫瘍抑制遺伝子である、核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される標的タンパク質が選択される。例えば、染色体9p21上に位置する(D9S1749、D9S1747、p16(INK4A)、p14(ARF)、D9S1748、p15(INK4B)、及びD9S1752を含む)p16領域は、ある特定の膀胱がんにおいて欠失している。(例えば、SHGC57243、TP73、EGFL3、ABL2、ANGPTL1、及びSHGC−1322を包含する)1番染色体の短腕の末端領域、及び(例えば、MAN2B1、ZNF443、ZNF44、CRX、GLTSCR2、及びGLTSCR1を包含する)19番染色体の動原体周囲領域(例えば、19p13−19q13)に関わる染色体欠失は、中枢神経系のある特定の型の固形腫瘍の特徴的な分子フィーチャーである。
前述の例は、単に実例を示すために提供され、限定することを意図するものではない。腫瘍性形質転換及び/又は腫瘍性増殖と相関する多数の他の染色体異常は、当業者に知られている。腫瘍性形質転換と相関し、かつ開示された方法において有用である、核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)によって産生される標的タンパク質には、(GENBANK(商標)RefSeqアクセションNo.を丸括弧に入れて)EGFR遺伝子(7p12;例えば、NC_000007、ヌクレオチド55054219−55242525)、C−MYC遺伝子(8q24.21;例えば、NC_000008、ヌクレオチド128817498−128822856)、D5S271(5p15.2)、リポタンパク質リパーゼ(LPL)遺伝子(8p22;例えば、NC_000008、ヌクレオチド19841058−19869049)、RB1(13q14;例えば、NC_000013、ヌクレオチド47775912−47954023)、p53(17p13.1;例えば、NC_000017、相補鎖、ヌクレオチド7512464−7531642)、N−MYC(2p24;例えば、NC_000002、相補鎖、ヌクレオチド151835231−151854620)、CHOP(12q13;例えば、NC_000012、相補鎖、ヌクレオチド56196638−56200567)、FUS(16p11.2;例えば、NC_000016、ヌクレオチド31098954−31110601)、FKHR(13p14;例えば、NC_000013、相補鎖、ヌクレオチド40027817−40138734)、加えて、例えば:ALK(2p23;例えば、NC_000002、相補鎖、ヌクレオチド29269144−29997936)、Ig重鎖、CCND1(11q13;例えば、NC_000011、ヌクレオチド69165054−69178423)、BCL2(18q21.3;例えば、NC_000018、相補鎖、ヌクレオチド58941559−59137593)、BCL6(3q27;例えば、NC_000003、相補鎖、ヌクレオチド188921859−188946169)、MALF1、AP1(1p32−p31;例えば、NC_000001、相補鎖、ヌクレオチド59019051−59022373)、TOP2A(17q21−q22;例えば、NC_000017、相補鎖、ヌクレオチド35798321−35827695)、TMPRSS(21q22.3;例えば、NC_000021、相補鎖、ヌクレオチド41758351−41801948)、ERG(21q22.3;例えば、NC_000021、相補鎖、ヌクレオチド38675671−38955488);ETV1(7p21.3;例えば、NC_000007、相補鎖、ヌクレオチド13897379−13995289)、EWS(22q12.2;例えば、NC_000022、ヌクレオチド27994271−28026505);FLI1(11q24.1−q24.3;例えば、NC_000011、ヌクレオチド128069199−128187521)、PAX3(2q35−q37;例えば、NC_000002、相補鎖、ヌクレオチド222772851−222871944)、PAX7(1p36.2−p36.12;例えば、NC_000001、ヌクレオチド18830087−18935219)、PTEN(10q23.3;例えば、NC_000010、ヌクレオチド89613175−89716382)、AKT2(19q13.1−q13.2;例えば、NC_000019、相補鎖、ヌクレオチド45431556−45483036)、MYCL1(1p34.2;例えば、NC_000001、相補鎖、ヌクレオチド40133685−40140274)、REL(2p13−p12;例えば、NC_000002、ヌクレオチド60962256−61003682)、及びCSF1R(5q33−q35;例えば、NC_000005、相補鎖、ヌクレオチド149413051−149473128)も挙げられる。
他の例において、標的タンパク質は、疾患又は状態に関連したウイルス又は他の微生物から選択される。細胞又は組織試料におけるウイルス由来又は微生物由来の標的核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)の検出は、その生物体の存在を示す。例えば、標的ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、腫瘍ウイルス若しくは病原性ウイルス、細菌、又は細胞内寄生生物(例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)及び他のプラスモディウム(Plasmodium)種、リーシュマニア(Leishmania)(種)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、及びランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、加えてトキソプラズマ(Toxoplasma)、エイメリア(Eimeria)、タイレリア(Theileria)、及びバベシア(Babesia)種)のゲノムから選択することができる。
いくつかの例において、標的タンパク質は、ウイルスゲノム由来の核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される。例示的なウイルス及び対応するゲノム配列には、(GENBANK(商標)RefSeqアクセションNo.を丸括弧に入れて)ヒトアデノウイルスA(NC_001460)、ヒトアデノウイルスB(NC_004001)、ヒトアデノウイルスC(NC_001405)、ヒトアデノウイルスD(NC_002067)、ヒトアデノウイルスE(NC_003266)、ヒトアデノウイルスF(NC_001454)、ヒトアストロウイルス(NC_001943)、ヒトBKポリオーマウイルス(V01109;GI:60851)、ヒトボカウイルス(NC_007455)、ヒトコロナウイルス229E(NC_002645)、ヒトコロナウイルスHKU1(NC_006577)、ヒトコロナウイルスNL63(NC_005831)、ヒトコロナウイルスOC43(NC_005147)、ヒトエンテロウイルスA(NC_001612)、ヒトエンテロウイルスB(NC_001472)、ヒトエンテロウイルスC(NC_001428)、ヒトエンテロウイルスD(NC_001430)、ヒトエリスロウイルスV9(NC_004295)、ヒト泡沫状ウイルス(NC_001736)、ヒトヘルペスウイルス1(単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus)1型)(NC_001806)、ヒトヘルペスウイルス2(単純ヘルペスウイルス2型)(NC_001798)、ヒトヘルペスウイルス3(水痘帯状疱疹(Varicella zoster)ウイルス)(NC_001348)、ヒトヘルペスウイルス4 1型(エプスタイン・バー(Epstein−Barr)ウイルス1型)(NC_007605)、ヒトヘルペスウイルス4 2型(エプスタイン・バーウイルス2型)(NC_009334)、ヒトヘルペスウイルス5 AD169株(NC_001347)、ヒトヘルペスウイルス5 Merlin株(NC_006273)、ヒトヘルペスウイルス6A(NC_001664)、ヒトヘルペスウイルス6B(NC_000898)、ヒトヘルペスウイルス7(NC_001716)、ヒトヘルペスウイルス8 M型(NC_003409)、ヒトヘルペスウイルス8 P型(NC_009333)、ヒト免疫不全ウイルス1(NC_001802)、ヒト免疫不全ウイルス2(NC_001722)、ヒトメタニューモウイルス(NC_004148)、ヒトパピローマウイルス1(NC_001356)、ヒトパピローマウイルス18(NC_001357)、ヒトパピローマウイルス2(NC_001352)、ヒトパピローマウイルス−54(NC_001676)、ヒトパピローマウイルス−61(NC_001694)、ヒトパピローマウイルス−cand90(NC_004104)、ヒトパピローマウイルスRTRX7(NC_004761)、ヒトパピローマウイルス10型(NC_001576)、ヒトパピローマウイルス101型(NC_008189)、ヒトパピローマウイルス103型(NC_008188)、ヒトパピローマウイルス107型(NC_009239)、ヒトパピローマウイルス16型(NC_001526)、ヒトパピローマウイルス24型(NC_001683)、ヒトパピローマウイルス26型(NC_001583)、ヒトパピローマウイルス32型(NC_001586)、ヒトパピローマウイルス34型(NC_001587)、ヒトパピローマウイルス4型(NC_001457)、ヒトパピローマウイルス41型(NC_001354)、ヒトパピローマウイルス48型(NC_001690)、ヒトパピローマウイルス49型(NC_001591)、ヒトパピローマウイルス5型(NC_001531)、ヒトパピローマウイルス50型(NC_001691)、ヒトパピローマウイルス53型(NC_001593)、ヒトパピローマウイルス60型(NC_001693)、ヒトパピローマウイルス63型(NC_001458)、ヒトパピローマウイルス6b型(NC_001355)、ヒトパピローマウイルス7型(NC_001595)、ヒトパピローマウイルス71型(NC_002644)、ヒトパピローマウイルス9型(NC_001596)、ヒトパピローマウイルス92型(NC_004500)、ヒトパピローマウイルス96型(NC_005134)、ヒトパラインフルエンザウイルス1(NC_003461)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(NC_003443)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(NC_001796)、ヒトパラインフルエンザ(NC_001897)、ヒトパルボウイルス4(NC_007018)、ヒトパルボウイルスB19(NC_000883)、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(NC_001781)、ヒトライノウイルスA(NC_001617)、ヒトライノウイルスB(NC_001490)、ヒトスプマレトロウイルス(NC_001795)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(NC_001436)、ヒトTリンパ球向性ウイルス2(NC_001488)が挙げられる。
ある特定の例において、標的タンパク質は、エプスタイン・バーウイルス(EBV)又はヒトパピローマウイルス(HPV、例えば、HPV16、HPV18)などの腫瘍ウイルス由来の核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される。他の例において、核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生された標的タンパク質は、呼吸器合胞体ウイルス、肝炎ウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス)、コロナウイルス(例えば、SARSウイルス)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、又は単純ヘルペスウイルス(HSV)などの病原性ウイルス由来である。
V.使用方法
本明細書に記載されたプローブ実施態様を用いる方法、加えて、組織試料又は他の細胞標本を、組織状況及び完全性を維持しながら、単離及び/又は分析するための新規な方法のいくつかの実施態様が本明細書に開示されている。特定の開示された実施態様において、方法はさらに、多重化能力の向上、感度の増加、相対的定量化、及び/又は分解能の向上を提供するためにそれに続く分析技術(例えば、PCR、次世代シークエンシング、アレイハイブリダイゼーションなど)を用いることを含み得る。
A.一般的な方法
特定の開示された実施態様において、方法は、対象となる1つ又は複数の標的を含む組織試料などの生物学的試料を供給することを含む。生物学的試料を、特異的結合部分の標的との結合を促進するのに十分な条件を用いて、プローブと接触させる。いくつかの実施態様において、プローブは、特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグを含み得る。他の実施態様において、プローブは、光開裂性部分を含まなくてもよく、むしろ、試料は、プローブ、及び光開裂性部分を含む別個の成分を含む組成物に曝露される。方法はさらに、光開裂性部分を切断するのに適した波長及び強度を有する光を生物学的試料の特定の選択されたセクションに曝露して、それにより検出タグを遊離させることを含み得る。その後、検出タグは検出され得る。標的の存在及び/又は場所は、検出可能な標識を(例えば、視覚的に、及び/又は機器を用いて)検出することにより決定され得る。標的のアイデンティティはまた、タグ配列、タグ−鋳型二重鎖、及び/又は固有配列識別子などのプローブの部分を光化学的に単離することにより決定され得る。方法は、1つ若しくは複数の追加の工程を有してもよく、1つ若しくは複数の工程が手作業で実施されてもよいし、又はその工程のいくらか若しくは全部が自動システムにより実施されてもよい。
図3は、試料をプローブ301と接触させる工程、結合していないプローブ302を除去する工程、領域303を選択する工程、選択領域304に照射する工程、及び検出タグ305を検出する工程を示す、状況的分子診断300を実施するための方法を図示する概略図である。
図4は、第1の領域401及び第2の領域402が選択され得ることを示す顕微鏡写真である。特に、試料の画像は、デジタルファイルとして取得され、かつ保存され得る。デジタルファイルは、対象となる1つ又は複数の領域を選択するように、ユーザーにより、又は画像解析アルゴリズムの適用を通して、操作することができる。その後、これらの選択領域を照射することができる。様々な実施態様において、領域は、同時に、又は連続的に照射することができる。第1及び第2の領域から生じた検出タグは、同時か、又は連続的かの何れかで検出することができる。
図5(A)−(C)は、スライド501上に置かれた試料502の第1の選択領域504及び/又は第2の選択領域503に照射することのいくつかの手法を示す概略図である。今、図5(A)に関して、顕微鏡対物レンズ511は、対象となる領域を選択することができるように試料を見るために用いることができる。顕微鏡対物レンズはまた、試料を照射する光を方向づけるために用いることができる。例えば、対象となる領域504は、対物レンズ511の視野内で選択され得る。その後、適切な供給源からの光を、対物レンズ511を通して領域504へ方向づけることができる。別の類似した手法は、選択領域全体を照明するために標本のラスター走査とこれを組み合わせることである。ラスター走査は、X方向及びY方向のステージ移動、又は回転鏡での光の偏向により達成される。光線の強度は、ビーム位置が標本の長方形領域にわたって走査されて、照明された領域を生じるように、調節することができ(例えば、出力強度の電子制御を有するUV LED)、又はビームは常にオンであり得、かつラスター走査は、選択領域の境界のみに制限される。図5(C)は、スライドの部分を選択的に照射するために用いられることになっているデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の概略図を示す。この実施態様は、図15及び16に示された精巧かつ高分解能の設計を作製するために用いられた。
図6(A)−(D)は、ポリメラーゼ酵素がin situポリメラーゼ媒介性プライマー伸長のために組織に加えられ得る、in situポリメラーゼ伸長反応を促進するために光化学を用いることの手法を描く概略図である。今、図6(A)に関して、オリゴヌクレオチドプローブ600が、標的配列608を有する試料に加えられる。プローブ600は、光反応性部分(PRM)606、及び任意選択的に、リンカー604及び標識602を含む。図6(B)は、ポリメラーゼ酵素を用いてプローブの伸長を可能にするためにPRM606を照射する光612を示す。いくつかの実施態様において、標的608は、突然変異610を含み、伸長は、プローブ伸長614において突然変異情報を捕らえる。いくつかの実施態様において、抗体616は、プローブ伸長を精製するために用いることができる。抗体616は、ビーズ、プレート、ゲル中などと結合することができ、標識602に結合するように選択することができる。図6(D)は、プローブ伸長614が、次世代シークエンシングなどの適切なテクノロジーにより分析され得ることを表す矢印618を示す。分析される配列は、突然変異情報、タグ配列(未呈示)、及びプローブ配列を含有し得る。
図6(E)−(F)は、図6(A)−(B)と類似しており、図6(A)−(D)のワークフローにおいて交換可能に用いることができる。この実施態様によれば、プローブ1600及び別個の光活性化可能部分1606が、光活性化選択のために用いられる。この実施態様によれば、光活性化可能部分1606は、図6(A)に示されているようなオリゴヌクレオチドプローブよりむしろ、4−デオキシヌクレオシド三リン酸(すなわち、dNTP)の1つ又は複数を含む。オリゴヌクレオチドプローブ1600が、標的配列1608を有する試料に加えられる。プローブ1600は、任意選択的に、リンカー1604及び標識1602を含む。図6(F)は、ポリメラーゼ酵素を用いてプローブの伸長を可能にするために光活性化可能部分1606を照射する光1612を示す。いくつかの実施態様において、標的1608は、突然変異1610を含み、伸長は、(図6(C)に示されているように)プローブ伸長において突然変異情報を捕らえる。図6(D)は、任意のプローブ伸長が、次世代シークエンシングなどの適切なテクノロジーにより分析され得ることを表す矢印618を示す。分析される配列は、突然変異情報、タグ配列(未呈示)、及びプローブ配列を含有し得る。
開示された方法の実施態様を用いて得ることができるポリメラーゼ連鎖伸長の程度は、数百個の伸長されたヌクレオチドから数千個の伸長されたヌクレオチドまでの範囲である。いくつかの実施態様において、最初のプローブに付加されるヌクレオチドの数は、約10ヌクレオチドから約2000ヌクレオチドまでの範囲(例えば、約50ヌクレオチド−約1500ヌクレオチド、又は約100ヌクレオチド−約1000ヌクレオチド、又は約200ヌクレオチド−約400ヌクレオチド)であり得る。連鎖伸長の程度は、伸長されるプローブのある特定の領域とある程度の相補性(例えば、約70%−約99%相補性)を有する1つ又は複数のリバースプライマーを用いて決定することができる。ポリメラーゼ媒介性連鎖伸長は、様々なプローブ濃度(例えば、約10ng/mL−約10μg/mLなどの100ng/mL−約100μg/mL)を用いて実行され得、約20分間から約90分間までなどの任意の適切な量の時間、実行することができる。
図7は、同様に、本出願の範囲内の検出モチーフを示す。具体的には、プローブ700を、標的708を有する試料と接触させることができる。プローブ700は、特異的結合オリゴヌクレオチド701、光開裂性部分702、及び検出タグ713を含む。プローブ700は、任意選択的に、例えば精製を助けるために、標識714を含んでもよい。適切な条件下でプローブ700と試料を接触させることは、結果として、矢印709によって示されているように、プローブ700の標的708へのハイブリダイゼーションを生じる。結合していないプローブの除去後、矢印710によって示されているように、試料の選択部分に光を照射することは、光開裂性部分702を切断し、検出タグ713を遊離させる。その後、検出タグ713は、試料から(例えば、ピペッティング、接触転写、吸収、リンス、マイクロフルイディクス、リンス、又は他の適切な方法を通して)取り出され、任意選択的に、(例えば、任意選択の標識714の使用を通して)精製され、適切なテクノロジー(例えば、アレイ、NGS、PCRなど)により分析することができる。
今、図8に関して、特定の実施態様の概略図が示されている。オリゴ/ポリヌクレオチド800は試料802と組み合わせられる。プローブ800は、相補性配列試料802と会合する。光開裂性部分806でケージングされたケージドATP 804を含む組成物が、試料802に加えられる。光の照射は、ケージドATP 804を自由にする。その後、適切なキナーゼへの曝露は、プローブ800を5’末端でリン酸化して、リン酸化プローブ808を提供する。プローブ808のその後の修飾は、例えば、標識プローブ810を提供するために実行され得る。
さらに他の実施態様において、隣接するプローブが、リガーゼによって連結され得、その後、1つのプローブの特定のタグ配列又は固有配列識別子が、検出可能な標識を含むプローブへのライゲーションを通して検出可能になり得る。ライゲーションされたプローブは、より高い感度が望まれる場合には、PCR(又はリガーゼ連鎖反応)を用いて増幅されてもよい。特定の実施態様が、図9により概略的に例示されている。図9に関して、オリゴ/ポリヌクレオチドプローブ900は、試料902に加えられる。プローブ900は、試料902の相補配列と会合する。その後、試料902は、ケージドATP904に曝露される。光での活性化が、ケージドATPを自由にする。適切なキナーゼを加えることにより、オリゴ/ポリヌクレオチドプローブ900がリン酸化されて、リン酸化プローブ906が提供される。その後、リガーゼは、オリゴ/ポリヌクレオチドプローブ906を、検出可能な標識908を含む、試料902上に置かれた隣接オリゴマーにライゲーションし、それにより、ライゲーションされたプローブ910を形成する。オリゴ/ポリヌクレオチドプローブ906のリン酸化末端に隣接しているそれらのオリゴマー配列のみが、そのプローブにライゲーションされるであろう。ライゲーションされたプローブ910を形成することにより、いったんライゲーションされたプローブが(検出可能な標識908を通して)検出されたならば、標的配列は同定され得、その後、アレイハイブリダイゼーション又はシークエンシングを用いて定量化され得る。いくつかの実施態様において、より高い感度が必要とされる場合には、リガーゼ連鎖反応又はPCRを用いて、ライゲーションされたプローブ910を増幅することができる。
1.試料の選択及び調製
組織、細胞、又は他の生物学的試料(例えば、血清、血漿、及び/又は尿)などの、方法の様々な実施態様に用いられる試料は、常套的なスクリーニングのために対象から、又は遺伝子異常、感染、若しくは新生物形成などの障害を有するのではないかと疑われる対象から得ることができる。試料は、新鮮な、凍結された、ホルマリン固定された、パラフィン包埋された、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施態様において、方法はまた、「正常な」試料と呼ばれる、遺伝子異常、疾患、障害などを有しない試料にも適用することができる。そのような正常な試料は、とりわけ、他の試料との比較のためのコントロールとして、有用である。試料は、多くの種々の目的のために分析することができる。例えば、試料は、科学的研究において、又は疑われる病弊の診断のために、又は治療成功、生存についての予後の指標としてなど、用いることができる。試料は、単一の標的を含むことができ、又は本明細書に開示された1つ若しくは複数のプローブ実施態様により特異的に結合され得る複数の標的を含むことができる。方法は、様々な試料に用いられ得るが、溶液に基づいた試料に存在しない本来の状況的情報を有する組織試料について特に有利である。特に、細胞間の関係、並びにそれどころか、細胞のサイズ、形、及び分布は、その組織が溶解され、消化され、粉砕されたならば失われる大量の情報を提供する。この状況的情報の重要性は、一次染色(すなわち、ヘマトキシリン及びエオシン、H&Eでの染色)のがんの診断に対する意義によって証明されている。非特異的染色であるため、H&E染色は、状況的情報のみを提供するが、それはがんの診断においてゴールドスタンダードである。
特定の開示された実施態様において、組織試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋の組織試料である。そのような組織試料は、対象から組織を抽出し、組織を緩衝ホルマリン(又はパラホルムアルデヒド)溶液に曝露し、その後、組織をパラフィンで包埋することにより調製され得る。その後、組織試料(1つ又は複数)は、顕微鏡スライド又はマイクロアレイスライドなどの基材上に置かれ得る。
他の実施態様は、細胞試料、又は可溶型タンパク質試料に関する。いくつかの実施態様において、試料は、スメア試料、細胞診試料、染色体スメア、生検試料、細針吸引試料、又は循環腫瘍細胞試料であり得る。
いくつかの実施態様において、試料は、試料、及び/又は試料を含むスライドの場所/位置を同定するために適した登録要素を有するスライド上で提供され得る。例えば、登録要素は、バーコード、アラインメントホール、アラインメント突起、アラインメントキーなどの物理的登録要素であり得る。登録要素は、本明細書に開示されたシステムの実施態様を通じて、スライドの移動を容易にすることができる。例えば、スライドの登録要素は、試料を含むスライドの、システムの画像化部への移動を容易にすることができ、それにより、試料のある特定の区域がさらなる分析のために選択され、かつマークされる。その後、スライドは、システムの他の部分において処理することができ、又はそれは、画像化成分から取り出され、その後での分析のために保存され得る。これらの実施態様において、スライドの登録要素は、スライドがシステムの画像化部から取り出された場合、スライドを実質的に同じ位置に置き直すために用いることができ、それにより、追加の試料選択工程の必要性を回避する。スライドはシステムに加えられ、再び画像化されてマークされることなく、次の分析工程を受けることができる。
いくつかの実施態様において、登録要素は、画像に基づいた作業(例えば、選択及びマーキング)を、照射事象などのシステム内の作業へ変換するために用いることができる。登録要素は、スライドが試料を本明細書に開示されているように選択(又は非選択)区域において照射するために正しく整列されていることを、システムに示すことができる。
各スライドは、その特定のスライド及び試料に特異的なバーコード番号で標識することができる。このバーコード番号は、電子的に保存することができる試料の特別に選択された領域と、スライド標本を相関させるために用いることができる。この電子的に保存された情報は、特定の試料のその後の分析のために用いることができる。したがって、いくつかのスライド標本は、1つ又は複数の最初の選択工程を受け、その後、後の分析のために保存され得る。
2.試料のプローブとの接触
試料が調製された後、その後、生物学的試料は、1つ又は複数のプローブに曝露され得る。例えば、試料は、プローブ又はプローブの混合物を含む溶液と試料を接触させることにより、プローブに曝露され得る。プローブを含有する溶液は、バッファー組成など任意の生物学的に許容される組成で作製することができる。いくつかの実施態様において、バッファーは、50mM Tris/HCl、10mM KCl、5mM (NHSO、2mM MgClを含む。他の実施態様において、バッファーは、TES、HEPES、Trisなどの当技術分野で典型的に用いられるバッファーから選択され得る。
特定の開示された実施態様において、プローブは、試料領域上へ置かれ、特定の標的配列、若しくは標的内に存在する部分、又は一次抗体などの、標的と会合しているものにも、ハイブリダイズし、又は化学的に連結され(例えば、静電気的に連結され、共有結合性に連結され、又はイオン的に連結され)得る。プローブが標的に会合した後、試料を洗浄してもよく、いかなる会合していないプローブ成分を洗い流すことができる。
いくつかの実施態様において、置かれたプローブは、検出され得、置かれたプローブを含む試料の特定の部分は分析のためにマークされ得る。いくつかの実施態様において、一次及び/又は二次認識事象の間における、検出可能な標識(例えば、発色団、フルオロフォア、ハプテンなど)によって生じたシグナルの視覚的検出は、マークされるべき試料の特定の部分を検出するために用いることができる。いくつかの実施態様において、試料の1つ又は複数の部分は、染色(例えば、一次染色、対比染色、又はそれらの組み合わせ)を用いることにより、さらなる分析のために選択され得る。他の実施態様において、試料の1つ又は複数の部分上に置かれたフルオロフォアの蛍光は、試料のどこがさらなる分析のためにマークされるべきであるかを示すために用いられ得る。さらに他の実施態様において、形態学的特性が、特に細胞又は組織試料において、分析のための試料の部分を区別するために用いられ得る。例えば、当技術分野で知られた蛍光顕微鏡法及び/又は位相差顕微鏡法技術が、細胞成分の形及び/又は配置を可視化するために用いることができ、それにより、分析のためのこれらの特定の領域の選択を容易にする。デジタル病理学技術もまた、試料を画像化して、試料選択を容易にするために用いることができる。
いったん分析される試料の部分が同定されたならば、それはマークされ得る。例えば、分析される試料の部分は、試料が付着しているスライド上の試料部分をマークするなど、手作業でマークされてもよいし、又はそれは、別個のデジタル観察スクリーン上でマークされてもよく、選択された場所が電子的に保存される。いくつかの実施態様において、マーキング/選択工程は、実質的に瞬間的な照射事象を含み得る。他の実施態様において、マーキング/選択工程が最初に起こり、続いて、次の照射工程が起こり得る。試料の部分をマーク/選択するという作業が、照射事象を開始するように構成されてもよい。
3.試料の光への曝露
実例的な実施態様において、光反応性プローブを用いて状況的診断を実施するためのシステムはさらに、試料の位置を決定し、それにより、光源が照射されるように構成される試料上の場所に対する場所入力の自動的関係を可能にするように構成される登録システムを含む。一実施態様において、システムは、基材に付着した試料を受けるように構成される試料プラットフォームを含み、登録システムは、光源に関して基材の位置を決定することにより試料の位置を関連づけるように構成される。別の実施態様において、基材は、登録マークを刻み込まれた顕微鏡スライドガラスである。別の実施態様において、登録システムは、登録マークを検出するように構成される。さらに別の実施態様において、登録システムは、2つ又はそれ以上の登録マークを検出するように構成され、その2つ又はそれ以上の登録マークが基材上に刻み込まれている。さらに別の実施態様において、登録システムは、登録マークの場所を約500μm以内の所まで、約300μm以内の所まで、約100μm以内の所まで、約50μm以内の所まで、又は約10μm以内の所まで、同定するように構成される。さらに他の実例的な実施態様において、システムは、登録マークとして組織を用いる。
実例的な実施態様において、登録システムは、それがコンピュータを可能にするように構成され、そのコンピュータは、試料の画像に関連したデータファイルを受け取るように構成されて、画像データを、光源に関しての試料の位置に関連づける。これは、次に、画像データファイルに関連するユーザー入力を試料に関してすぐに使用可能にすることができる。一実施態様において、登録システムは、登録マークを検出するように構成され、コンピュータは、登録マークを、試料の画像内の画像化された登録マークと関連づけるように構成される。別の実施態様において、登録システムは、2つ又はそれ以上の登録マークを検出するように構成され、コンピュータは、2つ又はそれ以上の登録マークを、試料の画像内の2つ又はそれ以上の画像化された登録マークと関連づけるように構成され、その結果、コンピュータは、試料の画像を、照射チャンバー内の試料の位置と関連づけるように構成される。さらに別の実施態様において、コンピュータは、ユーザー入力を受け入れるように構成され、ユーザー入力は、例えば、試料の画像に基づいて、試料を切断するようにレーザーを指示するために、試料の部分を選択することを含む。別の実施態様において、コンピュータは、人工知能入力を受け入れるように構成され、人工知能入力は、試料の画像の自動パターン認識からのデータを含む。別の実施態様において、ユーザーは、病理学者であり、ユーザー入力は、試料の画像から病理学者によって選択される試料の領域の選択である。別の実施態様において、コンピュータは、試料の画像に関連したデータファイルを受け入れるように構成され、場所入力は、照射のための試料上のユーザー選択可能な領域に関連している。
試料が光に曝露される場合、試料全体に照射されてもよいし、又は試料の1つの部分(又は複数の部分)に選択的に照射されてもよい。いくつかの実施態様において、試料は、試料の標的領域において、試料上に置かれたプローブのある特定の部分(例えば、プローブの固有配列識別子又はタグ配列)だけの単離を促進するために選択的に照射される。いくつかの実施態様において、試料は、非選択領域において、試料上に置かれたプローブの単離を促進するために選択的に照射され得る。すなわち、分析のために同定される試料の選択部分がマークされ、その後、1つ又は複数の非選択プローブが結合している試料のマークされていない部分が照射され、それにより、非選択プローブを切断し得る。その後、選択プローブは、本明細書に開示されているような2番目の照射工程及び/又は第2の切断技術、並びに適切な溶出工程を用いて単離され得る。他の実施態様において、試料は、選択領域において試料上に置かれたプローブの単離を促進するために選択的に照射され得る。選択的照射は、複数の異なる照射事象を提供するために繰り返して実施することができる。そのような実施態様において、標的及び/又は検出タグは、任意選択的に、各繰り返し照射工程の間に単離され、試料及びその中の様々な異なる標的の定量的な多重化マップを提供することができる。
選択的照射は、フォトマスク、光源からの集中光線を用いて、又は選択された波長の光を(特定の光開裂性部分について)繰り返し、チューニングすることにより、達成することができる。例えば、選択的照射は、プローブに存在する光開裂性部分、及び/又は試料が曝露される他の成分を活性化するために用いることができる。いくつかの実施態様において、光開裂性部分を活性化することは、プローブの部分を切断することを促進する。例えば、光開裂性部分がプローブの2つの成分を連結するために用いられている場合には、選択的照射は、その2つの成分を分離する。
いくつかの実施態様において、照射は、1つ又は複数のリンカーを切断することなどにより、存在する他の部分と反応することが可能である反応種を発生させるために用いられ得る。適切な反応種は、試料分析に干渉せず、又は試料を破壊しない。適切な反応種には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)などの光開始剤が挙げられるが、それらに限定されない。反応種の実施態様は、例えば、リンカーとして用いられた光開裂性部分、脂肪族リンカー、酸化アルキレンリンカー、ジスルフィドリンカー、市販のリンカー、重合体リンカーなどから選択されるリンカーを切断することができる。
いくつかの実施態様において、光開裂性部分は、ブロッキング剤として機能する。これらの実施態様において、選択的照射は、特定のプローブ(例えば、プライマー)から光開裂性部分を切断して、さらなる操作のためにプローブの少なくとも1つの末端を解放する。例示的実施態様は、下記のスキーム5に図示されている。コンジュゲート500は、約325nm−約375nm、又は約345nm−約370nmなどの約300nm−約400nmの波長を有する光を容易に吸収するニトロフェニル部分を含む。ニトロフェニル部分は、オリゴ/ポリヌクレオチドの少なくとも1ヌクレオチドにエステル基を介して付着する。UV照射は、ベンジル炭素−酸素結合を切断し、続いて、COを放出して、コンジュゲート502を形成し、そのコンジュゲート502は、連鎖伸長に適した遊離ヒドロキシル基を有する。
選択的照射はまた、本明細書に開示されているケージドdATP分子などの光活性化可能プライマー伸長試薬から光開裂性部分を切断するために用いることができる。他の光活性化可能プライマー伸長試薬には、全ゲノム増幅又は特定の遺伝子病変についての活性化可能縮重プライマー、dGTP、dCTP、dTTPなどが挙げられ得る。
選択的標的照射を提供するように試料を照射するための様々な異なる実施態様が本明細書に開示されている。照射工程中、試料は、光開裂性部分を活性化することなどの所望の結果を誘導するのに十分なエネルギーを与えることが可能である光に曝露される。特定の開示された実施態様において、光は、約200nmから約400nmまでの範囲の波長を有する紫外線である。いくつかの実施態様において、光は、約400nmから約790nmまでの範囲の波長を有する可視光である。適切な光源は、試料完全性を保存するために低強度の光を供給することが可能である。いくつかの実施態様において、光源は、約1mW/cmから約500mW/cmまで、又は約1mW/cmから約200mW/cmまで、又は約5mW/cmから約150mW/cmまで、又は約10mW/cmから約150mW/cmまでなどの約1mW/cmから約1W/cmまでを供給する。例示的光源には、レーザー、LED、又はランプ(例えば、白熱ランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、蛍光ランプなど)が挙げられるが、それらに限定されない。
実例的実施態様において、照射される組織区域は、疾患組織の表面積、より具体的には、疾患細胞の数に依存して選択される。生検などの多くの場合、この区域は、単一細胞(直径10−20マイクロメートル)から数千個の細胞(直径1−50ミリメートル)までの範囲である。切除された組織において、疾患区域は、スライドガラス(75×25mm)の大部分を覆う数十万−数百万個の細胞を含み得る。DMDが用いられるさらに他の実施態様において、照射区域は、約10μm×10μm、又は10μm×10μm領域で作り上げられるより大きい領域であり得る。
選択的照射は、直接的照射又は間接的照射を含み得る。直接的照射は、典型的には、試料を光、特に、光源により生じた光をフィルターにかけることなく、任意の適切な波長(1つ又は複数)の光を生じる能力ある光源に曝露することを含む。間接的照射について、中間フィルター又はマスキング材料が、光源と試料との間に置かれ得、それにより、光源により生じた光をフィルターにかけ、又は光の一部を試料からブロックする。
選択的照射はまた、試料の特定の部分を選択的に曝露するように配置された光に試料を曝露することを含み得る。例えば、LCDスクリーンは、選択された波長(1つ又は複数)の光を試料内の特定の場所に方向づけるために用いられ得る。組織の腫瘍含有部分が照射され得、かつ(典型的には、連続して)試料の非腫瘍含有部分が照射され得る。これらの特定の実施態様は、(光開裂性部分の切断による)選択的照射により遊離するプローブの部分(例えば、タグ−鋳型二重鎖又は固有配列識別子)を収集し、試料の腫瘍部分に相関するタグ−鋳型二重鎖又は固有配列識別子、及び試料の正常な部分に相関する異なるタグ−鋳型二重鎖又は固有配列識別子をシークエンシングするための能力を提供する。いくつかの実施態様において、選択的照射は、選択されていない組織区域(例えば、腫瘍を含まない区域)においてプルダウンタグを切断するために用いることができる。例えば、1つ又は複数のプローブ成分を通して試料に付着した検出可能な標識(例えば、ビオチン)を、腫瘍含有区域以外の試料の領域から切断することができる。
図5(A)−(C)は、スライド501上に置かれた試料502の第1の選択領域504及び/又は第2の選択領域503に照射することのいくつかの手法を示す概略図である。今、図5(A)に関して、顕微鏡対物レンズ511は、対象となる領域を選択することができるように試料を見るために用いることができる。顕微鏡対物レンズはまた、試料を照射する光を方向づけるために用いることができる。例えば、対象となる領域504は、対物レンズ511の視野内で選択され得る。その後、適切な供給源からの光を、対物レンズ511を通して領域504へ方向づけることができる。この手法の効果は、視野の照射であり、それとして、顕微鏡の視野が選択領域である。今、図5(B)に関して、選択的光学濃度を有するスクリーン521に照射するために光源520を用いる代替の手法が示されている。スクリーン521は、試料502の大部分への偶発的な照射をブロックすることができ、一方、照射が、スクリーンを通過してそれぞれの選択領域へ達するビーム522及び523により、描かれているような領域504及び503に影響を与えることを可能にする。
選択的光学濃度スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンであってもよい。対象となる試料領域は、所望の区域の輪郭が描かれるようにLCDスクリーンを形成することによりマークされ得る(例えば、位置は、手作業でマークされ得、特定の区域/パターンがプロジェクターを用いてLCDスクリーンへ転写される)。照射されることになっていない区域は、「暗くなって」いる。「暗くなって」いないLCDスクリーンの位置は、光源により生じた光の選択領域への通過を可能にする。今、図5(C)に関して、別の実施態様において、デジタルマイクロミラーデバイス531が、領域504及び503を選択的に照射するために用いられる。ビーム532及び533は、デジタルマイクロミラーデバイス531を光源520で照射することにより発生する。特定の開示された実施態様において、デジタルマイクロミラーデバイスは、マイクロミラー(12.88μm)の1400×1050アレイを含む。
さらに他の実施態様において、選択的照射は、光源からの光を試料上へ集中させるために用いることができる、デジタルマイクロミラーデバイスを用いることにより得られ得る。デジタルマイクロミラーデバイスは、試料内の特定の場所及び/又はフィーチャーを照射するように適応させることができる特定のサイズの様々な異なる部分/ミラーセグメント(例えば、約4.5×4.5μmから約15×15μmまでの範囲のサイズを有する正方形)を含み得る。
試料は、典型的には、所望の光開裂性部分を切断するのに十分であるが、試料分解をもたらすほど長くはない時間の間、光に曝露される。例えば、試料が照射される時間は、典型的には、約5分間以下、約4分間以下、約3分間以下、又は約2分間以下である。いくつかの実施態様において、試料は、約1秒間から約60秒間まで、典型的には、約10秒間から約60秒間まで、より典型的には、約20秒間から約60秒間までの範囲の効果的な時間の間、照射され得、ある特定の実用的な実施態様に関して、約20秒間又はそれ未満の間、試料を照射する。
今、図10に関して、試料の多重化画像が、本明細書に記載された手法を用いて構築される、本開示の実施態様を図示する概略図が示されている。基材1000、例えば、バーコード1001で標識された顕微鏡スライドにわたって、グリッド1002又は他の適切な区画化ストラテジーが、試料(示されていないが、グリッド内にあると理解される)と重なるように作成される。グリッド1002は、探索される化学画像の分解能に対応するように配置される。方法の実例として、グリッドは、試料が繰り返し、照射される一連のラスター場所であり得る。グリッドの配置及び構造は、物質的ではなく、むしろ、それは、目的のニーズに従って可変的に設計することができる。いくつかの試料において、特定の細胞が照射され、「グリッド」は、幾何パターンに従わないが、代わりに、試料に関連した生物学的パターンにマッチする。戻って図10に関して、矢印1003は、検出タグの基材1000からマルチウェルプレート1010への移転を表す。マルチウェルプレートは、当技術分野でよく知られており、2個から数百個までの様々な数のウェルを有する様々な形状がある。典型的な肉眼的容器(例えば、64ウェルプレート)として示されているが、顕微鏡的容器もまた本開示の範囲内である。例えば、マルチウェルプレートは、小容量のチャンバーを有するマイクロ流体デバイスであってもよい。マルチウェルプレート1010は、複数の反応ウェル1011を含むように示されている。
実例的な実施態様によれば、光は、選択領域(例えば、単一のグリッド場所)を照射するために用いられ、それにより、選択領域から検出タグを放出する。検出タグは、矢印1003により表されているように、基材1000から除去され、複数の反応ウェル1011のうちの1つへ置かれる。その過程は、各選択領域からの検出タグが異なる反応ウェルへ置かれるように、反復して繰り返される。各ウェルに存在する検出タグは独立して分析することができるが、より洗練された解法が図10に示されている。この解法に従って、(矢印1005として表された)異なるフォワードプライマーを、マルチウェルプレート1010の各行に配置することができる。同様に、(矢印1004として表された)異なるリバースプライマーを、マルチウェルプレート1010の各列に配置することができる。各ウェル内において、(ブロックダイアグラムで表された)検出タグ1008は、フォワードプライマー1005の部分に対応する部分1014、及びリバースプライマー1004の部分に対応する部分1013を含む。矢印1007は、各ウェルにおいて検出タグを増幅するPCR工程を表し、フォワードプライマー及びリバースプライマーを取り込んで、PCR産物1009を生じる。PCR産物1009は、(例えば、NGSのための)第1のアダプター配列1017、固有行識別子1016、フォワードプライマー1005の部分に対応する部分1014、固有同定タグ配列(例えば、標的情報又は試薬情報を含む)、リバースプライマー1004の部分に対応する部分1013、固有列識別子1018、及び(例えば、同じくNGSのための)第2のアダプター配列1018を含み得る。この手法の洗練さは、その後、全てのウェルがプールされて、同時に分析され得ることである。試料上の検出タグが由来する場所は、配列内にコードされている。それとして、試料上の各場所からの全ての検出タグが、一緒にビニングされて、試料の各選択領域の高度に多重化された化学画像を読み出すことができる。
4.タグ及び/又は標的の検出
標的は、今知られている、又は今後開発される様々な検出スキームを用いて検出され得る。特定の開示された実施態様において、検出工程は、まず、プローブの単離された部分を得ること、及びプローブの単離された部分を分析/シークエンシングすることを含み得る。例えば、光開裂性部分が切断された後、プローブの部分が放出され、放出された部分が、試料を適切なバッファー溶液で洗浄することなどにより、試料から単離される。単離された部分が、ヌクレオチド配列によってコードされる情報を含む場合には、単離された部分は、その後、次世代シークエンシングを用いることなどにより、シークエンシングされる。必要、又は望ましいならば、プローブの単離された部分は、ポリメラーゼ連鎖反応を実施することなどにより、増幅されてもよい。特定の開示された実施態様において、増幅工程及びシークエンシング工程は組み合わせられ得る。いくつかの実施態様において、照射される試料の部分は、増幅を受け得るが、照射されない試料の部分は増幅されない。
次世代シークエンシングは、多数の試料をシークエンシングする能力を提供し、各試料は、固有配列識別子と結合した、複数の標的及び/又は特異的結合部分を含み得る。各固有配列識別子は異なるため、複数の異なる標的及び/又は特異的結合部分のそれぞれは、それ独自の固有配列識別子と結合することができる。いったん単離されたならば、固有配列識別子は、シークエンシング中に区別することができ、特定の標的及び/又は特異的結合部分を、その相関する固有配列識別子に基づいて同定することができる。このように、標的及び/又は特異的結合部分のアイデンティティは、典型的な組織分析技術と比較して増加した正確さで、検出され得る。加えて、試料の特定の部分において結合した特異的結合部分の量は、単離された固有配列識別子に基づいて決定され得る。
いくつかの実施態様において、遊離した固有配列識別子は、試料照射後、適切なマイクロ流体プラットフォームから収集されてもよい。マイクロ流体プラットフォームは、マイクロアレイスライドなどのマイクロアレイプラットフォームであってもよい。いくつかの実施態様において、プローブの添加、及びプローブから切断される部分(例えば、固有配列識別子、タグ配列、プライマーなど)の選択的回収を容易にする場所に特定の標的を空間的に配置するように設計された表面を含む、マイクロアレイスライドを用いることができる。マイクロアレイスライドは、1つの特定の標的、複数の標的、又は標的のサブセットを含み得る複数の、空間的に配置された場所を含むことができる。マイクロアレイスライド上の空間的配置により、選択的照射後、プローブから切断される部分の一部を含有する選択領域は、相当量の非選択領域を溶出することなく、溶出することができる。選択領域は、溶出バッファー及び/又は変性バッファーに曝露され得る。これらのバッファーは、選択領域内の所望の部分(例えば、固有配列識別子、タグ配列、プライマーなど)の取り出しを促進する。マイクロアレイスライドは、典型的には、マイクロアレイスライドの表面をスキャンし、かつ対象となる領域を同定するように構成されるマイクロアレイスキャナと組み合わせて、用いられ得る。分配機器もまた用いられてもよく、それは、マイクロアレイスキャナからの入力を受け取り、望ましい溶出及び/又は変性バッファーをスライドの特定の領域に分配するように構成することができる。これらの成分(及び他の適切な成分)を含む例示的マイクロアレイシステムは、米国特許公開第2010/0076185号に開示されており、その全内容が本明細書に出典明示により援用されている。
B.光化学的免疫組織化学的分析
特定の開示された実施態様において、方法は、試料において1つ又は複数の標的を検出するのに適した組織化学的アッセイを含み得る。これらの実施態様に用いられるプローブは、典型的には、特異的結合部分としての抗体、光開裂性部分、及びタグ配列又は固有配列識別子を含む。方法の特定の実施態様は、組織試料(例えば、FFPE組織試料)などの生物学的試料を、試料中の標的と直接的か、又は標的と間接的かの何れかで結合することができる抗体を含む1つ又は複数のプローブに曝露することに関する。例えば、特定の実施態様は、まず、試料を一次抗体と接触させ、続いて、試料を、二次抗体、光開裂性部分、及び固有配列識別子(又はタグ配列)を含むプローブと接触させることに関し、二次抗体が一次抗体を特異的に認識する。固有配列識別子が用いられる場合には、それは、選択的照射によって放出され得、検出された標的を同定するために、その配列が決定され得る。この実施態様はまた、シークエンシング読み取りの数が、結合した抗体−固有配列識別子コンジュゲートの数とそのまま一致し得るため、組織における結合した抗体の数を定量化するために用いることができる。
C.光化学的in situハイブリダイゼーション
1つ又は複数の標的が、光化学に基づいたin situハイブリダイゼーションアッセイを用いて検出される、方法の実施態様もまた本明細書に開示される。特定の開示された実施態様において、方法は、オリゴ/ポリヌクレオチド、光開裂性部分、及びタグ配列又は固有配列識別子を含むプローブに試料を曝露することに関する。プローブを、組織試料にハイブリダイズするようにさせ、その後、試料の部分に光源を用いて照射する。
他の開示された実施態様において、方法は、オリゴ/ポリヌクレオチド、光開裂性部分、及び、典型的にはビオチン、ストレプトアビジン、又はハプテンから選択される、結合ペアの第1のメンバーを含むプローブに試料を曝露することに関し得る。プローブが、対象となる特定の標的にハイブリダイズした後、試料を洗浄し、その後、ある特定の部分に光を照射して、照射の特定のゾーン内のいかなるハイブリダイズしたプローブからの特異的結合ペアの第1のメンバーも解離させる。試料へ脱ハイブリダイゼーション工程を実施した後、脱ハイブリダイズしたプローブを、特異的結合ペアの固定化された第2のメンバーを含むカラムに通過させる。照射されたプローブは、そのプローブとカラム上に存在する特異的結合ペアの第2のメンバーとの間で特異的結合は生じることができないため、カラムを通って溶出する。それらの選択的に照射されなかったプローブは、特異的結合ペアのまだ付着した第1のメンバーが第2のメンバーと結合し、カラム上に保持されるため、カラムを通って溶出しないであろう。いくつかの実施態様において、方法は、対象となる特定の領域に位置するプローブの単離を容易にする。
D.in situポリメラーゼ伸長
特定の開示された実施態様において、in situポリメラーゼ伸長反応を促進するために光化学が用いられ得、ポリメラーゼ酵素がin situポリメラーゼ媒介性伸長、in situPCR、及び/又はin situニックトランスレーションのために組織に加えられ得る。例えば、特定の実施態様において、点突然変異を有する核酸標的は、オリゴ/ポリヌクレオチド、及びそのオリゴ/ポリヌクレオチドの1つの末端、典型的には3’末端をブロックする光開裂性部分を含むプローブに核酸標的を曝露することにより分析され得る。オリゴ/ポリヌクレオチドはさらに、検出可能な標識を含んでもよい。
別の実施態様において、デオキシヌクレオシド三リン酸の1個又は複数が、光開裂性部分でブロックされ、オリゴ/ポリヌクレオチドは光開裂性部分でブロックされても、されなくてもよい。
開示された方法の実施態様を用いて得ることができるポリメラーゼ連鎖伸長の程度は、数百個の伸長されたヌクレオチドから数千個の伸長されたヌクレオチドまでの範囲である。いくつかの実施態様において、最初のプローブに付加されるヌクレオチドの数は、約10ヌクレオチドから約2000ヌクレオチドまでの範囲(例えば、約50ヌクレオチド−約1500ヌクレオチド、又は約100ヌクレオチド−約1000ヌクレオチド、又は約200ヌクレオチド−約400ヌクレオチド)であり得る。連鎖伸長の程度は、伸長されるプローブのある特定の領域とある程度の相補性(例えば、約70%−約99%相補性)を有する1つ又は複数のリバースプライマーを用いて決定することができる。ポリメラーゼ媒介性連鎖伸長は、様々なプローブ濃度(例えば、約10ng/mL−約10μg/mLなどの100ng/mL−約100μg/mL)を用いて実行され得、約20分間から約90分間までなどの任意の適切な量の時間、実行することができる。
E.多重化
本明細書に記載された成分、方法、キット、及びシステムは、主に、特定の試料に用いられる1つ又は2つのプローブについての説明を提供する。この関連において有用であるが、本手法の1つの重要な利点は、検出様式がオリゴヌクレオチドに基づいていることである。それとして、結合事象の検出及び定量化は、高レベルの多重化の能力がある(及びそれに常套的に適用される)、ロバストかつよく知られたオリゴヌクレオチド手法を用いて実施される。実例的な実施態様において、約2個から約100,000個の間の標的が検出される。他の実施態様において、約10個から約100,000個の間の標的が検出される。別の実施態様において、約10個から約1000個の間の標的が検出される。さらに別の実施態様において、約5個より多い標的が検出される。別の実施態様において、約10個より多い標的が検出される。
VI.システムの実施態様
本明細書に開示された方法の実施態様の何れかを実行するためのシステムもまた開示される。いくつかの実施態様において、システムは、試料を含むスライドを受け入れるように構成されたスライドトレー、特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグを含むプローブなどの開示されたプローブ実施態様を分配するように構成されたディスペンサーを含む。システムはまた、試料を選択的に照射するように構成された光源を含み、その照射により、光開裂性部分を切断し、検出タグを放出する。開示されたシステムに用いられるスライドは、単一の標本スライド、アレイスライド、又はマイクロアレイスライドであり得る。光源は、レーザー、LED、又はランプなどの本明細書に開示された光源の何れかから選択され得る。
いくつかの実施態様において、開示されたシステムはさらに、修正可能な試料画像を捕捉するように構成された画像化デバイス、画像化デバイスから修正可能な試料画像を受け入れるように構成されたデジタルスクリーン、及び分析のために修正可能な試料画像の選択された部分をマークするように構成された選択デバイスを含む。画像化デバイスは、デジタルカメラ又はビデオカメラであり得る。
開示されたシステムはまた、検出タグを溶出するために溶出バッファーをスライド上に分配するように構成された分配機器、及び検出タグを回収するように構成された回収機器をさらに含んでもよい。回収機器は、検出タグを、システムの追加の部分へ直接、送達するように構成されてもよい。例えば、システムは、検出タグを受け入れ、かつ増幅するように構成されたPCR機器をさらに含んでもよい。他の実施態様はさらに、検出タグを受け入れ、かつシークエンシングするように構成されたシークエンシング機器、及びシークエンシング機器から得られた情報をデジタルスクリーンへ変換し、それにより、検出タグを、それが切断された選択領域に相関させるように構成されたコンピュータを含む。さらに他の実施態様はさらに、検出タグを受け入れ、かつ結合するように構成された修飾表面を含むアレイプラットフォームを含む。
Ventana Medical Systems,Inc.、Tucson、AZを通して入手できる例示的自動システムには、SYMPHONY(登録商標)染色システム、カタログ#:900−SYM3、VENTANA(登録商標)BenchMark自動スライド調製システム、カタログ#:N750−BMKXT−FS、N750−BMKU−FS、VENTANA、及びVENTANA(登録商標)BenchMark特殊染色自動スライド染色機が挙げられる。これらのシステムは、放射状に位置したスライドを支える回転ラックを含むマイクロプロセッサ制御システムを用いる。ステッピングモーターは、各スライドを配置する回転ラックを、スライドの上に位置した1連の試薬ディスペンサーのうちの1つの下に回転させる。コンピュータの適切なプログラミングによって異なる試薬処理が、様々な組織試料のそれぞれについて実施することができるように、スライド及び試薬ディスペンサー上のバーコードが、ディスペンサー及びスライドのコンピュータ制御された位置決めを可能にする。
実例的な計装システムは、制御環境条件下で、1×3インチの顕微鏡スライドガラス上に載せられた組織切片に試薬を連続的にアプライするように設計される。その機器は、試薬アプライ、(前にアプライされた試薬を除去するための)洗浄、ジェット脱水(洗浄後のスライド上に残留するバッファー量を低下させるための技術)、試薬を含有し、かつ蒸発を防ぐために用いられる軽油のアプライ、及び他の機器機能などのいくつかの基本的な機能を実施しなければならない。例示的染色機器は、回転ラック上のスライドを処理する。スライドは、静止位置を維持し、ディスペンサー回転ラックが、固定されたスライドの上に試薬を回転させる。本明細書に記載されたプロセスは、様々な物理的構成を用いて実施することができる。スライド上の組織を透明化し、かつ染色するプロセスは、上記の基本的な機器機能の連続的繰り返しからなる。本質的には、試薬が組織にアプライされ、その後、特定の温度で規定時間、インキュベートされる。インキュベーション時間が終了すると、スライドから試薬が洗い流され、次の試薬がアプライされ、インキュベートされ、洗い流され等々、試薬の全てがアプライされており、かつ染色プロセスが完了するまで繰り返される。
関連した開示として、Ventana Medical Systemsに譲渡されたRichardsら、米国特許第6296809号が参照され、それは、各試料が、個別化された染色又は処理プロトコールを、そのようなプロトコールが異なる温度パラメータを必要とする場合でさえも、受け入れることができるように、顕微鏡スライド上に載せられた複数の組織試料を自動的に染色又は処理するための装置及び方法を記載する。より具体的には、記載されていることは、標準の顕微鏡スライドガラスに載せられ、又は貼り付けられた組織又は細胞へ化学的及び生物学的試薬を自動的にアプライするコンピュータ制御された、バーコード操作型染色機器を含む装置である。複数のスライドが、回転ラック上に円形配列で載せられ、回転ラックが、コンピュータにより指令されると、スライドより上に位置した第2の回転ラック上の一連の試薬ディスペンサーのうちの1つの下に各スライドを配置する分配場所へ回転する。各スライドは、最適順序で、かつ必要とされる時間、選択された試薬(例えば、DNAプローブ)を受け取り、洗浄され、混合され、及び/又は加熱される。機器は、体積を低く保つために、ガスケットを用いてスライドを覆うマイクロ流体デバイスを有することもある。それはまた、UV照明後、液体をスライドから吸引し、収集バイアル内へ入れるためにマイクロピペットを含有することもある。
VII.キット
開示されたシステムに用いられるキットの実施態様もまた本明細書に開示される。状況的診断を実施するための例示的キットが本明細書に開示される。キットは、特異的結合部分、光開裂性部分、及び検出タグを含むプローブ試薬溶液など、開示された実施態様を実施するために用いられる明らかな成分を含み得る。
VIII.現技術を超える進歩
本明細書に開示された方法の実施態様は、病理組織学についての分野で現在用いられる方法を超える進歩を提供する。いくつかの実施態様において、開示された方法は、方法の実施態様に用いられる標識及びプローブが直接的に検出され、さらなる増幅を必要としないため、定量化可能な結果を提供する。方法のある特定の実施態様に用いられる検出タグが一意的に異なり、開示されたプローブに用いるのに無限の数の異なる種が利用可能であるため、開示された方法の実施態様は、多重化アッセイに適している。当技術分野で知られた多くの多重化方法は、ISHプローブに付着することができる検出可能なタグの数、及び/又は免疫組織化学(IHC)分析に用いられる検出システムの型(例えば、比色及び/又は蛍光検出スキーム)によって制限される。そのような制限に取り組むための方法は存在するが、これらの方法は、典型的には、組織試料を解離し、かつ溶解することを必要とし、それにより全ての組織状況を破壊する。本明細書に開示された方法は、これらの望ましくない工程を回避し、IHC及びISH分析において重要である維持された組織状況的情報のレベルを提供する。開示された方法はまた、繰り返される分析、アーカイブ化、及び/又は立体構造的分析のために組織試料を保存するという利点を提供する。開示された方法は、多重化アッセイを容易にするだけでなく、ある特定の実施態様はさらに、特定の試料の異なる部分上に複数の異なる多重化アッセイを繰り返す能力を提供する。当技術分野で現在知られた方法は、組織不均一性を同じように扱うことができない。
開示された方法の実施態様はまた、当技術分野で現在知られた方法をはるかに超える特異性及び感度のレベルを提供する。例えば、いくつかの実施態様は、さらなる分析のために試料から単離することができる検出可能な部分を産生するためにプライマー伸長技術を用いることに関する。そのようなin situ伸長は、もっぱら対象となる特定の遺伝子だけに行うことができ、全ての他の配列読み取りは無視することができる。
加えて、開示された方法の実施態様は、当技術分野で用いられる組織マイクロダイセクション方法で達成されるものより、高い空間分解能を提供する。本明細書に開示された方法はまた、単に細胞自体だけでなく、細胞構造を探索することを容易にする。本明細書に開示された方法はまた、自動化することができ、それにより、卓上自動デバイス上で行うことができる迅速で、効率的な方法を提供する。
IX.作業実施態様
プローブ設計:
いくつかの実施態様において、17番染色体アルファサテライトリピート配列(配列番号4)か、又はALU反復配列(配列番号5)の何れかへの3’結合配列、及び5’非結合配列を有するオリゴヌクレオチドDNAプローブを合成した。いくつかの実験において、7番染色体のセントロメア領域由来のα7t1アルファサテライトリピートの、ニックトランスレーションされてDIG標識されたクローンを、非UV感受性コントロールプローブとして用いた。組織照射の実証のために用いられるプローブを、2つのDNP(ジニトロフェノール)ハプテンを含有する5’非結合部分を有するように設計し(DNP−TATTTT−DNP−TATTTT)、DNAバーコードのPCR検出を実証するために用いられるプローブを、DNA固有配列識別子(配列番号1)に隣接するM13プライマー(フォワード:5’が配列番号6である、リバース:5’が配列番号7である)についてのプライミング部位を含有する非結合性5’テールを有するように設計した。その2つの配列要素を、光開裂性部分(Ambergen)を介して連結した。
in situハイブリダイゼーション:
in situハイブリダイゼーション(ISH)手順を、BENCHMARK XT自動スライド染色機上で実行した。プローブを、ホルムアミド含有バッファー中、42℃で2時間、ハイブリダイズさせた。プローブを洗浄し、スライドを染色機器から取り出し、照射した。UV照射後、ハイブリダイズしたプローブを、Benchmark XT機器において、Ventana SISH検出を用いて検出した。
UV照射
365nmで放射するLED光源(XeLED−Ni1UV−R3−365、Xenopus Electronix)を用いて、組織を2cmの距離で30秒間、照射した。UV光をブロックするために組織切片の上にアルミホイルを置いた。その後の照射方法は、20×顕微鏡対物レンズを通過したメタルハライドランプ(X−Cite、Lumen Dynamics)からのUV光を用いた。UVエネルギー線量は、10秒間−1分間の間、50−10mWの範囲であった。DMDデバイスUV源の強度は130mW/cm2であった。スライドを20秒間、照射した。
LCDスクリーンを用いるUV照射もまた、組織上のパターンを光らせるために用いた。Kohler照射を用いる顕微鏡の視野絞りを、液晶パネルと交換して、顕微鏡をプロジェクターへ変えた。これは、この組織の特定の領域を照射から遮蔽することにより、スライドのどの領域を照射するかを制御することを可能にした。組織照射のために、LCDパネルをチェッカーボードパターンへ遷移させた。スライドを、100mWを用いて30−60秒間、照射した。
実施例1
UV開裂性DNAオリゴヌクレオチドが適切なDNAプローブであるかどうかを決定するために、CHR−17オリゴヌクレオチドを、標的結合領域と、検出可能なDNP標識を含む検出領域との間に光開裂性部分を有するように、設計した。そのプローブを組織試料にハイブリダイズさせ、スライドを機器から取り出し、その後、UV光を照射した。その後、スライドを機器に戻し、UV開裂性DNAタグの存在を、銀ISH[SISH]検出キットを用いて決定した。ニックトランスレーションされたDIG CHR−7プローブでのコントロールもまた用いた。
結果により、光開裂性部分を含有するプローブの、選択的に照射され、したがって、組織試料においてDNA標的を検出するのに有用であるという能力が示された。コントロール試料においてDNPタグは検出されず、試料のその部分が光に曝露され、全てのDNPタグが光開裂性部分と共に切断されたからである。比較において、試料の遮蔽された区域(すなわち、非照射部分)はDNP標識プローブを含有し、これらのプローブにおける光開裂性部分が切断されなかったからである。したがって、光開裂性部分を通してプローブに付着したDNP標識は、SISH検出を用いて検出可能であった。
実施例2
この実施態様において、(オリゴヌクレオチド、光開裂性部分、及びDNP標識で標識されたタグ配列を含む)ALU DNA ISHプローブを、DNAプローブのDNA検出領域に付着したDNAハプテンの有意な量のSISHシグナルオフを置くように設計した。そのプローブを、組織試料上の様々なスポットにハイブリダイズさせ、過剰なプローブを洗浄し、組織試料を含むスライドを自動染色機から取り出し、3つの方法の1つを用いて照射した。一実施態様において、試料を、20×対物レンズを用いて50mWでおよそ20秒間、照射した。図11は、光を照射されなかったコントロールALUプローブの画像を提供する。
追加の異なる試料スライドを、異なるUV照射方法に曝露した。この実施態様において、LCDスクリーンをUVランプとスライドとの間に置いた。パターン形成されたスライドを投影し、それにより、パターンの暗くなっている部分においてUV光を遮蔽することにより、パターンを提供するように、LCDディスプレイを遷移させた。スライドを、およそ60秒間、照射し、パターン形成された試料を提供し、その顕微鏡写真が図12に示されている。図12に示されているように、光に曝露された試料の部分は、光開裂性リンカーを通してプローブに付着したDNPタグが試料から脱離したため、検出可能なシグナルをもたらさなかったが、照射されなかったそれらの部分は、DNPタグのSISH検出により生じた検出可能なシグナルをもたらした。追加の実施態様は、図13−16に図示されており、それらはまた、開示された方法の実施態様が、選択的照射を用いてパターン形成された試料を得るために用いることができることを示している。特に、図13及び14は、顕微鏡対物レンズを用いて直接的に照射されている領域についての2つのレベルの倍率を示している。照射の球状の様子が図13において明らかに観察され、一方、照射されたセクションと照射されなかったセクションとの間の界面のコントラスト及び鮮明度は図14に見ることができる。
図15及び16は、形の万能性を示し、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と共に光源を用いて達成することができる、分解能の表示を提供する。特に、図15は、入り組んだシンボルを照らし出すことができることを示し、一方、図16は、手法の分解能を示し、スペックルのそれぞれが、DMDに関連した品質管理パターンを表す。
実施例3
この特定の実施態様において、CHR−17オリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼIについてのプライマーとして用いた。そのプローブを組織にハイブリダイズさせ、その後、それを洗浄した。ニックトランスレーションプロトコールを用いて、DNAポリメラーゼI(例えば、スライドあたり10、1、又は0.1ユニットのDNAポリメラーゼ)及び他の伸長試薬を、試料に加えて、CHR−17オリゴヌクレオチドの3’末端を2時間の伸長時間で、伸長させた。その後、DIG−dUTPを加えて、抗DIG,AP Red検出キットを用いてプライマー伸長を検出した。これらの特定の例についての結果は、AP red標識が試料において検出されたため、ポリメラーゼ連鎖伸長が起こったことを示した。
実施例4
この特定の実施態様において、光開裂性部分、及び(プライマー部分、配列識別子部分、及び第2のプライマー部分を含む)固有配列識別子を含むDNAプローブを用いた。DNAプローブを、BenchMark XT機器において扁桃腺組織にハイブリダイズさせた。その後、スライドを取り出し、UV光を、20×対物レンズを用いて、50mWでおよそ20秒間、照射した。遊離した固有配列識別子を含有するスライド上の液体を収集し、次のPCR反応において鋳型として用いた。
実施例5
一実施態様において、ビオチン化二次抗体を、ストレプトアビジンを用いてビオチン化タグ配列と結合させた。抗原賦活化標的を、まず一次抗体で標識し、続いて、ビオチン化抗−種二次抗体に結合させた。ストレプトアビジンを用いて、ビオチン化タグをビオチン化抗体と連結させた。ストリンジェントな洗浄後、タグを鋳型オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた。その後、スライドをエキソヌクレアーゼで処理した。全ての工程を、VMSI Benchmark XT染色機において実施した。洗浄及び風乾後、鋳型を、PCR定量化のために溶液中へ移した。
2つの特定の鋳型オリゴヌクレオチドの段階希釈を作製し、対応するプライマーを用いることにより、定量化ダイナミックレンジを決定した。10倍の線形範囲が達成され、120個の分子の検出が可能であった(0.1fMの2μL)。実行間の再現性もまた実証された。2つの鋳型オリゴヌクレオチド間でほとんど矛盾はなく、したがって、異なる鋳型オリゴヌクレオチドを同じプローブと共に用いることにより多重化アッセイを開発することが可能である。十分な感度及び線形ダイナミックレンジでの鋳型オリゴヌクレオチドの検出及び定量化が実証されている。いくつかの実施態様において、特定の鋳型は、他の鋳型オリゴヌクレオチドの存在下でさえも、対応する固有プライマーを用いて定量化された。
実施例6
この特定の実施態様において、光開裂性リンカー(TriLinkから市販されており、構造は下記に提供されている)を介して3つの固有配列識別子配列(配列番号21−23)に付着したALU及びCHR17オリゴ/ポリヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号5及び配列番号4)を設計した。プローブ(1μg/mlの最終濃度)を扁桃腺組織にハイブリダイズさせ、デジタルミラーディスプレイ(DMD)照射技術を用いてUV照射に曝露した。照射を、全DMDアレイフィールド(19,151×14,363μm)を用いて、130mW/cmのUV強度で実行した。コントロールスライドをUV光で処理しないままにした。
照射後、遊離した固有配列識別子を、200μLのTEバッファー溶液中へ放出し、マイクロ流体プラットフォームを用いて収集した。PCR増幅を、50μLの総反応において、鋳型として固有配列識別子、及びプライマーとしてNGS特異的(Illumina)アダプター配列(配列番号26及び27)を含む20μLの溶液を用いて実施した。増幅を、以下の温度サイクリング条件を用いて実施した:98℃で10秒間、60℃で10秒間、72℃で1分間(15−20サイクル)。Illuminaアダプターを有する増幅された固有配列識別子を、ゲル電気泳動(Invitrogen 4%EZゲル)を用いて分析した。結果は図17に示されている。図17に示されているように、照射されなかったコントロール試料について、シグナルは得られず(したがって、単離され得る固有配列識別子を提供しなかった)、及び固有配列識別子を含むプローブに曝露されなかったコントロール試料について、シグナルは得られなかった。しかしながら、光に曝露された(NGS特異的アダプター配列に付着した)固有配列識別子について、バンドが得られた。
さらに、本発明者らは、Illuminaシークエンシングによる診断バイオマーカーに対応する単一及び多重化のDNAバーコードの検出を実証した。特に、3つの固有バーコード配列に付着したALU、CHR7、及びCHR17プローブを、扁桃腺組織に、別々に、及び/又は多重的に、ハイブリダイズさせた。洗浄後、バーコードを、その後、UV照明により溶液中へ放出させた。Illuminaアダプターを、(前に記載されているように)PCR反応において、鋳型としてバーコードを含有する溶液を用いてバーコードに付着させた。各PCR試料を精製し、標的サイズ(211bp)のゲルバンドを、2%E−ゲルサイズ選択アガロースゲル(Invitrogen)上で選択し、Illuminaペアエンドシークエンシングのためのシークエンシングにすぐ用いられるライブラリーを生じた。その後、ライブラリーを、PicoGreenアッセイ(Invitrogen Molecular Probes)を用いて定量化し、他のライブラリーと共に多重化し、Illumina MiSeq機器(150×150ペアエンド)において実行した。
シークエンシング実行からのカウントを、BOWTIE2を用いてマッピングし、68.79%の全アラインメント率であった(表1)。この特定の実験において、CHR7及びCHR17に対応するバーコードカウントは多重化され、すなわち、CHR7及びCHR17プローブを含有するプローブカクテルが、同じ組織スライド上で同時にハイブリダイズした。ALUに対応するバーコードカウントは、別個の単一のISH実験からである。ライブラリーを多重化し、単一のMiSeq実行で分析した。
多重化におけるCHR7及びCHR17に対応するバーコードカウントは、バイオマーカーを多重的に定量化するNGSシークエンシングの感度を実証する結合事象と非常によく相関している。
実施例7
この特定の実施態様において、組織内の標的配列から伸長する能力を、PE1.0−CHR7(配列番号45)及びPE1.0−CHR17(配列番号46)プローブを用いて試験した。これらの実験は、光反応性工程の複雑さを加えることなく、ポリメラーゼ伸長を実証している。配列は以下であった:
PE1.0−CHR7(配列番号45):
・5’−AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTTCTAGCCATTTGATGCCAACAGTAGAAAGGG−3’
PE1.0−CHR17(配列番号46):
・5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTCATTCAAATCCCCGAGTTGAACTTTCCTTTCAAAGTTCACGT−3’
プローブを、スライドあたり10ng/ml、0.1μg/ml、及び1μg/mlの漸増濃度を用いて、組織にハイブリダイズさせた。Benchmark XTにおける脱パラフィン及び細胞順化後、PE1.0−CHR7及びPE1.0−CHR17プローブの単一又はカクテル、dNTP、並びにFastTaq DNAポリメラーゼ(Roche Applied Sciences)をスライド上に加えた。50mM Tris/HCl、10mM KCl、5mM (NHSO、2mM MgClを含むバッファー中、60℃で1時間のハイブリダイゼーション及び伸長後、プローブ配列を高温変性後、スライドから収集した。伸長した配列を、Illumina NGSアダプター配列(配列番号26)内のフォワードプライマーを用いて選択的に増幅した。in situポリメラーゼ伸長の距離を、プローブ配列から離れた領域に相補的なリバースプライマー(配列番号29−33)を用いて検出した(図18)。増幅を、以下の温度サイクリング条件を用いて実施した:98℃で10秒間、60℃で10秒間、72℃で1分間(15−20サイクル)、アニーリング温度の改変はプライマーペアの融解温度に基づいた。産物を、ゲル電気泳動(Invitrogen 4%EZゲル)を用いて分析し、結果は図19及び20に提供されている。
図19及び20に図示されているように、各プローブの濃度が増加するにつれて、得られるシグナルが増加する。図19及び20はまた、リバースプライマー伸長から得られたシグナルを示し、それは、伸長反応が、多数の塩基対を有する伸長した産物を産生することが可能であることを示している。図20に図示されているように、方法は、約230塩基対を有する伸長した産物を産生した。この特定の実施態様から得られた結果は、組織試料の切片を最初に単離する必要なしに、組織にハイブリダイズしているプライマーを伸長する能力を例証している。むしろ、組織試料を物理的に切除し、及び/又は操作することにより組織状況を破壊する必要さえもなく、プライマーは、組織試料に加えられ、伸長され、増幅され、検出され得る。さらに、それは、検出の長さを変化させる能力を実証している。3つの伸長の長さを選択して、様々な長さまで伸長する能力を示した。
実施例8
この特定の実施態様において、CHR7及びCHR17プライマー(それぞれ、配列番号20及び4)を、それぞれ0.1μg/mlの濃度で組織試料に同時にハイブリダイズさせた。収集された、伸長した配列を、伸長したCHR7及びCHR17リバースプライマーの両方を用いる二重PCRによって増幅した(図21)。この特定の実施態様は、開示された方法が、多重化アッセイに適していることを確立している。この場合もやはり、これらを、根本的な伸長手法のロバスト性を示すために、光反応性工程の非存在下で行った。
実施例9
今、図22(A)−(B)に関して、図22(A)は、配列を、5’末端のビオチン分子(四角形)を用いて精製し得る手法を示す概略図である。PS1及び(プローブ配列から離れた領域に相補的である)CHR7R5を用いて、in situポリメラーゼ伸長を検出した。図22(B)は、その後のPCR増幅の230bpの伸長した産物が、ケージドチミジンを含まないコントロールプローブ、ビオチン−PS1−CHR7(レーン1−2)に関して検出されたことを示すゲルの写真である。
この特定の実施態様において、光活性化オリゴ(LAN)を用いる光選択的in situポリメラーゼ伸長が実証されている。特に、光活性化オリゴヌクレオチド(LAN)(TriLink technologies)を用いて、組織における選択的ポリメラーゼ伸長を実証した。LANは、チミジンの1つ又は複数への感光性核酸塩基修飾、ニトロピペロニルオキシメチル(NPOM)を含有する。NPOMケージド基は、ワトソン・クリック塩基対形成を立体的にブロックすることによりハイブリダイゼーションを妨害する。Youngら、2008 Light triggered polymerase chain reaction、Chem.Commun.、2008、462−464が参照され、その全内容が、in situポリメラーゼ伸長に関する開示のために本明細書に出典明示により援用されている。
非ヒトプライミング配列(PS1:配列番号42)、及び5’末端におけるビオチン分子、及び3’末端の方に分布した「ケージド」チミジンを有するCHR7プローブを、合成した。そのプローブの非ケージドバージョンを、ポジティブコントロールとして用いた(図22(B)、レーン1−2)。
プローブを、BenchMark XT機器において、60℃及び65℃で1時間、組織にハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、UVによって照明されるスライドを、機器から取り出し(図22(B)、レーン5−6)、残りを機器において暗くしておいた(図22(B)、レーン3−4)。スライドを、スライド照明のためにUVランプを用いて、UVで1分間、処理し、機器に戻した。結合していない材料を、ストリンジェンシー洗浄でスライドから除去した。Sequenase V2.0 DNAポリメラーゼ(Affymetrix,Inc)及びdNTP(Roche)を含有する伸長バッファーをスライドに加えて、ポリメラーゼ伸長を生じさせた。高温変性後、プローブ配列をスライドから収集し、Dynabeads M−280ストレプトアビジンビーズ(Invitrogen)で精製した。ストレプトアビジンビーズに結合した精製配列を、検出PCRのための鋳型として用いた。光選択的in situポリメラーゼ伸長を、フォワードプライマーとしてPS1、及びプローブ配列から230bp離れた領域に相補的なCHR7R5リバースプライマーを用いることにより実証した。産物を、ゲル電気泳動(Invitrogen 4%EZゲル)を用いて分析した。
UV照明なしのスライドからのプローブは、ケージドチミジンのせいで伸長した産物を産生することができなかったが(レーン3−4)、UV照明されたスライド上のプローブは、両方のハイブリダイゼーション温度において成功裏に伸長し、予想されたサイズバンドを生じた(レーン5−6)。この研究に用いられたプライマー及びプローブ配列:
・PS1(配列番号42):5’−TAACTTACGGAGTCGCTCTACG−3’
・CHR7(配列番号43):5’−TCTAGCCATTTGATGCCAACAGTAGAAAGGG−3’
・ビオチン−PS1−CHR7LAN5C(配列番号44):5’/{ビオチン}/TAACTTACGGAGTCGCTCTACGTCTAGCCAT*T*T*GAT*GCCAACAGT*AGAAAGGG−3’
・Tは、プローブのケージドバージョンにおけるケージドチミジンの位置を表す。
実施例10
この実施態様において、本発明者らは、単一の遺伝子の光選択的in situポリメラーゼ伸長を実証する。今、図23(A)−(B)関して、ケージドチミジン有り、及び無しの、BRAFエクソン13(図23(A))及びHER2エクソン10(図23(B))に特異的なプローブを設計した。両方のプライマーをハイブリダイズさせ、60℃で1時間、ポリメラーゼ伸長させた。ケージドチミジンとハイブリダイズしたスライドを、UV光で処理し、一方、その残りを暗闇中に保った。(マーカーレーンを除いて)レーン1は、ケージドチミジンを含まないコントロールプローブを示す;このように、予想通り、伸長産物が生じ、検出されている。レーン2は、光に曝されなかったケージドチミジン含有プローブを示す。伸長が起きなかったことはゲルから明らかである。レーン3は、UV光に曝されたケージドチミジン含有プローブを示し、伸長した産物が、コントロールプローブ(すなわち、ケージドチミジンを含まないプローブ)から予想されたものと類似したレベルで検出されている。光活性化ヌクレオチドは、両方のプライマーにおいて5つの異なる場所に含まれた。両方のエクソンプライマーを、5’末端でビオチン標識し、伸長したプライマーを、98℃での3−4分間の変性後、ストレプトアビジンビーズで精製した。精製産物のアリコートを、対応するプライマーペアでPCR増幅し、Invitrogen 4%E−ゲルで検出した。以下のプローブ配列がこの研究に用いられた:
・ビオチン−HER2エクソン10(配列番号47):5’−ビオチン−TAACTTACGGAGTCGCTCTACGGCATGGAGCACT*T*GCGAGAGGT*GAGGGCAGT*T*A−3’
・ビオチンBRAFエクソン13(配列番号48):5’−ビオチン−TAACTTACGGAGTCGCTCTACGAGTGGTGTGAGGGCTCCAGCTTGTAT*CACCAT*CT*AT*T*G−3’
・Tは、プローブのケージドバージョンにおけるケージドチミジンの位置を表す。
[配列表]
本明細書に提供される核酸及びアミノ酸配列は、37C.F.R.§1.822において定義されているように、ヌクレオチド塩基については標準文字略語、及びアミノ酸については3文字コードを用いて示される。各核酸配列の1鎖のみが示されるが、相補鎖は、表示された鎖への任意の参照により含まれるものと理解される。
配列番号1は、固有配列識別子についての例示的配列である。
配列番号2は、固有配列識別子についての別の例示的配列である。
配列番号3は、固有配列識別子についてのさらに別の例示的配列である。
配列番号4は、オリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分についての例示的配列である。
配列番号5は、オリゴ/ポリヌクレオチド特異的結合部分についての別の例示的配列である。
配列番号6は、本明細書に開示されたプローブと共に用いられる例示的プライマー配列である。
配列番号7は、本明細書に開示されたプローブと共に用いられる別の例示的プライマー配列である。
配列番号8は、Her1アミノ酸配列(NCBI参照配列No.NP_005219.2)である。
配列番号9は、Her1をコードする例示的cDNA配列(NCBI参照配列No.NM_005228.3)である。
配列番号10は、Her2アミノ酸配列(NCBI参照配列No.NP_004439.2)である。
配列番号11は、Her2をコードする例示的cDNA配列(NCBI参照配列No.NM_004448.2)である。
配列番号12は、Her3アミノ酸配列(NCBI参照配列No.NP_001973.2)である。
配列番号13は、Her3をコードする例示的cDNA配列(NCBI参照配列No.NM_001982.3)である。
配列番号14は、Her4アミノ酸配列(GenbankアクセションNo.AAI43750)である。
配列番号15は、Her4をコードする例示的cDNA配列(GenBankアクセションNo.BC143749.1)である。
配列番号16は、エストロゲン受容体アミノ酸配列(NCBI参照配列No.NP_000116.2)である。
配列番号17は、エストロゲン受容体をコードする例示的cDNA配列(NCBI参照配列No.NM_000125.3)である。
配列番号18は、プロゲステロン受容体アミノ酸配列(GenbankアクセションNo.AAD01587.1)である。
配列番号19は、プロゲステロン受容体をコードする例示的cDNA配列(GenBankアクセションNo.AF016381.1)である。
配列番号20は、例示的オリゴ/ポリヌクレオチドプローブ配列である。
配列番号21は、例示的固有配列識別子配列である。
配列番号22は、別の例示的固有配列識別子配列である。
配列番号23は、さらに別の例示的固有配列識別子配列である。
配列番号24は、in situポリメラーゼ伸長方法に用いることができる例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号25は、in situポリメラーゼ伸長に用いることができる例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号26は、in situポリメラーゼ伸長に用いられる、NGSアダプター配列を含む例示的フォワードプライマー配列である。
配列番号27は、in situポリメラーゼ伸長に用いられる、NGSアダプター配列を含む例示的リバースプライマー配列である。
配列番号28は、配列番号27のPCR分析のために用いることができる例示的プライマー配列である。
配列番号29は、in situポリメラーゼ伸長を用いて伸長している単離されたプローブのPCR分析に用いることができる例示的リバースプライマーである。
配列番号30は、in situポリメラーゼ伸長を用いて伸長している単離されたプローブのPCR分析に用いることができる例示的リバースプライマーである。
配列番号31は、in situポリメラーゼ伸長を用いて伸長している単離されたプローブのPCR分析に用いることができる例示的リバースプライマーである。
配列番号32は、in situポリメラーゼ伸長を用いて伸長している単離されたプローブのPCR分析に用いることができる例示的リバースプライマーである。
配列番号33は、in situポリメラーゼ伸長を用いて伸長している単離されたプローブのPCR分析に用いることができる例示的リバースプライマーである。
配列番号34は、検出可能な標識、オリゴ/ポリヌクレオチド配列、及び光開裂性部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号35は、検出可能な標識、オリゴ/ポリヌクレオチド配列、及び光開裂性部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号36は、本明細書に開示された方法に用いられる、光開裂性部分で標識することができる例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号37は、本明細書に開示された方法に用いられる、光開裂性部分で標識することができる例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号38は、ケージドチミジンを含むように修飾され、かつさらにビオチン部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号39は、ケージドチミジンを含むように修飾され、かつさらにビオチン部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号40は、ケージドチミジンを含むように修飾され、かつさらにビオチン部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号41は、ケージドチミジンを含むように修飾され、かつさらにビオチン部分を含む例示的オリゴ/ポリヌクレオチド配列である。
配列番号42は、実施例9による例示的プライマー配列(PS1)である。
配列番号43は、実施例9によるChr7についての別の例示的配列である。
配列番号44は、実施例9によるビオチン−PS1−CHR7LAN5Cプローブである。
配列番号45は、実施例7によるプローブ(PE1.0−CHR7)である。
配列番号46は、実施例7によるプローブ(PE1.0−CHR17)である。
配列番号47は、実施例10によるビオチンHER2エクソン10プローブであり、Tは、プローブのケージドバージョンにおけるケージドチミジンの位置を表す:
配列番号48は、実施例10によるビオチンBRAFエクソン13プローブであり、Tは、プローブのケージドバージョンにおけるケージドチミジンの位置を表す。

Claims (16)

  1. 組織試料中でインビトロの状況的分子検出を実施するための方法であって、
    組織試料を、光反応性部分と標的に対する特異的結合部分と検出タグとを含むプローブと、試料中での特異的結合部分と標的の結合を促進するのに十分な条件を用いて接触させること、
    試料に結合しないプローブを除去すること、
    状況的情報に基づいて、照射のための試料の領域を選択すること、
    組織試料の選択領域に、光反応性部分を反応させるのに十分な波長及び強度の光を照射し、それにより、さらなる反応のために検出タグを遊離させること、
    検出タグに作用する酵素に組織試料を曝露させて、変化をもたらすこと、及び
    変化を検出すること、を含み、ここで、検出タグが伸長可能なプライマーであり、光反応性部分が光開裂性ブロッキング基であり、酵素がポリメラーゼであり、変化が、組織試料の選択された照射部分における鋳型配列上のdATP、dCTP、dTTP、及びdGTPの存在下でのプライマー配列の伸長であり、該光開裂性ブロッキング基がポリメラーゼブロッキング部分としての役割を果たし、適切な波長の光に曝露されていない試料のそれらの特定の部分上で伸長可能なプライマーをポリメラーゼ酵素により伸長されることからブロックし、光開裂性部分がケージドATP分子を含み、ケージドATP分子が、試料上に存在するプローブをリン酸基で修飾することが可能であるATP分子へ変換され、該リン酸基が検出可能な標識、特異的結合ペアのメンバー、又はそれらの組み合わせで修飾され、該検出可能な標識が検出されるか又は特異的結合ペアのメンバーを用いて該プローブが単離される、方法。
  2. プローブが2以上の検出タグを含むか、又は組織試料が2以上のプローブと接触させられ、選択領域を照射した後に、隣接する検出タグをライゲーションすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 光開裂性部分がケージドATP分子を含み、ケージドATP分子が、試料上に存在するプローブをリン酸基で修飾することが可能であるATP分子へ変換される、請求項1に記載の方法。
  4. リン酸基を検出可能な標識、特異的結合ペアのメンバー、又はそれらの組み合わせで修飾すること、及び
    検出可能な標識を検出すること又は特異的結合ペアのメンバーを用いてプローブを単離することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 接触させることが、複数の標的に対する特異的結合部分を有する複数のプローブを含み、複数の異なるプローブが、固有検出タグ及び固有特異的結合部分を含み、検出タグを検出することが複数の固有検出タグを検出することを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. 選択することが、追加の領域を選択することをさらに含み、
    方法が、
    追加の領域を繰り返しかつ別々に照射すること、
    追加の選択領域から検出タグを繰り返しかつ別々に検出すること、及び
    試料の分子プロフィールを作成するために、選択領域からの検出タグの検出を試料に関連づけることをさらに含み、分子プロフィールが、試料全体の選択区域から検出された検出タグを有する各選択区域に関係している、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 検出タグを検出することが、試料において標的の数を定量化することを含む、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 特異的結合部分が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、抗体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プライマー、アプタマー、結合可変領域、プラスミド、DNA、RNA、miRNA、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 試料の第2の選択領域に照射して、光反応性部分を反応させ、それにより、試料の第2の選択領域から、さらなる反応のために検出配列を遊離させること、及び
    試料の第2の選択領域内の標的に結合していた検出タグを検出すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 検出タグが固有配列識別子又はタグ配列である、請求項1に記載の方法。
  11. 試料の領域を選択することが、試料の1つ若しくは複数の部分を手作業でマークすること、又は試料の1つ若しくは複数の部分をデジタル的にマークすることを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 選択に用いられる状況的情報が、一次染色、二次染色、蛍光画像化、位相差画像化、形態学的試料特性画像化、画像分析、デジタル画像分析、細胞選択、又はグループ化選択の1つ又は複数の組み合わせを用いて作成される、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 検出タグの検出が、次世代シークエンシングを用いて検出タグをシークエンシングすること、PCRを用いて検出タグを分析すること、又はアレイプラットフォームを用いて検出タグを分析することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 試料を、第2の特異的結合部分と第2の光反応性部分と第2の検出タグを含む第2のプローブと接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 光反応性部分と第2の光反応性部分が同じであり、検出タグと第2の検出タグが異なり、特異的結合部分と第2の特異的結合部分が異なる、請求項14に記載の方法。
  16. 組織試料中で状況的分子診断を実施するためのキットであって、光反応性部分と標的に対する特異的結合部分と検出タグとを含むプローブを含み、
    ここで、組織試料は、試料中での特異的結合部分の標的に対する結合を促進するのに十分な条件を用いて、該プローブと接触させられ、
    試料に結合しないプローブが除去され、
    状況的情報に基づいて、照射のための試料の領域が選択され、
    組織試料の選択領域が、光反応性部分を反応させるのに十分な波長及び強度の光で照射され、それにより、さらなる反応のために検出タグが遊離させられ、
    検出タグに作用する酵素に組織試料が曝露されて、変化がもたらされ、及び
    変化が検出され、ここで、検出タグが伸長可能なプライマーであり、光反応性部分が光開裂性ブロッキング基であり、酵素がポリメラーゼであり、変化が、組織試料の選択された照射部分における鋳型配列上のdATP、dCTP、dTTP、及びdGTPの存在下でのプライマー配列の伸長であり、該光開裂性ブロッキング基がポリメラーゼブロッキング部分としての役割を果たし、適切な波長の光に曝露されていない試料のそれらの特定の部分上で伸長可能なプライマーをポリメラーゼ酵素により伸長されることからブロックし、光開裂性部分がケージドATP分子を含み、ケージドATP分子が、試料上に存在するプローブをリン酸基で修飾することが可能であるATP分子へ変換され、該リン酸基が検出可能な標識、特異的結合ペアのメンバー、又はそれらの組み合わせで修飾され、該検出可能な標識が検出されるか又は特異的結合ペアのメンバーを用いて該プローブが単離され、それにより、組織試料中で状況的分子診断が実施される、キット。
JP2016553632A 2014-02-26 2015-02-23 生物学的試料分析のための光選択的方法 Active JP6608381B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201461944996P 2014-02-26 2014-02-26
US61/944,996 2014-02-26
PCT/EP2015/053681 WO2015128272A2 (en) 2014-02-26 2015-02-23 Photo-selective method for biological sample analysis field

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017507656A JP2017507656A (ja) 2017-03-23
JP6608381B2 true JP6608381B2 (ja) 2019-11-20

Family

ID=52589383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016553632A Active JP6608381B2 (ja) 2014-02-26 2015-02-23 生物学的試料分析のための光選択的方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20160362730A1 (ja)
EP (1) EP3126512B1 (ja)
JP (1) JP6608381B2 (ja)
AU (2) AU2015222268B2 (ja)
CA (1) CA2940764C (ja)
WO (1) WO2015128272A2 (ja)

Families Citing this family (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111662960B (zh) 2013-06-25 2024-04-12 普罗格诺西斯生物科学公司 采用微流控装置的空间编码生物分析
KR20230074639A (ko) 2013-08-28 2023-05-30 벡톤 디킨슨 앤드 컴퍼니 대량의 동시 단일 세포 분석
WO2015163592A1 (ko) * 2014-04-25 2015-10-29 씨제이제일제당 (주) 다이아민 생산 미생물 및 이를 이용한 다이아민 생산방법
DK3901281T3 (da) 2015-04-10 2023-01-23 Spatial Transcriptomics Ab Rumligt adskilt, multipleks nukleinsyreanalyse af biologiske prøver
SG10202107055SA (en) * 2015-07-17 2021-08-30 Nanostring Technologies Inc Simultaneous quantification of a plurality of proteins in a user-defined region of a cross-sectioned tissue
SG10202107053QA (en) * 2015-07-17 2021-08-30 Nanostring Technologies Inc Simultaneous quantification of gene expression in a user-defined region of a cross-sectioned tissue
BR112018002525A2 (pt) 2015-08-06 2018-09-25 Lasergen Inc detecção de antígenos usando marcadores fotocliváveis
US10301677B2 (en) 2016-05-25 2019-05-28 Cellular Research, Inc. Normalization of nucleic acid libraries
CN106367485B (zh) 2016-08-29 2019-04-26 厦门艾德生物医药科技股份有限公司 一种用于检测基因突变的多定位双标签接头组及其制备方法和应用
KR102363716B1 (ko) 2016-09-26 2022-02-18 셀룰러 리서치, 인크. 바코딩된 올리고뉴클레오티드 서열을 갖는 시약을 이용한 단백질 발현의 측정
CN110024037B (zh) * 2016-11-30 2023-06-27 微软技术许可有限责任公司 经由连接的dna随机存取存储系统
US20190075171A1 (en) * 2017-09-05 2019-03-07 EtherLabs, Inc. System and Method for Generating Marker Data
CN109694864B (zh) * 2017-10-23 2020-12-25 深圳华大因源医药科技有限公司 基于点击化学的测序接头、双条形码测序文库及其构建方法
WO2019103996A1 (en) * 2017-11-21 2019-05-31 Expansion Technologies Expansion microscopy compatible and multiplexed in situ hybridization of formalin fixed paraffin embedded tissue sections for spatially resolved transcriptomics
WO2019157445A1 (en) * 2018-02-12 2019-08-15 Nanostring Technologies, Inc. Biomolecular probes and methods of detecting gene and protein expression
EP3861134A1 (en) 2018-10-01 2021-08-11 Becton, Dickinson and Company Determining 5' transcript sequences
JP7332694B2 (ja) * 2018-12-04 2023-08-23 エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー 細胞標的の空間指向性量子バーコード化
EP3914728B1 (en) * 2019-01-23 2023-04-05 Becton, Dickinson and Company Oligonucleotides associated with antibodies
CN110124100A (zh) * 2019-05-04 2019-08-16 西北工业大学 一种可实现药物定向定量释放的载药人工骨支架及其制备方法
EP3974528A4 (en) * 2019-05-20 2022-11-09 Kyushu University, National University Corporation OLIGONUCLEOTIDE, METHOD AND OMICS ANALYSIS KIT
CN114467027A (zh) * 2019-05-20 2022-05-10 因斯利克萨公司 用于分子检测的光触发核酸构建体和方法
WO2020254672A1 (en) * 2019-06-19 2020-12-24 Therycell Gmbh Spatial characterisation of target structures in a sample
WO2021016239A1 (en) 2019-07-22 2021-01-28 Becton, Dickinson And Company Single cell chromatin immunoprecipitation sequencing assay
CN114729350A (zh) 2019-11-08 2022-07-08 贝克顿迪金森公司 使用随机引发获得用于免疫组库测序的全长v(d)j信息
GB201918340D0 (en) * 2019-12-12 2020-01-29 Cambridge Entpr Ltd Spatial barcoding
WO2021146207A1 (en) 2020-01-13 2021-07-22 Becton, Dickinson And Company Methods and compositions for quantitation of proteins and rna
JP7445966B2 (ja) * 2020-03-24 2024-03-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 糖鎖を解析する方法
US11932901B2 (en) 2020-07-13 2024-03-19 Becton, Dickinson And Company Target enrichment using nucleic acid probes for scRNAseq
US11739443B2 (en) 2020-11-20 2023-08-29 Becton, Dickinson And Company Profiling of highly expressed and lowly expressed proteins
US11543332B2 (en) * 2021-04-23 2023-01-03 Poppy Health, Inc. System and method for characterizing, monitoring, and detecting bioaerosol presence and movement in an indoor environment
CA3221554A1 (en) * 2021-06-07 2022-12-15 Weiyang SHI Product and method for analyzing omics information of sample
US11597980B2 (en) 2021-07-08 2023-03-07 Poppy Health, Inc. System and method for detecting pathogens in an environment via an electrostatic air sampler
WO2023245172A1 (en) * 2022-06-17 2023-12-21 Ancera Inc. Methods for quantifying live bacteria

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2353120A1 (en) * 2001-07-16 2003-01-16 Cardiogenics Inc. Caged compound cleaving process
CA2593855A1 (en) * 2005-01-31 2006-08-10 Pacific Biosciences Of California, Inc. Use of reversible extension terminator in nucleic acid sequencing
ATE520022T1 (de) * 2005-06-07 2011-08-15 Centre Nat Rech Scient Verwendung von konjugaten mit mittels photodissoziation oder fragmentation spaltbaren bindern für die massenspektrometrieanalyse von gewebeschnitten
JP5268444B2 (ja) * 2008-06-23 2013-08-21 株式会社日立ハイテクノロジーズ 単分子リアルタイムシーケンス装置,核酸分析装置及び単分子リアルタイムシーケンス方法
GB0811574D0 (en) * 2008-06-24 2008-07-30 Trillion Genomics Ltd Characterising planar samples by mass spectrometry
JP5457222B2 (ja) * 2009-02-25 2014-04-02 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー 小型化ハイスループット核酸分析
JP2013531987A (ja) * 2010-06-14 2013-08-15 キアゲン ゲーエムベーハー 固定生物学的試料から生体分子を抽出するためのターゲット細胞または組織を決定するための方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2017210667A1 (en) 2017-08-24
CA2940764A1 (en) 2015-09-03
WO2015128272A3 (en) 2015-10-15
CA2940764C (en) 2019-10-29
EP3126512B1 (en) 2019-04-17
AU2015222268B2 (en) 2017-06-29
EP3126512A2 (en) 2017-02-08
JP2017507656A (ja) 2017-03-23
AU2017210667B2 (en) 2018-11-08
WO2015128272A2 (en) 2015-09-03
US20160362730A1 (en) 2016-12-15
AU2015222268A1 (en) 2016-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6608381B2 (ja) 生物学的試料分析のための光選択的方法
JP6149063B2 (ja) ポリタグプローブ
JP7372927B6 (ja) 遺伝子およびタンパク質の発現を検出する生体分子プローブおよびその検出方法
KR20180040586A (ko) 절편화된 조직의 사용자-한정된 영역에서의 유전자 발현의 동시적인 정량화
KR20180039643A (ko) 절편화된 조직의 사용자-한정된 영역에서의 복수의 단백질의 동시적인 정량화
US9562259B2 (en) Method of analyzing chromosomal inversions
JP6290202B2 (ja) ヌクレオチド変異体を検出するためのヌクレアーゼ保護方法
DK3108006T3 (en) SINGLE-STRENGTHED OIGONUCLEOTIDE PRINCIPLES FOR CHROMOSOME OR RE-COPY COUNTING
AU2012228424A1 (en) A method of analyzing chromosomal translocations and a system therefore
JP2010508028A (ja) 癌および高度の過形成の自動検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161028

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6608381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250