JP6608221B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
この種の車両用灯具では、例えば図7(a)に示すように、面状に発光する光源と、その前方に配置された厚肉のインナーレンズとが設けられており、光源からの光を、立体的な形状のインナーレンズの前面や上面から出射させている。これにより、面状に発光する光源を立体的に見せることで、点灯時の見栄えを立体感のあるものとしている。
また、シボ加工品や乳白色レンズとした屈曲板状のインナーレンズを用いた場合には、見栄えの変化や高コスト化などは避けられるものの、発光質感がベタッと塗り潰されたようなもの(以下、「ベタ面発光」という)となってしまううえに、非点灯時の見栄えも白茶けた安っぽいものとなってしまう。
前方に向けて略放射状に光を出射させる光源と、
前記光源の前方に配置され、前板部と、当該前板部の一端部から後方へ延出する側板部とを有するとともに、複数の平面から構成されるプリズム状の複数のレンズカットが前記前板部及び前記側板部の各表面に設けられた第二レンズと、
前記光源よりも前側であって前記側板部に対向する位置に配置され、前記光源から出射された光の一部を前記第二レンズの前記前板部及び前記側板部に向けて反射させる反射面と、
前記光源と前記第二レンズ及び前記反射面との間に配置され、複数の平面から構成されるプリズム状の複数の他のレンズカットを有する第一レンズと、
を備え、
前記第一レンズ及び前記第二レンズの前記前板部は、それぞれ上下方向に略沿って配置されており、
前記光源から出射した光は、前記第一レンズを透過して当該第一レンズの前記他のレンズカット毎に粗密の光度分布をもって拡散され、
前記第一レンズを透過した拡散光は、直接に又は前記反射面で反射されて、前記第二レンズの前記前板部及び前記側板部へ向かい、前記第二レンズを透過して当該第二レンズの前記レンズカット毎に粗密の光度分布をもって拡散され、前記前板部及び前記側板部を発光させることを特徴とする。
前記光源よりも前側の側方に設けられ、当該光源から側方へ出射された光を前方に向けて反射させる他の反射面を備えることを特徴とする。
前記複数のレンズカットは、前記前板部の一端部に略沿って延在するシリンドリカル状にそれぞれ形成されていることを特徴とする。
さらに、第二レンズの前板部及び側板部を透過する光は、反射面で反射されてから当該前板部及び側板部に入射する一部のものと、この反射を経ずに入射する残りのものとで、光路差を有している。そのため、そもそも立体的に構成された第二レンズ(前板部及び側板部)が、より立体感(奥行き感)のある見栄えで発光することとなる。
加えて、第二レンズは前板部と側板部を有していればよいので、厚肉のレンズを使う場合に比べ、コストや重量が抑えられる。
したがって、従来に比べてコストと重量を抑えつつ、立体感のある見栄えであって視る方向によって変化せず、且つベタ面発光でない見栄えの発光を実現することができる。
これにより、第一レンズの前面は、複数の平面から構成されるプリズム状の複数の他のレンズカットによって当該レンズカット毎に粗密の光度分布をもって透過光を拡散させるので、当該第一レンズを前方から見た場合には、当該前面がキラキラと煌めくように発光する。そして、第一レンズを透過した光が、直接的または反射面を介して間接的に、第二レンズの前板部及び側板部に入射し、その表面の複数のレンズカットで拡散される結果、この第二レンズの前板部及び側板部には、第一レンズの発光質感が反映される。
したがって、第二レンズの前板部及び側板部を、より一層煌めきのある発光質感で発光させることができる。
図1は、車両用灯具1を備えるリアコンビネーションランプ110の車載状態での斜視図であり、図2は、図1のII−II線での断面図であり、図3は、後述の第二インナーレンズ5に設けられたレンズカット5aの形状を説明するための斜視図である。
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、その光照射方向を前方として車両用灯具1から見た方向(すなわち、車両100から見た方向とは前後左右を逆にした方向)を意味するものとする。
また、車両用灯具1は、左端部も含めた全長に亘り、その延在方向に沿って略一様な断面形状に形成されているため、以下では、長手方向Xに沿って延在する部分の形状について説明することとする。
また、後部31の内面のうち、上下の両内側面31b,31cは、例えばアルミ蒸着などが施された面であり、LED2から上下両側方へ出射された光を前方に向けて反射させる反射面となっている。
このうち、上部321は、後部31の上端部から前方へ短尺に延出しており、第二インナーレンズ5の上部後端部を支持している。
一方、下部322は、後部31の下端部からやや前上がりに傾斜しつつ前方へ長尺に延出する略平板状に形成されている。この下部322の上面は、例えばアルミ蒸着などが施された面であり、第一インナーレンズ4から下側に拡散されてきた光を、後述する第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52に向けて上側へ反射させる前部反射面322aとなっている。
なお、この第一インナーレンズ4は、複数のレンズカット4aを後面または前後両面に有していてもよいし、また、当該第一インナーレンズ4自体が設けられていなくともよい。
具体的に、第二インナーレンズ5は、上下方向に略沿った前板部51と、当該前板部51の上端部からやや後上がりに傾斜しつつ後方へ延出する上板部52と、ブラケット3の下部322に沿って前板部51の下端からやや後下がりに傾斜しつつ後方へ延出する下板部53とを有して構成されている。これらは、前板部51がLED2の前方に位置するとともに、上板部52がLED2よりも上側、下板部53がLED2よりも下側にそれぞれ位置しており、第一インナーレンズ4が設けられていない場合には、LED2から前方中央側への光が前板部51に直接入射し、前方やや上側への光が上板部52に直接入射するようになっている。またこの場合、LED2から前方やや下側への光は、下板部53の直ぐ上方を覆うように設けられたブラケット3の下部322(前部反射面322a)に直接入射する。
車両用灯具1では、図2に示すように、LED2から前方に向けて略放射状に出射された光が、直接に、またはブラケット3後部31の上下の両内側面31b,31cで反射されて、前方の第一インナーレンズ4に向かい、当該第一インナーレンズ4を前方へ透過する。
このとき、各レンズカット4aが複数の平面からなるプリズム状に形成されているため、第一インナーレンズ4を透過する光は、例えばシボ面などによる均質な拡散光と異なり、当該レンズカット4a毎に粗密の光度分布をもって拡散される。そのため、この第一インナーレンズ4を前方から見た場合には、その前面がキラキラと煌めくように発光する。
さらに、光源であるLED2からは略放射状に広がる光が出射されるため、例えば出射光が一様な平行光であるような面光源を用いる場合と異なり、第一インナーレンズ4に入射する光がそもそも均質なものではない。そのため、第一インナーレンズ4の各レンズカット4aでは、上述のような面光源を用いる場合に比べて、より大きな粗密の光度分布度合いで光が拡散される結果、当該第一インナーレンズ4の前面はより一層キラキラと煌めくように発光する。
なお、第一インナーレンズ4が設けられていない場合には、LED2からの光が、直接に、またはブラケット3後部31の両内側面31b,31cで反射されて間接的に、第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52や、ブラケット3の前部反射面322aに入射する。
これにより、第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52の各表面は、複数の平面から構成されるプリズム状の複数のレンズカット5aによって当該レンズカット5a毎に粗密の光度分布をもって透過光を拡散させるので、シボ加工や乳白色レンズによるようなベタ面発光でなく、キラキラと煌めくような発光質感で発光する。また、第二インナーレンズ5の表面が発光するので、視る方向によって見栄えが変化することもない。
さらに、第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52を透過する光は、ブラケット3の前部反射面322aで反射されてから当該前板部51及び上板部52に入射する一部のものと、この反射を経ずに入射する残りのものとで、光路差を有している。そのため、そもそも立体的に構成された第二インナーレンズ5(前板部51及び上板部52)が、より立体感(奥行き感)のある見栄えで発光することとなる。
加えて、第二インナーレンズ5は前板部51及び上板部52を有していればよいので、厚肉のレンズを使う場合に比べ、コストや重量が抑えられる。
したがって、従来に比べてコストと重量を抑えつつ、立体感のある見栄えであって視る方向によって変化せず、且つベタ面発光でない見栄えの発光を実現することができる。
これにより、第一インナーレンズ4の前面は、複数の平面から構成されるプリズム状の複数のレンズカット4aによって当該レンズカット4a毎に粗密の光度分布をもって透過光を拡散させるので、当該第一インナーレンズ4を前方から見た場合には、当該前面がキラキラと煌めくように発光する。そして、第一インナーレンズ4を透過した光が、直接的または前部反射面322aを介して間接的に、第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52に入射し、その表面の複数のレンズカット5aで拡散される結果、この第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52には、第一インナーレンズ4の発光質感が反映される。
したがって、第二インナーレンズ5の前板部51及び上板部52を、より一層煌めきのある発光質感で発光させることができる。
さらに、第一インナーレンズ4を異なるレンズカットのものに替えることによって、第二インナーレンズ5の発光質感を容易に変化させることができる。
例えば図5(a)に示すように、ブラケット3の後部31の下側の内側面31c上にLED2(基板21)を設け、このLED2から上方へ出射された光を、ブラケット3後部31の底面31aや上側の内側面31bで前方に向けて反射させるように構成されていてもよい。つまり、車両用灯具1の光源は、ブラケット3の内側面(反射面)などを含めたユニットとして、前方に向けて光を出射させるように構成されていてもよい。
或いは図5(b)に示すように、ブラケット3後部31の底面31a上のLED2を第一インナーレンズ4に近接させて設け、当該LED2からの光が、直接に(つまり、ブラケット3後部31の両内側面31b,31cで反射されることなく)第一インナーレンズ4に入射するように構成されていてもよい。
具体的に、この場合には、長手方向Xに沿って長尺な導光レンズ6をブラケット3の後部31内に設けるとともに、この導光レンズ6の長手方向Xの側端面にLED2を対向配置させる。また、導光レンズ6の後面には、LED2から出射されて側端面から入射した光を前方に向けて内部反射(全反射)させる複数のレンズカット6aを設ける。この複数のレンズカット6aは、LED2からの光を均質な平行光とはならないように内部反射させるものであることが好ましい。
このように構成すれば、LED2からの光が導光レンズ6によって長手方向Xに広げられるため、より長手方向Xに長尺な範囲を単一のLED2だけで発光させることができる。
例えば、本発明に係る車両用灯具は、車両のリアウィンドウ上部などに配置されるハイマウントストップランプなどとしても適用でき、この場合には、上記実施形態における車両用灯具1を上下反転させて、前方斜め下方に向けて発光するように構成されることが好ましい。
2 LED(光源)
3 ブラケット
31 後部
31a 底面
31b 内側面(他の反射面)
31c 内側面(他の反射面)
32 前部
322 下部
322a 前部反射面(反射面)
4 第一インナーレンズ(第一レンズ)
4a レンズカット
5 第二インナーレンズ(第二レンズ)
51 前板部
52 上板部(側板部)
5a レンズカット
110 リアコンビネーションランプ
120 アウターレンズ
X 長手方向
Claims (3)
- 前方に向けて略放射状に光を出射させる光源と、
前記光源の前方に配置され、前板部と、当該前板部の一端部から後方へ延出する側板部とを有するとともに、複数の平面から構成されるプリズム状の複数のレンズカットが前記前板部及び前記側板部の各表面に設けられた第二レンズと、
前記光源よりも前側であって前記側板部に対向する位置に配置され、前記光源から出射された光の一部を前記第二レンズの前記前板部及び前記側板部に向けて反射させる反射面と、
前記光源と前記第二レンズ及び前記反射面との間に配置され、複数の平面から構成されるプリズム状の複数の他のレンズカットを有する第一レンズと、
を備え、
前記第一レンズ及び前記第二レンズの前記前板部は、それぞれ上下方向に略沿って配置されており、
前記光源から出射した光は、前記第一レンズを透過して当該第一レンズの前記他のレンズカット毎に粗密の光度分布をもって拡散され、
前記第一レンズを透過した拡散光は、直接に又は前記反射面で反射されて、前記第二レンズの前記前板部及び前記側板部へ向かい、前記第二レンズを透過して当該第二レンズの前記レンズカット毎に粗密の光度分布をもって拡散され、前記前板部及び前記側板部を発光させることを特徴とする車両用灯具。 - 前記光源よりも前側の側方に設けられ、当該光源から側方へ出射された光を前方に向けて反射させる他の反射面を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
- 前記複数のレンズカットは、前記前板部の一端部に略沿って延在するシリンドリカル状にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
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Family Applications (1)
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