JP6605966B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明の好適な態様の1つは、(2)B成分が、FT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて1600cm−1〜1800cm−1の間にカルボキシル基由来の吸収ピークを有するポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする上記構成1に記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(3)A成分が、A1成分0〜90重量およびA2成分10〜100重量部からなることを特徴とする上記構成1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明のA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A1成分)0〜100重量部およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂(A2成分)0〜100重量部からなるポリカーボネート樹脂であり、A1成分が0〜90重量部、A2成分が10〜100重量部であることが好ましい。
本発明において使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
例えば、2価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
(1)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
粘度平均分子量が1×104未満のポリカーボネート系樹脂では、良好な機械的特性が得られない。一方、粘度平均分子量が5×104を超える芳香族ポリカーボネート樹脂から得られる樹脂組成物は、射出成形時の流動性に劣る点で汎用性に劣る。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
本発明のA2成分として使用されるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂は、下記一般式(1)で表される二価フェノールおよび下記一般式(3)で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンを共重合させることにより調製される共重合樹脂であることが好ましい。
このクロロホルメート化合物生成反応の方法は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方式が好適である。更に、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、およびハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよく、添加することが好ましい。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにピリジンの如き有機塩基、あるいはこれらの混合物などが用いられる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、二価フェノール(I)のクロロホルメート化合物の形成に使用する二価フェノール(I)1モルあたり(通常1モルは2当量に相当)、2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
クロロホルメート化合物の生成反応におけるpH範囲は、公知の界面反応条件が利用でき、pHは通常10以上に調製される。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂として回収することができる。
組成物中のPDMS量(重量%)={(PC−PDMS共重合樹脂中のPDMS量)/(組成物全体の重量)}×100
本発明のB成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂は、グリシジル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と反応する官能基を末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂であり、特にカルボキシル基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。該ポリアリーレンスルフィド樹脂は、他の高分子材料(特に反応性官能基を有するオレフィン系共重合体)や充填剤などと優れた相溶性を示すため、使用することにより耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得ることができる。なお、カルボキシル基の含有の有無は、FT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて1600cm−1〜1800cm−1の間にカルボキシル基由来の吸収ピークを有することにより確認できる。
B成分の含有量は、A成分100重量部に対し、10〜80重量部であり、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは20〜60重量部である。B成分が10重量部未満では難燃性および耐薬品性が低下し、80重量部を超えると耐衝撃性が低下する。
本発明でC成分として使用される衝撃改質剤はグリシジル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を含有している衝撃改質剤である。衝撃改質剤が上記の基を含有することにより、耐衝撃性がより向上する。衝撃改質剤としてはオレフィン系共重合体が好ましく使用され、具体的にはα−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体が好ましく使用され、中でもα−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとの共重合体が好適である。α−オレフィンとしては例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられるが、中でもエチレンが好適に用いられる。また、これらα−オレフィンは2種以上を用いることもできる。次にα、β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとしては例えば、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステルなどが挙げられる。また、これら共重合体にはさらに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのα、β−不飽和酸カルボン酸およびそのアルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン等を共重合しても良い。このようなオレフィン系共重合体の市販品としては、例えば住友化学(株)社製のボンドファーストE、ボンドファースト7M等が挙げられる。
C成分の含有量は、A成分100重量部に対し、1〜15重量部であり、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。C成分の含有量が1重量部未満では耐衝撃性および耐薬品性が低下し、15重量部を超えると難燃性が低下する。
本発明のD成分として使用される有機金属塩系難燃剤としては、従来ポリカーボネート樹脂を難燃化するのに使用されている各種の有機金属塩が使用可能であるが、特に有機スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩、芳香族系イミドのアルカリ(土類)金属塩、硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩、およびリン酸部分エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。(ここで、アルカリ(土類)金属塩の表記は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれも含む意味で使用する)これらは単独の使用だけでなく、2種以上を混合して使用することも可能である。なお、有機アルカリ(土類)金属塩を構成する金属は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属であり、より好適にはアルカリ金属である。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、特に好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。
かかる脂肪族スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩の好ましい例としては、アルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、かかるアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換したスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、およびパーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。
芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98540号公報に記載されており、例えば5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムなどを挙げることができる。
モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98546号公報に記載されており、例えばベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウムなどを挙げることができる。
芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98547号公報に記載されており、例えばα,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムなどを挙げることができる。
芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭52−54745号公報に記載されており、例えばジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムなどを挙げることができる。
芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩のメチレン型結合による縮合体としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
本発明における樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で、C成分以外のエラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーン・アクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコア−シェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばA成分〜D成分および任意に他の添加剤を、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーンなどによりかかる予備混合物の造粒を行い、その後ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、その後ペレタイザーによりペレット化する方法が挙げられる。
溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は射出成形して製造することができる。かかる射出成形においては、フィルムインサート加飾成形、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、および超高速射出成形など他の成形技術を使用することができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
(i)シャルピー衝撃強さ
下記の方法で作成したISO曲げ試験片を用いて、ISO 179に従い、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度の測定(試験条件23℃)を実施した。
UL94規格に準拠し、厚み2.0mmにて最大燃焼秒数およびUL94ランクを評価した。なお、試験片は、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 NEX50)によりシリンダー温度280℃、金型温度60℃で成形した。
下記の方法で得られたISO引張試験片を用いて、3点曲げ試験法にて、0.7%歪みをかけた後、マジックリン(花王(株)製)を含浸させた布をかけ、23℃で96時間放置した後に、外観変化の有無を確認した。なお、評価は下記の基準で実施した。
○:外観変化が見られないもの
△:微細なクラックの発生が見られるもの
×:破断にいたるような大きなクラックが見られるもの
上記耐薬品性試験の評価結果が○および△のものについては、歪量を1.0%に変更して、さらに耐薬品性試験を実施した。歪量0.7%において評価が○のものは優れた耐薬品性を有しており、さらに歪量1.0%において評価が○のものは非常に優れた耐薬品性を有している。
表1および表2に示す組成で、B成分のポリアリーレンスルフィド樹脂を除く成分からなる混合物を押出機の第1供給口から供給した。かかる混合物はV型ブレンダーで混合して得た。B成分のポリアリーレンスルフィド樹脂は、第2供給口からサイドフィーダーを用いて供給した。押出は径30mmφのベント式二軸押出機((株)日本製鋼所TEX30α−38.5BW−3V)を使用し、スクリュー回転数200rpm、吐出量25kg/h、ベントの真空度3kPaで溶融混練しペレットを得た。なお、押出温度については、第1供給口からダイス部分まで300℃で実施した。得られたペレットの一部は、90〜100℃で6時間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度60℃にて評価用の試験片(ISO引張試験片(ISO527−1及びISO527−2準拠)、ISO曲げ試験片(ISO179準拠))およびUL試験片を成形した。
<A1成分>
A1:粘度平均分子量22,400の直鎖状ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人(株)製;パンライトL−1225WP(商品名))
<A2成分>
A2:以下の製造方法で得られた粘度平均分子量19,800のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21591g、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3674gを入れ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3880g、およびハイドロサルファイト7.6gを溶解した後、塩化メチレン14565g(ジヒドロキシ化合物(I)1モルに対して14モル)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900gを60分要して吹き込んだ。次に、48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131g、p−tert−ブチルフェノール105gを塩化メチレン800gに溶解した溶液を加え、攪拌しながら下記式(5)で表されるポリジオルガノシロキサン化合物(式中の平均繰り返し数 p=約37)を430gを塩化メチレン1600gに溶解した溶液を、ジヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)が二価フェノール(I)の量1モルあたり0.0008モル/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3gを加えて温度26〜31℃において45分間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後、有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発させ、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂のパウダーを得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により120℃で12時間乾燥し、ポリカーボネートーポリジオルガノシロキサン共重合樹脂パウダーを得た。
B−1:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン5130g及び硫黄450gに、反応開始剤としてメルカプトベンゾチアゾール4gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を350Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度および圧力が各々300℃および1Torr以下となるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行した時(重合反応の進行程度は粘度による相対比率((現在粘度/目標粘度)×100%)の方法で確認した。)、重合停止剤としてメルカプトベンゾチアゾールを25g添加して反応を行った。1時間後、4−ヨード安息香酸51g添加して窒素雰囲気下で10分間反応を行い、0.5Torr以下に徐々に真空度を上げてさらに1時間反応を行った後反応を終了し、カルボキシル基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を製造した。得られたポリアリーレンスルフィド樹脂はFT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて1600cm−1〜1800cm−1の間にカルボキシル基由来のピークを示した。
[製造方法]
パラジヨードベンゼン300.00gおよび硫黄27.00gに、重合停止剤としてジフェニルジスルフィド0.60gを投入して180℃に加熱して完全にそれらを溶融および混合した後、温度を220℃に昇温し、圧力を200Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度および圧力が夫々320℃および1Torrとなるように温度および圧力を段階的に変化させつつ、8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した。得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、グリシジル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と反応する官能基を末端に有さないポリアリーレンスルフィド樹脂である。
C−1:グリシジル基含有衝撃改質剤(住友化学株式会社製 ボンドファースト7M(商品名))
C−2:グリシジル基含有衝撃改質剤(住友化学株式会社製 ボンドファースト2B(商品名))
C−3:エポキシ基含有衝撃改質剤(三菱レイヨン株式会社 メタブレン S−2200(商品名))
C−4:グリシジル基およびエポキシ基を含有しない衝撃改質剤(株式会社カネカ製 KANE ACE M−701(商品名))
D−1:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ(株)製メガファックF−114P(商品名))
D−2:ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(Arichem社製 KSS(商品名))
Claims (4)
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A1成分)0〜100重量部およびポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂(A2成分)0〜100重量部からなるポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、(B)グリシジル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と反応する官能基を末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂(B成分)10〜80重量部、(C)グリシジル基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する衝撃改質剤(C成分)1〜15重量部および(D)パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩または芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩(D成分)0.005〜1重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- B成分が、FT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて1600cm−1〜1800cm−1の間にカルボキシル基由来の吸収ピークを有するポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- A成分が、A1成分0〜90重量部およびA2成分10〜100重量部からなることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。
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