JP6605498B2 - 混合金属酸化物の多孔質薄層をもつ電子素子 - Google Patents

混合金属酸化物の多孔質薄層をもつ電子素子 Download PDF

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Description

本発明は、増加した光アウトカップリングをもつOLED(有機発光素子)、光アウトカップリングのための改善された製造方法とその使用に関する。
技術水準
OLEDは、近年急速な開発を受けている。それらは、現在用いられている液晶表示装置(LCD)に、ますます置き代わりつつある。LCDと比べて、OLEDは、多くの利点を有する:それらは、まず、単純な構造により、そして、より低いエネルギー消費により特徴付けられる。さらに、それらは、減少した視覚依存性を有する。
現在入手可能なOLEDは、その過度に短い寿命という欠点を有するが、特に、たとえば、LCDのバックライトと一般的照明等の長寿命用途に必要である。
しかしながら、一方で、より高い安定性を有する新規な発光材料の開発を通じて、他方で、OLEDのカプセル化の改善を通じても、集中的な研究が、この問題に関して現在なされている。両者は、OLEDの寿命の増加をもたらす。
寿命を増加するさらなるアプローチは、OLEDの効率を増加すること、たとえば、OLEDの光アウトカップリングを増加することによる、OLEDの効率を増加することに存する。こうして、一定の光出力に対するOLEDのパワー消費を減少すること(そして、そうしてエネルギーを節約すること)または同じ電力に対する光アウトカップリングを増加することができる。
OLEDが標準的基板放出アーキテクチャーで構成されるときはいつでも、アウトカップリング効率は、約20%である。光子の残る80%は、有機および基板モードに等量で補足される。したがって、EQE(外部量子効率)とパワー効率の実質的な増加に対する最大の可能性は、光アウトカップリングを増加することである。[Reineke, S.; Lindner, F.; Schwartz, G.; Seidler, N.; Walzer, K.; Lussem, B.; Leo, K.; Nature 2009 (459), 234-238]。発光層中で生成された光の約40%が、内部層システム中で既に失なわれること、すなわち、生成された光の60%だけが、内部層システムにとにかく残ることができる(いわゆる「内部アウトカップリング」)ことが、一般的に知られている。同様に、生成された光の約40%が、全反射により基板/空気界面で失われ、生成された光の約20%から最大30%だけが、OLEDをとにかく出ることを意味する(いわゆる「外部アウトカップリング」)。本発明は、内部層システムで生成された光の損失を減少するように変更されたOLED構造と内部アウトカップリングを改善することに関する。
図1は、通常のOLEDの内部および外部アウトカップリングを図式的に示す。
アウトカップリング効率を増加する種々のアプローチが存在し、Nowy et al. [Nowy, S.; Frischeisen, J.; Brutting, W.; Organic Light Emitting Materials and Devices XIII, ed. By Franky So, Proc. of SPIE Vol 7415, 7415C1-8]は、一緒になった種々の層の層厚、材料特性のみならず、発光層の双極配向が、OLEDからの発光総量に顕著な影響を有することを示した。
外部光アウトカップリングを改善する種々のアプローチが、WO2007/076913 A1に言及されている。この出願は、この目的のために、基板上および/または透明第2電極上に配置された少なくとも一つの層から少なくとも部分的にはみ出す、透明な、好ましくは、球形の粒子を含む透明層を開示している。
しかしながら、外部アウトカップリングと同様に重要なことは、OLEDが構成される種々の内部層の内部アウトカップリングである。生成光の内部アウトカップリングは、生成光のどの程度がOLEDに残るかの主要因子の一つである。層の性質と厚さに応じて、生成光は、層媒体中に移送され、界面で反射するか、これを通過する。したがって、OLEDの異なる層材料と厚さにより、内部光アウトカップリングは、効率の面で非常に重要である。したがって、多くの科学的研究が、如何にして、内部アウトカップリングを最適化することができという問題を処理しており、幾つかの解決が提案された。
上記に示されたとおりに、Nowy et al. [Nowy, S.; Frischeisen, J.; Brutting, W.; “Simulation based optimization of light-outcoupling in organic light-emitting diodes”, In: Organic Light Emitting Materials and Devices XIII, ed. By Franky So, Proc. of SPIE Vol. 7415, 7415C1-8 (2009)]は、層厚の影響と、その素子最適化に関して研究がなされた。それらは、最高の素子特性のための最適な層厚は、エミッター材料の量子効率に依存し、OLEDの全体構成を考慮しなければならないことを見出した。
Lee et al. [Lee, Y.; Se-Heon Kim, S.; Guk-Hyun Kim, G.; Lee, Y,; OPTICS EXPRESS (2005), Vol. 13, No. 15, 5864 - 5870]は、ガラス層とITO層との間に堆積されたSi薄層の性質を分析したが、それは、ナノパターンであった。他の研究者と開発者は、OLEDの異なる層をそれらの内部アウトカップリング挙動に対して分析した。それらの研究は、主に以下の特性に優先的に焦点を与えている。
1.ITO電極の形状(パタ−ン化されたITO)
2.Novaleにより提案された底部および頂部発光OLED両者における蒸発加工有機散乱層。
3.Koo et al. (Nature Photonics, Vol. 4, 2010 , 222- 226)により開示されたとおりの、バックルを形成し得る素子を構成する異なる層の形状。
4.この層とガラス基板との間に位置するITO層の下の散乱層[Chang et al.; Journal of Appl. Phys. 113, 204502(2013)]
すべてこれらの研究は、内部光アウトカップリングが、各光ガイド層の性質とある層から他の層への遷移により著しく影響されることで共通している。上記記載されたとおり、異なるアプローチによりこれらの性質を最適化することが試みられ、その結果、より高い輝度効率を得ることができる。しかし、全ての提案された解決策は、特定の組成物から成るか、既に製造された構造を損傷しないことを保証せねばならない多少とも複雑で高価なプロセスを適用しなければならない層堆積をこれまでは含んでいる。
電子素子製造のための多くのプロセスにおいては、混合金属酸化物の形態の透明薄膜が製造される。この文脈においては、溶液から加工することができ、印刷可能である混合金属酸化物に、高い関心がある。他方で、外部表面に適用される場合には、これらの膜の構造安定性と透明性が望ましい性質である。この文脈においては、種々の科学的製品の中で、透明金属酸化物薄膜が、滑らかで、濃密な表面をもつと説明されてきた。
混合金属酸化物から作られる透明薄膜に関する種々の科学的製品は、その構造に応じて、また、可能ならば、その形態学的構造に応じてのみならず、その物理的光学的性質に応じて、多様な用途を示す。したがって、混合金属酸化物のための前駆体の合成と製造が、近年集中的に研究されてきた。というのは、このような層は、ガラスまたは他の光学ガラスのみならず、ダイオード(LED(OLEDD))およびトランジスタ等の電子素子における等の古典的な光学用途のために使用されるからである。
種々の電子素子において、可視域における最適な光アウトカップリングが、光素子の入射光の場合にも、発射光の場合にも重要な役割を果たす。これらの素子は、太陽電池(有機および無機)、有機およびポリマー発光ダイオード(OLEDおよびPLED)、有機増幅器、有機検査器、光学センサー、レーザーダイオード、電場消光素子、表示素子および表示装置等である。通常、これらの素子は、光が可能な最低の強度損失を伴い通過せねばならない酸化物薄層等の異なる材料の層化された構造を示す。
光学特性に加えて、いくつかの適用された金属酸化物は、電気伝導性または半伝導性を示し、その結果、電子素子において、伝導体もしくは半伝導体として、同時に機能することができる
過去においては、ITO、ZnO、IZO、ITZOまたはIGZO層の酸化物層は、スパッタリングまたは化学しくは物理気相堆積(CVD−化学気相堆積、PVD−物理気相堆積)等の技術により、典型的には製造される。これらの方法は、光学的および物理的性質の点で所望の特性が、十分に調整することができるように、十分に制御される。しかしながら、これらの手順は、複雑な装置を必要とし、大気条件で実施することができない。
さらに、この金属酸化物は、また、酸もしくは塩基触媒ゾルゲルプロセスにより得ることができる。しかしながら、これらの方法は、使用されるゾルが、」品質を維持し貯蔵中に徐々に一定変化する間に、通常極度に短い寿命をするだけであり、大規模な工業的製造は、制御することが困難である。
全てこれらの方法は、得られた層の組成物のより大きな変更が可能ではないことで共通している。しかしながら、層の材料組成と構造が、光学的性能を決定する。
本発明の目的
上記記載したとおり、内部および外部光アウトカップリングを減じる素子内の界面での吸収または反射に基づいて、生成光の20%だけが、OLED(有機発光ダイオード)において多層スタックを出ることができることが、科学的研究により見出された。増加した外部光アウトカップリングのために、マイクロレンズもしくは散乱器のアレーが、カバーガラスの頂上にもたらされている。しかし、発光層から製造された光の多大な損失が、OLEDの内部層と界面で既に生じている。したがって、OLED素子からの発光量を改善することおよび特別には同時にそのようなOLED素子の内部表面特性からの内部光アウトカップリングを改善することが本発明の目的である。
さらに、OLEDでこの剤の含有のための高価でない手段と簡単に実現可能なプロセスを提供し、その結果、内部光アウトカップリングをOLEDのスタック層で予め改善することが本発明の目的でもある。本発明のさらなる目的は、敏感な発光層に悪影響を及ぼすことなく実現可能であるような処理方法を提供することである。
本発明の要約
本発明は、追加的中間層として挿入される、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な金属酸化物層を含む、改善された内部光アウトカップリングをもつ、新規な素子を提供することである。新規な素子は、イリジウム、亜鉛、錫、アルミニウム、ガリウム、カドミニウム、チタンおよびニオブの群から選ばれる少なくとも2種の金属の混合酸化物を含むが、ただし、混合酸化物はイリジウム酸化物を含む少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を示す。測定可能な改善された内部光アウトカップリングは、イリジウム亜鉛酸化物を含む少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を含む素子に示されることができる。改善された光アウトカップリングのために、追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層は、10〜200nmの範囲、好ましくは、20〜50nmの範囲の厚さを有する、好ましくは、20〜40nmの範囲の厚さを有するように挿入される。
本発明は、改善された光アウトカップリングのための、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を示すOLED素子に、特別に向けられる。
さらに、本発明は、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な中間層が、以下の工程により層化された構造中に挿入されることを特徴とする、改善された内部光アウトカップリングをもつような素子の製造方法に向けられる:
a)各中間層に適用される、少なくとも2種の金属酸化物前駆体と、随意に適切なポロゲンまたは膨張剤を含む前駆体組成物を適用すること、
b)適用された層を乾燥すること、および
c)乾燥された層を、急速加熱によって、対応する薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層に変換すること。
特別な1態様では、本発明によるプロセスは、多孔質中間層が、単一の前駆体組成物層の適用と変換により挿入されることで実施される。しかしながら、特に良好な結果は、多孔質中間層が、前駆体組成物層の適用と変換により繰り返し挿入される場合に、得られる。本発明のプロセスは、中間層が、1〜20重量%の範囲の、好ましくは、9〜15重量%の範囲の濃度の金属酸化物前駆体を有する溶液を適用することにより製造されること、および前駆体組成物の混合酸化物への変換は、>150℃〜500℃の温度まで、好ましくは、300℃〜450℃の温度までの急速加熱により実施されることによって、実施される。変換温度まで急速加熱することと、温度を保持することは、少なくとも30秒から4分間実施される。
発明の詳細な説明
それとして、OLEDの層スタックにおける構造化されたITO層上の余分な層は、さらなる清浄工程に適合し、素子性能に損失をもたらさないという条件で、受容可能であり得る。
太陽電池技術から知られるとおり、ある種の金属酸化物または混合酸化物またはドープ金属酸化物は、基板に薄層で適用される場合には、IR領域における高い反射率と組み合わせて可視光(380〜780nmの波長範囲で)に対する高い透過率を示す。
これは、特に、透明アルミニウムドープ錫酸化物層(AZO)もしくはイリジウム錫酸化物層(ITO)にあてはまる。ここで、高い透過率は、高温での熱処理(焼結)により得られる層の形態学的構造に関連する。
太陽電池技術において、有機支持マトリックス中に対応する機能性金属酸化物粒子を組み込むことにより、フレキシブル太陽電池での光透過率を改善することが可能であるが、そのような粒子は、輝度効率に関するその影響の観点で、発光有機層で攪乱する可能性がある。
しかしながら、内部光アウトカップリングを改善するための透明金属酸化物薄膜の適合性を調査するために、公知の前駆体が、適切なキャリア上に異なる条件下で異なる複合材料処方で堆積された。次いで、得られた酸化物薄膜の品質が研究され、光伝導、光アウトカップリングおよび光透過性の挙動について評価された。これらの研究の結果、特定の混合金属酸化物層が、改善された内部光アウトカップリングのために必要とされる要請を満たし得ることが見出された。
対応する前駆体の可能性を調査するために、それらは、異なる溶媒中に溶解され、スピンコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷もしくはフレキソ印刷によって、処理されるべき表面への均質薄膜として適用され得る調合物に異なる方法で加工された。乾燥後、これらの膜は、>230℃の高温で、好ましくは、300℃〜450℃範囲で、短時間アニールプロセスで処理され、そこで、前駆体は対応する金属酸化物または混合金属酸化物に変換される。
しかしながら、変換は、UVおよび/またはIR放射による電磁放射への曝露により果たされてもよい。UV放射は、<400nmの波長で、好ましくは、150〜380nmの範囲で実施される。IR放射は、>800nmの波長で、好ましくは、>800〜3000nmで実施され得る。また、この放射によって、有機金属前駆体は、分解し、揮発性有機化合物と任意に水を生じ、その結果、金属酸化物もしくは混合金属酸化物層が、基板上に残る。
驚くべきことに、これらの実験は、ある種の金属酸化物または混合酸化物またはドープ金属酸化物は、OLED構造において、特別な層間の薄層に適用されると、相異なる層間の光透過率を改善することができることを示した。このような金属酸化物層が、ガラス基板と透明ITO電極との間に堆積される場合には、僅かに改善された光アウトカップリングを、可視光の波長範囲で達成することができる。この効果は、適用された透明金属酸化物薄層が均一で均質で高い多孔構造を有する場合に、特別に、生じる。このような透明多孔層は、それらが、ITO電極とHT層(HTL=正孔輸送層)との間に挿入される場合に、この文脈で特に有効であることが判明した。どの層の間に、このような透明多孔金属酸化物層が挿入されるかに応じて、光アウトカップリングの改善を実現することができる。ガラス基板と透明ITO電極との間のこのような多孔層の挿入は、数パーセントの光アウトカップリング効率の上昇をもたらすだけであるが、ITO電極とHT層との間の挿入は、20%超の範囲であり得る。この改善は、追加的に挿入された多孔層、正孔輸送層とITO層の層厚が、適正な比に互いに調整される場合に、実現可能である。設定されるべき追加的層の別のパラメータは、光屈折率であり、挿入された追加的多孔質混合酸化物層と隣接層の影響が、可能な限り小に保たれるような範囲に設定されねばならない。ITOの屈折率(n20/D)は、約1.5290−1.5460であることから、この層の屈折率は、非常に類似し、好ましくは、約1.35〜約1.8の範囲でなければならない。しかし、所望の値は、また、膜が挿入される場所と、どのくらいの厚さであるに依存する。これは、挿入された追加的多孔質混合酸化物層の屈折率が、隣接層に極めて類似しなければならず、屈折率値間に極めて小さなステップが存在しなければならことを意味する。
本発明にしたがうと、段階的屈折率を持つ複合素子が得られ、異なる層間の改善された光アウトカップリングの故に、改善された効率を示すような適切な位置で、マッチされた屈折率をもつ追加的多孔質酸化物薄膜を挿入することが、最も効率的であるようである。
薄層の屈折率は、種々の方法で、たとえば、偏光解析法(R. M. A. Azzam, N. M. Bashara, "Ellipsometry and Polarised Light", North Holland Physics, 1987)により、プリズムカップラーにより、もしくは表面プラズモン共鳴分光法により、測定することができる。
最適な光アウトカップリングのための挿入された透明多孔質層の厚さは、今度はまた、OLEDのその他の層の厚さに依存する。これは、光アウトカップリングの効率が、電子輸送層、発光層、正孔輸送層とITO層の厚さにより構築される合計の厚さにより、著しく影響される。
挿入された透明多孔質金属酸化物層の化学的性質に応じて、厚さは、70から200nmの範囲までであり得るが、たとえば、15から50nmの範囲で実質的により薄くてよい。必要とされる厚さは、OLEDの全体構成に依存し、光アウトカップリングの最大値を実現することができる。たとえば、多孔質イリジウム亜鉛酸化物層(IZO層)が、正孔輸送層とITO電極との間に挿入される場合は、挿入されるIZO層の最適厚さは、約88nmであり、正孔輸送層(liviluxs(登録商標)製HTM−081)の最適厚さは、約123nmである。これは、透明多孔質金属酸化物層が、OLED構造の光アウトカップリング挙動の効率を改善するために挿入される場合には、その他の層は、より薄く作製されねばならない。したがって、OLEDの全体構造は、前もってシミュレートしなければならない。
本発明のOLEDの構造
したがって、本発明は、少なくとも以下を有するOLEDに関し、
−一つの基板、好ましくは、ガラスもしくはフレキシブルポリマーの基板、
−第1の電極、
−少なくとも1つの有機発光層、および
−第2の電極、
ここで、少なくとも以下の何れかであり、
−基板と第1の電極、
−第2の電極または
−基板と第1の電極と第2の電極は透明である、
少なくとも一つの透明層、好ましくは、多孔質透明酸化物層は、透明基板および/または透明第2電極上に、好ましくは、透明基板と透明電極との間、および/または有機発光層と少なくとも一つの電極との間に配置されるが、ただし、電極の機能は、追加的透明多孔質酸化物層によっては影響されないことを特徴とする。
これは、第1の好ましい態様(「底部発光」OLED)では、OLEDは以下の構造を有することを意味する:
−透明基板、好ましくは、ガラスもしくはフレキシブルポリマーの基板、
−透明な第1の電極、
−少なくとも1つの有機発光層、および
−第2の電極、
であり、少なくとも一つの透明多孔質酸化物層は、透明基板と透明第1電極との間に配置されることを特徴とする。
第2の好ましい態様(「頂部発光」OLED)では、OLEDは以下の構造を有し:
−基板、好ましくは、ガラスもしくはフレキシブルポリマーの基板、
−第1の電極、
−少なくとも1つの有機発光層、および
−透明な第2の電極、
少なくとも一つの透明多孔質酸化物層は、透明第2電極と有機発光層との間に配置されることを特徴とする。この態様における基板は、透明、半透明もしくは不透明であり得る。
さらなる態様(「透明」OLED)では、OLEDは以下の構造を有し:
−透明基板、好ましくは、ガラスもしくはフレキシブルポリマーの基板、
−透明な第1の電極、
−少なくとも1つの有機発光層、および
−透明な第2の電極、
少なくとも一つの透明多孔質酸化物層は、透明基板上、および/または有機発光層と少なくとも一つの透明電極の間に配置されることを特徴とする。この態様において、少なくとも一つの透明多孔質酸化物層は、特に好ましくは、異なる層間の内部光アウトカップリングが改善されるように、両透明基板上におよび少なくとも一つの透明電極上に配置される。
上記言及した態様では、第1の電極がアノードとして設計され、第2の電極がカソードとして設計されるか、または逆の何れかであり、ここで、第1に言及した選択肢が好ましい態様である。
本発明による追加的に挿入された多孔質透明酸化物層は、2つの要請を本質的に満たさなくてはならない。それは、多孔質構造を有さねばならないし、必要とされる透明性を有さねばならない。好ましくは、これらの層は、商業的に入手可能で高価でない出発物質から簡単な方法で、たとえば、低粘性ではあるが、表面への適用型に応じてより高い粘度を有してもよい溶液の形態で適用することができるガラスもしくはガラス様層のための前駆体から調製されねばならない。好ましくは、前駆体溶液は、液体の範囲の粘度を有し適用され、これは、0.8〜20mPasの範囲を意味する。
上記言及した多孔質透明酸化物層は、最適な適用タイプ、たとえば、採用された組成物のスピンコーティング、スクリーン印刷もしくはフレキソ印刷により調製することができ、引き続き、所望の多孔質酸化物層に変換される。
追加的に挿入された多孔質透明酸化物層は、全表面を覆うか、また構造化されるかの何れかである。これは、OLEDの特別な構造に依存する。
さらに、少なくとも一つの多孔質透明酸化物層のための材料は、着色されてもよい。少なくとも一つの多孔質透明酸化物層を着色するための材料の提供は、当業者に知られ、異なる金属酸化物の適切な前駆体混合物成分により実現されてよい。こうして、着色されたアウトカップリング層を得ることができる。
本発明の目的のために、「透明」という表現は、材料が、少なくとも可視光の部分的領域で、好ましくは、全領域で、>60〜100%の光透過率を有することを意味する。好ましくは、材料が、少なくとも可視光の部分的領域で、>90〜100%の光透過率を有することを意味する。より好ましくは、材料は、全領域にわたり、>90〜100%の光透過率を有することを意味する。
驚くべきことに、OLED層構造中に適切な位置で挿入され、光アウトカップリングと透過率をある層から次の層への移送を改善するために適する少なくとも一つの多孔質透明酸化物層の本発明による配置により、OLEDの内部アウトカップリングを顕著に増加することができることが見出された。
用いることができる基板は、この目的のために適する全ての材料である。しかしながら、好ましい基板材料は、ガラスとプラスチックであり、ここで、ガラスが、特に好ましい。用いられるガラスは、たとえば、典型的な窓ガラス等の可能なあらゆるタイプのガラスである。しかしながら、好ましいのは、表示装置産業で使用されるような板ガラス(ソーダ石灰ガラスもしくはアルカリフリーガラス)の使用である。用いることができるプラスチックは、全ての熱可塑性プラスチックであるが、好ましくは、たとえば、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルカーボネート(PVK)、ポリブタジエン、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエステル等のポリマーである。「頂上発光」OLEDに対しては、たとえば、金属箔等の金属基板を用いることもできる。ここで、基板の厚さは制限されないが、好ましくは、0.05〜3mmの範囲、特に好ましくは、0.2〜1.1mmの範囲である。
本発明の目的のために、透明カソードもしくはアノードは、入射もしくは発光領域で、好ましくは、400〜800nmの範囲で透明であるカソードもしくはアノードである。いくつかの素子構造(発光電子化学電池)においては、単極電極が使用されてもよい。
電極は、一般的には、それらの電位が隣接する有機層の電位にマッチするように、同じく、可能な最も効率的な電子もしくは正孔注入を保証するために選ばれる。
不透明もしくは半透明カソードのために用いられる材料は、好ましくは、Al、Ag、AuもしくはCr等の金属材料である。ある特別に好ましい態様では、Ba、Li、LiF、CaもしくはMgの薄層と金属層とを含む2層構造(2層)が、気相堆積される。カソードとして好ましいのは、低い仕事関数を有する金属、種々の金属をもつ金属合金もしくは多層構造、たとえば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属あるいはランタノイド(たとえば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)を含む。多層構造の場合、たとえば、Agのような比較的高い仕事関数を有するさらなる金属を追加的にて使用することもでき、その場合には、たとえば、Ca/AgもしくはBa/Agのような金属の組み合わせが一般的に使用される。透明もしくは半透明カソードのために、たとえば、「頂上発光」OLEDもしくは半透明OLEDのために用いられる材料は、好ましくは、たとえば、ITO等の透明もしくは半透明カソード材料である。
カソードまたはカソードの組合わせは、通常、10〜10,000nmの間、好ましくは、20〜1000nmの間の厚さを有する。同様のものが、太陽電池、平板パネル構造、接触感受性スクリーンもしくは同様の素子等の光抽出を持つ電子素子における他の電極に適用される。
高い誘電定数を有する材料の薄い中間層を、金属カソードと有機半導体(または、任意に存在する他の機能層)との間に挿入することが、好ましい可能性もある。この目的のために適切なものは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属フッ化物だけでなく対応する酸化物である(たとえば、LiF、LiO、BaF、MgO、NaF等)。この誘電体層の層厚は、好ましくは、0.1〜10nmである。
好ましくは、透明アノードのために用いられる材料は、伝導性混合金属酸化物、好ましくは、インジウム錫酸化物(ITO)または、たとえば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)もしくはアルミニウム亜鉛酸化物(AlZO)等の他の金属酸化物であるが、また、前記酸化物のドープされたもの(たとえば、フッ素ドープITO)である。また、この目的のために適切なものは、たとえば、Ag、PtもしくはAuのような高いレドックス電位を有する金属である。金属/金属酸化物電極(たとえば、Al/Ni/NiO、Al/PtO)も適用されてよい。アノードは、伝導性の、ドープされた有機材料(たとえば、伝導性の、ドープされたポリマー)から成ってよい。
さらに、アノードとしての、半透明の金属薄層、または「頂上発光」素子の場合の、不透明アノードも考えられる。しかし、非常に特別に好ましいのは、インジウム-錫酸化物アノードであり、これは、通常少なくとも1.5〜2.0の範囲の屈折率nITOを有する。
OLEDにおける発光層は、有機半導体層を埋め込まれた層構造中にあり、好ましくは、有機分子から成り、その構造に基づいて、一重項および/または三重項発光電子遷移を促進する。これらの層は、発光材料として、いわゆる「小分子」かまたはポリマー、好ましくは、共役ポリマーを有し得る。したがって、ここで用いることができる半導体材料は、この目的のために当業者に知られ、適切である全ての材料である。文献から、極めて多数の半導体特性を持つ共役芳香族分子構造と共役芳香族金属錯体が知られ、発光エミッターとしてのそれらの適合性が研究されてきた[Lo, S.-C.; Burn, P. L.; Chem. Rev. 107, 1097 (2007); Williams, J. A. G.; Develary, S.; Rochester, D. L.; Murphy, L.; Coordin. Chem. Rev. 252, 2596 (2008)]。
本発明の文脈での有機材料は、純粋な有機化合物だけでなく、有機金属化合物と有機リガンドをもつ金属配位化合物である。上記示されたとおりに、このオリゴマー状、樹状もしくはポリマー状材料は、共役、部分共役もしくは非共役であってさえよい。PLEDもしくはO−SCで使用することができるような共役ポリマーの典型的な例は、たとえば、ポリ-パラ-フェニレンビニレン(PPV)系であり、最も広い意味で、ポリ-p-フェニレン(PPP)、ポリフルオレン、ポリ(スピロ)、ポリ(インデノフルオレン)、ポリフェナントレン、ポリチオフェン等とこれら構造の誘導体である。
このような有機半導体を製造するための材料の選択は、発光素子の意図する用途次第である。これは、相異なる色で発光する相異なる発光物質が、一つの層または異なる層で組み合わせることができることを含む。このように、複数の発光材料の使用に関して、後者が一以上の有機発光層(いわゆる「多層」)に配置させることもできる。この文脈において、参照が、WO 2005/109539 A1になされ、ここでは、異なる材料が異なる目的に対して開示されている。
用途に応じて、また、複数の層が使用される場合には、これらの有機半導体材料層の厚さは、好ましくは、10〜300nmの範囲、特に好ましくは、20〜150nmの範囲、非常に特に好ましくは、30〜100nmの範囲、特に、40〜80nmの範囲である。
さらに、本発明による光アウトカップリング層を持つOLEDまたは太陽光発電電池等の他の素子は、用途に応じて変動し得るさらなる機能層を有してよい。したがって、たとえば、正孔伝導、電子伝導、注入および/またはバリヤ層が考えられる。これらは、好ましくは、存在してよいが、絶対的に必要ではない。このような層が素子の部分であるならば、当業者はこの目的のために知られる適切な材料を選び得る。
多孔層の調製
透明電導性金属酸化物を含む薄層またはスタック層の製造のための多くの異なるプロセスが存在し、たとえば、化学気相堆積、スプレー熱分解、スパッタリングおよびゾル-ゲル法である。
しかしながら、本発明による多孔質金属酸化物の形成中に、下部機能層の望ましくない変化を避けなければならない。ここに開示されたプロセスは、費用対効果が良い適切な方法であるらしく、機能的被覆の特性に影響する種々の方法があることから、スピンコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷もしくはインクジェット印刷により適用することができる前駆体組成物を提供することを可能とする。
次いで、被覆後、溶媒は湿潤膜から蒸発させる。温度がさらに増加すると、変換が、対応する酸化物もしくは混合酸化物に生じ、揮発性分解生成物が除去される。有利に使用される調合物は、分解が高温度で実施される場合に、二酸化炭素、水および他の揮発性化合物を除去せねばならない効果をもつ有機金属化合物から調製されてよい。別の利点は、変換が、極端な短時間の加熱で実施され、その結果、この工程がその他の下部層に多大な影響を有さないことである。この加熱は、ホットプレート上でまたはたとえば、IR帯炉で実施されてよい。必要とされる温度は、少なくとも230℃の範囲であり、数秒間から数分間まで保持されねばならない。一般的に、300℃から450℃までの温度範囲が、完全な変換のために少なくとも30秒から4分間までに対して必要とされる。一般的には、必要温度に、1分未満保持すれば十分である。
如何にして適切な透明層を構築しなければならないか、また、どの金属酸化物が記載した目的のために適切であるかを見出すために、特に、全体構造における有害な作用を回避するために、一連の実験がなされた。まず、中間層の電導度と屈折率の影響が、OLED構造の光アウトカップリング効率の観点で調査される。
これらの実験は、特定の混合金属酸化物層の薄い中間層が、OLEDにおける光アウトカップリングを改善するために適切であることを実際に示した。
金属亜鉛、ガリウム、カドミニウム、インジウムおよび錫の酸化物と混合酸化物が、透明伝導性半電導性材料として知られている。これに加えて、太陽光発電用途においては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物(アルミニウムドープ亜鉛酸化物)のみならずチタン-ニオブ酸化物が、透明薄層中で知られている。たとえば、太陽電池において、アルミニウムドープ亜鉛酸化物の薄層が理想的に適していることが見出された。これらの層は、湿式化学法により適用することができ、アルミニウムによるドープ度は、任意に設定することができる。ドープ度に応じて、電導性とアウトカップリングが影響され、電池効率が影響される。これが、これらの混合金属酸化物が、OLED構造において、中間層としてその用途のために調査された理由である。
実施された実験は、上記言及したこれら全ての混合酸化物が、上記検討された課題を解決するために使用し得るが、インジウム錫酸化物薄層(ITO)が、調査されたOLED構造において、中間層として理想的に適していることを示した。特に、特定の多孔質インジウム錫酸化物層が適していることが見出された。
これらの実験は、適用された中間層の屈折率が、隣接する層、たとえば、ITOとHTM層のそれの平均に殆ど対応しなければならないことを証明した。インジウム亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物(アルミニウムドープ亜鉛酸化物)またはチタン-ニオブ酸化物の薄層が、前駆体組成物から印刷技術により調製される場合に、また、前駆体が適正な比で混合される場合に、有利にもこれらを実現することができる。層における種々の酸化物の必要とされる比は、計算することができ、層の多孔度と層中に混合される純粋酸化物の屈折率に依存する。このように、均質で非多孔混合酸化物層においては、純粋酸化物の屈折率と2元混合酸化物のモル比との間に線形関係が存在する。本発明による層においては、多孔度Pは、好ましくは、60%〜90%の間の範囲であり、ここで、多孔度は、空隙(孔)により取り込まれる体積の割合の意味で使用される。この用途に関連する多孔度は、多孔層の屈折率(n)と非多孔層の屈折率(n)の比から決定することができる。良好な近似として、多孔度P(%)に、以下が適用され:
P=100・[(n−n)/(n−1)]、
簡単な考慮により生じる。各薄層の屈折率は、上記記載されたとおり、偏光解析法により、プリズムカップラーもしくは表面プラズモン共鳴分光法により、順に測定することができる。
層の平均孔サイズは、好ましくは、5〜500nmの大きさのオーダー、特に好ましくは、10〜200nmの大きさのオーダー、非常に特に好ましくは、10〜100nmの大きさのオーダーであり、孔サイズは、酸化物層の層厚より小でなければならず、好ましくは、酸化物層の層厚の半分より小でなければならず、特に好ましくは、酸化物層の層厚の四分の一より小でなければならない。好ましいのは、狭い孔サイズ分布である。孔サイズと孔サイズ分布は、たとえば、走査型電子顕微鏡により、また、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
これらの多孔酸化物層の製造のために、前駆体が適切な溶媒と共に均質に混合される。要すれば、pH調整化合物とさらなる添加剤とを、混合酸化物への変換に先立って添加してもよい。形成された層の多孔性は、驚くべきことに、特別な手段を必要とせずにそれ自身により生じる。しかし、要すれば、多孔形成は、物理的もしくは化学的方法により支援することができる。したがって、圧縮ガス(たとえば、窒素)、超臨界流体もしくは低沸点の随意に置換された炭化水素等の膨張剤が、ゲル中に導入されてよいが、変換後に酸化物層背後に如何なる望ましくない副生物も残さない。このための適切な種々の膨張剤が当業者に知られている。
膨張剤の蒸発に関して、気体で過飽和された物質は、泡生成により膨張する。蒸発と、必要に応じて冷却は、粘度を増加して、多孔骨格を固化する。膨張剤として、超臨界流体が、所望の孔サイズを有し、閉鎖孔を有する層を製造するために適用されてよい。好ましい超臨界流体は、超臨界二酸化炭素を含む。有機バッファー層のための材料をよりよく溶解するために、さらなる有機化合物もしくは溶媒を、この媒体中に添加することができる。この選好は、比較的簡単な取り扱い、そこにおける多数の有機化合物の良好な溶解性と電子素子駆動時に不活性であることにより、説明することができる。
化学的膨張剤は、高温でまたは他のエネルギーへの曝露で、気体、通常有機酸素もしくは窒素化合物の解放により分解する固体、たとえば、アゾ化合物、ジアゾ化合物、アジド化合物、ニトロソ化合物もしくはヒドラジン(たとえば、J. H. Saunders, R. H. Hansen, in K.℃. Frisch, J. H. Saunders (ed.), Plastic foams, Part I, Chap. 2, Marcel Dekker, New York 1972; W. S. Fong, Foamed Plastics, Suppl. A, Process Economics Program Report 97A, SRI Int., Menlo Park, California, Jan. 1984, 29-36)である。
孔形成の支援が必要である場合には、無機膨張剤、たとえば、炭酸塩の使用が好ましい。さらに、膨張剤、ゲル形成反応中の気体形態での二酸化炭素を解放することができる。特に、孔形成に対して、核形成種を滴下することが適当であり得る。これらは、小さい初期気体泡が、気体もしくは超臨界流体で飽和された溶液から形成される。多孔度と孔サイズは、前駆体を形成する酸化物を含む調製されたゲル中の核形成種の濃縮により制御することができる。所望の孔は、表面への適用前もしくは熱処理中に極めて小さな気体泡形成の形で粘稠なゲル中に形成される。
既に上記言及したように、所望の金属酸化物層の製造は、その前駆体化合物から加工することができ、それらは、溶媒中に溶解される、すなわち、金属酸化物前駆体溶液もしくは金属酸化物前駆体分散液は、上記言及したとおりの通常の被覆および印刷技術において大量生産のために使用することができ、被覆組成物もしくは単純な印刷インク中へ加工することができる。所望の金属酸化物の多くの公知の有機金属前駆体化合物が、本発明による方法のために適しているが、好ましくは、金属カルボキシレート、いわゆる「オキシマート」が、本発明において、有機金属錯体として使用される。[すなわち、二酸化炭素、アセトン等の揮発性成分に分解するそれらの有機金属化合物と熱的および/または電磁放射(UVおよび/またはIR)が実施される次の処理での所望の金属酸化物]
したがって、本発明においては、好ましくは、金属イリジウム、亜鉛もしくは錫、アルミニウム、ニオブ、チタンおよびガリウムの金属カルボキシレート錯体が、随意に配位数3〜6をもつ金属の金属カルボキシレート錯体である有機金属化合物との混合物中で使用される。これらの金属錯体は、夫々、アルコキシアミノカルボン酸(オキシマート)の群からの一つのリガンドを有する。本発明に関連して、用語「金属」は、金属または半金属または遷移金属性の何れかを含むことができる上記言及した元素を意味する。
特に、少なくとも一つのリガンドは、2-(メトキシイミノ)-アルカノエート、2-(エトキシイミノ)-アルカノエートまたは2-(ヒドロキシイミノ)-アルカノエートの何れかであり、今後は、オキシマートと称される。これらのリガンドは、水性もしくはメタノール性溶液中で塩基の存在下で、アルファ-ケト酸もしくはオキソカルボン酸とヒドロキルアミンアルキルヒドロキルアミンとの縮合により合成することができる。
エノレートもリガンドとして好ましく、特別には、他の技術的目的のために使用され、種々の金属のアセチルアセトナート錯体の形で商業的に入手可能であるアセチルアセトナートである。
好ましくは、金属カルボキシレート錯体の全てのリガンドは、アルコキシイミノカルボン酸リガンド、特に、以前言及したものである。
しかしながら、また、アルコキシイミノカルボン酸リガンドが、HOで追加的に錯化されているだけであり、さらなるリガンドが、金属カルボキシレート錯体に存在しない錯体を使用することができ。上記記載のとおりの金属アセチルアセトナートも、また、アセチルアセトナートリガンドだけを含む錯体である。
種々の金属のオキシマート前駆体化合物が出発物質として使用される場合には、全ての出発物質が同じ群の物質である場合が有利であり、それで、オキシマートはオキシマートと混合されるべきである。
アルコキシアミノカルボン酸リガンドを含み、本発明により好ましく使用される前記金属カルボキシレート錯体の調製は、既に、WO 2009/010142 A2 とWO 2010/078 907 A1に詳細に記載されている。したがって、これらの文書全体に参照がなされる。したがって、これらの文書は、開示の部分である。
一般的に、金属酸化物前駆体、すなわち、有機ガリウム、インジウム、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、錫、アルミニウム、チタンもしくはニオブ錯体は、テトラエチルアンモニウムハイドロゲンカーボネートもしくは2炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で、オキソカルボン酸と少なくとも一つのヒドロキルもしくはアルキルヒドロキルアミンとの反応により、次いで、たとえば、硝酸ガリウム4無水物、塩化インジウム無水物もしくは塩化錫5無水物等の無機ガリウム、インジウム、亜鉛、錫、アルミニウム、チタンもしくはニオブ塩等を添加して、室温で生成される。オキソカルボン酸として、このクラスの全ての化合物を使用することができる。しかし、オキソ酢酸またはオキソプロピオンオキソブチル酸が、好ましい。
前記有機金属酸化物前駆体化合物(前駆体)は、本発明において、好ましくは、溶解形態もしくは分散形態で使用される。
この目的のために、前駆体は適切な溶媒中に溶解され、その濃度は、使用されるべき被覆プロセスと適用される層の数と金属酸化物前駆体の組成に適合されねばならない。
適切な溶媒もしくは分散液は、水および/または有機溶媒、たとえば、アルコール、カルボン酸、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アミン、アミドもしくは芳香族である。また、有機溶媒もしくは分散液の混合物または水と有機溶媒もしくは分散液の混合物を使用することができる。溶媒もしくは分散液の選択は、所望の金属酸化物が置かれるべき層が、逆の作用をしないことを考慮してなされねばならない。
アルコキシイミノカルボン酸リガンドとの金属カルボキシレート錯体(オキシマート)は、以前に説明したとおりに、好ましくは、2-メトキシエタノール中に溶解される。
本発明の第1の態様では、溶解されたもしくは分散された形態の有機金属化合物または有機金属化合物の混合物、すなわち、上記記載したとおりの孔形成剤もしくは小気体泡を含む金属酸化物前駆体溶液もしくは分散液は、各基板上に単一層として適用され、変形される。これと共に、多孔金属酸化物前駆体層が得られる。
層は、随意に乾燥後、金属酸化物層に熱的に変換されるか、または出発物質の組成に応じて、混合金属酸化物層に変換される。
熱処理は、少なくとも、>200℃〜500℃の範囲の、好ましくは、250〜450℃の範囲の温度で実施される。熱処理は、空気中または不活性気体下で行われる。高温度は、数秒から数分間保持されねばならず、一般的に少なくとも30秒から4分が、完全な変換のために必要とされる。一般的に、必要とされる温度に1分未満保持すれば十分である。
得られた透明混合酸化物層の所望の光アウトカップリング特性が、>200℃〜500℃の範囲の所望の遷移温度への急速加熱により実現することができるが、一方、前駆体層の材料組成は維持されることが、今回驚くべきことに見出された。
可視波長範囲(380〜780nm)での光は、金属酸化物含有層での>200℃〜500℃の範囲の温度で変換された層で、殆ど完全に透過され、少なくとも約95%透過される。これは、本発明により製造された金属含有層は、可視域で光学的に透明であるということである。
多孔金属酸化物層が、中間層としてOLEDのどこに挿入されるかに応じて、半導体特性は、光アウトカップリング特性に加えて重要である。製造された金属酸化物層の増加した電導性のために、熱処理は、一般的には空気中で行うことができるが、不活性気体雰囲気下で、好ましくは、アルゴン気体下でなされ得る。
本発明の別の態様では、有機金属化合物の適用と金属酸化物もしくは混合金属酸化物へのその変換は、連続して数回行うことができ、その結果、金属酸化物、混合金属酸化物もしくは両者の組み合わせの多層構造が得られる。この場合に、各場合に使用される溶液もしくは分散液は、層に応じて異なる濃度で有機金属前駆体化合物を含んでよい。
これは、本発明の混合酸化物層の合計厚さが、繰り返して前駆体層を適用し、繰り返して熱処理により変換することにより、実現できることを意味する。それでも、穏やかな製造のためには、所望の混合酸化物層は、好ましくは、前駆体材料のただ1回の適用とただ1回の熱処理により調製され、所望の膜厚を得る。この目的のために、単一の適用が所望の膜厚を得るために十分であり得るように、前駆体含有溶液もしくは分散液の特性を調整する必要がある。
試験マトリックスの部分としてなされた実験は、比較的高い層厚を有する多孔層は、高濃度でのインジウム−亜鉛酸化物層調製のための前駆体を含む溶液から製造することができ、単一の印刷工程で適用することができることを示した。有利にも、これらの層は、この層からの発光量の増加を示し、ここで、電流密度[mA/cm]は、殆ど不変のままである。
特別な層厚を製造するために、組成物を含む前駆体の適用とその金属酸化物もしくは混合金属酸化物への連続して数回変換を繰り返ことも選択肢ではあるが、単一の適用が、製造上の経済の理由のために好ましい。実験は、高濃度で前駆体を含む組成物から調製されたこれらの厚い層は、より高い効率と、少なくとも+17%の発光の増加を示すことを証した。したがって、より厚い層の製造のために、高濃度の前駆体化合物を含む出発組成物が好ましい。これらの実験結果が、図2に示される。
反復適用のために使用される組成物が、単一工程プロセスのために使用されるゾルより低濃度で前駆体金属錯体を含んでよいことは自明である。前駆体濃度は、1〜20%の範囲に調整されてよい。前駆体組成物が数回適用される場合には、濃度は、10〜15重量%の範囲でなければならない。単一適用に対しては、前駆体濃度は、好ましくは、5重量%より高く、最も好ましくは、9〜15重量%の範囲でなければならない。
主として使用された前駆体化合物から成る以前に適用された膜は、均質で均一であるが、混合金属酸化物の多少とも多孔質の膜を、驚くべきことに加熱により前駆体膜から得ることができる。この多孔膜は、特別に、温度が変換度まで極めて短時間で上昇された場合に生じる。
しかし、多孔質混合金属酸化物膜の調製は、制御された温度処理(アニール温度、ランプ、ホットプレート、UV等)によってのみならず、溶液中で使用されるオキシマート前駆体により、液体調合物中でのイリジウム、錫、亜鉛、アルミニウム、チタンとニオブを含む化合物から選ばれる金属の組み合わせの変更により、金属前駆体の適用濃度により、アニール工程に続く、スピンコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷もしくはフレキソ印刷等の適用技術により影響される。
形成された混合金属酸化物膜の接近調査は、層が、その表面が滑らかであり多孔質であることを示している。20〜40nm厚に調製された膜のより接近した調査は、それらが極めて多孔質な膜を形成することを示している。これは、通常の機能性混合酸化物膜、たとえば、アノードとして使用されるITO膜が、滑らかで、部分的に反射する表面を有することから、特別に驚くべきことである。
多孔性は、可視域での光透過と光アウトカップリングの減少をもたらすであろうことが考えられるが、OLEDにおける、この薄い透明な多孔混合酸化物膜が、20%までの光出力の改善をもたらし得ることが見出された。
効率のこの改善は、特に、適切な厚さを有する透明インジウム-亜鉛酸化物層(IZO)が、ITOアノードと正孔輸送層(HTL)との間の、随意に、ITOアノードとガラス基板層との間の中間層として挿入される場合に実現することができる。
たとえば、OLED層構造からの光出力を増加するために、10〜30nmの範囲の厚さを有する多孔インジウム-亜鉛酸化物層が、構造化されたITO基板の頂上に適用され、今度はOLEDの製造のために適している。この余分な層は、如何なる素子特性にも負の影響を与えない。これに加えて、この多孔インジウム-亜鉛酸化物層の導入は、通常続くプロセス工程に他の不利な効果を有さない。
改善は、挿入された多孔混合酸化物が、各隣接層に特に、強固に結合され、多孔質が、発光と隣接層への光移送に有利であり、同時に多孔質が反射を防ぐらしいという事実に基づくようである。
このように、本発明により、単純な湿式化学プロセスで、内部光抽出を大いに向上する環境雰囲気条件下で、中間層が、OLEDの層構造中に挿入されてよい。この方法は、産業規模での製造に適している。
適用方法を変更することにより、使用される金属酸化物前駆体組成物とその濃度、層構造と層厚さが、異なるニーズに適合することができる。前駆体の所望の混合金属酸化物への変換のための温度制御と使用される前駆体組成物の変更により、処理される素子の要請への適合が可能である。熱処理による変換中の気体雰囲気を調整することにより、半導体層の特性に影響を及ぼすことも可能である。
本発明のプロセスは、薄い、透明な混合金属酸化物層として中間層を導入することによる単純で費用効果的な方法で、OLEDからの内部光抽出を改善することを可能とする。
一般的に、素子の製造のために、たとえば、US 2007/0034862A1に記載されたとおりに、プロセスが使用されてよく、さらなる発明段階を要することなく、個々の場合に対応して適合されるべきである。低屈折率の適切な層または適切な透明多孔酸化物中間層を製造することができ方法は、上記で詳細に説明された。
驚くべきことに、本発明による電子素子構造は、低屈折率の混合酸化物から成る少なくとも一つの透明多孔層が、使用され、以下の利点を提供する:
1)電子素子からの光出力は、さらに、著しく改善される。
2)結果として、有機電子素子の観察された効率、特に、パワー効率は、上記記載されたとおりの範囲に増加する。これは、実施の用途に、特に、携帯用途に極めて重要である。
3)増加した効率に基づいて、有機電子素子の寿命も増加するが、これは、素子が駆動される輝度と電流密度に常に依存するからであり、より高い出力効率に基づいて、有機発光ダイオードは、同じ観察された輝度に対して、より低い電流密度で駆動することができる。
4)有機電子素子の新規な構造は、問題なく実現することができる。特に、先行技術にしたがう構造とは対照的に、考慮すべき技術的複雑さは必要ではない。
5)太陽電池と検査器において、散乱光における使用感度が改善される。
6)新規な構造は、通常使用される材料と通常使用される層構造と問題なく組み合わせることができる。したがって、本発明による透明多孔酸化物層を、構造における顕著な変更を必要とせずに、構造中に統合することが可能であるが、改善された内部光アウトカップリングをもつ。
標準的な底部発光OLEDの内部および外部アウトカップリングのスキームを示す。 層厚とEQE(外部量子効率)に関する前駆体調合物の影響を示す。 OLED内の光生成を示す。例 さらに説明がなくても、当業者であれば、最も広い技術的範囲で前述の記載を使用できると思われる。したがって、好ましい態様および例は、単なる説明であると考えられ、決して開示を限定するものではない。
よりよい理解と、説明のため、本発明の保護範囲内である例を、以下に与える。これらの例は、可能な変形の説明の役目も担う。
前述したおよび後述する、すべての出願、特許、出版物の完全な開示は本願で引用することにより組み込まれ、疑念がある場合に、明確にする役割を担う。
言うまでもないことであるが、与えられている例および、明細書の残りの部分で、組成物中に存在する成分について引用されているパーセンテージデータは、常に、合計が100%になり、それを超えない。所与の温度は℃で測定される。
OLEDの製造
本発明によるOLEDと先行技術のOLEDとが、WO 04/058911に記載の公知のプロセスにより典型的に処理されるが、ここに記載される状況(層の厚さの変化、材料)に適合される。
本発明による以下の例と、参照例とにより、種々のOLEDのデータを提示する。基板として、ガラススライドを使用し、それらは、厚さ50nmの構造化されたITO(インジウムスズ酸化物)で被覆される。本発明による鍵となる層は、たとえばITOアノード構造と、残りのOLED素子との間に設置され、以下のように処理される:
たとえば、2-メトキシエタノールに3:2の比で溶解されたインジウムおよび亜鉛オキシマートを含む10%溶液が、表面全体にわたって、スピン-コーティング(2500rpm、30秒間)により適用され、次いで、350℃で5分間、アニールされる。追加的層が幾つかの層からなるならば、プロセスを数回、繰り返す必要がある。以下、同じ層の配列が、参照OLEDでのように適用される。
OLEDは、基本的に、次の層構造を有する:基板HTM1:F4TCNQ(3%)(20nm)/HTM1(155nm)/HTM1:F4TCNQ(3%)(20nm)/HTM1(20nm)/H1:SEB1(5%)(20nm)/ETM1:LiQ(50%)(30nm)/LiQ(1nm)および最後にカソード。カソードは、100nm厚のアルミニウム酸化物層により形成される。
OLEDの製造に必要とされる材料を、表1に列挙する:
Figure 0006605498
すべての材料は、真空室において、熱蒸発される。発光層は、常に、少なくとも一つのマトリックス材料(ホスト材料)と、共蒸発により特定の体積割合で一種または複数種のマトリックス材料に添加される発光ドーパント(ドーパント、エミッター)とから成る。この場合、H1:SEB(5%)のような参照は、材料H1が95体積%の割合で層中に存在し、SEBが5体積%の割合で層中に在在することを意味する。同じように、電子輸送層または正孔注入層も、二種の材料の混合物から成ってもよい。
この場合、H2:H3(60%):TEG(10%)のような参照は、材料H2が30体積%の割合で層中に存在し、H3が60体積%の割合で層中に在在し、TEGが10%の割合で層中に在在することを意味する。
OLEDは、次のパラメーターにより特性決定される:輝度の関数としての外部量子効率(EQE、パーセントで測定)を、ランベルト放射パターンを仮定して、電流-電圧-輝度特性線(IUL特性線)から計算し、ならびに寿命期間が計算された。
例1
多孔金属酸化物の層厚が増す場合、EQEが著しく増加することが示されている。同じことを、多孔性金属酸化物層の数が、この層が存在しないOLEDと比べて増加する場合に、証明することができる。青色発光の場合、15%を超える増加が証明される。EQEにおける増加が、使用寿命を損なわずに、赤色−および緑色−発光OLEDに存在することも示されるであろう。よって、効率における増加は特定の波長範囲に限定されない。
Figure 0006605498
Figure 0006605498
重量%は、スピンコート調合物の固形分(濃度)の容量であり、層厚に関連する。

Claims (13)

  1. 追加的中間層として挿入される、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な金属酸化物層を含み、i)素子は、ITO電極と正孔輸送層を有し、ii)追加的な薄く多孔質で透明な金属酸化物層がITO電極と正孔輸送層との間に挿入される、改善された内部光アウトカップリングをもつ、OLED素子。
  2. ジウム、亜鉛、錫、アルミニウム、ガリウム、カドミニウム、チタンおよびニオブより成る群から選ばれる少なくとも2種の金属の混合酸化物を含む、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な金属酸化物層を含む、請求項1に記載のOLED素子。
  3. ジウム亜鉛酸化物を含む、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を含む、請求項1または2に記載のOLED素子。
  4. 10〜200nmの範囲の、好ましくは、15〜50nmの範囲の厚さを有する、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のOLED素子。
  5. 20〜40nmの範囲の厚さを有する、少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のOLED素子。
  6. 少なくとも一つの追加的な薄く多孔質で透明な中間層が、以下の工程により層化された構造中に挿入されることを特徴とする、改善された内部光アウトカップリングをもつ、請求項1〜5の何れか一項に記載のOLED素子の製造方法:
    a)各中間層に適用される、少なくとも2種の金属酸化物前駆体と、随意に適切なポロゲンまたは膨張剤を含む前駆体組成物を適用すること、
    b)適用された前駆体組成物層を乾燥すること、および
    c)乾燥された層を、急速加熱によって、対応する薄く多孔質で透明な混合金属酸化物層に変換すること。
  7. 多孔質中間層は、単一の前駆体組成物の適用と変換により挿入されることを特徴とする、請求項記載の方法。
  8. 多孔質中間層は、単一の前駆体組成物の適用と変換により繰り返し挿入されることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  9. 中間層は、1〜20重量%の範囲の金属酸化物前駆体濃度を有する組成物を適用することにより製造されることを特徴とする、請求項の何れか一項に記載の方法。
  10. 中間層は、9〜15重量%の範囲の金属酸化物前駆体濃度を有する組成物を適用することにより製造されることを特徴とする、請求項の何れか一項に記載の方法。
  11. 混合酸化物への変換は、>150℃〜500℃の温度まで、好ましくは、300℃〜400℃の温度までの急速加熱により実施されることを特徴とする、請求項6〜10の何れか一項に記載の方法。
  12. 変換は、変換温度まで急速加熱することと、少なくとも30秒から4分間まで温度を保持することにより実施されることを特徴とする、請求項11の何れか一項に記載の方法。
  13. 変換は、ホットプレート上で、またはIR帯状炉上で急速加熱することにより実施されることを特徴とする、請求項12の何れか一項に記載の方法。
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