JP6604307B2 - コード検出装置、コード検出プログラムおよびコード検出方法 - Google Patents

コード検出装置、コード検出プログラムおよびコード検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、コード検出装置、コード検出プログラムおよびコード検出方法に関する。
ユーザの演奏から順次コードを検出する技術がある。特許文献1に記載されるコード検出装置においては、所定のコード検出タイミング(例えば、各小節の1拍目および3拍目)で、演奏データに基づいてコードが検出される。具体的には、演奏データから、コード検出タイミングに有効とみなされる音高情報が抽出される。また、調情報が取得されるとともに、その調情報に基づいて1または複数の候補コードが抽出される。各候補コードについて、抽出された各音高情報の役割が判別され、予め用意されたポイントテーブルから、判別された役割に応じたポイントが抽出される。抽出されたポイントの合計値が最高値となる候補コードが最適なコードとして検出される。
特許第5703693号公報
検出されたコードを用いて種々の処理を行うことができる。例えば、検出されたコードに基づいて、ユーザの演奏に対する付加音(例えば、自動伴奏音)を生成することができる。この場合、検出されたコードの進行が単調であると、付加音も単調となる。コードの進行が単調とならないように、テンション音が付加されたコード(テンションコード)を用いることが考えられる。上記特許文献1のコード検出装置においては、ユーザが演奏データとしてテンション音の音高情報を入力することにより、テンション音が付加されたコードが検出される。しかしながら、専門的な知識を有しないユーザにとっては、適切なテンション音を選択することは難しい。付加されるテンション音が不適切であると、聴感的に不自然なコード進行となる。
本発明の目的は、単調でなくかつ聴感上自然なコード進行を容易に得ることが可能なコード検出装置、コード検出プログラムおよびコード検出方法を提供することである。
本発明に係るコード検出装置は、曲の音高列を表す音楽データを取得する音楽データ取得手段と、取得された音楽データから曲の各区間のコードを順次検出する検出手段と、曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定する決定手段と、検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶する記憶手段と、検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換する変換手段とを備え、決定手段は、変換後のコードを使用コードに決定する。
このコード検出装置においては、演奏データからコードが順次検出され、検出されたコードがテンション音を含むコードに変換される。この場合、検出されたコードは、前の区間の履歴コードに基づいて変換される。そのため、各区間において検出されたコードに、前の区間の履歴コードに応じたテンション音を付加することができる。それにより、単調でなくかつ聴感上自然なコード進行を容易に得ることができる。
変換手段は、検出された一の区間のコードおよび記憶された前の区間の履歴コードから長調か短調かの調性を推測し、推測された調性に適合するように、検出された一の区間のコードを変換してもよい。この場合、検出されたコードに調性に応じたテンション音を付加することができる。
変換手段は、検出された一の区間のコードおよび記憶された前の区間の履歴コードに基づいて、使用可能な音階の種類を推測し、推測された音階の種類に適合するように、検出された一の区間のコードを変換してもよい。この場合、検出されたコードに音階の種類に応じたテンション音を付加することができる。
記憶手段は、少なくともドミナントコード以外のコードを含む1以上の履歴コードを記憶し、変換手段は、検出された一の区間のコードがドミナントコードである場合、記憶された1以上の履歴コードのうち、ドミナントコード以外のコードであって一の区間に最も近い区間の履歴コードに基づいて、検出された一の区間のコードを変換してもよい。この場合、検出されたコードの変換を適切に行うことができる。
本発明に係るコード検出プログラムは、曲の音高列を表す音楽データを取得するステップと、取得された音楽データから曲の各区間のコードを順次検出するステップと、曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定するステップと、検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶するステップと、検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換するステップとを、コンピュータに実行させ、使用コードを決定するステップは、変換するステップにおける変換後のコードを使用コードに決定することを含む。
本発明に係るコード検出方法は、曲の音高列を表す音楽データを取得するステップと、取得された音楽データから曲の各区間のコードを順次検出するステップと、曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定するステップと、検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶するステップと、検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換するステップとを含み、使用コードを決定するステップは、変換するステップにおける変換後のコードを使用コードに決定することを含む。
これらのコード検出プログラムおよびコード検出方法によれば、単調でなくかつ聴感上自然なコード進行を容易に得ることができる。
本発明によれば、単調でなくかつ聴感上自然なコード進行を容易に得ることができる。
本発明の実施の形態に係るコード検出装置を含む電子音楽装置の構成を示すブロック図である。 コード検出装置の動作の概要について説明するための図である。 検出コードがV7である場合に、短調を推測させる参照コードの例を示す図である。 検出コードがIV(maj)系である場合にリディアンスケールを推測させる参照コードの例を示す図である。 対象の区間の検出コードおよびその直前の区間の履歴コードがドミナントコードである場合の例を示す図である。 直前の区間の履歴コードの構成音が対象の区間の検出コードにテンション音として付加される例を示す図である。 本実施の形態に係るコード検出装置の機能的な構成を示すブロック図である。 図7の各機能部によるコード検出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係るコード検出装置、コード検出プログラムおよびコード検出方法について図面を用いて詳細に説明する。
(1)電子音楽装置の構成
図1は本発明の実施の形態に係るコード検出装置を含む電子音楽装置の構成を示すブロック図である。図1の電子音楽装置1によれば、ユーザは演奏および曲の制作等を行うことができる。また、電子音楽装置1は、ユーザの演奏からコードを検出するコード検出装置100を含む。
電子音楽装置1は、演奏操作子2、入力I/F(インタフェース)3、設定操作子4、検出回路5、表示部6および表示回路8を備える。演奏操作子2は、鍵盤等の音高特定子を含み、入力I/F3を介してバス19に接続される。ユーザが演奏操作子2を操作することにより、演奏データが入力される。演奏データは、後述の音楽データの一例であり、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データまたはオーディオデータからなる。
演奏操作子2として鍵盤が用いられる場合、例えば、特定の境界位置を基準に鍵盤がコード鍵域とメロディ鍵域とに分割される。コード鍵域は境界位置よりも低音側(左側)の領域であり、メロディ鍵域は境界位置よりも高音側(右側)の領域である。この場合、主にコード鍵域の操作に基づいて、コードが検出される。なお、コード鍵域の操作に加えて、メロディ鍵域の操作も考慮してコードが検出されてもよい。また、鍵盤がコード鍵域とメロディ鍵域とに分割されていない場合でも、操作される鍵からコードを検出することは可能である。
設定操作子4は、オンオフ操作されるスイッチ、回転操作されるロータリエンコーダ、またはスライド操作されるリニアエンコーダ等を含み、検出回路5を介してバス19に接続される。設定操作子4は、音量の調整、電源のオンオフおよび各種設定を行うために用いられる。表示部6は、例えば液晶ディスプレイを含み、表示回路8を介してバス19に接続される。表示部6により、演奏または設定等に関する各種情報が表示される。設定操作子4および表示部6の少なくとも一部がタッチパネルディスプレイにより構成されてもよい。
電子音楽装置1は、RAM(ランダムアクセスメモリ)9、ROM(リードオンリメモリ)10、CPU(中央演算処理装置)11、タイマ12および記憶装置13をさらに備える。RAM9、ROM10、CPU11および記憶装置13はバス19に接続され、タイマ12はCPU11に接続される。外部記憶装置15等の外部機器が通信I/F(インタフェース)14を介してバス19に接続されてもよい。RAM9、ROM10、CPU11およびタイマ12がコンピュータを構成する。
RAM9は、例えば揮発性メモリからなり、CPU11の作業領域として用いられるとともに、各種データを一時的に記憶する。ROM10は、例えば不揮発性メモリからなり、システムプログラム、コード検出プログラム等のコンピュータプログラムを記憶する。CPU11は、ROM10に記憶されたコード検出プログラムをRAM9上で実行することにより後述するコード検出処理を行う。後述のように、コード検出処理により、演奏データからコードが検出され、検出されたコードがテンション音を含むコードに変換される。変換後のコードが、使用コードとして決定される。使用コードは、ユーザの演奏に対する付加音(例えば、ハーモニー音または自動伴奏音等)を生成する際に基準のコードとして使用される。使用コードは、外部装置に出力されてもよい。タイマ12は、現在時刻等の時間情報をCPU11に与える。
記憶装置13は、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、使用コードリストを記憶するとともに、検出されたコードをテンション音を含むコードに変換するためのコード変換情報を記憶する。使用コードリストおよびコード変換情報の詳細については後述する。上記のコード検出プログラムが記憶装置13に記憶されてもよい。
外部記憶装置15は、記憶装置13と同様に、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、コード検出プログラムを記憶してもよい。
本実施の形態におけるコード検出プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納された形態で提供され、ROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。また、通信I/F14が通信網に接続されている場合、通信網に接続されたサーバから配信されたコード検出プログラムがROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。
電子音楽装置1は、音源16、効果回路17およびサウンドシステム18をさらに備える。音源16および効果回路17はバス19に接続され、サウンドシステム18は効果回路17に接続される。音源16は、演奏操作子2により入力される演奏データ、ならびにコード検出処理によって決定される使用コードに基づいて楽音信号を生成する。効果回路17は、音源16により生成される楽音信号に音響効果を付与する。
サウンドシステム18は、デジタルアナログ(D/A)変換回路、増幅器およびスピーカを含む。このサウンドシステム18は、音源16から効果回路17を通して与えられる楽音信号をアナログ音信号に変換し、アナログ音信号に基づく音を発生する。それにより、楽音信号が再生される。電子音楽装置1において、主として演奏操作子2、RAM9、ROM10、CPU11および記憶装置13がコード検出装置100を構成する。
(2)動作の概要
図2は、コード検出装置100の動作の概要について説明するための図である。図2の例では、ユーザの演奏に基づいて、曲の区間R1,R2,・・・,Rnにそれぞれ対応する演奏データD1,D2,・・・,Dn(nは正の整数)が取得される。1区間は、例えば2拍または1小節である。1区間の長さは、後述のコード検出タイミングに依存する。
演奏データD1,D2,・・・,Dnから公知の方法によってコードC1,C2,・・・,Cnが検出される。以下、演奏データから検出されるコードを検出コードと呼ぶ。検出コードは、例えば、3和音または4和音のコードであり、コードルートおよびコードタイプで表される。本例では、ユーザの演奏時にリアルタイムでコードが検出される。
検出コードC1,C2,・・・,Cnに基づいて、使用コードC1,C2’,・・・,Cn’が決定される。本実施の形態では、各区間の検出コードが、前の区間の使用コードに基づいてテンションコードに変換され、変換後のコードが使用コードに決定される。前の区間は、対象の区間の直前の区間に限らず、対象の区間より2つ以上前の区間も含む。テンションコードは、テンション音が付加されたコードである。テンション音は、コードの主たる構成音(例えば、ルート音、3rdおよび5th)との協和性が比較的低い音であり、コード毎に定められる。代表的なテンション音は、9th、♯9th、♭9th、11th、♯11th、13thおよび♭13thである。付加されるテンション音は、前の区間から対象の区間への使用コードの流れが聴感上自然になるように決定される。テンション音の決定方法については後述する。
図2の例では、最初の区間R1の検出コードC1は、そのまま変換されずに使用コードに決定され、区間R2,R3,・・・,Rnの検出コードは、それぞれ直前の区間R1,R2,・・・,Rn―1の使用コードに基づいて変換される。具体的には、区間R2の検出コードC2は、区間R1の使用コードC1に基づいてテンションコードに変換され、そのテンションコードが使用コードC2’に決定される。区間R3の検出コードC3は、区間R2の使用コードC2’に基づいてテンションコードに変換され、そのテンションコードが使用コードC3’に決定される。以降の区間でも同様にして、検出コードが前の区間の使用コードに基づいてテンションコードに変換され、変換後のテンションコードが使用コードに決定される。なお、検出コードがテンションコードである場合には、検出コードが変換されずにそのまま使用コードに決定されてもよい。
決定された使用コードC1,C2’,・・・,Cn’は、履歴コードとして図13の記憶装置13に順次記憶される。検出コードの変換時には、記憶された履歴コードが参照される。本例では、1または複数の履歴コードにより使用コードリストが生成される。使用コードリストは、使用コードの決定毎に順次更新される。
以下、対象の区間の検出コードを変換する際に参照される対象の区間より前の区間の履歴コード(使用コード)を参照コードと呼ぶ。図2の例では、各区間における参照コードが、その区間の直前の区間の履歴コードである。
(3)コード変換
(3−1)調性の推測
検出コードからテンションコードへの変換について説明する。以下の説明では、必要に応じて各コードをディグリーネームで表す。例えば、検出コードおよび参照コードから長調か短調かの調性が推測され、推測された調性に適合するように、検出コードがテンションコードに変換される。この場合、検出コードに調性に応じたテンション音を付加することができる。
具体例として、検出コードがV7である場合を説明する。V7は、通常、カデンツ内でドミナントとして機能する。図3は、検出コードがV7である場合に、短調を推測させる参照コードの例を示す図である。図3には、複数の参照コードが系統別に示される。「○系」(○は、ディグリーネーム)とは、共通の3和音のコード「○」を基本形とする複数のコードの総称である。例えば、Im系は、基本形であるImの他、Im6、Im7、Im add9等を含む。
Im、IIm(♭5)、♭III(maj)、IVm、Vm、♭VI(maj)および♭VII(maj)は、ナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードである。そのため、これらのコードを基本形とするコードは、短調で使用される可能性が高い。また、短調では、調の主音に対して短3度、短6度、または短7度の音程をなす音が、参照コードに含まれる可能性が高い。
一方、長調では、I(maj)、IImおよびIIIm等のメジャースケールのダイアトニックコードを基本系とするコードが使用される可能性が高い。また、調の主音に対して長3度、長6度、または長7度の音程をなす音が、参照コードに含まれる可能性が高い。
検出コードがV7であり、参照コードから長調が推測される場合には、テンション音として9thが付加され、V7がV7(9)に変換される。一方、検出コードがドミナントセブンスコード(V7)であり、参照コードから短調が推測される場合には、テンション音として♭9thが付加され、V7がV7(♭9)に変換される。
調の主音は、前の区間の演奏データまたは前の区間の検出コードに基づいて特定されることが好ましい。調の主音の特定には、公知の技術を用いることができる。また、ユーザが予め調の主音を指定してもよい。
なお、短調が推測された場合において、♭9thの代わりに、♯9thまたは♭13th等の他のテンション音が付加されてもよい。例えば、♭9thに対して短2度の関係にある音(例えば、I(maj)系の6th)が参照コードに含まれる場合、♭9thの代わりに、♯9thまたは♭13thが付加されてもよい。この場合、前の区間からの使用コードの流れが自然になる。また、付加候補となる複数のテンション音がユーザに提示され、付加されるテンション音がユーザにより選択されてもよい。
短調を優先するかまたは長調を優先するかをユーザが予め選択可能であってもよい。調性の推測が難しい場合には、ユーザにより選択された調性に基づいて、付加すべきテンション音が特定される。あるいは、調性の推測が難しい場合には、検出コードがそのまま変換されずに使用コードに決定されてもよい。
(3−2)音階の推測
検出コードおよび参照コードに基づいて、使用可能な音階の種類が推測され、推測された音階の種類に適合するように、検出コードがテンションコードに変換されてもよい。この場合、検出コードに音階の種類に応じたテンション音を付加することができる。例えば、検出コードがIV(maj)系であり、使用可能な音階の種類としてリディアンスケールが推測される場合には、テンション音として♯11thが付加される。
図4は、検出コードがIV(maj)系である場合にリディアンスケールを推測させる参照コードの例を示す図である。図4の例において、参照コードは、例えば、I系、VIm系、V系およびIIIm系である。I系としては、7thを含まないコードが挙げられる。V系としては、短調への指向性が低いコードが挙げられる。
なお、検出コードは、IVリディアンスケールの構成音のみを含むことが好ましい。具体的には、IV(maj)、IVM6、IVM7、IVadd9、IVM7(♭5)、IVM7(♯11)、IVM7(9)およびIV6(9)が、リディアンスケールの構成音のみを含む。IV(maj)系であってもリディアンスケールの構成音以外の音を含む場合には、♯11thを付加する対象から除外されてもよい。
(3−3)ドミナントコードが連続する場合
ドミナントコードは、メジャーコードおよびマイナーコード等に比べて、調性が反映されにくい。そのため、検出コードおよび参照コードがともにドミナントコードである場合、調性の推測が困難である。ドミナントコードとは、代表的にはドミナントセブンスコードであり、それに加えて、ドミナントセブンスコードにテンション音が付加されたテンションコード、ならびにドミナントセブンスコードの代理コード等を含む。そこで、対象の区間の検出コードがドミナントコードである場合には、対象の区間より前の区間の履歴コードのうち、ドミナントコード以外のコードであって対象の区間に最も近い区間の履歴コードに基づいて、対象の区間の検出コードがテンションコードに変換されることが好ましい。すなわち、対象の区間の直前の区間の履歴コードがドミナントコードである場合には、対象の区間の2つ以上前の履歴コードが参照コードとして参照される。
図5は、対象の区間の検出コードおよびその直前の区間の履歴コードがドミナントコードである場合の例を示す図である。図5の例では、対象の区間の検出コードがV7であり、対象の区間の直前の区間の履歴コードがII7であり、対象の区間の2つ前の区間の履歴コードは、ドミナントコードでない。そのため、対象の区間の2つ前の区間の履歴コードが参照コードとされる。
図5に示されるいずれの例においても、2つ前の区間の履歴コードから、調性として短調が推測される。そのため、テンション音として例えば♭9thが付加され、検出コードがテンションコードに変換される。なお、変換後のコードは、マイナートニックコード(例えば、Im7)への指向性を有するが、メジャートニックコード(例えば、IM7)に進行してもよい。
(3−4)他の変換例
前の区間の履歴コードの構成音が、対象の区間のテンション音として使用可能である場合、当該前の区間の履歴コードの構成音が、対象の区間の検出コードにテンション音として付加されてもよい。この場合、前の区間は、対象の区間の直前の区間であることが好ましい。
図6は、直前の区間の履歴コードの構成音が対象の区間の検出コードにテンション音として付加される例を示す図である。図6(a)の例では、対象の区間の検出コードがG7であり、直前の履歴コードがDm7(♭5)である。Dm7(♭5)の構成音であるA♭は、G7の♭9thに相当する。そこで、G7にテンション音として♭9thが付加され、G7がG7(♭9)に変換される。
図6(b)の例では、検出コードがG7であり、直前のコードがE♭M7である。E♭M7の構成音であるE♭およびB♭は、G7の♯9thおよび♭13thにそれぞれ相当する。そこで、G7にテンション音として♯9thおよび♭13thが付加され、G7がG7(♯9,♭13)に変換される。
(4)機能的な構成
図7は、本実施の形態に係るコード検出装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図7に示すように、コード検出装置100は、音楽データ取得部21、検出部22、記憶部23、参照コード特定部24、変換部25、決定部26を含む。音楽データ取得部21、検出部22、参照コード特定部24、変換部25および決定部26は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶されたコード検出プログラムを実行することにより実現される。これらの機能部は、電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。記憶部23は、図1の記憶装置13により実現される。
音楽データ取得部21は、曲の音高列を表す音楽データを取得する。音楽データは、MIDIデータ、オーディオデータおよび音符データ等を含む。本例では、音楽データ取得部21が、図1の演奏操作子2の操作に基づいて音楽データとして演奏データを取得する。検出部22は、予め定められたコード検出タイミングで、演奏データからコードを順次検出する。コード検出タイミングは、例えば、各小節の一拍目および3拍目である。コード検出タイミングは、ユーザが適宜設定可能であってもよい。記憶部23は、各区間の使用コードを履歴コードとして記憶し、使用コードリストを生成する。
参照コード特定部24は、複数の区間の履歴コードのうち参照コードを特定する。対象の区間の検出コードがドミナントコードである場合、参照コード特定部24は、対象の区間より前の区間の履歴コードのうち、ドミナントコード以外のコードであって対象の区間に最も近い区間の履歴コードを参照コードに特定してもよい。
変換部25は、特定された参照コードに基づいて、検出部22により検出された検出コードをテンションコードに変換する。変換部25は、検出コードおよび参照コードから長調か短調かの調性を推測し、判定された調性に適合するように、検出コードを変換してもよい。また、変換部25は、検出コードおよび参照コードに基づいて、使用可能な音階の種類を推測し、推測された音階の種類に適合するように、検出コードを変換してもよい。決定部26は、変換されたテンションコードを使用コードに決定する。決定された使用コードは、履歴コードとして記憶部23により記憶される使用コードリストに追加される。
(5)コード検出処理
図8は、図7の各機能部によるコード検出処理の一例を示すフローチャートである。図8のコード検出処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶されたコード検出プログラムを実行することにより行われる。
本例では、検出コードの変換規則を定めたコード変換情報が予め記憶装置13に記憶されている。コード変換情報は、複数のコード進行パターンを含むとともに、各コード進行パターンに対応付けられた変換規則を含む。コード進行パターンは、参照コードと検出コードとの組み合わせを表す。変換規則は、検出コードに付加すべきテンション音、または検出コードの変換後のテンションコードを示す。
まず、音楽データ取得部21が、ユーザによる演奏操作子2の操作に基づいて、演奏データを取得する(ステップS1)。検出部22は、図1のタイマ12からの時間情報に基づいて、コード検出タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS2)。コード検出タイミングが到来していない場合、音楽データ取得部21がステップS1に戻る。コード検出タイミングが到来すると、検出部22は、取得された演奏データからコードに検出する(ステップS3)。
次に、参照コード特定部24は、検出されたコード(検出コード)がドミナントコードであるか否かを判定する(ステップS4)。検出コードがドミナントコードでない場合、以下のステップS5,S6がスキップされ、参照コード特定部24は、直前の区間の履歴コードを参照コードとして特定する。検出コードがドミナントコードである場合、参照コード特定部24は、変数iを1に設定する(ステップS5)。
次に、参照コード特定部24は、対象の区間(現在の区間)のi個前の区間の履歴コードがドミナントコードであるか否かを判定する(ステップS6)。i個前の履歴コードがドミナントコードである場合、参照コード特定部24は、変数iに1を加算し(ステップS7)、ステップS6に戻る。ステップS6,S7が繰り返されることにより、対象の区間の直前の区間から1つずつ前の区間に遡ってドミナントコード以外の履歴コードが検索される。ステップS6で、i個前の履歴コードがドミナントコードでない場合、参照コード特定部24は、そのドミナントコード以外の履歴コードを参照コードに特定する(ステップS8)。
次に、変換部25は、ステップS8で特定された参照コードとステップS3で検出された検出コードとの組み合わせが、コード変換情報に含まれるいずれかのコード進行パターンと一致するか否かを判定する(ステップS9)。参照コードと検出コードとの組み合わせがいずれかのコード進行パターンと一致する場合、変換部25は、その一致するコード進行パターンに対応付けられた変換規則に基づいて、検出コードをテンションコードに変換する(ステップS10)。次に、決定部26が、変換後のテンションコードを使用コードに決定する(ステップS11)。
一方、参照コードと検出コードとの組み合わせがいずれのコード進行パターンとも一致しない場合、決定部26は、検出コードを使用コードに決定する(ステップS12)。記憶部23は、決定された使用コードを履歴コードとして記憶する(ステップS13)。その後、ステップS1〜S13が繰り返される。
(6)実施の形態の効果
本実施の形態に係るコード検出装置100においては、演奏データからコードが順次検出され、検出されたコードがテンション音を含むコードに変換される。この場合、新たに検出されたコードは、記憶された履歴コードに基づいて変換される。そのため、新たに検出されたコードに、前の区間の履歴コードに応じたテンション音を付加することができる。それにより、単調でなくかつ聴感上自然なコード進行を容易に得ることができる。
また、本実施の形態では、新たに検出されたコードがドミナントコードである場合、記憶された1以上の履歴コードのうち、ドミナントコード以外のコードであって対象の区間に最も近い区間での履歴コードに基づいて、新たに検出されたコードが変換される。これにより、調性等を適切に推測することができるため、検出コードをテンションコードに適切に変換することができる。
(7)他の実施の形態
上記実施の形態では、各区間の使用コードが履歴コードとして記憶されるが、本発明はこれに限定されず、各区間の検出コードが履歴コードとして記憶されてもよい。この場合、前の区間の検出コードに基づいて、対象の区間の検出コードがテンションコードに変換される。検出コードと使用コードとの間で機能的な違いはほとんどない。そのため、使用コードの代わりに検出コードを参照した場合でも、各区間の検出コードの変換を適切に行うことができる。
上記実施の形態では、ユーザの演奏時(演奏データの取得時)に、リアルタイムでコードの検出および変換が行われるが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザの演奏の終了後に、取得済みの演奏データを用いてコードの検出および変換が行われてもよい。また、音楽データとして、演奏データの代わりに、曲の音高列を示す他のデータが用いられてもよい。例えば、音楽データとして、音符列を表す譜面データが用いられてもよい。その場合、譜面データからコードが検出されるとともに、検出されたコードがテンションコードに変換され、使用コードが決定される。
記憶装置13には、各区間の履歴コードが記憶されるのではなく、一部の区間の履歴コードのみが記憶されてもよい。例えば、新たな使用コードが決定される毎に、前の区間の履歴コードが消去されてもよい。ただし、新たな使用コードがドミナントコードである場合には、前の区間の履歴コードであってドミナントコード以外の履歴コードが消去されずに記憶されていることが好ましい。
コード検出装置100は、電子音楽装置1に限らず、パーソナルコンピュータまたはスマートデバイス(smart device)等の他の電子機器に適用されてもよい。
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることができる。
上記実施の形態では、コード検出装置100がコード検出装置の例であり、音楽データ取得部21が音楽データ取得手段の例であり、検出部22が検出手段の例であり、決定部26が決定手段の例であり、記憶部23が記憶手段の例であり、変換部25が変換手段の例である。
本発明は、ユーザの演奏からコードを検出するために有効に利用することができる。
1…電子音楽装置,2…演奏操作子,3…入力I/F,4…設定操作子,5…検出回路,6…表示部,8…表示回路,9…RAM,10…ROM,11…CPU,12…タイマ,13…記憶装置,14…通信I/F,15…外部記憶装置,16…音源,17…効果回路,18…サウンドシステム,19…バス,21…音楽データ取得部,22…検出部,23…記憶部,24…参照コード特定部,25…変換部,26…決定部,100…コード検出装置

Claims (6)

  1. 曲の音高列を表す音楽データを取得する音楽データ取得手段と、
    取得された音楽データから前記曲の各区間のコードを順次検出する検出手段と、
    前記曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定する決定手段と、
    検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶する記憶手段と、
    検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換する変換手段とを備え、
    前記決定手段は、変換後のコードを使用コードに決定する、コード検出装置。
  2. 前記変換手段は、前記検出された一の区間のコードおよび前記記憶された前の区間の履歴コードから長調か短調かの調性を推測し、推測された調性に適合するように、前記検出された一の区間のコードを変換する、請求項1記載のコード検出装置。
  3. 前記変換手段は、前記検出された一の区間のコードおよび前記記憶された前の区間の履歴コードに基づいて、使用可能な音階の種類を推測し、推測された音階の種類に適合するように、前記検出された一の区間のコードを変換する、請求項1または2記載のコード検出装置。
  4. 前記記憶手段は、少なくともドミナントコード以外のコードを含む1以上の履歴コードを記憶し、
    前記変換手段は、前記検出された一の区間のコードがドミナントコードである場合、前記記憶された1以上の履歴コードのうち、ドミナントコード以外のコードであって前記一の区間に最も近い区間の履歴コードに基づいて、前記検出された一の区間のコードを変換する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコード検出装置。
  5. 曲の音高列を表す音楽データを取得するステップと、
    取得された音楽データから前記曲の各区間のコードを順次検出するステップと、
    前記曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定するステップと、
    検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶するステップと、
    検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換するステップとを、
    コンピュータに実行させ、
    前記使用コードを決定するステップは、前記変換するステップにおける変換後のコードを使用コードに決定することを含む、コード検出プログラム。
  6. 曲の音高列を表す音楽データを取得するステップと、
    取得された音楽データから前記曲の各区間のコードを順次検出するステップと、
    前記曲の各区間において使用すべきコードを使用コードとして順次決定するステップと、
    検出されたコードおよび決定された使用コードの少なくとも一方を履歴コードとして記憶するステップと、
    検出された一の区間のコードを、記憶された当該一の区間より前の区間の履歴コードに基づいて、テンション音を含むコードに変換するステップとを含み、
    前記使用コードを決定するステップは、前記変換するステップにおける変換後のコードを使用コードに決定することを含む、コード検出方法。
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