JP6602942B1 - 反射体と集束体とを有する光学システム - Google Patents

反射体と集束体とを有する光学システム Download PDF

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Abstract

【課題】 集光力が大きく、容易かつ安価に製造することができる、中型以上の反射望遠鏡等に用いることが可能な光学システムを提供する。【解決手段】 光学システムは、反射体と、1つ又は複数の集束体と、受光部とを備える。反射体は、物体から放射された光を反射させる反射面を有し、反射された光を線状の焦点に集光させることができる。集束体は、反射体と反射体の線状の焦点との間に配置され、反射体によって反射された光を透過させることにより光を点焦点に集束させることができる。受光部は、集束体を透過する光の進行方向下流側に配置され、集束体を透過した光を受けることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、反射望遠鏡などに用いられる光学システムに関し、より具体的には、従来の反射望遠鏡に用いられるすり鉢状の放物面鏡に代えて、平板を一方向にのみ湾曲させた凹形状の反射面を有する主鏡を用いるとともに、この主鏡に1つ又は複数の柱状レンズを組み合わせた、容易かつ安価に作製することができる大集光力の光学システムに関する。
放物面反射鏡が用いられるニュートン式反射望遠鏡をはじめとして、これまで多くの改良型反射望遠鏡が開発されてきたが、主鏡として用いられる放物面反射鏡の研磨技術に要求される精度の高さとその作業工程の複雑さは、今日に至るまで変わるものではない。そのため、特に中大型の反射望遠鏡は高価なものになり、中型以上の反射望遠鏡を自製することは殆ど不可能である。大型の放物面反射鏡は、重量が数トンから数十トンにも及ぶため、重力による鏡面の変形が問題となり、その変形も観測する天体の高さにより異なる。したがって、鏡面の変形の補正は、スバル望遠鏡などの特殊な最新の制御システムが用いられるもの以外は不可能である。
中規模以上の反射望遠鏡は、技術的な観点及びコスト的な観点から、大掛かりな組織でなければ製作は困難である。そこで、莫大な資金を要する大集光力の反射望遠鏡を、従来の望遠鏡より廉価かつ簡便に、軽量で製作することが可能であれば、一般市民レベルでも中型以上の反射望遠鏡を所有したり、自作したりすることができる。
中大型の反射望遠鏡におけるこうした問題を解決する技術として、特許文献1に記載のシステムが提案されている。このシステムでは、2つの凹形状反射体が、それらの凹面が互いに対向するように配置されている。物体から放射された光線は、主鏡である第1の反射体によって、対向する第2の反射体の方向に反射される。第1の反射体からの光線は、第2の反射体によって反射される。第1の反射体及び第2の反射体は、それぞれ互いに対して直交する一方向に曲げられており、したがって、それぞれの線状焦点は、焦点で合体するようになっている。このシステムは、高コストの放物面反射鏡を用いるのではなく、薄いシート状の金属等から作製することができる凹形状反射体を用いるため、軽量かつ安価に構築することができるとされている。本出願の出願人もまた、特許文献2に開示されるように、特許文献1と同様の原理を用いた複合放射面式の望遠鏡を提案している。
特許文献3には、2つの柱状レンズを、それらの柱軸が互いに直行するように配置した光学装置が提案されている。この装置によれば、光軸に垂直な直交する2方向成分について独立に光の収斂及び発散を行うことができるため、縦及び横の倍率が異なる像を得ることができる。
特開2005−164881号公報 特開2010−15116号公報 特開昭57−204018号公報
特許文献1及び特許文献2に提案されている光学システムにおいては、以下のような課題がある。
まず、これらの光学システムにおいては、歪みのない最終的な像を得るためには、特許文献2に示されるように高度な光学計算を行った上で、その計算結果を実現する高精度の光学系を構築する必要がある。特に、第1の凹形状反射体によって反射された光を、歪みなく点焦点に合焦させるための第2の凹形状反射体の形状を計算し、その計算結果に合致した複雑な形状の第1の反射体及び第2の反射体を精度よく製作することは困難であり、この光学システムを実現した望遠鏡も、それによる撮影像も、いまだ得られていない。
次に、これらの光学システムの原理を実現した望遠鏡を製作するには、像を捉えようとする物体と第1の反射体との間において、複雑な形状の第2の反射鏡を歪みが生じないように中空に固定する必要がある。しかし、光学的形状を安定させた状態で第2の反射鏡を中空に固定するには、大規模で高価な構造を要する。
また、特許文献1及び特許文献2の光学システムでは、焦点を光学系の外部に配置することが難しい。特許文献1の光学システムでは、上述のように第1及び第2の反射体を傾斜させずに点焦点に合焦させるだけでも困難であるのに、これらの反射体をいずれも傾斜させた状態で光学系の外部に歪みのない結像を実現する光学系の計算及び設計は、きわめて難しい。特許文献2の光学システムでは、第1の反射体に第2の反射体から反射された光の経路を設ける必要があるため、作製が難しく、高コストである。
さらに、特許文献1及び特許文献2の光学システムにおいて、最終的な像に縦又は横方向の歪みが生じる場合に、その補正を行うためには、第1の反射体と第2の反射体との間に屈折体を配置する必要があるため、光学系の構造が複雑となる。
特許文献3に提案される光学装置は、柱軸が互いに直交する2つの柱状レンズを用いて、縦及び横の倍率が異なる像を得ることができるとされている。この光学装置は、例えばいずれかの方向のスペクトルを広げるなどといった目的で用いることができると推測される。しかし、この光学装置のように主鏡として柱状レンズを用いると、遠方の物体を結像させるために主鏡のサイズを大きくした場合には重量が大きくなるため、この光学装置は、中型以上の望遠鏡に採用することが難しい。
本発明は、集光力が大きく、容易かつ安価に製造することができる、中型以上の反射望遠鏡等に用いることが可能な光学システムを提供することを課題とする。
本発明は、光学システムを提供する。光学システムは、反射体と、1つ又は複数の集束体と、受光部とを備える。反射体は、物体から放射された光を反射させる反射面を有し、反射された光を線状の焦点に集光させることができる。集束体は、反射体と反射体の線状の焦点との間に配置され、反射体によって反射された光を透過させることにより光を点焦点に集束させることができる。集束体は、1つであっても複数であってもよい。受光部は、集束体を透過する光の進行方向下流側に配置され、集束体を透過した光を受けることができる。
一実施形態においては、反射体は、一方向にのみ湾曲した凹形状の反射面を有する。反射面は、放物柱面、双極柱面、楕円柱面、及び円柱面からなる群から選択されるいずれかの形状を有することが好ましい。
一実施形態においては、1つ又は複数の集束体は、平凸形状の柱状レンズ若しくは両凸形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせを含むものとすることができる。別の実施形態においては、集束体が複数の柱状レンズから構成されたものとした場合には、複数の柱状レンズは、平凸形状の柱状レンズ若しくは両凸形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせに加えて、平凹形状の柱状レンズ若しくは両凹形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせを含むものとすることもできる。
一実施形態において、集束体が複数の場合に、複数の集束体は、光の進行方向上流側に配置された上流側集束体と、当該上流側集束体を透過した光の歪みを補正するための下流側集束体とを含むものとすることができる。
本発明によれば、第1の反射鏡による反射光を柱状レンズを用いて合焦させればよく、像を得るための複雑な光学計算が不要であり、第1の反射鏡として高度な研磨技術を要する高価なすり鉢型の放物面鏡を用いないため、中型以上の反射望遠鏡でも容易かつ安価に製作することができる。
また、本発明によれば、第2の反射鏡として曲面形状の複雑な凹状反射鏡を用いる必要がなく、ガラスや樹脂を用いて作製することが可能な安定した光学的形状を有する柱状レンズを集光体として用いることができるため、集光体を簡単な構造物によって容易に中空に固定することができる。
さらに、本発明の光学システムにおいては、従来のニュートン型望遠鏡と同様に、焦点を容易に光学系の外部に配置することができるため、接眼鏡や受光素子などの光学機器を追加しやすい。
さらに、本発明によれば、第1の反射鏡を軽量に作製することができるため、重力による鏡面歪みを軽減することができ、発生した歪みも、柱状レンズ等を用いて容易に補正することができる。
本発明の一実施形態による光学システムの構成を示す模式図である。 図1の光学システムをX軸方向からみた図であり、主鏡の位置を原点として、柱状レンズ、スクリーン及び物体の位置と、主鏡及び柱状レンズの焦点の位置との関係を示す図である。 本発明の一実施形態による光学システムを用いて、遠方に配置した物体(文字A)をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、物体として用いた文字Aである。 本発明の一実施形態による光学システムを用いて、遠方に配置した物体(文字A)をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、図3Aの文字Aの投影像である。 本発明の一実施形態による光学システムを用いて、図3の場合より近い位置に配置した物体(文字A)をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、物体として用いた文字Aである。 本発明の一実施形態による光学システムを用いて、図3の場合より近い位置に配置した物体(文字A)をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、図4Aの文字Aの投影像である。 本発明の一実施形態による光学システムにおいて、物体の位置とスクリーンの位置との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態による光学システムにおいて、物体の位置と柱状レンズの位置との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態による光学システムにおいて、スクリーンの位置と柱状レンズの位置の差と、物体の位置との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態による光学システムにおいて、物体をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、横方向の歪みを補正する補正用柱状レンズを用いたときの文字Aの投影像である。 本発明の一実施形態による光学システムにおいて、物体をスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、補正用柱状レンズを用いないときの投影像(図3(b)の再掲)である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光学システムOSの構成を示す模式図である。図1においては、図中に示されるとおり、紙面の左右方向の軸をy軸、y軸に垂直な紙面の上下方向の軸をz軸、y軸及びz軸に垂直な方向の軸をx軸とする。光学システムOSは、物体Kからの光を反射させる主鏡M(反射体)と、主鏡Mから反射された光の光軸上に配置され、主鏡Mによって反射された光を透過させる柱状レンズL(集束体)とを含む。物体Kからの光は、物体Kにおいて反射された光であっても物体Kから放出された光であってもよく、可視光であっても可視光以外の電磁波であってもよい。光学システムOSは、さらに、柱状レンズLを透過した光を受けるスクリーンS(受光部)を含む。
図1の光学システムOSにおいては、主鏡M及び柱状レンズLとスクリーンSとがy軸上において直線上に配置されているが、このような配置に限定されるものではなく、例えば、主鏡Mと柱状レンズLとがy軸上に配置されており、柱状レンズLを通過した光をy軸に配置された斜鏡を用いて側方に取り出し、側方に配置されたスクリーンSで受光するようにしてもよい。
[本発明にかかる光学システムの構成]
(主鏡)
主鏡Mは、一方向にのみ(すなわち、図1のy軸方向にのみ)に湾曲した凹形状の反射面12を有しており、この反射面12は、物体Kからの光を反射させることができる。反射面12の凹形状は、限定されるものではないが、放物柱面、楕円柱面、円柱面、双極柱面などの形状とすることができ、y軸状の1点に焦点を結ぶことができることに加えて、収差がないことから、放物柱面とすることがより好ましい。ただし、本発明においては、主鏡による収差が生じても、適切に選択された複数の補正用柱状レンズを配置することによって収差を吸収させることができるため、反射面12の凹形状として放物柱面以外の形状を採用することも比較的容易である。反射面12の形状が放物柱面を有する主鏡Mの場合には、例えば、一枚の鏡面板を、反射面12となる鏡面を内側にして、放物線y=ax(aは定数)に沿ってy軸方向にのみ湾曲させることにより、作製することができる。例えば、放物線y=axに沿って湾曲させた主鏡Mの場合には、その放物線の焦点はy=1/(4a)であるため、例えば図1のスクリーンSを主鏡Mの焦点の位置に配置するものとすれば、その位置からaを決定し、主鏡Mの反射面12の形状を設計することができる。
主鏡Mは、凹形状の反射面12によって反射された光を、y軸方向のいずれかの位置において線状の焦点に集光させることができる。なお、主鏡Mの反射面とは反対側の部分の形状は、特に限定されるものではない。主鏡Mは、例えばこの光学システムを用いて望遠鏡を実現する場合には、適切な支持具等を用いて、望遠鏡を構成する鏡筒の内部に固定すればよい。
主鏡Mの大きさは、限定されるものではなく、観測される物体との距離や必要とされる集光力などの条件に応じて、適宜決定することができる。主鏡Mの反射面12として用いることができる材料は、限定されるものではないが、熱膨張による変形が少なく加工しやすいものであることが好ましく、用途や許容される重量などの条件に応じて、アルミニウム、ステンレス、ガラス、樹脂などを適宜用いることができる。ガラスや樹脂を用いる場合には、これらの材料を基材とし、その表面に金属を蒸着したり鏡面板を貼り付けたりすることによって、反射面12を形成することができる。反射面12は、汎用の数値制御工作機械などを用いて形成された型に基づいて、作製することができる。主鏡Mを形状記憶合金で作製すれば、例えばロール状に巻いた主鏡Mをロケットに搭載して衛星軌道までで運搬し、軌道上で展開することによって、巨大な宇宙望遠鏡を構築することもできる。
(柱状レンズ)
柱状レンズLは、x軸方向に延びる柱軸22を有し、主鏡Mの湾曲方向(y軸方向)に凸形状を有する柱状レンズとすることができ、y軸方向において主鏡Mと主鏡Mの線状焦点との間に配置される。柱状レンズLは、その柱軸22の方向(x軸方向)が主鏡Mの湾曲方向(y軸方向)と直交するように配置され、したがって、主鏡Mによって反射された光を柱軸22に垂直な方向から透過させることによって、点焦点に集束させることができる。
柱状レンズLの形状は、限定されるものではないが、主鏡Mの反射面12に対向する側面が平面で、その反対側の側面が凸面である平凸形状の柱状レンズ、又は、主鏡Mの反射面12に対向する側面もその反対側の側面も凸面となった両凸形状の柱状レンズを、必要とされる焦点距離に応じて適宜選択して用いることができる。焦点距離を長くする場合には平凸形状の柱状レンズを用いることが好ましく、焦点距離を短くする場合には両凸形状の柱状レンズを用いることが好ましい。また、柱状レンズLとして、シリンドリカルフレネル面を有するレンズを用いることによって、より軽量かつ安価に大型の望遠鏡を製造できるようにすることも可能である。柱状レンズLは、例えばこの光学システムを用いて望遠鏡を実現する場合には、鏡筒の内部において光軸方向に延びるように設置されたレール上に移動可能に支持されることが好ましい。
柱状レンズLの数は、1つに限定されるものではなく、複数であってもよい。例えば、主鏡Mの反射面12の形状や最終的に必要となる像の用途等に応じて、複数の柱状レンズ群L〜Lをy軸上に配置し、主鏡Mから最も遠位のレンズLを透過した光が点焦点に集光されるように構成することができる。
また、例えば、主鏡Mによって生成される像と1つの柱状レンズLによって生成される像との間で、横方向と縦方向の倍率が異なることによって歪みが生じる場合に、柱状レンズL(すなわち、主鏡Mの反射光の進行方向上流側)の後方(すなわち、主鏡Mの反射光の進行方向下流側)に別の柱状レンズL’を配置することによって、歪みを補正することができる。この用途で用いられる柱状レンズL'として、例えばx軸方向の歪みを補正したい場合には、柱状レンズLのx軸方向の柱軸22と直交する方向の柱軸、すなわちz軸方向の柱軸を有する柱状レンズを用いることができる。また、別の柱状レンズL’として、例えばz軸方向の歪みを補正したい場合には、柱状レンズLのx軸方向の柱軸22と平行な方向の柱軸、すなわちx軸方向の柱軸を有する柱状レンズを用いることができる。
柱状レンズ群L〜Lとして用いられる場合には、レンズ群L〜Lは、すべてが平凸形状の柱状レンズであってもよく、すべてが両凸形状の柱状レンズであってもよく、1つ又は複数の平凸形状の柱状レンズと1つ又は複数の両凸形状の柱状レンズとが適宜組み合わされたものであってもよい。また、柱状レンズ群L〜Lは、複数の平凸形状の柱状レンズ若しくは複数の両凸形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせに加えて、1つ又は複数の平凹形状の柱状レンズ、若しくは1つ又は複数の両凹形状の柱状レンズ、又はこれらを組み合わせたレンズ群を含んでいてもよい。平凹形状の柱状レンズ及び/又は両凹形状の柱状レンズは、平凸形状の柱状レンズ及び/又は両凸形状の柱状レンズと、その柱軸の方向(すなわちx軸方向)が平行になるように配置される。
柱状レンズLの大きさは、限定されるものではないが、軽量化の観点からできるだけ小さくすることが好ましい。柱状レンズLの高さ(すなわち、Z軸方向の長さ)は、主鏡Mの高さ(Z方向の長さ)に応じて定めることができる。柱状レンズLの材料としては、特に限定されるものではなく、用途や許容される重量などの条件に応じて、ガラスや樹脂を適宜用いることができる。
(スクリーン)
スクリーンSは、柱状レンズL又は柱状レンズ群L〜Lを透過する光の進行方向下流側に配置され、柱状レンズL又は柱状レンズ群L〜Lを透過した光を受けることができる。図1においては、受光部の一例としてスクリーンSが用いられているが、これに限定されるものではなく、スクリーンSの位置に配置されたCCD、CMOSなどの撮像素子や接眼鏡などとすることができる。スクリーンSは、例えばこの光学システムを用いて望遠鏡を実現する場合には、鏡筒内において光軸方向に延びるように設置されたレール上に移動可能に支持されることが好ましい。
[本発明に係る光学システムの設計]
次に、本発明に係る光学システムを設計する方法を説明する。図2は、図1の光学システムをx軸方向からみた図であり、図の左右方向に延びる軸がy軸、図の上下方向に延びる軸がz軸である。図2においては、主鏡Mの位置を原点Oとして、柱状レンズL、スクリーンS及び物体Kのy軸上の位置と、主鏡Mの焦点のy軸上の位置yFM及び柱状レンズLの焦点のy軸上の位置yFLとの関係が示されている。ここで、本発明に係る光学システムを設計するためには、ある焦点距離の主鏡Mと柱状レンズLとを用いたときに、物体Kの位置yに対して、柱状レンズLの位置y及びスクリーンの位置yを決める必要がある。
物体Kから放射され図2の右方向から主鏡Mに入射した光は、主鏡Mの凹形状の反射面12(図2の例では、y=axの放物線に沿って湾曲した面)で反射される。反射された光は、放物線y=axの焦点y=1/(4a)=yFMの位置で、z軸方向に延びる線状の焦点を結ぶことになる。この線状の焦点と反射面12との間y=yの位置に柱状レンズLを配置すると、反射面12からの光は、柱状レンズLによってz軸方向に収縮し、y=yFLの位置に点状に焦点を結ぶ。
ここで、主鏡Mのy軸上の焦点1/(4a)と柱状レンズLの端部とを結ぶ光路が主鏡Mと交わる点のx軸上の位置をx’とし、柱状レンズLと主鏡Mの焦点との距離をf(=柱状レンズLの焦点距離)、y軸と柱状レンズLの端部との間の距離(=柱状レンズLの柱軸に平行な長さの1/2)をαとすると、
α/f=x'/(1/4a)
であるので、x'は、
x'=α/4af
となる。したがって、集光力を上げるためにはx’を大きくすることになり、x’を大きくするためには、a及びfが小さく、αが大きくなるように、主鏡M及び柱状レンズLを設計することになる。
一般に、焦点距離fの凸レンズを用い、物体を凸レンズの焦点距離fより遠くに置いた場合、焦点距離fの凸レンズによる倍率mは、物体から凸レンズまでの距離をaとし、凸レンズから像までの距離をbとすると
で表される。この倍率の計算に従えば、図2に示される主鏡M及び柱状レンズLの配置の場合には、x方向の倍率mは、主鏡Mの位置y=O、スクリーンSの位置y、物体Kの位置y、及び主鏡Mの焦点位置yFMを用いて、
と表すことができる。また、z方向の倍率mは、柱状レンズLの位置y、スクリーンの位置y、物体Kの位置y、柱状レンズLの焦点位置yFLを用いて、
と表すことができる。
(2)式及び(3)式から、
ここで、柱状レンズLの焦点距離をfとすると、柱状レンズLの焦点位置yFL=y+fであるので、(4)の左辺は、
となる。(5)式をyについてまとめると、
となるので、(6)式からyを求めると、
となる。(7)式のAを(4)式を用いて戻すと、以下の式が得られる。
ここで、xが1より十分に小さいときには、以下の近似式、
が成立することを利用すると、物体Kが十分に遠方にあるとき(y>>yFM)には、
となり、柱状レンズLの位置は、物体Kの位置に依存せず、主鏡Mの焦点位置yFMと柱状レンズLの焦点距離fのみで決まる。また、物体Kが十分に遠方にあるときには、入射光は平行光なので、スクリーンSに像が映るようにするためには、
となる。
ここで主鏡Mとしてステンレス製の鏡面平板(100mm×300mm)をy=axの放物線に沿って湾曲させたものを用い、柱状レンズLとして柱軸長さ14mm×厚み14mm×高さ58mm、焦点距離f=65mm、透明樹脂製の両凸形状のものを用いて、実験を行った。主鏡Mの焦点位置yFM=1/(4a)=165mmの放物面形状のものを用いた場合には、(10)式から、スクリーンSの位置yは165mmとなる。また、(9)式から、柱状レンズLの位置yは100mmとなる。主鏡Mの位置をy=0mmとし、柱状レンズLをy=100mmの位置に、スクリーンSをy=165mmの位置にそれぞれ配置したときに、100m先の屋外の景色の倒置像をスクリーンSに投影することができた。
次に、物体Kとして文字Aを準備し、距離y=2000mmの位置に配置した。主鏡M、柱状レンズLの条件は上記と同じである。スクリーンSの位置は、(4)式より、y=180mmとなる。また、柱状レンズLの位置は、(8)式より、y=113mm
となる。図3は、文字Aをスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、図3Aは物体として用いた文字A、図3Bは文字AのスクリーンS上の投影像である。文字Aのサイズは、横280mm、縦210mmとした。スクリーンS上の像は、上下が逆さまに投影されており、スクリーン上の文字Aのサイズの実測値は、横22mm、縦6mmであった。スクリーンS上では、文字Aが変形されて(横方向に広がって)投影されたことが分かる。
さらに、物体Kとして文字Aを準備し、距離y=730mmの位置に配置した。主鏡M、柱状レンズLの条件は上記と同じである。スクリーンSの位置は、(4)式より、y=213mmとなり、柱状レンズLの位置は、(8)式より、y=143mmとなる。図4は、文字Aをスクリーンに投影したときの実験を示す写真であり、図4Aは物体として用いた文字A、図4Bは文字AのスクリーンS上の投影像である。この場合も、図3の場合と同様に、スクリーンS上では文字Aが変形されて投影された。
図5は、(4)式及び(8)式をグラフとして表した図を示す。図5Aは、(4)式において主鏡Mの焦点位置yFMを定めたときの物体Kの位置yとスクリーンSの位置yとの関係を示すグラフであり、縦軸はy(目盛の範囲は100mm〜300mm)、横軸はy(目盛の範囲は0mm〜30000mm)を表す。また、図5Bは、(8)式において主鏡Mの焦点位置yFM及び柱状レンズLの焦点距離fを定めたときの物体Kの位置yと柱状レンズLの位置yとの関係を示すグラフであり、縦軸はy(目盛の範囲は100mm〜150mm)、横軸はy(目盛の範囲は0mm〜30000mm)を表す。スクリーンS及び柱状レンズLはいずれも、物体Kが遠方にあるときには一定の位置に配置されればよい。また、図6には、物体Kの位置yを横軸とし、スクリーンSの位置yと柱状レンズLの位置yとの差(y−y)を縦軸としたグラフであり、縦軸はy−y(目盛の範囲は60mm〜75mm)、横軸はy(目盛の範囲は0mm〜30000mm)を表す。図6より、差は、物体Kが遠方にあるときには約65mmに漸近し、この値は柱状レンズLの焦点距離に等しいことがわかる。柱状レンズL及びスクリーンSの図5及び図6に示される位置関係は、例えば、柱状レンズL及びスクリーンSをそれぞれ別個に移動させるモータを用い、これらのモータを電子制御することによって実現することができる。
上述のとおり、図3に示された例、すなわち距離y=2000mmの位置に文字Aを配置した例において、スクリーンS上では文字Aが変形されて投影された。この変形された投影像Aの、文字Aに対する倍率m及びmの値は、(2)、(3)式を用いて計算すれば、
=180/2000=0.09倍
=(180−113)/(2000+113)=0.0317倍
となる。したがって、計算によって求められる像の大きさは、
横 280mm×0.09=25.2mm
縦 210mm×0.0317=6.66mm
となり、実測値とほぼ一致する。物体Kが十分に遠方にある場合(y=∞)には、物体Kのx方向の倍率mとy方向の倍率mとの比は、
であるため、スクリーンS上の投影像の歪みは、スクリーンS及び柱状レンズLの位置で決まる。
スクリーンS上の投影像の歪みは、柱状レンズLの後段(すなわち、光の進行方向下流側)に、さらに別の凸形状の柱状レンズL’を配置することによって、投影像の縦横比が物体Kの縦横比と同じになるように容易に補正することができる。この柱状レンズL’は、柱状レンズLの柱軸22と直交する方向の柱軸を有する柱状レンズであり、(1)式においてm<1となる条件で設置すればよい。図7Aは、柱状レンズLのスクリーンS側に、柱状レンズL’を、その柱軸が柱状レンズLの柱軸22と直交する向きになるように配置した場合のスクリーンS上の投影像である。このときの柱状レンズL’は、中軸長さ25mm×厚み9mm×高さ40mm、焦点距離50mmの両凸形状のレンズを用い、このレンズを主鏡Mから120mmの位置に配置した。図7Aの投影像は、図7Bに示される投影像(図3Bの再掲)に対して、横方向に圧縮されたことがわかる。
M 主鏡
L、L’、L” 柱状レンズ
〜L 柱状レンズ群
S スクリーン
K 物体
12 主鏡Mの反射面
22 柱状レンズLの柱軸
主鏡Mのy軸上の位置
柱状レンズLのy軸上の位置
FM 主鏡Mの焦点のy軸上の位置
FL 柱状レンズの焦点のy軸上の位置
スクリーンSのy軸上の位置
物体Kのy軸上の位置


Claims (3)

  1. 物体からの光を反射面で反射させるとともに、反射された光を線状の焦点に集光させることができる、反射体と、
    前記反射体と前記反射体の線状の焦点との間に配置され、前記反射体によって反射された光を透過させることにより光を点焦点に集束させる、集束体と、
    前記集束体を透過する光の進行方向下流側に配置され、前記集束体を透過した光を受ける、受光部と
    を備え、
    前記集束体は、平凸形状の柱状レンズ若しくは両凸形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせと、平凹形状の柱状レンズ若しくは両凹形状の柱状レンズ又はこれらの組み合わせとを含む、
    光学システム。
  2. 前記反射体は、一方向にのみ湾曲した凹形状の反射面を有する、請求項1に記載の光学システム。
  3. 前記反射面は、放物柱面、双極柱面、楕円柱面、及び円柱面からなる群から選択されるいずれかの形状を有する、請求項に記載の光学システム。
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