JP6602548B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
例えば、第1の従来例としてのWO2012/063816号公報は、移動レンズを配置した移動レンズ枠の外周面をレンズ枠の内周面に対して摺動して光軸方向に移動させるためのアクチュエータとして、加熱による高温側で(加熱前の伸張状態から)収縮する形状記憶合金ワイヤと、移動レンズ枠を第1の観察位置と第2の観察位置にそれぞれ配置させる付勢力に持つように設定した第1及び第2の弾性部材と、を備えた内視鏡用撮像装置を開示している。
一方、第2の従来例としての特開2007−101634号公報は、ベース、該ベースに固定されたモータ等の駆動源、該駆動源により回転駆動されるリードスクリュー、移動レンズを保持するレンズ枠、前記ベースに固定され、前記レンズ枠を光軸方向に移動自在に支持するシャフト、前記リードスクリューに螺合すると共に光軸方向において前記レンズ枠に回転不能に当接するナット、該ナットを前記レンズ枠に向けて付勢する付勢部材、を備え、前記付勢部材が前記レンズ枠を光軸に垂直な面内において回転付勢するレンズ駆動装置を開示している。この従来例は、付勢部材を形成するコイルスプリングがナットを前記レンズ枠に向けて付勢すると共に、所定角度捩った状態で取り付けたコイルスプリングによる捩りによる付勢力がレンズ枠を回転付勢する付勢力として作用させることにより、レンズ枠のガタツキを防止できるようにしている。
しかし、このレンズ駆動装置は、光ピックアップ装置等に使用されることを想定したものであり、内視鏡の先端部に組み込むと先端部の外径が大きくなってしまうため、内視鏡の先端部に搭載することは実質的にできない。
このため、先端部を細径にでき、しかも対物光学系を含む撮像装置の光学性能の低下を防止できる撮像装置が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、先端部を細径にでき、対物光学系を含む撮像装置の光学性能の低下を防止できる撮像装置を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
図1に示すように内視鏡装置1は、本発明の第1の実施形態の撮像装置が設けられた内視鏡2と、この内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2に搭載された撮像装置に対する信号処理を行う信号処理装置としてのビデオプロセッサ4と、内視鏡画像を表示する表示装置としてのカラーモニタ5とから構成される。
内視鏡2は、被検体内に挿入される細長の挿入部6と、この挿入部6の後端(基端)に設けられた操作部7と、この操作部7から延出されたユニバーサルコード8と、このユニバーサルコード8の端部に設けられた、内視鏡コネクタ9とを有する。
内視鏡コネクタ9は、光源装置3に着脱自在に接続されることにより、光源装置3から照明光が内視鏡2内の図示しないライトガイドに供給される。
上記挿入部6は、先端に設けられた硬質の先端部11と、この先端部11の後端に設けられた湾曲自在の湾曲部12と、湾曲部12の後端から操作部7の前端まで延びる可撓性を有する可撓管部13と、により構成される。先端部11の先端面には、観察窓15と、複数の照明窓16(図1では1つのみ示す)と、処置具チャンンネル17(図2参照)の先端開口17aと、図示しない洗浄用ノズルが設けられている。
観察窓15の内側(背面側)には、図2に示すように先端部11内に設けた撮像装置30が配設される。各照明窓16には照明レンズが取り付けられ、光源装置3からの照明光を図示しないライトガイドにより伝送された照明光を、(照明レンズを介して)先端面の前方側に出射し、撮像装置30による視野範囲となる被検体内の観察対象部位を照明する。
なお、操作部7の処置具挿入口18bは、その内部において、挿入部6内に挿通された処置具チャンネル17と連通し、先端部11において先端開口17aにおいて開口している。
また、撮像装置30の先端側の外周部には、水密用のOリング28が配設されている。また、先端硬性部材25の先端を覆うように、先端部11の先端面を形成する先端カバー25aが接着固定されている。
なお、先端カバー25aに設けられた先端開口17aは、上述したように、先端部11内の処置具チャンネル17の先端側の開口部を形成する。
また、先端硬性部材25の外周および湾曲部12内の湾曲駒26を一体的に被覆するゴム部材12aが設けられ、このゴム部材12aは、先端部11と湾曲部12の外装部材を形成している。
次に、図3Aから図7を参照して先端部11内に設けた撮像装置30の構成について、以下に詳しく説明する。図3A、図3B、及び図3Cは、移動レンズ31bを最も前方側に移動した広角(WIDE)状態、中間の移動状態及び最も後方側に移動した望遠又は近接(TELE)状態での撮像装置30の構成をそれぞれ示し、図4及び図5は、図3AにおけるA−A線及びB−B線断面によりコイルバネ61の両端の係止部(又は固定部)を示し、図6は圧縮したバネ61に対して所定の回転付勢力を発生する状態に設定する場合の説明図を示し、図7はバネ61の前側端部をネジ63により固定する例を示す。
図3A等に示す撮像装置30は、先端部11における貫通孔内に配設された(対物光学系31を備えた)光学ユニット32と、対物光学系31により結像される光学像を受光し、電気信号に変換する撮像ユニット33とから主要部が構成されている。
光学ユニット32は、先端側から順に、(複数のレンズからなる)前群レンズ31aを保持した第1の保持枠34と、この第1の保持枠34が先端側部分に連結するように固定された第2の保持枠35と、この第2の保持枠35の後端に連結するように固定された第3の保持枠36と、前記第2の保持枠35本体となる保持枠円筒部35aの内周面に略嵌合して、対物光学系31の光軸Oに沿って移動自在となる移動枠37と、を備える。
また、第2の保持枠35本体となる保持枠円筒部35a内において、移動枠円筒部37aが光軸Oの方向に沿って円滑に移動自在となるように保持枠円筒部35aの外径は移動枠円筒部37aの外径より僅かに大きくし、両面の間に小さなクリアランス39を設けている。
このクリアランス39のために、移動枠37を光軸Oの方向に移動した場合、移動枠37は光軸Oと垂直な方向に、クリアランス39分だけ、位置が定まらず、がたつくことが発生し、対物光学系31の光学特性が低下する。
上記対物光学系31は、第1の保持枠34により保持される前群レンズ31aと、第2の保持枠35の内周面に嵌合して移動自在の移動枠37に保持された例えば凹レンズからなる移動レンズ31bと、この移動レンズ31bの後方側に配置される後群レンズ31cと、から構成され、移動レンズ31bは対物光学系31の光軸O上に沿って移動自在に配置される。
これらの保持枠34,35,36及び移動枠37は、例えば、ステンレス鋼等で形成されている。また、保持枠34,35,36は、先端部11の貫通孔に固定された状態で対物光学系31における移動レンズ31b以外を保持する固定枠ユニット40を形成する。
第3の保持枠36の後端は、撮像ユニット33を構成する固体撮像素子チップ41を保持する素子枠42の前端部分に嵌入して接着固定される。
撮像ユニット33は、先端側から素子枠42と、素子枠42に固定されるカバーガラス,ガラスリッド等の光学部材43,44と、撮像面(又はイメージエリア)41aが前面に設けられ、撮像素子を構成する固体撮像素子チップ41と、出力信号のインピーダンス変換等の信号処理を行う図示しない電子部品などが搭載された積層基板45と、を備える。
固体撮像素子チップ41と積層基板45は、図示しないFPC(フレキシブルプリント回路基板)などにより電気的に接続されている。また、積層基板45は、ケーブル46を形成する複数の信号線と接続されている。
固体撮像素子チップ41の撮像面41aを保護する光学部材44は、紫外線硬化型接着剤等により撮像面41aに接着固定されている。
上記ケーブル46は、内視鏡2の内部に挿通され、ユニバーサルコード8および接続ケーブル10を介して、ビデオプロセッサ4と電気コネクタ10aによって、電気的に接続される。
また、素子枠42の基端外周部には、補強枠47が設けられ、この補強枠47の外周にケーブル46の先端部分までを被覆する熱収縮チューブである被覆部材48が設けられている。
次に移動枠37を移動する駆動部材50と、移動枠37を移動させた場合において可動範囲L(図3B参照)全域において、移動レンズ31bによるガタツキを防止するように(位置決めするように)付勢する回転付勢手段と、に関係する構成を説明する。
駆動部材50は、移動枠凸部37bを押圧して移動させる金属などの硬質棒体の部材であるロッド53と、このロッド53の基端側に接続された駆動ワイヤ54と、を有している。
なお、駆動ワイヤ54は、ロッド53の基端部分に形成された穴部に先端が挿入され、接着剤などにより、ロッド53に固着されている。
また、駆動部材50は、この駆動部材50のロッド53等の先端部材の移動をガイドするガイド管51の基端部51cに(外嵌されて)接続された金属性のカバー部材であるカバー管55を有し、このカバー管55内に駆動ワイヤ54が進退移動自在に挿通されている。このカバー管55の後端には、シース56の先端が固定されている。
上記貫通孔36cは、光軸Oに平行な方向に沿って形成されており、ガイド管51内に挿入されたロッド53も、光軸Oと平行な方向を進退方向(第1の方向とも言う)Cとして、進退方向Cに沿って直線的に移動自在となる。例えば図3Aに示すようにロッド53の中心軸に沿った進退方向Cは、光軸Oから距離dの位置に設けられている。
駆動ワイヤ54は、シース56、ブレード57および熱収縮チューブ58に覆われた状態で、挿入部6および操作部7の内部に挿通するように配置される。駆動ワイヤ54は、図1に示した操作部7の操作レバー24の操作によって、押し引きされ(進退方向Cに進退移動され)る。
また、カバー管55の先端寄りの外周位置には、シース56の抜け止め用のリング部材55aが設けられている。
そして、術者等の内視鏡2のユーザは、図1の操作部7に設けた操作レバー24を回動する操作を行うことにより駆動ワイヤ54を進退移動することができ、進退移動により駆動ワイヤ54の進退移動と共に、駆動部材50の先端側のロッド53が光軸Oに平行な進退方向(第1の方向)Cに移動し、またロッド53の先端の進退移動に応じて移動枠凸部37bも進退方向(第1の方向)Cに移動する。
なお、本実施形態においては、以下に説明するように(螺旋形状又は)コイル形状のバネ61を、移動枠凸部37bの前側に、(バネ61の長手方向に)圧縮した状態に配置(設定)し、このバネ61により移動枠凸部37bを(ロッド53が進退移動する進退方向C又は第1の方向に沿った)後方側に押圧するように付勢する。
このバネ61を、例えば図3Aに示すように対物光学系31の光軸Oから距離dとなり、上記進退方向Cに沿って配置している。距離dは、第2の保持枠35の保持枠円筒部35aの外径から駆動部材50における駆動ワイヤ54を進退方向Cに移動自在に配置する管状部材の半径程度、離間した距離となり、駆動部材50及びバネ61は、光軸Oに近い距離dの位置に設けている。そして、バネ61を設けた場合においても、先端部11を細径にできる構成にしている。
図3A〜図3Cに示すように第2の保持枠35は、移動枠本体となる移動枠円筒部37aが、光軸Oの方向に移動自在に内設される保持枠円筒部35aと、光軸Oと垂直な半径方向外側に突出するように設けられた(固定枠凸部を形成する)保持枠凸部35bとを有する。この保持枠凸部35bには、上記駆動部材50の中心軸(つまり進退方向C)上に沿った位置を中心とした貫通孔35cが設けられている。
なお、本実施形態においては、凹レンズを用いて移動レンズ31bを構成した具体例を示しているが、このような場合に限定されるものでなく、凸レンズを用いて移動レンズ31bを構成しても良い。この場合には、図3Aのように前方側に移動した場合が望遠の状態、図3Cのように後方側に移動した場合が広角の状態になるように対物光学系31が設計される。
また、上記移動枠凸部37bの貫通孔35cに(光軸Oと平行な方向に)対向する移動枠凸部37bにも、貫通孔35cの内径に等しい内径を有する凹部37cが設けられ、貫通孔35c及び凹部37c内に、(無負荷状態から)長手方向に圧縮し、かつ回転的に付勢した状態(圧縮&回転付勢状態)のバネ61を収納(配置)するようにしている。貫通孔35cと凹部37cは、圧縮&回転付勢状態のバネ61を配置(収納)するバネ配置部(バネ収納部)を形成する。
図3A〜図3Cに示す具体例においては、一端61aは、バネ61の長手方向に直線状に延出させた折り曲げ部となり、他端61bは、バネ61の長手方向に垂直な面におけるバネ61の中心軸方向に直線状に延出させた折り曲げ部となっている。
移動枠凸部37bに設けた凹部37cには、上記一端61aが挿入されることにより、一端61aを移動枠凸部37bに係止する、係止用の孔37dが設けてある。この係止用の孔37dは、このバネ61の線径よりも若干大きな内径の孔であり、バネ61の一端61aを移動枠凸部37bに係止する第1の係止部を形成する。
図5は、横断面図により、係止用の孔37dにより一端61aを係止(固定)する様子を示す。図5に示すように孔37dは、コイル形状の(圧縮)バネ61の中心(つまり進退方向C)からバネ61の半径距離r程度だけ離間したコイル状に巻回された円周方向上の位置(図5では上部位置)に設けられている。
図4は、横断面図により、ストッパ62のスリット62aにより他端61bを係止(固定)する様子を示す。
ストッパ62は、貫通孔35cに嵌合する円柱部の後端に段差状の小径部62bが設けられ、この小径部62bに直径を通るようなスリット62aが形成されている。
このスリット62aの溝幅は、バネ61の線径より若干大きなサイズに設定され、このスリット62a内にバネ61の他端61bが収納されることにより、実質的にバネ61の他端61bが固定される。
また、図3A〜図3Cに示すようにストッパ62は、ストッパ62の円柱部の前端に貫通孔35cの内径より大きい外径のフランジ部が設けられ、このフランジ部の前端面に、バネ61の回転付勢力を調整して所定の回転付勢力の状態で固定する操作を行い易くする凹部62cが設けてある。
このため、バネ61が発生する付勢力は、バネ61の後端側端部が係止(固定)された移動枠凸部37b側に作用する。
上記のようにバネ61をその長手方向に圧縮したことにより、長手方向に伸張する方向に付勢する付勢力は、図3Cにおいて移動枠凸部37bを後方側に押圧して、移動枠37を可動範囲Lの後端に設定するように付勢する第1の付勢力F1を発生する。
第1の方向Cに沿って後方側に付勢する第1の付勢力F1により、移動枠凸部37bを後方側に押圧移動して、可動範囲Lの後端まで移動させるようにバネ61の圧縮量が設定される。
このように図3A〜図3Cに示すバネ61の状態としての圧縮&回転付勢状態においては、バネ61は、長手方向に圧縮された状態の圧縮バネの機能により、可動範囲Lの全域において移動枠凸部37bを、第1の方向Cに沿って後方側に付勢する。
また、図1に示す操作レバー24を回動させて、駆動ワイヤ54を前方側に押し出し、圧縮されたバネ61の第1の付勢力F1よりも大きい押圧力を、ロッド53を介して移動枠凸部37bの後面に印加することにより、図3Bのように中間の状態に移動枠凸部37bを移動設定することができる。
また、このバネ61に対して、回転力を発生しない無負荷状態の螺旋巻き状態からその螺旋巻きの巻数(より詳細にはバネ61の両端間の螺旋巻回転量)が増大するように回転させることによる回転付勢する力としての回転付勢力を発生する状態に設定して、バネ61を貫通孔35c及び凹部37cに配置し、かつその一端61aとなる後側端部及び他端61bとなる前側端部をそれぞれ係止している。この場合においても、バネ61の前側端部は、実質的に先端部11に係止(固定)されているため、第2の付勢力としての回転付勢力は、移動枠凸部37bに作用する。
可動範囲Lの全域において、バネ61が移動枠凸部37bに所定の回転付勢力を印加(付加)する状態に設定するために、例えば図6に示すようにトルクドライバ64を用いる。
図3A〜図3C,図6に示すように本実施形態におけるバネ61は、例えば右ネジの凸部又は凹部が時計回り方向に螺旋状に形成されたバネ(右バネと言う)であり、図6に示すように圧縮されて収納したバネ61に対して、トルクドライバ64を時計回り方向Dに回転させて、バネ61を所定の回転付勢力の状態に設定し、その(設定)状態においてストッパ62は保持枠凸部35bに接着剤等により固定される。
なお、トルクドライバ64等により、所定の回転付勢力に設定するために無負荷状態のバネ61に対して必要とされる回転量が確定している場合には、図7に示すようにストッパ62の代わりにネジ63を用いても良い。このネジ63は、図6のストッパ62における円柱部にネジ部(雄ネジ)を設けた構成に相当する。
このネジ63を用いる場合には貫通孔35cの前端付近の内周面には、雌ネジが形成され、ネジ63を雌ネジに螺合させた場合の螺合量(螺合させた場合の回転量)により、バネ61の他端61bに所定の回転付勢力が作用する状態に設定することができる。所定の回転付勢力に設定した場合における螺合状態において、ネジ63が回転しないようにネジ63から延出した図示しない爪を保持枠凸部35bに接着剤等により固定しても良い。
また、所定の回転付勢力に設定した場合における螺合状態において、雌ネジとネジ63間に作用する摩擦力が大きく、ネジ63が回転しない場合には、螺合による固定のみとしても良い。
なお、図3A〜図3Cに示すようにガイド管51の先端部分には、その外周面に設けたネジ部51aとの螺合量によりその取り付け位置を前後に調整できる調整リング65が設けてある。この調整リング65の先端に移動枠凸部37bの後端面(基端面)が当接することで、図3Cに示すように移動枠37可動範囲の後端(位置)を設定するようにしている。
この調整リング65は、ガイド管51のネジ部51aへの螺合量により所定の位置に調整された後、接着剤などにより、動かないようにガイド管51の先端部分に固着されている。
上記のようにバネ61は、移動枠凸部37bに対して回転付勢力を印加する。図5に示すようにこの回転付勢力は、バネ61のコイルの中心位置(つまり進退方向C上の位置)を支点とした時計回り方向Eに回転させる力となる。
移動枠凸部37bは、移動レンズ31bが中央に取り付けられた移動枠本体となる移動枠円筒部37aと連結されているため、第2の保持枠35の保持枠円筒部35a内で移動枠円筒部37aが時計回り方向Eに回転するように付勢する。
図5に示すように、例えば光軸Oに位置においては、符号F2で示すような回転付勢力が移動枠円筒部37a及び移動レンズ31bに作用する。そして移動枠円筒部37aの水平方向の右側の外周面が、保持枠円筒部35aの内周面に位置Pにおいて当接する状態に(位置決め)設定される。
また、本実施形態においては、無負荷状態の螺旋巻き状態のバネ61に対して、その螺旋巻の回転量を増大させるようにして回転付勢力を発生させることにより、(螺旋巻の回転量を減少させる場合に比較して)バネ配置部(バネ収納部)のサイズを小さくすることができるようにしている。換言すると、移動枠凸部37bと(固定枠凸部を形成する)保持枠凸部35bとの間のバネ配置部に配置される)バネ61は、該バネ61の内径が小さくなる方向において回転付勢力が強くなるように設定されている。
本実施形態の撮像装置30は、内視鏡2の先端部11に設けられ、光学像を生成する対物光学系31と、前記光学像を受光し、電気信号に変換する撮像素子を形成する固体撮像素子チップ41と、前記先端部11に設けられ、該先端部11に固定された状態で前記対物光学系31を保持する固定枠ユニット40と、前記固定枠ユニット40を構成する固定枠(第2の保持枠35)内に配設され、前記対物光学系31の少なくとも一部を構成する移動レンズ31bを保持し、前記対物光学系31の光軸Oに沿った方向に形成した可動範囲L内において移動自在に設けられた移動枠37と、前記移動枠37に設けられ、前記光軸Oに垂直な方向に突出する移動枠凸部37bと、前記固定枠に設けられ、前記光軸Oに垂直な方向に突出する固定枠凸部を形成する保持枠凸部35bと、前記移動枠凸部37bと前記固定枠凸部との間に配設され、両端に係止用の端部が設けられた螺旋形状のバネ61と、前記移動枠凸部37bに設けられ、前記バネ61の一方の端部を係止する第1の係止部を形成する孔37dと、前記固定枠凸部に設けられ、前記バネ61の他方の端部を係止する第2の係止部を形成するスリット62aと、を有し、前記バネ61は、前記移動枠37の前記可動範囲L全域において、前記移動枠37を前記光軸Oに垂直な面内において回転付勢する回転付勢力を発生するように形成されていることを特徴とする。
広角状態に設定する場合には、術者は、操作レバー24を回動して、駆動ワイヤ54をシース56内で前方側に移動させ、駆動ワイヤ54の先端部に設けたロッド53の先端で移動枠凸部37bの後面を押圧してこの移動枠凸部37bを可動範囲の先端に移動設定する。
上述したようにバネ61は長手方向に圧縮された状態で配置されており、このバネ61による長手方向の付勢力により、移動枠凸部37bは、図3Cのように可動範囲の後端に設定されているため、術者は、このバネ61の付勢力に抗して、図3Aに示す位置まで移動させるように操作レバー24を回動する操作をする。
また、フォーカスして観察しようとする部位が、広角又は望遠の状態との中間の位置に移動レンズ31bを設定する必要がある場合には、その部位をフォーカスして観察できるように操作レバー24を回動操作する。
従来の内視鏡においては、上記のように可動範囲内において 移動枠37を進退移動する方向に付勢力を発生するバネ等を設けていたが、進退方向(又は光軸Oの方向)と直交する面において移動枠37を位置決めするための付勢手段を設けていなかったため、移動枠37とこの移動枠37を移動自在に配置する固定枠を形成する第2の保持枠35との間のクリアランス39の部分だけ移動枠37の位置が定まらず、視野範囲が変動するなど光学性能が低下することがあった。
また、本実施形態においては、移動枠37を進退移動する方向に付勢力を発生するバネ61により、上記回転付勢力を発生させるようにしているので、先端部11を細径にすることができる。
従って本実施形態によれば、先端部11を細径にでき、対物光学系31を含む撮像装置30の光学性能の低下を防止できる。
より具体的には、本実施形態によれば内視鏡2における挿入部6の先端部11内に、移動レンズ31bを取り付けた移動枠37を光軸Oの方向に可動範囲L内における任意の位置に移動した場合、移動枠37を移動させるためのクリアランス39が存在しても移動枠37に印加する回転付勢力により、光軸Oに垂直な面内での移動枠37を位置決めできるので、対物光学系31の光学特性の低下を防止できる。
図8A〜図8Cは、第1変形例の撮像装置30Bを示す。図8A、図8B及び図8Cは、それぞれ広角、(広角と望遠との間の)中間、及び望遠の位置に設定した状態の撮像装置30Bを示す。
第1の実施形態においては、駆動部材50の先端側の部材となるロッド53は、圧縮されたバネ61による付勢力に抗して移動枠凸部37bの後面を押圧することにより、移動枠37を望遠の設定位置から広角の設定位置までの可動範囲Lにおける任意の位置に設定できるようにしていた。
これに対して本変形例においては、ロッド53の先端側を移動枠凸部37bに固定した構成にしている。その他の構成は、第1の実施形態と殆ど同じ構成であるため、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図8A〜図8Cに示すように移動枠凸部37bに貫通孔37eを設け、貫通孔37eの後端側の内周面のネジ部37fに、ロッド53の先端に設けたネジ部53bの外周面の雄ネジを螺合させてロッド53の先端を移動枠凸部37bに固定している。
貫通孔37eには、その後端側の内径を前側の内径より若干小さくし、その内周面に上記のようにネジ部37fを設けている。そして、ロッド53の先端のネジ部53bが螺着により固定される。貫通孔37eのネジ部37fにロッド53の先端に設けたネジ部53bを固定することにより、貫通孔37eは、第1の実施形態における凹部37cに類似した凹部となる。
このような貫通孔37eと、この貫通孔37eの前側に連通する保持枠凸部35bに設けた貫通孔35cとの間のバネ配置部に長手方向に圧縮された状態で、かつ螺旋巻螺合量を増大させることにより回転付勢力を発生させた状態のバネ61を配置するようにしている。
図9は、図8AにおけるG−G線断面によりバネ61の一端61aを係止する部分を示す。図9に示すようにバネ61の一端61aは、スリット53cに収納される。このスリット53cのスリット幅は、バネ61の線径よりも大きい値に設定され、一端61aは、スリット53c内での移動に規制され、実質的に固定される。
その他の構成として、本変形例においては駆動ワイヤ54が進退可能に挿通されるカバー管55の先端をガイド管51の後端(基端)に嵌入させた状態でガイド管51に固定している。その他の構成は、第1の実施形態と同様の構成である。
本変形例の場合においても、バネ61による回転付勢力により図9に示すように移動枠37の移動枠円筒部37aは、(光軸Oに垂直な面において)第2の保持枠35の保持枠円筒部35aの内周面における水平方向の右側の位置Pに当接するように位置決めされる。
本変形例においては、回転付勢力は、第1の実施形態の場合と同様に移動枠凸部37bにおけるバネ61のコイル形状の中心軸を支点とした時計回り方向Eに回転させる回転付勢力を発生する。この回転付勢力は、光軸O上の位置では符号F2で示す回転付勢力となり、上記のように移動枠円筒部37aは、位置Pに位置決めするように回転付勢する。
なお、第1の実施形態又は第1変形例において説明したものと異なる構成でバネ61を、移動枠凸部37bと保持枠凸部35bとの間に配置するようにしても良い。
図10は、第2変形例における撮像装置30Cを示す。本変形例は、バネ61を長手方向に圧縮し、かつ所定の回転付勢力に設定して移動枠凸部37bと保持枠凸部35bとの間に配置した構成を示す。また、図11及び図12は、図10におけるH−H線断面図と、I−I線断面図を示す。
本変形例においては、バネ61の後側端部となる一端61aを係止する構造は、第1の実施形態と同様である。つまり、移動枠凸部37bに設けた凹部37cにおける孔37d内にバネ61の一端61aを挿入して係止している。この場合、一端61aを係止する部分の横断面は図12のようになる。
また、本変形例においては、バネ61として、例えば左ネジの螺旋方向に沿ってコイル状に形成した左バネを用いている。
このため、図12に示すように移動枠凸部37bに作用する回転付勢力は、符号F2′で示すように反時計回り方向に付勢する回転力なる。このため、図12に示すように移動枠本体となる移動枠円筒部37aの水平方向の左側の外周面が、保持枠円筒部35aの内周面に位置P′で当接する状態に(位置決め)設定される。
この場合においてもクリアランス39が存在する状態においても、移動枠円筒部37aの水平方向の左側の外周面が、保持枠円筒部35aの内周面に位置P′において当接するように回転付勢力F2′が作用し、この状態は移動枠37を光軸Oの方向に移動させた場合においても実質的に変化しない。つまり、クリアランス39が存在する状態で移動枠37を可動範囲L内の任意の位置に設定した場合においても、光軸Oと垂直な面内における移動枠37の位置を位置決めする状態に設定できる。
なお、上述した第1の実施形態、第1及び第2変形例においては、バネ61により発生した回転付勢力を移動枠円筒部37aに印加し(又は作用させ)、第2の保持枠35の保持枠円筒部35aに当接させて位置決めするように回転付勢する構成にしている。これに対して、上記のように発生した回転付勢力を、以下の第3変形例として説明するように第2の保持枠35の保持枠円筒部35a内に至る途中の位置において、移動枠凸部37bを保持枠凸部35bに当接させて位置決めするようにしても良い。
例えば、第1の実施形態における保持枠凸部35bの光軸O(又は第1の方向C)に垂直な面で少なくとも回転付勢力が作用する側(具体的には第2の保持枠凸部35bの右側)の肉厚を図4における2点鎖線で示すように大きくし、更に上述した場合と同様に(保持枠凸部35bに)移動枠凸部37bを移動自在にする切欠35dを設ける。
V字溝73は、保持枠凸部35bの光軸O(又は第1の方向C)と平行な方向を(V字溝73の)長手方向として形成され、またV字溝73が設けられる内側の側面上の位置は、光軸Oと垂直な面において光軸OとCを結ぶ方向を上下方向又は距離方向(図13において光軸Oにおいて矢印で示している)とすると、凹部71が設けられた上下方向の位置と同じ上下方向の位置となる。また、この場合には、拡大図に示すようにボールベアリング72は、V字溝73における上下方向の2箇所の位置Pで当接する。
換言すると、本変形例は移動枠37を任意の位置に移動させた場合、移動枠37を光軸Oと垂直な面において、回転付勢力により当接する位置の位置決めをすると共に、V字溝73により上下方向(又は距離方向)の位置決めをするように2次元的な位置決めを行うことができるようにしている。
このような構成にした場合においても、移動枠凸部37bの球体としてのボールベアリング72に作用する回転付勢力Fにより、移動枠円筒部37aのクリアランス39内でのガタツキを防止するように位置決めすることができる。また、本変形例は、移動枠凸部37bが光軸O(と平行な)方向に移動する場合、ボールベアリング72が回転しながら移動する。
なお、上記の説明においては、半球状の凹部71と、この凹部71に回転自在に収納される球体としてのボールベアリング72を移動枠凸部37bにおける回転付勢力により保持枠凸部35bの側面に当接する側となる右側側面に設けた例を説明したが、保持部凸部35b側の側面に半球状の凹部71と、この凹部71に収納される球体としてのボールベアリング72を設け、移動枠凸部37bにおける凹部71に対向する位置にV字溝73を設けるようにしても良い。なお、V字溝73の形状をU字に近い形状に変更しても良い。また、簡略化して、V字溝73を設けない構造にしても良い。この場合においても ボールベアリング72が回転しながら移動するため、摩耗を低減でき、長期間使用できる。なお、第3変形例を第1の実施形態に適用した構成例を説明したが、他の変形例等に適用しても良い。
また、上述した実施形態又は変形例を部分的に組み合わせて構成される実施形態等も本発明に属する。
Claims (8)
- 内視鏡の先端部に設けられ、光学像を生成する対物光学系と、
前記光学像を受光し、電気信号に変換する撮像素子と、
前記先端部に設けられ、該先端部に固定された状態で前記対物光学系を保持する固定枠ユニットと、
前記固定枠ユニットを構成する固定枠内に配設され、前記対物光学系の少なくとも一部を構成する移動レンズを保持し、前記対物光学系の光軸に沿った方向に形成した可動範囲内において移動自在に設けられた移動枠と、
前記移動枠に設けられ、前記光軸に垂直な方向に突出する移動枠凸部と、
前記固定枠に設けられ、前記光軸に垂直な方向に突出する固定枠凸部と、
前記移動枠凸部と前記固定枠凸部との間に配設され、両端に係止用の端部が設けられた螺旋形状のバネと、
前記移動枠凸部に設けられ、前記バネの一方の端部を係止する第1の係止部と、
前記固定枠凸部に設けられ、前記バネの他方の端部を係止する第2の係止部と、
を有し、
前記バネは、前記移動枠の前記可動範囲全域において、前記移動枠を前記光軸に垂直な面内において回転付勢する回転付勢力を発生するように形成され、
更に、前記バネによる前記回転付勢力が付与された移動枠凸部における移動枠側側面と、前記回転付勢力が付与された方向において前記移動枠側側面に対向する前記固定枠凸部における固定枠側側面とにおける一方の側面に設けた半球状の凹部と、前記凹部に回転自在に収納した球体とを設け、
前記回転付勢力により前記球体を他方の側面に当接させることにより、前記移動枠に保持された移動レンズにおける前記光軸に垂直な面内での位置決めを行う
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記固定枠ユニットを構成する、前記移動枠を前後から挟む第1固定枠となる前記固定枠及び第2固定枠と、
前記第2固定枠に設けられ、前記光軸に垂直な方向に突出する第2固定枠凸部と、
前記第2固定枠凸部に設けた貫通孔に固着された、前記光軸に平行なガイド孔を設けたガイド管と、
前記ガイド管に配置され、前記光軸に平行な方向に進退し、前記移動枠を少なくとも1方向に移動させる力を付加する駆動部材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記駆動部材の先端部は、前記移動枠凸部に固定され、
前記駆動部材の先端部に前記バネの前記一方の端部を固定する前記第1の係止部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記駆動部材の先端部は、少なくとも前記移動枠が可動範囲内における少なくとも一部の範囲内において当接するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記バネは、前記移動枠の前記可動範囲全域において、圧縮された状態で前記固定枠凸部と前記移動枠凸部との間に配置された圧縮バネであり、
前記バネは、該バネの内径が小さくなる方向において、前記回転付勢力が強くなり、
前記バネの中心位置は、前記光軸と垂直な方向に離間した位置に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つの請求項に記載の撮像装置。 - 前記固定枠凸部に、前記バネの回転付勢力を調整可能とする調整部材を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つの請求項に記載の撮像装置。
- 前記固定枠凸部に設けられた前記調整部材は、前記バネの他端を固定する凹部を備えることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 更に、前記凹部が設けられていない前記移動枠側側面又は前記固定枠側側面における前記凹部に対向する位置に、前記凹部に収納された球体が2箇所で当接するV字溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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