JP6601049B2 - 蛍光体 - Google Patents
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Description
これらの中で、h−BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えていることから、電気・電子材料分野で多く利用されている。
本発明は、発光強度が大幅に改善された、h−BN蛍光体を提供することを課題とする。
BN凝集粒子が大きな発光強度を有する理由は定かではないが、本発明者らは次のように考えている。
上記300nm〜400nmの発光は、酸素等の不純物による寄与が大きいと本発明者らは推定したが、酸素等の不純物濃度が極めて低い凝集h−BNでは、300nm〜400nmに発光ピークを有さず、200nm〜280nmに発光ピークを有したためである。このような短波側に発光ピークを有する凝集h−BNの特徴として、含有酸素濃度が低いことがあげられる。よって、より具体的な別の実施形態としては、凝集h−BNであって、酸素濃度が0.3wt%以下であることで、200nm〜280nmに発光ピークを有する凝集h−BNとなる。
〔1〕窒化ホウ素一次粒子が凝集された、窒化ホウ素凝集粒子からなる蛍光体。
〔2〕発光ピーク波長が300nm以上400nm以下に存在する、〔1〕に記載の蛍光体。
〔3〕酸素濃度が0.1wt%以上10wt%以下である、〔1〕または〔2〕に記載の蛍光体。
〔4〕前記窒化ホウ素凝集粒子が球状の凝集粒子である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の蛍光体。
〔5〕前記窒化ホウ素凝集粒子がカードハウス構造を有する凝集粒子である、〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の蛍光体。
〔6〕励起光源、及び〔2〕から〔5〕のいずれかに記載の蛍光体を少なくとも有する発光装置。
〔7〕〔6〕に記載の発光装置を有する、照明装置。
〔8〕発光ピーク波長が200nm以上280nm以下に存在する、〔1〕に記載の蛍光体。
〔9〕酸素濃度が0.3wt%以下である、〔1〕または〔8〕に記載の蛍光体。
〔10〕前記窒化ホウ素凝集粒子が球状の凝集粒子である、〔8〕または〔9〕に記載の蛍光体。
〔11〕前記窒化ホウ素凝集粒子がカードハウス構造を有する凝集粒子である、〔8〕から〔10〕のいずれかに記載の蛍光体。
〔12〕励起光源、及び〔8〕から〔11〕のいずれかに記載の蛍光体、を少なくとも有する樹脂硬化用発光装置。
〔13〕励起光源、及び〔8〕から〔11〕のいずれかに記載の蛍光体、を少なくとも有する抗菌・殺菌用照明装置。
〔14〕励起光源、及び〔8〕から〔11〕のいずれかに記載の蛍光体、を少なくとも有する発光装置、並びに光触媒を少なくとも有し、該発光装置から発せられる光を該光触媒に照射することで、光触媒の抗菌・殺菌作用を発揮させる、空気清浄器。
本発明の実施形態に係るh−BN凝集粒子からなる蛍光体(以下BN蛍光体ともいう)は、励起光により励起されることで、300nm〜400nmにピークを有する蛍光を放出する。その発光は近紫外〜紫色であり、比較的短波長の蛍光を発する蛍光体である。
BN蛍光体は、通常190nm以下の波長を有する紫外線又は電子線により励起され、発光する。
一方で、酸素濃度が低い場合、発光ピーク波長が短波長となる。そのため、酸素濃度が0.3wt%以下である場合、200nm〜280nmの深紫外領域にピークを有する蛍光を放出し易くなり、好ましい。
このように、含有される酸素の量を調整することで、ピーク波長を大きくコントロールすることが可能であり、300nm〜400nmにピーク波長を有する蛍光体であれば、近紫外〜紫色を発光する蛍光体として、発光装置に用いることができる。一方で、200nm〜280nmの深紫外領域にピーク波長を有する蛍光体であれば、紫外領域の発光で可視光領域ではないため、樹脂組成物の硬化用の発光装置や、紙葉類検出用の発光装置などに用いることができる。また、近紫外領域の発光を光触媒に照射し、抗菌・殺菌作用を発揮させることもできる。
また、BN凝集粒子中に含まれるマグネシウム(Mg)の量は、発光強度の観点から、通常0.01ppm以上であり、好ましくは1ppm以上であり、また通常150ppm以下であり、好ましくは90ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるアルミニウム(Al)の量は、発光強度の観点から、
通常1ppm以上であり、好ましくは20ppm以上であり、また通常10000ppm以下であり、好ましくは5000ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるケイ素(Si)の量は、発光強度の観点から、通常1ppm以上であり、好ましくは5ppm以上であり、また通常100ppm以下であり、好ましくは15ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれる硫黄(S)の量は、発光強度の観点から、通常0.1ppm以上であり、好ましくは3ppm以上であり、また通常100ppm以下であり、好ましくは50ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれる塩素(Cl)の量は、発光強度の観点から、通常0.1ppm以上であり、好ましくは1ppm以上であり、また通常20ppm以下であり、好ましくは10ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるカルシウム(Ca)の量は、発光強度の観点から、通常1ppm以上であり、好ましくは50ppm以上であり、また通常 20000ppm以下であり、好ましくは10000ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれる鉄(Fe)の量は、発光強度の観点から、通常5ppm以上であり、好ましくは25ppm以上であり、また通常1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるクロム(Cr)の量は、発光強度の観点から、通常0.01ppm以上であり、好ましくは1ppm以上であり、また通常500ppm以下であり、好ましくは100ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるニッケル(Ni)の量は、発光強度の観点から、通常0.1ppm以上であり、好ましくは15ppm以上であり、また通常1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下である。
また、BN凝集粒子中に含まれるストロンチウム(Sr)の量は、発光強度の観点から、通常0.01ppm以上であり、好ましくは1ppm以上であり、また通常100ppm以下であり、好ましくは10ppm以下である。
不純物の含有量については、BN凝集粒子の製造工程、h−BN一次粒子の製造工程において、適宜調整することが可能であり、特に酸素濃度は、焼成時の酸素雰囲気により、所望の値に調整することができる。
200nm〜280nmにピーク波長を有する蛍光体である場合、発光スペクトルの半値幅は、通常5nm以上であり、好ましくは10nm以上であり、また通常50nm以下であり、好ましくは30nm以下である。
本実施形態に係る蛍光体は、平均粒子径(D50)が、通常2μm以上であり、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは26μm以上であり、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、45μm以上であっても好ましく、50μm以上であっても好ましい。
また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
上記範囲とすることで、BN一次粒子のエッジ面が凝集粒子の外側に向かうようなカードハウス構造を形成しやすくなり、発光強度の大きな凝集BNとなり好ましい。
上記範囲とすることで、BN一次粒子のエッジ面が凝集粒子の外側に向かうようなカードハウス構造を形成しやすくなり、発光強度の大きな凝集BNとなり好ましい。
BN凝集粒子は、BN一次粒子が凝集して形成されたものであればよく、本発明の効果を損なわない範囲で、上記BN一次粒子以外の成分を含有してもよい。BN一次粒子以外の成分としては、後記の<蛍光体の製造方法>で述べる、スラリーに添加してもよいバインダー、界面活性剤、溶媒に由来する成分を挙げることができる。
ここで「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。BN凝集粒子のアスペクト比は、SEMで撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
とができる。
尚、上記長軸とはSEM測定により得られた凝集粒子1粒を拡大し、1粒の凝集粒子を構成している一次粒子について、画像上で観察できる一次粒子の最大長を平均した値である。
また、カードハウス構造が形成されていることを確認するためには、粒子の圧壊強度を測定しても良い。カードハウス構造を形成している場合、粒子1粒の圧壊強度は、粒子の大きさに関係なく、通常、1MPa以上となる。このような粒子は、カードハウス構造もしくは、カードハウス構造に類した構造を有しているため、BN一次粒子端面とBNの板面が接触して形成された凝集構造となるため、圧壊強度が大きくなる傾向にあり、エッジ面を多く含まれる凝集構造を形成するが、これに限定されるものではない。
本実施形態に係る蛍光体の製造方法は特段限定されず、BN凝集粒子を製造するための常法に従い、製造することができる。製造方法の例としては、特開平9−202663号に記載された方法、特開2013−241321号公報に記載された方法などがあげられる。
一方BNスラリーの粘度を5000mPa・s以下とすることにより、造粒を容易にすることができる。BNスラリーの粘度の調製方法は、後述する。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度を上記範囲に調製する方法としては、例えばBN合成時の合成温度を1500℃以下の低温で行う方法、500℃〜900℃の低温の酸化雰囲気中で原料BN粉末を熱処理する方法などが挙げられる。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度は、不活性ガス融解−赤外線吸収法により、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析計を用いて測定することができる。
m3/g以上1.0cm3/g以下、より好ましくは0.5cm3/g以上1.0cm3/g以下である。全細孔容積が1.0cm3/g以下であることにより、原料BN粉末が密に
なっているために、球形度の高い造粒が可能となる。
g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましい。原料BN粉末の比表面積が50
m2/g以上であることにより、造粒による球形化の際に用いるBNスラリー中の分散粒
子径を小さくすることができるため好ましい。また、1000m2/g以下とすることに
よりスラリー粘度の増加を抑制することができるため好ましい。
なお、原料BN粉末の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。原料BN粉末の全細孔容積及び比表面積の具体的測定方法は、後述の実施例の項に記載する。
具体的にはスラリーの調製に用いる媒体の使用量は、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、通常、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。媒体の使用量が上記上限より大きいと、スラリー粘度が低くなりすぎるため、沈降などによるスラリーの均一性が損なわれ、得られる凝集粒子を構成する一次粒子の結晶子径が所望の範囲から外れる傾向がある。下限未満であるとスラリー粘度が高すぎるため、造粒が困難になる傾向がある。すなわち、上記媒体の使用量が上記範囲外であると、凝集粒子の大きさと凝集粒子を構成する一次粒子の結晶性と一次粒子中の結晶粒界の低減を同時に満足することが困難になる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
スラリーに用いるバインダーとしては、窒化ホウ素粒子同士の接着性を高めることができるものであればよいが、造粒粒子は粒子化後に加熱処理されるため、この加熱処理工程における高温条件に対する耐熱性を有するものが好ましい。
添加の順番は特に制限はないが、大量の原料粉末をスラリー化する場合、だまなどの凝集物ができやすくなるため、水に界面活性剤とバインダーを加えた水溶液を作製した後、所定量の原料粉末を少量ずつ添加し、ここにジルコニア性のセラミックボールを加えて、ポットミル回転台で分散、スラリー化しても良い。
スプレードライ法では、原料となるスラリーの濃度、装置に導入する単位時間当たりの送液量と送液したスラリーを噴霧する際の圧空圧力及び圧空量により、所望の大きさの造粒粒子を製造することが可能であって、球状の造粒粒子を得ることも可能である。使用するスプレードライ装置に制限はないが、より大きな球状の造粒粒子とするためには、回転式ディスクによるものが最適である。このような装置としては、大川原化工機社製スプレードライヤーFシリーズ、藤崎電機社製スプレードライヤー「MDL−050M」などが挙げられる。
ここで、非酸化性ガス雰囲気とは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、アンモニアガス、水素ガス、メタンガス、プロパンガス、一酸化炭素ガスなどの雰囲気のことである。ここで用いる雰囲気ガスの種類により凝集粒子の結晶化速度が異なるものとなり、結晶化を短時間で行うためには特に窒素ガス、もしくは窒素ガスと他のガスを併用した混合ガスが好適に用いられる。
加熱処理温度は通常1800℃以上、2300℃以下であるが、好ましくは1900℃
以上であり、また好ましくは2200℃以下である。加熱処理温度が低すぎると、窒化ホウ素の平均結晶子の成長が不十分となり、凝集粒子および成形体の熱伝導率が小さくなる場合がある。加熱処理温度が高すぎると、窒化ホウ素の分解などが生じてしまうおそれがある。
加熱処理時間は、通常3時間以上、好ましくは4時間以上、より好ましくは5時間以上、また通常20時間以下、好ましくは15時間以下である。加熱処理時間が上記下限未満の場合、結晶成長が不十分となり、上記上限を超えるとBNが一部分解するおそれがある。
乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うこともできる。これらの中で、サブミクロンからシングルミクロン領域の小さな微粒子を分級するには旋回気流式分級機を、それ以上の比較的大きな粒子を分級するには半自由渦遠心式分級機など、分級する粒子の粒子径に応じて適宜使い分ければよい。
本発明の実施形態に係る蛍光体は、発光装置における発光部材として用いることができる。
ピーク波長が300nm〜400nmの近紫外〜紫色の蛍光を発する蛍光体である場合、例えば紫外光を発するLEDチップを励起光とし、本実施形態に係る紫色蛍光体、これに加えて緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を混合した蛍光体層に励起光を照射することで、白色を呈する発光装置を得ることができる。
<BNスラリーからのBN凝集粒子の作製>
[BNスラリー(スラリーA)の調製]
(原料)
原料h−BN粉末(粉末X線回折測定(X線:CuKα1)により得られる(002)面ピークの半値幅が2θ=0.67°、酸素濃度が7.5質量%):10000g
バインダー(多木化学(株)製「タキセラムM160L」、固形分濃度21質量%):11496g
界面活性剤(花王(株)製界面活性剤「アンモニウムラウリルサルフェート」:固形分濃度14質量%):250g
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いでバインダーを所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを添加して、ポットミル回転台で1時間撹拌した。
スラリーの粘度は、810mPa・sであった。
BNスラリーからの造粒は、大河原化工機株式会社製FOC−20を用いて、ディスク回転数20000〜23000rpm、乾燥温度80℃で実施した。
上記BN造粒粒子を、室温で真空引きをした後、窒素ガスを導入して復圧し、そのまま窒素ガスを導入しながら1500℃まで7hで昇温し、1500℃到達後、そのまま窒素ガスを導入しながら24時間保持した。その後、室温まで冷却し、BN−A凝集粒子を得た。
更に、上記加熱処理後のBN−A凝集粒子を、乳鉢および乳棒を用いて軽粉砕した後、目開き90μmの篩を用いて分級した。分級後、BN−A凝集粒子のD50を測定した結果、平均粒子径は47μmであった。
BN−A凝集粒子の全酸素濃度を不活性ガス融解−赤外線吸収法により、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析計を用いて測定した結果、6.3wt%であった。
実施例1において、スラリーAを原料の配合比を以下に変更したBNスラリー(スラリーB)とし、熱処理条件を1600℃、24hとした以外は、実施例1と同様に行い、BN−B凝集粒子を作製した。
(原料)
原料h−BN粉末:10000g
純水:7500g
バインダー:5750g
界面活性剤:250g
<BNスラリーからのBN凝集粒子の作製>
[BNスラリー(スラリーC)の調製]
(原料)
原料h−BN粉末(全酸素濃度4重量%):500g
純水:4250g
バインダー(日産化学(株)製「アルミナゾル520」、固形分濃度20重量%):250g
界面活性剤(花王(株)製アニオン系界面活性剤「デモールNL」):50g
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いでバインダーを所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、得られたスラリーをよく混合し、フロイントターボ(株)製「OBミル」に投入し、ローター回転数2000rpm、循環送液量0.5L/minで160分間循環粉砕を行った。粉砕には0.5mmφのジルコニア製ビーズを使用した。
スラリーCの調製に用いた原料h−BN粉末の全酸素濃度は4.0重量%であった。
また、スラリーCの粘度は、250mPa・sであった。
スラリーCを、藤崎電機(株)製スプレードライヤー「MDL−050M」を用い、造粒粒子径D50として10μmを目標に造粒条件を設定し、それぞれ噴霧乾燥することにより球状化した。スラリーの送液量は30ml/min(15ml/min×2)とし、圧空圧力0.7MPa、空気流量92L/min(46L/min×2)にて噴霧し、ノズル噴射後の乾燥温度は200℃に設定した。
得られた造粒粒子のD50は8.9μmであった。
上記球状化後のBN造粒粒子を、雰囲気炉を用いて2000℃で5時間、窒素ガス流通下に加熱処理した。
加熱処理時の昇温および降温は、以下のように行った。
室温から400℃まで真空引きをしながら20分で上げ、真空引きをしたまま400℃で30分保持した。真空度は、10-1から10-2Paとした。その後、2.0L/分の窒素ガスを導入して復圧し、そのまま窒素ガスを導入しながら1500℃まで100℃/時で温度を上げ、1500℃で5h保持し、更に1500℃から2000℃まで50℃/時で温度を上げ、2000℃到達後、5時間保持した。その後、7℃/分で室温まで冷却した。
上記加熱処理後のBN造粒粒子を、日清エンジニアリング(株)製旋回気流式分級機「エアロファインクラシファイアー(AC−20)」を用いて分級した。
得られた球状BN(BN−C)のD50は4.1μmであった。
得られたBN−C凝集粒子の全酸素濃度を、不活性ガス融解−赤外線吸収法により、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析計を用いて測定した結果、0.12wt%であった。
BN一次粒子の配向が円周方向に張り付いたタイプの凝集BN粒子として、モメンティブ社製PTX25(BN−D凝集粒子、平均粒子径25μm、酸素濃度0.2wt%)をそのまま用いた。また、BN−Dの元素分析を行い、結果を図3に示す。
[凝集していないBN−Eの製造]
原料h−BN粉末としては市販のh−BN原料粉末A(XRD解析(X線源:CuKα)において002面のピーク半値幅が0.67°、酸素濃度8質量%)を、リチウム塩としては市販のLi2CO3粉末(純度99.0%)を用いた。原料h−BN粉末と融点が723℃であるLi2CO3の量は、それぞれ50mol%とした。h−BN原料粉末AとLi2CO3を坩堝に入れ、窒素流通下、1000℃で5時間熱処理を行った。熱処理試料からフラックスを溶解除去(1M塩酸にて不純物を溶解)し、凝集していないBN−E粒子を得た。
BN一次粒子が凝集していない粒子として、高純度化学社製BN(BN−F粒子、平均粒子径10μm)をそのまま用いた。
発光スペクトル測定には、励起源として電子銃(ビームトロン社製RHG−303G)を用いた。励起条件は加速電圧−3.5kV、emission電流70μAで行った。蛍光を集光レンズにより分光器(浜松ホトニクス社製C5094)に集光し、回折格子(300grooves/mm)で分散し、CCDカメラ(浜松ホトニクス社製PMA50)で受光した。分光器の入射スリットは20μmで固定した。励起条件は加速電圧−3.5kV、emission電流70μAで行った。スペクトルのダイナミックレンジ4桁以上となるように露光時間を調整した。発光強度は露光時間による補正を行った。積分強度は200nmから500nmの領域で計算した。
結果を図1、及び図2に示す。
Claims (12)
- 窒化ホウ素一次粒子が凝集された、窒化ホウ素凝集粒子からなり、発光ピーク波長が300nm以上400nm以下に存在する蛍光体。
- 窒化ホウ素一次粒子が凝集された、球状の窒化ホウ素凝集粒子からなる蛍光体。
- 窒化ホウ素一次粒子が凝集された、カードハウス構造を有する窒化ホウ素凝集粒子からなる蛍光体。
- 酸素濃度が0.1wt%以上10wt%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛍光体。
- 励起光源、及び請求項1から4のいずれか1項に記載の蛍光体を少なくとも有する発光装置。
- 請求項5に記載の発光装置を有する、照明装置。
- 窒化ホウ素一次粒子が凝集された、球状の窒化ホウ素凝集粒子からなり、発光ピーク波長が200nm以上280nm以下に存在する蛍光体。
- 窒化ホウ素一次粒子が凝集された、カードハウス構造を有する窒化ホウ素凝集粒子からなり、発光ピーク波長が200nm以上280nm以下に存在する蛍光体。
- 酸素濃度が0.3wt%以下である、請求項7または8に記載の蛍光体。
- 励起光源、及び請求項7から9のいずれか1項に記載の蛍光体、を少なくとも有する樹脂硬化用発光装置。
- 励起光源、及び請求項7から9のいずれか1項に記載の蛍光体、を少なくとも有する抗菌・殺菌用照明装置。
- 励起光源、及び請求項7から9のいずれか1項に記載の蛍光体、を少なくとも有する発光装置、並びに光触媒を少なくとも有し、該発光装置から発せられる光を該光触媒に照射することで、光触媒の抗菌・殺菌作用を発揮させる、空気清浄器。
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