JP6600302B2 - 標的分子のマルチプレックス検出のための方法、キット、およびシステム、ならびにそれらの使用 - Google Patents

標的分子のマルチプレックス検出のための方法、キット、およびシステム、ならびにそれらの使用 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年6月12日に出願された米国特許仮出願第61/834,111号、2013年12月5日に出願された米国特許仮出願第61/912,054号、2014年3月31日に出願された米国特許仮出願第61/972,940号の、米国法典第35編第119条(e)項の下での恩典を主張するものであり、その各々の内容は参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。
技術分野
本発明は、サンプル中の複数の標的分子の検出のための方法、キット、およびシステムに関する。本明細書に記載される方法、キット、およびシステムは、診断、予後、品質管理およびスクリーニングの用途に使用されることができる。
背景
ますます増えている臨床試験、例えば、癌治験は、個々の薬物応答マーカーを測定するために、患者サンプル、例えば、組織生検材料を必要とする[1]。例えば、手術で採取した組織は、細胞スペクトルの二つの目標:(i)ドライバー癌遺伝子および特異的突然変異を解明するゲノム解析[2];および(ii)細胞応答をモニタリングすることを意図する、選択したバイオマーカーのタンパク質解析[3, 4]において、データを収集するためにしばしば使用される。理想的には、臨床サンプルを連続的に収集して、重要なタンパク質の発現レベルの変化をモニタリングする。これは、多くの課題、とりわけ繰り返しのコア生検に伴う罹患リスク、コストの増加、およびロジスティックな制限を生じさせる。代替的なサンプル収集法は、穿刺吸引(FNA)、血中循環腫瘍細胞の「液体生検」、または他の容易に採取される流体中に存在する少数の細胞の解析を含む。しかしながら、これらのサンプルは、生検材料よりはるかに少ない細胞数を有し、それによって、解析することができるタンパク質の数が制限される。
組織をサンプリングした後、遍在するバイオマーカーを選択することは、不均一性および動的ネットワークの変化のために困難である可能性がある。典型的には、小分子薬物は複数の標的タンパク質に影響を与え、一方で、多数のタンパク質は、下流の特定の薬物作用を調節し、代替的な分子経路を引き起こし、腫瘍細胞死または耐性を誘導する[5]。少量の臨床サンプル中のこれらの重要なタンパク質をプロファイリングするための現在のツールには制限がある;標準的技法は、免疫細胞学を包含するが、これはFNAまたは液体生検材料内のサンプルが不十分であるために広範なタンパク質解析をしばしば妨害する[6]。したがって、マーカーの数はしばしば限定され(<10個)、時間のかかる組織切片の解析が必要である。質量分析法によるプロテオミクス解析は、単一細胞およびホスホプロテオミクス検出に対しては依然として技術的に困難なままであり、日常的な臨床目的にとっては高コストである[7]。研究環境では、単一細胞集団を使用してより多くの一連のマーカー(10〜45個)を調べるために、マルチプレックスフローサイトメトリーおよびマスサイトメトリーが使用されてきた。しかしながら、マルチプレックスフローサイトメトリーは、しばしば、スペクトルの重なりのために、それが測定することができるマーカー量の制限に直面する。マスサイトメトリーは、サンプル調製の間に細胞を蒸発させ、結果としてサンプルの喪失をもたらす[8]。したがって、これらの既存の方法は両方とも、関心対象の希少細胞を単離することもできず、また、プロテオミクス解析に使用したサンプルに同時に遺伝子解析を実施することもできない。
それゆえ、サンプルからの多数の標的分子の同時検出のための組成物および方法に対する必要性が依然として存在している。
概要
本明細書に記載される種々の局面の態様は、限られた量のサンプル、例えば、コア生検材料よりもはるかに少ない量の細胞を含有する低侵襲穿刺吸引物(FNA)からの何百ものタンパク質の解析を可能にするだけでなく、同じサンプルからの遺伝物質を保存してタンパク質および遺伝物質(例えば、DNA、RNA、およびマイクロRNA)の同時測定を可能にする方法の開発に部分的に基づいている。特に、本方法は、DNAバーコード化抗体センシングに依拠するものであり、ここで、バーコード(DNAの一本鎖)は、光開裂され、いかなる増幅工程も伴うことなく蛍光相補的プローブを使用して検出されることができ、これは本明細書において、光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディング(antibody barcoding with photocleavable DNA (ABCD) platform)と呼ばれる。ABCDプラットフォームの可能性を実証するために、本発明者らは患者のFNA内の癌細胞を単離し、これらの細胞を、癌の特徴的なプロセス(例えば、アポトーシスおよびDNA損傷)を網羅する約90個のDNAバーコード化抗体の混合物に曝露させた。本発明者らは、患者のFNAの単一細胞タンパク質解析が高い腫瘍内不均一性を示したことを発見し、このことは希少単一細胞(血中循環腫瘍細胞を非限定的に含む)でタンパク質プロファイリングを実施するABCDプラットフォームの能力を示している。さらに、本発明者らは、同一の病理組織学を示した患者がさらにプロテオミクスプロファイリングにおいて患者不均一性を示したことも発見し、このことは処置のための個別化された標的を同定するABCDプラットフォームの能力を示している。患者のサンプル中のタンパク質発現をプロファイリングおよびクラスタリングすることによって、本発明者らはまた、化学療法(例えば、キナーゼ阻害剤)を受けた患者の処置応答をモニタリングおよび予測するためのABCDプラットフォームの使用を示した。ABCDプラットフォームによって決定されたタンパク質解析は、スケール変更可能であり、他の標的分子(例えば、代謝物質および脂質)を検出するために拡張することができる。したがって、本明細書に記載される種々の局面は、サンプルからの複数の標的分子を検出および/または定量するための方法、システムおよびキット、ならびに種々の用途(例えば、診断、予後、個別化処置、および/または処置モニタリング)におけるそれらの使用を提供する。
1つの局面において、本明細書において提供されるものは、サンプル中の複数の標的分子を検出するための方法である。本方法は、(a)サンプルを、複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程であって、複数のうちの各標的プローブが、(i)サンプル中の標的分子に特異的に結合する標的結合分子、(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカーを含む、工程;(b)結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;ならびに(c)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の複数の標的分子を検出する、工程を含む。
別の言い方をすれば、本方法は、(a)複数の複合体をサンプル中で形成する工程であって、各複合体が、標的分子およびそれに結合した標的プローブを含み、標的プローブが、(i)サンプル中に存在する標的分子に特異的に結合する標的結合分子、(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカーを含む、工程;(b)複合体から同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;ならびに(c)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の複数の標的分子を検出する、工程を含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、同定されたヌクレオチド配列のいずれの部分にも(例えば、塩基対合によって)プレハイブリダイズされない。
いくつかの態様、例えば、細胞アッセイにおいて、標的分子およびそれに結合した標的プローブを含む各複合体は、同じ標的分子に結合する2個以上の異なる種類の標的プローブ(ここで、標的プローブの各々は、同じ標的分子の異なる領域に結合する)を必要としない。例えば、各複合体は、標的分子の第一の領域に結合する第一の標的プローブと、同じ標的分子の第二の領域に結合する第二の標的プローブとの両方を必要としない。別の言い方をすれば、いくつかの態様において、標的分子に結合する本明細書に記載されるような単一の標的プローブは、本明細書に記載される方法の実施可能要件を十分に満たす。これらの態様において、本明細書に記載される方法は、固体基板(例えば、ビーズ)への連結のための同じ標的分子に結合する別の標的プローブを必要としない。
いくつかの態様において、本方法は、サンプル中の標的分子に結合した標的プローブから結合していない標的プローブを分離する工程をさらに含むことができる。
遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックス(PCR)、マスサイトメトリー、フルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法、ハイブリダイゼーションベースの方法、蛍光ハイブリダイゼーションベースの方法、イメージング、およびそれらの任意の組み合わせを非限定的に含む当技術分野において公知の種々の方法によって検出されることができる。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、電気泳動ベースの方法によって決定されることができる。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、電気泳動ベースの方法によって決定されない。
いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、ハイブリダイゼーションベースの方法によって検出されることができる。例えば、いくつかの態様において、本方法は、(c)の検出する工程の前に、(b)からの遊離された同定ヌクレオチド配列を複数のレポータープローブを含む検出組成物にカップリングさせる工程をさらに含むことができる。複数のうちの各レポータープローブは、(i)同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域;および(ii)レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含むことができる。これらの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされたレポータープローブのそれぞれの検出可能ラベルからのシグナルが結果的に検出されることができる。シグナルが、同定ヌクレオチド配列に結合した各レポータープローブそれぞれについて識別可能であるので、標的結合分子が対応して同定され、それによってサンプル中の複数の標的分子を検出することができる。
本明細書に記載される方法においてレポータープローブが使用されるいくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含むことができる。例えば、固有のシグナルは、光学シグナルであることができる。光学シグナルは、1つの発光シグナルであるかまたは一連のもしくは連続した発光シグナルであることができる。いくつかの態様において、光学シグナルの発生のための標識分子は、1つまたは複数の蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される検出組成物は、複数の捕捉プローブを追加的または代替的に含むことができる。各捕捉プローブは、(i)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合することができる第二の標的プローブ特異的領域;および(ii)アフィニティータグを含むことができる。捕捉プローブのアフィニティータグは、一般に、検出組成物へのカップリング時における、遊離された同定ヌクレオチド配列の固体基板表面への固定化を可能にするために使用される。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列の固定化は、遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされた捕捉プローブを同定する識別可能な空間シグナルを提供することができる。固体基板の例は、非限定的に、マイクロ流体デバイス、カートリッジ、マイクロタイタープレート、チューブ、およびアレイを含む。
いくつかの態様において、(d)の検出方法は、遊離された同定ヌクレオチド配列、第一の標的プローブ特異的領域、または第二の標的プローブ特異的領域の増幅を必要としない。増幅不要の検出方法は、例えば、ヌクレオチド配列によって増幅効率が異なることによる増幅の間に導入されるいかなるバイアスまたは誤差も最小限に抑えることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、これらが対象(そのサンプルが評価される)のゲノム中のいかなる核酸配列とも交差反応しないように選択または設計されることができる。したがって、対象のサンプルから標的分子を検出するために使用される同定ヌクレオチド配列は、対象と異なる種または属のヌクレオチド配列に基づいて選択または設計されることができる。ほんの一例として、いくつかの態様において、動物のサンプル(例えば、ヒトなどの哺乳動物)における使用のための同定ヌクレオチド配列は、植物ゲノムに由来することができる。1つの態様において、ヒトのサンプルにおける使用のための同定ヌクレオチド配列は、ジャガイモゲノムに由来することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、表2(SEQ ID NO: 1〜SEQ ID NO: 110)から選択される配列、またはそれらの断片を有することができる。
一般に、標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、任意の配列長を有することができ、検出方法、および/または検出されるべき標的分子の数を非限定的に含む多数の要因に依存して変化することができる。例えば、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の長さは、サンプル中の多数の標的分子の十分な同定を提供するために増加することができる。同定ヌクレオチド配列を検出するためにハイブリダイゼーションベースの方法が使用されるいくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、相補的レポータープローブへの確実な結合を提供するための、かつ検出可能シグナルを発生させるための十分な長さを有することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、約30〜100ヌクレオチド長を有することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、約70ヌクレオチド長を有することができる。
標的結合分子を標的プローブ中の同定ヌクレオチド配列へカップリングさせる開裂可能リンカーは、遊離された同定ヌクレオチド配列がその後検出されることができるように、標的分子への結合時に標的プローブからの同定ヌクレオチド配列の遊離を可能にすることができる。開裂可能リンカーは、当技術分野において公知であり、その例は、非限定的に、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性であるものを含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、光および酵素分解に対し感受性であることができる。
いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、同定ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に(塩基対合のために)相補的であるポリヌクレオチド配列(例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列)を含まない。すなわち、これらの態様において、同定ヌクレオチド配列は、標的結合分子にカップリングされた相補的ポリヌクレオチド配列から切り離すことによって、複合体から遊離されることはない。したがって、いくつかの態様において、標的プローブは、(i)サンプル中に存在する標的分子に特異的に結合する標的結合分子;(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列;および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能なハイブリダイズできないリンカーを含む。
いくつかの態様において、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、加水分解性リンカー、酸化還元開裂可能リンカー、リン酸ベース開裂可能リンカー、酸開裂可能リンカー、エステルベース開裂可能リンカー、ペプチドベース開裂可能リンカー、光開裂可能リンカー、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されることができる。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、ジスルフィド結合、テトラジン-trans-シクロオクテン基、スルフヒドリル基、ニトロベンジル基、ニトロインドリン基、ブロモヒドロキシクマリン基、ブロモヒドロキシキノリン基、ヒドロキシフェナシル基、ジメトキシベンゾイン基、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、光開裂可能リンカーを含むことができる。任意の当技術分野において承認されている光開裂可能リンカーは、本明細書に記載される標的プローブに使用されることができる。例示的な光開裂可能リンカーは、分子(i)〜(xiv)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択され、ここで、分子(i)〜(xiv)の化学構造は、以下のように示される:
Figure 0006600302
式中、各分子中の黒点の各々は、本明細書に記載される標的結合分子または本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列に直接的または間接的に接続する接続点またはカップリング点を表す。接続点は、結合であることができるか、または本明細書に記載される原子、分子、および/もしくはリンカーを含むことができる。いくつかの態様において、接続点は、結合である。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、分子(xiv)を含むことができる。
光開裂可能リンカーが使用されるいくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、結合した標的プローブを特定波長の光に曝露させることによって、結合した標的プローブから遊離されることができる。いくつかの態様において、紫外線を使用して、結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させることができる。
いくつかの態様において、本方法は、サンプルを標的プローブと接触させる前に、サンプル中の干渉細胞から標的細胞を分離する工程をさらに含むことができる。サンプル中の干渉細胞から標的細胞を分離する方法は公知であり、例えば、干渉細胞から標的細胞を識別する細胞表面タンパク質に基づいている。ほんの一例として、標的細胞または干渉細胞は、関心対象の特定の細胞を標的とするリガンド(例えば、細胞特異的抗体)で標識されることができる。細胞特異的リガンドが蛍光標識されるいくつかの態様において、標識細胞は、次いで、例えばフローサイトメトリーによってソーティングされることができる。代替的に、細胞特異的リガンドが磁性粒子に連結される場合、磁性粒子が結合した標識細胞は、磁気分離によってサンプルから単離されることができる。
標的細胞は、微生物(例えば、細菌、真菌、ウイルス、および/または病原体)を含む原核生物または真核生物であることができる。いくつかの態様において、標的細胞は、正常細胞、病的細胞、突然変異細胞、生殖細胞、体細胞、および/または希少細胞を含むことができる。希少細胞の例は、非限定的に、血中循環腫瘍細胞、胎児細胞、幹細胞、免疫細胞、クローン細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、標的細胞は、腫瘍細胞を含むことができる。いくつかの態様において、腫瘍細胞は、組織生検材料、穿刺吸引生検材料または液体生検材料(例えば、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、および/または血液)、粘膜スワブ、皮膚生検材料、便サンプル、またはそれらの任意の組み合わせに由来することができる。いくつかの態様において、サンプル中の複数の標的分子を検出するために、全細胞および/または細胞溶解物を本明細書に記載される方法および/またはシステムにおいて使用することができる。いくつかの態様において、全細胞は、固定細胞または組織サンプルから得ることができる。
典型的には、標的分子に対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列から検出されたシグナルは、任意の非特異的結合を把握するために対照参照と比較されることができる。したがって、いくつかの態様において、サンプルに加えられる組成物は、複数の対照プローブをさらに含むことができる。複数のうちの各対照プローブは、(i)サンプル中の1つの対照分子に特異的に結合する対照結合分子;(ii)対照結合分子を同定する同定対照配列;および(iii)対照結合分子と同定対照配列との間の開裂可能リンカーを含むことができる。対照結合分子は、サンプル中に存在する対照タンパク質に結合することができる。対照タンパク質の非限定例は、ハウスキーピングタンパク質、対照IgGアイソタイプ、突然変異非機能性または非結合タンパク質、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
対照プローブからのシグナルは、次いで、標的プローブからのシグナルを閾値処理するために使用されることができる。したがって、いくつかの態様において、本方法は、標的シグナルを閾値処理する工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、標的シグナルは、非特異的結合に基づいて閾値処理されることができる。1つの態様において、閾値は、一般に、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも大きく設定される。いくつかの態様において、閾値は、少なくとも1つまたは複数の対照タンパク質からの標準偏差及び測定誤差を使用することによって決定されることができる。
いくつかの態様において、本方法は、対照プローブに関連するシグナルにより標的プローブに関連するシグナルを正規化することによって、シグナル(例えば、予め決定された閾値を超えるシグナル)を定量化する工程をさらに含むことができる。1つの態様において、シグナルは、定量化され、標的結合物質当たりの検出された同定ヌクレオチド配列の数として表される。
いくつかの態様において、本方法は、核酸解析のために同じサンプルについて核酸分子を抽出する工程をさらに含むことができる。核酸の検出および解析の例は、限定的に、配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックスPCR、DNA配列決定、RNA配列決定、デノボ配列決定、次世代配列決定、例えば、大規模並列シグネチャー配列決定(MPSS)、ポロニー配列決定、パイロシークエンシング、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、質量分析法を伴う配列決定、マイクロ流体サンガー配列決定、顕微鏡法ベースの配列決定技術、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
本明細書に記載される方法は、検出前に、結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列が遊離される状況において記載されているが、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、結合した標的プローブから遊離される必要はない。したがって、いくつかの態様において、本明細書に記載される方法はまた、同定ヌクレオチド配列が検出の間標的プローブに結合したままである場合にも適用されることができる。
本明細書に記載される方法の種々の態様は、本明細書に記載されるようなシステムまたはコンピューターシステム中の1つまたは複数の機能モジュールで実施されることができる。したがって、本明細書において別に提供されるものは、サンプル中の複数の標的分子のマルチプレックス検出のためのシステムに関する。例えば、本システムは、以下を含む:
(a)サンプルおよび複数の標的プローブを含む少なくとも1つの試験サンプルを受け入れるための命令を含む、少なくとも1つのサンプル処理モジュールであって、複数のうちの各標的プローブが、
i.サンプル中の1つの標的分子に特異的に結合する標的結合分子、
ii.標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および
iii.標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカー
を含み、かつ、少なくとも1つのサンプル処理モジュールが、サンプル中の標的分子に結合している標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させるための命令をさらに含む、少なくとも1つのサンプル処理モジュール;
(b)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出するための命令を含む、シグナル検出モジュール;
(c)(b)からの検出されたシグナルおよび標的プローブの同定ヌクレオチド配列に関連する情報を記憶するための命令を含む、少なくとも1つのデータ記憶モジュール;
(d)検出されたシグナルに基づいてサンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定するための命令を含む、少なくとも1つの解析モジュール;ならびに
(e)前記解析モジュールからの解析アウトプットに部分的に基づいてコンテンツを表示するための、少なくとも1つのディスプレイモジュールであって、コンテンツが、(i)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在、(ii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の不在、および/または(iii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の発現レベルの指標となるシグナルを含む、少なくとも1つのディスプレイモジュール。
いくつかの態様において、解析モジュールは、(i)検出されたシグナルに対応するレポータープローブの検出可能プローブを同定する;(ii)レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域に基づいて検出可能プローブに対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列を同定する;および(iii)同定ヌクレオチド配列に対応する標的結合分子を同定し、それによって、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定するための命令をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、コンテンツは、コンピュータディスプレイ、スクリーン、モニター、電子メール、テキストメッセージ、ウェブサイト、有形印刷物(例えば、紙)上に表示されるか、またはデータ記憶デバイス中に記憶された情報として提供されることができる。
例えば、サンプルからの複数の異なる標的分子のマルチプレックス検出のためのキットもまた本明細書に提供される。いくつかの態様において、本キットは、以下を含む:
(a)複数の標的プローブであって、複数のうちの各標的プローブが、
i.サンプル中の1つの標的分子に特異的に結合する標的結合分子、
ii.標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および
iii.標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカー
を含む、複数の標的プローブ;ならびに
(b)複数のレポータープローブであって、各レポータープローブが、
i. 同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域;および
ii. レポータープローブを同定する検出可能ラベル
を含む、複数のレポータープローブ。
いくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含むことができる。例示的な固有のシグナルは、光学シグナルであることができる。光学シグナルは、1つまたは一連のまたは連続した発光シグナルを含むことができる。これらの態様において、標識分子の非限定例は、蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本キットは、複数の捕捉プローブをさらに含むことができ、ここで、各捕捉プローブは、(i)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合することができる第二の標的プローブ特異的領域;および(ii)アフィニティータグを含む。
いくつかの態様において、本キットは、複数の対照プローブをさらに含むことができ、ここで、複数のうちの各対照プローブは、以下を含む:
(i)サンプル中の1つの対照分子に特異的に結合する対照結合分子;
(ii)対照結合分子を同定する同定対照配列;および
(iii)対照結合分子と同定対照配列との間の開裂可能リンカー。
いくつかの態様において、本キットは、本明細書に記載される方法またはシステムの1つまたは複数の態様における使用のための少なくとも1つの試薬をさらに含むことができる。本キットにおいて提供されることができる試薬は、以下の少なくとも1つまたは複数を含むことができる:ハイブリダイゼーション試薬、精製試薬、固定化試薬、イメージング剤、細胞透過処理剤、ブロッキング剤、開裂可能リンカー用の開裂剤、核酸検出用のプライマー、核酸ポリメラーゼ、およびそれらの任意の組み合わせ。
いくつかの態様において、本キットは、本明細書に記載される方法および/またはシステムの1つまたは複数の態様における使用のためのデバイスをさらに含むことができる。いくつかの態様において、デバイスは、同定ヌクレオチド配列へのカップリング時における捕捉プローブの固定化のための表面を含むことができる。いくつかの態様において、デバイスは、本明細書に記載されるような干渉細胞から標的細胞を分離するためのマイクロ流体デバイスを含むことができる。
本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、本明細書に記載される方法において用いられる標的プローブにおいて適切な標的結合物質が使用されるという条件で、サンプル中に存在する任意の標的分子を検出するために使用されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよびキットによって検出することができる例示的な標的分子は、非限定的に、タンパク質、ペプチド、代謝物質、脂質、糖質、毒素、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞(例えば、真核生物細胞、原核生物細胞、および微生物)、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、検出されるべき標的分子は、細胞外分子または分泌分子であることができる。いくつかの態様において、検出されるべき標的分子は、細胞内分子、例えば、細胞質分子または核分子であることができる。
細胞内分子(例えば、細胞内タンパク質)を検出するために、サンプル中の標的細胞を、さらなる処理および解析のために標的プローブが標的細胞内分子と接触することができるように、透過処理または溶解することができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、異なるタイプの少なくとも2個の標的分子の測定を可能にすることができる。例えば、本明細書に記載される方法、システム、およびキットを使用して、例えば、核酸分子およびタンパク質、またはタンパク質および代謝物質、またはタンパク質および脂質を測定することができる。異なるタイプの少なくとも2個の標的分子の測定は、同時にまたは連続して実施されることができる。別の態様において、結合した標的分子(例えば、タンパク質)から同定ヌクレオチド配列を遊離させることによって、遺伝物質および同定ヌクレオチド配列を、単一サンプルから平行して抽出することができ、タンパク質-DNA-RNA相互関係の解析を可能にする。
ほんの一例として、サンプルに適用される本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、同じサンプル中の他の非遺伝標的物質を検出しながら、サンプル中の遺伝物質を保存することができる。したがって、いくつかの態様において、非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)の検出のための本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットは、例えば、遺伝物質または遺伝子調節エレメントと相互作用する非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)を研究するために、遺伝物質のための核酸解析と組み合わせて使用されることができる。これらの態様において、本明細書に記載されるようなサンプル中の複数の標的分子を検出するための本明細書に記載される方法およびシステムは、標的分子が検出される同じサンプルから核酸分子を抽出する工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法およびシステムは、抽出された核酸分子を核酸解析に供する工程をさらに含むことができる。配列決定、次世代配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックスPCR、DNA配列決定、RNA配列決定、デノボ配列決定、次世代配列決定、例えば、大規模並列シグネチャー配列決定(MPSS)、ポロニー配列決定、パイロシークエンシング、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、質量分析法を伴う配列決定、マイクロ流体サンガー配列決定、顕微鏡法ベースの配列決定技術、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、蛍光ハイブリダイゼーションベース技術(例えば、非限定的に、nanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術)、任意の当技術分野において承認されている核酸検出方法、またはそれらの任意の組み合わせを非限定的に含む種々の方法を核酸解析に使用することができる。
いくつかの態様において、サンプルおよび/または非遺伝標的分子が本明細書に記載される複数の標的プローブで標識された後、標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、同じ標識されたサンプルからの核酸分子(細胞の遺伝物質)の抽出と同時に、結合した非遺伝標的分子から遊離されることができる。これらの態様において、関心対象の核酸分子と同定ヌクレオチド配列との両方が、単一のサンプル混合物において同時に検出されることができる。1つの態様において、関心対象の核酸分子と同定ヌクレオチド配列との両方が、例えば、米国特許第8,415,102号(その内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなnanoString nCounter(登録商標)解析システムを使用して、単一のサンプル混合物において同時に検出されることができる。本明細書に記載されるような核酸解析のための当技術分野において承認されている他の方法もまた、関心対象の核酸分子(細胞の遺伝物質)と、結合した非遺伝標的分子から遊離された同定ヌクレオチド配列との両方の同時検出に使用することができる。
代替的な態様において、核酸分子は、サンプルの第一の部分から抽出されることができ、一方で、非遺伝標的分子は、同じサンプルの第二の部分に独立に由来するかまたはそれから得ることができる。これらの態様において、関心対象の核酸分子および非遺伝標的分子は、同じサンプル中で関心対象の核酸分子(細胞の遺伝物質)および非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)の発現レベルを決定するために別々に検出されることができる。関心対象の核酸分子は、任意の当技術分野において承認されている核酸解析に供されることができ、一方で、非遺伝標的分子は、本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して標的プローブから遊離された対応する同定ヌクレオチド配列を検出および同定することによって検出されることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、同じサンプル中のタンパク質および核酸分子を測定するために適合させることができる。例えば、タンパク質は、本明細書に記載される標的プローブの1つまたは複数の態様によって検出されることができ、一方で、核酸分子は、当技術分野において公知の任意の方法によって検出され、それによってサンプルについての統合発現プロファイリングを生み出すことができ、これがタンパク質と核酸分子(例えば、マイクロRNAなどの遺伝子調節エレメント)との間の相互作用についての情報を提供することができる。
本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、サンプル中の複数の標的分子の検出が望まれる任意の用途に使用されることができる。例えば、サンプルは、生物学的サンプル、または環境源(例えば、水、土壌、食品、および/または池)からのサンプルであることができる。
本発明者らは、1つの態様において、本明細書に記載される光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディングが、単一細胞または限定数の細胞からの(例えば、低侵襲穿刺吸引物(FNA)からの)何百ものタンパク質の解析を可能にすることができることを実証した。したがって、本明細書に記載される方法に適するサンプルは、500個未満またはそれより少ない細胞を含むことができる。いくつかの態様において、サンプルは、単一細胞サンプルであることができる。いくつかの態様において、サンプルは、穿刺吸引物から単離された細胞を含むことができる。
サンプルが生物学的サンプルである場合、いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、個別化処置に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、状態の処置を必要とする個々の対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、対象の状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、対象についての1つまたは複数の治療標的を同定するために生成され、それによって、対象についての処置計画を同定することができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、対象の状態の処置に対する彼/彼女の応答をモニタリングする際に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、処置の前および/またはその過程にわたって、対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、処置の前および/またはその過程にわたる対象の状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、対象における標的分子の発現レベルの任意の変化を決定するための比較のために生成され、それによって、対象における処置の応答をモニタリングすることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、対象における状態を診断する際に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、ある状態のリスクを有する対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、診断されるべき状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、1つまたは複数の参照発現プロファイル(例えば、健康正常対象および/または診断されるべき状態を有する対象に対応する)との比較のために生成され、それによって、対象がその状態のリスクを有するか否かを決定することができる。
本明細書に記載される方法の1つまたは複数の態様に従う、単一細胞中のマルチプレックスタンパク質解析の例示的スキームを示す。(図1A)癌患者からFNAによって細胞を採取した。この場合、異種集団のEpCAM-陽性癌細胞(緑色)を中皮細胞(赤色)と一緒に示し、腹部癌FNAからの核を青色(Hoechst)で示す。癌細胞を、陽性(例えば、EpCAM+/CK+)選択モードと陰性(例えば、CD45-)選択モードとの両方を使用して、ヘリンボーンチャネルを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)マイクロ流体デバイスにおける磁気分離を介して濃縮および単離した。 本明細書に記載される方法の1つまたは複数の態様に従う、単一細胞中のマルチプレックスタンパク質解析の例示的スキームを示す。(図1B)関心対象の細胞を、光開裂可能リンカーを含有するDNAコンジュゲート抗体(図2A)のカクテルとインキュベートして、紫外線への曝露後のDNA遊離を可能にした。 本明細書に記載される方法の1つまたは複数の態様に従う、単一細胞中のマルチプレックスタンパク質解析の例示的スキームを示す。(図1C)溶解した細胞から遊離されたDNA-抗体コンジュゲート(図3)を、サイズ分離およびIgGプルダウンを使用して単離した。遊離された「異質」DNAバーコードを、蛍光DNAバーコーディングプラットフォーム(NanoString)で処理した。蛍光バーコードをハイブリダイズさせ、CCDカメラを使用して撮像した。抗体およびハウスキーピングタンパク質当たりのDNAに正規化し、かつ対照IgGから非特異的結合を減算することによって、定量化されたバーコードをタンパク質発現レベルに転換した。SKOV3卵巣癌細胞株の代表的プロファイルは、この細胞株に特徴的な高CD44および高Her2発現を示す。 DNA-抗体コンジュゲーションの例示的スキームを示す。(図2A)DNAを抗体にコンジュゲートするために、種々のリンカー戦略を調査した。いくつかの態様において、DTT、テトラジン-trans-シクロオクテン(クリックケミストリーを介する、リンカー1)、およびトラウト試薬(Traut's reagent)(リンカー2)と比較してその開裂効率がより良好なために、光開裂可能リンカー(PCL)を選択した。NanoStringプラットフォームを介して遊離されたDNAを測定することによってリンカー開裂を試験した。データは、2つの独立したトライアルの平均である。**P<0.01、対応のあるt-検定。 DNA-抗体コンジュゲーションの例示的スキームを示す。(図2B)PCLを介する抗体へDNAの連結。リンカーをまず抗体上のアミン(-NH2)基と反応させた。過剰な低分子を除去した後、チオール化されたDNAを、抗体-リンカーミックスに対して10倍過剰で加えた。最終抗体-DNAキメラを、サイズ分離とIgG特異的プルダウンとの両方を介して精製した。その後、特定波長(365nm)での光開裂によって、抗体からDNAを遊離させることができた。 溶解およびブロッキング方法の最適化を目指した実験データを示す。(方法A〜D)4つの異なる溶解およびブロッキング方法を使用して、標識した細胞からDNAを回収した。溶解条件は、(方法A)プロテイナーゼK+PKD溶解緩衝液;(方法B)プロテイナーゼK+ATL溶解緩衝液;(方法C)ATL溶解緩衝液単独;および(方法D)UV開裂単独(細胞溶解なし)を含んだ。溶解条件をデュプリケート(x-軸)で試験し、DNAシグナル(y-軸)および異なる細胞内タンパク質(z-軸)を測定した。最良の反応条件は方法B(プロテイナーゼK+ATL溶解緩衝液)であり、方法(方法AおよびC)に対してシグナルが20%増加した。 各標的分子についての抗体当たりのDNAの読取値を示すグラフである。抗体当たりの異質DNA断片の数をNanostring方法によって測定(グラフで示す)し、ssDNA定量化およびQubitタンパク質測定によって独立に確認した。データをトリプリケート測定±SEMから表示した。 ヒト乳癌細胞株のマルチプレックスタンパク質プロファイリングを示す。癌関連経路(カラーコード化した)を網羅する88個の異なる抗体の代表例を、MDAMB-231三重陰性乳癌細胞株についてトリプリケート(平均±SEM)でプロファイル化した。抗体当たりのDNAの量に正規化することによって、DNAカウントをタンパク質結合に変換した。6つの対照IgGの発現からの非特異的結合を減算し、ハウスキーピングタンパク質Cox IV、ヒストンH3、チューブリン、アクチン、およびグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)(右端)によって発現を正規化した。AU、任意単位;EMT、上皮間葉転換。 抗体標識に対する透過処理スキームの効果を示すグラフである。(図6A)メタノールおよびサポニン透過処理は、細胞内タンパク質と核タンパク質との両方の場合で同様であった。ホスホ-ヒストンH3(pH3)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、リン酸化Src(pSRC)、およびリン酸化グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(pGSK3b)などの代表例をグラフ化する。(図6B)非特異的結合は、メタノール透過処理で非常に高かった。 非修飾抗体とDNA-抗体コンジュゲートの比較を示す実験データである。(図7A)抗体-DNAコンジュゲートは、フローサイトメトリーによって決定したところ、非コンジュゲートのネイティブ抗体に対して良好な相関を示す。複数の細胞株で実験を実施した。代表例を、ヒトSKOV3細胞株に対する複数の抗体の直接比較で示す(R2=0.92)。(図7B)異なる細胞溶解物で検出されたタンパク質発現は、非修飾抗体またはDNAコンジュゲートによって検出されたかにかかわらず、類似の発現パターンを示した。これは、p53およびホスホ-S6RP(イムノブロット)、ならびにKi67(ドットブロット)に対しても当てはまった。 DNA-抗体コンジュゲートの検証データを示す。(図8A)別個のDNAバーコードにコンジュゲートされた場合の、EpCAMの2個の異なる抗体クローン(MOC-31および158206)間の一致。複数の患者サンプル(n=22)にわたって抗体をアッセイした。(図8B)カクテル(80+抗体)と比較して、細胞株を単一抗体で染色した場合の抗体発現を測定した。3つの異なるヒト細胞株(MDA-MB-231、MDA-MB-436、およびA431)について5つの抗体(CD44、EGFR、53BP1、p-S6RP、ウサギIgG)からデータを収集した。実験をデュプリケートで繰り返し、各データ点は所与の細胞株に対する1つのマーカーに対応する。発現測定値を、同じ数の細胞について正規化されたDNAカウントによって計算した。(図8C)処置の前後のマーカー発現の変化をアッセイし、実施例(ABCDプラットフォーム)および独立した免疫蛍光スクリーニング(標準誤差を生物学的トリプリケートから示す)において両方の方法を使用して定量化した。 タンパク質マーカー発現がフローサイトメトリーと相関することを示す一連のグラフである。複数のマーカー(CD44、Her2、EGFR、CA19-9、ケラチン7、およびMuc 1)を、複数の細胞株(SK-OV-3、ES-2、OVCA429、UCI-107、UCI-101、TOV-112D、TOV-21G、およびA2780)にわたってスクリーニングした。各データ点は、特定の細胞株についてのNanoString DNAカウントまたはフローサイトメトリーに由来する発現を表す。ハウスキーピングタンパク質GAPDH、チューブリン、およびアクチンによって発現値を正規化した。フローサイトメトリーまたはNanostringのいずれかにおいて陰性対照(IgG抗体)の測定値未満の測定値を有する細胞株を排除した。これらの測定値を独立に実施されたフローサイトメトリー測定値(平均蛍光強度(シグナル/バックグラウンド)から計算した)と比較したが、ここで、バックグラウンドは、一次抗体なしの二次抗体であった。挿入図は、データのlog-logプロットを示す。 ヒト表皮癌細胞株を使用した検出感度についての実験データである。(図10A)類表皮癌細胞株A431からの500,000個の細胞のバルクサンプルを溶解し、図1A〜1Cに示すように処理した。次いで、5、15、および50個の細胞に対応する希釈物をバルク測定と比較した。 ヒト表皮癌細胞株を使用した検出感度についての実験データである。(図10B)マイクロマニピュレーションによって選択した単一A431細胞についての相関値をバルク測定値(500,000個の細胞)と比較する。 ヒト表皮癌細胞株を使用した検出感度についての実験データである。(図10C)4つの単一細胞のタンパク質発現プロファイル(log2発現値)をバルクサンプルと比較した。相関は、全ての単一細胞をバルク測定値と比較した場合に高度に有意であった(P<.0001、対応のあるt-検定;GraphPad Prism 6.0)。 処置および未処置A431細胞における単一細胞変動性を示す実験データである。(図11A)EGFR阻害剤ゲフィチニブで処置したまたは未処置のいずれかのヒトA431細胞株における単一細胞測定値を、相関計量法(MatLab)に基づいてクラスター化した。 処置および未処置A431細胞における単一細胞変動性を示す実験データである。(図11B)4つのマーカーについてのペアワイズt-検定(FDR=0.1、***P<0.001、GraphPad Prism)を示す。最も有意であったマーカーならびにホスホ-EGFR(ゲフィチニブ阻害の一次標的である)を示す。未処置細胞(青色)および処置細胞(黄色)からのシグナル間の分布を示す。各点は、単一細胞から計算された発現レベルを表し、平均および標準偏差をボックスプロットで示す。 患者サンプルにおける単一細胞タンパク質解析に基づいた実験データを示す。生検で証明された肺腺癌を有する患者からFNAを得た。(図12A)11個の採取した細胞を個別に解析し、各細胞におけるタンパク質発現レベル(y軸)を、バルク腫瘍サンプルからの発現レベル(x軸)と相関させた。各データ点は、所与のマーカー(n=85個のマーカー、検出閾値3未満)についての発現を表す。 患者サンプルにおける単一細胞タンパク質解析に基づいた実験データを示す。生検で証明された肺腺癌を有する患者からFNAを得た。(図12B)互いにおよびバルク測定に対する(図12A)における単一細胞の各々についてのスピアマンR相関係数値。 肺癌における患者間不均一性を示す。生検で証明された肺腺癌を有する6人の患者からFNAを得て、図1A〜1Cに示すように88個のバーコード化抗体でバルクサンプル(各約100個の細胞)を処理した。発現データを行(row)によってlog2正規化し、各患者間の差異を示した。同一の組織型にもかかわらず発現プロファイルは異種であった:遺伝子解析時に、患者1および2は、EGFRエクソン19増幅およびT790M突然変異を有し、患者3は、エクソン20EGFR突然変異を有し、患者4は、EGFRL858R突然変異および追加のBRAF突然変異を有し、患者5は、KRAS突然変異を有し、そして患者6は、EML4-ALK転座を有していた。 MDA-MB-436三重陰性乳癌細胞株におけるタンパク質発現プロファイルに対する異なる治療の効果についての実験データを示す。(図14A)MDA-MB-436細胞を異なる薬剤で処置し、マーカータンパク質を測定した。ユークリッド距離に基づいた教師なし(Unsupervised)階層的クラスタリングは、それらの作用機序(分子的に標的化対DNA損傷)および一次標的[ゲフィチニブ/セツキシマブについてEGFR、およびPKI-587についてラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)/PI3K]によって薬物処置をグループ化した。データは、n=84個のマーカーについて、未処置細胞と比較した処置細胞のマーカー発現のlog2倍率変化を示す。全ての実験をトリプリケートで実施した。 MDA-MB-436三重陰性乳癌細胞株におけるタンパク質発現プロファイルに対する異なる治療の効果についての実験データを示す。(図14B)シスプラチンおよびオラパリブで処置した後の4つの異なる細胞株の薬物感受性とプロテオミクスプロファイルの変化の相関。生存率曲線に基づいてIC50値(黒色線)を計算した(図15A)。処置後の細胞プロファイルの変化を有意なマーカーの数によって表し(灰色線)、これは処置サンプル対未処置サンプルのペアワイズt-検定によって同定した(FDR=0.1)。 タンパク質マーカーの変化が薬物感受性と相関することを示すグラフである。ヒト卵巣悪性腫瘍(A2780、OVCAR429)および乳癌(MDA-MB-436、MDA-MB-231)細胞株は、化学療法に対して異なって反応する。薬物に対して感受性が増加したものは、それらの細胞プロファイルにおいてより大きい変化を示すと期待される。(図15A)示すように、各細胞株について生物学的トリプリケートにおけるMTS生存率曲線から計算されたIC50値によって感受性を決定した。正確な値および生存率曲線の適合をGraphPad Prism 5.0(用量応答曲線)によって決定した。 タンパク質マーカーの変化が薬物感受性と相関することを示すグラフである。ヒト卵巣悪性腫瘍(A2780、OVCAR429)および乳癌(MDA-MB-436、MDA-MB-231)細胞株は、化学療法に対して異なって反応する。薬物に対して感受性が増加したものは、それらの細胞プロファイルにおいてより大きい変化を示すと期待される。(図15B)結果として薬物阻害をもたらした、細胞株をセツキシマブで処置した対照研究のデータ。 タンパク質マーカーの変化が薬物感受性と相関することを示すグラフである。ヒト卵巣悪性腫瘍(A2780、OVCAR429)および乳癌(MDA-MB-436、MDA-MB-231)細胞株は、化学療法に対して異なって反応する。薬物に対して感受性が増加したものは、それらの細胞プロファイルにおいてより大きい変化を示すと期待される。(図15C〜15E)いくつかのDNA損傷マーカー(pH2A.X、Ku80、pChk2、pChhk1)、アポトーシスマーカー(開裂PARP、開裂カスパーゼ7)の選択したパネル、および白金処置に一般的に関連する他の機序(pERK、Bim)にわたる変化。データは、トリプリケートで実施した平均±SEMである。 タンパク質マーカーの変化が薬物感受性と相関することを示すグラフである。ヒト卵巣悪性腫瘍(A2780、OVCAR429)および乳癌(MDA-MB-436、MDA-MB-231)細胞株は、化学療法に対して異なって反応する。薬物に対して感受性が増加したものは、それらの細胞プロファイルにおいてより大きい変化を示すと期待される。(図15C〜15E)いくつかのDNA損傷マーカー(pH2A.X、Ku80、pChk2、pChhk1)、アポトーシスマーカー(開裂PARP、開裂カスパーゼ7)の選択したパネル、および白金処置に一般的に関連する他の機序(pERK、Bim)にわたる変化。データは、トリプリケートで実施した平均±SEMである。 タンパク質マーカーの変化が薬物感受性と相関することを示すグラフである。ヒト卵巣悪性腫瘍(A2780、OVCAR429)および乳癌(MDA-MB-436、MDA-MB-231)細胞株は、化学療法に対して異なって反応する。薬物に対して感受性が増加したものは、それらの細胞プロファイルにおいてより大きい変化を示すと期待される。(図15C〜15E)いくつかのDNA損傷マーカー(pH2A.X、Ku80、pChk2、pChhk1)、アポトーシスマーカー(開裂PARP、開裂カスパーゼ7)の選択したパネル、および白金処置に一般的に関連する他の機序(pERK、Bim)にわたる変化。データは、トリプリケートで実施した平均±SEMである。 インビトロでのヒトHT1080細胞におけるタキソール処置および用量応答スクリーニングを示す。(図16A)用量応答タキソール処置からの選択マーカーの変化を、DNAバーコーディングプロファイルと共に表示し、標準誤差は生物学的デュプリケートからである。 インビトロでのヒトHT1080細胞におけるタキソール処置および用量応答スクリーニングを示す。(図16B)用量応答曲線からのEC50値を、R2値と一緒に表示する。 インビトロでのヒトHT1080細胞におけるタキソール処置および用量応答スクリーニングを示す。(図16C)未処置とは有意に異なるマーカー(ペアワイズ重複t-検定、FDR=0.2)は、タキソール処置に対して用量依存応答を有することが示された。 インビトロでのヒトHT1080細胞におけるタキソール処置および用量応答スクリーニングを示す。(図16D)未処置および処置した状態間で有意に異なるマーカーをベン図で示す。CDCP1は全ての用量で有意に異なっていた。 PI3K阻害剤を受けた患者における処置応答をモニタリングおよび予測するための、種々の癌患者の発現プロファイリングを示す。(図17A)5人の薬物ナイーブな癌患者のプロファイルを、加重連結法(weighted linkage)による相関計量法に基づいたクラスタリングと共に示す。点線のボックスは、応答者と非応答者を最も良く分離したマーカー(H3K79me2)を含むクラスターを示す。クラスター中の他のマーカーは、pS6RP(PI3Kの下流標的)、pH2A.X(DNA損傷マーカー)、PARP(DNA修復タンパク質)、および4EBP1(タンパク質翻訳)を含む。 PI3K阻害剤を受けた患者における処置応答をモニタリングおよび予測するための、種々の癌患者の発現プロファイリングを示す。(図17B)生検で証明された腺癌を有する4人の患者をPI3Kiで処置し、原発癌を処置の前後に生検した。ヒートマップは、タンパク質発現のlog2倍率変化を示す前処置と後処置の差分マップである(患者間の相違を強調するために行によって正規化した)。患者のセグリゲーションは、相関距離計量法(加重連結法)による。第三列の患者は、第四列の患者(150mg、1日2回)よりも高い用量(400mg、1日2回)のPI3Kiを受けた。 例えば、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のための、本明細書に記載される方法における使用のための例示的なシステムを示すブロック図である。 例えば、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のための、本明細書に記載される方法における使用のための例示的なシステムを示すブロック図である。
詳細な説明
免疫組織化学ベースの臨床診断は、一般に、侵襲的なコア生検を必要とし、癌を同定および分類するために限定数のタンパク質染色を使用する。穿刺吸引(FNA)は、腫瘤から細胞を得るために細針を用い、したがって、その手順は低侵襲的である。FNAは悪性に対して膨大な見識を与えることができるが、FNA中の細胞数はとても少なく(コア生検と比較して)、免疫組織化学などのタンパク質解析の現在の技術に不十分である。本明細書に記載される種々の局面の態様は、限られた量のサンプル(例えば、FNA)からの複数のタンパク質の解析を可能にするだけでなく、同じサンプルからの遺伝物質を保存してタンパク質および遺伝物質(例えば、DNA、RNA、エピジェネティックおよびマイクロRNA)の同時測定を可能にするスケール変更可能な方法の開発に部分的に基づいている。1つの態様において、本方法は、DNAバーコード化抗体センシングに依拠するものであり、バーコード(DNAの一本鎖)は、光開裂されて、いかなる増幅工程も伴うことなく蛍光相補的プローブを使用して検出されることができ、これは、本明細書において、光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディングと呼ばれる。米国特許出願公開第US 2011/0086774号に記載されているタンパク質検出方法とは異なり、本発明者らが開発したDNAバーコードおよび抗体は、(例えば、塩基対合によって)可逆的にハイブリダイズされるハイブリダイズ可能なリンカーではなく開裂可能なハイブリダイズできないリンカーを介して、DNAバーコードの一部分に一緒にカップリングされる。加えて、標的タンパク質の検出は、標的タンパク質への単一のDNAバーコード化抗体の結合に基づいており、これは、標的タンパク質の異なる領域への結合のために、2個の抗体(一方は、固体基板(例えば、ビーズ)への固定化のため、そして他方は検出目的に)が必要である米国特許出願公開第US 2011/0086774号に記載されているタンパク質検出方法とは異なる。
ABCDプラットフォームの可能性を実証するために、本発明者らは患者のFNA内の癌細胞を単離し、これらの細胞を、癌の特徴的なプロセス(例えば、アポトーシスおよびDNA損傷)を網羅する約90個のDNAバーコード化抗体の混合物に曝露させた。本発明者らは、患者のFNAの単一細胞タンパク質解析が高い腫瘍内不均一性を示したことを発見し、このことは希少単一細胞(血中循環腫瘍細胞を非限定的に含む)でタンパク質プロファイリングを実施するABCDプラットフォームの能力を示している。さらに、本発明者らは、同一の病理組織学を示した患者がさらにプロテオミクスプロファイリングにおいて患者不均一性を示したことも発見し、このことは処置のための個別化された標的を同定するABCDプラットフォームの能力を示している。患者のサンプル中のタンパク質発現をプロファイリングおよびクラスタリングすることによって、本発明者らはまた、化学療法(例えば、キナーゼ阻害剤)を受ける患者の処置の応答をモニタリングおよび予測するためのABCDプラットフォームの使用を示した。タンパク質プロファイリングを生成するためのABCDプラットフォームは、スケール変更可能であり、かつ他の標的分子(例えば、代謝物質および脂質)を検出するために拡張することができる。ABCDプラットフォームは、タンパク質を定量的に測定することができるだけでなく、ABCDプラットフォームはまた、単一サンプル中で、少なくとも90個またはそれ以上の異なるタンパク質(例えば、約100〜200個の異なるタンパク質)の同時測定も可能にすることができる。さらに、ABCDプラットフォームが高感度であるために、ABCDプラットフォームは、希少タンパク質、例えば、一般に高度に発現していないまたは容易に入手もしくは抽出できないタンパク質(例えば、細胞内タンパク質)の検出を可能にすることができる。したがって、本明細書に記載される種々の局面は、サンプルからの複数の標的分子を検出および/または定量するための方法、システムおよびキット、ならびに種々の用途(例えば、診断、予後、個別化処置、および/または処置モニタリング)におけるそれらの使用を提供する。
サンプル中の複数の標的分子を検出または定量化するための方法
1つの局面において、本明細書において提供されるものは、サンプル中の複数の標的分子を検出するための方法である。本方法は、(a)サンプルを、複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程であって、複数のうちの各標的プローブが、(i)サンプル中の標的分子または別個の標的分子に特異的に結合する、標的結合分子、(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカーを含む、工程;(b)結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;ならびに(c)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の複数の標的分子を検出する、工程を含む。
複数のうちの各標的プローブが別個の標的分子に結合するいくつかの態様において、複数のうちの2個の標的プローブは、同じ標的分子の異なる領域に結合しない。
別の言い方をすれば、本方法は、(a)複数の複合体(各複合体は、標的分子およびそれに結合した標的プローブを含む)をサンプル中で形成する工程であって、標的プローブが、(i)サンプル中に存在する標的分子に特異的に結合する標的結合分子、(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカーを含む、工程;(b)複合体から同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;ならびに(c)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の複数の標的分子を検出する、工程を含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、同定されたヌクレオチド配列のいずれの部分にも(例えば、塩基対合によって)プレハイブリダイズされない。
いくつかの態様、例えば、細胞アッセイにおいて、標的分子およびそれに結合した標的プローブを含む各複合体は、同じ標的分子に結合する2個以上の異なる種類の標的プローブ(ここで、標的プローブの各々は、同じ標的分子の異なる領域に結合する)を必要としない。例えば、米国特許出願第US 2011/0086774号に記載されているタンパク質検出方法とは異なり、本明細書に記載される各複合体は、標的分子の第一の領域に結合する第一の標的プローブと、同じ標的分子の第二の領域に結合する第二の標的プローブとの両方を必要としない。別の言い方をすれば、いくつかの態様において、標的分子に結合する本明細書に記載されるような単一の標的プローブは、本明細書に記載される方法の実施可能要件を十分に満たす。これらの態様において、本明細書に記載される方法は、例えば、米国特許出願第US 2011/0086774号に記載されているような、固体基板(例えば、ビーズ)への連結のための同じ標的分子に結合する別の標的プローブを必要としない。
本明細書に記載される異なる局面の種々の態様において、開裂可能リンカーは、同定ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に(塩基対合のために)相補的であるポリヌクレオチド配列(例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列)を含まない。すなわち、これらの態様において、同定ヌクレオチド配列は、標的結合分子にカップリングされた相補的ポリヌクレオチド配列から切り離すことによって、複合体から遊離されることはない。したがって、いくつかの態様において、標的プローブは、(i)サンプル中に存在する標的分子に特異的に結合する標的結合分子;(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列;および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能なハイブリダイズできないリンカーを含む。
「標的プローブ」は、下記の「標的プローブ」の項に詳細に記載される。
いくつかの態様において、本方法は、サンプル中の標的分子に結合した標的プローブから結合していない標的プローブを分離する工程をさらに含むことができる。
本明細書において使用される場合、用語「結合した標的プローブ」は、サンプル中の標的分子に結合している標的プローブを指す。
いくつかの態様において、本方法は、サンプルを標的プローブと接触させる前に、サンプル中の干渉細胞から標的細胞を分離する工程をさらに含むことができる。サンプル中の干渉細胞から標的細胞を分離する方法は公知であり、例えば、干渉細胞から標的細胞を識別する細胞表面タンパク質に基づいている。ほんの一例として、標的細胞または干渉細胞は、関心対象の特定の細胞を標的とするリガンド(例えば、細胞特異的抗体)で標識されることができる。細胞特異的リガンドが蛍光標識されるいくつかの態様において、標識細胞は、次いで、例えばフローサイトメトリーによってソーティングされることができる。代替的に、細胞特異的リガンドが磁性粒子に連結される場合、磁性粒子が結合した標識細胞は、磁気分離によってサンプルから単離されることができる。いくつかの態様において、細胞のソーティングまたは選択は、マイクロ流体デバイスで実施されることができる。いくつかの態様において、国際特許出願第WO 2013/078332号(その内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなサンプルから標的細胞または干渉細胞を単離するための方法を本明細書に記載される方法と組み合わせて使用することができる。
標的細胞は、原核生物または真核生物(細菌、真菌、ウイルスおよび/または病原体などの微生物を含む)であることができる。いくつかの態様において、標的細胞は、正常細胞、病的細胞、突然変異細胞、生殖細胞、体細胞、および/または希少細胞を含むことができる。希少細胞の例は、非限定的に、血中循環腫瘍細胞、胎児細胞、幹細胞、免疫細胞、クローン細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、標的細胞は、腫瘍細胞を含むことができる。いくつかの態様において、腫瘍細胞は、組織生検材料、穿刺吸引生検材料または液体生検材料(例えば、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、および/または血液)、粘膜スワブ、皮膚生検材料、便サンプル、またはそれらの任意の組み合わせに由来することができる。いくつかの態様において、サンプル中の複数の標的分子を検出するために、全細胞および/または細胞溶解物を本明細書に記載される方法によって解析することができる。いくつかの態様において、全細胞は、固定細胞または組織サンプルから得ることができる。
本明細書に記載される方法によって検出することができる例示的な標的分子は、非限定的に、タンパク質、ペプチド、代謝物質、脂質、糖質、毒素、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、検出されるべき標的分子は、細胞外分子または分泌分子であることができる。いくつかの態様において、検出されるべき標的分子は、細胞内分子、例えば、細胞質分子または核分子であることができる。
細胞内分子(例えば、細胞内タンパク質)を検出するために、サンプル中の標的細胞を、さらなる処理および解析のために標的プローブが標的細胞内分子と接触することができるように、透過処理または溶解することができる(例えば、溶解緩衝液または界面活性剤で)。いくつかの態様において、溶解緩衝液は、プロテアーゼを含むことができる。例示的なプロテアーゼは、プロテアーゼKである。
同定ヌクレオチド配列は、当技術分野において公知の任意の方法を使用して、開裂可能リンカーのタイプに応じて、結合した標的プローブから遊離されることができる。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、同定ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に(塩基対合のために)相補的であるポリヌクレオチド配列(例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列)を含まない。すなわち、これらの態様において、同定ヌクレオチド配列は、標的結合分子にカップリングされた相補的ポリヌクレオチド配列(ハイブリダイズ可能なリンカー)から切り離すことによって、複合体から遊離されることはない。開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、当技術分野において公知であり、その例は、非限定的に、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性であるものを含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、光および酵素分解に対し感受性であることができる。
光開裂可能リンカーが使用されるいくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、結合した標的プローブを特定波長の光に曝露させることによって、結合した標的プローブから遊離されることができる。いくつかの態様において、紫外線を使用して、結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させることができる。
遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックス(PCR)、マスサイトメトリー、フルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法、ハイブリダイゼーションベースの方法、蛍光ハイブリダイゼーションベースの方法、イメージング、およびそれらの任意の組み合わせを非限定的に含む当技術分野において公知の種々の方法によって検出されることができる。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、電気泳動ベースの方法によって決定されることができる。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、電気泳動ベースの方法によって決定されない。ゲル電気泳動ベースの方法は、一般に、本明細書に記載される他の検出方法、例えば、PCR、蛍光ハイブリダイゼーションベースの方法、ならびに例えば米国特許第8,415,102号、およびGeiss et al. Nature Biotechnology. 2008. 26(3): 317-325(その各々の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているような、nanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術ほど定量的または高感度ではない。したがって、ゲル電気泳動ベースの方法は、希少タンパク質、例えば、一般に高度に発現していないまたは容易に入手もしくは抽出できないタンパク質(例えば、細胞内タンパク質)の検出のために必要な感度を必ずしも有しない。加えて、ゲルの限定されたサイズ解像度は、本明細書に記載される他の検出方法、例えば、PCR、蛍光ハイブリダイゼーションベースの方法、ならびに例えば米国特許第8,415,102号、およびGeiss et al. Nature Biotechnology. 2008. 26(3): 317-325(その各々の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなnanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術と比較して、多数の(例えば、5を超えるまたは10を超える)異なる標的分子の同時測定を制限する可能性がある。
遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルの性質は、検出方法および/または検出可能ラベルの選択に伴って様々であることができる。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、ハイブリダイゼーションベースの方法によって検出されることができる。例えば、いくつかの態様において、本方法は、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する前に、遊離された同定ヌクレオチド配列を複数のレポータープローブを含む検出組成物にカップリングさせる工程をさらに含むことができる。複数のうちの各レポータープローブは、(i)同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域;および(ii)レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含むことができる。これらの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされたレポータープローブのそれぞれの検出可能ラベルからのシグナルがそのように検出されることができる。シグナルが、同定ヌクレオチド配列に結合した各々それぞれのレポータープローブについて識別可能であるので、標的結合分子が対応して同定され、それによってサンプル中の複数の標的分子を検出することができる。「レポータープローブ」の追加情報は、下記の「レポータープローブ」の項に見いだされる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される検出組成物は、本明細書に記載されるような複数の捕捉プローブを追加的に含むことができる。捕捉プローブの追加情報は、下記の「捕捉プローブ」の項に見いだされる。
いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出するために選択される方法は、遊離された同定ヌクレオチド配列、第一の標的プローブ特異的領域、または第二の標的プローブ特異的領域の増幅を必要としない。増幅不要の検出方法は、例えば、ヌクレオチド配列によって増幅効率が異なることによる増幅の間に導入されるいかなるバイアスまたは誤差も最小限に抑えることができる。
いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、例えば、米国特許第8,415,102号、およびGeiss et al. Nature Biotechnology. 2008. 26(3): 317-325(その各々の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなnanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術によって検出されることができる。
典型的には、標的分子に対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列から検出されたシグナルは、任意の非特異的結合を把握するために対照参照と比較されることができる。したがって、いくつかの態様において、サンプルに加えられる組成物は、複数の対照プローブをさらに含むことができる。複数のうちの各対照プローブは、(i)サンプル中の1つの対照分子に特異的に結合する対照結合分子;(ii)対照結合分子を同定する同定対照配列;および(iii)対照結合分子と同定対照配列との間の開裂可能リンカーを含むことができる。対照結合分子は、サンプル中に存在する対照タンパク質に結合することができる。対照タンパク質の非限定例は、ハウスキーピングタンパク質、対照IgGアイソタイプ、突然変異非機能性または非結合タンパク質、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
対照プローブからのシグナルは、次いで、標的プローブからのシグナルを閾値処理するために使用されることができる。したがって、いくつかの態様において、本方法は、標的シグナルを閾値処理する工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、標的シグナルは、非特異的結合に基づいて閾値処理されることができる。例えば、いくつかの態様において、閾値は、少なくとも1つまたは複数の対照タンパク質からの標準偏差及び測定誤差を使用することによって決定されることができる。閾値は、一般に、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも大きく設定される。いくつかの態様において、その閾値は、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも、少なくとも50%以上(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上を含む)高くあることができる。いくつかの態様において、その閾値は、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも、少なくとも1.1倍以上(例えば、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、またはそれ以上を含む)高くあることができる。
いくつかの態様において、本方法は、対照プローブに関連するシグナルにより標的プローブに関連するシグナルを正規化することによって、シグナル(例えば、予め決定された閾値を超えるシグナル)を定量化する工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、シグナルは、解析され、標的結合分子(または標的分子)当たりの同定ヌクレオチド配列の数として表されることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、当技術分野において承認されている他の単一細胞プロテオミクス技術を補完することができる。例示的な単一細胞プロテオミクス技術は、例えば、マスサイトメトリーおよびフルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法を含む。単一細胞マスサイトメトリーおよびフルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法に関する追加情報については、例えば、Bendall et al. Science 332, 687-696 (2011)および Gerdes et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 11982-11987 (2013)を参照されたい。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、異なるタイプの少なくとも2個の標的分子の測定を可能にすることができる。例えば、本明細書に記載される方法、システム、およびキットを使用して、例えば、核酸分子およびタンパク質、またはタンパク質および代謝物質、またはタンパク質および脂質を測定することができる。異なるタイプの少なくとも2個の標的分子の測定は、同時にまたは連続して実施されることができる。
ほんの一例として、サンプルに適用される本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、同じサンプル中の他の非遺伝標的物質を検出しながら、サンプル中の遺伝物質を保存することができる。これは、非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)を測定するために全細胞が一般に必要である、フローサイトメトリーおよびマスサイトメトリーなどの既存の非遺伝(例えば、プロテオミクス)解析方法に勝る利点の1つである。したがって、非遺伝(例えば、プロテオミクス)測定後には、その遺伝物質を含む全細胞は失われる。フローサイトメトリーでは、蛍光を検出するために細胞がフローチャンバーを通過するため細胞が失われる;マスサイトメトリーでは、細胞サンプルが蒸発され、利用可能となり得る任意の遺伝物質が破壊される。マスサイトメトリーにおける細胞蒸発は、結果としてサンプルの約60%の破壊をもたらし、遺伝物質を回収するどころかプロテオミクス検出さえもできない。
対照的に、本明細書において提示される方法および/またはシステムは、同定ヌクレオチド配列(これはヌクレオチドを含む)をタグまたはバーコードとして用いて、非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)を標識および/または測定する。したがって、本明細書に記載される方法および/またはシステムは、いかなるヌクレオチド含有物質(例えば、同定ヌクレオチド配列およびさらには細胞から抽出された遺伝物質)も破壊されないようにする。そのため、1つの態様において、同定ヌクレオチド配列(非遺伝標的分子、例えば、非限定的に、タンパク質の同定のためのバーコード)ならびに関心対象の細胞の遺伝物質(DNA、RNA、マイクロRNA、長鎖非コーディングRNAなどを非限定的に含む)に対して同時測定を実施する方法は、非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)を測定するために同定ヌクレオチド配列だけでなく、細胞からの遺伝物質(例えば、非限定的に、DNA/RNA)も検出されるように、相補的プローブセット(レポータープローブおよび場合により捕捉プローブを含む)が拡張されなければならない以外は本質的に同じである。
したがって、いくつかの態様において、非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)の検出のための本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットは、例えば、遺伝物質または遺伝子調節エレメントと相互作用する非遺伝標的分子(例えば、非限定的に、タンパク質)を研究するために、遺伝物質のための核酸解析と組み合わせて使用されることができる。これらの態様において、本明細書に記載されるようなサンプル中の複数の標的分子を検出するための本明細書に記載される方法およびシステムは、標的分子が検出される同じサンプルから核酸分子を抽出する工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法およびシステムは、抽出された核酸分子を核酸解析に供する工程をさらに含むことができる。配列決定、次世代配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックス(PCR)、DNA配列決定、RNA配列決定、デノボ配列決定、次世代配列決定、例えば、大規模並列シグネチャー配列決定(MPSS)、ポロニー配列決定、パイロシークエンシング、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、質量分析法を伴う配列決定、マイクロ流体サンガー配列決定、顕微鏡法ベースの配列決定技術、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、蛍光ハイブリダイゼーションベース技術(例えば、非限定的に、nanoString nCounter(登録商標)技術)、任意の当技術分野において承認されている核酸検出方法、またはそれらの任意の組み合わせを非限定的に含む種々の方法を核酸解析に使用することができる。
いくつかの態様において、サンプルおよび/または非遺伝標的分子が本明細書に記載される複数の標的プローブで標識された後、標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、同じ標識されたサンプルからの核酸分子(細胞の遺伝物質)の抽出と同時に、結合した非遺伝標的分子から遊離されることができる。これらの態様において、関心対象の核酸分子(細胞の遺伝物質)と同定ヌクレオチド配列との両方が、単一のサンプル混合物において同時に検出されることができる。1つの態様において、関心対象の核酸分子(細胞の遺伝物質)と同定ヌクレオチド配列との両方が、例えば、米国特許第8,415,102号(その内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなnanoString nCounter(登録商標)解析システムを使用して、単一のサンプル混合物において同時に検出されることができる。この態様において、細胞からの核酸分子(遺伝物質)および遊離された同定ヌクレオチド配列が溶液の状態であれば、その溶液の混合物を、同定ヌクレオチド配列のための、ならびに関心対象の細胞の核酸分子(細胞の遺伝物質)のための本明細書に記載されるようなレポータープローブと捕捉プローブとの両方を含むプローブセットと接触させることができる。nanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術を使用する利点の1つは、その解析が、バイアスを導入する可能性がある増幅を必要とせずかつ最小の操作時間での調製で、固定されたサンプルだけでなく細胞溶解物でも行うことができることである。しかしながら、本明細書に記載されるような核酸解析または遺伝子解析のための当技術分野において承認されている他の方法(例えば、非限定的に、配列決定)もまた、関心対象の核酸分子(細胞の遺伝物質)と、結合した非遺伝標的分子からの遊離された同定ヌクレオチド配列との両方の同時検出に使用することができる。例えば、配列決定の場合には、細胞の遺伝物質(例えば、DNAおよび/またはmRNA)と非遺伝標的分子に対応する同定ヌクレオチド配列との両方が一緒に配列決定されることができる。
代替的な態様において、核酸分子は、サンプルの第一の部分から抽出されることができ、一方で、非遺伝標的分子は、同じサンプルの第二の部分に独立に由来するかまたはそれから得ることができる。これらの態様において、関心対象の核酸分子および非遺伝標的分子は、同じサンプル中で関心対象の核酸分子および非遺伝標的分子の発現レベルを決定するために別々に検出されることができる。関心対象の核酸分子は、任意の当技術分野において承認されている核酸解析に供されることができ、一方で、非遺伝標的分子は、本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して標的プローブから遊離された対応する同定ヌクレオチド配列を検出および同定することによって検出されることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットは、同じサンプル中に存在するタンパク質および核酸分子(細胞の遺伝物質)を測定するために適合させることができる。例えば、タンパク質は、本明細書に記載される標的プローブの1つまたは複数の態様によって標識され、本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して検出されることができ、一方で、核酸分子(細胞の遺伝物質)は、例えば、同じサンプルについての多検体アッセイのために、当技術分野において公知の任意の方法によって(例えば、1つの態様において、nanoString nCounter(登録商標)遺伝子発現キットを使用して)別々にまたは同時に検出されることができる。1つの態様において、サンプルは、癌細胞を含むことができる。多検体アッセイは、サンプルについての統合発現プロファイリングの生成を可能にすることができ、これは、タンパク質と核酸分子(例えば、マイクロRNAなどの遺伝子調節エレメント)間の相互作用についての情報を提供することができる。これは、非常に限られたサンプルサイズをもつ希少サンプルが利用可能である場合に有益または所望であろう。例えば、サンプルまたは細胞または非遺伝標的分子(例えば、タンパク質)を、各々が固有の同定ヌクレオチド配列(ここで、1つの態様において、同定ヌクレオチド配列は、異質または外来DNAバーコードである)を含む標的プローブで標識した後、例えば、追加の開裂因子(例えば、非限定的に、UVおよび/または化学物質)と共にまたはそれなしで溶解緩衝液を使用して、同じサンプルまたは細胞から核酸分子(例えば、RNAおよび/またはDNA)と同時に、結合した細胞または標的分子(例えば、タンパク質)から同定ヌクレオチド配列(例えば、異質または外来DNAバーコード)が遊離されることができる。細胞からの核酸分子(例えば、RNAおよび/またはDNA)および固有の同定ヌクレオチド配列(例えば、異質DNAバーコード)が溶液の状態であれば、ハイブリダイゼーションアッセイを実施することができる。1つの態様において、ハイブリダイゼーションアッセイは、nanoString nCounter(登録商標)解析アッセイであることができる。nCounter(登録商標)解析アッセイでは、プローブセットは、同定ヌクレオチド配列(例えば、異質DNAバーコード)のための、ならびに関心対象の遺伝子のための本明細書に記載されるようなレポータープローブと捕捉プローブとの両方を有することができる。サンプルサイズが懸念事項でない場合は、サンプルをアリコート化または分割することができ、それによってタンパク質アッセイおよび遺伝子発現アッセイが別々に実行されて、同じサンプル(例えば、特定の細胞集団)についてmRNAとタンパク質との両方の読取値を与えることができる。
いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列および/または細胞の遺伝物質の検出のためのnanoString nCounter(登録商標)ハイブリダイゼーション技術を最適化するために、例えば、プローブをバルクでカウントする場合にプローブの全てが線形範囲に入ること、およびその発現がシステムを飽和しないことを確認することができる。これは、関心対象のキットに依存して当業者によって最適化と共に容易に行うことができる。
別の態様において、結合した標的分子(例えば、タンパク質)から同定ヌクレオチド配列を遊離させることによって、遺伝物質および同定ヌクレオチド配列を、単一サンプルから平行して抽出することができ、タンパク質-DNA-RNA相互関係の解析を可能にする。
本明細書に記載される方法が、検出前に、結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列が遊離される状況において記載されているが、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、結合した標的プローブから遊離される必要はない。したがって、いくつかの態様において、本明細書に記載される方法はまた、同定ヌクレオチド配列が検出の間標的プローブに結合したままである場合にも適用されることができる。
特定の態様において、検出の方法は、マルチプレックスアッセイで実施され、それによって複数の標的分子が同じアッセイ(単一の反応混合物)で検出される。1つの態様において、アッセイは、複数の標的分子が同時に検出されるハイブリダイゼーションアッセイである。特定の態様において、同じアッセイで検出される複数の標的分子は、少なくとも2個の異なる標的分子、少なくとも5個の異なる標的分子、少なくとも10個の異なる標的分子、少なくとも20個の異なる標的分子、少なくとも50個の異なる標的分子、少なくとも75個の異なる標的分子、少なくとも100個の異なる標的分子、少なくとも200個の異なる標的分子、少なくとも500個の異なる標的分子、または少なくとも750個の異なる標的分子、または少なくとも1000個の異なる標的分子である。他の態様において、同じアッセイで検出される複数の標的分子は、最大で50個の異なる標的分子、最大で100個の異なる標的分子、最大で150個の異なる標的分子、最大で200個の異なる標的分子、最大で300個の異なる標的分子、最大で500個の異なる標的分子、最大で750個の異なる標的分子、最大で1000個の異なる標的分子、最大で2000個の異なる標的分子、または最大で5000個の異なる標的分子である。さらに他の態様において、検出される複数の標的分子は、前述の異なる標的分子数の間の任意の範囲、例えば、非限定的に、20〜50個の異なる標的分子、50〜200個の異なる標的分子、100〜1000個の異なる標的分子、または500〜5000個の異なる標的分子である。
標的プローブ
本明細書において使用される場合、用語「標的プローブ」は、一般に、同定および検出のために標的分子に特異的に結合する合成分子を指す。本明細書に記載される種々の局面によれば、各標的プローブは、(i)サンプル中の標的分子に特異的に結合する標的結合分子;(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列;および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカーを含む。
いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、同定ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に(塩基対合のために)相補的であるポリヌクレオチド配列(例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列)を含まない。すなわち、これらの態様において、同定ヌクレオチド配列は、標的結合分子にカップリングされた相補的ポリヌクレオチド配列から切り離すことによって、標的結合分子から遊離されることはない。したがって、いくつかの態様において、標的プローブは、(i)サンプル中に存在する標的分子に特異的に結合する標的結合分子;(ii)標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列;および(iii)標的結合分子と同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能なハイブリダイズできないリンカーを含む。
標的結合分子:標的結合分子は、サンプル中の標的分子に特異的に結合する分子である。本明細書において使用される場合、用語「特異的に結合する」または「特異的結合」は、同じ条件下で他の非標的分子に結合する場合よりも高い親和性で標的分子に結合する標的結合分子を指す。特異的結合は、一般に、1μM以下、例えば、500nM以下、400nM以下、300nM以下、250nM以下、200nM以下、150nM以下、100nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、または1nM以下の解離定数によって示される。典型的には、相互作用または結合の性質は、非共有結合性(例えば、水素、静電的、またはファンデルワールス相互作用による)であるが、しかしながら、結合はまた共有結合性であることもできる。標的結合分子は、天然の組み換え体または合成体であることができる。標的結合分子の例は、非限定的に、核酸、抗体またはその一部分、抗体様分子、酵素、抗原、低分子、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、糖質、アプタマー、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、標的結合分子は、核酸分子を含まない。
いくつかの態様において、標的結合分子は、当業者に公知の任意の手段によって修飾されることができる。各タイプの標的結合分子を修飾するための方法は、当技術分野においてよく認識されている。標的結合分子のタイプに応じて、例示的な修飾は、非限定的に、遺伝子修飾、ビオチン化、標識(検出目的のため)、化学修飾(例えば、標的結合分子の誘導体または断片を生成するため)、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、標的結合分子は、遺伝子修飾されることができる。いくつかの態様において、標的結合分子は、ビオチン化されることができる。
いくつかの態様において、標的結合分子は、抗体もしくはその一部分、または抗体様分子を含むことができる。抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、細胞タンパク質(細胞表面タンパク質、分泌タンパク質、細胞質タンパク質、および核タンパク質を含む)の発現レベル、またはそのリン酸化もしくは他の翻訳後修飾状態を検出することができる。いくつかの態様において、抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、希少細胞中に存在するタンパク質マーカーに特異的に結合することができる。希少細胞の例は、非限定的に、血中循環腫瘍細胞、胎児細胞、および/または幹細胞を含む。いくつかの態様において、抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、状態(例えば、正常で健康な状態、または疾患もしくは障害)に関連する標的マーカーまたはタンパク質に特異的に結合することができる。いくつかの態様において、抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、癌に関連する標的マーカーまたはタンパク質に特異的に結合することができる。例えば、癌に関連する標的マーカーまたはタンパク質は、アポトーシス、エピジェネティクス、DNA損傷、キナーゼ/癌遺伝子、癌診断マーカー、上皮間葉転換、オートファジー、増殖、および/または免疫応答に関与することができる。
いくつかの態様において、標的結合分子は、細胞表面レセプターリガンドを含むことができる。本明細書において使用される場合、「細胞表面レセプターリガンド」は、細胞の外面に結合することができる分子を指す。例示的な細胞表面レセプターリガンドは、例えば、細胞表面レセプター結合ペプチド、細胞表面レセプター結合糖ペプチド、細胞表面レセプター結合タンパク質、細胞表面レセプター結合糖タンパク質、細胞表面レセプター結合有機化合物、および細胞表面レセプター結合薬を含む。追加の細胞表面レセプターリガンドは、非限定的に、サイトカイン、成長因子、ホルモン、抗体、および血管新生因子を含む。
いくつかの態様において、標的結合分子は、実施例の表1から選択される抗体、またはそれらの断片を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される標的プローブの標的結合分子は、実施例の表1に列挙される抗体の少なくとも一部分もしくは全て、またはその断片を含むことができる。
同定ヌクレオチド配列:本明細書において使用される場合、用語「同定ヌクレオチド配列」は、特定の標的結合分子を同定するヌクレオチド配列を指す。したがって、各同定ヌクレオチド配列は、それがカップリングされた各標的結合分子のための固有の同定コードとして作用する。
いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、任意の安定な分子内塩基対合相互作用(例えば、ヘアピン)などの最小限の二次構造を有するかまたは有さない。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列中の最小限の二次構造は、同定ヌクレオチド配列の第一の部分とレポータープローブとの間の、および/または同定ヌクレオチド配列の第二の部分と捕捉プローブとの間のより良好なハイブリダイゼーションを提供することができる。加えて、同定ヌクレオチド配列中の最小限の二次構造は、対応する標的分子への標的結合分子のより良好な結合を提供することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列は、予め決定されたアニーリング温度で有意な分子内対合を有さない。予め決定されたアニーリング温度は、約65℃〜80℃もしくは約70℃〜80℃の範囲、または約70℃〜75℃であることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、これらが対象(そのサンプルが評価される)のゲノム中のいかなる核酸配列とも交差反応またはそれに結合しないように選択または設計されることができる。したがって、対象のサンプル中の標的分子を検出するために使用される標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、対象のそれと50%以下またはそれより少ない(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下またはそれより少ないを含む)相同性(配列同一性)をもつ種または属のヌクレオチド配列に基づいて選択または設計されることができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、NCBI Reference Sequence(RefSeq)データベースにおいて主な生物(例えば、非限定的に、ヒトおよび/または他の哺乳動物)に対して相同性がないかについてプレスクリーニングされることができる。ほんの一例として、いくつかの態様において、動物のサンプル(例えば、ヒトなどの哺乳動物)において使用される標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、植物ゲノムに由来することができる。1つの態様において、ヒトのサンプルにおいて使用される標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、ジャガイモゲノムに由来することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、表2から選択される配列(SEQ ID NO: 1〜SEQ ID NO: 110)、またはそれらの断片を含むことができる。
一般に、標的プローブの同定ヌクレオチド配列は、任意の配列長を有することができ、検出方法、および/または検出されるべき標的分子の数を非限定的に含む多数の要因に依存して変化することができる。例えば、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の長さは、サンプル中の多数の標的分子の十分な同定を提供するために増加することができる。同定ヌクレオチド配列を検出するためにハイブリダイゼーションベースの方法が使用されるいくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブへの確実な結合を提供するための、かつ検出可能シグナルを発生させるための十分な長さを有することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、約30〜150ヌクレオチド、または約30〜100ヌクレオチド、または約50〜100ヌクレオチド長を有することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、少なくとも約30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100またはそれより長いヌクレオチド長を有することができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、約70ヌクレオチド長を有することができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列は、ほぼ一定の融点(Tm)を有することができる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列のTmは、当該オリゴヌクレオチドの50%とその相補体が二本鎖になる温度を指す。同定ヌクレオチド配列の集団においてTmが一定であることは、最適条件が全てのスポットおよび位置で実質的に同じであるにより、その合成およびハイブリダイゼーション手順が厳重に最適化されることを可能にする。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定ヌクレオチド配列のTmは、プローブハイブリダイゼーションと干渉する可能性もある任意の潜在的な二次構造(例えば、ヘアピン)の形成を最小限に抑えるように選択されることができる。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定ヌクレオチド配列のTmは、約70〜90℃、約75〜85℃、または約79〜82℃の範囲であることができる。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定ヌクレオチド配列のTmは、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃またはそれ以上であることができる。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定ヌクレオチド配列のTmは、約80℃であることができる。
同定ヌクレオチド配列のGC含量は、例えば、記載されるレポータープローブおよび/もしくは捕捉プローブの所望の長さならびに/または所望のTm温度を含む多数の要因に応じて変化することができる。例えば、レポーターおよび/または捕捉プローブがより短い場合、プローブハイブリダイゼーションと干渉する可能性もある潜在的な二次構造(例えば、ヘアピン)の形成を最小限に抑えるために、同定ヌクレオチド配列のGC含量は、レポーターおよび/または捕捉プローブと同定ヌクレオチド配列との間で所望のTmを一定に維持するように増加されることができる。1つの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定ヌクレオチド配列のGC含量は、同定ヌクレオチド配列のTmを約80℃に維持するように最適化される。
いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、バランスのとれたGC含量を有する。例えば、いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列中の単一ヌクレオチドは、3ntより長く伸びることはできない。例えば、GヌクレオチドまたはCヌクレオチドは、同定ヌクレオチド配列中で3ntより長く伸びない。レポーターおよび/または捕捉プローブが約35ヌクレオチド長を有する1つの態様において、GC含量は、対応する同定ヌクレオチド配列のTmを約80℃に維持するように最適化されることができる;ここで、同定ヌクレオチド配列は、非常に高いGCの局所領域またはポリC/ポリGが伸びるのを回避するように可能な限りバランスのとれたGC含量を有するべきである。
いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、DNA配列である。
開裂可能リンカー:本明細書において使用される場合、用語「開裂可能リンカー」は、あるセットの条件下で十分に安定であるが、異なるセットの条件下で開裂されてリンカーがつなぎとめている2つの部分を遊離させる、リンカーを指す。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、第一の参照条件(例えば、開裂因子あり)下で、第二の参照条件(例えば、開裂因子なし)下よりも少なくとも1.5倍以上(例えば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍以上を含む)早く開裂されることができる。
例えば、開裂可能リンカーは、あるセットの条件下で、同定ヌクレオチド配列と標的結合物質とを一緒にカップリングさせ、異なるセットの条件下で開裂、消化または分解され、同定ヌクレオチド配列を遊離させることができる。標的プローブ中の同定ヌクレオチド配列に標的結合分子をカップリングさせる開裂可能リンカーは、必要であれば、例えば、標的分子への結合時に、同定ヌクレオチドが検出のために遊離されることができるように、標的プローブからの同定ヌクレオチド配列の遊離を制御することができる。開裂可能リンカーは、当技術分野において公知であり、その例は、非限定的に、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性であるものを含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、光およびタンパク質分解(例えば、酵素による)に対し感受性であることができる。
開裂可能リンカーは、開裂因子、例えば、加水分解、pH、酸化還元電位、および光(例えば、赤外線、および/またはUV)または分解性分子の存在に影響を受けやすい。そのような分解性作用物質の例は、還元によって酸化還元開裂可能リンカーを分解することができる、細胞中に存在する、特定の基質について選択されるまたは基質特異性を有さない酸化還元剤(例えば、酸化もしくは還元酵素または還元剤、例えば、メルカプタンを含む);エステラーゼ;アミダーゼ;エンドソームまたは酸性環境を生み出すことができる作用物質、例えば、5以下のpHを生じる作用物質;一般的な酸として作用することによって酸開裂可能リンカーを加水分解または分解することができる酵素、ペプチダーゼ(これは、基質特異的であることができる)およびプロテアーゼ、ならびにホスファターゼを含む。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、特定の酵素によって開裂可能であることができる。
いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーである。本明細書において使用される場合、用語「開裂可能なハイブリダイズできないリンカー」は、本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に(塩基対合のために)相補的であるポリヌクレオチド配列(例えば、一本鎖ポリヌクレオチド配列)を含まない、先に定義したような開裂可能リンカーを指す。すなわち、これらの態様において、同定ヌクレオチド配列は、標的結合分子にカップリングされた相補的ポリヌクレオチド配列から切り離すことによって、標的結合分子から遊離されることはない。
例示的な開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、非限定的に、加水分解性リンカー、酸化還元開裂可能リンカー(例えば、-S-S-および-C(R)2-S-S-、式中、Rは、HまたはC1-C6アルキルであり、そして少なくとも1つのRは、CH3またはCH2CH3などのC1-C6アルキルである);リン酸ベース開裂可能リンカー(例えば、-O-P(O)(OR)-O-、-O-P(S)(OR)-O-、-O-P(S)(SR)-O-、-S-P(O)(OR)-O-、-O-P(O)(OR)-S-、-S-P(O)(OR)-S-、-O-P(S)(OR)-S-、-S-P(S)(OR)-O-、-O-P(O)(R)-O-、-O-P(S)(R)-O-、-S-P(O)(R)-O-、-S-P(S)(R)-O-、-S-P(O)(R)-S-、-O-P(S)(R)-S-、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-O-P(S)(SH)-O-、-S-P(O)(OH)-O-、-O-P(O)(OH)-S-、-S-P(O)(OH)-S-、-O-P(S)(OH)-S-、-S-P(S)(OH)-O-、-O-P(O)(H)-O-、-O-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-O-、-S-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-S-、および-O-P(S)(H)-S-、式中、Rは、場合により置換されている直鎖または分岐C1-C10アルキルである);酸開裂可能リンカー(例えば、ヒドラゾン、エステル、およびアミノ酸のエステル、-C=NN-および-OC(O)-);エステルベース開裂可能リンカー(例えば、-C(O)O-);ペプチドベース開裂可能リンカー(例えば、細胞中のペプチダーゼおよびプロテアーゼなどの酵素によって開裂されるリンカー、例えば、-NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)-、式中、RAおよびRBは、2個の隣接するアミノ酸のR基である)、光開裂可能リンカーおよびそれらの任意の組み合わせを含む。ペプチドベース開裂可能リンカーは、2個以上のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、ペプチドベースの開裂結合は、ペプチダーゼまたはプロテアーゼの基質であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、酸開裂可能リンカーは、約6.5以下(例えば、約6.5、6.0、5.5、5.0以下)のpHの酸性環境で、または一般的な酸として作用することができる酵素などの作用物質によって開裂可能である。
いくつかの態様において、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、ジスルフィド結合、テトラジン-trans-シクロオクテン基、スルフヒドリル基、ニトロベンジル基、ニトロインドリン基、ブロモヒドロキシクマリン基、ブロモヒドロキシキノリン基、ヒドロキシフェナシル基、ジメトキシベンゾイン基、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、図2Aに示されるリンカーの少なくとも1つを含むことができる。
いくつかの態様において、開裂可能なハイブリダイズできないリンカーは、光開裂可能リンカーを含むことができる。光開裂可能リンカーは、電磁放射(例えば、可視光、UV光、赤外線など)への曝露によって開裂されることができるリンカーである。リンカーを光開裂するのに必要な光の波長は、使用される光開裂可能リンカーの構造に依存する。任意の当技術分野において承認されている光開裂可能リンカーは、本明細書に記載される標的プローブに使用されることができる。例示的な光開裂可能リンカーは、非限定的に、o-ニトロベンジル部分、p-ニトロベンジル部分、m-ニトロベンジル部分、ニトロインドリン部分、ブロモヒドロキシクマリン部分、ブロモヒドロキシキノリン部分、ヒドロキシフェナシル部分、ジメトキシベンゾイン部分、またはそれらの任意の組み合わせを含有する化学分子を含む。
追加の例示的な光開裂可能基は、一般に、Pelliccioli et al., Photoremovable protecting groups: reaction mechanisms and applications, Photochem. Photobiol. Sci. 1 441-458 (2002); Goeldner and Givens, Dynamic Studies in Biology, Wiley-VCH, Weinheim (2005); Marriott, Methods in Enzymology, Vol. 291, Academic Press, San Diego (1998); Morrison, Bioorganic Photochemistry, Vol. 2, Wiley, New York (1993); Adams and Tsien, Annu. Rev. Physiol. 55 755-784 (1993); Mayer et al., Biologically Active Molecules with a "Light Switch," Angew. Chem. Int. Ed. 45 4900-4921 (2006); Pettit et al., Neuron 19 465-471 (1997); Furuta et al., Brominated 7-hydroxycoumarin-4-ylmethyls: Photolabile protecting groups with biologically useful cross-sections for two photon photolysis, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96 1 193-1200 (1999);ならびに米国特許第5,430,175号; 第5,635,608号; 第5,872,243号; 第5,888,829号; 第6,043,065号;およびZebala米国特許出願第2010/0105120号(その開示は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載および概説されている。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、一般に、発色団として記載されることができる。そのような波長に光応答性である発色団の例は、非限定的に、アクリジン、ニトロ芳香族、およびアリールスルホンアミドを含む。発色団が光活性化された状態になって、そして本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列を遊離させる効率および波長は、発色団に連結された特定の官能基に応じて変化するだろう。例えば、o-ニトロベンジル化合物の誘導体などのニトロ芳香族を使用する場合、吸収波長は、メトキシ基の付加によって有意に延長されることができる。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、ニトロ芳香族化合物を含むことができる。オルト-ニトロ芳香族コア骨格を有する例示的な光開裂可能リンカーは、非限定的に、オルト-ニトロベンジル(「ONB」)、1-(2-ニトロフェニル)エチル(「NPE」)、α-カルボキシ-2-ニトロベンジル(「CNB」)、4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンジル(「DMNB」)、1-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)エチル(「DMNPE」)、5-カルボキシメトキシ-2-ニトロベンジル(「CMNB」)および((5-カルボキシメトキシ-2-ニトロベンジル)オキシ)カルボニル(「CMNCBZ」)感光性コアを含む。芳香族コア上の置換基が、その吸収波長を調整するように選択されることが認識されており、一般に、電子供与性基(例えば、メトキシ)がより長い波長吸収へと導く。例えば、ニトロベンジル(「NB」)およびニトロフェニルエチル(「NPE」)は、2個のメトキシ残基の付加によって、それぞれ4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンジルおよび1-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)エチルへと修飾され、それによって吸収波長範囲が340〜360nmに増大する。
さらに、他のオルト-ニトロ芳香族コア骨格は、Zebala, 米国特許出願第2010/0105120号およびPirrung et al., J. Org. Chem. 68: 1 138 (2003)に一般に考察されているような、ヘテロディールスアルダー反応におけるニトロソ副生成物を捕捉するものを含む。ニトロジベンゾフラン(「NDBF」)発色団は、近UV領域において有意に高い吸光係数を提供するが、また脱保護反応に対して非常に高い量子収量を有し、これは2つの光子活性化に好適である(Momotake et al, The nitrodibenzofuran chromophore: a new caging group for ultra-efficient photolysis in living cells, Nat. Methods 3 35-40 (2006))。NPP基は、害のより小さいニトロスチリル種を生成する、Pfleidererらによって導入された代替物である(Walbert et al., Photolabile Protecting Groups for Nucleosides: Mechanistic Studies of the 2-(2-Nitrophenyl)ethyl Group, Helv. Chim. Acta 84 1601 -161 1 (2001))。
UV光が関与する例示的な態様において、光開裂可能リンカーは、α-カルボキシ-2-ニトロベンジル(CNB、260nm)、1-(2-ニトロフェニル)エチル(NPE、260nm)、4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンジル(DMNB、355nm)、1-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)エチル(DMNPE、355nm)、(4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンゾキシ)カルボニル(NVOC、355nm)、5-カルボキシメトキシ−2−ニトロベンジル(CMNB、320nm)、((5-カルボキシメトキシ-2-ニトロベンジル)オキシ)カルボニル(CMNCBZ、320nm)、デスオキシベンゾイニル(desoxybenzoinyl)(デシル、360nm)、およびアントラキノ-2-イルメトキシカルボニル(AQMOC、350nm)からなる群より選択されることができる。
他の好適な光開裂可能リンカーは、BHCなどのクマリン系をベースとする(Furuta and Iwamura, Methods Enzymol. 291 50-63 (1998); Furuta et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96 1 193-1200 (1999); Suzuki et al., Org. Lett. 5:4867 (2003);米国特許第6,472,541号、その開示は、参照によって本明細書に組み入れられる)。DMACM結合は、ナノ秒で光開裂し(Hagen et al., [7-(Dialkylamino)coumarin-4-yl]methyl- Caged Compounds as Ultrafast and Effective Long-Wavelength Phototriggers of 8-Bromo-Substituted Cyclic Nucleotides, Chem Bio Chem 4 434-442 (2003))、可視光によって開裂される(米国特許出願第11/402,715号、その開示は、参照によって本明細書に組み入れられる)。クマリンベースの感光性結合はまた、アルデヒドおよびケトンへの結合のために利用可能である(Lu et al., Bhc-diol as a photolabile protecting group for aldehydes and ketones, Org. Lett. 5 2119-2122 (2003))。BHQなどの密接に関連する類似体もまた好適である(Fedoryak et al., Brominated hydroxyquinoline as a photolabile protecting group with sensitivity to multiphoton excitation, Org. Lett. 4 3419-3422 (2002))。別の好適な光開裂可能リンカーは、pHP基を含む(Park and Givens, J. Am. Chem. Soc. 119:2453 (1997), Givens et al., New Phototriggers 9: p-Hydroxyphenacyl as a C-Terminal Photoremovable Protecting Group for Oligopeptides, J. Am. Chem. Soc. 122 2687-2697 (2000); Zhang et al., J. Am. Chem. Soc. 121 5625-5632, (1999); Conrad et al., J. Am. Chem. Soc. 122 9346-9347 (2000); Conrad et al., Org. Lett. 2 1545-1547 (2000))。ケトプロフェン由来感光性結合もまた好適である(Lukeman et al., Carbanion-Mediated Photocages: Rapid and Efficient Photorelease with Aqueous Compatibility, J. Am. Chem. Soc. 127 7698-7699 (2005))。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、同定ヌクレオチド配列および/または標的結合物質への共有連結が適切な波長の光への曝露によって逆転される(開裂される)リンカーである。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の遊離は、コンジュゲートが紫外線に曝露された場合に起こる。例えば、同定ヌクレオチド配列の光遊離は、約200〜380nmの範囲の波長で起こることができる(正確な波長または波長範囲は、使用される特定の光開裂可能リンカーに依存し、例えば、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、または380またはその間のいくつかの範囲であることができる)。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の遊離は、コンジュゲートが可視光に曝された場合に起こる。例えば、同定ヌクレオチド配列の光遊離は、約380〜780nmの範囲の波長で起こることができる(正確な波長または波長範囲は、使用される特定の光開裂可能リンカーに依存し、例えば、380、400、450、500、550、600、650、700、750、または780、またはその間のいくつかの範囲でもあることができる)。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の遊離は、コンジュゲートが赤外線光に曝された場合に起こる。例えば、同定ヌクレオチド配列の光遊離は、約780〜1200nmの範囲の波長で起こることができる(正確な波長または波長範囲は、使用される特定の光開裂可能リンカーに依存し、例えば、780、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、または1200、またはその間のいくつかの範囲でもあることができる)。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、分子(i)〜(xiv)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されることができ、ここで、分子(i)〜(xiv)の化学構造は、以下のように示される:
Figure 0006600302
式中、各分子中の黒点の各々は、本明細書に記載される標的結合分子または本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列に直接的または間接的に接続する接続点またはカップリング点を表す。接続点は、結合であることができるか、または本明細書に記載される原子、分子、および/もしくはリンカーを含むことができる。いくつかの態様において、接続点は、結合である。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、分子(xiv)を含むことができる。
いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、光開裂可能二官能性リンカーである。いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、光開裂可能多官能性リンカーである。
光開裂可能リンカーが使用されるいくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列は、結合した標的プローブを特定波長の光に曝露させることによって、結合した標的プローブから遊離されることができる。いくつかの態様において、紫外線(UV)光または近UV光を使用して、結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させることができる。いくつかの態様において、同定ヌクレオチド配列の遊離は、約200nm〜約450nmの範囲の波長で起こることができる。
活性化剤は、一緒にコンジュゲートされるべき成分(例えば、同定ヌクレオチド配列および/または標的結合分子)を活性化するために使用されることができる。非限定的に、コンジュゲーション活性化のための当技術分野において公知の任意のプロセスおよび/または試薬を使用することができる。例示的な表面活性化方法または試薬は、非限定的に、1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDCまたはEDAC)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)--1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートメタンアミニウム(HATU)、シラン処理、6-[3'(2-[ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサン酸スルホスクシンイミジル(スルホ-LC-SPDP)、2-イミノチオラン(トラウト試薬)、trans-シクロオクテン-N-ヒドロキシ-スクシンイミジルエステル(TCO-NHS)、プラズマ処理を介する表面活性化などを含む。
さらに、非限定的に、任意の当技術分野で公知の反応性基も、同定ヌクレオチド配列と標的結合分子の間に光開裂可能リンカーをカップリングさせるために使用することができる。例えば、ハロゲン化アルキル、アルデヒド、アミノ、ブロモまたはヨードアセチル、カルボキシル、ヒドロキシル、エポキシ、エステル、シラン、チオールなどを非限定的に含む種々の表面反応性基を表面カップリングに使用することができる。
対照プローブ
本明細書において使用される場合、用語「対照プローブ」は、一般に、同定および検出のために対照分子に特異的に結合する合成分子を指す。本明細書に記載される種々の局面によれば、各対照プローブは、(i)サンプル中の対照分子に特異的に結合する対照結合分子;(ii)対照結合分子を同定する同定対照配列;および(iii)対照結合分子と同定対照配列との間の開裂可能リンカーを含む。
対照結合分子:対照結合分子は、サンプル中の対照分子に特異的に結合する分子である。対照タンパク質の例は、非限定的に、ハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH、アクチンおよび/またはチューブリン)、対照IgGアイソタイプ、突然変異非機能性または非結合タンパク質(例えば、非機能性もしくは非結合抗体、または突然変異タンパク質、例えば結合部分で突然変異されたタンパク質G)、およびそれらの任意の組み合わせを含む。典型的には、相互作用または結合の性質は、非共有結合性(例えば、水素、静電的、またはファンデルワールス相互作用による)であるが、しかしながら、結合はまた共有結合性であることもできる。対照結合分子は、天然の組み換え体または合成体であることができる。対照結合分子の例は、非限定的に、核酸、抗体またはその一部分、抗体様分子、酵素、抗原、低分子、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、糖質、アプタマー、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、対照結合分子は、核酸分子を含まない。
いくつかの態様において、対照結合分子は、当業者に公知の任意の手段によって修飾されることができる。各タイプの対照結合分子を修飾するための方法は、当技術分野においてよく認識されている。対照結合分子のタイプに応じて、例示的な修飾は、非限定的に、遺伝子修飾、ビオチン化、標識(検出目的のため)、化学修飾(例えば、対照結合分子の誘導体または断片を生成するため)、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、対照結合分子は、遺伝子修飾されることができる。いくつかの態様において、対照結合分子は、ビオチン化されることができる。
いくつかの態様において、対照結合分子は、抗体もしくはその一部分、または抗体様分子を含むことができる。抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、ハウスキーピングタンパク質、例えば、非限定的に、GAPDH、アクチン、および/またはチューブリンの発現レベルを検出することができる。いくつかの態様において、抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、対照IgGアイソタイプに特異的に結合することができる。いくつかの態様において、抗体もしくはその一部分または抗体様分子は、突然変異非機能または非結合タンパク質、例えば結合部分で突然変異されたタンパク質Gに特異的に結合することができる。
同定対照配列:本明細書において使用される場合、用語「同定対照配列」は、特定の対照結合分子を同定するヌクレオチド配列を指す。したがって、各同定対照配列は、それがカップリングされた各対照結合分子のための固有の同定コードとして作用する。
いくつかの態様において、同定対照配列は、任意の安定な分子内塩基対合相互作用(例えば、ヘアピン)などの最小限の二次構造を有するかまたは有さない。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、いくつかの態様において、同定対照配列中の最小限の二次構造は、同定対照配列の第一の部分とレポータープローブとの間の、および/または同定対照配列の第二の部分と捕捉プローブとの間のより良好なハイブリダイゼーションを提供することができる。加えて、同定対照配列中の最小限の二次構造は、対応する対照分子への対照結合分子のより良好な結合を提供することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される同定対照配列は、予め決定されたアニーリング温度で有意な分子内対合を有さない。予め決定されたアニーリング温度は、約65℃〜80℃もしくは約70℃〜80℃の範囲、または約70℃〜75℃であることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される対照プローブの同定対照配列は、これらが対象(そのサンプルが評価される)のゲノム中のいかなる核酸配列とも交差反応またはそれに結合しないように選択または設計されることができる。したがって、対象のサンプル中の対照分子を検出するために使用される対照プローブの同定対照配列は、対象のそれと50%以下またはそれより少ない(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下またはそれより少ないを含む)相同性(配列同一性)をもつ種または属のヌクレオチド配列に基づいて選択または設計されることができる。ほんの一例として、いくつかの態様において、動物のサンプル(例えば、ヒトなどの哺乳動物)において使用される対照プローブの同定対照配列は、植物ゲノムに由来することができる。1つの態様において、ヒトのサンプルにおいて使用される対照プローブの同定対照配列は、ジャガイモゲノムに由来することができる。いくつかの態様において、同定対照配列は、表2から選択される配列(SEQ ID NO: 1〜SEQ ID NO: 110)、またはそれらの断片を含むことができる。
一般に、対照プローブの同定対照配列は、任意の配列長を有することができ、検出方法、および/または検出されるべき対照分子の数を非限定的に含む多数の要因に依存して変化することができる。例えば、いくつかの態様において、同定対照配列の長さは、サンプル中の多数の対照分子の十分な同定を提供するために増加することができる。同定対照配列を検出するためにハイブリダイゼーションベースの方法が使用されるいくつかの態様において、同定対照配列は、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブへの確実な結合を提供するためのかつ検出可能シグナルを発生させるための十分な長さを有することができる。いくつかの態様において、同定対照配列は、約30〜150ヌクレオチド、または約30〜100ヌクレオチド、または約50〜100ヌクレオチド長を有することができる。いくつかの態様において、同定対照配列は、少なくとも約30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100またはそれより長いヌクレオチド長を有することができる。いくつかの態様において、同定対照配列は、約70ヌクレオチド長を有することができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される同定対照配列は、ほぼ一定の融点(Tm)を有することができる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載される同定対照配列のTmは、そのオリゴヌクレオチドの50%とその相補体が二本鎖になる温度を指す。同定対照配列の集団においてTmが一定であることは、最適条件が全てのスポットおよび位置で実質的に同じであることにより、その合成およびハイブリダイゼーション手順が厳重に最適化されることを可能にする。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定対照配列のTmは、約70〜90℃、約75〜85℃、または約79〜82℃の範囲であることができる。いくつかの態様において、相補的レポータープローブおよび/または捕捉プローブにハイブリダイズされる時の同定対照配列のTmは、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃またはそれ以上であることができる。
開裂可能リンカー:標的プローブ中に使用される任意の開裂可能リンカーは、対照プローブ中に使用されることができる。いくつかの態様において、開裂可能リンカーは、光開裂可能リンカーを含む。いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、本明細書に示される分子(i)〜(xiv)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択されることができる。いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、分子(xiv)を含むことができる。
レポータープローブ
本明細書において使用される場合、用語「レポータープローブ」は、一般に、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合し、かつレポータープローブおよび結合した同定ヌクレオチド配列を識別可能な検出可能シグナルを発生させる、合成分子を指す。
いくつかの態様において、レポータープローブは、任意の安定な分子内塩基対合相互作用(例えば、ヘアピン)などの最小限の二次構造を有するかまたは有さない。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、レポータープローブ中の最小限の二次構造は、レポータープローブの骨格と同定ヌクレオチド配列の一部分との間のより良好なハイブリダイゼーションを提供することができる。加えて、レポータープローブ中の最小限の二次構造は、レポータープローブ中の検出可能ラベルのより良好な検出を提供することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるレポータープローブは、予め決定されたアニーリング温度で有意な分子内対合を有さない。予め決定されたアニーリング温度は、約65℃〜80℃もしくは約70℃〜80℃の範囲、または約70℃〜75℃であることができる。二次構造は、MFOLDなどの当技術分野において公知のプログラムによって予測されることができる。
本明細書に記載される種々の局面において、レポータープローブは、一般に、レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含む。本明細書において使用される場合、用語「検出可能ラベル」は、標的、例えば、標的プローブの同定ヌクレオチド配列に結合したレポータープローブの存在の指標となる検出可能シグナルを生成することができる組成物を指す。検出可能ラベルは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段によって検出可能な任意の組成物を含む。好適な検出可能ラベルは、蛍光分子、放射性同位体、ヌクレオチド発色団、酵素、基質、化学発光部分、生物発光部分などを含むことができる。そのため、検出可能ラベルは、本明細書に記載される方法およびデバイスに必要な、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段によって検出可能な任意の組成物である。
いくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含むことができる。いくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、1個の標識分子を含むことができる。いくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、少なくとも2個またはそれ以上(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個またはそれ以上)の標識分子を含むことができる。本明細書において使用される場合、用語「標識分子」は、検出可能ラベルによって生成される検出可能シグナルの少なくとも部分を構成する検出可能シグナルを生成することができる分子である。したがって、標識分子は、蛍光分子、放射性同位体、ヌクレオチド発色団、酵素、基質、化学発光部分、生物発光部分、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、光学シグナルを発生させることができる。光学シグナルは、1つの発光シグナルであるかまたは一連のもしくは連続した発光シグナルであることができる。いくつかの態様において、光学シグナルの発生のための標識分子は、1つまたは複数(例えば、少なくとも2個またはそれ以上、例えば、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個またはそれ以上を含む)の蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
多種多様な蛍光レポーター色素が当技術分野において公知である。典型的には、フルオロフォアは、芳香族または複素環式芳香族化合物であり、ピレン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、インドール、ベンズインドール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、シアニン、カルボシアニン、サリチラート、アントラニラート、クマリン、フルオレセイン、ローダミンまたは他の類似の化合物であることができる。
例示的なフルオロフォアは、非限定的に、1,5 IAEDANS;1,8-ANS;4-メチルウンベリフェロン;5-カルボキシ-2,7-ジクロロフルオレセイン;5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM);5-カルボキシナフトフルオレセイン(pH10);5-カルボキシテトラメチルローダミン(5-TAMRA);5-FAM(5-カルボキシフルオレセイン);5-ヒドロキシトリプタミン(HAT);5-ROX(カルボキシ-X-ローダミン);5-TAMRA(5-カルボキシテトラメチルローダミン);6-カルボキシローダミン6G;6-CR 6G;6-JOE;7-アミノ-4-メチルクマリン;7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD);7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン;9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン;ABQ;酸性フクシン;ACMA(9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン);アクリジンオレンジ;アクリジンレッド;アクリジンイエロー;アクリフラビン;アクリフラビンフォイルゲンSITSA;エクオリン(発光タンパク質);Alexa Fluor 350(商標);Alexa Fluor 430(商標);Alexa Fluor 488(商標);Alexa Fluor 532(商標);Alexa Fluor 546(商標);Alexa Fluor 568(商標);Alexa Fluor 594(商標);Alexa Fluor 633(商標);Alexa Fluor 647(商標);Alexa Fluor 660(商標);Alexa Fluor 680(商標);アリザリンコンプレクソン;アリザリンレッド;アロフィコシアニン(APC);AMC、AMCA-S;AMCA(アミノメチルクマリン);AMCA-X;アミノアクチノマイシンD;アミノクマリン;アニリンブルー;ステアリン酸アントロシル;APC-Cy7;APTS;アストラゾンブリリアントレッド4G;アストラゾンオレンジR;アストラゾンレッド6B;アストラゾンイエロー7 GLL;アタブリン;ATTO-TAG(商標)CBQCA;ATTO-TAG(商標)FQ;オーラミン;オーロホスフィン(Aurophosphine)G;オーロホスフィン;BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール);BCECF(高pH);BCECF(低pH);硫酸ベルベリン;β-ラクタマーゼ;BFPブルーシフトGFP(BFP blue shifted GFP)(Y66H);BG-647;ビマン;ビスベンズアミド;ブランコファーFFG;ブランコファーSV;BOBO(商標)-1;BOBO(商標)-3;ボディピー492/515;ボディピー493/503;ボディピー500/510;ボディピー505/515;ボディピー530/550;ボディピー542/563;ボディピー558/568;ボディピー564/570;ボディピー576/589;ボディピー581/591;ボディピー630/650-X;ボディピー650/665-X;ボディピー665/676;ボディピーFl;ボディピーFL ATP;ボディピーFl-セラミド;ボディピーR6G SE;ボディピーTMR;ボディピーTMR-Xコンジュゲート;ボディピーTMR-X, SE;ボディピーTR;ボディピーTR ATP;ボディピーTR-X SE;BO-PRO(商標)-1;BO-PRO(商標)-3;ブリリアントスルフォフラビンFF;カルセイン;カルセインブルー;カルシウムクリムソン(商標);カルシウムグリーン;カルシウムグリーン-1 Ca2+色素;カルシウムグリーン-2 Ca2+;カルシウムグリーン-5N Ca2+;カルシウムグリーン-C18 Ca2+;カルシウムオレンジ;カルコフロールホワイト;カルボキシ-X-ローダミン(5-ROX);カスケードブルー(商標);カスケードイエロー;カテコールアミン;CFDA;CFP-シアン蛍光タンパク質;クロロフィル;クロモマイシンA;クロモマイシンA;CMFDA;セレンテラジン(Coelenterazine);セレンテラジンcp;セレンテラジンf;セレンテラジンfcp;セレンテラジンh;セレンテラジンhcp;セレンテラジンip;セレンテラジンO;クマリンファロイジン;CPMメチルクマリン;CTC;Cy2(商標);Cy3.1 8;Cy3.5(商標);Cy3(商標);Cy5.1 8;Cy5.5(商標);Cy5(商標);Cy7(商標);シアンGFP;環状AMPフルオロセンサー(FiCRhR);d2;ダビシル;ダンシル;ダンシルアミン;ダンシルカダベリン;ダンシルクロリド;ダンシルDHPE;ダンシルフルオリド;DAPI;ダポキシル;ダポキシル2;ダポキシル3;DCFDA;DCFH(ジクロロジヒドロフルオレセインジアセタート);DDAO;DHR(ジヒドロローダミン123);Di-4-ANEPPS;Di-8-ANEPPS(non-ratio);DiA(4-Di-16-ASP);DIDS;ジヒドロローダミン123(DHR);DiO(DiOC18(3));DiR;DiR(DiIC18(7));ドーパミン;DsRed;DTAF;DY-630-NHS;DY-635-NHS;EBFP;ECFP;EGFP;ELF97;エオシン;エリトロシン;エリトロシンITC;エチジウムホモダイマー-1(EthD-1);オイクリシン(Euchrysin);塩化ユウロピウム(III);ユウロピウム;EYFP;ファストブルー;FDA;フォイルゲン(パラローザニリン);FITC;FL-645;フラゾオレンジ;Fluo-3;Fluo-4;フルオレセインジアセタート;フルオロ−エメラルド;フルオロ−ゴールド(ヒドロキシスチルバミジン);Fluor-Ruby;FluorX;FM 1-43(商標);FM 4-46;フラレッド(商標)(高pH);Fura-2、高カルシウム;Fura-2、低カルシウム;ゲナクリルブリリアントレッドB;ゲナクリルブリリアントイエロー10GF;ゲナクリルピンク3G;ゲナクリルイエロー5GF;GFP(S65T);GFPレッドシフト(rsGFP);GFP野生型、非UV励起(wtGFP);GFP野生型、UV励起(wtGFP);GFPuv;グロキサン酸(Gloxalic Acid);グラニュラーブルー;ヘマトポルフィリン;Hoechst 33258;Hoechst 33342;Hoechst 34580;HPTS;ヒドロキシクマリン;ヒドロキシスチルバミジン(フルオロゴールド);ヒドロキシトリプタミン;インドジカルボシアニン(DiD);インドトリカルボシアニン(DiR);イントラホワイトCf;JC-1;JO-JO-1;JO-PRO-1;LaserPro;ラウロダン(Laurodan);LDS 751;ロイコフォアPAF;ロイコフォアSF;ロイコフォアWS;リサミンローダミン;リサミンローダミンB;LOLO-1;LO-PRO-1;ルシファーイエロー;Magグリーン;マグダラレッド(フロキシンB);マグネシウムグリーン ;マグネシウムオレンジ;マラカイトグリーン;マリーナブルー;マキシロンブリリアントフラビン10 GFF;マキシロンブリリアントフラビン8 GFF;メロシアニン;メトキシクマリン;ミトトラッカーグリーンFM;ミトトラッカーオレンジ;ミトトラッカーレッド;ミトラマイシン;モノブロモビマン;モノブロモビマン(mBBr-GSH);モノクロロビマン;MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン);NBD;NBDアミン;ナイルレッド;ニトロベンゾオキサジドール;ノルアドレナリン;ヌクレアファストレッド;ヌクレアイエロー;ニロサンブリリアントフラビンE8G;オレゴングリーン(商標);オレゴングリーン488-X;オレゴングリーン(商標)488;オレゴングリーン(商標)500;オレゴングリーン(商標)514;パシフィックブルー;パラローザニリン(フォイルゲン);PE-Cy5;PE-Cy7;PerCP;PerCP-Cy5.5;PE-テキサスレッド(Red 613);フロキシンB(マグダラレッド);ホルワイト(Phorwite)AR;ホルワイトBKL;ホルワイトRev;ホルワイトRPA;ホスフィン3R;フォトレジスト;フィコエリスリンB[PE];フィコエリスリンR[PE];PKH26;PKH67;PMIA;ポントクロムブルーブラック;POPO-1;POPO-3;PO-PRO-1;PO-PRO-3;プリムリン;プロシオンイエロー;ヨウ化プロピジウム(PI);PyMPO;ピレン;ピロニン;ピロニンB;ピロザールブリリアントフラビン7GF;QSY7;キナクリンマスタード;レゾルフィン;RH 414;Rhod-2;ローダミン;ローダミン110;ローダミン123;ローダミン5GLD;ローダミン6G;ローダミンB 540;ローダミンB 200;ローダミンBエクストラ;ローダミンBB;ローダミンBG;ローダミングリーン;ローダミンファリシジン;ローダミンファロイジン;ローダミンレッド;ローダミンWT;ローズベンガル;R-フィコエリスリン(PE);レッドシフトGFP(rsGFP、S65T);S65A;S65C;S65L;S65T;サファイアGFP;セロトニン;セブロンブリリアントレッド2B;セブロンブリリアントレッド4G;セブロンブリリアントレッドB;セブロンオレンジ;セブロンイエローL;sgBFP(商標);sgBFP(商標)(スーパーグローBFP);sgGFP(商標);sgGFP(商標)(スーパーグローGFP);SITS;SITS(プリムリン);SITS(スチルベンイソチオスルホン酸);SPQ(6-メトキシ-N-(3-スルホプロピル)-キノリニウム);スチルベン;スルホローダミンBおよびC;スルホローダミンGエクストラ;テトラサイクリン;テトラメチルローダミン;テキサスレッド(商標);テキサスレッド-X(商標)コンジュゲート;チアジカルボシアニン(DiSC3);チアジンレッドR;チアゾールオレンジ;チオフラビン5;チオフラビンS;チオフラビンTCN;チオライト;チオゾールオレンジ;チノポール(Tinopol)CBS(カルコフロールホワイト);TMR;TO-PRO-1;TO-PRO-3;TO-PRO-5;TOTO-1;TOTO-3;トリカラー(TriColor)(PE-Cy5);TRITC(テトラメチルローダミンイソチオシアナート);トゥルーブルー;トゥルーレッド;ウルトラライト;ウラニンB;ユビテックスSFC;wt GFP;WW 781;XL665;X-ローダミン;XRITC;キシレンオレンジ;Y66F;Y66H;Y66W;イエローGFP;YFP;YO-PRO-1;YO-PRO-3;YOYO-1;およびYOYO-3を含む。これらの蛍光化合物の多くの好適な形態が利用可能であり、使用されることができる。
他の例示的な検出可能ラベルおよび/または標識分子は、発光および生物発光マーカー(例えば、ビオチン、ルシフェラーゼ(例えば、細菌、ホタル、コメツキムシなど)、ルシフェリン、およびエクオリン)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、ガラクトシダーゼ、グルコリニダーゼ(glucorinidase)、ホスファターゼ(例えば、アルカリホスファターゼ)、ペルオキシダーゼ(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ)、およびコリンエステラーゼ)およびカロリメトリック標識(calorimetric label)、例えばコロイド金または色ガラスもしくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびラテックス)ビーズを含む。そのような標識の使用を教示する特許は、米国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275,149号、および第4,366,241号を含み、その各々は、参照によって本明細書に組み入れられる。
そのような検出可能ラベルおよび/または標識分子を検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルムまたはシンチレーション計数器を使用して検出されることができ、蛍光マーカーは、光検出器を使用して検出され、放射された光を検出することができる。酵素標識は、典型的には、酵素と酵素基質を準備し、酵素基質上での酵素の作用によって生成された反応生成物を検出することによって、検出され、カロリメトリック標識は、色付けされた標識を可視化することによって検出されることができる。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、少なくとも1個または複数(例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個またはそれ以上)のフルオロフォアまたは量子ドットを含むことができる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、蛍光試薬を使用することは、イメージング/読取中のシグナル対ノイズを低下させ、したがって感度を維持することができる。検出可能ラベル中の標識分子の色配列は、対応するレポータープローブに対する同一性を提供することができる。例えば、レポータープローブIは、以下の順序で3個のフルオロフォアを有する検出可能ラベルを含む:フルオロフォアA;フルオロフォアBおよびフルオロフォアC;一方で、レポータープローブIIは、異なる順序で同じ3個のフルオロフォアを有する検出可能ラベルを含む:フルオロフォアA;フルオロフォアCおよびフルオロフォアB。レポータープローブIおよびIIは同じフルオロフォアを有するが、レポータープローブIおよびレポータープローブIIの色配列は別個であり、個々のレポータープローブを同定する。
いくつかの態様において、標識分子は、酵素基質の色の変化を生成する酵素を含むことができる。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)およびアルカリ過酸化物(AP)などの様々な酵素を発色基質または蛍光基質のいずれかと共に使用することができる。いくつかの態様において、レポーター−酵素は、特定波長での光吸収として測定されることができる熱量変化(calorimetric change)を生成する。例示的な酵素は、非限定的に、β-ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼなどを含む。
いくつかの態様において、レポータープローブは、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合する第一の標的プローブ特異的領域をさらに含むことができる。したがって、いくつかの態様において、レポータープローブは、(a)同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合する第一の標的プローブ特異的領域;および(b)レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含むことができる。
本明細書において使用される場合、用語「第一の標的プローブ特異的領域」は、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合するレポータープローブの領域を指す。第一の標的プローブ特異的領域は、骨格中にほぼ一定の間隔のパターンのヌクレオチド残基および/またはヌクレオチド残基の群(例えば、少なくとも2個以上)を含むことができる。いくつかの態様において、ヌクレオチド残基および/またはヌクレオチド残基の群(例えば、少なくとも2個以上)は、第一の標的プローブ特異的領域内で少なくとも平均で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、4、15、20、25、30、35、40、45、または50塩基離れて配置されることができる。これは、一定の間隔のパターンのヌクレオチドまたはヌクレオチドの群を有する第一の標的プローブ特異的領域が、ほぼ同じ塩基数だけ一定の間隔で離れた相補的ヌクレオチドまたは相補的ヌクレオチドの群を有するヌクレオチド配列に結合することを可能にする。例えば、いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域が骨格中にほぼ一定の間隔のパターンのアデニン残基を含有する場合、それは、ほぼ同じ塩基数だけほぼ一定の間隔で離れたチミン残基を有するヌクレオチド配列に結合することができる。
いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域の少なくとも30%以上(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%を含む)は、同定ヌクレオチド配列の第一の部分に相補的である。本明細書において使用される場合および本明細書を通して、用語「相補的」は、第一の核酸鎖が第二の核酸鎖と従来のワトソン-クリックまたは他の非従来的なタイプのいずれかによって水素結合を形成することができることを指す。相補性率は、第二の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン-クリック塩基対合)を形成することができる核酸分子中の残基の百分率を示す(例えば、10の内5、6、7、8、9、10は、50%、60%、70%、80%、90%、および100%相補的である)。「完全に相補的」または100%の相補性は、核酸配列の隣接する残基の全てが第二の核酸配列中の同じ数の隣接する残基と水素結合を形成することを意味する。完全未満の相補性は、2本鎖のヌクレオチドの全てではなくいくつかが互いに水素結合を形成することができる状況を指す。「実質的な相補性」は、非相補的であるように選択されるオーバーハングなどのポリヌクレオチド鎖の領域を除き、90%以上の相補性を示すポリヌクレオチド鎖を指す。特異的結合は、特異的結合が望まれる条件下、すなわち、インビトロアッセイにおいて、アッセイが実施される条件下で、非標的配列へのオリゴマー配列の非特異的結合を回避するための十分な程度の相補性を必要とする。非標的配列は、典型的には、少なくとも1、2、3、4、または5ヌクレオチドだけ異なる。
いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域は、NanoString Technologies, Incへの米国特許第8,415,102号に記載されている方法およびコンピューターシステムを使用して、レポータープローブにおける使用のために同定されることができる。
いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域および検出可能ラベルは、本明細書に記載されるような少なくとも1つまたは複数のリンカーによって互いにカップリングされることができる。いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域と検出可能ラベルとの間のリンカーは、アミド結合を含むことができる。いくつかの態様において、第一の標的プローブ特異的領域と検出可能ラベルとの間のリンカーは、本明細書に記載されるような化学リンカーを含むことができる。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、落射蛍光顕微鏡を使用して検出されることができる。いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、蛍光顕微鏡を使用して検出されることができる。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、分光法の使用を通して検出されることができる。多数のタイプの分光学的方法が使用されることができる。そのような方法の例は、非限定的に、紫外線分光法、可視光分光法、赤外線分光法、X線分光法、蛍光分光法、質量分光法、プラズモン共鳴(例えば、Cherif et al., Clinical Chemistry, 52:255-262 (2006)および米国特許第7,030,989号;参照によって本明細書に組み入れられる)、核磁気共鳴分光法、ラマン分光法、蛍光クエンチング、蛍光共鳴エネルギー転移、内部蛍光、リガンド蛍光などを含む。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、蛍光異方性の使用を通して検出されることができる。蛍光異方性は、共焦点配置で撮像されたサンプル蛍光の定常状態の偏光を測定することに基づいている。直線偏光されたレーザー励起源は、入射偏光ベクトルに対して平行にアラインされた遷移モーメントで、蛍光標的分子を優先的に励起させる。生じた蛍光は、収集されて、2個のチャネルに向かわせ、励起ビームの偏光に対して平行および垂直の両方で偏光された蛍光の強度を測定する。これらの2つの測定で、蛍光異方性rは、方程式:r=(平行強度-垂直強度)/(平行強度+2(垂直強度))(式中、「平行強度」および「垂直強度」は、入射偏光に対して平行および垂直の強度測定値を示す)から決定されることができる。蛍光分子の蛍光異方性検出はこれまでに記載されている。したがって、蛍光異方性は、本明細書に記載されているように、かつ当技術分野において記載されているように、多数の蛍光標識にカップリングさせることができる。
いくつかの態様において、検出可能ラベルおよび/または標識分子は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の使用を通して検出されることができる。蛍光共鳴エネルギー転移は、2つの蛍光分子間のエネルギー転移機構を指す。蛍光供与体は、その蛍光励起波長で励起される。次いで、この励起状態は、蛍光受容体である第二の分子に非放射的に転移される。蛍光共鳴エネルギー転移は、検出可能ラベルおよび/または標識分子を検出するために多数の構成内で使用され得る。例えば、いくつかの態様において、第一の標識分子が蛍光供与体で標識されることができ、第二の標識分子が蛍光受容体で標識されることができる。したがって、そのように標識された第一および第二の標識分子は、検出可能ラベルおよび/または標識分子を検出するために競合アッセイ内で使用されることができる。蛍光供与体および蛍光受容体の多数の組み合わせが検出のために使用されることができる。
いくつかの態様において、検出可能および/または標識分子は、ポリヌクレオチド解析の使用を通して検出されることができる。そのような方法の例は、非限定的に、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、ポリヌクレオチドライゲーション、ポリヌクレオチド増幅、ポリヌクレオチド分解などに基づいた方法を含む。インターカレーション染料、蛍光共鳴エネルギー転移、容量性(capacitive)デオキシリボ核酸検出、および核酸増幅を利用する方法が、例えば、米国特許第7,118,910号および第6,960,437号(参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されている。そのような方法は、検出可能ラベルおよび/または標識分子の検出を提供するように適合させることができる。いくつかの態様において、蛍光クエンチング、分子ビーコン、電子転移、電気伝導率などが、ポリヌクレオチド相互作用を解析するために使用されることができる。そのような方法は、公知であり、例えば、Jarvius, DNA Tools and Microfluidic Systems for Molecular Analysis, Digital Comprehensive Summaries of Uppsala Dissertations from the Faculty of Medicine 161, ACTA UNIVERSITATIS UPSALIENSIS UPPSALA 2006, ISBN: 91-554-6616-8; Singh-Zocchi et al, Proc. Natl. Acad. Sci, 100:7605-7610 (2003); Wang et al. Anal. Chem, 75:3941-3945 (2003); and Fan et al, Proc. Natl. Acad. Sci, 100:9134-9137 (2003) ならびに米国特許第6,958,216号;第5,093,268号;および第6,090,545号(これら全ての内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されている。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド解析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による。PCRの原理は、当業者に周知であり、例えば、McPhersonら、PCR, A Practical Approach, IRL Press, Oxford, Eng. (1991)(参照によって本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
いくつかの態様において、レポータープローブは、下記の「捕捉プローブ」の項に詳細に記載されるアフィニティータグをさらに含むことができる。
いくつかの態様において、アフィニティータグは、固体基板表面へのレポータープローブの連結が検出可能ラベルの検出と有意に干渉しないように、レポータープローブの近傍またはその一端に置かれる。
いくつかの態様において、本明細書に記載されるレポータープローブは、米国特許第8519115号;ならびに米国特許出願公開第US 2014/0017688号;第US 2014/0037620号;第US2013/0017971号;第US 2013/0230851号;第US 2011/0201515号;第US 2011/0086774号;第US 2011/0229888号;および第US 2010/0261026号(その全ては、Nanostring Technologies, Inc.に帰属し、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているような「レポータープローブ」または「標識ナノレポータープローブ」または「ナノレポータープローブ」を指す。
捕捉プローブ
本明細書において使用される場合、用語「捕捉プローブ」は、一般に、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合し、かつ場合によりアフィニティータグを含む合成分子を指す。本明細書において使用される場合、用語「アフィニティータグ」は、例えば、結合している複合体の可視化および/またはイメージングを可能にするために、捕捉プローブおよび結合している同定ヌクレオチド配列の固体基板表面への可逆的なまたは可逆的な固定化を許容する分子を指す。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列の固定化は、遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされた捕捉プローブを同定する識別可能な空間シグナルを提供することができる。固体基板の例は、非限定的に、マイクロ流体デバイス、カートリッジ、マイクロタイタープレート、チューブ、磁性粒子、スキャフォールド、およびアレイを含む。
捕捉プローブのアフィニティータグは、共有結合性または非共有結合性相互作用を介して固体基板表面に連結することができる。固体基板表面へのアフィニティータグの固定化または連結は、当業者に公知の方法のいずれかを使用して共有結合的または非共有結合的に起こすことができる。例えば、共有結合的固定化は、例えば、シランカップリングを介して達成されることができる。例えば、Weetall, 15 Adv. Mol. Cell Bio. 161 (2008); Weetall, 44 Meths. Enzymol. 134 (1976)を参照されたい。アフィニティータグと固体基板表面との間の共有結合性相互作用はまた、NHS反応またはコンジュゲーション物質などの当技術分野において承認されている他の化学反応によって媒介されることができる。アフィニティータグと固体基板表面との間の非共有結合性相互作用は、イオン相互作用、ファンデルワールス相互作用、双極子-双極子相互作用、水素結合、静電的相互作用、および/または形状認識相互作用に基づいて形成されることができる。
いくつかの態様において、アフィニティータグは、本明細書に記載されるようなリンカーを含むことができる。例えば、いくつかの態様において、アフィニティータグは、下記の「リンカー」の項に記載されているようなカップリング分子対のメンバーを含むことができる。いくつかの態様において、アフィニティータグは、ビオチン-アビジンまたはビオチン-ストレプトアビジンカップリング対のメンバーを含むことができる。例えば、いくつかの態様において、アフィニティータグはビオチン分子を含むことができ、一方で、固体表面はアビジンおよび/またはストレプトアビジンとカップリングされることができる。
いくつかの態様において、アフィニティータグは、物理的リンカーを含むことができる。例えば、アフィニティータグは磁性粒子を含むことができ、アフィニティータグが磁力下で固体基板表面に固定化される。
いくつかの態様において、捕捉プローブは、任意の安定な分子内塩基対合相互作用(例えば、ヘアピン)などの最小限の二次構造を有するかまたは有さない。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、捕捉プローブ中の最小限の二次構造は、捕捉プローブの骨格と同定ヌクレオチド配列の一部分との間のより良好なハイブリダイゼーションを提供することができる。加えて、捕捉プローブ中の最小限の二次構造は、結合した複合体(すなわち、同定ヌクレオチド配列に結合した捕捉プローブを含む複合体)の固体基板表面へのより良好な結合を提供することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される捕捉プローブは、予め決定されたアニーリング温度で有意な分子内対合を有さない。予め決定されたアニーリング温度は、約65℃〜80℃もしくは約70℃〜80℃の範囲、または約70℃〜75℃であることができる。
いくつかの態様において、捕捉プローブは、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合する第二の標的プローブ特異的領域を含むことができる。したがって、いくつかの態様において、捕捉プローブは、(a)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合する第二の標的プローブ特異的領域;および場合により(b)アフィニティータグを含むことができる。
本明細書において使用される場合、用語「第二の標的プローブ特異的領域」は、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合する捕捉プローブの領域を指す。第二の標的プローブ特異的領域は、骨格中にほぼ一定の間隔のパターンのヌクレオチド残基および/またはヌクレオチド残基の群(例えば、少なくとも2個以上)を含むことができる。いくつかの態様において、ヌクレオチド残基および/またはヌクレオチド残基の群(例えば、少なくとも2個以上)は、第二の標的プローブ特異的領域内で少なくとも平均で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、4、15、20、25、30、35、40、45、または50塩基離れて配置されることができる。これは、一定の間隔のパターンのヌクレオチドまたはヌクレオチドの群を有する第二の標的プローブ特異的領域が、ほぼ同じ塩基数だけ一定の間隔で離れた相補的ヌクレオチドまたは相補的ヌクレオチドの群を有するヌクレオチド配列に結合することを可能にする。例えば、いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域が骨格中にほぼ一定の間隔のパターンのアデニン残基を含有する場合、それは、ほぼ同じ塩基数だけほぼ一定の間隔で離れたチミン残基を有するヌクレオチド配列に結合することができる。
いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域の少なくとも30%以上(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%を含む)は、同定ヌクレオチド配列の第二の部分に相補的である。
いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域は、NanoString Technologies, Incへの米国特許第8,415,102号に記載されている方法およびコンピューターシステムを使用して、捕捉プローブにおける使用のために同定されることができる。
いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域およびアフィニティータグは、本明細書に記載されるような少なくとも1つまたは複数のリンカーによって互いにカップリングされることができる。いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域とアフィニティータグとの間のリンカーは、アミド結合を含むことができる。いくつかの態様において、第二の標的プローブ特異的領域とアフィニティータグとの間のリンカーは、本明細書に記載されるような化学リンカーを含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される捕捉プローブは、米国特許第8519115号;ならびに米国特許出願公開第US 2014/0017688;第US 2014/0037620号;第US 2013/0017971号;第US 2013/0230851号;第US 2011/0201515号;第US 2011/0086774号;第US 2011/0229888号;および第US 2010/0261026号(その全ては、Nanostring Technologies, Inc.に帰属し、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているような「捕捉プローブ」または「非標識ナノレポータープローブ」または「ナノレポータープローブ」を指す。
本明細書に記載される方法および/またはシステムにおいてレポータープローブと捕捉プローブとの両方が使用される場合、レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域および捕捉プローブの第二の標的プローブ特異的領域は、異なる位置で同定ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズされるべきである。例えば、レポーターおよび捕捉プローブの標的特異的領域がハイブリダイズする同定ヌクレオチド配列の一部分は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40塩基対以上離れていることができる。
システム(例えば、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のための)
本明細書に記載される方法の種々の態様は、本明細書に記載されるようなシステムまたはコンピューターシステム中の1つまたは複数の機能モジュールで実施されることができる。したがって、本明細書において提供される別のものは、サンプル中の複数の標的分子のマルチプレックス検出のためのシステムに関する。
図18Aは、1つまたは複数のプロセッサー630と、1つまたは複数のプロセッサー630による実行のための1つまたは複数のプログラム620を記憶するメモリ650とを含む、デバイスまたはコンピューターシステム600を記述する。
いくつかの態様において、デバイスまたはコンピューターシステム600は、デバイスまたはコンピューターシステム600の1つまたは複数のプロセッサー630による実行のための1つまたは複数のプログラム620を記憶する非一時的なコンピューター可読記憶媒体700をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、デバイスまたはコンピューターシステム600は、外部デバイス(示さない)、1つまたは複数のプロセッサー630、メモリ650、非一時的なコンピューター可読記憶媒体700、および1つまたは複数の出力デバイス660からなる群からのいずれか1つへまたはそこから情報を送るまたは受け取るように構成されることができる、1つまたは複数の入力デバイス640をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、デバイスまたはコンピューターシステム600は、外部デバイス(示さない)、1つまたは複数のプロセッサー630、メモリ650、および非一時的なコンピューター可読記憶媒体700からなる群からのいずれか1つへまたはそこから情報を送るまたは受け取るように構成されることができる、1つまたは複数の出力デバイス660をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のためのデバイスまたはコンピューターシステム600は、1つまたは複数のプロセッサー;および1つまたは複数のプログラムを記憶するためのメモリを含み、1つまたは複数のプログラムは、以下のための命令を含む:
(a)本明細書に記載されるサンプルおよび複数の標的プローブを含む少なくとも1つの試験サンプルを受け入れる;
(b)サンプル中の標的分子に結合している標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる;
(c)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する;
(d)以下を実施することによって、検出されたシグナルに基づいてサンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定する:
i.検出されたシグナルに対応するレポータープローブの検出可能プローブを同定する工程;
ii.レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域に基づいて検出可能プローブに対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列を同定する工程;および
iii.同定ヌクレオチド配列に対応する標的結合分子を同定する工程;ならびに
(e)前記解析モジュールからの解析アウトプットに部分的に基づいてコンテンツを表示する工程であって、コンテンツが、(i)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在、(ii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の不在、および/または(iii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の発現レベルの指標となるシグナルを含む、工程。
図18Bは、提供される少なくとも1つの対象から得られた少なくとも1つの試験サンプルからのデータを得るためのデバイスまたはシステム600(例えば、コンピューターシステム)を記述する。本システムは、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のために使用されることができる。本システムは、以下を含む:
(a)以下のための命令を含む、少なくとも1つのサンプル処理モジュール601
本明細書に記載されるサンプルおよび複数の標的プローブを含む少なくとも1つの試験サンプルを受け入れる;および
サンプル中の標的分子に結合している標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる;
(b)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出するための命令を含む、シグナル検出モジュール602;
(c)(b)からの検出されたシグナルおよび標的プローブの同定ヌクレオチド配列に関連する情報を記憶するための命令を含む、少なくとも1つのデータ記憶モジュール604;
(d)検出されたシグナルに基づいてサンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定するための命令を含む、少なくとも1つの解析モジュール606;ならびに
(e)前記解析モジュールからの解析アウトプットに部分的に基づいてコンテンツを表示するための少なくとも1つのディスプレイモジュール610であって、コンテンツが、(i)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在、(ii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の不在、および/または(iii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の発現レベルの指標となるシグナルを含む、少なくとも1つのディスプレイモジュール610。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601は、サンプルから標的細胞(単一細胞としてまたは集団として)を単離するために適合させることができる。いくつかの態様において、サンプル処理モジュールは、国際特許出願第WO 2013/078332号(その内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているような方法およびデバイスを使用して、サンプルからの標的細胞または干渉細胞の磁気分離のためのマイクロ流体デバイスを含むことができる。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601は、単一細胞解析のためのマルチウェルプレート(例えば、96ウェル、384ウェル、またはナノもしくはマイクロウェル)を含むことができる。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601は、核酸解析のために同じサンプルから核酸分子を抽出するために適合させることができる。核酸解析のための技術は、当技術分野において公知であり、これを使用して試験サンプルをアッセイして、核酸または遺伝子発現測定値を決定することができ、例えば、非限定的に、DNA配列決定、RNA配列決定、デノボ配列決定、次世代配列決定、例えば、大規模並列シグネチャー配列決定(MPSS)、ポロニー配列決定、パイロシークエンシング、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定)、ナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、質量分析法を伴う配列決定、マイクロ流体サンガー配列決定、顕微鏡法ベースの配列決定技術、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、またはそれらの任意の組み合わせである。
したがって、いくつかの態様において、本明細書に記載されるシステムは、統合的プロファイリング、例えば、同じサンプルからのタンパク質および核酸分子の発現プロファイルを生成するために使用されることができる。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601またはシグナル検出モジュール602は、遊離された同定ヌクレオチド配列を本明細書に記載されるレポータープローブと接触させるための命令をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601またはシグナル検出モジュール602は、遊離された同定ヌクレオチド配列を本明細書に記載される捕捉プローブと接触させるための命令をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、サンプル処理モジュール601またはシグナル検出モジュール602は、本明細書に記載されるアフィニティータグを介して、遊離された同定ヌクレオチドを固体基板に固定化させるための命令をさらに含むことができる。固体基板の例は、非限定的に、マイクロ流体デバイス、カートリッジ、チューブ、マイクロタイタープレート、磁性粒子、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、(i)検出されたシグナルに対応するレポータープローブの検出可能プローブを同定する;(ii)レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域に基づいて検出可能プローブに対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列を同定する;および(iii)同定ヌクレオチド配列に対応する標的結合分子を同定し、それによって検出されたシグナルに基づいてサンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定するための命令をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、各検出可能ラベルから放出された複数の光シグナルに対応する検出可能ラベルを同定するのための命令をさらに含むことができ、ここで、複数の光シグナルの空間または時間順序は、各検出可能ラベルについて固有である。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、検出されたシグナルを閾値処理するための命令をさらに含むことができる。例えば、シグナルは、非特異的結合に基づいて閾値処理されることができる。いくつかの態様において、閾値は、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも大きい。ほんの一例として、閾値は、少なくとも1つの対照タンパク質からの標準偏差および測定誤差を使用することによって決定されることができる。いくつかの態様において、閾値は、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも少なくとも50%以上(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上を含む)高くあることができる。いくつかの態様において、閾値は、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも少なくとも1.1倍以上(例えば、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、またはそれ以上を含む)高くあることができる。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、対照プローブに関連するシグナルにより標的プローブに関連するシグナルを正規化することによって、シグナルを定量化するための命令をさらに含むことができる。1つの態様において、シグナルは、定量化され、標的結合物質当たりの検出された同定ヌクレオチド配列の数として表される。
試験サンプルの性質および/またはユーザーによって望まれるようなシステムの用途に応じて、ディスプレイモジュール610は、追加のコンテンツをさらに表示することができる。試験サンプルが診断評価のために対象から収集されるまたはそれに由来するいくつかの態様において、ディスプレイモジュール610上に表示されたコンテンツは、状態(例えば、癌などの疾患または障害)の診断の指標となるシグナルをさらに含むことができる。
試験サンプルが対象のための処置計画の選択および/または評価のために対象から収集されるまたはそれに由来するいくつかの態様において、コンテンツは、対象に個別化された処置計画の指標となるシグナルをさらに含むことができる。いくつかの態様において、コンテンツは、処置の応答の指標となるシグナルをさらに含むことができる。
コンピューター上で方法を実行するためのソフトウェアモジュールを規定するそこに記録されたコンピューター可読命令を有する、有形的かつ非一時的な(例えば、非一時的形態のシグナル伝達)コンピューター可読媒体700もまた本明細書に提供される。いくつかの態様において、コンピューター可読媒体700は、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のための1つまたは複数のプログラムを記憶する。コンピューターシステムの1つまたは複数のプロセッサーによる実行のための1つまたは複数のプログラムは、(a)以下の工程:(i)検出されたシグナルに対応するレポータープローブの検出可能プローブを同定する工程;(ii)レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域に基づいて検出可能プローブに対応する標的プローブの同定ヌクレオチド配列を同定する工程;および(iii)同定ヌクレオチド配列に対応する標的結合分子を同定する工程を実施することによって、遊離された同定ヌクレオチド配列からの検出されたシグナルに基づいてサンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定するための命令;ならびに(b)前記解析モジュールからの解析アウトプットに部分的に基づいてコンテンツを表示するための命令であって、コンテンツが、(i)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在、(ii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の不在、および/または(iii)サンプル中の1つまたは複数の標的分子の発現レベルの指標となるシグナルを含む、命令を含む。
試験サンプルの性質および/またはユーザーによって望まれるようなシステムの用途に応じて、コンピューター可読記憶媒体700は、追加のコンテンツを表示するための命令をさらに含むことができる。試験サンプルが診断評価のために対象から収集されるまたはそれに由来するいくつかの態様において、ディスプレイモジュール上に表示されたコンテンツは、対象における状態(例えば、疾患または障害)の診断の指標となるシグナルをさらに含むことができる。試験サンプルが対象のための処置計画の選択および/または評価のために対象から収集されるまたはそれに由来するいくつかの態様において、コンテンツは、対象に個別化された処置計画の指標となるシグナルをさらに含むことができる。いくつかの態様において、コンテンツは、処置の応答の指標となるシグナルをさらに含むことができる。
本明細書に記載されるシステムの態様は、機能モジュールを介して記載されており、これは、コンピューター可読媒体上に記録されたコンピューター実行命令によって規定され、実行された場合にこれがコンピューターに方法工程を実施させる。本モジュールは、明確にするための機能によって区別されている。しかしながら、本モジュールが離散ブロックのコードに対応する必要がないこと、および記載した機能が種々の媒体上に記憶されかつ種々の時間で実行される種々のコード部分の実行によって実施されることができることが理解されるべきである。さらに、本モジュールが他の機能を実施し得、したがって本モジュールが任意の特定の機能または機能のセットを有することに限定されるわけではないことが認識されるべきである。
コンピューティングデバイスは、典型的には、コンピューター可読記憶媒体および/または通信媒体を含むことができる様々な媒体を含み、その中で、これらの2つの用語は、本明細書において以下のように互いに異なって使用される。コンピューター可読記憶媒体またはコンピューター可読媒体(例えば、700)は、コンピューターによってアクセスでき、典型的には非一時的性質であり、かつ揮発性媒体および不揮発性媒体、リムーバブル媒体および非リムーバブル媒体の両方を含むことができる、任意の利用可能な有形媒体(例えば、有形記憶媒体)であることができる。例を挙げると、非限定的に、コンピューター可読記憶媒体は、コンピューター可読命令、プログラムモジュール、構造化データ、または非構造化データなどの情報の記憶のための任意の方法または技術と併用して実行されることができる。コンピューター可読記憶媒体は、非限定的に、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、EEPROM(消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM(コンパクトディスクリードオンリーメモリ)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用されることができる他の有形および/または非一時的媒体を含むことができる。コンピューター可読記憶媒体は、媒体によって記憶された情報に関する様々な操作のために、例えば、アクセス要求、照会または他のデータ取得プロトコルを介して、1つまたは複数のローカルまたはリモートコンピューティングデバイスによってアクセスすることができる。
一方で、通信媒体は、典型的には、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他の構造化もしくは非構造化データをデータシグナル(変調データシグナル、例えば、搬送波または他のトランスポート機構などの一時的であることができ、かつ任意の情報送達または移送媒体を含む)で具体化する。用語「変調データシグナル」は、1つまたは複数のシグナルで情報をコード化するようにその特徴の1つまたは複数が設定または変化されたシグナルを指す。例を挙げると、非限定的に、通信媒体は、有線媒体(例えば、有線ネットワークまたは直接配線接続)、および無線媒体(例えば、音響、高周波(RF)、赤外線および他の無線媒体)を含む。
いくつかの態様において、コンピューター可読記憶媒体700は、ユーザーがリモートサーバー上にデータを記憶して後でそのデータにアクセスすることができる、またはリモートサーバーからのデータのさらなる解析を実施することができる、「クラウド」システムを含むことができる。
1つまたは複数のコンピューター可読媒体、またはコンピューター可読媒体700上で具体化されるコンピューター可読データは、コンピューターによって実行された結果として、コンピューターに本明細書に記載される機能の1つまたは複数(例えば、システム600、またはコンピューター可読媒体700に関して)、および/または種々の態様、変形例およびそれらの組み合わせを実施するように命令する、命令(例えば、1つまたは複数のプログラムの一部としての)を規定し得る。そのような命令は、複数のプログラミング言語のいずれか、例えば、Java、J#、Visual Basic、C、C#、C++、Fortran、Pascal、Eiffel、Basic、COBOLアセンブリ言語など、またはそれらの様々な組み合わせのいずれかで書き込まれ得る。そのような命令が具体化されるコンピューター可読媒体は、本明細書に記載されるシステム600、またはコンピューター可読媒体700のいずれかのコンポーネントの1つまたは複数に存在し得、そのようなコンポーネントの1つまたは複数にわたって分配され得、それらの間で移行状態にあり得る。
コンピューター可読媒体は、その上に記憶された命令が任意のコンピューターリソース上にロードされて本明細書に記載されるアッセイおよび/または方法を実行することができるように、移送可能であることができる。加えて、上に記載されたコンピューター可読媒体、またはコンピューター可読媒体700上に記憶された命令が、ホストコンピューター上でランするアプリケーションプログラムの一部として具体化される命令に限定されるわけではないことが認識されるべきである。むしろ、命令は、任意のタイプのコンピューターコード(例えば、ソフトウェアまたはマイクロコード)として具体化され得、これを用いて、コンピューターが本明細書に記載されるアッセイおよび/または方法を実行するようにプログラム化されることができる。コンピューター実行可能命令は、好適なコンピューター言語またはいくつかの言語の組み合わせで書き込まれ得る。基礎計算生物学的方法は、当業者に公知であり、例えば、Setubal and Meidanisら、Introduction to Computational Biology Methods (PWS Publishing Company, Boston, 1997); Salzberg, Searles, Kasif, (Ed.), Computational Methods in Molecular Biology, (Elsevier, Amsterdam, 1998); Rashidi and Buehler, Bioinformatics Basics: Application in Biological Science and Medicine (CRC Press, London, 2000) and Ouelette and Bzevanis Bioinformatics: A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins (Wiley & Sons, Inc., 2nd ed., 2001)に記載されている。
本明細書に記載されるシステムまたはコンピューターシステムの特定の態様の機能モジュールは、サンプル処理モジュール、シグナル検出モジュール、記憶デバイス、解析モジュールおよびディスプレイモジュールを含むことができる。機能モジュールは、1つもしくは複数のコンピューターで、または1つもしくは複数のコンピューターネットワークを使用することによって実行されることができる。シグナル検出モジュール602は、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出するためのコンピューター実行可能命令を有することができる。
いくつかの態様において、シグナル検出モジュール602は、例えば、RNA配列決定のために、配列情報をコンピューター可読形態で提供するためのコンピューター実行可能命令を有することができる。これらの態様において、システムは、同じサンプルからの標的分子(例えば、タンパク質)および核酸分子の同時測定を可能にすることができる。例えば、タンパク質および核酸分子の統合発現プロファイルは、マイクロRNAなどの遺伝子調節エレメントと相互作用するタンパク質を研究するために使用されることができる。本明細書において使用される場合、「配列情報」は、完全長ヌクレオチドおよび/もしくはアミノ酸配列、部分ヌクレオチドおよび/もしくはアミノ酸配列、または突然変異配列を非限定的に含む、任意のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を指す。さらに、配列情報「に関する」情報は、配列の存在または不在の検出(例えば、突然変異または欠失の検出)、サンプル中の配列の濃度の決定(例えば、アミノ酸配列発現レベル、またはヌクレオチド(RNAまたはDNA)発現レベル)などを含む。用語「配列情報」は、翻訳後修飾(例えば、リン酸化、グリコシル化、スモイレーション(summylation)、ファルネシル化など)の存在または不在を含むことを意図する。
一例として、配列情報を決定するためのシグナル検出モジュール602は、Hitachi FMBIO(登録商標)およびHitachi FMBIO(登録商標)II Fluorescent Scanners (Hitachi Genetic Systems, Alameda, Californiaから入手可能);Spectrumedix(登録商標)SCE 9610 Fully Automated 96-Capillary Electrophoresis Genetic Analysis Systems(SpectruMedix LLC, State College, Pennsylvaniaから入手可能);ABI PRISM(登録商標)377 DNA Sequencer、ABI(登録商標)373 DNA Sequencer、ABI PRISM(登録商標)310 Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer、およびABI PRISM(登録商標)3700 DNA Analyzer(Applied Biosystems, Foster City, Californiaから入手可能);Molecular Dynamics FluorImager(商標)575、SI Fluorescent Scanners、およびMolecular Dynamics FluorImager(商標) 595 Fluorescent Scanners(Amersham Biosciences UK Limited, Little Chalfont, Buckinghamshire, Englandから入手可能);GenomyxSC(商標)DNA Sequencing System(Genomyx Corporation (Foster City, Californiaから入手可能);ならびにPharmacia ALF(商標)DNA SequencerおよびPharmacia ALFexpress(商標)(Amersham Biosciences UK Limited, Little Chalfont, Buckinghamshire, Englandから入手可能)を非限定的に含む、自動配列解析のための公知のシステムを含み得る。
配列情報を決定するための代替的な方法、すなわち、シグナル検出モジュール602は、タンパク質およびDNA解析のためのシステムを含む。例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法-飛行時間型(MALDI-TOF)システムおよびSELDI-TOF-MS ProteinChipアレイプロファイリングシステムを含む質量分析法システム;遺伝子発現データを解析するためのシステム(例えば、公開された米国特許出願公開第U.S.2003/0194711号を参照されたい);アレイベースの発現解析のためのシステム:例えば、HTアレイシステムおよびカートリッジアレイシステム、例えばGeneChip(登録商標)AutoLoader、Complete GeneChip(登録商標)Instrument System、GeneChip(登録商標)Fluidics Station 450、GeneChip(登録商標)Hybridization Oven 645、GeneChip(登録商標)QC Toolbox Software Kit、GeneChip(登録商標)Scanner 3000 7G plus Targeted Genotyping System、GeneChip(登録商標) Scanner 3000 7G Whole-Genome Association System、GeneTitan(商標)Instrument、およびGeneChip(登録商標)Array Station(各々Affymetrix, Santa Clara, Californiaから入手可能);自動ELISAシステム(例えば、DSX(登録商標)またはDS2(登録商標)(Dynax, Chantilly, VAから入手可能)またはTriturus(登録商標)(Grifols USA, Los Angeles, Californiaから入手可能)、Mago(登録商標)Plus(Diamedix Corporation, Miami, Floridaから入手可能);Densitometer(例えば、X-Rite-508-Spectro Densitometer(登録商標)(RP Imaging(商標), Tucson, Arizonaから入手可能)、HYRYS(商標)2 HIT densitometer(Sebia Electrophoresis, Norcross, Georgiaから入手可能);自動蛍光インサイチューハイブリダイゼーションシステム(例えば、米国特許第6,136,540号を参照されたい);2Dイメージングソフトウェアに接続された2Dゲルイメージングシステム;マイクロプレートリーダー;蛍光活性化セルソーター(FACS)(例えば、Flow Cytometer FACSVantage SE(Becton Dickinson, Franklin Lakes, New Jerseyから入手可能);ならびに放射性同位体アナライザー(例えば、シンチレーション計数器)。
シグナル検出モジュールにおいて決定された遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、記憶デバイス604によって読み取りされることができる。本明細書において使用される場合、「記憶デバイス」604は、任意の好適なコンピューティングもしくはプロセシング装置またはデータもしくは情報を記憶するために構成もしくは適合された他のデバイスを含むことを意図する。本明細書に記載されるシステムと共に使用するために好適な電子機器の例は、自立型コンピューティング装置、データ通信ネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、およびエクストラネットを含む)、ならびにローカルおよび分散コンピューター処理システムを含むことができる。記憶デバイス604はまた、非限定的に、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディス記憶媒体、磁気テープ)、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM、DVD)、電子記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROMなど)、一般的なハードディスクおよびこれらのカテゴリーのハイブリッド(例えば、磁気/光学記憶媒体)を含む。記憶デバイス604は、そこに記録された配列情報または発現レベル情報を有するように適合または構成される。そのような情報は、電子的に、例えば、インターネットを介して、ディスケット上に、USB(ユニバーサルシリアルバス)を介してまたは任意の他の好適なモードの通信、例えば「クラウド」を介して伝達および読み取りされることができる、デジタル形式で提供され得る。
本明細書において使用される場合、「発現レベル情報」は、測定されるべき任意の標的分子、例えば、非限定的に、タンパク質、ペプチド、脂質、代謝物質、糖質、毒素、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、およびそれらの任意の組み合わせの発現レベルを指す。いくつかの態様において、発現レベル情報は、各標的分子に対応する遊離された同定ヌクレオチド配列からの検出されたシグナルから決定されることができる。
本明細書において使用される場合、「記憶された」は、記憶デバイス604上で情報をコード化するためのプロセスを指す。当業者は、公知の媒体上に情報を記録するための以前から知られている方法のいずれかを容易に採用することができ、配列情報または発現レベル情報を含む製品を生成することができる。
様々なソフトウェアプログラムおよびフォーマットが、記憶デバイス上に配列情報または発現レベル情報を記憶するために使用されることができる。フォーマット(例えば、テキストファイルまたはデータベース)を構造化する多数のデータプロセッサーが、記録された配列情報または発現レベル情報を有する媒体を得るまたは生み出すために用いられることができる。
配列情報および/または発現レベル情報をコンピューター可読形態で提供することによって、可読形態の配列情報および/または発現レベル情報を解析モジュール606中で使用して、試験されるサンプルについての発現プロファイルを生成することができる。コンピューター可読形態でなされる解析は、様々な手段によって処理されることができるコンピューター可読解析結果を提供する。解析結果に基づいたコンテンツ608は解析モジュール606から取得され、サンプル中に存在する1つまたは複数の標的分子の存在または不在を示すことができる。
「解析モジュール」606は、種々の標的分子の発現プロファイルを計算するための様々な利用可能なソフトウェアプログラムおよびフォーマットを使用することができる。1つの態様において、解析モジュール606は、以下のようにプロテオミクス発現プロファイルを算出することができる。まず、nSolver解析ソフトウェアを使用することによって遊離された同定ヌクレオチド配列の生カウントを最初に正規化して、カートリッジ上でのハイブリダイゼーションの差異を表し、その後、内部陽性対照の平均による正規化によって、ハイブリダイゼーション効率を表すことができる。次いで、これらのカウントを、標的結合物質(例えば、抗体)当たりの同定ヌクレオチド配列の相対カウントを使用して、発現値に変換することができる。次に、対照IgGからの平均バックグラウンドシグナルを減算することができる。次いで、ハウスキーピング遺伝子を正規化に使用して、細胞数の変動を表すことができる。次いで、シグナルを、ハウスキーピングタンパク質、例えば、GAPDH、アクチン、および/またはβ-チューブリンを介して正規化することができる。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、例えば、MATLABまたはその機能的等価物を含み、上に記載したように計算されたマーカー発現値のマトリクス入力と共にヒートマップおよびクラスターグラムを生成することができる。いくつかの態様において、クラスターグラムは、加重連結法として実施されることができる。いくつかの態様において、クラスターグラムは、相関値を距離計量法として使用してクラスター化されることができる。標的分子が検出可能でなかった場合、それをマトリクスまたはヒートマップから除去することができ、表示されない。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、NanoString Technologies, Incへの米国特許第7,941,279号に記載されているような、レポータープローブおよび/または捕捉プローブを解析するための1つまたは複数のプログラムを含むことができる。
いくつかの態様において、解析モジュール606は、タンパク質発現プロファイルを比較することができる。Ciphergen Express(CE)およびBiomarker Patterns Software(BPS) package (Ciphergen Biosystems, Inc., Freemont, Californiaから入手可能)を非限定的に含む任意の利用可能な比較ソフトウェアが使用されることができる。タンパク質チップシステムソフトウェア(例えば、Protein chip Suite (Bio-Rad Laboratories, Hercules, Californiaから入手可能)で比較解析を実施することができる。発現プロファイルを同定するためのアルゴリズムは、平均分散アルゴリズム(例えば、JMP Software Cary, North Carolinaから入手可能なJMP Genomicsアルゴリズム)などの最適化アルゴリズムの使用を含むことができる。
解析モジュール606、または本明細書に記載されるシステムの任意の他のモジュールは、リレーショナルデータベース管理システム、World Wide Webアプリケーション、およびWorld Wide Webサーバーをランする、オペレーティングシステム(例えば、UNIX)を含み得る。World Wide Webアプリケーションは、データベース言語ステートメント(例えば、Structured Query Language(SQL)ステートメント)の生成のために必要な実行コードを含む。一般に、実行可能ファイルは、組み込み式SQLステートメントを含む。加えて、World Wide Webアプリケーションは、サーバーだけでなく、ユーザーリクエストに情報を提供するためにアクセスされなければならない種々の外部および内部データベースも構成する様々なソフトウェアエンティティへのポインタ及びアドレスを含有する、設定ファイルを含み得る。設定ファイルはまた、適切なハードウェアにサーバーのリソースに対するリクエストを指示し、必要に応じて、サーバーが2個以上の別個のコンピューター上に分配されるべきである。1つの態様において、World Wide Webサーバーは、TCP/IPプロトコルをサポートする。このようなローカルネットワークはしばしば、「イントラネット」と呼ばれる。そのようなイントラネットの利点は、これらがWorld Wide Web(例えば、GenBankまたはSwiss Pro World Wide Web site)上にあるパブリックドメインデータベースと容易に通信可能であることである。したがって、特定の態様において、ユーザーは、WebブラウザおよびWebサーバーによって提供されるHTMLインターフェイスを使用して、インターネットデータベース上にあるデータに直接アクセスすることができる(例えば、ハイパーテキストリンクを介して)。別の態様において、ユーザーは、クラウドコンピューティングサービスプロバイダによって提供される「クラウド」上にあるデータに直接アクセスすることができる。
解析モジュール606は、予め規定された基準、またはユーザーによって規定された基準によってコンピューター可読形態で処理されることできるコンピューター可読解析結果を提供し、ディスプレイモジュール610を使用して、ユーザーの要求に応じて記憶および出力され得る解析結果に部分的に基づいたコンテンツを提供する。ディスプレイモジュール610は、ユーザーのための比較結果に部分的に基づいてコンテンツ608の表示を可能にし、ここで、コンテンツ608は、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在の指標となるシグナル、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の不在の指標となるシグナル、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の発現レベルの指標となるシグナル、またはそれらの任意の組み合わせである。そのようなシグナルは、例えば、コンピューターモニター上のコンテンツ608の表示、プリンターからのコンテンツ608のプリントページ、またはサンプル中の標的分子の不在の指標となる光もしくは音であることができる。
本明細書に記載されるコンピューターシステムの種々の態様において、解析モジュール606は、シグナル検出モジュール602と統合されることができる。
試験サンプルの性質および/またはユーザーによって望まれるようなシステムのアプリケーションに応じて、解析結果に基づいたコンテンツ608はまた、対象における状態(例えば、疾患または障害)の診断の指標となるシグナルを含むことができる。いくつかの態様において、解析結果に基づいたコンテンツ608は、対象に個別化された処置計画の指標となるシグナルをさらに含むことができる。いくつかの態様において、解析結果に基づいたコンテンツ608は、処置に対する対象の応答の指標となるシグナルをさらに含むことができ、これは対象における処置の応答をモニタリングする手段を提供する。
いくつかの態様において、解析結果に基づいたコンテンツ608は、例えば図5に示すような、標的分子の発現プロファイルを反映するグラフ表示を含むことができる。
1つの態様において、解析結果に基づいたコンテンツ608は、コンピューターモニター上に表示される。1つの態様において、解析結果に基づいたコンテンツ608は、印刷可能媒体を介して表示される。ディスプレイモジュール610は、コンピューターから受け取ってコンピューター可読情報をユーザーに表示するように構成された任意の好適なデバイスであることができる。非限定例は、例えば、汎用コンピューター(例えば、Intel PENTIUMタイプのプロセッサー、Motorola PowerPC、Sun UltraSPARC、Hewlett-Packard PA-RISCプロセッサー、Advanced Micro Devices(AMD)(Sunnyvale, California)のから入手可能な様々なプロセッサーのいずれか、または任意の他のタイプのプロセッサーベースのもの)、視覚表示デバイス(例えば、フラットパネルディスプレイ、カソードレイチューブなど)、ならびに種々のタイプのコンピュータープリンターを含む。
いくつかの態様において、コンテンツは、コンピュータディスプレイ、スクリーン、モニター、電子メール、テキストメッセージ、ウェブサイト、有形印刷物(例えば、紙)上に表示されるか、またはデータ記憶デバイス中に記憶された情報として提供されることができる。
1つの態様において、World Wide Webブラウザは、解析結果に基づいたコンテンツ608の表示のためのユーザインタフェースを提供するために使用される。本明細書に記載されるシステムの他のモジュールがウェブブラウザインタフェースを有するように適合させることができることが理解されるべきである。ウェブブラウザを通して、ユーザーは解析モジュールからデータを取得するためのリクエストを構築し得る。したがって、ユーザーは、典型的には、グラフィカルユーザインタフェースにおいて従来用いられているボタン、プルダウンメニュー、スクロールバーなどのようなユーザインタフェースエレメントをポイントおよびクリックする。ユーザーのウェブブラウザでそのように形式化されたリクエストは、ウェブアプリケーションに送信され、これがフォーマットされて、サンプル中の標的分子の発現プロファイルに関連する付属情報、例えば、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在または不在の指標となる表示、またはそれに基づいた情報の表示を抽出するように用いられることができるクエリを生成する。1つの態様において、対照参照の情報もまた表示される。
任意の態様において、解析モジュールは、先に考察したようなコンピューター実行ソフトウェアによって実行されることができる。そのような態様において、解析モジュールからの結果は、電子ディスプレイ上に表示されることができる。結果は、グラフ、数、キャラクターまたは言葉によって表示されることができる。追加の態様において、解析モジュールからの結果は、ある位置から少なくとも1つの他の位置に送信されることができる。例えば、比較結果は、任意の電子媒体、例えば、インターネット、ファックス、電話、「クラウド」システム、およびそれらの任意の組み合わせを介して送信されることができる。「クラウド」システムを使用して、ユーザーは、物理的にDVDまたはサムドライブなどの記憶媒体を携帯しなくても、個人のファイルおよびデータを記憶およびアクセスすることができるか、またはリモートサーバー上でさらなる解析を実施することができる。
上に規定されたモジュールまたはプログラムの各々は、上に記載した機能を実施するための命令のセットに対応する。これらのモジュールおよびプログラム(すなわち、命令のセット)は、別々のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実行される必要はなく、したがってこれらのモジュールの種々のサブセットが、種々の態様で組み合わされまたはそうでなければ再編成され得る。いくつかの態様において、メモリは、上で規定されたモジュールおよびデータ構造のサブセットを記憶し得る。さらに、メモリは、上に記載していない追加のモジュールおよびデータ構造を記憶し得る。
本開示の例示した局面はまた、分散コンピューティング環境で実施され得、ここで通信ネットワークによって連結された遠隔処理デバイスによって特定のタスクが実施される。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスとリモートメモリ記憶デバイスとの両方に配置することができる。
さらに、本明細書に記載される種々のコンポーネントが、主題のイノベーションの態様を実行するために好適な値のコンポーネントおよび回路エレメントを含むことができる電気回路を含むことができることを認識されたい。さらに、種々のコンポーネントの多くが1つまたは複数の統合回路(IC)チップ上で実行されることができることを認識することができる。例えば、1つの態様において、コンポーネントのセットは、単一のICチップで実行されることができる。他の態様において、それぞれのコンポーネントの1つまたは複数が、別々のICチップ上で組み立てまたは実行される。
上に記載したものは、本発明の態様の例を含む。当然ながら、請求された主題を記載するためのコンポーネントまたは方法論の全ての考えられる組み合わせを記載することは不可能であるが、主題のイノベーションの多くのさらなる組み合わせおよび並べ換えが可能であることを認識されたい。したがって、請求された主題は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある全てのそのような変更、改変および変形を包含することを意図する。さらに、要約書に記載されるものを含めた本開示の例示した態様の上の記載は、包括的であることまたは開示された態様が開示された詳細な形態に限定されることを意図しない。特定の態様および例が例示目的で本明細書に記載されるが、関連分野の当業者が認めることができるように、そのような態様および例の範囲内で考慮される種々の改変が可能である。
特に、上に記載したコンポーネント、デバイス、回路、システムなどによって実施される種々の機能に関して、そのようなコンポーネントを記載するために使用される用語は、特に指示がない限り、本明細書において例示され請求された主題の例示的な局面における機能を実施する開示された構造に構造的に等価でなくても、記載されたコンポーネントの特定の機能(例えば、機能等価物)を実施する任意のコンポーネントに対応することを意図する。これに関して、また、イノベーションが、請求された主題の種々の方法の行為および/または事象を実施するためのコンピューター実行可能命令を有するシステムならびにコンピューター可読記憶媒体を含むことも認識されるだろう。
前述のシステム/回路/モジュールは、いくつかのコンポーネント/ブロック間の相互作用に関して記載されている。そのようなシステム/回路およびコンポーネント/ブロックが、前述の種々の並べ換えおよび組み合わせに従って、コンポーネントまたは特定のサブコンポーネント、特定のコンポーネントまたはサブコンポーネントのいくつか、および/または追加のコンポーネントを含むことができることを認識することができる。サブコンポーネントはまた、親コンポーネント(階層的)内に含まれるよりも、他のコンポーネントに通信可能に接続されたコンポーネントとして実行されることができる。加えて、1つまたは複数のコンポーネントが単一のコンポーネントへと組み合わされ集約機能性を提供するかまたはいくつかの別々のサブコンポーネントに分割され得ること、そして、統合された機能性を提供するために、任意の1つまたは複数の中間層(例えば、管理層)がそのようなサブコンポーネントに通信可能に接続されるように提供され得ることが留意されるべきである。本明細書に記載される任意のコンポーネントはまた、本明細書に具体的に記載されないが当業者に公知である1つまたは複数の他のコンポーネントと相互作用し得る。
加えて、主題のイノベーションの特定の特徴がいくつかの実行の1つだけに関連して開示され得るが、任意の所与の又は特定のアプリケーションに対して所望および有利であり得るように、そのような特徴は他の特徴実行の1つまたは複数と組み合わせられ得る。さらに、用語「〜を含む(includes)」、「〜を含む(including)」、「〜を有する(has)」、「〜を含有する(contains)」、その変形、および他の類似の言葉が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用されている限り、これらの用語は、任意の追加のまたは他の要素を除外することなくオープントランジションワード(open transition word)としての用語「〜を含む(comprising)」と同様に包括的であることを意図する。
本願において使用される場合、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などは、一般に、コンピューター関連エンティティ、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または1つまたは複数の特定の機能性をもつオペレーショナルマシーンに関連するエンティティのいずれかを指すことを意図する。例えば、コンポーネントは、非限定的に、プロセッサー(例えば、デジタルシグナルプロセッサー)上のプロセスランニング、プロセッサー、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピューターであり得る。例示として、コントローラー上のアプリケーションランニングとコントローラーとの両方が、コンポーネントであることができる。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し得、コンポーネントは1つのコンピューター上にローカライズされ得、および/または2個以上のコンピューター間に分散され得る。さらに、「デバイス」は、特別に設計されたハードウェア;ハードウェアが特定の機能を実施することを可能にする、ハードウェア上でのソフトウェアの実行によって特別に作製された汎用のハードウェア;コンピューター可読媒体上に記憶されたソフトウェア;またはそれらの組み合わせの形態にすることができる。
上に記載された例示的なシステムに関して、記載された主題に従って実行され得る方法論は、種々の図のフローチャートを参照してより良く認識されるだろう。説明の簡略化のために、方法論は一連の行為として記述および記載される。しかしながら、本開示に従う行為は、種々の順序でおよび/または平行して行うことができ、他の行為は本明細書に提示および記載されない。さらに、開示された主題に従って全ての例示された行為が方法論を実行するのに必要とされ得るわけではない。加えて、方法論が一連の相関の状態として状態図または事象を介して代替的に提示されることができることを当業者は理解および認識するであろう。加えて、本明細書に開示された方法論が製品上に記憶され、そのような方法論をコンピューティングデバイスに輸送および移送するのを容易にすることができることが認識されるべきである。製品という用語は、本明細書において使用される場合、任意のコンピューター可読デバイスまたは記憶媒体からアクセス可能なコンピュータープログラムを包含することを意図する。
システム600、およびコンピューター可読媒体700は、例えば、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出のための、および/または本明細書に記載される種々の局面の方法における使用のための単なる例示的態様であり、本明細書に記載される発明の範囲を限定することを意図していない。システム600、およびコンピューター可読媒体700について変形が可能であり、これが本明細書に記載される発明の範囲内にあることが意図される。
機械のモジュール、またはコンピューター可読媒体において使用されるモジュールは、多数の構成を仮定し得る。例えば、機能が、単一の機械上で提供されてもよく、または複数の機械にわたって分配されてもよい。
キット(例えば、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出用)
キット(例えば、サンプルからの異なる標的分子のマルチプレックス検出用)もまた本明細書に提供される。いくつかの態様において、本キットは、(a)本明細書に記載される1つまたは複数の態様に係る複数の標的プローブ;および(b)本明細書に記載される1つまたは複数の態様に係る複数のレポータープローブを含む。
いくつかの態様において、複数のうちの標的プローブの各サブセットは、異なる標的分子に結合し、ここで、サブセットの標的プローブは、同じ標的結合分子を含む。すなわち、サブセットの2個の標的プローブは、同じ標的分子の異なる領域に結合しない。
いくつかの態様において、本キットは、少なくとも3個またはそれ以上(少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個またはそれ以上を含む)の本明細書に記載される異なる標的プローブを含み、ここで、各標的プローブは、異なる標的分子に特異的に結合する。したがって、いくつかの態様において、本キットは、少なくとも3個またはそれ以上(少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個またはそれ以上を含む)の異なるレポータープローブをさらに含み、ここで、各レポータープローブは、別個の標的プローブを同定する。
いくつかの態様において、標的プローブの同定ヌクレオチド配列の設計に応じて、本キットは、少なくとも1個または複数(少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個またはそれ以上を含む)の本明細書に記載される捕捉プローブをさらに含むことができる。いくつかの態様において、例えば、可視化および/またはイメージングのための固体基板表面への異なる同定ヌクレオチド配列の固定化のために、同じ捕捉プローブを使用することができる。いくつかの態様において、例えば、可視化および/またはイメージングのための固体基板表面への異なる同定ヌクレオチド配列の固定化のために、異なる捕捉プローブを使用することができる。
いくつかの態様において、レポータープローブおよび捕捉プローブは、本キット中に、個別にまたは混合物で提供されることができる。
いくつかの態様において、標的プローブの標的結合分子は、抗体またはその断片を含むことができる。いくつかの態様において、抗体またはその断片は、表1から選択されることができる。
いくつかの態様において、標的プローブの開裂可能リンカーは、光開裂可能リンカーを含むことができる。いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、先に示した分子(i)〜(xiv)から選択されることができる。いくつかの態様において、光開裂可能リンカーは、分子(xiv)を含むことができる。
いくつかの態様において、レポータープローブの検出可能ラベルは、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含むことができる。例示的な固有のシグナルは、光学シグナルであることができる。光学シグナルは、1つまたは一連のまたは連続した発光シグナルを含むことができる。これらの態様において、標識分子の非限定例は、蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本キットは、複数(例えば、少なくとも2個またはそれ以上(少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個またはそれ以上を含む))の本明細書に記載される1つまたは複数の態様に係る対照プローブをさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本キットは、複数の核酸分子を検出するための試薬をさらに含むことができる。核酸の検出および解析のための試薬の例は、非限定的に、核酸ポリメラーゼ、プライマー、ヌクレオチド、核酸抽出のための試薬、緩衝液、対照核酸配列、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。そのようなキットは、標的分子(例えば、タンパク質)と遺伝物質情報(例えば、DNA、RNA、エピジェネティック、およびマイクロRNA)との両方を組み合わせた統合プロファイリングを生成するために使用されることができる。したがって、キットは、遺伝子調節エレメントなどの遺伝物質と相互作用する標的分子を研究するために使用されることができる。
いくつかの態様において、本キットは、本明細書に記載される方法またはシステムの1つまたは複数の態様における使用のための少なくとも1つの試薬をさらに含むことができる。本キットにおいて提供されることができる試薬は、以下の少なくともの1つまたは複数を含むことができる:ハイブリダイゼーション試薬、精製試薬、固定化試薬、イメージング剤、細胞透過処理剤、ブロッキング剤、開裂可能リンカー用の開裂剤、およびそれらの任意の組み合わせ。
いくつかの態様において、本キットは、本明細書に記載される方法および/またはシステムの1つまたは複数の態様における使用のための少なくとも1つまたは複数のデバイス(例えば、サンプルカートリッジまたはマイクロ流体デバイス)またはチューブをさらに含むことができる。いくつかの態様において、デバイスは、同定ヌクレオチド配列へのカップリング時における捕捉プローブの固定化のための表面を含むことができる。いくつかの態様において、デバイスは、本明細書に記載されるような干渉細胞から標的細胞を分離するためのマイクロ流体デバイスを含むことができる。例えば、国際特許出願第WO 2013/078332号(その内容は、参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されているようなサンプルからの標的細胞または干渉細胞の磁気分離のためのマイクロ流体デバイスが、本キットに含まれることができる。
いくつかの態様において、本キットは、本明細書に記載される1つまたは複数の態様に係るコンピューター可読(非一時的)記憶媒体をさらに含むことができる。例えば、1つの態様において、キットに含まれるコンピューター可読(非一時的)記憶媒体は、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在または発現レベルを決定するための命令を提供することができる。コンピューター可読(非一時的)記憶媒体は、CD、DVD、および/またはUSBドライブ中にあり得る。
局面のそのような態様の全てにおいて、本キットは、前記キットを保存および使用するためにその中に必要なパッキング材料および情報資料を含む。情報資料は、記述資料、教材、マーケティング資料または本明細書に記載される方法および/もしくは本明細書に記載される方法のための本明細書に記載される試薬の使用に関する他の資料であることができる。1つの態様において、情報資料は、サンプル中の標的分子のマルチプレックス検出を実施するために命令を含むことができる。1つの態様において、情報資料は、シグナル読取値を解析するための命令を含むことができる。
本キットの情報資料は、その形態に制限はない。多くの場合、情報資料、例えば、命令は、印刷物、例えば、印刷テキスト、図面、および/または写真、例えば、ラベルまたは印刷シートで提供される。しかしながら、情報資料はまた、点字(Braille)、コンピューター可読資料、ビデオ記録、または音響記録などの他のフォーマットで提供されることもできる。別の態様において、本キットの情報資料は、連絡先情報、例えば、実際の住所、電子メールアドレス、ウェブサイト、または電話番号であり、そこで本キットのユーザーが、本明細書に記載される化合物および/または本明細書に記載される方法におけるその使用についての確かな情報を得ることができる。当然ながら、情報資料はまた、任意の組み合わせのフォーマットで提供されることもできる。
本明細書に記載される局面の全ての態様において、本キットは、典型的には、1つのパッケージ(例えば、ファイバーベースの、例えばボール紙、またはポリマー系の、例えば発泡スチロール箱)に含まれるその種々の要素と共に提供されるだろう。封包物は内部と外部の温度差を維持するように構成されることができ、例えば、それは、予め選択された温度で予め選択された時間にわたって試薬を維持するための絶縁特性を提供することができる。本キットは、本明細書に記載される化合物を含有する組成物のための1つまたは複数の容器を含むことができる。いくつかの態様において、本キットは、組成物と情報資料のための、別々の容器(例えば、2個の薬剤のための2個の別々の容器)、仕切りまたはコンパートメントを含有する。例えば、組成物は、ボトル、バイアル、またはシリンジ中に含有されることができ、情報資料は、プラスティックスリーブまたはパケット中に含有されることができる。他の態様において、本キットの別々の要素は、単一の分けられていない容器内に含有される。例えば、組成物は、情報資料がラベルの形態で取り付けられた、ボトル、バイアルまたはシリンジ中に含有される。いくつかの態様において、本キットは、複数(例えば、一組)の個々の容器を含み、各々が本明細書に記載される標的プローブの1つまたは複数の単位使用量形態を含有する。例えば、本キットは、複数のシリンジ、アンプル、ホイルパケット、またはブリスターパックを含み、各々が本明細書に記載される標的プローブの単一の単位使用量を含有する。本キットの容器は、気密性、防水性(例えば、水分変化または蒸発に対して不浸透性)、および/または遮光性であることができる。
本明細書に記載される方法、システムおよびキットの例示的使用
本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、サンプル中の複数の標的分子の検出が望まれる任意の用途に使用されることができる。例えば、サンプルは、生物学的サンプル、または環境源(例えば、水、土壌、食品、および/または池)からのサンプルであることができる。本明細書に記載される方法、システム、およびキットで解析されることができる他のサンプルは、下記の「サンプル」の項で考察される。
本発明者らは、1つの態様において、本明細書に記載される光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディングが、単一細胞または限定数の細胞からの、例えば、低侵襲穿刺吸引物(FNA)からの何百ものタンパク質の解析を可能にすることができることを実証した。したがって、本明細書に記載される方法に適するサンプルは、500個未満またはそれより少ない細胞を含むことができる。いくつかの態様において、サンプルは、400個未満の細胞、300個未満の細胞、200個未満の細胞、100個未満の細胞、50個未満の細胞、25個未満の細胞、5個未満の細胞またはそれ以下を含むことができる。いくつかの態様において、サンプルは、単一細胞サンプルであることができる。いくつかの態様において、サンプルは、穿刺吸引物から単離された細胞を含むことができる。
サンプルが生物学的サンプルである場合、いくつかの局面において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、個別化処置に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、状態の処置を必要とする個々の対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、対象の状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、対象についての1つまたは複数の治療標的を同定するために生成され、それによって、対象についての処置計画を同定することができる。したがって、個々の対象についての処置計画を同定するための方法もまた本明細書に提供される。この局面において、本方法は、(i)状態の処置を必要とする対象に由来するサンプルを、状態に関連する標的分子に結合する複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程;(ii)結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;(iii)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定する、工程;ならびに(iv)標的プローブによって検出された標的分子の発現プロファイルを生成し、それによって発現プロファイルに基づいて個々の対象についての処置計画を選択する工程を含む。本方法は、後の項に記載される任意の状態に適用されることができる。いくつかの態様において、状態は、癌である。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、ゲル電気泳動ベースの方法によって検出されない。
いくつかの局面において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、どのような薬物投与が細胞薬力学に対応するかを評価するために使用され、したがって対象の状態の処置に対する彼/彼女の応答をモニタリングする際に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、処置の前および/またはその過程にわたって、対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、処置の前および/またはその過程にわたる対象の状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、対象における標的分子の発現レベルの任意の変化を決定するための比較のために生成され、それによって、対象における処置の応答をモニタリングすることができる。したがって、本明細書に提供される別の局面は、対象における状態の処置をモニタリングする方法に関する。本方法は、(i)状態の処置の後の対象に由来するサンプルを、状態に関連する標的分子に結合する複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程;(ii)結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;(iii)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、遊離された同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定する、工程;(iv)標的プローブによって検出された標的分子の発現プロファイルを生成する工程;(v)その発現プロファイルを、処置前または処置後のより早い時点での同じ対象に由来するサンプルから生成された発現プロファイルと比較する工程;ならびに(vi)標的分子の発現レベルの変化を決定し、それによって対象における状態の処置をモニタリングする工程を含む。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、ゲル電気泳動ベースの方法によって検出されない。
いくつかの態様において、本方法は、標的分子の発現レベルの実質的な変化がないか、または標的分子の発現レベルの変化が状態に関する症状の低減を表さない場合に、状態についての代替的な処置を施す工程をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本方法は、標的分子の発現レベルの変化が状態に関する症状の低減を表す場合に、状態についての同じ処置を継続する工程をさらに含むことができる。
いくつかの局面において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットは、対象における状態を診断する際に使用されることができる。例えば、生物学的サンプルは、ある状態のリスクを有する対象から収集されることができる。本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットを使用して、診断されるべき状態に関連する標的分子の発現プロファイルが、1つまたは複数の参照発現プロファイル(例えば、健康正常対象および/または診断されるべき状態を有する対象に対応する)との比較のために生成され、それによって、対象がその状態のリスクを有するか否かを決定することができる。したがって、また、本明細書に提供されるものは、対象における状態を診断するための方法である。本方法は、(i)状態のリスクを有する対象に由来するサンプルを、状態に関連する標的分子に結合する複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程;(ii)結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;(iii)遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、シグナルが、同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、サンプル中の1つまたは複数の標的分子の存在を決定する、工程;(iv)標的プローブによって検出された標的分子の発現プロファイルを生成する工程、(v)その発現プロファイルを少なくとも1つの参照発現プロファイルと比較し、それによって、対象が状態のリスクを有するか否かを決定する工程を含む。いくつかの態様において、遊離された同定ヌクレオチド配列からのシグナルは、ゲル電気泳動ベースの方法によって検出されない。
いくつかの態様において、参照発現プロファイルは、状態に関連する。いくつかの態様において、参照発現プロファイルは、健康正常対象に関連する。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、診断および/または予後についてのバイオマーカーとして使用されることができる腫瘍内不均一性を決定するために使用されることができる。
本明細書に記載される方法、システム、キット、または種々の局面を使用した診断、予後/モニタリング、および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)
本明細書に記載される方法、システムおよび/またはキットの異なる態様は、対象における疾患または障害、例えば、対象における特定の組織を侵す状態の診断および/または処置のために使用されることができる。例えば、対象における疾患または障害は、乳房、膵臓、血液、前立腺、結腸、肺、皮膚、脳、卵巣、腎臓、口腔、咽喉、脳脊髄液、肝臓、または他の組織、およびそれらの任意の組み合わせに関連することができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、乳房の疾患または障害を含むことができる。例示的な乳房の疾患または障害は、乳癌を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、膵臓の疾患または障害を含むことができる。膵臓の疾患または障害の非限定例は、急性膵炎、慢性膵炎、遺伝性膵炎、膵臓癌(例えば、内分泌または外分泌腫瘍)など、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、血液の疾患または障害を含むことができる。血液の疾患または障害の例は、非限定的に、血小板障害、フォン・ウィルブランド病、深部静脈血栓、肺塞栓症、鎌状赤血球貧血、サラセミア、貧血、再生不良性貧血、ファンコーニ貧血、ヘモクロマトーシス、溶血性貧血、血友病、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、悪性貧血、真性多血症、血小板血症および血小板増加症、血小板減少症、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、前立腺の疾患または障害を含むことができる。前立腺の疾患または障害の非限定例は、前立腺炎、前立腺肥大症、前立腺癌、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、結腸の疾患または障害を含むことができる。例示的な結腸の疾患または障害は、非限定的に、結直腸癌、結腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、憩室炎、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、肺の疾患または障害を含むことができる。肺の疾患または障害の例は、非限定的に、喘息、慢性閉塞性肺疾患、感染症、例えば、インフルエンザ、肺炎および結核、ならびに肺癌を含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、皮膚の疾患または障害、または皮膚の状態を含むことができる。例示的な皮膚の疾患または障害は、皮膚癌を含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、脳または精神の疾患または障害(または神経の疾患または障害)を含むことができる。脳の疾患または障害(または神経の疾患または障害)の例は、非限定的に、脳感染症(例えば、髄膜炎、脳炎、脳膿瘍)、脳腫瘍、膠芽腫、卒中、虚血性卒中、多発性硬化症(MS)、脈管炎、および神経変性障害(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知症、およびアルツハイマー病)、チモシー症候群、レット症候群、脆弱X症候群(Fragile X)、自閉症、統合失調症、脊髄性筋萎縮症、前頭側頭型認知症、それらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、肝臓の疾患または障害を含むことができる。肝臓の疾患または障害の例は、非限定的に、肝炎、肝硬変、肝臓癌、胆汁性肝硬変、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、線維症、原発性硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、ヘモクロマトーシス、トランスサイレチン関連遺伝性アミロイドーシス、ジルベール症候群、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
他の態様において、本明細書に記載される任意の局面を使用した診断および/または処置を受けることが可能な状態(例えば、疾患または障害)は、癌を含むことができる。「癌」または「腫瘍」は、本明細書において使用される場合、体内の臓器およびシステムの正常な機能を妨害する細胞の無制御の成長を指す。癌または腫瘍を有する対象は、対象の体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する対象である。この定義に含まれるものは、良性および悪性の癌、ならびに潜伏腫瘍または微小転移である。癌は、それらの元の位置から移動し生命の維持に不可欠な臓器で生じ、最終的には罹患した臓器の機能悪化を通して対象を死に至らしめ得る。白血病などの造血系の癌は、対象における正常な造血系コンパートメントを打ち負かし、それによって造血不全(貧血、血小板減少症および好中球減少症の形態で)を導き、最終的に死を引き起こし得る。
「転移」とは、その原発部位から体内の他の場所への癌の広がりを意味する。癌細胞は、原発腫瘍から離れ、リンパ管および血管に侵入し、血流を通って循環し、そして体内の他の正常組織にある遠位病巣で成長(転移)することができる。転移は局所または遠位であることができる。転移は、原発腫瘍からの腫瘍細胞の脱離、血流を介した移動、および遠位部位での停止を条件とする、逐次プロセスである。新たな部位で、細胞は血液供給を確立し、成長して生命に危険を及ぼす塊を形成することができる。腫瘍細胞内の刺激性分子経路と阻害性分子経路との両方がこの挙動を調節し、遠位部位での腫瘍細胞と宿主細胞との間の相互作用もまた顕著である。
転移は、ほとんどの場合、特定の症状のモニタリングに加えて、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、血液および血小板数算定、肝機能研究、胸部X線および骨スキャンの単独または組み合わせ使用を通して検出される。
癌の例は、非限定的に、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫、および白血病を含む。そのような癌のより具体的な例は、非限定的に、基底細胞癌、胆管癌;膀胱癌;骨癌;脳およびCNS癌;乳癌;腹膜の癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸および直腸癌;結合組織癌;消化器系の癌;子宮内膜癌;食道癌;眼の癌;頭頸部の癌;胃癌(gastric cancer)(胃腸癌を含む);膠芽腫;肝臓癌腫;肝細胞癌;上皮内新生物;腎臓または腎癌(kidney or renal cancer);喉頭癌;白血病;肝臓癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌);ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;黒色腫;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(例えば、唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系の癌;唾液腺癌;肉腫;皮膚癌;扁平上皮細胞癌;胃癌(stomach cancer);精巣癌;甲状腺癌;子宮または子宮内膜癌;尿路系の癌;外陰癌;ならびに他の癌腫および肉腫;ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂性細胞NHL;巨大病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛状細胞性白血病;慢性骨髄芽球性白血病;および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症と関連する異常血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍と関連する)、およびメーグス症候群を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法およびシステムは、例えば、本明細書に記載される方法を使用して生成された発現プロファイリングに基づいて、対象における癌の所与の病期を決定するために使用されることができる。癌の病期は、一般に、癌が進行および/または広がった程度を説明する。病期は、通常、腫瘍のサイズ、腫瘍がどの程度深く侵入しているか、腫瘍が隣接する臓器に浸潤しているか否か、どの程度多くのリンパ節に腫瘍が転移しているか(もしあれば)、かつ腫瘍が遠位臓器に広がっているか否かを考慮する。癌の病期分類は、一般に、生存の予測因子として癌の予後を評価するために使用され、癌の処置は主に病期分類によって決定される。
サンプル
本明細書に記載される種々の態様に従って、任意の流体もしくは標本(処理または未処理)または他の生物学的サンプルを含むサンプルは、本明細書に記載される種々の局面の方法に供されることができる。
いくつかの態様において、サンプルは、対象から得られる生物学的流体を含むことができる。対象から得られる例示的な生物学的流体は、非限定的に、血液(全血、血漿、臍帯血および血清を含む)、泌乳産物(例えば、乳)、羊水(例えば、羊水穿刺の間に収集されたサンプル)、痰、唾液、尿、腹膜液、胸膜液、精液、脳脊髄液、気管支吸引物、汗、粘液、液化排泄物または便サンプル、滑液、リンパ液、涙液、気道吸引物、およびそれらの画分を含むことができる。いくつかの態様において、生物学的流体は、対象からの組織標本(例えば、生検材料)のホモジネートを含むことができる。1つの態様において、試験サンプルは、固形臓器から得られた固形サンプルまたはそれらの断片の均質化から得られる懸濁液を含むことができる。いくつかの態様において、サンプルは、粘膜スワブから得ることができる。いくつかの態様において、サンプルは、組織生検材料(例えば、非限定的に、皮膚生検材料)から得ることができる。いくつかの態様において、サンプルは、穿刺吸引物であることができる。
いくつかの態様において、サンプルは、疾患または障害を有するかまたは有すると疑われる対象から得ることができる。いくつかの態様において、サンプルは、癌を有するかもしくは有すると疑われる対象、または癌を発症するリスクを有すると疑われる対象から得ることができる。
いくつかの態様において、サンプルは、疾患または障害について処置されている対象から得ることができる、他の態様において、サンプルは、以前に処置された疾患または障害が寛解状態にある対象から得ることができる。他の態様において、試験サンプルは、以前に処置された疾患または障害の再発を有する対象から得ることができる。例えば、乳癌などの癌の場合、試験サンプルは、癌の処置を受けている対象、または癌が処置され寛解状態にある対象、または癌の再発を有する対象から得ることができる。
本明細書において使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物を意味することができる。対象の例は、霊長類(例えば、ヒト、およびサル)を含む。通常、動物は、霊長類、齧歯動物、家畜または狩猟動物などの脊椎動物である。霊長類は、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、およびマカク、例えば、アカゲザルを含む。齧歯動物は、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギおよびハムスターを含む。家畜および狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ科、例えば、家ネコ、イヌ科、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、および鳥類、例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウを含む。患者または対象は、前述の任意のサブセット、例えば、上の全てを含むか、またはヒト、霊長類または齧歯動物などの1つまたは複数の群または種を含む。本明細書に記載される局面の特定の態様において、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類、例えば、ヒトである。用語「患者」および「対象」は、本明細書において互換的に使用される。対象は、雄または雌であることができる。用語「患者」および「対象」は、特定の年齢を示すものではない。したがって、成体から新生児の対象までの任意の哺乳動物対象、ならびに胎児が網羅されるものとする。
1つの態様において、対象または患者は、哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであることができるが、これらの例に限定されるわけではない。1つの態様において、対象は、ヒトである。別の態様において、対象は、家畜および/またはペットであることができる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法、システムおよびキットによって解析されることができるサンプルは、環境源から得ることができる。環境源の例は、非限定的に、水、土壌、食品、池、貯水池、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
リンカー
本明細書において使用される場合、用語「リンカー」は、一般に、組成物の2つの部分を直接的または間接的に接続することができる分子エンティティを指す。例えば、レポータープローブに関するいくつかの態様において、リンカーは、第一の標的プローブ特異的領域を本明細書に記載される検出可能ラベルに直接的または間接的に接続する。捕捉プローブに関するいくつかの態様において、リンカーは、第二の標的プローブ特異的領域を本明細書に記載されるアフィニティータグに直接的または間接的に接続する。標的プローブに関するいくつかの態様において、リンカーは、同定ヌクレオチド配列を標的結合分子に直接的または間接的に接続する。対照プローブに関するいくつかの態様において、リンカーは、同定対照配列を対照結合分子に直接的または間接的に接続する。
いくつかの態様において、リンカーは、ペプチドまたは核酸リンカーを含むことができる。ペプチドまたは核酸リンカーは、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、アスパラギン(Asn)、トレオニン(Thr)、メチオニン(Met)またはアラニン(Ala)からなる群より選択されるアミノ酸の少なくとも1つ、または前述のアミノ酸(すなわち、Gly、Ser、Asn、Thr、MetまたはAla)をコードするコドン配列の少なくとも1つを含む配列を有するように構成されることができる。そのようなアミノ酸および対応する核酸配列は、一般に、リンカーのフレキシビリティを提供するように使用される。しかしながら、いくつかの態様において、他の非電荷の極性アミノ酸(例えば、Gln、CysまたはTyr)、非極性アミノ酸(例えば、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、およびTrp)、またはそのアミノ酸をコードする核酸配列もまたリンカー配列に含まれることができる。代替的な態様において、極性アミノ酸またはその核酸配列は、リンカーのフレキシビリティを調節するために加えられることができる。当業者は、リンカー中の残基のタイプおよび数を変えることによって、リンカーのフレキシビリティを制御することができる。例えば、Perham, 30 Biochem. 8501 (1991); Wriggers et al., 80 Biopolymers 736 (2005)を参照されたい。
代替的な態様において、リンカーは、任意の長さの化学リンカーを含むことができる。いくつかの態様において、化学リンカーは、直接結合または酸素もしくは硫黄などの原子、NH、C(O)、C(O)NH、SO、SO2、SO2NHなどのユニット、または原子の鎖、例えば置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘレロアリール(ここで、1つまたは複数のメチレンは、O、S、S(O)、SO2、NH、C(O)N(R1)2、C(O)、開裂可能リンカー、置換または非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換の複素環によって中断または終結されていることができ;式中、R1は、水素、アシル、脂肪族または置換脂肪族である)を含むことができる。いくつかの態様において、化学リンカーは、ポリマー鎖(分岐または直鎖)であることができる。
いくつかの態様において、化学リンカーは、安定なまたは不安定な(例えば、開裂可能な)結合またはコンジュゲーション物質を含むことができる。例示的なコンジュゲーションは、非限定的に、共有結合、アミド結合、炭素-炭素多重結合への付加、アジド-アルキンヒュスゲン付加環化、ディールス・アルダー反応、ジスルフィド連結、エステル結合、マイケル付加、シラン結合、ウレタン、求核的開環反応:エポキシド、非アルドールカルボニル化学、付加環化反応:1,3-双極子付加環化、温度感受性、照射(IR、近IR、UV)感受性結合またはコンジュゲーション物質、pH感受性結合またはコンジュゲーション物質、非共有結合(例えば、イオン電荷複合体形成、水素結合、pi-pi相互作用、シクロデキストリン/アダマンチル(adamantly)ホスト-ゲスト相互作用)などを含む。
本明細書において使用される場合、用語「コンジュゲーション物質」は、化合物の2つの部分を接続する有機部分を意味する。非限定的に、化合物の2つの部分をカップリングするために、2つの分子または組成物の異なる部分を一緒にコンジュゲートするための当技術分野において公知の任意のコンジュゲーション化学が使用されることができる。化合物の2つの部分をカップリングするための例示的なカップリング分子および/または官能基は、非限定的に、ポリエチレングリコール(PEG、NH2-PEGX-COOH(これらは種々の長さXのPEGスペーサーアーム(式中、1<X<100)を有することができる)、例えば、PEG-2K、PEG-5K、PEG-10K、PEG-12K、PEG-15K、PEG-20K、PEG-40Kなど)、マレイミドコンジュゲーション物質、PAS化(PASylation)、HES化(HESylation)、スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)コンジュゲーション物質、DNAコンジュゲーション物質、ペプチドコンジュゲーション物質、シランコンジュゲーション物質、加水分解性コンジュゲーション物質、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、リンカーは、カップリング分子対を含む。本明細書において互換的に使用される用語「カップリング分子対」および「カップリング対」は、互いに特異的に結合する第一および第二の分子を指す。カップリング対の一方のメンバーが第一のエンティティにコンジュゲートされ、一方で、第二のメンバーは第二のエンティティ(これは、第一のエンティティに接続されていることが望ましい)にコンジュゲートされる。ほんの一例として、第一のエンティティは、本明細書に記載されるレポータープローブの検出可能ラベルであることができ、第二のエンティティは、レポータープローブの第一の標的プローブ特異的領域であることができる。したがって、検出可能ラベルは、第一の標的プローブ特異的領域に、カップリング分子対を介してカップリングされることができる。別の例として、固体基板表面は、カップリング対の第一のメンバーを含むことができ、一方で、本明細書に記載される捕捉プローブのアフィニティータグは、カップリング対の第二のメンバーを含むことができる。本明細書において使用される場合、語句「互いに特異的に結合する第一および第二の分子」は、カップリング対の第一のメンバーがカップリング対の第二のメンバーに対して、他の分子に対するよりも高い親和性および特異性で結合することを指す。
例示的なカップリング分子対は、非限定的に、対応する抗体または結合部分またはその断片(例えば、ジゴキシゲニンおよび抗ジゴキシゲニン;マウス免疫グロブリンおよびヤギ抗マウス免疫グロブリン)および非免疫性結合対(例えば、ビオチン-アビジン、ビオチン-ストレプトアビジン)、ホルモン(例えば、チロキシンおよびコルチゾール-ホルモン結合タンパク質)、レセプター-レセプターアゴニスト、レセプター-レセプターアンタゴニスト(例えば、アセチルコリンレセプター-アセチルコリンまたはその類似体)、IgG-プロテインA、レクチン-糖質、酵素-酵素補因子、酵素-酵素阻害剤、および核酸二本鎖を形成することができる相補的オリゴヌクレオチド対)と組み合わされた、任意のハプテンまたは抗原性化合物を含む。カップリング分子対はまた、負電荷の第一の分子および正電荷の第二の分子を含むことができる。
カップリング対コンジュゲーションを使用する一例は、ビオチン-アビジンまたはビオチン-ストレプトアビジンコンジュゲーションである。このアプローチでは、第一のエンティティはビオチン化され(すなわち、第一のエンティティは、ビオチン分子を含む)、第一のエンティティに接続していることが望ましい第二のエンティティは、アビジンまたはストレプトアビジンを含むことができる。また、タンパク質などの分子をビオチン化するための多くの市販のキットが利用可能である。例えば、アミノオキシ−ビオチン(AOB)は、ビオチンをアルデヒドまたはケトン基で分子に共有連結するために使用されることができる。
カップリング対コンジュゲーションを使用するさらに別の例は、二本鎖核酸コンジュゲーションである。このアプローチでは、第一のエンティティは、二本鎖核酸の第一の鎖を含むことができ、第一のエンティティに接続していることが望ましい第二のエンティティは、二本鎖核酸の第二の鎖を含むことができる。核酸は、非限定的に、ヌクレオチド、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、ならびに骨格修飾、分岐点および非ヌクレオチド残基、基または橋を含むヌクレオチドを含む、定義された配列セグメントおよび配列を含むことができる。
いくつかの態様において、リンカーは、物理的基質(physical substrate)、例えば、微粒子または磁性粒子であることができる。
リンカーは、任意の形状であることができる。いくつかの態様において、リンカーは線状であることができる。いくつかの態様において、リンカーは折り畳まれていることができる。いくつかの態様において、リンカーは分岐されていることができる。他の態様において、リンカーは、物理的基質の形状を採用する。
いくつかの態様において、リンカーは、本明細書に記載される開裂可能リンカーを含むことができる。
本明細書に記載される種々の局面の態様は、以下の番号付き項目のいずれかで定義されることができる:
1.
a.サンプルを複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程であって、該複数のうちの各標的プローブが、
i.該サンプル中の別個の標的分子に特異的に結合する標的結合分子、
ii.該標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および
iii.該標的結合分子と該同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカー
を含む、工程;
b.該サンプル中の複数の複合体から、結合していない標的プローブを分離する工程であって、各複合体は、標的分子およびそれに結合した単一の標的プローブを有し、該複合体は、該標的分子の異なる領域に結合する第二の標的プローブを有さない、工程;
c.該複数の複合体から該同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;
d.非ゲル電気泳動方法に基づいて、遊離された該同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、該シグナルが、該同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、該対応する標的結合分子を同定して、該サンプル中の複数の異なる標的分子を検出する、工程
を含む、サンプル中の複数の標的分子を検出するための方法。
2.
非ゲル電気泳動方法が、配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックス(PCR)、マスサイトメトリー、フルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法、ハイブリダイゼーションベースの方法、蛍光ハイブリダイゼーションベースの方法、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1の方法。
3.
検出する工程(d)の前に、遊離させる工程(c)からの遊離された同定ヌクレオチド配列を複数のレポータープローブを含む検出組成物にカップリングさせる工程をさらに含む、項目1または2の方法であって、該複数のうちの各レポータープローブは、該同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域;および該レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含む、方法。
4.
検出する工程が、
遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされたレポータープローブのそれぞれの検出可能ラベルからのシグナルを検出する工程であって、該シグナルが、該同定ヌクレオチド配列に結合した該それぞれのレポータープローブについて識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、該サンプル中の複数の標的分子を検出する、工程
を含む、項目3の方法。
5.
検出組成物が複数の捕捉プローブをさらに含む、項目3または4の方法であって、各捕捉プローブが、(i)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合することができる第二の標的プローブ特異的領域;および(ii)アフィニティータグを含む、方法。
6.
捕捉プローブのアフィニティータグが、検出組成物へのカップリング時における、遊離された同定ヌクレオチド配列の固体基板上への固定化を可能にする、項目5の方法。
7.
レポータープローブの検出可能ラベルが、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含む、項目3〜6のいずれかの方法。
8.
固有のシグナルが光学シグナルである、項目7の方法。
9.
光学シグナルが連続した発光シグナルを含む、項目8の方法。
10.
1つまたは複数の標識分子が、蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目7〜9のいずれかの方法。
11.
検出する工程(d)が、遊離された同定ヌクレオチド配列の増幅を含まない、項目1〜10のいずれかの方法。
12.
検出する工程(d)が、第一の標的プローブ特異的領域または第二の標的プローブ特異的領域の増幅を含まない、項目3〜11のいずれかの方法。
13.
同定ヌクレオチド配列が、ヒトゲノムと交差反応しないように選択される、項目1〜12のいずれかの方法。
14.
同定ヌクレオチド配列がジャガイモゲノムに由来する、項目13の方法。
15.
同定ヌクレオチド配列が約30〜100ヌクレオチド長を有する、項目1〜14のいずれかの方法。
16.
同定ヌクレオチド配列が約70ヌクレオチド長を有する、項目1〜15のいずれかの方法。
17.
同定ヌクレオチド配列が、表2から選択される配列(SEQ ID NO: 1〜SEQ ID NO: 110)を有する、項目16の方法。
18.
開裂可能リンカーが開裂可能なハイブリダイズできないリンカーである、項目1〜17のいずれかの方法。
19.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性である、項目18の方法。
20.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、加水分解性リンカー、酸化還元開裂可能リンカー、リン酸ベース開裂可能リンカー、酸開裂可能リンカー、エステルベース開裂可能リンカー、ペプチドベース開裂可能リンカー、光開裂可能リンカー、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目18または19の方法。
21.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、ジスルフィド結合、テトラジン-trans-シクロオクテン基、スルフヒドリル基、ニトロベンジル基、ニトロインドリン基、ブロモヒドロキシクマリン基、ブロモヒドロキシキノリン基、ヒドロキシフェナシル基、ジメトキシベンゾイン基、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目18〜20のいずれかの方法。
22.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが光開裂可能リンカーを含む、項目18〜21のいずれかの方法。
23.
光開裂可能リンカーが、分子(i)〜(xiv)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目22の方法であって、
分子(i)〜(xiv)の化学構造が以下:
Figure 0006600302
に示され、式中、各分子中の黒点の各々が、標的結合分子または同定ヌクレオチド配列に直接的または間接的に接続する接続点またはカップリング点を表す、方法。
24.
光開裂可能リンカーが分子(xiv)を含む、項目22の方法。
25.
結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程が、該結合した標的プローブを紫外線に曝露する工程を含む、項目22〜24のいずれかの方法。
26.
サンプルが500個未満の細胞を含む、項目1〜25のいずれかの方法。
27.
サンプルが単一細胞サンプルである、項目1〜26のいずれかの方法。
28.
サンプルが、穿刺吸引物から単離された細胞を含む、項目1〜27のいずれかの方法。
29.
接触させる工程の前に、サンプル中の干渉細胞から標的細胞を分離する工程をさらに含む、項目1〜28のいずれかの方法。
30.
分離する工程が、干渉細胞または標的細胞を磁性粒子で標識して、これらを磁気分離によってサンプルから分離する工程を含む、項目29の方法。
31.
磁気分離がマイクロ流体デバイス中で実施される、項目30の方法。
32.
標的細胞が希少細胞を含む、項目29〜31のいずれかの方法。
33.
希少細胞が、血中循環腫瘍細胞、胎児細胞、幹細胞、免疫細胞、クローン細胞、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目32の方法。
34.
標的細胞が、液体生検材料(例えば、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、および/または血液)、粘膜スワブ、皮膚生検材料、便サンプル、またはそれらの任意の組み合わせからの腫瘍細胞を含む、項目29〜33のいずれかの方法。
35.
標的分子が、タンパク質、ペプチド、代謝物質、脂質、糖質、毒素、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む、項目1〜34のいずれかの方法。
36.
サンプル中の標的細胞を透過処理する工程をさらに含む、項目1〜35のいずれかの方法。
37.
前記組成物が複数の対照プローブをさらに含む、項目1〜36のいずれかの方法であって、
該複数のうちの各対照プローブが、
i.サンプル中の1個の対照分子に特異的に結合する対照結合分子;
ii.該対照結合分子を同定する同定対照配列;および
iii.該対照結合分子と該同定対照配列との間の開裂可能リンカー
を含む、方法。
38.
対照結合分子が対照タンパク質に結合する、項目37の方法。
39.
対照タンパク質が、ハウスキーピングタンパク質、対照IgGアイソタイプ、突然変異非機能性または非結合タンパク質、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目38の方法。
40.
シグナルを閾値処理する工程をさらに含む、項目1〜39のいずれかの方法。
41.
シグナルが、非特異的結合に基づいて閾値処理される、項目40の方法。
42.
閾値が、非特異的結合からのシグナルの閾値よりも大きい、項目41の方法。
43.
閾値が、少なくとも1つの対照タンパク質からの標準偏差および測定誤差を使用することによって決定される、項目40〜42のいずれかの方法。
44.
対照プローブに関連するシグナルにより標的プローブに関連するシグナルを正規化することによって、シグナルを定量化する工程をさらに含む、項目1〜43のいずれかの方法。
45.
核酸解析のために同じサンプルから核酸分子を抽出する工程をさらに含む、項目1〜44のいずれかの方法。
46.
核酸分子を核酸解析に供する工程をさらに含む、項目45の方法。
47.
核酸解析が、配列決定、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、マルチプレックスPCR、DNA配列決定、RNA配列決定、デノボ配列決定、次世代配列決定、例えば、大規模並列シグネチャー配列決定(MPSS)、ポロニー配列決定、パイロシークエンシング、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、イオン半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、質量分析法を伴う配列決定、マイクロ流体サンガー配列決定、顕微鏡法ベースの配列決定技術、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目46の方法。
48.
サンプル中の検出されるべき標的分子が、タンパク質を含み、それによって同じサンプルからタンパク質および核酸分子を検出する、項目45〜47のいずれかの方法。
49.
a.複数の標的プローブであって、該複数のうちの各標的プローブが、
i.サンプル中の別個の標的分子に特異的に結合する標的結合分子、
ii.該標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および
iii.該標的結合分子と該同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能なハイブリダイズできないリンカー
を含む、複数の標的プローブ;ならびに
b.複数のレポータープローブであって、各レポータープローブが、
i.前記同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域、および
ii.該レポータープローブを同定する検出可能ラベル
を含む、複数のレポータープローブ
を含む、サンプルからの複数の異なる標的分子のマルチプレックス検出のためのキット。
50.
複数の捕捉プローブをさらに含む、項目49のキットであって、各捕捉プローブが、(i)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合することができる第二の標的プローブ特異的領域;および(ii)アフィニティータグを含む、キット。
51.
レポータープローブの検出可能ラベルが、各レポータープローブについての固有のシグナルを生み出す1つまたは複数の標識分子を含む、項目49または50のキット。
52.
固有のシグナルが光学シグナルである、項目51のキット。
53.
光学シグナルが連続した発光シグナルを含む、項目52のキット。
54.
1つまたは複数の標識分子が、蛍光色素部分、蛍光部分、色素部分、化学発光部分、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目51〜53のいずれかのキット。
55.
標的結合分子が、タンパク質、ペプチド、代謝物質、脂質、糖質、毒素、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む、項目49〜54のいずれかのキット。
56.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性である、項目49〜55のいずれかのキット。
57.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、加水分解性リンカー、酸化還元開裂可能リンカー、リン酸ベース開裂可能リンカー、酸開裂可能リンカー、エステルベース開裂可能リンカー、ペプチドベース開裂可能リンカー、光開裂可能リンカー、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目49〜56のいずれかのキット。
58.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、ジスルフィド結合、テトラジン-trans-シクロオクテン基、スルフヒドリル基、ニトロベンジル基、ニトロインドリン基、ブロモヒドロキシクマリン基、ブロモヒドロキシキノリン基、ヒドロキシフェナシル基、ジメトキシベンゾイン基、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目49〜57のいずれかのキット。
59.
開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが光開裂可能リンカーを含む、項目49〜58のいずれかのキット。
60.
光開裂可能リンカーが、分子(i)〜(xiv)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目59のキットであって、
分子(i)〜(xiv)の化学構造が以下:
Figure 0006600302
に示され、式中、各分子中の黒点の各々が、標的結合分子または同定ヌクレオチド配列に直接的または間接的に接続する接続点またはカップリング点を表す、キット。
61.
光開裂可能リンカーが分子(xiv)を含む、項目59のキット。
62.
複数の対照プローブをさらに含む、項目49〜61のいずれかのキットであって、
該複数のうちの各対照プローブが、
i.サンプル中の1個の対照分子に特異的に結合する対照結合分子;
ii.該対照結合分子を同定する同定対照配列;および
iii.該対照結合分子と該同定対照配列の間の開裂可能リンカー
を含む、キット。
63.
対照結合分子が対照タンパク質に結合する、項目62のキット。
64.
対照タンパク質が、ハウスキーピングタンパク質、対照IgGアイソタイプ、突然変異非機能性または非結合タンパク質、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目63のキット。
65.
ハイブリダイゼーション試薬、精製試薬、固定化試薬、イメージング剤、細胞透過処理剤、ブロッキング剤、開裂可能リンカー用の開裂剤、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される試薬をさらに含む、項目49〜64のいずれかのキット。
66.
同定ヌクレオチド配列へのカップリング時における捕捉プローブの固定化のための表面を含むデバイスをさらに含む、項目49〜65のいずれかのキット。
いくつかの選択された定義
本発明が本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、および試薬などに限定されず、したがって多様であり得ることが理解されるべきである。本明細書において使用される専門用語は、特定の態様を記載することを目的としたものにすぎず、もっぱら特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定することを意図していない。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形は、文脈が明確に他のことを示していない限り、複数形の指示対象を含み、その反対もまた同様である。用語「または(or)」は、例えば、「いずれか一方(either)」によって修飾されない限り包括的である。作業実施例(operating examples)以外、または他のことを示していない限り、本明細書において使用される成分の量または反応条件を表す全ての数値が、全ての場合で、用語「約(about)」によって修飾されることが理解されるべきである。数値に関する用語「約」は、5%以内を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「〜を含む(comprising)」または「〜を含む(comprise(s))」は、本発明にとって必須である組成物、方法、およびそれらの各成分に関して使用されるが、明記されていない要素を必須であるか否かにかかわらず含める余地がある。
本明細書において使用される場合、用語「〜から本質的になる(consisting essentially of)」または「〜から本質的になる(consist(s) essentially of)」は、所与の態様にとって必要な要素を指す。この用語は、本発明のその態様の基本的および新規または機能的な特徴に著しい影響を及ぼさない追加の要素の存在を許容する。
本明細書において使用される場合、用語「〜からなる(consisting of)」または「〜からなる(consist(s) of)」は、本明細書に記載される組成物、方法、およびそれらの各成分を指し、態様のその記載において引用されていないいかなる要素も除外する。
用語「マルチプレックス検出」は、単一アッセイにおける単一サンプルからの複数の標的分子の検出を指す。いくつかの態様において、マルチプレックス検出は、単一サンプルからの少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個、少なくとも300個、少なくとも350個、少なくとも400個、少なくとも450個、少なくとも500個以上の異なる標的分子の同時測定を指す。
本明細書において使用される場合、用語「固定細胞または組織サンプル」は、先に細胞または組織固定液中で固定され、任意でその後固体基板中に組み込まれた、細胞または組織から得られたサンプルを指す。種々の細胞または組織固定液は、当技術分野において公知であり、アルデヒド(例えば、非限定的に、ホルムアルデヒド、ホルマリン)、アルコール(例えば、非限定的に、エタノール、メタノール、および/またはアセトン)、酸化剤(例えば、非限定的に、四酸化オスミウム、二クロム酸カリウム、クロム酸、および/または過マンガン酸カリウム)、ピクラート、水銀剤(例えば、非限定的に、B-5および/またはツェンカー固定液)、へぺス-グルタミン酸緩衝液媒介有機溶媒保護作用(HOPE)固定液を非限定的に含む。いくつかの態様において、固定された細胞または組織サンプルはまた、凍結された細胞または組織サンプルも包含する。
本明細書において使用される場合、用語「異質または外来DNAバーコード」は、生物のサンプル中の標的分子の同定のためのバーコードまたはタグとして使用されるDNA配列を指し、ここで、DNA配列は、サンプルが由来するまたは得られる生物のゲノムに対して異質または外来配列である。本明細書において使用される場合、用語「異質または外来」は、例えば、NCBI Reference Sequence(RefSeq)データベースにおいて生物(サンプルが由来するまたは得られる)および/または他の主な生物に対して全くまたはほとんど相同性を示さないヌクレオチド配列を指す。いくつかの態様において、ヌクレオチド配列は、その生物の配列と50%以下またはそれより少ない(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下またはそれより少ないを含む)相同性(配列同一性)を有する場合に異質または外来性である。いくつかの態様において、本明細書に記載される同定ヌクレオチド配列は、異質または外来DNAバーコードである。
用語「抗体」は、本明細書において使用される場合、完全長抗体または免疫グロブリン、IgG、IgM、IgA、IgDもしくはIgE分子、またはそのタンパク質部分(インタクトな抗体の一部分のみを含む)を指し、一般に、インタクトな抗体の抗原結合部分を含んでおり、したがってエピトープまたは抗原などの標的に結合する能力を保持している。本定義に包含される抗体またはエピトープ結合タンパク質の部分の例は、(i)VL、CL、VHおよびCH1ドメインを有するFab断片;(ii)CH1ドメインのC末端に1つまたは複数のシステイン残基を有するFab断片であるFab'断片;(iii)VHおよびCH1ドメインを有するFd断片;(iv)VHおよびCH1ドメインならびにCH1ドメインのC末端に1つまたは複数のシステイン残基を有するFd'断片;(v)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインを有するFv断片;(vi)抗原に結合するVHドメインまたはVLドメインからなるdAb断片(Ward et al., 341 Nature 544 (1989));(vii)単離CDR領域または機能性フレームワーク中に存在する単離CDR領域;(viii)ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結された2つのFab'断片を含む二価断片であるF(ab')2断片;(ix)単鎖抗体分子(例えば、単鎖Fv;scFv)(Bird et al., 242 Science 423 (1988); および Huston et al., 85 PNAS 5879 (1988));(x)同じポリペプチド鎖中で軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む、2つの抗原結合部分を有する「ダイアボディ」(例えば、EP 404,097; WO 93/11161; Hollinger et al., 90 PNAS 6444 (1993)を参照されたい);(xi)相補的軽鎖ポリペプチドと一緒になって一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムFdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む「直鎖抗体」(Zapata et al., 8 Protein Eng. 1057 (1995);および米国特許第5,641,870号)を含む。
「抗体」は、エピトープまたは抗原結合ペプチド、パラトープ、機能性CDR;組み換え抗体;キメラ抗体;トリボディ;ミディボディ(midibody);またはその抗原結合誘導体、類似体、変異体、部分、もしくは断片などの抗体の抗原結合部分を含む。
用語「アプタマー」は、ポリペプチドなどの標的分子に結合することができる核酸分子を指す。例えば、本発明のアプタマーは、標的分子、または標的分子の発現および/もしくは活性を調節するシグナル伝達経路中の分子に特異的に結合することができる。アプタマーの産生および治療的使用は、当技術分野において十分に確立されている。例えば、米国特許第5,475,096号を参照されたい。
明記される全ての特許および他の刊行物は、例えば、本発明と併せて使用され得るそのような刊行物に記載される方法論を記載および開示する目的で、参照によって本明細書に明示的に組み入れられる。これらの刊行物は、単に本願の出願日の前にそれらが開示されたことのために提供される。これに関して、本発明者らが、先行発明によってまたは任意の他の理由で、係る開示に先行する権利を有しないことを承認するものと解釈されるべきではない。これらの文書の日付に関する言及または内容に関する表示は全て、出願人が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さを認めるものでは一切ない。
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。任意の公知の方法、デバイス、および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、これに関する方法、デバイス、および材料が本明細書に記載される。
実施例1.サンプルからの標的分子のマルチプレックス検出のための方法の最適化
異なる開裂可能リンカーの評価:本明細書に記載される種々の態様において、標的結合分子は、当技術分野において公知の任意の開裂可能リンカーを介して、同定ヌクレオチド配列にコンジュゲートされることができる。この実施例において、開裂可能リンカーを介して標的分子(例えば、抗体)を同定ヌクレオチド配列(例えば、DNA)にコンジュゲートする3つの択一的な方法を以下に詳述する例示的な手順を使用して評価した。
第一の方法では、標的結合分子(例えば、抗体)を、(E)-シクロオクタ-4-エニル 2,5-ジオキソピロロ-リジン(lidin)-1-イルカルボナート(trans-シクロオクテン N-ヒドロキシ-スクシンイミジルエステル;TCO-NHS)で修飾し、参考文献26に以前に報告されているように合成した。アジ化ナトリウムが存在する場合、2mlのZeba脱塩カラム(7K MWCO)を使用して除去した。10%(v/v)DMFおよび10mM重炭酸ナトリウムを含有するPBS中の1000モル当量のTCO-NHSを使用して、室温で4時間反応を実施した。同時に、光開裂可能Tz-NHSを、70merのDNA鎖(15モル過剰)の5'末端上のアミン基と室温で4時間反応させた。反応が完結した後、Zebaカラム(7000 MWCO)を使用して標的結合分子-TCO(例えば、Ab-TCO)コンジュゲートを精製し、3K MWCO Amiconフィルターを使用してDNA-Tzコンジュゲートを精製し、続いてPBSで3回洗浄した。次に、クリックケミストリー(26)を介して、標的結合分子-TCO(例えば、Ab-TCO)とTz-DNAを室温で2時間合わせた。Amicon 100K MWCOフィルターを使用したサイズ分離によって最終標的プローブ(例えば、抗体-DNAコンジュゲート)を精製し、続いて、PBSで洗浄した。
第二の方法では、光開裂可能二官能性リンカー(図2)を、70merの一本鎖DNA(IDT)の5'末端上のアミン基と室温で4時間反応(10モル過剰)させた。DNA反応が始まって3時間後、標的結合分子(例えば、抗体)を、2mM EDTAを含有するPBS中、室温で1時間、2−イミノチオラン(トラウト試薬、10モル過剰、Thermo Scientific)と反応させてアミン基をスルフヒドリル(-SH)基に変換した。反応が完結したとき、チオール化された標的結合分子(例えば、抗体)を、2mM EDTAを含有するPBSで平衡化させたZeba脱塩カラム(7000 MWCO)を使用して過剰のトラウト試薬から分離した。3K MWCO Amcionフィルターで過剰の光開裂可能(PC)二官能性リンカーをDNAから精製した。次いで、標的結合分子-SH(例えば、抗体-SH)とDNA-PC-リンカー(約15モル過剰)を4℃で一晩反応させた。Amicon 100 K MWCOフィルターを使用したサイズ分離によって最終標的プローブ(例えば、抗体-DNAコンジュゲート)を精製し、続いて、PBSで洗浄した。
第三の方法では、アミン-スルフヒドリルリンカーの6-[3'(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサン酸スルホスクシンイミジル(スルホ-LC-SPDP、Thermo Scientific)を、標的結合分子(例えば、抗体)とPBS-EDTA中50モル過剰で反応させて、室温で1時間寝かせた。反応の終了時、Zeba脱塩カラム(7000 MWCO)を使用して過剰のスルホ-LC-SPDPを除去した。下記の「例示的な材料および方法」の項でDNA-抗体コンジュゲーションにおいて記載するように、チオール化されたDNAをDTTで還元し、NAP-5カラムを介して精製した。Zebaカラムを使用して過剰のスルホ-LC-SPDPを精製したら、標的結合分子(例えば、抗体)を、還元したチオール化DNA(約15モル過剰)と4℃で一晩反応させた。Amicon 100 K MWCOフィルターを使用したサイズ分離によって最終標的プローブ(例えば、抗体-DNAコンジュゲート)を精製し、続いて、PBSで洗浄した。
3つのUV開裂可能標的結合分子-DNA(例えば、Ab-DNA)リンカー法を、最初にEGFRおよびEPCAM DNAコンジュゲートでA431細胞を標識し、次いで、例えば、Nanostringを介して、どの方法が最も高いシグナル対ノイズ比(SNR)を生じたかを決定することによって比較した。図2Aに記載した二官能性光開裂可能リンカーとの標的分子(例えば、抗体)のコンジュゲーションは、最も高いSNRを与えた。次いで、この標的プローブ(例えば、抗体-コンジュゲート)を、標的プローブ(例えば、DTT開裂可能ジスルフィド結合を含有する抗体-DNAコンジュゲート)と比較した。SKOV3細胞(5×105個の細胞)を、ハーセプチン-DNAコンジュゲート(1μg)で標識した。30分後、細胞を400×gで3分間スピンダウンし、過剰のハーセプチンを2回のSB+洗浄で除去した。次いで、37℃で15分間、DTT(50mM)を加えることによって、ジスルフィドリンカーを有するハーセプチン-DNAコンジュゲートを開裂した。同時に、光開裂可能リンカーを有するハーセプチン-DNAコンジュゲートをUV光(波長)に15分間曝露させた。15分の開裂工程の後、細胞を400×gで5分間スピンダウンし、上清を除去した。一本鎖Qubitアッセイを使用して上清中のDNAを測定して、抗体から開裂されたDNAの量を決定した。UV光開裂可能リンカーは、ジスルフィドリンカーよりも2.4倍多いDNAを有していた。
溶解条件の最適化:4つの異なる溶解条件を評価してどれが最も効率的であったかを決定した(図3):(A)プロテイナーゼKと共に緩衝液PKD(Qiagen)およびUV;(B)プロテイナーゼKと共に緩衝液ATL(Qiagen)およびUV;(C)ATL緩衝液と共にUV;ならびに(D)UV。試験した方法に基づいて、方法(B)は、方法(A)および(C)に対して、20%のシグナルの増加を示した。
実施例2.サンプルからの標的分子のマルチプレックス検出のための方法の開発および検証
この実施例において、少量の臨床サンプル材料(例えば、約100個の細胞)でマルチプレックスタンパク質測定およびシステムワイドプロファイリングを実施するために、光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディングを設計した。遺伝物質を保存および希少単一細胞の特異的単離が可能なように本方法を設計した。このアプローチは、安定な光開裂可能リンカーを使用して、関心対象の抗体(各抗体は、固有の配列を有する)を短い(約70mer)DNA「バーコード」でタグ化することによって単一細胞を調べる。当技術分野において公知の光開裂可能リンカー(例えば、参考文献9)を本明細書で使用することができる。抗体が細胞に結合した後、光開裂可能リンカーは固有のDNAバーコードを遊離し、次いでこれを種々の手段によって検出することができる。いくつかの態様において、ゲル電気泳動を使用してサイズに基づき異なるDNAバーコードを同定することができる。しかしながら、この方法は、マルチプレックスに制限があり(8〜12個のマーカー)、わずか半定量的であった(9)。配列決定および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)などの他の定量的方法が信頼でき、これを使用して遊離されたDNAバーコードを検出することができるが、これは、増幅工程の間にバイアスを導入し得、延長された処理時間を要し、または費用効率的でない。マルチプレックスqPCRだけが、最大で5個のマーカーを一度に測定する。したがって、フェムトモル量のDNAおよびRNAのマルチプレックス定量化(16,384個のバーコード)のために従来使用されている蛍光ハイブリダイゼーション技術(10、11)を選択して、遊離されたDNAバーコードを検出した。蛍光ハイブリダイゼーション技術がDNAおよびRNAを定量化するために使用されているが、これまで細胞または臨床サンプル内のタンパク質を測定するために拡張されていない。この実施例および後続の実施例は、肺癌における薬物処置応答ならびに患者間および患者内不均一性を評価するだけでなく、細胞株およびヒト臨床標本におけるABCDプラットフォームの応用および検証を示す。
最初に所与の患者からの穿刺吸引物(FNA)から細胞を採取した(図1A)。それらの異種細胞環境から癌細胞をより良好に単離するために、吸引生検材料を、確立されたマーカー(例えば、サンプルからの腫瘍浸潤白血球を枯渇させるCD45)に対する抗体で標識した。抗体を磁性ナノ粒子でタグ化し、自己集合磁性層を含有するマイクロ流体デバイスに通して、タグ化した細胞を枯渇させた[12]。精製した癌細胞集団をデバイスから取得し、本明細書に記載されるような標的プローブの1つまたは複数の態様の複数を含む混合物で染色した。この実施例において、精製した癌細胞集団を、抗体と光開裂可能リンカーを介して連結された固有のバーコードとを各々含有する標的プローブの混合物(本明細書において「抗体コンジュゲート」または「抗体-DNAコンジュゲート」と呼ばれる)で染色した(図1Bおよび図2)。抗体コンジュゲートにおける使用のための抗体の例を以下の表1に列挙する。この実施例において、カクテル中で90個を超える抗体を選択し、これを使用して、バルク標識が単一抗体標識と類似の結果をもたらしたことを実証した。90個の抗体-DNAコンジュゲートを、ヒトゲノムと交差反応しないであろう異質DNA配列をタグ化するために特別に設計した。癌における特徴的な経路(例えば、アポトーシス、エピジェネティクス、およびDNA損傷)、当技術分野において公知の癌診断マーカー、例えば、臨床で一般的に使用されるもの、ならびにハウスキーピングおよび対照タンパク質を網羅する標的マーカーを選択した。標識の前に、免疫グロブリンG(IgG)特異的プルダウンを介して抗体-DNAコンジュゲートを単離し、カクテル中に一緒にプールした。細胞のブロッキング、透過処理および標識、および洗浄後、収率を増加させかつ拡張によって感度を増加させるために、タンパク質分解開裂と光開裂との両方で関心対象の細胞からDNAを遊離させた(図1C)。
(表1)抗体の例のリスト
Figure 0006600302
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最初に、抗体-DNAコンジュゲートをMDA-MB-231(ヒト乳癌)細胞で評価した。細胞をブロッキングして非特異的DNAまたは抗体標識を防止し、次いで、当技術分野において公知の標準的なフローサイトメトリー染色と類似の技術に従って、プールしたカクテルで「染色」した。次に、DNAを光パルスで遊離させ、蛍光バーコードにハイブリダイズさせ、電荷結合イメージングデバイス(CCD)(NanoString Technologies)を介してカートリッジ上で撮像した。
種々の開裂可能リンカーを使用したいくつかのDNAコンジュゲーションおよび対応する遊離方法を評価および最適化した(図2および3)。試験した開裂可能リンカーの中で、光開裂可能リンカーをその優れた性能について選択した(図2)。プローブ定量化は、抗体およびハウスキーピングタンパク質当たりのDNAに従って正規化することによってプロテオミクスサンプルプロファイリング(図1C)に転換した(図4)。平均で、抗体当たり約3〜5個のDNA断片があった;IgG対照の非特異的結合に基づいてマーカーを閾値処理した。
反復解析は、異なる日に経時的に解析した細胞の異なるバッチにわたって一貫した結果を示した(図5)。その後の研究において、対照IgG閾値の1.2倍を超えなかった抗体は含めなかった[例えば、ジメチル-ヒストンH3(Lys4)]。これらの外れ値を除いて、全ての抗体にわたる中間SEは6%であった。ヒトMDA-MB-231株のプロファイルは約50個の細胞に由来し、例えば、ケラチン7および上皮成長因子レセプター(EGFR)(癌のサブタイプを同定するために病理学研究室で一般的に使用される2個の診断マーカー)の高発現を示した。エピジェネティクスおよびホスホプロテオミクスマーカーは、これらが細胞外マーカーと比較して細胞中に低含量で自然発生するため、より低い発現を有する。例えば、最適化された透過処理方法を使用して、ホスホ-Src(pSrc)およびホスホ-グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(pGSK3β)などの細胞内マーカーもまた検出することができた(図6A〜6B)。
アッセイの一貫性および再現性を実証するために追加のベンチマーキング実験を実施した。コンジュゲート抗体は、フローサイトメトリーでの直接比較によって証明されるように、ネイティブな非修飾抗体に似た挙動を示した(図7A)。p53およびホスホ-S6リボソームタンパク質(pS6RP)などの細胞内抗体をドットブロットおよびイムノブロットで試験した場合に類似の結果が見出された(図7B)。抗体-DNAコンジュゲートは、ドットブロットで、ネイティブ抗体と比較して同等のまたは強いシグナルを生成した。さらに、DNA修飾抗体は、細胞溶解物全体にわたって、ネイティブ抗体と比較した場合に類似の発現パターンを示した。再現性を評価するために、同じ標的[例えば、上皮細胞接着分子(EpCAM)]に特異的な2個のDNA修飾抗体クローンは、複数の細胞株および臨床サンプルにわたって、ほぼ同一の発現レベル(R2=0.99)を与えることが示された(図8A)。単一薬剤として60+抗体のカクテルを使用して抗体染色を評価した;両方の方法からの発現レベルは、本明細書に記載されるような光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディングによって測定されるように、高い線形相関(R2=0.93;図8B)を示した。ABCDプラットフォームで測定したタンパク質マーカーの変化は、タキソールで処置したHT1080線維肉腫細胞において、独立した免疫蛍光研究によって測定した発現の変化と線形相関した(図8C)。8個の細胞株および6個の異なるマーカーにわたるフローサイトメトリー測定は、線形相関(R2=0.92〜0.99)を示した(図9)。
実施例3.サンプルからの標的分子のマルチプレックス検出のための方法の1つの態様の単一細胞感受性(光開裂可能DNA(ABCD)プラットフォームを用いた抗体バーコーディング)
500,000個の細胞のバルクサンプルからの様々な細胞数(50、15、10または5個の細胞)にわたって、複数の繰り返しで、段階希釈によって検出することによってABCDプラットフォームの感度を評価した(図10A)。バルクDNAカウントと希釈DNAカウントとの間の相関は、相関係数>0.9で線形であった(図10B)。単一のヒトA431細胞でABCDプラットフォームを検証するために追加の実験を実施した。図10Cは、4個の無作為に選んだ単一細胞についておよびバルクサンプル中の90個の解析したタンパク質の発現レベルを表示する。過去の報告(13)と一致して、いくつかの細胞間不均一性があったが、一般に、単一細胞プロファイルはそれらの各バルクプロファイルと0.96の高さおよび0.63の低さの相関で合致した。多核細胞は除外した;細胞を別の方法で無作為に選択した。
単一細胞レベルでの生物学的変動を実証するために、未処置の単一のヒトA431細胞を、ゲフィチニブ(EGFRの選択的チロシンキナーゼ阻害剤)で処置した細胞と比較した。単一細胞の教師なしクラスタリングは、処置群および未処置群について固有のパターンを示した(図11A)。A431細胞株は、EGFRを過剰発現し、ゲフィチニブで処置したA431細胞での幅広い経路阻害によって示されるように、ゲフィチニブに対して高度に感受性である[中間阻害濃度(IC50)=100nM]。閾値を単一細胞レベルで適用したところ、全ての細胞株について6個のIgG対照全てを超えて、マーカー発現レベルが確実に検出可能であった。大部分のパネルが依然として検出可能であったが、ホスホ-EGFRなどのいくつかのマーカーは、いくつかの細胞で閾値レベル未満であり、したがって層的クラスタリングに含めなかった。それでもなお、2つのコホート間のペアワイズ比較は、pS6RP、Ku80、およびホスホ-ヒストンH3(pH3)などの重要なマーカーの有意な変化を示した(図11B)。マーカーのこれらの変化はまた、過去の報告と一致した(14、15)。ほとんどのシグナル伝達阻害研究と異なり、未処置細胞株は処置前にEGFで前刺激しなかった。それゆえ、アッセイ条件は、患者サンプルをより近似する自然のシグナル伝達変動性を模倣した。
実施例4.ABCDプラットフォームを使用した臨床サンプル中の腫瘍間および腫瘍内不均一性の測定
ABCDの臨床可能性を実証しかつ単一細胞不均一性を調査するために、肺腺癌を有する患者からFNAを得た。最初に、抗体媒介磁気選別を使用して単一パスのFNAサンプル処理し、EpCAM陽性細胞を単離した。マイクロマニピュレーションを介して後続の解析のために単一細胞を採取し、一方で他のサンプル破片は除去した。1人の代表的な患者では、11個の単一細胞(EpCAM+/DAPI+/CD45-)におけるタンパク質マーカー発現は、バルク測定(FNAからの約100個の残留細胞)と相関した(図12A)。その上全体として、患者細胞とバルクFNAとの間の相関は、図10A〜10Cにおいて、細胞株からの単一細胞およびそれらの各バルクと比較してより低く、変化した。バルク測定との最も高い相関は、0.79(細胞培養物は、R=0.96を示した)であったが、一方最も低い値は、0.43であった(図12B)。
次に、生検で証明された肺腺癌を有する6人の患者からバルクサンプル中の患者間不均一性を決定した(図13)。これらの癌は同一の病理組織学を持つが、プロテオミクスプロファイリングは、この小さいコホートでさえも明確な相違を明らかにした。治療評価に関連する広範な機能性タンパク質ネットワークにわたってタンパク質不均一性を評価するために、マーカーパネルを選択した(16)。図13は、患者1、2、および5の中での視覚的類似性を示す(スピアマンR1,2=0.94、R1,5=0.96、R2,5=0.95)。これは、患者1と2との両方がEGFR T790M突然変異を有し、一方で患者5がKRAS突然変異(KRAS 35G>T)を有したために、遺伝子型決定と部分的に一致した。これは、異なる遺伝子型が依然として類似のプロテオミクス表現型を生成し得ることを示す。患者3、4、および6は、別個のプロテオミクスプロファイルおよび異なる突然変異を持っていた(図13)。患者3は、エクソン20 EGFR突然変異を有し、一方で患者4は、EGFR L858R突然変異および追加のBRAF突然変異を有していた。患者6は、EML4-ALK転座を有することが認められた。
タンパク質クラスタリングはまた、潜在的な個別化された標的を示した(図13)。例えば、患者4(EGFR/BRAF突然変異体)は、EGFR L588R突然変異を有する患者について予想されるように、高いホスホ-細胞外シグナル調節キナーゼ1/2(pERK1/2)およびpS6RPを有していた;しかしながら、この患者はまた、高レベルのDNA修復/損傷マーカーのポリ(アデノシン二リン酸リボース)ポリメラーゼ(PARP)、Ku80、およびホスホ-ヒストンH2A.X(pH2A.X)発現を示し、このことは、PARP阻害剤またはDNA損傷剤(例えば、シスプラチン)がこの患者に対して効果的であり得ることも示している。したがって、本明細書に記載されるような複数の標的分子を検出するための方法(例えば、ABCDプラットフォーム)によって決定されたそのような情報は、ゲノム薬理学を補完するために使用されることができる。
実施例5.ABCDプラットフォームを使用した処置の間の経路解析のインビトロ識別
臨床サンプル中の患者間および患者内解析の実行可能性が確立されると、次に、経時的な癌処置モニタリングの実行可能性を調査することにした。この目的のために、最初に、異なる薬物処置に対する公知の経路応答を識別できるかどうかを決定することにした。図14Aは、キナーゼ阻害剤(ゲフィチニブおよびPKI-587)、抗体薬(セツキシマブ)、およびDNA損傷薬(オラパリブおよびシスプラチン)で処置した三重陰性乳房癌細胞(MDA-MB-436)が薬物作用機序に従ってクラスター化されたプロファイルを示したという検証を示す。対照研究として、セツキシマブで処置した細胞株は、結果として予想された薬物阻害をもたらした(図15B)。最適化された薬物用量およびインキュベーション時間を使用した薬物感受性ヒト癌細胞株における予想されたタンパク質阻害を、ABCDプラットフォームを使用して実証した。顕著な例は、標的化処置についてのpS6RP、およびpH2A.X、pATM/ATR(ホスホ-毛細血管拡張性運動失調症突然変異/ATM-およびRad3-関連)基質、およびDNA損傷剤についての開裂PARPを含む。ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ阻害剤(PI3Ki)での処置後のエピジェネティクスヒストン修飾などの予想外の結果も見られた(図15E)。処置の追加のインビトロ検証のために、HT1080線維肉腫細胞株を4つの異なる用量のタキソールで処置した。pERKおよびホスホ-サイクリンDを含むいくつかのパネルマーカーは、タキソール処置に対して用量応答変化を示した。
4個のヒト癌細胞株についてオラパリブおよびシスプラチン処置のプロテオミクスプロファイリングを実施し、生存率アッセイによって測定したところ様々な薬物感受性を示した(図14A〜14Bおよび図15A)。ペアワイズt-検定[偽発見率(FDR)=0.1]を使用して、未処置条件と有意に異なっていたマーカーの数を計算することによって、タンパク質プロファイルの変化の程度を定量化した。このプロファイリングは、全体的な薬力学変化が処置感受性と相関したことを示した:IC50値が減少するにつれて、有意な変化を伴うタンパク質マーカーの数は増加した(図14B)。耐性細胞株(例えば、OVCA429)については、有意な変化は検出されなかった。DNA損傷およびアポトーシスマーカーの予想される変化、例えばBimの分解およびpERKのアップレギュレーション(図15C〜15D)も検出され、このことはシスプラチン処置に応答するDNA損傷の過去の研究も示していた(17)。
小さいマーカー変化でも測定するアッセイの能力を評価するために、HT1080ヒト線維肉腫細胞を、タキソールを用いて5つの異なる用量で処置した。高用量でのマーカー変化を、独立の免疫蛍光スクリーニングによって定量化されたマーカー変化と比較した(図16A)。CDCP1、ホスホ-サイクリンD、サイクリンE1、線維芽細胞成長因子4(FGF4)、BRCA2、およびpERK1/2を含むいくつかのタンパク質マーカーは用量応答曲線を示した。これらのインビトロ研究は、マーカーパネルが実際に様々な薬物機序に応答した経路変化を測定できること;さらに、これらの変化が高感度で用量依存的に検出できることを確立した。加えて、投薬した細胞と未処置細胞との間のペアワイズt-検定は、最も高い用量(700nMタキソール)で、より低い70nM用量と比較して有意なマーカー変化の増加を示した(図16Bおよび16C)。
実施例6.癌患者におけるPI3Ki処置応答のモニタリング
いくつかの態様において、これらの経路解析を患者サンプルに転換して、例えば、薬物の有効性および投与量をより良く評価する目的で初期臨床試験中の連続生検を解析することが望ましい。しかしながら、そのような侵襲的な手順は、罹患リスクおよび高コストを導入する可能性がある。代替的な供給源(例えば、FNA)からの少数の細胞を解析する能力は、応答性腫瘍が処置後に縮小する場合に最も重要になり、繰り返しの生検を困難にしている。概念実証として、第1相用量漸増試験の間のPI3Ki処置の前後に4人の患者で少数の細胞の解析を実施した(図17A)。前処置サンプルを第一の薬物投与の前日に収集した;処置後サンプルを第二の処置サイクルの最後に収集した。年間を通じて収集および処理を行って、プロファイルを患者応答に相関させた。4人の患者は全て、種々のサブタイプの転移癌を有しており、遺伝子PI3K突然変異(それらの腫瘍がPI3Ki処置を使用した経路阻害を受け易くさせることもできる)に基づいて選択した。全体で、2人の患者が応答性であり、2人が進行していた。盲験法でデータ解析を実施した。教師なしクラスタリングは、応答者対非応答者の2つの群に分けた(図17A)。2人の応答者の中で、1人の患者はマーカーパネル全体でより大きな倍率変化を示した。その後の非盲検は、この患者が、第1相用量漸増の間に、他の応答している患者が受けたよりも高い用量の薬物を受けたことを明らかにした。追加の患者サンプルを使用して、薬物投与経路研究の間に、ABCDプラットフォームの臨床的影響を測定することができる。
いくつかの態様において、ABCDプラットフォームによって実施されたスクリーニングは、臨床転帰の予測を助けることも、または処置の応答の有望なマーカーを同定することもできる。これを実証するために、最終的に低分子PI3Ki処置を受けた5人の薬物未投与の患者(全てが種々のPI3K突然変異を有する)をプロファイリングした。患者を非応答者または応答者として分類し(図17B)、マーカーランキングアルゴリズムを使用して、最高の特異的なマーカーを決定した。最高のマーカーであるLys79でのヒストンH3のジメチル化(H3K79me2)をいくつかのマーカーと共にクラスター化した:pS6RP(PI3Kの公知の下流標的および処置の応答の新たに出現した重要なバイオマーカー)(14)、pH2A.X、およびPARP。標準経路シグナル伝達に従って、PI3K処置の応答の読取値としてエピジェネティクスまたはDNA損傷マーカーを選択することは直観的な決定ではないだろう。また、DNA損傷およびエピジェネティクスマーカーの変化をPI3Kiのインビトロプロファイリングによって同定した(図15C〜15E)。このクラスターは、種々の経路にわたる多様なタンパク質:エピジェネティクスの変化、DNA損傷、ならびに成長および生存経路[PI3Kおよびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)]を網羅しており、このことは処置の間のより良いコンパニオン診断を開発するためのシステムワイドプロファイリングの潜在価値を示している。
実施例1〜6に基づいた考察
いくつかの態様において、本明細書において提示されるものは、高感度の光学読取と組み合わせた本明細書に記載される標的プローブの1つまたは複数の態様(例えば、DNAバーコード化抗体)を使用することによる、ヒト細胞中の何百ものタンパク質をセンシングすることができる増幅不要の方法である。細胞の標識、洗浄、および解析は、数時間以内に完了することができ、同じ日にタンパク質解析が可能である。本方法は、免疫組織化学よりも限られた材料でより多くのマーカーを測定し、かつサンプルからの遺伝物質を保存するが、これはマルチプレックス血球計算などの従来のツールでは不可能である(18)。同定ヌクレオチド配列への標的分子のコンジュゲーション(例えば、抗体-DNAコンジュゲーション)によって、タンパク質カバレッジおよび/または本明細書に記載される方法を、追加のタンパク質標的および/または他の標的分子を含むように拡張して、結果としてスケール変更可能なマルチプレックス標的分子(例えば、タンパク質)スクリーニングプラットフォームをもたらすことができる。
一般に、本方法は、単一細胞集団とバルク細胞集団との両方についてのタンパク質発現レベルの解析を提供することができる。実施例に示されるようなインビトロ研究は、細胞株からの単一細胞が、患者の腫瘍から単離されたものよりもバルク測定に対してより高い相関を示したことを示した。FNAでは、単一細胞はまた、バルク集団とよりも、互いに高い相関を示した。これは、例えば、平均のバルク測定が単一クローンの表現型と強く相関する可能性が低いからでもある。
本明細書において提示される知見は、本明細書に記載される方法が、サンプル中の細胞外タンパク質(例えば、非限定的に、CD44、EGFR)、細胞内/細胞質ゾルタンパク質(例えば、非限定的に、p-S6RP)、および/または細胞内/核タンパク質(例えば、53BP1)を検出するために使用されることができることを示した。
本明細書において提示される知見はまた、現在の細胞培養モデルが臨床サンプル中のプロテオミクス不均一性の不十分な推定法であることを示した。本明細書に記載されるサンプルから複数の標的分子を検出するための方法(例えば、ABCDプラットフォームツール)は、それゆえ、血中循環腫瘍細胞、幹細胞、および免疫細胞集団などの臨床サンプル中の希少単一細胞を研究するその能力のために有用である。本明細書に示すように、53BP1およびpH2A.Xなどの少ないタンパク質であっても、単一細胞レベルで検出することができる。単離された希少細胞およびクローン集団の大スケールのタンパク質マッピングは、血中循環腫瘍細胞の癌不均一性、薬物耐性、および臨床利用性への見識を与えることもできる。腫瘍内不均一性は、それ自体低い臨床転帰のバイオマーカーであり得る(19)。したがって、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)を使用して、診断および/または予後についてのバイオマーカーとして使用されることができる腫瘍内不均一性を決定することができる。また、疾患とバイオマーカーの変化との間の因果関係および反応性相関を確立することは、患者を診断および処置する医師の能力を根本的に改善することもできる(20、21)。いくつかの態様において、患者を診断および/または処置する医師の能力を根本的に改善するために、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)を使用して、疾患とバイオマーカーの変化との間の因果関係および反応性相関を決定することができる。
本発明者らは、ABCD方法の使いやすさ、再現性、臨床用途との適合性(たとえば、FNA癌サンプルのプロファイリング)、および4人の患者で実証されたような癌の処置をモニタリングするその転換能を実証した。その知見は、より広いプロファイリングが、潜在的に有用なコンパニオン診断バイオマーカーについての理解を改善し、薬物投与が細胞薬力学にどうように対応するかを調査するのを助けることができることを示した。タンパク質マーカーのより洗練された選択は、ABCDプラットフォームによって実証されるように、薬物開発コストを顕著に低減し、患者コホートを狭くし、臨床試験設計を改善することもできる。
本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、マスサイトメトリーおよびフルオロフォア不活性化マルチプレックス免疫蛍光法などの当技術分野において承認されている他の単一細胞プロテオミクス技術を補完することもできる(8、22)。本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)の利点の1つは、遺伝物質とタンパク質バーコードとの両方が単一サンプルから平行して抽出され、したがって生物学的により関連性のあるタンパク質-DNA-RNA相互関係の解析のための方法を築くことができることである。そのような統合的測定は、種々の疾患または障害と関連するゲノミクス、例えば、癌ゲノミクスにおける「ミッシングピース」を説明することもできる。例えば、本明細書において提示される実施例において、PIK3CA DNA突然変異を有する全ての患者が所与のPI3Kiに応答したわけではない;これは、臨床実験と一致する(23、24)。しかしながら、プロテオミクスバイオマーカーは、応答コホートと非応答コホートとの間の差異的変化を明らかにした。本実施例は、タンパク質プロファイリングが遺伝子型決定を補完するのを助け、癌および他の疾患の治療的進歩を具現化することを示す。
本明細書において提示される実施例は、本明細書に記載される技術を臨床サンプルにおいて広範囲の用途(希少細胞プロファイリングおよび癌臨床試験内のコンパニオン診断を含む)で利用することができるという原理の証明を示した。
いくつかの態様において、本明細書に記載される技術(例えば、ABCDプラットフォーム)は、種々の用途の必要性に適合するように改変されることができる。例えば、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、全細胞および/または細胞溶解物の両方で作用するように適合されることができ、DNAを他の読取(例えば、配列決定)で定量化して、RNA、DNA、エピジェネティクス、およびタンパク質発現の同時測定を実施することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、単一細胞の集団全体を迅速に単離および測定するためのモジュールを含むことができる。例えば、追加のコンポーネントおよびウェルをマイクロ流体デバイス(例えば、実施例に記載されているもの)に加え、単一細胞解析のスループットを高めることができる。
単一細胞研究は、より高スループットのデバイスで検証されることができる。例えば、大量の細胞を使用して、本明細書に記載される方法と他のゴールドスタンダード(例えば、フローサイトメトリー)との間の集団の相違および広がりを比較することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)を使用して、疾患または障害(例えば、癌のサブタイプ)の診断および/または治療法への患者の応答のモニタリングのための新規コンパニオン診断マーカーまたは特異的経路マーカーを同定することができる。
本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、大スケール研究を可能にし、既存および/または新規の治療戦略に対する機構的見識をもたらすことができる。さらに、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)をまた、希少な単一細胞(例えば、非限定的に、血中循環腫瘍細胞)プロファイリングに使用して、それらの生物学的および臨床的関連のさらなる理解を誘導することができる。サンプルからの遺伝物質が保存されるので、本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、マイクロRNAなどの遺伝子調節エレメントと相互作用するタンパク質を研究するために適合させることができる。本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)は、薬物試験および生物学的調査を推進するのを助けるために、研究所、大学病院、および製薬会社で種々の用途で使用されることができる。
実施例1〜6についての例示的な材料および方法
研究設計。タンパク質ネットワーク(単一のバイオマーカーとは対照的に)が、どのように疾患または状態(例えば、癌)が進化し薬物に応答するかについての臨床的または生物学的見識を明らかにするかを決定するために、例えば、臨床サンプルおよび細胞株におけるタンパク質発現を検出するためのマルチプレックスプラットフォームを開発した。本明細書の実施例は、癌における処置の応答を理解する上での本明細書に記載される方法(例えば、ABCDプラットフォーム)の使用を実証する。
原理の証明のために限定された患者コホートで臨床研究を実施した。患者の数は、1年間登録サイクル(2012年3月〜2013年3月)に基づいて選択した。タンパク質のシグナルが予め決定された閾値を超える限り、全てのタンパク質測定値を含めた。1つの態様において、閾値は、その対応する非特異的IgGアイソタイプの閾値よりも約1.2倍高かった。この閾値を、プールされた抗体コホートからの中間SEの3倍を超えるように設定した。検証した(細胞株でのフローサイトメトリー測定を介して)抗体だけを含めた。全てのインビトロ研究をレプリケート(n=3、特に明記しない限り)で実施した。最適化後、最終プロトコルによる研究を異なる日で複数回繰り返し、一貫性および再現性を保証した。臨床研究についての全ての実験を、実験手順および生データ解析の間、盲験的に実施した。
細胞株。American Type Culture Collection(ATCC)から購入した以下の細胞株で検証実験を実施した:SKOV3、ES-2、OVCA429、UCI-107、UCI-101、TOV-112D、TOV-21G、A2780、MDA-MB-231、MDA-MB-436、A431、およびHT1080。細胞を、ATCCによって推奨されているように、ダルベッコ変法イーグル培地(Cellgro)またはRPMI(Cellgro)で継代した。細胞株は、ゲンタマイシン(25μg/ml)および15%非働化処理済み血清を含有する1:1 Medium 199/MCDB 105(Sigma-Aldrich)中で培養した卵巣表面上皮(OSE)ブラッシング物に由来した。TIOSE6細胞株は、ゲンタマイシン(25μg/ml)、15%非働化処理済み血清、およびG418(500μg/ml)を含有する1:1 Medium 199/MCDB 105中で維持したNOSE細胞にhTERTをトランスフェクトすることによって得た(25)。トリプシン処理後、直ちに細胞を1×Lyse/Fix緩衝液(BD Bioscience)を用いて37℃で10分間固定し、次いで、SB+[2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)]で2回洗浄した。細胞をチューブに分割し(約1×106個の細胞/ml)、標識するまで−20℃で保存した。生物学的レプリケートを異なるウェルに播種し、別々に収集した。培養した細胞を臨床サンプルと正確に同じ条件下で処理および保存した。合計276個のサンプルを調製し、バーコーディング方法を介して独立に解析した。
臨床サンプル。研究は、Institutional Review Board at the Dana-Farber/Harvard Cancer Centerによって承認されており、インフォームドコンセントを全ての対象(n=10)から得た。10人の登録患者について14種の低侵襲手順を実施した。6人の患者は原発性肺腺癌を有していた。繰り返しの生検によるPI3Ki処置を受けている4人の患者は、腹部に様々な起源の癌腫を有しており、全てPI3K突然変異を根底に有していた。全ての前処置生検材料を処置の第一サイクルの前の週に収集した。サイクルが完了した後、典型的には数週間〜数か月後に全ての処置後生検材料を収集した。22ゲージ針による画像誘導FNAをルーチンコア生検の前に得た。正確な針の位置は、コンピューター断層撮影イメージングおよび細胞病理学によるリアルタイム読取によって確認した。遠心分離および過剰なPBSの除去によってFNAサンプルを直ちに処理した。固定工程の前に目に見える凝集塊が存在していた場合、コラゲナーゼ(Sigma-Aldrich)を0.2mg/mlで加えた。細胞をLyse/Fix緩衝液(BD Biosciences)を用いて37℃で10分間固定し、2%BSAを含有するPBSで2回洗浄した。全ての遠心分離を300gで5分間実施した。臨床サンプルを−20℃で保存した。合計24個のサンプルを調製し、バーコーディング方法を介して独立に解析した。
細胞株の薬物処置。タンパク質発現レベルに対する薬物処置の効果を試験するために、細胞株を多数の異なる化学療法または分子標的薬で処置した。A431細胞株に、1%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する培地中、ゲフィチニブ(Selleck Chemicals)を10μMの濃度で12時間投与した。三重陰性ヒト乳癌MDA-MB-436細胞株に、PARP阻害剤オラパリブ(10μM、培地中0.1% DMSO中)、シスプラチン(10μM、培地中1%ハンクス平衡塩溶液)、PI3K/mTOR阻害剤PKI-587(100nM、0.1% DMSO/培地)、ならびにEGFR阻害剤セツキシマブ(培地中75μg/ml)およびゲフィチニブ(10μM、0.1% DMSO/培地中)を投与した。全ての分子標的剤(PKI-587、セツキシマブ、およびゲフィチニブ)を12時間適用した。DNA損傷剤オラパリブおよびシスプラチンを細胞に3日間適用した。タンパク質発現レベルの変化を、同一条件下であるが薬物処置なしの培地対照と比較した。
フローサイトメトリー。フローサイトメトリーを使用して、バルクサンプル中のタンパク質発現レベルを検証した。−20℃で保存した固定細胞を解凍し、次いで、サポニンベースの緩衝液PW+(1×Perm/Wash Phosflow Buffer、BD Biosciences、2% BSAを含有する)で透過処理した。チューブ当たり約200,000個の細胞を、一次抗体と1μg/mlまたはフローサイトメトリーアプリケーションでCell Signalingによって推奨されているような適切な希釈のいずれかで1時間インキュベートした。一次抗体のリストの例を上の表1に示す。PW+で1回洗浄した後、マウス、ヒト、またはウサギIgGを標的とする適切な二次抗体を適用した。使用した特異的二次抗体は、抗ウサギIgG(H+L)F(ab')2断片 Alexa Fluor 647コンジュゲート(Cell Signaling #4414)、抗マウスIgG(H+L)F(ab')2断片 Alexa Fluor 647(Cell Signaling #4410)、および抗ヒトFITC(Abcam ab98623)であった。次いで、各抗体からの幾何平均を適切な対照IgGで正規化することによって各タンパク質についての発現レベルを計算した。次いで、これらの値をDNAバーコーディング技術に由来する発現値と相関させた。
光開裂可能DNA-抗体二官能性リンカーの合成。参考文献9に以前に記載されているように光開裂可能リンカーを合成した。例えば、化合物1(図2B、約0.100g、0.334mmol)を、丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン(DCM)5ml中に分散させた。氷浴上に置くことによってフラスコを0℃に冷却した。その溶液に、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)(0.139g、0.368mmol)およびトリエチルアミン(TEA)(109μl、0.835mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、N-(2-アミノエチル)マレイミドトリフルオロ酢酸塩(0.093mg、0.368mmol)を加えた。0℃で15分間撹拌した後、反応混合物を18時間撹拌しながら室温まで平衡化させた。反応混合物をDCM(45ml)で希釈した後、有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮し、精製のためにSiO2カラム(溶離剤:100% DCM〜DCM中3%メタノール、v/v)に入れた。化合物2の収率は、およそ60%であった。
Figure 0006600302
MS(エレクトロスプレーイオン質量分析法:ESI-MS)計算値:421.15、観測値:466.18 {M+HCOO}-
化合物2(0.010g、0.024mmol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)(1ml)に溶解した。その溶液に、N,N'-ジスクシンイミジルカルボナート(DSC;0.018mg、0.071mmol)およびTEA(12.5μl、0.096mmol)を順次加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。精製のために、反応混合物をC18逆相カラムに直接ロードした(溶離剤:水中5%アセトニトリル〜水中95%アセトニトリル、v/v)。光開裂可能二官能性リンカー生成物の収率は、およそ70%であった。
Figure 0006600302
DNA-抗体コンジュゲーション。抗体(例えば、表1に列挙される)を、ジャガイモゲノムに由来する特別に設計された異質DNA配列(表2に示される例示的な配列)にコンジュゲートさせた。
(表2)標的結合分子をバーコーディングするために使用される70mer異質配列の例のリスト
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70mer長の配列を、NanoString捕捉およびレポータープローブを用いた最適なハイブリダイゼーションのために選択した。他のサイズも同様に評価した。配列長の短縮は、シグナルを改善するがハイブリダイゼーション能力を低下させる傾向があった。例えば、50merの配列は対照と比較した場合に比較的高いシグナルを与えたが、30merの配列は、確実にハイブリダイズしなかった。したがって、確実なハイブリダイゼーションのために70merの配列を選択した。しかしながら、70ヌクレオチドよりも長いまたは短い配列もまた、本明細書に記載される方法において使用することができる。
抗体(例えば、表1に列挙される)は、市販業者から購入することができ、最初にZebaスピンカラムまたは遠心フィルターのいずれかを用いてBSAおよび/または他の混入物から精製した。次いで、抗体を、光開裂可能二官能性リンカーと、PBS(5% N,N'-ジメチルホルムアミドおよび10% 0.1M NaHCO3を含有する)中、室温で1.5時間インキュベートした。その後、Zebaスピンカラム[7000分子量カットオフ(MWCO)、溶離剤:PBS]を用いてマレイミド活性化抗体から過剰の試薬を除去した。
チオール修飾DNAオリゴ(Integrated DNA Technologiesから)を、PBS(1mM EDTA、pH8.0)中のジチオトレイトール(DTT;100mM)を用いて室温で2時間還元した。次いで、還元したDNAオリゴを、溶離剤として脱イオン水を用いてNAP-5カラム(GE Healthcare)で精製した。DTTを含有する画分(microBCAアッセイで決定された)を廃棄した。残りの還元したDNA画分をプールし、3000 MWCO Amiconフィルター(Millipore)で濃縮した。
マレイミド活性化抗体を、PBS溶液中、還元したDNAオリゴとインキュベートした。典型的なコンジュゲーションプロセスでは、15倍モル過剰のDNAオリゴを、マレイミド活性化抗体とインキュベートした。コンジュゲーション反応を4℃で12時間進行させた。DNAバーコード-抗体コンジュゲートを、Millipore 100K MWCO遠心フィルターで精製し、続いて、PBSで3回洗浄した。抗体を混合した後、プロテインA/Gコート磁気ビーズ(Pierce/Thermo Scientific)で過剰のDNAの最終精製を実施した。磁気分離のためのThermoからの市販のプロトコルをわずかに改変して、トリス緩衝液生理食塩水(TBS)/0.1%Tween洗浄緩衝液およびGentle Ag/Ab Elution Buffer(Thermo Scientific)を使用した。3回の溶離を各20分間実施した。溶剤抗体をZeba脱塩カラム(7000 MWCO)で純粋なTBSと交換した。
抗体の特性決定。抗体を分割し、−20℃で、BSA(0.15mg/ml)を含有するPBS中0.25mg/mlの濃度で保存した(凍結-解凍サイクルを避けるために、少なくとも12回の実験ラン(各NanoStringカートリッジ上でのランの数)に適切な使用法)。グリセロールまたは4℃保存を含む種々の他の保存方法を試験したが、分割および凍結が最大で9ヶ月間の最も一貫性のある高フィデリティーの保存を示した。microBCAアッセイ(Thermo Scientific)を介して抗体濃度を決定した。また、Qubit ssDNAキット(Invitrogen)を使用してDNA濃度を独立に決定して、抗体当たりの相対DNA数を定量化した。抗体コホート全体でより高感度の相対的なDNA/Ab測定を達成するために、いくつかの態様において、NanoStringプラットフォームを使用して、抗体カクテルを2つの条件下で加えた:(1)「対照」:抗体を、DNAが依然として連結したままのそれらのネイティブ形態で加えた。(2)「遊離されたDNA」:抗体をプロテイナーゼKで処理して光開裂した。対照条件下では、DNAは依然として抗体に連結したままであり、したがってNanoStringアッセイのレポーターおよび捕捉プローブに同時に結合することができなかった。したがって、これらの2つの測定間のDNA読み取り値の相違は、抗体当たりの相対DNA数を明らかにした。この相違をアイソタイプ対照測定値で割ることによって、タンパク質濃縮および/または抗体単離における潜在的な固有の実験誤差を表した(相対DNA数:Ab比については、図6を参照されたい)。使用の前に抗体を厳密に試験および検証した。110個の抗体の内、88個を最終パネルのために選択し、全てが特定の供給業者(主として、Cell Signaling Technologies、BioLegend;表1)から以前に検証されていた。DNAコンジュゲートと作用しなかった抗体はそれらのネイティブ状態でも作用せず、これらを除外した;DNAコンジュゲート抗体は親抗体と同様に作用した(図7A〜7B)。
タンパク質プロファイリングのための抗体染色およびDNA収集。細胞染色の前に、TBS、0.1% Tween、および0.2mg/mlシステインを含有するカクテル中に抗体をプールした(他の抗体とのDNA交差反応を避けるために)。チューブを血清ブロッキング緩衝液で一晩コーティングし、サンプルがチューブ壁に非特異的に結合するのを防止した。次いで、細胞をブロッキング緩衝液:10%v/vウサギ血清(Jackson Immuno Research Labs, 011-000-120)、2% BSA、1mg/ml SSサケ精子DNA(Sigma Aldrich, D7656)、0.2mg/mlシステイン(Sigma Aldrich)、20X Perm(BD Bioscience)または0.1%Tween20(Sigma Aldrich)(全てPBS中)と共に37℃で最低1時間インキュベートし、非特異的抗体またはDNA結合を最小限に抑えた。次いで、固定および透過処理した細胞に抗体カクテルを加えて、断続的に混合しながら室温で1時間インキュベートした。
インキュベーション後、0.05mg/mlのDS断片化処理済みのサケ精子DNA(Life Technology, AM9680)を含有するPW+で細胞を洗浄した。15mlチューブ中の2回の15ml洗浄または1.7mlマイクロ遠心チューブ中の4回の1.5ml洗浄のいずれかを実施した。ブロッキングおよび洗浄工程は、フェムトモル検出であっても低バックグラウンドを達成するために好ましかった。全ての洗浄を氷上で実施した。次いで、DNAを遊離させるために、標識した細胞をカウントし、溶解/プロテイナーゼK/光開裂のために選択することができた。細胞(最大で50,000個の細胞)10μlに対して溶解緩衝液を使用した[ATL溶解緩衝液(Qiagen)34.2μlおよびプロテイナーゼK(Qiagen)5.8μl]。この反応は、56℃で最低30分間進行した。次いで、長いUV波長光(モデル)を15分間使用して光開裂を実施した。これは結果として、遊離されたDNAを含有する細胞溶解ミックスを生じた。サンプルを14,000×gで10分間スピンダウンした。上清を収集し、読取カートリッジ(Nanostring)が飽和するのを避けるために、ヌクレアーゼフリー水(Invitrogen, AM9937)中で段階希釈を実施して、50〜100個の細胞に相当するDNAを収集した。この量は結果として、定量化の線形範囲内のカートリッジ結合密度を生じた。より低い範囲(0.05〜0.2)の結合密度は依然として線形であり、より高い範囲(1.5〜2.5)の場合と比較して一貫したタンパク質プロファイルを与えた。より低い結合密度(例えば、単一細胞)では、より弱い抗体を伴う低発現マーカー(pJAK2、pChk2)を除いて、大部分のマーカーを測定することができた。
免疫蛍光。免疫蛍光は、独立した測定を提供し、パクリタキセル(タキソール)処置からのマーカー変化を検証した(図16A〜16B)。高解像度プレートと適合性であった96ウェルプレート(Grenier)中、ウェル当たり4,000個の細胞でHT1080細胞を播種し、100nMのパクリタキセルで処置するかまたは対照培地中で維持するかのいずれかの前に、DMEM培地中で24時間成長させた。24時間後、細胞を室温で15分間固定し、次いで、ロッカー(rocker)上でPBS/0.1% Tweenと共に5分間穏やかに洗浄し、3回繰り返した。また、その後の洗浄は全て、この緩衝液、持続時間、および反復プロトコルで実施した。
次いで、細胞を氷冷90%メタノールで20分間透過処理した。洗浄後、ブロッキング緩衝液(Odyssey)を用いて、細胞を室温で1時間ブロッキングした。次いで、一次抗体(全てCell Signalingから;表1を参照されたい)をブロッキング緩衝液中に既定の希釈で加え、密閉し、ホイルで被覆して、一晩インキュベートした。翌日、洗浄後、抗ウサギFITC二次抗体、1:500 Hoechstおよび1:200 全細胞ステインブルー(whole-cell stain blue)(Cellomics)を2μg/mlで加え(全ての一次抗体は、ウサギIgGであった)、2時間インキュベートした。PBSのみで最終洗浄工程を実施し、その後、Delta Visionチャンバーおよびソフトウェアを備えたOlympus顕微鏡(BX63)を使用して細胞を20×で撮像した。全ての画像を生物学的トリプリケートで取り込んだ。CellProfilerを使用して各細胞についての蛍光強度を決定した。これは、Hoechstおよび全細胞ステインを使用し、細胞境界線およびサイズ限界を描写して破片を無視した。次いで、追加の社内MATLAB(Mathworks)コードを使用して、各条件についてのマーカーシグナルを計算し、処置細胞と未処置細胞との間の変化を計算した。
イムノブロットおよびドットブロット。OVCAR3、SKOV3、CAOV3、A2780、およびOVCAR429細胞株を6ウェルディッシュにプレーティングし、ウェスタンブロット解析のために溶解の前に72時間成長させた。細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、HALTプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤カクテル(Pierce)を含有する放射性免疫沈降アッセイ緩衝液(RIPA緩衝液)(Cell Signaling Technology)200μl/ディッシュ中に擦り落とし、2mlマイクロ遠心チューブに移した。溶解物を23gシリンジに5回通し、次いで、毎分ボルテックスしながら氷上で5分間インキュベートした。溶解物を14,000×gで15分間(4℃)遠心分離した。上清を新しいマイクロ遠心チューブに移し、BCAアッセイを使用して総タンパク質を測定した。均一の総タンパク質を調製し、沸騰させ、Novex NuPAGE 4〜12% Bis-Trisゲルにロードし、次いで、ニトロセルロースに転写した。
膜を、SuperBlock T20(TBS)緩衝液(Pierce)中、室温で1時間ブロッキングし、次いで、0.1% Tween-20(TBST)を含有するトリス緩衝液生理食塩水(TBS)中で簡単に洗浄した。次いで、膜を、10% SuperBlockを含有するTBST中で希釈したp53(1:1000、Cell Signaling)、DNAコンジュゲートp53(1:1000)、pS6RP(1:1000、Cell Signaling)、またはDNAコンジュゲートpS6RP(1:1000)一次抗体中、振盪しながら4℃で一晩インキュベートした。膜をTBST中で3回(各5分間)洗浄し、次いで、10% SuperBlockを含有するTBST中で1:1000に希釈したヤギα-ウサギHRPコンジュゲート二次抗体中、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、SuperSingal West Pico化学発光基質(Pierce)を使用してシグナルを検出した。Ki67抗体について、上からの細胞溶解物(変性の前)1ugを、Bio-Dot精密濾過装置(Bio-Rad)でニトロセルロース上にロードした。次いで、上と同様に希釈したKi67またはDNAコンジュゲートKi67抗体(1:1000、BD Biosciences)およびα-マウスHRPコンジュゲート二次抗体を使用してブロットを上と同様に処理した。ドットブロットを上と同様に検出した。
単一細胞の単離および処理。抗体の染色後、単一細胞をマイクロマニピュレータで選び取った。細胞をHoechst 3342(Molecular Probes)で染色し、蓋のない10cmディッシュに加え、TE2000顕微鏡(Nikon)で撮像した。単一細胞をPCRチューブに直接入れた。5マイクロリッターの溶解緩衝液/プロテイナーゼKを加えた(ATL緩衝液 4.5μlおよびプロテイナーゼK 0.5μl)。15分間の光開裂の前に、溶解/酵素開裂を56℃で30分間進行させた。次いで、製造業者の推奨に従って、このチューブにレポーターおよび捕捉プローブ(NanoString Technologies)を直接加えた。
データ解析:プロテオミクス発現プロファイルの算出。以下のように生データからタンパク質発現プロファイルを抽出した。最初に、内部NanoString陽性対照の平均によって生DNAカウントを正規化して、これはハイブリダイゼーション効率を表す。次いで、これらのカウントを、相対DNA/抗体カウントを使用して抗体発現値に変換した。次に、対照IgGからの平均バックグラウンドシグナルを減算した。最後に、ハウスキーピング遺伝子を正規化に使用して、細胞数の変動を表した。ハウスキーピングタンパク質、例えば、β-チューブリンによってシグナルを正規化した。タキソール処置について、チューブリンはタキソールの一次標的であるので、チューブリン以外のヒストンH3、GAPDH、およびアクチンの幾何平均によってシグナルを正規化した。データをキャプションに示すようにlog2スケールに変換した。
データ解析:クラスタリング。ヒートマップおよびクラスターグラムを、上で詳述したように計算したマーカー発現値のマトリクス入力を用いて、MATLABを使用してプロットした。全ての示したクラスターグラムを加重連結法として実施して、距離計量法として相関値を使用してクラスター化した。キャプションに明記したようにいくつかのクラスターグラムを行によって正規化して、異なる患者間のマーカーの違いを強調した。マーカーが患者の1人において検出可能でなかった場合、それはマトリクスまたはヒートマップから除去され、表示されない。
統計的解析。NanoString DNAカウントからの生データを最初にnSolver解析ソフトウェアを使用することによって正規化して、カートリッジ上でのハイブリダイゼーションの差異を表した。NanoStringソフトウェア上の陽性対照A〜Dだけを正規化で使用した。DNAカウントは、検出の線形範囲内であり、nSolverソフトウェアによって決定したところ包含するための全ての他の基準(最大視野、画質など)と一致した。非特異的IgG結合およびハウスキーピング遺伝子(細胞カウント)を考慮することによって発現値を決定した後、データをlog2変換した。
単一細胞解析とバルク測定との間の相関をGraphPad Prismで計算した。正規の一貫した分布を仮定することなくスピアマンr値を計算した。両側P値を計算し、ここで、Prismで2つの群(例えば、処置対未処置)を比較し、複数の試験補正誤差について0.2のFDRでペアワイズt-検定を実施することによって有意なマーカーを同定した。ゲフィチニブで処置した場合と未処置の場合のA431単一細胞間の有意なマーカー変化およびそれらのP値を以下の表3に示す。ヒートマップについて、いずれかのサンプルが閾値未満のマーカーを有していた場合、マーカー行全体を除去した(帰属データ値は使用しなかった)。応答者と非応答者間の差別的なマーカーを同定するために、マルチクラス逐次型前向き最適化法-ランキングアルゴリズムを使用した。公知のデータに基づいて患者を応答者または非応答者として分類した。バッタチャリヤ距離によってクラス分離度を測定した。
(表3)ゲフィチニブ処置を伴うまたは伴わないA431単一細胞間の有意なマーカー
49個のマーカーの内、6個のマーカーが、ゲフィチニブ処置対未処置のA431単一細胞間で有意な違いを示し、その平均発現値は、Nanostringプロファイリングを介して各コホートについて計算した。ペアワイズt-検定によってマーカー有意性を決定し、0.2の偽発見率を使用することによって複数の試験誤差について補正した。
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参考文献
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Claims (15)

  1. a.サンプルを複数の標的プローブを含む組成物と接触させる工程であって、該複数のうちの各標的プローブが、
    i.該サンプル中の別個の標的タンパク質分子に特異的に結合する標的結合分子、
    ii.該標的結合分子を同定する同定ヌクレオチド配列、および
    iii.該標的結合分子と該同定ヌクレオチド配列との間の開裂可能リンカー
    を含む、工程;
    b.該サンプル中の複数の複合体から、結合していない標的プローブを分離する工程であって、各複合体は、標的タンパク質分子およびそれに結合した単一の標的プローブを有し、該複合体は、該標的タンパク質分子の異なる領域に結合する第二の標的プローブを有さない、工程;
    c.該複数の複合体から該同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程;
    d.遊離させる工程(c)からの遊離された同定ヌクレオチド配列を複数のレポータープローブを含む検出組成物にカップリングさせる工程であって、該複数のうちの各レポータープローブは、該同定ヌクレオチド配列の第一の部分に結合することができる第一の標的プローブ特異的領域;および該レポータープローブを同定する検出可能ラベルを含み、該ラベルは各レポータープローブについての固有の識別可能なシグナルを生み出す、工程、ならびに
    e.非ゲル電気泳動方法に基づいて、いかなる増幅工程を伴うことなく、遊離された該同定ヌクレオチド配列からのシグナルを検出する工程であって、該シグナルが、該同定ヌクレオチド配列について識別可能であり、それによって、該対応する標的結合分子を同定して、該サンプル中の複数の異なる標的タンパク質分子を検出する、工程
    を含む、サンプル中の複数の標的タンパク質分子を検出するための方法であって、
    前記組成物が複数の対照プローブをさらに含み、該複数のうちの各対照プローブが、
    サンプル中の1個の対照タンパク質分子に特異的に結合する対照結合分子;
    該対照結合分子を同定する同定対照配列;および
    該対照結合分子と該同定対照配列との間の開裂可能リンカー
    を含み、
    対照プローブに関連するシグナルにより標的プローブに関連するシグナルを正規化することによって、シグナルを定量化する工程をさらに含む、方法。
  2. 標的結合分子が抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 開裂可能リンカーが開裂可能なハイブリダイズできないリンカーである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、酵素、pH、温度、光、剪断応力、音波処理、化学物質(例えば、ジチオトレイトール)、またはそれらの任意の組み合わせに対し感受性である、請求項3に記載の方法。
  5. 開裂可能なハイブリダイズできないリンカーが、分子(i)〜(xix)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される光開裂可能リンカーを含む、請求項3または4に記載の方法であって、
    分子(i)〜(xix)の化学構造が以下:
    Figure 0006600302
    に示され、式中、各分子中の黒点の各々が、標的結合分子または同定ヌクレオチド配列に直接的または間接的に接続する接続点またはカップリング点を表す、方法。
  6. 結合した標的プローブから同定ヌクレオチド配列を遊離させる工程が、該結合した標的プローブを紫外線に曝露する工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 検出する工程が、
    遊離された同定ヌクレオチド配列にカップリングされたレポータープローブのそれぞれの検出可能ラベルからのシグナルを検出する工程であって、該シグナルが、該同定ヌクレオチド配列に結合した該それぞれのレポータープローブについて識別可能であり、それによって、対応する標的結合分子を同定して、該サンプル中の複数の標的タンパク質分子を検出する、工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 検出組成物が複数の捕捉プローブをさらに含む、請求項1または7に記載の方法であって、各捕捉プローブが、(i)同定ヌクレオチド配列の第二の部分に結合することができる第二の標的プローブ特異的領域;および(ii)アフィニティータグを含み、該捕捉プローブのアフィニティータグが、検出組成物へのカップリング時における、遊離された同定ヌクレオチド配列の固体基板上への固定化を可能にする、方法。
  9. 同定ヌクレオチド配列が、ヒトゲノムと交差反応しないように選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、同定ヌクレオチド配列がジャガイモゲノムに由来する、方法。
  10. 同定ヌクレオチド配列が、
    i) 30〜100ヌクレオチド長を有する、
    ii) 70ヌクレオチド長を有する、または
    iii) 70ヌクレオチド長を有し、かつ、表2から選択される配列(SEQ ID NO: 1〜SEQ ID NO: 110)を有する、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. i) サンプルが500個未満の細胞を含み、または
    ii) 細胞が血中循環腫瘍細胞、胎児細胞、幹細胞、免疫細胞、クローン細胞、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される希少細胞である、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 同じサンプルから核酸分子を抽出する工程、および、核酸分子を核酸解析に供する工程をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法であって、それによって同じサンプルからタンパク質および核酸分子を検出する、方法。
  13. サンプルが単一細胞サンプルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. サンプルが500個未満の細胞を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. サンプルが、穿刺吸引物から単離された細胞を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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