以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、パチンコホール島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で特定の演出(たとえば、遊技者参加型演出)に変化をもたらす際に利用される「枠演出用ボタン13(演出用操作手段)」が設けられている。この枠演出用ボタン13は、たとえば、特定の演出が発生したときに、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時(入力受付期間中)に押下することにより演出に変化をもたらすための演出用操作手段として働く。なお、上記演出用操作手段としては、たとえば、ボタン式、ジョグダイヤル式、非接触型センサを利用したタッチセンサ式、液晶表示装置を利用したタッチパネル式などが挙げられるが、いずれの場合にも遊技者による操作が行われた場合に演出に何らかの変化を与える(操作の前後で演出に変化をもたらす)ために利用できるものであれば特に制限されない。また、上記演出用操作手段について、その種類や設置個数も特に制限されない。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ネジなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物(後述の時計盤部81、花型役物90、ギミック役物(人物ギミック)93など)が設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、演出画像とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、後述の特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知するラウンド表示手段として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、その規定ラウンド数が報知されるようになっている。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、所謂「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良いし、両流下経路のそれぞれに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)した事象がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技盤2の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンターケース48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物90)が配設され、その下側に第4の可動体役物(人物ギミック93)が配設されている。また押しボタン式の回転灯ボタン66が第3の可動体役物(回転灯62)によって構成され、この回転灯ボタン66が第1演出ボタン(枠演出用ボタン13)と同様の演出用操作手段(第2演出ボタン)として機能するようになっている。
(第1の可動体役物80)
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部(数字表示部)81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、それらのローマ文字「I」から「XII」を付した数字セクターが個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。
この時計型役物80は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「主役物」として働くものである。時計型役物80の時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り当選期待度を示す働きをする。たとえば、時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色が、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の順に遊技者に対する当り当選期待度が高まるように構成する。なお、ここでは、図柄変動表示動作が停止するまでの間、時計型役物80の時計針82が回り続ける構成としているが、図柄変動表示動作の途中で時計針82が停止するように構成して、その停止した時計針82の短針が指す数字セクターの数字で、または当該数字と発色する数字セクターの色とで当り当選期待度を示すようにしても良い。また時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色が、虹色(プレミアム色)に発光した場合は大当りが確定するように構成することができる。
(第2の可動体役物90)
第2の可動体役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向に移動(落下移動)可能に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を左右方向に移動(突出移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。この実施形態の場合、第1可動体91と第2可動体92は、液晶画面の片側近く(右側方)に位置し、互いに独立に動作可能である。
動作態様に関して記述すると、第1可動体91は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置(後述する合体位置)よりも上方のホームポジション(原位置)に位置し、また第2可動体92は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置よりも右方のホームポジション(原位置)に位置する。そして、第1可動体91は単独に上方の原位置から液晶画面右上の図2の実線位置に花冠A2が来るように移動でき、また、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から液晶画面右上の図2の実線位置に萼B1が来るように移動できる。第1可動体91と第2可動体92は、両者が同時に作動して図2の実線位置(合体位置)まで移動した場合、ここで花冠A2と萼B1が重なり合って合体し、花心A1の周りに花冠A2を配し、更にその外側周囲に萼B1を配して花被を二重にした「花型部」を形作る。この意味で、第2の可動体役物90は「花型役物」とも称される。
この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「副役物」として働くものである。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により遊技者に対する当り当選期待度を高める。なお、図柄変動表示動作が停止すると、花型役物90は図2に実線で示す演出位置(合体位置)から原点位置に戻る。
この実施形態の場合、第1可動体91は単独に上方の原位置から図2の実線位置(合体位置)に移動でき、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から図2の実線位置(合体位置)に移動できるとした。しかし第1可動体91と第2可動体92は液晶画面領域に出現または突出し、そこで合体するように構成しても良い。このように構成した場合、第1可動体91と第2可動体92は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図示せず)で静止している。しかし、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生し、上記所定の条件が成立すると、第1可動体91は上方から下方に、また第2可動体92は右方向から液晶画面に近寄った位置または液晶画面の一部を覆う演出位置(図2に実線で示す位置)まで移動して来て、両者が合体する。
(第3の可動体役物)
第3の可動体役物は、回転灯ボタン66の操作部としての機能を兼ねる赤色半透明の包囲体64中に、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当り変動中に大当り確定予告(所謂「一発告知」)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、特別図柄変動表示動作が開始されると同時に告知音(確定音)が発生されるとともに、特別図柄変動表示動作の変動開始から変動停止までの長い変動期間中にわたって回転灯63が作動される。すなわち、回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ(可動体モータ61c:図3)により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、特別図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、確変大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。
また、この回転灯62は押しボタン式の回転灯ボタン66として内部に回転灯スイッチ65を有しており、所定のタイミングで回転灯62の包囲体64(操作部)を押圧操作すると、回転灯スイッチ65がONし、当り告知音が発生して回転灯62が作動する構成となっている。第1演出ボタンである枠演出用ボタン13は、必ずしも全ての演出手段が作動するとは限らない、使用頻度の高い演出ボタン(以下、場合により「通常ボタン」と称する)であるのに対し、この第2演出ボタンの回転灯ボタン66は、使用する選択頻度が低いが、回転灯62を含む全ての演出手段を作動させて、通常ボタンよりも大きな演出効果を与える枠演出用ボタンとして利用される。
(第4の可動体役物)
第4の可動体役物は、人間をモチーフとして形成された可動体役物であり、役物本体93と1または複数種類の可動部位とが一体的に形成された「ギミック役物(以下「人物ギミック93」と称する)」として構成されている。この実施形態の場合、腕94や口95(図54参照)が人間と似せた疑似動作を実行可能に構成されており、たとえば、腕94を上下に振ったり(振り子運動)、口95が開口閉口したりする動作が可能となっている。人物ギミック93は、その動作態様(腕94の動作態様)により、遊技に関連する情報を報知することができる。たとえば、人物ギミック93の腕94が所定の動作パターンで動作させ、これを予兆ないし前兆演出として、液晶表示装置36における特定の画像表示演出の開始契機とすれば、腕94が動作することにより、今後、何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の注目を集めることができる。このように、人物ギミック93による可動体演出と、他の演出手段による演出とをうまく連係させた「ギミック連動型予告演出」は、視覚的演出効果を高める上で非常に有用である。本実施形態では、上記ギミック連動型予告演出として、後述の「ギミック連動ボタン予告演出」を現出可能となっている。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出(画像表示演出、光演出、音演出、可動体役物の動作演出など)についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、特定の抽選(たとえば、特別図柄に係る変動パターン抽選)に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路、カウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。また主制御部20は、電源遮断時に、電源遮断前の遊技状態を復帰するのに必要な復帰情報をバックアップする機能部(バックアップ手段)を備えている。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する不正検出センサ99とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる上述の情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。この払出状態信号は、たとえば遊技球払出装置19に形成された各種検出センサ(遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサや、遊技球払出装置19から払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサなど)からによる払出不足信号、賞球計数信号などの状態信号である。主制御部20は、上記払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、たとえば、遊技球払出装置19の玉詰まりの発生の有無や、賞球が正しく払い出されたか否かなどを監視している。
また払出制御基板29は発射制御基板28に対して発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に乱数を生成するためのカウンタ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、演出の抽選に利用される演出抽選用乱数の乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(演出用LED:図示せず)の発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、主に、液晶表示装置36による演出(画像表示演出)を制御し、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、上記画像表示演出の他、光演出、音演出、可動体による可動体演出などを現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62、人物ギミック93(腕94、手96))を動作させるための可動体役物モータ61a、61b、61c、63a、63bなどに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御部24は、これら制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97aと、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97b、97cと、回転灯62に対する位置検出スイッチ97d、人物ギミック93(腕94、手96)に対する位置検出スイッチ97e、97fとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチからの検出信号に基づき、各可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な枠演出用ボタン13が接続され、演出制御部24は、枠演出用ボタン13からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターンが時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いたパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出表示されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了し、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了して、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定の動作パターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大15ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当り(当選)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(ハズレが1種類の場合は、ハズレ種別の抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果情報、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信している。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ演出や疑似連演出など)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、当落抽選結果、または大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する疑似連演出指定用の変動パターン(疑似連有りリーチ変動パターン)、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない疑似連演出指定用の変動パターン(疑似連有り通常変動パターン)など、複数種類の変動パターンが含まれる。また各変動パターンに関する変動時間については、基本的には、リーチ変動パターン種別は、大当り当選期待感を煽るリーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンであることから、その演出時間との関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下始動口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下始動口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
また本実施形態では、普電開放遊技の内容が異なる複数種類の「補助当り(補助当り1〜3)」が設けられている。具体的には、「補助当り1」に当選すると(2個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間(可動翼片47により下始動口35が開状態となる作動時間)が長く設定され(たとえば、開放時間が通じて5.8秒:長開放(ロング開放))、「補助当り2」に当選すると(左側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り3よりも短く設定され(たとえば、開放時間が通じて1.0秒:中開放(ミドル開放))、「補助当り3」に当選すると(右側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り2よりも短く設定されるようになっている(たとえば、開放時間が通じて0.2秒:短開放(ショート開放))。換言すれば、補助当り1〜3は、下始動口35の開放時間の長短により、遊技者に与える利益状態(下始動口35への入賞率)が異なるようになっている。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていても良い(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の最大保留記憶数を多く設定しても良い。本実施形態では、特別図柄2に係る大当り抽選が、遊技者とり相対的に利益が高い大当り種別が得られるように構成されていることから、たとえば特別図柄1側の最大保留記憶数を2個、特別図柄2側の最大保留記憶数をそれよりも多い4個に設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の2)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、所謂「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。
ここで本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば上記「通常遊技状態(低確・電サポ無し)」には、「通常遊技状態(通常状態)」および「CHANCE ZONE状態(以下「CZ」と略す)」といった複数種類の通常遊技状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理し、各遊技状態に関連した変動パターンを選択することができるようになっている。すなわち、同じ通常遊技状態であっても特別図柄の変動パターンを選択する際の選択条件(変動パターン選択モード(遊技モード):後述の変動パターン振分指定番号(Tcode)(図66参照))が異なるようになっている。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「通常遊技状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては「通常状態」と「CZ」という複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)ごとに対応した変動パターンを選択できるようになっている。そして演出制御部24側では、各遊技状態に関連した複数種類の演出モードが設けられており、変動パターンに基づいて、これら演出モード下における演出を実行させることができるようになっている。
また本実施形態では、内部遊技状態は同じ「潜確状態」でありながらも、演出の発生に関連した遊技状態については、「潜確状態」または「CZ」として管理し、上述した通常遊技状態下の「CZ」と同じ遊技状態に対応した演出を発生させるこができるようなっている。これにより、「CZ」期間中、演出上、大当り抽選確率を秘匿できるようになっている。なお、各遊技状態の移行条件や、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンに関する詳細については後述する。
本実施形態において、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態、潜確状態、時短状態、および確変状態の内部遊技状態が含まれる。他方、特別図柄の変動パターンの決定、換言すれば、演出の決定に着目した場合の「遊技状態(変動パターン選択モード)」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、通常状態、CZ(CHANCE ZONE状態)、潜確状態、時短状態、および確変状態の複数種類の遊技状態が含まれる。このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態下であっても(たとえば、通常遊技状態下)、変動パターン振分指定番号(たとえば、通常状態とCZ)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。その結果、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出に大きな変化をもたらすことができ、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富化することができる。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「12R長開放非確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り(小当りA、小当りB、および小当りC)」などの複数種類の当りが含まれる。
これら当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「12R長開放非確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置(手段)で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとなっている。他方、「12R長開放非確変大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態を伴う遊技状態に移行させずに、低確率状態を伴う遊技状態に移行させる「非確変大当り」に属する大当りとなっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の12R長開放確変大当り、12R長開放非確変大当りおよび2R短開放潜確大当りによる当り遊技についても同様)。
なお、ラウンド遊技間における上記「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでのインターバル区間を定めた時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、無効なものとして扱われるようになっている。
(4−2−2.12R長開放確変大当り、12R長開放非確変大当りによる当り遊技)
12R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「12R確変大当り遊技」と称する)と、12R長開放非確変大当りによる当り遊技(以下、「12R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を12ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この12R確変・12R非確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、4ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)では、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。ここで「短開放時間」とは、大入賞口への入賞自体を困難とする時間幅として定めたものである。本実施形態では、遊技球落下方向変換部材(センター飾り48や遊技くぎ)、または発射装置の性能(たとえば単位時間あたりの遊技球の連射速度性能)、あるいは大入賞口の形成位置などにより、上記「短開放時間」内に大入賞口閉鎖条件の一つである「最大入賞数」に達することが不可能なようになっている。2R潜確大当り遊技では、大入賞口50が短開放時間しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口50の入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は極めて低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
以上のように本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り遊技中の賞球数、換言すれば、遊技者が獲得し得る遊技球数(獲得賞球数)が異なるように構成されている。なお、2R潜確大当り遊技では最大開放時間を上記短開放時間に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、大入賞口50への入賞がある程度許容されるように、16R確変大当り遊技や12R確変大当り遊技や12R非確変大当り遊技と同じ長開放時間を設定しても良いし、上記最大入賞数に達することは困難または不可能であるが、大入賞口50への入賞球数をある程度確保できるような開放時間(長開放時間よりも短く、短開放時間よりも長い中間的な開放時間:たとえば、5秒)に設定しても良い。また、当りによる賞球数(特賞数:T1Y)を異ならせるために、大当りの種類に応じて、上記最大入賞数をそれぞれ異なる個数に設定しても良い。
(4−2−4.小当り(小当りA〜小当りC)による当り遊技)
小当りA〜小当りCによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。この点も2R潜確大当り遊技と同じである。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、2R短開放潜確大当りへの当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(4−3−1.16R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R確変大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)):たとえば10000回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで(「大当りが確定するまで」とは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示された場合(または確定表示された後)であっても良いし、大当り抽選により大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)、当該確変状態が継続され、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお本発明は「ST機」に限らず、次回大当りが確定するまで確変状態を継続させる構成としても良い。
(4−3−2.12R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
12R確変大当り遊技後は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行され、この確変状態となってからの遊技状態遷移は、上述した16R長開放確変大当りの場合と同じである。
(4−3−3.12R非確変大当り遊技終了後の遊技状態)
12R非確変大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「時短状態」に移行される。この「時短状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば50回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該時短状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該時短状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。
(4−3−4.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「CZ」に、時短状態であった場合には「確変状態」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。ただし、当選時の遊技状態が「CZ」の場合、内部遊技状態に応じて次のような移行制御がなされる。上記大当り当選時の内部遊技状態が通常遊技状態の「CZ」であった場合には、内部遊技状態が潜確状態の「CZ」に移行され、内部遊技状態が潜確状態の「CZ」であった場合には、「潜確状態」に移行される。なお、内部遊技状態が潜確状態下の「CZ」は、内部遊技状態が通常遊技状態下の「CZ」と同じ遊技状態として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」である。以下では説明の便宜上、内部遊技状態が通常遊技状態下の「CZ」を「CZ(通常)」と称し、内部遊技状態が潜確状態下の「CZ」を「CZ(潜確)」と称する場合がある。
2R潜確大当り遊技終了後の「CZ(ここでは、CZ(潜確))」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が第1の所定回数(たとえば4回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「CZ(潜確)」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ(潜確)」が終了して、次ゲームから「潜確状態」に移行される。なお詳細は後述するが、本実施形態では、2R潜確大当り遊技終了後、潜確状態への移行期待感を与えるため、後述の小当り遊技後による遊技状態と関連して、2R短開放潜確大当りによる「CZ」の継続回数を、小当りによるものよりも多い継続回数に設定してある。
(4−4.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。したがって、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。
しかし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘遊技状態(変動パターン選択モード(後述の図66の変動パターン振分指定番号(Tcode)参照))’の移行制御は行うようになっている。このような移行形態を利用し、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ遊技状態に移行させた場合には、双方で同じ演出モードに滞在させ、小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。以下、図4を参照しながら、小当りA〜小当りCに当選した場合における各小当り遊技終了後の遊技状態について詳細に説明する。
(4−4−1.小当りAに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りAによる小当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」か、または「CZ(‘CZ(通常)’または‘CZ(潜確)’)」であった場合には「CZ」に移行され、他の遊技状態(潜確状態、時短状態、または確変状態)の場合には遊技状態の移行はなく、その当選時の遊技状態が継続されるようになっている。
上記小当りAにより「CZ」に移行される場合は、そのCZが継続される回数(以下、「CZ継続回数」と称する)として、第2の所定回数(たとえば、1回)が設定される。上記小当りA当選により「CZ」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が上記CZ継続回数(たとえば、1回)終了するまでの間か、またはその回数内で大当りが確定するまで当該「CZ」が継続し、その回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ」が終了する。なお、この「CZ」が終了したときの遊技状態が「CZ(潜確)」であった場合には、次ゲームから「潜確状態」に移行され、「CZ(通常)」であった場合には、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている(後述の小当りB、Cについても同様)。
(4−4−2.小当りBに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りBによる小当り遊技後は、上述の小当りAの場合と同様の移行制御が行われる(図4の小当りBの欄参照)。ただし、小当りBにより設定されるCZの継続回数は、小当りA(1回)よりも多い回数(第3の所定回数:たとえば2回)が設定される。
(4−4−3.小当りCに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りCによる小当り遊技後は、上述の小当りA、Bの場合と同様の移行制御が行われる(図4の小当りCの欄参照)。ただし、小当りCにより設定されるCZ継続回数は、小当りB(2回)よりも多い回数(第4の所定回数:たとえば3回)が設定される。
上記「CZ」は、2R潜確大当り遊技終了後にも移行し得る遊技状態である。このため、2R短開放潜確大当り当選か、または小当りA〜Cのいずれかの当選に起因して「CZ」に移行された場合、それぞれ「CZ」に対応した演出をなす演出モード(後述の「CZ(CHANCE ZONE)演出モード」)に滞在することになり、演出上において、内部遊技状態が「潜確状態」であるか否か、つまり大当り抽選確率状態が高確率状態であるか否かが秘匿される。本実施形態では、通常遊技状態と潜確状態とで内部的な機能である特別図柄確変機能の作動状態に違いはあるものの、外観上に現れる機械的な遊技動作状態が同じ状態となることに着目し(双方ともに‘電サポ無し状態’)、遊技者側に演出上からもどのような遊技状態であるかを察知されないようにすることで、高確率状態の期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
また本実施形態では、上記CZ継続回数に関し、2R短開放潜確大当りに当選した場合にはCZ継続回数4回が設定され、これにより変動回数4回限定のCZ(CZ4回)に移行されることになる。そして、このCZが終了した後は(ただし、CZ中、大当りまたは小当りに当選することなくCZが4回継続して終了した場合)、遊技状態がCZから潜確状態に移行され、後述の演出モードに関しては、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とする「秘匿演出モード」から、潜確状態を確定的に報知せる演出をなす「潜確演出モード」に移行される(演出モードの詳細については後述する)。したがって「CZ」が4回継続すれば、演出的に「潜伏状態」が明らかにされる。
これに関連して、当選により内部遊技状態の変更のない(当選により大当り当選確率状態の変動がない)「小当りA〜C」のいずれかに当選した場合、その当選した小当り種別に応じて、2R短開放潜確大当りの場合よりも少ないCZ継続回数(1回〜3回)が設定されるようになっている。具体的には、小当りAの当選した場合は変動回数1回限定のCZ(CZ1回)に、小当りBの当選した場合には変動回数2回限定のCZ(CZ2回)に、小当りCに当選した場合には変動回数3回限定のCZ(CZ3回)に移行される。これにより、小当りA〜Cおよび2R短開放潜確大当りに応じて上記CZ継続回数が異なり、CZ中のゲームが消化される度に、「潜伏状態」が確定的となる4回に達するかもしれないという緊張感を遊技者に与えることができるようになっている。斯様なCZにより、短期間で、高確率状態であるか低確率状態であるかが判明することになる。その結果、秘匿演出モードのゲーム数がいたずらに長引くことを防止し、遊技者が倦怠感を持つことなく、遊技に興じることができる。
(4−5.CZ中の当り当選について)
なお本実施形態では、「CZ」中に2R短開放潜確大当りまたは小当りA〜Cのいずれかに当選した場合、新たなCZ継続回数として、その当選した当りに応じたCZ継続回数が再設定されるようになっている。これにより、2R短開放潜確大当りに当選した場合のCZ継続回数4回以上の状況下を作り出すことができる。たとえば、小当りCに当選してCZ(CZ:3回)に移行し、そのCZ中3回目に小当りBに当選した場合、小当りB当選によりCZ継続回数2回が再設定され、CZ期間が「CZ期間3回+再設定された2回」の最大5回まで延長される。つまりCZが4回継続されたとしても必ずしも潜確状態下であることが明白とはならず、意外性に富んだ遊技性を作り出すことができる。
勿論、「CZ」が4回継続した場合に潜確状態下であることが明白となるように構成しても良い。たとえば、通常状態中に小当りに当選に起因して「CZ(通常)」に移行した後、当該「CZ(通常)」中に滞在している限りは、小当りA〜Cのいずれかに再当選したとしても、当該「CZ(通常)」の継続回数が最大3回を超えないよう構成することができる。また通常状態中に2R短開放潜確大当りに当選に起因して「CZ(潜確)」に移行した後、当該「CZ(潜確)」中に小当りA〜Cのいずれかに当選した場合、その小当りに対応したCZ継続回数を新たに設定しない構成とすることができる。これにより、「CZ」が4回継続すれば潜確状態下であることが明白となる、といった遊技性を作り出すことができる。
また本実施形態では、CZ継続回数4回未満で、潜確状態が明らかになる状況下を作り出すこともできる。たとえば、CZ中に2R短開放潜確大当りに当選し、「CZ(潜確)」移行後の1回目に小当りBに当選した場合、小当りB当選によるCZ継続回数‘2回’が再設定されると、CZ期間が「小当りBが当選したCZ期間1回+小当りB当選により再設定された2回」となり、本来の‘4回’よりも少ない‘3回’に短縮される。そして、このCZ期間が終了した後は、遊技状態がCZから潜確状態に移行され、後述の演出モードに関しては、潜確状態を確定的に報知する「潜確演出モード」に移行される。これにより、CZが4回継続しなくとも潜確状態が明白となりうるため、意外性に富んだ遊技性を作り出すことができる。なお既に説明したように、2R短開放潜確大当り当選時の遊技状態が「CZ(潜確)」である場合、その当り遊技後は潜確状態に移行されるので、演出モードに関しては、秘匿演出モードが終了され、潜確演出モードに格上げ移行されることになる。この場合もCZ継続回数4回未満で潜確状態が明らかになりうる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、各遊技状態下に対応する演出モード(演出状態)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、「通常状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常演出モード」、「潜確状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「潜確演出モード」、「CZ」滞在中はこれに関連する演出をなす「CZ演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」など、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。なお上記「CZ」に対応する「CZ演出モード」は、演出上、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とし、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす「秘匿演出モード」としての役割を果たす。本実施形態では、上記大当り抽選確率状態を秘匿状態とする「CZ演出モード」以外の演出モード下では、演出上、現在の遊技状態が確定的に報知されるようになっている。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド(たとえば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、時短終了コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)など)」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、たとえば「通常演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出:第1の背景演出)、「潜確演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)、「CZ演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)、「確変演出モード」下では季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)にそれぞれ切り替え制御される。
なお本実施形態の「CZ演出モード」は、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同じ演出モードであると説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、内部遊技状態に応じた、潜確状態(高確率状態:CZ(潜確))下における「本物のCZ演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態:CZ(通常))下における「ガセのCZ演出モード(第2の秘匿演出モード)」とを設け、これら演出モードに移行制御可能に構成しても良い。
具体的には、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘小当りに当選し、当該通常遊技状態が維持される場合には、その小当り遊技終了後に「CZ演出モード」のうち上記「ガセのCZ演出モード(低確)」に移行させ、他方、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘2R短開放潜確大当り’に当選し、潜確状態に移行される場合には、その2R潜確大当り遊技終了後に「CZ演出モード」のうち上記「本物のCZ演出モード(高確)」に移行制御可能な構成とすることができる。この場合、各演出モード下における演出に関しては、上記「本物のCZ演出モード」と上記「ガセのCZ演出モード」の双方の背景演出を同じにし(たとえば、双方ともに、季節‘秋’を連想させる背景演出)、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態としつつ、上記「本物のCZ演出モード」と上記「ガセのCZ演出モード)」とで、特定の演出の発生確率を異ならせるようにし、高確率状態であるか否かの推測要素を遊技者に与えることができるようになる(たとえば、上記「ガセのCZ演出モード」よりも「本物のCZ演出モード」の方が特定の演出(潜確状態の可能性がある旨を示唆または暗示させる、といった「潜確期待演出」)の発生確率を高める、といった形態があげられる)。このような潜確期待演出により、現在の内部遊技状態が潜確状態であるか否かの潜確期待感を遊技者に与え、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
(5−2.演出手段)
なお、パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段、スピーカ46などの音響発生装置、液晶表示装置36などの演出表示装置、第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、および第3の可動体役物(回転灯62)などの可動体役物、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、枠演出用ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い予告演出中の所定の操作有効期間)、操作不能状態(たとえば、枠演出用ボタン13の押下できないようにする)、または操作困難状態(たとえば、枠演出用ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
<6.予告演出>
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、上記演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。本実施形態の予告演出現出制御手段は、「変動パターン指定コマンド」および/または「装飾図柄指定コマンド」に含まれる情報(たとえば当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、特別停止図柄種別情報(当り種別情報)、特別図柄の変動時間情報など)に基づき、様々な予告演出を現出制御可能に構成されている。
斯様な予告演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものは、「リーチ演出」の他、たとえば「疑似連演出」、「先読み予告演出」、「ボタン予告演出」などがある。
上記「当り当選期待度」は、演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低に応じて変化する。具体的には、一のリーチ演出(たとえば、SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(6−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いこと(大当りの当選可能性がある旨)を遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示している、といった所謂「聴牌状態(リーチ図柄)」)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ演出(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’演出)が出現した場合に比べて、当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。たとえば、Nリーチは数十秒程度であるが、SPリーチは1分以上の演出時間を要するものもある。
また「リーチ演出」には、Nリーチを経由してからSPリーチへ、または一のSPリーチを経由してから、それよりも当り当選期待度が相対的に高い他のSPリーチへと段階的に発展するステップアップ的な「発展型リーチ演出(後述の図68の変動パターン1〜3参照)」、リーチ状態を経由しない非リーチ演出(通常変動)を現出させ、最終的に導出された結果(装飾図柄の組合せ)が大当りを示す停止表示態様となる「突然当りリーチ演出」、リーチ状態を経由し、またはこれを経由せずに、所定の変動時間、大当りを示す表示態様(当り表示態様)を保持したままで変動表示を行い、その変動表示を以って、大当り当選確定(当確)を予告してしまう、といったプレミアム的な「全回転リーチ演出」を含むことができる。
本実施形態のリーチ演出には、各遊技状態に応じて複数種類のリーチ演出が設けられている(図64、図65参照)。リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、通常状態中に係るリーチ種別間では「Nリーチ<SPリーチ1<SPリーチ2<・・・<SPリーチ6<SPリーチ7」の関係で、番号が大きくなるほど当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められている(他の遊技状態についても同様の関係としている)。なお、実際の当り当選期待度は、他の予告演出(たとえば、後述の疑似連演出や先読み予告演出など)が伴うか否かに応じて変化しうる。このため、たとえば、上記SPリーチ5が出現した場合であっても、当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記SPリーチ6と同等もしくはそれ以上の当り当選期待度となりうる。
リーチ演出が現出される場合、具体的には、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(リーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記リーチ状態(聴牌状態)形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル(リーチタイトル演出)中」と、そのリーチタイトル演出後に所定の演出時間幅で発生する「リーチ演出中」とを介して、リーチ演出の終了後に所定の演出時間幅で発生する装飾図柄の「図柄仮停止状態」が終了した後、ゲーム結果が導出表示され(装飾図柄の確定停止表示)、図柄変動表示ゲームが終了されるようになっている。
上記「リーチタイトル中」とは、リーチ状態形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル演出」の演出時間幅(たとえば、4秒)を指し、「リーチ演出中」とは上記リーチタイトル演出後に開始される「リーチ演出」の演出時間幅を指す。このリーチ演出の演出期間は、リーチ種別に応じた演出時間幅が設けられている。上記「リーチタイトル中」では、たとえば、今回発生するリーチ演出がどのようなリーチ演出であるかを予告するタイトル画面が表示され、そのタイトル画面が所定時間表示された後、対応するリーチ演出が実行(現出)される。
また上記「図柄仮停止状態」とは、リーチ演出が終了した後、今回の装飾図柄変動表示ゲームが終了される前段階(特別図柄が特別図柄表示装置に確定表示される前:後述の図14のステップS451における特別図柄役物動作タイマ経過前)において、所定時間(たとえば、3秒)、装飾図柄が仮停止している状態(図柄仮停止状態)を指す。演出上は、この図柄仮停止状態において、今回の図柄変動表示ゲームのゲーム結果が導出表示され、図柄仮停止状態の終了後に図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)が終了されることになる。ただし「図柄仮停止状態」において、必ずしも今回の図柄変動表示ゲームの結果が導出表示されるわけではない。たとえば、大当り抽選結果が当りの場合の「SPリーチ種別」を現出する場合、図柄仮停止状態において、ハズレを示す装飾図柄の組合せ(ハズレ停止表示態様)を一旦表示するが、最終的に大当りを示す装飾図柄の組合せ(当り停止表示態様)がゲーム結果として導出表示される場合がある(所謂「復活演出」)。これにより、リーチ演出が発生した際には、最終的なゲーム結果が導出表示されるまで、遊技者が当り当選期待感を抱くことができるようにし、遊技の面白みを向上させている。なお、上述した「図柄仮停止状態」は、後述の「疑似連演出」に係る装飾図柄の仮停止状態(装飾図柄の再変動表示動作前の図柄仮停止中)とは異なる。
上記Nリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「Nリーチ中(Nリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成され、SPリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「リーチタイトル中」と「SPリーチ中(SPリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成される。また発展型リーチ種別は、基本的には、第1のリーチ後、第2のリーチを実行する、といったように複数のリーチが順次現出される。
(6−2.疑似連演出(疑似連))
本実施形態では、「予告演出」の一態様として、疑似連演出(以下、「疑似連」と略す)が設けられている。
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態(見た目上、停止表示したかのように装う変動停止動作)とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているように表現する変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。
この疑似変動を行う場合には、たとえば、仮リーチ状態(リーチ状態の可能性がある旨を示唆したり、リーチ図柄が形成されるかの如く装ったりする変動表示態様)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したり、あるいは、通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませた図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したりすることができる。したがって、疑似連演出には、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、見た目上、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているかのように表現する演出態様の他、上述の「疑似連発動チャンス図柄」を利用して、疑似変動の発生可能性を遊技者に示唆しながら(疑似連の発生を遊技者が認識可能な演出態様で)、1または複数回の疑似変動が実行される演出態様を含むことができる。
斯様な「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数に応じて、当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(SPリーチ)の発生期待感を煽るための予告演出として利用される。つまり、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の発生が期待できるようになっている。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合には(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえば、リーチ演出の発生可能性がある旨や、特定のリーチ種別の発生可能性がある旨の予告として、1または複数回の疑似変動を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由して、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ演出を含まない演出シナリオの場合には(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由せずに、つまり通常変動が実行されて最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。ここで、上記疑似変動が終了した後に実行される変動表示動作を「本変動」とも称し、たとえば、リーチ状態を経由する場合には、この本変動にてリーチ演出が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ状態を経由しない場合には、この本変動にて通常変動が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。なお、疑似連とリーチ演出とが伴う演出態様の場合、それぞれ別の演出態様である‘疑似連’と‘リーチ演出’とが複合したものとなっているが、本明細書では特に必要のない限り、疑似連有りのリーチ演出を「リーチ演出」と同列に扱う。
ここで本実施形態の場合、図64、図65に示す変動パターン振分テーブルには、疑似連を指定しない変動パターンが表記されているが、通常変動種別、Nリーチ、またはSPリーチ種別(特定のリーチ種別(たとえば、通常中であれば、SPリーチ4〜7、時短中であれば、SPリーチ2〜3、確変中であれば、SPリーチ2〜3など)でも良い)には、1または複数回の疑似連を実行する疑似連有り変動パターンを含むことができる。たとえば、通常中SPリーチ1を例にとれば、通常中SPリーチ1種別には、「疑似N回+通常SPリーチ1(たとえば、N=2〜4)」といった複数種類の通常中SPリーチ1を含むことができる。本実施形態では、「疑似N回(N=2、3、4)」と表記する場合、疑似連と本変動を含めた一連の変動表示動作回数N回(疑似連回数)を意味する。たとえば、「疑似2+SPリーチ」と表記する場合は、「疑似変動1回+本変動のSPリーチ」、つまり疑似変動1回後、SPリーチを実行する、といった変動表示動作態様(疑似連2回)を意味する。同様に、「疑似3」または「疑似4」と表記する場合は、「疑似変動2回+本変動(たとえば、SPリーチやNリーチや通常変動)」または「疑似変動3回+本変動(たとえば、SPリーチやNリーチ)」といった変動表示動作態様を意味する。本明細書中では、説明の便宜上、疑似変動と本変動を含めた一連の変動表示動作回数を「疑似連回数」と称する場合がある。
上記疑似連有り変動パターンを含む場合、図64または図65に示す変動パターンテーブルにおいて、たとえば、通常中SPリーチ1に属する変動パターンとして、「通常中SPリーチ1(疑似連無し)」、「疑似2回+通常SPリーチ1(疑似2回の疑似連有りリーチ変動パターン)」、「疑似3回+通常SPリーチ1(疑似3回)」、および「疑似4回+通常SPリーチ1(疑似4回)」が定められている場合、その選択率を、当り当選期待度を考慮して適宜定めることができる。たとえば、疑似連回数が多くなるに従い、当選期待度が高まる点に着目し、ハズレのときの選択率を「疑似無し>疑似2>疑似3>疑似4」の関係とすることができる。また、大当り当選時にだけ選択される特別な疑似連有りリーチ変動パターン(たとえば、疑似5)を定めても良い。
(6−3.ボタン予告演出)
上記「ボタン予告演出」とは、遊技者が枠演出用ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る演出態様をいい、所謂「遊技者参加型」の演出態様をいう。たとえば、枠演出用ボタン13の操作に起因して、保留表示(保留色)や特定のキャラクタ画像が変化したり、特殊な効果音が発生したりする。「ボタン予告演出」では、枠演出用ボタン13の操作前後で演出を変化させることを利用して、当り当選期待度を示唆したり、所定の遊技情報を報知したりすることができる。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。ボタン予告演出では、枠演出用ボタン13の操作を促す「ボタン表示演出」を含み、このボタン表示演出中に枠演出用ボタン13が操作したか否かに応じて、その後に展開される演出内容を異ならせている。「ボタン表示演出」の演出時間幅は、基本的には、枠演出用ボタン13の操作有効期間(所定の入力受付有効期間)よりも長い時間幅または略同一の時間幅の演出時間(ボタン予告演出≧入力受付有効時間)を持たせてある。本実施形態では、後述の「ギミック連動ボタン予告」や「特殊保留変化予告」の一態様(後述の図57の第4演出例)が、広義には、この「ボタン予告演出」に属する演出態様となっている。
(6−4.先読み予告演出)
また予告演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、当りの当選可能性がある旨(当り当選期待度)を事前に報知する「先読み予告演出」がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる(図10のステップS317〜S318、図11のステップS337〜S338(乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図10のステップS323、図11のステップS343(始動口入賞時乱数判定処理)参照))。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、リーチ状態を経由するリーチ演出指定用のリーチ変動パターン(リーチ変動パターン)のうち、どのようなリーチ変動パターンとなるのか、それともリーチ状態を経由しない非リーチ演出指定用の通常変動パターン(通常変動パターン)のうち、どのような通常変動パターンとなるのかについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターン判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、上記先読み判定結果の情報を含む「保留加算コマンド」が主制御部20から演出制御部24に送信され、当該保留加算コマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる先読み判定結果の内容に基づく先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。この保留加算コマンドは2バイトで構成され、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト側のデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データとから構成される(図5A、図59参照)。したがって、保留加算コマンドには、作動保留球情報(特図種別情報(特図1、2の別)と作動保留球数情報)と先読み変動パターン情報とが含まれる。
ただし演出制御部24は、保留加算コマンドを受信した場合に必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行可否を抽選により決定し、先読み予告演出実行可と決定した場合には、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させることができる。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。これについて、たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「通常中SPリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。
このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「SPリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、たとえば、当り当選期待度に着目して、「SPリーチ1〜2」を「当り当選期待度が相対的に低い「弱SPリーチ演出」に属する変動パターン」として見た場合、その骨子である「弱SPリーチ」種別である旨を指定する、詳しくは、SPリーチ1〜2を‘弱SPリーチ’という同系統の変動パターンを纏めて分類した「弱SPリーチ」である旨を指定することができる。このケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「弱SPリーチ種別」に関連する演出態様が現出されることになる。
同様にして、当り当選期待度に着目して同系統の変動パターンを纏めて分類すれば、当その選期待度順に、「弱SPリーチ種別(たとえば、通常中SPリーチ1〜2)」、「中SPリーチ種別(たとえば、通常中SPリーチ3〜5)」、「強SPリーチ種別(通常中SPリーチ6〜7)のように分類することができる。このケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「弱SPリーチ種別」、「中SPリーチ種別」、「強SPリーチ種別」といった、骨子となるSPリーチ種別ごとに関連した演出態様が現出されることになる。
また、「SPリーチ1」に属する変動パターンが複数種類定められているケース、たとえば、「通常中SPリーチ1(疑似連無し)」、「疑似2回+通常SPリーチ1(疑似2回の疑似連有りリーチ変動パターン)」、「疑似3回+通常SPリーチ1(疑似3回)」、および「疑似3回+通常SPリーチ1(疑似4回)」などのように、疑似連回数は異なる複数種類のSPリーチ1が定められている場合は、それぞれ「SPリーチ1」種別という同系統の変動パターンとして纏めて分類することができる。このケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「SPリーチ1種別」に関連する演出態様が現出されることになる。
したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、当り当選期待度が高い煽り演出(本ケースでは、SPリーチ種別)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(6−5.先読み予告演出態様:図5A、図5B、図6)
次に図5A、図5B、図6を参照しながら、上記先読み予告演出態様について説明する。図5A、図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5Aを参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の実線)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。本実施形態の場合、各保留表示領域76、77における作動保留球の表示態様(形状、表示色など)は、いずれの特別図柄に対応した作動保留球であるかの識別が容易なものとするべく、それぞれ異なった保留表示態様としている。図示の例では、特別図柄1側に対応する保留表示領域76においては作動保留球を表示する形状が「丸形」であるのに対し、特別図柄2側に対応する保留表示領域77においてはその形状が「星形」となっている。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番右側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特別図柄1側に対応)、a2〜d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。図示では、特別図柄1の作動保留球が3個、特別図柄2の作動保留球が3個あるケースを示しており、作動保留球が存在する保留表示として、特別図柄1に対応して保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1が白丸印(実線)で表示され、特別図柄2に対応して保留表示領域77内の保留表示部a2〜c2が白星印(実線)で表示され、保留表示部d1、d2については非表示(図示では破線丸印、破線星印)となっている。なお、保留表示領域76と保留表示領域77の位置関係は適宜変更可能である。
これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記保留加算コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選した作動保留球が、先読み予告演出の対象とされる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部c1が該当する)。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色(通常保留色)から、予告表示の青色、黄色、緑色、赤色、または虹色などの特殊な保留表示(専用保留表示態様)の保留色(専用保留色)に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青、黄、緑、赤、虹色の表示は、この色の順に、当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。つまり、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、当り当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、たとえば、特殊なキャラクタを模したアイコンなどのように、当り当選期待度に関連した所定の色彩および模様またはその一方または形状による特殊な表示態様に変化させることができる(たとえば、図72(B)参照)。このように、保留表示態様を利用した予告演出を「保留変化予告」と称する。また上記のような「保留表示変化系」の先読み予告演出は、作動保留球の発生を契機としてなされることから「入賞時変化系」の先読み予告演出とも称される。
上記では作動保留球に関する保留表示(保留アイコン)について、保留変化予告が発生した場合、その変化後の当り当選期待度に関連した色彩および模様の少なくとも一方または形状による表示態様により、次のような遊技情報を報知することができる。たとえば、保留色を代表例にとり説明すれば、上述のように「白、青、黄、緑、赤、虹色」の順に当りの当選期待度が高いことを報知する他、保留色に応じて、リーチ演出の発生の可能性がある旨や(たとえば、保留色が青以上)、リーチ演出の発生が確定的である旨や(たとえば、保留色が黄色以上)、リーチ演出種別に関する情報(たとえば、保留色が黄色ならばNリーチ以上確定、緑色であればSPリーチ確定以上、赤色であればSPリーチ種別のうち、相対的に当り当選期待度が高いSPリーチ種別(SPリーチ6〜7など)確定)、疑似連の有無やその回数などを報知することができる。
また保留表示(保留アイコン)の表示態様が変化する場合、基本的には、当り当選期待度順に従って変化する。具体的には、当り当選期待度が低いことを表す表示態様から、それよりも当り当選期待度が高いことを表す表示態様に、段階的にステップアップ可能となっている。たとえば、1段階のステップアップの場合は、保留色が「白色→青色」、「青色→黄色」、「黄色→緑色」、「緑色→赤色」、といった具合にステップアップして変化する。ただし、必ずしも保留色が1段階分ステップアップするものに限らず、「青色→緑色」といったように2段階分、「白色→赤色」といったように4段階分ステップアップすることもできる(たとえば、後述の図71参照)。なお以下では、先読み予告演出により報知される所定の遊技情報(たとえば、当り当選期待度や上記したリーチ種別に関する情報や疑似連の有無やその回数など)を「特殊遊技情報」と称する。
(ゲーム実行中保留について)
また、保留表示領域76、77の右側には、現に図柄変動表示ゲームに供された作動保留球(以下「ゲーム実行中保留」と称する)、つまり図柄変動表示ゲームに供され、仕掛り中となった作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78には受座Jのアイコンが表示されており、この受座Jのアイコン上(ゲーム実行中表示領域K)に、ゲーム実行中保留のアイコン画像(保留アイコンK)が載る形の画像が表示されるようになっている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留アイコン(保留表示部a1の保留アイコンまたは保留表示部a2の保留アイコン)が、ゲーム実行中保留のアイコンとして、受座Jのアイコン上に移動し、その表示状態が所定の表示時間にわたり維持される。
なお、この保留アイコンKが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77での保留表示態様と同じ表示態様が維持され、今回の図柄変動表示ゲームに供された作動保留球を対象とした先読み予告(専用保留表示態様)が当該ゲーム中においても遊技者に報知可能となっている。ただし本実施形態では、ゲーム実行中保留が、保留表示領域76、77での保留表示態様とは異なる表示態様を現出可能となっている。たとえば、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、アイコンの表示色が変化したり、別の形状に変化したりするようになっている。たとえば、保留表示領域76、77に表示されていた保留表示態様よりも当り当選期待度が相対的に高い保留表示態様に変化する、所定の遊技情報(当り当選期待度や疑似連発生(疑似連回数)やリーチ演出(その種別))を示唆するキャラクタ画像やアイテム画像などに変化する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに関する当り当選期待度がより明確に報知され、図柄変動表示ゲーム中も、保留表示を利用した当り当選期待感を煽ることができるようになっている。なお本明細書中では、特に必要のない限り、上記「ゲーム実行中保留のアイコン」または「ゲーム実行中保留表示領域K」を区別することなく「ゲーム実行中保留K」と称する。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順に右側にシフト表示される)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる専用保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行し、単発的にまたは連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合に、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にする。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像(稲妻を模した予告画像365)や先読み予告専用の装飾図柄の組合せ(先読み停止装飾図柄)などを表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。
なお先読み予告演出に入賞時変化系と変動開始時変化系の先読み予告とを現出可能に構成した場合、入賞時変化系および変動開始時変化系の少なくともいずれか一方の先読み予告演出が現出可能(入賞時変化系と変動開始時変化系とがそれぞれ独立して現出可能)に構成することができる。たとえば(イ)入賞時変化系(保留表示変化系)だけを実行する、(ロ)変動開始時変化系(画像表示変化系)だけを実行する、(ハ)入賞時変化系と変動開始時変化系の双方を実行する、といった種々の実行形態とすることができる。本実施形態では、この(イ)〜(ハ)の形態を実行可能に構成されている。具体的には、先読み予告抽選により、入賞時変化系の先読み予告演出と、変動開始時変化系の先読み予告演出とが、それぞれ独立して抽選され、上記(イ)〜(ハ)のいずれの先読み予告演出を実行するか、それとも先読み予告演出自体を実行しないかを決定する。
したがって、「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らず、またその逆に、「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らない。また、入賞時変化系(保留表示変化系)」の先読み予告演出と「変動開始時変化系(画像表示変化系)」の先読み予告演出とが重複的に(同時に)発生することもある。
上記したように入賞時変化系の先読み予告演出と変動開始時変化系の先読み予告演出とがそれぞれ独立して現出可能に構成されている関係上、時系列的に先後する異なる作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に実行される場合がありうる。しかし、先読み予告演出中に新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に発生すると、現在発生中の先読み予告演出が、時系列的に先に発生した作動保留球(古い作動保留球)を対象とした先読み予告演出であるのか、それとも新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出であるのかが不明確になり、遊技者の混乱を招いたり、予告演出に係る期待度が不明確になったりする、といった問題を招く。そこで、たとえば、入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした変動開始時変化系(画像表示変化系)が現出(実行)されることを制限する、または変動開始時変化系の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした入賞時変化系が現出されることを制限するように構成しても良い。
(6−2.先読み予告演出態様例:図6)
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。
このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、今回の図柄変動表示ゲーム中に、当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ))が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。なお、同図(4)において、変動開始時変化系の稲妻演出が、今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了されると説明したが、当該ゲームは、先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームであることから、当該ゲームで稲妻演出を発生させる必要性に乏しい。したがって、先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームにおいて変動開始時変化系の稲妻演出を現出させない構成としても良い。この場合、変動開始時変化系の先読み予告演出は、入賞時変化系の「専用保留表示」の終了とともに終了される。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
(7.保留変化予告に属する演出系)
上記先読み予告演出の一態様として、保留表示態様を利用した「保留変化予告」があると説明したが、本実施形態では、次のような保留変化予告を現出可能に構成されている。本実施形態では、(A)単に、保留アイコンの表示態様を変化させる‘一般保留変化予告(通常の入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告)’と、(B)上記一般保留変化予告のように単に保留アイコンの表示態様を変化させるのではなく、ストーリー仕立ての演出シナリオを展開し、その演出結果として、保留アイコンの表示態様を変化させうる‘特殊保留変化予告(後述の図37〜図53B参照)’と、(C)特殊保留変化予告と同じくストーリー仕立ての演出シナリオを展開するが、専ら、枠演出用ボタン13の操作(ボタン予告演出)を介して保留アイコンの表示態様を変化させうる‘ギミック連動ボタン予告演出(後述の図54〜図58参照)’と、を現出可能に構成されている。
(6−3:保留表示領域76、77の別形態について:図5A、図5B)
図5Aでは、特別図柄1や特別図柄2についての作動保留球数に関する情報は、液晶表示装置36の画面下部において上下に設けられた保留表示領域76、77内にそれぞれ表示される例について説明した。しかしこれに限らず、図5Bに示すように、1つの保留表示領域76h内に、特別図柄1と特別図柄2の作動保留球数が直列的にまとめて表示されても良い。図5Bの例では、1つの保留表示領域76hには、最大8個の保留表示が可能なものを示している。
ここで、1つの保留表示領域76h内に、特別図柄1と特別図柄2に対応する2種類の作動保留球を表示する場合、それらを表示する並び順については、図柄変動表示ゲームに供される順(保留消化順)に表示されることが好ましい。図5B(A)(B)では、ゲーム実行中保留Kに近い側(右側)から、図柄変動表示ゲームに供される順(保留消化順)に表示されている。
図5B(A)の表示例では、特別図柄1の作動保留球と特別図柄2の作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、といった「優先変動機能」を有するパチンコ遊技機1に適した保留表示領域を例示したものである。この表示例では、優先変動側である特別図柄2の保留表示が、変動中表示領域78のゲーム実行中保留K(または受座J)に近い位置に常に表示される保留表示形態となっている。たとえば、次に消化予定の作動保留球が非優先変動側である特別図柄1の作動保留球である場合、その特別図柄1の保留アイコンは、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kに一番近い位置に表示されているが、この表示状態中に、新たな作動保留球として、優先変動側の特別図柄2の作動保留球が発生した場合は、その特別図柄2の保留アイコンを、特別図柄1の保留アイコンの表示位置とゲーム実行中保留Kとの間の保留表示部に割り込んで表示される、つまり、特別図柄1の保留アイコンが表示されていた表示位置に、新たに発生した特別図柄2の作動保留球に係る保留アイコンが割り込む形で表示され、特別図柄1の作動保留球の保留アイコンは、1つ左側にシフト表示される。
一方、図5B(B)は、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kに最も近い側から、特別図柄の種類に関係なく、記憶された順(入賞した順)に表示される例を示している。この表示例では、保留記憶された順(入賞した順)に作動保留球が順次消化される「非優先変動機能」を有するパチンコ遊技機1に適した保留表示領域を例示したものである。図5B(B)は、入賞した順に作動保留球が消化されることを遊技者に報知可能な保留表示形態となっている。
(7−1.特殊保留変化予告演出態様:図37〜図53B)
次に、液晶画面に表示される保留表示態様を利用した「特殊保留変化予告」について詳細に説明する。
ここで、特殊保留変化予告の理解を容易なものとするために、先ず、特殊保留変化予告の概要について説明しておく。「特殊保留変化予告」には、遊技者参加型演出である「ボタン予告演出」に属する演出態様(後述の図48、図49)と、遊技者非参加型演出である「通常の予告演出」に属する演出態様(後述の図37〜図47、図49〜図53B)とがある。前者の「ボタン予告演出」に属する特殊保留変化予告は、枠演出用ボタン13の操作を契機に保留表示(保留アイコン)を変化させうるものであり、後者の「通常の予告演出」に属する特殊保留変化予告は、ボタン予告演出は現出されず、演出時間の経過に従い、保留表示を変化させうるものとなっている。
具体的には、前者の「ボタン予告演出」に属する演出態様の場合は、特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、保留表示が一時的に秘匿状態となるといった「保留表示秘匿演出(秘匿演出)」が現出され、この秘匿演出中において、枠演出用ボタン13の操作を促す「ボタン予告演出」が所定の演出時間現出される。ボタン予告演出が現出してからの所定時間は、枠演出用ボタン13の入力受付有効期間(たとえば、3秒)として設定されており、この入力受付有効期間内に遊技者による操作が行われたか否かが監視される。この入力受付有効期間中(たとえば、3秒)に遊技者が枠演出用ボタン13を操作すると、上記秘匿状態が解除されて(秘匿演出の終了)、秘匿されていた保留表示態様が、ボタン操作前の表示態様(秘匿前の表示態様)とは異なる表示態様に変化した状態で再表示されうる(演出結果の導出)。この変化後の保留表示態様を以って、特殊遊技情報(当り当選期待度に関する情報やリーチ種別に関する情報などの所定の遊技情報)が遊技者に報知されるようになっている。
他方、後者の「通常の予告演出」に属する演出態様の場合は、遊技者非参加型演出のため、「ボタン予告演出」が現出されず、演出シナリオの進行に伴い、「秘匿演出開始→保留表示が秘匿状態となる→保留表示の秘匿状態が解除される(秘匿演出の終了)→保留表示態様の再表示される(演出結果の導出)」、といった演出シナリオが時系列的に展開されるようになっている。
上記特殊保留変化予告は、保留表示領域76、77の保留表示(保留表示部a1〜d1、a2〜d2)を主な対象とする予告演出であるが、変動表示中領域78のゲーム実行中保留Kも、その対象に含むことができる(後述の図38等参照)。特殊保留変化予告は、保留表示態様を利用した予告演出である、といった点で「保留変化予告」に属する先読み演出態様の一態様といえる。以下本明細書中では、特に必要のない限り、保留表示部a1〜d1、a2〜d2に係る保留アイコンと、ゲーム実行中保留Kのアイコンとを特に区別することなく、単に「保留表示」または「保留アイコン」と称する場合がある。
(特殊保留変化予告の実行契機(実行抽選契機))
なお、特殊保留変化予告の実行契機については、入賞時変化系の先読み予告演出(一般保留変化予告)のように、作動保留球(入賞)の発生を契機とするだけでなく、作動保留球発生時に所定の条件を満たしたときや(たとえば、作動保留球発生時に複数の保留表示が存在する場合、先に記憶された作動保留球を対象とした一般保留変化予告が予定されている場合など)、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング(たとえば、図柄変動表示ゲームの開始時(装飾図柄の変動開始時)、または上記リーチタイトル中、リーチ演出中、および図柄仮停止状態のうちいずれかの所定のタイミングなど)や、大当り遊技中の所定のタイミング(たとえば、特定のラウンド遊技開始時、特定のラウンド遊技中、特定のラウンド遊技終了時、エンディング演出開始時など)などの実行契機を設けることができる。ただし本実施形態の場合、特殊保留変化予告を実行する際には、特殊保留変化予告の実行に要する演出時間幅が確保されていることや(たとえば、実行中に複数の図柄変動表示ゲームを跨る場合や実行途中で大当り遊技開始されるなど、演出実行に支障がでない場合)、特殊保留変化予告の実行により他の予告演出を著しく阻害しないことなど、「適切な現出条件」が確保されていることを条件としている(これについては、図21のステップS601で後述する)。
(7−1.特殊保留変化予告演出態様:図37〜図53B)
次に、図37〜図53Bを参照しながら、上記した特殊保留変化予告の演出態様について説明する。図37〜図53Bは、本実施形態に係る特殊保留変化予告の演出態様の説明に供する説明図である。
上記特殊保留変化予告は、上記したように「保留変化予告」に属する先読み予告演出の一態様であり、現存する作動保留球に対応する保留表示態様(保留表示部a1〜d1、a2〜d2に表示される保留表示(保留アイコン))を利用する予告演出である。したがって、特殊保留変化予告は、先読み判定結果に関する情報(先読み当り判定および/または先読み変動パターン判定情報)に基づいて行われ、その演出結果として、作動保留球に関連した特殊遊技情報(当り当選期待度やリーチ種別など)を報知することが可能となっている。
ここで本実施形態に係る特殊保留変化予告では、保留表示部a1〜d1、a2〜d2に限らず、ゲーム実行中保留Kをもその演出対象としている(後述の図38参照)。このゲーム実行中保留Kは、現在実行中の図柄変動表示ゲームに係る保留アイコンとして表示されるものであるから、特殊保留変化予告による演出結果については、基本的には、先読み判定結果情報に基づくものではなく、変動開始時の変動パターン情報に基づいて行われ、変動開始時の大当り抽選結果に関連する情報(今回の図柄変動表示ゲームに係る当り当選期待度やリーチ種別に関する情報)が演出結果として現出されうる。勿論、ゲーム実行中保留Kについても、その入賞時に取得された保留データに基づく先読み判定結果情報を利用しても良い。
本実施形態に係る特殊保留変化予告は、ゲーム実行中保留Kをも予告対象としうる点で、単に、保留表示部a1〜d1、a2〜d2を演出対象とする「入賞時変化系」の保留変化予告演出(一般保留変化予告)に比べ、演出のバリエーションが多彩なものとなり、遊技の面白みを向上させている。なお、ゲーム実行中保留Kを含めた保留表示を特殊保留変化予告の対象とするか、ゲーム実行中保留Kを除く保留表示を特殊保留変化予告の対象とするかは、遊技性に応じて適宜定めることができる(たとえば、後述の第5演出例(図42)参照)。
以下、特殊保留変化予告について、図37〜図53B(第1〜第15演出例)を参照しながら説明する。図37〜図53Bは、特殊保留変化予告の説明に供する説明図である。
(第1の特殊保留変化予告演出態様:図37)
まず図37を参照して、特殊保留変化予告の第1演出例について説明する。図37は、特殊保留変化予告の第1演出例の説明に供する説明図である。なお図示の(A)〜(F)はこの順に時系列的な演出遷移状態を示している(図38〜図53A、図54〜図58も同様に図示の(A)から順に時系列的な演出遷移状態を示している)。
この第1演出例は、複数の作動保留球が記憶されている際、すなわち、複数の保留表示の表示されているときに特殊保留変化予告が発生した場合、その演出結果として、これら保留表示のうちのいずれか一つが他の保留表示態様(専用保留表示態様)に変化しうる、といった特殊保留変化予告演出態様を例示したものである。
詳しくは、この第1演出例では、複数の保留表示が表示されている場合、複数の保留表示が変化することを禁止して(重複的な保留変化予告の禁止)、所定の優先順位(優先保留変化順位)に基づいて変化対象となる保留表示を1つ選択して、複数の保留表示のうちのいずれか一つの保留表示の変化を許容するものとなっている。換言すれば、現存する複数の作動保留球(本実施形態では、ゲーム実行中保留Kを含む。以下、同様)のうちのいずれか一つを、保留変化の対象としている。ここでは上記「所定の優先順位」として、現存する作動保留球のうち、当り当選期待度が最も高い作動保留球に対応した保留表示(保留アイコン)を保留変化予告の対象とした例を示す。当り当選期待度の高低については、作動保留球に係る先読み変動パターンがいかなる内容であるか、ゲーム実行中保留Kであれば変動開始時に判定される変動パターンがいかなる内容であるかで判断される(たとえば、後述の図22〜図24、図70などを参照)。なお、すべての作動保留球の当り当選期待度が同一である場合には、抽選によりいずれか一つが保留変化予告の対象として決定されるようになっている。以下、図37を参照しながら、第1演出例について詳細に説明する。
まず図37(A)を参照して、同図(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものである。ここでは、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印の保留アイコン(保留画像)が表示されており、また、受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。つまり、現在、3つの特別図柄1の作動保留球が保留記憶されており、特別図柄1に対応する特別図柄変動表示ゲームが実行中(特別図柄1が変動表示動作中)のケースを示している。
次いで同図(B)に移り、特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、ゲーム実行中保留Kの右側に、キャラクタ画像として、てるてる坊主を模した「キャラクタ(てるてる坊主キャラクタ)L」と、兵器を模したアイテム画像として「大砲M」とが登場する「キャラ登場演出」が現出される。なお、キャラ登場演出で使用するキャラクタ演出画像については、複数種類のキャラクタ演出画像のうちからいずれかを選択した上で現出されるようになっている(後述の図26(キャラ演出態様抽選処理)、図73(現出キャラクタ抽選テーブル)参照)。たとえば、当り当選期待度の高低に関連した複数種類のキャラクタ演出画像のうちからいずれかを選択可能になっている(他の演出例においても同様)。本例では、所定のキャラクタ抽選により、後述の図73に示す「キャラクタA(+大砲M)」が選択されているケースを示している。このように、当り当選期待度に応じたキャラクタを登場させることにより、特殊保留変化予告の演出結果が導出される前段階において、当り当選期待度の推測要素を遊技者に与えることができ、遊技者の当り当選期待感を大きく煽ることができる。また登場キャラクタと特殊保留変化予告の演出結果とを併せて、現存する作動保留球に係る当り当選期待度の推測要素を遊技者に与えることができる。
次いで同図(C)に移り、演出シナリオが進行すると、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」が実行される。ここでは、そのアクション演出として、キャラクタLが大砲Mを操作して砲弾Nの発射から砲弾Nが着弾するまで過程を表現した演出(砲撃演出)シナリオが展開される。具体的には、キャラクタLが保留表示領域76内を砲弾Nの着弾点とするように大砲Mの発射角を操作し、その後、所定のタイミングで砲弾Nを発射する。そして発射された砲弾Nが保留表示領域76内に着弾する、といった画像表示演出が現出される。
(保留表示秘匿演出(保留アイコン(アイコン画像)秘匿演出))
次いで同図(D)に移り、発射された砲弾Nが保留表示領域76に着弾すると、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個を覆い隠すように爆煙Rが発生する様を表現した「爆煙演出」が現出される。この爆煙(爆煙画像)Rを伴う爆煙演出は、少なくとも現存する作動保留球に係る保留表示(保留アイコン)を秘匿状態とする「保留表示秘匿演出(以下、「秘匿演出」と称する)」として働く。図示のケースでは、保留表示領域76のうち、作動保留球が存在しない保留表示部d1を除く保留表示部a1〜c1の保留アイコン画像を、爆煙画像Rにより覆い隠すような演出態様を現出させ、以って、保留表示(保留アイコン)を秘匿する秘匿化状態(以下「秘匿状態」と称する)を現出させている。この秘匿状態は、一時的なものであり、所定の演出時間が経過すると、後述の開示演出(同図(E)参照)が実行され、秘匿されていた保留表示部が再表示されるようになっている。
ここで上記「秘匿状態」とは、演出上(演出的に)、少なくとも保留表示態様を判別困難(視認困難)または判別不能(視認不可能)な状態にすることを意味する。代表的な例としては、本実施形態のように、表示中の保留表示(保留アイコン画像自体)そのものを専用の秘匿画像(爆煙R)により判別不能な状態にしたり(図示では、作動保留球の有無自体も秘匿されるようになっている)、保留表示(保留アイコン)が複数表示中の場合には、一の保留アイコンと他の保留アイコンについて、保留色(色彩)、保留アイコンの形状、模様や絵柄などを同一または酷似する表示態様に変化させ、各保留表示態様の違いを判別困難または判別不能な状態に制御したりすることが挙げられる。
(現保留表示秘匿演出)
本実施形態の場合、保留表示を秘匿状態とする際には、図37(D)のように、秘匿対象から作動保留球が存在しない保留表示部(ここでは、保留表示部d1の保留アイコン表示領域)を除く保留表示部を秘匿状態としている(現保留表示秘匿演出)。その理由は、次の通りである。保留表示領域(76、77、76h)全体、または保留表示部(a1〜d1、a2〜d2:保留画像表示領域全体)を秘匿状態としてしまうと、秘匿状態中に新たな作動保留球が発生した場合には、その保留表示をも秘匿状態とされてしまう。このため、遊技者は、秘匿状態中に始動口に入賞して作動保留球が発生したのか、現在の作動保留球数がいくつあるのかなどについて認識できず、不安感を抱いてしまうからである。したがって本実施形態のように、秘匿対象から作動保留球が存在しない保留表示部(ここでは、保留表示部d1の保留アイコン表示領域)を除くことが好ましい。
(保留表示領域(全保留表示部)秘匿演出)
しかし、表示中の保留表示(保留アイコン)を秘匿状態とするだけでなく、後述の図53Bに示すように、未だ現出されていない保留表示(保留アイコン)も含めた保留表示部全体(全保留アイコン)を秘匿状態としても良い(保留表示領域(全保留表示部)秘匿演出)。図53Bでは、保留表示領域(76、77、または76h)全体、または少なくとも保留表示部(a1〜d1、a2〜d2:保留アイコン画像表示領域)全部を秘匿状態とした秘匿演出例を示している。この秘匿状態は、現在表示されている保留表示数をサーチ(検索)したり、その保留表示を対象とした画像処理を行うことなく、単に、保留表示領域全体、または保留表示部全体を一括して秘匿状態に制御するだけであるので、演出制御処理が簡易化できる点(演出制御処理の負担が軽減される点)で好適である。
(保留表示準秘匿演出)
また本実施形態では、爆煙Rにより、作動保留球の有無自体も秘匿されるようになっているが、作動保留球の有無自体は秘匿しない秘匿状態とすることができる(保留表示準秘匿演出)。たとえば、保留アイコンの保留色や形状などを秘匿状態にして保留表示態様の種別は判別不能にするが、保留アイコンの輪郭のみを表示して作動保留球の有無自体は判別可能とする、といった演出態様が挙げられる。この場合、秘匿演出中であっても、現在の作動保留球数を明確に報知することができる。このため、遊技者が「秘匿状態が発生すると、現在の作動保留球数が分からなくなる」といった不安感を受けることがなく、また特殊保留変化予告が今回の図柄変動表示ゲームと次ゲームの図柄変動表示ゲームとに跨って実行される場合や作動保留球が発生した場合に、作動保留球数の増減を知得することができるので、安心して演出を鑑賞することができる(他の演出例(第2〜第15演出例)についても同様)。
また秘匿対象ついては、保留表示領域(76、77、または76h)内の保留表示部の保留アイコンの他に、本実施形態のように、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kも含むことができる。この場合、保留変化の対象は、現在実行中の図柄変動表示ゲームに係るゲーム実行中保留K、およびこれから実行予定の図柄変動表示ゲームの作動保留球に係る保留表示となるので、特殊保留変化予告により報知されうる遊技情報は、現在実行中の図柄変動表示ゲームおよびこれから実行予定の図柄変動表示ゲームに関する特殊遊技情報が報知可能である。なお図37〜図53Bに示す各演出例では、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kおよび保留表示領域(76、77、または76h)の保留表示部の保留アイコンを秘匿対象(保留変化の対象)とした実施形態を例示しているが、未だ図柄変動表示ゲームに供されていない作動保留球を予告対象とするといった「純粋な先読み予告」という観点から、ゲーム実行中保留Kを、秘匿演出による秘匿対象から除外しても良い(他の演出例(第2〜第15演出例)についても同様)。
図37の説明に戻り、次いで同図(E)では、同図(D)の爆煙演出による秘匿状態が発生してから所定の時間経過した後(たとえば、数秒後)、爆煙演出(秘匿演出)が終了されて、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとが次第に(徐々に)明らかになっていく(再表示される)、といった「開示演出(保留再表示演出)」が実行される。ただし、ここでの開示演出は、秘匿状態となっている全保留表示(保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個とゲーム実行中保留K)が一斉にまたは略同一タイミングで開示される、といった具合に、全保留アイコン上を覆っていた爆煙Rが徐々に消えていき、秘匿されていた保留アイコンが一斉に明らかになっていく、といった演出態様(保留表示一斉開示演出)となっている。また既に説明したように、保留アイコンを開示する際には、重複的な保留表示の変化を禁止されるので、保留変化が生起する場合、所定の優先順位に基づき、各保留表示のうちいずれか一つの保留表示が、秘匿前の保留表示態様(たとえば、通常保留表示態様)から他の保留表示態様(専用保留表示態様)に変化した状態で再表示(開示)されることになる。
同図(E)は、開示演出の実行により、保留表示部b1の保留アイコンの表示色(保留色)が通常保留表示態様である「通常保留色(たとえば、白色)」から、専用保留表示態様である「専用保留色(たとえば、緑色)」に変化した状態で開示されるケースを示している。このとき、先読み予告対象となった保留表示がどれであるかということを報せる演出として、キャラクタLが「2番に命中!」といったメッセージPを発する「テロップ表示演出」も併せて実行されるようになっている。これにより、現存の3個の作動保留球(保留表示)のうち、変動予定の順番が2番目の作動保留球が先読み予告対象となったことが遊技者に報知されるとともに、当該2番目の作動保留球に係る図柄変動表示ゲームに関連する情報(先読み判定結果に関連する情報)、たとえば、当り当選期待度が相対的に高い旨やSPリーチが発生する可能性がある旨などの特殊遊技情報が事前報知されることになる(たとえば、表示態様に関連する後述の図71〜図72参照)。なお、上記テロップ表示演出による報知内容は、先読み予告対象となった作動保留球がどれであるかということを報知するものではなく、当り当選期待度やリーチ種別などの特殊遊技情報を報知するように構成しても良い。たとえば、メッセージPとして、「次の図柄変動表示ゲームは激熱だよ!」「3番目の保留は大当り当選確定だよ!」「3番目の保留の当り当選期待度は50%だよ!」などのメッセージをキャラクタLが発するテロップ表示演出が挙げられる。
ここで、すべての保留表示が開示されたときの保留表示態様が、必ずしも秘匿前の保留表示態様から変化するとは限らない。つまり、何ら保留変化が発生しない、といった一種の「ガセ演出」が含まれる。なお、このガセ演出については、後述する図38〜図58に示す保留変化予告演出についても同様である。
同図(F)に移り、上記開示演出が終了されると、キャラクタLと大砲Mとを非表示状態とし、特殊保留変化予告の終了を報知する「終了演出」が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる。
このように、第1演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示(保留表示領域の保留表示およびゲーム実行中保留K)を一旦秘匿状態とし、所定の時間経過後に、その秘匿状態を解除して、保留表示を開示状態とする。そして、保留表示を開示する際に、秘匿した保留表示のうち、いずれか1つの保留表示態様が、秘匿前とは異なる保留表示態様に変更された状態で開示されうる、といった演出形態である。この変更後の保留表示態様は、当り当選期待度の高低や変動パターン種別(たとえば、SPリーチ種別)に関連付けられたものであり、変更後の保留表示態様により、当り当選期待度や将来的に実行されるリーチ演出の内容などの所定の特殊遊技情報を事前報知することができるようになっている。なお、報知する特殊遊技情報については、遊技性に応じて、適宜定めることができる(図38〜図58についても同様)。
なお第1演出例では、保留表示態様として保留色が変化する例について説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保留アイコンの画像自体を変化させても良い(他の演出例(後述の第2〜第15演出例)についても同様)。具体的には、保留アイコンが通常よりも巨大化した保留アイコンに変化させても良いし(保留表示領域からはみ出すような巨大保留アイコンに変化させても良い)、丸印や星印とは異なる形状を有する保留アイコン(たとえば、矩形状や六角形状)に変化させても良いし、保留アイコンを他のアイコン画像(たとえば、キャラクタや乗り物の画像)に変化させても良い。これら変化後の保留アイコンを、当り当選期待度の高低や変動パターン種別(たとえば、リーチ種別)に関連付けることにより、将来的に実行される図柄変動表示ゲームや現在実行中の図柄変動表示ゲームにおける当り当選期待度やリーチ演出の内容などを事前報知することができる。
また上記特殊保留変化予告演出の開始タイミングについては、遊技性に応じて、種々のタイミングを設けることができる。たとえば、図柄変動表示ゲームに関連した開始タイミングとして、図柄変動表示ゲームの開始時、リーチ演出の開始時、リーチ演出中の所定のタイミング、リーチ演出開始前の所定のタイミング(たとえば、リーチ開始前に実行されるタイトル予告演出の実行開始時)などが挙げられる。また、一のリーチ演出後に他のリーチ演出に発展するような「発展型リーチ演出」の場合(たとえば、Nリーチ後、特定のSPリーチに発展するSPリーチ演出の場合:たとえば、図68の変動パターン1〜3に対応するリーチ演出を参照)、当該一のリーチ演出の終了を契機として、または当該他のリーチ演出の開始を契機として、特殊保留予告演出を実行することができる。このように、図柄変動表示ゲームに関連した開始タイミングを持たせることにより、「今回の図柄変動表示ゲームに付随して、保留変化予告が現出される」といった斬新性のある予告演出が現出可能となる。
また、当り遊技中に特殊保留変化予告を実行しても良い。当り遊技は、主に、オープニング演出期間、ラウンド遊技期間(1R〜最終R)、エンディング演出期間に区分されるが、各期間中の所定のタイミングまたは各期間の開始・終了を契機として、特殊保留変化予告を実行するように構成しても良い。当り遊技中に保留表示が変化すれば、現在の当り遊技による至福感の他に、その作動保留球に係る図柄変動表示ゲームにて当りとなる、所謂「保留内連チャン」が生起する可能性を示唆する連チャン期待感を遊技者に与えることができる。
斯様な特殊保留変化予告は、従来の先読み予告演出(一般保留変化予告)と次の点で大きく異なる。一般保留変化予告は、個々の保留表示を対象とした演出であり、表示中の保留表示すべてについて遊技者の注目を集めることはできなかった。これに対し、特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示を一旦秘匿状態としてから再表示したときに保留変化が発生しうるので、秘匿状態とされた保留表示すべてについて、遊技者の注目を一気に集めることができる。また、秘匿状態時の作動保留球(保留表示)が多ければ多いほど、保留変化の楽しみを遊技者に与えることができる。
また、ゲーム実行中保留Kをも予告対象とすることで、実行中の図柄変動表示ゲームの結果がどのような結果になるのか、または当り当選期待度がどれくらいのものなのか、あるいは、発展先となるリーチ種別はどのようなものなのか、といった今回の図柄変動表示ゲーム結果に関連する情報を先読み的に報知することができる。これにより、従来のような未消化の作動保留球だけを対象とした先読み予告演出よりも予告演出のバリエーションを多彩なものとすることができる。また図柄変動表示ゲーム中に現出される他の予告演出に加え、ゲーム実行中保留Kを対象とした特殊保留変化予告が発生すれば、図柄変動表示ゲーム中の演出を効果的に盛り上げることができるので、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
(第2の特殊保留変化予告演出態様:図38)
次に図38を参照して、特殊保留変化予告の第2演出例について説明する。この第2演出例は、複数の保留アイコンが専用保留表示態様に変化しうる、といったものである。この第2演出例は、「複数の保留表示が変化しうる」、つまり「複数の保留変化予告を許容する」といった点で、上記第1演出例のように重複的な保留変化予告を禁止して、一つの保留表示しか変化を許容しない形態とは異なる。なお以下では、上記第1演出例と同様の演出内容についての説明は重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
図38(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものであり、ここでは、第1演出例と同じケースを示している。
特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、同図(B)〜(D)に示すように、第1演出例と同じく、キャラクタLと大砲Mとが登場する「キャラ登場演出」、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」、および砲弾Nが保留表示領域76に着弾して爆煙Rが発生する「爆煙演出(秘匿演出)」が順次実行され、これにより、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとが秘匿状態とされる。
次いで同図(E)に移り、爆煙演出が終了されると、これまで爆煙Rにより秘匿状態とされていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとを開示(再表示)する開示演出が実行される。
この第2演出例(図38(E))と第1演出例(図37(E))との違いは、複数の保留表示を対象とする保留変化が許容される点である。ここでは、保留表示部b1の保留アイコンの表示色(保留色)が、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示されるとともに、ゲーム実行中保留Kの表示色も白色から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示されるケースを示している。このとき、キャラクタLが「当該実行保留と2番に命中!」といったメッセージPを発する「テロップ表示演出」も併せて実行されるようになっている。これにより、現在保留記憶されている3個の作動保留球(保留表示)のうち、変動予定の順番が2番目の作動保留球および現在実行中のゲーム実行中保留Kが先読み予告対象となったことが遊技者に報知されるとともに、当該2番目の作動保留球および現在実行中の図柄変動表示ゲームに関する特殊遊技情報が報知されることになる。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第2演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示(保留表示領域の保留表示およびゲーム実行中保留K)を一旦秘匿状態とし、所定の時間経過後に、その秘匿状態を一斉に解除して、保留表示を開示状態とする。そして、保留表示を開示する際に、秘匿した複数の保留表示のうち、秘匿前とは異なる保留表示態様に変更された状態で開示されうる。上記した第2演出例も第1演出例と同様の効果を奏することができる。さらに第2演出例では、複数の保留表示が専用保留表示態様に変化しうる、といった点で、その変化が1つなのか、それとも複数なのか、さらに全保留表示が変化するのか、といった様々な期待を遊技者に抱かせることができる。斯様な作用効果を奏する点は、第1演出例と大きく異なる点である。
(第3の特殊保留変化予告演出態様:図39〜図40)
次に図39および図40を参照して、特殊保留変化予告の第3演出例について説明する。この第3演出例は、上記第2演出例と同じく、複数の保留表示が表示されている際に、特殊保留変化予告により、これら保留表示のうちの少なくとも一つが専用保留表示態様に変化しうるといったものであるが、この第3演出例では、秘匿された複数の保留表示が開示される際の開示演出が第2演出例と異なる演出態様となっている。なお、この第3演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第2演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、第2演出例と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
図39(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものであり、ここでは、第2演出例と同じケースを示している。
図39において、特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、同図(B)〜(D)に示すように、第1演出例と同じく、キャラクタLと大砲Mとが登場する「キャラ登場演出」、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」、および砲弾Nが保留表示領域76に着弾して保留表示を覆うように爆煙Rが発生する「爆煙演出(秘匿演出)」が順次実行され、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとが秘匿状態とされる。
次いで同図(E)に移り、上記同図(D)の爆煙演出による秘匿状態が発生してから所定の時間経過した後(たとえば、数秒後)、爆煙演出が終了されて、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとの一部を再表示(開示)する開示演出が実行される。
この第3演出例に係る開示演出と第1〜第2演出例に係る開示演出との違いは、保留表示(保留アイコン)の秘匿状態を一斉に開示するのではなく、所定の優先順位に従い、優先順位の高い保留表示(保留アイコン)から一つずつ段階的(連続的)に開示していく点である(保留表示順次開示演出)。具体的には、保留アイコンを覆っていた爆煙Rを一部消失させることにより、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留アイコンを所定の優先順位に従い順次開示していき、最終的に、秘匿されていたすべての保留アイコンを開示する。なお、各保留表示の開示時間間隔は、一定(略一定)時間(所定時間)であっても良いし、全部または一部が異なっていても良い。ここでは、上記所定の優先順位として、最新の作動保留球に対応する保留表示から、作動保留球の新しく発生した順に従い保留表示を開示していくケース、具体的には「保留表示部c1→b1→a1→ゲーム実行中保留K」の順に開示していくケースを示す(たとえば、図79参照)。
詳しくは同図(E)を参照して、上記開示演出の実行により、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコンのうち、まず保留表示部c1の保留アイコン1個のみが開示される。しかし、その他の保留表示部a1、b1の保留アイコン2個と、ゲーム実行中保留Kとについては、未だ秘匿状態のまま維持される。なお本例では、所定の優先順位に従い保留表示(保留アイコン)を順次開示していく、といった関係上、テロップ表示演出については、開示された保留表示を対象としたメッセージPを発せられるようになっている。
初回(1回目)の開示においては、保留表示部c1の保留アイコンの表示色が通常の白色のまま維持されており、そして、キャラクタLが「3番はずれ!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。これにより、現在保留記憶されている作動保留球(保留表示)のうち、変動予定の順番が3番目の作動保留球が先読み予告対象となったが、対応する保留表示部c1の保留アイコンが通常保留色のまま変化しなかったことを遊技者に報知している。つまり、今回の開示による演出結果は、ガセの演出であったことが報知されたケースである。しかし、残りの保留表示部a1、b1の保留アイコン2個やゲーム実行中保留Kについては秘匿状態のまま維持されていることから、これらの保留アイコンは今後変化する可能性があり、遊技者の当り当選期待感を与えることができるようになっている。これにより遊技者は、次回の保留変化に期待を寄せることになり、当り当選期待感を持続させることができるようになっている。
上記保留表示部c1の保留アイコンの開示後(同図(E)参照)、さらに所定の演出時間(たとえば、1秒程度)が経過すると、時系列は図40(F)に移り、2回目の開示演出が実行されると、未だ爆煙Rにより秘匿状態となっている保留表示部a1〜b1の保留アイコンのうち、保留表示部b1の保留アイコン1個が開示され、その他の保留アイコンについては秘匿状態のまま維持される。
2回目の開示においては、保留表示部b1の保留アイコンの表示色が通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化し、そして、キャラクタLが「2番に命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。これにより、現在記憶されている作動保留球(保留表示)のうち、変動予定の順番が2番目の作動保留球が先読み予告対象となったこと、そして対応する保留表示部b1の保留アイコンが変化したことを遊技者に報知することができる。また残りの保留表示部a1の保留アイコン1個やゲーム実行中保留Kについては秘匿状態のまま維持されていることから、これらの保留アイコンは今後変化する可能性があり、遊技者の当り当選期待感などをさらに持続させることができる。
同図(F)以後(同図(G)〜(H))は、上記の同図(E)〜(F)で説明した演出内容と同じように、時間経過に従い、未だ爆煙Rにより秘匿状態となっている保留表示部a1とゲーム実行中保留Kとが順次開示されていくことになる(同図(G)〜(H))。
同図(G)は3回目の開示演出を示すものであり、今回の開示においては、保留表示部a1の保留アイコンの表示色が通常の白色のまま維持され(ガセの演出)、キャラクタLが「1番はずれ!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。
続く同図(H)は最終回(4回目)の開示演出を示すものであり、今回の開示においては、ゲーム実行中保留Kの表示色が通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、キャラクタLが「当該に命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。同図(H)では、ゲーム実行中保留Kが変化し、現在実行中の図柄変動表示ゲームにおいて、将来、特定のSPリーチの発生可能性がある旨や、当り当選期待度が高い可能性がある旨などの特殊遊技情報が報知される。
そして上記最終回の開示演出が終了されると、「終了演出」が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(I))。
このように、第3演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示を一旦秘匿状態とし、秘匿されている保留表示部の保留アイコンを所定の優先順位に従い、順番に開示するようになっている。この第3演出例も第2演出例と同様の効果を奏することができる。さらに第3演出例では、上記第1演出例や第2演出例のように秘匿状態を一斉に開示状態とするのではなく、秘匿状態を順次開示状態としていくため、開示演出が実行される度に、遊技者を一喜一憂させることができる。また、すべての保留表示部の保留アイコンが開示されるまで、特殊保留変化予告をじっくり鑑賞させることができ、遊技者をより一層楽しませることができる。
なお、保留表示(保留アイコン)の秘匿状態を開示していく際、本例のように、最新の作動保留球に対応する保留表示から古い作動保留球に対応する保留表示に向って順次開示するのではなく、別の順序で開示することができる(後述の図79参照)。たとえば、最も古い作動保留球に対応する保留表示から新しい作動保留球に対応する保留表示に向って順次開示するようにしても良い。図39〜図40の例にとれば、「ゲーム実行中保留K→保留表示部a1→保留表示部b2→保留表示部c2→保留表示部d2」の順に連続的に開示する。これにより、保留消化が時間的に早い方の保留表示を対象として当り当選期待度を順次報知することができる。なお仕掛り中の図柄変動表示ゲームの予告演出の方を遊技者に注視させるべく、保留表示部の保留表示のうち、最も古い作動保留球に対応する保留表示から順次開示し、ゲーム実行中保留Kを最後に開示しても良い。
また、各保留表示をランダムに開示しても良い。これにより、遊技者は「次はどの保留表示の当り当選期待度が示唆されるのであろうか?」といった期待感を遊技者に与えることができる。また他にも、当り当選期待度に応じて開示順序を定めても良い。たとえば、当り当選期待度が相対的に低い順に開示することができる。これにより、保留表示を開示する度に、遊技者の当り期待感を徐々に煽ることができる。また他にも、複数回開示する際に、保留表示を1つずつ開示するのではなく、開示する個数をランダム(たとえば、初回1個、次回2個など)に設定しても良い。この場合、変化対象となった保留表示が複数あれば、それを一斉に開示することができるので、インパクトのある開示演出を現出させることができる。なおこの第3演出例で説明した保留表示順次開示演出は、他の演出例についても適宜適用可能である。
(第4の特殊保留変化予告演出態様:図41)
次に図41を参照して、特殊保留変化予告の第4演出例について説明する。この第4演出例は、爆煙演出(秘匿演出)および/または開示演出において、当り当選期待度に関連した多種多用の画像表示が表示されうる演出態様となっている。なお、重複記載を避けるために、これまでに説明した特殊保留変化予告演出と同一の演出内容については説明を適宜省略する。また第4演出例以降の開示演出については、説明の便宜上、上記第1演出例や第2演出例で説明した「保留表示一斉開示演出」をベースに説明していく。
図41(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものであり、ここでは、第1演出例と同じケースを示している。
図41において、特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、同図(B)〜(D)に示すように、第1演出例と同じく、キャラクタLと大砲Mとが登場する「キャラ登場演出」、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」、および砲弾Nが保留表示領域76に着弾して保留表示を覆うように爆煙Rが発生する「爆煙演出(秘匿演出)」が順次実行され、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとが秘匿状態とされる。
ここで同図(C)の「アクション演出」は、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のアクション演出のうちから選択されたアクション演出が実行されるようになっている(たとえば、後述の図27、図74〜図75参照)。この第4演出例(図41(C))と、第1〜第3演出例(図37(C)、図38(C)、図39(C))との違いは、発射される砲弾Nの中に、「白色の通常砲弾(通常砲弾)N」だけではなく、当り当選期待度に関連した色彩および模様またはその一方または形状に表示態様が変化した「特殊な砲弾N」が混在している点である。
本例では、「白色の通常砲弾(通常砲弾)N」の他、着色された1または複数種類の「特殊な砲弾(専用砲弾)N」が発射可能な構成となっている。図示では、その一例として、最初に発射された砲弾から順に、赤色の専用砲弾N(黒に塗りつぶされた丸印)、白色の通常砲弾N(白色丸印)、緑色の専用砲弾N(ハッチングされた丸印)の計3種類の砲弾Nが発射されたケースを示している。この通常よりも期待度の高いものに変化した砲弾Nの出現は、開示されたときの保留表示(保留アイコン)が専用保留表示に変化するであろうことを予感させるものである。つまり、専用砲弾Nが発射されるケースでは、当り当選期待度の高い作動保留球が存在する可能性を示唆していることになる。
なお、砲弾Nの表示態様が直接的な当り当選期待度を示唆するものであっても良いが、保留変化期待度を示唆するものであっても良い(後述の図42、図46、図47、図55、図56についても同様)。混同してはならないのは、砲弾Nの形態は、間接的に当り当選期待度を示すものではあるが、必ずしも直接的な当り当選期待度を示すものではなく、あくまでも保留変化期待度を示唆する点である。つまり「保留変化期待度=当り当選期待度」とはならない。また、当選期待度によっては、すべての砲弾Nが通常の白色だけの場合もありうるし、着色されている場合もありうる。
上記砲弾Nの形態(たとえば、砲弾色)については、保留変化予告に利用される表示態様、たとえば、保留色と同様のものを利用し、その期待度順(白色<青色<黄色<緑色<赤色<虹色(保留変化確定))も同様なものとすることができる。このように、他の演出(砲弾N)で利用される色と保留変化予告で利用される保留色とを同様なものとすることにより、遊技者に対し、保留変化期待度や当り当選期待度を、より明確に報知することができる。また特殊保留変化予告の演出結果の推測要素を遊技者に与えることができ、開示演出に対する遊技者の期待感(ガセ演出ではなく、変化を望む期待感)を向上させることもできる。
また同図(D)については、「大砲Mから発射された砲弾Nが保留表示領域76に着弾して爆煙演出が発生し、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、変動中表示領域のゲーム実行中保留Kとが爆煙Rにより秘匿される秘匿状態とされる」といった点は他の演出例と同じである。しかし、この第4演出例が他の演出例と異なる点は、爆煙Rの演出態様が異なる点である。これについて以下、詳細に説明する。
第4演出例に係る「爆煙R」については、その表示色が第1〜第3演出例で示したケースとは異なり、通常の白色の爆煙Rではなく、所定の色に着色された特殊な爆煙R(第1の特殊爆煙演出)か、または「爆煙R」の演出に「所定の演出」が付随するといった「追加演出(第2の特殊爆煙演出)」が現出可能となっている(たとえば、図76、図78参照)。図示では、爆煙Rが青色(ハッチングされた色)で表示され、雷雲の中で雷(落雷画像)Sが発生している様を模した「落雷演出(雷画像表示演出)」が追加された特殊な爆煙Rが出現したケースを示している。
本実施形態に係る爆煙Rの色は、上述した砲弾Nの色種別と同様に、保留変化期待度または当り当選期待度を示唆している。たとえば爆煙Rの色については、当り当選期待度に関連する保留色と同様の期待度順(白色<青色<黄色<緑色<赤色<虹色(保留変化確定))とすることができる。また、爆煙Rが同色の場合において、落雷演出が付随しない場合と、落雷演出が付随した場合とでは、落雷演出が付随した場合の方、つまり追加演出が発生した場合の方が、保留変化期待度が相対的に高まるようになっている。このように、他の演出(爆煙R)で利用される色と保留変化予告で利用される保留色とを同様なものとすることにより、上述した砲弾Nのケースと同様に、遊技者に対し、保留変化期待度を分かり易く明示することができる。また特殊保留変化予告の演出結果の推測要素を遊技者に与えることができ、開示される際の開示演出に対する遊技者の保留変化期待感を向上させることができる。また爆煙Rについても、上述した砲弾Nと同様に、期待度によっては、すべての爆煙Rが通常の白色だけの場合もありうるし、着色されている場合もありうる。
なお、砲弾Nや爆煙Rの表示色については、保留変化期待度を示すものと説明したが、砲弾Nや爆煙Rの表示色が、当り当選期待度を示唆するものとしても良い。たとえば、赤色の砲弾Nが発射された場合、開示演出により保留アイコンが開示される場合には、砲弾Nと同色(赤色)の保留アイコンに着色される、といった構成とすることができる。この場合、砲弾Nの表示色が、開示演出において変化しうる保留色をそのまま示唆するものとなるので、砲弾Nの表示色を以って、直接的な当り当選期待度を示唆することができる。また砲弾Nの表示色が、保留アイコンの表示態様が如何なる表示態様に変化するかを示唆するものであっても良い。たとえば、赤色の砲弾Nの場合には、後述の同図(E)に示す当選期待度が高まる「ピラミッド(図72参照)」の形状(図柄)に変化しうることを示唆し、緑色の砲弾Nの場合には、保留アイコンが「ピラミッド」よりも当選期待度が低い「紋章(図72参照)」の形状に変化しうることを示唆する、といった構成とすることができる。
次いで同図(E)に移り、上記開示演出の実行により、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示(保留アイコン)が開示される。ここでは、ゲーム実行中保留K、保留表示部a1の保留アイコン、保留表示部b1の保留アイコン、保留表示部c1の保留アイコンが、それぞれ専用保留表示態様に変化した状態で開示され、またキャラクタLが「全てに命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。このケースは、現在保留記憶されている全ての保留表示部a1〜c1の保留アイコンと、ゲーム実行中保留Kの全ての保留アイコンが変化したケースである。ここでは、特殊なケースとして、すべての保留表示が変化したケースを説明したが、勿論、開示前後で保留表示が変化しない保留アイコンが存在するケースも含まれる。
なお、後述の図72に示すアイテム画像や文字情報を伴う保留アイコンは、保留色と同じく、専用保留表示態様の一形態であり、これらも当り当選期待度に関連付けられた保留アイコン画像の一つであり、アイコンが異なれば、当り当選期待度も異なるように定められている。このように、保留色だけでなく、保留アイコン自体が種々の表示態様に変化することより、特殊遊技情報が様々なパターンで報知されうるようになっている。
そして上記開示演出が終了されると、「終了演出」が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第4演出例に係る特殊保留変化予告では、上記第1〜第3演出例とは、異なる秘匿演出が実行されるケースとなっている。したがって、その作用効果も次のように異なる。第4演出例では、秘匿演出中に保留変化期待度を示唆することができるので、遊技者が「記憶されている保留表示の中に(ゲーム実行中保留Kを含む)、当り当選期待度が高いものが含まれているのでないか?」といった期待感を抱かせることができる。この点、第1演出例や第2演出例のように、秘匿演出中に何ら保留変化期待度を示唆しないものと比較し、特殊保留変化予告のバリエーションが多彩なものとなり、その面白みを向上させることができる。
(第5の特殊保留変化予告演出態様:図42)
次に図42を参照して、特殊保留変化予告の第5演出例について説明する。この第5演出例は、ゲーム実行中保留Kを含まないものとなっている。一般的なパチンコ機1として、第1〜第4演出例に示したような、作動保留球に係る保留表示と同じように、図柄変動表示ゲームに供された後もゲーム実行中保留Kとして保留アイコンを表示し続けるパチンコ機1と、これとは異なり、図柄変動表示ゲームに供される際、保留が消化された旨を報知する「保留消化演出」を実行し、その後にゲーム実行中保留Kのような保留アイコンは表示しないパチンコ機1(保留消化演出自体を実行せずに単に保留表示のシフト表示を行うようなパチンコ機1を含む)とが知られている。以下では、その変動開始後に保留表示が非表示となるパチンコ機1にも特殊保留変化予告を適用する例について説明する。なお、第5演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第4演出例をベースにして説明する。また、重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
同図(A)において、保留表示領域76内の保留表示部a1〜d1にそれぞれ白丸印の保留アイコン(保留画像)が表示されており、4つの特別図柄1の作動保留球が記憶されているケースを示している。また同図(A)では、特別図柄の変動表示が開始されたことに連動して、各保留アイコンが次の表示位置にシフトするシフト演出が実行される。具体的には、保留表示部a1の白丸印の保留アイコンが変動中表示領域の受座Jのアイコン上に、保留表示部b1の白丸印の保留アイコンが保留表示部a1に、保留表示部c1の白丸印の保留アイコンが保留表示部b1に、保留表示部d1の白丸印の保留アイコンが保留表示部c1に、それぞれシフト表示する。なお、このシフト表示に連動して、最古の作動保留球が消化されることに伴い、図柄変動表示ゲームが開始される。
次いで同図(B)に移り、まず、今回の図柄変動表示ゲームに供された作動保留球に着目して、当該作動保留球に係る保留表示については、これが受座Jのアイコン上にゲーム実行中保留Kとして、保留アイコンが移動するシフト表示が実行され、その後は、受座J上に載ったゲーム実行中保留Kのアイコン画像が下部の「穴」に落下する様を模した「保留消化演出」が実行されるようになっている(同図(C)の破線K)。これにより、ゲーム実行中保留Kが非表示とされ、作動保留球(保留表示)が消費されたということを遊技者に認識させるようになっている。
また特殊保留変化予告については、同図(B)に示すように、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」が実行され、次いで同図(C)に移り、ゲーム中実行保留Kの表示領域を除くように、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個が爆煙Rにより秘匿状態とされる「爆煙演出(秘匿演出)」が実行される。ここでは、上記保留消化演出が実行されるとともに、第4演出例と同じように、保留表示領域76に向かい大砲Mから複数の砲弾Nを発射するアクション演出が実行されるケースを示している。
次いで同図(D)に移り、発射された複数の砲弾Nが保留表示領域76に着弾すると、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個を爆煙Rにより秘匿される秘匿演出が実行される。その後、第4演出例と同様に、同図(E)〜(F)を通じて一連の保留変化予告演出が実行されることとなる。
第5演出例では、ゲーム中実行保留Kの表示領域を除くように、秘匿演出が実行されるようになっている。これにより、遊技者に保留表示がシフトするシフト表示演出や、作動保留球が消化される保留消化演出を明確化することができる。なお本例では、ゲーム中実行保留Kが非表示とされるパチンコ機1について説明したが、ゲーム中実行保留Kが表示されるパチンコ遊技機1においても適用可能である。この場合、ゲーム中実行保留Kの表示領域を除くように、秘匿演出を実行可能に構成すれば良い。つまりゲーム実行中保留Kが非表示とされる点や、ゲーム実行中保留Kを秘匿演出から除外させる点については、他の演出例(第1演出例〜第4演出例、第6演出例〜第15演出例)にも適用可能である。
(第6の特殊保留変化予告演出態様:図43)
次に図43を参照して、特殊保留変化予告の第6演出例について説明する。この第6演出例は、当り当選期待度について、保留表示を種々の表示態様に変化させることで当り当選期待度を間接的に示唆するのではなく、数値を以って表示することで、その当り当選期待度を直接的に報知(示唆)するといったものである。なお、この第6演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第1演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
図43(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものであり、ここでは、第1演出例と同じケースを示している。
図43において、特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、同図(B)〜(D)に示すように、第1演出例と同じく、キャラクタLと大砲Mとが登場する「キャラ登場演出」、キャラクタLと大砲Mとによる「アクション演出」、および砲弾Nが保留表示領域76に着弾して保留表示を覆うように爆煙Rが発生する「爆煙演出(秘匿演出)」が順次実行され、保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとが秘匿状態とされる。
次いで同図(E)に移り、爆煙演出が終了されると、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kを開示する開示演出が実行される。
この第6演出例に係る開示演出(図43(E))と第1〜5演出例に係る開示演出(たとえば、図37(E)や図38(E)など)との違いは、保留変化が生じるのではなく、当り当選期待度を示唆する「数値(数値画像)」が、各保留表示(保留アイコン)に対応して表示される点である(数値表示演出)。ここでは、ゲーム実行中保留Kの上部に「10%」と表記されたメッセージ画像Q1、保留表示部a1の保留アイコンの上部に「0%」と表記されたメッセージ画像Q2、保留表示部b1の保留アイコンの上部に「80%」と表記されたメッセージ画像Q3、保留表示部c1の保留アイコンの上部に「20%」と表記されたメッセージ画像Q4が表示されるケースを示している。また、キャラクタLが「全てに命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出も併せて実行されるようになっている。上記数値表示演出による「数値」については、正確な当り当選期待度であっても良いし、概算値であっても良い。また変動パターン種別に対応してあらかじめ定めた期待度であっても良い。たとえば、ハズレ変動パターンのうち、通常変動種別は1%、Nリーチ種別は5%、通常中SPリーチ1、2・・・6、7は、10%、20%、・・60%、70%、時短中(確変中)SPリーチ1、2、3は20%、30%、50%といった具合に定めることができる。
また上記数値表示演出による「数値」表示は、表示対象となった作動保留球が図柄変動表示ゲームに供されるまで表示し続けても良い。しかし、数値表示を長時間表示すると、遊技者の中にはこれを煩わしく感じる遊技者も多いことから、所定の時間(たとえば、3秒)が経過したときに表示を終了させることが好ましい。
なお、全ての保留表示(保留アイコン)に対して数値表示演出を実行させずに、一部の保留表示を対象に上記「数値表示演出」を実行することができる。たとえば、秘匿状態とした保留表示のうち、当選期待度が相対的に高い1または複数の保留表示を対象に、または当選期待度が最も低い保留表示以外の保留表示を対象に、または所定の当り当選期待度以上を持つ保留表示を対象に、あるいは、当選期待度が最も高い保留アイコンを対象に、数値表示演出を実行することができる。この場合、数値表示演出の対象となった保留表示については通常の表示とは異なる表示態様、たとえば「数値」の表示を通常よりも大きくしたり、文字表示のフォントを通常とは異なるフォントにしたり、吹き出し形状を異ならせたりすることで、当り当選期待度を強調することが好ましい。このようにすれば、当り当選期待度が強調して表示されるので、遊技者の関心を大いに集めることができる。
また、複数の保留表示を対象に数値表示演出を実行する場合、その数値に関連付けた保留表示態様としても良い。たとえば、当り当選期待度を表す数値に関連付けた保留表示態様を現出させても良い。たとえば、第1の数値未満の保留表示は、通常保留色の白色のまま表示し、第1の数値以上の保留表示は専用保留色に変化させて表示することができる。なお、変化後の保留表示態様は、対応する作動保留球が消化されるまで維持しても良い。この場合、数値表示が消えても当該保留表示態様により、当り当選期待度を報知し続けることができる。
次いで、上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第6演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示を一旦秘匿状態とし、保留表示を開示した際には、当り当選期待度を示唆する「数値(数値画像)」が、各保留表示(保留アイコン)に対応して表示されるようになっている。これにより、現在実行中の図柄変動表示ゲームや、これらか予定されている図柄変動表示ゲームに対する当り当選期待度を遊技者に認識させることができる。特に、当り当選期待度が高い数値が表示された場合は、これからの演出の展開などに一層の注目を集めることができる。なお第6演出例における最終的に数値表示(数値表示演出)を実行する点については、他の演出例にも適用可能である。
(第7の特殊保留変化予告演出態様:図44〜図45)
次に図44および図45を参照して、特殊保留変化予告の第7演出例について説明する。この第7演出例は、上記第1〜第6演出例のように秘匿演出と開示演出とが1回だけ実行されるのではなく、秘匿演出と開示演出とが複数回繰り返し実行されるケースを示したものである(後述の図74(2回〜4回の記載)参照)。なお、第7演出例では、秘匿演出と開示演出とが複数回実行される例として、秘匿演出と開示演出とが3回繰り返される演出例について説明する。また初回の秘匿演出と開示演出とについては上記第2演出例をベースにして説明し(図44)、次回および次々回の秘匿演出と開示演出とについては上記第4演出例をベースにして説明する(図45)。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容については、重複記載を避けるために、その説明を適宜省略する。
第7演出例における図44(A)〜(F)までの演出内容で第2演出例と異なる点は、同図(E)と同図(F)の演出内容となっている。この点に着目して、第7演出例について説明する。
同図(E)を参照して、ここでは、初回(1回目)の爆煙演出(秘匿演出)が終了され、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとを開示する開示演出が実行される。ここでは、全ての保留表示部の保留アイコンとゲーム実行中保留Kの各表示色が、秘匿前と同じ通常の白色(通常保留色)の状態のままで開示されるケース(ガセ演出のケース)を示している。またここでは、秘匿演出と開示演出とが複数回実行されるといった関係上、キャラクタLによるテロップ表示演出については、たとえば「まだまだ続くよ!」といったように、再度、秘匿演出が開始される旨を報知するテロップ表示演出が実行されるようになっている。これにより、初回の秘匿演出と開示演出が終了された際には、現在記憶されている作動保留球(保留表示)のうち、いずれの作動保留球が先読み予告対象となったのか、さらに秘匿演出が開始されて、保留アイコンが変化する可能性があることを遊技者に報知できるようになっている。
そして同図(F)に移行し、再度(2回目)、キャラクタLが大砲Mから砲弾Nを発射するアクション演出が実行され、次いで図45(G)に移行し、発射された砲弾Nが保留表示領域76に再度着弾して爆煙演出(秘匿演出)が発生し、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、変動中表示領域のゲーム実行中保留Kが爆煙Rにより秘匿状態とされる。本例では、初回において変化した保留表示についても、再度、秘匿されるようになっている。
次いで同図(H)に移り、上記2回目の爆煙演出(秘匿演出)が終了されて、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとを開示する開示演出が実行される。ここでは、2回目の開示演出により、新たに保留変化が生じたケースを示し、具体的には、前回変化のなかった保留表示部b1の保留アイコンの表示色が通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、またキャラクタLが、再度、秘匿演出が開始される旨、たとえば「命中!さらにもう一発!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。これにより、予告対象となった作動保留球に関する情報と、次回も秘匿演出および開示演出が実行される旨と、さらに次回の開示演出において保留アイコンが変化する可能性がある旨とを遊技者に報知することができる。
次いで同図(I)〜(J)に移り、ここでは最終回のアクション演出(ここでは、2回目と同様のアクション演出)が実行され、続いて、爆煙演出(秘匿演出)が実行される。なお、最終回となる今回の爆煙演出では、保留表示部b1に向けて落雷が発生している様を模した「指向性落雷演出(追加演出の一態様)」が実行されているケースを示している(同図(J))。この「指向性落雷演出」とは、保留表示態様が変化する可能性が高いことを示唆する演出であり、その落雷画像(図示の雷S)が位置する保留アイコン、または落雷画像が指し示す保留アイコンが、当り当選期待度が相対的に高い保留表示態様(高期待度保留表示態様:以下「高期待度保留アイコン」と称する)の可能性がある旨、または開示時に、高期待度保留アイコンに変化される可能性がある旨を示唆する演出として利用される。
図示では、保留表示部b1を対象として落雷画像が発生しており、保留表示部b1の保留アイコンに係る保留変化期待度が他の保留アイコンよりも相対的に高いことが報知されることになる。秘匿演出中において、このような落雷演出(追加演出)が発生することにより、保留変化期待度を報知することができる。これにより、特定の保留表示部に遊技者の注目を集めることができ、開示演出前において、遊技者の保留変化期待感を大きく盛り上げることができる。
次いで同図(K)に移り、上記同図(J)の爆煙演出(ここでは、追加演出のある特殊爆煙演出)が終了されて、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kが再度開示される開示演出(最終回(3回目))が実行される。
ここでは、保留表示部b1の保留アイコンが、専用保留色の「緑色」から、異なる形状の保留アイコン(たとえば、「太陽」)に変化した状態(当り当選期待度上昇)で開示されたケースを示している。図示では、秘匿前の専用保留表示態様が、さらに当り当選期待度が高まる他の専用保留表示態様として、高期待度保留アイコンにステップアップした例を示している。このように、高期待度保留アイコンに変化する場合には、その保留アイコン(ここでは、次々回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球)が、特に当り当選期待度が高いことを報知するべく、期待感を大きく煽るテロップ表示演出が現出されるようになっている。なお、保留アイコンが「虹色」などのプレミアム保留に変化する場合には、テロップ表示演出として、「次々変動は当確だよ!」や「次々変動はドル箱を用意だよ!」など、将来の図柄変動表示ゲームのゲーム結果を確定的に報知するメッセージPが表示されうる。
そして、最終回(3回目)の開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(K))。
このように、第7演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示に対して、複数回にわたり秘匿演出(秘匿状態)および開示演出(開示状態)を繰り返し実行している。これにより、初回から最終回までの各開示演出ごとに遊技者を一喜一憂させることができる。
(第8の特殊保留変化予告演出態様:図46)
次に図46を参照して、特殊保留変化予告の第8演出例について説明する。この第8演出例は、優先変動機能を有するパチンコ機1において、優先変動側(優先消化側)の特別図柄に作動保留球が存在する場合、その優先変動側の特別図柄に対応した保留表示を対象に、特殊保留変化予告を優先的に実行するといったものである。本実施形態では、特別図柄1の作動保留球と特別図柄2の作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている(優先変動機能:図9の「特別図柄変動開始処理」参照)。この点に着目し、この第8演出例では、特別図柄1の作動保留球と特別図柄2の作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合(特別図柄2の作動保留球だけが存在する場合を含む)、非優先変動側の特別図柄1については特殊保留変化予告の実行を禁止し、優先変動側の特別図柄2の保留表示を予告対象とするケースについて説明する。なお、重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
図46では、遊技状態が高ベース遊技状態(電サポ有り状態)を伴う遊技状態(たとえば、確変状態や時短状態)のように、特別図柄2の作動保留球が保留記憶されやすい遊技状態を想定している。
同図(A)は、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものである。ここでは、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印の保留アイコンが表示され、保留表示領域77内の保留表示部a2〜c2にそれぞれ白星印の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白星印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。つまり、現在、3つの特別図柄1の作動保留球と、3つの特別図柄2の作動保留球とが保留記憶されており、特別図柄2に対応する特別図柄変動表示ゲームが実行中(特別図柄2が変動表示動作中)のケースを示している。
次いで同図(B)に移り、特殊保留変化予告が開始されると、ゲーム実行中保留Kの右側に、魔法の杖M2を持った魔法使い(キャラクタ)を表現したキャラクタL2が現出する「キャラ登場演出」が実行される。ここでは、第1〜第7演出例とは異なるキャラクタが選択されたケースを示している(後述の図73参照)。この魔法使いのキャラクタL2は、第1〜第7演出例のキャラクタ(てるてる坊主キャラクタ)Lよりも、今回の特殊保留変化予告対象となる現存の作動保留球およびゲーム実行中保留Kの少なくともいずれか一つに、当り当選期待度または保留変化期待度が相対的に高いものが存在することを示唆しうるキャラクタとなっている。したがって、この魔法使いのキャラクタが出現した時点で、遊技者は、今回の特殊保留変化予告の演出結果に大きな期待を寄せることになる。
次いで同図(C)に移り、演出シナリオが進行すると、キャラクタL2と魔法の杖M2とによる「アクション演出」が実行される。ここでは、魔法使いのキャラクタL2が、魔法の杖M2を振りかざしながら呪文を詠唱し、魔法の杖M2から火炎魔法(火炎弾N2)を放たれ、その火炎弾N2が着弾する過程を表現した演出(魔法演出)シナリオが展開される。具体的には、キャラクタL2が、魔法の杖M2を振りかざしながら呪文を詠唱した後、キャラクタL2が魔法の杖M2を振りかざすとともに、魔法の杖M2の矛先から火炎弾N2が放たれ、その火炎弾N2が保留表示領域77内に着弾する、といったストーリー仕立て(物語風)の画像表示演出が現出される。
次いで同図(D)に移り、魔法の杖M2から放たれた火炎弾N2が保留表示領域77に着弾すると、上記第1演出例などと同じ働きをする「爆煙演出(秘匿演出)」が発生して、保留表示部a2〜c2に表示されている保留アイコン3個と、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kが爆煙Rにより秘匿状態とされる。しかしながら、特別図柄1の保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個については、爆煙Rにより秘匿状態とはされない。したがって、優先変動側の特別図柄2に係る保留表示が今回の特殊保留予告演出の対象となり、非優先変動側の特別図柄1の保留表示については今回の特殊保留変化予告演出の対象とはならないことになる。また本例では、特別図柄2に対応したゲーム実行中保留Kが存在するケースを説明しているので、このゲーム実行中保留Kを秘匿状態とするが、秘匿状態時にゲーム実行中保留Kが特別図柄1に対応したものである場合には、これを秘匿状態とはしない。つまり、遊技状態が高ベース遊技状態(電サポ有り状態)を伴う遊技状態の場合には、あくまでも特別図柄2に対応した保留表示を対象に秘匿演出が実行されることになる。
次いで同図(E)に移り、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a2〜c2の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとを開示する開示演出が実行される。ここでは、保留表示部c2の保留アイコンの表示色が、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、赤色)に変化した状態で開示され、ゲーム実行中保留Kの表示色が、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、キャラクタL2が「命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第8演出例に係る特殊保留変化予告では、現存する全ての保留表示ではなく、優先変動側の特別図柄2の作動保留球が存在する場合には、当該特別図柄2の保留表示だけを予告対象としている。これにより、優先的に実行される図柄変動表示ゲーム側の保留表示について保留変化予告を発生させることができるので、遊技進行上、違和感なく保留変化予告を発生させることができる。なお詳細は後述するが、本実施形態では、遊技状態に応じて、特別図柄1側または特別図柄2側の先読み予告を禁止するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合には、特別図柄1の作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特別図柄1の作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった観点から、特別図柄1側の先読み判定を禁止している(後述の図10のステップS316参照)。このため、特別図柄2の作動保留球が発生し易い「高ベース遊技状態」である場合に特別図柄2側を対象とした特殊保留変化予告を許容する一方、特別図柄1側を対象とした特殊保留変化予告を禁止することで、制御負担を軽減することができるといった利点もある。
しかし上記のような問題が生じることがない場合、または優先変動機能を有しないパチンコ遊技機1の場合には、次の第9演出例のように構成することができる。これについて、図47を参照しながら詳細に説明する。
(第9の特殊保留変化予告演出態様:図47)
次に図47を参照して、特殊保留変化予告の第9演出例について説明する。この第9演出例は、優先変動機能を有しないパチンコ機1、つまり保留記憶の発生順(保留記憶(入賞)順)に作動保留球を順次消化していくタイプ(最も古く記憶された作動保留球が先に図柄変動表示ゲームに供される)のパチンコ遊技機1において、特別図柄1の作動保留球と特別図柄2の作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合に、特殊保留変化予告を実行するケースを示したものである。
同図(A)では、特殊保留変化予告が現出される前の液晶表示装置36の表示態様を示したものである。ここでは、保留表示領域76hの保留表示部a1〜c1、a2〜d2に特別図柄種別に応じた保留アイコンがそれぞれ表示されており、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。つまり、現在、3つの特別図柄1の作動保留球と、4つの特別図柄2の作動保留球とが保留記憶されており、さらに特別図柄2に対応する特別図柄変動表示ゲームが実行中(特別図柄2が変動表示動作中)のケースを示している。
特殊保留変化予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、同図(B)〜(D)に示すように、第8演出例と同じく、「キャラ登場演出」、キャラクタL2と魔法の杖M2とによる「アクション演出」、および火炎弾N2が保留表示領域76に着弾して保留表示を秘匿状態とする「爆煙演出(秘匿演出)」が順次実行される。
この第9演出例(図47(D))と第8演出例(図46(D))との違いは、保留表示領域76hにおいて、作動保留球の無い保留表示部d1を除き、保留表示部a1〜c1および保留表示部a2〜d2が秘匿状態とされ、さらに特別図柄種別にかかわらず変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kが秘匿状態とされる点である。本例では、作動保留球を入賞順に順次消化していくタイプを対象としたものであるから、特別図柄1、2にかかわらず、現存する保留表示全体を秘匿状態とする。これにより、全ての保留表示が秘匿状態とされたことを遊技者に認識させるとともに、開示演出が実行された際には、少なくとも現存する作動保留球全部に対して保留変化の期待感を与えることができるようになっている。
同図(E)に移り、上記同図(D)の爆煙演出(秘匿演出)が終了すると、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、保留表示部a2〜d2の保留アイコン4個と、ゲーム実行中保留Kとを開示する開示演出が実行される。ここでは、保留表示部b2、a1の保留アイコンの表示色が、それぞれ通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態(同色保留変化)で開示され、キャラクタL2が「命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。本例では、現存する特別図柄1および特別図柄2の作動保留球に関連した特殊遊技情報が一斉に報知させることができる。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第9演出例の特殊保留変化予告演出では、特別図柄の種類に関係なく、特殊保留変化予告を実行しているので、優先変動機能を有しないパチンコ機1に好適である。またその作用効果も上記した第1〜第7演出例と同様の作用効果を奏することができる。また本例の秘匿演出を他の演出例に適用しても良い。
(第10の特殊保留変化予告演出態様:図48および図49)
次に図48および図49を参照して、特殊保留変化予告の第10演出例について説明する。この第10演出例は、遊技者参加型の「ボタン予告演出」を含む演出例を示したものである。なお、第10演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第2演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
第10演出例における図48(A)〜(E)までの演出内容で上記第2演出例と異なる点は、同図(E)の演出内容となっている。この点に着目して、第10演出例について説明する。
同図(E)を参照して、本例では、同図(D)に示す爆煙演出(秘匿演出)が発生した際、保留アイコンを秘匿する爆煙R内の所定領域に、ボタン予告演出の一環として枠演出用ボタン13を模したボタン画像Yが現出する「ボタン表示演出」が実行される。そして、キャラクタLが「いっぺん押してみる?」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行される。このボタン表示演出は、遊技者に枠演出用ボタン13を押すことを促すものであり、ボタン操作をすることで、演出が発展(進行)する可能性があることを示唆するようになっている。
図49のF1は、上記ボタン表示演出中の入力受付有効期間内(たとえば、8秒程度)に、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を操作することで、「操作時の開示演出」が実行されるようになっている。具体的には、枠演出用ボタン13の操作を契機に、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kが開示されるようになっている。ここでは、保留表示部b1の保留アイコンとゲーム実行中保留Kの各表示色が通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、そして、キャラクタLが「当該と2番に命中!」といったメッセージPを発する演出が実行されるケースを示している。
そして上記ボタン操作時の開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(G1))。
一方、所定の操作設定時間内(たとえば、3秒程度)に、遊技者により枠演出用ボタン13が操作されなかった場合、強制的に「非操作時の開示演出」が実行される(図49(F2))。具体的には、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kが開示されるが、各保留表示態様は、秘匿前と同じ態様(変化しない状態)で開示されるようになっている。つまり、特殊保留変化予告が発生したがボタン操作をしなかったために保留変化を一切しない、といった一種のペナルティを科すようにしている(ペナルティ演出)。これに伴い、キャラクタLによるテロップ表示演出において、次回、「ボタン予告演出」を伴う特殊保留変化予告が実行された際に遊技者に対して積極的に枠演出用ボタン13の操作をさせるべく、キャラクタLが「押すとイイことあるよ!」といった枠演出用ボタン13の操作を促すメッセージPを表示するようになっている。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(G2))。
このように、第10演出例の特殊保留変化予告演出では、全ての保留表示を一旦秘匿状態とした後、演出用ボタン13を操作したか否かに応じて、保留表示を開示する際の演出態様を異ならせている。これにより、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができる。またボタン操作をしなかった場合には、本来導出される演出結果を表示しない、といった一種のペナルティを発生させるようにしているので、遊技者は、積極的に枠演出用ボタン13の操作をするようになる。
なお、第10演出例における「ボタン予告演出」(たとえば、図48(E)の演出態様)については、他の演出例すべてに適用可能である。この場合、他の演出例については、演出シナリオの進行に伴い、開示演出が自動的に実行されるのではなく、枠演出用ボタン13の操作に応じて、操作時の開示演出(開示時に保留変化可能性有り)または非操作時の開示演出(開示時に保留変化無しのペナルティ演出)を現出させることができる。
(第11の特殊保留変化予告演出態様:図50)
次に図50を参照して、特殊保留変化予告の第11演出例について説明する。この第11演出例は、特殊保留変化予告が、図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動表示動作)を跨ぐ場合における演出例を示したものである。ここでは、特殊保留変化予告演出の実行中において、現在実行中の図柄変動表示ゲームが終了し、さらに新たな図柄変動表示ゲームが開始される場合(所謂「変動跨ぎ」の場合)を想定したケースを示す。なお、第11演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第2演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
第11演出例における図50(A)〜(F)までの演出内容で上記第2演出例と異なる点は、同図(C)〜(F)の演出内容となっている。この点に着目して、第11演出例について説明する。
同図(A)〜(B)を参照して、特殊保留変化予告が開始されると、まずキャラ登場演出(図示せず)およびアクション演出が実行され(同図(A))、次いで、爆煙演出(秘匿演出)が発生し、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kとが爆煙Rにより秘匿状態とされる(同図(B))。ここで秘匿状態下においても、ゲーム実行中保留Kに係る図柄変動表示ゲームは進行中である。したがって、秘匿演出の開始タイミングによっては、秘匿状態中に今回の図柄変動表示ゲームが終了してしまうケースがある。
ここで、仮に特殊保留変化予告が発生していなかった場合、今回の図柄変動表示ゲームが終了すると、保留表示部a1〜c1の保留アイコンが次の表示位置にシフト表示するシフト演出が実行される。これにより、遊技者に対し、今回の図柄変動表示ゲームが終了し、次に待機中の作動保留球が図柄変動表示ゲームに供された(消化された)旨が報知されることになる。
しかし特殊保留変化予告中に図柄変動表示ゲームが終了した場合には事情が異なる。たとえば、同図(C)に示すように、爆煙Rによる秘匿状態中においては、爆煙Rにより作動保留球のシフト表示が視認不可能な状態となっている。特に、特殊保留変化予告が発生中の場合には、遊技者の中には、装飾図柄変動表示ゲームよりも特殊保留変化予告に注視して、今回の図柄変動表示ゲームの終了を見逃してしまうことも考えられる。その結果、開示演出が実行されたタイミングによっては、遊技者の知らない間に作動保留球が消化されてしまい、「作動保留球数が少なくなっている?」「自分が記憶していた作動保留球数と違っている?」などといった不安感・不信感を与えてしまう、といった問題が生じうる。
そこで本実施形態では、特殊保留変化予告中に今回の図柄変動表示ゲームが終了したことを報知するために、次のような秘匿演出を現出可能に構成している。
まず同図(B)に示すように、保留表示が秘匿状態中において今回の図柄変動表示ゲームが終了した場合、同図(C)に示すように、ゲーム実行中保留Kの保留アイコンを覆っていた領域の爆煙Rが消失する演出(秘匿領域縮小演出)が実行され、ゲーム実行中保留Kの保留アイコンが存在しない状態の受座Jのアイコンが全体的に表示される。つまり、図柄変動表示ゲームが終了した場合には、秘匿領域の一部であるゲーム実行中保留Kの表示領域(変動中表示領域78におけるアイコン表示領域)だけが開示されるようになっている。次いで、保留表示がシフトするシフト表示に連動する形で、受座Jのアイコン上に、新たなゲーム実行中保留Kの保留アイコンが表示されるが、このとき、新たなゲーム実行中保留Kおよび残りの保留表示部a1〜b1の保留アイコンを秘匿状態とされるように、爆煙Rによる秘匿領域(秘匿範囲)をシフト表示する秘匿演出(秘匿領域シフト表示演出)を実行する。これにより、作動保留球が1つ消化された保留表示を対象とした秘匿状態が実現される。このようにして、今回の図柄変動表示ゲームが終了したこと、および次回の図柄変動表示ゲームが開始されることを遊技者に対して報知可能としている。
さらに本例では、秘匿領域のシフト表示に伴い、今回の図柄変動表示ゲームが終了した旨を報知すべく、たとえば、キャラクタLが「当該ゲーム終了!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出を実行し、今回の図柄変動表示ゲームが終了したことを遊技者に明示している。
次いで同図(E)に移り、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン2個と、ゲーム実行中保留Kが開示する開示演出が実行される。ここでは、保留表示部b1の保留アイコンとゲーム実行中保留Kの保留アイコンとが、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、キャラクタLが「当該と2番に命中!」といったメッセージPを発する演出が実行されるケースを示している。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
以上に説明した第11演出例に係る特殊保留変化予告演出では、全ての保留表示を一旦秘匿状態とし、この秘匿状態中において実行中の図柄変動表示ゲームが終了した場合、その終了を報知するために、所定の秘匿領域の一部(ゲーム実行中保留Kの表示領域)を開示する。そして、新たな図柄変動表示ゲームが実行される旨を報知するために、保留表示がシフトするシフト表示に連動して、爆煙Rによる秘匿領域もシフト表示されるようになっている。これにより、特殊保留変化予告中に今回の図柄変動表示ゲーム終了し、次回の図柄変動表示ゲームが開始されるといったイレギュラー的な事象が発生したとしても、進行中の特殊保留変化予告演出を違和感なくスムーズに実行させるとともに、遊技者に対して保留表示に関する不安感・不信感を与えないようにすることができる。
なお、ゲーム実行中保留Kを秘匿しない秘匿演出形態の場合、今回の図柄変動表示ゲームが終了した際には、変動中表示領域78の受座J上からゲーム実行中保留Kの表示が消える。そして、次回の図柄変動表示ゲームが開始される際には、受座Jのアイコン上に、新たなゲーム実行中保留Kが表示されるとともに、秘匿領域がシフト表示されることになる。つまり、ゲーム実行中保留Kの保留アイコンを覆っていた領域の爆煙Rが消失する上記「秘匿領域縮小演出」は実行されずに、秘匿している保留表示を対象とした秘匿領域シフト表示演出だけが実行されることになる。
(第12の特殊保留変化予告演出態様:図51)
次に図51を参照して、特殊保留変化予告の第12演出例について説明する。この第12演出例は、特殊保留変化予告中に、新たな保留記憶(追加)が発生した場合における演出例を示したものである。なお、第12演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第2演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
この第12演出例における図51(A)〜(F)までの演出内容で、上記第2演出例と異なる点は、図51(C)〜(F)の演出内容(新たな保留記憶発生後の演出内容)となっている。
同図(A)〜(B)を参照して、特殊保留変化予告が開始されると、まずキャラ登場演出(図示せず)とアクション演出とが実行され(同図(A))、次いで、爆煙演出(秘匿演出)が発生し、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に表示されている保留アイコン3個と、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kとが爆煙Rにより秘匿状態とされる(同図(B))。この段階では、保留表示部d1に対応する作動保留球は存在せず、対応する保留アイコンは消去状態となっている。
この秘匿状態中において特別図柄1の作動保留球が新たに発生すると、同図(C)に示すように、保留表示領域76の保留表示部d1に保留アイコン(白丸印)が新たに表示される。このとき、新たな作動保留球の発生に伴い、新たな作動保留球が発生した旨を報知するべく、キャラクタLが「ゲーム追加!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出を実行する。これにより、特別図柄1の作動保留球(保留表示)が新たに追加されたことが遊技者に報知される。ただし、新たな保留表示部d1の保留アイコンについては、「白色」の通常保留色で表示させる(一般保留変化予告禁止処理:後述の図20のステップS111〜ステップS113、図32(C)参照)。
次いで同図(D)に移り、新たな作動保留球の発生に伴い、爆煙Rによる秘匿領域が保留表示領域76の保留表示部d1にまで拡張され、保留表示部d1の保留アイコンを秘匿状態とする特別秘匿演出(秘匿領域拡張演出)が実行される。このとき、新たな作動保留球もゲーム実行中保留Kの特殊保留変化予告対象となったことを報知するべく、たとえば、キャラクタLが「ドキドキ!」といったメッセージPを発する演出も併せて実行されるようになっている。これにより、新たな作動保留球が特殊保留変化予告の予告対象に含まれた旨と、新たな作動保留球が発生された旨とが遊技者に報知されることになる。
次いで同図(E)に移り、ここでは、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜d1の保留アイコン4個と、ゲーム実行中保留Kが開示され、保留表示部b1の保留アイコンが通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され、保留表示部d1の保留アイコンの表示色も通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、赤色)に変化した状態で開示され、キャラクタLが「命中!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。
そして上記開示演出が終了されると、終了演出が実行され、これを以って、一連の特殊保留変化予告が終了することとなる(同図(F))。
このように、第12演出例に係る特殊保留変化予告演出では、表示されている全ての保留表示を一旦秘匿状態とした後に新たな作動保留球が保留記憶(保留表示が追加)された場合、新たな作動保留球に対応する保留表示を現出して遊技者にその発生を報知した後、当該新たな作動保留球をも予告対象とするように、秘匿領域(範囲)を拡張する。これにより、特殊保留変化予告演出中に新たな作動保留球が発生したとしても、遊技者が違和感を受けることなく、新たな作動保留球をも含めた特殊保留変化予告を楽しませることができる。ただし、新たな作動保留球が発生した場合、必ずしも特殊保留変化予告の対象としなくても良い。この場合は、先に保留記憶された作動保留球を対象とした特殊保留変化予告が実行されることになる。
(第13の特殊保留変化予告演出態様:図52)
次に図52を参照して、特殊保留変化予告の第13演出例について説明する。この第13演出例は、特殊保留変化予告の実行開始前に、既に他の保留変化予告(たとえば、入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出(一般保留予告など))が実行中である場合において、特殊保留変化予告が実行されときの演出例を示したものである。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
図52(A)〜(F)の演出内容で上記第1〜第12演出例と決定的に異なる点は、特殊保留変化予告の実行開始前に、既に、上記入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出が実行されている点である。ここでは、同図(A)に示すように、特殊保留変化予告発生時に、特別図柄1側の保留記憶が3個(保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に対応する3つ保留アイコンが点灯状態)と、特別図柄1に対応するゲーム実行中保留Kとが存在し、これら保留表示のうち、保留表示領域76の保留表示部b1については、既に、他の保留表示変化系の先読み予告演出により保留変化がなされた状態(ここでは、保留表示部b1の保留アイコンが専用保留色の「赤色」に変化している状態)であるケースを示している。なお以下では、保留表示部b1の作動保留球のように、上記他の先読み予告演出対象となっている保留表示を、「他の保留変化予告」と称して説明する。
本例では、特殊保留変化予告が実行されるときに、既に他の保留変化予告が実行されている場合(保留表示態様が専用保留表示に変化している場合)、当該他の保留変化予告を邪魔することなく、特殊保留変化予告が実行されるものとなっている。具体的には、図52を参照して、特殊保留変化予告が開始されると、上記第1演出例などと同じように、まずキャラ登場演出(同図(B))とアクション演出とが実行され(同図(C))、次いで、爆煙演出(秘匿演出)が発生し、爆煙Rにより各保留表示が秘匿状態とされる(同図(D))。しかしこのとき、同図(D)に示すように、爆煙Rにより秘匿状態とされるのは、他の保留変化予告に係る保留表示部b1の保留アイコンを除く、保留表示部a1、c1に表示されている各保留アイコン2個と、変動中表示領域78のゲーム実行中保留Kの3つが爆煙Rにより秘匿状態とされるようになっている。そして、爆煙Rにより秘匿状態とされていない保留表示部b1の保留アイコンについては、特殊保留変化予告が実行されているか否かにかかわらず、ゲーム実行中保留Kとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動されるまで保留表示領域76に表示され続けるようになっている(同図(D)〜(F)参照)。
このように、第13演出例に係る特殊保留変化予告演出では、一の作動保留球を対象とした他の保留変化予告が発生している場合、その作動保留球に係る保留アイコンは秘匿状態としないようにし、当該他の保留変化予告が特殊保留変化予告の影響を受けることなく、そのまま実行させることができるようになっている。これにより、既に発生した保留変化予告は、そのまま維持され、未だ何も保留変化予告がなされていない保留表示(未変化保留)を特殊保留変化予告の対象とすることができるので、現在現出中の他の保留変化予告だけでなく、未変化保留表示についても遊技者の注目を集めることができる。
(第13演出例の変形例)
第13演出例では、他の保留変化予告が発生している場合、その保留表示(保留アイコン)は秘匿対象から除外する例について説明したが、これに限らず、次のように構成しても良い。他の保留変化予告により、当り当選期待度が低い保留アイコン(低期待度保留表示態様(たとえば、保留色が青色):低期待度保留アイコン)に変化されている場合には、特殊保留変化予告により、それよりも当り当選期待度が高い保留アイコンに変化する可能性があるため、当該保留アイコンを秘匿状態として、特殊保留変化予告を実行する。一方、他の保留変化予告により、当り当選期待度が高い「高期待度保留アイコン(たとえば、保留色が緑色や赤色)」に変化されている場合には、それ以上、保留表示(保留アイコン)を変化させる必要性に乏しく、また上記高期待度保留アイコンのなかでも最高レベルの当り当選期待度を誇る「虹色」の保留アイコン(本実施形態では、当確保留:プレミアム保留)に変化されている場合には、それ以上、保留変化をさせる必要が皆無であることから、このような高期待度保留アイコンについては、特殊保留変化予告の実行対象保留とはせずに(少なくとも秘匿状態とはせずに)これを維持するようにする。このように、他の保留変化予告により、既に高期待度保留表示に変化されている場合には、この保留表示だけを特殊保留変化予告の実行対象保留から除外する一方、低期待度保留表示態様に変化されている場合には、特殊保留変化予告の実行対象保留とすることで、低期待度保留表示態様が特殊保留変化予告により、さらに当り当選期待度が高まる保留表示に変化する期待感を残すとともに、高期待度保留表示については、遊技者の当選期待感を維持させることができる。
(第14の特殊保留変化予告演出態様:図53A)
次に図53Aを参照して、特殊保留変化予告の第14演出例について説明する。この第14演出例は、その特徴として、保留変化がなされる場合に、予告対象となった保留表示(保留アイコン)のすべてが同じ専用保留表示態様(同色保留や同図柄(同形状・同模様)保留など)として出現するケースを示したものである。なお、第14演出例では、説明の便宜上、代表的に上記第2演出例をベースにして説明する。また重複記載を避けるために、これまで説明した保留変化予告演出と実質的に同一の演出内容についてはその説明を適宜省略する。
第14演出例における図53A(A)〜(F)までの演出内容で上記第2演出例と異なる点は、図示の(E)〜(F)の演出内容となっている。この点に着目して、第14演出例について説明する。
まず同図(B)〜(D)を参照して、特殊保留変化予告が開始されると、まずキャラ登場演出(同図(B))とアクション演出とが実行され(同図(C))、次いで、爆煙演出(秘匿演出)が発生し、爆煙Rにより各保留表示が秘匿状態とされる(同図(D))。
次いで同図(E)に移り、爆煙演出(秘匿演出)が終了すると、これまで爆煙Rにより秘匿されていた保留表示部a1〜c1の保留アイコン3個と、ゲーム実行中保留Kとを開示する開示演出が実行される。この第14演出例(図53A(E))と第2演出例(図38(E))との違いは、第14演出例では、保留変化が発生した際に、保留変化対象となった保留表示のみならず、全保留表示が同一の保留表示態様(全保留表示同一表示態様)で開示される点である。同図(E)では、秘匿状態にされた全保留アイコンの表示色が、それぞれ通常保留色(たとえば、白色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化した状態で開示され(全保留表示同一表示演出)、キャラクタLが「当りがあるかも!」といったメッセージPを発するテロップ表示演出が実行されるケースを示している。
なお秘匿状態とされた保留アイコンを開示する際、上記した図37〜図38に示す第1演出例や第2演出例などのように、秘匿状態とされた保留表示(保留アイコン)を一斉に開示状態とする上記「保留表示一斉開示演出」を採用しても良いし、図39〜図40に示す第3演出例のように、秘匿状態とされていた保留表示(保留アイコン)を所定の優先順位に従い順次開示していく上記「保留表示順次開示演出」を採用しても良い。
上記「保留表示一斉開示演出」を採用した場合には、秘匿された全保留アイコンが一斉にあるいは略同一のタイミングで開示され、その開示された保留アイコンが同一表示態様となるので、非常にインパクトのある演出効果が期待できる。特に、虹色の保留アイコンのように、艶やかな保留表示態様が一斉に開示される様は、異なる保留表示態様が出現するよりも圧巻の演出態様となる。他方、上記「保留表示順次開示演出」を採用した場合には、秘匿された保留アイコンが順次開示されていくので、たとえば、最初に開示された保留アイコンの専用保留表示態様と、次に開示された保留アイコンが同一の専用保留表示態様である場合、この時点で上記全保留表示同一表示演出の可能性の期待が高まり、それ以降に開示予定の保留アイコンがさらに同一の専用保留表示態様であるかそうでないかについて、遊技者は大きな緊張感・期待感を持って演出を見守るようになり、特殊保留変化予告をじっくり鑑賞させることができる。
また第14演出例は、上述したように、開示演出の際に全保留表示同一表示態様で表示される非常にインパクトの強い保留変化演出であることから、当り当選期待度が相対的に高い「高期待度予告演出」の一態様として定めることが好ましい。たとえば、予告対象となった作動保留球またはゲーム実行中保留Kに係る変動パターン種別が、当り変動パターン種別である場合や、当り変動パターン種別のうちでも利益状態が相対的に高い大当り種別を指定する変動パターン種別である場合(たとえば、15R長開放確変大当り)や、当り当選期待度が相対的に高い特定のリーチ種別に関連する場合(たとえば、SPリーチ6やSPリーチ7など)などに現出可能なレアな演出態様として定めることが好ましい。
(第15の特殊保留変化予告演出態様(保留表示領域(全保留表示部)秘匿演出):図53B)
次に図53Bを参照して、特殊保留変化予告の第15演出例について説明する。この第15演出例は、その特徴として、爆煙演出(秘匿演出)において、保留表示領域(76、77、76h)を全体的に覆うように爆煙Rを現出させることにより、結果的に、表示中の保留表示(保留アイコン)を秘匿状態とする、といった保留表示領域(全保留表示部)秘匿演出となっている。図53Bに、上記第15演出例として、それぞれ異なる保留表示領域(76、77、76h)を秘匿する場合の4種類の保留表示領域秘匿演出を例示する。
図53B(A)(B)に示す演出例(以下、「第15演出例A」と称する)は、特別図柄1の保留アイコンが表示中の場合に保留表示領域76全体を秘匿するケースを示している。また図53B(C)(D)に示す演出例(以下、「第15演出例B」と称する)は、特別図柄1および特別図柄2の保留アイコンが表示中の場合に保留表示領域76、77全体を秘匿するケースを示している。また図53B(E)(F)に示す演出例(以下、「第15演出例C」と称する)は、保留アイコンが表示中の場合に保留表示領域76h全体を秘匿するケースを示している。また図53B(G)(H)に示す演出例(以下、「第15演出例D」と称する)は、特別図柄1および特別図柄2の保留アイコンが表示中の場合に保留表示領域76、77全体を秘匿するケースを示している。なお第15演出例A〜Dでは、特殊保留変化予告開始時に、特別図柄1側の保留記憶が3個(保留表示領域76の保留表示部a1〜c1に対応する3つ保留アイコンが点灯状態)と、特別図柄1に対応するゲーム実行中保留Kとが存在するケースを例示している。
同図(B)、(D)、(F)、(H)に示すように、秘匿状態を発生させる際に、爆煙Rにより保留表示領域を全体的に覆うようにすれば、現在表示中の保留表示数(保留アイコン数)にかかわらず、全保留表示(全保留アイコン)を秘匿状態とすることが可能となる。斯様な保留表示領域秘匿演出は、保留アイコンが表示されているか否か、その表示数は幾つであるかなどを確認することなく秘匿領域を設定できる点で、表示中の保留表示だけを秘匿させるような秘匿演出よりも演出制御の負担を軽減することができる点で好適である。
なお第15演出例Aでは、特別図柄1の保留アイコンのみが表示されている場合を説明したが、特別図柄2の保留アイコンのみが表示されている場合には、対応する保留表示領域77を全体的に秘匿とすれば良い。また第15演出例は、上記第1〜第10(図37〜図49)、第13〜第14演出例(図52〜図53A)に適用することができる。これは、第11演出例は爆煙Rがシフト表示に関連して表示する関係上、また第12演出例は保留追加時に、秘匿領域拡張演出を現出する関係上、第15演出例を適用することができないからである。
ここで第15演出例A〜Dでは、保留表示領域を秘匿状態とする関係上、爆煙演出(秘匿演出)中に特別図柄の作動保留球(たとえば、特別図柄1の4つ目の作動保留球)が新たに記憶された場合、保留表示領域が全体的に秘匿状態とされているため、つまり保留表示部が全体的に秘匿状態とされているために、新たな作動保留球の発生の有無が判別困難または判別不可能な状態とされる。そこで、秘匿状態中に新たな作動保留球が発生した場合には、これに対応する保留表示については、上記「保留表示準秘匿演出」としても良い。これにより、秘匿状態中の新たな作動保留球の有無を遊技者に報知することができるとともに、新たな作動保留球が発生した際は、当該作動保留球を含めた保留表示を特殊保留変化予告の対象とすることができる。
以上に説明した上記第1演出例〜第15演出例では、専用の秘匿画像(爆煙画像R)を利用して秘匿状態を実現する例について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次のような画像処理により秘匿状態を実現させても良い。たとえば、保留アイコン画像の解像度を、秘匿演出前の解像度と比較して低い解像度(たとえば、10分の1の解像度)に変換することにより秘匿状態を現出させても良い。上記低解像度に変換する方法を用いて秘匿状態とする場合、まず、高解像度で表示中の保留表示(保留アイコン画像)を、徐々に低解像度としたり(たとえば、通常の解像度を、2分の1→4分の1→12分の1と徐々に解像度が低くなるように切り替えていく)、瞬時に低解像度に切り替えて、保留表示を秘匿状態とし、その後の開示演出の際には、現在の解像度を徐々にあるいは瞬時に高解像度に切り替えて、本来の解像度にて保留表示を再表示させることができる。なお各保留表示態様については、同一の低解像度にしても良いし、保留表示部に応じて異なる低解像度にしても良く、秘匿状態を実現できるものであれば、解像度をいくつにするかは適宜定めることができる。また、秘匿状態を実現できるものであれば、通常の高解像度から低解像度に変換する画像処理方法については特に制限されない。
また上述したような低解像度に変換する画像処理に限らず、モザイク処理、ぼかし処理、グレースケール処理、または色調(明暗)を変更する暗転処理などを施すことにより、秘匿状態を実現させても良い。なお、これらの画像処理については、本発明の目的を達成できるものであれば、その処理方法は特に制限されない。
(可動体役物による秘匿演出)
また、画像処理により秘匿状態に制御する方法に限らず、可動体役物を利用して秘匿状態を実現させても良い。たとえば、秘匿演出時には、特定の可動体役物(秘匿用役物)を保留表示領域の前面側に変位させ、遊技者側から保留表示領域を全体的に視認不可能にすることで、保留アイコンを秘匿状態としたり、透明度の低いプラスチックやガラスなどで形成した秘匿用役物を用いて、保留アイコンを視認困難または視認不可能な状態を作り出しても良い。
(異なる演出手段による秘匿演出(秘匿状態)の現出)
また、秘匿用役物を利用した秘匿演出と、画像処理による秘匿演出とを実行可能に構成し、保留アイコンが低期待度保留アイコンで開示予定の場合には、通常の秘匿演出として、画像処理による秘匿演出を実行し、保留アイコンが高期待度保留アイコンで開示予定の場合には、特別な秘匿演出として、秘匿用役物を利用した秘匿演出を実行するように構成することができる。また、保留アイコンが高期待度保留アイコンで開示予定の場合には、保留アイコンが低期待度保留アイコンで開示予定の場合よりも、高確率で秘匿用役物による秘匿演出が実行させる。このように、可動体役物を利用した秘匿演出と、画像処理による秘匿演出とを選択的に実行可能に構成することで、どのような演出手段によって秘匿状態とされたかに応じて、当り当選期待感や保留変化期待感を煽ることができるので、特殊保留変化予告演出をより一層楽しませることができる。
(サブ液晶表示装置による保留表示)
また、上記のように特殊保留変化予告演出として第1演出例〜第15演出例では、一つの液晶表示装置36を利用し、同一の液晶画面内において、装飾図柄変動表示ゲームと並行して、特定の表示領域(保留表示領域)に保留アイコンを表示している例について説明したが、一つの液晶表示装置36を利用するのではなく、別途設けられた他の液晶表示装置(以下、「サブ液晶表示装置」と称する)に保留表示領域77、76、76h(保留表示部a1〜d1、a2〜d2)と同様の保留表示領域を設けて、そこに保留アイコンを表示しても良い。この場合、保留表示がなされるサブ液晶表示装置側において、特殊保留変化予告の秘匿演出および開示演出を実行し、液晶表示装置36側においてキャラ登場演出やアクション演出を実行するなど、2つの液晶表示装置の液晶画面を連係させるような形態で、特殊保留変化予告を実行することができるので、単一の液晶表示装置を利用するよりも演出の自由度が増す。また液晶表示装置36側で装飾図柄変動表示ゲームを表示し、サブ液晶表示装置側で特殊保留変化予告を実行しても良い。この場合、装飾図柄変動表示ゲームに関する予告演出と、特殊保留変化予告を別の液晶画面で表示できるので、双方の予告演出が重畳して見難くなったり、遊技者が双方の予告演出を混同したりすることを防止しうる点で好適である。
また、上記サブ液晶表示装置を所定の動作パターンで動作可能(たとえば、サブ液晶表示装置を変位動作可能、液晶画面を回転動作可能など)に構成しても良い。サブ液晶表示装置(液晶画面)を変位動作または回転動作可能に構成することで、サブ液晶表示装置自体を利用した秘匿状態を実現し、さらに演出を盛り上げることができる。たとえば、通常(非秘匿状態時)は、画像表示画面側を遊技者側に向けて停止させ(通常位置)、保留表示部(保留アイコン)を遊技者が視認させるような位置で停止させておくが、秘匿演出においては、当該画像表示画面が視認できない位置(たとえば、画像表示画面を180度回転させて裏返しにする)で停止させ(秘匿位置)、保留表示部を遊技者から見えないようする。そして、開示演出の際には、本来の位置に戻すように画像表示画面を回転させ(画像表示画面を同方向に180度回転させ、通常位置に戻す)、保留アイコンを遊技者が視認することができようにするとともに、演出結果を導出表示することができる。
なお先読み予告演出の一態様として、上記保留加算コマンドが2R短開放潜確大当り当選または小当り当選を指定するものであった場合、CZ突入の可能性(2R短開放潜確大当り当選または小当り当選)を予告するといった、CZ突入予告用の先読み予告演出を現出可能に構成することができる。またCZ中において作動保留球が発生した場合、現在の大当り抽選確率状態に応じて、その作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出可能に構成することができる。たとえば、CZ中において作動保留球が発生した場合、高確率状態下の方が低確率状態下よりも相対的に高い確率で専用の先読み予告演出(たとえば、今回の作動保留球に係る保留表示を、高確率状態の可能性を示唆するCZ中専用の保留表示に変化させる)を現出させる。
以上、特殊保留変化予告演出として第1演出例〜第15演出例を代表的に説明した。これらの演出例のうち、1または複数種類の特殊保留変化予告を採用するかは適宜定めることができる。また、いずれの演出例を採用するかは自由である。
以上に説明した本実施形態に係る特殊保留変化予告演出は、次のように構成することができる。
始動手段が遊技球を検出したことを契機に、所定の遊技情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された遊技情報に基づき、当りに関する抽選を実行する抽選手段と、遊技図柄の変動表示動作を行い、当該遊技図柄の停止表示態様により抽選手段による抽選結果を表示する図柄表示手段と、取得手段により取得された遊技情報を、図柄表示手段における遊技図柄の変動表示動作に供されるまで、あらかじめ定めた最大保留記憶個数を上限として保留記憶する保留記憶手段と、保留記憶手段に遊技情報が保留記憶された場合、その旨を所定の保留表示態様により報知する保留表示手段(たとえば、液晶表示装置36)と、保留記憶に基づく遊技図柄の変動表示動作が実行される前に、少なくとも抽選手段による抽選結果を先読み判定する先読み判定手段と、先読み判定手段による先読み判定結果に関連する先読み情報を保留表示手段に表示される保留表示態様(保留表示部a1〜d1、a2〜d2、ゲーム実行中保留Kなどの保留アイコンの表示態様)を利用して報知制御可能に構成された保留表示制御手段と、を備える。
そして上記保留表示手段は、保留記憶手段の保留記憶のそれぞれに対応した保留表示態様を個別に表示可能に構成される。また上記保留表示制御手段は、保留表示手段に複数の保留表示態様が表示されているときに所定の実行条件が成立した場合、当該複数の保留表示態様について、現在の保留表示態様よりも前記当りの当選期待度が相対的に高いことを示唆する他の保留表示態様(専用保留表示態様)に変更表示しうる保留変更表示を実行するか否かを決定する保留変更表示決定手段と、その保留変更表示を実行制御する保留変更表示制御手段とを備える。この保留変更表示制御手段は、上記保留変更表示決定手段により保留変更表示を実行すると決定された場合、保留表示手段に表示されている複数の保留表示態様を判別困難または判別不能とする秘匿化状態に制御する(秘匿演出を現出制御する)秘匿化状態制御手段と、秘匿化状態を解除して、変更表示対象に係る保留表示態様について、他の保留表示態様を保留表示手段に表示させる(開示演出を現出制御する)解除表示制御手段とを含んで構成される(たとえば、図37〜図53A参照)。
また、次のような別の構成とすることができる。上記保留表示手段は、保留記憶手段に保留記憶されている保留データのそれぞれに対応する前記保留表示態様を特定の表示領域内(たとえば、保留表示領域76、77、76hなど)に表示するように構成される。また保留表示制御手段は、保留表示手段に複数の保留表示態様が表示されているときに所定の実行条件が成立した場合、当該複数の保留表示態様について、現在の保留表示態様よりも前記当りの当選期待度が相対的に高いことを示唆する他の保留表示態様に変更表示しうる保留変更表示を実行するか否かを決定する保留変更表示決定手段と、保留変更表示を実行制御する保留変更表示制御手段と、を備える。この保留変更表示制御手段は、上記保留変更表示決定手段により前記保留変更表示を実行すると決定された場合、少なくとも前記特定の表示領域を判別困難または判別不能とする秘匿化状態に制御し、各保留表示態様を判別困難または判別不能にする秘匿化状態制御手段と、秘匿化状態を解除して、前記変更表示対象に係る保留表示態様について前記他の保留表示態様を前記保留表示手段に表示させる解除表示制御手段とを含んで構成される(たとえば、図53B参照)。
(7−2.ギミック連動ボタン予告演出:図54〜図58)
次に、図54〜図58を参照しながら、可動体役物による演出を利用した「ギミック連動ボタン予告」について詳細に説明する。
ここで、ギミック連動ボタン予告の理解を容易なものとするために、先ず、「ギミック連動ボタン予告」の概要について説明しておく。この「ギミック連動ボタン予告」は、遊技者参加型演出である「ボタン予告演出」および「保留変化予告」に属する演出態様となっている。本実施形態の場合、ギミック連動ボタン予告が開始されると、その演出シナリオの一環として、まず人物ギミック93(第4の可動体役物)が所定の動作パターンで動作し、これを前兆演出ないし予兆演出として、枠演出用ボタン13の操作を促すボタン予告演出(ボタン表示演出)が所定の演出時間現出される。ボタン予告演出が現出してからの所定時間は、枠演出用ボタン13の入力受付有効期間(たとえば、3秒)として設定されており、この入力受付有効期間内に遊技者による操作が行われたか否かが監視される。そして、その入力受付有効期間が経過すると、今回のボタン予告演出に係る枠演出用ボタン13の操作を無効扱いとする入力受付無効期間となる。
上記入力受付有効期間中に遊技者が枠演出用ボタン13を操作した場合、人物ギミック93の動作に伴う画像表示演出(アクション演出)が現出され、その演出結果として、保留表示態様がボタン操作前の表示態様とは異なる表示態様に変化しうる(演出結果の導出)。この変化後の保留表示態様を以って、特殊遊技情報(当り当選期待度に関する情報やリーチ種別に関する情報などの所定の遊技情報)が遊技者に報知されるようになっている。なお、保留変化により遊技情報が報知可能な点は、既に説明した特殊保留変化予告や、一般保留予告と同じである。
(ギミック連動ボタン予告の実行契機(実行抽選契機))
なお、ギミック連動ボタン予告の実行契機については、入賞時変化系の先読み予告演出(一般保留変化予告)のように、作動保留球(入賞)の発生を契機とするだけでなく、作動保留球発生時に所定の条件を満たしたときや(たとえば、作動保留球発生時に複数の保留表示が存在する場合、先に記憶された作動保留球を対象とした一般保留変化予告が予定されている場合など)、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング(たとえば、図柄変動表示ゲームの開始時(装飾図柄の変動開始時)、または上記リーチタイトル中、リーチ演出中、および図柄仮停止状態のうちいずれかの所定のタイミングなど)や、大当り遊技中の所定のタイミング(たとえば、特定のラウンド遊技開始時、特定のラウンド遊技中、特定のラウンド遊技終了時、エンディング演出開始時など)などの実行契機を設けることができる。ただし本実施形態の場合、ギミック連動ボタン予告を実行する際には、ギミック連動ボタン予告の実行に要する演出時間幅が確保されていることや(たとえば、実行中に複数の図柄変動表示ゲームを跨る場合や実行途中で大当り遊技開始されるなど、演出実行に支障がでない場合)、ギミック連動ボタン予告の実行により他の予告演出を著しく阻害しないことなど、「適切な現出条件」が確保されていることを条件としている。適切な現出条件を要する点は、既に説明した特殊保留変化予告と同様である(後述の図21のステップS601、図33のステップS1101参照)。また開始タイミングについても既に説明した特殊保留変化予告と同様に種々の開始タイミングを設けることができる。
次に、図54〜58(第1〜第6ギミック演出例)を参照して、上記ギミック連動ボタン予告について説明する。図54〜58は、本実施形態に係るギミック連動ボタン予告の演出態様の説明に供する説明図である。
この図54〜58は、ギミック連動ボタン予告の演出態様として、人物ギミック93の動作と液晶画面36中の動画画像とを関連付け、この人物ギミック93の動作に伴って動画画像を変化させることによって、あたかも液晶画面中に保留アイコン画像として表示されている保留表示態様が、人物ギミック93の動作で変更されるが如き様子を現出させるようにした「保留変化予告」の一態様を例示したものである。
(第1のギミック連動ボタン予告演出態様:図54)
まず図54を参照して、ギミック連動ボタン予告の第1ギミック演出例について説明する。図54は、ギミック連動ボタン予告の第1ギミック演出例の説明に供する説明図である。またこの第1ギミック演出例は、液晶表示装置36の液晶画面(液晶画面36)中の保留表示について、その保留アイコンの表示態様が、人物ギミック93の動作に伴う動画画像(投体N3)の動きによって変更されるケースを例示したものである。
ただしこの第1ギミック演出例は、複数の作動保留球が記憶されている際、すなわち、複数の保留表示が表示されている際にギミック連動ボタン予告が発生した場合、その演出結果として、これら保留表示のうちのいずれか一つが専用保留表示態様に変化しうる、といった演出態様となっている。この点、既に説明した図37の特殊保留変化予告の第1演出例と同じ性格を持つ。
詳しくは、この第1ギミック演出例では、複数の保留表示が表示されている場合、複数の保留表示が変化することを禁止して(重複的な保留変化予告の禁止)、所定の優先順位(優先保留変化順位)に基づいて、複数の保留表示のうちのいずれか一つの保留表示の変化を許容するものとなっている。換言すれば、現存する複数の作動保留球(本実施形態では、ゲーム実行中保留Kを含む。以下、同様)のうち、いずれか一つが保留変化予告の対象とされる。ここでは上記「所定の優先順位」として、特殊保留変化予告の図37に示す第1演出例と同じように、現存する作動保留球のうち、当り当選期待度が最も高い作動保留球に対応した保留表示(保留アイコン)を保留変化予告の対象としている。なお、すべての作動保留球の当り当選期待度が同一である場合には、抽選によりいずれか一つが保留変化予告の対象として決定されるようになっている。以下、図54を参照しながら、第1ギミック演出例について詳細に説明する。
以下に図54を参照しながら、ギミック連動ボタン予告の第1ギミック演出例について説明する。なお本例では、ギミック連動ボタン予告開始前の液晶表示装置36の表示状態として、図柄変動表示ゲームである液晶表示装置36(液晶画面36)中に、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印(通常保留色)の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケース、つまり、現在、3つの特別図柄1の作動保留球が保留記憶されており、特別図柄1に対応する特別図柄変動表示ゲームが実行中(特別図柄1が変動表示動作中)のケースを代表例にとり説明する(後述の図55〜図57の第2〜第5ギミック演出例についても同様)。
まず図54(A)では、図柄変動表示動作中である液晶画面36中に、画像として、台座J、その上のゲーム実行中保留K、および待機中の3つの保留アイコンが表示されていて、ギミック連動ボタン予告が開始されると、画面右側に位置する人物ギミック93がその可動部位の一つである「腕94」を上下に連続的に振る腕振り動作状態(前兆(予兆)動作状態)にある。これは当り当選期待度の高い前兆(予兆)演出であり、この後で何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の遊技に対する緊張を高めることになる。
次いで(B)に移り、演出シナリオが進行すると、人物ギミック93が腕を振るのを止め、その後、ボタン予告演出が開始され、その一環として、枠演出用ボタン13を模したボタン画像Yが現出する「ボタン表示演出」が実行される。図示の例では、人物ギミック93の可動部位の一つである「口95」が開く開口動作を現出するとともに、これに連動して、その口95の近傍の液晶画面36に、吹き出しの形によるテロップPが表示される。ここでは、枠演出用ボタン13の操作を促すために、テロップPの表示内容として、枠演出用ボタン13を模した「押しボタン画像Y」と、「いっぺん押してみる?」のメッセージとが現出される(テロップ表示)。この「ボタン表示演出」では、人物ギミック93による「可動体演出」と、吹き出し画像による「画像表示演出」とをうまく連係させることにより、人が身振りしながら言葉を発している様を表現した‘ギミック連動型のボタン予告演出(ギミック連動型ボタン予告演出)’を実現している。特に、ボタン操作を促す押しボタン画像Yやメッセージなどが人物ギミック93の近傍に表示されることで、押しボタン画像Yやメッセージの画像表示演出が、人物ギミック93による可動体演出に関連せしめられていることを遊技者に連想させることができるようになっている。
次いで(C)では、上記ボタン予告演出(ボタン表示演出)中の入力受付有効期間内に、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を押すことでまたは押す度に、人物ギミック93が腕94(手96)を1回または複数回上下に振る「腕振り動作」を行う。この腕振り動作による腕94(手96)の動きとうまく連係するように、人物ギミック93の腕94(手96)の近傍において、液晶画面36内に火炎弾(誘導弾)を模したアイテム画像(投体N3)が出現し、この投体N3が保留アイコンに向けて、放物軌道を描きながら移動していく。これにより、人物ギミック93が火炎弾を保留アイコン(ターゲット)に目掛けて投擲する様を表現したアクション演出(操作時ギミック連動演出)が現出される。
本例では、投体N3(火炎弾)がターゲットの保留アイコンに命中するまでの一部の移動過程において、投体N3がどの保留アイコンに向かって移動するのかが不明確となるようにしてある。これにより、投体N3がいずれの保留アイコンに命中するかを不明確となり、遊技者に対し「どの保留アイコンに命中するのか(保留変化予告の対象となるか)?」といった推測要素や緊張感を与えることができる。
なお図示の(C)では、投体N3の投弾数が1個のケースを例示しているがこれに限らず、たとえば、後述の第2ギミック演出例や第3ギミック演出例のように、遊技者による枠演出用ボタン13の操作回数に応じて、複数個の投体N3(火炎弾)を現出させるように構成しても良い。この場合、投体N3(火炎弾)の投弾数を保留変化期待度や当り当選期待度に関連付けることができる。たとえば、保留変化期待度や当り当選期待度に応じて、火炎弾の投弾数を所定の上限数(たとえば、投弾数が3〜7個など)に定め、火炎弾が多く現出されるほどその期待度が高まるようにすることができる(たとえば、投弾数が5個しか現出されない場合よりも7個現出された場合の方が当り当選期待度が高まる)。このようにすれば、画面上に現れた投弾数を当り当選期待度の推測要素として利用することができるので、遊技者は積極的に枠演出用ボタン13を操作するようになり、演出への参加意欲を向上させることができる。
次いで(D)では、放り投げた投体N3(火炎弾)が、ターゲットの保留アイコンに命中(着弾)し、保留アイコンの近傍領域を覆う煙幕(煙幕画像)Rが発生する。ここでは、火炎弾が保留アイコンに命中し、当該保留アイコンを覆い隠すように煙幕Rが発生する様を表現した「着弾演出(秘匿演出)」が現出される。煙幕Rが発生して保留アイコンが液晶画面36上から消えることにより、つまり秘匿状態とされることにより、今回の保留変化予告対象の保留アイコンが報知されることになる。なお、秘匿状態については、既に説明した「特殊保留変化予告(図37〜図53C)」における秘匿状態と同じく、演出上、少なくとも保留表示態様を判別困難(視認困難)または判別不能(視認不可能)な状態とすることを意味し、本例では、秘匿対象となる保留アイコンは1つである。
本例では、投体N3がターゲットである保留アイコンに命中した場合、保留変化対象の保留アイコンを一旦秘匿状態とし、保留アイコンの表示態様が変化することを遊技者に期待させ、秘匿状態が解除されるまでの間、遊技者の保留変化への期待感を高めることができるようになっている。このように保留アイコンを秘匿状態として保留変化への期待感を高める、といった点は、既に説明した「特殊保留変化予告(図37〜図53C)」における秘匿演出の作用効果と同じである。
次いで(E)では、煙幕Rが消え去り、保留アイコンが秘匿状態から開示状態とされて、保留アイコンが再表示される(開示演出)。このとき、投体N3(火炎弾)が命中した当該保留アイコンの保留表示態様が、色彩および模様の少なくとも一方または形状が変化しうる。ここでは、保留表示部b1の保留アイコンの表示色が、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化したケースを示している。上記(D)〜(E)に示す「保留アイコンを一旦秘匿状態としてから開示状態とする」一連の演出態様については、既に説明した「特殊保留変化予告(図37〜図53C)」における秘匿演出および開示演出の一連の演出態様と実質的に同じ内容である。ここでは、通常の白色(通常保留色)から専用保留色(たとえば、緑色)に変化したケースを示している。なお必ずしも保留アイコンが開示前後で変化するとは限らず、投体N3(火炎弾)がターゲットである保留アイコンに命中せずにそのまま画面上から消えていったり、命中させたとしても保留表示態様を命中前と同じ保留表示態様に維持されたりする、所謂「ガセ演出」の場合もある。
また(E)では、投体N3(火炎弾)が命中した際には、人物ギミック93の「口95」が開口動作して、これに連動して、テロップPが現出され、テロップPの表示枠内に、たとえば、「命中!」などのメッセージが表示される(テロップ表示演出)。なおここでは、「命中!」のメッセージ表示により、保留表示が変化したことを報知している例を示しているが、これに限らず、テロップPのメッセージにより特殊遊技情報を報知しても良い。たとえば、「次回変動・・・激熱!」、「次回、リーチの種類は、SPリーチ6!」、「当選期待度50%!」など、次回以降のゲームに対する当り当選期待度やその変動時に実行予定のリーチ演出に関する内容を報知することができる。これにより、人物ギミック93による演出、ボタン予告演出、および先読み予告(保留変化予告、テロップ予告)を組合せることで、演出の幅を広げ、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。またゲーム実行中保留Kを対象とした場合、ギミック連動ボタン予告の演出結果の報知タイミングに応じて、今回の図柄変動表示ゲームにおいてこれから実行予定のリーチ演出の種類や当り当選期待度などを予告することができる。
そして(E)における上記開示演出が終了されると、人物ギミック93の可動部位が初期位置に復帰するとともに、テロップPの表示を終了して、ギミック連動ボタン予告の終了を報知する「終了演出」が実行され、これを以って、一連のギミック連動ボタン予告が終了することとなる(後述の図55〜58に示す第2〜第5ギミック演出例についても同様)。
(操作時ギミック連動演出について)
上記「操作時ギミック連動演出」における人物ギミック93の腕94の動作パターン(腕振り動作パターン)については、変化対象とする保留表示の当り当選期待度に応じて、異なる動作パターンに定めることができる。たとえば、作動保留球を対象とするものであれば先読み判定情報に基づいて、ゲーム中実行保留Kを対象とするものであれば、図柄変動表示ゲームの変動パターン情報や、これから展開予定の予告演出(演出シナリオ)の内容(たとえば、疑似連中であればその回数情報、リーチ演出であればリーチ種別情報など)に基づいて、当り当選期待度に関連付けた複数種類の動作パターンのうちからいずれかを抽選により決定しても良い。たとえば、当り当選期待度が相対的に高い先読み変動パターン情報あるいは変動開始時の変動パターン情報である場合(たとえば、SPリーチ6〜7の場合)、通常の腕振り動作パターンよりも派手な腕振り動作パターン(たとえば、腕94を1または複数回転させる)が選択される確率を高くなるように構成することができる。
また「操作時ギミック連動演出」として、可動体役物(たとえば、人物ギミック93の腕94、口95、手96など)の動作と、液晶画面36中の特定画像(たとえば、投体(火炎弾)N3、テロップP、オーラZなどの動画像または静止画像)とを関連付け、その可動部位の動作に伴って特定画像が連動(連係して動作)することにより、一つ意味をなす意匠を形成ないし遊技者に対しある物事を連想させたり一体感を抱かせたり、あるいはそれらが混然一体となって、あたかも特定画像が可動体役物の一部のように、その逆に、あたかも可動体役物が特定画像と連動した画像表示演出のように振る舞う、といった演出を現出させることができる。たとえば、図54(CF)では、手96の周縁部近傍領域に特定の画像表示演出(オーラZ(オーラ画像Z))表示させて、手96の周辺をあたかもオーラが纏うが如き様子を現出させ、腕94の腕振り動作に伴ってオーラZが手96に追動する様を表現することにより、手96から投体N3が投擲される際に人物ギミック93が力一杯放り投げていることを連想させたり、投体N3が勢いを付けてターゲット(保留表示部b1の保留アイコン)に向かうことを連想させたりすることができるようになっている。このように、人物ギミック93による特定の動作と液晶表示装置36による特定の画像表示演出とを合わせて実行することで、ギミック連動ボタン予告に対する注目を集めることができる。なおオーラZのような特定の画像(特定の画像表示演出)は、当り当選期待度に関連した複数種類のうちからいずれかを選択して現出させても良い。たとえば、オーラの色を保留色ように、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の順に遊技者に対する当り当選期待度が高まるように構成することができる。
以上に説明した第1ギミック演出例に係るギミック連動ボタン予告演出では(後述の図55〜図58の第2〜第5ギミック演出例も同様)、従来の遊技機のように、専ら画像表示演出により保留変化予告が展開されていくのに対し、まず、演出結果(保留変化)を導出させるために利用されるアイテム画像(投体N3)が、液晶表示装置36に表示される可能性がある旨を示唆する予兆演出として、人物ギミック93が第1の動作態様で動作する予兆動作演出を実行する第1の演出態様が現出され、この第1の演出態様の後(予兆動作演出の後)、液晶表示装置3にアイテム画像を表示させる第2の演出態様が現出されるようになっている。本実施形態では、ギミック連動ボタン予告演出を現出する際には、これに関連する画像表示演出よりも先立って、可動体役物による予兆演出を最初に現出させる。これにより、遊技者に対し、これから有利な情報が報知されうる特別な予告演出が開始されることが報知可能となっている。したがって、この予兆演出を見た遊技者は、遊技進行上、有利な遊技情報を得るチャンスが到来したことに期待感が膨らむことになる。
また従来の遊技機では、ボタン予告演出が専ら画像表示演出のみで構成されているのに対し、本発明のギミック連動ボタン予告では、可動体役物による「可動体演出」と、枠演出用ボタン13の操作を促す「ボタン予告演出(ボタン表示演出)」、さらに枠演出用ボタン13の操作後、演出結果として導出される「保留変化演出」とを密接関連付けることで、保留変化予告に関する演出を多彩なものとし、ボタン予告演出が本来有する演出効果の醍醐味を発揮するができるようになっている。特に、可動体役物を動作させる予兆演出を現出させた後、ボタン予告演出の現出タイミングやその現出位置について、人物ギミック93の動作とうまく連係する形態で現出させるので、枠演出用ボタン13への操作要求を強烈にアピールして、ボタン予告演出への参加を遊技者に促すことができるようになっている。これにより、ボタン予告演出の元来有する意義を十分に発揮することができる。また、演出結果を導出に利用するアイテム画像(投体N3)の現出タイミングやその現出位置についても、人物ギミック93の動作と一体的に、うまく連係する形態で現出されるので、演出が多彩なものになり、従来の遊技機のように専ら画像表示演出のみで構成されるものよりも、ボタン操作の楽しみが増えて遊技の面白みを向上させることができる。
なお、ボタン予告演出中の操作有効受付期間中に遊技者がボタン操作をしなかった場合、その操作有効受付期間後に投体N3を強制的に投擲し、演出結果(保留表示の変化)を導出しても良いが、ボタン操作をしなかった場合には演出結果を導出しないようにして(保留変化を一切生じさせない)、特殊遊技情報を報知しない、といった一種のペナルティを科して、ギミック連動ボタン予告への参加を促すことが好ましい。
(第2のギミック連動ボタン予告演出態様:図55)
次に図55を参照して、ギミック連動ボタン予告の第2ギミック演出例について説明する。この第2ギミック演出例は、液晶画面36中の、待機中の保留アイコンのうちいずれか一つの表示態様が人物ギミック93の動作に伴う動画画像(投体N3)の動きによって変更される点については、上述した第1ギミック演出例と同じであるが、第2ギミック演出例と第1ギミック演出例とが大きく異なる点は、表示される投体N3中に、当り当選期待度に関連した色彩および模様またはその一方または形状に表示態様が変化した「特殊な投体N3」が混在している点が異なる。なお以下では、第1ギミック演出例と同様の演出内容についての説明は重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここでは、第1ギミック演出例と同じく、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印(通常保留色)の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。
まず同図(A)では、ギミック連動ボタン予告が開始されると、人物ギミック93が腕94を上下に連続的に振る腕振り動作状態を伴う前兆(予兆)演出が実行され、この後で何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の遊技に対する緊張を高めることになる。
次いで(B)では、人物ギミック93が腕を振るのを止め、その後、人物ギミック93の口95が開く開口動作を現出するとともに、これに連動して、その口95の近傍の液晶画面36に吹き出しの形によるテロップPが現出される。ここでは、テロップPの表示内容として、枠演出用ボタン13を模した「押しボタン画像Y」と、「連打してみる?」のメッセージが現出される(ギミック連動型ボタン予告演出)。この演出も第1ギミック演出例と同じく、遊技者参加型のボタン予告演出として、遊技者に枠演出用ボタン13を押すことを促すものである。本例では、ボタン操作受付有効期間中であれば、ボタン操作を有効操作として受け付けるごとに、投体N3が連続的に発射されるようになっている。また、当該受付有効期間中は、テロップPに押しボタン画像Yが表示され続けて、枠演出用ボタン13の操作が再度行えることを遊技者に報知される。
次いで(C)では、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を押すことで、または押す度に、人物ギミック93が腕94を1回または複数回上下に振る動作を行う。この腕振り動作に伴い、人物ギミック93の腕94(手96)から投体N3(火炎弾)が次々に出現し(同図(D)〜(E))、これらが保留アイコンに向けて放物軌道を描きながら移動していく。これにより、人物ギミック93が保留アイコン(ターゲット)に目掛けて火炎弾(投体N3)を、連続的に投擲する様を表現したアクション演出(操作時ギミック連動演出)が現出される。このとき、放たれた投体N3(火炎弾)が複数ある場合、これらが必ずしもターゲットに向うように移動するのではなく、保留表示領域から外れる方向に移動し画面上から消えていったり、保留アイコン命中することなく画面上から消えていったりして、ターゲットから外れていく投体N3が現出されうる。投体N3が複数出現することにより、1つの保留アイコンの表示態様だけが変化するのではなく、複数の保留アイコンの表示態様が変化する可能性があることを遊技者に報知することができる。
図55の(D)〜(E)と図54の(C)との違いは、図55の(D)〜(E)では、投体N3として火炎弾について、その色彩および模様の少なくとも一方または形状が、通常のものと、通常よりも当り当選期待度の高いものに変化しているものとが混在している点である。これは投体N3が命中して保留アイコンの表示態様が通常よりも当り当選期待度の高いものに変化するであろうことを予感させるものである。
図示の場合、「無地<斜線<塗り潰し」の付いた火炎弾の順に当り当選期待度が「小」「中」「大」と高くなっている。すなわち、同図(D)では、投体N3が命中して保留アイコンの表示態様が通常時よりも当り当選期待度の高いものに変化するであろうことを予感させる緊張度合に関し、まず1番目の火炎弾が当り当選期待度「小」の無地の火炎弾であることによって当り当選期待度がさほど高められない。しかし続く、2番目の火炎弾が当り当選期待度「中」の斜線付の火炎弾であることによって当り当選期待度への緊張感が高められる。次いで、3番目の火炎弾が当り当選期待度「大」の塗り潰し火炎弾であることによって当り当選期待度が最高潮に高められる。次いで、4番目の火炎弾が当り当選期待度「小」の無地の火炎弾であることによって緊張感が和らげられる。遊技者は、これらの火炎弾のうちの一つにでも期待度が高いものが出現すれば、それで今回の図柄変動表示ゲームのゲーム結果が当り当選期待度の高いものであると判断し、期待を大きく膨らませることになる。このように、火炎弾に、通常のものと、通常よりも当り当選期待度の高いものに変化しているものとを混在させることにより、遊技者の当り当選期待度への緊張度合いを大きく変動させることができる。
次いで(E)〜(F)では、投擲された投体N3(火炎弾)が各保留アイコンのうちの一つに命中する度に、その保留アイコンを覆う煙幕Rが発生する。ここでは命中時の発生する煙幕Rに保留変化期待度(当り当選期待度)に関連した変化を持たせている。同図(E)と(F)との違いは、(E)では無地の火炎弾(当り当選期待度「小」)が命中したが保留変化期待度(当り当選期待度)が低い白色の煙幕Rが発生したことを示し、(F)では斜線付の火炎弾または塗り潰し火炎弾が命中して保留変化期待度(当り当選期待度)が高い色付き(たとえば、緑色)の煙幕Rことを示している。
次いで(G)では、投体N3(火炎弾)が命中した保留アイコンの表示態様が、通常よりも当り当選期待度の高い色彩および模様またはその一方または形状に変化する。このとき命中した旨のテロップPが画像表示される。この例では、保留表示部b1の保留アイコンが、通常よりも当り当選期待度の高い斜線付き保留アイコンに変化する。
以上の第2ギミック演出例も第1ギミック演出例と同様の作用効果を奏することができる。さらに第2ギミック演出例では、投体N3について、通常のものだけでなく、その色彩および模様の少なくとも一方または形状が、通常のものと、通常よりも当り当選期待度の高いものに変化しているものとを混在させることにより、投体N3が投擲されるごとに、遊技者の当り当選期待度への緊張度合いを変動させ、ボタン予告演出の面白みを向上させることができる。
(第3のギミック連動ボタン予告演出態様:図56)
次に図56を参照して、ギミック連動ボタン予告の第3ギミック演出例について説明する。この第3ギミック演出例は、投擲された投体N3としての火炎弾の数が複数種類であり、かつ、その複数の投体N3中に、当り当選期待度に関連した色彩および模様またはその一方または形状に表示態様が変化したものが混在している点については第2ギミック演出例と同じであるが、「複数の保留表示が変化しうる」、つまり「複数の保留表示変化予告を許容する」といった点で、上記第1および第2ギミック演出例のように重複的な保留変化予告を禁止して、一つの保留表示しか変化を許容しない形態とは異なる。なお以下では、第2ギミック演出例と同様の演出内容についての説明は重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここでは、第2ギミック演出例と同じく、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印(通常保留色)の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。
まず同図(A)では、ギミック連動ボタン予告が開始されると、人物ギミック93が腕94を上下に連続的に振る腕振り動作状態を伴う前兆(予兆)演出が実行され、この後で何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の遊技に対する緊張を高めることになる。
次いで(B)では、人物ギミック93が腕を振るのを止め、その後、人物ギミック93の口95が開く開口動作を現出するとともに、これに連動して、その口95の近傍の液晶画面36に吹き出しの形によるテロップPが現出される。ここでは、テロップPの表示内容として、枠演出用ボタン13を模した「押しボタン画像Y」と、「連打してみる?」のメッセージとが現出される(ギミック連動型ボタン予告演出)。この演出も第1ギミック演出例と同じく、遊技者参加型のボタン予告演出として、遊技者に枠演出用ボタン13を押すことを促すものである。
次いで(C)では、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を押すことで、または押す度に、人物ギミック93が腕94を1回または複数回上下に振る動作を行う。この腕振り動作に伴い、遊技者が枠演出用ボタン13を連打すると、第2ギミック演出例と同じように、液晶画面36内に火炎弾を模した投体N3の画像が次々に出現し、この投体N3が各保留アイコンに向けて放物軌道を描きながら移動していく(同図(D)〜(E))。これにより、人物ギミック93が保留アイコン(ターゲット)に目掛けて火炎弾(投体N3)を、連続的に投擲する様を表現したアクション演出(操作時ギミック連動演出)が現出される。
図56の(D)〜(F)と図55の例の(D)〜(F)との大きな違いは、図56の(D)〜(F)では、投体N3(火炎弾)のターゲットが複数の保留アイコンとなっている点である。たとえば図56(D)では、2発の火炎弾が、それぞれ別々のターゲットを対象とするように放物軌道を描きながら移動しており、図56(E)では3発の火炎弾が、それぞれ別々のターゲットを対象とするように放物軌道を描きながら移動している。
次いで(F)では、放たれた複数個の投体N3(火炎弾)が、各保留アイコンのうちの2つに命中し(図示では、保留表示部b1、c1の保留アイコン)、それら保留アイコンを覆って煙幕Rが発生している状態(秘匿状態)を示している。これにより、複数の保留アイコンが保留変化予告の対象となったことが報知される。
次いで(G)では、投体N3(火炎弾)が命中した保留アイコンの表示態様が、通常よりも当り当選期待度の高い色彩および模様またはその一方または形状に変化する。このとき命中した旨のテロップPが画像表示される。この例では、保留表示部b1、c1の保留アイコンの2つのが、それぞれ通常よりも当り当選期待度の高い斜線付き保留アイコンと、斜線付き保留アイコンよりも当り当選期待度の高い塗り潰しの保留アイコンに変化する。
以上の第3ギミック演出例も第1ギミック演出例および第2ギミック演出例と同様の作用効果を奏することができる。さらに第3ギミック演出例では、複数の保留表示が専用保留表示態様に変化しうる、といった点で、その変化が1つなのか、それとも複数なのか、といった様々な期待を遊技者に抱かせることができる。
(第4のギミック連動ボタン予告演出態様:図57)
次に図57を参照して、ギミック連動ボタン予告の第4ギミック演出例について説明する。この第4ギミック演出例は、液晶画面36中の、待機中の保留アイコンの表示態様が、人物ギミック93の動作に伴う動画画像(投体N3)の動きによって変更される点は、図54〜図57に示した第1〜第4ギミック演出例と同じであるが、煙幕Rにより、少なくとも現存する作動保留球の保留表示(保留アイコン)が秘匿状態とされる点が異なる。以下では、図54の第1ギミック演出例と同様の演出内容についての説明は重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここでは、第1ギミック演出例と同じく、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印(通常保留色)の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。
まず同図(A)では、ギミック連動ボタン予告が開始されると、人物ギミック93が腕94を上下に連続的に振る腕振り動作状態を伴う前兆(予兆)演出が実行され、この後で何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の遊技に対する緊張を高めることになる。
次いで(B)では、人物ギミック93が腕を振るのを止め、その後、人物ギミック93の口95が開く開口動作を現出するとともに、これに連動して、その口95の近傍の液晶画面36に吹き出しの形によるテロップPが現出される。ここでは、テロップPの表示内容として、枠演出用ボタン13を模した「押しボタン画像Y」と、「いっぺん押してみる?」のメッセージが現出される(ギミック連動型ボタン予告演出)。この演出も第1演出例と同じく、遊技者参加型のボタン予告演出として、遊技者に枠演出用ボタン13を押すことを促すものである。
次いで(C)では、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を押すことでまたは押す度に、人物ギミック93が腕94(手96)を1回または複数回上下に振る動作を行う。この腕振り動作に伴い、人物ギミック93の腕94(手96)から投体N3(火炎弾)のアイテム画像が出現し、この投体N3(火炎弾)がターゲットの保留アイコンに向けて、放物軌道を描きながら移動していく。これにより、人物ギミック93が保留アイコン(ターゲット)に目掛けて火炎弾(投体N3)を投擲する様を表現したアクション演出(操作時ギミック連動演出)が現出される。なお(C)では、第1ギミック演出例と同じく、投体N3を1つだけ投擲するアクション演出の例を示しているが、これは一例であって、第2ギミック演出例または第3ギミック演出例のように、投体N3を複数投擲するアクション演出を採用することができる。
次いで(D)では、放り投げた投体N3(火炎弾)が当該保留アイコンに命中し、当該保留アイコンを一時的に秘匿状態する着弾演出(秘匿演出)が現出される。図57の(D)と図54の例の(D)との違いは、図57の(D)では、投体N3がターゲットである保留アイコンに命中した場合、煙幕Rにより保留変化対象の保留アイコンをのみならず、待機中の保留アイコンのすべてが秘匿状態とされている点である。この(D)において、保留アイコンを秘匿状態とする秘匿演出は、図38〜図53Bで示した特殊保留変化予告に係る「爆煙演出(秘匿演出)」と同様の働きをするものであり、図38〜図53Bの「爆煙演出(秘匿演出)」のいずれも採用することができる。また秘匿演出は、現保留表示秘匿演出、保留表示準秘匿演出、および保留表示領域(全保留表示部)秘匿演出のいずれを採用しても良い。
次いで(E)では、煙幕Rが消え去り、保留アイコンが秘匿状態から開示状態とされる。そして投体N3(火炎弾)が命中した当該保留アイコンの保留表示態様が、色彩および模様の少なくとも一方または形状が変化しうる。このとき命中した旨のテロップP(「命中!」が画像表示される。この例では、保留表示部b1の保留アイコンとゲーム実行中保留Kの2つの保留アイコンが、通常よりも当り当選期待度の高い斜線付き保留アイコンに変化する。この(E)に示す開示状態を伴う開示演出は、図38〜図53Bで示した特殊保留変化予告に係る開示演出のいずれにも採用することができる。
以上の第4ギミック演出例も第1ギミック演出例と同様の作用効果を奏することができる。さらに第4ギミック演出例では、待機中の保留アイコンのすべてが秘匿状態となる点で、同じく待機中の保留アイコンのすべてを秘匿状態とする特殊保留変化予告における爆炎演出(秘匿演出)による作用効果と同じ作用効果を奏することができる。なお、この第4ギミック演出例における秘匿演出は、複数の保留表示態様の変化を許容する上記第3ギミック演出例に好適である。また煙幕Rによる秘匿状態を上記「保留表示準秘匿演出」としても良い。
(第5のギミック連動ボタン予告演出態様:図58)
次に図58を参照して、ギミック連動ボタン予告の第5ギミック演出例について説明する。この第5ギミック演出例は、上記第1〜第4ギミック演出例のように保留変化が発生するのではなく、テロップPにより特殊遊技情報を報知される点が異なる。以下では、図54の第1ギミック演出例と同様の演出内容についての説明は重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここでは、第1ギミック演出例と同じく、保留表示領域76内の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印(通常保留色)の保留アイコンが表示され、さらに受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケースを示している。
まず同図(A)では、ギミック連動ボタン予告が開始されると、人物ギミック93が腕94を上下に連続的に振る腕振り動作状態を伴う前兆(予兆)演出が実行され、この後で何らかの演出が生ずるであろうことを予感させ、遊技者の遊技に対する緊張を高めることになる。
次いで(B)では、人物ギミック93が腕を振るのを止め、その後、人物ギミック93の口95が開く開口動作を現出するとともに、これに連動して、その口95の近傍の液晶画面36に吹き出しの形によるテロップPが現出される。ここでは、第1ギミック演出例と同様に、テロップPの表示内容として、枠演出用ボタン13を模した「押しボタン画像Y」と、「いっぺん押してみる?」のメッセージが現出される(ギミック連動型ボタン予告演出)。
次いで(C)では、遊技者が枠演出用ボタン13を押した場合を示しており、遊技者が枠演出用ボタン13を押すことでまたは押す度に、人物ギミック93が腕94(手96)を1回または複数回上下に振る動作を行う。この腕振り動作に伴い、人物ギミック93の腕94(手96)から投体N3(火炎弾)のアイテム画像が出現し、この投体N3が保留アイコンに向けて、放物軌道を描きながら移動していく。これにより、人物ギミック93が保留アイコン(ターゲット)に目掛けて火炎弾(投体N3)を投擲する様を表現したアクション演出(操作時ギミック連動演出)が現出される。
次いで(D)では、投擲された投体N3としての火炎弾が保留アイコンに命中することなく、保留表示領域76、77、76hや変動中表示領域78とは無関係な着弾位置(ここでは、装飾図柄変動表示領域の略中央部)で爆発(誤爆)した状態を示している。この演出(誤爆演出)は、今回のギミック連動ボタン予告において、保留変化が一切発生しないことを意味している。
次いで(E)では、爆発地点である装飾図柄変動表示領域の略中央部で、煙の形をしたテロップPが表示され、その表示内容として「チャンス」のメッセージが表示される。
図58(D)の例が図54〜図57の演出例との違いは、保留アイコンによる保留変化予告が現出されないといった点である。すなわち、液晶画面36内の保留表示に関する特殊遊技情報(本例では、「チャンス」の文字情報)が報知されるが、その情報が、いずれの保留アイコンを対象としたものであるかが遊技者に対し不明確とされる点である。また、いずれの保留アイコンが対象としているのかを明確にした内容を報知しても良い。たとえば、「当該変動は大チャンス!」といったメッセージのテロップPを表示したり、「次々変動は当確だよ!」や「次々変動はドル箱を用意だよ!」など、将来の変動の演出結果を確定的に報知するメッセージのテロップPを表示したりしても良い。
以上の第5ギミック演出例は、他のギミック演出例とは異なり、ギミック連動ボタン予告は出現したが、その演出結果としての保留変化予告が生起されない。しかし、液晶画面36内の保留表示(保留アイコン)に関する特殊遊技情報を報知する(ただし、いずれの保留表示を対象としたものであるかについては、報知されない)、といった点では、遊技者にとっては有用な遊技情報が報知されており、遊技者は、今後に展開される図柄変動表示ゲームの行く末に期待感を寄せて遊技に興じることができる。なお、上記の第5ギミック演出例は、第1〜第4ギミック演出例のいずれの演出例にも現出可能な演出とすることができる。
(変形例)
なお、第1〜第5ギミック演出例は、ボタン予告演出を介して、演出結果を導出する実施形態について説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、ギミック連動型ボタン予告演出を出現しない構成、つまり、第1〜第5ギミック演出例において、ボタン予告演出が発生しない「遊技者非参加型演出(ギミック連動演出)」とすることができる。具体的には、人物ギミック93による予兆(前兆)演出を実行させた後(ボタン予告演出は現出せずに)、演出シナリオの進行に従い(演出時間の経過に従い)、人物ギミック93の腕振り動作が実行され、その腕振り動作の動作パターンと連動する形態で、人物ギミック93の腕94(手96)から投体N3(火炎弾)のアイテム画像を現出させるように構成することができる。本変形例も、ギミック連動ボタン予告演出を現出する際には、これに関連する画像表示演出よりも先立って、可動体役物による予兆演出を最初に現出させる点は、第1〜第5ギミック演出例と同じである。また、第1〜第5ギミック演出例のような遊技者参加型演出および/または本例のような遊技者非参加型演出を現出可能な構成とすることができる。
以上、ギミック連動型ボタン予告として第1演出例〜第5演出例を代表的に説明した。これらの演出例のうち、1または複数種類のギミック連動型ボタン予告を採用するかは適宜定めることができる。また、いずれの演出例を採用するかは自由である。
以上に説明した本実施形態に係るギミック連動ボタン予告は、次のように構成することができる。
始動手段が遊技球を検出したことを契機に、所定の遊技情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された遊技情報に基づき、当りに関する抽選を実行する抽選手段と、遊技図柄の変動表示動作による図柄遊技を行い、抽選手段による抽選結果を導出表示する図柄表示手段と、取得手段により取得された前記遊技情報を、図柄表示手段における遊技図柄の変動表示動作に供されるまで、あらかじめ定めた最大保留記憶個数を上限として保留記憶する保留記憶手段と、保留記憶に基づく遊技図柄の変動表示動作が実行される前に、少なくとも前記抽選手段による抽選結果を先読み判定する先読み判定手段と、動作により演出を実行可能に構成された可動演出手段と、画像により演出を表示可能に構成された画像表示手段と、所定の演出実行条件に基づき、前記可動演出手段および前記画像表示手段を利用して、先読み判定手段による先読み判定結果に関連する先読み情報を、演出結果として導出可能な特殊予告演出を実行制御する予告演出制御手段と、を備える。そして、上記特殊予告演出は、次の第1〜第3の演出態様を含んで構成することができる。
上記特殊予告演出は、演出結果(保留変化)を導出させるために利用される特別演出(たとえば、アイテム画像(投体N3))が画像表示手段(たとえば、液晶表示装置36)に表示される可能性がある旨を示唆する予兆演出として、可動演出手段(人物ギミック93)が第1の動作態様で動作する予兆動作演出を実行する第1の演出態様と、上記第1の演出態様の後、画像表示手段に特別演出を表示させる第2の演出態様と、上記第2の演出態様において現出された特別演出を利用して演出結果を導出させる結果演出を実行する第3の演出態様と、含んで構成することができる。なお、第1の演出態様の後、第2演出態様の開始前に、ボタン予告演出を実行する第4の演出態様を含んでも良い。
また上記第2の演出態様は、上記予兆動作演出の後に、可動演出手段が、上記第1の動作態様とは異なる第2の動作態様で動作するとともに、当該可動演出手段による第2の動作態様と連係して、上記画像表示手段に特別演出を現出する連係演出(操作時ギミック連動演出)を実行する演出態様を含んで構成することができる。また上記特別演出は、第1の特別演出(通常表示色の火炎弾)と、当該第1の特別演出よりも演出結果として先読み情報が導出される導出期待度(保留変化期待度)が相対的に高い第2の特別演出(専用表示色の火炎弾)とを含むことができる。
<主制御部側の処理:図7〜図16>
次に図7〜図16を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図7)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図8)とを含んで構成される。
<6.主制御側メイン処理:図7>
図7は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、主制御部20(CPU201)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップS012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次に、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」が初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS018)。なお演出制御部24が上記RAMクリア表示コマンドを受けると、RAMクリアされた旨を報知する初期化報知演出をRAMクリア報知タイマ(30秒)が経過するまで実行し、初期状態の演出モードとして、演出モードを通常演出モードに設定するようになっている。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ、などが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、初期化スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:YES)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘XXH’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行する。
ステップS015の遊技復旧処理を終えると、ステップS019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。
<7.主制御側タイマ割込処理:図8>
次に図8を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図8は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において入賞を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。また上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常を監視し、異常(エラー)が発生した場合には、所定のエラー処理を行う。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS057)の補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を行う(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図16にて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、右打ち指示情報(右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(普通図柄始動口37に入賞を促す指示情報))を報せる「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるケースで、電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、右打ち報知情報管理処理において、上記発射位置誘導演出の開始を指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記発射位置誘導演出を現出制御する構成となっている。また、電サポ無し状態下において遊技者が誤って発射位置を右流下経路3c側に狙いを定めていると推定されるケースでは、上記発射位置誘導演出として、左打ち指示情報(左流下経路3bを狙う旨を指示する情報)を報せる「左打ち報知演出」を現出させるための処理も行う。この左打ち情報が報知されるケースとしては、たとえば、電サポ無し状態下において普通図柄始動口37に入賞が発生した場合が挙げられる。このような場合、右打ち報知情報管理処理において、上記左打ち報知演出の開始を指示する「左打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記左打ち報知演出(たとえば、音声による警告音)を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a、38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図9のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報(当り遊技開始情報、図柄変動表示ゲーム開始・終了情報、入賞発生情報、賞球払い出し情報など)をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、ステップS058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定のパターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
(8.特別図柄管理処理:図9)
次に、図8中の特別図柄管理処理(ステップS059)について説明する。図9は、ステップS059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、小当り中フラグの状態を判定する(ステップS303)。この「小当り中フラグ」とは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS303:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、小当り遊技中でもなく大当り遊技中でもない場合(ステップS303:≠5AH、かつステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(ステップS303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、小当り遊技中または大当り遊技中のいずれかである場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、小当り後または大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00Hまたは01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細は、後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS062)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−1.特図1始動口チェック処理:図10)
まず、特図1始動口チェック処理(図9のステップS301)について説明する。図10は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などが行われる。なお後述の特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)も特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と同じ処理手順を踏む。
図10において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS320の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数および変動パターン用乱数は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数値をカウントするための大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。このカウント値は、大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納され、CPU201は、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。
次いで、保留加算コマンド(詳細は後述する)を作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得し(ステップS315)、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。上記「特図1先読み禁止条件」とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず(ステップS315の処理により保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなる)、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS316:YESの処理ルート参照)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、下始動口35への入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(可動翼片47の作動率向上状態:補助当りの当選確率が256分の255となり、開放延長機能が作動する)」となるため、遊技者が普通図柄始動口37へ入賞させるように発射位置を狙い定めた場合(本実施形態では、右流下経路3cを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、可動翼片47の作動率が低い「低ベース遊技状態(補助当りの当選確率が256分の1となり、開放延長機能が未作動となる)」となり、また本実施形態では、遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっており、遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合には、特に不利益をもたらす、という遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路3b側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
そこで本実施形態では、上記のような問題点に鑑み、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を設け、遊技状態に応じて、これらの区間を切り替え制御可能に構成されている。
再びステップS316の説明に戻り、特図1先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS316:YES)、先読み判定に関する処理(ステップS317〜S319)は行わずに、ステップS320の処理に進む。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS316:NO)、次いで、乱数判定処理を行う(ステップS317)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球(ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1(特図1)側)に係る「当落抽選」を事前に判定する‘先読み判定(先読み当落判定)’を行う。具体的には、まずRAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、次いで、当り乱数判定テーブルを取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(大当り、ハズレの別の判定)、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述の図12のS409参照)」の抽選結果(変動開始時の当落抽選結果)を先読み判定し、その結果を取得する。
ここで本実施形態では、このステップS317の乱数判定処理で取得した大当り判定フラグの状態(5AHまたは00H)をCPU内蔵の汎用レジスタ(たとえば、Aレジスタ)に取り込む。そして、大当り判定フラグをレジスタに保持した状態で、この乱数判定処理を抜けて、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理をに進むようになっている。つまりCPU201は、レジスタに取り込んだ当落抽選結果をRAM203には格納せずに、これを保持したまま、この乱数判定処理を抜けるようになっている。
本実施形態では、今回の乱数判定処理で得られた判定結果、すなわち先読み判定における当落抽選結果のデータは、続く「特別停止図柄データ作成処理」で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることがない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで乱数判定処理を抜けても問題はない。これにより、乱数判定処理の判定結果(入賞時処理における当落判定処理の判定結果(先読み判定に係る当落結果))を格納するためのプログラムを必要とせず、またその判定結果を格納するための専用の格納領域を別途設ける必要はないことから、ROMやRAMのメモリ容量を削減し、制御負担を軽減することができるようになっている。
(T−1.当り乱数判定テーブル)
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る「特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)」とが含まれ、図10の特図1始動口チェック処理中においては「特図1用当り乱数判定テーブル」、図11の特図2始動口チェック処理中においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)と低確率状態(低確))別に、当落種別(大当りか、小当りか、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当り、小当り、またはハズレのいずれかが決定される。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」といったように当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で大当りに当選するようになっており、小当りの当選確率は、大当り抽選確率状態にかかわらず、約1/200となっている。つまり、小当りの当選確率は大当り抽選確率状態にかかわらず一定であり、この点、大当り抽選確率状態により当選確率が変動する上記の大当りと性格を異にする。
なお特別図柄変動表示ゲーム2による当落抽選(後述の特図2始動口チェック処理中のステップS337(図11参照))では、別途設けた上記「特図2用当り乱数判定テーブル」を利用した抽選が行われる。本実施形態の特図2用当り乱数判定テーブルにおいては、大当り当選の判定領域は同じ(大当りの当選確率は同じ)であるが、小当り当選となる判定値自体を定めていない。すなわち、特別図柄変動表示ゲーム1では、大当り、小当り、およびハズレが当落抽選対象とされるが、特別図柄変動表示ゲーム2では、大当りとハズレだけが当落抽選対象とされる。勿論、特図2用当り乱数判定テーブルについても、小当りを当落抽選対象として定めても良い。
上記したステップS317の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS318)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「図柄抽選」を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別停止図柄作成処理(後述の図11のS410参照)」の抽選結果(変動開始時の図柄抽選結果)を先読み判定する。なお上記乱数判定処理(ステップS317)〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)が‘先読み当り判定’に係る処理となる。
ステップS318の特別停止図柄データ作成処理に入ると、まずステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果を取得し、この当落抽選結果(大当り、小当り、ハズレの別)に応じて、大当り図柄テーブル、小当り図柄テーブル、またはハズレ図柄テーブルのいずれかを選択する。そして、ステップS314で取得した特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした先読み図柄判定(当り(当選)種別の先読み判定)を行う。
(T−2.図柄テーブル)
上記の各図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当選種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは、当選種別(当選の種類:大当り種別、小当り種別、およびハズレ種別)を識別するデータであり、具体的には、2R短開放潜確大当り、12R長開放確変大当り、12R長開放非確変大当り、16R長開放確変大当り、小当りA〜C、ハズレA〜Bのいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12のステップS411の遊技状態移行準備処理、ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、大当り遊技の実行制御に関する処理(図6の特別電動役物管理処理(ステップS060)など)において利用されるデータである。また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。
(T−2−1.大当り図柄テーブル)
本実施形態の大当り図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「大当り図柄テーブル1」と特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「大当り図柄テーブル2」とが含まれる。各大当り図柄テーブルには、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル1では、たとえば、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜79の範囲に属する場合には「2R短開放潜確大当り」当選となり(図柄選択(抽選)率:80/200)、判定値80〜119の範囲に属する場合は「12R長開放非確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、判定値120〜179の範囲に属する場合には「12R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:60/200)、判定値180〜199の範囲に属する場合には「16R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:20/200)、大当り種別が所定の図柄選択率で決定され、これに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
また上記大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。具体的には、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜39の範囲に属する場合には「12R長開放非確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、判定値40〜79の範囲に属する場合には「12R長開放非確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、判定値80〜199の範囲に属する場合には「16R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:120/200)、「2R短開放潜確大当り」が当選となる判定値が存在しない構成となっている。つまり、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りの種類が選択される確率が高く、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。これにより、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。特に、電サポ有り状態下では、下始動口35側の入賞確率が飛躍的に向上して特別図柄変動表示ゲーム2の実行機会も増えるため、電サポ有り状態中は、高ベース遊技状態であるだけでなく、図柄抽選の観点からも遊技者にとって有利な遊技状態とされる。
(T−2−2.小当り図柄テーブル)
本実施形態の小当り図柄テーブルは、特別図柄変動表示ゲーム1と特別図柄変動表示ゲーム2とで兼用され、上記の大当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、小当り種別(小当りA〜Cのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお小当りA〜Cの図柄選択率は、自由に設定することができるが、図柄選択確率の関係が「小当りA<小当りB≦(または<)小当りC」の関係であることが好ましい。その理由は、次の通りである。小当りAに当選した場合、CZ継続回数が最も少ない1回に設定され、CZ期間が最も短くなることから、たとえCZに移行しても潜確状態への緊張感がすぐに終ってしまい、CZ中の面白みに欠けてしまう。このため、「小当りA」を高い図柄選択率とするよりも、潜確状態が確定しうるCZ継続回数4回に近い回数が設定される「小当りBや小当りC」の図柄選択率を相対的に高める方が、潜確状態への緊張感を持続させ、CZ中の面白みを向上させる上で効果的だからである。
(T−2−3.ハズレ図柄テーブル)
本実施形態のハズレ図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「ハズレ図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「ハズレ図柄テーブル2」とが含まれる。
上記ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルや小当りテーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(たとえば、ハズレA、ハズレBのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Bの当選に係る判定値が異なっており、したがって特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。
本実施形態では、ハズレAの当選確率よりもハズレBが低く定められており、具体的には、「ハズレA<ハズレB」の関係を満たすようにその当選確率が定められている。このような関係を利用し、ハズレAが当選した場合よりもハズレBに当選した場合の方がリーチ変動パターンの選択率を高めることで、適切な頻度で、リーチ演出を現出させることができるようなっている。本実施形態の場合、ハズレAではSPリーチを指定するリーチ変動パターン(SPリーチ変動パターン)は選択されず、ハズレBの場合にSPリーチ変動パターンが選択されるようになっている(図65参照)。
これについて遊技進行上、滞在期間が比較的長期間となる「通常」中を代表的に説明する。今回の特別図柄変動表示ゲームに係る作動保留球が「ハズレA」に当選した場合には、‘通常変動パターン’またはNリーチが選択されるようになっている。また「ハズレB」が当選した場合には、‘Nリーチ’種別や、それよりも当選期待度が相対的に高い‘SPリーチA’種別が選択されうるようになっている。これにより、ハズレ時の多くは、通常変動に係る演出が現出され、適切な頻度で、SPリーチ演出を現出させることができるようになっている。これにより、遊技者に対して大当りへの当選期待感を過度に煽ってしまうことを防止している。
上記したステップS318の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理も、上記乱数判定処理(ステップS317)や特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る変動開始時の変動パターンを先読みする‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別図柄変動パターン作成処理(後述の図12のS412参照)」の結果(変動開始時の変動パターン内容)を先読み判定する。
上記始動口入賞時乱数判定処理に入ると、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた図柄抽選結果と、変動パターン用乱数とを利用し変動開始時の変動パターンの先読み判定を行い、その判定結果に基づいて、後述の「保留加算コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータ(2バイト目(EVENT):下位バイト)の作成処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータ(EVENT)により、先読み変動パターン(作動保留球数情報は除く)の内容が指定される。
ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターンを指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成される「保留加算コマンド(後述の図59参照)」を作成し(ステップS320)、演出制御部24に送信する(ステップS321)。これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、図11の特図2始動口チェック処理(ステップS302)を行う。なお上記保留加算コマンドは、具体的には、作動保留球数と特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)とに応じて作成され、先読み判定時の作動保留球数およびその特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターン種別を指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成される。
上記「保留加算コマンド」には、主として、作動保留球数に関する情報と、先読み変動パターン種別に関する情報とが含まれる。また本実施形態では、特別図柄種が複数種類(特別図柄1と特別図柄2)あるので、この特別図柄種別に関する情報も含まれる。斯様な保留加算コマンドにより、今回の保留記憶ついて、いずれの特別図柄側であるのか、何個目の作動保留球であるのか、先読み判定結果はどのような変動パターンであるのかなどについて演出制御部24側において特定可能となる。なお、先読み変動パターン種別に関する情報は、演出制御部24側において先読み演出抽選をする契機に利用され、作動保留球数に関する情報と特別図柄種別に関する情報は、図5に保留表示領域76、77として示すように、特別図柄1側と特別図柄2側に区別して作動保留球数を表示するのに利用される。
上記したように、保留加算コマンドには複数種類の情報が含まれている。本実施形態では、単一の保留加算コマンドを作成してこれを演出制御部24側に送信する形態としているが、これに限らず、次のような形態の保留加算コマンドとすることができる。
保留加算コマンドを複数種類の制御コマンドに分け、これらを順次送信可能な構成とすることができる。複数種類の制御コマンドとしては、たとえば、作動保留球数に関する情報を含む制御コマンド(保留記憶された保留球数に関する情報を含む第2の制御コマンド)と、先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンド(先読み判定結果に関する情報を含む第1の制御コマンド)とすることができる。また、特別図柄種別情報を含ませる場合には、作動保留球数に関する情報および特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に関する情報を含む制御コマンドと、先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンドとするか、または、作動保留球数に関する情報を含む制御コマンドと、特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に関する情報および先読み変動パターン種別に関する情報を含む制御コマンドとすることができる。
上記のように、演出制御コマンドに複数種類の情報を含ませて演出制御部24に送信する場合、それら情報を単一の演出制御コマンドに含ませて演出制御部24に送信する構成としているがこれに限らず、一の情報を含む演出制御コマンドと、他の情報を含む演出制御コマンドとに分けて、単一の演出制御コマンドが有する情報を、上述のように、複数の演出制御コマンドに分担させる形態で演出制御部24に送信する構成としても良い。
(保留加算コマンド一覧:図59)
図59に保留加算コマンドを例示する。なお図示では、保留加算コマンドとして、通常中に利用される保留加算コマンドを代表的に例示し、他の保留加算コマンドについては、説明の便宜上、重複記載を避けるために省略する。
保留加算コマンドは、2バイトの制御データで構成される。具体的には、図59に示すように、作動保留球数と特別図柄種別(特別図柄1および特別図柄2)とに応じて作成される上位バイト(1バイト目(MODE)データ:「BXH」(BXHはB5H〜BEH))と、そしてステップS319の始動口入賞時乱数判定処理で作成される下位バイト(2バイト目(EVENT)データ:「XXH」(XXはコマンドごとに対応する数値:00H〜11H))とから構成される。
上位バイト(MODE)データB5H〜BEHは先読み判定時の作動保留球数を指定するもので、このうち「B6H〜B9H」は特別図柄1の作動保留球数1〜4個の指定にそれぞれ対応し、「BBH〜BEH」は特別図柄2の作動保留球数1〜4個の指定にそれぞれ対応する。また下位バイト(EVENT)データ00H〜11Hのうち、00H〜0AHはハズレの先読み変動パターン種別X1〜X11の指定に対応し、0BH〜11Hは当りの先読み変動パターン種別Y1〜Y7の指定に対応する。
したがって、この保留加算コマンドには、先読み判定に関する一連の処理(ステップS315〜S317)において得られた先読み判定結果情報、具体的には、先読み変動パターンを特定しうる情報が含まれる。ただし、下位バイト(EVENT)値が「01H」の場合は、先読み禁止が指定される。
なお上記した保留加算コマンドを、複数種類の制御コマンドに分担させる形態(上記変形例)とする場合には、図示の保留加算コマンドデータ値を適宜変更して各制御コマンドに分担させるように構成した2バイト構成の制御コマンドとし、先読み判定時の作動保留球数情報や先読み変動パターン情報を特定可能に構成すれば良い。
上記保留加算コマンドが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、その保留加算コマンドに含まれる情報に基づく先読み予告演出の現出に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、先読み予告演出を現出する場合、図柄変動表示ゲームの開始とともに、またはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とする先読み予告演出を現出させる。また演出制御部24は、保留加算コマンドを受けた場合、始動口に入賞があった旨を報知する「入賞演出」を現出させることができる。
なお、作動保留球数が4以上の場合に新たな入賞があった場合にもオーバーフロー(overflow)入賞時の保留加算コマンド(以下、「OF保留加算コマンド」と略す)が作成され、演出制御部24に送信されるようになっている。このOF保留加算コマンドも、2バイトから構成され、上位バイト目(MODE)は「B5H(特別図柄1に対応)」または「BAH(特別図柄2に対応)」であり、下位バイト(EVENT)はオーバーフロー入賞を指定する「00H」となっている。
また上記OF保留加算コマンドは、先読み判定には利用されずに、専ら上述の「入賞演出」に利用されるものであるが、以下のような演出を現出させるように構成しても良い。たとえば、演出制御部24が上記OF保留加算コマンドを受信したことを契機として、上記した「特殊保留変化予告演出」および/または「ギミック連動ボタン予告演出」の実行抽選を行うことができる。オーバーフロー入賞は、作動保留球として保留記憶されず、始動口への入賞による僅かな賞球を得られるだけであり、遊技者側からしてみれば、お得感が無いものである。しかし、OF保留加算コマンドの受信を上記した「特殊保留変化予告演出」および/または「ギミック連動ボタン予告演出」の実行契機とすることで、未だ最終結果が導出されていない図柄変動表示ゲームの結果に関連する遊技情報が報知される可能性がある。この点で、OF保留加算コマンドを何ら予告演出に利用しない場合よりも、遊技進行上、有用な遊技情報を知得できうる点で、遊技者にとり、お得感があるものとすることができる。
(8−2.特図2始動口チェック処理:図11)
次、特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)について説明する。図11は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などの処理が行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(ステップS301)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図11において、CPU201は、まず下始動口35において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS331)。
下始動口35の入賞検出がなかった場合は(ステップS331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。しかし下始動口35の入賞を検出した場合は(ステップS331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(ステップS332:YES)、ステップS345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(ステップS333)、ステップS334の処理に進む。
ステップS334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)の乱数カウンタの現在値を取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS334)。この処理は、図10のステップS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。
次いで、入賞コマンドデータとして、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(下位バイト「01H」)を取得し(ステップS335)、「特図2先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS336)。上記「特図2先読み禁止条件」とは、特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図2先読み禁止条件が成立している場合(ステップS336:YES)、今回の特図2作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS336:YESの処理ルート)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ無し状態を伴う遊技状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中または潜確状態中である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
「通常遊技状態」または「潜確状態」であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、下始動口35の入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、本実施形態では、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路3bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも上始動口34の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
なお本実施形態では、遊技状態に応じて、特別図柄1側の先読み禁止区間(先読み禁止状態の期間)と特別図柄2側の先読み禁止区間とを切り替え可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態に応じて、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれか一方の先読み判定は一切実施しないという構成としても良い。特にCZ中において、先読み判定を一切実施しない構成としても良い。CZ中においては、これに対応する専用のCZ演出モード下でなされる演出により、遊技者の潜確状態の期待感を煽るようになっている。またCZ期間も比較的短期間である。このため、先読み予告演出を現出させない(CZ中を先読み禁止区間とする)構成としても良い。
再びステップS336の説明に戻り、特図2先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS336:YES)、ステップS340の処理に進む。しかし特図2先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS336:NO)、ステップS337の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS337)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み当落判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS317の乱数判定処理と実質的に同じである。
ステップS337の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS338)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み図柄判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS318の特別停止図柄データ作成処理と実質的に同じである。
次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(ステップS339)、入賞コマンドデータと作動保留球数に基づき、図59の保留加算コマンド(MODEデータがBAH〜BEH、EVENTデータが00H〜11H)を作成し(ステップS340)、作成した保留加算コマンドを演出制御部24に送信して(ステップS341)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
(8−3.特別図柄変動開始処理:図12)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS305)について説明する。図12は、図9の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
本実施形態では、上記優先変動手段により、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。より詳しくは、特別図柄1または特別図柄2が停止表示されたことを条件に、上記第1の保留記憶エリア(第1の保留記憶手段(特別図柄1側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄1に関する保留データ(第1の保留記憶:特図1作動保留球)が記憶されており上記第2の保留記憶エリア(第2の保留記憶手段(特別図柄2側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄2に関する第2の保留データ(第2の保留記憶:特図2作動保留球)が記憶されていない場合には、当該第1の保留データのうちの最も先に記憶された保留データに基づく第1の特別図柄の変動表示を開始させる一方、当該第2の保留記憶エリアに当該第2の保留データが記憶されている場合には、その第1の保留記憶エリアに上記第1の保留データが記憶されているか否かにかかわらず、当該第2の保留データのうち最も先に記憶された保留データに基づく当該第2の特別図柄の変動表示を開始させるようになっている。なお、優先変動手段を設けず、保留データの記憶順に特別図柄の変動表示を開始させても良い。この場合、最も先に記憶された保留データに基づく特別図柄の変動表示を開始させる(保留記憶順に開始させる)ことになる。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、液晶表示装置36に対し、客待ち待機用のデモ画面表示に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
ステップS417の判定処理を通過したとき、つまり上記「作動保留球なし」の状態となったとき、このときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO:後述の図21Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。このように、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替えて、演出制御コマンドを送信して特別図柄変動開始処理を抜ける理由は、次の通りである。
作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで、上記「作動保留球なし」の状態となった場合に、デモ表示コマンドを1回送信して、これにより、既にデモ表示コマンドが送信済みである場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を抜けるようになっている。
演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても、何ら図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなして、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、特に必要が無い限り、重複記載を避けるために特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別をせずに説明していく。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む制御コマンドを「保留減算コマンド」(図60)として作成し、これを演出制御部24に送信する(ステップS404)。
(保留減算コマンド:図60)
図60は、保留減算コマンドの一覧を示したものである。この保留減算コマンドも2バイトの制御データで構成される。具体的には、特別図柄種別(特別図柄1および特別図柄2)に応じて作成される上位バイト(MODE)データ:「B0H」〜「B1H」(「B0H」は特別図柄1の保留球数減算指定、「B1H」は特別図柄2の保留球数減算指定)と、そして下位バイト(EVENT)データ:「XXH」(XXはコマンドごとに対応する数値:01H〜05H)とから構成される。MODEデータの「B0H」(特別図柄1の保留球数減算指定)と「B1H」(特別図柄2の保留球数減算指定)のそれぞれにEVENTデータの01H〜05Hが対応する。このEVENTデータの「01H〜05H」は作動保留球数0〜4個の指定にそれぞれ対応する。なお、「05H」(保留記憶個数が4個を指定するもの)は電源投入時にセットする場合に使用されるものであり、この実施形態では使用されない。したがってEVENTデータが「05H」の保留減算コマンドは送信されない。斯様な保留減算コマンドにより、演出制御部24は、現存する作動保留球の1つが特別図柄変動表示ゲームに供されて消化され、消化後の作動保留球数を把握することができる。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS408)。この「残り時短回数コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握することができ、たとえば、演出手段を利用し、残り時短回数情報を報知させることができる。
次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電動役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」を行う。特別電動役物作動判定用乱数判定処理の処理手順は、乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と実施的に同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、今回の変動表示側に対応する当り乱数判定テーブルを取得する。この当り乱数判定テーブルは、乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)で利用した当り乱数判定テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく、大当り、小当り、およびハズレの別の当落抽選を行う。
この当落抽選により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH(大当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選(大当り判定フラグがOFF状態)」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH(小当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「小当り非当選(小当り判定フラグがOFF状態)」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ(大当り判定フラグおよび小当り判定フラグがOFF状態)’となる。
ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」を行う。特別停止図柄作成処理の基本的な処理手順は、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)と同じであるので、重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データと、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果(上記大当り判定フラグと小当り判定フラグ)とを取得し、これらに基づき、今回の変動表示側に対応する図柄テーブルとして、大当り図柄テーブル1〜2、小当り図柄テーブル、ハズレ図柄テーブル1〜2のいずれかを選択する。この図柄テーブルは、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)で利用した図柄テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、上記選択した図柄テーブルと、特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行い、図柄抽選結果(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)をRAM203の所定領域(特別図柄判定データ記憶領域、特別図柄停止図柄番号記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当りの種類)が決定される。
ここで、ステップS410の特別停止図柄作成処理により得られたデータをRAM203に格納する理由は次の通りである。特別停止図柄作成処理において得られたデータ(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)は、先読み判定時における「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」で得られたデータのように後続処理で直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)や、特別電動役物処理(ステップS60)において必要となるデータだからである。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。この遊技状態移行準備処理の詳細は図13にて後述する。
ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、および変動パターン用乱数などを利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。そして、その変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターンの内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、特別図柄の変動パターンを決定するといった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理および保留加算コマンドに関する作成処理(図10のステップS319〜S320、図11のステップS339〜S340)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン、つまり変動開始時の変動パターンが決定される。
ここではまず、変動パターン用乱数値を取得し、次いで、大当り抽選結果(当落抽選、図柄抽選)に基づき、下記の当り変動パターン振分テーブル(図64)またはハズレ変動パターン振分テーブル(図65)を取得する。そして、この変動パターン振分テーブルと変動パターン用乱数値と基づき、特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。
(T−3.変動パターン振分テーブル:図64、図65)
図64に当り用変動パターン振分テーブルを、図65にハズレ用変動パターン振分テーブルを示す。上記当り用変動パターン振分テーブルは、当り(大当りまたは小当り)に当選した場合に選択され、上記ハズレ用変動パターン振分テーブルは、ハズレに当選した場合に選択される変動パターン振分テーブルである。
図示のように、上記の各変動パターン振分テーブルには、特別図柄に関する複数種類の変動パターンが、変動パターン振分指定番号(現在の遊技状態)、作動保留球数(ハズレ変動パターン振分テーブルの場合の図中の「保0」〜「保3」の表記は、今回変動表示動作に供される作動保留球を除く、残りの作動保留球数「0個」〜「3個」を示す)、大当り抽選結果(特別停止図柄作成処理(ステップS410)の図柄抽選結果)、および変動パターン用乱数値(乱数値の大きさ:239)などに関連付けて定められており、変動パターン用乱数による抽選により、複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。なお図64および図65では、説明の便宜上、変動パターンの「選択率(抽選確率)」を表記しているが、実際には、変動パターンを決定するための判定領域(判定値)が定められており、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するのか否かにより、目的とする変動パターンが決定されるようになっている。
また変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した「変動時間決定テーブル」も決定される。この「変動時間決定テーブル」には、各変動パターンに対応した変動時間(変動表示動作時間)が定められており、これにより、選択した変動パターンの変動時間が決定される。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、主に、当り・ハズレの別の当落抽選結果(詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)、現在の遊技状態種別、変動時間、特定の予告演出の実行指定情報(リーチ演出の有無、リーチ演出種別(Nリーチ種別やSPリーチ種別)、疑似連の有無、疑似連回数などの指定情報)が含まれる。主制御部20は、その内容を特定可能とする「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、これに含まれる変動パターン情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の演出を現出制御するようになっている。
(CZ中のハズレ変動パターンについて)
なお本実施形態において、CZ中に選択されうるハズレ変動パターンは、作動保留球数(今回変動表示動作に供される作動保留球を除く、残りの作動保留球数(保0〜3個))にかかわらず、単一のハズレ変動パターン(CZ用ハズレ変動)が選択される(図65のハズレ用変動パターン振分テーブルの「CZ(01H)」の欄参照)。これにより、CZ中に選択されるハズレ変動パターンは、作動保留球数によらず、同一の変動時間決定テーブルが選択されるので、その変動時間は同じ時間幅となる。このように、CZ中に選択されるハズレ変動パターンを、作動保留球数によらず同一の変動時間とする理由は次の通りである。
一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で変化しうるものであり(一般的な弾球遊技機では、1回の図柄変動表示ゲーム中に、作動保留球数が1〜3個程度増加するものが多い)、これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択させるようにすれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらすことができ、多彩な演出を発生させることが可能である。そのような遊技状態として、たとえば「通常状態」や「時短状態」などがある(図65参照)。
しかし、作動保留球数に応じて図柄変動表示ゲームの演出時間が異なるようにしてしまうと、今回の図柄変動表示ゲームの演出時間と次回の図柄変動表示ゲームの演出時間とが異なる可能性が高く、短期間で図柄変動表示ゲームの演出時間が頻繁に変化して複数回の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(たとえば、ストーリー仕立ての物語風の演出)を連続的に展開させていくのが困難になる。たとえば、CZ演出モード下において、関連性を有した複数話のストーリー演出を含む物語風の演出を現出させる場合、すべてのストーリー演出の演出時間が同一であれば、これを連続的に展開させていくのは容易である(演出制御部24側の演出の選択処理が容易になり演出制御負担が軽減される)。しかし、作動保留球数に応じて演出時間が変化してしまうと、ストーリーを展開する関係上、各ストーリー演出それぞれに対し、作動保留球数0〜3個に対応した多くの演出を設けなくてならず、さらに演出時間が異なる演出同士について関連性を有した表現とする必要があり、演出パターンの種類が増加し、演出制御負担が増大してしまう。
また上記のような物語風の演出を現出させる場合、先読み予告演出を利用することも考えられるが、また先読み予告演出は現存する作動保留球数を対象とする連続予告演出であるので、先読み予告演出の開始タイミングによっては、先読み予告演出の開始タイミングによっては、現存する作動保留記憶数がその都度異なり(先読み予告演出の実行回数が毎回異なる可能性が高い)、上述と同じく短期間で図柄変動表示ゲームの演出時間が頻繁に変化して、上記関連性を持つ演出を連続的に展開させていくのが困難になると考えられる。このため、本実施形態のように、CZ演出モードの継続回数が長く続くほど、潜確状態の期待感が高まるようにしたり、CZ演出モードが所定回数継続した場合に潜確演出モードに移行させて潜確状態下である旨を確定的に報知したりする、といったことはできない。特にCZ演出モードは、大当り抽選確率を秘匿しうる演出をなす演出モードとして働くため、このような演出モードの下で、高確率状態の期待感を煽るような物語風の演出を展開可能とすることは、遊技の面白みを向上させる上で極めて有効である。
そこで本実施形態では、演出時間の長短が発生してしまうことを極力抑えるべく、作動保留球数に関係なく、変動時間が同一の変動パターンが選択され特定の遊技状態として「CZ)」を設けている。そして、「CZ」が継続しうる変動回数を当選種別(2R短開放潜確大当り、小当りA〜C)に応じて固定的なものとして上記物語風演出の展開を容易にし、演出制御負担を軽減することができるようにしている。
また本実施形態では、既に説明したように、CZ継続回数に応じて潜確状態移行の期待感を変動させる(CZ継続回数が多いほど、潜確状態の期待感が高まる)ことができるようになっている。そして、その上限回数を最大保留記憶数と同じ値の4回に定めてある。その理由は、次の通りである。
第1に、CZ演出モードのような秘匿演出モードを長期間(たとえば、数十ゲーム間)継続させるようにした場合、遊技者は潜確状態でないこと確信できるまで(たとえば、秘匿演出モードが終了し、通常状態が確定的となる通常演出モードに移行するなど)、ゲーム数を長期間消化せざるをえない状況に置かれてしまい、遊技者にとり不利なゲーム展開となる。特に近年では、秘匿演出モードが長期間継続するような遊技機を敬遠する遊技者も多く、このため、秘匿演出モードの継続回数を比較的短いゲーム数に定めることが好ましい。
第2に、CZ演出モードのような秘匿演出モードの継続回数を定めるに際し、秘匿演出モード下でなす演出を先読み予告演出のような連続予告演出とすることが、遊技の面白みを向上させる上で効果的である。つまり秘匿演出モード下でなす演出が、あたかも先読み予告演出が如く装わせることが好ましいといえる。この点について説明すれば、次の通りである。
先読み予告演出は、現存する作動保留球を対象とする連続予告演出であるので、その実行回数は、最大保留記憶数(4回)までが限界である。この点に着目し、遊技者に対して、CZ演出モード下でなす演出が、恰も先読み予告演出が如く装わせるため、CZ継続回数を最大保留記憶数の4回の範囲内に定めている。これは、多くの遊技者が作動保留球数を報知する保留表示を注視しながら遊技に興じている訳ではなく、保留表示よりも大きく見やすい位置に表示される予告演出を注視しながら遊技に興じている点、また上述したように、作動保留球数が1回の図柄変動表示ゲーム中の期間であっても1個〜3個程度増加し、作動保留球数が短期間で変化しうる(たとえば、CZ突入時に作動保留球が1個であっても次ゲーム開始時点で作動保留球数が2〜4個に増加し可能性が高い)点などの理由からである。本実施形態では、CZ継続回数を最大保留記憶数の範囲内にとどめることで、CZ演出モード下でなす演出を、先読み予告演出(連続予告演出)の如く装わせることができるようになっている。
(2R短開放潜確大当り当選・小当り当選時の当り変動パターンについて)
図64に当り用変動パターン振分テーブルを参照して、本実施形態では、2R短開放潜確大当り当選した場合と小当りに当選した場合とで、同じ当り変動パターン(通常中2R潜確・小当り1、通常中2R潜確・小当り2、CZ中2R潜確・小当り1、CZ中2R潜確・小当り)が選択されるようになっている。これは、2R短開放潜確大当り当選した場合と小当りに当選した場合とで、同じ変動時間(演出時間)が決定されるようにし、演出選択する上で、どちらの当りに当選したかを不明確にさせる演出処理を行うためである。
再び図11の説明に戻り、ステップ412の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、これを演出制御部24に送信する(ステップS415)。この装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別を指定する下位バイト(EVNET)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。たとえば、上位バイト(MODE)側には、変動側の特別図柄が特図1の場合は「BBH」、特図2の場合は「BCH」が設定され、下位バイト(EVENT)側には、当選種別がハズレA〜Bの場合は「01H」〜「02H」、小当りA〜Cの場合は「03H」〜「05H」、大当りの場合は2R短開放潜確大当りが「06H」、12R長開放非確変大当りが「07H」、12R長開放確変大当りが「08H」、16R長開放確変大当りが「09H」が設定される。この装飾図柄指定コマンドには当選種別情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せを決定する際に利用される。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図9の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS059)を抜けて、図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)に進む。
(8−3−1.遊技状態移行準備処理:図13)
次に、上記の遊技状態移行準備処理(ステップS411)について説明する。図13は、図12の遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
図13において、CPU201は、まず大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS431)。大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS431:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。
大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS431:=5AH)、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図61)を取得する(ステップS432)。
次いで、取得した遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、遊技状態判定番号(YJ)と大当り種別(特別図柄判定データ)とに応じた遊技状態移行テーブル(図63)を取得し(ステップS433)、この遊技状態移行テーブルに定められたデータを後述の各種バッファに格納する(ステップS434:状態バッファ設定処理)。これらバッファに格納された値は、後述する特別電動役物管理処理中の大当り終了処理(図16のステップS509)で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。ステップS434の処理を終えると、遊技状態移行準備処理を抜けて、図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)に進む。なお、この遊技状態移行準備処理では、大当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理が行われ、小当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理は、後述の電動役物管理処理中の小当り処理(図16のステップS504参照)で行われるようになっている。
(T−4.大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図61)
図61に、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは大当り種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブル(大当り用遊技状態移行テーブルJTTBL−B1〜B4:後述の図631参照))が定められており、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、複数種類の遊技状態移行テーブルのうちからいずれかの遊技状態移行テーブルが選択されるようになっている。
ここで「遊技状態判定番号(YJ)」とは、内部遊技状態を識別するためのデータである。図66の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、遊技状態判定番号(YJ)が「00H」の場合は「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」を、「01H」の場合は「潜確状態(電サポ無し状態、高確)」を、「02H」の場合は「時短状態(電サポ有り状態、低確)」、「03H」の場合は「確変状態(電サポ有り状態、高確率)」をそれぞれ示す。したがって、遊技状態判定番号(YJ)は上記のような内部遊技状態を識別する点で、変動パターン振分指定番号(Tcode)のように遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
(T−5.遊技状態移行テーブル:図63)
図63に、上述の遊技状態移行テーブルを示す。本実施形態の遊技状態移行テーブルには、大当りの場合に選択されうる大当り用遊技状態移行テーブルの「JTTBL−1」〜「JTTBL−4」と、小当りの場合に選択されうる小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」とが含まれる。
これら遊技状態移行テーブルには、当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するための複数種類データ群が定められている。具体的には、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、および特別図柄変動回数カウンタバッファに格納するための各種のデータが定められている。これらのバッファに格納された値は、必要なタイミングで読み出され、RAM203に設けられた所定のフラグ記憶領域や所定のカウンタ記憶領域に設定される。この各バッファに各遊技状態移行テーブルにより指定される各種データが格納されると、当り遊技終了後の遊技状態が定まることになる。
本実施形態の「JTTBL−1」は‘確変状態’に、「JTTBL−2」は‘潜確状態’に、「JTTBL−3」は‘CZ’に、「JTTBL−4」は‘時短状態’に、「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」は‘CZ’に移行させるための遊技状態移行テーブルである。ただし、CZ移行に関する「JTTBL−3」、「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」については、「JTTBL−3」はCZ継続回数4回とするCZ(4回)に、「JTTBL−5」はCZ継続回数1回とするCZ(1回)に、「JTTBL−6」はCZ継続回数2回とするCZ(2回)に、「JTTBL−7」はCZ継続回数3回とするCZ(3回)に移行させる遊技状態移行テーブルとなっている。以下に、上述の各種バッファの役割について説明する。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短状態移行状態バッファ)
「特別図柄時短状態移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図15BのステップS481参照)。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数)を計数するためのカウンタである。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態を特定するための遊技状態データである。変動パターン振分指定番号(Tcode)は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定され、所定の変更条件(遊技状態移行条件)に基づいて、この変動パターン振分指定番号が変更される(特別図柄確認時間中処理(図15B)のステップS481、S486、S490、遊技状態移行準備処理(図12のS411、図13のS434、特別電動役物管理処理(図16)など)。
(特別図柄変動回数カウンタバッファ)
「特別図柄変動回数カウンタバッファ」は、特別図柄変動回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄変動回数カウンタ」とは、遊技状態移行条件となる特別図柄の変動回数(以下、「遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。本実施形態の特別図柄変動回数カウンタには、遊技状態移行規定回数としてCZ継続回数が設定され(図63の「JTBL−3」、「JTBL−5」〜「JTBL−7」参照)、このカウンタはCZ継続回数を管理する管理手段として機能する。
(8−4.特別図柄変動中処理:図14)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図14は、図9の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図14において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより、演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−5.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図15Aおよび図15B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図15Aおよび図15Bは、図9の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図15Aおよび図15Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図14のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常A指定)を格納し、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、小当り判定フラグを取得し、小当り判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。小当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、ステップS478の処理に進む。小当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、小当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477)。ここでは、小当り図柄停止時の各種設定処理(小当り遊技開始前処理)として、小当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、小当り中フラグに5AH(ON状態)を格納する。上記小当り図柄停止時の各種設定処理を終えると、ステップS478の処理に進む。
ステップS478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。演出制御部24は、この時短終了コマンドを受信することで、次ゲームから電サポ無し状態となる旨を把握する。なお本実施形態では、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、確変状態から通常Aに移行することと同じであるので、演出制御部24がこの「時短終了コマンド」を受けると、たとえば、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該演出モード下に係る演出制御処理を行う。
次いでステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS488の処理に進む。
特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST規定回数に達していないので、何もせずにステップS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数がST規定回数(本実施形態では、10000回)に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、潜確状態終了または確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、ステップS487の処理に進み、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(本実施形態では、CZ継続回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、遊技状態の移行設定処理を行う(ステップS490:変動パターン振分指定番号設定処理)。ここでは、CZ継続回数が終了した後の遊技状態の移行設定処理を行う。本実施形態では、CZ終了時の大当り抽選確率状態が低確率状態か高確率状態かに応じて、移行先の遊技状態が異なるようになっている。ここでは、まず遊技状態判定番号(YJ)を取得し、現在の内部遊技状態が通常状態(遊技状態判定番号(YJ)=00H)であるか、潜確状態(遊技状態判定番号(YJ)=01H)であるかを判定する。このとき、変動パターン振分指定番号(Tcode)を、現在の内部遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、通常状態を指定する「00H」に設定し、潜確状態(高確率状態)であれば、潜確状態を指定する「02H」に設定する。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常状態」または「潜確状態」における特別図柄の変動パターンが選択されることになる。このステップS490処理は、所定の条件の成立に基づき、変動パターンの選択条件(変動パターン選択モード)を更新する更新手段として働く。
次いで、演出制御コマンドとして、移行先の遊技状態情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS491)。上記遊技状態指定コマンドにより、演出制御部24では、今回の図柄変動表示ゲームで「CZ」が終了し、次ゲームから「通常状態」または「潜確状態」となる旨を把握することができる。これにより、演出制御部24は、次回の図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常演出モード」用の背景画像(背景演出)または「潜確演出モード」用の背景画像に切り替え制御し、当該演出モード下での演出制御処理を行う。なお上記遊技状態指定コマンドは、次回の図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドよりも事前に送信される。このため、演出制御部24は、遊技状態指定コマンドを受信した場合、次ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送られてくる前段階で、現在の演出モード用の演出(たとえば、一の背景表示)から、他の演出モード用の演出(たとえば、他の背景表示)に切り替えることができる。これにより遊技者は、作動保留球が存在しない場合(次回の図柄変動表示ゲームが開始されない場合)であっても、次回の図柄変動表示ゲームに係る演出モードを前もって把握することができるという利点がある。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(9.特別電動役物管理処理:図16)
次に、図8中の特別電動役物管理処理(ステップS060)について説明する。図16は、ステップS060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、CPU201は、まず小当り中フラグの状態を判定する(ステップS501)。上記小当り中フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS501:=5AH)、小当り遊技に係る特別変動入賞装置(大入賞口の開閉制御)の一連の動作を制御するための小当り処理を行い(ステップS504)、この特別電動役物管理処理を抜ける。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS502:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(ステップS501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値に応じた処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(ステップS505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(ステップS507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(ステップS509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置52の動作が制御される。ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。上記ステップS505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
以下に、大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)と、小当り遊技制御処理(ステップS504)とについて説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
先ず、大当り開始処理(ステップS505)について説明する。
(9−1.大当り開始処理)
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合には、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
ここでは、まず大当り遊技を開始する際に必要な大当り遊技開始時の設定処理として、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数を管理するためのカウンタであり、現在のラウンド数はここに記憶される。ここでの連続回数カウンタは「01H」が設定されるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じた最大ラウンド数(規定ラウンド数)とラウンド表示LED番号とが定められた「大当り開始設定テーブル(図示せず)」を取得する。この大当り開始設定テーブルを参照して、今回の特別図柄判定データに対応した各データを、それぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を格納する。なお上記「開始インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図14のステップS453の、図15AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、オープニング演出が行われる区間を定めた時間幅(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出時間)を指す。また「ラウンド表示LED番号」とは、ラウンド数表示装置39b(ラウンド数表示手段)の報知態様を指定するデータで、今回の大当り遊技の最大ラウンド数(規定ラウンド数)を示す。
次いで、オープニング演出の開始を指示する「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお「大当り開始コマンド」には、オープニング演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出(大当り種別ごとに対応するオープニング演出、ラウンド演出、ラウンド終了演出、およびエンディング演出など)を決定する際にも利用される。
(9−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「ラウンド遊技開始前のインターバル時間」が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記大当り開始処理(ステップS505)で設定された「開始インターバル時間」が監視されるが、2R目以降でこの特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間(後述の特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)で設定されるインターバル時間)」が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(初回のラウンド(1R目)の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、特別図柄判定データ(大当り種別)と現在のラウンド数とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。具体的には、大入賞口50を開放させるための大入賞口開閉動作時間(たとえば、長開放時間であれば29.8秒、短開放時間であれば0.1秒)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口ソレノイド52cを動作させ、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放される。また大入賞口開放開始動作に伴い、「大入賞口開放コマンド」を演出制御部24に送信する。この「大入賞口開放コマンド」は、ラウンド遊技開始情報(ラウンド演出の開始指示情報)や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部24側において、ラウンド数に対応するラウンド演出を現出させる際に利用される。上記大入賞口開閉動作設定処理を終えると、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)、特別電動役物管理処理を抜け、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−3.特別電動役物作動中処理)
次に、特別電動役物作動中処理(ステップS507)について説明する。
ここではまず、大入賞口50への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認し(大入賞口最大入賞数確認処理)、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをクリアする。これにより、上記特別電動役物作動開始処理(ステップS506)で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことをもって開放中の大入賞口50が閉鎖されるようになっている。なお特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(大入賞口開放動作時間経過するか、または最大入賞数に達するまでの間)、何もしないでこの特別電動役物作動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(最大入賞数に達したか、または大入賞口開放動作時間経過した場合)、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納し、特別電動役物作動中処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の上記残存球排出時間が設定されているので(特別電動役物作動中処理(ステップS507)参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタを取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数(最大ラウンド数)に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)。これにより、特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、「終了インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、次いで、ラウンド遊技終了時の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。なお上記「終了インターバル時間」とは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了して残存球排出時間が経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信し、この特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。この「大当り終了コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり大当り遊技終了後の遊技状態(内部遊技状態を含む)を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この「大当り終了コマンド」は、エンディング演出の開始を指示する役割の他、大当り遊技終了後の遊技状態を特定しうることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担っている。演出制御部24は、上記大当り終了コマンドに含まれる情報に基づき、演出モードを決定することで、大当り終了後の遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
なお、上述の大当り当選時の遊技状態に関する情報には、変動パターン振分指定番号に関する情報、または変動パターン振分指定番号および内部遊技状態に関する情報を含むことができ、本実施形態では、大当り当選時の遊技状態がCZであった場合、その当選時の遊技状態が内部遊技状態により区別される「CZ(通常)」であるか、「CZ(潜確)」であるかを特定可能な情報を含ませている。
(9−5.大当り終了処理)
次に、大当り終了処理(S509)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間が設定されているので、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの大当り終了処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納し、大当り遊技後の遊技状態を指定する。具体的には、特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理(図12のステップS411、その詳細を示す図13参照)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、および特別図柄変動回数カウンタにそれぞれ格納する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が特定される。
次いで、大当り終了時の各種設定処理を行う。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号、各種バッファなどをそれぞれクリアし、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う。ここでは、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)かOFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合、遊技状態報知LEDを点灯させるデータ、具体的には、遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<小当り遊技制御処理>
(9−6.小当り処理)
次に、小当り処理(ステップS504)について説明する。
小当り遊技では、大当り遊技のような「ラウンド遊技」が実行されない。したがって、ここでは、小当り遊技中の動作態様が「2R短開放潜確大当り遊技」の動作態様と実質的同一となるように、大入賞口50の開閉動作パターンを制御するための処理が行われる。
この小当り処理に入ると、まず小当り遊技における「開始インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに設定し、オープニング演出の開始を指示する「小当り開始コマンド」を演出制御部24に送信する。開始インターバル経過したならば、次いで、後述の小当り遊技後の遊技状態を指定する小当り時遊技状態移行準備処理を行い、続いて、大入賞口50の開閉動作が「2R潜確大当り遊技」と同一または酷似する動作態様となるように、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口50が2R潜確大当り遊技の如く開放動作し、小当り遊技中の疑似的なラウンド遊技が実行される。なお小当り遊技中における大入賞口50への最大入賞数は大当りによるものと同じとなっており、当該最大入賞数に達すると、大入賞口50が閉鎖される。ただし、小当り遊技は大当り遊技のようなラウンド遊技が実行されないため、上記最大入賞数に達した場合、上記疑似的なラウンド遊技自体が終了されることになる。
大入賞口50の一連の開閉動作が終了したならば、エンディング演出の開始を指示する「小当り終了コマンド」を、演出制御部24に送信する。この「小当り終了コマンド」には、今回の小当り種別とその小当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、小当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この小当り終了コマンドは、エンディング演出の開始指示の役割の他に、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担い、大当り遊技に係る「大当り終了コマンド」と同じ働きをする演出制御コマンドである。
<9−6−1.小当り時遊技状態移行準備処理>
次に、上述の小当り時遊技状態移行準備処理について説明する。
小当り時遊技状態移行準備処理では、小当り遊技後の遊技状態を指定すべく、小当り遊技後の遊技状態を指定するための設定処理を行う。具体的には、まず変動パターン振分指定番号(Tcode)を取得し、次いで小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図62)を取得する。そして、上記小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、変動パターン振分指定番号と小当り種別(特別図柄判定データ)とに基づき、遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」のいずれかを取得し、この遊技状態移行テーブルを参照して、該当するデータをRAM203の所定領域(変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタ)に格納する。これにより、小当り遊技後の遊技状態が指定されるようになっている。
(T−6.小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図62)
図62に、小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、変動パターン振分指定番号(Tcode)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは、小当り種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」(図63参照)が定められており、具体的には、変動パターン振分指定番号(Tcode)と特別図柄判定データとに基づき、複数種類の遊技状態移行テーブルのうちからいずれかの遊技状態移行テーブル(小当り用の遊技状態移行テーブル)が決定されるようになっている。
(T−7.小当り用遊技状態移行テーブル:図63)
図63を参照して、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」について説明する。これらの小当り用遊技状態移行テーブルには、小当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するためのデータとして、変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタに格納するためのデータが定められている。これらデータ値が変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタが格納されると、小当り遊技終了後の遊技状態が特定される。ここで上記「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」には、変動パターン振分指定番号バッファおよび特別図柄変動回数カウンタバッファに格納するためのデータだけが定められているので、小当りに当選しても内部遊技状態の移行はなく、変動パターン選択モードとしての遊技状態の移行(変動パターン振分指定番号(Tcode)の変更)が行われるだけとなる。上記の遊技状態移行テーブルのうち、「JTTBL−5」は‘CZ(1回)’に、「JTTBL−6」は‘CZ(2回)’に、「JTTBL−7」は‘CZ(3回)’に移行させるための遊技状態移行テーブルとなっている。
なお、上記小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルでは、小当り当選時の遊技状態が通常状態(変動パターン振分指定番号00H)である場合か、またはCZ(変動パターン振分指定番号01H)である場合に限り、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」のいずれかが選択されるようになっている。すなわち、遊技状態が、時短状態(変動パターン振分指定番号03H)、確変状態(変動パターン振分指定番号04H)、潜確状態(変動パターン振分指定番号02H)の場合には遊技状態の移行はなく、その小当り当選時の遊技状態が継続される。またCZ中に小当り当選の場合は、再度、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」のいずれかが選択されて、その小当り種別に応じてCZ継続回数が再設定されることになる。
以上の小当り処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<演出制御部側の処理:図17〜図36>
次に、図17〜図36を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図17)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図19)とを含んで構成される。
<11.演出制御側メイン処理:図17>
図17は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図17に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS71の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS080の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図19のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS72:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンド(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)が受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお、決定された演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込む場合、枠演出ボタン13が操作されなかった場合の「非操作用演出シナリオ」を基本演出シナリオとして構築しておく。しかしボタン予告演出実行中に枠演出ボタン13が有効に操作された場合には、その非操作用演出シナリオを、枠演出ボタン13が操作された場合の「操作用演出シナリオ」に変更する。このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるステップS074の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)などの演出処理においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、その演出について、音演出や画像表示演出の現出が必要な場合には、スピーカ46用の音データや画像表示制御用の液晶コマンドを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
またシナリオ更新処理では、上述の受信コマンド解析処理(ステップS073)において決定された「基本演出シナリオ」を、異なる演出シナリオへの変更が生じる場合がある。たとえば、既に説明したように、基本演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込んだ場合は、枠演出ボタン13が操作されたか否かに応じて、演出シナリオを変更する必要が生じる。具体的には、基本演出シナリオの一環として「非操作用予告演出シナリオ」が組み込まれている場合、ボタン予告演出中において枠演出ボタン13の有効操作があった場合には「操作用演出シナリオ」に変更する必要がある。ここでは、ボタン予告演出中に枠演出ボタン13が操作されたことを確認した場合、「操作用演出シナリオ」に変更し(たとえば、枠演出ボタン13の操作検出に基づいてパーツ演出を組み替える)、その変更した演出シナリオデータを上記シナリオ設定領域に再設定する。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図19のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、動作させるべき可動体役物に係る可動体役物モータの制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図19のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS080の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(12.コマンド受信割込処理:図18)
次に図18を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図18は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図19)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図17に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(13.演出制御側タイマ割込処理:図19)
次に図19を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図19は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図19において、CPU241は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出用ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図17の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて、可動体役物モータに制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図20〜図36>
図20〜図36は受信コマンド解析処理(図17のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
(16−9.保留加算コマンド解析処理:図20)
図20は、保留加算コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この保留加算コマンドは、特図1始動口チェック処理や特図2始動口チェック処理で送信される演出制御コマンドである。また、保留加算コマンドは、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターンを指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成されている。ここでは、保留加算コマンド解析処理で得られた、先読み時の作動保留球数と先読み変動パターン情報とに基づいて、先読み予告演出(図柄変動表示ゲーム中に実行されうる各種の先読み予告演出を含む)が決定される。
図20において、演出制御部24(CPU241)は、まず保留加算コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS101)。ここでは取得した先読み判定情報を、RAM243の所定の格納領域(先読み情報記憶エリア)に格納する。
上記RAM243の先読み情報記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。これら先読み情報記憶エリアには、保留1〜保留n先読み情報記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定情報を格納可能となっている(記憶順番は、保留1先読み情報記憶エリア、先読み情報記憶エリア、・・・、保留n−1先読み情報記憶エリア、保留n先読み情報記憶エリアの順に格納されるようになっている)。たとえば、今回受信した保留加算コマンドが「B707H」というコマンドであった場合、CPU241は、「特図1保留2個指定、SPリーチ4、およびハズレ(本実施形態では、ハズレ種別が複数種類あるので「ハズレB」を指定)」(特図1保留2個指定の先読み変動パターンX7:図59参照)という内容を把握し、これを特別図柄1側の保留2先読み情報記憶エリアに格納する。これにより、現存する作動保留球がどのような先読み判定結果であったかが特定できるようになっている。なお、「**01H」(MODE側の‘**’は、B5〜BE)の場合は「先読み禁止」指定となる(図59参照)。
またステップS101の処理では、今回受信した保留加算コマンドにより指定される作動保留球数を、演出制御部24側が管理するRAM243の格納領域(サブ側保留球数管理エリア:サブ側保留球数記憶手段)に格納する。このサブ側保留球数管理エリアに記憶された保留球数情報は、後述の特別予告演出設定処理(図20のステップS121、図36のステップS121)で利用される。なお、この保留球数情報は、保留減算コマンドを受信すると、保留減算コマンドにより指定される作動保留球数に更新される(1減算される)。
次いで、ステップS101の処理で得られた情報に基づき、保留表示変化系の「一般保留変化予告」と、画像表示変化系の「稲妻連続予告」の実行に関する抽選を行う(ステップS103:一般保留・稲妻連続予告実行抽選処理)。
本実施形態では、先読み予告演出として、保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させる、つまり表示位置シフトさせることにより行う保留変化予告と、図柄遊技の図柄変動表示動作を実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示動作にて表示させることによる先読み予告演出(本実施形態では画像表示変化系の予告演出(稲妻出現)を連続させることにより行う稲妻連続予告)がある。本実施形態の場合、上記「保留変化予告」に属するものとして、一般保留変化予告、‘特殊保留変化予告’、および‘ギミック連動ボタン予告’を現出可能に構成されているが、このステップS103の抽選処理では、これらの保留変化予告のうち、一般保留変化予告に関する実行抽選が行われ、保留加算コマンド受信時における「特殊保留変化予告」および「ギミック連動ボタン予告」に関する処理については、後述のステップ121の処理で行われる。
このステップS103の一般保留・稲妻連続予告実行抽選処理では、保留加算コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う。本実施形態における「保留加算コマンド」は、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別のそれぞれに関する情報を含んだ形態のものであり、したがって、これらの情報のうちの先読み変動パターン種別に関する情報が、先読み演出抽選の抽選契機に利用される。しかし、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別に関する情報を、複数の演出制御コマンドに分担させる形態とした場合には、それらの形態における先読み変動パターン種別に関する情報を含んだ制御コマンドを少なくとも受信した場合に、先読み演出抽選を行うことになる。ただし特別図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に応じた先読み演出抽選を行う場合には、読み変動パターン種別に関する情報を含んだ制御コマンドと特別図柄種別を含んだ制御コマンドとを受信した場合に、先読み演出抽選を行うことになる。
この一般保留・稲妻連続予告実行抽選処理では、上記「一般保留変化予告」を実行するか否か(当該入賞に係る作動保留球の保留表示を専用保留表示態様に変化させるか否か)の実行抽選、および/または当該作動保留球を対象とした「稲妻連続予告(稲妻画像365による稲妻連続予告)」を現出するか否かの実行抽選を行う。なお、上記「入賞時保留変化予告」の実行抽選と「稲妻連続予告」の実行抽選とはそれぞれ独立して行うことができる。ただし、一方の先読み予告演出に当選した場合に限り、他方の先読み予告演出の実行抽選を行うように構成しても良い。たとえば「一般保留変化予告」の実行抽選に当選した場合に限り、「稲妻連続予告」を実行するか否かの実行抽選を行っても良い。この場合、保留色の変化に伴い、稲妻連続予告が現出されるので、どの作動保留球が先読み予告演出の対象となっているかを遊技者に明確化することができる。したがって、この抽選形態では(I)入賞時保留変化予告だけを実行可とするか、(II)入賞時保留変化予告と稲妻連続予告の双方を実行可とするか、(III)いずれの先読み予告も実行しないとするか、といった3つのケースを抽選により決定することができる。いずれのケースが決定されるかは、たとえば、主制御部20側で決定される当選種別や先読み変動パターンの選択率を考慮し、当り当選期待度が相対的に低いリーチ種別(たとえば、NリーチやSPリーチ1〜2)の場合には上記(I)のケースの選択率が相対的に高くなる傾向とし、大当り当選の場合や当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(たとえば、SPリーチ4〜7)の場合には上記(II)のケースの選択率が相対的に高くなるように定めることができる。また通常変動パターン種別の場合には、上記(III)のケースの選択率が相対的に高くなるように定めることができる。
ステップS103の説明に戻り、上記一般保留・稲妻連続予告実行抽選処理は、保留加算コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、所定の現出確率が定められた抽選テーブルにより決定される。たとえば、一般保留変化予告について代表的に説明すれば、図59の先読み変動パターン種別X1〜X11およびY1〜Y7である場合は、当該変動パターン種別に基づき、図67に示す先読み演出抽選テーブルを参照して先読み予告演出を抽選により決定し(先読み演出抽選)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする。この演出情報は、次の一般保留・稲妻予告演出表示設定処理(ステップS105)において、先読み予告演出(一般保留変化予告、稲妻連続予告)の現出に必要な演出表示データ(演出シナリオデータ)を設定する際に利用される。この演出情報は、後述のステップS105(一般保留・稲妻予告表示設定処理)で演出シナリオを作成する際に利用される。
ここでセットされる演出情報には、(i)一般保留変化予告を指定する情報、たとえば、図67に示す保留表示に関する情報(保留色やアイコン画像による保留表示態様を指定する情報:一般保留変化予告の演出シナリオ作成用データ)の他、(ii)稲妻連続予告を指定する情報(稲妻連続予告を装飾図柄変動表示ゲーム開始時に実行指定に関する情報、たとえば、稲妻演出の種別(強稲妻演出(当選期待度高)、中稲妻演出(当選期待度中)、弱稲妻演出(当選期待度低)の別、その実行回数:稲妻予告の演出シナリオ作成用データ)や、(iii)先読み演出抽選非当選情報(たとえば、保留変化予告および稲妻連続予告のいずれも実行しない旨の情報)などが含まれる。
(T−8.先読み演出抽選テーブル:図67)
図67は先読み演出抽選テーブルを示したもので、先読み予告演出(入賞時変化系の先読み予告演出:ここでは「先読み保留予告」と略す)を実行する抽選契機となる先読み変動パターン種別として、図65のハズレ変動パターン種別の一部と、図64の当り変動パターン種別の一部とを含んだ構成になっている。ここでは、一例として、図59に例示した「通常中」の先読み変動パターン種別X3〜X11、Y1〜Y7の保留加算コマンドに対応するものを示している(先読み変動パターン種別X1はオーバー入賞用、X2は先読み禁止を指定するものであり、先読み予告演出の抽選契機となる変動パターン種別から除外している)。しかし、これらと共に、またはこれらとは別に、他の変動パターン種別を抽選契機となる先読み変動パターン種別として扱っても良い。
図67では、先読み変動パターン種別として、ハズレの場合は、指定内容が「通常変動」、「Nリーチ」、「通常中SPリーチ1〜7」である先読み変動パターン種別X3〜X11が、また当りの場合は、指定内容が「通常中SPリーチ1〜7」である先読み変動パターン種別Y1〜Y7が抽選契機となっている。これらの先読み変動パターン種別の変動態様は、通常変動、ノーマルリーチ(Nリーチ)、第1リーチ演出A、第1リーチ演出B、第1+第2リーチ演出A、第1+第2リーチ演出B、第2リーチ演出A、第2リーチ演出B、特殊リーチとなっている。そして、これらの先読み変動パターン種別において抽選により選択される一般保留変化予告(先読み保留予告)用の保留色の選択割合が数値で示されている。
ただし図67では、説明の簡略化のために、保留変化予告に使用される保留色として「白」「青」「赤」を採用した例を表記し、ここでは最終的にどのような保留色に変化するかを表記している。つまり保留変化予告の演出シナリオとしては、入賞時に保留色が変化し、そのまま作動保留球が消化されるまでその保留色が表示され続ける場合もあれば、シフト表示を契機に保留色が変化する、あるいはシフト表示ごとに段階的に保留色が変化していくこともある。たとえば、図67の先読み演出抽選テーブルでは、実際には「一般保留変化予告用の演出シナリオ」、具体的には、保留表示部a1〜d1に表示される保留アイコンが、作動保留球の発生から消化されるまでの間に、その保留アイコンがどのようなタイミングで、どのような表示態様で変化していくか、最終的な表示態様はどのようなものかを含めた一般保留変化予告の演出シナリオ作成用データが選択されるようになっている(他の保留変化予告(特殊保留変化予告、ギミック連動ボタン予告についても同様)。
詳述すれば、一般保留変化予告の演出シナリオは、たとえば、今回の作動保留球が3番目の作動保留球であり、入賞時の保留アイコンが白色で表示されるが、シフト表示していく度に保留表示態様が「白色丸印保留(入賞時)→白色丸印保留(1回目のシフト表示)→黄色丸印保留(2回目のシフト表示)→黄色丸印保留(3回目のシフト表示:ゲーム実行中保留Kに移動した際の保留表示)」と変化していく演出シナリオや、「白色丸印保留(入賞時)→黄色丸印保留(1回目のシフト表示)→赤色丸印保留(2回目のシフト表示)→太陽のアイコン画像(3回目のシフト表示:ゲーム実行中保留Kに移動した際の保留表示)」と変化していく演出シナリオなどが挙げられる(たとえば、後述の図31(A)参照)。図67では、このような保留アイコンの表示態様に関する演出シナリオ情報が、先読み変動パターン種別に応じて1または複数種類定められており、これらのうちいずれかの演出シナリオ情報が抽選により選択可能に構成されている。なお、一般保留変化予告の演出シナリオは、ゲーム実行中保留Kの表示態様を含む保留変化に係る演出シナリオであっても良いし、ゲーム実行中保留Kの表示態様を含まない演出シナリオであっても良い(他の保留変化予告(特殊保留変化予告、ギミック連動ボタン予告についても同様))。ゲーム実行中保留Kの表示態様を含まない演出シナリオの場合、当該ゲーム実行中保留Kの表示態様をどのように変化させるかについては、後述の図36の装飾図柄指定コマンド解析処理中の演出モードに応じた演出シナリオ設定処理(ステップS876〜S880)において、決定するように構成すれば良い。
図67の先読み変動パターン種別について詳しくは、ハズレの場合の先読み変動パターン種別X3〜X11として、「通常変動」、Nリーチ(ノーマルリーチ)、通常中SPリーチ1(第1リーチ演出A)、通常中SPリーチ2(第1リーチ演出B)、通常中SPリーチ3(第1+第2リーチ演出A)、通常中SPリーチ4(第1+第2リーチ演出B)、通常中SPリーチ5(第2リーチ演出A)、通常中SPリーチ6(第2リーチ演出B)、通常中SPリーチ7(特殊リーチ)があり、保留変化予告の色が「白」「青」「赤」となる場合の選択割合が数値で示されている。また同様に、当りの場合の先読み変動パターン種別Y1〜Y7として、についても、通常中SPリーチ1(第1リーチ演出A)、通常中SPリーチ2(第1リーチ演出B)、通常中SPリーチ3(第1+第2リーチ演出A)、通常中SPリーチ4(第1+第2リーチ演出B)、通常中SPリーチ5(第2リーチ演出A)、通常中SPリーチ6(第2リーチ演出B)、通常中SPリーチ7(特殊リーチ)があり、保留変化予告の色が「白」「青」「赤」となる場合の選択割合が数値で示されている。
上記の変動態様のうち「通常変動」は、リーチ状態を経由せずに終了する図柄変動パターンの変動態様であり、たとえば図35の「通常変動3s」、「通常変動5s」、「通常変動8s」、「通常変動12s」などが該当する。この通常変動の場合、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が250、「青」が6、「赤」が0である。
また「ノーマルリーチ(Nリーチ)」は、図68に「変動パターン0」として示すように、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するだけで、SPリーチ演出が発生することなくハズレを報知して終了する場合の変動態様である。このノーマルリーチの場合、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が244、「青」が12、「赤」が0である。
また、「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」は、図68に「変動パターン1」として示すように、通常変動をした後、ノーマルリーチを経由して第1リーチ演出(たとえば、アニメ画像による演出(第1の演出)を含むリーチ演出)が発生し、その後、当りまたはハズレを報知して終了する場合の変動態様(直SP型リーチ)である。ハズレの「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が230、「青」が25、「赤」が1である。また当りの「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が216、「青」が30、「赤」が10である。したがって、第1リーチ演出を伴うと保留変化予告が発生する割合が高まり、またハズレの場合よりも当りの場合の方が保留変化予告の発生する割合が高まるようになっている。
また、「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」は、図68に「変動パターン2」として示すように、通常変動をした後、ノーマルリーチを経由して第1リーチ演出(たとえば、アニメ画像によるリーチ演出)が発生し、一旦ハズレが報知された後、上記第1リーチ演出よりも当選期待度が相対的に高い第2リーチ演出(たとえば、実写画像による演出(第1の演出よりも当選期待度が高いことを示唆する第2の演出)を含むリーチ演出)が発生し、当りまたはハズレを報知して終了する場合の変動態様(発展型SPリーチ)である。ハズレの「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が186、「青」が50、「赤」が20である。また当りの「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が166、「青」が60、「赤」が30である。したがって、「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」の場合、「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」の場合よりも「青」「赤」の選択される割合が高くなり、相対的に「白」の選択される割合が低くなる。またハズレの場合よりも当りの場合の方が、「青」「赤」の選択される割合が高くなり、相対的に「白」の選択される割合が低くなる。
また、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」は、図68に「変動パターン3」として示すように、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するが、第1リーチ演出(アニメ画像演出)は経由せずに、つまり省略されて、直ちに第2リーチ演出(実写画像演出)が発生し、当りまたはハズレを報知して終了する場合の変動態様(直型SPリーチ)である。ハズレの「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が176、「青」が40、「赤」が40である。また当りの「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が106、「青」が70、「赤」が80である。したがって、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」の場合、「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」の場合よりも「赤」の選択される割合が高くなり、相対的に「白」「青」の選択される割合が低くなる。またハズレの場合よりも当りの場合の方が、「青」「赤」の選択される割合が高くなり、相対的に「白」の選択される割合が低くなる。
また、「特殊リーチ(たとえば、図64、図65の通常中SPリーチ7)」とは、図64に示すように、当たれば、利益状態が相対的に高い大当り(たとえば、16R確変大当り)となるリーチ態様(たとえば、特定図柄(7図柄)でリーチ状態のかかる態様)が出現することから、その特殊性に鑑みて命名したものである。図67のハズレの「特殊リーチ」の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が206、「青」が0、「赤」が50である。また当りの「特殊リーチ」(図64の通常中SPリーチ7)の場合において、保留変化予告「白」「青」「赤」が選択される割合は、全体が256のうち、「白」が128、「青」が0、「赤」が128である。したがって、「特殊リーチ」の場合、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」の場合よりも「赤」の選択される割合が高くなる。またハズレの場合よりも当りの場合の方が、「赤」の選択される割合が高くなり、相対的に「白」の選択される割合が低くなる。
(先読み演出抽選の特色)
上記図67の説明から判るように、本実施形態の場合、リーチ演出として、ノーマルリーチ、第1リーチ演出(たとえばアニメ画像による演出)と、この第1リーチ演出よりも当選期待度の高い第2リーチ演出(たとえば実写画像による演出)との3種類を含んでいる。またリーチ演出を扱う図柄変動パターンの種別として、第1リーチ演出を行った後に、少なくとも当りの当否結果を報知して(当りの場合に、当り種別を報知可能に構成しても良い。以下、同様)図柄変動表示動作を終える「第1変動パターン(図68の変動パターン1)」と、第1リーチ演出を行った後に第2リーチ演出を行い、その後に当りの当否結果を報知して図柄変動表示動作を終える「第2変動パターン(図68の変動パターン2)」と、第1リーチ演出を行うことなく第2リーチ演出を行い、その後に当りの当否結果を報知して図柄変動表示動作を終える「第3変動パターン(図68の変動パターン3)」と、ノーマルリーチを行った後に、当りの当否結果を報知して図柄変動表示動作を終える「第4変動パターン(図68の変動パターン0)」の、計4種類を含んでいる。
そして図20のステップS103の抽選処理においては、上記変動パターンの種別に関連して特定の保留変化予告(ここでは通常色(白色)以外の色(青色または赤色)の保留変化予告)を実行する割合に違いを付けており、ここでは、上記第1リーチ演出を行うことなく第2リーチ演出を行う第3変動パターン(図68の変動パターン3)のときに上記特定の先読み予告演出を実行する割合の方が、第1リーチ演出と第2リーチ演出を行う第2変動パターン(図68の変動パターン2)のときに特定の先読み予告演出を実行する割合よりも、高くなっている。
図67の先読み演出抽選テーブルにおいて、特定の先読み予告演出として、通常の「白」以外の「青」または「赤」の保留変化予告が選択される割合を見てみると、ハズレの場合、通常変動が‘6’、ノーマルリーチが‘12’、「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」が‘26’、「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」が‘70’、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」が‘80’、「特殊リーチ」が‘50’である。また当りの場合、「第1リーチ演出A」または「第1リーチ演出B」が‘40’、「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」が‘90’、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」が‘150’、ハズレの「特殊リーチ」が‘128’である。したがって熱い先読み演出として、通常の「白」以外の「青」または「赤」が選択されて表示される割合は、ハズレおよび当りのいずれの場合においても、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」が最も高くなっており、またハズレの場合よりも当りの場合の方の選択割合が高くなっている。
このように「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」の場合よりも、「第2リーチ演出A」または「第2リーチ演出B」の場合の方が、保留変化予告として「青」または「赤」の選択される割合の方を高くしている理由は、変動パターン2(「第1+第2リーチ演出A」または「第1+第2リーチ演出B」)が選択されて、熱い先読み予告演出(保留変化予告「赤」や「稲妻連続予告」)が発生したときの第1リーチ演出中は、多くの遊技者に「この第1リーチ演出は外れとなって、どうせ第2リーチ演出に発展するんでしょ」という冷めた見方、つまり第1リーチ演出自体には意義がない見方をされ、第1リーチ演出を経由することが時間の無駄となっている状況を少なくするためである。
本実施形態では、図68の変動パターン3のときに特定の先読み予告演出を実行する割合を、図68の変動パターン2のときに特定の先読み予告演出を実行する割合よりも高くしている結果、期待度の高い先読み演出が発生した場合、第1リーチ演出が省かれて、いきなり第2リーチ演出が実行される第3変動パターンの発生割合が高まることから、第1リーチ演出に要する時間の無駄をできるだけ無くすことが可能になる。つまり、期待度の高い先読み予告演出が発生した場合は、できるだけ早く当り当選期待度の高いリーチ演出を実行することになり、図柄変動表示ゲームにおける遊技興趣の向上を図ることができる。
本実施形態では、図68の変動パターン3のときに特定の先読み予告演出を実行する割合を、図68の変動パターン2のときに特定の先読み予告演出を実行する割合よりも高くしている結果、当選期待度の高い先読み予告演出が発生した場合、第1リーチ演出が省かれて、いきなり第2リーチ演出が実行される変動パターン3の発生割合が高まることから、第1リーチ演出に要する時間の無駄をできるだけ無くすことが可能になる。つまり、当選期待度の高い先読み予告演出が発生した場合は、できるだけ早く期待度の高いリーチ演出が実行されることになり、図柄遊技における興趣の向上を図ることができる。この点から、上記「変動パターン2」と「変動パターン3」とでは、当選期待度の関係が「変動パターン2≦変動パターン3」または「変動パターン2<変動パターン3」の関係を満たすように定めることが好ましい
(第1リーチ演出の演出時間と第2リーチ演出の演出時間との関係について)
また上記第1リーチ演出と第2リーチ演出について、次のような関係性を有することが好ましい。第1リーチ演出の演出時間と第2リーチ演出の演出時間とについて、「第1リーチ演出の演出時間<第2リーチ演出の演出時間」の関係を満たすように定める。このようにすれば、当選期待度の高い先読み予告演出が発生して変動パターン2が実行された場合、「第1リーチ演出の演出時間≧第2リーチ演出の演出時間」と定めたときよりも「第1リーチ演出の演出時間<第2リーチ演出の演出時間」と定めたときの方が短時間で、当選期待度の高い第2リーチ演出が実行されることになる。
したがって、第1の作用効果として、当選期待度の高い先読み予告演出が発生した場合に、第1リーチ演出が省かれて、いきなり第2リーチ演出が実行される変動パターン3の発生割合を高めることにより、第1リーチ演出に要する時間の無駄をできるだけ無くすことが可能になる、といった上記した作用効果を発揮しつつ、さらに第2の作用効果として、仮に当選期待度の高い先読み予告演出が発生して、第1リーチ演出を経由して第2リーチ演出が実行される変動パターン2が実行されても相対的に短い時間で、当選期待度の高い方の第2リーチ演出が実行させることができる、といった作用効果を発揮することができる。上記第1の作用効果と第2の作用効果との相乗効果により、さらに図柄遊技における興趣の向上を図ることができるようになる。
(疑似連を伴う変動パターンについて)
また本実施形態において、疑似連を伴う変動パターン2と疑似連を伴う変動パターン3とを設けた場合、これら「疑似連を伴う変動パターン2」と「疑似連を伴う変動パターン3」とについて、次のような関係性を有することが好ましい。
疑似連を伴う変動パターンの場合、疑似連回数が多くなるに従い、当選期待度が高まる、換言すれば、当選期待度が高いSPリーチ種別の発生率が高まるものが一般的である。そこで、たとえば、図39の変動パターン2に属する疑似連有り変動パターンとして「疑似連N回(たとえば、N=2〜4)+変動パターン2」を設け、図39の変動パターン3に属する疑似連有り変動パターンとして「疑似M回(たとえば、M=2〜4)+変動パターン3」を設けた場合、特定の先読み予告演出の選択割合については、「M=N」の場合、つまり同じ回数の疑似変動を伴う場合には、特定の先読み予告演出の選択割合が「‘疑似N回+変動パターン’2≦‘疑似M回(M=N)+変動パターン3’」の関係、または「‘疑似N回+変動パターン2’<‘疑似M回(M=N)+変動パターン3’」の関係を満たすように定めることが好ましい。また疑似連回数が所定回数(たとえば、N、M=3回)以上発生した場合に、第2リーチ演出の発生が確定するように構成したパチンコ遊技機1の場合も同様の関係を満たすように定めることが好ましい。
このようにすれば、疑似連が比較的多い回数(N、M=3〜4)が発生した場合、このときの第1リーチ演出中は、多くの遊技者に「疑似連回数が多く実行されたから、この第1リーチ演出はハズレとなって、どうせ第2リーチ演出に発展するんでしょ」という冷めた見方、つまり第1リーチ演出自体には意義がない見方をされ、第1リーチ演出を経由することが時間の無駄となっている状況を少なくすることができる。
したがって、変動パターン2と変動パターン3とで同じ疑似連回数である場合、疑似連を伴う変動パターン3のときに特定の先読み予告演出を実行する割合を、疑似連を伴う変動パターン2のときに特定の先読み予告演出を実行する割合よりも高くなるように定めることにより、当選期待度の高い先読み予告演出が発生した場合、第1リーチ演出が省かれて、いきなり第2リーチ演出が実行される変動パターン3の発生割合が高まることから、第1リーチ演出に要する時間の無駄をできるだけ無くすことが可能になる。このように疑似連を伴う変動パターンを設けたときも、当選期待度の高い先読み予告演出が発生した場合は、できるだけ早く期待度の高いリーチ演出が実行されることになり、図柄遊技における興趣の向上を図ることができる。
上記のような疑似連を現出可能に構成された遊技機は、たとえば、次のような構成とすることができる。
所定の始動条件が成立したことを契機に所定の遊技情報を取得する取得手段と、上記取得手段により取得された上記遊技情報に基づき、当り遊技を発生させるか否かに関する抽選を行う抽選手段と、複数種類の図柄の変動表示動作を演出的に表示可能に構成され、当該変動動作が終了したときの停止図柄の組合せにより上記抽選手段による抽選結果を表示するための図柄表示手段と、上記抽選手段による抽選結果に基づき、上記図柄表示手段における図柄の変動表示動作に関する変動パターンを、複数種類の変動パターンのうちから決定する変動パターン決定手段と、変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて、上記図柄表示手段における図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段と、を含み、複数種類の変動パターンは、上記図柄の変動表示動作において、上記図柄の仮停止状態およびその仮停止状態から図柄の再変動表示動作(疑似変動)を実行する疑似連変動パターンを含む。変動パターン2に係る変動パターンには、疑似変動回数が異なる複数種類の疑似連変動パターンが含まれ、変動パターン3に係る変動パターンには、疑似変動回数が異なる複数種類の疑似連変動パターンが含まれる(たとえば、上記疑似N回(N=2〜4)+変動パターン2、疑似M回(M=N、またはM≧N)+変動パターン3)。このとき、疑似変動N回の変動パターン2に係る第1の疑似連変動パターンと、同じ疑似変動N回の変動パターン3に係る第2の疑似連変動パターンとについて、第1の疑似連変動パターンであると先読み判定された場合よりも第2の疑似連変動パターンであると先読み判定された場合の方が、特定の先読み演出を高い割合で実行する。
また上記特定の先読み予告演出として、「特殊保留変化予告および/またはギミック連動ボタン予告」を採用しても良く、図68の変動パターン3のときに、特殊保留変化予告および/またはギミック連動ボタン予告を実行する割合を、図68の変動パターン2のときの実行する割合よりも高くすることができる。また、「特殊保留変化予告および/またはギミック連動ボタン予告」が実行された際の専用保留表示態様を、図67のような傾向となるように定めることができる。
図20の説明に戻り、次いで、ステップS103で得られた演出情報(演出シナリオ用作成データ)に基づいて、一般保留予告の演出シナリオや稲妻予告の演出シナリオデータを作成し設定する(ステップS105:一般保留・稲妻予告表示設定処理)。ここでは、たとえば、一般保留変化予告に関し、一般保留変化予告を実行しない場合には、通常保留表示態様で保留表示を現出させるための演出シナリオデータを作成し設定し(通常保留表示処理)、一般保留変化予告を実行する場合には、通常保留表示態様ではなく、演出情報で指定される専用保留表示態様で保留表示を現出させるための演出シナリオデータを作成し、RAM243の所定の格納領域(保留表示データ記憶エリア)に設定する(専用保留表示処理)。上記保留表示データ記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留表示データ記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリアと、特別図柄2に対応する特図2保留表示データ記憶エリア)とが設けられている。これら保留表示データ記憶エリアには、保留1〜保留n表示データ記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留表示データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1表示データ記憶エリア、保留2表示データ記憶エリア、・・・、保留n−1表示データ記憶エリア、保留n表示データ記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお本実施形態では、ギミック連動ボタン予告が実行中の場合、一般保留変化予告による表示態様については特に制限されることなく、ここで設定される専用保留表示態様で表示されるようになっている。また第1〜第15演出例に係る特殊保留変化予告のうち、図51に示す第12演出例のように、新たな作動保留球が発生した場合にその作動保留球をも対象として特殊保留変化予告を実行可能に構成する場合には、特殊保留変化予告の実行が予定されている場合、または特殊保留変化予告が実行中の場合(特に秘匿演出開始前)においては、新たな作動保留球を対象とした一般保留変化予告を制限して通常保留表示態様で表示されるようにし(一般保留変化予告禁止処理)、特殊保留変化予告にて、一般保留予告で保留変化が予定された専用保留表示を表示させることが好ましい(たとえば、後述の図32(B)参照)。
また稲妻連続予告に関しては、ステップS103の演出情報に基づいて、稲妻連続予告演出を実行する場合には、図柄変動表示ゲーム時に現出する稲妻演出について、演出情報により指定される稲妻種別の演出データを設定したり、これを何回実行させるか実行回数を稲妻演出実行カウンタに設定したりする稲妻連続予告表示処理を実行する。なお稲妻連続予告の実行抽選に当選した場合(ステップS103)、稲妻演出実行カウンタに対し、その当選時点で存在する保留記憶個数と同数の図柄変動回数(予告回数)を管理すべく、その当選時点において現存する作動保留球数(保留記憶個数)の値、たとえば3個の保留記憶がある場合は「3」をセットしても良い。また稲妻連続予告対象の作動保留球を除く、他の作動保留球に係る図柄変動表示ゲームにおいて稲妻連続予告を現出させる場合には、たとえば3個の保留記憶がある場合(ここでは、稲妻連続予告対象の作動保留は3番目の保留)、「2」をセットしても良い。この稲妻演出実行カウンタの値は、その後に図柄変動表示ゲームが行われる度に、後述の図36のステップS873(稲妻連続予告演出設定処理)で1減算されて行き、稲妻演出実行カウンタがゼロになるまで、稲妻連続予告演出が現出される。
次いで、特殊保留変化予告が実行中であるか否かを判定する(ステップS107)。特殊保留変化予告が実行中ではない場合には(ステップS107:NO)、ステップS119の判定処理に進み、ギミック連動ボタン予告が実行中であるか否かを判定する(ステップS119)。ギミック連動ボタン予告が実行中である場合(ステップS119:YES)、何もせず、この保留加算コマンド処理を抜ける。
一方、ギミック連動ボタン予告が実行中でない場合(ステップS119:NO)、つまり特殊保留変化予告もギミック連動ボタン予告も実行されていない場合には、特殊保留変化予告の演出制御全般に係る後述の「特殊保留変化予告設定処理(図21)」、またはギミック連動ボタン予告の演出制御全般に係る「ギミック連動ボタン予告処理(図33)」を行う(ステップS121)。これにより、保留加算コマンド処理を抜ける。
なお、特殊保留変化予告およびギミック連動ボタン予告のいずれか一方が実行中である場合には、他方の演出の実行が制限されるようになっている。したがって、特殊保留変化予告またはギミック連動ボタン予告のいずれも実行されていない場合、いずれの予告演出の実行も許容されることになるが、いずれかの予告を実行するかについては、抽選により決定しても良いが、所定の優先実行順位を定めることが好ましい。
本実施形態の場合、新たな作動保留球が発生した場合に、その作動保留球をも対象として特殊保留変化予告を実行する第12演出例や、一般保留変化予告が絡むことになる図52の第13演出例などを考慮し、特殊保留変化予告の方を優先的に実行されるように構成されている。ただし遊技性によっては、ギミック連動ボタン予告の方を特殊保留変化予告よりも優先的に実行するように構成しても良い。その理由として、ギミック連動ボタン予告は、遊技者参加型の予告演出であり、非遊技者参加型の予告演出よりも演出効果が高い点、またギミック連動ボタン予告は、可動体役物の動作と画像表示演出とが有機的関連性を有して一つのストーリー仕立ての演出シナリオを展開していくことから、視覚的演出効果が高く遊技者の注目度が高い演出である点などが挙げられる。
ステップS107の判定処理において、上記特殊保留変化予告が実行中であると判定された場合(ステップS107:YES)、ステップS103で決定された一般保留予告に関する保留表示態様をどのような表示態様とするかに関し、特殊保留変化予告の演出シナリオに組込むための演出設定処理を行う(ステップS111〜ステップS113)。
上記「特殊保留変化予告が実行中」とは、新たな作動保留球が発生したときに既に特殊保留変化予告の実行予定がある場合、または仕掛り中の特殊保留変化予告がある場合を意味する。これは、新たな作動保留球が発生したときに既に特殊保留変化予告の実行予定がある場合には、新たな保留作動球の保留アイコンもその特殊保留変化予告の予告対象とされたり、仕掛り中の特殊保留変化予告がある場合には、特殊保留変化予告の演出シナリオの進行タイミングによっては、新たな保留作動球の保留アイコンも当該特殊保留変化予告の予告対象とされる場合がある。具体的には、ステップS109〜S113の処理は、第12演出例の図51(C)〜(D)で説明した演出態様を現出するために必要な演出の設定処理を行う処理が該当する。このような特殊保留変化予告が実行中に新たな作動保留球が発生したケースでは、その新たな保留作動球の保留アイコンの表示態様の行く末が、特殊保留変化予告の演出シナリオに組み込まれた形で進行させていくことが好ましい。たとえば、新たな保留作動球が発生した際、秘匿演出開始前または秘匿演出中(秘匿演出中については、全保留表示を秘匿する第15演出例(図53B)は除く)であれば、一旦「白色」の通常保留色で表示させておき(一般保留変化予告禁止処理:図51(C)、図32(C)参照)、その後、この「白色」の保留アイコンが爆煙Rにより秘匿状態(図51(D))とし、特殊保留変化予告の予告対象として開示演出の際には、保留表示態様が変化しうる、といったように当該保留アイコンの表示態様の行く末が、特殊保留変化予告の演出シナリオに組み込まれた形で進行させていく。
そこで、まずステップS109において、実行中の特殊保留変化予告シナリオを取得し(ステップS109)、特殊保留変化予告の進行具合が図51(C)に示すように保留表示が可能な状態である場合であるか否かを確認する(たとえば、秘匿演出開始前または秘匿演出中であるかを確認する)。そして、保留表示が可能な状態であれば上記一般保留変化予告禁止処理を行い、その新たな保留表示を、実行予定または仕掛り中の特殊保留変化予告の演出シナリオに組込むために必要な新規演出シナリオを作成し(ステップS111)、これを設定する(ステップS113)。
ここでステップS111の処理にて作成される「新規演出シナリオ」には、図51の第12演出例の場合には、新たな作動保留球に係る保留表示(保留アイコン)について、その保留アイコンが同図(D)に示すように「爆煙R」により秘匿状態とされる演出シナリオ(秘匿領域拡張演出)と、同図(E)に示すように開示演出の実行により当該保留アイコンが開示された際、その保留表示態様をどのような保留表示態様で表示するかについての演出シナリオとが含まれる。
上記新規演出シナリオを作成する際には、後述の特殊保留変化予告設定処理中(図21)における保留表示態様に関する各種の抽選を行い、新たな特殊保留変化予告の実行に必要となる演出制御処理を行う。これにより、新たに発生した作動保留球に係る保留表示が、特殊保留変化予告シナリオに組込まれ、たとえば、図51の(C)〜(E)に示すような演出シナリオが展開され、新たに発生した作動保留球を予告対象に含めた特殊保留変化予告が実現されることになる。なお旧シナリオを液晶画面上には視認できないようにしてそのまま実行させておき(背面側のレイヤーで実行)、新シナリオを視認可能なように実行(前面側のレイヤーで実行)させても良い。この場合、旧シナリオの演出を中止する必要がなく、演出制御による誤作動が発生する可能性を軽減することができる。
なお、特殊保留変化予告が実行中であると判定された場合(ステップS107:YES)、今回生じた新たな作動保留球を、特殊保留変化予告の予告対象から除外しても良い。この場合、新たな作動保留球の保留表示(保留アイコン)については、一般保留変化予告の演出シナリオに基づき、保留表示が行われることになる。また、今回生じた新たな作動保留球を、一般保留変化予告および特殊保留変化予告の予告対象から除外しても良い。この場合、一般保留変化予告の演出シナリオについては、これを無効化処理またはキャンセル処理すれば良い。この場合、当該新たな作動保留球は、何ら保留変化を生起することなく、通常保留表示態様で表示され続けることになる。前者の場合も後者の場合も、新たな作動保留球に係る上述のような新規演出シナリオを作成する必要がなく、演出制御負担の軽減に寄与することができる。
(16−3.特殊保留変化予告演出設定処理:図21)
次に、上記の図20の保留加算コマンド中に行う特殊保留変化予告演出設定処理(ステップS121)について説明する。図21は、特殊保留変化予告演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
この特殊保留変化予告演出設定処理において、演出制御部24(CPU241)は、まず特殊保留変化予告の実行禁止条件が成立しているか否か、つまり特殊保留変化予告を実行可能であるか否か(実行するに適した演出状況であるか否か)を確認する(ステップS601)。
上記「実行することが可能でない」場合とは、たとえば現存の作動保留球が所定個数以上(本実施形態では、作動保留球が2個以上存在することを条件としている:図69参照)であるか否かなどが該当する。これは、特殊保留変化予告が秘匿演出を介して保留変化を行う関係上、保留表示が少ない場合よりも、保留表示が多い場合の方が、開示演出が実行されたときのインパクト度合いが強く、演出効果が高まるからである。またその他には、現在の遊技状態(遊技状況)が先読み禁止状態であるか否か、特殊保留変化予告の実行に適さない演出が実行中であるか否かなどが該当する。
上記「特殊保留変化予告を実行するのに適さない演出」とは、たとえば、当り当選期待度が相対的に高い予告演出(たとえば、リーチ6やリーチ7などの強リーチ演出や、プレミアム演出など)や、図柄変動表示ゲーム中に係る特定の予告演出(当選期待度が高い予告演出や、カットイン予告演出や、他のボタン予告演出など)や、ギミック連動ボタン予告演出などが該当する。斯様な予告演出が現出中または現出予定である場合において、特殊保留変化予告(図37〜図53B)を現出させてしまうと、特殊保留変化予告と当該予告演出とが重複的に現出されてしまう可能性がある。その結果、遊技者が折角の高期待度演出を楽しむことができなかったり、重複した予告演出の発生により遊技者の混乱を招いたりするなどの問題が生じ、折角の予告演出の意義が失われてしまう点、また演出に対する注目を分散させてしまう可能性があり、遊技者の遊技興趣の低下が懸念される点などの問題が生じるからである。
また特殊保留変化予告の演出時間に起因する特殊保留変化予告の実行禁止条件を定めることが好ましい。これについては、たとえば、特殊保留変化予告が終了する前に、当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が開始されてしまう場合が該当する。特殊保留変化予告中に当り遊技に突入してしまうと、当り遊技中の演出効果を低下させてしまうからである。また特殊保留変化予告の開始タイミングによっては、たとえば、図50で示した演出例12のように、今回の図柄変動表示ゲームが終了して次回の図柄変動表示ゲームが開始される、つまり特殊保留変化予告が複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される「変動跨ぎ」状態が生じる場合もありうる。このようなケースで問題となるのは、現存の作動保留球が2個の場合において、今回(仕掛り中)の図柄変動表示ゲームが終了直前の場合である。この場合、特殊保留変化予告を実行中に、作動保留球が消化されて次回の図柄変動表示ゲームが開始される、つまり保留表示が1個になってしまう。このような場合に、特殊保留変化予告による「秘匿演出→開示演出」が実行されても演出効果が薄れてしまう。したがって、今回の図柄変動表示ゲームの終了するまで時間幅が特殊保留変化予告の演出時間幅と同一またはそれ以上ない場合には、特殊保留変化予告の実行を禁止することが好ましいといえる。
また特殊保留変化予告を短期間に連続的に実行してしまうと、重要な予告演出としての醍醐味が失われる。そこで、今回の特殊保留変化予告を実行した後、少なくとも最大保留記憶数(たとえば、特別図柄1または特別図柄2の最大保留記憶数の4回、または、特別図柄1、2の合計最大保留記憶数の8回)まで、特殊保留変化予告の実行が禁止させることができる。なお、最大保留記憶数まで禁止するのではなく、特殊保留変化予告が実行されるときに現存する保留記憶数分だけ禁止しても良い。
このように、特殊保留変化予告の実行に適している状況であるのか否かを確認することで、特殊保留変化予告やその他の演出への注目度合いを向上させたり、遊技興趣の低下を抑制したり、違和感を抑制したりすることができる。
特殊保留変化予告が実行可能である、または実行に適している状況である場合(ステップS601:YES)、演出用乱数として、特殊保留変化予告用の乱数を取得する(ステップS603)。なお演出用乱数には、特殊保留変化予告やギミック連動予告や他の予告演出などにおいて利用される複数種類の演出用乱数が含まれる。上記特殊保留変化予告用の乱数は、特殊保留変化予告に関する演出内容(シナリオ)を決定する際に利用される乱数である。
次いで、今回の特殊保留変化予告を実行する際に必要な情報を取得する(コマンド情報取得処理:ステップS605)。ここでは、各種のコマンドを受信した際に得られた情報たとえば、変動パターン情報(先読み変動パターンや変動開始時の変動パターン情報)、当選種別情報などから、今回の特殊保留変化予告の実行抽選(後述のステップS609)に必要な情報を取得する。これにより、現存する作動保留球およびゲーム実行保留Kの全部またはこれら一部を対象とした保留変化予告を実行するために要する情報が取得される。これにより、たとえば変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情報または先読み変動パターン情報)については、当り抽選の結果を表す情報(大当り、小当り、およびハズレの別)やリーチ演出に関する情報(リーチ演出の有無、リーチ演出有りの場合はリーチ演出の種類、疑似連の有無やその回数)などを確認することができる。またその他の情報として、たとえば、普通図柄に係るコマンドに含まれる情報(補助当り抽選結果情報)を取得し、普通図柄に関する所定の条件が満たされているか否か(たとえば、普通図柄の作動保留球が所定個数記憶されているか否か、その作動保留球数の中に当りに該当するものが含まれているか否かなど)によって、特殊保留変化予告の内容に変化を持たせても良い。具体的には、普通図柄に関する所定の条件が満たされ、かつ、特殊保留変化予告を実行しても良い状況である場合、必ず特殊保留変化予告を実行する設定を行っても良い。これにより、特別図柄に関する装飾図柄変動表示ゲームと普通図柄に関する普通図柄変動表示ゲームとの関連性を持った特殊保留変化予告が可能になり、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる(後述のギミック連動ボタン予告設定処理(図33)においても同様)。
なお本実施形態に係るリーチ演出については、当り当選期待度が小さいものから「Nリーチ<SPリーチ1<SPリーチ2<・・・<SPリーチ6<SPリーチ7」が規定されているが、以下では説明を簡潔化して本発明の理解を容易なものとするために、これらリーチ演出の種類を、当り当選期待度の小さいものから「弱リーチ<中リーチ<強リーチ」の3つに大別して説明する(後述のギミック連動ボタン予告設定処理(図33)においても同様)。たとえば、弱リーチに属するリーチ演出を「NリーチとSPリーチ1〜2」、中リーチに属するリーチ演出を「SPリーチ3〜5」、強リーチに属するリーチ演出を「SPリーチ6〜7」といった具合に区分する。なお、疑似連有りリーチ演出についても、当り当選期待度に応じて弱リーチ、中リーチ、強リーチのいずれかに含まれるものとする。また、弱リーチ、中リーチ、強リーチには、当り当選期待度が低いものから、適宜割り当てることができる。
次いで、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを取得し(ステップS607)、特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルに基づき、特殊保留変化予告の実行抽選を行う(ステップS609)。この特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルは、特殊保留変化予告実行時における保留表示数(ゲーム実行中保留および現存する作動保留記憶数)と変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情または先読み変動パターン情報)に基づいて、特殊保留変化予告を実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。この特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルの一例を図69に示す。なお以下では、特殊保留変化予告の実行抽選契機の例として、代表的に「作動保留球の発生時」または「装飾図柄変動表示ゲームの開始時」を例にとり説明していく。
(特殊保留変化予告演出実行抽選テーブル:図69)
図69に、本発明の一実施形態に係る特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを示す。
図示のように、特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルには、特殊保留変化予告の実行抽選確率が、現在の保留表示数と、変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情報または先読み変動パターン情報)とに関連付けて定められている。なお図示の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルは、特別図柄種別ごとに特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルが設けられている。ここでは、特別図柄1に対応する特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを示し、実質的に同じ構成である特別図柄2に対応する特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルについては、図示を省略してある。
図中の「保留表示数(作動保留球数)」の「当該」の表記はゲーム実行中保留Kを示しており、「+1個」、「+2個」、「+3個」、「+4個」の表記は特別図柄1または特別図柄2に対応した作動保留球数(本実施形態では、各特別図柄の最大保留記憶数は4個))を示している。この「保留表示数(作動保留球数)」は、RAM243のサブ側保留球数管理エリアの情報が利用される。具体的には、上記図20の「保留加算コマンド解析処理」中のステップS121の処理において特殊保留変化予告の実行抽選が行われる場合は、入賞発生時に送信されてくる「保留加算コマンド(図59参照)」で指定される作動保留球の個数(加算後の保留記憶数)が利用され、他方、後述の図36の「装飾図柄指定コマンド解析処理」中のステップS121の処理において特殊保留変化予告の実行抽選が行われる場合は、変動開始時の予告演出処理となるので、変動開始時に送信されてくる「保留減算コマンド(図60参照)」で指定される作動保留球の個数(減算後の保留記憶数)が利用される。なお、後述の図80のギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルについても同様である。
また図中の「変動パターン情報」の欄については、先読み変動パターン情報または変動開始時の変動パターン情報を意味する。いずれの変動パターン情報を利用するかは、どのような演出制御コマンドの受信を契機に特殊保留変化予告の実行抽選を行うか、あるいは、その実行抽選形態により定めることができる。これについて、以下詳細に説明する。
(「先読み変動パターン情報」が利用される(利用ケース1))
図示の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおいて上記「先読み変動パターン情報」が利用されるケースとしては、たとえば、新たな作動保留球の発生を契機に特殊保留変化予告の実行抽選を行うケースであり(保留加算コマンドの受信を契機に実行されるケース)、その新たな作動保留球に係る先読み変動パターン情報のみを利用して、特殊保留変化予告の実行抽選を行うケース(利用ケース1)である。具体的には、次のような抽選処理内容とすることができる。
(A−1)この利用ケース1の場合は、まず新たな作動保留球に係る先読み変動パターン情報を、RAM243の先読み情報記憶エリアから取得し、次いで、保留表示数情報を、RAM243のサブ側保留球数管理エリアから取得する(サブ側保留球数管理エリアには、保留加算コマンドにより指定される作動保留球数が記憶されている)。このとき、図柄変動表示ゲーム中であれば、ゲーム実行中保留Kが存在するので、これを含めて保留表示数とする。たとえば、現在、図柄変動表示ゲームが実行中(ゲーム実行中保留Kが存在)であり、かつ作動保留球が3個のときに新たな作動保留球が発生したケースを代表例にとり説明すれば、このケースの保留表示数は「ゲーム実行中保留K(当該)+作動保留球4個(3個+新たな作動保留球1個)」の状態である。そして、その新たな作動保留球の先読み変動パターン情報が「大当り強リーチ」であったとすれば、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおける変動パターン情報の欄の「大当り強リーチ」と、保留表示数「当該+4個」とに対応する欄が参照され、このケースでは「30%」の確率で、特殊保留変化予告が実行されることになる。なお、特殊保留変化予告は、複数の作動保留球が存在する場合に実行可能としているので、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルの「保留表示数」の欄は、実際には作動保留球の個数を考慮すれば良い。図示の実行抽選テーブルは、ゲーム実行中保留Kを含む保留表示を、保留変化予告の対象とする実施形態を考慮したものとなっている。したがって、ゲーム実行中保留Kを考慮しない場合は、作動保留球の個数のみを考慮すれば良い(後述の図80のギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルも同様)。
(「先読み変動パターン情報」が利用されるケース(利用ケース2))
図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおいて上記「先読み変動パターン情報」が利用される他のケース(利用ケース2)としては、上述の利用ケース1のように新たな作動保留球の発生を契機に特殊保留変化予告の実行抽選を行うケースであるが、利用ケース1と利用ケース2とが異なる点は、新たな作動保留球に係る先読み変動パターン情報のみだけでなく、他の作動保留球に係る先読み変動パターン情報を利用して、特殊保留変化予告の実行抽選を行う点である。なおここでは、上述したケース1と同じく、現在、図柄変動表示ゲームが実行中であり、かつ作動保留球が3個のときに新たな作動保留球が発生したケースを例とり説明する(「ゲーム実行中保留K(当該)+作動保留球4個」の状態)。
この利用ケース2の場合は、新たな作動保留球を含め、既に記憶されている作動保留球に係る先読み変動パターン情報をRAM243の先読み情報記憶エリアから取得する。ここで、取得した各先読み変動パターン情報のうちいずれの情報を実行抽選に利用するかについては、次のように定めることができる。
(A−2)取得した各先読み変動パターン情報のうち、当り当選期待度が最も高い作動保留球に係る先読み変動パターン情報を利用する。なお当選期待度がすべて同一である場合、次の(B−2)〜(C−2)のように選択することができる。
(B−2)最新または最古の保留表示に係る先読み変動パターン情報を利用する。
(C−2)取得した各先読み変動パターン情報のうち、いずれの先読み変動パターン情報を利用するかをランダムに抽選する。
(D−2)保留記憶順または図柄変動表示ゲームの実行順(優先変動型の場合は、優先変動側の特図の保留記憶を優先。本実施形態の場合は、特図2側優先)に応じた所定の選択率(たとえば、作動保留球数が4個の場合は「1番目(最古)(10%)<2番目(20%)<3番目(30%)<4番目(最新)(40%)」、またその逆の選択率など)により決定する。
そして、いずれかの先読み変動パターン情報を決定した場合、たとえば、その先読み変動パターン情報が「大当り中リーチ」であったとすれば、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおける変動パターン情報の欄の「大当り中リーチ」と、保留表示数「当該+4個」とに対応する欄が参照され、このケースでは「25%」の確率で、特殊保留変化予告が実行されることになる。
ただし、特別図柄1または特別図柄2のいずれかを対象に特殊保留変化予告を実行する場合には、対象となる特別図柄側の先読み変動パターン情報が取得され、特別図柄1および特別図柄2の双方を対象とする場合は、すべての作動保留球に係る先読み変動パターン情報が取得され、利用される。なお上記ケース2の(A−2)〜(D−2)では、ゲーム実行中保留Kに係る先読み変動パターン情報を含め、「ゲーム実行中保留K(当該)に係る先読み変動パターン情報+全作動保留球に係る先読み変動パターン情報」のうちから選択しても良い。
またゲーム実行中保留Kについては、先読み変動パターン情報ではなく、「変動開始時の変動パターン情報」を利用しても良い。
(「変動開始時の変動パターン情報」が利用されるケース(利用ケース3))
次に、変動開始時の変動パターン情報が利用されるケースについて説明する。変動開始時の変動パターン情報が利用されるケースとして、上記した「利用ケース2」でゲーム実行中保留Kについては、変動開始時の変動パターン情報を利用しても良い旨を説明したが、変動開始時の変動パターン情報を利用するその他のケースとして、装飾図柄変動表示ゲームの開始を契機に特殊保留変化予告の実行抽選を行うケースであり(変動パターン指定コマンドおよび/または装飾図柄指定コマンドの受信を契機に実行されるケース)、今回の図柄変動表示ゲームに供される作動保留球に係る変動開始時の変動パターン情報のみを利用して、特殊保留変化予告の実行抽選を行うケース(利用ケース3)がある。具体的には、後述の図36の「装飾図柄指定コマンド解析処理」中のステップS121の処理で実行されるケースであり、次のような抽選処理内容とすることができる。
(A−3)この利用ケース3の場合は、まず変動表示動作に供される作動保留球に係る変動開始時の変動パターン情報を、RAM243の変動パターン情報記憶エリア(後述の図35の変動パターン指定コマンドの受信処理参照)から取得し、次いで、保留表示数情報を、RAM243のサブ側保留球数管理エリアから取得する(サブ側保留球数管理エリアには、保留減算コマンドにより指定される作動保留球数が記憶されている)。たとえば、装飾図柄変動表示ゲームの仕掛り直前のときの作動保留球が4個(保留表示数4個)であるときに、最古の作動保留球が今回の図柄変動表示ゲームに供された(消化された)ケースを代表例にとり説明すれば、このケースの保留表示数は、最古の作動保留球が図柄変動表示ゲームで消費されることにより、「ゲーム実行中保留K(当該)+作動保留球3個(4個−1個消費)」の状態となる。そして、その作動保留球(消化保留)の変動開始時の変動パターン情報が「大当り強リーチ」であったとすれば、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおける変動パターン情報の欄の「大当り強リーチ」と、保留表示数「当該+3個」とに対応する欄が参照され、このケースでは「25%」の確率で、特殊保留変化予告が実行されることになる。
(特殊保留変化予告の実行抽選の他の実行契機について)
特殊保留変化予告の実行抽選については、上記した作動保留球の発生または装飾図柄変動表示ゲームの開始を契機とする他、当り遊技中においても特殊保留変化予告の実行抽選を行うことができる。この場合、当り遊技中の所定のタイミングで主制御部20から送信される複数種類の当り中コマンド(「大当り開始コマンド」、大入賞口開放コマンド、「大当り終了コマンド」、「大入賞口開放コマンド」、「小当り開始コマンド」、「小当り終了コマンドなど)のうち、少なくともいずれか1つのコマンドの受信を契機として実行抽選を行うことができる。
ただし本実施形態の場合、当り遊技中は、特別図柄の変動表示動作は実行されず、図柄変動表示ゲーム自体が中断される。したがって、上述したような利用ケース3のような「変動開始時の変動パターン情報」のみが利用されるケースは存在しないことになる。しかし作動保留球が最大保留記憶数未満である場合には、作動保留球の発生は許容されるので、当り遊技中は、専ら、作動保留球が発生したことを契機に特殊保留変化予告の実行抽選を行うことができる。一方、作動保留球が最大保留記憶数に達していた場合は、オーバーフロー入賞球発生時の「OF保留加算コマンド」が主制御部20から送信されてくるが、この「OF保留加算コマンド」には先読み変動パターン情報は含まれておらず(図59参照)、オーバーフロー入賞球を対象として、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを利用することができない。また当り中コマンドにも先読み変動パターン情報や変動開始時の変動パターン情報は含まれておらず、同様に、特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを利用することができない。このため、当り遊技中においては、保留加算コマンドを受信した場合に限り、特殊保留変化予告の実行抽選を行うようにしても良いが、この場合、作動保留球が最大保留記憶数未満である場合にしか特殊保留変化予告が実行される可能性が無くなる。そうすると、実行タイミングの自由度が制限され、当り遊技中の演出のバリエーションに広がりを持たせることができない。
このような事情に鑑み、次のような特殊保留変化予告実行抽選形態には、上記利用ケース2の抽選処理方法とすることが好ましい。利用ケース2の抽選形態にすれば、各作動保留球に係る先読み変動パターン情報を利用することができるので、先読み変動パターン情報を持たない「OF保留加算コマンド」や「当り中コマンド」の受信を契機に実行抽選を行うことができるようになる。
なお後述の図80のギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルに基づく実行抽選についても、上記した特殊保留変化予告を実行するケースであるのか、ギミック連動ボタン予告を実行するケースであるのかという点が異なるだけで、その抽選処理内容は、上記特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルのものと実質的に同一である。以下では、説明の便宜上、特に必要のない限り、先読み変動パターンまたは変動開始時の変動パターンを、単に「変動パターン」と称する。
(特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルの特徴について)
図69に示す特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルは、次のような特徴を持つ。まず、所定数以上の保留表示(作動保留球、ゲーム実行中保留K)がある場合でなければ実行抽選を行わないようになっている点、変動パターン情報が、たとえば「大当り時の強リーチ」の場合、保留表示数順に「8%(当該+2個)」、「15%(当該+3個)」、および「35%(当該+4個)」と抽選確率が規定されており、保留表示数が多くなるほど、その抽選確率が高くなるように設定されている。そして他の変動パターン情報についても同様に、保留表示数が多くなるほど抽選確率が高く設定されている。すなわち、保留表示をより多く表示させることにより(作動保留球数をより多く記憶させることにより)、特殊保留変化予告を実行させ易くなる、といった傾向を持たせている。これにより、保留表示を多く表示させるほど、特殊保留変化予告を実行させやすくするといった恩恵を遊技者に付与することができる。また、特殊保留変化予告を発生しやすい状況を作り出すためには、保留表示を多く表示させる必要があることから、遊技者による意図的な止め打ち行為(遊技球の発射を中断する)を抑制することができる。
また図示のように、保留表示数が同数の場合は、当り当選期待度が高いリーチ演出であるほど抽選確率が高く設定されている(「リーチ無<弱リーチ<中リーチ<強リーチ」の関係)。このように、リーチ演出の当り当選期待度に比例して、特殊保留変化予告が実行されるため、この演出に対する信頼度を向上させることができる。ただし、例外として、最大作動保留球数となる「当該+4個」の場合の「大当り時」のときは、当り当選期待度が低い弱リーチの場合が最も抽選確率が高く設定されている(図示では、「強リーチ、中リーチ<弱リーチ」の関係)。これは、特殊保留変化予告が実行され、その後の図柄変動表示ゲームで当選期待度が低い弱リーチが実行されても、弱リーチが実行されることにより、遊技者が「どうせ当らないんだろう」という冷めた見方をする状況を低減させ、むしろ通常時のケースとは反対に、大当りへの当選期待感が飛躍的に高まる状況を作り出すことができる。これにより、当り当選期待度低いリーチ演出と特殊保留変化予告との間に密接な関連性を持たせることができ、意外性のある演出効果を発揮することができる。
また本実施形態では、図示のように、2R当りまたは小当りの場合は、他の大当りの場合よりも抽選確率が低く設定されている。特に小当りの場合には当り遊技後の遊技状態が移行されない点、また2R当りまたは小当りの場合、その当り遊技で得られる出球が少ない点がある。そこで、2R当りまたは小当りの場合は、特殊保留変化予告の実行確率を他の大当りの場合よりも低く設定し、特殊保留変化予告が実行されたときには、利益状態が相対的に高い大当りの当選期待感が高め、特殊保留変化予告に対する信頼感高めるようにしている。
(非優先変動型のパチンコ機1の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルについて)
また特別図柄の種類に関係なく入賞順に作動保留球を消化する「非優先変動型のパチンコ機1」については、保留表示数が1個〜8個の場合に対応して抽選確率がそれぞれ規定されている特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルを使用すれば良い。この場合も図69に示す特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルと同じ傾向を持つ抽選テーブルとすれば、図69のものと同様の効果を得ることができる。
また非優先変動型のパチンコ機1において、最大保留記憶数の「8個」となる場合には、特殊保留変化予告の実行確率を他の保留表示数よりも相対的に高く定め、「最大保留球数の場合に特殊保留変化予告が高確率あるいは必ず発生する」といった「一種のゾーン演出」として機能させ、保留記憶の上限値まで記憶したことに対するお祝い的な祝福演出として扱うことができる。これにより、遊技者は積極的に保留を溜めるようになり、遊技球の発射を中断するなどの止め打ち行為を抑制させ、遊技機の可動率を高めることができる。特に、最大保留記憶数の「8個」を対象として特殊保留変化予告が発生すれば、一度に「8個全てが秘匿状態とされる」といったダイナミックな演出が可能となり(たとえば、第9演出例の図47(D)参照(ただし、図47(D)では保留7個の例))、優先変動型のパチンコ遊技機1のように最大4個しか秘匿状態とされない場合よりも(たとえば、第2演出例:図38(D)参照)、開示状態時の保留変化期待感が大きく膨らむことになる。特に最大8個の保留表示が一斉開示される演出(たとえば、第9演出例の図47(E)参照)は非常にインパクトのある圧巻の演出であり、高い演出効果を発揮することができる。なお後述の図80のギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルについても、特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルと同事象の傾向を持ち、上記した作用効果を奏することができる。
再び図21の説明に戻り、次いで、特殊保留変化予告の実行抽選結果を確認し、特殊保留変化予告を実行するか否かを判定する(ステップS611)。特殊保留変化予告を実行しない場合には(ステップS611:NO)、何もせずに、この特殊保留変化予告演出設定処理を抜ける。
一方、特殊保留変化予告を実行する場合(ステップS611:YES)、次いで、特殊保留変化予告内容抽選処理を実行する(ステップS613)。この特殊保留変化予告内容抽選処理は、特殊保留変化予告を実現するための演出処理として、主に、次の8つの演出処理を中心に構成されている。各演出処理の概要は次の通りである。
1つ目の演出処理は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2における保留アイコンおよびゲーム実行中保留Kのうち、いずれの保留表示が、特殊保留変化予告の対象となるか否かを決定するための「変化対象保留抽選処理(図22〜図24)」、
2つ目の演出処理は、開示演出の際に表示させる保留表示態様(たとえば、保留色(表示色)、形状など)を決定するための「変化表示態様抽選処理(図25)」、
3つ目の演出処理は、特殊保留変化予告の実行開始タイミングを設定するための「開始タイミング設定処理(不図示)」、
4つ目の演出処理は、キャラ登場演出態様(たとえば、登場させるキャラクタL、L2など)を決定するための「キャラ演出態様抽選処理(図26)」、
5つ目の演出処理は、アクション演出態様(キャラクタによるアクション内容)を決定するための「アクション演出態様抽選処理(図27)」、
6つ目の演出処理は、秘匿演出態様(たとえば、爆煙Rの表示態様や、秘匿領域の設定など)を決定するための「秘匿演出態様抽選処理(図28)」、
7つ目の演出処理は、開示演出態様(たとえば、保留表示一斉開示演出、保留表示順次開示演出など)を決定するための「開示演出態様抽選処理(図29)」、
8つ目の演出処理は、終了演出態様を設定する「終了演出設定処理」である。なお、これらの演出処理のうち、本発明と関連性の深い演出処理内容の詳細については、図22〜図29にて後述する。
上記の各抽選処理を実行し、各演出内容(特殊保留変化予告に係る演出シナリオを構成するための演出態様(パーツ演出群))が決定されると、次いで、上記の各抽選処理により決定された演出データに基づいて、今回の特殊保留変化予告の演出シナリオを作成し、RAM243のシナリオ設定領域に設定する(特殊保留変化予告演出シナリオ設定処理:ステップS615)。ここで作成された演出シナリオに基づき、今回の特殊保留変化予告が実行すべきタイミングで開始され、特殊保留変化予告が実現される。なお、特殊保留変化予告演出シナリオ設定処理については、図30にて後述する。これにより、特殊保留変化予告に関する演出処理を終了して、この特殊保留変化予告演出設定処理を抜ける。
(Y.一般保留変化予告による保留変化が予定されている場合、その保留変化が発生する前に、特殊保留変化予告の実行されるケースについて)
ここで、上記ステップS601において、特殊保留変化予告を実行するのに適したタイミングではない場合として、たとえば、特殊保留変化予告を実行する際、既に一般保留変化予告による保留変化対象予定の保留表示(保留アイコン)が存在する場合が挙げられる。これは、一般保留変化予告とは別に特殊保留変化予告を実行してしまうと、その保留アイコンの保留表示態様の変化に矛盾、あるいは違和感を遊技者に与えてしまう恐れがあるからである。このような問題が発生しうるケースについて以下説明する。
(Y−1.不具合が生じるケース)
ここでは、図37(A)や38(A)のように、現在、保留表示領域76の保留表示部a1〜c1にそれぞれ白丸印の保留アイコンが表示されており、また、受座Jのアイコン上に白丸印のゲーム実行中保留Kが表示されているケース(現在、3つの特別図柄1の作動保留球が保留記憶されており、特別図柄1に対応する特別図柄変動表示ゲームが実行中(特別図柄1が変動表示動作中)のケース)を代表的に説明する。
上述の保留表示状態において、保留表示部c1の保留アイコンが、一般保留変化予告による保留変化対象予定の保留表示であるとし、保留表示部c1の保留アイコンが保留変化を生起する演出シナリオとして、当該保留表示部c1の保留アイコンがシフト表示していく度に「白色(入賞時)→白色(1回目のシフト表示時)→黄色(2回目のシフト表示時)」といった演出シナリオが組まれている場合を想定する(後述の図31(A)参照)。なお以下では、上述の保留表示部c1の保留アイコンのように、一般保留変化予告により、入賞時には通常保留表示態様で表示するが、シフト表示されることを契機として専用保留表示態様に変化予定の作動保留球(保留表示(保留アイコン))を「一般保留変化予定対象保留」と称する。
このようなケースにおいて、一般保留変化予定対象保留が「黄色」に変化する前に特殊保留変化予告が実行された場合、その特殊保留変化予告により別の保留色(たとえば、赤色保留)に変化される場合がありうる。
たとえば、入賞時から1回目のシフト表示の間に特殊保留変化予告が実行された場合、本来の一般保留変化予告の演出シナリオである「白色(入賞時)→白色(1回目のシフト表示時)→黄色(2回目のシフト表示時)」であったものが、特殊保留変化予告による演出により「白色(入賞時)→赤色(特殊保留変化予告による保留変化)→白色(1回目のシフト表示時)→黄色(2回目のシフト表示時:本来の一般保留変化予告による保留変化)」といった演出内容となりうる。つまり、実行中の一般保留変化予告に、特殊保留変化予告が影響してしまい、一般保留変化予定対象保留(保留表示部c1の保留アイコン)が「黄色保留」に変化する前、それよりも当選期待度が相対的に高い「赤色保留」に変化し、その後、一般保留変化予告の演出シナリオが進行すると、今度は、その赤色保留よりも当り当選期待度が低い「黄色保留」に変化してしまう。その結果、遊技者に対し、当り当選期待度が突然下がったような印象を与え、予告演出に対する不信感を招いてしまう。
(Y−2.不具合を解決する手段(第1の解決手段):ケース1)
このような不具合を想定し、特殊保留変化予告の実行可否を決定する場合や、その実行タイミングを決定する場合に、現存する作動保留球に対して、一般保留変化予告の演出シナリオの内容をチェックし、一般保留変化予定対象保留が存在する場合には、一律に、特殊保留変化予告の実行不可としても良い。また、一般保留変化予定対象保留が存在する場合であっても、特殊保留変化予告の実行を優先的に実行させるものとし、特殊保留変化予告の実行される場合には、一般保留変化予告の演出シナリオ自体をキャンセルし(たとえば、一般保留変化予告の演出シナリオをクリアしたり、一般保留変化予告の実行を無効化するなどの処理を行う)、本来の一般保留変化予告で保留変化予定の保留表示については、一般保留変化予告ではなく、特殊保留変化予告に委ねるようにしても良い。この場合は、一般保留変化予告による本来の保留変化(保留表示態様の変化)そのものはキャンセルされ、特殊保留変化予告が優先的に実行されることになるが、2つの演出が被ることがなくなり、上記不具合が生じることがなくなる点で有用である。
(Y−3.不具合を解決する手段(第2の解決手段):ケース2)
しかし、一般保留変化予告による保留変化が予定されている場合(一般保留変化予定対象保留が存在する場合)、特殊保留変化予告が実行されることを理由に、その予定された保留変化自体をキャンセルすることは、折角の一般保留変化予告の演出結果が陽の目を見ることなく消失してしまい、一般保留変化予告の醍醐味が失われてしまう。
そこで本実施形態では、一般保留変化予定対象保留に予定されている表示態様を、特殊保留変化予告の演出結果として導出可能に構成することにより、特殊保留変化予告による保留変化(特殊保留変化予告の演出結果)と、一般保留変化予告による保留変化(一般保留変化予告の演出結果)とを重複的に導出可能としている。これにより、一般保留変化予定対象保留が存在する場合において特殊保留変化予告が実行されるときであっても、双方の予告演出を有効なものとして扱うことができる。これについて図31を参照しながら説明する。
図31は、一般保留変化予告と特殊保留変化予告演出とを重複的に実行する場合の説明に供する説明図である。図31(A)は、特殊保留変化予告が介在しなかった場合、つまり一般保留変化予告が単独で実行されるケースを示したものであり、図31(B)は、一般保留変化予告による保留変化が予定された後、その保留変化が発生する前に、特殊保留変化予告が実行されるケース(以下、「表示遷移状態ケース1」と称する)を示したものである。以下、図31を参照しながら、上記表示遷移状態ケース1について説明する。なお、図31では、説明の簡略化のために、特図1の作動保留球に対応した保留表示のみが存在しているものとして説明する。
(A.表示遷移状態ケース1について)
本発明の理解を容易なものとするために、先ず図31(A)を参照して、一般保留変化予告が単独で実行される場合の保留表示遷移状態を時系列的に説明しておく。
(Y−4.一般保留変化予告が単独で実行される場合の保留表示について:図31(A))
図示の例では、時刻t0の前に、既に他の作動保留球(不図示)に係る変動表示が実行されており、時刻t0〜tcにおいては、2つの保留アイコンである「保留表示部a1の保留アイコン(作動保留球Aの保留アイコン)」と、「保留表示部b1の保留アイコン(作動保留球Bの保留アイコン)」とが表示されており、時刻tc(上記の他の作動保留球(不図示)に係る変動表示が終了するまでの所定のタイミング)の時点で、新たな作動保留球(作動保留球Cとする)が発生して、「保留表示部c1に保留アイコン(作動保留球Cの保留アイコン)」が表示されたケースを示している。
またここでは、作動保留球A、Bは、一般保留変化予告が実行されず、作動保留球Cは、一般保留変化予告が実行されるケースを示している。つまり、作動保留球A、Bについては、その保留アイコンが非表示となるまで(作動保留球A、Bに対応する特別図柄の変動表示が終了するまで:図示の当該作動保留球A、B対応のゲーム実行保留Kが非表示となるまで)、通常保留色の「白色」のまま表示し続け(時刻t4、時刻t6参照:時刻t3〜t4、t5〜t6は、特別図柄の確定表示時間幅を示す)、これに対し作動保留球Cは、次に説明する一般保留変化予告による演出シナリオが展開され、時刻t4の到来を契機に、専用保留色である「黄色保留」へと変化されるようになっている。
(Y−4−1.作動保留球Cに係る一般保留変化予告の演出シナリオについて:時刻tcにおける一般保留変化予告の演出シナリオ作成)
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、作動保留球Cに係る一般保留変化予告の演出シナリオの内容について説明しておく。
図31(A)では、上記時刻tcにおいて、作動保留球Cを対象とした一般保留変化予告を実行することが抽選により決定され、その演出シナリオとして、図示のように、「白色保留(入賞時:tc)→白色保留(1回目のシフト表示:時刻t2)→黄色保留(2回目のシフト表示:時刻t4〜te間で保留変化)→黄色保留(3回目のシフト表示(ゲーム実行保留Kの保留表示):時刻t6以降)」といった演出シナリオが作成された例を示している(図20のステップS103、S105参照)。
具体的には、作動保留球Cの保留アイコンについて、入賞時〜2回目のシフト表示までは(入賞時〜作動保留球Aに係る特別図柄の変動表示終了までの時刻tc〜t4間)、保留表示部c1〜b1においては、「白色保留」のまま表示され続けるものとし、2回目のシフト表示、つまり作動保留球Bが消化され、保留アイコンのシフト表示により保留表示部b1の保留アイコンから保留表示部a1の保留アイコンとして表示されたことを契機に(時刻t4以降)、一般保留変化予告による保留変化が実行されて、現在の「白色保留」から専用保留色の「黄色保留」に保留変化が生起されることが予定される演出シナリオとなっている。なお、この保留変化は、時刻t4〜teの間で保留変化用の特殊演出が実行され、作動保留球Cの保留アイコンが「白色保留」から「黄色保留」に変更される。その後、作動保留球Cが消化されるまでの時刻te〜t6間は、変化後の「黄色保留」のまま表示され続け、保留表示部a1の保留アイコンからゲーム実行中保留Kとして表示された時刻t6以降(3回目のシフト表示以降)も、そのまま「黄色」の保留アイコンで表示する、といった演出シナリオとなっている。
(Y−5.一般保留変化予告による保留変化が予定される場合に特殊保留変化予告が介在する場合について:図31(B))
次に図31(B)を参照して、特殊保留変化予告が介在するケースについて説明する。この図31(B)は、作動保留球Cに係る一般保留変化予告の演出シナリオが作成された場合、作動保留球Cの保留アイコンが、「白色保留」から「黄色保留」に保留変化される前に、特殊保留変化予告による開示演出が実行されるケースを示している。
(Y−5−1.時刻t2における特殊保留変化予告の演出シナリオ作成)
本実施形態の場合、図21の特殊保留変化予告演出設定処理のステップS601の処理において、一般保留変化予定対象保留(ここでは、作動保留球C)が存在する場合であっても、それを条件として特殊保留変化予告は禁止せず、特殊保留変化予告自体は実行可能であるものとして処理を進め、後続のステップS609の処理において、特殊保留変化予告を実行するか否かの抽選(特殊保留変化予告の実行抽選)を行うようになっており、特殊保留変化予告を実行すると抽選された場合、特殊保留変化予告の演出シナリオを作成するが、一般保留変化予定対象保留について一般保留変化予告による保留変化前に、特殊保留変化予告を実行する場合は、次のような特別な演出シナリオが作成されるようになっている。この特殊保留変化予告に係る演出シナリオについて、図31(B)を参照しながら詳細に説明する。
(Y−5−2.特殊保留変化予告に係る新たな演出シナリオについて)
上記特殊保留変化予告の演出シナリオの作成については、一般保留変化予告の演出シナリオが考慮されるようになっている。具体的には、特殊保留変化予告の演出シナリオを作成する場合、CPU241は、まず作動保留球A、B、Cを対象に一般保留変化予告の演出シナリオを確認し、その演出シナリオ中に、「一般保留変化予定対象保留」を確認した場合には、その一般保留変化予定対象保留が変化予定とする保留表示態様を、特殊保留変化予告による演出結果として導出表示させる、といった特別な演出シナリオを作成する。
詳しくは、作動保留球Cが一般保留変化予定対象保留として確認され、その保留表示が2回目のシフト表示(図31(A)の時刻t4〜時刻te参照)の際に変化予定とされる「黄色保留」の保留表示態様であることを考慮し、作動保留球Cの保留アイコンが特殊保留変化予告により保留変化される際に、変化予定と同一保留表示態様である「黄色保留」の保留アイコンで表示させる、といった演出シナリオを作成するようになっている。
(Y−6.特殊保留変化予告が実行された場合の時刻ts〜teにおける作動保留球A、B、Cの各保留表示態様について)
次に図31(B)参照しながら、上述した特殊保留変化予告の演出シナリオによる各作動保留球A、B、Cの保留表示遷移状態について説明する。
図31(B)では、時刻tsの到来を契機に特殊保留変化予告による秘匿演出が開始され、その後、作動保留球Aの変動表示が終了し、保留アイコンがシフト表示される時刻t4にて開示演出が実行され、時刻teが到来する前に、今回の特殊保留変化予告が終了されるケースを示している。なお図示では、説明を簡略化するために、特殊保留変化予告による「キャラ登場演出」および「アクション演出」は省略してある。
時刻tsの時点では、作動保留球Aはゲーム実行中保留Kにおいて「白色保留」、作動保留球Bは保留表示部a1において「白色保留」、作動保留球Cは保留表示部b1において「白色保留」として表示中となっている。この保留表示状態において、特殊保留変化予告が実行されると、時刻tsにおいて、作動保留球A、B、Cの各保留アイコンが秘匿状態下に置かれ、その後の時刻t4において、各保留アイコンが一斉に開示される。このとき、作動保留球A、B、Cの保留表示態様は次のようになる。
(Y−6−1.作動保留球Aに係る保留表示態様について)
作動保留球Aのゲーム実行保留Kについては、開示演出が実行される時刻t4で、丁度、作動保留球Aによる特別図柄の変動表示が終了するので、当該ゲーム実行保留Kが非表示となった状態で開示されることになる。
(Y−6−2.作動保留球Bに係る保留表示態様について)
作動保留球Bの保留アイコン(保留表示部a1の保留アイコン)については、時刻t4でシフト表示され、ゲーム実行中保留Kとして、秘匿前と同じ通常保留色の「白色」で開示され(時刻t4)、その後、作動保留球Bに係る特別図柄の変動表示が終了する時刻t5まで、その「白色」の保留表示態様で表示され続けることになる。
(Y−6−3.作動保留球Cに係る保留表示態様について)
作動保留球Cの保留アイコン(保留表示部b1の保留アイコン)については、時刻t4でシフト表示され、保留表示部a1の保留アイコンとして開示されるが、このとき、秘匿前の「白色保留」から、「黄色保留」の保留アイコンに変化した状態で開示される(時刻t4)。その後、作動保留球Cに係る特別図柄の変動表示が終了するまで(時刻te〜変動表示終了まで)、その「黄色」の保留表示態様で表示され続ける。したがって、作動保留球Cの保留アイコン(一般保留変化予定対象保留)については、一般保留変化予告により変化予定であった「黄色保留」が、今回の特殊保留変化予告の演出結果として導出表示されることになる。またここでは、一般保留変化予告の演出シナリオによる保留変化のタイミングと同じタイミングで、特殊保留変化予告による開示演出が実行されるようになっているので、結果的に、特殊保留変化予告の演出結果を以って、一般保留変化予告の演出結果を導出表示していることと同意義となる。
以上のように本実施形態では、一般保留変化予定対象保留の保留変化が生起する前に、特殊保留変化予告が介在した場合であっても、先に決定された一般保留変化予告をキャンセルすることなく、一般保留変化予告の演出結果を、特殊保留変化予告の演出結果として導出表示させることができるようになっている。
なお、一般保留変化予告の演出結果を、特殊保留変化予告の演出結果として導出表示させるべく、特殊保留変化予告の実行抽選形態については、次のような特殊保留変化予告の実行抽選形態であっても良い。たとえば、上記ステップS609の処理において、現存の作動保留球に係る一般保留変化予告の演出シナリオをチェックし、これらのうち、一般保留変化予定対象保留が存在する場合には、特殊保留変化予告を必ず実行するように構成する。このようにすれば、一般保留変化予告の演出結果が特殊保留変化予告により制限されることなく、双方の演出を有効に利用することができるので、演出の自由度を広げることができる。
(Z.特殊保留変化予告の実行決定後、新たな作動保留球が生じた場合について:図32)
次に図32を参照して、他のケースとして、特殊保留変化予告の実行決定後、新たな作動保留球が生じたケースについて説明する。この「特殊保留変化予告の実行決定後、新たな作動保留球が生じたケース」とは、具体的には、(α)特殊保留変化予告の実行予定がある場合、その実行開始前に新たな作動保留球が生じたケース、(β)特殊保留変化予告が開始された後、秘匿演出前または秘匿演出中に新たな作動保留球が生じたケース(たとえば、図51の第12演出例)などであり、新たな作動保留球による保留表示が、実行予定または仕掛り中の特殊保留変化予告により影響が及ぼされるケースが該当する。なお、図31と実質的に同様の内容については重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図32(C)は、図31(B)のケースにおいて、時刻tdで新たな作動保留球Dが発生したケースを示している。この図32(C)は、図31(B)で説明したケースとは逆に、これから、特殊保留変化予告の実行予定がある場合に、一般保留変化予告の実行が決定されたケースであり、図32(C)の例は、時刻tdにおいて作動保留球Dを対象とした一般保留変化予告の実行が決定され、その際の一般保留変化予告の演出シナリオとして、「赤色保留(入賞時)→赤色保留(1回目のシフト表示時)→赤色保留(2回目のシフト表示時)→赤色保留(3回目のシフト表示(ゲーム実行保留Kの保留表示))」といった演出シナリオが作成された例を示したものである。
このようなケースにおいて、特殊保留変化予告がこれから実行前に、あるいは秘匿演出前に、作動保留球Dの保留アイコンを「赤色保留」で表示してしまうと、何ら処理を施さないとすれば、その後に実行される特殊保留変化予告が影響してしまい、既に述べた不具合例のように、作動保留球Dの保留アイコンが、その「赤色保留」よりも当り当選期待度の低い保留色(たとえば、黄色保留)に変化してしまう可能性がある。その結果、遊技者に対し、当り当選期待度が突然下がったような印象を与え、予告演出に対する不信感を招いてしまう。そこで本実施形態では、上記の不具合を次のように解決している。
一般保留変化予告の演出シナリオの作成する際、CPU241は、通常時と同じく、一般保留変化予告の演出シナリオを決定し、次いで、特殊保留変化予告の演出シナリオの有無を確認する。特殊保留変化予告の演出シナリオがあれば、特殊保留変化予告による秘匿演出前であるか否かを確認する。秘匿演出開始前または秘匿演出中(全保留表示を秘匿する第15演出例(図53B)は除く)である場合、このときは、上記第12演出例(図51(C)参照)で説明したように、作動保留球Dに対する保留アイコンが表示されるケースとなるため、入賞時に保留アイコンが「赤色保留」で表示されてしまう。
そこで本実施形態では、上記決定した演出シナリオに対し、入賞時の保留アイコンが通常保留色である「白色保留」の保留アイコンとして表示させる、といった「一般保留変化予告禁止処理(保留表示時の一般保留変化予告禁止処理)」を実行するようになっている。そして、作動保留球Dの保留アイコンの表示態様については、特殊保留変化予告の演出結果に委ねる形で進行させていくように、特殊保留変化予告の演出シナリオを作り替えるようになっている(上記ステップS109〜S113の処理参照)。これにより、入賞時の保留アイコンは「白色保留」が表示されることになり、その後に特殊保留変化予告(開示演出)が実行されても問題は無い。本実施形態では、白色保留よりも当り当選期待度が低い保留表示態様は存在せず、その後に特殊保留変化予告(開示演出)が実行され、如何なる保留表示態様に変化されても、遊技者が違和感や不信感を受けることがないからである。
しかし一般保留変化予告で「赤色保留」となることが決定された作動保留球Dに対する保留表示については、上述の図31の演出例で説明したように、特殊保留変化予告の演出結果を以って、一般保留変化予告の演出結果を導出表示させることが好ましい。そこで、このようなケースの場合、特殊保留変化予告による開示演出により保留表示が開示される際、作動保留球Dの保留アイコンの表示態様を、本来の一般保留変化予告の演出シナリオで決定された「赤色保留」で開示させるように、特殊保留変化予告の演出シナリオを変更するように構成する。この変更処理は、上記ステップS109〜S113の処理において実行することができる。
なお、新たな作動保留球Dについては、一般保留変化予告および特殊保留変化予告による保留変化自体を禁止しても良い(全保留変化禁止処理)。この場合、新たな作動保留球Dについては、何ら保留変化が生起せずに特殊保留変化予告を終えることになる。このようにしても、先に保留記憶された他の作動保留球が特殊保留変化予告の対象として保留変化しうるので、新たな作動保留球Dを保留変化予告の対象外として扱っても演出上は特に問題はないと考えられる。また、全保留表示を秘匿する第15演出例(図53B)のような場合、秘匿演出中であれば、新たな作動保留球Dが発生してもこれが報知されずに、特殊保留変化予告の演出シナリオを進行させるので、新たな作動保留球Dを保留変化予告の対象外として扱っても演出上は特に問題はないと考えられる。このような全保留変化禁止処理は、新たな作動保留球についての保留変化予告に関する演出処理を行わなくても良い点で、演出制御負担の軽減に寄与することができる。
(16−3.変化対象保留抽選処理:図22〜図24)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)において行う変化対象保留抽選処理について説明する。図22〜図24は、図21の変化対象保留抽選処理の詳細を示すフローチャートであり、それぞれ異なる抽選形態を示したものである。
(16−3−1.第1の変化対象保留抽選処理:図22)
まず図22で示す「第1の変化対象保留抽選処理」について説明する。この第1の変化対象保留抽選処理は、複数の保留表示(保留アイコン)うち、いずれか一つの保留表示を変化させる際に利用される抽選処理であり、たとえば、図37に示す特殊保留変化予告の第1演出例のように、1つだけの保留表示を変化させる、といった特殊保留変化予告に対応する。
図22において、CPU241は、まず全ての保留フラグをOFFに初期化する(ステップS621)。ここで、「保留フラグ」とは、特殊保留変化予告において、保留変化対象となる保留表示(保留アイコン)を指定するものであり、保留表示態様を変化させる場合は、その変化対象となる作動保留球またはゲーム実行中保留に対応した保留フラグがON状態とされ、保留表示態様を変化させない場合は保留フラグがOFF状態とされる。これにより、今回の特殊保留変化予告において変化対象となる保留表示が特定され、後述の変化表示態様抽選処理(図25)にて、開示状態の際に、当該保留表示がどのような保留表示態様に変化させるのかを決定するようになっている。
次いで、いずれの保留表示部a1〜d1,a2〜d2(保留アイコン)を変化抽選の対象とするかを特定する保留識別情報(変化抽選対象保留)を設定する(ステップS623)。ここでは所定の優先順位(抽選順位)に基づき、該当する変化抽選対象保留を設定する。上記抽選順位として、たとえば最古の作動保留球から順次抽選していく場合、特図1側の保留表示を変化抽選対象保留として抽選する場合は「ゲーム実行保留K(ゲーム実行保留K有りの場合)、保留表示部a1(最優先)、b1、c1、およびd1(最後)」の順に抽選され、特図2側であれば、「ゲーム実行保留K(ゲーム実行保留K有りの場合)、保留表示部a2(最優先)、b2、c2、およびd2(最後)」の順に抽選される。なおゲーム実行中保留について、特図1側または特図2側の保留表示のみを対象としたい場合には、ゲーム実行中保留が特図1側のものであるか、特図2側のものであるかを判定可能に構成すれば良い。またゲーム実行中保留を特殊保留変化予告の対象保留としない場合は、ゲーム実行中保留を除く、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留表示を変化抽選対象保留として設定可能に構成すれば良い。
上述のように、抽選順位として、変化させる保留表示を保留記憶の古いものから順番に抽選して決定していく場合、消化順序が相対的に早い方の保留表示を対象に保留変化が生じさせることができる。つまり、消化順序が早い方の作動保留球に係る特殊遊技情報を、いち早く報知させることができる。
次いで、変化抽選対象保留の保留表示を変化させるか否かの‘変化抽選’を実行する(変化抽選処理:ステップS625)。この変化抽選は、保留変化実行抽選テーブル(図70)を使用し、変化抽選対象保留に係る変動パターン情報(先読み変動パターン情報や変動開始時の変動パターン情報)および専用の演出用乱数に基づいて実行される。
(保留変化実行抽選テーブル:図70)
図70は、本発明の一実施形態に係る保留変化実行抽選テーブルを示す図である。
図示のように、保留変化実行抽選テーブルには、保留表示態様を変化させるか否かを決定する抽選確率が、変動パターン情報に関連付けて規定されている。本実施形態の場合、抽選確率に関し、当り当選期待度が高いリーチ演出種別ほど、保留表示が変化する可能性が高く、また2R当り時または小当り時よりもハズレ時の方が、ハズレ時よりも大当り時の方が高く設定されている。この点、図69の特殊変化予告実行抽選テーブルと同じ傾向を持たせている。したがって、保留変化が発生した際、利益状態が相対的に高い大当りの当選期待感が高まるようにし、特殊保留変化予告に対する信頼感を維持させるようにしている。
次いで、変化抽選の抽選結果を確認する(ステップS627)。抽選結果が変化抽選に当選、つまり、今回の変化抽選対象保留の保留表示を変化させると決定された場合(ステップS627:YES)、その保留に対応する保留フラグをONに設定する(ステップS629)。これにより、保留変化対象となった作動保留球またはゲーム実行保留Kに係る保留表示(保留アイコン)が特定されることになる。そして、この変化対象保留抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。なお、保留変化対象となった作動保留球またはゲーム実行保留Kに係る保留表示(保留表示部a1〜d1,a2〜d2(保留アイコン))を「変化対象保留」と称する。
一方、抽選結果が変化抽選に非当選、つまり、今回の変化抽選対象保留の保留表示を変化させないと決定された場合(ステップS627:NO)、続いて、変化抽選対象保留があるか否かを確認する(ステップS631)。
変化抽選対象保留がある場合(ステップS633:YES)、ステップS623の処理に戻り、以後、保留変化対象となる保留表示が決定されるか、またはすべての保留表示を対象とした変化抽選が終了するまで、ステップS623〜S633の処理を繰り返し行う。
ただし、次の変化抽選対象保留が無い場合(ステップS633:NO)、つまりすべての保留表示を対象とした変化抽選が終了した場合には、この変化対象保留抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。この場合は、いずれも保留表示に保留変化が生じなかった場合となり、開示演出によりいずれの保留表示も変化しない「ガセ演出」が今回の特殊保留変化予告の演出結果として導出されることとなる。
以上のように、この第1の変化対象保留抽選処理では、いずれか1つの保留表示態様を変化させるという抽選結果が得られた場合、その保留表示に対応する保留フラグをONにした上で特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。一方、表示されている全ての保留表示態様を変化させないという抽選結果が得られた場合、全ての保留フラグをOFFに維持したまま、上記第1の変化対象保留抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。
このように、図22の第1の変化対象保留抽選処理は、複数の保留表示が表示されている場合、いずれか1つの保留表示の変化を許容する、といった特殊保留変化予告に対応した変化対象保留抽選の例を示している。たとえば、図37に示す「特殊保留変化予告の第1演出例」は、この第1の変化対象保留抽選処理が適用される。一方、図38に示す「特殊保留変化予告の第2演出例」などのように、複数の保留表示が表示されている場合、これらのうち、複数の保留表示の変化を許容する場合には、上記第1の変化対象保留抽選処理が適用されず、次に述べる図23の「第2の変化対象保留抽選処理」が適用される。
(16−3−2.第2の変化対象保留抽選処理:図23)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)中に行う変化対象保留抽選処理の別の実施形態について説明する。図23は、図21の別形態である「第2の変化対象保留抽選処理」の詳細を示すフローチャートである。
この図23で示す「第2の変化対象保留抽選処理」は、複数の保留表示(保留アイコン)うち、これら保留表示の全部または一部の変化を許容する際に利用される抽選処理であり、たとえば図38に示す特殊保留変化予告の第2演出例のように、複数の保留表示を変化させる、といった特殊保留変化予告に対応する。以下、図23を参照して、この第2の変化対象保留抽選処理について説明する。なお、図22の上記第1の変化対象保留抽選処理と同様の処理については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。また上記第1の変化対象保留抽選処理と実質的に同じ処理については、同じステップ番号を付している。
図23において、CPU241は、まず全ての保留フラグをOFFに初期化する(ステップS621)。
次いで、抽選順位に基づいて、今回の変化抽選の対象となる保留情報(変化抽選対象保留)を設定する(ステップS623)。
次いで、変化抽選対象保留を保留変化させるか否かの‘変化抽選’を実行する(対象保留抽選処理:ステップS625)。この変化抽選は、第1の変化対象保留抽選処理と同様に、保留変化実行抽選テーブル(図70)に基づいて行う。
次いで、変化抽選の抽選結果を確認する(ステップS627)。変化抽選対象保留の保留表示を変化させる場合には(抽選結果が当選)(ステップS627:YES)、その保留に対応する保留フラグをONに設定し(ステップS629)、ステップS631の処理に進み、変化抽選対象保留の保留表示を変化させない場合(抽選結果が非当選)(ステップS627:NO)には、何もせずに、ステップS631の処理に進む。
ステップS631の処理に進むと、変化抽選対象保留の有無を確認する(ステップS631)。
変化抽選対象保留がある場合(ステップS633:YES)、ステップS623の処理に戻り、以後、すべての保留表示を対象とした変化抽選が終了するまで、ステップS623〜S633の処理を繰り返し行う。
以上のように、この第2の変化対象保留抽選処理では、全ての保留表示について、その表示態様を変化させるか否かの変化抽選を実行した上で(各保留表示に対する保留フラグをONに設定、またはOFFを維持した上で)、上記第2の変化対象保留抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。
このように、図23に示す「第2の変化対象保留抽選処理」は、複数の保留表示が表示されている場合、これらの保留表示の全てまたは一部の保留表示の変化を許容する、といった特殊保留変化予告に対応した変化対象保留抽選の例を示している。たとえば、図38に示す「特殊保留変化予告の第2演出例」には、上記第2の変化対象保留抽選処理が適用される。
(所定の抽選順位に基づく変化対象保留の選択について)
なお、上記した図22および図23の変化抽選(ステップS625)については、変化させる保留表示(変化対象保留)を、保留記憶の古いものから優先的に抽選していく形態について説明したが、本発明はこれに限らず、以下に述べるような変化抽選形態を採用することができる。
(H−1)保留消化順が一番遅い保留表示(最新の保留表示)から順に、変化抽選(ステップS625)を実行するように構成しても良い。このようにすれば、消化順番のより遅い保留表示が変化対象保留として決定される可能性が高くなる。たとえば、最新の保留表示が変化対象保留として選択され、これが専用保留色に変化した場合、他の保留表示が変化したときよりも遊技者の当選期待感を長時間煽ることができる。
(H−2)また、当り当選期待度に応じた抽選順位を定めても良い。たとえば、図37に示す第1演出例のように、複数の保留表示(保留アイコン)うち、いずれか一つの保留表示を変化させる場合、各保留表示のうち、当り当選期待度が最も高い保留表示を変化対象保留として決定することが好ましい。この場合は、変化抽選によらずに、その当り当選期待度が高い保留表示を変化対象保留として決定することができる(たとえば、後述の図24の第3の変化対象保留抽選処理参照)。また図38に示す第2演出例のように、複数の保留表示の変化を許容する場合には、各保留表示のうち、当り当選期待度が相対的に高い順に、変化抽選を実行することができる。なお、複数の保留表示に係る当選期待度がすべて同一である場合には、たとえば、保留記憶順、または図柄変動表示ゲームの実行順、あるいはランダムに選んで変化抽選を実行し、いずれの保留表示を変化対象保留とするか否かについて決定しても良い。
(H−3)また、当り変動パターン情報を有する保留表示がある場合、その保留表示を優先的に変化対象保留として決定することができる。この場合、各保留表示に係る変動パターン情報をサーチし、当り変動パターン情報を有する保留表示があれば、変化抽選によらずに、これを変化対象保留として決定することができる(たとえば、後述の図24の第3の変化対象保留抽選処理参照)。なお、当り変動パターンを有するものが複数存在するレアなケースもあるが、このような場合には、当選種別情報に基づいて、いずれかを選択するように構成することができる。たとえば、特殊保留変化予告演出に対する信頼度を向上させるべく、利益状態が相対的に高い当り種別を有する保留表示を優先的に変化対象保留として決定することができる。なお、当り変動パターンを有する保留表示であっても、小当りや2R短開放潜確大当りに関連する保留表示は除外しても良い。これらは、出球が殆ど得られない当りであり、特に小当りは、遊技状態の移行制御もされないといった点で、他の大当りと比較し、遊技者が積極的に歓迎するような当りではなく、保留変化を行う必要性に乏しいからである。
(H−4)また変化対象保留を選択する際に、変化対象保留数の上限数を設け、その上限数の範囲内で変化対象保留を決定することができる。変化させる保留表示に上限数を設けることで、特殊保留変化予告にメリハリを持たせることができる。特に上限数を設けた場合、当り当選期待度が相対的に高い保留表示が、変化対象保留として優先的に決定されるように、変化抽選を実行することが好ましい。たとえば、上限個数が2個に設定されており、変動パターン情報が「強リーチ、中リーチ、Nリーチ、通常変動(ハズレ)」を有する4つの保留表示がある場合、上位2つの「強リーチ、中リーチ」が、変化対象保留として決定されることになる(たとえば、後述の図24の第3の変化対象保留抽選処理参照)。この場合、当り当選期待度が相対的に高い保留表示態様が優先的に変化しうるので、特殊保留変化予告に対する信頼度を向上させることができる。
(16−3−3.第3の変化対象保留抽選処理:図24)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)中に行う変化対象保留抽選処理の別の実施形態について説明する。図24は、図21の別形態である「第3の変化対象保留抽選処理」の詳細を示すフローチャートである。
図24で示す「第3の変化対象保留抽選処理」は、変化抽選によらずに、変動パターン情報に関連した特定の変化対象保留を決定する際に利用される抽選形態である。なお上記第1または第2変化対象保留抽選処理と同様の処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図24において、CPU241は、まず全ての保留フラグをOFFに初期化する(ステップS621)。次いで、いずれの保留表示を保留変化の対象とするかを決定するために、各保留表示係る変動パターン情報を取得する(ステップS622)。
次いで、取得した変動パターン情報に基づき、優先的に変化させるべき、保留表示(優先変化対象保留)をサーチ(検索)し(優先変化対象保留検索処理:ステップS624)、優先変化対象保留が存在する場合には(ステップS626:YES)、これを変化対象保留として決定し、変化対象保留として決定された保留表示に対応する保留フラグをONに設定する(変化対象保留決定処理:ステップS628)。このステップS624〜S628処理は、上記(H−2)〜(H−4)で述べたように、たとえば、各保留表示のうち、当り当選期待度が最も高い保留表示を変化対象保留として決定する(上記(H−2)参照)、各保留表示のうち、当り変動パターン情報を有する保留表示がある場合はこれを変化対象保留として決定する(上記(H−3)参照)、各保留表示のうち、当り当選期待度が高い上位2つの保留表示を変化対象保留として決定する(上記(H−4)参照)、などのように、あらかじめ定められた優先順位に基づいて、変化対象保留を決定する処理である。
しかし、優先変化対象保留に該当する保留表示が存在しない場合には(ステップS626:NO)、今回の変化対象保留がなかったものとして、何もせずに、この第3の変化対象保留抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。なお、優先変化対象保留に該当する保留表示が存在しない場合は、各保留表示について、上記第1または第2の変化対象保留抽選処理と同様に、変化抽選を行うことにより、変化対象保留を決定しても良い。
以上のように、この第3の変化対象保留抽選処理では、優先的に変化させるべき、保留表示(優先変化対象保留)をサーチして、今回の特殊保留変化予告により変化させる保留表示(変化対象保留)を決定するようになっている。これにより、変化抽選(ステップS625)のような抽選処理を介さずとも変化対象保留を決定できるので、演出制御処理負担を軽減することができる。
(16−3−1.開始タイミング設定処理:不図示)
次に、開始タイミング設定処理(図示せず)について説明する。「開始タイミング設定処理」では、特殊保留変化予告の開始タイミングを決定する。この開始タイミングとしては、既に説明したように、たとえば、図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)の実行開始時、装飾図柄変動表示ゲームの開始後から所定時間経過後、疑似連中(疑似連開始から所定時間経過後)、リーチタイトル中、リーチ演出中、仮停止状態中などが挙げられるが、どのような開始タイミング決定するかについては、抽選により決定しても良い。また、開始タイミングを決定する場合には、現在実行中の図柄変動表示ゲームの開始・終了タイミングや変動時間、次回の図柄変動表示ゲームの開始タイミングの開始・終了タイミングや変動時間、次回の作動保留球が当りであるか否か(特殊保留変化予告を実行した場合、当り遊技中に及ぶ可能性があるか否か)などを確認・考慮して、適切なタイミングを決定しても良い。なお、上記開始タイミング設定処理の内容については、ボタンギミック連動予告に関する開始タイミング設定処理においても同様である。
(16−4.変化表示態様抽選処理:図25)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)中に行う変化表示態様抽選について説明する。図25は、図21の変化表示態様抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
図25において、CPU241は、まず保留フラグONの保留表示、具体的には、図22〜図24において決定された変化対象保留を確認し、今回の変化表示態様抽選の対象保留として設定する(ステップS641)。なお、変化対象保留が複数ある場合には、すべての変化対象保留について、ステップS641〜S648の処理を行う(後述のステップS648:NO)。
次いで、設定された変化対象保留(今回の変化表示態様抽選の対象保留)に係る変動パターン情報を取得し、その内容を確認する(ステップS642)。
次いで、変化対象保留の現在の表示態様レベルを確認する(ステップS643)。この「表示態様レベル」とは、保留表示態様に対応する当り当選期待度を段階的に表したものである。たとえば、保留表示態様に対応した当り当選期待度を8段階で表す場合、当り当選期待度は、1段階目を通常保留表示態様として「1段階目(当選期待度最低)<2段階目<3段階目<4段階目<5段階目<6段階目<7段階目<8段階目(当選期待度最高)」の関係となる。
次いで、図71に示す「表示態様レベル変化抽選テーブル」を取得し(ステップS644)し、表示態様レベル変化抽選処理を行う(ステップS645)。この表示態様レベル変化抽選処理では、表示態様レベル変化抽選テーブルを参照し、変化対象保留の表示態様レベルに関し、現在の表示態様レベルから何段階目の表示態様レベルに変化させるかについての抽選を行う。
(表示態様レベル変化抽選テーブル:図71)
図71に本発明の一実施形態に係る表示態様レベル変化抽選テーブルを示す。なお、図71は、現在の表示態様レベルが1段階目に対応した抽選テーブル(1段階目用の抽選テーブル)を例示したものである。
上記「表示態様レベル変化抽選テーブル」には、図示のように、変動パターン情報(変動パターン種別)ごとに、現在の表示態様レベルをどの段階目の表示態様レベル(変化後の表示態様レベル)とするかについての抽選確率が規定されている。たとえば、変動パターン情報が‘大当り時の強リーチ’である場合、‘変化後の表示態様レベル’の抽選確率は、1段階目から順に「5%(2段階目)」、「10%(3段階目)」、「15%(4段階目)」、「20%(5段階目)」、「25%(6段階目)」、「15%(7段階目)」、「10%(8段階目)」となっている。これにより、現在の表示態様レベルが1段階目である場合、2段階目から最高の8段階目までのいずれの表示態様レベルに変化(ステップアップ)するかを抽選により決定されるようになっている。したがってこの例では、現在の表示態様レベルが1段階目である場合には必ず2段階目以上が選択される、つまり、変化対象保留が「通常保留表示態様」であれば、保留変化を必ず生起させる、といった抽選テーブルとなっている。しかし本発明はこれに限らず、1段階目も所定確率で選択されるように構成し、変化対象保留であっても必ずしも保留変化が生起されるとは限らない、といった抽選テーブルとしても良い。
なお上記表示態様レベル変化抽選テーブルは、図71に示した「1段階目用の抽選テーブル」だけでなく、実際には、表示態様レベル2〜7段階目それぞれに対応した複数種類の表示態様レベル変化抽選テーブルが含まれる。たとえば、現在の表示態様レベルが4段階目まで既に変化済みである場合(たとえば、一般保留予告演出や、前回の特殊保留変化予告により、既に4段階目の表示態様レベルまで変化している場合)、当該4段階目に対応した表示態様レベル変化抽選テーブル(4段階目用の抽選テーブル)が使用されるようになっている。この4段階目用の抽選テーブルには、たとえば、「30%(4段階目:現状レベル維持)」、「20%(5段階目)」、「25%(6段階目)」、「15%(7段階目)」、「10%(8段階目)」のように、現在の表示態様レベル以上の段階目まで変化可能なように、その抽選確率が規定されている。なお、現在の表示態様レベルが既に最高段階である場合には、保留変化を行う必要がないため、ステップS644やステップS645の表示態様レベル変化抽選は実行せずに、次のステップS646の処理を行うようになっている。
(表示態様レベルの制限)
ただし本実施形態では、変動パターン種別に応じて、変化可能な表示態様レベルに制限を設けている。たとえば、2R当り・小当り時の「特殊リーチ」は5段階目まで、「ハズレ時の強リーチ」は7段階目まで、「ハズレ時の中リーチ」は5段階目まで、「ハズレ時の弱リーチ」は4段階目まで、「ハズレ時のリーチ無し」は2段階目までに制限されるようになっている。このように、変動パターン種別に応じて変化後の表示態様レベルに上限を設けることで、保留表示態様により示唆される当り当選期待度と、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出により示唆される当り当選期待度とが大きく乖離してしまうことを防止することができる。その結果、特殊保留変化予告に対する違和感や不信感を遊技者に与えることなく、特殊保留変化予告の信頼度を向上させることができる。
また本実施形態では、「大当り時の中リーチ」や「大当り時の弱リーチ」については、最高段階の8段階目まで抽選確率が規定されているのに対し、「ハズレ時の中リーチ」については5段階目まで、また「ハズレ時の弱リーチ」については4段階目までに制限されている。したがって、特殊保留変化予告により、たとえば、ある作動保留球に係る保留表示が、5段階目の表示態様レベルに対応した保留表示態様(後述の図72(B)参照)に変化されて開示された後、その作動保留球に対応した装飾図柄変動表示ゲームにおいて、弱リーチが現出された発生した場合、ハズレ時には発生しえないリーチ演出が発生したことにより、当確(大当り当選確定)であることが報知されることになる。
図25の説明に戻り、ステップS645の処理により表示態様レベルが決定されると、次いで、開示演出が実行された際に表示される保留表示態様を抽選により決定する(開示時保留表示態様抽選処理:ステップS646)。ここでは、図72(A)の表示態様種別選択テーブルと、図72(B)の開示保留表示態様決定テーブルとに基づき、開示演出が実行された際に表示される保留表示態様(以下「開示時の保留表示態様」と称する)を決定する。
本実施形態では、まず表示態様種別選択テーブルを参照して、開示時の保留表示態様がどのような保留表示態様になるかについてのベースとなる表示態様種別(基本表示態様種別)を決定し(第1階層処理)、次いで、開示保留表示態様決定テーブルを参照して、基本表示態様種別に属する複数種類の開示時の保留表示態様のうちから、ステップS645の処理で決定された表示態様レベルに対応した表示態様を決定するようになっている(第2階層処理)。
ただし「開示時の保留表示態様」とは、特殊保留変化予告の演出結果として最終的に表示される保留表示態様を指す。したがって、たとえば、第7演出例(図44〜図45参照)のように、1回の特殊保留変化予告中に複数回の秘匿演出と開示演出とが繰り返させる場合、最終回の開示演出の際に開示表示される保留表示態様が指定されることになる。なお、途中の開示演出で表示される保留表示態様については、後段階の処理で設定されるようになっている(後述の図29のS692参照)。
(表示態様種別選択テーブル:図72(A))
図72(A)に、本発明の一実施形態に係る表示態様種別選択テーブルを示す。
上記「表示態様種別選択テーブル」には、図72(A)に示すように、表示態様レベル(2段階〜8段階)に応じて、複数種類の基本表示態様種別(たとえば、表示色(保留色を指定)、文字情報(文字情報表示を指定)、およびアイテム(絵柄などのアイテム画像を指定)など)に対する抽選確率が規定されている。たとえば、表示態様レベルが2段階目である場合には、基本表示態様種別として「表示色」が100%で選択され、3段階目である場合には「表示色」と「文字情報」とがそれぞれ50%で選択され、4段階目である場合には「表示色」が60%、「文字情報」が30%、および「アイテム」が10%の確率で選択されるようになっている。なお文字情報やアイテムは、表示態様レベルが相対的に低い場合には選択されない(たとえば、2段階目、3段階目の欄参照)。
(開示保留表示態様決定テーブル:図72(B))
図72(B)に、本発明の一実施形態に係る開示保留表示態様決定テーブルを示す。
上記「開示保留表示態様決定テーブル」には、図72(B)に示すように、基本表示態様種別に属する複数種類の開示時の保留表示態様が、表示態様レベルに対応して定められている。たとえば、基本表示態様種別が「表示色(保留色)」であり、表示態様レベルが「3段階目」である場合には、保留表示部の保留アイコンの保留色を「青色」に変化させることが決定される。これにより、当り当選期待度に密接に関連した開示時の保留表示態様を現出させることができる。図72は、開示時の保留表示態様の一例を示したものであり、どのような保留表示態様とするかは、適宜定めることができる。
なお本実施形態の場合、開示時の保留表示態様を変化対象保留の変動パターン情報に基づき、表示態様レベルを決定し、その決定された表示態様レベルに応じた保留表示態様を定めているが、本発明はこれに限られない。変化対象保留の表示態様レベルではなく、変動パターン情報と直接的に関連付けられた複数種類の開示時の保留表示態様のうちからいずれかを抽選しても良い。たとえば、当り当選期待度が相対的に高い変動パターン種別ほど抽選確率を「表示色<文字情報<アイテム」の順に選択される確率を高くし、また当選期待度が相対的に高い変動パターン種別ほど、図72(B)で示す基本表示態様種別に属する保留表示態様のうち、表示態様レベルが高い表示態様が選択される確率を高くする、といった傾向を持たせることができる。また、当り当選期待度が相対的に低い変動パターン種別(たとえば、リーチ無し通常変動、弱リーチなど)の場合、特定の基本表示態様種別(たとえば、アイテム)が選択されないように構成しても良い。また当り当選期待度が相対的に低い変動パターン種別(たとえば、リーチ無し通常変動、弱リーチなど)の場合、特定の基本表示態様種別(たとえば、文字情報)に属する特定の表示態様(大チャンス以上の文字情報)が選択されないように構成しても良い。このようにすれば、開示時の保留表示態様と関連して、いかなる基本表示態様種別が選択されたかにより、当り当選期待度の推測要素を遊技者に与えることができる。
また開示時の保留表示態様に関し、変化対象保留の変動パターン種別がリーチ変動パターンである場合は、そのリーチ演出の種類を開示時の保留表示態様に付随して、または開示時の保留表示態様そのものを利用して、報知(示唆)可能に構成しても良い。また疑似連を伴う変動パターンである場合も同様に、開示時の保留表示態様に付随して、または開示時の保留表示態様そのものを利用して、疑似連が発生する旨、その可能性がある旨を報知(示唆)可能に構成しても良い。また第6演出例(図43)のように、特定の基本表示態様種別、たとえば文字情報系の「数値表示」のみ(図示せず)が選択されるようにしても良く、変動パターン種別に関連した当り当選期待度を「数値表示」により報知可能に構成しても良い。
また開示時の保留表示態様に関し、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode)または内部遊技状態)に関連した特別な保留表示態様を選択可能に構成しても良い。この場合、変動パターン振分指定番号(Tcode)や内部遊技状態に関する遊技状態情報を報知することができる。たとえば、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とする「秘匿演出モード」下では、内部遊技状態が高確率(潜確)状態であるか低確率状態であるかに応じて、たとえば、高確率(潜確)状態である場合には低確率状態よりも高確率で、特定のキャラクタや特定のアイテム画像に変化させることができる。これにより、内部遊技状態に関する遊技情報を提供することができる。他にも、表示態様の1つとして、アイコン画像の代わりに保留表示部に縮小された画像(動画像)を表示しても良く、たとえば、実行予定の装飾図柄変動表示ゲーム中において実行されるリーチ演出をダイジェストで表示しても良く、これにより前もってリーチ演出の内容を認識できる。
次いで、上記ステップS646の抽選処理を終えると、その抽選結果に対応した保留表示態様(開示時の保留表示態様)に係る演出データ(以下「保留表示態様演出データ」と称する)を設定する(ステップS647)。そして、他の変化対象保留の有無を確認し、変化対象保留があれば、次の変化表示態様抽選の対象保留として、ステップS641〜S648の処理を行い、変化対象保留がなければ(ステップS648:YES)、この変化表示態様抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する
(16−5.キャラ演出態様抽選処理:図26)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)において行うキャラ演出態様抽選処理について説明する。図26は、図21のキャラ演出態様抽選処理の詳細を示すフローチャートである。このキャラ演出態様抽選処理では、主に、キャラ登場演出おいて現出すべきキャラクタ(アクション演出用のキャラクタ)種別(たとえば、てるてる坊主キャラクタLと大砲M、魔法使いキャラクタL2と魔法の杖M2などが該当する(たとえば、図37、図46〜図47参照))を抽選により決定する処理となっている。
図26において、CPU241は、まず変化対象保留の変動パターン情報を取得する(ステップS651)。また、複数の変化対象保留が存在する場合は、そのうちで変動パターン情報の当り当選期待度が最も高いものを選択する。
次いで、現出キャラクタ抽選テーブルを取得し(ステップS652)、変動パターン情報に基づいて、キャラクタ抽選を行う(現出キャラクタ抽選処理:ステップS653)。
(現出キャラクタ抽選テーブル:図73)
図73は、本発明の一実施形態に係る現出キャラクタ抽選テーブルを示す図である。
上記「現出キャラクタ抽選テーブル」には、図示のように、変動パターン種別に応じて、複数種類のキャラクタに対する抽選確率が規定されている。図示の例では、4種類のアクション演出用のキャラクタ(キャラクタA〜C、およびプレミアムキャラクタ(大当り時のみ選択))が選択可能となっており、キャラクタに対する当り当選期待度が「キャラクタA(大砲Mで砲撃をするキャラクタL)<キャラクタB(戦車で砲撃をするキャラクタ)<キャラクタC(魔法の杖で魔法を放つキャラクタ)<プレミアムキャラクタ(UFOに乗ったキャラクタ)」の関係となるように、変動パターン種別に応じた抽選確率が定められている。このように、当り当選期待度に関連付けたキャラクタを現出可能に構成することにより、遊技者に対して当り当選期待度の推測要素を与えることができるようになっている。また大当り時については、キャラクタとしてプレミアムキャラクタが選択されることがあるのに対し、ハズレ時や、2R当りまたは小当り時については選択されない。これにより、プレミアムキャラクタを大当りに関連付けた特別なキャラクタとして位置付けることができ、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
また複数の変化対象保留が存在する場合は、そのうちで変動パターン情報の当り当選期待度が最も高いものが選択され(ステップS651)、上記キャラクタ抽選に利用されるようになっている。これにより、当り当選期待度に密接に関連したキャラクタを現出させることができる。また保留表示態様が変化しない場合であっても(開示時の保留表示態様が秘匿前と同じ現状維持の場合)、現出されるキャラクタにより、当り当選期待度を間接的に示唆することができる。
なお、図示していないが、遊技状態または特別図柄種別に応じたアクション演出用のキャラクタを現出させても良い。特別な背景演出や遊技モード中には、対応した特別なキャラクタを現出させてもよく、これにより、さらに演出を盛り上げることができる。
次いで、ステップS653の現出キャラクタ抽選処理を終えると、その抽選結果に対応した登場キャラクタ用の演出データ(キャラ演出データ)を設定する(ステップS654)。これにより、キャラ演出態様抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。
(現出キャラクタ抽選処理の変形例)
上記ステップS653の現出キャラクタ抽選処理では、変動パターン情報に基づいたキャラクタ抽選を行う形態について説明したが、本発明はこれに限らず、次のような抽選形態であっても良い。
たとえば、ステップS646の開示時保留表示態様抽選処理で決定された「開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)」に基づき、複数種類のキャラクタからいずれかを選択可能に構成することができる。複数種類のキャラクタは、開示時の保留表示態様と関連付けて定められており、たとえば、開示時の保留表示態様が当り当選期待度が相対的に低い保留色(たとえば、白色、青色、黄色など)である場合、キャラクタについても当り当選期待度が低い「キャラクタA」が選択され易いような抽選確率に設定し(たとえば、選択率を「キャラクタA>キャラクタB>キャラクタC」の関係とする)、一方、開示時の保留表示態様の当り当選期待度が相対的に高い赤色の保留色(たとえば、緑色、赤色、虹色など)である場合、キャラクタについても当り当選期待度が高い「キャラクタC」が選択され易いような抽選確率に設定(たとえば、選択率を「キャラクタA<キャラクタB<キャラクタC」の関係)することが好ましい。また開示時の保留表示態様の当り当選期待度が相対的に低い保留色(たとえば、青色)であった場合には、当り当選期待度が低いキャラクタAまたはキャラクタBだけを選択可能とすることができる。
このように本変形例では、開示時の保留表示態様に応じたキャラクタが選択されることになるので、変動パターン情報に応じたキャラクタを選択する場合とは、報知される期待度の内容が異なる意味を持つ。すなわち、変動パターン情報に基づく抽選形態では、登場するキャラクタにより直接的に当り当選期待度を示唆する、といったものとなるが、開示時の保留表示態様に基づく抽選形態では、登場するキャラクタにより開示時の保留表示態様が高期待度保留表示態様であるかそうでないか、といったむしろ保留変化期待度を示唆するものとなる。
(16−6.アクション演出態様抽選処理:図27)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)において行うアクション演出態様抽選処理について説明する。図27は、図21のアクション演出態様抽選処理の詳細を示すフローチャートである。このアクション演出態様抽選処理では、主に、キャラクタによるアクション演出種別(たとえば、キャラクタLが大砲Mから砲弾Nを発射するアクション演出や、魔法使いキャラL2が魔法の杖から火炎弾N2を放つアクション演出)において、投体(N、N2)の種類を決定したり(たとえば、図41の第4演出例(図41(C))、図42(C)参照)、秘匿演出および開示演出を何回繰り返し実行するかを(図44〜図45の第7演出例参照)決定する処理となっている。
図27において、CPU241は、まず変化対象保留の変動パターン情報を確認する(ステップS661)。また、複数の変化対象保留が存在する場合は、そのうちで変動パターン情報の当り当選期待度が最も高いものを選択する。
次いで、秘匿および開示演出実行回数抽選テーブル(図74)を取得し(ステップS662)、変動パターン情報に基づいて、秘匿および開示演出の実行回数(以下、「アクション回数」と称する)を抽選により決定する(アクション回数抽選処理:ステップS663)。
(秘匿および再開示回数抽選テーブル:図74)
図74は、本発明の一実施形態に係る秘匿および再開示回数抽選テーブルを示す図である。
上記「秘匿および再開示回数抽選テーブル」には、図示のように、変動パターン種別に応じて、アクション回数ごとの抽選確率が規定されている。図示の例では、最大4回のアクション回数が選択可能となっており、アクション回数が多いほど、当り当選期待度が高まるように、その抽選確率が規定されている。またハズレ時の通常変動パターンの場合は、アクション回数3〜4回が、2R当りまたは小当り時について、アクション回数4回は選択されないようになっている。
次いで、ステップS663のアクション回数抽選処理を終えると、その抽選結果に基づき、実行すべきアクション回数を指定するアクション回数を設定し、また抽選対象アクション回数に「1」を設定する(ステップS664)。この抽選対象アクション回数は、後続のステップS665〜S669の処理をアクション回数分実行させるために利用されるカウンタであり、最初にステップS664の処理を実行するときは、今回が1回目のアクションであることを指定する「1」が設定されるようになっている。
次いで、アクション演出態様抽選テーブルを取得し(ステップS665)、変動パターン情報に基づいて、アクション演出態様抽選を行う(アクション演出態様抽選処理:ステップS666)。
(アクション演出態様抽選テーブル:図75)
図75は、本発明の一実施形態に係るアクション演出態様テーブルを示す図である。
上記「アクション演出態様抽選テーブル」には、図示のように、変動パターン種別に応じて、複数種類のアクション演出態様に対する抽選確率が規定されている。図示の例では、4種類のアクション演出態様(アクションA〜C、およびプレミアムアクション(大当り時のみ選択))が選択可能となっており、アクション演出に対する当り当選期待度が「アクションA<アクションB<アクションC<プレミアムアクション」の関係となるように、変動パターン種別に応じた抽選確率が定められている。このように、当り当選期待度に関連付けたアクション演出を現出可能に構成することにより、遊技者に対して当り当選期待度の推測要素を与えることができるようになっている。また大当り時については、アクション演出としてプレミアムアクションが選択されることがあるのに対し、ハズレ時や、2R当りまたは小当り時については選択されない。これにより、プレミアムアクションを大当りに関連付けた特別なキャラクタとして位置付けることができ、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
なお図示はしていなが、アクション演出態様テーブルには、(図26のキャラ演出態様抽選処理中のステップS653で設定された「キャラ演出データ(キャラクタA〜C、プレミアムキャラクタ)」に対応する複数種類のアクション演出態様テーブルが含まれ、キャラ演出データに応じて、複数種類のアクション演出態様から抽選によりいずれかのアクション演出態様が選択されるようになっている。
上記アクションA〜C、プレミアムアクションの例として、たとえば、キャラ演出データが「てるてる坊主キャラL+大砲M」を指定するキャラ演出データであった場合、アクションAは「大砲Mから‘1発の通常砲弾(通常色の白色)’が発射される」演出内容、アクションBは「大砲Mから‘特殊砲弾(たとえば、通常色の緑色)’が発射される」演出内容、アクションCは、「大砲Mから、通常砲弾と特殊砲弾(当選確定を連想させる虹色砲弾は除く)とが混在した砲弾群が連続的に発射される」演出内容、プレミアムアクションは、「大砲Mから、少なくとも当選確定を連想させる虹色砲弾を含む砲弾が発射される」演出内容、となっている。
また複数の変化対象保留が存在する場合は、そのうちで変動パターン情報の当り当選期待度が最も高いものが選択され(ステップS661)、上記アクション演出態様抽選に利用されるようになっている。これにより、当り当選期待度に密接に関連したアクション演出を現出させることができる。また保留表示態様が変化しない場合であっても(開示時の保留表示態様が秘匿前と同じ現状維持の場合)、アクション演出態様により、当り当選期待度を間接的に示唆することができる。
(アクション演出態様抽選処理の変形例)
上記ステップS666のアクション演出態様抽選処理では、変動パターン情報に基づいた抽選を行う形態について説明したが、本発明はこれに限らず、上記「現出キャラクタ抽選処理の変形例」で説明したものと同じように、「開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)」に基づく抽選形態とすることができる。
たとえば、開示時の保留表示態様に基づき、複数種類のアクション演出からいずれかを選択可能に構成することができる。複数種類のアクション演出は、開示時の保留表示態様と関連付けて定められており、たとえば、開示時の保留表示態様が当り当選期待度の低い保留色(たとえば、青色)であった場合、アクション演出についても当り当選期待度が低い「アクションA」が選択され易い抽選確率に設定し(たとえば、選択率を「アクションA>アクションB>アクションC」の関係)、一方、開示時の保留表示態様の当り当選期待度が相対的に高い赤色の保留色であった場合には、アクション演出についても当り当選期待度が高い「アクションC」が選択され易い抽選確率に設定(たとえば、選択率を「アクションA<アクションB<アクションC」の関係)することが好ましい。また開示時の保留表示態様の当り当選期待度が相対的に低い保留色(たとえば、青色)であった場合には、当り当選期待度が低いアクションAまたはアクションBだけを選択可能とすることができる。
このように本変形例では、開示時の保留表示態様に応じたアクション演出が選択されることになるので、変動パターン情報に応じたアクション演出を選択する場合とは、報知される期待度の内容が異なる意味を持つ。すなわち、変動パターン情報に基づく抽選形態では、アクション演出により直接的に当り当選期待度を示唆する、といったものとなるが、開示時の保留表示態様に基づく抽選形態では、アクション演出により開示時の保留表示態様が高期待度保留表示態様であるかそうでないか、といったむしろ保留変化期待度を示唆するものとなる。
また先の抽選処理で決定された、開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)やキャラクタ(キャラ演出データ)などを考慮して、アクション演出態様を選択するように構成しても良い。たとえば、プレミアム保留表示(当確保留表示態様)および/またはプレミアムキャラクタが既に選択されている場合、プレミアムアクションを高確率(100%を含む)で選択するように構成することができる。これにより、プレミアム演出が沢山現出され、演出を盛り上げることができる。また演出の統一感を発揮することができる。
上記ステップS666のアクション演出態様抽選処理を終えると、次いで、その抽選結果に対応したアクション演出用の演出データ(アクション演出データ)を設定する(ステップS667)。なおここでは、今回が1回目のアクションであると説明しているので、ここで設定されるアクション演出データは、1回目のアクション演出に対応する演出内容として設定される。またアクション回数が複数回ある場合は、その都度、アクション演出態様を決定し、アクション回数に対応したアクション演出データを設定する。
次いで、抽選対象アクション回数に1加算する(ステップS668)。そして、加算後の抽選対象アクション回数と、ステップS664の処理で設定されたアクション回数とを比較する。加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも多い場合は(ステップS669:YES)、アクション回数分の抽選処理(ステップS666〜S668の処理)を終了したとして、このアクション演出態様抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。しかし加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも少ない場合は(ステップS669:NO)、未だアクション回数分の抽選処理が終了していないとして、ステップS665の処理に戻り、ステップS665〜S668の処理を実行する。
(16−7.秘匿演出態様抽選処理:図28)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)において行う秘匿演出態様抽選処理について説明する。図28は、図21の秘匿演出態様抽選処理の詳細を示すフローチャートである。この秘匿演出態様抽選処理では、爆煙演出(秘匿演出)態様(たとえば、アクション回数に応じた爆煙Rによる爆煙演出、爆煙Rの表示色、追加演出種別(落雷演出(図41(D))、指向性落雷演出(図45(J))、ボタン予告演出(図48(E))などを含む演出態様)を決定する処理となっている。
図28において、CPU241は、まず秘匿領域設定処理を行う(ステップS671)。この秘匿領域設定処理では、秘匿演出により保留表示を秘匿するための秘匿領域を設定する。ただし、たとえば、特定の演出モードや特定の背景演出中である場合、保留表示領域や保留表示部(保留アイコン)が通常とは異なる別の位置に表示されていたり、特定のリーチ演出が実行されている場合に、一時的に保留表示領域を本来の位置とは別の位置に退避して表示したり場合もある。また今回の特殊保留変化予告において、秘匿対象とすべき保留表示が、特別図柄1側であるか特別図柄2側であるかそれとも双方であるか、また保留表示数(作動保留球数)などにより、保留表示を秘匿するための秘匿領域が異なる。ここでは、これらの事情を考慮し、秘匿状態とすべき秘匿領域を判定し、判定結果に応じた秘匿領域用の演出データを設定する。
次いで、ステップS664の処理で設定された「アクション回数」を取得する(ステップS672)。ここでは、取得したアクション回数を設定し、抽選対象アクション回数に「1」を設定する。この抽選対象アクション回数は、ステップS664の処理(図27のアクション演出態様抽選処理)と同じように、アクション回数分の秘匿演出処理(後述のステップS674〜S679)を実行させるためのものであり、最初に、このステップS672の処理を実行するときには、今回が1回目のアクションであることを指定する「1」が設定される。
次いで、秘匿演出態様抽選テーブル(図76)に基づき、爆煙Rの表示色種別(図41(D)参照)を抽選する秘匿演出態様抽選処理(ステップS674)、ボタン演出実行抽選テーブル(図77)に基づき、ボタン予告演出(図48(E)参照)の実行可否を抽選するボタン演出実行抽選処理(ステップS675)、追加演出実行抽選テーブル(図78)に基づき、追加演出(たとえば、落雷演出(図41(D)参照)、指向性落雷演出:図44(J)参照))の実行可否を抽選する追加演出実行抽選処理(ステップS678)を実行していく。
(秘匿演出態様抽選テーブル:図76)
図76は、本発明の一実施形態に係る秘匿演出態様テーブルを示す図である。
この秘匿演出態様テーブルには、図示のように、変動パターン種別に応じて、複数種類の爆煙Rの表示色に対する抽選確率が規定されている。図示の例では、4種類の爆煙Rの表示色(白、赤、緑、虹色(大当り時のみ選択))が選択可能となっており、当り当選期待度が「白<赤<緑<虹色」の関係となるように、変動パターン種別に応じた抽選確率が定められている。このように、当り当選期待度に関連付けた爆煙Rを現出可能に構成することにより、遊技者に対して当り当選期待度の推測要素を与えることができるようになっている。また大当り時については、虹色の爆煙Rが選択されることがあるのに対し、ハズレ時や、2R当りまたは小当り時については選択されない。これにより、虹色の爆煙Rを大当りに関連付けた特別な爆煙Rとして位置付けることができ、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
なお、図示の例では、複数種類の爆煙Rの表示色を定めているが、表示色以外に、爆煙Rの形状や模様などを異ならせても良い。たとえば、通常の爆煙Rの他、秘匿用画像を複数種類設け、変動パターン情報に応じて、いずれかの画像を選択可能に構成しても良い。たとえば、爆煙Rを通常の秘匿用画像とし、それよりも当り当選期待度が高い秘匿画像として、たとえば、炎、氷山、オーロラ、およびブラックホールといった1または複数種類の秘匿用画像を設け、爆煙、炎、氷山、オーロラ、およびブラックホール(プレミアム画像)の順に、当り当選期待度が高くなるようにその選択率を定めることができる。
また先の抽選処理で決定された、開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)、キャラクタ(キャラ演出データ)、アクション態様(アクション演出データ)などを考慮して、秘匿用画像を選択するように構成しても良い。たとえば、プレミアム保留表示(当確保留表示態様)、プレミアムキャラクタ、プレミアムアクションなどが既に選択されている場合、秘匿用画像を高確率(100%を含む)で選択するように構成することができる。これにより、プレミアム演出が沢山現出され、演出を盛り上げることができる。また演出の統一感を発揮することができる。
(ボタン演出実行抽選テーブル:図77)
図77は、本発明の一実施形態に係るボタン演出実行抽選テーブルを示す図である。
このボタン演出実行抽選テーブルには、図示のように、変動パターン種別に応じて、ボタン予告演出を実行するか否かを決定するための抽選確率が規定されている。図示の例では、2R当り時または小当り時の場合は、ボタン予告演出が実行されないようになっており(低確率であっても良い)、ハズレ時よりも大当り時の方が、ボタン予告演出が実行され易くなっている。また特徴的な点は、リーチ演出の種類が「強リーチ」の場合と比較し、それよりも当選期待度の低い「中リーチ」の場合の方がボタン予告演出の実行確率が高くなっている点である。これにより、ボタン予告演出と所定のリーチ演出(中リーチ)の実行期待度とを関連付けることができる。
また先の抽選処理で決定された、開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)、キャラクタ(キャラ演出データ)、アクション態様(アクション演出データ)などを考慮して、ボタン予告演出の実行可否を決定することができる。たとえば、プレミアム保留表示(当確保留表示態様)、プレミアムキャラクタ、プレミアムアクション、爆煙Rの虹色が既に選択されている場合、ボタン予告演出を実行しないように構成することができる。既に、当確演出が決定されている場合、遊技者に参加を促すボタン予告演出を現出させても、遊技者の多くは煩わしさを受けるだけであり、ボタン予告演出を実行させる必要性に乏しいからである。
(追加演出実行抽選テーブル:図78)
図78は、本発明の一実施形態に係る追加演出実行抽選テーブルを示す図である。図78(A)の追加演出実行抽選テーブル1は、図41の第4演出例において説明した「落雷演出(図41(D)参照)」を実行するか否かを決定するために利用される抽選テーブルであり、図78(B)の追加演出実行抽選テーブル2は、図45の第7演出例において説明した「指向性落雷演出(図45(J))」を実行するか否かを決定するために利用される抽選テーブルである。
(追加演出実行抽選テーブル1:図78(A))
この追加演出実行抽選テーブル1には、図示のように、変動パターン種別に応じて、爆煙Rに付随させる「落雷演出」を実行するか否かを決定するための抽選確率が規定されている。
ここで図78(A)の追加演出実行抽選テーブル1により決定される「落雷演出」は、「指向性落雷演出」のように、特定の保留表示の期待度(保留変化期待度または当り当選期待度)を示唆する演出とは異なり、主に、秘匿中の全保留表示の中に期待度が高い保留表示(作動保留球)が存在する可能性がある旨を示唆するものである。そこで本実施形態の場合、追加演出実行抽選テーブル1を利用する際には、変動パターン種別に基づき、その実行可否が決定されるようになっている。また複数の変化対象保留が存在する場合は、そのうちで変動パターン情報の当り当選期待度が最も高いものを利用する。これにより、落雷演出の実行可否を期待度に密接に関連させることができる。また保留表示態様が変化しない場合であっても(開示時の保留表示態様が秘匿前と同じ現状維持の場合)、落雷演出により、当り当選期待度を間接的に示唆することができる。
(追加演出実行抽選テーブル2:図78(B))
この追加演出実行抽選テーブル2には、図示のように、開示時の保留表示態様種別に応じて、「指向性落雷演出」を実行するか否かを決定するための抽選確率が規定されている。また上記追加演出実行抽選テーブル2では、開示時の保留表示態様種別の当り当選期待度が高いほど、指向性落雷演出の実行確率が高くなるように定められている。
ここで図78(B)の追加演出実行抽選テーブル2で決定される「指向性落雷演出」は、上述した図78(A)による「落雷演出」とは異なり、主に、特定の保留表示の期待度(保留変化期待度または当り当選期待度)を示唆(報知)する演出である。したがって、指向性落雷演出を実行するか否かついては、複数の変化対象保留がある場合、すべての変化対象保留を対象に抽選が実行されるようになっている。そこで本実施形態では、変化対象保留に係る開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)を考慮して、指向性落雷演出の実行可否を抽選し、指向性落雷演出を実行する際には、実行対象となる変化対象保留を特定する演出データが設定されるようになっている。これにより、落雷画像が位置する保留アイコン、または落雷画像が指し示す保留アイコンの期待度(保留変化期待度または当り当選期待度)が示唆されるようになっている。
次いで、ステップS674〜S676の抽選処理における各抽選結果に対応した演出データを設定する(ステップS677)。ボタン演出実行抽選によりボタン予告演出を実行する場合には、ボタン演出実行フラグをON状態に設定する。なおここでは、今回が1回目のアクションであると説明しているので、ここで設定される演出データは、1回目のアクション演出に対応する演出内容として設定される。またアクション回数が複数回ある場合は、ステップS674〜S676の抽選処理をアクション回数分実行し、アクション回数に対応した演出データを設定する。
次いで、抽選対象アクション回数に1加算する(ステップS679)。そして、加算後の抽選対象アクション回数と、ステップS672の処理で設定されたアクション回数とを比較する。加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも多い場合は(ステップS679:YES)、アクション回数分の抽選処理(ステップS674〜S678の処理)を終了したとして、このアクション演出態様抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。しかし加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも少ない場合は(ステップS679:NO)、未だアクション回数分の抽選処理が終了していないとして、ステップS674の処理に戻り、ステップS674〜S678の処理を実行する。
(16−7.開示演出態様抽選処理:図29)
次に、上記の特殊保留変化予告内容抽選処理(ステップS613)において行う開示演出態様抽選処理について説明する。図29は、図21の開示演出態様抽選処理の詳細を示すフローチャートである。この開示演出態様抽選処理では、主に、保留表示を開示する際の開示演出態様(たとえば、後述の図79参照)を抽選により決定する処理となっている。
図29において、CPU241は、まずステップS664の処理で設定された「アクション回数」を取得する(ステップS672)。ここでは、取得したアクション回数を設定し、抽選対象アクション回数に「1」を設定する。この抽選対象アクション回数は、アクション回数分の開示演出用処理(後述のステップS693〜S696)を実行させるためのものであり、最初に、このステップS660の処理を実行するときには、今回が1回目のアクションであることを指定する「1」が設定される。
次いで、アクション回数が複数回であるか否かを判定する(ステップS691)。アクション回数が複数回でない場合、アクション回数が1回の場合(ステップS691:NO)、ステップS693の処理に進み、アクション回数が複数回である場合には(ステップS691:YES)、開示時の保留表示態様(保留表示態様演出データ)を取得し、開示演出が実行される度に開示される保留表示態様に係る演出シナリオ(アクション開示時保留表示演出シナリオ)を作成し設定する。
上述の「アクション開示時保留表示演出シナリオ」について、具体例を挙げて説明する。たとえば、アクション回数が3回(秘匿演出と開示演出とを3回繰り返す場合)、開示時の保留表示態様が、「特殊柄保留(図72(B)の「表示色」の表示態様レベル7段階目の欄参照)」とする。この場合、最終的に表示されるのが「特殊柄保留」であるので、1回目〜2回目の開示時には、これよりも当り当選期待度が相対的に低い保留色で表示することが好ましい。より好ましくは、1回目の開示時における保留表示態様よりも、2回目の開示における保留表示態様が、同一またはそれよりも当り当選期待度が相対的に高い保留色で表示する。具体的には、「青色保留(アクション1回目の開示時)→青色保留(アクション2回目の開示時)→特殊柄保留(アクション3回目の開示時)」や、「青色保留(アクション1回目の開示時)→黄色保留(アクション2回目の開示時)→特殊柄保留(アクション3回目の開示時)」といった具合である。
このように、複数回の秘匿演出および開示演出が繰り返される場合、最終アクションで開示される保留表示態様よりも、当り当選期待度が低い保留色で開示していくことにより、開示演出が実行される度に、遊技者の当選期待感を盛り上げていくことができる。また保留表示態様演出データに対応した変化対象保留に係る変動パターン種別が当り変動パターンであった場合、一連の開示演出の途中で、当り当選期待度が高い保留色から低い保留色に変化させる(たとえば、1回目の開示時に緑色保留、2回目の開示時に青色保留)、といった矛盾演出を現出させ、遊技者に違和感を与えることで当確を報知可能に構成しても良い。
次いで、開示演出態様抽選テーブル(図79)を取得し(ステップS693)、開示演出態様抽選処理を行う(ステップS694)。この開示演出態様抽選処理では、開示演出態様抽選テーブルを参照し、開示演出の際に、秘匿中の保留表示をどのような開示態様により開示するかについてを抽選により決定する。
(開示演出態様抽選テーブル:図79)
図79に、本発明の一実施形態に係る開示演出態様抽選テーブルを示す。
この「開示演出態様抽選テーブル」には、図示のように、6種類の開示態様が選択可能となっており、複数種類の開示態様が「当り当選期待度の高低」および「保留表示数」に関連付けて定められている。先ず、これら開示態様について簡単に説明しておく。
本実施形態では、「保留表示一斉開示」、「最古保留優先順次開示」、「最新保留優先順次開示」、「期待度低保留優先順次開示」、「期待度高保留優先順次開示」、および「ランダム開示」の6種類の開示状態が選択可能となっている。
(K−1)「保留表示一斉開示」とは、既に説明したように、秘匿されていた保留アイコンが一斉に開示される保留表示一斉開示演出である。
(K−2)「最古保留優先順次開示」とは、入賞順が最も古いものから開示していく(保留表示部a1またはb1から順に開示していく)演出態様である。なお、ゲーム実行中保留Kが秘匿されている場合は、この保留表示Kから順に開示される。
(K−3)「最新保留優先順次開示」とは、上述の「最古優先順時開示」とは逆に開示していく、つまり入賞順が最新のものから開示していく(保留表示部a4またはb4から順に開示していく)演出態様である。なお、ゲーム実行中保留Kが秘匿されている場合は、この保留表示Kが最後に開示される。
(K−4)「期待度低保留優先順次開示」とは、秘匿されている全保留表示のうち、当り当選期待度が最も低い保留表示から開示していく演出態様である。なお、「当り当選期待度が最も低い保留表示」の選出は、全保留表示を対象として変動パターン情報に基づき選出する。このとき、同一の当り当選期待度が複数ある場合、同一の保留表示態様であれば、ランダムに開示しても良いし、入賞順に開示しても良いが、これらが異なる保留表示態様同士であれば、専用保留表示態様よりも通常保留表示態様の保留表示を優先的に開示する。また同一の当り当選期待度の専用保留表示態様が複数ある場合、当り当選期待度が相対的に低い専用保留表示態様の保留表示を優先的に開示する。たとえば、開示されるときの保留表示部a1〜d1の保留アイコンが「白色保留(5%)、白色保留(10%)、青色保留(10%)、青色保留(15%)」のケースでは(括弧内は、変動パターンに対してあらかじめ関連付けられた当選期待度を示す)、まず保留表示部a1を最初に開示し、次に保留表示部b1を開示し、次に、保留表示部c1の青色保留を開示し、最後に保留表示部d1の青色保留を開示する。なお、各保留表示同士の当り当選期待度を比較する場合には、表示態様レベルで比較しても良いし、変動パターンまたは保留表示態様に対してあらかじめ定められた当り当選期待度で比較しても良い。
(K−5)「期待度高保留優先順次開示」とは、上述の「当選期待度低優先順次開示」とは逆の法則により開示していく演出態様である。たとえば、開示されるときの保留表示部a1〜d1の保留アイコンが「白色保留(5%)、白色保留(10%)、青色保留(10%)、青色保留(15%)」のケースでは、まず保留表示部d1を最初に開示し、次に保留表示部c1を開示し、次に、保留表示部b1の青色保留を開示し、最後に保留表示部a1の青色保留を開示する。
(K−6)「ランダム開示」とは、秘匿されている全保留表示をランダムに開示していく演出態様である。
なお、上記(K−2)〜(K−6)は、「保留表示順次開示演出(第4演出例(図39〜図40)」に属する開示演出である。なお、上記(K−2)〜(K−4)で述べた保留表示順次開示演出については、開示時間間隔が異なる複数種類の保留表示順次開示演出を設けることができる。たとえば、開示間隔時間が短時間(第1の所定時間:たとえば、100ms)とする第1の保留表示順次開示演出と、開示間隔時間がそれよりも長い(第2の所定時間:たとえば、300ms)とする第2の保留表示順次開示演出とを設けることができる。いずれの開示演出とするかは、抽選で決定することができる。
上記「開示演出態様抽選テーブル」では、図示のように、保留表示数が所定個数であるか否かに応じて開示演出の抽選確率が異なるようになっており、同じ保留表示数である場合には、これら保留表示に係る当り当選期待度に応じて開示演出の抽選確率が異なるようになっている。以下では説明の便宜上、保留表示数が「ゲーム実行中保留K+作動保留球3個以下」、つまり最大保留記憶数未満の場合において、当り当選期待度が高い保留表示(高期待度保留表示)が存在する場合を「第1開示前状態」、当り当選期待度が高い保留表示が存在しない場合を「第2開示前状態」と称する。また保留表示数が「ゲーム実行中保留K+作動保留球4個」、つまり最大保留記憶数の場合において、当り当選期待度が高い保留表示が存在する場合を「第3開示前状態」と称し、当り当選期待度が高い保留表示が存在しない場合を「第4開示前状態」と称する。
本実施形態の開示演出態様抽選テーブルは次のような特徴を持つ。第1に、どの開示前状態においても「保留表示一斉開示」が選択される確率が最も高く定められている。これは、保留表示を順次開示していくよりも保留表示を一斉開示に開示する方が、演出効果的にインパクトが強い点、一斉開示の方が順次開示よりも保留表示を短時間で開示することができる点などの理由による。
第2に、保留表示数が相対的に多い第3開示状態または第4開示前状態である場合の方が、それよりも少ない第2開示状態または第3開示前状態よりも「保留表示一斉開示」が選択される確率が相対的に高く定められている。これは、保留表示数が多いほど、一斉開示されたときのインパクトが強いからである。
第3に、高期待度保留表示が存在する第1開示前状態または第3開示前状態である場合は、高期待度保留表示が存在しない第2開示前状態または第4開示前状態よりも、「期待度低保留優先順次開示」が選択される確率が高くなるように定められている。これは、高期待度保留表示が存在する場合は、当り当選期待度が低い保留表示から順次開示していく方が、遊技者の当選期待感や緊張感を段階的に煽ることができるからである。また、「期待度高保留優先順次開示」のように当選期待度が下がるような感覚を遊技者に与えることがないため、特殊保留変化予告に対する信頼度を向上させることができる。ただし、「期待度高保留優先順次開示」に利点が無いわけではない。「期待度高保留優先順次開示」の場合、いち早く、高期待度保留表示を報知することができるので、遊技上級者のように、高期待度保留表示を早く知りたいと欲する遊技者に好適である。
なお、第1開示前状態または第3開示前状態において、開示時の保留表示態様が、最高の当り当選期待度を誇る高期待度保留表示(たとえば、保留色「虹色」やアイコン「虚舟」など:図72(B)参照)である場合、「期待度低保留優先順次開示」が必ず選択されるように構成しても良い。
図29の説明に戻り、ステップS694の開示演出態様抽選処理を終えると、次いで、その抽選結果に基づいて、決定された開示態様を指定する演出データ(開示状態演出データ)を設定する(ステップS695)。なおここでは、今回が1回目のアクションであると説明しているので、ここで設定される演出データは、1回目のアクション演出に対応する演出内容として設定される。またここでは、ボタン演出実行抽選(図28のステップS675)によりボタン演出実行フラグをON状態に設定されている場合、枠演出用ボタン13が操作された場合と、そうでない場合との2種類の開示態様データ(操作時の開示演出用と非操作時の開示演出用の演出データ)を作成し設定する(たとえば、第10演出例(図49参照)用の演出データ)。これにより、たとえば、ボタン予告演出有りの場合、遊技者により枠演出用ボタン13が操作されると、開示演出態様抽選で決定された開示演出が実行され保留変化が生起する、枠演出用ボタン13が操作されない場合には保留変化は起こらず、秘匿前の保留表示態様がそのまま表示される、といった開示演出を実行することができる。
次いで、抽選対象アクション回数に1加算する(ステップS696)。そして、加算後の抽選対象アクション回数と、ステップS690の処理で設定されたアクション回数とを比較する(ステップS697)。加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも多い場合は(ステップS697:YES)、アクション回数分の抽選処理(ステップS693〜S697の処理)を終了したとして、この開示演出態様抽選処理を抜けて、特殊保留変化予告演出設定処理(図21)に復帰する。しかし加算後の抽選対象アクション回数がアクション回数よりも少ない場合は(ステップS697:NO)、未だアクション回数分の抽選処理が終了していないとして、ステップS693の処理に戻り、ステップS693〜S697の処理を実行する。
(16−8.特殊保留変化予告シナリオ設定処理:図30)
次に、上記の特殊保留変化予告演出設定処理中に行う特殊保留変化予告シナリオ設定処理(ステップS615)について説明する。図30は、図21中の特殊保留変化予告演出設定処理中に行う特殊保留変化予告シナリオ設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図30において、CPU241は、まず特殊保留変化予告内容抽選処理(図21のステップS613)において実行された各抽選処理(図22〜図29の各抽選処理、開始タイミング抽選処理(図示せず)、終了演出態様設定処理(図示せず))において設定された演出データを取得する(ステップS1001)。
次いで、その取得された各演出データに基づいて、特殊保留変化予告の演出シナリオを作成し、そのシナリオデータをRAM243の所定領域に格納する(ステップS1003)。ここでは、ステップS1001で取得した演出データに基づき、特殊保留変化予告用の演出シナリオを作成する。ただし、演出シナリオにボタン予告演出を組み込む必要がある場合には、操作時の開示演出((図49(G1)〜(F1)参照)を組み込んだシナリオを基本シナリオとして作成し、非操作時の開示演出((図49(G2)〜(F2)参照)を特別シナリオとして作成する。この特別シナリオは、枠演出用ボタン13の操作があった場合に、基本シナリオに係る操作時の開示演出に対して差し替えられる。これにより、枠演出用ボタン13の操作に応じて、操作時の開示演出または非操作時の開示演出を含む特殊保留変化予告の演出シナリオを実行させるようになっている(たとえば、図34のステップS1204)。
次いで、変動跨ぎ用の特殊保留変化予告の演出シナリオ(特殊シナリオ)を作成し、そのシナリオデータをRAM243の所定領域に格納する(ステップS1007)。この特殊シナリオは、たとえば、図50の第12演出例のように、特殊保留変化予告の実行中に、変動跨ぎ、つまりシフト表示が発生した後も特殊保留変化予告を継続して実行させるケースを想定して作成される演出シナリオであり、変動跨ぎの実行状態が生じた場合、実行中のシナリオが上記特殊シナリオと適宜差し替えられて利用される。これにより、特殊保留変化予告シナリオ設定処理を抜けて、図21の特殊保留変化予告演出設定処理の一連の演出処理が終了される。
(16−4.ギミック連動ボタン予告設定処理:図33)
次に、ギミック連動ボタン予告設定処理について説明する。図33は、図20中の特別予告演出設定処理(ステップS121)におけるギミック連動ボタン予告演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図33において、図21の特殊保留変化予告演出設定で説明した処理内容と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。また、図33のギミック連動ボタン予告演出設定処理中の説明においては、説明の便宜上、特に必要のない限り、変動開始時の変動パターンまたは先読み変動パターンを、単に「変動パターン」と称する。
このギミック連動ボタン予告設定処理において、演出制御部24(CPU241)は、まず特殊保留変化予告の実行禁止条件が成立しているか否か、つまり特殊保留変化予告を実行可能であるか否か(実行するに適した演出状況であるか否か)を確認する(ステップS1101)。
上記「実行することが可能でない」場合とは、たとえば現存の作動保留球が所定個数以上(本実施形態では、作動保留球が2個以上存在することを条件としている:図69参照)であるか否かなどが該当する。これは、保留表示が少ない場合よりも保留表示が多い場合の方が、演出効果が高まるからである。またその他には、現在の遊技状態(遊技状況)が先読み禁止状態であるか否か、ギミック連動ボタン予告の実行に適さない演出が実行中であるか否かなどが該当する。
上記「ギミック連動ボタン予告を実行するのに適さない演出」とは、たとえば、当り当選期待度が相対的に高い予告演出(たとえば、リーチ6やリーチ7などの強リーチ演出や、プレミアム演出など)や、図柄変動表示ゲーム中に係る特定の予告演出(当選期待度が高い予告演出や、カットイン予告演出や、他のボタン予告演出など)や、特殊保留変化予告などが該当する。斯様な予告演出が現出中または現出予定である場合において、ギミック連動ボタン予告(図54〜図58)を現出させてしまうと、ギミック連動ボタン予告と当該予告演出とが重複的に現出されてしまう可能性がある。その結果、遊技者が折角の高期待度演出を楽しむことができなかったり、重複した予告演出の発生により遊技者の混乱を招いたりするなどの問題が生じ、折角の予告演出の意義が失われてしまう点、また演出に対する注目を分散させてしまう可能性があり、遊技者の遊技興趣の低下が懸念される点などの問題が生じるからである。
またギミック連動ボタン予告の演出時間に起因するギミック連動ボタン予告の実行禁止条件を定めることが好ましい。具体的には、ギミック連動ボタン予告が終了する前に、当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が開始されてしまう場合が該当する。特殊保留変化予告中に当り遊技に突入してしまうと、当り遊技中の演出効果を低下させてしまうからである。また特殊保留変化予告の開始タイミングによっては、たとえば、図50で示した演出例12のように、今回の図柄変動表示ゲームが終了して次回の図柄変動表示ゲームが開始される、つまりギミック連動ボタン予告が複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される場合もありうる。このようなケースで問題となるのは、現存の作動保留球が2個の場合において、今回(仕掛り中)の図柄変動表示ゲームが終了直前の場合である。この場合、ギミック連動ボタン予告を実行中に、作動保留球が消化されて次回の図柄変動表示ゲームが開始される、つまり保留表示が1個になってしまう。このような場合に、ギミック連動ボタン予告が実行されても演出効果が薄れてしまう。したがって、今回の図柄変動表示ゲームの終了するまで時間幅ギミック連動ボタン予告の演出時間幅と同一またはそれ以上ない場合には、特殊保留変化予告の実行を禁止することが好ましいといえる。
またギミック連動ボタン予告を短期間に連続的に実行してしまうと、重要な予告演出としての醍醐味が失われる。そこで、今回のギミック連動ボタン予告を実行した後、少なくとも最大保留記憶数(たとえば、特別図柄1または特別図柄2の最大保留記憶数の4回、または、特別図柄1、2の合計最大保留記憶数の8回)まで、ギミック連動ボタン予告の実行を禁止させることができる。なお、最大保留記憶数まで禁止するのではなく、ギミック連動ボタン予告が実行されるときに現存する保留記憶数分だけ禁止しても良い。
このように、ギミック連動ボタン予告の実行に適している状況であるのか否かを確認することで、特殊保留変化予告やその他の演出への注目度合いを向上させたり、遊技興趣の低下を抑制したり、違和感を抑制したりすることができる。
ギミック連動ボタン予告が実行可能である、または実行に適している状況である場合(ステップS1101:YES)、演出用乱数として、ギミック連動ボタン予告用の乱数を取得する(ステップS1103)。
次いで、今回のギミック連動ボタン予告を実行する際に必要な情報を取得する(コマンド情報取得処理:ステップS1105)。ここでは、各種のコマンドを受信した際に得られた情報、たとえば、変動パターン情報、当選種別情報、先読み変動パターン情報などから、今回のギミック連動ボタン予告の実行抽選(後述のステップS1109)に必要な情報を取得する。これにより、現存する作動保留球およびゲーム実行保留Kの全部またはこれら一部を対象とした保留変化予告を実行するために要する情報が取得される。
次いで、ギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルを取得し(ステップS1107)、ギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルに基づき、ギミック連動ボタン予告の実行抽選を行う(ステップS1109)。このギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルは、ギミック連動ボタン予告実行時における保留表示数(本実施形態では、ゲーム実行中保留Kおよび現存する作動保留記憶数)と変動パターン情報(変動開始時の変動パターン情報か、または先読み変動パターン情報)に基づいて、ギミック連動ボタン予告を実行するか否かを決定するために使用するテーブルである。このギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルの一例を図80に示す。
(ギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブル:図80)
図80は、本発明の一実施形態に係るギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルを示す図である。なお、本実施形態に係るギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルの構成は、既に説明した図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルと実質的に同じ構成となっており、ギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルと特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルとについては、ギミック連動ボタン予告を実行するケースで利用されるか、あるいは特殊保留変化予告を実行するケースで利用されるかという点が異なるだけである。ただし、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルでは、複数の保留表示(複数の作動保留球)に対応した実行確率が規定されているが、ギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルでは、ゲーム実行中保留Kのみが存在する場合を含め、作動保留球1個〜最大保留記憶数に対応した実行確率が規定されている点が異なる。つまり、特殊保留変化予告は、複数の保留表示(作動保留球)が存在する場合にしか実行可能性がない一方、ギミック連動ボタン予告は、少なくとも保留表示が1つの場合であれば実行可能性がある点が異なる。その他の点については、特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルの内容と実質的に同じであるので、図示のギミック連動ボタン予告演出実行抽選テーブルに関する詳細は、図21の特殊保留変化予告演出設定処理中の説明を参照することとし(図21の特殊保留変化予告演出設定処理中のステップS607〜ステップS609参照)、重複記載を避けるために、ここではその説明を省略する。
次いで、ステップS1109における実行抽選結果を確認し、ギミック連動ボタン予告を実行するか否かを判定する(ステップS1111)。ギミック連動ボタン予告を実行しない場合(ステップS1111:NO)、何もせずに、このギミック連動予告演出設定処理を抜ける。
一方、ギミック連動ボタン予告を実行する場合(ステップS1111:YES)、次いでギミック連動ボタン予告内容抽選処理を実行する(ステップS1113)。このギミック連動ボタン予告内容抽選処理では、ギミック連動ボタン予告に関する演出内容(演出シナリオ)を決定する。このギミック連動ボタン予告内容抽選処理は、ギミック連動ボタン予告を実現するための演出処理として、主に、次の演出処理(A)〜(F)を中心に構成されている。各演出処理の内容は次の通りである。
(A.開始タイミング設定処理)
(1)まず1つ目の処理である「開始タイミング設定処理」では、ギミック連動ボタン予告の開始タイミングを決定する。この開始タイミング設定処理の内容については、特殊保留変化予告に関する開始タイミング設定処理の内容と実質的に同じである。
(B.ボタン予告抽選処理)
2つ目の処理である「ボタン予告抽選処理」では、予兆演出による人物ギミック93が作動した後に、ボタン予告演出を現出させるか否かを決定する。具体的には、ギミック連動ボタン予告実行抽選に当選(実行可)したが、予兆演出後のボタン予告演出を現出しない、といった「ギミック連動ボタン予告ガセ演出」に関する抽選処理である。ガセ演出とするか否かは、変動パターン情報および/または保留表示数に応じた抽選確率により決定される。変動パターン情報により決定する場合、作動保留球(ゲーム実行中保留Kを含んでも良い)に係る変動パターン情報のうちから、当り当選期待度が最も高い変動パターンを選択し、これに基づき、抽選を行うことができる。たとえば、当り当選期待度が低い変動パターン情報ほど、ガセの発生確率を高くする傾向を持たせることができる。また保留表示数が少ないほど、ガセの発生確率を高くする傾向を持たせることができる。なお、ガセの抽選確率は適宜定めることができる。
このボタン予告抽選処理で、ガセ演出を実行すると決定された場合には、以下の4つの処理(アイテム抽選処理〜アクション演出態様抽選処理)を実行せずに、次のステップS1115の処理に進む。このとき、ガセ演出の演出シナリオとしては、たとえば、人物ギミック93が所定の動作パターンで動作する予兆演出が実行されるだけで、その後は、何も起こらない、といった演出が実行される。一方、ガセ演出を実行しない場合には、以下の4つの処理(アイテム抽選処理〜変化態様抽選処理)を実行し、ギミック連動ボタン予告を現出するために要する各種演出内容を決定していく。
(C.変化対象保留抽選処理)
3つ目の処理である「変化対象保留抽選処理」では、保留変化対象となる1または複数の保留表示(保留アイコン)、つまり「変化対象保留」を決定する。これにより、今回のギミック連動ボタン予告において変化対象となる保留表示が特定され、後述の変化表示態様抽選処理にて、投体N3が命中したときに、当該保留表示をどのような保留表示態様に変化させるのかが決定されるようになっている。なお、変化対象保留を選択する場合の処理として、上記特殊保留変化予告演出設定処理において実行された変化対象保留抽選処理(図21のステップS613(図22〜図24)参照)と同様の抽選処理を行うことができる。具体的には、各保留表示に対応する変動パターン情報に基づき、図70の保留変化実行抽選テーブルを参照して、ターゲットを選択することができる。
(D.変化表示態様抽選処理)
4つ目の処理である「変化表示態様抽選処理」では、変化対象保留の最終的な表示態様を抽選により決定する。具体的には、ギミック連動ボタン予告の演出結果として最終的に導出表示される保留表示態様(開示時の保留表示態様)を決定する。したがって、たとえば、特殊保留変化予告に係る第7演出例(図44〜図45)参照)のように、1回の特殊保留変化予告中に複数回の秘匿演出と開示演出とが繰り返させる形態を現出させる場合には、最終回の開示演出の際に開示表示される保留表示態様が指定されることになる。この変化表示態様抽選処理は、上記特殊保留変化予告演出設定処理(図21)中の変化表示態様抽選処理(図25)と同様な抽選処理により決定すれば良い。
(E.アクション演出態様抽選処理)
5つ目の処理である「アクション演出態様抽選処理」では、主に、ギミック連動型ボタン予告演出(操作時ギミック連動演出)の演出内容を決定する。ここでは、変動パターン情報に基づき、どのような種類の投体N3(火炎弾)を現出させるかを決定する「アイテム抽選処理」および投体N3の現出に連動して人物ギミック93がどのような動作パターンで動作するかを決定する「ギミック動作抽選処理」とを行う。
上記「アイテム抽選処理」では、変動パターン情報(当り当選期待度)に基づき、投体N3の種別を抽選により決定したり、投体N3の現出数を決定したりする。具体的には、投体N3の表示形態(たとえば、火炎弾の表示色)については、保留表示に係る変動パターン情報(当り当選期待度)に関連付けられた複数種類の表示色のうちからいずれかを抽選により決定する。また投体N3の投弾数(火炎弾の現出数)についても同様に、保留表示に係る変動パターン情報(当り当選期待度)に関連付けられた複数種類の投弾数(たとえば、1個(通常投弾数:期待度小)、3個(中間投弾数:期待度中)、5個(最大投弾数:期待度高))のうちからいずれかを抽選により決定する。ここでは、説明を簡単にするために、投体N3の表示色として、通常色の「白」、専用色として「緑色」と、「緑色」よりも当選期待度が高い「赤色」があるとして説明する。
上記火炎弾の表示色については、変動パターンが「弱リーチ、中リーチ、強リーチ」の順に「緑色、赤色」の抽選確率が高くなるように定める。たとえば、「弱リーチ」の場合には「白色70%、緑色20%、赤色10%(白色選択率高)」、「中リーチ」の場合には「白色40%、緑色45%、赤色15%(緑色選択率高)」、「強リーチ」の場合には「白色25%、緑色35%、赤色40%(赤色選択率高)」と定めることができる。なお、強リーチや当り変動パターンの場合は、通常の白色が選択されないように定めることができる。また当り変動パターンの場合は、虹色の当確表示色を含んで抽選されるようにしても良い。また、上記火炎弾の投弾数については、変動パターンが「弱リーチ、中リーチ、強リーチ」の順に期待度の高い「3個、5個」の抽選確率が高くなるように定める。たとえば、たとえば、「弱リーチ」の場合には「1個70%、3個20%、5個10%」、「中リーチ」の場合には「1個50%、3個30%、5個20%」、「強リーチ」の場合には「白色40%、緑色35%、赤色25%」と定めることができる。なお、強リーチや当り変動パターンの場合は、通常の1個が選択されないように定めることができる。また当り変動パターンの場合は、プレミアム的な投弾数(当確投弾数:たとえば、7個)を含んで抽選されるようにしても良い。これにより、保留表示以外の特定画像についても当り当選期待度とを関連付けることができるので、遊技者に対して当選期待度の推測要素を与えることができる。
また上記「ギミック動作抽選処理」では、変動パターン情報に基づき、人物ギミック93の可動部位(たとえば、腕94)の動作パターン(腕振り動作パターン)を決定する。たとえば、変動パターンが「弱リーチ、中リーチ、強リーチ」の順に「派手な腕振り動作パターン(以下、「専用動作パターン」と称する)」の抽選確率が高くなるように定める。たとえば、「弱リーチ」の場合には「通常動作パターン70%、専用動作パターン30%」、「中リーチ」の場合には「通常動作パターン50%、専用動作パターン50%」、「強リーチ」の場合には「通常動作パターン30%、専用動作パターン70%」と定めることができる。
なお、変化対象保留が複数個ある場合は、いずれの変動パターン情報を抽選に利用するかについては、図69の特殊保留変化予告演出実行抽選テーブルにおいて説明した内容と同じく、次のように定めることができる。
(A−2)各変化対象保留に係る先読み変動パターン情報(ゲーム実行中保留Kの場合は、変動開始時の変動パターンであっても良い)のうち、当り当選期待度が最も高い作動保留球に係る先読み変動パターン情報を利用する。なお当選期待度がすべて同一である場合、次の(B−2)〜(C−2)のように選択することができる。
(B−2)最新または最古の保留表示に係る先読み変動パターン情報を利用する。
(C−2)取得した各先読み変動パターン情報のうち、いずれの先読み変動パターン情報を利用するかをランダムに抽選する。
(D−2)保留記憶順または図柄変動表示ゲームの実行順(優先変動型の場合は、優先変動側の特図の保留記憶を優先。本実施形態の場合は、特図2側優先)に応じた所定の選択率(たとえば、作動保留球数が4個の場合は「1番目(最古)(10%)<2番目(20%)<3番目(30%)<4番目(最新)(40%)」、またその逆の選択率など)により決定する。
(F.その他の演出内容設定処理)
6つ目の処理である「その他の演出内容設定処理」では、上記した各処理で決定された演出データ情報に基づき、ギミック連動ボタン予告の現出に必要なその他の演出を決定する。たとえば、ギミック連動型ボタン予告演出に投体N3が「変化対象保留(ターゲット)」の保留表示(保留アイコン)に対して(ターゲットから外れる場合(保留表示を変化させない「ガセ」の場合)や、図58の誤爆演出を含む)、どのような動きで移動表示させるかについての演出態様を決定したり(たとえば、図54(C)、図55(C)〜(F)、図56(C)〜(E)、図57(C)、図58(C)などを参照)、投体N3がその保留表示(ターゲット)に到達(命中、着弾)した際における着弾演出(たとえば、図54(D)、図55(E)(F)、図56(F)、図57(D)などを参照)を決定したりする。またテロップ表示演出を現出する場合は、どのようなメッセージ(たとえば、特殊遊技情報として、チャンス?、チャンス!、継続!、激熱!など)を表示するかを決定する。
上記の各抽選処理(ステップS1113)を実行して、各演出内容(ギミック連動ボタン予告の演出シナリオを構成するための演出態様が決定されると、次いで、上記の各抽選処理により決定された演出データに基づいて、今回のギミック連動ボタン予告の演出シナリオを作成し、RAM243のシナリオ設定領域に設定する(ギミック連動ボタン予告演出シナリオ設定処理:ステップS1115)。ここで作成された演出シナリオに基づき、今回のギミック連動ボタン予告が実行すべきタイミングで開始され、ギミック連動ボタン予告が実現される。なお、ギミック連動ボタン予告演出シナリオ設定処理についての処理内容は、図30の特殊保留変化予告演出シナリオ設定処理と実質的に同じ内容であるので、その説明は省略する。これにより、ギミック連動ボタン予告に関する演出処理を終了して、このギミック連動ボタン予告演出設定処理を抜ける。
(16−2−2.操作検出信号受信処理:図34)
次に、ボタン予告演出に関する処理について説明する。図34は、操作検出信号受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この操作検出信号受信処理において、CPU241は、まず枠演出用ボタン13の入力受付有効期間であるか否かを確認する(ステップS1201)。すなわち、遊技者に枠演出用ボタン13の操作を要求しているのか否かを確認する。入力受付有効期間ではない場合(ステップS1201:NO)、操作検出信号受信処理を終了する。
一方、入力受付有効期間である場合(ステップS1201:YES)、CPU241は、現在ギミック連動ボタン予告を実行中であるか否かを確認する(ステップS1203)。現在ギミック連動ボタン予告を実行中ではない場合(ステップS1203:NO)、その他のボタン予告演出(たとえば、特殊保留変化予告に係るボタン予告演出:第10演出例(図48参照))に関する演出処理を実行する(ステップアップ1204)。ここでは、ギミック連動ボタン予告以外のボタン予告演出に関する演出について、枠演出用ボタン13の操作の有無に応じた演出シナリオが設定される。
一方、現在ギミック連動ボタン予告を実行中である場合(ステップS1203:YES)、ギミック連動ボタン予告設定処理を実行する(ステップS1205)。この処理では、ギミック連動ボタン予告シナリオに応じて、ボタン操作がなされた場合の演出処理を実行する。ここでは、ギミック連動ボタン予告に関するボタン予告演出に関する演出について、枠演出用ボタン13の操作の有無に応じた演出シナリオが設定される。なお、シナリオにより操作回数が1回に設定されている場合は、入力受付有効期間を無効期間に設定するのに対し、複数回に設定されている場合は、入力受付有効期間をシナリオに設定された期間が終了するまで継続する。
(ギミック連動ボタン予告シナリオ例:図81)
図81に、本実施形態に係るギミック連動ボタン予告シナリオの一例を示す。この図81に示す演出シナリオは、そのシナリオの概要を示したものであり、他の演出内容も含んで構成されることは勿論である。図示では、上記ギミック連動ボタン予告演出内容抽選処理(図30のステップS1113)少なくとも図54〜図58に示したギミック演出例を現出させるための演出シナリオが設定可能に構成されている。
図示の「ボタン現出」の欄について、「無」が設定される演出シナリオでは、人物ギミック93による予兆演出の後、ボタン予告演出が現出しない「ガセ演出」が実行され、「有」が設定される演出シナリオでは、人物ギミック93による予兆演出の後、ボタン画像が現出する「ボタン予告演出」が実行される。なお図示シナリオ例では、「無」が設定される演出シナリオは「ガセ演出」としているが、その他に、ボタン予告演出が現出されない上記した「遊技者非参加型演出(ギミック連動予告演出)」を現出させる構成としても良い。
図示の「アイテム画像」の「個数」の欄は、アクション演出における投体N3(火炎弾)の個数を示すものであり、「1個」が設定される演出シナリオでは、枠演出用ボタン13が操作(1回操作、または、連打操作)されると、アイテム画像が1個だけ現出する演出が実行される。他方、「複数個」または「7個」が設定される演出シナリオでは、枠演出用ボタン13が操作(1回操作、または、連打操作)に応じて、上限個数(たとえば、1個、3個、5個、7個)までアイテム画像が現出する演出が実行される。
また図示の「アイテム画像」の「表示色」の欄は、投体N3(火炎弾)の表示態様を示すものであり、「白色」が設定される演出シナリオでは、通常色である白色の火炎弾が現出する演出が実行される。また「緑色」または「赤色」が設定される演出シナリオでは、少なくとも緑色または赤色のアイテム画像が現出する演出が実行される。
また「アイテム画像」の「投擲対象」の欄は、投体N3がターゲットに命中するか否かに関するものであり、保留表示」が設定される演出シナリオでは、少なくとも1個のアイテム画像が保留表示(保留アイコン)に命中する演出が実行され、「画面外」が設定される演出シナリオでは、アイテム画像が保留表示に当たることなく、画面外に消えていく演出が実行される。ただし「画面中央」が設定される演出シナリオでは、アイテム画像が画面中央領域(装飾図柄変動表示領域)で誤爆する誤爆演出が実行される(たとえば、図58の第5ギミック演出例参照)。
次に図示の「命中後の演出内容」の欄は、投体N3がターゲットに命中した後の保留表示態様に関するものであり、「変化せず」が設定される演出シナリオでは、保留表示態様が変化しない演出が実行され、「保留変化」が設定される演出シナリオでは、保留変化が生起する演出が実行される。また「テロップ」が設定される演出シナリオでは、保留変化が生起せずに、上記誤爆演出によるテロップ表示演出が実行される。
次に図示の「変化態様」の欄は、アイテム画像が保留表示(保留アイコン)に命中したときの演出態様、つまり着弾演出の演出内容に関するものであり、「変化態様1」はターゲットを所定時間わたり秘匿状態とした後、開示状態とする演出態様(保留変化する場合と保留変化しない(秘匿前の保留表示態様を維持)とを含む(変化態様2、3も同様))、「変化態様2」は、ターゲットを秘匿状態しない演出態様、「変化態様3」は、ターゲットの一つに命中すると、煙幕Rにより、表示中の保留表示(保留アイコン)を所定時間わたり秘匿状態とした後、開示状態とする演出態様(図57)である。
(15.変動パターン指定コマンドの受信処理:図35)
図35は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図12の特別図柄変動パターン作成処理のステップS412で送信される演出制御コマンドである。
図35において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の変動パターン情報格納領域(変動パターン情報記憶エリア)に格納する(ステップS732)。本実施形態の場合、図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。
(16.装飾図柄指定コマンド解析処理:図36)
次に、装飾図柄指定コマンド解析処理について説明する。図36は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図12の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。ここでは、図35の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、停止装飾図柄など)が決定され、今回の変動表示ゲームに係る演出シナリオが構成される。
図36において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS871)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS872)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が16R長開放確変大当りである場合、当該16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定(リーチ図柄の決定)して、その決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄列(大当り図柄)が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納され利用される。
次いで、稲妻連続予告演出設定処理を行う(ステップS873)。稲妻連続予告演出設定処理では、上記図20の保留加算コマンド解析処理中のステップS105で設定された稲妻連続予告に関する演出データに基づき、稲妻連続予告を実行しない場合にはそのまま何もせずに処理を抜けて、稲妻連続予告を実行する場合には今回の図柄変動表示ゲームにおいて稲妻演出を現出させるための必要な設定処理を行う。またここでは、図20の保留加算コマンド解析処理中のステップS105の処理において設定された上記稲妻演出実行カウンタの値が管理され、図柄変動表示ゲームが行われる度に、稲妻演出実行カウンタの値を1減算する減算処理を行う。これにより、予告対象の作動保留球が消化されるまで、あるいはその途中において図柄変動表示ゲームの実行ごとに稲妻画像365による稲妻予告演出が現出される。
次いで、特別予告演出設定処理を行う(ステップS121)。この特別予告演出設定処理は、図20の保留加算コマンド解析処理中のステップS121と実質的に同じ処理であり、ここでは、装飾図柄変動表示ゲームの開始を契機として、特殊保留変化予告またはギミック連動ボタン予告を実行するか、実行する場合にはどのような演出態様とするかについて、「特殊保留変化予告設定処理(図21)」、または「ギミック連動ボタン予告処理(図33)」を行う。
次いで、演出モードに応じた演出処理を行う(ステップS875:演出モード分岐処理)。ステップS875の演出モード分岐処理では、現在の演出モードに応じた演出シナリオ設定処理(ステップS876〜S880)を呼び出して実行させる。これらの演出シナリオ設定処理では、変動開始時の変動パターン情報および/または装飾図柄指定コマンドの図柄情報に基づいて、各演出モード下における演出態様(演出シナリオ)を決定する。各演出シナリオ設定処理では、今回行われる装飾図柄変動表示ゲーム中に行う予告演出を、ステップS732の処理で得られた変動開始時の変動パターン情報と、ステップS873の処理で得られた当選種別情報とに基づいて決定する。たとえば、変動パターン情報により指定されるリーチ演出の演出データ設定したり、変動パターン情報および/または当選種別情報に基づき予告演出を抽選したりする。また疑似連を伴う変動パターンの場合には、本変動に係る予告演出(リーチ演出種別など)や疑似連回数などに基づき、疑似変動に係る予告演出を決定する処理も行う。これにより、今回の図柄変動表示ゲームにおける予告演出を実現させる。またゲーム実行中保留Kの表示態様を、どのようなタイミングでどのような表示態様に変化さるかについての予告演出も決定することができる。
上述の演出モードに対応した演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(ステップS881)。ここでは、主に、作動保留球の消化に伴う保留表示のシフト処理(保留表示シフト処理)を含めた装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定を行う。たとえば、上記ステップS873〜S880で決定された演出データに基づき、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に現出させる演出シナリオを作成し、これを対応するRAM243の所定領域(対応するシナリオ設定領域)に格納する。また上記保留表示シフト処理では、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用の演出シナリオデータが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される(たとえば、図5A、図5B、図6参照)。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出シナリオを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。なお、RAM243の先読み情報記憶エリアに関しても、上述の保留表示データ記憶エリアのシフト処理と同様にして、保留n先読み情報記憶エリア(n=2、3、4)に対応する先読み情報記憶エリアに格納されている先読み判定結果情報を、それぞれ‘n−1’に対応する先読み情報記憶エリアに上書きし、保留4先読み情報記憶エリアに空き領域を設け、次の保留加算コマンドを受信した場合の先読み判定結果情報を格納する領域を確保するようになっている。
ステップS881の処理を終えると、装飾図柄指定コマンド解析処理を抜けて、以後、演出シナリオに沿った装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
以上に説明した各実施形態では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。たとえば、遊技メダルまたは遊技球を利用可能な回胴式遊技機であっても良いし、電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)を利用した遊技媒体を利用した遊技機であっても良い。また実物の遊技メダルや実物の遊技球ではなく、電磁気的記録を利用した遊技媒体を用いる遊技機として、たとえば、所謂「封入式遊技機」の構成とすることも可能である。