JP6599671B2 - コイル型熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル型に形成された熱交換器に関するものである。
地中温度は、地下約10メートル以深では、その地域における年間の平均気温にほぼ等しいという性質を持つ。そのため、地中を熱源(冷熱源又は温熱源)として用いる地中熱利用システムが研究されている。そのような従来の地中熱利用システムの一例を図1に示す。
図1のシステムは、地中用の熱交換器1と、ヒートポンプ2と、冷暖房機器3とを備えている。熱交換器1は、地中に埋設された配管により構成されており、配管の内部を熱媒体が通過できるようになっている。ヒートポンプ2は、熱交換器1と冷暖房機器3との間で熱を移動させるようになっている。冷暖房機器3は、用途に応じて室内又は室外に設置される。
図1のシステムによれば、冷暖房機器3における冷房運転時には、ヒートポンプで加温された熱媒体を地中に送り、地中との熱交換により熱媒体を冷却することができる。一方、冷暖房機器3の暖房運転時には、冷却された熱媒体を地中に送り、この熱媒体を地中で加温することができる。これにより、システム全体として省エネルギーに寄与することが期待されている。
ところで、大地の熱交換可能量は大きくない。このため、熱交換器1としては、長尺(例えば100m程度)のU字管を用いて、地中深くまで埋設することが行われている。しかしながら、このような長尺物を埋設できるほどの深い穴を形成するには、一般的にはボーリングが必要となり、施工コストが増大するという問題がある。
そこで、下記特許文献1では、配管を螺旋状に周回させて熱交換器を形成し、この状態で、深さ4〜5m前後のトレンチ(穴)に熱交換器を埋設する技術を提案している。この技術では、いわゆるバックホーによりトレンチを形成することができ、施工コストの低下が期待される。
しかしながら、特許文献1の技術では、横断面長円状に配管を周回させるため、穴の断面積が大きくなってしまい、廃土処理コストが嵩む可能性がある。
下記特許文献2では、往路または復路の一方において一重巻螺旋管とされ、他方において直管とされた熱交換器を提案している。しかしながら、このような構成では、螺旋管における周回部の内側に直管があるために、重量バランスが悪くなりやすい。通常、このような熱交換器を地中に埋設する場合は、熱交換器を上方に吊り上げてから下降させている。重量バランスが悪いと、熱交換器を吊り上げた状態において、螺旋管の周回部が、水平方向に対して傾斜してしまうおそれがある。このような状態になると、熱交換器の埋設作業の効率が悪くなるという問題を生じる。さらに、螺旋管が傾斜すると、管内部に入り込んだ空気が抜けにくくなってしまう。空気が残留すると、熱媒体の移動のために要するポンプ圧力が増加してしまい、エネルギー効率が劣化する恐れがある。また、直管の下端に直管全体の自重が作用して、直管と螺旋管との接続部が破損しやすいという問題も懸念される。
また、螺旋管の内側に直管が存在する構造の場合、螺旋管の内側空間を利用しにくいという問題もある。一般に、特許文献2のような螺旋構造の熱交換器を地中に埋設する場合は、地中に様々な障害物(例えば地下水、土砂、あるいは、壁面保持のためのベントナイト入り泥水など)が存在することが多い、また、配管としては樹脂管又は樹脂複合管(樹脂と金属との複合管)が用いられることが多いため、螺旋管自体の浮力もある。このような場合には、螺旋管の先端に鋼材等を用いた重りを付けて沈めるが、過大な重量が必要になる。こうした重りに加えて、長尺材を用いて螺旋管の先端を下方に押し下げる場合は、螺旋管の内部空間を利用することが多いと考えられる。この場合において、螺旋管の内側に直管が存在すると、直管が支障となって、この押し下げ作業の効率が悪くなると考えられる。さらには、螺旋管内部に土砂を埋め戻す作業においても、直管の存在が支障になるおそれがある。
また、特許文献2では、外側螺旋管の内側に、巻き径の小さい内側螺旋管を配置する構成も提案している。この構成では、熱交換器の半径方向において、内側螺旋管と外側螺旋管とが隣接して配置されることになる。すると、以下のような問題を生じる恐れがある。
・内側螺旋管は地中壁面と離間するため、熱交換効率が劣化する恐れがある。
・内側螺旋管の曲率半径が外側螺旋管よりも小さくなる。すると、配管自体の内径として、大きなものを使うことが難しくなり、その結果、熱媒体移動のためのポンプの負荷が増大する。
・吊り上げた状態において、バランスを崩しやすいと想定され、作業効率の低下が懸念される。
一方、下記特許文献3及び4は、金属製の多重(二重又は三重)螺旋管の端部に直管を接続し、多重螺旋管と直管との間で熱媒体を移動させる構成の熱交換器を記載している。
しかしながら、これらの技術では、直管を二重螺旋管の内部に配置しているので、前記したように、施工効率が悪いと考えられる。また、これらの技術では、熱媒体がフルオロカーボン等の冷媒であるため金属配管を用いているが、金属配管を使っている場合には、迷走電流による電気分解や腐食のおそれがあるという問題もある。しかも、地中用の熱交換器として用いる場合、多重螺旋管の内側にある直管部分では外部と熱交換しにくいと考えられ、熱交換効率において改善の余地がある。
特開2009−198102号公報 特開2008−292044号公報(図3a及び図3c) 特開2009−92350号公報 特開2015−25612号公報
本発明は、前記した状況に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的の一つは、重量のバランスが良く、施工性に優れたコイル型熱交換器を提供することである。施工性に優れれば、コイル型熱交換器の埋設工事に要する時間を短縮できるため、経済性を改善することが可能になる。さらに、本発明の他の目的は、このようなコイル型熱交換器を効率よく製造する方法を提供することである。
前記した課題を解決する手段は、以下の項目のように記載できる。
(項目1)
第1螺旋部と、第2螺旋部と、接続部とを備えており、
前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、いずれも、熱媒体を内部において通過させる、螺旋形状の配管により構成されており、
さらに、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、前記螺旋形状における軸方向に沿って前記第1螺旋部と前記第2螺旋部とが交互に位置する二重螺旋を構成しており、
さらに、前記第1螺旋部と前記第2螺旋部との、前記軸方向における一方の端部近傍は、前記接続部によって、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部のうちの一方から他方へ前記熱媒体が通過可能なように接続されている
ことを特徴とするコイル型熱交換器。
(項目2)
前記軸方向において隣接位置にある前記第1螺旋部と前記第2螺旋部とは、ほぼ等しい巻き径とされている
項目1に記載のコイル型熱交換器。
(項目3)
前記接続部は、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部を構成する配管の一部により構成されており、これによって、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部と一体のものとなっている
項目1又は2に記載のコイル型熱交換器。
(項目4)
前記配管は、樹脂管又は樹脂−金属複合管により構成されている
項目1〜3のいずれか1項に記載のコイル型熱交換器。
(項目5)
前記樹脂管としては、コルゲート管が用いられている
項目4に記載のコイル型熱交換器。
(項目6)
前記接続部は、前記第1螺旋部又は第2螺旋部における前記端部近傍において、前記第1螺旋部又は第2螺旋部の内部空間を横切るように配置されている
項目1〜5のいずれか1項に記載のコイル型熱交換器。
(項目7)
前記接続部は、略S字状に形成されている
項目6に記載のコイル型熱交換器。
(項目8)
前記接続部は、前記第1螺旋部の端部と前記第2螺旋部の端部とを接続する略U字状の接続具により構成されている
項目1又は2に記載のコイル型熱交換器。
(項目9)
下記のステップを備える、コイル型熱交換器の製造方法:
(1)長尺状の配管の中間部を保持するステップ;
(2)前記保持した位置において、前記配管の延長方向に交差する方向の軸線を中心として、前記配管を少なくとも一方向にねじるステップ;
(3)前記ステップ(2)の途中において、前記配管を保持した位置を、前記配管に対して相対的に移動させることにより、前記配管を二重螺旋形状に周回させるステップ。
本発明によれば、重量のバランスが良く、施工性に優れたコイル型熱交換器を提供することができる。また、本発明によれば、このようなコイル型熱交換器を効率よく製造する方法を提供することができる。
熱交換器を用いた従来の地中熱利用システムを概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るコイル型熱交換器の中間部を省略した斜視図である。 図2の熱交換器の平面図であって、熱交換器の外側にある竪穴の内周を参考的に記載した図である。 図3のA−A線に沿う、中間部を省略した断面図である。 図2の熱交換器の底面図である。 本発明の一実施形態に係るコイル型熱交換器の全体的な斜視図である。 図6の熱交換器を竪穴に挿入した状態での概略的な説明図である。 図2の熱交換器の製造に適した治具の使用方法を説明するための説明図である。 図8の底面図に対応する説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係るコイル型熱交換器(以下単に「熱交換器」と略称することがある)を、添付の図面を参照しながら説明する。
(本実施形態の構成)
本発明の熱交換器は、第1螺旋部10と、第2螺旋部20と、接続部30とを備えている(図2〜図6参照)。
(第1螺旋部及び第2螺旋部)
第1螺旋部10及び第2螺旋部20は、いずれも、熱媒体を内部において通過させる、螺旋形状の配管により構成されている(図1参照)。
本実施形態の第1螺旋部10及び第2螺旋部20は、螺旋形状における軸方向(図2において上下方向)に沿って第1螺旋部10と第2螺旋部20とが交互に位置する二重螺旋を構成している(図4参照)。
また、本実施形態の第1螺旋部10及び第2螺旋部20の上端(開放端側)は、軸方向に延長された直管状のリード管に形成されている。
本実施形態の熱交換器においては、軸方向において隣接位置にある第1螺旋部10と第2螺旋部20とが、ほぼ等しい巻き径とされている(図4参照)。
本実施形態において、第1螺旋部10と第2螺旋部20とを構成する配管は、樹脂管又は樹脂−金属複合管により構成されている。ここで、樹脂管の材質としては、例えば、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリ塩化ビニルを用いることができるが、これらに制約されず、必要な機能を発揮できるものであればよい。また、樹脂−金属複合管としては、例えば、内外のポリエチレン層の間にアルミニウム層を形成した積層構造のものを用いることができるが、これも単なる一例に過ぎない。また、配管の形状にも特に制約はなく、通常のストレート管(表面凹凸の無い形状)を用いることもできるが、本例ではコルゲート管を用いている。
(接続部)
第1螺旋部10と第2螺旋部20との、軸方向における一方の端部(図2において下端部)は、接続部30によって、第1螺旋部10及び第2螺旋部20のうちの一方から他方へ熱媒体が通過可能なように接続されている(図5参照)。
接続部30は、本実施形態では、第1螺旋部10及び第2螺旋部20を構成する配管の一部を湾曲させることにより構成されており、これによって、第1螺旋部10及び第2螺旋部20と一体のものとなっている(図5参照)。
本実施形態の接続部30は、第1螺旋部10又は第2螺旋部20における下端部近傍において、第1螺旋部10又は第2螺旋部20の内部空間を横切る方向に延長されている。より具体的には、本実施形態の接続部30は、底面から見た状態(図5参照)において、略S字状(逆S字状を含む)に形成されている。
(本実施形態の熱交換器の使用方法)
ついで、本実施形態の熱交換器の使用方法を、図7をさらに参照しながら説明する。
(掘削)
まず、地面G(図7参照)に、深さ15m前後、掘削径650mm前後の、断面略円形の竪穴Pを形成する。なお、穴の形状や大きさや深さは単なる一例である。このような竪穴は、例えばアースオーガや特殊なスクリューを用いることにより、ボーリングの場合よりも効率よく形成することができる。
(運搬)
一方、掘削に前後して、本実施形態の熱交換器を設置場所に運搬する。ここで、本実施形態では、第1及び第2螺旋部10及び20の全体を、軸方向に圧縮した状態で運搬することができる。これにより、運搬コストを低減することが可能になるという利点がある。
しかも、本実施形態の熱交換器では、第1螺旋部10の巻き径と、第2螺旋部20の巻き径とをほぼ同一としているので、これらの螺旋部を軸方向に圧縮した状態では、各螺旋部が交互に密着した状態となる。すると、熱交換器全体としての可動部が少なくなるため、形状安定性が向上し、この点からも運搬コストの低減を期待することができる。
(吊り上げ)
ついで、熱交換器における開放端側(図2における上端側)を吊り上げて、熱交換器の閉鎖端側(図2における下端側)を、地面Gの竪穴Pの上方に配置する。ここで、本実施形態では、各螺旋部を圧縮した状態のままで(例えば取り外し可能な結束具などで結束した状態で)吊り上げることにより、吊り上げに必要な高さを低く抑えることが可能になる。すると、例えば、コストのかかるクレーンを使用せずに、低コストで運用可能な機器(例えばバックホー)を利用した吊り上げが可能になるという利点もある。
(埋設)
ついで、各螺旋部への結束を解放することにより、あるいは、熱交換器全体を下降させることにより、熱交換器を竪穴Pの内部に挿入する。
ここで、熱交換器を一重螺旋構造とした場合には、すでに説明したように、重量バランスが悪く、周回部の水平が保たれないおそれがあった。これに対して、本実施形態では、二重螺旋構造とするとともに、第1螺旋部10の巻き径と第2螺旋部20の巻き径とをほぼ等しいものとしたので、結束具なしで吊り下げた状態において、周回部の水平を保つことができ、埋設の作業性を向上させることができるという利点がある。
また、螺旋構造の内側に直管を配置する構成の場合は、前記したように、直管の下端(直管と螺旋管との接続部)に直管の自重が作用して破損しやすいという問題があった。これに対して、本実施形態では、このように局所的に重量が作用する部分がないので、設置時の配管損傷の可能性を減らして、設置作業を簡便とすることができる。
さらに、一般に、竪穴Pの内部には、泥水などの障害物が存在する。このため、単に熱交換器をその自重で下降させるだけでは、熱交換器の挿入に時間を要し、あるいは、浮力に抗して沈めるに足る十分な重りが必要となり、作業コストが上昇するおそれがある。これに対して、本実施形態では、二重螺旋構造とするとともに、第1螺旋部10の巻き径と第2螺旋部の巻き径とをほぼ等しいものとしたので、熱交換器の内部に、広い内部空間を形成することができる。このため、この内部空間を利用して、上方から適宜の治具を用いて熱交換器の下端近傍を下方に押し下げる作業が容易となり、この点で作業効率を向上させることができる。もちろん、熱交換器の外径を大きくすれば、それに応じて内部空間を広げることは可能であるが、竪穴Pの内径を広げると、掘削馬力の大きな重機が必要になり,内壁の崩壊も生じやすくなるなど、様々な支障を生じるため、熱交換器の外径を広げずにその内部空間を広げることができることの利点は大きい。
さらに、本実施形態では、接続部30を、第1螺旋部10又は第2螺旋部20における下端部近傍において、第1螺旋部10又は第2螺旋部20の内部空間を横切るように配置したので、熱交換器の上方から接続部30を下方に押し下げる作業が容易になるという利点がある。さらに、本実施形態では、接続部30を略S字状に形成したので、S字状の接続部30の中間部を利用して、これを下方に付勢する作業が一層容易になる。さらには、例えば、接続部30を利用して、下方に凸状となる笠状(あるいは尖頭状)のガイド部材(図示せず)を設置することもできる。
また、螺旋管の内側に直管を配置する構成の場合は、埋設時に螺旋管の内側に土砂を埋め戻す作業において、土砂がブリッジングする(引っ掛かる)など、直管が支障になるおそれがあった。これに対して、本実施形態では、第1螺旋部10及び第2螺旋部20の内側に広い空間を確保できるので、土砂の埋め戻し作業の効率化を図ることができる。
(設置)
ついで、第1螺旋部10及び第2螺旋部20の開放端(直管状のリード管部分)を、図1に示すようなヒートポンプの循環水配管に接続する。これにより、本実施形態の熱交換器を、従来のものと同様に使用することができる。もちろん、本実施形態の熱交換器の接続先は、ヒートポンプに限られない。例えば、この熱交換器を、直接の外気予冷/予熱に用いることもできる。また、熱交換器の用途としては、空調に限られず、例えば給湯、冷蔵庫、融雪など、温度差を利用するさまざまな用途が考えられる。
(熱交換器の動作)
本実施形態の熱交換器によれば、地面Gの竪穴Pに埋設された状態において、熱媒体が配管内を通過すると、竪穴Pの内面と熱交換器の外表面との間で熱交換を生じ、必要な排熱/吸熱を行うことができる。
ここで本実施形態の熱交換器では、軸方向において隣接位置にある第1螺旋部10と第2螺旋部20とを、ほぼ等しい巻き径としたので、第1螺旋部10と第2螺旋部20の両方が、竪穴Pの内面に接近しており、熱交換効率が高いという利点がある。
また、本実施形態の熱交換器では、軸方向において隣接位置にある第1螺旋部10と第2螺旋部20とを、ほぼ等しい巻き径としたので、軸方向において、第1螺旋部10と第2螺旋部20が規則的に交互に現れることになる。両者の配置ピッチをほぼ一定とすれば、第1螺旋部10と第2螺旋部20との間における温度は、螺旋の軸方向において、ほぼ一様となると考えられる。つまり、熱交換器におけるある特定の軸方向位置(換言すれば地表からの深さ)では、第1螺旋部10内部の熱媒体の温度と、第2螺旋部20内部の熱媒体の温度との平均値は、螺旋の軸方向によらずほぼ一様となる。このため、本実施形態では、地中との熱交換量が均一化し、熱交換効率をさらに向上させることができると考えられる。
また、本実施形態の熱交換器では、接続部30を、第1螺旋部10及び第2螺旋部20を構成する配管の一部により構成し、これによって、第1螺旋部10及び第2螺旋部20と接続部30とを一体のものとしたので、接続部30と第1又は第2螺旋部10又は20との間に継ぎ目がない。すると、継ぎ目の劣化や損傷による液漏れの可能性を減らすことができるという利点がある。特に地中用の熱交換器では、一旦埋設した熱交換器を交換することには大きなコストを要するので、熱交換器の耐久性を向上させることにより、運用コストの大幅な低下を期待できる。
また、本実施形態では、第1螺旋部10及び第2螺旋部20を構成する配管として、樹脂管又は樹脂−金属複合管を用いたので、腐食や電気分解の恐れを低減させることができ、その結果、熱交換器の耐久性をさらに向上させることができる。
また、樹脂管や樹脂−金属複合管は、ある程度の変形が可能なので、運搬時において熱交換器を軸方向に圧縮して小型化させることができ、熱交換器の運搬コストの低下を図ることができる。
さらに、樹脂管や樹脂−金属複合管は、熱可塑性樹脂など、適宜の樹脂を用いることにより、比較的に容易に螺旋形状に形成することができるという利点もある。
また、本実施形態では、配管を構成する樹脂管としてコルゲート管を用いたので、
・管の表面積を増加させて熱交換効率を向上させることができる、
・変形しやすくなるので、熱交換器を変形させて運搬することができる、
・曲げやすいため、螺旋形状の形成も一層容易となる
という利点を発揮できる。
さらに、本実施形態では、第1螺旋部10と第2螺旋部20との巻き径をほぼ等しくしたので、いずれの螺旋部においても、比較的に大きな内径の配管を用いることができる。このため、熱媒体を流動させるためのポンプの負荷を軽減することができるという利点がある。また、ポンプ負荷を一定とした場合、熱交換器全体としての外径を比較的に小さくできるので、掘削すべき竪穴の径を小さくすることができ、掘削コストの軽減にも寄与する。
(製造方法)
次に、図8及び図9を参照して、前記したコイル型の熱交換器の製造に適した製造方法を説明する。
ここで、この製造方法の実施においては、治具60(図8及び図9参照)を用いる。治具60は、外面円筒状の本体61と、本体61の先端に形成された先端部62とを備えている。先端部62は、二つの突起部62a及び62bを備えており、その間には、凹部62cが形成されている。凹部62cは、配管の中間部を保持するための保持部を構成している。治具の材質は特制約されないが、例えば鋼鉄製やステンレス製とすることができる。
(保持ステップ)
この製造方法においては、長尺(例えば200m)の配管を用いる。まず、配管の中間部を、突起部62aと62bとの間、すなわち凹部62cに挿入する。このとき、配管の延長方向と、治具60の本体61の延長方向とは、交差する(例えば直交する)方向となっている。これにより、配管の中間部を治具60の先端部62により一時的に保持することができる。
(ねじりステップ)
ついで、治具60の本体61を、その軸線(図8において上下方向)を中心として回転させる。これにより、治具60の先端部62が配管を保持した位置において、配管の延長方向(図8において例えば紙面の厚さ方向、図9において例えば上下方向)に交差する方向の軸線を中心として、配管を少なくとも一方向にねじることができる(図9参照)。
(相対移動動作)
ここで、前記したねじりステップの途中において、配管を保持した位置を、配管に対して相対的に移動させる。ここで相対的に移動とは、配管に対して治具を移動させてもよいし、治具に対して配管を移動させてもよいことを意味する。これにより、配管を、本体61の外周面において、二重螺旋形状に周回させることができる(図8参照)。これにより、二重螺旋構造をなす第1螺旋部10及び第2螺旋部20を、比較的に簡易な手段により製造することができる。
しかも、前記したステップの実行により、図9に示されるように、略S字状の接続部30を、第1螺旋部10及び第2螺旋部20と一体構造のものとして、簡便に製造することもできる。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、第1螺旋部10、第2螺旋部20及び接続部30を有する熱交換器を効率よく低コストで製造することができるという利点がある。
配管が樹脂管又は樹脂複合管である場合には、所定長さの螺旋部を形成した後、加熱処理(例えば巻き取りながら電気ヒータなどの加熱器で約80℃まで昇温し、巻取り後、数時間保持)を行うことにより、熱交換器の螺旋形状を安定的に保持することができる。また、昇温後に断熱材(例えばグラスウール)で配管を覆うことで、温度を均一に保ち、熱損失を減らすことができる。このとき、治具からの配管の取り外しは、配管の温度が下がった後に行うことが好ましい。
(具体的な寸法例)
以下、本実施形態の熱交換器をポリエチレン製のコルゲート管で製作する場合における具体的な寸法例を記載する。ただし、これらの数値はいずれも単なる一例であり、これらに限定されるものではない。
・平均外径 48.5 mm
・平均内径 45.5 mm
・配管肉厚 1.5 mm
・配管(ポリエチレン管)の熱伝導率 0.42 W/(m・K)
・コイル巻径 540 mm
・コイル巻数 100
・コイルピッチ 120 mm(図4における符号CP参照)
・コイル長さ 12 m
・コイル部の管長 約182 m
・循環水(熱媒体)流量36 L/min
なお、本発明の内容は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、具体的な構成に対して種々の変更を加えうるものである。例えば、前記した実施形態では、接続部30の形状を略S字状としたが、直線状であってもよい。
また、前記実施形態では、接続部30を、第1螺旋部10及び第2螺旋部20と一体のものとして構成したが、接続部を、第1螺旋部10及び第2螺旋部20とは別体として構成することも可能である。例えば、接続部として、第1螺旋部10の端部と第2螺旋部20の端部とを接続する略U字状の接続具を用いることができる。この場合、長尺のU字管を円筒面に巻き付けることにより、二重螺旋構造の熱交換器を容易に得ることが可能になる。
さらに、前記実施形態では、治具60の先端に形成した凹部62cにより配管を一時的に保持する構成としたが、これに限らず、例えば、配管の中間部を把持する把持部により、配管を保持する構成とすることもできる。
また、前記実施形態では、熱交換器を地中に埋設して使用する例を示したが、本発明の熱交換器は、地中に限らず、例えば水中で使用することも可能である。
10 第1螺旋部
20 第2螺旋部
30 接続部
60 治具
61 治具の本体
62 治具の先端部
62a・62b 突起部
62c 凹部
G 地面
P 竪穴

Claims (5)

  1. 掘削により地中に形成された竪穴に埋設されるコイル型熱交換器であって、第1螺旋部と、第2螺旋部と、接続部とを備えており、
    前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、いずれも、熱媒体を内部において通過させる、螺旋形状の配管により構成されており、
    さらに、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、前記螺旋形状における軸方向に沿って前記第1螺旋部と前記第2螺旋部とが交互に位置する二重螺旋を構成しており、
    さらに、前記第1螺旋部と前記第2螺旋部との、前記軸方向における一方の端部近傍は、前記接続部によって、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部のうちの一方から他方へ前記熱媒体が通過可能なように接続されており、
    前記接続部は、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部を構成する配管の一部により構成されており、これによって、前記接続部は、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部と一体のものとなっており
    さらに、前記接続部は、前記第1螺旋部又は第2螺旋部における前記端部近傍において、前記第1螺旋部又は第2螺旋部の内部空間を横切るように配置されており、かつ、略S字状に形成されている
    ことを特徴とするコイル型熱交換器。
  2. 前記軸方向において隣接位置にある前記第1螺旋部と前記第2螺旋部とは、ほぼ等しい巻き径とされており、
    前記配管は、樹脂管又は樹脂−金属複合管により構成されており、
    これによって、運搬時には、前記第1螺旋部と前記第2螺旋部とを軸方向において圧縮した状態とすることができ、
    さらに、埋設時には、前記圧縮した状態を解放することにより前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部を軸方向に伸長させることができる構成となっている
    請求項1に記載のコイル型熱交換器。
  3. 前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、軸方向に圧縮された状態とされており、
    かつ、前記第1螺旋部及び前記第2螺旋部は、取り外し可能な結束具により結束されて、圧縮状態が維持されている
    請求項2に記載のコイル型熱交換器。
  4. 前記樹脂管としては、コルゲート管が用いられている
    請求項2又は3に記載のコイル型熱交換器。
  5. 下記のステップを備える、コイル型熱交換器の製造方法:
    (1)長尺状の配管の中間部を保持するステップ;
    (2)前記保持した位置において、前記配管の延長方向に交差する方向の軸線を中心として、前記配管を少なくとも一方向にねじるステップ;
    (3)前記ステップ(2)の途中において、前記配管を保持した位置を、前記配管に対して相対的に移動させることにより、前記配管を二重螺旋形状に周回させるステップ。
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