JP6595425B2 - 機械の制御装置 - Google Patents

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本発明は、機械の制御装置に関し、特に、地震発生時に機械を停止させる機能を有する機械の制御装置に関する。
緊急地震速報は、震源近くで地震(P波、初期微動)をキャッチし、位置、規模、想定される揺れの強さを自動計算し、地震による強い揺れ(S波、主要動)が始まる数秒〜数十秒前に素早く知らせするものである。工場内の機械設備や加工対象物の地震による被害を減らすために、地震発生時における加工機の対応について、緊急地震速報を活用する技術が以下の先行技術に開示されている。
特許文献1には、地震発生時において、緊急地震速報等を利用して加工機を停止させる技術が開示されている。
特許文献2には、緊急地震速報に基づき、シーケンス制御においてその緊急災害度に対応して緊急時対応シーケンスプログラムを実行すると共に、その緊急地震速報の解析結果または、未解析の生の緊急災害情報を、ローカルネットワーク通信部から他のプログラマブルコントローラに、ネットワーク中継器を介してまたは直接送信することができる、技術が開示されている。
特許文献3には、緊急地震速報の受信に応答して、工作機械本体に定められた退避動作を行わせる技術が開示されている。
特許文献4には、緊急地震速報を受信に応答して、工作機械に備わった工具を加工済経路に沿って退避させ、機械軸や工具やワークを損傷しない位置に停止する技術が開示されている。
特許文献5には、加工機近傍に設置された振動センサで検知した振動の程度に応じて、アラームメッセージの表示、運転停止、のように対処を変える制御方法が公知である。
特許文献6には、工場の工学的基盤の振動と、地表面の振動を検出し、両者の計測結果で判断を行う地震災害防止システムが開示されている。当該地震災害防止システムは、工場内の各機械を順次シャットダウンすることも可能である。
特開2009−181174号公報 特開2009−301371号公報 特開2013−105219号公報 特開2014−049029号公報 特開平5−69466号公報 特開2008−15751号公報
特許文献1〜4に開示された技術においては、緊急地震速報は予想震度に対して実震度が低い場合がある。このような場合、緊急地震速報の予想震度に従って機械を停止すると、機械を停止する必要のない実震度でも不必要に機械を停止させることになる。また、加工品が超精密加工中なのか、粗削り中なのかなどが考慮されずに停止させているため、不要な機械停止を余儀なくされることがある。その結果、再立ち上げに工数が発生したり、緊急停止によってワークが不良品となって廃棄が必要となることがある。
特許文献5は振動センサによって自機へのアラーム表示、自動停止はできるが、その情報を他機に伝達することは想定されていない。
特許文献6は振動センサを用いて、工学的基盤の振動と地表面の振動とを検出する必要あり、振動センサを新たに用いる必要がありコストアップする問題がある。また、異常振動を検知した地震観測装置近辺の工場での緊急停止は可能であるが、地震が未到達の他地域の工場への情報伝達、緊急停止手段は考慮されていない。
また、地震は地球内部の断層の破断やずれなどにより起こり、地球内部の硬い岩盤内を振動が伝搬してくる。この振動は軟弱層に入ると速度は減衰するが、振幅は拡大する。地球内部の硬い岩盤部分を地震基盤といい、その地震基盤の上にあり、建築物の基礎となるような硬さの地盤を工学的に工学的基盤と呼んでいる。そして、工学的基盤の上部を覆う部分が表層である。両基盤を伝わってきた地震の振動が表層部で増幅されて両基盤を伝わってくるときの振幅より大きくなり地表にある建築物や機械類に被害を与えることが考えられる。よって、緊急地震速報による地震の震度の予測と、工場が立地する場所での地震の震度とが対応しない場合も起こりうる。
また、耐震性の整った工場では地震による振動を大幅に抑制することが可能である。そのため、緊急地震速報の地震の震度の予想に基づいて加工機の停止を行うことは、不必要に加工機を停止することになり、加工機の稼働率の低下を来すことになる。
構造物はそれぞれ揺れやすい振動の周期を持っている。この周期をその構造物の固有周期という。構造物は地震波のなかに含まれている固有周期の波と共振し大きく揺れるため、構造物の被害はその地震波の中にその構造物の固有周期の波がどれだけ入っているかによる。一般に構造物は短い周期の地震波では壊れないが、長い周期の波では壊れる。したがって、緊急地震速報や、地震計による震度予測では、工場内に設置された加工機やその周辺装置が実際に振動する度合いに基いて、地震発生時の対応を決定することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、外部からの緊急地震速報や、地震による振動を測定するための地震計を機械に付加することなく、前記機械に実際に掛かる地震による振動を検知することが可能な前記機械の制御装置、および、前記機械を含んで構成される加工システムを提供することである。
本発明による機械の制御装置は、駆動部を有する機械の稼働状態に関する物理量を取得するものであって、前記機械の稼働時に地震による外力を受け前記機械が振動した時に取得される物理量に基づいて、前記機械に前記地震による外力が掛かったことを検知する地震性振動検知部を備えたことを特徴とする。
前記機械の制御装置は、前記地震性振動検知部によって検知された外力に基づいて、前記機械の稼働状態を変更する稼働状態変更部、を備えてもよい。
前記機械の制御装置において、前記地震性振動検知部は、更に、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量に基づいて、前記機械に地震による外力が掛かったことを検知する。
前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量は、前記機械が正常時な稼働状態において、前記機械の前記駆動部の動作に同調する物理量である。
前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量は、複数の動作条件下での実験値と理論式から算出した理論値である。
前記地震性振動検知部は、前記機械の稼働時に外力を受け前記機械が振動した時に取得される物理量と、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量との差分、または、前記機械の稼働時に外力を受け前記機械が振動した時に取得される物理量と、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量のFFT解析に基づいて、前記機械に前記地震による外力が掛かったことを検知する。
前記機械の制御装置は、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量と、前記機械の各駆動部の動作条件とを、組み合わせて記憶してもよい。前記機械の制御装置は、前記駆動部が停止中に前記機械を意図的に外力により振動させた際に取得される物理量を、疑似地震性振動として検出する疑似地震性振動検出部と、前記疑似地震性振動の検出値の大きさをレベル分けするための1つ以上の境界値を設定する疑似地震性振動レベル設定部と、前記疑似地震性振動レベル設定部が設定した前記レベル分けに基づいて、地震警告レベルを設定する地震警告レベル設定部と、設定された前記地震警告レベルと前記地震性振動の検出値に基づいて、地震警告情報を他の機械の制御装置、または、前記機械を管理する集中管理システムに出力する地震警告情報出力部と、前記他の機械、または、前記集中管理システムからの前記地震警告情報を入力する地震警告情報入力部と、を有する。
前記機械の制御装置は、機械ごとにどの地震警告レベルで緊急停止するかを予め設定する緊急停止レベル設定部を更に有する。
前記機械の制御装置は、前記地震警告レベルを、最大加速度、最大速度、周期の少なくとも一つに基づいて各レベルの境界値を設定する。
前記機械の制御装置は、前記地震警告レベルに基づいてどの地点の機械まで地震警告情報を送信するかを設定するデータ送信地点設定部を更に有する。
前記機械の制御装置は、各機械間の距離を記憶する機械間距離記憶部を更に有し、前記機械間距離に基づいて前記データ送信地点設定部による地点設定を自動で行う。
前記機械の制御装置は、前記地震性振動検知部が、予め設定した所定時間以上、前記機械に外力が掛かっていることを検知したら、地震警告情報を出力する。
前記機械の制御装置は、複数の地震警告情報が届いた場合に、前記機械の緊急停止を実行する。前記機械の制御装置において、前記稼働状態変更部は、前記駆動部を予め設定した速度以下に減速させた後に急停止させる。
前記機械の制御装置において、前記状態観測部は、前記機械に搭載されたモータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値、のうちの少なくとも一つを取得する。
前記機械の一つである加工機と、前記機械の一つである前記加工機の周辺装置を含み、前記機械の制御装置を備えた加工システムを構成できる。
本発明により、外部からの緊急地震速報や、地震による振動を測定するための地震計を機械に付加することなく、前記機械に実際に掛かる地震による振動を検知することが可能な前記機械の制御装置、および、前記機械を含んで構成される加工システムを提供できる。
地震発生時に停止する加工システムの一実施形態を示す図である。 本発明に係る機能を有する射出成形機の制御装置を説明する図である。 本発明に係る加工システムに用いられる制御装置の機能ブロック図である。 地震発生時に検知された物理量を示す図である。 稼働時正常物理量を示す図である。 検出された地震性物理量を示す図である。 地震発生時に検出された物理量のフーリエ解析結果を示す図である。 稼働時正常物理量のフーリエ解析結果を示す図である。 差分データ(地震発生時に検出された物理量のフーリエ解析結果―稼働時正常物理量のフーリエ解析結果)を示す図である。 本発明に係る擬似地震性振動検出部を備えた制御装置ブロック図を示す図である。 工場と振動レベルの組み合わせを示す図である。 ある加工システムから他の加工システムまでの距離の関係のテーブルを示す図である。 本発明の実施形態による振動が小レベルの際のアラームメッセージ画面の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態による振動が中レベルの際のアラームメッセージ画面の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態による振動が大レベルの際のアラームメッセージ画面の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は地震発生時に停止する機能を有する加工システムの一実施形態を示す図であり、本発明の一実施形態における加工システムの一つの例である射出成形システムの概略構成を示す図である。本実施形態の射出成形システム1は、加工機の一つである射出成形機2、周辺装置の一つである成形品取出しロボット5、成形品を搬送するコンベア、金型内にインサート品を挿入するインサート品挿入装置などの周辺装置などから構成され、これらの装置を駆動するために駆動用モータなどが用いられる。射出成形機2は射出成形機の制御装置3によって制御される。また、成形品取出しロボット5はロボットの制御装置4によって制御される。なお、前記加工システムを構成する加工機や周辺装置を総称して駆動部を有する機械という。
射出成形機2は、型締部Mc、射出部Mi、機台Mbを備えている。機台Mb上に射出部Miと型締部Mcが配設されている。型締部Mcは、固定プラテン20、リアプラテン21、可動プラテン22、成形品を金型から押し出すエジェクタピンを突き出すためのエジェクタ前後進モータ23、タイバー24、トグル機構25、エジェクタ前後進モータ23により駆動されるエジェクタ機構26を備える。
固定プラテン20とリアプラテン21とは複数のタイバー24で連結されており、可動プラテン22はタイバー24にガイドされ、固定プラテン20に対して前後進するように配置されている。可動プラテン22はトグル機構25からの力を受けて固定プラテン20に対して前後進する。可動プラテン22に可動側金型27、固定プラテン20に固定側金型28が取り付けられる。トグル機構駆動モータ29はトグル機構25を伸縮することにより可動プラテン22を固定プラテン20に対して前後進する。リアプラテン21はリアプラテン前後進モータ36により固定プラテン20に対して前後進する。
射出部Miは、シリンダ30、シリンダ30内に樹脂のペレットを供給するホッパ31、スクリュ回転モータ32、スクリュ前後進モータ33、スクリュ回転モータ32から伝動機構を介して回転させられるスクリュ34、を備える。スクリュ34はシリンダ30に内挿され、ホッパ31から供給される樹脂ペレットを混練し溶融する。射出部Miは射出部前後進モータ35により固定プラテン20に対して前後進する。
図2は本発明に係る機能を有する射出成形機の制御装置を説明する図である。制御装置3は、射出成形機2を制御し成形品の生産を制御する。プロセッサ40は、バス41を介してサーボインタフェース42、システムプログラムを記憶するROM43、データの一時記憶や各種制御プログラムを記憶するRAM44、表示装置付入力装置用インタフェース45と接続されている。ROM43は、本発明に係る段取りを支援するための処理プログラムを記憶している。
サーボインタフェース42にはサーボアンプ37が接続されている。また、表示装置付入力装置用インタフェース45には表示装置付入力装置46が接続されている。表示装置付入力装置46は、タッチパネル式の液晶ディスプレイとキーボードなどで構成されている。表示装置付入力装置46のタッチパネル式の表示装置の表示画面に各種インタフェース画面を表示することで各種指令、各種パラメータの設定が可能である。
プロセッサ40は、射出成形機2の全体を制御するプロセッサである。サーボアンプ37には、エジェクタ前後進モータ23、トグル機構駆動モータ29、スクリュ回転モータ32、スクリュ前後進モータ33などが接続される。図ではサーボアンプ37は1つとして図示されているが、前記それぞれのモータに各々サーボアンプが接続されている。また、各サーボモータには図示省略した位置・速度センサが内蔵され、位置・速度検出信号が制御装置3にフィードバックされる。
射出成形機2は、上述したように様々な装置で構成されており、それぞれにセンサが備えられ、射出成形機の稼働中の様々な物理量を測定している。射出成形機2を全体的に制御する制御装置3は、型締力制御、型開閉、型厚調整、エジェクト、スクリュ回転、スクリュ前後進、射出ユニット前後進等を駆動するための制御、樹脂材料の適量を供給する供給装置の回転量の制御の他、ノズルやシリンダやホッパ下部の温度を制御する温度制御、樹脂の射出圧力を制御する圧力制御、ノズルタッチ力制御等を行なう。
周辺装置としては、制御装置4に制御される成形品取出装置(成形品取出しロボット5)の他、インサート品挿入装置、入子挿入装置、インモールド成形の箔送り装置、フープ成形用フープ送り装置、ガスアシスト成形用ガス注入装置、超臨界流体を用いた発泡成形用のガス注入装置や長繊維注入装置、LIM成形用2材混合装置、成形品のバリ取り装置、ランナ切断装置、成形品重量計、成形品強度試験機、成形品の光学検査装置、成形品撮影装置及び画像処理装置、成形品運搬用ロボットなどがある。これらの装置の中にはセンサを備えてクローズドループによるフィードバック制御やフィードフォワード制御を行っている制御装置もある。また、データだけを出力する装置もある。
上述した射出成形システム1は公知のものである。本発明の一実施形態である射出成形システム1の射出成形機2を制御する制御装置3は以下の機能を有する。以下、図3に示す機能ブロック図を用いて、本発明に係る地震発生による射出成形機の振動を検知する機能を説明する。
図3において、3は射出成形機全体の動作制御を行う制御装置、50は射出成形加工システムの各部に備えられた多数のセンサで構成されるセンサ群、46は射出成形機の前面部に配設された入力装置と該入力装置とから構成される表示装置付入力装置である。サーボアンプ37は射出成形機2や成形品取出しロボット5に備わったサーボモータに接続され、各サーボモータの駆動源である。
制御装置3は上述したように、樹脂材料の供給動作、射出動作、型開閉動作、エジェクト動作等の成形行程全体の制御や、実測データの演算・格納処理、良/不良品の判定処理、異常判定処理等の演算・判定処理、あるいは上記表示装置付入力装置46の出力画像の制御処理等々を実行する。
制御装置3は、図2に示されるように、実際には各種I/Oインタフェース、ROM、RAM、CPU等を備え、予め作成された各種プログラムにより各種処理を実行する。本実施形態においては、成形条件設定記憶部54、稼働状態変更部55、物理量データ記憶部56、モニタデータ処理部57、地震性振動検知部58、表示制御部59、及び異常判定部60を備えたものとして、以下の説明を行う。なお、稼働状態変更部55は成形プロセス制御部として機能する。
成形条件設定記憶部54には、表示装置付入力装置46等によって入力された各種運転条件値が、書き替え可能な形で記憶されている。この運転条件値としては、例えば、計量工程時のスクリュ位置とスクリュ回転数及び背圧との関係、サックバック制御条件、射出開始点(位置)から保圧切替点(位置)までの射出速度条件並びに射出圧力条件、保圧切替時点から保圧終了時点までの2次射出圧力(保圧圧力)条件、各部のバンドヒータ温度、型閉じ(型締め)ストロークと速度制御条件並びに型締力、型開きストロークと速度制御条件、エジェクト制御条件、製品自動取り出し機の制御条件等々が挙げられる。
稼働状態変更部55は、予め作成された成形プロセス制御プログラムと成形条件設定記憶部54に格納された設定条件値とに基づき、射出成形機の各部に配設された前記センサ群50(位置センサ、圧力センサ、温度センサ等々)からの物理量の計測情報を、リアルタイムで取り込む物理量データ記憶部56からのデータ及び自身に内蔵されたクロックからの計時情報を参照しつつ、サーボアンプ37を介して対応するモータを駆動制御し、一連の成形行程を実行させる。
物理量データ記憶部56は、射出成形機2やロボット5などが備えた各センサから物理量データとして、温度、位置、速度、加速度、電流、電圧、圧力、時間、画像データ、画像解析データ、トルク、力、歪、消費電力、金型開き量、バックフロー量、タイバー変形量、ヒータ加熱率、成形品の重量、成形品の強度、成形品の寸法、成形品の画像データから算出される外観、成形品各部の長さ、角度、面積、体積、光学成形品の光学検査結果、成形品強度計測結果、透明成形品の光軸ズレ量、さらに各物理量を演算処理して算出した算出値などを取得して記憶する。
ここで、地震性振動検知部58による地震性振動の検出方法を説明する。射出成形機に備わった重量の大きい部品を駆動させる型開閉用サーボモータ(トグル機構駆動モータ29)や射出用サーボモータ(スクリュ前後進モータ33)などの駆動用モータは、加工プログラムに基づくモータ自身の動作によって、その動作に依存した物理量の変動がある。射出成形システム1の射出成形機2又は周辺装置の成形品取出しロボット5おいて、加工プログラムに基づいて、正常に稼働を行う稼働状態において、動作に固有の物理量変動を検知することが可能である。
一方、重量の大きい部品を駆動させている型開閉用サーボモータや射出用サーボモータは、加工システムの射出成形機が地震で振動した際に、モータの駆動速度や駆動加速度、樹脂圧力、位置などを設定通りに維持しようとするために、モータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値が大きく変動する場合がある。
つまり、駆動部を有する射出成形機2やその周辺装置の成形品取出しロボット5からなる射出成形システム1は、その射出成形システム1の稼働状態を示す物理量を観測する。射出成形システム1は、射出成形システム1の射出成形機2や成形品取出しロボット5が稼働時に地震による外力を受け、射出成形システム1の射出成形機2や成形品取出しロボット5が振動した時に、前記物理量に基づいて、射出成形システム1の射出成形機2や成形品取出しロボット5に外力が掛かったことを検知する地震性振動検知部58を備えることで、地震の発生および大きさを検知できる。
すなわち、物理量である検出値が大きく変動する検出値から、加工プログラムに基づく駆動用モータの駆動時に合わせて発生する物理量の変動を、加工プログラムを実行することにより発生する固有の物理量変動として分別すれば、つまり、何等かの振動を検知した際に稼働時正常物理量を分別して除外すれば、加工システムと独立した外力に基づく振動の検知が可能となる。これを地震性振動として検知することが可能となる。そして、検知した地震性振動に基づいて加工システムを緊急停止させることによって加工機、周辺装置、ツールなどの故障を防止することが可能となる。
地震性振動検知部58は、射出成形システム1のモータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値のうちの少なくとも一つを用いることで、高感度の検知が可能となる。
図4は連続成形中に検出される射出用モータトルクの検出値を示す図である。図4Aは地震発生時に検知された射出用モータトルクの検出値である。図4Bは通常の加工工程における射出用モータトルクの検出値である。図4Cは両者の差分(図4Aと図4Bを参照)で検知された地震性振動データである。
また、地震性振動検知部58は、地震発生時に検知された物理量と前記稼働時正常物理量をFFTによる周波数解析で比較してもよい。加工プログラムに基づく機械動作に起因する前記稼働時正常物理量と異なる物理量に起因する周波数のピークを検知したら、地震性物理量として検出することが可能である。
図5はFFTの解析結果を示す図である。図5Aは図4Aの地震発生時の地震性振動検知部58が検知した振動のFFT解析結果であり、図5Bは図4Bの稼働時正常物理量のFFT解析結果である。
図5Bに対し、図5Aには0.62秒周期のスペクトルのピークが許容値を超えて出現している事から、0.62秒周期の地震性物理量が発生していることが検知されている。加工システムが正常に稼働している時に稼働時正常物理量のスペクトル解析をしておき、地震性振動検知部58が検知する物理量をリアルタイムでFFT解析していれば、新たなピークが発生した時にすぐに地震を検知することができる。この際、
(スペクトルの差分)=(検知した物理量のスペクトル)−(稼働時正常物理量のスペクトル)
を監視しておき、所定の値以上のピークがプラス方向に出現したら地震性物理量を検知したと判定するようにしてもよい(図5C)。なお、FFT解析のタイミングによっては稼働時正常物理量のスペクトルに存在するピークに対し、検知した物理量のスペクトルからピークが減少あるいは消滅している可能性があり、その場合の差分はマイナス方向のピークが出現するが、これは新たな物理量に起因するピークではないので、地震性物理量としては検出させない。
さらに、前記差分と前記FFT解析を組み合わせて、双方から地震性物理量を検出された場合に地震が発生したと判定させるようにしてもよい。
なお、地震性振動検知部58が地震性物理量の検知に用いる物理量は、射出成形システム1の射出成形機2または成形品取出しロボット5に搭載されたモータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値、のうちの少なくとも一つとしてよい。
工場内において重量物の落下や大型トラックの振動など短時間の振動が発生する場合がある。そこで所定時間以上に振動が継続したら地震と判定することによって、地震性振動検知部58の検知精度を上げるようにしてもよい。
これに呼応させるために、射出成形システム1の射出成形機2または成形品取出しロボット5の各駆動部の加減速プロファイルなどに同調して発生する物理量変化を検知する地震性振動検知部58が検知する物理量も、モータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値のうちの少なくとも一つにするとよい。
射出成形システム1の正常な稼働時の物理量変化は、事前の複数の動作条件下での実験値と理論式から理論値を求めてもよい。全ての動作条件について実験で確認することは時間と労力が必要である。そこで、2点あるいは3点以上の実験値から近似曲線を求め、近似曲線式から理論値を算出するようにしてもよい。複数段の速度設定などによって、モータ負荷は複雑に変化するため、動作条件の変化に合わせて、それぞれの条件下での近似曲線を算出し、つなぎあわせて理論値を算出してもよい。
射出成形システム1を連続運転中で、稼働状況が安定している場合は、地震性振動検知部58において、センサで検知した物理量と前記稼働時正常物理量の差分をとると、容易に地震性物理量を検知することができる。
射出成形システム1の射出成形機2または成形品取出しロボット5の各駆動部の動作条件と前記稼働時正常物理量の検出値を組み合わせて、成形条件設定記憶部54に記憶させてもよい。これによって、金型交換時など成形内容を変更する際に、稼働時正常物理量の検出値も併せて読み出すことが可能となるため、金型交換など成形内容を変更するたびに稼働時正常物理量を検出する手間が省ける。
さらに、射出用モータ(スクリュ前後進モータ33)の負荷トルクの記憶値を使用する場合は、毎ショットの射出開始点で記憶されているデータとの差分処理を開始すると、精度よく地震性物理量を検知することが可能である。同様に、金型開閉用モータの負荷トルクの記憶値を使用する場合は、型閉じ開始点を合わせて検出値と記憶値との差分をとることで、精度良く地震性振動の検知が可能となる。負荷トルクは例えば物理量データ記憶部56に格納される。
図6は本発明に係る擬似地震性振動検出部を備えた制御装置ブロック図を示す図である。射出成形システム1や、射出成形機2、成形品取出しロボット5、または、射出成形機2の特定の駆動装置などから取得される物理量を、駆動部が停止中であって、かつ、地震性振動検知部58が検知可能な状態において、加振機70により外部からの振動を付加させて意図的に振動させると、地震性振動検知部58が擬似地震性振動検出部61として機能し、検知した検出値を疑似地震性振動として検出し、加振機70により外部から付加した外部振動レベルと前記疑似地震性振動の検出値を合わせて、擬似地震性振動レベル設定部62に記憶させる。射出成形システム1が地震発生時に受ける地震規模に応じた地震性振動を予め設定しておくことが可能となる。これらの設定は、成形条件設定記憶部54に記憶してもよい。
例えば、加振機70により外部からの振動レベルをレベル分けするために、震度4,5,6,7相当で疑似地震性振動を与えた際の検出値を、擬似地震性振動レベル設定部62にそれぞれの疑似地震性振動レベルの境界値として設定し、設定された疑似地震性振動レベルに基づいた地震警告レベルを地震警告レベル設定部63によりそれぞれ設定する。
これによって、地震発生時の振動の検出値に応じた地震警告を、地震警告情報出力部64から他の射出成形システム6又は集中管理システム7に地震警告情報として出力する。そして、前記地震警告情報を入力した他の射出成形システム6又は集中管理システム7が、前記警告情報に基づいて加工システムを緊急停止させることが可能となる。制御装置3に緊急停止レベル設定部を備えてもよい。なお、各加工システムは、前記地震警告情報を入力するための地震警告情報入力部65を備えてもよい。
これらの射出成形システム6や集中管理システム7が、地震を検知した加工システムから離れた別工場にあれば、地震の振動が到達する前に地震レベルに応じて加工システムの緊急停止が可能となり、加工システムの故障やワークの加工ミスなどを防止することが可能となる。また、実際の振動に基づいた情報であるため、緊急地震速報に基づく緊急停止よりもより精度よく地震の規模に応じた停止が可能となる。
各加工システムの加工精度や耐振動性などを考慮して、どの地震警告レベルで緊急停止するかを予め設定しておき、入力された地震警告情報に基づいて緊急停止するかどうかを判定するようにしてもよい。これにより、ムダな緊急停止を防ぐことも可能となり、緊急停止に起因するワークの破棄や再立ち上げなどの無駄な工数の発生を防止することが可能となる。この設定データを成形条件設定記憶部54に記憶してもよい。
また、地震の震度は、一般的に最大加速度、最大速度、周期などに基づいて決定される。そこで、これらの検知値に基づいて地震警告レベルを設定すると、疑似的に震度に基づいた地震警告情報を出力することができ、これにより、人間が感じる一般的な地震の震度を考慮して緊急停止させるか否かを予め設定することも可能となる。この対応テーブルも成形条件設定記憶部54に記憶してもよい。
なお、XYZの各方向へ被駆動物を動かす駆動モータを搭載する加工機であれば、どの方向に振幅を持った振動に対してもより高精度に地震性振動の検知が可能となる。さらに、同工場内にて複数の加工機から、それぞれXYZ方向の振動情報を集め、高精度に地震性振動の検知を行うようにしてもよい。
地震警告レベルに基づいて、どの地点の加工システムまで地震警告情報を送信するかを設定するようにしてもよい。図7は、射出成形システム1などの加工システムのネットワーク群の模式図である。
例えば工場A内の加工システムに、振動レベル1〜4ごとにどの工場の加工システムまで地震警告情報を送信するかを予め設定しておく。図7のケースでは、振動レベル1の場合は、工場B,Cに送信、振動レベル2の場合はさらに工場D,E,F、振動レベル3の場合はさらに工場7G,H、振動レベル4の場合は最も遠方にある工場Iへ送信するように予め設定しておく。工場B〜工場Iについてもそれぞれ振動レベルに応じて、地震情報をどの工場の加工システムまで送信するかを予め設定しておく。このように事前に設定しておくと、弱い地震で遠方の工場まで情報を送信する必要が無い場合には、無駄な情報の送信を行わず、これによって無駄な加工停止を防止することができる。
さらに、射出成形システム1などの各加工システム間の距離を、加工機間距離記憶部に記憶させておき(図6参照)、前記距離と地震警告レベルに応じて地震警告情報を送信するようにしてもよい。図8はある加工システムから他の加工システムまでの距離の関係のテーブルを示す図である。
この場合、予め各加工システムの距離を入力すれば、自動的に加工システム間距離に基づいて前記データ送信地点設定を行うことが可能となる。なお、加工システム間の距離は、同じ工場内の他の加工システムとの距離でもよいし、他の工場内の加工システムとの距離であってもよい。加工システムと加工システムの間の距離は実距離でもよいし、地盤の構造による地震の揺れ具合に応じて調整してもよい。加工機間の距離を記憶してもよい。また、所定時間以上に振動が継続したら地震と判定することによって、警告情報を他の加工システムや、集中管理システムに出力してもよい。
一つの加工システムからの情報では、地震の誤検知の可能性がある場合は、複数の加工システムから地震警告情報が届いた場合に緊急停止を行うようにしてもよい。これにより、より高精度に地震性振動の検知が可能となる。
加工機の故障やワーク、ツール等の破損を防止するため、稼働状態変更部55は、緊急停止時には、各駆動手段毎に予め設定した速度以下に減速させた後に急停止させるようにしてもよい。この設定テーブルを成形条件設定記憶部54に記憶してもよい。
図3に示されるように、物理量データ記憶部56は、射出成形時にセンサ群50が観測した物理量データを前記射出成形により成形された一つの成形品の物理量データとして記憶する。入力される物理量データは、最新の成形運転で取得したデータでも、過去の成形運転で取得したデータでもよい。また、他の加工システムや集中管理システムに記憶された物理量データを入力して記憶したり、出力したりすることも可能である。
モニタデータ処理部57は、成形条件設定記憶部54や物理量データ記憶部56のデータを取り込み、各モニタ項目毎に予め設定されている上・下限値内(良品成形を保証する許容範囲内)に総ての実測データが入っているか否かを1ショット毎に判定し、この判定結果を稼働状態変更部55や必要に応じ表示制御部59に送出するようになっている。
本発明の実施形態においては、地震性振動検知部58を備えている。地震性振動検知部58が地震性振動のレベルを判定し、振動が第1のレベルを超え且つ第2のレベル以下か(振動が小さなレベルであるか)、振動が第2のレベルを超え且つ第3のレベル以下か(振動が中程度のレベルであるか)、振動が第3のレベルを超えるか(振動が大きなレベルか)を判別し、この振動レベルに応じた制御信号を各部に送出するようになっている。
すなわち、振動が小さなレベルである場合には、地震性振動検知部58は、この旨を稼働状態変更部55及び表示制御部59に認知させて、稼働状態変更部55をして振動発生時のショットの成形品を成形品取出しロボット5により不良品溜めに運ばせると共に、表示制御部59をして表示装置付入力装置46にアラームメッセージを表示させ、且つ図示せぬ警音発生手段により警音を発生させる。なお、この際には成形自動運転は継続される。
また、振動が中程度のレベルである場合には、地震性振動検知部58は、この旨を稼働状態変更部55及び表示制御部59に認知させて、稼働状態変更部55をして射出成形機を直ちに一時停止させると共に、表示制御部59をして表示装置付入力装置46にアラームメッセージを表示させ、且つ図示せぬ警音発生手段により警音を発生させる。射出成形機2の制御装置3から成形品取出しロボット5の制御装置4にも地震性振動が中程度であるとの情報が伝達され、射出成形機2の一時停止と連動して成形品取出しロボット5も一時停止する。
また、振動が大きなレベルである場合には、地震性振動検知部58は、この旨を稼働状態変更部55及び表示制御部59に認知させて、稼働状態変更部55をして直ちに射出成形機を停止させ、さらに図示せぬ電源回路をして射出成形機の電源をオフさせると共に、射出成形機2をバッテリー駆動状態に切替えて表示制御部59をして表示装置付入力装置46の表示画面にアラームメッセージを表示させ、且つ図示せぬ警音発生手段により警音を発生させる。なお、この際にはアラームメッセージ情報はバッテリーバックアップされた図示せぬアラーム履歴格納部に記憶するようにされる(勿論、振動が小さなレベルや中程度のレベルであった場合にも、この旨を示すアラームメッセージ情報がアラーム履歴格納部に記憶される)。射出成形機2の制御装置3から成形品取出しロボット5の制御装置4にも地震性振動が大程度であるとの情報が伝達され、射出成形機2の停止と連動して成形品取出しロボット5も停止する。
表示制御部59は、表示装置付入力装置46の入力装置を介して、オペレータからの表示画面選択指令に基づき、図示せぬ画面作成テーブルを参照して予め作成された多数のモード画面の中の1つを表示装置付入力装置46の表示画面上に表示させ、この選択された画面モードに応じ、必要に応じ成形条件設定記憶部54、物理量データ記憶部56、モニタデータ処理部57に記憶されたデータもしくは処理された出力データを適宜取り込んで、各種条件設定モード画面、現ショットの状態監視モード画面、各種の実測データのグラフィックもしくは数値表示モード画面、各種統計モード画面等々を表示する。また、上記した任意の画面モードの表示状態で異常が発生した場合は、表示制御部59は、図示せぬアラームメッセージ格納テーブルから対応するメッセージ情報を取り出し、アラームメッセージを強制表示させるようになっている。
次に、上記した構成による本実施形態の動作を説明する。いま、射出成形機が自動成形運転モードで連続成形を行っている際に、地震等によって振動が発生すると、地震性振動検知部58によるレベル判定の結果、振動が第1のレベルを超え且つ第2のレベル以下の場合(振動が小さなレベルの場合)には、地震性振動検知部58は、振動「小」である旨を示す信号を前記稼働状態変更部55に送出して、該稼働状態変更部55をして成形品取出しロボット5により今回の(振動発生時の)ショットの成形品を不良品として不良品溜めに運ばせる。
また、地震性振動検知部58から振動「小」である旨を示す信号が表示制御部59にも送出されて、これにより表示制御部59はアラームメッセージ格納テーブルから対応するメッセージ情報を取り出し、表示装置付入力装置46に例えば図9に示したようなアラームメッセージを強制表示させる。さらに、図示せぬ警音発生手段によって警音を発生させる。なお、本実施形態においては不良判定を下した成形品を成形品取出しロボット5によって不良品溜めに運ばせるようにしているが、金型から離型された成形品を分別する適宜成形品振り分け手段を成形品取出しロボット5に代替し得ること当業者には自明である。
また、地震性振動検知部58で検知した振動のレベルが第2のレベルを超え且つ第3のレベル以下の場合(振動が中程度のレベルの場合)には、地震性振動検知部58は、振動「中」である旨を示す信号を前記稼働状態変更部55に送出して、安全性を確保するために稼働状態変更部55によって自動成形運転を直ちに一時停止させる。同時に、地震性振動検知部58は振動「中」である旨を示す信号を前記表示制御部59にも送出して、これにより表示制御部59はアラームメッセージ格納テーブルから対応するメッセージ情報を取り出し、表示装置付入力装置46の表示画面に例えば図10に示したようなアラームメッセージを強制表示させる。
また、地震性振動検知部58で検知した振動のレベルが第3のレベルを超えた場合(振動が大きなレベルの場合)には、地震性振動検知部58は、振動「大」である旨を示す信号を前記稼働状態変更部55及び表示制御部59に送出して、安全性を確保するために稼働状態変更部55によって自動成形運転を直ちに停止させて射出成形機各部を停止状態におき、また、図示せぬ電源回路をして射出成形機の電源をオフさせると共に射出成形機をバッテリー駆動状態に切替えて、射出成形機の要部制御回路系のみをバッテリーバックアップする。バッテリーバックアップされた表示制御部59はアラームメッセージ格納テーブルから対応するメッセージ情報を取り出し、同じくバッテリーバックアップされた表示装置付入力装置46の表示画面に例えば図11に示したようなアラームメッセージを強制表示させる。
なお、本実施形態においては、センサ群50から入力する物理量として、駆動軸の水平成分、垂直成分に分けて入力でき、地震性振動検知部58は横揺れと縦揺れのデータが波形グラフィックもしくは数値データとして、必要に応じ表示装置付入力装置46で表示もしくはプリンタで出力可能とされており、これにより例えば振動データと成形品品質との関連性等を解析可能となっている。
異常判定部60は、成形条件設定記憶部54や物理量データ記憶部56のデータを取り込み、予めケーススタディした図示せぬ異常判定テーブルの内容を参照して、異常が発生していないかを常時監視している。そして、異常判定部60が異常事態の発生を認知すると、例えば警音を発生させると共に、図示せぬアラームメッセージ格納部から対応するメッセージ情報を引き出させて表示制御部59により表示装置付入力装置46にアラームメッセージを強制表示させるようになっている。また、異常内容が所定レベル以上のものと判定された場合には、この旨を示す信号が異常判定部60から稼働状態変更部55に送出され、稼働状態変更部55が射出成形機を緊急停止させるようになっている。
上述したように、本発明により、外部からの緊急地震速報や、地震による振動を測定するための地震計を加工機に付加することなく、加工機やその周辺装置に実際に掛かる振動に基づいて、地震発生時に加工機を停止させることが可能な加工システムを提供できる。
本発明により、加工機が地震を検知したら、他の加工機に情報を送信させて緊急停止させることが可能となり、緊急地震速報ではなく、加工機が検知した振動に基づいて、地震到達前に他地区の加工機も非常停止させることが可能となり、必要最低限の機械について緊急停止を行うことが可能となり、機械の加工精度に応じて、停止させるための振動の許容値を予め設定しておく(超精密加工の場合、弱い地震でも停止させる)ことができ、地震検知のための専用振動計が必要ない。また、他工場への地震情報伝達のための専用ネットワークが不要で、既存の生産管理等のネットワークをそのまま使える。
Mi 射出部
Mc 型締部
Mb 機台

1 加工システム
2 射出成形機
3 制御装置
4 制御装置
5 成形品取出しロボット
6 他の加工システム
7 集中管理システム

20 固定プラテン
21 リアプラテン
22 可動プラテン
23 エジェクタ前後進モータ
24 タイバー
25 トグル機構
26 エジェクタ機構
27 可動側金型
28 固定側金型
29 トグル機構駆動モータ
30 シリンダ
31 ホッパ
32 スクリュ回転モータ
33 スクリュ前後進モータ
34 スクリュ
35 射出部前後進モータ
36 リアプラテン前後進モータ
37 サーボアンプ

40 プロセッサ
41 バス
42 サーボインタフェース
43 ROM
44 RAM
45 表示装置付入力装置用インタフェース
46 表示装置付入力装置

50 センサ群

54 成形条件設定記憶部
55 稼働状態変更部
56 物理量データ記憶部
57 モニタデータ処理部
58 地震性振動検知部
59 表示制御部
60 異常判定部
61 擬似地震性振動検出部
62 擬似地震性振動レベル設定部
63 地震警告レベル設定部
64 地震警告情報出力部
65 地震警告情報入力部

70 加振機

Claims (19)

  1. 駆動部を有する機械の稼働状態に関する物理量を取得する前記機械の制御装置であって、
    前記機械の稼働時に地震による外力を受け前記機械が振動した時に、前記物理量に基づいて、前記機械に前記地震による外力が掛かったことを検知する地震性振動検知部と、
    前記駆動部が停止中に前記機械を意図的に外力により振動させた際に取得される物理量を、疑似地震性振動として検出する疑似地震性振動検出部と、
    前記疑似地震性振動の検出値の大きさをレベル分けするための1つ以上の境界値を設定する疑似地震性振動レベル設定部と、
    前記疑似地震性振動レベル設定部が設定した前記レベル分けに基づいて、地震警告レベルを設定する地震警告レベル設定部と、
    を備えたことを特徴とする前記機械の制御装置。
  2. 駆動部を有する機械の稼働状態に関する物理量を取得する前記機械の制御装置であって、
    前記機械の稼働時に地震による外力を受け前記機械が振動した時に、前記物理量に基づいて、前記機械に前記地震による外力が掛かったことを検知する地震性振動検知部を備え
    前記取得される物理量は、
    前記機械に搭載されたモータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値、のうちの少なくとも一つである、
    ことを特徴とする前記機械の制御装置。
  3. 前記地震性振動検知部によって検知された外力に基づいて、前記機械の稼働状態を変更する稼働状態変更部、
    を備えた請求項1または2に記載の前記機械の制御装置。
  4. 前記地震性振動検知部は、更に、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量に基づいて、前記機械に地震による外力が掛かったことを検知する、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  5. 前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量は、
    前記機械が正常な稼働状態において、前記機械の前記駆動部の動作に同調する物理量である、
    請求項4に記載の前記機械の制御装置。
  6. 前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量は、複数の動作条件下での実験値と理論式から算出した理論値である、
    請求項4または5に記載の前記機械の制御装置。
  7. 前記地震性振動検知部は、
    前記機械の稼働時に外力を受け前記機械が振動した時に取得される物理量と、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量との差分、
    または、
    前記機械の稼働時に外力を受け前記機械が振動した時に取得される物理量と、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量のFFT解析に基づいて、前記機械に前記地震による外力が掛かったことを検知する、
    請求項4〜6のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  8. 前記機械は、前記機械が前記外力を受けない時に取得される物理量と、前記機械の各駆動部の動作条件とを、組み合わせて記憶する、
    請求項4〜7のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  9. 前記駆動部が停止中に前記機械を意図的に外力により振動させた際に取得される物理量を、疑似地震性振動として検出する疑似地震性振動検出部と、
    前記疑似地震性振動の検出値の大きさをレベル分けするための1つ以上の境界値を設定する疑似地震性振動レベル設定部と、
    前記疑似地震性振動レベル設定部が設定した前記レベル分けに基づいて、地震警告レベルを設定する地震警告レベル設定部と、
    を有する請求項2に記載の前記機械の制御装置。
  10. 設定された前記地震警告レベルと前記地震性振動の検出値に基づいて、地震警告情報を他の機械、または、前記機械を管理する集中管理システムに出力する地震警告情報出力部と、
    前記他の機械、または、前記集中管理システムからの前記地震警告情報を入力する地震警告情報入力部と、
    を有する請求項1または9に記載の前記機械の制御装置。
  11. 機械ごとにどの地震警告レベルで緊急停止するかを予め設定する緊急停止レベル設定部を更に有する請求項10に記載の前記機械の制御装置。
  12. 前記地震警告レベルは、最大加速度、最大速度、周期の少なくとも一つに基づいて各レベルの境界値を設定する、
    請求項1、9〜11のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  13. 前記地震警告レベルに基づいてどの地点の前記機械まで地震警告情報を送信するかを設定するデータ送信地点設定部を更に有する請求項1、10〜12のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  14. 各機械間の距離を記憶する機械間距離記憶部を更に有し、
    前記機械間距離に基づいて前記データ送信地点設定部による地点設定を自動で行う請求項13に記載の前記機械の制御装置。
  15. 前記地震性振動検知部が、予め設定した所定時間以上、前記機械に外力が掛かっていることを検知したら、地震警告情報を出力することを特徴とした請求項1〜14のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  16. 複数の地震警告情報が届いた場合に、前記機械の緊急停止を実行する請求項10〜15のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置。
  17. 前記稼働状態変更部は、前記駆動部を予め設定した速度以下に減速させた後に急停止させる、請求項3に記載の前記機械の制御装置。
  18. 前記取得される物理量は、
    前記機械に搭載されたモータの負荷トルク、モータ負荷電流、モータの位置センサの検出位置、モータの位相センサの検出位置、力や圧力を検出するロードセルの検出値、のうちの少なくとも一つである、
    請求項1に記載の前記機械の制御装置。
  19. 前記機械の一つである加工機と前記機械の一つである前記加工機の周辺装置を含み、請求項1〜18のいずれか1つに記載の前記機械の制御装置を備えたことを特徴とする加工システム。
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