JP6594515B2 - 被検体情報取得装置及びその制御方法 - Google Patents

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本発明は、被検体情報取得装置及びその制御方法に関する。
従来、主に医療分野において、パルス光を被検体に照射し、被検体内部から発生する音響波を探触子で受信して被検体内部の形態や機能を画像化する被検体情報取得装置が研究されている。このような装置の使用者が被検体の撮影を開始すると、まず、被検体情報取得装置内部のコントローラが光源の駆動回路に信号を送り、パルス光を照射させる。このパルス光が被検体内部や表面の光吸収体で吸収されると、光音響効果により音響波が発生する。この音響波は、探触子により光音響信号と呼ばれる電気信号に変換される。コントローラはこの光音響信号を増幅し、信号処理および画像再構成処理を行い、診断画像を使用者に提示する。
このような被検体情報取得装置の中で、探触子を走査しながら音響波を受信するタイプのものが提案されている。例えば特許文献1では、球面上に配置された受信素子群を持つ探触子が被検体の周囲を三次元的に走査することで、分解能のばらつきを低減させている。このような装置において、探触子と被検体の間はインピーダンスマッチング材で満たされ、被検体で発生した音響波が探触子に効率よく届くようにしている。
一方、超音波診断装置の分野では、音響波の受信時刻に応じて増幅部のゲインを変えて音響波の減衰を補正する処理が一般的に行われている。この処理をTGC(Time−Gain−Control)と呼び、時刻とゲインの関係を示す曲線をゲインカーブと呼ぶ。
特開2012−179348号公報
特許文献1の被検体情報取得装置において、被検体あるいは探触子を走査すると、探触子上の各受信素子から被検体までの位置関係が変わる。これにより、被検体内部で発生した音響波が各受信素子に到達するまでに減衰する割合も、走査中に変化する。そのような音響波を用いて被検体内部の診断画像を生成した場合、コントラストのばらつきが発生するおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、探触子を走査しながら音響波を受信する被検体情報取得装置において、生成される画像データのコントラストのばらつきを抑制することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持する探触子であって、前記複数の受信素子のそれぞれは、光源から被検体への光の照射により発生した音響波を受信して電気信号を出力するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて配置される、探触子と、
前記複数の受信素子から出力される複数の前記電気信号を増幅する増幅部と、
前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させる走査部と、
前記複数の受信素子が前記音響波を受信して出力される前記複数の電気信号に対して前記増幅部によって適用される複数の時間依存のゲインを決定する制御部と、
前記増幅部によって増幅された前記複数の電気信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する処理部と、
を有し、
前記制御部は、前記探触子の前記被検体に対する複数の相対的な位置において、前記複数の受信素子と前記被検体の間の複数の距離に基づいて、前記複数の電気信号に適用される前記複数の時間依存のゲインを決定する
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明は、また、以下の構成を採用する。すなわち、
複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持する探触子であって、前記複数の受信素子のそれぞれは、光の導入により被検体から発生した音響波を受信して電気信号を出力するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて
配置される、探触子と、
前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させる走査部と、
前記複数の受信素子から出力される複数の電気信号に複数の時間依存のゲインを適用することで時間依存のゲイン制御を行う増幅部であって、前記複数の時間依存のゲインは、前記複数の受信素子が複数の前記音響波を受信するときの、前記探触子と前記被検体の間の距離に基づいて決定されるものである、増幅部と、
を有することを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明は、また、以下の構成を採用する。すなわち、
探触子と、走査部と、増幅部とを有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
前記探触子は、複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて配置されるものであり、

前記複数の受信素子のそれぞれが、光の導入により被検体から発生した音響波を受信して電気信号を出力するステップと、
前記走査部が、前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させるステップと、
前記増幅部が、前記複数の受信素子から出力される複数の電気信号に複数の時間依存のゲインを適用することで時間依存のゲイン制御を行うステップと、
を含み、
前記複数の時間依存のゲインは、前記複数の受信素子が複数の前記音響波を受信するときの、前記探触子と前記被検体の間の距離に基づいて決定されるものである、
ことを特徴とする被検体情報取得装置の制御方法である。
本発明の被検体情報取得装置によれば、探触子を走査しながら音響波を受信する被検体情報取得装置において、生成される画像データのコントラストのばらつきを抑制できる。
第一実施例におけるブロック構成図 第一実施例における動作フローチャート 第一実施例におけるゲイン設定の一例を示す図 第一実施例における探触子と被検体の位置関係を示す図 第一実施例における測定座標および測定領域の一例を示す図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝播する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPU等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した記憶媒体としても捉えられる。本発明はまた、音響波測定装置やその制御方法としても捉えられる。
本発明は、被検体に光(電磁波)を照射し、光音響効果に従って被検体内または被検体表面の特定位置で発生して伝播した音響波を受信(検出)する、光音響トモグラフィー技術を利用した被検体情報取得装置に適用できる。このような装置は、光音響測定に基づき被検体内部の特性情報を画像データや特性分布情報などの形式で得ることから、光音響撮像装置、光音響画像形成装置、あるいは単に光音響装置とも呼べる。
光音響装置における特性情報は、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布などである。具体的には、酸化・還元ヘモグロビン濃度分布や、それらから求められる酸素飽和度分布などの血液成分分布、あるいは脂肪、コラーゲン、水分の分布などである。また、特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報を被検体情報としてもよい。
本発明は、被検体に超音波を送信し、被検体内部で反射した反射波(エコー波)を受信して、被検体情報を画像データとして取得する超音波エコー技術を利用した装置にも適用できる。超音波エコー技術を利用した装置の場合、取得される被検体情報とは、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。探触子により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼び、光音響波に由来する音響信号を特に光音響信号と呼ぶ。
本発明における被検体としては、生体の乳房が想定できる。ただし被検体はこれに限ら
れず、生体の他の部位や、非生体材料の測定も可能である。
[第一実施例]
本発明の第一実施例に係る装置は、光音響信号を取得したタイミングでの探触子の位置に応じて光音響信号のゲインを変更する。
<装置の構成と機能>
図1は、第一の実施例の装置構成を示す。図1において、符号101は測定対象となる被検体であり、被検者の体の一部である。この例での被検体は乳房とする。符号102は被検体を保持し形状を規定する被検体保持部材である。被検体保持部材102としては、光と音響波を透過する材質が好ましく、カップ状に成形されたポリメチルペンテンなどの薄膜が好適に用いられる。被検体情報取得装置は、カップ状の被検体保持部材102を取り付ける取付部を有することが好ましい。被検体保持部材を用いれば、各受信素子と被検体保持部材上の点との位置関係が、探触子の走査位置ごとに予め定められるので、増幅に用いるゲインを予め求めておいてメモリに保管しておける点で好ましい。
また、互いに異なる複数のサイズのカップ状の被検体保持部材を用意しておき、被検体のサイズや所望の圧迫厚に応じて、取付部にて交換可能とすると良い。あるいは、高いに形状が異なる複数のカップ状保持部材を用意してもよい。
これらの場合、上述したような、探触子の走査位置、各受信素子の位置、および保持部材上の点の位置から定まるゲインカーブを、保持部材の種類に応じてメモリに保管しておくことが好ましい。制御部が取付部に設置された保持部材の種類を読み取る方法は任意である。例えば、保持部材にICタグやバーコードなどを配置しておき、対応する読み取り手段を用いることが好適である。また、ユーザが保持部材を設置した時に手動で保持部材の種類(または必要情報そのもの)を入力しても良い。そして、制御部は、読み取った保持部材の種類に応じたゲインをメモリから読み出して、増幅処理に用いるゲインとして決定する。
符号103は被検体101からの音響波を受信し光音響信号に変換する探触子である。探触子103は球面状に多数の受信素子を配置させた構成をしており、被検体からの音響波をさまざまな角度から受信できる。符号104は探触子を支持する支持体である。符号105は、探触子103をXY平面上で走査するXYステージであり、支持部材104により探触子103と締結されている。なお、本実施例では垂直方向をZ軸とし、水平面をXY平面とする。符号106はXYステージ105を駆動させる2軸モーターであり、ACサーボモーターあるいはステッピングモーターなどが用いられる。符号107はXYステージの位置を測定するためのセンサであり、ポテンショメータ、光学式エンコーダなどが用いられ、数10umの精度で探触子103のXY座標を計測できる。XYステージおよび2軸モーターは、本実施例での走査部となる。走査部の具体的な構成材料は、ここで挙げたものに限定されない。この走査部の動作により、複数の受信素子を含む探触子の被検体に対する相対的な位置を移動させられる。
符号108はパルス光を発生させるための光源であり、YAGレーザ、チタンサファイアレーザなどで構成される。パルスレーザ光源は内部のレーザ媒質を励起するための手段としてフラッシュランプおよびQスイッチをもち、外部から電気的に発光タイミングを制御可能な構成である。符号109はパルス光を被検体の近くまで導くための光路である。光路109は光ファイバ、あるいはミラーおよび屈曲アームなどの光学系を用いて構成される。符号110は光路109で伝送されたパルス光を被検体101へ照射する投光部である。投光部内に拡散板を設け照射範囲を広げるとともにパルス光の空間的な強度ばらつきを低減させる。投光部110はXYステージ105に締結されており、探触子103とともにXY平面上を移動する。
符号111は投光部110から出射されるパルス光を示す。符号112は被検体内部に存在する光吸収の大きな部位を表したものであり、例えば乳がんに起因する新生血管がこれにあたる。符号112にパルス光111が照射されると、光吸収部位112にてパルス光のエネルギーが吸収され、光音響効果により音響波が生じる。
符号113および114は探触子103に設けられた受信素子であり、音響波を光音響信号と呼ばれる電気信号に変換する。受信素子は球面状(球冠状)の探触子上に複数設けられる。各受信素子の指向軸(高感度な受信方向)は球面の中心方向を向いており、球冠を含む球の中心付近に高感度領域が形成される。本実施例では128個の受信素子が存在するものとする。図1には探触子の右半分にしか受信素子が描かれていないが、実際には受信素子は探触子の球面全体にわたって配置されている。これにより、被検体101内の光吸収部位112からの光音響波をさまざまな方向から受信し、分解能ばらつきを低減させる。
なお、受信素子を支持する探触子の形状は球冠状に限られない。探触子は、複数の受信素子を、少なくとも一部の受信素子の受信方向が異なるように支持できれば良い。例えば楕円球を所望の平面で切断した形状や、複数の平面または曲面を組み合わせた形状なども利用できる。いずれの形状の探触子であっても、内部に後述するインピーダンスマッチング材を保持できることが望ましい。
符号115は探触子103と被検体保持部材102を音響的に結合させるインピーダンスマッチング材である。材料は被検体と受信素子に音響インピーダンスが近く、パルス光を透過する液体が望ましい。具体的には水、ひまし油、ジェルなどが用いられる。符号116は被検体101と被検体保持部材102を音響的に結合させるためのインピーダンスマッチング材であり、インピーダンスマッチング材115と同様に生体に適合した材料が用いられる。
符号117は、113,114を含む受信素子群からの光音響信号をコントロールユニットへ伝搬させるためのケーブルである。符号118はコントロールユニットであり、光音響信号を受信し、増幅、A/D変換、信号処理、画像再構成などの処理を行う。コントロールユニット118はまた、位置センサ107からの信号をもとにモーター106の駆動信号を生成する。コントロールユニット118はまた、モーター106の駆動と同期して光源108の駆動信号を送り、パルス光の発光を行う。
符号119は使用者が光音響装置の動作条件の設定や動作開始指示を行うためのユーザインタフェースであり、キーボード、マウス、ボタンスイッチなどで構成される。動作条件としては、被検体102の測定範囲や光音響信号の受信時間などがある。また、動作指示としては被検体の撮影開始および撮影中断などがある。符号120は使用者に診断画像を表示したり、被検体情報取得装置の状態を通知したりするためのディスプレイである。
続いてコントロールユニット118の構成要素を説明する。増幅器121は光音響信号を増幅する回路であり、128チャネルのプログラマブルゲインアンプアレイで構成される。本発明における増幅器121は、制御部125からの設定により、チャネルごとにゲインを変更できる。ゲインを変えるためにプログラマブルゲインアンプに設定する値をゲイン設定値と呼ぶ。制御部125は探触子103の位置に応じたゲインをチャネルごとに決定し、そのゲインになるようなゲイン設定値をプログラマブルゲインアンプ内のレジスタに設定する。それぞれのチャネルはそれぞれの受信素子からの信号を設定されたゲインでアナログ的に増幅する。増幅器は本実施例での増幅部に当たる。なお本明細書においては、ゲインを決定する処理、決定したゲインを用いて信号を増幅する処理、および、それ
らに付随する処理の少なくともいずれかを行うことを、ゲインの制御と呼ぶ。
符号122は増幅器121にて増幅されたアナログ信号をデジタル化する回路であり、128チャネルのA/D変換器から構成される。A/D変換器の帯域は受信素子の帯域幅より広く、30MHz以上が望ましい。符号123はA/D変換器にてデジタル化された信号に対し、ノイズ除去、平均化などの信号処理を行う回路であり、FPGAなどで構成される。FPGAは128チャネルのA/D変換器123からの出力データを順番に読み出し、信号処理を行った後にメモリ126へ光音響信号データとして記録する。
符号124はメモリ126へ保存された光音響信号データに対し画像再構成処理および描画処理を行う回路であり、GPUなどで構成される。画像化回路124は、被検体内部の特性情報を取得する処理部と呼べる。画像再構成にはUBP(Universal back propagation)法などの公知のアルゴリズムを用いる。符号125は装置全体の制御を行う制御回路(制御部)であり、マイクロプロセッサおよびソフトウェアで構成される。
符号127は制御部125からの指令と位置センサ107からのXYステージ105の位置情報に基づき、モーター106の駆動信号を生成するドライバ回路である。使用者が指定した測定範囲をカバーする目標座標群を制御部125で算出し、モータードライバ127へ設定する。測定範囲および目標座標群の一例を図5(a)に示す。図5(a)は被検体の上側から透過して探触子を見た図であり、501の円内が測定範囲である。そして測定範囲501内の点502、503などが目標座標となる。図5(a)に示すように測定座標は測定範囲内をまんべんなく分布している。モータードライバ127は各目標座標へ探触子103および投光部110を移動させる。走査部は、モータードライバを含むものと考えてもよい。この移動により、受信素子を含む探触子の被検体に対する相対的な位置が変化して、様々な場所と方向で音響波を受信できる。
光源ドライバ128は制御部125からの指示に基づき光源108の駆動信号を生成するドライバ回路である。光源108を発光させる際には、光源ドライバ128は、まずフラッシュランプ駆動信号を送信し光源内部のレーザ媒質を励起させる。続いて約150マイクロ秒後にQスイッチ駆動信号を送信すると、光源内部で急激な発振が起こり、10ナノ秒程度の幅のパルス光が出力される。これを一定の周期で繰り返し行うことにより、安定した光量のパルス光を被検体101へ照射する。本実施例では周期は50ミリ秒とする。また、光源108内部には光量計やシャッタなどを含み、光量のモニタリングや照射停止などの機能もある。
符号129は光源108から出力されたパルス光の一部を受信し、光音響受信やモーター駆動と同期するためのトリガ信号を生成する回路である。トリガ入力部129はフォトダイオードおよび増幅回路、比較回路などから構成され、パルス光が入力されると、数マイクロ秒の期間だけハイレベルになるトリガ信号を出力する。トリガ入力部129の構成はこれに限られず、光を検知する光センサとしての機能を有する部材を利用できる。制御部125による制御動作は、パルス光の発光タイミングをトリガ入力部129で検出し、それを起点に行われる。これにより、Qスイッチ駆動信号が送信されてから実際にパルス光が出力されるまでの光源108内部のパルスごとの遅延時間ばらつきの影響を抑制できる。
モータードライバ127は、レーザの発光タイミングで投光部110および探触子103が被検体101の目標座標を通過するように、モーター106を制御する。このとき、周期50ミリ秒でハイレベルになるトリガ信号にXYステージの動きを同期させる。モータードライバ127はまた、トリガ信号が入力されたタイミングで位置センサ107から
測定座標を読み出す。この測定座標は、画像化回路124で画像再構成を行う際の探触子103の位置補正に使用される。これにより、XYステージの駆動精度の限界により目標座標と測定座標のずれがあった場合でも、診断画像への影響を低減できる。
また、制御部125は、トリガ信号がハイレベルになってからの時刻と探触子103と被検体102の位置関係に応じて増幅器121のゲインをチャネル毎に制御し、音響波の減衰を補正する。これは、光音響波の受信中に段階的にゲインを変化させることに相当する。具体的には、被検体101の浅い位置からの光音響信号に対してはゲインを低くし、増幅器121の出力電圧が飽和する事を防ぐ。被検体101の奥深くからの微弱な光音響信号に対してはゲインを高くし、光音響信号がノイズに埋もれないようにする。
ここで、受信素子の位置の違いにより被検体からの光音響波の減衰量は変わる。そこで本発明において制御部125は、受信素子ごと、すなわちチャネルごとにゲインを変える。例えば制御部125は受信素子113の増幅と受信素子114の増幅とでは異なるゲインを用いる。また、XYステージ105で駆動される探触子103の位置により受信素子と被検体101との位置関係が変わり、光音響波の減衰特性が変わるので測定座標ごとにゲインを変える。この測定座標は位置センサ107で測定する。
また、制御部125は、A/D変換器122、信号処理回路123、画像化回路124を制御する。これにより、トリガ信号がハイレベルになってから所定の時間内に増幅器121へ入力された信号に対して、A/D変換、信号処理、および画像化が行われ、結果がメモリ126へ格納される。
制御部125は、被検体のサイズを予め見積もっておき、もっとも遠い位置からの信号が含まれるように所定の時間を決定する。これを信号受信時間Tsと呼ぶ。
<動作フロー>
図2はコントロールユニット118で実行される被検体情報取得装置の動作フローを示す。
ステップS201において、制御部125は使用者がユーザインタフェース119を介して指定した設定情報を読み込み、内部のメモリ126へ記録する。設定情報としては同じ測定位置での繰り返し照射回数や測定範囲、パルス光の波長などがある。
続いてステップS202において、制御部125はモータードライバ127を介してモーター106を駆動し、XYステージ105上の探触子103および投光部110を目標座標まで移動させる。
続いてステップS203において、制御部125は位置センサ107で測定された座標に基づき、探触子103上の各受信素子のゲイン設定値を算出し、メモリ126へ保存する。ゲイン設定値のデータ形式は、増幅器121のプログラマブルゲインアンプの各チャネル番号、時刻、ゲイン設定値の組み合わせからなる3次元のテーブル情報である。
ゲインの更新時刻ごとに各チャネルのゲイン設定値を連続するメモリアドレスに配置することにより、更新時刻ごとに各チャネルのゲイン設定値を連続して高速に読み出すことができる。また、ゲインを更新する時間を予め決定しておき、その時間のゲイン設定値のみを保存する。この時間をゲイン更新時間と呼ぶ。これによりゲイン更新に必要な情報だけがメモリに保存されるので、メモリ126の容量を小さくできる。ゲイン更新は一定周期で繰り返してもよいし、ゲインカーブの変化率の大きな時刻では更新頻度を高くし、変化率の小さい時刻では更新頻度を低くしてもよい。ゲインカーブの算出方法については後述する。
次にステップS204において、制御部125は増幅器121へアクセスし、ステップS203で算出されたゲインになるように各チャネルのプログラマブルゲインアンプの設
定を変更する。
続いてステップS205において、制御部125は光源ドライバ128を介して光源108を駆動させ、ステップS201で設定された波長のパルス光を発光させる。これにより、投光部110より被検体101へパルス光が照射され、被検体内部の光吸収部位112より光音響波が発生する。この光音響波は探触子103上に配置された受信素子により光音響信号に変換され、増幅器121へ入力される。光音響信号は微弱なため、ステップS204で設定されたゲインで増幅される。
一方、パルス光の一部は光路109で分岐されトリガ入力部129へ入力される。分岐方法としては、バンドルファイバの一部を分けてもよいし、ビームスプリッタを挿入してもよい。パルス光の発光はトリガ入力部129の光センサにてトリガ信号に変換され、制御部125へ入力される。このようにパルス光の発光タイミングを検出することで、光源のばらつきにより光源ドライバが光源に駆動信号を送ってからパルス光が実際に出力されるまでの時間が変動する場合にも、光音響波の発生タイミングをコントロールユニット118が把握できる。
続いてステップS206において、制御部125はA/D変換器122、信号処理回路123に制御信号を送り、光音響信号のデジタル化および信号処理を行う。信号処理としてはフィルタリングやウェーブレット変換、平均化などのノイズ除去処理および、各受信素子の感度ばらつき補正のための重みづけ処理を行う。
続いてステップS207において、制御部125は内部のタイマ回路によりゲインを更新する時刻に到達しているかを判定する。到達している場合にはステップ208へ進む。到達していない場合にはステップS206へ進み、光音響信号をこれまでと同じゲインで増幅し、デジタル化および信号処理を継続する。
ステップS208において制御部125はメモリ126にアクセスし、その時の時刻に対応する各チャネルのゲイン設定値を読み出す。そして、増幅器121へアクセスし、読み出されたゲイン設定値に基づき全チャネルのプログラマブルゲインアンプの設定を変更する。
続いてステップS209において、トリガ信号が入力されてから信号受信時間Tsが経過したか否かを判定する。経過している場合にはステップS210へ進む。経過していない場合にはステップS206へ進み、引き続き光音響信号の受信を行う。
ステップS210では、ステップS201で読み込んだ被検体の測定範囲をカバーするすべての測定位置での光音響信号の受信が完了したか否かを判定する。完了した場合にはステップS211へ進む。完了していない場合にはステップS202へ進み、次の目標座標へ探触子を移動させ、ステップS203以降を繰り返し実行する。
続いてステップS211において、制御部125はメモリ126から光音響信号データを読み出し、画像化回路124へ転送して画像再構成処理を行う。これにより診断画像が作成され、メモリ126へ保存される。
続いてステップS212において、制御部125は診断画像をメモリ126から読み出し、ディスプレイ120へ表示させる。
<ゲイン>
ゲインの算出および設定について図3、図4、図5を用いて説明する。
図3は探触子103上の受信素子113および受信素子114に対応するゲインカーブおよびゲイン設定値の時間変化の一例を示す図である。
図4はある2つの測定座標での時点での探触子103および被検体101の位置関係を
示す図である。図4(a)では、探触子がX軸上でマイナス側に移動し、被検体101の左端付近を照射している。これは、図5(a)において目標座標503付近に照射をしている状態である。図4(b)では、探触子がX軸上でプラス側に移動し、被検体101の右端付近を照射している。図5(a)において目標座標502付近に照射をしている状態である。
図4(a)において、符号401は受信素子113の中心点。符号402は点401から最も近い被検体保持部材102上の点、符号403は受信素子114の中心点、符号404は点403から最も近い被検体保持部材102上の点である。また符号405は、投光部110からパルス光が照射される照射位置である。
また、図4(b)において、符号406は点401から最も近い被検体保持部材102上の点、符号407は点403から最も近い被検体保持部材102上の点である。また符号408は照射位置であり、符号408付近に投光部110からパルス光が照射される。このように、受信素子から保持部材上の点までの最短距離が求められる。
図3(a)は、探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)の場合の、受信素子113のゲインカーブG0(t)と、増幅器121の受信素子113に対応するプログラマブルゲインアンプに設定されるゲイン設定値の時間変化C0(t)を示す。
図3(b)は、探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)の場合の、受信素子114のゲインカーブG63(t)と、増幅器121の受信素子114に対応するプログラマブルゲインアンプに設定されるゲインの設定値の時間変化C63(t)を示す。
図3(c)は、探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)の場合の、受信素子113のゲインカーブG0(t)と、増幅器121の受信素子113に対応するプログラマブルゲインアンプに設定されるゲイン設定値の時間変化C0(t)を示す。
図3(d)は、探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)の場合の、受信素子114のゲインカーブG63(t)と、増幅器121の受信素子114に対応するプログラマブルゲインアンプに設定されるゲイン設定値の時間変化C63(t)を示す。
ステップS203のゲインの算出工程についてさらに詳しく説明する。
ステップS203では、制御部125は、測定座標から、探触子103と被検体保持部材102の位置関係を割り出し、113、114をはじめとする各受信素子から被検体保持部材102までの距離を求める。受信素子の番号をN(N=0,1,2,…,127)とする。
説明のため受信素子113の素子番号を0、受信素子114の素子番号を63とする。測定座標を(X,Y)とし、素子番号Nの素子と被検体保持部材表面までの距離をLnとすると、Lnは探触子103および被検体保持部材102の形状と、取り付け位置および測定座標X,Yと素子番号Nによってきまる関数である。これは、以下の式(1)で示される。
Ln = Function(X,Y,N) …(1)
探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)に示す状態のときは、L0は点401と点402の間の距離,L63は点403と点404の距離である。探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)に示す状態のときは、L0は点401と点406の間の距離,L63は点403と点407の距離である。
ここで、インピーダンスマッチング材115中を音響波が伝搬するときの音速をVm、音響波の減衰率をDmとする。また、被検体112中を音響波が伝搬するときの音速をVs、音響波の減衰率をDsとする。また、トリガ信号がハイレベルになったときの時刻を0とする。なお、音響波の減衰の程度は指数関数的であるものとする。
音速が各媒体中で一定であると仮定すると、時刻0から時刻Ln/Vmにおいて、素子番号Nの受信素子のゲインカーブGn(t)は、以下の式(2)となる。なお、ゲインカーブとは光音響信号の取得時刻tと、受信素子ごとのゲインの関係を示す曲線である。ゲインカーブは光音響波の減衰と逆特性の曲線であり、探触子に伝搬する途中の光音響波の減衰によっておこる光音響信号データのばらつきを低減させるものである。
Gn(t) = A* Exp (Dm * t) …(2)
(0 <= t <= Ln/Vm)
一方、時刻Ln/Vm以降においては、受信素子のゲインカーブGn(t)は以下の式(3)となる。
Gn(t) = A* (Exp (Ds * (t-Ln/Vm)) - 1 ) + A * Exp (Dm * Ln/Vm) …(3)
(Ln/Vm <= t)
ここで、Aは増幅器のプログラマブルゲインアンプが飽和しないよう予め定められた定数である。なお、位置により光の照射強度が変わる場合には、Aは素子番号や探触子の位置に応じて異なる値を用いてもよい。例えば光の照射点405ないし408に近い受信素子に対してはAの値を大きくし、光の照射点から遠い受信素子に対してはAの値を小さくしてもよい。また、測定座標ごとの光の照射強度を予めシミュレーションなどで算出しておき、XY座標ごとにAの値を変更してもよい。
時刻Ln/Vmは、音響波が発生した時刻0としたとき、被検体からの音響波が受信素子に到達するタイミングに相当する。すなわちこのタイミング以前に受信した音響波に基づく電気信号はインピーダンスマッチング材に由来するものであり、このタイミング以後に受信した電気信号に基づく電気信号は被検体内部に由来する。音響波が発生した時刻とは、本実施例のような光音響測定の場合は光照射時刻と同一視できる。超音波エコー測定の場合は、各素子から送信された超音波が被検体に到達する時間と、被検体から反射してくるために要する時間とを考慮した計算が必要となる。
このようにゲインカーブGn(t)はLnの関数であり、受信素子番号および、探触子103と被検体101の位置関係によって変動する。またゲインカーブはインピーダンスマッチング材115と被検体101の音響波の減衰率の違いより、時刻Ln/Vmの前と後とで変化する。
上述したように、探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)のときのG0(t)およびG63(t)を、それぞれ図3(a)および図3(b)に示す。また、探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)のときのG0(t)およびG63(t)を、それぞれ図3(c)および図3(d)に示す。
また時刻Ln/Vmの値も、受信素子番号および、探触子103と被検体101の位置関係によって変動する。探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)のときは、受信素子113と被検体101の距離は長く、受信素子114と被検体101の距離は近いので、図3(a)のL0/Vmは図3(b)のL63/Vmよりも大きな値になる。
一方、探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)のときは、受信素子113と被検体101の距離と、受信素子114と被検体101の距離はほぼ同じなので、図3(c)のL0/Vmは図3(d)のL63/Vmと近い値になる。以上のように、増幅部は受信素子が音響波の受信を開始する時刻を素子と被検体の位置関係に基づいて取得し、少なくとも受信開始後からゲインをかける処理を行う。
次にステップS207およびステップS208のゲインの更新工程についてさらに詳しく説明する。
制御部は、プログラマブルゲインアンプが設定可能な範囲内で、上記ゲインカーブGn(t)に基づき、定期的に増幅器121にアクセスしゲインを更新する。増幅器121内の受信素子番号Nの受信素子に対応するチャネルのプログラマブルゲインアンプのゲインをCn(t)とする。Cn(t)はゲイン更新時間ごとにその時のGn(t)の値で更新される。
探触子103と被検体101の位置関係が図4(a)のときのC0(t)およびC63(t)を、それぞれ図3(a)および図3(b)に示す。探触子103と被検体101の位置関係が図4(b)のときのC0(t)およびC63(t)を、それぞれ図3(c)および図3(d)に示す。図3に示すように、Cn(t)はゲイン更新時間ごとに値が変化する階段状の関数となる。また、更新する頻度が高い場合にはCn(t)とGn(t)のずれは小さくなり、更新の前後のコントラストの変化が滑らかになる。一方、更新する頻度が低い場合には増幅器Cn(t)とGn(t)のずれが大きくなり、更新の前後でコントラスト変化が目立つようになる。このため、更新を高速に行い、コントラストのばらつきを低減するために専用回路を設け、各受信素子の計算を並列化することが好ましい。また、大容量のメモリを設け、すべての目標座標における各受信素子のLnの計算結果を予めメモリに保存しておく構成にしてもよい。
また、128個のすべての受信素子で異なるゲインを用いるのではなく、近傍に配置されている複数の受信素子をまとめて1つの受信素子グループとし、受信素子グループ内では同じゲインを用いることもできる。このようにすると、上記更新の量が少なくなるので、制御部のゲイン更新負荷やメモリ等のハードウェアを削減できる。この場合には各受信素子グループの中心の座標に基づいてLnを算出し、各受信素子グループごとにゲインを決定する。例えば、近傍に配置されている4つの受信素子を1つのグループとみなせば、すべての受信素子についてゲインを更新する場合に比べ、メモリ等のハードウェア量を1/4に削減できる。一方、同じ制御部のゲイン更新負荷やメモリ等のハードウェア量であれば、更新する時間間隔を1/4にすることが可能となり、更新頻度を高めることが可能になる。
このように本発明の第一実施例によれば、探触子と被検体の位置関係に応じてゲインを変更することにより、位置関係による各受信素子からの光音響信号の強度ばらつきを補正できる。これにより、診断画像のコントラストばらつきを少なくできる。本実施例のように増幅器のゲインを変更することで、信号の減衰の程度が大きく、被検体内の浅い部位と深い部位で光音響信号強度が大きく変わる場合にも、診断画像のコントラストばらつき低減の効果が得られる。
特に第一実施例のように球冠状(または、少なくとも一部の受信素子の受信方向が異なる形状)の探触子を用いる場合、被検体保持部材表面と各素子との距離は走査に応じて変化する。そのため、被検体をプレートにより圧迫して2次元アレイ状に素子が配置された探触子で走査する場合と違い、被検体から受信素子までの音響波の到達時間が素子ごとに異なる。このような構成で各受信素子共通のゲインを用いてTGC処理を行うと、画像データ等の特性情報を取得する際の精度が低下する可能性がある。そこで第一実施例の構成を用いることにより、各受信素子に適切なゲインを与えてTGC処理を行うことが可能になる。
[変形例]
なお、第一実施例ではゲインの算出に用いる探触子の座標として探触子移動後に位置センサで測定した値を用いていた。しかし、光を照射する目標座標を予め決定してメモリ126に保存しておき、ゲインの算出にはメモリに保存された目標座標を用いてもよい。また、探触子を移動させながらゲインの算出を行うのではなく、目標座標とゲイン設定値の
対応を予め算出してメモリに保存しておき、ステップS203ではメモリからゲイン設定値を読み出すだけにしてもよい。このように一部の処理を事前に行っておくことにより、撮影中の制御部の処理負荷を軽減できる。
また、第一実施例ではXYステージの駆動にサーボモーターと位置センサを用いてフィードバック制御を行う例を用いて説明したが、駆動方法はこれに限らない。例えばステッピングモーターなどにより開ループ制御を行い、位置センサを省略することも可能である。
また、第一実施例ではインピーダンスマッチング材中の音響波の減衰率と被検体の音響波の減衰率の2つの減衰率を用いてゲインカーブを算出したが、ゲインカーブの種類はこれに限らない。例えば、インピーダンスマッチング材が複数ある場合には、3つ以上の減衰率を用いてゲインカーブを算出してもよい。また、被検体の内部の構造の特徴に応じた複雑なゲインカーブを算出したり、被検体の構造の特徴をもとに使用者が入力したゲインカーブを使用したりしてもよい。また、インピーダンスマッチング材中の音響波の減衰率が被検体中の音響波の減衰率に対して小さい場合には、Dm=0とし、ゲインカーブを簡略化してもよい。
また、第一実施例では時刻0から時刻Ln/Vmまでの間についてもゲインの更新を行う例を用いて説明した。しかし、この区間に受信した信号は被検体外部からの信号であるとみなし、ゲインを更新しないこととして、ゲイン更新処理の負荷を軽減してもよい。
また、時刻0から時刻Ln/Vmまでの間はゲインを0とし、時刻Ln/Vm以降はゲインを一定の値とすることも考えられる。このようにすれば、各受信素子のゲイン更新が時刻Ln/Vmの1度だけに限定されるので、ゲイン算出および更新処理負荷をさらに軽減できる。
また、ゲインの更新をステップS202で探触子103の位置が変わったときに行い、時刻0からTsの間のゲインは受信素子ごとに一定値にすることで、さらにゲイン更新処理の負荷をさらに低減してもよい。
また、第一実施例ではすべての受信素子について異なるゲインを設定した。しかし例えば、受信素子を図5(b)の太線で区切られたゲイン領域に分け、同じゲイン領域内の測定座標では同じゲインを使用してもよい。例えば、図5(b)のゲイン領域504内の測定座標は測定座標502と同じゲインを用い、ゲイン領域505内の測定座標は測定座標503と同じゲインを用いる。これにより、すべての測定座標でゲインを更新する場合に比べ、制御部のゲイン更新負荷やメモリ126の容量を低減できる。
また、第一実施例ではゲイン更新時間で定めた時間が経過した段階でゲインを更新する例を示したが、探触子103の位置に同期してゲインを更新してもよい。例えば、位置センサ107で測定した座標が図5(b)で示したゲイン領域の境界をまたいだときにゲインを更新する。これにより、一定周期でゲインを更新する場合に比べ、制御部のゲイン更新負荷やメモリ126の容量を低減できる。
また、これらのゲイン領域は固定的なものではなく、使用者の設定や測定領域の大きさにより変更することも可能である。
また、第一実施例では、探触子と被検体の位置関係に応じた光音響信号減衰の補正を、増幅器内のプログラマブルゲインアンプのゲイン制御により実現していた。しかし、ゲインを制御する場所は増幅器に限らない。例えば、信号処理回路でA/D変換後の各受信素子からのデジタル値に対してゲインカーブから求められるゲインを乗算してもよい。この場合には信号処理回路が増幅部にあたる。また、メモリ126に保存された光音響信号を画像再構成する際に画像処理回路内でゲインを乗算してもよい。この場合には画像処理回
路が増幅部にあたる。これらの方法では、プログラマブルゲインアンプのゲインの更新時間によりゲイン設定値が階段状になる制約が減り、よりきめ細かくゲインを変更できる。
また、第一実施例では、被検体101が固定され、探触子103および投光部110が2次元的に移動していた。しかし、走査の際に、探触子および投光部が固定され、被検体が移動してもよい。また第一実施例では、探触子103と投光部が一緒に移動していたが、両者が別々に移動してもよいし、どちらか一方が固定されていてもよい。また、探触子103がXY平面上を2次元的に移動する例を用いて説明したが、Z軸方向にも移動してもよい。
また、第一実施例では、光源からのパルス光をトリガ入力部の光センサで検出し、そこを起点にゲインカーブを算出したり、モーターの駆動や光音響受信を行ったりしていた。しかし、制御部が光源ドライバ128に駆動信号を送信した時刻を起点としてもよい。こうすることにより、光源108および光源ドライバ128の遅延時間が既知の場合にはトリガ入力部を省略し回路規模を削減できる。
また、第一実施例では、受信素子から被検体保持部材上の点までの最短距離に応じてゲインが制御されていた。しかし、受信素子から被検体までの距離が求められるのであれば、本発明はこれに限られない。例えば被検体保持部材を設けない構成として、被検体の3次元形状を取得する形状取得部を設けてもよい。この場合、受信素子から被検体表面上の点までの最短距離を、3次元演算処理によって求め、その結果に基づいてゲインを制御する。形状取得部としては、光学的に3次元形状を取得するカメラが好適である。また、探触子上の受信素子から被検体に向けて音響波を送受信して形状取得しても良い。
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、走査中に変化する被検体と各受信素子の相対位置に応じてゲインを変更することにより、音響波が各受信素子に到達するまでの減衰が補償される。これにより、被検体情報取得装置のコントラストのばらつきを低減することが可能である。
102:被検体保持部材,103:探触子,104:支持部材,105:XYステージ,106:モーター,108:光源,113:受信素子,114:受信素子,118:コントロールユニット,121:増幅器,122:A/D変換器,123:信号処理回路,124:画像化回路,125:制御部

Claims (23)

  1. 複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持する探触子であって前記複数の受信素子のそれぞれは、光源から被検体への光の照射により発生した音響波を受信して電気信号を出力するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて配置される、探触子と、
    前記複数の受信素子から出力される複数の前記電気信号を増幅する増幅部と、
    前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させる走査部と、
    前記複数の受信素子が前記音響波を受信して出力される前記複数の電気信号に対して前記増幅部によって適用される複数の時間依存のゲインを定する制御部と、
    前記増幅部によって増幅された前記複数の電気信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する処理部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記探触子の前記被検体に対する複数の相対的な位置において、前記複数の受信素子と前記被検体の間の複数の距離に基づいて、前記複数の電気信号に適用される前記複数の時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記被検体を保持する保持部材をらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 記保持部材が交換可能に配置される開口と
    それぞれが異なる種類の前記保持部材に対応するような前記複数の時間依存のゲインを記録したメモリと、
    をさらに有し、
    前記制御部は、前記被検体の保持に用いられる前記保持部材の種類の情報を取得し、前記保持部材の種類の情報に基づいて前記被検体を保持する前記保持部材に対応する前記複数の時間依存のゲインを前記メモリから読み出し、前記音響波の減衰を補償させるために前記増幅部の前記複数の時間依存のゲインとして決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記保持部材は、前記被検体を保持するカップ状の保持部材である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記制御部は、前記受信素子から最も近い前記保持部材上の点までの距離に応じて前記増幅部の前記複数の時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記制御部は、前記受信素子から最も近い前記保持部材上の点までの距離に基づいて決定される、当該受信素子が受信する前記音響波の減衰の程度に応じて、前記増幅部が前記複数の電気信号にかける前記複数の時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記制御部は、前記複数の受信素子から最も近い前記保持部材上の点までの距離に基づいて決定される、前記複数の受信素子が前記被検体に由来する前記音響波の受信を開始する時刻の前と後で、前記増幅部が前記複数の電気信号にかける前記複数の時間依存のゲインを変更するように前記複数の時間依存のゲインを決定することを特徴とする請求項5または6に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の受信素子から最も近い前記保持部材上の点までの距離に基づいて決定される、前記複数の受信素子が前記被検体に由来する前記音響波の受信を開始する時刻から、前記増幅部が前記複数の電気信号に前記複数の時間依存のゲインをかけるように前記複数の時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記探触子と前記被検体の複数の位置関係に対応する複数のゲインを記録したメモリをさらに有し、
    前記制御部は、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じたゲインを前記メモリから読み出し、前記増幅部の前記時間依存のゲインとして決定する
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記制御部は、前記時間依存のゲインを、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて計算する
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記制御部は、前記複数の受信素子が前記探触子における位置に応じて分けられた複数のグループとに
    前記時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記制御部は、前記被検体での前記光の照射点、および前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて、前記増幅部が前記電気信号にかけるゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記探触子の内部表面は半球状であり、前記複数の受信素子は前記内部表面に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  14. 複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持する探触子であって、前記複数の受信素子のそれぞれは、光の導入により被検体から発生した音響波を受信して電気信号を出力するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて配置される、探触子と、
    前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させる走査部と、
    前記複数の受信素子から出力される複数の電気信号に複数の時間依存のゲインを適用することで時間依存のゲイン制御を行う増幅部であって、前記複数の時間依存のゲインは、前記複数の受信素子が複数の前記音響波を受信するときの、前記探触子と前記被検体の間の距離に基づいて決定されるものである、増幅部と、
    を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
  15. 前記探触子と前記被検体の複数の位置関係に対応する複数のゲインを記録したメモリをさらに有し、
    前記増幅部は、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じたゲインを前記メモリから読み出し、前記時間依存のゲインとして決定する
    ことを特徴とする請求項14に記載の被検体情報取得装置。
  16. 前記増幅部は、前記時間依存のゲインを、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて計算する
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の被検体情報取得装置。
  17. 前記増幅部は、前記複数の受信素子が前記探触子における位置に応じて分けられた複数のグループごとに、前記時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  18. 前記増幅部は、前記被検体での前記光の照射点、および、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて、前記電気信号にかけるゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  19. 探触子と、走査部と、増幅部とを有する被検体情報取得装置の制御方法であって、
    前記探触子は、複数の受信素子を、前記複数の受信素子の指向軸が集まるように支持するものであり、前記探触子は測定時には前記被検体と距離を隔てて配置されるものであり、

    前記複数の受信素子のそれぞれが、光の導入により被検体から発生した音響波を受信して電気信号を出力するステップと、
    前記走査部が、前記探触子の前記被検体に対する相対的な位置を変化させるステップと、
    前記増幅部が、前記複数の受信素子から出力される複数の電気信号に複数の時間依存のゲインを適用することで時間依存のゲイン制御を行うステップと、
    を含み、
    前記複数の時間依存のゲインは、前記複数の受信素子が複数の前記音響波を受信するときの、前記探触子と前記被検体の間の距離に基づいて決定されるものである、
    ことを特徴とする被検体情報取得装置の制御方法。
  20. 前記被検体情報取得装置は、前記探触子と前記被検体の複数の位置関係に対応する複数のゲインを記録したメモリをさらに有し、
    前記増幅部は、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じたゲインを前記メモリから読み出し、前記時間依存のゲインとして決定する
    ことを特徴とする請求項19に記載の被検体情報取得装置の制御方法。
  21. 前記増幅部は、前記時間依存のゲインを、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて計算する
    ことを特徴とする請求項19または20に記載の被検体情報取得装置の制御方法。
  22. 前記複数の受信素子は、前記探触子における位置に応じて複数のグループに分けられており、
    前記増幅部は、前記複数のグループごとに、前記時間依存のゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項19ないし21のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置の制御方法。
  23. 前記増幅部は、前記被検体での前記光の照射点、および、前記探触子と前記被検体の位置関係に応じて、前記電気信号にかけるゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項19ないし22のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置の制御方法。
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