JP2017184937A - 情報取得装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光音響装置において、光照射の安定化および被検体の画像の高画質化を可能にする。【解決手段】パルス光を射出する光源と、パルス光が照射された被検体から発生する音響波を電気信号に変換する素子と、電気信号を用いて被検体内部の特性情報を生成する情報処理部を有し、情報処理部は、安定な状態で照射が行われたパルス光に由来する電気信号のみを用いて特性情報を生成する情報取得装置を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、情報取得装置に関する。
従来、パルス光を被検体に照射し、被検体内部から発生する光音響波を探触子で受信して被検体内部の形態や機能を画像化する光音響装置(情報取得装置)が、医療分野で多く研究されている。光音響装置内部のコントローラは、使用者の指示に基づいて、光源の駆動回路に信号を送りパルス光を発光させる。このパルス光が導光手段を介して被検体に照射されることで、光音響波が発生する。被検体に接触した探触子は、光音響波を光音響信号と呼ばれる電気信号に変換する。コントローラはこの光音響信号を受信し、信号処理および画像再構成処理を行い、診断画像を使用者に提示する。
診断画像のコントラスト向上のためには、十分な光量のパルス光を被検体に照射する必要がある。そのため従来の光音響装置において、高出力のレーザが用いられる。これらのレーザを駆動する際には、内部のフラッシュランプを発光させ、レーザ媒質を十分励起した後に、Qスイッチを駆動させる。これにより、高いピークパワーをもつジャイアントパルス光が出力される。光音響信号が受信できるのはパルス光が出力されてから一定の期間のみであるため、コントローラの動作とレーザ発光を同期させる必要がある。
特許文献1には、光源の制御信号に同期して、光音響信号の受信を行う光音響装置が示されている。特許文献1の光音響装置は、Qスイッチを駆動するトリガ信号に同期して光音響信号のサンプリングを開始している。
特開2012−187390号公報
特許文献1では、光源と光音響信号の受信を同期させる仕組みをもつ光音響装置において、Qスイッチを駆動する信号を使用して光音響信号のサンプリングを開始する。しかしこの場合、レーザ発光開始直後の、光源の状態が安定しない状態で得られた光音響信号を受信してしまう。その結果、光音響信号のばらつきが大きくなり、診断画像の再現性や画質が低下するおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、情報取得装置において、光照射の安定化および被検体の画像の高画質化を可能にすることである。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
パルス光を射出する光源と、
前記パルス光が照射された被検体から発生する音響波を電気信号に変換する素子と、
前記電気信号を用いて前記被検体内部の特性情報を生成する情報処理部と、
を有し、
前記情報処理部は、安定な状態で照射が行われた前記パルス光に由来する前記電気信号のみを用いて前記特性情報を生成する
を有することを特徴とする情報取得装置である。
本発明によれば、情報取得装置において、光照射の安定化および被検体の画像の高画質化を可能にできる。
実施例1におけるブロック構成図 実施例1における動作フローチャート 実施例1における光量測定値の一例を示す図 実施例1における受信回路の内部構成図 実施例1におけるタイミングチャート 実施例1におけるタイミングチャート 実施例2における分布カメラの測定値の一例を示す図 実施例3におけるパルス光測定回路の測定値の一例を示す図 実施例5における動作フローチャート 実施例6における動作フローチャート 実施例6における光音響信号の一例を示す図 実施例2における被検体近傍の位置関係を示す図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝播する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した記憶媒体としても捉えられる。
本発明の被検体情報取得装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置を含む。この場合、特性情報とは、光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収率を反映した値である。例えば、光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数、組織を構成する物質の濃度を含む。また、物質濃度として酸化ヘモグロビン濃度と還元ヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布を算出できる。また、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を
含む。探触子等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。
<<第1の実施形態>>
第1の実施形態では、光源からのパルス光の安定性に基づいて、光音響画像の生成に用いるデータを決定する。
<実施例1>
実施例1では、光源からのパルス光の光量が不安定な時に取得された光音響信号を診断画像の生成に使用しない。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、パルス光の光量が十分大きく、時間的変動が十分小さいことである。
(装置構成)
図1は本実施例に係る光音響装置を示すブロック構成図である。図1において、レーザコントローラ101はパルス光源および光学系を制御するように構成されている。レーザコントローラ101としては、CPUやメモリなどの演算資源を備え、記憶媒体に格納されたプログラムやユーザの指示に従って動作する情報処理装置、例えばPCやワークステーションなどを利用できる。また、レーザコントローラ101と、後述する受信回路104やコントローラ103などは、同一の情報処理装置に実装されていても良いし、別々に構成されても良い。また、レーザコントローラ101内部の各ブロックを物理的に分けて受信回路104やコントローラ103として構成してもよい。
光源102は、レーザコントローラからの制御信号に基づきパルス光を発生させる。パルス光は、典型的には、パルス幅が10〜100ナノ秒、エネルギーが数100mJ、周波数が20Hzである。レーザには、YAGレーザ、チタンサファイアレーザ、アレキサンドライトレーザなどを利用できる。光源102は、内部のレーザ媒質を励起するためのフラッシュランプおよびQスイッチをもち、外部から電気的に発光タイミングを制御可能である。光源102はまた、投入エネルギーを設定するためのインタフェースをもち、外部からパルス光のエネルギーを電気的に制御可能である。
コントローラ103は使用者からの指示やプログラムに基づき、光音響装置全体を制御するように構成されている。例えば、コントローラ103はCPUやメモリなどの演算資源を備えている。受信回路104は光音響信号を受信し、信号処理および画像再構成処理を行い、診断画像を生成する。受信回路104はレーザコントローラ101からのトリガ信号に同期して動作する。生成された診断画像はコントローラ103に伝送され、コントローラ103内部のメモリに保存される。なお、受信回路104のうち、画像再構成や画像データ生成機能をコントローラ103が行う場合、コントローラ103が情報処理部に相当する。なお、コントローラ103と別に設けられた情報処理装置が、画像再構成による特性情報の生成や、画像データの生成を行っても良い。受信回路は受信部に相当する。
ビームスプリッタ105は光源102からのパルス光の一部を分岐する光学素子である。分岐光は光量計106へ入射する。光量計106は入射光のエネルギーをパルスごとに測定するセンサであり、フォトダイオード、パイロエレクトリックセンサなどを用いる。シャッタ107はパルス光の通過、遮断を制御するデバイスであり、レーザコントローラからの信号に基づき開閉する。シャッタ107が閉じると、光路が遮断されて、被検体への光照射が停止する。また、シャッタ107は、ソレノイドやDCモータなどの電気的に制御可能なアクチュエータと、機械的に動作する遮光機構からなる。遮光機構がパルス光を遮断する位置にあるときを閉状態、遮光機構がパルス光を通過させる位置にあるときを
開状態と呼ぶ。シャッタ107は、遮光機構が閉状態にあることを検出する位置センサ1(不図示)と、遮光機構が開状態にあることを検出する位置センサ2(不図示)を内部に備える。これにより、遮光機構の動作が完了したか否かを外部から電気的に確認できる。
光伝送部108は、パルス光を被検体の近くまで導くための光路を形成する光学部材である。光伝送部108として、多数の光ファイバを束ねたバンドルファイバや、ミラーと鏡筒からなる空間伝送光学系を利用できる。投光部109は被検体110の測定部位にパルス光を照射するための光学素子である。投光分09は、光伝送部108からの出射光を所定の倍率で拡大し、照射光の密度および照射領域を調整するための光学系を有している。
被検体110は、被検者の体の一部(ここでは乳房)である。光吸収体111は、被検体内部に存在する光吸収の大きな部位である。例えばヘモグロビンや、ヘモグロビンを多く含む、乳がんに起因する新生血管である。光吸収体111にパルス光が照射されると、光音響効果により光音響波112が生じる。探触子113は、光音響波112を受信するための振動子を備えている。この振動子はPZT,CMUTなどの、光音響波112を光音響信号に変換する超音波センサ素子をアレイ状に並べたものである。本実施例では超音波センサ素子の数は512個とする。
ユーザインタフェース114は、使用者が光音響装置の動作条件の設定や動作開始指示を行うために、キーボード、マウス、ボタンスイッチなどで構成される。動作条件としては、被検体110の測定範囲や光音響信号の測定時間などがある。また、動作指示としては被検体の撮影開始および撮影中断などがある。ディスプレイ115は使用者に診断画像を表示したり、光音響装置の状態を通知したりするデバイスである。ディスプレイ115は、光音響装置の一部であってもよいし、装置と別に提供されてもよい。
サーキュレータ116は、光源102におけるレーザ発振の安定化のために内部の温度を一定の範囲に保つデバイスである。サーキュレータ116は内部にヒーター、ファン、温度センサ、温度コントローラ、ポンプなどからなる温度調節機構を持ち、内部の水を一定の温度範囲に保つ。レーザコントローラ101は、温度センサの測定結果を利用できる。レーザコントローラ101内部のCPU117は、コントローラ103との通信や、レーザコントローラ内部の各種制御を行う。
光源制御部118は、CPU117からの指示に基づき、光源内部のフラッシュランプを発光させる励起開始信号、および、光源内部のQスイッチを制御する発振開始信号を生成する。光源制御部118が励起開始信号を立ち上げてフラッシュランプを発光させると、光源内部のレーザ媒質にエネルギーが蓄積される。十分なエネルギーが蓄積されたのちに、発振開始信号を生成してQスイッチをオンにすると、急激なレーザ発振が起こり、ジャイアントパルスと呼ばれる高いエネルギーをもつパルス光が出力される。シャッタ制御部119は、CPU117からの指示に基づき、シャッタ107に対して駆動信号を送る制御回路である。温度モニタ部120は、CPU117からの指示に基づきサーキュレータ116の水温を観測するデバイスである。
走査部121は、コントローラ103からの指令に基づき、投光部109および探触子113を被検体110に対して相対移動させる。走査部121はXYステージ、サーボモータ、位置センサ、モータドライバで構成される。走査部121は、投光部109および探触子113による撮影位置をパルス光の照射と同期制御する。CPU117はパルス光に同期した信号を走査部121に送信する。複数の撮影位置を設定することで、広範囲の撮影や画質向上という効果が得られる。走査部121は、レーザの射出周期50msの間に次の撮影位置に投光部109と探触子110を移動させる。
トリガ出力部122は、パルス光の発光タイミングを示すトリガ信号を、受信回路104および走査部121に出力する回路である。CPU117は、トリガ出力部に対してイネーブル信号を出力することで、トリガ出力部122が受信回路104、走査部121に対してトリガ信号を出力するか否かを個々に設定する。本実施例では、トリガ出力部122は、CPU117が光源制御部118に出力する発振開始信号と、CPU117から出力されるイネーブル信号の論理積を受信回路104および走査部121へ出力する。
(CPUによる制御)
CPU117は光源制御部118、シャッタ制御部119、温度モニタ部120、光量計106からの情報に基づき、現在射出しているパルス光が光音響波を発生させるのに十分な状態(光音響測定可能状態)になっているかどうかを判定する。パルス光が光音響波を発生させるのに十分な状態とは、光源内部が温度平衡に達し、その結果としてパルス光の光量、パルス幅、照射方向、波長などが安定している状態のことである。判定の方法については後述する。本実施例や以下の各実施例において、CPU117は安定状態の判定など様々な判定を行う。このときCPUは、判定部として機能する。
そしてCPU117は、十分な状態(光音響測定可能状態)に達していると判定した場合には、トリガ出力部122へのイネーブル信号をハイレベルにし、パルス光の発光と同期したトリガ信号を受信回路104に出力する。この判定は、パルス光の発光ごとに行われ、トリガ信号は数マイクロ秒の長さのパルス信号である。そして、受信回路104ではトリガ信号が受信されたタイミングに対応して、光音響信号の受信を行い、そして信号処理、画像再構成処理を行い、診断画像を生成する。
一方、CPU117は、光音響波測定可能状態に達していないと判定したときは、トリガ出力部122へのイネーブル信号をローレベルにし、トリガ信号が受信回路104に出力されないようにする。これにより、不十分な品質のパルス光に起因する光音響信号が診断画像の生成に使われないようにする。また、この時にシャッタ制御部119を通じてシャッタ107を閉じる。これにより、不要なパルス光が被検体110に照射されることを防ぐ。つまり、シャッタ107は、イネーブル信号がハイレベルの時に開く。
(部分図)
図11は、実施例1における被検体近傍の位置関係を示した図である。保持部材1101は、被検体110を保持し形状を規定する。保持部材1101として、カップ状に成形されたポリメチルペンテン等の樹脂や、フィルム部材を利用できる。保持部材1101と被検体110の間に液体1102を入れて、音響インピーダンスを整合させることが好ましい。液体1102として適切な温度の水や油を用いる。図のように保持部材1101ごしに光と音響波が行き来する場合、保持部材1101の光と音に対する透過性を高める。
探触子113は、半球面状の支持体に多数の超音波センサ素子1103を配置した構成である。図中では、超音波センサ素子の一部だけを示した。音響インピーダンス整合のため、探触子113の内部にも液体1104を入れることが好ましい。本実施例では液体1104として水を用いる。探触子113は、構造物1105によって支えられている。XYステージ1106は、構造物1105により探触子113と締結され、探触子113をXY面上で移動させる。2軸モータ1107は、XYステージ1106を駆動させるモータであり、ACサーボモータあるいはステッピングモータなどが用いられる。位置センサ1108は、XYステージの位置を測定するためのセンサであり、数10μmの精度で探触子113のXY座標を計測する。位置センサ1108にはポテンショメータ、光学式エンコーダなどが用いられる。この例では、投光部109はXYステージ1106に固定され、探触子113とともに動く。このように、投光部および超音波センサ素子の、被検体
に対する相対位置が変化できることにより、被検体110の広い範囲での光音響測定が可能になる。
(動作フロー)
図2は実施例1の光音響装置の動作フローを示す。使用者がユーザインタフェース114を介して被検体110の撮影開始指示を行った状態を開始状態とする。ステップS201において、コントローラ103は使用者が設定した撮影範囲、波長、照射密度などの情報から、撮影位置の個数を割り出す。そしてレーザコントローラ101のCPU117に対し、照射するパルス数および波長を設定する。本実施例では撮影位置の個数を2048点、波長は755nmと795nmの2種類とする。照射するパルス数は各波長2048回ずつとなる。
ステップS202において、CPU117はシャッタ制御部119に制御信号を送り、シャッタ107を閉じる。続いてステップS203において、CPU117はトリガ信号の出力をオフにし、受信回路に対してトリガ信号が送られない状態にする。
続いてステップS204において、CPU117は光源102のレーザ発光準備ができているか否かを確認する。この際にサーキュレータ116が光源102内に循環される水の温度を温度モニタ部120から読み出して、所定の範囲内に入っているか否かを確認する。所定の範囲内に入っている場合には、レーザ発光準備ができていると判定し、ステップS205に進む。所定の範囲外の場合には、レーザ発光準備ができていないと判定し,一定時間待機し再びステップS204に戻る。このように、光源内部のレーザ媒質の温度がレーザ発光可能な温度になっているかを確認することで、パルス光の状態が不安定な状態で撮影を開始することを防止できる。なお、光源内部に設けた温度センサによりレーザ媒質の近傍の位置の温度を測定すれば、より正確な温度が得られる。
ステップS205では、CPU117は光源制御部118に指令を送り、光源102内部の波長切り替え機構を動作させ、パルス光の波長を設定する。本実施例では波長は755nmと795nmの2種類とする。波長切り替え機構は光源102の共振器内に置かれた複屈折フィルタおよび、複屈折フィルタを光軸に対して垂直な面内で回転させるモータで構成される。共振器の波長ごとの損失を複屈折フィルタの回転角度で制御することにより、レーザの波長を755nmと795nmの2つで切り替えられる。本実施例では最初は755nm,2回目は795nmに設定する。
ステップS206では、CPU117は光源制御部118に指令を送り、光源102の励起開始信号および発振開始信号を駆動し、周波数20Hzでレーザ発光させる。この段階ではシャッタ107が閉じているので、パルス光は光量計106には照射されるが、被検体110には照射されない.また、ステップS203にてトリガ信号の出力はオフになっているため、この段階ではCPU117は受信回路104に対してトリガ信号は送られず、受信回路104は光音響信号の受信処理を行わない。
続いてステップS207において、CPU117は光量計106と通信してパルスごとの光量を読み出す。そして、パルス光の光量が十分な量であり、かつ安定しているかを確認する。ある波長における光量測定値の一例を図3に示す。図3において縦軸を光量、横軸をパルス番号とする。パルス番号の初期値は0であり、パルス光を1回射出するごとに1ずつ増加する。光音響波を発生させるために必要な光量の下限値301は、本実施例では200mJとする。光音響波を発生させるための光量の上限値302は、本実施例では300mJとする。
レーザ射出開始直後は光源内部の温度分布が平衡状態になっていないため、レーザ媒質
、フラッシュランプを含む共振器のロスや熱膨張によるずれがある。そのため、光量が低くまた変動が大きい。パルス番号303において、光量は下限値301に達するが、この段階ではまだ前後の光量との差が大きく、光量が不安定である。この段階ではCPU117は光量が安定していないと判定し、ステップS206に戻る。パルス番号304においては、光量が下限値301および上限値302の間にあり、かつ、前後の光量との差が小さくなっている。この段階でCPU117は光量が安定していると判定し、ステップS208に進む。CPU117は、光量が5回続けて下限値301と上限値302の間に入り、かつ、前回の光量との差分値が5回続けて所定の値10mJ以下であるときに光量が安定していると判断するものとする。すなわちCPU117は、パルス番号nの光量をEn,xを自然数としたときに、下記の式(1)と式(2)が成立したときに光量が安定していると判断する。
200mJ≦En≦300mJ(n=x,x−1,x−2…x−4) …(1)
En−E(n−1)≦10mJ(n=x,x−1,x−2…x−4) …(2)
ステップS208において、全ての波長について光量が安定していると判定されているかの確認を行う。全波長(本実施例では755nmと795nm)で光量が安定していると判定されている場合にステップS209に進む。まだ安定していない波長がある場合にはステップS205に戻り、次の波長に設定変更を行う。
続いてステップS209においてCPU117は光源制御部118に指令を送り、光源102内部の波長切り替え機構を動作させ、パルス光の波長を設定する。本実施例では最初は755nm、2回目は795nmに設定する。続いてステップS210において、コントローラ103は走査部121に指令を送り、投光部109および探触子113を最初の撮影位置に移動させる。
続いてステップS211においてCPU117はシャッタ制御部119に指令を送り、シャッタ107を閉状態から開状態にする。そしてCPU117はシャッタ内部の位置センサ1、および位置センサ2の状態を確認し、遮光機構の位置が開状態の位置になったところでステップS212に進む。続いてステップS212においてCPU117はトリガ信号の出力をオンにし、受信回路104にパルス光の発光と同期したトリガ信号が出力される状態にする。
続いて、ステップS213において、CPU117は光源制御部118に指令を送り、光源102の励起開始信号および発信開始信号を駆動し、周波数20Hzでレーザ発光させる。この段階ではシャッタ107が開いているので、パルス光は光伝送部108と投光部109を介して被検体110にも照射される。これにより光吸収体111から光音響波112が発生し、探触子113によって光音響信号に変換され受信回路104へ入力される。また、トリガ信号の出力がオンになっているので、受信回路104に対してパルス光の発行と同期したパルス信号が出力される。続いてステップS214において、受信回路104はトリガ信号の入力に同期して探触子113からの光音響信号を受信し、信号処理を行う。
続いてステップS215において、コントローラ103は走査部121に指令を送り、投光部109および探触子113を次の撮影位置に移動させる。続いてステップS216において、ステップS201で求めた全ての撮影位置の光音響信号の取得が完了したか否かを判定する。完了している場合にはシャッタ107を閉め、ステップS217に進む。完了していない場合にはステップS213に戻り、次の撮影位置での光音響信号の取得を行う。
続いてステップS217において、全ての波長の測定が完了したかを判定する。本実施
例では、波長755nm、795nmの両方の光音響信号の取得が完了したか否かを判定する。完了している場合にはステップS218に進む。完了していない場合には、CPU117はシャッタ107を閉じ、トリガ信号の出力をオフにした後にステップS209に戻る。ステップS209にて波長を再度設定し、光音響信号の取得を継続する。
続いてステップ218において、コントローラ103は受信回路104に指令を送り、これまで取得された光音響信号のデータを用いて画像再構成処理を行う。画像再構成処理は、超音波振動子で検出された光音響波の音圧から被検体110内の初期音圧分布および吸収係数分布を求めることであり、数学的には逆問題と呼ばれる。本実施例では再構成アルゴリズムとして、Universal Back Projection(UBP)法を用いる。また、複数の波長に対する吸収係数分布の比較から被検体110内部の血液中の酸素飽和度分布を算出する。画像再構成処理で得られた初期音圧分布および吸収係数分布のデータはコントローラ103に転送され、診断画像としてディスプレイ115に表示される。また酸素飽和度分布を診断画像とあわせて表示する。
(受信回路)
図4は受信回路104の内部の構成を示すブロック図である。増幅器401は探触子113からの光音響信号を電圧増幅する。増幅器401は、探触子を構成する512個の超音波センサ素子それぞれに対応した、512チャンネルのオペアンプにより構成される。A/Dコンバータ群402は、増幅器401で増幅された光音響信号をサンプリングし、アナログーデジタル変換を行うように構成されている。16チャンネルのA/Dコンバータ素子を32個使用することにより、512チャネルのA/Dコンバータ群を構成できる。各A/Dコンバータ素子は外部から20MHzのサンプリングクロックを受信し、サンプリングクロックに同期して光音響信号をデジタル化し、後段の信号処理回路403に出力する。A/Dコンバータ素子は外部からの制御により、イネーブル状態とディスエーブル状態を切り替える。デジタル化された光音響信号を光音響信号データと呼ぶ。
信号処理回路403は光音響信号データに対し、ノイズ除去フィルタ、探触子応答補正、整相加算、平均化などの信号処理を行う回路である。信号処理回路403は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などで実装され、512chのデータを処理するために複数のFPGAで構成される。信号処理回路403は、A/Dコンバータ402から光音響信号データを受信して、外部の信号メモリ407に保存する機能、外部からのトリガ信号を受信する機能、および、A/Dコンバータ402のイネーブル/ディスエーブルを制御する機能を有する。信号処理回路403は、トリガ信号が入力されると、A/Dコンバータ402をイネーブルする。そして、所定の個数の光音響信号データがA/Dコンバータ402から受信されたのちに、A/Dコンバータ402をディスエーブルする。トリガ信号はレーザ発光のタイミングで入力されるので、A/Dコンバータ402は光源からのレーザ発光と同期して光音響信号のサンプリングを開始し、所定の個数の光音響信号データを信号処理回路403に送信する。
なお、被検体内部からの光音響波112が探触子113に伝搬する時間よりも長い期間を受信するように光音響信号データの個数を決める。例えば、被検体110の探触子113内の超音波振動子からの最大距離をL、光音響波112の被検体110内部の伝搬速度をV、A/Dコンバータ402のサンプリング周期をTとすると、光音響信号データの個数は、L/(V*T)より大きくする。本実施例では、L=70mm,V=1500m/s,T=50ns,データ個数を1024とする。この場合、A/Dコンバータ402はレーザ発光時にイネーブルになり、その後、51.2μsで1024個の光音響信号データを信号処理回路403に送った後にディスエーブル状態になる。この動作をレーザ射出周期50msごとに繰り返す。ディスエーブルの期間はイネーブルの期間に比べ、A/Dコンバータ402の消費電力が少ない。レーザ射出の周期50msのうち、被検体110
内部からの光音響波112に対応する光音響信号を受信している51.2μs期間以外をディスエーブルとすることで、光音響装置の消費電力を抑えることができる。
プロセッサ404は,信号処理された光音響信号データに対し、画像再構成処理を行うように構成され、多数のコアからなるGPU(Graphic Processing Unit)で構成される。回路405はレーザコントローラ10からトリガ信号を受信し、信号処理回路403内の複数のFPGAに分配する回路であり、クロックバッファなどで構成される。複数のFPGAに同じタイミングでトリガ信号を入力することにより、多チャンネルの光音響信号のサンプリングを同時に開始できる。
回路406はA/Dコンバータ402のサンプリングクロックを生成し、複数のA/Dコンバータ素子に分配する回路であり、水晶振動子、クロックバッファなどで構成される。複数のA/Dコンバータ素子に同じタイミングでサンプリングクロックを入力することにより、多チャンネルの光音響信号を同時にサンプリングできる。メモリ407は信号処理回路403に附属するメモリであり、光音響信号データ、信号処理途中の中間データ、信号処理後のデータの保存に用いられる。信号処理後のデータはプロセッサ404に転送される。メモリ408はプロセッサ404に付属するメモリであり、プロセッサ404が生成した初期音圧分布および吸収係数分布を示す画像データが保存される。
(処理タイミング)
図5Aは、ステップS211からステップS214にかけてのレーザコントローラ周囲の制御の流れを示すタイミングチャートである。励起開始信号501は光源制御部118が光源102のフラッシュランプを点灯させるための信号である。励起開始信号の立ち上がりをトリガとして、フラッシュランプが数100μsの間点灯する。発振開始信号502は、光源制御部118が光源102のQスイッチをオンさせるための信号である。発振開始信号502の立ち上がりをトリガとしてQスイッチがオンになる。光量503は光源102からの出力パルス光の光量を示す。発振開始信号502の立ち上がりから数100ns後にパルス光が出力される。励起開始信号501、発振開始信号502、パルス光503は周波数20Hzで繰り返し動作する。このように周期的に光源を駆動することにより、パルス毎の光量のばらつきが抑えられ、光源102の動作が安定する。
制御信号504はシャッタ制御部119がシャッタ107を開閉するための信号である。シャッタ制御信号504がハイレベルの時にアクチュエータが通電されシャッタが開く。制御信号504がローレベルの時はアクチュエータが通電されておらず、シャッタが閉じている。符号505はシャッタの状態を示す。シャッタ制御信号が立ち上がってから数10ms後にシャッタの状態が閉状態から開状態になる。数10msの期間において遮光機構は閉状態と開状態の間にある。この状態を中間状態と呼ぶ。中間状態のシャッタに光を入射すると、入射光の一部が遮蔽され、十分な光が透過しなかったり、分布形状が変わってしまったりする場合がある。そのため、中間状態で得られた光音響信号を画像再構成に用いるのは好ましくない。そこで、本実施例では、後述するように、CPU117は閉状態と中間状態ではまだトリガ信号の出力をオフしておき、開状態になった後にトリガ信号の出力をオンにする。
位置センサ信号506はシャッタ107の遮光機構の位置センサの信号であり、シャッタ制御部119へ入力される。イネーブル信号507はCPU117がトリガ出力部123へ出力する信号である。位置センサ信号506がハイレベルの時はシャッタ107が開状態にある。一方、位置センサ信号506ローレベルの時はシャッタ107が閉状態または中間状態にある。CPU117は位置センサ信号506がハイレベルなったのを確認し、ステップS212にてトリガ出力イネーブル信号507をハイレベルにする。
光量508は被検体110に照射されるパルス光の光量を示す。シャッタ107が開いていない場合にはパルス光は被検体110に届かないので、光源102からの出力パルス光503のパルス数(4個)と比べて、被検体に照射されるパルス数は2個少なくなる。トリガ信号509はトリガ出力回路123から受信回路104に出力される信号である。トリガ出力回路はイネーブル信号507と発振開始信号502の論理積を出力するので、トリガ信号509は被検体への照射光508の直前に出力される。
光音響信号510は探触子113が受信回路に対して出力する信号である。受信回路は、トリガ信号509に同期して光音響信号510のサンプリングを行う。この際に、従来例のように発振開始信号502に同期して受信回路104が動作すると、十分な光量が出ていない最初の2回のパルス光に由来する光音響信号までサンプリングされてしまう。この信号が診断画像の生成に使用されると、診断画質の悪化やアーチファクトの発生の恐れがある。しかし、図5Aの例では、パルス光の光量が安定していない間は受信回路は動作せず、光量が安定してから受信回路が動作する。その結果、十分な強度を持つ光音響信号のみを診断画像の生成に使用し、診断画像の悪化を防ぐことができる。
なお、本実施例の受信回路104では、トリガ信号が入力されたのと同期して、信号処理回路403はA/Dコンバータ402をイネーブルする例を示したが、受信回路104の内部の制御方法はこれに限らない。トリガ信号が入力されたときに取得された光音響信号を使用して診断画像を生成し、トリガ信号が入力されていない時に取得された光音響信号を使用しないのであれば、どのような制御方法でも構わない。例えば、トリガ信号が受信回路104に入力されない時に、A/Dコンバータ402は光音響信号をサンプリングしているが、信号処理回路403が信号メモリ407にその時の光音響信号データを保存しないようにしてもよい。トリガ信号が受信回路104に入力されない時のデータも信号メモリ407に保存されるが、その時にトリガ信号が入力されていたかことを示すフラグを信号メモリに一緒に保存しておき、プロセッサ404はフラグが保存されていない光音響信号データは使用せずに画像再構成をおこなうようにしてもよい。
(変形例)
上の記載では、シャッタ制御信号504が立ち上がってからシャッタ状態信号507が立ち上がるまでの間、すなわちシャッタ107が中間状態になっている間もQSWトリガ信号502を立ち上げている。しかし、QSWトリガ信号の制御方法はこの方法に限らない。例えば、図5Bのように、中間状態の間は、光源制御部118はQSWトリガ信号502を立ち上げず、シャッタ状態信号507が立ち上がるのを確認してからQSWトリガ信号を立ち上げるようにしてもよい。このようにすることで、シャッタ107が中間状態の時に、パルス光503の被検体への照射を確実に防止できる。
また、上の記載では、CPU117はシャッタ状態信号506の立ち上がりに従ってイネーブル信号507を立ち上げているが、イネーブル信号507の立ち上げタイミングはこの方法に限らない。例えばシャッタ107の遮光機構の駆動時間が既知の場合には、シャッタ駆動信号504を立ち上げてから一定時間後にイネーブル信号507を立ちあげてもよい。この場合にはシャッタ107の遮光機構の位置センサを省略できるので、シャッタ107のコストを低減できる。
また、上の記載では、CPU117は光量計106で測定された光量をパルス毎に確認していた。そして、光量が5回続けて下限値301と上限値302の間に入り、かつ、前回の光量との差分値が5回続けて所定の値10mJ以下であるときに光量が安定していると判断していた。しかし判断の方法はこれに限らない。例えば、光量が1回下限値301を上回ったところで光量が安定しているとみなしてもよい。また、事前に何回パルス光を発光させれば光量が安定になるかを調べておき、CPU117は所定の回数パルス光を発
光させた後に光量が安定しているとみなしてもよい。また、事前に何回パルス光を発光させて、光量が安定になるまでの時間を計測しておき、CPU117は所定の時間、パルス光を発光させた後に光量が安定しているとみなしてもよい。この場合には光量をパルス毎にモニタする必要がないので、光量計106を省略してコストを低減できる。
<実施例2>
実施例2では、光源からのパルス光の空間的な光強度分布が不安定な時に取得された光音響信号は、診断画像の生成に使用しない。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、パルス光の光強度分布の位置によるばらつきが十分小さく、かつ時間的な変動が十分小さいことである。
(装置構成)
実施例2に係る光音響装置の構成は、図1と比べて、光量計106の代わりに分布カメラを用いる点のみが異なる。分布カメラは、CCDやCMOSなどの多数の光センサアレイをもち、パルス光の空間的な分布を測定する。パルス光の進む方向に垂直な面内において水平方向をX軸、垂直方向をY軸とする。
(動作フロー)
また、実施例2での動作フローの図2との違いは、CPU117はステップS207にて、パルス光の空間的な光強度分布の安定性を確認することである。すなわち、ステップS207においてCPU117は分布カメラと通信して、パルスごとの光の空間的な分布を読み出す。そして、レーザパルス光の分布が十分な量であり、かつ安定しているかを確認する。
(光の空間分布)
ある波長におけるレーザパルス光の光分布の一例を図6に示す。横軸は光センサアレイの各素子のX座標であり、縦軸は各光センサ素子で測定された光強度である。また、符号601を強度の下限閾値、符号602を強度の上限閾値とする。図6(a)および図6(b)は、それぞれ別のタイミングで、分布カメラにて観測された分布データの例である。
図6(a)では、ビーム強度の最大値と最小値の差が大きく、周辺では光強度が少ない。また、中心付近で急激に光強度が大きくなっている。このような分布になるのはレーザ媒質の温度分布が一様になっておらず、励起状態が位置によりばらついているためだと考えられる。この場合にはビーム内の位置による光量変動が大きく、光音響信号の空間的なばらつきも大きくなる。よって、一定期間の間にこのような分布が見られた場合には、CPU117は光の分布が安定していないと判定する。
一方、図6(b)では、X軸の広い範囲で光の強度がほぼ一定である。この場合にはビーム内の位置による光量変動が少なく、光音響信号の空間的なばらつきも少なくなる。そこで、このような分布が一定期間続いた場合には、CPU117は光の分布が安定していると判定する。
本実施例ではCPU117は、X座標全域において強度が上限閾値602以下であり、かつ、X座標が603〜604の範囲内における強度が下限閾値601以上である分布データが5パルス続いた場合に、X座標の光の分布が安定していると判定する。なお、本実施例では簡単のためX軸方向の分布のみについて図6の例を用いて説明したが、Y軸方向の分布についても同様の判定を行うことが好ましい。例えば、CPU117は、所定のビーム範囲において、各座標の光強度が設定値の±10%以内の状態が続いた場合に、光の分布が安定していると判定する。
以上説明してきたように、実施例2では、パルス光の空間的な光強度分布が安定していない間は受信回路104が動作せず、光強度分布が安定してから受信回路104が動作する。その結果、空間的なばらつきが少ない光音響信号のみが診断画像の生成に使用されるので、診断画像の悪化を防止できる。
<実施例3>
実施例3では、光源からのパルス光の波形が不安定な時に取得された光音響信号は診断画像の生成に使用しない。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、パルス光の光パルス幅が所定の範囲内であり、かつパルス光が複数のピークを持たない状態である。
(装置構成)
実施例3に係る光音響装置の構成は、図1と比べて、光量計106の代わりにパルス光測定回路が配置されている点のみが異なる。パルス光測定回路は高速フォトダイオード、電流電圧変換回路、増幅回路、A/Dコンバータからなる回路であり、パルス光の光強度の時間的な波形を取得できる。
(動作フロー)
また、実施例3に係る光音響装置の動作フローの図2との違いは、CPU117はステップS207にて、パルス光の時間的な波形を確認することである。すなわち、ステップS207においてCPU117は、パルス光測定回路と通信して、一定期間パルスごとの光強度の時間的な波形を読み出す。そして、レーザパルス光の光強度の時間的なパルス幅が十分小さく、かつ、単一のパルスであるかを確認する。
(波形)
図7に、パルス光の光強度の時間波形のいくつかの例を示す。横軸は時刻であり、レーザコントローラ101が光源102に対し励起開始信号を立ち上げた時刻を時刻0とする。縦軸はパルス光測定回路において測定された光強度である。図7(a)はパルス光の時間幅が大きい。これはレーザ共振器の温度が一様でなく、損失が大きい状態であることが原因だと考えられる。このような場合には光音響信号の帯域が狭くなり、診断画像の解像度劣化のおそれがある。CPU117は、光の時間的な波形が安定していないと判定する。
図7(b)ではパルス光が複数回に分かれて出力されている。これはまだレーザ媒質が十分温まっておらず、共振器のゲインが不十分であるためと考えられる。このような場合には一本の血管から光音響信号が複数回発生し、診断画像にアーチファクトが発生するおそれがある。このような場合にもCPU117は光の時間的な波形が安定していないと判定する。
図7(c)ではパルス光の時間幅が小さく、単一のパルス光が出力されている。一定期間の間このような波形が続いた場合、CPU117は光の時間的な波形が安定していると判定する。具体例として、CPU117はパルス波形から半値幅を算出し、半値幅が所定の設計値の±5%以内に収まり、かつ、1回の発振に対し単一のパルス波形が5パルス続いて得られた場合に、光の時間的な波形が安定していると判定する。
以上説明してきたように、実施例3では、パルス光の光強度の時間的な波形が安定していない間は受信回路が動作せず、時間的な波形が安定してから受信回路が動作する。その結果、時間的なばらつきが少ない光音響信号のみが診断画像の生成に使用され、診断画像の悪化が防止される。
<実施例4>
実施例4では、光源からのパルス光の波長が不安定な時に取得された光音響信号は診断画像の生成に使用されない。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、パルス光の波長の設定値との誤差が十分小さく、かつ時間的な変動が少ないことである。
(装置構成)
実施例4に係る光音響装置の構成は、図1と比べて、光量計106の代わりに波長計が使用される点のみが異なる。波長計は、プリズムや回折格子のような分光光学素子や、リニアセンサのような光センサアレイなどから構成され、パルス光の波長を測定できる。
(動作フロー)
また、実施例4での動作フローの図2との違いは、CPU117はステップS207にて、波長の安定性を確認することである。すなわち、ステップS207においてCPU117は波長計と通信して、一定期間パルスごとの光の波長を読み出す。そして、波長の設定値と測定値の誤差を算出し、誤差が所定の範囲内に収まり、かつ測定値が安定しているかを確認する。誤差が所定の範囲を超えていたり、測定値が安定しない場合は、レーザ媒質の温度分布が一様になっていないと考えられる。光源の一部に半導体レーザを用いた場合には、特に波長の温度依存性が大きくなる。波長の誤差やばらつきが大きくなると、特性情報(特に酸素飽和度)の精度が低下するおそれがある。このような場合にはCPU117はパルス光の波長が安定していないと判定する。
一方、誤差が所定の範囲内である状態が続いた場合、CPU117は波長が安定していると判定する。例えば、波長が設定値±1nsの範囲である状態が5パルス続いた場合に、CPU117は光の波長が安定していると判定する。なお、波長の誤差が所定範囲内かどうかの確認は、被検体へのレーザ照射が行われる前に1回だけ行ってもよいし、撮影中に波長を変更するたびに行ってもよい。後者の場合、CPU117は、波長変更後に波長が安定するまでの間はトリガ信号をオフ状態にする。
以上のように、実施例4では、パルス光の波長が安定していない間は受信回路が動作せず、波長が安定してから受信回路が動作する。その結果、正しい波長のパルス光から得られた光音響信号のみが診断画像の生成に使用され、診断画像の悪化が防止される。
(変形例)
なお、本実施例で用いた波長の安定度合いによる判定や、光量計での測定値による判定、光分布に基づく判定、パルス光の波形に基づく判定などは、任意に組み合わせてフローを実施して構わない。これにより、判定の精度がより向上する。
<実施例5>
実施例5の実施例1と異なる点は、光源からのパルス光量の波長間比率がばらついている時に取得された光音響信号は診断画像の生成に使用しない点である。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、パルス光量の波長間の比率が所定の範囲内であり、かつ時間的な変動が少ないことである。実施例5に係る光音響装置の構成は、図1と同じである。
(動作フロー)
図8に実施例5に係る光音響装置の動作フローを示す。図8は図2と比べて、ステップS805からステップS810にかけての動作が異なる。すなわち本実施例では、CPU117は複数の波長の光量の比を計算し、比率が安定していた場合に被検体からの光音響信号を取得する。
ステップS801からステップS806までの処理は、図2のステップS201からステップS206までと同じである。ステップS807において、CPU117は光量計1
06と通信してパルスごとの光量データを取得し、内部のメモリに記憶する。続いてステップS808において、全ての波長について光量データを複数取得したかどうかを判定する。全波長で光量が取得され、メモリ記憶されている場合にステップS809に進む。本実施例では、755nmと795nmの2種類の波長それぞれについて10個ずつ、計10組の光量データを取得した場合にステップS809に進む。まだ光量データを取得し終えていない場合にはステップS805に戻る。これ以降、パルス番号n、波長755nmの光量データをE755_n,パルス番号n,波長795nmの光量データをE795_nと表記する。
続いてステップS809において、CPU117は、2つの波長の間で、光量の比率を計算する。パルス番号nでの比率Rnは、次のように表される。
Rn=E795_n/E755_n
酸素飽和度を算出するときには、2種類の波長で取得された光音響信号データの比率を用いる。したがって、酸素飽和度の誤差を低減するためには、パルス光量の比率Rnが安定していることが望ましい。そこでステップS810において、光量の比率が所定の範囲内で安定しているかを判定する。本実施例では、10組のデータから得られた10個の比率がそれぞれ、0.95以上、1.05以下の場合に、光量比が安定していると判断する。すなわちCPU117は、下式が成立したときに波長間の比率が安定していると判断する。
0.95≦Rn≦1.05 (n=x,x−1,…,x−9)
比率が安定している場合にはステップS811に進む。安定していない場合には、ステップS805に戻り、再び10組の光量データセットを取得する。ステップS811からステップS820までの処理は、それぞれ実施例1におけるステップS209からステップS218までと同じである。なお、ばらつき情報の取得に用いるデータ個数や、ばらつき情報の取得方法は、上記に限られない。
以上のように、実施例5では、パルス光の波長間の比率が安定していない間は受信回路が動作せず、比率が安定してから受信回路が動作する。そのため、光音響信号の波長間の比率のばらつきが低減されるので、特に酸素飽和度分布のような、複数の波長の光を用いた診断画像を生成する場合に好適である。
<実施例6>
実施例6の実施例1と異なる点は、ある点からの光音響信号の強度がばらついている時に取得された光音響信号は診断画像の生成に使用しない点である。本実施例においてパルス光が安定な状態とは、被検体と光音響装置の界面からの光音響信号の強度が所定の範囲内であり、かつ時間的な変動が少ないことである。実施例6に係る光音響装置のブロック図は図1と同じである。
図9に、実施例6に係る光音響装置の動作フローを示す。図9は図2と比べて、ステップS913からステップS916の動作が異なる。また、本実施例では、実施例1のステップS205からステップS208に対応する動作をなくしている。すなわち本実施例では、光音響信号が安定しているか否かを判断し、安定していない場合に受信回路104は光音響信号を診断画像作成に使用しない。
ステップS901からステップS913までの処理は、図2のステップS201からステップS213までと同じである。ステップS914において、受信回路104は探触子113からの光音響信号を受信する。ステップS915において、受信回路104は光音響信号を解析し、パルス光が安定しているか否かを判定する。具体的には、保持部材11
01から発生する光音響信号の振幅が所定の範囲内であるか否かを持って判定する。保持部材1101から発生している光音響信号と被検体110内部から発生している光音響信号を区別するために、超音波センサ素子1103と保持部材1101の間の距離Lを算出する。そして、距離Lを液体1104中の音速Vで割り、保持部材1101由来の光音響信号が超音波センサ素子1103に到達する時間を求め、その時間の信号を上限および下限閾値と比較する。
なお、距離Lは探触子113のXYステージ上の位置および超音波センサ素子1103の探触子113内での幾何学的配置に依存する。そこで距離Lの算出のために、位置センサ1106から読みだされるXYステージの座標を用い、超音波センサ素子ごとに距離を算出する。
図10に超音波センサ素子1103にて受信された光音響信号の例を示す。横軸は時刻であり、受信回路104がレーザコントローラ101よりトリガ信号を受信した時刻を時刻0とする。縦軸は、ある超音波センサ素子が受信した音響波に由来する電気信号を、受信回路104のA/Dコンバータ402によってデジタル化した光音響信号データの信号強度である。
符号1001は時刻L/Vであり、符号1002は、保持部材の厚みをdとしたときの、時刻(L+d)/Vである。符号1003は、時刻1001から時刻1002の間における光音響信号データの最小値である。また、符号1004は、時刻1001から時刻1002の間における光音響信号データの最大値である。
受信回路104の信号処理回路403は、最大値1004と最小値1003の差分を計算し、予め設定された閾値と比較する。図10(a)は、差分が比較的小さく、閾値よりも小さい場合である。このときは、被検体110に照射される光量が不十分であるため、光音響信号のピークが小さいと考えられる。したがって、光音響信号が安定していないと判定される。
一方、図10(b)は、最大値1004と最小値1003の差分が閾値よりも大きい場合を示す。このときは、十分な光量が被検体110に照射されており、光音響信号のピークが大きくなっていると考えられる。したがって、光音響信号が安定していると判定される。一例として、L=50mm,d=0.5mm,V=1500m/sとしたときに、時刻の範囲を33.3μs〜33.6μsの間で得られた光音響信号データが閾値を越えない状態が5パルス続いた場合に、光の波長が安定していると判定できる。
光音響信号が安定していると判定された場合にはステップS916に進む。光が安定していないと判定された場合にはステップS913に戻り、再び同じ位置でレーザ照射を行う。ステップS916では光音響信号を信号メモリ407に保存する。ステップS917からステップS920までの処理は、それぞれ実施例1におけるステップS215からステップS218までと同じである。
なお、本実施例では保持部材からの光音響信号を解析し、パルス光が安定しているかを判定した。しかし、カメラによる光学撮像や超音波探査により被検体の形状を把握し、被検体表面の皮膚からの光音響信号を解析してもよい。
以上のように、実施例6では、光音響信号が安定していない間は受信回路が動作せず、光音響信号が安定してから受信回路が動作する。その結果、光音響信号そのもののばらつきが低減し、診断画像の悪化を防止できる。なお、本実施例は、実施例1から実施例5と組み合わせて、実施例1のステップS205からステップS208に対応する動作を加え
て、光量が安定しているか否かを判定する動作をしてもよい。
<<第2の実施形態>>
第1の実施形態の各実施例では、光照射の安定化および画像の高画質化のために、光源から安定状態で照射されたパルス光に由来する電気信号を選択した。本実施形態では、光源からの光が不安定な状態になる場合は、被検体への照射自体が行われない。被検体へのパルス光照射を防止する方法として、光の発振自体を行わない方法と、発振された光の被検体への経路を遮断する方法がある。また、パルス光照射を行うべきか、それとも防止すべきかの判断手法についても複数の方法がある。
まず、発振された光を遮断する方法について述べる。上述したように、CPU117はシャッタ制御部119に制御信号を送ることで、シャッタ107の開閉を行える。そこでCPU117は、安定した状態でパルス光を照射できないと判断した場合、シャッタ107を閉じる。一方、安定照射が可能な場合はシャッタ107を開く。これにより、不安定な状態での光照射を防止できる。
次に、光の射出自体を行わない方法について述べる。上述したようにCPU117は、光源制御部118に指令を送ることで、光源102の励起開始信号および発振開始信号を駆動し、パルス光を発振させることが可能である。そこで、CPU117は、安定した状態でパルス光を射出できると判断するまで、励起開始信号または発振開始信号を出力しない。これにより、不安定な状態での光照射を防止できる。この方法は、安定射出の可否を、レーザ媒質の温度が十分に上昇したかどうかに基づいて判定する場合に好適である。
続いて、パルス光射出の可否判定について述べる。上記第1の実施形態で説明したパルス光の光量等による判定手法は、シャッタ107を用いて光を遮断する方法に好ましく適用できる。また、被検体情報取得装置がレーザ媒質の温度を測定するセンサを備える場合、測定温度に基づいて判定する方法もある。例えば温度が所定の値以上の場合や、所定範囲内で一定時間安定している場合などに、安定射出可能と判断できる。また、簡便的な手法として、シャッタ107が閉じた状態で所定の回数だけパルス光を射出する方法もある。
<<第3の実施形態>>
本実施形態では、不安定な状態で照射されたパルス光に由来する電気信号は、受信部により受信されないか、メモリに保存されない。本実施形態では、光音響装置として、シャッタを備えていてもよいし、備えなくてもよい。
上述した通り、CPU117は、トリガ出力部122へのイネーブル信号を制御することで、トリガ信号の受信回路104への出力を防止できる。その結果、特定のパルス光に起因する電気信号の受信を防止できる。また上述した通り、信号処理回路403は、A/Dコンバータ402から光音響信号データを受信して、外部の信号メモリ407に保存する機能を有する。したがって、メモリへのデータ保存を行わないことによっても、不安定状態の光に由来する画像再構成を防止できる。
以上述べたように、本発明の各実施形態にかかる光音響装置においては、安定な状態で照射が行われたパルス光に由来する電気信号のみを用いた特性情報の生成が可能である。その結果、被検体の再構成画像を高画質化できる。
(変形例)
不安定な状態で照射されたパルス光に由来する電気信号がメモリに保存されても、メモリに保存された情報のうち、安定な状態で照射されたパルス光に由来する電気信号だけを
選択的に利用して、画像再構成時に用いるようにしてもよい。
<その他の実施形態>
記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータ(又はCPU、MPU等のデバイス)によっても、本発明を実施することができる。また、例えば、記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータによって実行されるステップからなる方法によっても、本発明を実施することができる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。この目的のために、上記プログラムは、例えば、ネットワークを通じて、又は、上記記憶装置となり得る様々なタイプの記録媒体(つまり、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体)から、上記コンピュータに提供される。したがって、上記コンピュータ(CPU、MPU等のデバイスを含む)、上記方法、上記プログラム(プログラムコード、プログラムプロダクトを含む)、上記プログラムを非一時的に保持するコンピュータ読取可能な記録媒体は、いずれも本発明の範疇に含まれる。
102:光源、104:受信回路、108:光伝送部、113:探触子、117:CPU、118:光源制御部、403:信号処理回路

Claims (15)

  1. パルス光を射出する光源と、
    前記パルス光が照射された被検体から発生する音響波を電気信号に変換する素子と、
    前記電気信号を用いて前記被検体内部の特性情報を生成する情報処理部と、
    を有し、
    前記情報処理部は、安定な状態で照射が行われた前記パルス光に由来する前記電気信号のみを用いて前記特性情報を生成する
    ことを特徴とする情報取得装置。
  2. 前記光源は、安定な状態で射出可能な場合に前記パルス光を射出し、
    前記情報処理部は、照射が行われた前記パルス光に由来する前記電気信号を用いて前記特性情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
  3. 前記パルス光が安定な状態で射出可能であるかどうかを判定する判定部をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置。
  4. 前記判定部は、前記パルス光の光量および時間的変動に基づいて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報取得装置。
  5. 前記判定部は、前記パルス光の光強度分布に基づいて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報取得装置。
  6. 前記判定部は、前記パルス光の光パルス幅と、前記パルス光のピークの数とに基づいて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の情報取得装置。
  7. 前記判定部は、前記パルス光の波長の変動に基づいて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の情報取得装置。
  8. 前記光源は、複数の波長の前記パルス光を照射し、
    前記判定部は、前記パルス光の光量の波長間比率に基づいて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の情報取得装置。
  9. 前記パルス光の前記被検体への照射が安定な状態で行われたかどうかを判定する判定部をさらに有し、
    前記情報処理部は、前記判定部が、照射が安定な状態で行われたと判定した前記パルス光に由来する前記電気信号のみを用いて前記特性情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報取得装置。
  10. 前記判定部は、前記電気信号の振幅が所定の範囲内かどうかに基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項9に記載の情報取得装置。
  11. 前記光源から前記被検体に照射される前記パルス光を遮断するシャッタと、
    前記シャッタを制御するシャッタ制御部と、
    をさらに有し、
    前記シャッタ制御部は、前記パルス光を安定な状態で射出可能な場合に前記シャッタを開き、
    前記情報処理部は、照射が行われた前記パルス光に由来する前記電気信号を用いて前記
    特性情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の情報取得装置。
  12. 前記シャッタ制御部は、所定の数の前記パルス光が発振されたのち、前記シャッタを開く
    ことを特徴とする請求項11に記載の情報取得装置。
  13. 前記光源は、レーザ媒質からレーザを発振する光源であり、
    前記レーザ媒質の温度を取得するセンサをさらに有し、
    前記光源は、前記レーザ媒質の温度に基づいて安定な状態かどうかを判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置。
  14. 前記パルス光の照射と同期して前記電気信号を受信する受信部をさらに有し、
    前記受信部は、安定な状態で照射された前記パルス光に由来する前記電気信号を受信し、安定でない状態で照射された前記パルス光に由来する前記電気信号を受信しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
  15. 前記パルス光の照射と同期して前記電気信号を保存するメモリを有し、
    前記メモリは、安定な状態で照射された前記パルス光に由来する前記電気信号を保存し、安定でない状態で照射された前記パルス光に由来する前記電気信号を保存しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
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