JP6593130B2 - ガラス成形体の製造方法及びガラス成形体の製造装置 - Google Patents
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Description
上記ガラス成形体の製造方法において、前記成形用部材群の上面は、前記成形用部材群の搬送方向に沿って連続した連続平面を有し、前記連続平面上において前記ガラス成形体を成形することが好ましい。
上記ガラス成形体の製造方法において、前記第1自動搬送ラインは、第1コンベアを備え、前記第2自動搬送ラインは、前記第1コンベアに並列配置された第2コンベアと、前記第1コンベアで搬送された前記成形用部材を前記第2コンベアに移載する第1移載機構と、前記第2コンベアで搬送された前記成形用部材を前記第1コンベアに移載する第2移載機構と、を備えることが好ましい。
この方法によれば、ガラス成形体の製造装置の設置面積をさらに小さくすることが可能となる。
この方法によれば、例えば、成形用部材と圧延ローラーとを利用して板状のガラス成形体の平坦度を高めることができる。
この方法によれば、ガラスの内部応力を緩和することができる。
上記課題を解決するガラス成形体の製造装置は、溶融ガラスを流下させるノズルを備え、前記溶融ガラスからガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材と、前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送するとともに、前記成形用部材上で成形されたガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する第1自動搬送ラインと、前記取出部を通過した前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側の前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインと、を備える。
図1に示すように、溶融ガラスMGからガラス成形体GCを製造するガラス成形体GCの製造装置11は、溶融ガラスMGを流下させるノズル12を備えている。ガラス成形体GCの製造装置11は、溶融ガラスMGが流下される複数の成形用部材13と、成形用部材13をノズル12よりも上流側からノズル12よりも下流側に搬送する第1自動搬送ラインL1とをさらに備えている。第1自動搬送ラインL1は、成形用部材13上で成形されたガラス成形体GCを取り出す取出部14まで成形用部材13を搬送するように構成されている。ガラス成形体GCの製造装置11は、取出部14を通過した成形用部材13をノズル12よりも上流側の第1自動搬送ラインL1に個別に、或いは複数枚をまとめて返送する第2自動搬送ラインL2をさらに備えている。
ガラス成形体GCの製造装置11におけるノズル12には、図示を省略した溶融窯で調製された溶融ガラスMGが供給される。溶融窯から供給される溶融ガラスMGは、清澄室等で清澄されてもよい。ノズル12の先端の開口部の形状は、例えば、円形であってもよいし、スリット状であってもよい。なお、ノズル12は、白金又は白金合金から形成されることが好ましい。
本実施形態のガラス成形体GCの製造装置11は、複数の成形用部材13を備えている。成形用部材13は、溶融ガラスMGの熱に耐え得る耐熱性を有する材料から形成されている。成形用部材13を構成する材料としては、例えば、金属、及びセラミックスが挙げられる。成形用部材13は、複数の材料から構成されていてもよい。例えば、成形用部材13は、金属にセラミックス層を積層した構成や、セラミックスに金属層を積層した構成であってもよい。また、成形用部材13は、鋳鉄等の金属板に窒化ホウ素や耐熱鋼等の耐熱層(例えば、溶射膜)を積層した構成であってもよい。
図1及び図2に示すように、第1自動搬送ラインL1は、複数の成形用部材13からなる成形用部材群15を第1搬送方向MD1に向けて搬送する。成形用部材群15は、下流側に位置する成形用部材13の上流端13aと、その成形用部材13の上流側に隣り合う成形用部材13の下流端13bとが当接した状態となっている。本実施形態の成形用部材群15の上面は、第1搬送方向MD1に沿って連続した連続平面を有し、その連続平面上においてガラス成形体GCが成形されるように構成されている。
第1自動搬送ラインL1は、成形用部材13の下流端13bが下方となるように傾斜させて成形用部材13を搬送する構成を備え、傾斜させた成形用部材13をノズル12よりも上流側からノズル12よりも下流側に搬送する。すなわち、ガラス成形体GCの製造装置11では、第1自動搬送ラインL1により傾斜された成形用部材13に溶融ガラスMGが流下される。
ガラス成形体GCの製造装置11は、成形用部材13を予備加熱する予備加熱装置19をさらに備えている。予備加熱装置19は、第1自動搬送ラインL1のノズル12よりも上流側に設けられ、ノズル12に向けて搬送される成形用部材13を加熱する。本実施形態の予備加熱装置19は、成形用部材13を誘導加熱する誘導加熱装置であり、高周波電源19aと、誘導コイル19bとを備えている。この誘導コイル19bの内側に成形用部材13が通過することで、成形用部材13がジュール熱により発熱する。成形用部材13は、誘導加熱に好適であることから、金属材料から構成されることが好ましく、成形用部材13は、鉄を90質量%含有することが好ましい。また、予備加熱装置19(誘導加熱装置)の高周波電源19aの周波数は、50Hz以上、400Hz以下の範囲であることが好ましい。
ガラス成形体GCの製造装置11における第2自動搬送ラインL2は、第1コンベアC1に並列配置された第2コンベアC2を備えている。第2自動搬送ラインL2は、第1コンベアC1で搬送された成形用部材13を第2コンベアC2に移載する第1移載機構23と、第2コンベアC2で搬送された成形用部材13を第1コンベアC1に移載する第2移載機構24とをさらに備えている。
図3(a)に示すように、ガラス成形体GCの製造方法は、成形工程S1と返送工程S2とを備えている。
流下工程S12は、第1コンベアC1上で搬送される成形用部材13上にノズル12から溶融ガラスMGを流下する工程である。本実施形態の流下工程S12では、成形用部材群15上にノズル12から溶融ガラスMGが連続して流下される。
返送工程S2では、上述した第2自動搬送ラインL2が用いられる。返送工程S2において、第2自動搬送ラインL2は、取出部14を通過した成形用部材13をノズル12よりも上流側の第1自動搬送ラインL1に返送する。
本実施形態のガラス成形体GCの製造装置11及び製造方法は、比較的低粘度の溶融ガラスMGを用いてガラス成形体GCを製造する場合に好適である。溶融ガラスMGとしては、例えば、ガラス成形体GCの熱膨張係数が、30〜300℃において100×10−7/℃以上であり、P2O5を含有する組成を有するガラス成形体GCが得られるものが好適である。ガラス成形体GCは、例えば、フツリン酸塩ガラスの成形体であり、フツリン酸塩ガラスの組成としては、例えば、カチオン%表示で、P5+:5〜50%、Al3+:2〜30%、R’+(R’はLi、Na及びKから選択される少なくとも1種):10〜40%、及び、R2+(R2+はMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+から選択される少なくとも1種):20〜50%、かつ、アニオン%表示で、F−:5〜80%、及び、O2−:20〜95%を含有する。なお、カチオン%表示は、ガラス中のカチオンの全量を100質量%とした場合の各カチオンの質量%であり、アニオン%表示は、ガラス中のアニオンの全量を100質量%とした場合の各アニオンの質量%である。
次に、ガラス成形体GCの製造方法の主な作用について説明する。
ガラス成形体GCの製造方法では、ガラス成形体GCを取り出した成形用部材13は、第2自動搬送ラインL2を用いた返送工程S2によってノズル12よりも上流側の第1自動搬送ラインL1に返送されるため、成形用部材13を繰り返し用いてガラス成形体GCを製造することができる。また、上記方法は、コンベアの載置面に溶融ガラスMG(ガラスG)を接触させてガラス成形体GCを製造する方法ではなく、第1自動搬送ラインL1で搬送される成形用部材13を用いてガラス成形体GCを製造する方法である。このため、例えば、成形用部材13における溶融ガラスMGとの接触面13cに不具合が生じた場合、その成形用部材13を予備の成形用部材13に交換することにより、ガラス成形体GCの品質を維持することができる。このような成形用部材13の交換作業は、第1自動搬送ラインL1の分解作業等の特別な作業を必要としない。
(1)ガラス成形体GCの製造方法は、ノズル12から溶融ガラスMGを流下させてガラス成形体GCを製造する方法であり、成形工程S1と返送工程S2とを備えている。成形工程S1では、溶融ガラスMGが流下される成形用部材13をノズル12よりも上流側からノズル12よりも下流側に搬送する第1自動搬送ラインL1を用いてガラス成形体GCを成形する。第1自動搬送ラインL1は、成形用部材13上で成形したガラス成形体GCを取り出す取出部14まで成形用部材13を搬送する。返送工程S2では、取出部14を通過した成形用部材13を第1自動搬送ラインL1に返送する第2自動搬送ラインL2を用いている。返送工程S2において、第2自動搬送ラインL2は、成形用部材13をノズル12よりも上流側に返送する。この方法によれば、上述した作用が得られるため、ガラス成形体GCを容易に製造することができる。
(4)ガラス成形体GCの製造方法において、成形用部材群15の上面は、成形用部材群15の第1搬送方向MD1に沿って連続した連続平面を有し、連続平面上においてガラス成形体GCを成形している。
(5)ガラス成形体GCの製造方法において、第1自動搬送ラインL1は、第1コンベアC1を備えている。第2自動搬送ラインL2は、第1コンベアC1に並列配置された第2コンベアC2と、第1コンベアC1で搬送された成形用部材13を第2コンベアC2に移載する第1移載機構23と、第2コンベアC2で搬送された成形用部材13を第1コンベアC1に移載する第2移載機構24とを備えている。
この方法の場合、ガラス成形体GCの製造装置11の設置面積をさらに小さくすることが可能となる。
この方法の場合、ガラスGの内部応力を緩和することができる。従って、得られるガラス成形体GCの品質を高めることが可能である。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。なお、以下では、説明の便宜上、ガラス成形体GCの製造装置11の変更例について説明するが、ガラス成形体GCの製造方法においても同様に変更することができる。
・ガラス成形体GCの製造装置11において、上流側圧延ローラー20a及び下流側圧延ローラー20bの少なくとも一方の圧延ローラー20を省略してもよい。
Claims (12)
- ノズルから溶融ガラスを流下させてガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送する第1自動搬送ラインを用いて前記ガラス成形体を成形するとともに、前記成形用部材上で成形した前記ガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する成形工程と、
前記成形工程において前記取出部を通過した前記成形用部材を前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインを用いて前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側に返送する返送工程と、を備え、
前記第1自動搬送ラインは、前記成形用部材の下流端が下方となるように傾斜させて前記成形用部材を搬送する構成を備え、傾斜させた前記成形用部材に前記溶融ガラスを流下することを特徴とするガラス成形体の製造方法。 - ノズルから溶融ガラスを流下させてガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送する第1自動搬送ラインを用いて前記ガラス成形体を成形するとともに、前記成形用部材上で成形した前記ガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する成形工程と、
前記成形工程において前記取出部を通過した前記成形用部材を前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインを用いて前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側に返送する返送工程と、を備え、
前記第1自動搬送ラインは、複数の前記成形用部材からなる成形用部材群を搬送し、
前記成形用部材群は、下流側に位置する成形用部材の上流端と、その成形用部材の上流側に隣り合う成形用部材の下流端とが当接した状態であり、
前記成形工程では、前記成形用部材群上に連続して前記溶融ガラスを流下させて前記ガラス成形体を成形することを特徴とするガラス成形体の製造方法。 - 前記成形用部材群の上面は、前記成形用部材群の搬送方向に沿って連続した連続平面を有し、前記連続平面上において前記ガラス成形体を成形することを特徴とする請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
- ノズルから溶融ガラスを流下させてガラス成形体を製造するガラス成形体の製造方法であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送する第1自動搬送ラインを用いて前記ガラス成形体を成形するとともに、前記成形用部材上で成形した前記ガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する成形工程と、
前記成形工程において前記取出部を通過した前記成形用部材を前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインを用いて前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側に返送する返送工程と、を備え、
前記成形工程は、前記成形用部材に接触する前の溶融ガラス、及び前記成形用部材上のガラスの少なくとも一方を圧延ローラーで圧延する圧延工程を備えることを特徴とするガラス成形体の製造方法。 - 前記圧延工程は、前記成形用部材上のガラスを圧延することを特徴とする請求項4に記載のガラス成形体の製造方法。
- 前記成形工程は、前記成形用部材上のガラスを加熱する加熱工程を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガラス成形体の製造方法。
- 前記成形工程は、前記圧延工程と、前記成形用部材上のガラスを加熱する加熱工程とを備え、前記圧延工程の後に前記加熱工程を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガラス成形体の製造方法。
- 前記第1自動搬送ラインは、第1コンベアを備え、
前記第2自動搬送ラインは、
前記第1コンベアに並列配置された第2コンベアと、
前記第1コンベアで搬送された前記成形用部材を前記第2コンベアに移載する第1移載機構と、
前記第2コンベアで搬送された前記成形用部材を前記第1コンベアに移載する第2移載機構と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のガラス成形体の製造方法。 - 前記第1コンベアと前記第2コンベアとは上下に並列配置されていることを特徴とする請求項8に記載のガラス成形体の製造方法。
- 溶融ガラスを流下させるノズルを備え、前記溶融ガラスからガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材と、
前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送するとともに、前記成形用部材上で成形されたガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する第1自動搬送ラインと、
前記取出部を通過した前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側の前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインと、を備え、
前記第1自動搬送ラインは、前記成形用部材の下流端が下方となるように傾斜させて前記成形用部材を搬送する構成を備え、傾斜させた前記成形用部材に前記溶融ガラスを流下することを特徴とするガラス成形体の製造装置。 - 溶融ガラスを流下させるノズルを備え、前記溶融ガラスからガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材と、
前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送するとともに、前記成形用部材上で成形されたガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する第1自動搬送ラインと、
前記取出部を通過した前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側の前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインと、を備え、
前記第1自動搬送ラインは、複数の前記成形用部材からなる成形用部材群を搬送する構成であり、
前記成形用部材群は、下流側に位置する成形用部材の上流端と、その成形用部材の上流側に隣り合う成形用部材の下流端とが当接した状態であり、
前記成形用部材群上に連続して前記溶融ガラスを流下させて前記ガラス成形体を成形することを特徴とするガラス成形体の製造装置。 - 溶融ガラスを流下させるノズルを備え、前記溶融ガラスからガラス成形体を製造するガラス成形体の製造装置であって、
前記溶融ガラスが流下される複数の成形用部材と、
前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側から前記ノズルよりも下流側に搬送するとともに、前記成形用部材上で成形されたガラス成形体を取り出す取出部まで前記成形用部材を搬送する第1自動搬送ラインと、
前記取出部を通過した前記成形用部材を前記ノズルよりも上流側の前記第1自動搬送ラインに返送する第2自動搬送ラインと、を備え、
前記成形用部材に接触する前の溶融ガラス、及び前記成形用部材上のガラスの少なくとも一方を圧延する圧延ローラーを備えることを特徴とするガラス成形体の製造装置。
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