以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
パチンコ遊技機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8及び当り状態報知ランプ98の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は遊技球等貸出装置接続端子24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。なお、こうした遊技機では、発射に用いる遊技球を遊技機内で循環して繰り返し用いるように構成されるのが一般的である。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、盾役物モータ101aが接続されており、主制御装置80からのコマンドに応じ、モータを駆動して演出動作を行なう。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、盾役物とはセンターケース5の右部に格納されている可動式の物(図2では符号101)であり、後述するようにサブ統合制御装置83からの指令に基づいて稼働する。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は開放延長状態では「1」、「2」、「3」、「4」、「5」であり、通常状態(非開放延長状態)は「3」である。つまり開放延長状態では5/6の確率で当選し、通常状態では1/6の確率で当選する。この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をあわせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に抽出されるとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
始動入賞確認処理(S50)の概要を図6に示す。主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、特別図柄保留数表示装置18は2個のLEDを点灯または消灯させることによる2進法で保留記憶されている数を表す(ただし保留記憶数が4個の場合は2個のLEDを共に点滅させる)もので、「点灯態様を1増加させる」とは2進法で示される数を1つ増やすという意味である。なお、この抽出乱数保留記憶処理(S110)が行なわれると、サブ統合制御装置83にもコマンドが送信され、演出図柄表示装置6に保留記憶の数を表示する。
演出図柄表示装置6においては、保留キャラクタを、保留記憶の数と同数、表示することにより、保留記憶の数を表示する。こうして各乱数を記憶すると、先読み判定処理(S115)を実行し、当処理を終了(リターン)する。先読み判定処理(S115)では、記憶した乱数を当否判定し、その結果をサブ統合制御装置83に送信する。第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は保留記憶が満杯の場合(S105:yes)、はそのまま当処理を終了する。
図5におけるS55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図7〜10に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、特別図柄の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S260に進む。S260では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S260:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S270)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当り確率は1/30となる。S260が否定判断された場合は、S275にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当り確率は1/300となる。
S270またはS275の判定が行なわれると、S280にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S280:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S285)。
図8に戻る。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S290)、大当り設定処理を行う(S295)。なお、S280において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S300)、ハズレ設定処理(S305)を行なう。ハズレ設定処理では、確変回数のデクリメント(確変フラグが1のとき)が行なわれる。S295、又はS305に続いては、保留情報送信処理(S310)を行なう。保留情報送信処理(S310)では、サブ統合制御装置83に保留個数を減算するための指定を送信する。そしてS315にて、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。S315の処理が終了すると特別遊技処理を行なう。
図7において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S290、又はS300の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図7において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
図11〜13に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が、経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって当処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。また2ラウンド大当りの場合の各ラウンドの最大開放時間は0.9秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、大当り終了後に確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合は確変回数(1万回)を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
S630では、大当り終了後に時短に移行するか否かを判定する。肯定判断の場合(S630:yes)は、時短回数(例えば100回)を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、S645に進む。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の当否抽選の高確率化、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。S645では大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S650)を行なって特別遊技処理を終了する。なお、図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。以上が特別遊技処理である。
パチンコ機50のサブ統合制御装置83は、待機状態(演出図柄表示装置6の演出画面で図柄演出や保留図柄表示がなされていない状態)中に演出ボタン67が押されると、演出図柄制御装置82を制御して演出図柄表示装置6に選択画面600を表示する(図14)。この画面が表示された状態でジョグダイヤル68を回転させると、メッセージ601の左に示されている黒丸602が上下に移動し、演出ボタン67を押すと、その時に黒丸602の右に表示されているメッセージを選択できる。図14の状態で演出ボタン67を押すと、ボタン自動モードが選択される。ボタン非自動モードを選択したい場合は、ジョグダイヤル68を適宜回転させ、「ボタン非自動モード」というメッセージ601の左に黒丸602を位置させ、演出ボタン67を押す。ボタン自動モードが選択されると、演出ボタン67を用いる演出において、演出ボタン67が押されなくても、所定時間が経過すると演出ボタン67が押された際に行なわれる演出を実行するモードである。一方、ボタン非自動モードとは、演出ボタン67を押さないと、演出ボタン67が押された際に行なわれる演出が実行されないモードである。なお、一旦選択したモードを変更する場合は、再び選択画面600を表示させ、モードを選択し直す。
図15にサブ統合制御装置83によって実行されるモード選択処理のフローチャートを示す。当処理は図14に示した選択画面600が表示された状態で演出ボタン67が押されると起動する。当処理が起動されると、まずS700にて、選択されたモードがボタン自動モードか否かを判定する。肯定判断の場合はS705にてオートフラグを1にして当処理を終了(リターン)する。否定判断の場合はS710にてオートフラグを0にして当処理を終了する。つまりオートフラグが1である場合は、ボタン自動モードが選択されたことを示し、オートフラグが0である場合は、ボタン非自動モードが選択されたことを示す。
第1操作演出処理について図16に示すフローチャートを用いて説明する。第1操作演出処理はリーチアクション等の演出において演出ボタン67を使用する場合に行なわれる処理であり、ボタン自動モードが選択された場合には、該モードが常に有効となる。当処理が起動されると、まずS800にて通常の示唆を実行する。「通常の示唆」とは、演出図柄表示装置6の画面6aの右下に表示される演出ボタン67を押すことを促す演出で、図18(b)に符号91で表示されているものである。
なお、示唆演出91の下に示されているのは演出ボタン67の有効期間を示すゲージ92であり、示唆演出91が表示されると同時に表示され、その際は全体が白いが、5秒間かけて左から徐々に灰色になっていき、5秒経過すると全体が灰色になり、演出ボタン67を押しても演出に影響が無くなる。そして更に1秒ほど経過すると示唆演出91とともに画面から消える。図18(b)のゲージ92は表示されてから1秒程度経過した状態を示している。また、符号93は演出図柄であり、符号94は保留記憶の数を示す保留図柄である。演出図柄は3桁の図柄からなり、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入るか又は保留記憶が消化されると上から下へと図柄のスクロールが開始される。やがて左の図柄が停止(わずかに動いている状態も含む)し、次に右の図柄が停止し、該図柄が左の図柄と同じであるとリーチ状態となる。更に中の図柄も同じ図柄で停止すると大当りとなる。示唆演出91及びゲージ92は、リーチ状態になると表示される。また、符号97は遊技者に見立てたキャラクタ、図18(a)等にある符号96はキャラクタ97と戦う敵キャラクタ(単に敵96と記す)である。
続くS805にてオートフラグが1か(すなわちボタン自動モードか)否かを判定し、肯定判断の場合はS810に移行して発動タイミングに到達したか否かを判定する。発動タイミングとは、示唆演出91及びゲージ92が画面6aに表示されてから2.5秒経過した状態を指す。否定判断の場合はS815に移行し、演出ボタン67(図では「ボタン」と表記)が押されたか否か判定する。否定判断の場合はS810に戻り、肯定判断された場合はS820にてオートフラグを解除すなわちゼロにする。これは、演出ボタン67を押さなくても演出ボタン67を押した際の演出が行なわれるボタン自動モードにおいて演出ボタン67が押されたことから、遊技者は演出ボタン67を操作する意思があるとみなしてボタン非自動モードに移行させる処理である。続くS825ではボタン押下演出を実行し、当処理を終了(リターン)する。ボタン押下演出とは、演出ボタンを押した際に行なわれる演出であり、押すと図18(c)のようにキャラクタ97が炎のオーラ98に包まれる。S810が肯定判断された場合はS825に直行する。
S805が否定判断された場合、すなわちボタン非自動モードである場合はS830に移行し、現在が有効期間か否かを判定する。有効期間とは示唆演出91及びゲージ92が画面6aに表示されてから5秒以内の状態を指す。肯定判断の場合はS835に移行し、演出ボタン67が押されたか否かを判定する。否定判断の場合はS830に戻り、肯定判断された場合はS825に移行する。否定判断の場合は当処理を終了する。尚、この場合、画面6aでボタン押下演出が行なわれることはなく、示唆演出91及びゲージ92が画面6aから消えて図18(d)のような画像となる。
以上の第1操作演出処理によれば、ボタン非自動モード(S805:no)においては、有効期間内に演出ボタン67を押すと、ボタン押下演出(S825,図18(c))が行なわれる。有効期間内に演出ボタン67を押されなかった場合は、図18(c)が表示されず、図18(d)のような画像となる。つまり、ボタン非自動モードにおいて演出ボタン67を押した際の演出を見たい遊技者は、有効期間内に演出ボタン67を押す必要がある。
ボタン自動モード(S805:yes)においては、演出ボタン67を押さなくとも発動タイミングに達する(S810:yes)と、ボタン押下演出が行なわれる。一方、発動タイミングに達する前に演出ボタン67を押すと、ボタン非自動モードに切り替わり(S820)、ボタン押下演出が行なわれる。
第2操作演出処理について図17に示すフローチャートを用いて説明する。第2操作演出処理とは、リーチアクション等の演出において演出ボタン67を使用する場合に行なわれる処理であり、第1操作演出処理とは異なり、ボタン自動モードが選択された場合においても、該モードが無効になる処理となっている。当処理が起動されると、まずS900にて第2有効期間用(図には第2期間用と記載)の演出を開始する。第2有効期間用の演出とは図18(e)に示すようなもので、キャラクタ97が敵96に対してキックを浴びせる。
続くS905にてオートフラグが1か(すなわちボタン自動モードか)否かを判定し、肯定判定の場合はS910に移行して特別な示唆を実行する。「特別な示唆」とは、図18(f)に示すようなもので、画面6aの略中央に大きく演出ボタン67が「ボタンを押すんだ!!!」というメッセージとともに表示され、背景には爆発を模した派手な画像が表示される。これらは、図18(b)の画面6aの右下に小さく表示される示唆演出91及びゲージ92に比べ、演出ボタン67を押すことを遊技者に強く喚起するものとなっている。続くS915では現在が有効期間か否かを判定する。有効期間とはS830にて説明したものと同じである。肯定判断の場合(S915:yes)はS920に移行し、演出ボタン67が押されたか否かを判定する。否定判断の場合はS915に戻り、肯定判断された場合はS925に移行し、可動物を稼働させる。
可動物とは盾役物101のことであり、盾役物101が稼働された様子を図19に示す。盾役物101はリンク101d、101eにより軸支されており、S960にて送信されたサブ統合制御装置83からの指令に基づいて盾役物モータ101aが稼働して図19に示されるように画面6aの中央付近へと移動する。移動された盾役物101は数秒(演出ボタン67が押されたタイミングにより変動する)後に元の位置(図2参照)に戻る。
可動物を稼働させると、S930に移行し、ボタン押下画像を演出図柄表示装置6の画面に出力し、当処理を終了(リターン)する。ボタン押下画像とは、演出ボタン67を押した際に表示される画像であり、大当りの場合は図18(h)のような画像が演出図柄表示装置6の画面に出力される。なお、当処理は当否判定の結果が当りの場合を示しており、ハズレの場合は演出ボタン67を押しても可動物は稼働せず、図18(h)の画像も出力されない。
S915が否定判断された場合はS930に直行する。つまり、自動モードにおいては、有効期間内に演出ボタン67が押されると可動物が稼働すると共に、ボタン押下画像が演出図柄表示装置6に表示される。一方、ボタン自動モードにおいて有効期間内に演出ボタン67が押されないと、可動物が稼働されることなく、ボタン押下画像が演出図柄表示装置6に表示される。
S905が否定された場合はS940に移行し、通常の示唆を実行する。「通常の示唆」とは、図18(b)と同様のものであり、S800で説明したものと同様であり、画面6aの右下に示唆演出91及びゲージ92が表示される(図18(g)参照)。続くS945にて現在が有効期間か否かを判定する。肯定判断の場合(S945:yes)はS950に移行し、演出ボタン67が押されたか否かを判定する。否定判断の場合はS945に戻り、肯定判断された場合はS925に移行する。また、S945が否定判断された場合もS925に移行する。
以上の第2操作演出処理によれば、ボタン自動モード(S905:yes)においては、特別の示唆が行なわれている間に演出ボタン67を押さないと、可動物が稼働することなく、ボタン押下画像が演出図柄表示装置6に表示される。特別の示唆は通常の示唆よりも派手な態様となっている。
このように構成された遊技機によれば、演出ボタン67を押さないと盾役物101が稼働しない期間においては、図18(f)のような派手な示唆が行なわれるので、遊技者に演出ボタン67を押すことを遊技者に強く喚起することができる。なお、通常とは違う示唆としては図18(f)に示した派手なものに限らず、色の違い、操作手段を模した表示の仕方、文字の大きさ等を通常の示唆とは異なる態様とすることにより、遊技者が気づく態様であればよい。
また、ボタン自動モードにおいて示唆演出91及びゲージ92が表示されている間に演出ボタン57を押すと、ボタン手動モードに切り替わる。自動モードであるにもかかわらず、この遊技者は演出ボタン57を押したので、気が変わって演出ボタン57を押したくなったか、ボタン自動モードになっていることを知らずに遊技をしていた等と考えられる。こうした場合に、図14の選択画面を表示させなくとも容易にボタン手動モードに切り替えることができる。
なお、図18(f)の画面が表示されている間においても同様に演出ボタン57を押すことにより、ボタン自動モードがボタン手動モードに切り替わると、ボタン自動モードを選択して遊技をしていた遊技者が、図18(f)の画面を見てうっかり演出ボタン57を押してしまう可能性が高い。これでは、意図せずしてボタン手動モードに切り替わってしまう。この点、第2操作演出処理によれば、図18(f)の画面が表示されている間に演出ボタン57を押してもボタン手動モードに切り替わらないので、こうした煩わしさがない。なお、手動モードにおいて演出ボタン67が押されなかった場合には、自動モードに切り替える構成としても良い。
ここで本実施例の構成と、本発明の構成要件との対応関係を示す。演出ボタン67が本発明の「操作手段」に相当し、変動開始コマンドに基づいて演出を選択し実行するサブ統合制御装置83の処理が本発明の「演出実行手段」に相当し、S815を経てS825を実行する処理、S835を経てS825を実行する処理、S920を経てS925及びS930を実行する処理、並びにS945を経てS925及びS930を実行する処理が本発明の「演出制御手段」に相当し、ボタン自動モードが本発明の「自動モード」に相当し、ボタン非自動モードが本発明の「手動モード」に相当し、モード選択処理が本発明の「モード選択手段」に相当し、S915を経てS930を実行する処理およびS920が肯定判定されてもオートフラグを0にしない点が本発明の「モード切替手段」に相当する。また、S940の処理が本発明の「第1示唆手段」に相当し、S910の処理が本発明の「第2示唆手段」に相当し、S800の処理により示唆演出91及びゲージ92が表示されている期間が本発明の「第1有効期間」に相当し、図18(f)の特別な示唆または図18(g)の通常の示唆を行なっている期間が本発明の「第2有効期間」に相当する。
[他の実施例]
パチンコ遊技機50は、第1始動口11および第2始動口12を備え、それぞれ対応する特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)にて当否判定の結果を示す構成であったが、いずれか一方の特別図柄のみを備えた遊技機に適用しても良い。その場合、始動口の数は1個でも複数でもよいが、複数ある場合には、何れの始動口に入っても同じ特別図柄が変動されるものとする。操作手段として演出ボタン67以外のもの(例:ジョグダイヤル68)を採用しても良い。また、非特別演出、特別演出のいずれでもない(例えば演出ボタン67を用いない)演出が存在しても構わない。また、非特別演出、特別演出のいずれも特別図柄の変動中に行なわれる演出であったが、大当り中に行なわれる演出を、演出ボタン67やジョグダイヤル68の影響を受けるように構成した場合は、こうした演出に対して本発明を適用しても良い。
また、演出で演出ボタン67を連打する場合も、ボタン自動モードでは自動的に実行されるように構成しても良い。この他に、キャラクタが画面内の所定位置に来たタイミングを狙って演出ボタン67を押す演出や、演出ボタン67を押し続ける(長押しする)演出も、ボタン自動モードでは自動的に実行されるように構成しても良い。また、本実施例ではS915のタイミングで演出ボタン67が操作されずに有効期間が終了すると可動物が稼働しない構成であったが、有効期間が終了することで、可動物が稼働するように構成してもよい。また、可動物が稼働するに替えて(又は加えて)何らかの変化(例えば演出ボタン67が振動する、普段は出力されない音がスピーカ66から出力される等)が発生する構成としても良い。また、第2操作演出処理では、S945のタイミングで演出ボタン67が操作されることなく有効期間が終了すると可動物が稼働する処理となっていたが、可動物が稼働しない構成にしても良い。
第2有効期間は大当り報知タイミング且つ、役物が稼働するというインパクトの大きいタイミングを該当させるのが好ましい。このタイミングは遊技者の気分が一番盛り上がるタイミングであり、ボタンを押すと当るということを遊技者に意識させることになる。このため、このタイミングでは自動操作で機能により演出の切替や可動物を稼働させるのではなく、遊技者に操作させることで、遊技者に対して遊技の趣向を高めさせることができるし、可動物が稼働すると遊技者的にも気持ちが良い。
また、有効期間が終了するタイミングで可動物を稼働させた場合は、タイミング的に従来よりも遅くなることで演出のバランス的にはあまりよくないため、操作することにより気持ちよさを味わうことができずに趣向が低いため、遊技者はこのタイミングで操作をしたくなる。
第1有効期間については遊技の信頼度を示す表示をするものであり、予告表示のタイミングであることが望ましい。予告程度で操作をするのを面倒とする遊技者もいることから、このタイミングで強制的に操作させようとするのはあまり好ましくないからである。
デモ画面中やボタン押下演出を実行する有効期間中のボタン操作でモードが切り替わる構成としたが、これ以外でもよい。例えば、該有効期間中以外に演出ボタン67を押下したり、ジョグダイヤル68を操作したりすることでモードが切り替わる構成でもよい。また、演出ボタン67に対する操作が所定期間継続する(いわゆる長押しを行なう)とモードが切り替わる構成としても良い。該構成によれば、意図せぬ誤切替を防ぐことができる。
また、異なる操作手段を複数(例えば演出ボタン67とジョグダイヤル68、演出ボタン67とレバー(図示しない)、ジョグダイヤル68とタッチパネル(図示しない)等。操作手段が3種類以上あってももちろん良い)備えた遊技機においては、例えば一方の操作手段が有効となる演出の方が、他方の操作手段が有効となる演出よりも信頼度が高い構成にすることが考えられる。そして信頼度の高い方の操作手段が有効となる演出においては、自動モードであっても自動操作を規制しても良い。なお、信頼度が相対的に高い演出は、信頼度が相対的に低い演出よりも発生頻度が低くなるケースが多い。前記規制を行なうことにより、まれにしか有効にならない操作手段がせっかく有効になっている状況で、該操作手段を操作してもらえる可能性が高い。また、信頼度が高い演出は、遊技者が期待する展開でもあるので、遊技者が操作を面倒がらないと考えられる。なお、同様のことを信頼度が高い演出だけでなく(またはこれに代えて)大当りが報知される可能性が高い演出において行なっても良い。
第1有効期間における操作示唆を、手動モードと自動モードとで異ならせても良い。この構成において、自動モードであっても第1有効期間の発動タイミングでボタン押下演出(例えば図18(c)に示したような画像を表示)が行なわれない場合(有効期間が終れば図18(c)に示したような画像を表示する場合も含む)がある構成では、該場合において手動モードにおける操作示唆を行なうことが考えられる。こうすると、自動モードではあるが該自動モードの機能(発動タイミングになれば演出ボタン67を押さなくてもボタン押下演出が発生)が規制されていることを遊技者に示唆することができる。
また、手動モードにおいては、第1有効期間および第2有効期間で同じ示唆態様としても良いし、異なる示唆態様としても良い。ただし自動モードにおいては、第1有効期間と第2有効期間とで操作手段の示唆態様を異ならせるのが望ましい。このように構成すると、自動操作が無効になっていることを遊技者に示し易くなる。
また、第2示唆手段の操作示唆が複数存在しても良い。この場合、該複数の操作示唆間で信頼度(該操作示唆が発生した状況から大当りに至る確率)を異ならせるとよい。なお、第1示唆手段の操作示唆も複数存在しても良いが、この場合は、第1示唆手段の操作示唆全体の信頼度と、第2示唆手段の操作示唆全体の信頼度は同一とすることが望ましい。