JP6592291B2 - 3次元造形装置洗浄用樹脂組成物とその製造方法、および、3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント - Google Patents

3次元造形装置洗浄用樹脂組成物とその製造方法、および、3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント Download PDF

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Description

本発明は、3次元造形装置洗浄用樹脂組成物とその製造方法、および、これを用いた3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメントに関する。
近年、金型を使用せず、材料のロスなく、3次元造形物を作製できる3次元造形装置の開発が進んでいる。
3次元造形物は材料に応じて、いくつか提案されている。
本発明は、樹脂製の3次元造形物を対象としている。
3次元樹脂造形法としては、光硬化性樹脂を用いる光造形法、熱可塑性樹脂を用いる熱溶解法、およびインクジェット法等が挙げられる。
光造形法では、造形ステージ上に未硬化の光硬化性樹脂の層を形成した後、UV(紫外光)レーザ光等の光線を走査しながら照射することで、所望のパターンの層(以下「パターン層」と言う。)を得る。これらの操作を繰り返すことで、複数のパターン層を積層して、3次元造形物を製造する。
熱溶解法では、造形ステージ上にノズルを含む可動式造形ヘッドから溶融状態の熱可塑性樹脂を所望のパターンで吐出させる。あらかじめ造形ステージは、溶融樹脂が冷却固化する温度に設定されているので、造形ステージ上に吐出された溶融樹脂は直ちに固化される。可動式造形ヘッドを2次元走査することで、造形ステージ上に所望のパターンの樹脂層が形成される。これらの操作を繰り返して複数のパターン層を積層して、3次元造形物を製造する。
インクジェット法では、造形ステージ上にノズルを含むインクジェットヘッドから液状の光硬化樹脂を所望のパターンで吐出させた後、UVランプ光等を用いて光硬化させることで、パターン層を得る。これらの操作を繰り返すことで、複数のパターン層を積層して、3次元造形物を製造する。
上記の中でも、非パターン層をあらかじめ形成する必要がない熱溶解法およびインクジェット法が好ましい。
熱溶解法およびインクジェット法では、ノズルから造形材料が吐出される(なお、材料等によっては、「噴射する」または「押し出す」と言う表現が用いられる場合もある)。
高い形状精度が要求される精密部品等の3次元造形物を製造するには、ノズルからの吐出量が、あらかじめコンピュータ等を用いて計算された設定値からずれないことが重要である。
本明細書において、「吐出量」は特に明記しない限り、単位時間当たりの吐出量を意味するものとする。
一般的に、熱溶解法では、耐熱性に優れ、且つ、造形物に塗装等の加工を比較的容易に施すことが可能であることから、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂等が好ましく使用される。
ABS系樹脂は、オレフィン系樹脂等に比して、熱分解されやすい傾向がある。そのため、ABS系樹脂を用いた熱溶解法では、造形を繰り返し実施すると、溶融樹脂が流下する金属管およびノズルの内部に使用樹脂あるいはその熱分解物等の異物が堆積して、吐出量が不安定になる恐れがある。
金属管およびノズルについては、後に示す図1およびその説明を参照されたい。
なお、上記の堆積物の問題は、ABS系樹脂以外の樹脂でも起こり得る。
また、ノズルを用いるインクジェット法でも同様に起こり得る。
従来、上記堆積物の除去方法としては、
造形装置を分解し、金属管およびノズル等の内部に付着した堆積物を針金等を用いて物理的に除去する分解除去法、
堆積物が付着しやすい樹脂の代わりに堆積物が付着し難い他の樹脂を用い、ノズルからこの樹脂を吐出させることで、堆積物を押し流す樹脂置換法、
および、
エタノールおよびケトン等の有機溶剤を用いて洗浄する有機溶剤洗浄法(特許文献1の段落0002、特許文献2の段落0003を参照)等が採用されている。
特開2005−1206号公報 特開2007−76090号公報
分解除去法は、堆積物の除去効果は高いものの、造形装置の分解および除去処理に手間と時間がかかってしまう。
樹脂置換法および有機溶剤洗浄法では、堆積物の効果的な除去は難しく、除去効果は一時的である。
本発明は、洗浄操作が簡便で、洗浄効果が高く、かつ、洗浄効果の持続性が高い3次元造形装置洗浄用樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明の3次元造形装置洗浄用樹脂組成物は、
熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含み、
メルトマスフローレート(以下、「MFR」と略記する場合がある)が0.5〜10g/10分である。
本明細書において、特に明記しない限り、樹脂組成物のMFRは、ISO1133に準拠し、190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるものとする。
具体的には、あらかじめ測定温度(190℃)に加熱されたシリンダ(内径9.5mmφ)内に、あらかじめ充分に乾燥された試料を入れる。試料が測定温度(190℃)に到達した後、シリンダ内に挿入されるピストンに既定の荷重(2.16kg)を掛けることにより、シリンダ下部に取り付けられたオリフィス(内径2.095mmφ)から試料を押し出す。MFRとして、10分間に押し出される試料の質量を求める。
本発明によれば、洗浄操作が簡便で、洗浄効果が高く、かつ、洗浄効果の持続性が高い3次元造形装置洗浄用樹脂組成物を提供することができる。
3次元造形装置の要部模式断面図である。
「3次元造形装置洗浄用樹脂組成物」
本発明の3次元造形装置洗浄用樹脂組成物(以下、「洗浄用樹脂組成物」あるいは「樹脂組成物」と略記する場合がある)は、熱溶解法およびインクジェット法等による3次元樹脂造形装置を洗浄するために好適に用いられるものである。
熱溶解法による3次元樹脂造形装置では、造形を繰り返し実施すると、溶融樹脂が流下する金属管およびノズル等の内部に使用樹脂およびその熱分解物等の炭化物等の異物が堆積して、吐出量が不安定になる恐れがある。
インクジェット法による3次元樹脂造形装置においても同様に、ノズル等の内部に使用樹脂およびその分解物等の炭化物等の異物が堆積して、吐出量が不安定になる恐れがある。
本発明は特に熱溶解法に好ましく適用できるが、インクジェット法にも適用可能である。
詳細については後記するが、熱溶解法等において造形材料の代わりに本発明の樹脂組成物を用いて通常の造形を実施するように造形装置を運転することで、造形装置のノズル等の内部に付着した堆積物を効果的に除去することができる。
本発明の樹脂組成物は必要に応じて、任意の形状に成形して用いることができる。
熱溶解法等では、造形材料と同様、フィラメント状が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、熱溶解法等において造形材料の代わりに本発明の樹脂組成物を用いて通常の造形を実施するように造形装置を運転することができ、かつ、所望の形状に成形可能であることから、熱可塑性樹脂を含む。
本発明の樹脂組成物は、造形装置内の本発明の樹脂組成物の送り性を良好とするため、滑り性の高い成分(X)を含む。滑り性の高い成分(X)は具体的には、界面活性剤および/または金属石鹸である。
本発明の樹脂組成物は、造形装置のノズル内等に付着した堆積物を効果的に掻き取るために、フィラーを含む。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含む。
さらに、本発明の樹脂組成物は、そのMFRが0.5〜10g/10分の範囲内である。
(熱可塑性樹脂)
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては特に制限されない。
例えば、
ポリエチレンおよびポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;
(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル系樹脂:
ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン(AS)系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、アクリロニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレン(AES)系樹脂、アクリル−アクリロニトリル−スチレン(AAS)系樹脂、アクリロニトリル−塩素化エチレン−スチレン(ACS)系樹脂、およびメタクリルブタジエンスチレン(MBS)樹脂等のスチレン系樹脂;
ナイロン6、およびナイロン66等のアミド系樹脂;
ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート等のエステル系樹脂;
カーボネート系樹脂;
アセタール系樹脂;
塩化ビニル系樹脂;
および、
エーテルイミド系樹脂等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、メタクリルまたはアクリルを示す。
なお、用いる熱可塑性樹脂は、造形に使用される樹脂と同一でもよく、非同一でもよい。
一般的に、熱溶解法による造形では、ABS系樹脂等が好ましく用いられる。
充分な量のフィラーを混ぜ込むことができることから堆積物の除去効果が効果的に得られ、樹脂自身が熱分解されにくい耐分解性を有し、かつ、汎用性があり低コストであることから、上記熱可塑性樹脂の中でも、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂は、少なくとも1種のオレフィン系単量体を含む1種または2種以上の単量体の単独重合体または共重合体である。
オレフィン系単量体としては特に限定されず、
エチレン、プロピレン、スチレン等や、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、および4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン等や、やシクロブテンやシクロペンテン等の環状オレフィン等が挙げられる。
オレフィン系樹脂は、1種のオレフィン系単量体の単独重合体でもよいし、2種以上のオレフィン系単量体の共重合体であってもよい。
オレフィン系樹脂は、オレフィン系単量体とオレフィン系単量体以外の単量体との共重合体であってもよい。
オレフィン系単量体以外の共重合可能な単量体としては特に限定されず、ブタジエンおよびイソプレン等の共役ジエン等が挙げられる。
オレフィン系単量体としては、エチレンおよびプロピレン等が好ましい。
すなわち、オレフィン系樹脂としては、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)、プロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、およびプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体等が好ましい。
中でも、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)およびプロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)等がより好ましい。
熱可塑性樹脂は、成形加工しやすい温度で軟化することが好ましい。
また、堆積物を効果的に除去するには、造形装置の内部において、樹脂組成物はある程度の粘度を持って流動すること(流動しすぎないこと)が必要である。
ビカット軟化点は、熱可塑性樹脂のMFRの指標として好適である。
熱可塑性樹脂のビカット軟化点を好適な範囲内で選択することで、熱可塑性樹脂のMFRを好適な範囲内に調整することができる。さらに、熱可塑性樹脂のMFRと配合量によって、本発明の樹脂組成物のMFRを好適な範囲内に調整することができ、造形装置の内部を流れる溶融樹脂の流動状態を好適にすることができる。
熱可塑性樹脂のビカット軟化点は特に制限されないが、樹脂組成物の成形加工性および堆積物の除去効果の観点から、好ましくは90〜170℃、より好ましくは100〜130℃である。
本明細書において、特に明記しない限り、「軟化点」はJIS−K6758およびJIS−K7206に準拠して測定されるビカット軟化点である。
熱可塑性樹脂のMFRは、特に制限されない。
ただし、本発明の樹脂組成物のMFRが上記範囲内となるように、他の成分の種類および配合量を考慮して、決定される。
熱可塑性樹脂のMFRは例えば、0.5〜10g/10分の範囲内であることが好ましい。
(成分(X))
成分(X)は、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては特に制限されず、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種または2種以上用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、ホスフェ−ト系界面活性剤、スルホネ−ト系界面活性剤、サルフェ−ト系界面活性剤、および脂肪酸系界面活性剤等が挙げられる。
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノ−ルアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエ−テルジスルフォン酸ナトリウム、アルコキシアルキルホスフェ−ト、アルキルホスフェ−ト、アルキルリン酸ジエタノ−ルアミン塩、アルキルリン酸カリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエ−テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸トリエタノ−ルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫酸ナトリウム、アルキルスルフォン酸ナトリウム、混合脂肪酸ソ−ダ石鹸、半硬化牛脂脂肪酸ソ−ダ石鹸、半硬化牛脂脂肪酸カリ石鹸、ステアリン酸ソ−ダ石鹸、オレイン酸カリ石鹸、ヒマシ油カリ石鹸、高級アルコ−ル硫酸ナトリウム、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物、および特殊カルボン酸型界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンセチルエーテル、およびポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンフェニルエーテル;
ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン脂肪酸エステル;
および、
ポリエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、
モノメチルアミン、モノエチルアミン、およびモノステアリルアミン等の1級アミンの塩酸塩;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、およびジステアリルアミン等の2級アミンの塩酸塩;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、およびステアリルジメチルアミン等の3級アミンの塩酸塩;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン等のエタノールアミン類の塩酸塩;
エチレンジアミン、およびジエチレントリアミン等のポリエチレンポリアミン類の塩酸塩;
および、
ピリジン、モルホリン、およびヒドラジン等のアミン類の塩酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、およびアルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。
上記の中でも、造形装置内部での樹脂組成物の送り性(滑り性)と汎用性の観点から、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましい。
<金属石鹸>
金属石鹸としては特に制限されず、炭素数12〜18の直鎖脂肪族モノカルボン酸の金属塩等が好ましい。
金属石鹸は、1種または2種以上用いることができる。
炭素数12〜18の直鎖脂肪族モノカルボン酸としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリシノレイン酸等が挙げられる。
金属塩としては、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩、およびアルミニウム塩等が挙げられる。
上記の中でも、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸マグネシウム等が好ましい。
成分(X)として、界面活性剤と金属石鹸とを併用することが好ましい。
(フィラー)
フィラーとしては特に制限されず、無機フィラーおよび有機フィラーのいずれを用いてもよい。フィラーは、1種または2種以上用いることができる。
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、クレイ、モンモンリロナイト、スメクタイト、カオリン、ガラスファイバ、ガラスミルドファイバ、ガラスフレーク、カーボンファイバ、カーボンフレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバ、シリカ、セラミック粒子、セラミックファイバ、およびセラミックバルーン等が挙げられる。
有機フィラーとしては、アラミド粒子およびアラミドファイバ等が挙げられる。
上記の中でも、無機フィラーが好ましく、炭酸カルシウムおよびタルク等が好ましい。
フィラーの平均径は特に制限されず、堆積物の洗浄効果、熱可塑性樹脂組成物への配合のしやすさ、およびノズル径等を考慮して、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、特に好ましくは1〜10μmである。
熱溶解法による3次元造形装置のノズル等を洗浄する場合、通常使用されるノズルの内径(例えば0.3〜0.6mmφ程度)を考慮して、フィラーの平均径は好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、特に好ましくは1〜10μmである。
インクジェット法による3次元造形装置のノズル等を洗浄する場合、通常使用されるノズルの内径(例えば0.1〜0.3mmφ程度)を考慮して、フィラーの平均径は好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.1〜2μmである。
フィラーの形状は特に制限されない。また、全体的に形状が均一であってもよいし、不均一であってもよい。
フィラーの形状としては、ファイバ状、球状、楕円球状、円柱状、角柱状、鱗片状、およびこれらの変形形状等が挙げられる。
本明細書において、特に明記しない限り、「フィラーの平均径」は以下の方法にて測定される平均一次径である。
原料のフィラー、あるいは、フィラーを含む樹脂組成物または成形体について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、約1000倍〜約10000倍の拡大画像を得る。この拡大画像上にて約100個のフィラーを無作為に選択し、各フィラーについて径を測定し、平均値を求める。
なお、フィラーがファイバ状の場合、「径」はファイバの延びる方向に対して垂直な断面の直径により定義するものとする。
その他の形状について、方向によってフィラーの径が異なる場合、「径」は最大径により定義するものとする。
(配合組成)
樹脂組成物中の上記の各成分の含有量は、特に制限されない。
樹脂組成物は、フィラメント状成形等の成形加工に充分な量の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
樹脂組成物は、造形装置内の本発明の樹脂組成物の送り性が良好となる滑り性を発現するに充分な量の成分(X)を含むことが好ましい。
樹脂組成物はまた、堆積物除去に充分な量のフィラーを含むことが好ましい。
成形加工性、造形装置内の本発明の樹脂組成物の送り性、および堆積物除去効果のバランスの観点から、樹脂組成物中の各成分の含有量は以下の範囲内であることが好ましい。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は好ましくは25〜60質量%、より好ましくは25〜50質量%、特に好ましくは25〜45質量%である。
成分(X)の含有量は好ましくは6〜25質量%であり、より好ましくは9〜20質量%である。
成分(X)としては、界面活性剤および金属石鹸を用いる場合、
樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%であり、
樹脂組成物中の金属石鹸の含有量は、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜12質量%である。
樹脂組成物中のフィラーの含有量は、好ましくは20〜65質量%、より好ましくは30〜60質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
(任意成分)
本発明の樹脂組成物は必要に応じて、上記以外の1種または2種以上の任意成分を含むことができる。
<熱安定剤>
本発明の樹脂組成物は、製造時等の熱安定性を向上するため、任意成分として熱安定剤を含むことができる。
熱安定剤は、1種または2種以上用いることができる。
熱安定剤としては、リン系安定剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、これらの併用がより好ましい。
本発明の樹脂組成物中のリン系安定剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量は特に制限されない。
熱安定性の向上効果が効果的に得られ、かつ、上記の各必須成分の配合量に影響を与えないことから、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.6質量部である。
リン系安定剤としては、
亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸、およびこれらのエステル;
ホスホナイト化合物
および、
第3級ホスフィン等が挙げられる。
亜リン酸エステル(ホスファイト化合物)としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
亜リン酸エステル(ホスファイト化合物)としては、上記の他、二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。
例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
リン酸エステル(ホスフェート化合物)としては、トリフェニルホスフェート、およびトリメチルホスフェート等が挙げられる。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。
ホスホナイト化合物は、アルキル基を2以上置換したアリール基を有する上記のホスファイト化合物との併用可能であり、好ましい。
ホスホン酸エステル(ホスホネイト化合物)としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
第3級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
上記リン系安定剤の中でも、ホスホナイト化合物、もしくは下記一般式(XI)で表されるホスファイト化合物が好ましい。
Figure 0006592291

(式(XI)中、RおよびR’は炭素数6〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
上記の如く、ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましい。
上記式(XI)の中でもより好適なホスファイト化合物は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイトである。
ヒンダードフェノール化合物としては、テトラキス[メチレン−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる
本発明の樹脂組成物は必要に応じて、リン系安定剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤以外のその他の熱安定剤を含むことができる。
他の熱安定剤は、リン系安定剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤のうち少なくとも一方と併用されることが好ましく、特に両者と併用されることが好ましい。
他の熱安定剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物に代表されるラクトン系安定剤(この安定剤の詳細については特開平7−233160号公報を参照されたい)が挙げられる。
上記ラクトン系安定剤に関しては、Irganox HP−136(登録商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)等が市販されている。
上記ラクトン系安定剤、ホスファイト化合物、およびヒンダードフェノール化合物を混合した安定剤として、Irganox HP−2921(登録商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)等が市販されている。
ラクトン系安定剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005〜0.05質量部、より好ましくは0.001〜0.03質量部である。
その他の安定剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、およびグリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート等のイオウ含有安定剤が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中のリン系安定剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の他の安定剤の添加量は特に制限されず、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005〜0.1質量部、より好ましくは0.001〜0.08質量部、特に好ましくは0.001〜0.05質量部である。
<他の任意成分>
他の任意成分としては、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、および難燃剤等が挙げられる。
(MFR)
本発明の樹脂組成物は、成形加工性が良好であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いて堆積物を効果的に除去するには、造形装置の内部において、樹脂組成物がある程度の粘度を持って流動すること(流動しすぎないこと)が必要である。
成形加工性および堆積物の除去効果の観点から、本発明の樹脂組成物のMFR値は0.5〜10g/10分、好ましくは0.8〜8g/10分、より好ましくは0.8〜5g/10分である。
樹脂組成物のMFRは配合組成によって調整することができ、例えば熱可塑性樹脂のMFRと配合量によって調整することができる。
「樹脂組成物および成形体の形態と製造方法」
本発明の樹脂組成物の形態は特に制限されず、粉体、顆粒、ペレット、およびこれらの混合形態等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は必要に応じて、任意形状に成形することができる。
成形体の形状としては特に制限されず、フィラメント状等が好ましい。
本発明によれば、熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含み、MFRが0.5〜10g/10分である3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント(以下、「樹脂フィラメント」または「フィラメント」と略記する場合がある)を提供することができる。
フィラメントは、3次元造形装置において、樹脂組成物が流下する金属管およびノズルの内形状に対応した形状である。そのため、空気を含ませることなく、樹脂組成物が流下する金属管およびノズルの内部に樹脂組成物を連続的に供給することができ、これらを効果的に洗浄することができる。
フィラメント径は特に制限されず、3次元造形装置において、樹脂組成物が流下する金属管およびノズルの内径以下であればよい。溶融樹脂が流れない空間が生じることを抑制するために、フィラメント径は、樹脂組成物が流下する金属管およびノズルの内径と同等であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、公知方法を適用して製造することができる。
好ましくは、熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含む複数種の原料を溶融混練して、MFRが0.5〜10g/10分である本発明の樹脂組成物を製造することができる。
溶融混練に先立ち、あらかじめ、上記複数種の原料をドライブレンドしてもよい。
溶融混練は例えば、バンバリーミキサー、二本ロール、三本ロール、単軸混練押出機、および二軸混練押出機等を用いて行うことができる。
溶融混練は、一段階で実施してもよいし、複数段階で実施してもよい。
溶融混練温度は、熱可塑性樹脂が充分に溶融し、かつ、熱可塑性樹脂の熱劣化が問題とならない温度であればよい。例えば、ビカット軟化点が120℃程度のオレフィン系樹脂を用いる場合、溶融混練温度は150〜250℃程度が好ましい。
溶融混練物(複数段階で溶融混練を実施する場合は、途中段階で得られる溶融混練物についても同様)は必要に応じて、公知方法により、粉体化、顆粒化、またはペレット化することができる。
溶融混練により得られた樹脂組成物を粉砕機を用いて粉砕することで、粉体状とすることができる。粉砕機としては、ハンマーミル、ジェットミル、およびビーズミル等が挙げられる。
粉体状の樹脂組成物は造粒機を用いて造粒することで、顆粒状とすることができる。造粒機としては、圧縮造粒機、攪拌造粒機、および押出造粒機が挙げられ、圧縮造粒機等が好ましい。
ペレット化方法としては、押出機のダイスヘッドから吐出された樹脂組成物のストランドを、ホットカット法により切断する方法等が挙げられる。ホットカット法とは、ダイスヘッドから吐出されるストランドを高温のまま直ちに切断する方法である。
成形方法としては、公知の樹脂成形方法を適用することができる。
樹脂フィラメントの製造方法としては、
あらかじめ上記複数種の原料を含むドライブレンド物またはペレットを用意し、溶融樹脂をフィラメント状に吐出する吐出口を備えた押出機を用いてフィラメント状に押出成形する方法;
および、
あらかじめ上記複数種の原料のうち一部の複数種の原料を含むペレットを用意し、残りの1種または複数種の原料とドライブレンドした後、溶融樹脂をフィラメント状に吐出する吐出口を備えた押出機を用いてフィラメント状に押出成形する方法等が挙げられる。
押出機から押し出された樹脂フィラメントは、巻取ロールおよび巻取リール等の公知の巻取手段を用いて巻き取ることができる。
フィラメント径は、洗浄対象のノズル内径に対応させることが好ましい。
例えば、押出機の吐出口の径を調整することで、フィラメント径を調整することができる。
また、押出機から押し出された樹脂フィラメントを上記巻取手段で引っ張りながら巻き取る場合、押出機から押し出された直後の樹脂フィラメントよりも径の小さい樹脂フィラメントが最終的に製造される。この場合、押出機の吐出口の径と巻取手段による引張応力によって、フィラメント径を調整することができる。
(水分量)
本発明の樹脂組成物は、水分量が1000ppm以下であることが好ましく、850ppm以下であることがより好ましい。
水分量の下限値は理論的には0ppmであるが、技術的に難しいため、50ppm程度が好ましい。
好ましくは水分量が1000ppm以下であれば、原料の溶融混練時および成形時の樹脂組成物の発泡を抑制することができる。そのため、気泡を含まず、欠損が少なく形状精度が良好で、強度等の機械特性が良好な樹脂組成物および成形体を安定的に製造することができる。かかる樹脂組成物および成形体は、強度等の機械特性が良好であるため、一般的な取扱い性に優れる。また、3次元造形装置の洗浄時にも、折れおよび欠け等が発生しづらく、装置内の送り性が良好となる。さらに、3次元造形装置の洗浄時に、洗浄対象の内部に本発明の樹脂組成物が流れない空間が生じることが抑制され、堆積物の洗浄を効果的に実施できる。
なお、上記したように、洗浄対象の内部に本発明の樹脂組成物が流れない空間が生じることが抑制され、堆積物の洗浄を効果的に実施できる効果は、特に樹脂フィラメントにおいて有効である。
本発明の樹脂組成物の水分量を上記範囲内に調整するために、原料または原料混合物を必要に応じて公知方法により乾燥してから、本発明の樹脂組成物の製造に供することができる。
乾燥方法としては特に制限されず、公知の乾燥機を用いて乾燥する方法がある。この場合、乾燥機の種類に応じて、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、および減圧加熱乾燥等が可能である。
乾燥条件は特に制限されず、乾燥前の原料に含まれる水分量に応じて決定すればよい。
加熱乾燥の場合、例えば、乾燥温度70〜80℃程度、乾燥時間4〜5時間程度が好ましいが、適宜条件は変更できる。
その他の乾燥方法としては、上記複数種の原料を押出機に投入した後、排気ベントを開放することで、水分を除去する方法が挙げられる。
本明細書において、特に明記しない限り、「水分量」は、JIS K 1133に準拠して測定される値である。
「3次元造形装置」
図面を参照して、熱溶解法による3次元造形装置の構造、およびこれを用いた3次元造形方法について説明する。
図1は、3次元造形装置の要部模式断面図である。
ここでは、樹脂フィラメントを用いる場合を例として説明するが、用いる樹脂組成物の形態は任意である。
図1に示す3次元造形装置1は、上下移動が可能な造形ステージ10と、造形ステージ10のステージ面に対して平行な2次元方向に移動可能な造形ヘッド20とを備える。
造形ヘッド20は、上方から造形用樹脂フィラメントが挿入される挿入口21Aを有し、挿入された樹脂フィラメントが溶融状態で流下する金属管21と、この金属管21の下端に接続されたノズル22とを備える。
図中、矢印Fはフィラメントの挿入方向を示し、矢印Rは樹脂の吐出方向を示す。
図中、符号22Aはノズルの吐出口を示す。
図中、符号30は金属管21およびノズル22の内部に形成された樹脂流路を示す。
金属管21の下部の外周には、金属管21内を流れる樹脂組成物を加熱溶融するためのヒータブロック(加熱部材)24が取り付けられている。このヒータブロック24は、造形ヘッド20を2次元走査するための走査アームまたは走査レール等の公知の走査部材(図示略)に接続することができる。
金属管21の上部の外周には、挿入口21Aに挿入されるフィラメントへの熱伝導を防止するためのヒートシンク(放熱部材)23が取り付けられている。
3次元造形装置1では、以下のように造形が実施される。
造形用樹脂フィラメントが挿入口21Aから造形ヘッド20の内部に連続的に供給される。
造形用樹脂フィラメントの構成樹脂としては特に制限されず、ABS系樹脂、高衝撃ポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂、ポリ乳酸、およびアミド系樹脂等が好ましい。
造形ヘッド20の内部に挿入された樹脂フィラメントは造形ヘッド20の内部に設けられたヒータにより加熱溶融され、金属管21内を溶融状態で流下し、ノズル22から造形ステージ10上に吐出される。
造形ステージ10は溶融樹脂が冷却固化する温度に設定されている。
造形ステージ10のステージ面に対して平行な2次元方向に造形ヘッド20を走査しながらノズル22から溶融樹脂の吐出を続けることで、造形ステージ10上に所望のパターンの一層目の樹脂層30が形成される。
所望のパターンの一層目の樹脂層30が形成された後、造形ステージ10を一層分降下させる。
以上の操作を繰り返して、所望のパターンの樹脂層30を複数積層することで、所望の形状の3次元造形物が製造される。
なお、各樹脂層30のパターンは、目的とする造形物を水平な複数の層にスライスしたCADモデルに基づいて、あらかじめ決定される。
上記の3次元造形を繰り返し実施すると、溶融樹脂が流下する金属管21およびノズル22の内部に使用樹脂あるいはその熱分解物等の異物が堆積して、吐出量が不安定になる場合がある。
造形用樹脂フィラメントの代わりに本発明の洗浄用樹脂フィラメントを用いて、3次元造形装置1の洗浄を行うことができる。
具体的には、本発明の洗浄用樹脂フィラメントを挿入口21Aから造形ヘッド20の内部に連続的に供給し、造形時と同様にノズル22から溶融樹脂を吐出すればよい。
なお、洗浄時は、造形の必要がないため、造形ヘッド20の2次元走査および造形ステージ10の上下移動は特に必要ない。
洗浄のタイミングは特に制限されず、例えば、樹脂吐出量が正常時(堆積物が全くなくクリーンな状態)の50〜60%になった時点で洗浄を実施することができる。
洗浄用樹脂フィラメントの加熱溶融温度は、それに含まれる熱可塑性樹脂のビカット軟化点に応じて決定される。したがって、造形時の加熱溶融温度とは異なる場合もある。洗浄用樹脂フィラメントの加熱溶融温度は例えば、150〜280℃程度である。
本発明の洗浄用樹脂フィラメントは熱可塑性樹脂を含むため、造形用樹脂フィラメントの代わりに洗浄用樹脂フィラメントを用い、造形時と同様の操作を実施することができる。
本発明の洗浄用樹脂フィラメントは成分(X)を含むため、3次元造形装置1内の送り性が良好である。
本発明の洗浄用樹脂フィラメントはフィラーを含むため、堆積物を掻き落として除去することができる。また、本発明の洗浄用樹脂フィラメントはMFRが好適な範囲内であり、造形装置内を好適な粘度で流下する。
本発明では、上記作用効果が相俟って、堆積物を効果的に除去することができる。
本発明では、一度の洗浄操作で高い洗浄効果が得られ、洗浄効果の持続性も高い。
なお、洗浄終了後は、洗浄用樹脂フィラメントを造形用樹脂フィラメントに替え、ある程度の時間、造形時と同様にノズル22から溶融樹脂を吐出することで、造形装置の内部に残った洗浄用樹脂組成物を排出させてから、造形を開始する。
インクジェット法による3次元造形装置に適用する場合は、あらかじめ本発明の洗浄用樹脂組成物を溶融させてから、洗浄に供すればよい。
以上説明したように、本発明では、3次元造形装置1を分解することなく、通常の造形時と同様の操作にて、3次元造形装置1の内部を簡便にかつ効果的に洗浄することができる。
以上説明したように、本発明によれば、洗浄操作が簡便で、洗浄効果が高く、かつ、洗浄効果の持続性が高い3次元造形装置洗浄用樹脂組成物、およびこれを用いた3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメントを提供することができる。
以下、本発明に係る実施例および比較例について説明する。
[実施例1〜18、比較例1〜3]
(洗浄剤樹脂フィラメントの作製)
実施例1〜18および比較例1〜3の各例においては、以下のようにして、0.75mmφ径の洗浄用樹脂フィラメントを作製した。
なお、特に明記していない条件は、すべて共通条件とした。
各例において、表1〜表3に示す配合組成で、熱可塑性樹脂、界面活性剤、金属石鹸、およびフィラーをドライブレンドした。
比較例2では、得られた混合物をそのまま押出成形に供した。他の実施例および比較例では、得られた混合物を70℃で5時間加熱乾燥して、各原料に含まれる水分を除去してから押出成形に供した。
押出機を用いて上記混合物を溶融しフィラメント状に押出成形し、高速回転させた巻取リールに引っ張りながら巻き取った。
押出成形条件は、以下の通りとした。
押出機:池貝社製「FS30」、
吐出口の径:30mmφ、
押出温度:190℃、
スクリュー回転数:100rpm。
表中の各符号は、以下の原料を示す。
<熱可塑性樹脂>
A−1:高密度ポリエチレン(HDPE)(ビカット軟化点130℃、プライムポリマー社製「ハイゼックス2200J」)、
A−2:高密度ポリエチレン(HDPE)(ビカット軟化点122℃、プライムポリマー社製「ハイゼックス2110JH」)、
A−3:高密度ポリエチレン(HDPE)(ビカット軟化点124℃、プライムポリマー社製「ハイゼックス7000F」)、
A−4:ポリプロピレン(PP)(ビカット軟化点125℃、住友化学社製「ノーブレンW531D」)、
A−5:高密度ポリエチレン(HDPE)(ビカット軟化点122℃、日本ポリエチレン社製「ノバテックHDHJ590N」)。
用いた各熱可塑性樹脂のMFRは、表1〜表3に記載の通りである。
<ノニオン系界面活性剤>
B−1:ポリオキシエチレンセチルエーテル(花王社製「エマルゲン220」)、
B−2:ソルビタンモノラウレート(花王社製「エマゾールL−10V」)。
<アニオン系界面活性剤>
B−3:ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製「エマール10G」)。
<金属石鹸>
C−1:ステアリン酸亜鉛、
C−2:ステアリン酸マグネシウム。
<フィラー>
D−1:炭酸カルシウム(平均径2.1μm、カルファイン社製「KS1000」)、
D−2:炭酸カルシウム(平均径4.4μm、日東粉化工業社製「NCC#45」)、
D−3:タルク(平均径5μm、日本タルク社製「MICRO ACE P−3」)。
[水分量]
各例において得られた洗浄用樹脂組成物の水分量を測定した。
オプションとして水分気化装置「VA−100型」を備えたカールフィッシャー水分計(ダイアインスツルメンツ社製「CA−100」)を用い、気化温度200℃、10分間加熱の条件で、水分量を測定した。
なお、ここで言う「洗浄用樹脂組成物」は、押出機内で溶融混練されたものである。
[MFR]
用いた原料の熱可塑性樹脂および各例において得られた洗浄用樹脂組成物について、本明細書で定義される方法にて、MFRを測定した。
[洗浄試験]
3次元造形装置(ムトーエンジニアリング社製「Value 3D Magix MF−1000」、ノズル内径0.5mmφ)を使用して、熱溶解法による3次元造形物の作製を繰り返し行った。
造形材料として、ABS系樹脂フィラメントを用いた。加熱溶融温度は230℃とした。
積層ピッチは0.4mmとした。
なお、積層ピッチとは、3次元造形装置において形成される一層の樹脂層の厚さを指し、造形物の作製時間および作製精度に係わる数値である。
3次元造形物の形状は、一辺の長さが20mmの立方体状とした。
3次元造形物の作製を1個終えるごとに、ノズルから吐出された総樹脂量(作製された造形物の質量)を測定し、単位時間当たりの樹脂吐出量(以下、単に「樹脂吐出量」と言う)を求めた。
さらに、2回目以降の造形については、樹脂吐出量の初期比を求めた。
ここで、「樹脂吐出量の初期比」は、初期樹脂吐出量に対する、ある時点での樹脂吐出量の比であり、次式を使用して求めた。「初期樹脂吐出量」は、上記造形において、1個目の造形物を作製した際の樹脂吐出量である。
[樹脂吐出量の初期比(%)]=[ある時点の樹脂吐出量]/[初期樹脂吐出量]
樹脂吐出量の初期比が50〜60%になった時点で、下記の洗浄試験を開始した。
造形用樹脂フィラメントの代わりに、各例において得られた洗浄用樹脂フィラメントを用い、造形時と同様の操作にて、ノズルから溶融状態の洗浄用樹脂フィラメントを50cm長さ分、吐出させた。造形時と同様、加熱溶融温度は230℃とした。
上記洗浄後、再度ABS系樹脂フィラメントを用いて、洗浄前と同様の操作にて、3次元造形物の作製を繰り返し行った。洗浄前と同様、3次元造形物の作製を1個終えるごとにノズルからの樹脂吐出量を測定し、樹脂吐出量の初期比を求めた。
[評価項目と評価方法]
(1)フィラメントの送り性:
洗浄時において、3次元造形装置の金属管およびノズルを流下する洗浄用樹脂フィラメントの送り性を、目視にて下記基準に基づいて評価した。
<判定基準>
○(良):フィラメント送りがスムーズであった。
×(不良):フィラメント送りがスムーズでなかった。
(2)洗浄性:
洗浄効果を評価するため、洗浄直前の樹脂吐出量の初期比と洗浄後1個目の造形時の樹脂吐出量の初期比とを比較した。
(3)洗浄持続性:
洗浄持続効果を評価するため、洗浄後2個目以降の造形について、樹脂吐出量の初期比の変化を評価した。
評価結果を表1〜表3に示す。
実施例1〜18では、熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含み、MFRが0.5〜10g/10分である洗浄用樹脂フィラメントを作製した。
これら実施例ではいずれもフィラメントの送り性が良好で、良好な洗浄効果が得られた。さらに、洗浄持続性も良好であった。
フィラーを含まない洗浄用樹脂フィラメントを作製した比較例1では、洗浄を実施しても、樹脂吐出量は洗浄前と同等レベルであり、洗浄効果が得られなかった。
比較例2では、MFRの小さい熱可塑性樹脂を用い、かつフィラーを多く配合したため、得られた樹脂組成物のMFRが測定限界以下であり、フィラメント状の成形ができなかった。また、原料混合物の乾燥を実施しなかったため、樹脂組成物の水分量は1000ppmを超えた。
比較例3では、MFRの大きい熱可塑性樹脂を用いたため、得られた樹脂組成物のMFRが10g/10分を超え、効果的な洗浄ができなかった。
Figure 0006592291
Figure 0006592291
Figure 0006592291
本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
1 3次元造形装置
10 造形ステージ
20 造形ヘッド
21 金属管
21A 挿入口
22 ノズル
23 ヒートシンク
24 ヒータブロック
30 樹脂層

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含み、
    メルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であり
    水分量が1000ppm以下である、
    3次元造形装置洗浄用樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂のビカット軟化点が90〜170℃である、請求項1に記載の3次元造形装置洗浄用樹脂組成物。
  3. 前記フィラーの平均径が1〜50μmである、請求項1または2に記載の3次元造形装置洗浄用樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂の含有量が25〜60質量%であり、
    前記成分(X)の含有量が6〜25質量%であり、
    前記フィラーの含有量が20〜65質量%である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の3次元造形装置洗浄用樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含み、メルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であり水分量が1000ppm以下である、3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント。
  6. 熱可塑性樹脂と、界面活性剤および金属石鹸からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分(X)と、フィラーとを含む複数種の原料を溶融混練して、メルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であり、水分量が1000ppm以下である3次元造形装置洗浄用樹脂組成物を製造する、3次元造形装置洗浄用樹脂組成物の製造方法。
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