以下、実施の形態及びその変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び変形例のそれぞれは、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態及び変形例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態及び変形例における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具100について説明する。
[照明器具の全体構成]
まず、図1〜図3を参照しながら、実施の形態に係る照明器具100の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具100の分解斜視図である。図2は、実施の形態に係る発光モジュール10の構成概要を示す平面図である。なお、図2では、発光モジュール10の基板11を貫通している孔等については、他の要素と識別しやすいようにドットを付して示している。このことは、後述する、図6〜図9、及び図10についても同じである。
図3は、実施の形態に係る照明器具100の構成概要を示す部分断面図である。なお、図3では、照明器具100の一部の断面であって、図2におけるIII−III断面に対応する位置の断面が図示されている。
図1に示すように、本実施の形態の照明器具100は、例えば天井4に取り付けられるシーリングライトである。なお、図1における上方が、天井4に対向する床面(図示せず)の方向に相当し、図2及び図3におけるZ軸のプラスの方向に対応する。つまり、図1における照明器具100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体106と、器具本体106に取り付けられた発光モジュール10とを備える。本実施の形態では、照明器具100はさらに、回路カバー150、光源カバー160、照明カバー140及び器具取付部8を備えている。
[器具本体]
図1に示すように、器具本体106は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を円盤状にプレス加工することにより形成される。器具本体106の発光モジュール10等が配置される側の面には、複数のカバー取付部122が器具本体106の周方向に間隔を置いて配置されている。なお、器具本体106の発光モジュール10等が配置される側の面には、例えば、反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
また、図1に示すように、器具本体106の中央部には、円形状の開口部が形成されており、当該開口部の周縁から発光モジュール10側に延びる略円筒状の支持部126が形成されている。支持部126は、例えば樹脂により形成された部材であり、器具取付部8と嵌め合わせ可能な構造を有している。
さらに、図1に示すように、器具本体106には、発光モジュール10、光源カバー160、及び回路カバー150を、器具本体106に取り付けるネジ66と螺合する、ネジ孔134及び135のそれぞれが複数形成されている。
[器具取付部]
器具取付部8は、器具本体106の支持部126の内部に挿入されることで、支持部126に取り付けられる。また、器具取付部8は、天井4に設置された天井側取付部材36に着脱自在に取り付けられる。このように器具取付部8が天井側取付部材36に着脱自在に取り付けられることにより、器具本体106は、着脱自在に天井4に取り付けられる。なお、器具本体106と天井4との間には、器具本体106のぐらつきを抑制するためのクッション部材(図示せず)が配置されている。
[発光モジュール]
図1〜図3に示すように、発光モジュール10は、基板11と、基板11の主面11aの第一領域13aに配置された1以上の回路部品80と、主面11aの第二領域13bに配置された複数の発光素子20とを備える。第二領域13bは、基板11の主面11aにおける、第一領域13aの外周の領域である。また、基板11は、スリットまたは溝である脆弱部15を有する。本実施の形態では、脆弱部15としてスリットが設けられている。
本実施の形態に係る発光モジュール10は、基板11が脆弱部15を有することで、器具本体106への適切な取り付けを可能としている。脆弱部15による効果等については図4A及び図4Bを用いて後述する。
基板11は、平面視(基板11を基板11の厚み方向から見た場合)における外形が円形(略円形も含む)であり、かつ、中央部に円形の開口部12が形成されている。つまり、基板11は、円環状(ドーナツ状)の形状を有している。基板11は、金属配線がパターン形成された、いわゆるプリント基板であり、本実施の形態では、基板11として樹脂基板が採用されている。具体的には、両面に導体パターン(金属配線)が配置されたガラスコンポジット基板が、基板11として採用されている。
本実施の形態の複数の発光素子20の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、発光モジュール10の実装構造は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を基板11上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造である。
具体的には、基板11の第二領域13bにおける複数の実装位置(発光素子20を配置すべき位置)にペースト状のはんだ(例えば「クリームはんだ」とも呼ばれる)が塗布され、各はんだと接触するように複数の発光素子20が配置される。その後、例えば4分程度の期間、180℃〜240℃程度の熱を加える工程(加熱工程)等を経ることで、各発光素子20と、主面11aに設けられた金属配線とが接続される。つまり、複数の発光素子20は、リフロー方式で基板11にはんだ付けされる。より詳細には、例えば、180℃〜200℃程度の熱で2分ほど基板11が加熱(予備加熱)される。その後、220℃〜260℃程度の熱で1分ほど基板11が加熱されることで、各発光素子20は、主面11aに設けられた金属配線にはんだ付けされる。
これら複数の発光素子20は、例えば図2に示すように、基板11の第一領域13aを囲むように、環状に並んで配置されている。なお、複数の発光素子20の電気的な接続の態様に特に限定はない。例えば、直列接続されたn(nは2以上の整数)個の発光素子20のグループ(発光素子群)を複数形成し、これら複数の発光素子群を並列に接続してもよい。また、基板11に配置された全ての発光素子20が直列に接続されてもよい。
基板11の、平面視における中央部分(開口部12の周縁部分)の領域である第一領域13aは、1以上の回路部品80が配置された領域である。当該1以上の回路部品80は、複数の発光素子20の動作(点灯、消灯、調光率の変更等)に用いられる電気回路の少なくとも一部を構成する部品である。本実施の形態では、第一領域13aには複数の回路部品80が配置されており、これら複数の回路部品80により、複数の発光素子20に発光のための電力を供給する電源回路90が構成されている。
電源回路90は、例えば器具本体106から延設されたケーブル(図示せず)を介して供給される交流電力を、複数の発光素子20の発光に適した直流電力に変換して供給する。これにより、複数の発光素子20は発光する。
電源回路90を構成する複数の回路部品80のそれぞれは、例えば、電解コンデンサもしくはセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、及び、ダイオードもしくは集積回路素子等の半導体素子等である。
これら回路部品80は、例えば2以上のリード線を有し、図3に示すように基板11を貫通したリード線が、基板の裏面11b側ではんだ付けされることで、基板11に実装される。具体的には、これら回路部品80は、基板11の裏面11bに設けられた金属配線に、フロー方式によってはんだ付けされる。つまり、図3に示すように、基板11の裏面11bには、リード線と金属配線とを接続するはんだ85が配置されている。
なお、基板11の、裏面11bにおける第一領域13aにも、図示しない回路部品80が配置されてもよく、この場合、裏面11bに配置された回路部品80が電源回路90の一部を構成してもよい。
基板11の主面11aにおける第一領域13aの外周の領域である第二領域13bには、複数の発光素子20が配置されており、これら複数の発光素子20は、主面11aに設けられた導体パターン(金属配線)と接続されている。つまり、第一領域13aに配置された電源回路90からの電力は、主面11a側の金属配線を介して、複数の発光素子20に供給され、これにより、複数の発光素子20が発光する。
なお、図2において一点鎖線の円で表現されている、第一領域13a及び第二領域13bの境界は、基板11に視認可能に表示されている必要はなく、また、形状も円形である必要はない。例えば、平面視において、複数の回路部品80で構成された電源回路90に外接する仮想線によって、第一領域13aと第二領域13bとの境界が規定されてもよい。
このように構成された発光モジュール10は、図1〜図3に示すように、基板11の周縁に設けられた、4つの切欠き状の取付部16のそれぞれを貫通するネジ66によって、器具本体106に固定される。具体的には、器具本体106は、平面を形成する基板支持部132を有し、図3に示すように、基板11の裏面11bが、基板支持部132に沿うように、発光モジュール10が器具本体106に固定される。
なお、取付部16は、基板11に切欠き状に形成されている必要はなく、例えば、基板11の周縁部分に形成された貫通孔が、取付部16として基板11に設けられていてもよい。
また、基板11には、発光モジュール10を、後述する回路カバー150及び光源カバー160とともに器具本体106に固定するためのネジ66が貫通する貫通孔17が4つ形成されている。つまり、本実施の形態では、発光モジュール10は、合計8本のネジ66によって器具本体106に固定されている。
[回路カバー]
図1及び図3に示すように、回路カバー150は、基板11の第一領域13aに配置された電源回路90(1以上の回路部品80)を覆う部材である。回路カバー150は、例えば金属等の、不燃性を有し、且つ、発光モジュール10から放射された光を照明カバー140の方向に反射する材料で形成されている。回路カバー150は、ドーナツ状に形成されており、支持部126の周囲を囲み、かつ、電源回路90を覆うようにして、基板11の主面11aに支持されている。
本実施の形態では、回路カバー150は、図1に示すようにネジ66によって、光源カバー160及び発光モジュール10とともに、器具本体106に取り付けられる。なお、図1では、回路カバー150の上方に描かれた1つのネジ66から、器具本体106のネジ孔135までを接続する1本のみの一点鎖線が図示されているが、本実施の形態では、4つのネジ66によって、回路カバー150、光源カバー160、発光モジュール10、及び器具本体106がとも締めされる。発光モジュール10には、上述のように、回路カバー150及び光源カバー160を貫通したネジ66を貫通させる貫通孔17が4つ形成されている。
[光源カバー]
図1及び図3に示すように、光源カバー160は、発光モジュール10の複数の発光素子20を覆う部材であり、透光性を有する(例えば透明の)樹脂等で形成されている。光源カバー160は、ドーナツ状に形成されており、回路カバー150の周囲を囲み、かつ、環状に配置された複数の発光素子20を一括して覆う状態で、発光モジュール10の主面11aに支持されている。なお、光源カバー160は、複数の発光素子20それぞれから放出された光を拡散させる機能を有してもよく、また、主として複数の発光素子20を保護するために配置されてもよい。
また、光源カバー160は、上述のように、回路カバー150を貫通した4つのネジ66によって、器具本体106に固定される。
なお、複数のネジ66によって発光モジュール10とともに器具本体106に固定される回路カバー150及び光源カバー160の高さ方向(Z軸方向)の順番に特に限定はない。例えば、光源カバー160、回路カバー150、及び基板11の順番で貫通したネジ66の軸部が、器具本体106のネジ孔134または135にねじ入れられることで、これら光源カバー160等の複数の要素が、とも締めされてもよい。
[照明カバー]
照明カバー140は、器具本体106の発光モジュール10等が取り付けられた側を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。照明カバー140は、例えば乳白色の樹脂で形成されており、各発光素子20からの光を拡散して外部に放出することができる。また、照明カバー140の開口部(図示せず)には、複数の突起(図示せず)が形成されている。これらの複数の突起をそれぞれ器具本体106に設けられた複数のカバー取付部122に係合させることにより、照明カバー140が器具本体106に着脱自在に取り付けられる。
[脆弱部による効果等]
次に、図4A及び図4Bを参照し、発光モジュール10の基板11に脆弱部15が設けられていることによる効果等について説明する。
図4Aは、基板11に反りが生じた状態の発光モジュール10を模式的に示す断面図である。図4Bは、図4Aに示す発光モジュール10を器具本体106に取り付けた状態を模式的に示す断面図である。なお、図4A及び図4Bにおいて、発光モジュール10及び器具本体106は簡略化されて図示されている。このことは、後述する図5及び図10においても同じである。
本実施の形態では、上述のように、発光モジュール10の基板11として、樹脂基板の一種であるガラスコンポジット基板(より詳細には、高放熱ガラスコンポジット基板)が採用されている。ガラスコンポジット基板は、ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせたガラス繊維の集積体にエポキシ樹脂をしみ込ませたものを基材とし、その基材に、金属配線を形成する金属層(例えば銅箔層)及び絶縁性を有するレジスト層等が積層された部材である。高放熱ガラスコンポジット基板は、ガラスコンポジット基板の一種であって、例えばエポキシ樹脂よりも熱伝導率が高い充填材(アルミナ粒子等)を含む基材を有する基板である。
つまり、基板11は、互いに異なる種類の材料が積層されることで形成されている。また、複数の発光素子20は、上述のように、高温での加熱工程を含むリフロー方式によって、基板11にはんだ付けされる。
従って、例えば、基板11を形成する複数の材料の熱膨張率の違い、基材の両面の金属層の量もしくは分布の違い、または、1つの材料の厚み方向における熱膨張率の勾配等に起因し、器具本体106に取り付ける前の時点において、例えば図4Aに示すように、基板11には反りが存在する。
また、本実施の形態に係る発光モジュール10は、基板11に、複数の発光素子20だけでなく、電源回路90が配置される。電源回路90を構成する複数の回路部品80は、上述のように、基板11を貫通したリード線が、基板11の裏面11bの金属配線とはんだ付けされることで基板11に実装される。つまり、回路部品80がリード線に支持された状態で基板11に立設されるため、基板11が薄くて剛性が低い場合、例えば回路部品80の本体部の重みにより基板11がたわむ等の問題が生じ得る。
そのため、基板11には、複数の発光素子20のみを実装する場合よりも高い剛性が求められ、その結果、厚みが比較的に大きな基板11が採用される。これにより、加熱されることで反った基板11を、基板11の裏面11bが、平面を形成する基板支持部132に沿うように器具本体106に取り付けることが困難となる。
具体的には、本実施の形態では、例えば基板11の周縁に設けられた4つの取付部16のそれぞれをネジ66で押さえるように、各ネジ66が、基板支持部132に設けられたネジ孔134にねじ入れられる。つまり、基板11は、基板11の反りが矯正されるように、複数のネジ66によって基板支持部132の方向に押さえられる。しかし、基板11に何ら工夫がない場合、基板11の剛性の高さにより、基板11の反りの矯正が困難となり、その結果、基板11の裏面11bの、複数の発光素子20の裏側に相当する部分(裏面11bにおける第二領域13bの部分)と、基板支持部132との密着性が低下する。このことは、発光モジュール10の放熱効率の低下の要因となり、これにより、例えば、各発光素子20の発光効率が低下する。
もちろん、当該密着性を向上させるように、各ネジ66の締め付けトルクを増加させることも考えられる。しかし、このことは、例えば基板11の割れ等の損傷の発生、または、基板11の取り付け相手である器具本体106の変形等の発生の要因となるため、好ましい対処法ではない。また、基板11の反りの矯正のために、複雑な構造の固定部材等を用いることも考えられるが、照明器具100の製造効率または製造コスト等の観点から、これも、好ましい対処法とは言えない。
そこで、本実施の形態に係る発光モジュール10では、基板11に、脆弱部15としてのスリットが設けられている。つまり、本実施の形態に係る発光モジュール10は、基板11と、基板11の主面11aの第一領域13aに配置された1以上の回路部品80と、第二領域13bに配置された複数の発光素子20とを備える。さらに、基板11は、スリットまたは溝である脆弱部15を有する。本実施の形態では、脆弱部15として、平面視において長尺状であり、かつ、基板11を厚み方向に貫通するスリットが設けられている。つまり、基板11には、基板11において、他の部分よりも剛性が低い(剛性がゼロの場合も含む)部分である脆弱部15が設けられている。
これにより、例えば図4Bに示すように、基板11は、脆弱部15の位置において曲がりやすさが向上し、その結果、基板11の裏面11bと、基板支持部132との密着性が向上する。つまり、基板11に、脆弱部15がない場合と比較すると、基板11の裏面11bと基板支持部132との接触面積が増加する。これにより、基板11を挟んで基板支持部132とは反対側に位置する複数の発光素子20で発生した熱は、基板支持部132に効率よく伝導され、その結果、各発光素子20の放熱が促される。
また、基板11の反りの矯正のために、固定部材によって強力に基板11を押さえること、または、複雑な固定部材を用いること等は不要であり、例えば、一般に流通するネジ66によって、基板11を器具本体106に適切に取り付けることができる。
すなわち、本実施の形態に係る照明器具100は、発光モジュール10と、器具本体106と、発光モジュール10を、基板11の裏面11bが器具本体106と接触した状態で、器具本体106に固定する固定部材の一例であるネジ66とを備える。ネジ66は、基板11の、脆弱部15とは異なる部分を器具本体106の方向に押さえることで、発光モジュール10を器具本体106に固定する。その結果、例えば、上述の、発光モジュール10の放熱効率の向上等の効果が得られる。
このように、本実施の形態に係る発光モジュール10は、回路部品80と発光素子20とを備える発光モジュール10であって、器具本体106に適切に取り付けることができる発光モジュール10である。また、本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体106に適切に取り付けられた発光モジュール10を備える。つまり、照明器具100では、器具本体106によって、発光モジュール10についての効率的な放熱がなされる。
また、本実施の形態において、複数の発光素子20は、例えば図2に示されるように、1以上の回路部品80が配置された第一領域13aを囲むように環状に並んで配置されている。脆弱部15は、複数の発光素子20の並び方向に沿って長尺状に形成されている。本実施の形態の場合、脆弱部15は、平面視において、円環状に配列された複数の発光素子20の並び方向に沿って湾曲した形状を有している。
これにより、例えば、複数の発光素子20を接続する金属配線の断面積を減らすことなく、脆弱部15を設けることができる。言い換えると、脆弱部15の形状に依存せずに、複数の発光素子20を効率よく接続するための金属配線のパターンを基板11に形成することができる。
また、本実施の形態では、脆弱部15は、基板11における、複数の発光素子20と、1以上の回路部品80との間の位置に形成されている。つまり、複数の発光素子20に接続される金属配線、及び、1以上の回路部品80に接続される金属配線の存在しない領域を利用して、脆弱部15を基板11に設けることができる。
また、中央部に開口部12を有し、全体としてドーナツ形状である基板11において、内側の複数の回路部品80と、その外周の複数の発光素子20との間に脆弱部15が配置されるため、基板11全体としてバランスよく反りが矯正される。
また、本実施の形態では、脆弱部15は、基板11に複数設けられている。具体的には、例えば図2に示すように、4つの脆弱部15が基板11に設けられている。これにより、例えば、基板11全体に対する反りの矯正をより容易に行うことができる。
ここで、本実施の形態では、基板11に配置された1以上の回路部品80は、複数の発光素子と電気的に接続されており、当該1以上の回路部品80により、複数の発光素子20に発光のための電力を供給する電源回路90が構成されている。そのため、例えば、複数の発光素子20が配置された基板11とは別体の基板上に電源回路90を形成する場合と比較すると、照明器具100の部品点数の削減、照明器具100の組み立てやすさの向上等の効果が得られる。さらに、基板11の剛性の高さに起因する、反りの矯正の困難さの解消が、基板11に設けられた脆弱部15によって図られる。
また、電源回路90は、フィルタ素子、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、コイル素子、抵抗、レギュレータ、または、各種制御ICなどの、高熱を発しやすい回路部品80を有している。そのため、基板11の裏面11bと、器具本体106(基板支持部132)との接触面積の増加は、電源回路90の熱を発光モジュール10の外部に逃がす、という観点からも有利である。
なお、基板11から器具本体106への効率的な熱伝導を促すために、例えば、基板11及び器具本体106の双方に密着する熱伝導部材を基板11と器具本体106との間に配置してもよい。
図5は、基板11と器具本体106との間に放熱シート190が配置された状態を示す断面図である。
例えば、図5に示すように、器具本体106の基板支持部132と、基板11の裏面11bとの間に、柔軟性を有する放熱シート190を配置する。放熱シート190としては、シリコーンを主材料とする高熱伝導性シートが例示される。このように配置された放熱シート190は、柔軟性を有することで、例えば、平面度が高い基板支持部132だけでなく、平面度が低い、基板11の裏面11bにも密着する。その結果、基板11と器具本体106との隙間、つまり、基板11と器具本体106との間の空気層の体積が低減され、これにより、基板11(発光モジュール10)から器具本体106へのより効率のよい熱伝導が実現される。
なお、上記効果を有する熱伝導部材としはて、放熱シート190以外に、グリース等のゲル状の高熱伝導性材料が例示される。
また、本実施の形態では、発光モジュール10が備える脆弱部15は、平面視において湾曲した形状のスリット(例えば図2参照)であるとしたが、脆弱部15を形成するスリットの形状及び位置等は、特定の形状及び位置等に限定されない。そこで、以下に、発光モジュール10についての変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
(変形例1)
図6は、実施の形態の変形例1に係る発光モジュール10aの構成概要を示す平面図である。
図6に示す発光モジュール10aは、基板11に複数の脆弱部15aが設けられており、これら脆弱部15aのそれぞれは、平面視において直線状のスリットである。これにより、例えば、基板11の反りを効率よく矯正することができる。
具体的には、図6に示すように、基板11において対向する位置に設けられた一対の取付部16を結ぶ仮想的な直線上に、脆弱部15aが配置されており、かつ、脆弱部15aの長手方向が当該直線と直交するように、脆弱部15aが配置されている。
これにより、例えば、当該一対の取付部16の位置で、基板11の両端のそれぞれがネジ66によって押さえられた場合、直線状のスリットである脆弱部15aで、効率よく反りが吸収されるという効果が奏される。
(変形例2)
図7は、実施の形態の変形例2に係る発光モジュール10bの構成概要を示す平面図である。
図7に示す発光モジュール10bは、基板11に複数の脆弱部15aが設けられており、これら脆弱部15aのそれぞれは、平面視において直線状のスリットである。この点については、上記変形例1に係る発光モジュール10aと共通する。しかし、本変形例に係る発光モジュール10bでは、それぞれが直線状のスリットである複数の脆弱部15aの長手方向が一致するように、複数の脆弱部15aが配置されている。
これにより、特定の場合において、効率よく基板11の反りを矯正することができる。例えば、図7に示す基板11が、X軸に平行な直線を中心とする円に沿った方向に反っている場合(基板11のY軸方向の両端がZ軸方向に持ち上がるように反っている場合)を想定する。この場合、複数の脆弱部15aが、X軸に平行な姿勢で並べられているため、特に、Y軸方向で対向する一対の取付部16がネジ66によって押さえられることで、効率よく反りが矯正される。
(変形例3)
図8は、実施の形態の変形例3に係る発光モジュール10cの構成概要を示す平面図である。
図8に示す発光モジュール10cは、基板11に複数の脆弱部15c及び15dが設けられており、これら複数の脆弱部15c及び15dのそれぞれは、基板11の端縁から延設されたスリットである。
具体的には、脆弱部15cは、基板11の開口部12の周縁(基板11の内側の端縁)から延設されたスリットであり、脆弱部15dは、基板11の外側の端縁から延設されたスリットである。
これにより、脆弱部15c及び15dのそれぞれの位置おいて曲げやすさが向上し、その結果、基板11が矯正しやすくなる。また、脆弱部15c及び15dのそれぞれが、基板11の端縁から切欠き状に形成されたスリットによって実現されるため、例えば、脆弱部15c及び15dのそれぞれの形成が容易化される。
なお、脆弱部15dは、図8に示すように、隣り合う2つの発光素子20の間に配置されている。この場合、例えば、金属配線で直接的に接続する必要がない2つの発光素子20(例えば、直列に接続されない2つの発光素子20)の間の位置に脆弱部15dを配置することで、脆弱部15dが、金属配線のパターン形成の阻害要因となることが抑制される。
なお、基板11の開口部12の周縁(基板11の内側の端縁)から、基板11の外側の端縁まで延設されたスリットまたは溝によって、脆弱部が形成されてもよい。つまり、環形状である基板11の環の一部が欠かれることで、当該欠かれた部分が、脆弱部として機能してもよい。
(変形例4)
図9は、実施の形態の変形例4に係る発光モジュール10dの構成概要を示す平面図である。
図9に示す発光モジュール10dは、上記実施の形態等における基板11とは異なり、外形が直線で構成された、矩形に近い形状を有する基板14を備えている。しかし、発光モジュール10dは、その他の部分については、例えば上記実施の形態に係る発光モジュール10と共通する構成を有している。
すなわち、発光モジュール10dは、基板14と、基板14の主面14aの第一領域13aに配置された1以上の回路部品80と、主面14aの第二領域13bに配置された複数の発光素子20とを備える。さらに、基板14は、スリットまたは溝である脆弱部15eを有する。具体的には、脆弱部15eは、複数の発光素子20の並び方向に沿って長尺状に形成されたスリットである。本変形例の場合、脆弱部15eであるスリットは、平面視において、略角環状に配列された複数の発光素子20の並び方向に沿った直線状の形状を有している。
このように、基板14の外形が円形ではない場合であっても、基板14は、脆弱部15eの位置において曲げやすさが向上する。そのため、発光モジュール10dの器具本体106への取り付けの際に、効率よく基板14の反りを矯正することができ、その結果、基板14の裏面(図9に図示せず)と器具本体106との密着性が向上する。これにより、各発光素子20の放熱が促される。
また、基板14の外形が矩形に近いため、例えば、所定の大きさの材料を切断することで、複数の基板14を作製する場合、円形の基板11を作製する場合と比較すると、基板14を作製する方が、作製可能枚数が多くなる、または、無駄になる材料の量が減少する。
(変形例5)
図10は、実施の形態の変形例5に係る発光モジュール10eの構成概要を示す部分断面図である。
図10に示す発光モジュール10eが備える基板11は、上記実施の形態等における基板11と同じく脆弱部が設けられている。しかし、本変形例に係る脆弱部15fは、上記実施の形態に係る脆弱部15等とは異なり、スリットではなく溝である。
つまり、本変形例において、脆弱部15fは、基板11の主面11a及び裏面11bのうちの一方(図10では主面11a)に開口し、他方(図10では裏面11b)に開口しない溝である。この場合であっても、脆弱部15fは、基板11において、他の部分よりも剛性が低い部分である。そのため、発光モジュール10eの器具本体106への取り付け時における基板11の反りの矯正の際に、脆弱部15fは、曲がりやすい部分として機能する。つまり、効率よく基板11の反りが矯正される。
なお、平面視における脆弱部15fの形状及び位置に特に限定はなく、例えば、上記実施の形態に係る脆弱部15と同じく湾曲していてもよく、また、上記変形例1に係る脆弱部15aと同じく直線状であってもよい。また、脆弱部15fは、例えば、上記変形例3に係る脆弱部15cまたは15dと同じく、基板11の端縁から延設されていてもよい。
(他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態及びそれらの変形例等に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び各変形例に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び各変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、発光モジュール10の基板11として、ガラスコンポジット基板以外の基板が採用されてもよい。例えば、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませて熱硬化処理を施した板状の基材を有するガラスエポキシ基板が、基板11として採用されてもよい。また、例えば、紙に樹脂をしみ込ませて形成された基材を有する基板(紙フェノール基板及び紙エポキシ基板など)が、基板11として採用されてもよい。これらの基板はいずれも樹脂基材に金属層(金属配線)が形成された基板であり、加熱されることに起因する反りが生じる。そのため、基板にスリットまたは溝である脆弱部が形成されることで、基板の反りの矯正が容易化される。
また、例えば、平面視において湾曲した形状の脆弱部15(図2参照)と、平面視において直線状の脆弱部15a(図6参照)とが、1枚の基板11において混在していてもよい。
また、脆弱部であるスリットまたは溝の長さ及び幅に特に限定はない。例えば、スリットである脆弱部15aの幅(平面視における短手方向の幅)は、数mmであってもよく、また、視認不可能な程度の幅(例えば数μm)であってもよい。つまり、基板11に極めて細い切り込みを形成することで、脆弱部としてのスリットが形成されてもよい。
また、例えば、脆弱部は、互いに交差する少なくとも2本のスリットまたは溝によって形成されてもよい。図11は、互いに交差する2本のスリットによって形成された脆弱部15gを示す平面図である。
例えば、図11に示すように、十字状のスリットを基板11に形成することで、脆弱部15gが基板に設けられた場合、例えば、脆弱部15gの位置において曲げ易くなる方向が増加するため、基板11の反りの矯正をさらに効率よく行うことが可能となる。
また、上記実施の形態では、固定部材としてネジ66を例示したが、固定部材は、ネジ66とは異なる種類の部材であってもよい。例えば、器具本体106に取り付けられた、または、器具本体106に一体に設けられた爪によって、基板11(発光モジュール10)が、器具本体106に固定されてもよい。例えば、反った状態の基板11を、手で押さえながら、基板11のいずれかの位置を器具本体106に設けられた爪に引っ掛ける。これにより、基板11の反りを矯正し、かつ、器具本体106に発光モジュール10を固定することができる。その他、リベット、結束バンド、及び接着材等が、発光モジュールを器具本体に固定する固定部材として例示される。なお、接着材が固定部材として用いられる場合、固定部材である接着材は、基板11の、脆弱部15とは異なる部分を、器具本体106の方向に引っ張ることで、発光モジュール10を器具本体106に固定することができる。
また、図4A及び図4Bでは、基板11の両端が、複数の発光素子20が配置された主面11aの側に持ち上がるように反っているが、基板11が反る方向及び位置は、特定の方向および位置に限定されない。例えば、図4Aに示す基板11とは逆に、基板11の両端が裏面11bの側に下がるように反った場合であっても、例えば、基板11の貫通孔17(図2参照)を貫通するネジ66によって、基板11が器具本体106の方向に押さえられる。そのため、脆弱部15の位置で曲がりやすくなっている基板11の反りは効率よく矯正される。
また、基板11に配置された1以上の回路部品80は、電源回路90とは異なる種類の電気回路(電子回路)を構成してもよい。例えば、照明器具100の外部から送信される信号に従って、複数の発光素子20を調光制御または調色制御する制御回路が、当該1以上の回路部品80によって構成されていてもよい。
また、照明器具100が、発光モジュール10の点灯、消灯、調光、または調色等の制御に用いるセンサ(人感センサ、照度センサ、または音センサなど)を備える場合、センサの動作を制御する制御回路が、当該1以上の回路部品80の少なくとも一部によって構成されてもよい。
また、照明器具100がセンサを備える場合、照明器具100は、当該センサの検出結果に基づいて所定の範囲を撮像するカメラを備えてもよい。例えば、照明器具100が人感センサを備える場合、人感センサが人を検出することで、発光モジュール10を発光させること、及び、当該人をカメラで撮像すること等ができる。
また、照明器具100は、有線または無線によって照明器具100が受信した音声を出力するスピーカーを内蔵してもよい。この場合、例えば、発光モジュール10の点灯に同期してスピーカーから音声が出力されるように、スピーカーが制御されてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、発光素子20としてLEDチップがパッケージ化されたLED素子が例示された。しかしながら、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子が、発光素子20として採用されてもよい。
その他、上記実施の形態及びその変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、及び、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及びその変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。