JP6587857B2 - 塗工システム及び塗工装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のストライプ塗工用ダイは、各液状の第1粘着剤と第2粘着剤とを同時的に吐出する特殊なダイである。ストライプ塗工用ダイを用いて第1粘着剤及び第2粘着剤を同時的に塗工し、次いで、第1粘着剤及び第2粘着剤を同時的に乾燥させることによって、第1粘着剤層及び第2粘着剤層が形成される。この結果、第1粘着剤を塗工して乾燥させ、次に第2粘着剤を塗工して乾燥させる場合よりも、効率的に粘着テープを製造することができる。
更にまた、第1粘着剤の塗工位置に対する第2粘着剤の塗工位置の調整は困難である。何故ならば、第1粘着剤の塗工位置を調整すべく、一方の櫛歯状プレートに並設されているスロットの配置位置を変更すれば、他方の櫛歯状プレートに並設されているスロットの配置位置も変更しなければならないからである。
乾燥装置は、基材に吐出された第1塗工液及び第2塗工液を同時的に乾燥させる。乾燥した第1塗工液の層及び第2塗工液の層を、以下では第1層及び第2層という。
この結果、第2塗工液を容易に傾斜方向に吐出することができる。
通常、シム板は交換可能である。故に、側端面の傾斜方向が異なるシム板を用いれば、第2塗工液の吐出を容易に調整することができる。
この結果、第2塗工液を容易に傾斜方向に吐出することができる。
また、第3調整部によって第2吐出部の位置が粗調整され、第2調整部によって第2吐出部の位置が微調整される。
第1吐出部の位置及び第2吐出部の位置は夫々個別に調整可能である。故に、第1吐出部及び第2吐出部の一方が、他方の配置を無用に拘束することはない。
図1は、本発明の実施の形態1に係る塗工システム1の構成を示すブロック図、図2は塗工システムによって塗工された基材31の模式的な平面図である。
図3は、塗工システム1が備える塗工装置2の構成を略示する側面図である。
以下では、図1又は図3に向かって上下左右方向を、塗工システム1の上下前後方向とする。図2に向かって上下左右方向は、塗工システム1の前後左右方向である。
本実施の形態では、層状とは単層状を意味する。
第1液状層32,32は、基材31の左右方向中央部にて左右方向に適長離隔して並設される。1条の第1液状層32に2本の第2液状層33,33が対応する。第2液状層33,33は第1液状層32の左右方向両側端面に隣接する。
図2では、各第1液状層32及び第1層34を右上がりの粗いハッチングで示し、各第2液状層33及び第2層35を右下がりの細かいハッチングで示している。
ロール110〜114夫々の回転軸方向は左右方向である。基材31はロール110〜114夫々に巻き掛けられている。
ロール110〜114夫々の回転に伴い、未塗工の基材31は巻き出しロール110から巻き出され、塗工装置2へ搬入され、塗工装置2にて一面に塗工されて第1液状層32,32及び第2液状層33,33,…が形成され、塗工装置2から搬出され、次に乾燥装置12に対して搬入出される。乾燥装置12から搬出された基材31は、巻き取りロール114に巻き取られる。
搬送装置11及び乾燥装置12は、公知のものでもよい。
第1塗工部24は、第1タンク41、第1流路42、第1バルブ43、第1開閉シリンダ44、第1調整部45、及びダイ46(第1吐出部)を備える。
第2塗工部25は、第2タンク51と、第2流路52と、各4個の第2バルブ53,53,…、第2開閉シリンダ54,54,…、第2調整部55,55,…、及び距離検出部56,56,…と、第3調整部57と、4個の小型ノズル58,58,…(第2吐出部)とを備える。
基台後部21は、第1調整部45を下側から支持している。
ここで、第1塗工部24の第1調整部45について説明する。第1調整部45は、ダイ46を支持してダイ46の水平方向の位置を調整する。このために、第1調整部45は、架台及びアクチュエータを有する。架台にはダイ46が固定されている。また、架台は水平方向への移動が可能なように基台後部21に支持されている。アクチュエータは、架台を水平方向に移動させる。
ガイドレール571は左右方向の直線状のレール状部材であり、支柱23,23夫々の先端部間に架け渡されている。ガイドレール571は、走行部572,572,…夫々を左右方向の往復走行可能に支持している。
各走行部572は、ガイドレール571に沿って左右方向に往復走行し、適宜の位置で停止する。各走行部572には、1個の支持台573が固定されている。
後述するように、第2調整部55は小型ノズル58を支持して小型ノズル58の位置を調整し、第3調整部57は、第2調整部55を支持して小型ノズル58及び第2調整部55の左右方向の位置を調整する。
各第2調整部55はXYステージを用いてなる。第2調整部55のX方向は左右方向であり、Y方向はバックアップロール113に巻き掛けられている基材31に垂直な方向(バックアップロール113の径方向)である。第2調整部55は、台座と可動テーブルとを有する。台座は可動テーブルをX方向及びY方向に移動可能に支持し、且つ、支持台573に固定されている。可動テーブルには小型ノズル58が固定されている。可動テーブルのX方向(左右方向)への移動範囲は、第3調整部57における走行部572の左右方向への移動範囲より狭い。
第1タンク41には、第1塗工液が貯留してある。
第1流路42は、第1タンク41とダイ46とを接続している。
第1タンク41に貯留されている第1塗工液は、第1タンク41から図示しないポンプに汲み上げられて第1流路42を通りダイ46へ送らされる。
第1バルブ43は、第1流路42の中途に設けられている。
第1開閉シリンダ44は、第1バルブ43を開閉する。第1バルブ43の開/閉はダイ46による塗工の実行/非実行に対応する。なお、ダイ46による塗工の実行/非実行の切り替えは、第1タンク41から第1塗工液を汲み上げるポンプのオン/オフによるものでもよい。
なお、第1塗工部24はスロットダイコータ型のダイ46を備える構成に限定されず、例えばクローズドエッジコータに搭載されるようなダイヘッドを備える構成でもよい。
第2タンク51には、第2塗工液が貯留してある。
第2流路52は、第2タンク51と小型ノズル58,58,…夫々とを接続している。このために、第2流路52は下流側が4本に分岐している。
第2タンク51に貯留されている第2塗工液は、第2タンク51から図示しないポンプに汲み上げられて第2流路52を通り各小型ノズル58へ送られる。
第2バルブ53,53,…は、第2流路52の分岐した4本の中途に1個ずつ設けられている。
距離検出部56,56,…は小型ノズル58,58,…に対して1個ずつ配されている。各距離検出部56は、小型ノズル58とバックアップロール113に巻き掛けられている基材31の一面との離隔距離を検出する。距離検出部56の検出結果に応じて、小型ノズル58に対し第2調整部55を用いたY方向の位置調整が為される。
ここで、図1〜図4を参照しつつ小型ノズル58,58,…について説明する。
小型ノズル58,58,…は、左右方向に一列に並置されている。
小型ノズル58,58,…は夫々スロットノズルであり、ダイ46よりも小型である。小型ノズル58,58,…夫々はバックアップロール113の上方にてバックアップロール113の周面に対向配置されている。
小型ノズル58,58,…による塗工位置は、ダイ46による塗工位置からバックアップロール113の周方向に90°未満だけ離隔している。なお、ダイ46に替えて例えばクローズドエッジコータに搭載されるようなダイヘッドが備えられている場合には、小型ノズル58,58,…による塗工位置はダイ46による塗工位置から90°以上離隔していてもよい。何れにせよ、各小型ノズル58による塗工位置は、ダイ46による塗工位置の近傍である。
一方、第1液状層32の右側に第2液状層33を形成するための小型ノズル58は、第1液状層32の右側の側端面に向けて、基材31の一面に対して右上から左下に傾斜する傾斜する方向に第2塗工液を吐出する。
つまり、何れの小型ノズル58,58,…にあっても、上下左右方向に傾斜している。
筐体581は、第2調整部55の可動テーブルに固定されている。
通流路582は、筐体581の内部にて径方向に設けられている。
通流路582の両端部は筐体581の外部に向けて開口している。通流路582の径方向両端部の上側を以下では流入口(不図示)といい、下側を吐出口58aという。
通流路582には流入口を通して第2流路52から第2塗工液が流入する。流入口から流入した第2塗工液は通流路582を径方向の上側から下側に通流して、吐出口58aから基材31の一面に吐出される。
更に詳細には、第1板状部61及び第2板状部62が左右方向に並置されている。第3板状部63は、第1板状部61及び第2板状部62夫々の径方向の上側端部同士を連結している。
この結果として形成される第2液状層33は、第1液状層32の左側端面に隣接し、基材31の一面の内、第1液状層32に覆われていない部分を覆い、しかも、第1液状層32の平面を覆わない。
第2板状部62の下端部は第1液状層32に接近配置されているが、第1液状層32の左側端面からは左側に適長離隔している。故に、第2板状部62が第1液状層32に接触する虞はない。
しかしながら、各小型ノズル58はダイ46の近傍にあるので、小型ノズル58による塗工はダイ46による塗工から長時間が経過する前に(即ち、第1液状層32に左右方向両側端面があるときに)行なわれる。故に、第2液状層33が第1液状層32の側端面以外(即ち第1液状層32の平面)を被覆してしまう不都合が抑制される。
従来の小型ノズルは小型ノズル58と略同様の構成であるが、傾斜案内部62aが設けられていない。従来の小型ノズルが内蔵しているシム板583の第2板状部62には径方向案内部62bが設けられている。
径方向案内部62bは径方向案内部61aに対向配置されている。径方向案内部62bは第2板状部62の側端面の一部である。径方向案内部62bは径方向及び搬送方向に沿う平面状をなす。
また、ダイ46及び各小型ノズル58は、何れも1種類の塗工液を吐出するので、2種類の塗工液を同時的に吐出する特殊な吐出部に比べて小さく、容易に取り扱うことができる。例えば、ダイ46及び各小型ノズル58の配置位置を個別に調整することができるので、ダイ46の配置位置が各小型ノズル58の配置位置を無用に拘束することはない。
第2層は第1層の両側に形成される構成に限定されず、片側に形成されてもよい。
更に、第1層及び第2層は2条及び4本の組み合わせに限定されず、例えば1条及び2本、3条及び6本、又は4条及び8本等の組み合わせでもよい。
第1吐出部及び第2吐出部は相異なるバックアップロールに巻き掛けられている基材に向けて第1塗工液及び第2塗工液を吐出する構成でもよい。
図6は、本発明の実施の形態2に係る塗工装置2が備える小型ノズル58の内部構成を模式的に示す正面図である。
本実施の形態の塗工装置2は、実施の形態1の塗工装置2と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
しかしながら、小型ノズル58の筐体581は、実施の形態1の筐体581に比べて傾斜した姿勢で第2調整部55の可動テーブルに固定されている。
筐体581の傾斜方向は、通流路582を通流する第2塗工液の通流方向が基材31の一面に対して左上から右下に傾斜する方向である。故に、径方向案内部62bに案内された第2塗工液が、基材31の一面に対して傾斜方向に吐出されて基材31の一面及び第1液状層32の左側端面に到達する。
ただし、このとき形成される第2液状層33(更には第2層35)は、実施の形態1の場合よりも厚みが小さくなりがちである。何故ならば、径方向案内部61aが実施の形態1よりも基材31側に接近するからである。
また、実施の形態1の小型ノズル58の筐体581が、本実施の形態の小型ノズル58の筐体581と同様に傾斜していてもよい。
図7は、本発明の実施の形態3に係る塗工装置2が備える小型ノズル58の内部構成を模式的に示す正面図である。
本実施の形態の塗工装置2は、実施の形態1の塗工装置2と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
シム板584は、第1板状部材64(他の板状部材)及び第2板状部材65(一の板状部材)を有する。
第1板状部材64は、実施の形態1の第1板状部61と略同様の構成であり、第2板状部材65は、実施の形態1の第2板状部62及び第3板状部63と略同様の構成である。
第2板状部材65には、第2板状部材65を貫通する丸穴651,651が設けられており、丸穴651,651を通して筐体581の内部にネジ留めされる。第2板状部材65の筐体581に対する配置は固定的である。
また、本発明の効果がある限りにおいて、塗工システム1又は塗工装置2に、実施の形態1〜3に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。
113 バックアップロール(ロール)
12 乾燥装置
2 塗工装置
24 第1塗工部
25 第2塗工部
31 基材
45 第1調整部
46 ダイ(第1吐出部)
55 第2調整部
57 第3調整部
58 小型ノズル(第2吐出部)
582 通流路
583 シム板
58a 吐出口
62a 傾斜案内部(案内部)
64 第1板状部材(他の板状部材)
65 第2板状部材(一の板状部材)
Claims (7)
- 搬送される基材に塗工液を層状に塗工する塗工装置と、
前記基材に塗工された前記塗工液を乾燥させる乾燥装置と
を備える塗工システムにおいて、
前記塗工装置は、
前記基材の一面に第1塗工液を吐出する第1吐出部を有し、前記一面の一部に前記第1塗工液を塗工する第1塗工部と、
前記第1吐出部とは別体に設けられており、該第1吐出部よりも搬送方向下流側に配され、前記一面に前記第1塗工液とは異なる第2塗工液を吐出する第2吐出部を有し、前記一面の他部に、前記一部に塗工された前記第1塗工液の層の側端面に隣接するように前記第2塗工液を塗工する第2塗工部と
を備え、
前記乾燥装置は、前記第2吐出部よりも搬送方向下流側に配されていることを特徴とする塗工システム。 - 前記第2吐出部は、
前記第2塗工液が通流する通流路と、
該通流路の前記第2塗工液の通流方向の下流側一端部に、前記一面に向けて設けてあり、前記通流路を通流した前記第2塗工液が吐出される吐出口と
を備え、
該吐出口から、前記第1塗工液の層の前記側端面に向けて、前記基材の前記一面に対して傾斜する傾斜方向に前記第2塗工液を吐出することを特徴とする請求項1に記載の塗工システム。 - 前記第2吐出部は、前記通流路の内部に配されており、前記通流路から吐出される前記第2塗工液を前記傾斜方向に案内する案内部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の塗工システム。
- 前記第2吐出部は、前記通流路の内部に配されており、前記他部に塗工される前記第2塗工液の層の塗工幅を設定するためのシム板を備え、
前記案内部は、前記シム板の側端面を含み、該側端面は前記傾斜方向に傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の塗工システム。 - 前記通流路は、内部を通流する前記第2塗工液の通流方向が前記傾斜方向に傾斜していることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の塗工システム。
- 前記第2吐出部は、
前記第2塗工液が通流する通流路と、
該通流路の前記第2塗工液の通流方向の下流側一端部に、前記一面に向けて設けてあり、前記通流路を通流した前記第2塗工液が吐出される吐出口と、
前記通流路の内部に配されており、前記他部に塗工される前記第2塗工液の層の塗工幅を設定するためのシム板と
を備え、
該シム板は、
前記第2塗工液の層の塗工幅の一端部の位置を設定するための一の板状部材と、
該一の板状部材に対して相対的に接離可能にしてあり、前記第2塗工液の層の塗工幅の他端部の位置を設定するための他の板状部材と
を有することを特徴とする請求項1に記載の塗工システム。 - 前記第1塗工部は、
前記第1吐出部を支持して前記第1吐出部の位置を調整する第1調整部を更に有し、
前記第2塗工部は、
前記第2吐出部を支持して前記第2吐出部の位置を調整する第2調整部と、
該第2調整部を支持して前記第2吐出部及び第2調整部の位置を調整する第3調整部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の塗工システム。
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