以下、本発明に係る評価表示装置、評価表示方法及びプログラムの実施の形態例を図1〜図10を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態に係る評価教示装置10は、図1に示すように、操作者が操作する操作装置12と、操作装置12への操作入力を検知する操作入力検知部14と、操作入力の特性に基づいて、操作入力を評価する操作評価部18と、各種コメントが記憶されたコメント記憶部20と、操作者の情報、少なくとも操作者への質問に対する回答に基づいて操作者のコメント受容性を推定するコメント受容性推定部22と、時間の経過に伴って変化する操作入力の特性とコメント受容性推定部22での推定結果に基づいてコメント記憶部20からコメントを選択するコメント選択部24と、コメント選択部24にて選択されたコメントをディスプレイ26やスピーカ28等に出力するコメント出力部30と、コメント登録部34とを有する。コメント受容性については後述する。
評価教示装置10は、図示しないが、コンピュータを主体に構成されており、中央処理装置(CPU)と、入出力装置と、各種記憶装置(主メモリ、不揮発性メモリ等)と、これら装置間を接続するバス等を有する。CPUは、記憶装置に格納されたプログラム及びデータを用いる。
操作装置12としては、例えば車両のブレーキペダルが挙げられる。操作入力検知部14は、車両の減速(ブレーキ操作)を検知する。この場合、車両の減速は、例えば携帯端末のモーションセンサにより実現される。その他、ブレーキペダルの操作量(踏込量)を検知し、操作量に応じた減速Gとして出力するブレーキペダル踏込量センサ等が挙げられる。
ブレーキペダルの標準的な操作は、図2に示すように、時間経過に伴って減速Gが上昇する上昇区間Taと、その後、一定の減速Gを維持する一定区間Tbと、その後、減速Gが時間経過に伴って下降する下降区間Tcとを有する。この標準的な操作による減速Gの軌跡(標準軌跡40)は、ブレーキペダルの操作開始時点の車速によっても変化するが、上昇区間Taの時間や標準軌跡40の傾き、一定区間Tbの時間や減速G、下降区間Tcの時間や標準軌跡40の傾きが変わる程度であって、基本的な軌跡、すなわち、上昇→一定→下降という軌跡に変わりはない。
また、評価教示装置10は、図1に示すように、操作入力登録部42と、カレントデータファイル44と、標準データファイル46と、特性データファイル48と、画像表示制御部50と、評価フラグ52と、操作者データベース82とを有する。
操作入力登録部42は、操作入力検知部14から出力される操作入力のデータ(減速G)をカレントデータファイル44に時系列に登録する。標準データファイル46には、予め設定された標準的な操作入力が時系列に記憶されている。
カレントデータファイル44に登録される操作入力のデータの集まりが今回の操作入力の軌跡54(図2参照)を形成し、標準データファイル46に登録された標準的な操作入力のデータの集まりが標準軌跡40を形成する。
操作評価部18は、時間の経過に伴って変化する操作入力の特性を求めて、時系列に特性データファイル48に登録する。操作入力の特性は、時間経過に伴う操作入力の軌跡54と予め設定された標準軌跡40との差である。
標準軌跡40は、上述したように、時間の経過に伴って上昇区間Ta(序盤)、一定区間Tb(中盤)及び下降区間Tc(終盤)を有する。そのため、操作入力の特性は、上昇区間Ta及び下降区間Tcでは、操作入力の軌跡54の単位時間当たりの傾きと標準軌跡40の単位時間当たりの傾きとの差である。一定区間Tbが複数の単位時間にわたる場合は、操作入力の軌跡54と標準軌跡40の差が一定区間Tbの操作入力の特性とされる。
上昇区間Ta、一定区間Tb及び下降区間Tcの各時間的長さは、ブレーキ操作を行う直前の車速によって変化する。そのため、予め車速を決めている場合は、一定の標準軌跡40が用意される。ドライブシミュレーションでのブレーキ操作の評価のように、ブレーキ操作を行う毎に、車速が変化する場合は、ブレーキ操作の直前の車速データに基づいて、標準軌跡40を計算にて再構築する、あるいは複数の標準軌跡40から選択するようにしてもよい。ブレーキ操作の評価は、ナビゲーション等の車載機器やスマートフォンのアプリケーションでも行われ、本実施の形態に係る評価教示装置10は、これらの機器での評価にも好ましく採用される。
そして、操作評価部18は、求めた操作入力の特性に基づいて、上昇区間Ta、一定区間Tb及び下降区間Tcにおける各操作入力の評価を行う。
具体的には、上昇区間Taの操作入力の特性が予め設定した判定用の第1しきい値範囲Th1(図2参照)内にあれば、図1に示す例えば評価フラグ52の1ビット目(図示せず)を良好の評価を示す「1」にする。上昇区間Taの操作入力の特性が第1しきい値範囲Th1を逸脱していれば、不十分(良好でない)の評価を示す「0」にする。
一定区間Tbの操作入力の特性が予め設定した判定用の第2しきい値範囲Th2内であれば、例えば評価フラグ52の2ビット目を良好の評価を示す「1」にする。一定区間Tbの操作入力の特性のうち、操作入力の特性が第2しきい値範囲Th2を逸脱していれば、評価フラグ52の2ビット目を不十分の評価を示す「0」にする。
さらに、一定区間Tbの操作入力の特性が予め設定した判定用の第2しきい値範囲Th2内の場合は、一定区間Tbの操作入力の特性が判定用の第3しきい値範囲Th3から逸脱した回数が所定回数以下であれば、例えば評価フラグ52の3ビット目を良好の評価を示す「1」にする。逸脱した回数が所定回数を超えていれば、例えば評価フラグ52の3ビット目を不十分の評価を示す「0」にする。これにより、操作入力の特性が第2しきい値範囲Th2内であったとしても、第3しきい値範囲Th3を逸脱した回数が所定回数よりも多ければ、一定の操作入力がなされていないとして判定することができ、一定区間Tbでのブレーキ操作の判定を精度よく行うことができる。
同様に、下降区間Tcの操作入力の特性が予め設定した判定用の第4しきい値範囲Th4内にあれば、例えば評価フラグ52の4ビット目を良好の評価を示す「1」にする。下降区間Tcの操作入力の特性が第4しきい値範囲Th4を逸脱していれば、不十分の評価を示す「0」にする。
画像表示制御部50は、操作入力の特性に応じた形状を有する画像を表示する。具体的には、画像表示制御部50は、予め複数の操作入力の特性に応じた形状を有する複数の画像が格納された画像記憶部60と、時間の経過に伴って変化する操作入力の特性に基づいて画像記憶部60から1つの画像を選択する画像選択部62とを有する。
画像選択部62は、操作評価部18による評価フラグ52の結果に基づいて、画像記憶部60から1つの画像を選択する。ここで、1つの画像とは、静止画としての1フレーム分の画像や、動画としての複数フレーム分の画像がある。例えば図3A〜図3Gに模式的に示すソフトクリーム64の画像を例にとると、完成品としてのソフトクリーム64の画像を示す。
例えばソフトクリームの完成品あるいは、ソフトクリームの生成のアニメーション動画を表示することを想定したとき、例えば図3A〜図3Gに示すように、7つのタイプ(タイプ1〜7)の完成品の画像データを用意する。静止画を表示する場合は、それぞれ完成品の画像データを用意する。
そして、上昇区間Ta(序盤)、一定区間Tb(中盤)及び下降区間Tc(終盤)の評価結果に対応してタイプ1〜7の完成品を振り分ける。その例を下記表1に示す。表1において、「○」は良好を示し、「×」は不良を示す。
タイプ1〜7の内訳は以下の通りである。
・タイプ1(図3A参照)は、序盤、中盤及び終盤のいずれも良好な場合に表示される。
・タイプ2(図3B参照)は、序盤、中盤及び終盤のいずれも良好であるが、例えば中盤の不安定さがタイプ1よりも目立つ場合に表示される。
・タイプ3(図3C参照)は、序盤の操作入力のみが第1しきい値範囲Th1から逸脱した場合に表示され、それを象徴するように、序盤においてクリームの飛び散りが生じた画像が表示される。
・タイプ4(図3D参照)は、中盤の操作入力のみが第2しきい値範囲Th2から逸脱した場合に表示され、それを象徴するように、ソフトクリームの高さ方向中間部分が膨らんだ状態の画像が表示される。
・タイプ5(図3E参照)は、序盤及び中盤の操作入力が第1しきい値範囲Th1及び第2しきい値範囲Th2から逸脱した場合に表示され、それを象徴するように、クリームの積層状態がS字状にゆがんだ状態の画像が表示される。
・タイプ6(図3F参照)は、終盤の操作入力が第4しきい値範囲Th4から逸脱した場合に表示される。終盤のブレーキ操作が標準軌跡40から大きく逸脱すると、車両が急に停止し、操作者が前のめりになることが多い。それを象徴するように、ソフトクリームが製造装置の支持部から外れて倒れた状態の画像が表示される。
・タイプ7(図3G参照)は、序盤、中盤及び終盤の操作入力が全てしきい値範囲(第1しきい値範囲Th1、第2しきい値範囲Th2及び第4しきい値範囲Th4)から逸脱した場合に表示され、それを象徴するように、クリームの射出が不十分で、ソフトクリームの体をなしてなく、一見して不良品である状態の画像が表示される。
そして、画像選択部62は、上述したように、操作評価部18による評価フラグ52の結果に基づいて、画像記憶部60から1つの画像を選択する。すなわち、7つのタイプの完成品のうち、評価フラグ52の結果に該当する1つのタイプを選択し、選択したタイプに対応する静止画データあるいはアニメーション動画データを読み出す。読み出された静止画データあるいはアニメーション動画データは、画像表示制御部50によって画像メモリに描画され、それと同期してディスプレイ26を通じて、選択されたソフトクリームの完成品の静止画として、あるいは選択されたソフトクリームが完成品に向かってアニメーション動画として表示される。
操作者データベース82は、図示しないが、操作者毎に、少なくとも操作者のID、操作者のタイプ(エニアグラム上のタイプ)、評価フラグ(前回の評価フラグ)、後述するコメント用しきい値範囲Th1a〜Th4aが登録されている。
一方、コメント記憶部20は、デフォルトのコメント群と、数種の操作者の特性に対応したコメント群が記憶されている。コメントの概略を以下に示す。
デフォルトのコメント群は、評価結果に対応した標準的なコメントであり、例えば下記表2に示すようなコメントの組み合わせが考えられる。
通常、コメントとしては、例えば評価結果が良好な場合に出力される賛美や褒め言葉等を含んだ第1種コメントと、評価結果が良好でない場合に出力される励ます言葉や慰め言葉等を含んだ第2種コメントと、褒め言葉や励ます言葉等は一切なく、もっぱら評価結果を客観的に示す第3種コメント等がある。客観的とは、例えばどの区間で良好であったかあるいは悪かったかを示したり、どのように操作すればよいかを明確に提示する等である。
上述したコメント受容性とは、操作者が受け入れる傾向にあるコメントの種類を示す。例えばエニアグラムにて定義される「完璧主義者」等のタイプに含まれる人は、第1種コメントや第2種コメントを受け入れ難く、第3種コメントのみを受け入れ易い。ただ、「完璧主義者」等のタイプであっても、自分の操作が完璧に近いと感じたときには、褒め言葉(第1種コメント)を受け入れ易くなる。「楽天家」等のタイプに含まれる人は、反対に第3種コメントを受け入れ難く、第1種コメントや第2種コメントを受け入れ易い。「芸術家」等のタイプに含まれる人は、第2種コメントや第3種コメントを受け入れ難く、第1種コメントのみを受け入れ易い。また、「芸術家」等のタイプであっても、あまりにも自分の操作がひどいと感じたときには、励ます言葉(第2種コメント)を受け入れ易くなる。
もちろん、「完璧主義者」等に含まれるタイプであっても、タイプ毎に、褒め言葉の受け入れ易さ、言葉の言い回し、ディスプレイ26に表示されるコメントのフォントや、スピーカ28から出力されるコメントの音源の質(女性アナウンサー、男性アナウンサー等)が異なる。これは、「楽天家」等のタイプ、「芸術家」等の対応でも同様である。
そこで、評価用のしきい値範囲Th1〜Th4とは別に、各種コメントの受け入れの境界を示すしきい値範囲(コメント用しきい値範囲)Th1a〜Th4aを設定する。図4に示すように、判定用のしきい値範囲Th1〜Th4との大小関係は、Th1a<Th1、Th2a<Th2、Th3a<Th3、Th4a<Th4である。
例えば「完璧主義者」等のタイプに適用した場合、コメント用しきい値範囲Th1a〜Th4aは、客観的なコメント(第3種コメント)と褒め言葉(第1種コメント)との境界を示すこととなる。すなわち、例えば操作入力の特性がしきい値範囲Th1から逸脱していれば、良好でないことを示す第3種コメントが選ばれ、しきい値範囲Th1内で、且つ、コメント用しきい値範囲Th1aを逸脱していれば、良好であることを示す第3種コメントが選ばれ、操作入力の特性がコメント用しきい値範囲Th1a内であれば、褒め言葉である第1種コメントが選ばれる。当然、コメント用しきい値範囲Th1a〜Th4aは、操作者のタイプ毎に異なる。この場合、操作者のタイプ毎に、コメントテーブルを用意しておく。そして、当該操作者のタイプに対応する1つのコメントテーブルを抽出し、抽出したコメントテーブルから、操作入力の特性と、操作者のタイプに応じたコメント用しきい値範囲とに基づいたコメント番号を推定するようにしてもよい。もちろん、全ての操作者のタイプにおいて、同じコメント用しきい値範囲Th1a〜Th4aを用いてもよい。
このように、コメント受容性推定部22は、操作者が受け入れる傾向にあるコメントの種類を推定することであると同時に、「完璧主義者」、「楽天家」、「芸術家」等の操作者のタイプを推定することでもある。従って、コメント受容性推定部22での推定結果は、操作者のIDと対応付けて操作者データベース82に登録される。
さらに、コメント受容性推定部22は、コメントを出力する前後における類似する操作の評価の結果に応じて、操作者のコメント受容性を補正する。これについては後述する。
ここで、コメント受容性推定部22でのコメント受容性の初段階での推定処理について図5A及び図5Bを参照しながら説明する。
第1の手法は、図5Aに示すように、ブレーキ操作の評価を実施する前に、予め操作者80に、例えばエニアグラム診断等の性格判断のアンケートに回答してもらい、その回答結果に基づいて、操作者80のタイプを「完璧主義者」等、「楽天家」等、「芸術家」等に分類する。その結果を、操作者のIDと対応付けて操作者データベース82(図1参照)に登録する。アンケートの回答は、評価教示装置10のディスプレイ26を通じて行ってもよいし、例えば操作者80のスマートフォンや、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)を通じて行い、その結果を評価教示装置10に送信してもよい。
第2の手法は、図5Bに示すように、評価教示装置10の起動時に、ディスプレイ26に、性格判断等に用いる複数の質問のうち、「完璧主義者」等、「楽天家」等、「芸術家」等に分類する上で好適な少なくとも1つの質問を表示し、操作者に「YES」「NO」で回答してもらう。回答は、ディスプレイ26に表示された「YES」ボタン84A、「NO」ボタン84Bのうち、どちらかを操作することで行われる。
上述した手順を少なくとも1回行うことで、操作者80のタイプを「完璧主義者」等、「楽天家」等、「芸術家」等に分類する。その結果を、操作者80のIDと対応付けて操作者データベース82に登録する。
例えば操作者のタイプが「完璧主義者」等であれば、コメントの内訳は下記表3のような形態となる。表3は、例えば「完璧主義者」等のタイプのコメントを概略的に示したものであり、「完璧主義者」等に含まれるタイプ毎に言い回し等が異なる。そして、それぞれにコメント番号が割り当てられる。つまり、表3は「完璧主義者」等のタイプのためのコメントテーブルでもある。これは、後述する「楽天家」等のタイプ、「芸術家」等のタイプについても同様である。今回の評価に対応するコメント番号は、コメント受容性推定部22が推定する。
同様に、操作者のタイプが「楽天家」等であれば、コメントの内訳は下記表4のような形態となる。
操作者のタイプが「芸術家」等であれば、コメントの内訳は下記表5のような形態となる。
コメント受容性推定部22は、操作者データベース82に登録された当該操作者のタイプと、特性データファイル48に登録された操作入力の特性と、コメント用しきい値範囲とに基づいて、今回出力すべきコメントのコメント番号を推定する。
その後、今回の評価フラグ52と操作者データベース82に登録された前回の評価フラグを比較して、評価結果が上達していれば、今回推定したコメント番号をコメント選択部24に出力する。
評価結果が同じであれば、当該操作者は、前回のコメントを受け入れたが、技量の上達までには至っていないとして、操作者データベース82に登録されたコメント用しきい値範囲のうち、例えば上達していない区間のコメント用しきい値範囲を広くしたり、狭く設定する。そして、今回推定したコメント番号をコメント選択部24に出力する。
評価結果が前よりも悪ければ、当該操作者は前回のコメントを受け入れなかったとして、例えば操作者のタイプを別のタイプに変更する。例えば初期段階で設定された「完璧主義者」を例えば「楽天家」に変更する。その後、変更後の操作者のタイプと、特性データファイル48に登録された操作入力の特性と、コメント用しきい値範囲とに基づいて、今回出力すべきコメントのコメント番号を推定し、推定したコメント番号をコメント選択部24に出力する。
そして、コメント選択部24は、コメント受容性推定部22が推定したコメント番号に基づいてコメント記憶部20からコメントを選択する。コメント出力部30は、コメント選択部24にて選択されたコメントを、操作者のタイプに応じたフォントを使用して画像メモリに描画してディスプレイ26に表示したり、操作者のタイプに応じた音源を使用してスピーカ28を通して音声出力する。
コメント登録部34は、画像メモリに描画したコメントのテキストデータあるいは画像データを出力した年月日と共に図示しない不揮発性メモリに記録したり、コメントの音声データを年月日と共に不揮発性メモリに記録する。操作者は、記録したコメントの画像や音声を自由に読み出して、確認することができる。
次に、本実施の形態に係る評価教示装置10の処理動作について図6〜図10のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、図6のステップS1において、評価教示装置10は、ブレーキ操作の開始を待つ。ブレーキ操作が開始された段階で、ステップS2に進み、操作入力登録部42は、操作入力検知部14からの操作入力をカレントデータファイル44に時系列に登録する。
ステップS3において、評価教示装置10は、ブレーキ操作が停止されたか否かを判別する。ブレーキ操作が停止していなければ、上記ステップS2での処理を繰り返し、操作入力をカレントデータファイル44に時系列(単位時間毎)に登録する。
上記ステップS3において、ブレーキ操作が停止されたと判別された段階で、次のステップS4に進み、操作評価部18は、序盤の操作入力の特性を演算する。
すなわち、操作評価部18は、カレントデータファイル44から序盤に関する操作入力を読み出し、序盤における操作入力の単位時間当たりの傾きを求める。また、操作評価部18は、標準データファイル46から序盤に関する標準の操作入力を読み出し、序盤における標準の操作入力の単位時間当たりの傾きを求める。そして、操作評価部18は、時系列に操作入力の単位時間当たりの傾きと標準の操作入力の単位時間当たりの傾きとの差を演算して、序盤の操作入力の特性を取得する。
その後、ステップS5において、操作評価部18は、序盤の操作入力の特性を特性データファイル48に登録する。
ステップS6において、操作評価部18は、序盤の操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第1しきい値範囲Th1内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS7に進み、評価フラグ52の1ビット目に良好を示す「1」をセットする。操作入力の特性が良好でなければ、ステップS8に進み、評価フラグ52の1ビット目に不良を示す「0」をセットする。
その後、図7のステップS9において、操作評価部18は、中盤の操作入力の特性を演算する。すなわち、操作評価部18は、カレントデータファイル44から中盤に関する操作入力を読み出し、標準データファイル46から中盤に関する標準の操作入力を読み出し、時系列に操作入力と標準の操作入力との差を演算して、中盤での操作入力の特性を取得する。
その後、ステップS10において、操作評価部18は、中盤の操作入力の特性を特性データファイル48に登録する。
その後、ステップS11において、操作評価部18は、操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第2しきい値範囲Th2内にあるかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS12に進み、評価フラグ52の2ビット目に良好を示す「1」をセットする。
ステップS13において、操作評価部18は、操作入力の特性が第3しきい値範囲Th3から逸脱した回数が所定回数以下かを判別する。操作入力の特性が第3しきい値範囲Th3から逸脱した回数が所定回数以下であれば、ステップS14に進み、評価フラグ52の3ビット目に安定性良好を示す「1」をセットする。所定回数以上であれば、ステップS15に進み、評価フラグ52の3ビット目に安定性不良を示す「0」をセットする。
上記ステップS11において、操作入力の特性が良好でないと判別された場合は、ステップS16に進み、評価フラグ52の2ビット目に不良を示す「0」をセットする。
上記ステップS14での処理あるいは上記ステップS15での処理あるいは上記ステップS16での処理が終了した段階で、次のステップS17に進み、操作評価部18は、終盤の操作入力の特性を演算する。
すなわち、操作評価部18は、カレントデータファイル44から終盤に関する操作入力を読み出し、終盤における操作入力の単位時間当たりの傾きを求める。また、操作評価部18は、標準データファイル46から終盤に関する標準の操作入力を読み出し、終盤における標準の操作入力の単位時間当たりの傾きを求める。そして、操作評価部18は、時系列に操作入力の単位時間当たりの傾きと標準の操作入力の単位時間当たりの傾きとの差を演算して、終盤の操作入力の特性を取得する。
その後、ステップS18において、操作評価部18は、終盤の操作入力の特性を特性データファイル48に登録する。
ステップS19において、操作評価部18は、終盤の操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第4しきい値範囲Th4内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS20に進み、評価フラグ52の4ビット目に良好を示す「1」をセットする。操作入力の特性が良好でなければ、ステップS21に進み、評価フラグ52の4ビット目に不良を示す「0」をセットする。
その後、図8のステップS22において、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90(図1参照)の初期化を行う。すなわち、コメントフラグ90の全てのビットを「0」にする。
その後、ステップS23において、コメント受容性推定部22は、特性データファイル48から序盤のデータを取得する。
ステップS24において、コメント受容性推定部22は、序盤の操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第1しきい値範囲Th1内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS25に進み、今度は、序盤の操作入力の特性が最良かを判別する。この判別は、操作入力の特性がコメント用第1しきい値範囲Th1a内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が最良であれば、ステップS26に進み、コメントフラグ90の1ビット目に最良を示す「1」をセットする。操作入力の特性が最良でなければ、ステップS27に進み、コメントフラグ90の2ビット目に良好を示す「1」をセットする。
上記ステップS24において、序盤の操作入力の特性が良好でないと判別された場合は、ステップS28に進み、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90の3ビット目に良好を示す「1」をセットする。
図9のステップS29に進み、コメント受容性推定部22は、特性データファイル48から中盤のデータを取得する。
ステップS30において、コメント受容性推定部22は、中盤の操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第2しきい値範囲Th2内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS31に進み、今度は、中盤の操作入力の特性が最良かを判別する。この判別は、操作入力の特性がコメント用第2しきい値範囲Th2a内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が最良であれば、ステップS32に進み、コメントフラグ90の4ビット目に最良を示す「1」をセットする。操作入力の特性が最良でなければ、ステップS33に進み、コメントフラグ90の5ビット目に良好を示す「1」をセットする。
上記ステップS30において、中盤の操作入力の特性が良好でないと判別された場合は、ステップS34に進み、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90の6ビット目に良好でないことを示す「1」をセットする。
その後、ステップS35に進み、コメント受容性推定部22は、安定性が最良であるか否かを判別する。この判別は、操作入力の特性がコメント用第3しきい値範囲Th3aから逸脱した回数が所定回数以下かどうかで行われる。最良であれば、ステップS36に進み、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90の7ビット目に安定性最良を示す「1」をセットする。
上記ステップS35において、安定性が最良でないと判別された場合は、ステップS37に進み、安定性が良好であるか否かが判別される。この判別は、操作入力の特性が第3しきい値範囲Th3から逸脱した回数が所定回数以下かどうかで行われる。良好であれば、ステップS38に進み、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90の8ビット目に安定性良好を示す「1」をセットする。所定回数を超えていれば、ステップS39に進み、コメントフラグ90の9ビット目に安定性不良を示す「1」をセットする。
図10のステップS40に進み、コメント受容性推定部22は、特性データファイル48から終盤のデータを取得する。
ステップS41において、コメント受容性推定部22は、終盤の操作入力の特性が良好かを判別する。この判別は、操作入力の特性が第4しきい値範囲Th4内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が良好であれば、ステップS42に進み、今度は、終盤の操作入力の特性が最良かを判別する。この判別は、操作入力の特性がコメント用第4しきい値範囲Th4a内にあるかどうかで行われる。操作入力の特性が最良であれば、ステップS43に進み、コメントフラグ90の10ビット目に最良を示す「1」をセットする。操作入力の特性が最良でなければ、ステップS44に進み、コメントフラグ90の11ビット目に良好を示す「1」をセットする。
上記ステップS41において、終盤の操作入力の特性が良好でないと判別された場合は、ステップS45に進み、コメント受容性推定部22は、コメントフラグ90の12ビット目に良好でないことを示す「1」をセットする。
その後、ステップS46において、コメント受容性推定部22は、当該操作者のタイプとコメントフラグ90の内容に基づいてコメント番号を推定する。コメントフラグ90の値は、上述したように、当該操作者の操作入力の特性と、操作者のタイプに応じたコメント用しきい値範囲とに基づいて設定される。従って、用意されたコメントテーブルのうち、当該操作者のタイプに対応する1つのコメントテーブルを抽出し、抽出したコメントテーブルから、コメントフラグ90の値に応じたコメント番号を推定することも好ましく採用することができる。
ステップS47において、コメント受容性推定部22は、操作者データベース82から当該操作者の評価フラグ(前回の評価フラグ)を取得する。
ステップS48において、今回の評価フラグ52と前回の評価フラグとを比較した結果、技量が低下しているかどうかを判別する。技量が低下していれば、ステップS49に進み、操作者のタイプを変更し、変更後の操作者のタイプと今回のコメントフラグ90に応じたコメント番号に補正する。
その後、ステップS50において、コメント選択部24は、コメント記憶部20から補正後のコメント番号に対応するコメントを選択する。コメント出力部30は、選択されたコメントをディスプレイ26に表示し、スピーカ28を通じて音声出力する。さらに、コメント登録部34は、画像メモリに描画したコメントのテキストデータあるいは画像データを出力した年月日と共に図示しない不揮発性メモリに記録する。もちろん、コメントの音声データを年月日と共に不揮発性メモリに記録してもよい。
上記ステップS48において、技量が低下していないと判別された場合は、ステップS51に進み、今度は、技量に変化がないかどうかを判別する。技量に変化がなければ、ステップS52に進み、コメント用しきい値範囲を補正する。その後、ステップS53に進み、ステップS46で推定したコメント番号に対応するコメントを出力し、記録する。
上記ステップS51において、技量に変化がある、すなわち、技量が上達していると判別された場合は、ステップS54に進み、ステップS46で推定したコメント番号に対応するコメントを出力し、記録する。
ステップS50、ステップS53又はステップS54での処理が終了した段階で、ステップS55に進み、コメント受容性推定部22は、操作者データベース82に今回の評価フラグ52を前回の評価フラグとして登録する。
その後、ステップS56において、画像表示制御部50は、上述した表1に示すタイプ1〜7のうち、評価フラグの1〜4ビット目の値に対応するタイプの画像、特に、完成品の静止画又はアニメーション動画を表示する。
このように、本実施の形態に係る評価教示装置10は、操作装置12への操作入力を検知する操作入力検知部14と、各種コメントが記憶されたコメント記憶部20と、各種コメントに応じて操作者が受け入れる度合いであるコメント受容性を推定するコメント受容性推定部22と、コメント受容性推定部22での推定結果に基づいてコメント記憶部20からコメントを選択するコメント選択部24と、コメント選択部24にて選択されたコメントを出力するコメント出力部30とを有する。特に、コメント受容性推定部22は、コメントを出力する前後における類似する前記操作の評価の結果に応じて操作者のコメント受容性を補正する。
これにより、ブレーキ操作等の操作者の操作入力の特性を評価する際に、操作者のコメント受容性に適合したコメントを出力することが可能となる。現状の操作能力の指摘、アドバイス、褒め言葉や励ましの言葉等を操作者が受け入れやすいコメントとして提供することが可能となる。その結果、操作者のモチベーションを上げることができ、操作者のナビゲーション等の車載機器での評価やスマートフォンのアプリケーションでの評価等への積極的な継続使用を実現することが可能となる。もちろん、ドライブシミュレーターでの評価も同様である。また、操作者がコメントに対し受容性をフィードバックする入力等を行わなくても、より受容性のあるコメントを選択するよう自動的に学習させることができる。よって、初期設定に対し操作者の嗜好等に変化が生じた場合であっても持続的に効果的なアドバイスを提示することが可能となる。
また、コメント受容性推定部22は、例えばエニアグラムに基づいてコメント受容性を推定している。コメントとしては、例えば評価結果が良好な場合に出力される賛美や褒め言葉等を含んだ第1種コメントと、評価結果が良好でない場合に出力される励ます言葉や慰め言葉等を含んだ第2種コメントと、褒め言葉や励ます言葉等は一切なく、もっぱら評価結果を客観的に示す第3種コメント等がある。これらの各種コメントのコメント受容性をエニアグラムでのタイプ分けに応じて設定することが可能となり、現状の操作能力の指摘、アドバイス、褒め言葉や励ましの言葉等を操作者が受け入れやすいコメントとして提供することが可能となる。
この場合、操作入力の特性は、時間経過に伴う操作入力の軌跡54と予め設定された標準軌跡40との差である。そして、コメント受容性推定部22は、操作者の操作入力の特性と、コメント受容性に応じたコメント用しきい値範囲Th1a〜Th4aとに基づいたコメントを選択するようにしている。これにより、操作者の技量に応じて、操作者が受け入れやすいコメントを適切に提供することができる。
本発明は上記した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
上述の例では、主にブレーキ操作の評価について説明したが、その他、アクセル操作、ステアリング操作、速度制御、車間距離のとり方等においても好ましく採用することができる。