JP6586361B2 - 適応性のあるアンテナを用いる多帯域での高周波(rf)エネルギーハーベスティング - Google Patents

適応性のあるアンテナを用いる多帯域での高周波(rf)エネルギーハーベスティング Download PDF

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Description

本発明は、多帯域での高周波(RF)エネルギーハーベスティングに関し、より詳細には、低コストで適応性のあるRFエネルギーハーベスティング装置に関する。
レクテナ(整流アンテナ)とは、電波エネルギーを直流電流に変換するために用いられる特別なタイプのアンテナである。レクテナは、電力を電波で送信する無線電力伝送システム内で使用される。典型的なレクテナ素子は、ダイポールアンテナと、そのダイポール素子の両端に接続されるダイオードで構成される。アンテナ内で電波から誘導される交流電流(AC)をダイオードが整流して、直流(DC)電源を作り、この電源を用いて、ダイオードの両端に接続される負荷に電力を供給する。ショットキーダイオードは、電圧降下が最も低く、スイッチング速度が最も速いという特性を有し、そのため、伝導とスイッチングによる電力損失が最も低いことから、レクテナには、このショットキーダイオードが通常用いられている。大型のレクテナは、このような数多くのダイポール素子のアレイで構成されている。
効率的にRFエネルギーを取り込むレクテナを開発することに対するモチベーションは、非常に大きい。情報を送るための高周波(RF)信号の使用が増えることで、RFエネルギーがほとんどいたるところに存在するようになってきた。さらに、送られてくるRF信号が使用されないと、そのRF信号のエネルギーは周囲物質に吸収されて失われてしまい、RF信号の未使用分(すなわち、受信機が受信・変換しなかったRF信号)は基本的に「無駄」となる。したがって、遠隔装置/携帯用装置のための電源を供給する以外に、未使用の周囲RFエネルギーを効率的に再変換することができる、好適なレクテナがあれば、バッテリやその他のリモート電源に取って代わり、エネルギーの需要全体を減らすことが可能となる。
従来のレクテナは、RFエネルギーをDC電力に変換することができるが、周囲RFエネルギーの大部分を取り込むことはできない。従来のRFレクテナでは、RFの高い出力密度のレベル(一般に、1W/mより高い)のもとで、使用可能なDC電圧を生成することだけが可能であり、したがって、従来のRFレクテナは、無線電力伝送システム内で使用されている。というのも、この無線電力伝送システムでは、専用の高出力トランスミッタによって、十分に高いRFエネルギーが生成されているからである。通常、周囲RFエネルギーは非常に弱く(mWからμWまで)、したがって、エネルギーハーベスティングを行うために、従来のRFレクテナを使用することは、遠隔地では不十分であることが証明されている。また、従来のレクテナ装置は、単一の周波数帯用(すなわち、狭い帯域のRF信号を取り込む)のアンテナ、および大型の整流回路を使用しているため適応性がない。
本発明の目的は、周囲RFエネルギーを確実に取り込むことが可能であり、低コストで高い変換効率を有し、電気的に小型のRFレクテナを提供することである。具体的には、本発明の目的は、異なるRF周波数に対応できるよう適用可能で、それにより広い範囲のRF信号の供給源を用いる、遠隔装置(例えば、センサ)用のエネルギーの生成を容易にするアンテナを含み、低いエネルギーレベル(すなわち、数十mW以下)を有する多帯域のRF信号エネルギーを取り込むことが可能な、RFエネルギーハーベスティング装置を提供することである。
本発明は、電気的に小型で、完璧に近いRFエネルギーの吸収が可能な、新規なメタマテリアル共振器アンテナを用いた、空間効率の良いRFエネルギーハーベスティング装置(レクテナ)に関する。このメタマテリアル共振器アンテナは1つ以上の金属構造体を含み、これらの金属構造体が、プリンテッドエレクトロニクス技術を用いる、低コストでの製造を容易にする方法で、基板上に共形的に固定されて配置されている(例えば、導電性インク(例えば、銀のインク)を印刷することにより形成される、あるいは、金属層を付着/エッチングすることにより形成される)。このメタマテリアル共振器アンテナを形成する少なくとも1つの金属構造体は、2つの主アンテナ部と、少なくとも1つの副アンテナ部と、を含み、アンテナ構造全体が関連する帯域幅の範囲内のRF周波数で共振するよう、これらの主アンテナ部および副アンテナ部は、離間され(平行に)、折り曲げられて配置され、2つの連結部で接続され、かつ、2つのアンテナ端点で取り込まれ生成されるRF信号の位相が互いに180°ずれるよう構成されている。本明細書に記載されているようなメタマテリアル共振器アンテナは、高いインピーダンスを有し、完璧に近い吸収特性を示すよう調整可能である。この整流回路は、アンテナ端点に連結され、取り込まれる2つのRF信号から発生する正電圧パルスを組み合わせて、使用可能な出力電圧を生成するよう構成される回路素子(1つ以上のダイオード、キャパシタ、インダクタ、および/または抵抗)を含む。いくつかの実施形態では、メタマテリアル共振器アンテナの構成により、より大きいアンテナの空き空間内により小さいアンテナをネストし易くし、これにより、装置の実装面積(サイズ)を著しく変更することなく、RF周波数の広い範囲の信号を取り込み易くし、これにより、既存のRF信号(例えば、周囲のWi−Fi信号からのRF信号)または専用の充電用RF供給源のどちらかを用いて、広く分散するIC装置(例えば、センサ、プロセッサなど)に遠隔的に電力供給を容易にする、非常に適応性のあるプラットフォームが供給される。さらに、メタマテリアル共振器アンテナの構成は、基板上に形成され、異なるRF周波数用に構成が可能なため、本発明では、低コストの可撓性プラスチック基板、および費用効率の良いプリンテッドエレクトロニクス技術を用いて、RFエネルギーハーベスティング装置を低コストで容易に製造でき、これにより、製造コスト全体を最小限に抑えると同時に、使用可能なエネルギーに変換可能なRF周波数帯域を最大にする。
本発明の実施形態に従うと、整流回路は、導電構造体を含み、これらの導電構造体は、さらに製造コストを最小限にするために、アンテナと共に基板の表面に共形的に配置されている(すなわち、同じインクジェット印刷の作業中に生成される)。ある実施形態では、使用可能な出力電圧を生成するために、この整流回路は、従来の倍電圧回路(例えば、グライナッヘル回路)を用いて、2つの取り込まれるRF信号を組み合わせる。現在のところ好ましい実施形態では、この整流回路は、2種類の異なるゼロバイアスショットキーダイオード、およびキャパシタを用い、これらの回路素子は、最小限のエネルギー損失で出力電圧を生成するよう、取り込まれる2つのRF信号を組み合わせるよう構成される。本発明のメタマテリアル共振アンテナをこれらの新規な整流回路と組み合わせると、これらのRFエネルギーハーベスティング装置は、高いエネルギー変換効率を示すようになる。
本発明の種々の実施形態に従うと、メタマテリアル共振器アンテナは、双方で左右対称の2つの金属要素の2部分から成る新規なダイポールアンテナの構成を用いて実装される。この場合では、各金属要素は、主アンテナ部のうちの一方と、連結部のうちの一方と、連結部からアンテナ端点のうちの一方に隣接する先端点まで延在する副アンテナ部の一部と、を含む。これらの主アンテナ部と副アンテナ部の一部は、同心円状に配列され(すなわち、均一な間隔で離れるように)、これにより、取り込まれるRF信号の所望の特性がもたらされる。一連の特定の実施形態のうちの1つでは、これらの主アンテナ部と副アンテナ部の一部は、1つ以上の90°の角度(コーナ)で接続される直線の(線形)ワイヤー部により形成され、アンテナを「チューニング」して目標のRF周波数で共振させるために、直線部のうちの1つ以上の長さを長くすることが必要である、または、2または3つの相互接続部を用いることが必要である。この構成を用いると、アンテナの実装面積をほとんど増やすことなく、アンテナを「チューニング」して、広いRF周波数範囲の信号を取り込むことができる。他の実施形態では、これらの主アンテナ部と副アンテナ部の一部は、連結部により接続される同心曲線の(例えば、半円)ワイヤー部により形成される。ある実施形態では、この連結部は、段差形状のワイヤーを用いて実装され、これにより、主アンテナ部と副アンテナ部が同一の長さを有することが可能となる。
本発明のその他の種々の実施形態に従うと、メタマテリアル共振器アンテナは、端が丸い細長い長方形の形状を有する単一の連続金属構造体により形成される、新規な「レーストラック型」の構成を用いて実装され、丸い端の「カーブ」の一部は、内部の「内側」領域に延在する。これらの場合では、これらの主アンテナ部は、同一線上でアンテナ端点から互いに反対方向(例えば、下方と上方に)に延在し、単一の副アンテナ部が、主アンテナ部と平行に離間されて配置され、一対の「開環状」の連結部を用いて、主アンテナ部と副アンテナ部とを接続し、これにより、それぞれの「開環状」の連結部からレーストラックの「内側」部分に延在する曲線端部を含むレーストラック形状の構造が形成される。この構成では、2部分から成るアンテナの設計(上記の)より大幅に高い範囲でRF信号を取り込み、さらに、隣接する曲線の端点を分離する間隔を変更することにより、あるいは、アンテナに構造に1つ以上の付加的な「レーストラック」を加えることにより「チューニング可能」であることが発見された。
本発明は、さらに、メタマテリアル共振器アンテナを含む複数のRFエネルギーハーベスティング装置と、関連する整流回路とが相互接続して、組合せ出力電圧を生成するシステムにも関する。
本発明のこれらの特徴、およびその他の特徴、様態ならびに利点は、以下の説明、付随する請求項、および添付図面を参照することで、より良く理解することが可能である。以下、添付図面について説明する。
図1は、本発明の実施形態に従った、RFエネルギーハーベスティング装置の上面斜視図である。 図2は、本発明の特定の実施形態に従った、2部分から成るアンテナの第1の構成を含むRFエネルギーハーベスティング装置の上面斜視図である。 図3Aは、図2の2部分から成るアンテナを含むRFエネルギーハーベスティング装置の概略図である。 図3Bは、図3AのRFエネルギーハーベスティング装置をネストの構成で3つ含むRFエネルギーハーベスティングシステムの概略図である。 図4Aは、本発明の別の特定の実施形態に従った、2部分から成るアンテナの構成の概略図である。 図4Bは、本発明の別の特定の実施形態に従った、2部分から成るアンテナの構成の概略図である。 図4Cは、本発明の別の特定の実施形態に従った、2部分から成るアンテナの構成の概略図である。 図5は、本発明の他の特定の実施形態に従った、2部分から成るアンテナを用いる、RFエネルギーハーベスティングシステムの概略図である。 図6Aは、本発明の別の特定の実施形態に従った、2部分から成る曲線のアンテナの構成の概略図である。 図6Bは、本発明の別の特定の実施形態に従った、2部分から成る曲線のアンテナの構成の概略図である。 図7は、本発明の他の特定の実施形態に従った、「レーストラック型」のメタマテリアル共振器アンテナの上面図である。 図8は、図7の「レーストラック型」のアンテナを含むRFエネルギーハーベスティング装置の概略図である。 図9は、本発明の他の特定の実施形態に従った、「レーストラック型」のアンテナを用いた、RFエネルギーハーベスティングシステムの概略図である。 図10Aは、本発明の別の実施形態に従った、2ループの「レーストラック」のアンテナの上面図である。 図10Bは、本発明の別の実施形態に従った、3ループの「レーストラック」のアンテナの上面図である。
本発明は、RFエネルギーハーベスティングの改良に関する。以下の説明は、当業者が、特定の用途およびその要求事項との関連で提供される通り、本発明を作成し、使用できるようになるよう提示される。本明細書で使用されている用語「連結される」および「接続される」は以下の通り定義される。用語「接続される」は、例えば、通常の集積回路製造技術によって形成される金属線を介する、2つの回路素子間の直接接続を示すために使用される。一方、用語「連結される」は、2つの回路素子間の直接接続または間接接続のどちらかを示すために用いられる。例えば、連結された2つの素子は、金属線を介して直接接続している、あるいは、仲介回路素子(例えば、キャパシタ、抵抗、インダクタ、またはトランジスタのソース端子/ドレイン端子)を介して間接的に接続されている。当業者にとっては、好ましい実施形態に対する種々の修正形態は明らかであり、本明細書で規定される一般原理は、その他の実施形態にも適用可能である。したがって、本発明は、図示・説明した特定の実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示される原理および新規な特徴の最も広い範囲と一致するものと意図される。
図1には、本発明の一般的な実施形態に従った、RFエネルギーハーベスティング装置100の上面斜視図が示されている。RFエネルギーハーベスティング装置100では、新規なメタマテリアル共振器アンテナ120、および整流回路130が用いられる。
メタマテリアル共振器アンテナ120は、少なくとも1つの金属構造体123を含み、これらの金属構造体は、プリンテッドエレクトロニクス技術を用いて、低コストの製造を容易にする方法で、基板101に共形的に固定して配置されている(例えば、導電性(例えば、銀)インクを印刷することにより、あるいは、金属層を付着/エッチングすることにより形成される)。金属構造体123は、2つの主アンテナ部123−11および123−12、ならびに少なくとも1つの副アンテナ部123−2を含み、これらの主アンテナ部および副アンテナ部は、離間(平行に)され、折り曲げられた構成で配置され、2つの連結部123−31および123−32により接続される。具体的には、第1の主アンテナ部123−11は、第1のアンテナ端点121から第1の中間点123−11Aまで延在し、第2の主アンテナ部123−12は、第2のアンテナ端点122から第2の中間点123−21Aまで延在する。副アンテナ部123−2は、第1の主アンテナ部および第2の主アンテナ部と、平行にかつ均一な隙間距離Sで離間されて配置され、この副アンテナ部123−2は、第3の中間点123−12Aに配置される第1の端と、第4の中間点123−22Aに配置される反対側の第2の端と、を有する。第1の連結部123−31は、第1の中間点123−11Aと第3の中間点123−12Aとの間に接続され、第2の連結部123−32は、第2の中間点123−21Aと第4の中間点123−22Aとの間に接続される。また、これらの連結部は、主アンテナ部および副アンテナ部よりも大幅に短い。これらのアンテナ部はそれぞれ、厚さT(例えば、8ミクロン)および線幅LW(例えば、2.5mm)を有する細長い金属線の構造体から成る。主アンテナ部123−11および123−12、ならびに副アンテナ部123−2の長さ全体を調整することにより、アンテナ構造全体を調整して目標の帯域幅の範囲内のRF周波数で共振させ、アンテナ端点121で取り込まれ生成されるRF信号V121と、アンテナ端点122で取り込まれる生成されるRF信号V122とは、位相が互いに180°ずれるよう構成される。メタマテリアル共振器アンテナ120は、電気的に小型であり、特定の整流回路と組み合わせることで、完璧に近いRFエネルギーの吸収を容易にする。本発明に従って製造されるメタマテリアル共振器アンテナ(以下に説明する)の利点は、高いインピーダンスを有し、完璧に近い吸収特性を示すよう調整可能であるということである。整流回路130は、アンテナ端点121/122に連結され、回路素子(1つ以上のダイオード、キャパシタ、インダクタ、および/または抵抗)を含み、これらの回路素子が、取り込まれる2つのRF信号V121およびV122から生成される正電圧パルスを組み合わせて、使用可能な出力電圧VOUTを生成するよう構成される。いくつかの実施形態では、メタマテリアル共振器アンテナの構成により、より大きいアンテナの空き空間により小さいアンテナを容易にネストし、これにより、装置の実装面積(サイズ)を著しく変更することなく、広いRF周波数範囲の信号が取り込み易くなる。その結果、既存のRF信号(例えば、周囲のWi−Fi信号からのRF信号)または専用の充電用RF供給源のどちらかを用いて、広く分散するIC装置(例えば、センサ、プロセッサなど)への遠隔的な電力供給を容易にする、非常に適応性のあるプラットフォームが供給される。さらに、メタマテリアル共振器アンテナの構成は、基板上に形成され、異なるRF周波数用の構成が可能なため、本発明では、低コストの可撓性プラスチック基板、および費用効率の良いプリンテッドエレクトロニクス技術を用いて、RFエネルギーハーベスティング装置の低コストでの製造が簡単になり、これにより、製造コスト全体を最小限に抑えると同時に、使用可能なエネルギーに変換可能なRF周波数帯域を最大にする。
再度図1を参照すると、整流回路130は導電構造体133−1〜133−4を含み、これらの導電構造体は、製造コストをさらに最小に抑えるために、基板の表面102上に共形的に配置されている(すなわち、アンテナ120を形成するときと同じインクジェット印刷作業中に生成される)。現在のところ好ましい例示的な実施形態では、整流回路130は、異なる2種類のゼロバイアスショットキーダイオードD1およびD2、ならびにキャパシタC1を用い、これらの回路素子が、取り込まれる2つのRF信号V121およびV122を組み合わせて、最小限のエネルギー損失で、出力電圧VOUTを生成するよう構成される。具体的には、第1のダイオードD1は、導電構造体133−1を介して、第1のアンテナ端点121と第1のノードN1(この場合、導電構造体133−3により実装される)との間に連結される。キャパシタC1の第1の端子は導電構造体133−2を介して、第2のアンテナ端点122に連結され、第2の端子は導電構造体133−3(ノードN1)に接続される。第2のダイオードD2は、第1のノードN1と第2のノードN2(導電構造体133−4より実装される)との間に接続される。第2のキャパシタC2は、第1のアンテナ端点121とノードN2との間に連結され、ある実施形態では、導電構造体133−1は、接地またはその他の電圧源に連結される。例示的な実施形態では、ダイオードD1は、(第1の)ゼロバイアスショットキーダイオードを用いて実装され、このショットキーダイオードは、非常に低い順電圧(例えば、120mV以下)、1.0V以下のピーク逆電圧、および5kΩの逆電流抵抗を有する。ダイオードD2は、(第2の)ゼロバイアスショットキーダイオードを用いて実装され、このショットキーダイオードは、150mV以下の順電圧(すなわち、ダイオードD1の順電圧以上の順電圧)、少なくとも2.0Vのピーク逆電圧(すなわち、ダイオードD1のピーク逆電圧より高いピーク逆電圧)、および少なくとも10kΩの逆電流抵抗(すなわち、ダイオードD1の逆電流抵抗より高い逆電流抵抗)を有する。キャパシタC1およびC2は、ディスクリート(例えば、表面実装型)のキャパシタ構造体、または製造されたキャパシタ構造体(例えば、プリンテッドエレクトロニクスを用いて)のどちらかであり、DC出力電圧VOUTの特性(電流と電圧)によって決定される値を有し、実際の実施形態では、10pFの電気容量値を有する。この構成では、第1のノードN1で生成される第1の中間電圧は、第1のダイオードD1を介して送られる第1のRF信号V121の正電圧パルスと、第1のキャパシタC1を介して送られる第2のRF信号V122の正電圧パルスとを合計する正電圧パルスを含む。この構成では、第1のノードN1から第2のダイオードD2を介して送られる正電圧パルスに従って、第2の中間電圧が第2のノードN2で生成される。本発明のメタマテリアル共振器アンテナを、この新規な整流回路と組み合わせることで、RFエネルギーハーベスティング装置が、従来の整流回路を用いたときよりも高いエネルギー変換効率を示すようになる。しかし、他の実施形態(図示せず)では、本発明のメタマテリアル共振器アンテナと従来の整流回路(例えば、グライナッヘル回路などの倍電圧回路を用いて、取り込まれる2つのRF信号を組み合わせる)を含むRFエネルギーハーベスティング装置を有益に用いて、使用可能な出力電圧を生成することもできる。
図2には、可撓性プラスチック基板101Aの上面102Aに共形的に配置されている、金属構造体により形成される、2部分から成る開放C形状のアンテナ120Aを含む、RFエネルギーハーベスティング装置100Aの上面斜視図が示されている。アンテナ120Aは、双方で左右対称の2つの金属要素123A−1および123A−2で構成される、2部分から成るダイポールアンテナ機構の第1の例である。金属要素123A−1は、第1のアンテナ端点121Aから延在する第1の主アンテナ部123A−11と、主アンテナ部123A−11の端に取り付けられる第1の連結部123A−13と、連結部123A−13から第1のアンテナ端点121Aに隣接して配置される第1の先端点123A−13Aまで延在する第1の副アンテナ部123A−12と、を含む。なお、第1の主アンテナ部123A−11と第1の副アンテナ部123A−12は、これらの第1の主アンテナ部123A−11と第1の副アンテナ部123A−12が、アンテナ部の全長に沿って均一な間隔GSで離間されるよう同心円状に配置される。同様に、第2の金属要素123A−2は、第2のアンテナ端点122Aから延在する第2の主アンテナ部123A−21と、第2の連結部123A−23と、第2の連結部123A−23から第2のアンテナ端点122Aに隣接して配置される第2の先端点123A−23Aまで延在する第2の副アンテナ部123A−22と、を含み、第2の主アンテナ部123A−21と第2の副アンテナ部123A−22も、同心円状に配置され、これらのアンテナ部の全長に沿って、間隔GSで離間される。金属要素123A−1と金属要素123A−2は共同で、3方に面する中央領域127を囲む開放C形状のパターンを形成する。
図3Aには、図2に示されるRFエネルギーハーベスティング装置100Aの概略図が示されており、装置100Aでは、下記に記載する他の実施形態の説明を分かり易くするために、簡単な線の構造を用いて、開放C形状型の2部分から成るアンテナ120Aが示されている。つまり、図3Aでは、一般的な整流回路130Aに連結される、簡略化した形態のアンテナ120Aが示され、主アンテナ部123A−11および123A−21、副アンテナ部123A−12および123A−22、ならびに連結部123A−13および123A−23が実線で示されている。さらに図3Aに示されている通り、主アンテナ部123A−11および123A−21と、副アンテナ部123A−12および123A−22とはそれぞれ、コーナ部で接続される少なくとも2つの直線部を含む。例えば、図3Aの上部を参照すると、第2の主アンテナ部123A−21は、コーナ(90°の角度)部123A−21Aにより接続される、2つの直線部123A−211および123A−212を含む。
図3Bには、3つのRFエネルギーハーベスティング装置100A−1、100A−2、および100A−3をネストの構成で含む、RFエネルギーハーベスティングシステム200Aの概略図が示されており、この図により、アンテナ120A(上記の)の開放C形状の構成の利点が示されている。具体的には、装置100A−1、100A−2、および100A−3はそれぞれ、開放C形状のアンテナ120A−1、120A−2、および120A−3を含み、これらの開放C形状のアンテナ120A−1、120A−2、および120A−3はそれぞれ、関連する整流回路130A−1、130A−2、および130A−3に連結され、これらの整流回路が、例えば、図5を参照して下記に説明する並列構成と同様の構成を用いて、組合せシステム出力電圧VOUT−SYSの生成を容易にする。図3Bに示される通り、上記の開放C形状の構成を用いて、メタマテリアル共振アンテナを形成することの利点は、異なるサイズの複数のアンテナを同心円状に「ネスト」することで、装置/システム全体の実装面積を増やすことなく、広いRF周波数範囲に渡るRFエネルギーを取り込むことが可能になることである。つまり、アンテナ120A−1、120A−2、および120A−3はサイズが異なるため、それぞれ異なるインダクタンスを有し、それゆえ、異なるRF周波数で共振する。アンテナ120A−2および120A−3をアンテナ120A−1の実装面積の内側にネストすることにより、システム200Aは、アンテナ120Aで必要な基板領域を増やすことなく、単独のアンテナ120A−1で可能なRF周波数の範囲より広い範囲に渡るエネルギーの取り込みを容易にする。
図4A、図4B、および図4Cには、3種類の付加的な2部分から成るダイポールアンテナの構成の概略図が示されており、これらの図面には、本発明の別の特定の実施形態に従った、アンテナのインダクタンスを調整するための、他のアプローチ(すなわち、図3Bに示されているアンテナサイズを大きくする以外の)が示される。各場合では、主アンテナ部および副アンテナ部は、相互接続される3つの直線部を含み、これらのアンテナ部が共同でC形状のパターンを形成する。これらの3つの直線部の寸法を変えることにより、メタマテリアル共振器アンテナを調整して、異なるインダクタンス値を実現させることで、アンテナを変化させて、異なるRF周波数で共振させる(これにより、それらの周波数からエネルギーを集める)。例えば、図4Aを参照すると、アンテナ120Bは、主アンテナ部123B−11および123B−21と、副アンテナ部123B−12および123B−22と、を含み、これらのアンテナ部は、アンテナ120A(図2)を参照して上記に記載した同様の方法で、連結部123B−13および123B−23により接続されている。アンテナ120Bの全長Lおよび幅X1がアンテナ120A(図2)と同じと仮定すると、主アンテナ部および副アンテナ部にそれぞれ、第3の(垂直な)部分を加えることにより、アンテナ全体の実装面積をほとんど変えることなく、あるいは、実装面積の最小限の変化で、アンテナ120Bのインダクタンスを調整して、異なるインダクタンスが実現可能であることを図4Aは示している。例えば、第2の主アンテナ部123B−21は、相互接続される3つの直線部123B−211、123B−212、および123B−213を含み、これらの直線部が、C形状のパターンを形成し、アンテナの垂直な部分123B−213を加えることにより、アンテナ120B全体の実装面積を増やすことなく、主アンテナ部123B−21の全長を長さY1だけ伸ばす。図4Bには、これらの第3の(垂直な)部分をさらに伸ばすことにより、さらに調整が行われていることが示されている。アンテナ120Cは、3つの部分から成る主アンテナ部123C−11および123C−21と、副アンテナ部123C−12および123C−22と、を含み、これらのアンテナ部は、アンテナ120B(図4A)と同様の方法で、連結部123C−13および123C−23により接続されているが、付加的な部分を伸ばすことにより、アンテナ120Cのインダクタンスを変更する。具体的には、第2の主アンテナ部123C−21は、相互接続される3つの直線部123C−211、123C−212、および123C−213を含み、アンテナの垂直な部分123C−213が長さY2を有し、この長さY2により、アンテナ120C全体の実装面積を増やすことなく、アンテナ120Cのインダクタンスをアンテナ120Bのインダクタンスよりも増やしている。図4Cには、アンテナ120Dが示されており、このアンテナ120Dは、主アンテナ部123D−11および123D−21、ならびに副アンテナ部123D−12および123D−22の水平部分を幅X2に伸ばすことにより、さらに高いインダクタンスを実現している。例えば、第2の主アンテナ部123D−21は、相互接続される3つの直線部123D−211、123D−212、および123D−213を含み、アンテナの水平部分123D−212が、幅X2を有し、この幅X2により、アンテナ120C全体の実装面積を著しく増やすことなく、アンテナ120Dのインダクタンスをアンテナ120Cのインダクタンスよりも増やしている。
図5には、RFエネルギーハーベスティング装置100E−1、100E−2、および100E−3を含むRFエネルギーハーベスティングシステム200Eの概略回路図が示されており、これらの装置が、共通の接地源と共通のシステム出力ノードとの間で互いに並列接続されて、システム出力電圧VOUT−SYSの電流レベルを最大にする。組み合わせられるシステム出力電圧VOUT−SYSの生成を容易にするために、装置100E−1、100E−2、および100E−3は、同様の整流回路130E−1、130E−2、および130E−3をそれぞれ含み、これらの整流回路が、組合せを容易にするよう最適化されて、各出力電圧VOUT1〜VOUT3を供給する。整流回路130E−1、130E−2、および130E−3はそれぞれ、図1を参照して上記に説明した通り構成される、ダイオードD1およびD2、ならびにキャパシタC1を含む。さらに、整流回路130E−1、130E−2、および130E−3は、ノードN2で生成される中間電圧をDC出力電圧VOUT1〜VOUT3に変換するよう構成される、出力制御回路135E−1、135E−2、および135E−3をそれぞれ含むという点において同様である。これらの出力電圧を容易に組み合わせるために、出力制御回路135E−1、135E−2、および135E−3は、キャパシタC1と基本的に同じ電気容量を有する(第2の)キャパシタC2と、第3のダイオードD3と、蓄積キャパシタC4と、それぞれを含み、これらの回路素子は、システム出力ノードVOUT−SYSでDC出力電圧VOUT1〜VOUT3を組み合わせるために、各DC出力電圧を蓄積するよう構成される。例えば、出力制御回路135E−1を参照すると、ダイオードD3が、ノードN2とノードN3(整流回路130E−1の出力ノードとして機能する)との間に接続され、蓄積キャパシタC4の第1の端子は、ノードN3に接続され、抵抗R2は、蓄積キャパシタC4の第2の端子と第1のアンテナ端点121Aとの間に接続されている(例えば、印加接地電位に)。実際の実施形態では、ダイオードD2を実装するために用いられるダイオード素子と同じダイオード素子(例えば、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララ所在のアジレント・テクノロジー社製のHSMS2850表面実装型ゼロバイアス・ショットキ・ディテクタ・ダイオード)を用いてダイオードD3は実装される。キャパシタC3は、DC出力電圧VOUTの特性(電流および電圧)、およびシステム出力ノードに印加されるシステム電圧VOUT−SYSのサイズおよび特性に従って、サイズが決められる容量素子を用いて実装される。例示的な実際の実施形態では、上述のダイオード素子の数値およびキャパシタ素子の数値を用いることにより、キャパシタC3は100pFの電気容量を有し、抵抗R2は1Ωの公称抵抗値を有する。出力制御回路135E−2および135E−3は、出力制御回路135E−1と同一に構成される。
図5に示される実施形態の様態に従うと、装置100E−1、100E−2、および100E−3はそれぞれ、異なる2部分から成るダイポールメタマテリアル共振器アンテナ120A、120B、および120Cを含み、これにより、装置100E−1、100E−2、および100E−3は、異なる周波数を有するRFエネルギーを出力電圧VOUT1、VOUT2、およびVOUT3に変換するよう構成される。2部分から成るダイポールメタマテリアル共振器アンテナ120A、120B、および120Cは、上記に詳細に説明されている。アンテナ120A、120B、および120Cはそれぞれ構成(サイズ)が異なるため、各アンテナは、共振する周波数での十分なRFエネルギーの有用性に依存して、出力電圧を生成する。したがって、システム200Eは、3種類の異なるアンテナの構成を用いることで、単一のアンテナを用いることで可能な範囲よりもさらに広いRF周波数範囲に渡って、出力電流を生成するよう構成される。
図6Aおよび図6Bにはそれぞれ、本発明の別の特定の実施形態に従った、曲線の2部分から成るメタマテリアル共振器アンテナ120Fおよび120Gの概略図が示されている。上記の直線部分を有する実施形態と同様に、アンテナ120Fは、双方で左右対称の2つの金属要素123F−1および123F−2を含み、アンテナ120Gは、同様の2つの金属要素123G−1および123G−2を含む。これらの金属要素はそれぞれ、同心の連続曲線の(例えば、ほぼ半円の)主アンテナ部および副アンテナ部のワイヤー部を含み、これらのアンテナ部は、短い連結部により接続されている。
図6Aを参照すると、アンテナ120Fの金属要素123F−1は、アンテナ端点121Fから(第1の)中間点123A−11Aまで延在する曲線の主アンテナ部123F−11と、中間点123F−11Aから中間点123F−12Aまで延在する直線の連結部123F−13と、第2の中間点123F−12Aから先端点124F−13Aまで延在する曲線の副アンテナ部123F−12と、を含む。曲線の主アンテナ部123F−11と曲線の副アンテナ部123F−12は、これらのアンテナ部が全長に沿って均一な間隔GSで離間されるよう同心円状に配置される。同様に、金属要素123F−2は、アンテナ端点121Fから直線の連結部123F−23まで延在する曲線の主アンテナ部123F−21と、連結部123F−23から先端点124F−23Aまで延在する曲線の副アンテナ部123F−22と、を含み、曲線の主アンテナ部123F−21と曲線の副アンテナ部123F−22が、同心円状に配置される。
図6Bを参照すると、アンテナ120Gの金属要素123G−1も、アンテナ端点121Gから中間点123A−11Aまで延在する曲線の主アンテナ部123G−11と、中間点123G−11Aから中間点123G−12Aまで延在する直線の連結部123G−13と、第2の中間点123G−12Aから先端点124G−13Aまで延在する曲線の副アンテナ部123G−12と、を含み、曲線の主アンテナ部123G−11と曲線の副アンテナ部123G−12は同心円状に配置される。金属要素123G−2は、アンテナ端点122Gから直線の連結部123G−23まで延在する曲線の主アンテナ部123G−21と、連結部123G−23から先端点124G−23Aまで延在する曲線の副アンテナ部123G−22と、を含み、曲線の主アンテナ部123G−21と曲線の副アンテナ部123G−22とは、同心円状に配置されている。アンテナ120Gは、下記の点において、アンテナ120Fとは異なる。アンテナ120Fの連結部123F−13および123F−23は、直線の(線形形状の)ワイヤー構造により実装されるが、一方、アンテナ120Gの連結部123G−13および123G−23は、主アンテナ部123G−11および123G−21の長さが、第1の副アンテナ部123G−12および123G−22の長さと等しくなるように構成される、2つの連結部の段差形状を有するワイヤー構造を含み、これにより、アンテナの性能が向上する。
図7には、本発明の別の特定の実施形態に従った、「レーストラック型」のメタマテリアル共振器アンテナ120Hの上面図が示されている。上記の2部分から成るダイポールの実施形態とは異なり、アンテナ120Hは、単一の部品から成る(一体型、連続した)金属要素123Hを有し、この金属要素が、「レーストラック」の第1の側面に配置される(第1および第2の)主アンテナ部123H−11および123H−12と、「レーストラック」の第2の側面に配置される副アンテナ部123H−2と、「レーストラック」の2つの「カーブ」を形成する2つの開環状の連結部12H−31および123H−32と、を含む。主アンテナ部123H−11および123H−12は、線形の金属構造体であり、これらの金属構造体は、同一線上に配置され、第1のアンテナ端点121Hと第2のアンテナ端点122Hとの間に画定される隙間GWだけ離れている。つまり、図7を参照すると、主アンテナ部123H−11は、端点121Hから第1の中間点123H−11Aまで下に向かってまっすぐ延在し、主アンテナ部123H−21は、端点122Hから第2の中間点123H−21Aまで上に向かって延在する。副アンテナ部123H−2は、連続する金属構造体であり、主アンテナ部123H−11および123−12と距離Sで離間して平行に配置され、第3の中間点123H−12Aと第4の中間点123H−22Aとの間の長さLのほぼ全体に渡って延在する。連結部123H−31は、主アンテナ部123H−11の下端と副アンテナ部123H−2の下端との間(すなわち、中間点123H−11Aと中間点123H−12Aとの間)に接続される半円部分123H−311と、半円部分123H−311から空間127に延在する(すなわち、主アンテナ部123H−11と副アンテナ部123H−2との間の領域に延在する)(第1および第2の)曲線端部分123H−312および123H−313と、を含む。連結部123H−32は、第2の主アンテナ部123H−12の上端と副アンテナ部123H−2の上端との間(すなわち、中間点123H−21Aと中間点123H−22Aとの間)に接続される半円部分123H−321と、半円部分123H−321から空間127に延在する(第3および第4の)曲線端部分123H−322および123H−323と、を含む。その結果、「レーストラック型」アンテナの構成により、アンテナ120Hは、関連する帯域幅の範囲で共振して、アンテナ端点121Hで生成される取り込まれるRF信号の位相と、アンテナ端点122Hで生成される取り込まれるRF信号の位相が互いに180°ずれるようになる。アンテナ120Hの利点は、この「レーストラック型」アンテナの構成が、上記の2部分から成るダイポールアンテナの構成よりも、大幅に高い周波数範囲に渡ってRF信号を取り込むことが発見されたことである。2部分から成る構成と同様に、アンテナ120Hのインピーダンスは、アンテナの実装面積(サイズ)を増減させることにより、チューニング可能である。これに加えて、「レーストラック型」アンテナの構成では、曲線端部分間の隙間(例えば、曲線端部分123H−322と曲線端部分123H−323との間の距離)を変更することにより、あるいは、下記でさらに詳細に説明する通り、アンテナ構造に1つ以上の付加的な「レーストラックのループ」を加えることにより、実装面積全体を変更させることなく、「チューニング」がさらに容易になる。実際の実施形態では、本発明者により、8μmの厚さと2.5mmの線幅LWを有するアンテナ部を載せたPET基板(厚さ250μm)に銀のインク(10μΩ/cm)を塗布して、「レーストラック型」アンテナが作成され、そのレーストラック構造は、120mmの直線部分の長さLと、6.45mmの内半径rの連結部と、を含み(すなわち、約5.8インチのアンテナ全長を有する)、その曲線端部は、60°の開口角度φ、および2.5mmの隙間幅GWで形成された。その結果作成された構造では、914MHzのピーク効率で共振し、約825MHz〜1050MHzの範囲で受信した電力は10%未満の損失しか示していないことが分かった。
図8には、図7の「レーストラック型」メタマテリアル共振器アンテナ120Hを含むRFエネルギーハーベスティング装置100Hの概略図が示されている。この場合では、整流回路130Hは、取り込まれるRF信号を整流回路130Hのその他の素子に適切に送信し易くするために必要な2つのディスクリート・インダクタL1HおよびL2Hを含む。具体的には、インダクタL1Hが、第1のアンテナ端点121HとダイオードD1との間に連結され、インダクタL2Hが、アンテナ端点122HとキャパシタC1との間に連結される。ある実施形態では、インダクタL1HおよびL2Hは同じ(共通の)インダクタンス値を有し、アンテナ120Hと、整流回路130Hの素子(すなわち、キャパシタC1、ダイオードD1およびD2、出力制御回路135H)とを有するバランスのとれた回路を形成している。このような回路は、「RECTIFYING CIRCUIT FOR MULTIBAND RADIO FREQUENCY (RF) ENERGY HARVESTING」(代理人整理番号第20140443号US01(XCP−203−1)号)と題する同時係属中の米国特許出願シリアル番号第14/582,002号明細書で開示されている構成のどれかを用いて実装可能である。
図9には、3つの装置100H−1、100H−2、および100H−3からなるRFエネルギーハーベスティングシステム200Hの概略図が示され、これらの装置は、「レーストラック型」メタマテリアル共振器アンテナ120H−1〜120H−3をそれぞれ含む。また、少なくとも1つのRFエネルギーハーベスティング装置の第2のアンテナ端点が、隣接するRFエネルギーハーベスティング装置の出力ノードに接続されるように、装置100H−1、100H−2、および100H−3の出力端子は直列接続されている。開示された実施形態の様態に従うと、各RFエネルギーハーベスティング装置100H−1〜100H−3は、ほぼ同一の「レーストラック」アンテナの構成を含む。例えば、装置100H−1は、上記の通り、関連する帯域幅の範囲内のRF周波数で共振する「レーストラック」アンテナ120H−1を含む。装置100H−2は、アンテナ120H−2を含み、装置100H−3は、アンテナ120H−3を含む。アンテナ120H−2および120H−3の構成は、アンテナ120H−1の構成とほぼ同一である(すなわち、3つのアンテナ全てが、同じRF周波数で共振し、ほぼ同じ量のエネルギーを生成するように)。各RFエネルギーハーベスティング装置100H−1〜100H−3は、ほぼ同一の整流回路も含む。例えば、装置100H−1は、整流回路130H−1を含み、この整流回路が、アンテナ端点121H−1と第1のノードN1との間に連結される第1のダイオードD1と、端点122H−1とノードN1との間に連結される第1のキャパシタC1と、ノードN1と第2のノードN2との間に接続される第2のダイオードD2と、を含む。整流回路130H−1も、出力制御回路135H−1を含み、この出力制御回路が、ノードN2に連結され(すなわち、第3のダイオードD3と、キャパシタC1と同じ電気容量を有する第2のキャパシタC2と、蓄積キャパシタC4と、を介して)、ノードN2で生成される中間電圧をDC出力電圧VOUT1に変換するよう構成される。同様に、RFエネルギーハーベスティング装置100H−2は、整流回路130H−2を含み、この整流回路が、ダイオードD1およびD2と、キャパシタC1と、出力制御回路135H−2(ダイオードD3、キャパシタC2、およびC4を含む)と、を含み、この出力制御回路135H−2が、DC出力電圧VOUT2を生成する。また、RFエネルギーハーベスティング装置100H−3は、整流回路130H−3を含み、この整流回路が、ダイオードD1およびD2と、キャパシタC1と、出力制御回路135H−3(ダイオードD3、キャパシタC2、およびC4を含む)と、を含み、この出力制御回路135H−3がDC出力電圧VOUT3を生成する。
システム200Hにより実装される直列接続の構成によると、DC出力電圧VOUT1、VOUT2、およびVOUT3を組み合わせて、システムの出力電圧VOUT−SYSを最大にするよう、RFエネルギーハーベスティング装置100H−1〜100H−3は互いに接続される。具体的には、RFエネルギーハーベスティング装置100H−2の第1のアンテナ端点121H−2が、RFエネルギーハーベスティング装置100H−3の出力ノードに接続し(すなわち、装置100H−2の接地面がDC出力電圧VOUT3となるように)、これにより、装置100H−2の出力ノードで生成されるDC出力電圧VOUT2の電圧レベルが、DC出力電圧VOUT3により、「上昇」される。同様に、RFエネルギーハーベスティング装置100H−1のアンテナ端点121H−1が、RFエネルギーハーベスティング装置100H−3の出力ノードに接続し、これにより、装置100H−1の出力ノードで生成される出力電圧VOUT1のDC電圧レベルは、DC出力電圧VOUT2およびVOUT3により、「上昇」される。したがって、システムの出力電圧VOUT−SYSの電圧レベルは、直列の配列により、最大になる。
図示されてはいないが、この「レーストラック型」アンテナの構成は、図3Bを参照して上記に説明した構成と同様のネストの装置の構成でも用いることが可能であることは理解されよう。
図10Aおよび図10Bには、本発明の別の実施形態に従った、2ループの「レーストラック型」メタマテリアル共振器アンテナ120Jの上面図、および3ループの「レーストラック型」メタマテリアル共振器アンテナの上面図がそれぞれ示されている。「レーストラック」形状の長さと半径を変更することにより、かつ曲線端部分(上記の)の間の隙間の距離を変更することにより、レーストラックアンテナのインピーダンスを調整すること以外に、1つ以上の付加的な「ループ」構造を加えることにより(すなわち、下記に記載する通り、単一の一体型金属アンテナ構造が、2つ以上の「ループ」を含むように)、アンテナのインピーダンスを調整することも可能である。
図10Aを参照すると、図7を参照して上記に説明した実施形態と同様に、アンテナ120Jは、第1の「ループ」構造体を含み、この第1のループ構造体が、端点121Jおよび122Jからそれぞれ延在する主アンテナ部123J−11および123J−12と、(第1の)副アンテナ部123J−21と、(第1および第2の)円形連結部123J−31および123J−32とにより形成される領域127−1を囲み、これらのアンテナ部が、図7を参照して上記に説明したように構成されている。さらにアンテナ120Jは、第2の「ループ」構造体を含み、この第2のループ構造体が、第1の副アンテナ部123J−21と、主アンテナ部123J−11および123J−12、ならびに第1の副アンテナ部123J−21と平行に配置される第2の副アンテナ部123J−22(すなわち、第1の副アンテナ部123J−21が、主アンテナ部123J−11および123J−12と第2の副アンテナ部123J−22との間になるように)と、第1の副アンテナ部123J−21の第1の下端と第2の副アンテナ部123J−22の第1の下端との間に接続される第3の半円部分123J−331、ならびに第3の半円部分123J−331から領域127−2に延在する(第5および第6の)曲線端部分123J−332および123J−333を含む(第3の)連結部123J−33と、副アンテナ部123J−22の上端と副アンテナ部123J−21の上端との間に接続される第4の半円部分123J−341、ならびに半円部分123J−341から空間127−2に延在する(第7および第8の)曲線端部分123J−342および123J−343を含む(第4の)連結部123J−34と、により形成される領域127−2を囲む。第2の「ループ」構造体を加えることにより、アンテナ120Jのインダクタンス全体が、アンテナ120H(図7)のインダクタンスよりも増え、これにより、アンテナ120Hとは異なるRF周波数で共振するようアンテナ120Jを調整することができる。
図10Bを参照すると、図10Aを参照して説明した実施形態と同様に、アンテナ120Kは、第1の「ループ」構造体、および第2の「ループ」構造体を含み、第1のループ構造体が、端点121Kおよび122Kからそれぞれ延在する主アンテナ部123J−11および123J−12と、(第1の)副アンテナ部123J−21と、(第1および第2の)円形連結部123J−31および123J−32と、により形成され、第2のループ構造体が、(第1の)副アンテナ部123J−21と、(第2の)副アンテナ部123J−22と、(第3および第4の)円形連結部123J−33および123J−34と、により形成される。さらに、アンテナ120Jは、第3の「ループ」構造体を含み、この第3のループ構造体が、(第2の)副アンテナ部123J−22と、(第3の)副アンテナ部123J−23と、副アンテナ部123J−22および123J−23の下端に接続する(第5の)連結部123J−35と、副アンテナ部123J−22および123J−23の上端に接続する(第6の)連結部123J−36と、により形成されている。第3の「ループ」構造体を加えることにより、アンテナ120Kのインダクタンス全体がアンテナ120J(図10A)のインダクタンスよりもさらに増える。
本発明のRFエネルギーハーベスティング装置/システムの製造に関連する製造コストは、上記のプリント技術を用いることにより、最小限に抑えられているが、本明細書に記載される恩恵の多くは、その他の製造技術を用いることでもたらされ得る。例えば、アンテナ、および整流回路は、剛性の基板上での通常のプリント回路基板の製造方法、または可撓性基板での通常のプリント回路基板の製造方法のうちのどちらを用いても製造可能である。あるいは、装置およびシステムは、機械加工または焼結法によっても製造可能である。

Claims (22)

  1. 高周波(RF)エネルギーハーベスティング装置であって、
    ほぼ平坦な表面を有する基板と、
    前記基板の前記表面上に共形的に固定して配置される、少なくとも1つの金属要素を含むメタマテリアル共振器アンテナであって、前記少なくとも1つの金属要素が、
    第1のアンテナ端点から第1の中間点まで延在する第1の主アンテナ部と、
    第2のアンテナ端点から第2の中間点まで延在する第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と均一な隙間距離で平行に離間して配置される、少なくとも1つの副アンテナ部であって、第3の中間点に配置される第1の端、および第4の中間点に配置される反対側の第2の端を有する、少なくとも1つの副アンテナ部と、
    前記第1の中間点と前記第3の中間点との間に接続される第1の連結部と、
    前記第2の中間点と前記第4の中間点との間に接続される第2の連結部と、を含み、
    第1の取り込みRF信号が、前記第1のアンテナ端点で生成され、第2の取り込みRF信号が、前記第2のアンテナ端点で生成され、前記第1の取り込みRF信号と前記第2の取り込みRF信号とは、位相が互いに180°ずれるよう、前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部、ならびに前記少なくとも1つの副アンテナ部が、関連する帯域幅の範囲内のRF周波数で共振するよう構成される、メタマテリアル共振器アンテナと、
    前記第1のアンテナ端点および前記第2のアンテナ端点に連結される整流回路であって、前記第1の取り込みRF信号および前記第2の取り込みRF信号からの正電圧パルスを組み合わせて、出力ノードに送るよう構成される回路素子を含む整流回路と、を含む、RFエネルギーハーベスティング装置。
  2. 前記メタマテリアル共振器アンテナを形成する前記少なくとも1つの細長い金属構造体が、銀インク材料を含む、請求項1に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  3. 前記整流回路が、前記基板の前記表面上に共形的に固定して配置される複数の導電構造体をさらに含む、請求項1に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  4. 前記整流回路が、
    前記第1のアンテナ端点と第1のノードとの間に連結される第1のダイオードと、
    前記第2のアンテナ端点と前記第1のノードとの間に連結される第1のキャパシタと、
    前記第1のノードと第2のノードとの間に連結される第2のダイオードと、をさらに含み、
    前記第1のダイオードが、前記第2のダイオードより低い順電圧を有し、前記第1のダイオードが、前記第2のダイオードより低い逆電圧を有し、これにより、前記第1のノードで生成される第1の中間電圧には、前記第1のダイオードを介して送られる前記第1の取り込みRF信号の正電圧パルスと、前記第1のキャパシタを介して送られる前記第2の取り込みRF信号の正電圧パルスとの合計が含まれ、これにより、前記第1のノードから前記第2のダイオードを介して送られる正電圧パルスによって、前記第2のノードで第2の中間電圧が生成される、請求項3に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  5. 前記整流回路が、グライナッヘル回路を含む、請求項3に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  6. 前記アンテナが、左右対称の第1の金属要素および第2の金属要素を含む2部分から成るダイポールアンテナを含み、
    前記第1の金属要素が、前記第1の主アンテナ部と、前記第1の連結部と、前記第1の連結部から前記第1のアンテナ端点に隣接して配置される第1の先端点まで延在する第1の副アンテナ部と、を含み、前記第1の主アンテナ部と前記第1の副アンテナ部とが、それらのアンテナ部の全長に沿って均一な間隔で離れるよう、前記第1の主アンテナ部と前記第1の副アンテナ部とが同心円状に配置され、
    前記第2の金属要素が、前記第2の主アンテナ部と、前記第2の連結部と、前記第2の連結部から前記第2のアンテナ端点に隣接して配置される第2の先端点まで延在する第2の副アンテナ部と、を含み、前記第2の主アンテナ部と前記第2の副アンテナ部とが、それらのアンテナ部の全長に沿って均一な間隔で離れるよう、前記第2の主アンテナ部と前記第2の副アンテナ部とが同心円状に配置される、請求項1に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  7. 前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、前記第1の副アンテナ部および前記第2の副アンテナ部とはそれぞれ、コーナ部で接続される少なくとも2つの直線部を含む、請求項6に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  8. 前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、前記第1の副アンテナ部および前記第2の副アンテナ部とはそれぞれ、L形状のパターンを含む、請求項7に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  9. 前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、前記第1の副アンテナ部および前記第2の副アンテナ部とはそれぞれ、相互接続される3つの直線部を含み、これらがC形状のパターンを形成する、請求項7に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  10. 前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、前記第1の副アンテナ部および前記第2の副アンテナ部とはそれぞれ、連続曲線のワイヤー構造を含む、請求項6に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  11. 前記第1の連結部および前記第2の連結部のそれぞれが、線形形状のワイヤー構造を含む、請求項10に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  12. 前記第1の連結部および前記第2の連結部のそれぞれが、段差形状のワイヤー構造を含み、前記段差形状のワイヤー構造は、前記第1の主アンテナ部の長さが、前記第1の副アンテナ部の長さと等しくなるように、かつ、前記第2の主アンテナ部の長さが、前記第2の副アンテナ部の長さと等しくなるように構成される、請求項10に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  13. 前記アンテナが、単一の一体型金属要素を含み、前記単一の一体型金属要素が、
    同一線上に配置され、前記第1のアンテナ端点と前記第2のアンテナ端点との間に画定される隙間だけ互いに離れる線形構造体をそれぞれ含む前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と平行に配置される前記副アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第1の端との間に接続される第1の半円部分と、前記第1の半円部分から前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第1の曲線端部分および第2の曲線端部分と、を含む第1の開環状パターンを含む前記第1の連結部と、
    前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第2の端との間に接続される第2の半円部分と、前記第2の半円部分から前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第3の曲線端部分および第4の曲線端部分と、を含む第2の開環状パターンを含む前記第2の連結部と、を含む、請求項1に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  14. 前記単一の一体型金属要素が、
    第2の副アンテナ部であって、第1の副アンテナ部が、前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と前記第2の副アンテナ部との間になるように、前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部、ならびに前記第1の副アンテナ部と平行に配置される前記第2の副アンテナ部と、
    前記第1の副アンテナ部の前記第1の端と前記第2の副アンテナ部の第1の端との間に接続される第3の半円部分と、前記第3の半円部分から前記第1の副アンテナ部と前記第2の副アンテナ部との間の空間に延在する第5の曲線端部分および第6の曲線端部分と、を含む第3の開環状パターンを含む第3の連結部と、
    前記第1の副アンテナ部の前記第2の端と前記第2の副アンテナ部の第2の端との間に接続される第4の半円部分と、前記第4の半円部分から前記第1の副アンテナ部と前記第2の副アンテナ部との間の前記空間に延在する第7の曲線端部分および第8の曲線端部分と、を含む第4の開環状パターンを含む第4の連結部と、をさらに含む、請求項13に記載のRFエネルギーハーベスティング装置。
  15. 複数のRFエネルギーハーベスティング装置を含む高周波(RF)エネルギーハーベスティングシステムであって、各RFエネルギーハーベスティング装置が、
    基板の表面上に共形的に固定して配置される、少なくとも1つの金属要素を含むメタマテリアル共振器アンテナであって、前記少なくとも1つの金属要素が、
    第1のアンテナ端点から第1の中間点まで延在する第1の主アンテナ部と、
    第2のアンテナ端点から第2の中間点まで延在する第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と均一な隙間距離で平行に離間して配置される、少なくとも1つの副アンテナ部であって、第3の中間点に配置される第1の端、および第4の中間点に配置される反対側の第2の端を有する、少なくとも1つの副アンテナ部と、
    前記第1の中間点と前記第3の中間点との間に接続される第1の連結部と、
    前記第2の中間点と前記第4の中間点との間に接続される第2の連結部と、を含み、
    第1の取り込みRF信号が、前記第1のアンテナ端点で生成され、第2の取り込みRF信号が、前記第2のアンテナ端点で生成され、前記第1の取り込みRF信号と前記第2の取り込みRF信号とは、位相が互いに180°ずれるよう、前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部、ならびに前記少なくとも1つの副アンテナ部が、関連する帯域幅の範囲内のRF周波数で共振するよう構成される、メタマテリアル共振器アンテナと、
    前記第1のアンテナ端点および前記第2のアンテナ端点に連結される整流回路であって、前記第1の取り込みRF信号および前記第2の取り込みRF信号から出力ノードに正電圧パルスを送るよう構成される回路素子を含む整流回路と、を含み、
    前記複数のRFエネルギーハーベスティング装置が、互いに連結されて、組合せシステム出力電圧を生成する、RFエネルギーハーベスティングシステム。
  16. 前記整流回路のそれぞれが
    前記第1のアンテナ端点と第1のノードとの間に連結される第1のダイオードと、
    前記第2のアンテナ端点と前記第1のノードとの間に連結される第1のキャパシタと、
    前記第1のノードと第2のノードとの間に連結される第2のダイオードであって、前記第1のダイオードが、前記第2のダイオードよりも低い順電圧を有し、前記第1のダイオードが、前記第2のダイオードよりも低い逆電圧を有する、第2のダイオードと、
    前記第2のノードと出力ノードとの間に連結される出力制御回路であって、前記第2のノードで生成される第2の中間電圧を直流(DC)出力電圧に変換するよう構成される出力制御回路と、を含み、
    前記複数のRFエネルギーハーベスティング装置が、互いに連結されて、組合せシステム出力電圧を生成する、請求項15に記載のRFエネルギーハーベスティングシステム。
  17. 前記複数のRFエネルギーハーベスティング装置の全ての前記出力ノードが、共通のシステム出力ノードに接続される、請求項16に記載のRFエネルギーハーベスティングシステム。
  18. 前記RFエネルギーハーベスティング装置のそれぞれの前記アンテナが、左右対称の第1の金属要素および第2の金属要素を含む2部分から成るダイポールアンテナを含み、
    前記第1の金属要素が、前記第1の主アンテナ部と、前記第1の連結部と、前記第1の連結部から前記第1のアンテナ端点に隣接して配置される第1の先端点まで延在する第1の副アンテナ部と、を含み、前記第1の主アンテナ部と前記第1の副アンテナ部とが、それらのアンテナ部の全長に沿って均一な間隔で離れるよう、前記第1の主アンテナ部と前記第1の副アンテナ部とが同心円状に配置され、
    前記第2の金属要素が、前記第2の主アンテナ部と、前記第2の連結部と、前記第2の連結部から前記第2のアンテナ端点に隣接して配置される第2の先端点まで延在する第2の副アンテナ部と、を含み、前記第2の主アンテナ部と前記第2の副アンテナ部とが、それらのアンテナ部の全長に沿って均一な間隔で離れるよう、前記第2の主アンテナ部と前記第2の副アンテナ部とが同心円状に配置される、請求項16に記載のRFエネルギーハーベスティングシステム。
  19. 第1の前記RFエネルギーハーベスティング装置の前記第2のアンテナ端点が、第2の前記RFエネルギーハーベスティング装置の前記出力ノードに接続されるよう、前記複数のRFエネルギーハーベスティング装置が直列に接続される、請求項16に記載のRFエネルギーハーベスティングシステム。
  20. 前記RFエネルギーハーベスティング装置のそれぞれの前記アンテナが、単一の一体型金属要素を含み、前記単一の一体型金属要素が、
    同一線上に配置され、前記第1のアンテナ端点と前記第2のアンテナ端点との間に画定される隙間だけ互いに離れる線形構造体をそれぞれ含む前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と平行に配置される前記副アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第1の端との間に接続される第1の半円部分と、前記第1の半円部分から前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第1の曲線端部分および第2の曲線端部分と、を含む第1の開環状パターンを含む前記第1の連結部と、
    前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第2の端との間に接続される第2の半円部分と、前記第2の半円部分から前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第3の曲線端部分および第4の曲線端部分と、を含む第2の開環状パターンを含む前記第2の連結部と、を含む、請求項19に記載のRFエネルギーハーベスティングシステム。
  21. 少なくとも1つの金属要素を含むメタマテリアル共振器アンテナであって、前記少なくとも1つの金属要素が、
    第1のアンテナ端点から第1の中間点まで延在する第1の主アンテナ部と、
    第2のアンテナ端点から第2の中間点まで延在する第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と均一な隙間距離で平行に離間して配置される、少なくとも1つの副アンテナ部であって、第3の中間点に配置される第1の端、および第4の中間点に配置される反対側の第2の端を有する、少なくとも1つの副アンテナ部と、
    前記第1の中間点と前記第3の中間点との間に接続される第1の連結部と、
    前記第2の中間点と前記第4の中間点との間に接続される第2の連結部と、を含み、
    第1の取り込み信号が、前記第1のアンテナ端点で生成され、第2の取り込み信号が、前記第2のアンテナ端点で生成され、前記第1の取り込み信号と前記第2の取り込み信号とは、位相が互いに180°ずれるよう、前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部、ならびに前記少なくとも1つの副アンテナ部が、関連する帯域幅の範囲内の周波数で共振するよう構成され、
    前記メタマテリアル共振器アンテナを形成する前記少なくとも1つの細長い金属要素が、銀インク材料を含む、メタマテリアル共振器アンテナ。
  22. 前記少なくとも1つの金属要素が、単一の一体型金属要素を含み、前記単一の一体型金属要素が、
    同一線上に配置され、前記第1のアンテナ端点と前記第2のアンテナ端点との間に画定される隙間だけ互いに離れる線形構造体をそれぞれ含む前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部および前記第2の主アンテナ部と平行に配置される前記副アンテナ部と、
    前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第1の端との間に接続される第1の半円部分と、前記第1の半円部分から前記第1の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第1の曲線端部分および第2の曲線端部分と、を含む第1の開環状パターンを含む前記第1の連結部と、
    前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部の第2の端との間に接続される第2の半円部分と、前記第2の半円部分から前記第2の主アンテナ部と前記副アンテナ部との間の空間に延在する第3の曲線端部分および第4の曲線端部分と、を含む第2の開環状パターンを含む前記第2の連結部と、を含む、請求項21に記載のメタマテリアル共振器アンテナ。
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