以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。尚、各図では、説明を明りょうとするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。また、以下の記述では、説明を平易とするため、角速度センサの蓋体側を上方、角速度センサの外部接続電極パッドが設けられている側を下方として記述する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100を示した分解斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100を示した平面図であり、(a)は蓋体を除いた状態で上方より示した平面図であり、(b)は下方より示した平面図である。図3は、図2(b)の集積回路素子を搭載していない状態における平面図である。図4は、図2(b)の集積回路素子における第一検出信号増幅回路の形成可能領域を示した平面図である。角速度センサ100は、 基板110と、第一枠体111と、第二枠体112と、第一電極パッド113と、第二電極パッド114と、第三電極パッド115と、配線パターン116と、外部接続電極パッド117と、第一角速度センサ素子130と、蓋体140と、集積回路素子150とから構成されている。角速度センサ100は、角速度センサ100が搭載された電子機器等に作用する角速度を検出するために用いられている。
基板110は、平面視矩形状の平板であり、その上面に第一角速度センサ素子130及び下面に集積回路素子150を実装するための実装部材として機能するものである。基板110の上面の一方の短辺側にオフセットした位置には、第一角速度センサ素子130を実装するための第一段差部118が設けられている。この第一段差部118の上段面の基板110の長辺側に沿って、第一角速度センサ素子130へ信号を入出力するための第一電極パッド113が複数設けられている。また、基板110の下面には、集積回路素子150を固着実装しつつ集積回路素子150へ信号を入出力するための第二電極パッド114が設けられている。更に、基板110の下面には、第一電極パッド113と電気的に接続した第三電極パッド115が設けられている。また、基板110の下面には、少なくとも所定の第二電極パッド114と第三電極パッド115とを電気的に接続した配線パターン116が設けられている。基板110は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
第一枠体111は、第一段差部118を内側に配置しつつ基板110の上面の外周縁に沿って設けられており、基板111の上面側に第一凹部119を形成するためのものである。第一枠体111は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第一枠体111の内周の大きさ、つまり第一凹部119の開口部の大きさは、後述する第一角速度センサ素子130が横方向で搭載できる大きさとなっている。
第二枠体112は、基板110の下面の外周縁に沿って設けられており、基板110の下面側に第二凹部120を形成するためのものである。第二枠体112は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第二枠体112の内周の大きさ、つまり第二凹部120の開口部の大きさは、後述する集積回路素子150が搭載できる大きさとなっている。
第一電極パッド113は、後述する第一角速度センサ素子130とボンディングワイヤ136を用いて導通し、第一角速度センサ素子130への信号の入出力をするものである。第一電極パッド113は、第一凹部119内に設けられた第一段差部118の上段面の第一枠部111の内側のふたつの長辺に沿ってそれぞれ二個計四個設けられている。この第一電極パッド113は、基板110内に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第二電極パッド114及び第三電極パッド115と電気的に接続されている。
第二電極パッド114は、後述する集積回路素子150とフリップチップ接続により導通し、且つ第一電極パッド113及び後述する外部接続電極パッド117と電気的に接続し、集積回路素子150への信号の入出力をするものである。第二電極パッド114は、第二凹部120内に露出した基板110の下面の第二枠部112内側の長辺に沿って複数個設けられている。この第二電極パッド114は、基板110及び第二枠体112内に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第一電極パッド113及び外部接続電極パッド117と電気的に接続されている。尚、それぞれの第二電極パッド114には、例えば、電源電圧の入力用や、角速度センサ素子への駆動信号出力用などさまざまな機能が割り当てられているが、その一つとしてGND(接地)用となる第二電極パッド114aが設けられている。
第三電極パッド115は、第一電極パッド113と電気的に接続しており、この第三電極パッド115に測定用コンタクトプローブ等を接触させることにより、第一電極パッド113に接続された第一角速度センサ素子130の電気的特性を、集積回路素子150が搭載される前に測定するために用いられる。第三電極パッド115は、集積回路素子150を第二凹部120内に搭載した際に、集積回路素子150に内蔵された角速度センサ制御回路を構成する第一検出信号増幅回路が集積回路素子150に組み込まれている位置と平面透視で重ならないように、例えば、第二凹部120内に露出した基板110の下面の中央部分に、第一電極パッド113と同数個設けられている。また、この第三電極パッド115の平面視の大きさは、第二電極パッド114に比べ大きくなっている。この第三電極パッド115は、基板110下面に設けられた配線パターン116により、所定の第二電極パッド114と電気的に接続されている。
配線パターン116は、例えば、各第三電極パッド115とそれに対応する第二電極パッド114とを電気的に接続するために用いられる。配線パターン116は、例えば、第二凹部120内に露出した基板110の下面に設けられており、特に、第三電極パッド115とそれに対応する第二電極パッド114とを電気的に接続するために用いられる配線パターン116は、集積回路素子150を第二凹部120内に搭載した際に、集積回路素子150に内蔵された角速度センサ制御回路を構成する第一検出信号増幅回路が集積回路素子150に組み込まれている位置と平面透視で重ならないように設けられていることが望ましい。
外部接続電極パッド117は、第二枠体112の第二凹部120の開口側主面に複数個設けられており、外部の実装基板に設けられた電極パッドと接続固着することにより、角速度センサ100を実装基板に搭載し、且つ外部の実装基板との信号の入出力をするためのものである。外部接続電極パッド117は、例えば、第二枠体112の第二凹部120の開口側主面の四つの角部に一つずつ、また、第二枠体112の第二凹部120の開口側主面のうちの二つの長辺部分に二つずつの計八個形成されている。この外部接続電極パッド117は、基板110及び第二枠体112に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第二電極パッド114と電気的に接続されている。
第一角速度センサ素子130は、音叉型の振動素子を振動させてその素子に加わるコリオリの力から角速度を検出するためのものである。第一角速度センサ素子130は、圧電材料である水晶からなり、図1又は2に示すように、平面視矩形で平板の基部131と、基部の一側面から所定の結晶軸方向に延設された駆動用振動腕部132と、駆動用振動腕部132と平行に並んで延設された検出用振動腕部133とを備えた音叉型の外形形状となっており、基部131の一方の主面には、駆動用振動腕部132の表面に形成された駆動用電極(図示しない)と電気的に接続している第一引出電極134と、基部131の一方の主面に設けられ、検出用振動腕部133の表面に形成された検出用電極(図示しない)と電気的に接続している第二引出電極135とが設けられている。
この第一引出電極134は、第一段差部118に設けられた第一電極パッド113から第一角速度センサ素子130の駆動用電極へ駆動信号の入力を行うためのものである。また、第二引出電極135は、第一角速度センサ素子130の検出用電極から第一段差部118に設けられた第一電極パッド113へ検出信号の出力を行うためのものである。この第一引出電極134及び第二引出電極135は、ボンディングワイヤ136により、第一段差部118に設けられた第一電極パッド113と電気的に接続されている。尚、駆動用電極、検出用電極、第一引出電極134、及び第二引出電極135は、基部131、駆動用振動腕部132及び検出用振動腕部133の表面に、アルミニウムやチタン等の導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。尚、第一角速度センサ素子130は、基部131の他方の主面に設けた絶縁性接着剤により、第一凹部119内に露出した第一段差部118の上段面に、第一電極パッド113を避けて配置固着されている。
蓋体140は、真空状態にある第一凹部119、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された第一凹部119を気密的に封止するためのものである。蓋体140は、平面視矩形状の平板であり、第一凹部119の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋体140は、第一枠体111の開口部側主面上に第一凹部119の開口部を覆い塞ぐように配置され、第一枠体111の開口部側主面と接合材を介して接合されている。蓋体140は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。尚、蓋体140は、基板110、第一枠体111及び第二枠体112に設けられた導配線(図示しない)により、GND用となる第二電極パッド114a及びGND用となる外部接続電極パッド117の一つと電気的に接続していることが望ましい。
集積回路素子150は、例えば、基板110に対向する面に複数個の接続パッド151を有した平面視矩形のフリップチップ型集積回路素子が用いられ、その回路形成面には、所定の電子回路及び電子素子を組み合わせて、例えば、第一角速度センサ素子130を駆動させ且つ検出した角速度値を処理する角速度センサ制御回路などが設けられている。この集積回路素子150は、集積回路素子150の基板110に対向する面の第二電極パッド114に対応する位置に設けられた接続パッド151と、第二凹部120内に露出した基板110の下面に設けられている第二素子接続パッド114とを、フリップチップ接続により電気的に接続し固着することにより、第二凹部120内に実装されている。
集積回路素子150には、角速度センサ制御回路が組み込まれているが、その角速度センサ制御回路には、更に第一検出信号増幅回路が組み込まれている。この第一検出信号増幅回路は、第一角速度センサ素子130により検出された角速度信号が入力し、その信号を増幅し、次段組み込まれた、例えば、検波回路等の処理回路に出力することに用いられる。尚、第一検出信号増幅回路は、信号増幅処理を行っているため、所定の電力を消費する結果、ジュール熱を発生する。 集積回路素子150内におけるこの第一検出信号増幅回路が形成される位置は、集積回路素子150を第二電極パッド114に実装したときに、第三電極パッド115と平面透視で重ならない位置となっている。また、第一検出信号増幅回路が形成される位置は、第三電極パッド115平面透視で重ならないだけではなく、この第三電極パッド115と接続している配線パターン116及び第二電極パッド114とも、平面透視で重ならない位置とすることが望ましい。第一検出信号増幅回路は、例えば、第三電極パッド115、及びこの第三電極パッド115と接続している配線パターン116及び第二電極パッド114とも、平面透視で重ならない位置として、集積回路素子150の基板短辺側の側面縁部に設けられている。尚、図4には、集積回路素子150における第一検出信号増幅回路を形成することが可能な領域(図4のハッチングで示された領域)を例示する。更に、集積回路素子150において、第一検出信号増幅回路が形成される位置は、図4においてハッチングで図示した第一検出信号増幅回路の形成可能領域内で、できるかぎり、GND(接地)用となる第二電極パッド114aの近傍となる位置とすることが望ましい。
本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、上面に複数の第一電極パッド113が設けられ、下面に複数の第二電極パッド114が設けられた平面視矩形の基板110と、この基板110の上面の外周縁に沿って設けられた第一枠体111と、基板110の下面の外周縁に沿って設けられた第二枠体112と、第一電極パッド113に実装された第一角速度センサ素子130と、第一枠体111と接合された蓋体140と、第二電極パッド114に実装された角速度センサ制御回路を内蔵する集積回路素子150と、を備え、基板110の下面には、第一角速度センサ素子130の特性を測定するために、第一電極パッド113と電気的に接続した第三電極パッド115が設けられ、角速度センサ制御回路には、第一検出信号増幅回路が設けられており、第三電極パッド115と、第一検出信号増幅回路とが、集積回路素子150を基板に実装したときに、平面透視で重ならない位置に設けられている。
このような構成により、第三電極パッド115の一部が第一角速度センサ素子130に設けられた駆動電極と電気的に接続してあったとしても、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子130からの検出信号と、第一角速度センサ素子130を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができ、第一角速度センサ素子130の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。また、第三電極パッド115と第一検出信号増幅回路とが平面透視で重ならない位置に設けられているため、第一検出信号増幅回路から発した熱が第三電極パッド115を介し、第一角速度センサ素子130が搭載された第一凹部119内部、或いは第一角速度センサ素子130に直接伝導して第一角速度センサ素子130の振動特性が変動することを抑止でき、正確な角速度値の測定が可能となる。
また、発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第三電極パッド115が、第一電極パッド113と電気的に接続している第二電極パッド114と、基板110の下面に設けられた配線パターン116によりそれぞれ電気的に接続しており、配線パターン116と検出信号増幅回路とが、集積回路素子150を前記基板に実装したときに、平面透視で重ならない位置に設けられている。
このような構成により、第三電極パッド115及び配線パターン116の一部が第一角速度センサ素子130に設けられた駆動電極と電気的に接続してあったとしても、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子130からの検出信号と、第一角速度センサ素子130を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができ、第一角速度センサ素子130の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。また、第三電極パッド115及び配線パターン116と第一検出信号増幅回路とが平面透視で重ならない位置に設けられているため、第一検出信号増幅回路から発した熱が第三電極パッド115及び配線パターン116を介し、第一角速度センサ素子130が搭載された第一凹部119内部、或いは第一角速度センサ素子130に直接伝導して第一角速度センサ素子130の振動特性が変動することを抑止でき、より正確な角速度値の測定が可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第三電極パッド115が、第二電極パッド114に比べ平面視の大きさが大きい構造となっている。このような構成によって、第一角速度センサ素子130の特性測定に平面視の大きさが比較的小さい第二電極パッド114を使用する必要がなく、例えば、第二電極パッド114を使用した際に行っていた、コンタクトプローブ等の接触不良を防ぐ為に何度もプローブを接触させる必要がなく、且つコンタクトプローブの先端が基板110や第二枠体112に接触することがないので、測定時間を短縮でき、基板110や第二枠体112の割れやカケ等が低減することが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第三電極パッド115が、基板110の下面の中心に設けられている。このような構成により、第三電極パッド115にコンタクトブローブ等を接触させようとした場合、コンタクトプローブと第二枠体112との間に一定の間隔を設けることができる。よって、コンタクトプローブを第三電極パッド115に接触させることで、第一角速度センサ素子130の特性を測定する際に、仮に、コンタクトプローブが位置ずれしたとしても、第二枠体112に接触することを抑えることができるので、第二枠体112の割れやカケ等が低減することが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第一検出信号増幅回路が、集積回路素子150の基板110短辺側の側面縁部に設けられている。このような構成とすることにより、第三電極パッド115と第一検出信号増幅回路とが平面透視で重なることを抑えることができ、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子130からの検出信号と、第一角速度センサ素子130を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができる。よって、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第一角速度センサ素子130の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第三電極パッド115が、基板110の下面の中心に設けられ、第一検出信号増幅回路が、集積回路素子150の基板110短辺側の側面縁部に設けられている。このような構成とすることにより、第三電極パッド115と第一検出信号増幅回路とが平面透視で重なることをさらに抑えることができ、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子130からの検出信号と、第一角速度センサ素子130を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができる。よって、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第一角速度センサ素子130の検出感度が低下することをさらに抑止することが可能性となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ100は、第一検出信号増幅回路が、集積回路素子150を基板110に実装したときに、GNDに接続された第二電極パッド114aの近傍となる位置に設けられている。このような構成とすることにより、第一検出信号増幅回路から発した熱が、GNDに接続された第二電極パッド114aから、この第二電極パッド114aと接続している蓋体140及び外部接続電極パッド117の一つに伝導により散逸し 温度を低下させることができ、第一角速度センサ素子130が搭載された第一凹部119内部、或いは第一角速度センサ素子130に熱が伝導して第一角速度センサ素子130の振動特性が変動することを著しく抑止でき、精密な角速度値の測定が可能となる。
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200を示した平面図であり、(a)は蓋体を除いた状態で上方より示した平面図であり、(b)は下方より示した平面図である。図6は、図5(b)の集積回路素子を搭載していない状態における平面図である。図7は、図5(b)の集積回路素子における第一検出信号増幅回路の形成可能領域を示した平面図である。角速度センサ200は、 基板210と、第一枠体211と、第二枠体212と、第一電極パッド213と、第二電極パッド214と、第三電極パッド215と、第四電極パッド221と、第五電極パッド222と、配線パターン216と、外部接続電極パッド217と、第一角速度センサ素子230と、第二角速度センサ260と、蓋体(図示しない) と、集積回路素子250とから構成されている。角速度センサ200は、角速度センサ200が搭載された電子機器等に作用する複数の角速度を検出するために用いられている。
基板210は、平面視矩形状の平板であり、その上面に第一角速度センサ素子230と第二角速度センサ素子260及び下面に集積回路素子250を実装するための実装部材として機能するものである。基板210の上面の一方の短辺側にオフセットした位置には、第一角速度センサ素子230を実装するための第一段差部218が設けられている。また、基板210の上面の一方の長辺辺側にオフセットした位置には、第二角速度センサ素子260を第一角速度センサ素子230に接触しないように実装するための、第一段差部218よりも段差が低い第二段差部223が設けられている。この第一段差部218の上段面には、第一角速度センサ素子230へ信号を入出力するための第一電極パッド213が複数設けられており、第二段差部223の上段面には、第二角速度センサ素子260へ信号を入出力するための第四電極パッド221が複数設けられている。また、基板210の下面には、集積回路素子250を固着実装しつつ集積回路素子250へ信号を入出力するための第二電極パッド214が設けられている。更に、基板210の下面には、第一電極パッド213と電気的に接続した第三電極パッド215及び第四電極パッド221と電気的に接続した第五電極パッド222が設けられている。また、基板210の下面には、少なくとも所定の第二電極パッド214と第三電極パッド215及び第五電極パッド222とを電気的に接続した配線パターン216が設けられている。基板210は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
第一枠体211は、第一段差部218及び第二段差部223を内側に配置しつつ基板210の上面の外周縁に沿って設けられており、基板211の上面側に第一凹部219を形成するためのものである。第一枠体211は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第一枠体211の内周の大きさ、つまり第一凹部217の開口部の大きさは、後述する第一角速度センサ素子230と第二角速度センサ素子260とを振動腕部を交差させつつ重ねて搭載できる大きさとなっている。
第二枠体212は、基板210の下面の外周縁に沿って設けられており、基板210の下面側に第二凹部220を形成するためのものである。第二枠体212は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第二枠体212の内周の大きさ、つまり第二凹部220の開口部の大きさは、最小でも後述する集積回路素子250が搭載できる大きさとなっている。
第一電極パッド213は、後述する第一角速度センサ素子230と第一ボンディングワイヤ236を用いて導通し、第一角速度センサ素子230への信号の入出力をするものである。第一電極パッド213は、第一凹部219内に設けられた第一段差部218の上段面の第一枠部211に四個設けられている。この第一電極パッド213は、基板210内に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第二電極パッド214及び第三電極パッド215と電気的に接続されている。
第四電極パッド221は、後述する第二角速度センサ素子260と第二ボンディングワイヤ266を用いて導通し、第二角速度センサ素子260への信号の入出力をするものである。第四電極パッド221は、第一凹部219内に設けられた第二段差部223の上段面の第一枠部211に四個設けられている。この第四電極パッド221は、基板210内に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第二電極パッド214及び第五電極パッド222と電気的に接続されている。
第二電極パッド214は、後述する集積回路素子250とフリップチップ接続により導通し、且つ第一電極パッド113、第四電極パッド221及び後述する外部接続電極パッド217と電気的に接続し、集積回路素子250への信号の入出力をするものである。第二電極パッド214は、第二凹部220内に露出した基板210の下面の第二枠部212内側の長辺に沿って複数個設けられている。この第二電極パッド214は、基板210及び第二枠体212内に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第一電極パッド213、第四電極パッド221及び外部接続電極パッド217と電気的に接続されている。尚、それぞれの第二電極パッド214には、例えば、電源電圧の入力用や、角速度センサ素子への駆動信号出力用などさまざまな機能が割り当てられているが、その一つとしてGND(接地)用となる第二電極パッド214aが設けられている。
第三電極パッド215は、第一電極パッド213と電気的に接続しており、この第三電極パッド215に測定用コンタクトプローブ等を接触させることにより、第一電極パッド213に接続された第一角速度センサ素子230の電気的特性を、集積回路素子250が搭載される前に測定するために用いられる。第三電極パッド215は、集積回路素子250を第二凹部220内に搭載した際に、集積回路素子250に内蔵された角速度センサ制御回路を構成する第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が集積回路素子250に組み込まれている位置と平面透視で重ならないように、例えば、第二凹部220内に露出した基板2 10の下面の中央部分に、第一電極パッド213と同数個設けられている。また、この第三電極パッド215の平面視の大きさは、第二電極パッド214に比べ大きくなっている。この第三電極パッド215は、基板210下面に設けられた配線パターン216により、所定の第二電極パッド214と電気的に接続されている。
第五電極パッド222は、第四電極パッド221と電気的に接続しており、この第五電極パッド222に測定用コンタクトプローブ等を接触させることにより、第四電極パッド221に接続された第二角速度センサ素子260の電気的特性を、集積回路素子250が搭載される前に測定するために用いられる。第五電極パッド222は、集積回路素子250を第二凹部220内に搭載した際に、集積回路素子250に内蔵された角速度センサ制御回路を構成する第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が集積回路素子250に組み込まれている位置と平面透視で重ならないように、例えば、第二凹部220内に露出した基板110の下面の中央部分に、第四電極パッド221と同数個設けられている。また、この第五電極パッド222の平面視の大きさは、第二電極パッド214に比べ大きくなっている。この第五電極パッド222は、基板210下面に設けられた配線パターン216により、所定の第二電極パッド214と電気的に接続されている。
配線パターン216は、例えば、各第三電極パッド215及び各第五電極パッド222とそれに対応する第二電極パッド214とを電気的に接続するために用いられる。配線パターン216は、例えば、第二凹部220内に露出した基板210の下面に設けられており、特に、第三電極パッド215及び第五電極パッド222とそれに対応する第二電極パッド214とを電気的に接続するために用いられる配線パターン2 16は、集積回路素子250を第二凹部220内に搭載した際に、集積回路素子250に内蔵された角速度センサ制御回路を構成する第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が集積回路素子250に組み込まれている位置と平面透視で重ならないように設けられていることが望ましい。
外部接続電極パッド217は、第二枠体212の第二凹部220の開口側主面に複数個設けられており、外部の実装基板に設けられた電極パッドと接続固着することにより、角速度センサ200を実装基板に搭載し、且つ外部の実装基板との信号の入出力をするためのものである。外部接続電極パッド217は、例えば、第二枠体212の第二凹部220 の開口側主面の四つの角部に一つずつ、また、第二枠体212の第二凹部220 の開口側主面のうちの二つの長辺部分に二つずつの計八個形成されている。この外部接続電極パッド217は、基板210及び第二枠体212に設けられた導配線(図示せず)により、所定の第二電極パッド214と電気的に接続されている。
第一角速度センサ素子230は、音叉型の振動素子を振動させてその素子に加わるコリオリの力から角速度を検出するためのものである。第一角速度センサ素子230は、圧電材料である水晶からなり、図5に示すように、平面視矩形で平板の基部231と、基部の一側面から所定の結晶軸方向に延設された駆動用振動腕部232と、駆動用振動腕部232と平行に並んで延設された検出用振動腕部233とを備えた音叉型の外形形状となっており、基部231の一方の主面には、駆動用振動腕部232の表面に形成された駆動用電極(図示しない)と電気的に接続している第一引出電極234と、基部231の一方の主面に設けられ、検出用振動腕部233の表面に形成された検出用電極(図示しない)と電気的に接続している第二引出電極235とが設けられている。
この第一引出電極234は、段差部218に設けられた第一電極パッド213から第一角速度センサ素子230の駆動用電極へ駆動信号の入力を行うためのものである。また、第二引出電極235は、第一角速度センサ素子230の検出用電極から段差部218に設けられた第一電極パッド213へ検出信号の出力を行うためのものである。この第一引出電極234及び第二引出電極235は、ボンディングワイヤ236により、段差部218に設けられた第一電極パッド213と電気的に接続されている。尚、駆動用電極、検出用電極、第一引出電極234、及び第二引出電極235は、基部231、駆動用振動腕部232及び検出用振動腕部233の表面に、アルミニウムやチタン等の導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。尚、第一角速度センサ素子230は、基部231の他方の主面に設けた絶縁性接着剤により、第一凹部219内に露出した第一段差部218の上段面に、第一電極パッド213を避けて配置固着されている。
第二角速度センサ素子260は、音叉型の振動素子を振動させてその素子に加わるコリオリの力から角速度を検出するためのものである。第二角速度センサ素子260は、圧電材料である水晶からなり、図5に示すように、平面視矩形で平板の基部261と、基部の一側面から所定の結晶軸方向に延設された駆動用振動腕部262と、駆動用振動腕部262と平行に並んで延設された検出用振動腕部263とを備えた音叉型の外形形状となっており、基部261の一方の主面には、駆動用振動腕部262の表面に形成された駆動用電極(図示しない)と電気的に接続している第一引出電極264と、基部261の一方の主面に設けられ、検出用振動腕部263の表面に形成された検出用電極(図示しない)と電気的に接続している第二引出電極265とが設けられている。
この第一引出電極264は、第二段差部223に設けられた第四電極パッド221から第二角速度センサ素子260の駆動用電極へ駆動信号の入力を行うためのものである。また、第二引出電極265は、第二角速度センサ素子260の検出用電極から第二段差部223に設けられた第四電極パッド221へ検出信号の出力を行うためのものである。この第一引出電極264及び第二引出電極265は、ボンディングワイヤ266により、第二段差部223に設けられた第四電極パッド221と電気的に接続されている。尚、駆動用電極、検出用電極、第一引出電極264、及び第二引出電極265は、基部261、駆動用振動腕部262及び検出用振動腕部263の表面に、アルミニウムやチタン等の導体金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。尚、第二角速度センサ素子260は、基部261の他方の主面に設けた絶縁性接着剤により、第一凹部219内に露出した第二段差部223の上段面に、第四電極パッド221を避け、且つ、第一角速度センサ素子230の振動腕部と第二角速度センサ素子260の振動腕部が平面視で直交して所定の間隔を開けて重なるように配置固着されている。
図示していない第二の実施形態における蓋体は、第一実施形態における蓋体140と同様に、 真空状態にある第一凹部219、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された第一凹部219を気密的に封止するためのものである。蓋体は、第一実施形態における蓋体140と同様に、 平面視矩形状の平板であり、第一凹部219の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋体は、第一枠体211の開口部側主面上に第一凹部219の開口部を覆い塞ぐように配置され、第一枠体211の開口部側主面と接合材を介して接合されている。蓋体は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。尚、蓋体は、基板210、第一枠体211及び第二枠体212に設けられた導配線(図示しない)により、GND用となる第二電極パッド214a及びGND用となる外部接続電極パッド217の一つと電気的に接続していることが望ましい。
集積回路素子250は、例えば、基板210に対抗する面に複数個の接続パッド251を有した平面視矩形のフリップチップ型集積回路素子が用いられ、その回路形成面には、所定の電子回路及び電子素子を組み合わせて、例えば、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260を駆動させ且つ検出した角速度値を処理する角速度センサ制御回路などが設けられている。この集積回路素子250は、集積回路素子250の基板210に対向する面の第二電極パッド214に対応する位置に設けられた接続パッド251と、第二凹部220内に露出した基板210の下面に設けられている第二素子接続パッド214とを、フリップチップ接続により電気的に接続し固着することにより、第二凹部220内に実装されている。
集積回路素子250には、角速度センサ制御回路が組み込まれているが、その角速度センサ制御回路には、更に第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が組み込まれている。この第一検出信号増幅回路は、第一角速度センサ素子230により検出された角速度信号が入力し、その信号を増幅し、次段組み込まれた、例えば、検波回路等の処理回路に出力することに用いられる。また、第二検出信号増幅回路は、第二角速度センサ素子260により検出された角速度信号が入力し、その信号を増幅し、次段組み込まれた、例えば、検波回路等の処理回路に出力することに用いられる。尚、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路は、信号増幅処理を行っているため、所定の電力を消費する結果、ジュール熱を発生する。 集積回路素子250内におけるこの第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が形成される位置は、集積回路素子250を第二電極パッド214に実装したときに、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と平面透視で重ならない位置となっている。また、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号臓腑回路が形成される位置は、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と平面透視で重ならないだけではなく、この第三電極パッド215及び第五電極パッド222と接続している配線パターン216及び第二電極パッド214とも、平面透視で重ならない位置とすることが望ましい。第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路は、例えば、第三電極パッド215、第五電極パッド222及びこの第三電極パッド215及び第五電極パッド222と接続している配線パターン216及び第二電極パッド214とも、平面透視で重ならない位置として、集積回路素子250の基板短辺側の側面縁部に設けられている。尚、図7には、集積回路素子250における第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路を形成することが可能な領域(図7のハッチングで示された領域)を例示する。更に、集積回路素子250において、第一検出信号増幅回路及び第二検出振動増幅回路が形成される位置は、図7においてハッチングで図示した第一検出信号増幅回路及び第二検出振動増幅回路の形成可能領域内で、できるかぎり、GND(接地)用となる第二電極パッド214aの近傍となる位置とすることが望ましい。
本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、上面に複数の第一電極パッド213と第四電極パッド221が設けられ、下面に複数の第二電極パッド214が設けられた平面視矩形の基板210と、この基板210の上面の外周縁に沿って設けられた第一枠体211と、基板210の下面の外周縁に沿って設けられた第二枠体212と、第一電極パッド213に実装された第一角速度センサ素子230と、第四電極パッド221に実装された第二角速度センサ素子260と、第一枠体211と接合された蓋体と、第二電極パッド214に実装された角速度センサ制御回路を内蔵する集積回路素子250と、を備え、基板210の下面には、第一角速度センサ素子230の特性を測定するために、第一電極パッド213と電気的に接続した第三電極パッド215が設けられ、基板210の下面には、第二角速度センサ素子260の特性を測定するために、第四電極パッド221と電気的に接続した第五電極パッド222が設けられ、角速度センサ制御回路には、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が設けられており、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが、集積回路素子250を基板に実装したときに、平面透視して、重ならない位置に設けられている。
このような構成により、第三電極パッド215及び第五電極パッド222の一部が第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260に設けられた駆動電極と電気的に接続してあったとしても、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子230からの検出信号及び第二検出信号増幅回路に入力される第二角速度センサ素子260からの検出信号と、各角速度センサ素子を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができ、第一角速度センサ230及び第二角速度センサ260の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。また、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが平面透視で重ならない位置に設けられているため、それぞれの検出信号増幅回路から発した熱が第三電極パッド215及び第五電極パッド222を介し、2つの角速度センサ素子が搭載された第一凹部219内部、或いは第一角速度センサ230及び第二角速度センサ260に直接伝導して第一角速度センサ230及び第二角速度センサ260の振動特性が変動することを抑止でき、正確な角速度値の測定が可能となる。
また、発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第三電極パッド215は、第一電極パッド213と電気的に接続している第二電極パッド214と、基板210の下面に設けられた配線パターン216によりそれぞれ電気的に接続しており、第五電極パッド222は、第四電極パッド221と電気的に接続している第二電極パッド214と、基板210の下面に設けられた配線パターン216によりそれぞれ電気的に接続しており、配線パターン216と、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが、集積回路素子250を基板210に実装したときに、平面透視で重ならない位置に設けられている。
このような構成により、第三電極パッド215、第五電極パッド222及び配線パターン216の一部が第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260に設けられた駆動電極と電気的に接続してあったとしても、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260からの検出信号と、第一角速度センサ素子230第二角速度センサ260を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができ、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ260の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。また、第三電極パッド215、第五電極パッド222及び配線パターン216と第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが平面透視で重ならない位置に設けられているため、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路から発した熱が、第三電極パッド215、第五電極パッド222及び配線パターン216を介し、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260が搭載された第一凹部219内部、或いは第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260に直接伝導して、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260の振動特性が変動することを抑止でき、より正確な角速度値の測定が可能となる。
また、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第三電極パッド215及び第五電極パッド222が、第二電極パッド214に比べ平面視の大きさが大きい構造となっている。このような構造によって、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子の特性測定に平面視の大きさが比較的小さい第二電極パッド214を使用する必要がなく、例えば、第二電極パッド214を使用した際に行っていた、コンタクトプローブ等の接触不良を防ぐ為に何度もプローブを接触させる必要がなく、且つコンタクトプローブの先端が基板210や第二枠体212に接触することがないので、測定時間を短縮でき、基板210や第二枠体212の割れやカケ等が防止することが可能となる。
また、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第三電極パッド215及び第五電極パッド222が、基板210の下面の中心に設けられている。第三電極パッド215及び第五電極パッド222にコンタクトブローブ等を接触させようとした場合、コンタクトプローブと第二枠体212との間に一定の間隔を設けることができる。よって、コンタクトプローブを第三電極パッド215及び第五電極パッド222に接触させることで、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260の特性を測定する際に、仮に、コンタクトプローブが位置ずれしたとしても、第二枠体212に接触することを抑えることができるので、第二枠体212の割れやカケ等が低減することが可能となる。
また、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が、集積回路素子250の基板210短辺側の側面縁部に設けられている。このような構成とすることにより、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが平面透視で重ならない構造とすることができ、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子230からの検出信号及び第二検出信号増幅回路に入力される第二角速度センサ素子260からの検出信号と、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことを抑えることができる。よって、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260の検出感度が低下することを抑止することが可能性となる。
また、本発明の第一実施形態に係る角速度センサ200は、第三電極パッド215及び第五電極パッド222が、基板210の下面の中心に設けられ、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が、集積回路素子250の基板210短辺側の側面縁部に設けられている。このような構成とすることにより、第三電極パッド215及び第五電極パッド222と第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路とが平面透視で重なることをさらに抑えることができ、第一検出信号増幅回路に入力される第一角速度センサ素子230からの検出信号及び第二検出信号増幅回路に入力される第二角速度センサ素子260からの検出信号と、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260を駆動させるための駆動信号とが結合を起こすことをさらに抑えることができる。よって、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260の検出感度が低下することをさらに抑止することが可能性となる。
また、本発明の第二実施形態に係る角速度センサ200は、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路が、集積回路素子250を基板210に実装したときに、GNDに接続された第二電極パッド214aの近傍となる位置に設けられている。このような構造とすることにより、第一検出信号増幅回路及び第二検出信号増幅回路から発した熱が、GNDに接続された第二電極パッド214aから、この第二電極パッド214aと接続している蓋体及び外部接続電極パッド217の一つに伝導により散逸 し温度を低下させることができ、第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260が搭載された第一凹部219内部、或いは第一角速度センサ素子230及び第二角速度センサ素子260に熱が伝導して、第一角速度センサ素子230第二角速度センサ素子260の振動特性が変動することを著しく抑止でき、精密な角速度値の測定が可能となる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、前述した各実施形態においては、外形形状が、振動腕部が駆動用と検出用で各一本の音叉型の角速度センサ素子を用いたが、外形形状は音叉型に限定するものではなく、例えば、駆動用振動腕部が二本であり検出用振動腕部が二本の、平面視がH型の角速度センサ素子でも良く、搭載する角速度センサ素子の形状はどのような形状でも構わない。