JP6585052B2 - Mps i、ii、iiia、iiib、iva、vi、およびviiをスクリーニングするための試薬および方法 - Google Patents

Mps i、ii、iiia、iiib、iva、vi、およびviiをスクリーニングするための試薬および方法 Download PDF

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Description

発明の分野
関連出願の相互参照
本出願は、それぞれの全内容が参照によりここに明確に組み込まれている、2013年9月5日出願の米国仮特許出願第61/874,293号、2013年9月5日出願の米国仮特許出願第61/874,331号、2013年9月9日出願の米国仮特許出願第61/960,102号、2013年9月9日出願の米国仮特許出願第61/960,113号、2014年3月7日出願の米国仮特許出願第61/949,970号、2014年3月20日出願の米国仮特許出願第61/968,021号、2014年6月13日出願の米国仮特許出願第62/012,020号の利益を主張する。
政府の許諾の権利の規定
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH)から授与された認可番号DK67859の政府支援によって実施された。政府は、本発明に特定の権利を有する。
本発明は、MPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIをスクリーニングするための試薬、方法、およびキットに関する。
発明の背景
一部のリソソーム蓄積症(LSD)の治療が可能になり、多くの場合、療法の早期開始が臨床改善につながる。こうした励みになる結果は、LSDの新生児スクリーニングに対する関心の広がりを生んでいる。
新生児スクリーニングプログラムは、これらの治療可能な病気と関係している代謝産物のレベルを定量化するために設立された。現在、ニューヨーク州は、クラッベ病のスクリーニングを実現しており、別のいくつかの州では新生児スクリーニングを発展させたLSDに対する現在の法律が認可され、台湾ではポンペ病およびファブリー病についての新生児スクリーニングが実施されている。
MPS(MPS I〜VII)は、リソソーム酵素のうちの1種が不足することによって生じる代謝病/症候群のグループであり、グリコサミノグリカン(ヘパラン、デルマタン、ケラタン、またはコンドロイチンサルフェートなど)を分解する。適当な酵素として、5種のスルファターゼ、4種のエキソグリコシダーゼ、および1種の非加水分解的なアセチル−N−トランスフェラーゼが挙げられる。これらの症候群は、分解されない、または部分的に分解されたグリコサミノグリカンをもたらし、リソソーム中に蓄積し、その結果、不可逆的な多系統臓器障害を招く。
現在、いくつかのMPS症候群に対して治療が可能になったが、これらの治療による最適な効果は、不可逆的症状の発現前に治療を開始することが必要と考えられている。MPS症候群の早期発見が、治療の潜在的効果を最大化するため、早期診断に適した検査を開発する必要がある。同様に、サンプル源として乾燥血液スポット(DBS)、たとえば新生児スクリーニング用実験室に提出されるものを使用する、迅速、安価かつ信頼性のある診断法を開発する必要がある。
したがって、リソソーム酵素活性の新生児スクリーニングのための方法および試薬、特にMPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIの改善されたスクリーニングを可能にする方法および試薬に対する必要性が存在する。本発明は、この必要性を満たし、さらに関連の利点を提供する。
本発明は、MPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIをスクリーニングするための試薬、MPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIをスクリーニングするための方法、ならびに試薬を含むキットを提供する。
一側面において、本発明は、リソソーム蓄積症と関係している1種以上の酵素をアッセイする方法を提供する。
第1の態様において、方法は、
(a)サンプルを第1の溶液と接触させて、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を生成することと、
(b)溶液中の1種以上のリソソーム酵素を、分析しようとする各リソソーム酵素の酵素基質と接触させ、サンプル中に存在する各リソソーム酵素の酵素生成物を含む溶液を生成するのに十分な時間をかけて基質を酵素と一緒にインキュベートすることと、
ここで各リソソーム酵素の酵素基質は、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
を有する化合物であり、
[式中、Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(i)α−L−イズロニダーゼ、
(ii)イズロン酸2−スルファターゼ、
(iii)ヘパランN−スルファターゼ、
(iv)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(v)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(vi)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(vii)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1は、C1〜C10アルキル基またはC1〜C10アルコキシ基であり、
2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC1〜C8アルキル基である)から独立に選択され、
3は、C1〜C10アルキル基または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である]
(c)1種以上の酵素生成物の量を決定することと
を含む。
ある種の態様において、方法は、酵素生成物をグリコヒドロラーゼと接触させて第2の酵素生成物を生成することをさらに含む。ある種の態様において、方法は、阻害剤を添加して、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼまたはN−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼの基質に対して作用する内因性グリコヒドロラーゼ酵素活性を遮断することをさらに含む。
第2の態様において、方法は、
(a)サンプルを第1の溶液と接触させて、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を生成することと、
(b)溶液中の1種以上のリソソーム酵素を、分析しようとする各リソソーム酵素の酵素基質と接触させ、サンプル中に存在する各リソソーム酵素の第1の酵素生成物を含む溶液を生成するのに十分な時間をかけて基質を酵素と一緒にインキュベートすることと、
(c)第1の酵素生成物をグリコヒドロラーゼに供して、グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けやすい各第1の酵素生成物の第2の酵素生成物を生成することと、
(d)1種以上の第1の酵素生成物および/または1種以上の第2の酵素生成物の量を決定することと
を含む。
上記の方法において、ある種の第1の酵素生成物は、グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けにくい。グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けにくい、第1の酵素生成物は、以下から選択される酵素の作用によって生成される。
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、および
(c)β−グルクロニダーゼ。
グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けやすい第1の酵素生成物は、以下から選択される酵素の作用によって生成される。
(a)イズロン酸2−スルファターゼ、
(b)ヘパランN−スルファターゼ、
(c)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、および
(d)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ。
ある種の態様において、方法は、阻害剤を添加して、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼまたはN−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼの基質に対して作用する内因性グリコヒドロラーゼ酵素活性を遮断することをさらに含み、ここで、阻害剤は、工程(c)のグリコヒドロラーゼの活動を有意に阻害しない。
上記の方法において、1種以上のリソソーム酵素は、以下から選択される酵素を含む。
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ。
上記の方法のある種の態様において、分析しようとする各リソソーム酵素の内部標準は、リソソーム酵素を基質と接触させる前、後、または同時に添加する。
上記の方法のある種の態様において、酵素反応を失活した後で、1種以上の酵素生成物の量を決定する。
上記の方法の態様において、サンプルは、血液または組織サンプルである。ある種の態様において、サンプルは乾燥血液スポットである。
代表的なグリコヒドロラーゼは、ヒトヘキソサミニダーゼA、細菌性N−アセチルヘキソサミニダーゼ、細菌性β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、α−L−イズロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)、およびα−グルコシダーゼ(酵母)を含む。
代表的な阻害剤は、(Z)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン)−アミノN−フェニルカルバメート、1−デオキシノジリマイシン、カスタノスペルミン、スウェインソニン、カリステギンB2、イソファガミン(isofagamine)、タミフル、グルコノヒドロキシモラクトン、グルクロン酸ならびにそのラクトンおよびラクタム、リレンザ、ミグリトール、フェネチル置換グルコ−およびガラクト−イミダゾール、N−ヒドロキシエチルデヒドロノジリマイシン、GalNAcチアゾリン、ならびにGlcNAcチアゾリンを含む。
上記の方法のある種の態様において、酵素生成物(たとえば、第1および/または第2の酵素生成物)の量を決定することは、質量分光分析を含む。ある種の態様において、酵素生成物の量を決定することは、質量分光分析によって各生成物とその内部標準との比を決定することを含む。ある種の態様において、酵素生成物の量を決定することは、生成物およびこれらの内部標準の親イオンを生成し、単離し、衝突誘起解離を受けて、生成物断片イオンおよび内部標準断片イオンを生成する、タンデム質量分光分析を含む。ある種の態様において、酵素生成物の量を決定することは、生成物断片イオンおよび内部標準断片イオンの各ピーク強度を比較して生成物の量を計算することを含む。ある種の態様において、酵素生成物の量を決定することは、液体クロマトグラフィーまたはフローインジェクションによって生成物を質量分析計に導くことを含む。
上記の方法のある種の態様において、酵素生成物の量を決定することは、蛍光分析を含む。
上記の方法のある種の態様において、方法は、酵素生成物の量を用いて、サンプルが、1種以上のリソソーム酵素欠損症と関係している病状を治療するための候補に由来しているかどうかを決定することをさらに含む。
上記の方法の第2の態様において、ある種の態様において、基質は、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
を有する
[式中、
Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1は、C1〜C10アルキル基またはC1〜C10アルコキシ基であり、
2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC1〜C8アルキル基である)から独立に選択され、
3は、C1〜C10アルキル基または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である]。
本発明の方法において有用な代表的基質は、ここと以下に記載の本発明の基質を含む。
本発明の方法において有用な代表的内部標準は、ここに記載する本発明の内部標準を含む。
本発明の別の側面において、リソソーム蓄積症と関係している1種以上の酵素をアッセイするための試薬(基質および内部標準)を提供する。
代表的基質は、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
を有する化合物を含む
[式中、Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1は、C1〜C10アルキル基またはC1〜C10アルコキシ基であり、
2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC1〜C8アルキル基である)から独立に選択され、
3は、C1〜C10アルキル基または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である]。
ある種の態様において、L2は−(CH2n−であり、ここでnは1〜6である。
ある種の態様において、L3は、−(CH2m−(式中、mは1〜12である)である。
ある種の態様において、L4は、−(CH2n−(式中、nは1〜6である)である。
ある種の態様において、L4は存在しない。
ある種の態様において、R1は、C1〜C5アルキルである。
ある種の態様において、R2は、C1〜C8アルキルである。
ある種の態様において、R3は、C1〜C6アルキルである。
ある種の態様において、R3はフェニルである。
代表的基質を以下に示す。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
一態様において、基質は次式:
Figure 0006585052
を有する。
本発明のさらなる側面において、リソソーム蓄積症と関係している1種以上の酵素をアッセイするためのキットを提供する。一態様において、キットは、本発明の1種以上の試薬(たとえば、基質および内部標準)を含む。ある種の態様において、キットによってアッセイできる酵素は、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ(MPS−IIIB)、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)、N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)、およびβ−グルクロニダーゼ(MPS−VII)のうちの1つ以上を含む。
図1は、本発明の代表的なMPS−VIアッセイにおける、添加されたヘキソサミニダーゼAの量の関数として放出されたアグリコンの量を例示したグラフである。アグリコンは、UHPLC−MS/MSによって検出された。 図2は、本発明の代表的なMPS−IVA基質の調製の概略図である。 図3は、本発明の代表的なMPS−VI基質の調製の概略図である。 図4は、本発明の代表的なMPS−VI基質の調製の概略図である。 図5は、代表的なMPS−VI生成物の調製の概略図である。
発明の詳細な説明
本発明は、ムコ多糖症I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVII(それぞれMPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVII)をスクリーニングするための試薬、MPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIのスクリーニング方法、ならびに試薬を含むキットを提供する。
一側面において、本発明は、MPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIをスクリーニングするための試薬を提供する。ある種の態様において、本発明の試薬は、MPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIをスクリーニングするための基質(S)、生成物(P)、および内部標準(IS)を含む。
別の側面において、本発明は、MPS I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVIIのスクリーニング方法を提供する。方法は、特定の酵素をアッセイし、この酵素の不足がリソソーム蓄積症の病状につながる。方法は、有利には、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ(MPS−IIIB)、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)、N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)、およびβ−グルクロニダーゼ(MPS−VII)のうちの1つ以上をアッセイする。
試薬
一側面において、本発明は、酵素をアッセイするために有利に利用され得る試薬を提供する。試薬は、酵素基質(S)、酵素生成物(P)、およびアッセイ内部標準(IS)を含む。ある種の態様において、1種以上の基質(S)およびこれらの対応する内部標準(IS)を好適な緩衝液中で好適な酵素源、たとえば新生児検査カードまたは尿サンプル由来の乾燥血液スポットと一緒に十分な時間かけてインキュベートして1種以上の生成物(P)を形成し、続いてこれをタンデム質量分光分析によって検出する。ある種の態様において、内部標準(IS)は、標準が異なる質量(たとえば、置換されたホモログまたは重同位体、たとえば重水素および/または炭素−13置換基)を有する以外は、酵素形成生成物と化学的に類似している、または同等である。他の態様において、1つ以上の基質(S)を好適な緩衝液中で好適な酵素源と一緒にインキュベートして、1種以上の生成物(P)を形成し、これを続いて蛍光分析によって検出する。
本発明の試薬で有利にアッセイされる酵素として、以下が挙げられる:
(a)基質MPS−I−Sに作用して、生成物MPS−I−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−I−ISを使用する、α−L−イズロニダーゼ、
(b)基質MPS−II−Sに作用して、生成物MPS−II−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−II−ISを使用する、イズロン酸−2−スルファターゼ、
(c)基質MPS−IIIA−Sに作用して、生成物MPS−IIIA−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−IIIA−ISを使用する、ヘパランN−スルファターゼ、
(d)基質MPS−IIIB−Sに作用して、生成物MPS−IIIB−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−IIIB−ISを使用する、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)基質MPS−IVA−Sに作用して、生成物MPS−IVA−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−IVA−ISを使用する、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼ、
(f)基質MPS−VI−Sに作用して、生成物MPS−VI−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−VI−ISを使用する、N−アセチルガラクトサミン−4−硫酸スルファターゼ、および
(g)基質MPS−VII−Sに作用して、生成物MPS−VII−Pを生成し、アッセイには内部標準MPS−VII−ISを使用する、β−グルクロニダーゼ。
以下は、本発明の試薬、MPS−I、MPS−II、MPS−IIIA、MPS−IIIB、MPS IVA、MPS−VI、およびMPS−VIIの基質(S)、生成物(P)、ならびに内部標準(IS)の説明である。
糖−アグリコン。
本発明の基質は、グリコシドである。用語「グリコシド」は、グリコシド結合によって糖基(グリコーン)がそのアノマー炭素を通して別の基(アグリコン)に結合している化合物を意味する。
本発明の基質は、糖−アグリコン構造を有することを特徴とする。基質の糖成分は、特定の酵素の基質である天然糖またはアッセイする特定の酵素の基質であるのに十分な機能を維持する改質糖のいずれかである。基質のアグリコン成分は、酵素活性の分析を可能にする。基質のアグリコン成分は、酵素生成物の成分でもあり、分析して酵素活性を決定する。アグリコン成分は、質量分析または蛍光の分析機能を含む。分析が質量分析によるものである場合、生成物とは異なる質量を有する内部標準を用いてもよい。内部標準は、生成物と構造的に同一で、1種以上の同位体(たとえば、重水素または13C)を含むか、または構造的に類似しており、機能的に同等の構造および構造変動(たとえば、ホモログ:−(CH25−v.−(CH26−またはその逆も同様)を有するかのいずれかである。
アグリコン
本発明の試薬は、アグリコン成分を含む。アグリコンの性質は、対象の酵素をアッセイするために利用される分析技術の性質に応じて変わり得る。代表的アグリコンは、以下の式(I)〜(VI)によって表される。以下のアグリコン構造において、波線は、糖アノマー炭素に結合する箇所を示す。
ある種の態様において、アグリコンは、次式:
Figure 0006585052
を有するタイプAアグリコンである
[式中、L1は、G1とクマリン部分とを共有結合するリンカーであり、X1、X2、X3、およびX4は、それぞれの出現において独立に、水素またはハロゲン(たとえば、クロロ)である]。
ある種の態様において、L1は、1〜20個の炭素原子(分枝または直鎖状)を含み、1個以上の炭素原子は、エーテル酸素もしくは−C(=O)O−基、チオエーテル硫黄もしくは−C(=O)S−基、NH、NR、または−C(=O)NH−もしくは−C(=O)NR−(式中、Rは、炭素1〜6個のアルキル基である)により置きかえられていてもよい。水素原子による1個以上の炭素原子の置換は任意である。ある種の態様において、L1は、−CH2−C(=O)−NH−(CH25−G1である。
1は、正電荷を持つ基(たとえば、永久的に正電荷を持つ基、たとえば第四級アンモニウムイオン)、たとえば以下のうちの1つを含む:
(a)N(Ra)(Rb)(Rc+(式中、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に、Hまたは炭素1〜6個のアルキル基である)、
(b)S(Ra)(Rb+(式中、RaおよびRbは、上記の通りである)、
(c)次のタイプのピリジニウム、
Figure 0006585052
(d)次のタイプのピリジニウム、
Figure 0006585052
(e)次のタイプのピリジニウム、
Figure 0006585052
または
(f)次のタイプのピリジニウム、
Figure 0006585052
ある種の態様において、L1は、−CH2−C(=O)−NH−(CH25−C(=O)NH−CH2−C64−N+(C55)であり、ここで−C64−N+(C55)はp−ピリジニウムフェニルである。
上記のクマリン(ウンベリフェロン)アグリコン類に加えて、下記の他の蛍光アグリコン類(たとえば、フルオレセイン類、レゾルフィン類、ローダミン類、ニトロフェノール類、および7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン類)、ならびにこれらのハロゲン化誘導体)も利用できることを理解されたい。
ある種の態様において、タイプAアグリコンは次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、Rdは、水素またはメチルであり、X1、X2、X3、およびX4は、それぞれの出現において独立に、水素またはハロゲン(たとえば、クロロ)である]。上記のクマリン(ウンベリフェロン)アグリコンに加えて、他の蛍光アグリコンも利用できることを理解されたい。好適な他のアグリコン類として、フルオレセイン類、レゾルフィン類、ローダミン類、ニトロフェノール類、および7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン類)、ならびにこれらのハロゲン化誘導体が挙げられる。フルオレセイン類、レゾルフィン類、ニトロフェノール類、および7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン類)の場合、上記のクマリンにおいてと同様に、アグリコンは糖に、そのヒドロキシ基を通して結合する。ローダミンの場合、アグリコンは糖にそのアミノ基を通して結合する。
タイプAアグリコン成分は、本発明の試薬中に含まれ得、蛍光機能(すなわち、クマリン、ウンベリフェロン、フルオレセイン、レゾルフィン、ニトロフェノール、ローダミン、7−ヒドロキシ−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン)部分)を付与し、蛍光技術による分析が可能な試薬を生成する。
一態様において、アグリコンは、タイプBアグリコンであり、次式:
Figure 0006585052
を有する。
2は、1〜20個の炭素原子(分枝または直鎖状)を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がヘテロ原子(たとえば、N、O、S)で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子が置換されていてもよい(たとえば、C1〜C6アルキル、ハロゲン)。ある種の態様において、L2は−(CH2n−であり、ここでnは1〜6である。ある種の態様において、L2は−(CH22−である。
3は、1〜20個の炭素原子(分枝または直鎖状)を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がヘテロ原子(たとえば、N、O、S)で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子が置換されていてもよい(たとえば、C1〜C6アルキル、ハロゲン)。ある種の態様において、L3は−(CH2m−であり、ここでmは1〜12である。ある種の態様において、L3は−(CH2m−であり、ここでmは4、5または6である。
1は、C1〜C10アルキル基(たとえば、分枝または直鎖状)またはC1〜C10アルコキシ基(たとえば、OtBu)である。ある種の態様において、R1は、C1〜C5アルキル基(たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル)である。
2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基(たとえば、分枝または直鎖状)、C1〜C10アルコキシ基(たとえば、分枝または直鎖状)、ハロゲン(たとえば、フルオロ、クロロ)、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR[式中、RはC1〜C8アルキル基(たとえば、メチル)であり、nは0、1、2、3または4である]から独立に選択される。R2の(フェノール性酸素に対する)代表的な置換パターンは、2−、2,6−ジ、3−、3,5−ジ、および2,3−ジを含む(すなわち、2位および6位はオルトであり、3位および5位はメタである)。ある種の態様において、R2は、フェノール性酸素に対してオルトまたはメタのいずれかに配置されるフルオロ、メチル、またはメトキシ基である(たとえば、2−フルオロ、2−メチル、2−メトキシ、3−フルオロ、3−メチル、3−メトキシ)。他の態様において、R2は、フェノール性酸素に対してメタに配置されるフルオロ、メチル、またはメトキシ基である。ある種の態様において、nはゼロであり、フェニレン基は無置換である。
3は、C1〜C10アルキル基(たとえば、分枝または直鎖状)、または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基(たとえば、フェニル)である。アリール基の置換基として、C1〜C10アルキル基(たとえば、分枝または直鎖状)、およびハロゲン(たとえば、クロロ)が挙げられる。ある種の態様において、R3はC1〜C6アルキル基(たとえば、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル)である。他の態様において、R3はフェニル基である。
ある種の態様において、タイプBアグリコンは、次式:
Figure 0006585052
を有する
[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りであり、R4は、それぞれの出現において、C1〜C6アルキル(たとえば、メチル)から独立に選択され、mは0、1、2、3、4または5である。ある種の態様において、mは0である。他の態様において、R4はC1〜C5アルキル基(たとえば、メチル)であり、mは2である]。
別の態様において、タイプBアグリコンは、次式:
Figure 0006585052
を有する
[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りであり、L4は、1〜20個の炭素原子(分枝または直鎖状)を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がヘテロ原子(たとえば、N、O、S)で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子が置換されていてもよい(たとえば、C1〜C6アルキル、ハロゲン)。ある種の態様において、L4は−(CH2n−であり、ここでnは1〜6である。ある種の態様において、L4は−(CH2)−である]。
ある種の態様において、タイプBアグリコンは、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、L4、R1、R2、R4、nおよびmは、式(V)について上で説明した通りである]。
重原子誘導体。
ある種の態様において、本発明の試薬は、これらの重原子誘導体(すなわち、1つ以上の重原子同位体を含む誘導体)を含む。重原子誘導体は、質量分光分析を利用するアッセイ用の内部標準として有用である。ある種の態様において、タイプAおよびタイプBアグリコンは、アグリコンの質量が1ダルトン以上増加するように、重水素で置きかえられる1個以上(たとえば、3個以上)の水素原子または炭素−13で置きかえられる1個以上(たとえば、3個以上)の炭素原子を有する。酵素生成物と内部標準のペア(たとえば、MPS−II−PおよびMPS−II−IS)間の関係では、試薬は質量が異なり、質量の違いは、追加の(または減じた)原子(たとえば、L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、またはR4に対して、たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、またはR4中、たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
MPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、VI、およびVII試薬の基質/内部標準ペア用の代表的アグリコンを以下に挙げる:
MPS−I基質(式(IV)参照)の場合、R1はメチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は水素であり、mは5であり、MPS−I内部標準の場合、R1はメチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は重水素であり、mは5である。
MPS−II基質(式(IV)参照)の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は水素であり、mは5であり、MPS−II内部標準の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は重水素であり、mは5である。
MPS−IIIA基質(式(IV)参照)の場合、R1はエチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は水素であり、mは5であり、MPS−IIIA内部標準の場合、R1はエチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R4は重水素であり、mは5である。
MPS−IIIB基質(式(III)参照)の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はエチルであり、MPS−IIIB内部標準の場合、R1はn−ブチルであり、R2は重水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はエチルである。
MPS−IVA基質(式(III)参照)の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH25−であり、R3は3,5−ジメチルフェニルであり、MPS−IVA内部標準の場合、R1はn−ブチルであり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH25−であり、R3は3,5−ジメチルフェニルであり、R2は重水素であり、nは4であり、代替の態様において、MPS−IVA基質の場合、R1はn−ペンチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はフェニルであり、MPS−IVA内部標準の場合、R1はn−ペンチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はd5−フェニルである。
MPS−VI基質(式(IV)参照)の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH25−であり、R4は水素であり、mは5であり、MPS−VI内部標準の場合、R1はn−ブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH25−であり、R4は重水素であり、mは5である。
MPS−VII基質(式(III)参照)の場合、R1はブチルであり、R2は水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はプロピルであり、MPS−VII内部標準の場合、R1はブチルであり、R2は重水素であり、nは4であり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH26−であり、R3はプロピルである。

ある種の態様において、試薬は、pH環境に応じて荷電基(たとえば、−NH3 +、−CO2 -、−OSO3 -、−NHSO3 -)になることができるアミノ基(たとえば、−NH2)、カルボン酸基(−CO2H)、スルホン酸基(たとえば、−OSO3H)、およびアミドスルホン酸基(たとえば、−NHSO3H)を含む。本発明の試薬は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
代表的なMPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、およびVI試薬の調製は、例1、4および5に記載されている。
以下は、本発明の代表的な試薬(すなわち、化合物)の説明である。
MPS−I試薬
一態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−I試薬(S、P、およびIS試薬)
[式中、
1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、およびR4=H
または
4=H、OH、NH2、およびR3=H
5=H、OH、NH2、およびR6=H
または
6=H、OH、NH2、およびR5=H
7=H、OH、NH2、およびR8=H
または
8=H、OH、NH2、およびR7=H
9=COOH、およびR10=H
または
10=COOH、およびR9=H
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供する。
上記の化合物の場合、アグリコンは上記の通りである。
上記のMPS−I試薬のある種の態様において、炭水化物部分は、水素原子により置きかえられ、この場合、水素原子がアグリコンに添加される。これらの試薬は、MPS−I酵素生成物および内部標準を代表するものである。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +または−CO2 -)になることができるアミノ基(たとえば、−NH2)およびカルボン酸基(−CO2H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
上記の通り、本発明の化合物は、これらの重原子誘導体を含む。重原子誘導体は、内部標準として有用である。ある種の態様において、タイプAおよびタイプBアグリコンは、アグリコンの質量が1ダルトン以上増加するように、重水素で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)水素原子、または炭素−13で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)炭素原子を有する。酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
上に定義のMPS−I試薬のある種の態様において、炭水化物部分は水素原子により置きかえられ、この場合、水素原子がアグリコンに添加される。これらの試薬は、MPS−I酵素生成物および内部標準を代表するものである。
代表的なMPS−I試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−I基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−I基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、およびR1は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−I基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−I−S)から形成されたMPS−I生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−I生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−I−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−I内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−I−ISの質量は、MPS−I−Pの質量と異なり、この2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−I−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中には図示せず)を含むことができ、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、およびR2の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、およびR2と異なる)を有し得る。
代表的なMPS−I内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−I基質に由来する代表的なMPS−I生成物は、代表的なMPS−I内部標準を使用してアッセイすることができる。
MPS−II試薬
一態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−II試薬(S、P、およびIS試薬)
[式中、
1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=OSO3H、NHSO3Hであり、R4=H
または
4=OSO3H、NHSO3Hであり、R3=H
5=H、OH、NH2であり、R6=H
または
6=H、OH、NH2であり、R5=H
7=H、OH、NH2であり、R8=H
または
8=H、OH、NH2であり、R7=H
9=COOHであり、R10=H
または
10=COOHであり、R9=H
ただし、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供する。
上記の化合物の場合、アグリコンは上記の通りである。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +、−CO2 -、−OSO3 -)になることができるアミノ基(たとえば、−NH2)、カルボン酸基(−CO2H)、およびスルホン酸基(たとえば、−OSO3H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
上記の通り、本発明の化合物は、これらの重原子誘導体を含む。重原子誘導体は、内部標準として有用である。さらなる態様において、タイプAおよびタイプBアグリコンは、アグリコンの質量が1ダルトン以上増加するように、重水素で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)水素原子、または炭素−13で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)炭素原子を有する。酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
MPS−II酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
代表的なMPS−II試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−II基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−II基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、およびR1は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−II基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−II−S)から形成されたMPS−II生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−II生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−II−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−II内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−II−ISの質量は、MPS−II−Pの質量と異なり、この2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−II−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中には図示せず)を含むことができ、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、またはR2の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、またはR2と異なる)を有し得る。
代表的なMPS−II内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−II基質に由来する代表的なMPS−II生成物は、代表的なMPS−II内部標準を使用してアッセイすることができる。
MPS−IIIA試薬
別の態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−IIIA試薬(S、PおよびIS試薬)
[R1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、NHSO3H、OSO3Hであり、R4=H
または
4=H、OH、NH2、NHSO3H、OSO3Hであり、R3=H
5=H、OH、NH2であり、R6=H
または
6=H、OH、NH2であり、R5=H
7=H、OH、NH2であり、R8=H
または
8=H、OH、NH2であり、R7=H
9=CH2OH、CH2NH2であり、R10=H
または
10=CH2OH、CH2NH2であり、R9=H]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供し、
式中、アグリコンは、上記の通りであるが、
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +、−NHSO3 -)になることができる、アミノ基(たとえば、−NH2)およびアミドスルホン酸基(たとえば、−NHSO3H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
MPS−IIIA酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
代表的なMPS−IIIA試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−IIIA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−IIIA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、およびR1は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IIIA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IIIA−S)から形成されたMPS−IIIA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IIIA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IIIA−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−IIIA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−IIIA−ISの質量は、MPS−IIIA−Pの質量と異なり、この2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−IIIA−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中には図示せず)を含むことができ、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、R2の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、R2と異なる)を有し得る。
代表的なMPS−IIIA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−IIIA基質に由来する代表的なMPS−IIIA生成物は、代表的なMPS−IIIA内部標準を使用してアッセイすることができる。
MPS−IIIB試薬
さらなる態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−IIIB試薬(S、PおよびIS試薬)
[R1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR4=H
または
4=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR3=H
5=H、OH、NH2、およびR6=H
または
6=H、OH、NH2、およびR5=H
7=H、OH、NH2、およびR8=H
または
8=H、OH、NH2、およびR7=H
9=CH2OH、CH2NH2、およびR10=H
または
10=CH2OH、CH2NH2、およびR10=H]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供し、
式中、アグリコンは、上記の通りであるが、
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)。
上記のMPS−IIIB試薬のある種の態様において、炭水化物部分は水素原子により置きかえられ、この場合、水素原子がアグリコンに添加される。これらの試薬は、MPS−IIIB酵素生成物および内部標準を代表するものである。
一態様において、糖は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上式において、「NHAc」は、「NH−C(=O)CH3」を意味する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +)になることができる、アミノ基(たとえば、−NH2)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
MPS−IIIB酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
代表的なMPS−IIIB試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−IIIB基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−IIIB基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、およびR3は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IIIB基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IIIB−S)から形成されたMPS−IIIB生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IIIB生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IIIB−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−IIIB内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−IIIB−ISの質量は、MPS−IIIB−Pの質量とは異なり、これら2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−IIIB−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中では図示せず)を含んでいてもよい、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、R2、またはR3は、内部標準のL2、L3、R1、R2、またはR3と異なる)を有していてもよい。
代表的なMPS−IIIB内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−IIIB基質に由来する代表的なMPS−IIIB生成物は、代表的なMPS−IIIB内部標準を使用してアッセイすることができる。
MPS−IVA試薬
別の態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−IVA試薬(S、PおよびIS試薬)
[R1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR4=H
または
4=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR3=H
5=H、OH、NH2、およびR6=H
または
6=H、OH、NH2、およびR5=H
7=H、OH、NH2、およびR8=H
または
8=H、OH、NH2、およびR7=H
9=CH2OH、CH2OSO3H、CH2NH2、CH2NHSO3H、およびR10=H
または
10=CH2OH、CH2OSO3H、CH2NH2、CH2NHSO3H、およびR9=H]その塩およびこれらの重原子誘導体を提供し、
式中、アグリコンは、上記の通りであるが、
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +、−OSO3 -)になることができる、アミノ基(たとえば、−NH2)およびスルホン酸基(たとえば、−OSO3H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
MPS−IVA酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
代表的なMPS−IVA試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。R4は、それぞれの出現において、C1〜C6アルキル(たとえば、メチル)から独立に選択され、mは0、1、2、3、4または5である。
他の態様において、MPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R4、およびmは、式(IV)について上で説明した通りである]。
他の態様において、MPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、およびR3は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の代表的なMPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IVA−S1)から形成されたMPS−IVA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する
[式中、L2、L3、R1、R2、R4、n、およびmは、式(IV)で上述した通りである]。
別の態様において、上記基質(MPS−IVA−S2)から形成されたMPS−IVA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、およびR3は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−IVA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の代表的なMPS−IVA生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−IVA−S1およびMPS−IVA−S2)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−IVA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
および
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、R3、R4、n、およびmは、上記の通りである]、MPS−IVA−IS1とMPS−IVA−IS2の質量は、MPS−IVA−P1とMPS−IVA−P2の質量とはそれぞれ異なり、これら2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−IVA−IS1およびMPS−IVA−IS2は、1個以上の重原子同位体(上記の構造中では図示せず)を含んでいてもよい、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、R2、R3、またはR4の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、R2、R3、またはR4と異なる)を有していてもよい。
代表的なMPS−IVA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の代表的なMPS−IVA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−IVA基質に由来する代表的なMPS−IVA生成物は、代表的なMPS−IVA内部標準を使用してアッセイすることができる。
さらなる代表的なMPS−IVA試薬セットを以下に記述する。
さらなる代表的なMPS−IVA基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
さらなる代表的なMPS−IVA生成物標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
さらなる代表的なMPS−IVA内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上式において、Xは、フルオロ、メチル、およびメトキシから選択される。
MPS−VI試薬
別の態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−VI試薬(S、PおよびIS試薬)
[R1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR4=H
または
4=H、OH、NH2、NHR11[式中、R11=ホルミル、アセチル、C=O((CH2nCH3)(式中、n=1〜6)]、およびR3=H
5=H、OH、NH2、およびR6=H
または
6=H、OH、NH2、およびR5=H
7=CH2OH、CH2OSO3H、CH2NH2、CH2NHSO3H、およびR8=H
または
8=CH2OH、CH2OSO3H、CH2NH2、CH2NHSO3H、およびR7=H
9=CH2OH、CH2NH2、およびR10=H
または
10=CH2OH、CH2NH2、およびR9=H]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供し、
式中、アグリコンは、上記の通りであるが、
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
別の態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
上式において、「AcNH」は、「CH3C(=O)NH」を意味する
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +、−OSO3 -)になることができる、アミノ基(たとえば、−NH2)およびスルホン酸基(たとえば、−OSO3H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
MPS−VI酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
代表的なMPS−VI試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−VI基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−VI基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、およびR1は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−VI基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−VI−S)から形成されたMPS−VI生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−VI生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−VI−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−VI内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−VI−ISの質量は、MPS−VI−Pの質量と異なり、この2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−VI−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中では図示せず)を含んでいてもよい、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、またはR2の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、またはR2と異なる)を有していてもよい。
代表的なMPS−VI内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−VI基質に由来する代表的なMPS−VI生成物は、代表的なMPS−VI内部標準を使用してアッセイすることができる。
MPS−VII試薬
一態様において、本発明は、次式:
Figure 0006585052
によって定義されるMPS−VII試薬(S、PおよびIS試薬)
[式中、
1=アグリコン、R2=H
または
1=H、R2=アグリコン
3=H、OH、NH2、およびR4=H
または
4=H、OH、NH2、およびR3=H
5=H、OH、NH2、およびR6=H
または
6=H、OH、NH2、およびR5=H
7=H、OH、NH2、およびR8=H
または
8=H、OH、NH2、およびR7=H
9=COOH、およびR10=H
または
10=COOH、およびR9=H
ただし、R3とR4、R5とR6、およびR7とR8のペアのうちの1つのみが、両方のR基を水素として有していてもよい(すなわち、炭水化物環は、環内に単一のメチレン基(−CH2−)のみを含むことができる)]、
その塩およびこれらの重原子誘導体を提供する。
上記の化合物の場合、アグリコンは上記の通りである。
上記のMPS−VII試薬のある種の態様において、炭水化物部分は、水素原子により置きかえられ、この場合、水素原子がアグリコンに添加される。これらの試薬は、MPS−VII酵素生成物および内部標準を代表するものである。
一態様において、糖は次式:
Figure 0006585052
を有する。
ある種の態様において、化合物は、pH環境に応じて電荷基(たとえば、−NH3 +または−CO2 -)になることができるアミノ基(たとえば、−NH2)およびカルボン酸基(−CO2H)を含む。本発明の化合物は、これらの塩(たとえば、金属塩)を含むことを理解されたい。
上記の通り、本発明の化合物は、これらの重原子誘導体を含む。重原子誘導体は、内部標準として有用である。ある種の態様において、タイプAおよびタイプBアグリコンは、アグリコンの質量が1ダルトン以上増加するように、重水素で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)水素原子、または炭素−13で置きかえられる1個以上の(たとえば、3個以上の)炭素原子を有する。酵素生成物および内部標準は、質量が異なり、質量の違いは、追加原子(たとえば、1つ以上のメチレンによる化合物の一部の長さにおける変化)の使用によって、または重原子(たとえば、水素の場合は重水素、炭素の場合は13C、窒素の場合は15N)の取り込みによって実現し得る。
上記のMPS−VII試薬のある種の態様において、炭水化物部分は水素原子により置きかえられ、この場合、水素原子がアグリコンに添加される。これらの試薬は、MPS−VII酵素生成物および内部標準を代表するものである。
代表的なMPS−VII試薬は、以下の化合物を含む。
ある種の態様において、MPS−VII基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
ある種の態様において、MPS−VII基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、およびR3は、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−VII基質は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−VII−S)から形成されたMPS−VII生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]。
代表的なMPS−VII生成物は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
上記基質(MPS−VII−S)から形成された生成物をアッセイする上で有用なMPS−VII内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有し[式中、L2、L3、R1、R2、R3、およびnは、式(III)について上で説明した通りである]、MPS−VII−ISの質量は、MPS−VII−Pの質量と異なり、この2つは質量分析により識別できる。上記の通り、MPS−VII−ISは、1個以上の重原子同位体(上記の構造中には図示せず)を含むことができ、または構造変動(たとえば、基質のL2、L3、R1、R2、またはR3の1個以上は、内部標準のL2、L3、R1、R2、またはR3と異なる)を有し得る。
代表的なMPS−VII内部標準は、次式:
Figure 0006585052
を有する。
代表的なMPS−VII基質に由来する代表的なMPS−VII生成物は、代表的なMPS−VII内部標準を使用してアッセイすることができる。
試薬キット
本発明の試薬は、有利には、キット中に合わせて酵素的アッセイを実施することができる。特定のアッセイ用の試薬キットは、適当な酵素基質と内部標準のペア(たとえば、MPS−II−SおよびMPS−II−IS)を含む。ある種の態様において、キットは、1つ超の基質/内部標準ペアを含み、1種超の酵素をアッセイするために使用され得る(すなわち2種、3種、4種、5種または6種の酵素を1つのスクリーンにおいてアッセイできる多重検定)。他の態様において、キットは、アッセイを実施するための緩衝液をさらに含む。他の態様において、キットは、質量分析計を調節するために使用できる酵素生成物をさらに含む。他の態様において、キットは、品質管理乾燥血液スポットをさらに含む。このアッセイを実施するための指示書もキットに含まれ得る。
酵素的アッセイ
本発明の試薬は、リソソーム蓄積症と関係している酵素をアッセイするために有利に利用することができる。アッセイにおいて、1種以上の基質(S)を好適な緩衝液中で好適な酵素源、たとえば新生児スクリーニングカードまたは尿サンプル由来の乾燥血液スポットと一緒に十分な時間かけてインキュベートして、1種以上の生成物(P)を形成し、これを続いてタンデム質量分析によって検出する。アッセイには、ある種の態様において、酵素形成生成物と化学的に同一であるが、質量が異なる(たとえば、置換されている重同位体、たとえば重水素および/または炭素−13置換)、内部標準(IS)も使用される。インキュベーションは、好適な緩衝液中で行って、酵素反応を進行させる(たとえば、5mM酢酸バリウムおよび7.5mM酢酸セリウムを含有する100mMギ酸アンモニウムpH4.5)。
本発明の試薬で有利にアッセイされる酵素として、以下が挙げられる:
(a)MPS−Iの基質に作用して、MPS−I生成物を生成し、アッセイにはMPS−I内部標準を使用する、α−L−イズロニダーゼ、
(b)MPS−IIの基質に作用して、MPS−II生成物を生成し、アッセイにはMPS−II内部標準を使用する、イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)MPS−IIIAの基質に作用して、MPS−IIIA生成物を生成し、アッセイにはMPS−IIIA内部標準を使用する、ヘパランN−スルファターゼ、
(d)MPS−IIIBの基質に作用して、生成物MPS−IIIB生成物を生成し、アッセイにはMPS−IIIB内部標準を使用する、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)MPS−IVAの基質に作用して、MPS−IVA生成物を生成し、アッセイにはMPS−IVA内部標準を使用する、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼ、
(f)MPS−VIの基質に作用して、MPS−VI生成物を生成し、アッセイにはMPS−VI内部標準を使用する、N−アセチルガラクトサミン−4−硫酸スルファターゼ、および
(g)MPS−VIIの基質に作用して、MPS−VII生成物を生成し、アッセイにはMPS−VII内部標準を使用する、β−グルクロニダーゼ。
上記の酵素をアッセイするための代表的方法は、全内容が参照によりここに明確に組み込まれている、WO2009/026252(PCT/US2008/073516)、WO2010/081163(PCT/US2010/020801)、WO2012/027612(PCT/US2011/049224)、およびWO2013/070953(PCT/US2012/064205)に記載されている。本発明の試薬は、これらの方法において有利に利用され得る。
本発明のMPS−I、II、IIIA、IIIB、IVA、およびVI試薬を使用する代表的アッセイを例1〜11に記載する。
本発明のアッセイは、本発明から逸脱しない変更を含むことができる。いくつかの変更を以下に記述する。
第1の態様において、基質および内部標準をアッセイ用緩衝液中で酵素源と一緒にインキュベートした後、失活し(たとえば、アセトニトリルの添加)、次いで糖−アグリコン生成物および内部標準(MPS−I、MPS−IIIB、ならびにMPS−VIIの場合、生成物はアグリコン(および添加した水素)であることに留意されたい)の質量分光分析(たとえば、LC/MSMS)および定量化を行う。
第2の態様において、アッセイは、第1の態様に記載した通りであるが、生成物および内部標準を抽出するのに好適な有機溶媒(たとえば、酢酸エチル)を用いて(任意で失活せずに)酵素反応混合物を抽出し、抽出した混合物を濃縮乾固し、次いでフローインジェクション質量分光分析(たとえば、FIA/MSMS)に適した溶媒中に取り込む点を例外とする。
第3の態様において、アッセイは、第2の態様に記載した通りであるが、失活させる間、陰イオン交換樹脂の懸濁液を添加して基質を捕捉する点を例外とする。
第4の態様において、アッセイは、第1の態様に記載した通りであるが、基質を開裂せずに初期のスルファターゼ生成物(サルフェートが除去された糖−アグリコン)を開裂するのに適した第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ、たとえば細菌β−N−アセチルガラクトアミニダーゼ)をアッセイ用カクテル(基質および内部標準)中に添加する点を例外とする。抽出、濃縮、および再可溶化の後、質量分光分析(たとえば、FIA/MSMS)を実施し、アグリコン生成物および内部標準を定量化する。場合によっては、硫酸化糖−アグリコン基質に作用してグリコシド結合を切断し得る、乾燥血液スポットサンプル中の内因性である酵素が存在し得る(すなわち、ヒトヘキソサミニダーゼA)。この場合、この内因性酵素の阻害剤を添加して、添加基質に対する内因性酵素の作用を遮断することができる。この阻害剤は、アッセイに添加されたグリコヒドロラーゼの作用を遮断しないように選択される。
第5の態様において、アッセイは、第2の態様に記載した通りであるが、選択性スルファターゼ糖−アグリコン基質を開裂するのに適した第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ)をアッセイ用カクテル(基質および内部標準)中に添加する点を例外とする。失活後、質量分光分析(たとえば、LS/MSMS)を用いてアグリコン生成物および内部標準を定量化する。この態様の改変形態では、内因性作用(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)の阻害剤もアッセイ用カクテルに添加する。
第6の態様において、基質および内部標準をアッセイ用緩衝液中で酵素源と一緒にインキュベートし、次いで緩衝液を添加してpHをシフトさせ(たとえば、pH6に)、第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ)の作用を最適化した後、グリコヒドロラーゼ(たとえば、細菌β−N−アセチルガラクトアミニダーゼ)を添加し、インキュベート(たとえば、1〜2時間)する。次いで、サンプルを失活させ、質量分光分析(たとえば、LS/MSMS)を使用してアグリコン生成物および内部標準を定量化する。この態様の改変形態では、内因性酵素活性(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)の阻害剤もアッセイ用カクテルに添加する。
第7の態様において、アッセイは、第6の態様に記載した通りであるが、酵素反応混合物を(任意で失活せずに)、生成物および内部標準を抽出するのに適した有機溶媒(たとえば、酢酸エチル)を用いて抽出し、抽出した混合物を濃縮乾固し、次いでフローインジェクション分析(たとえば、FIA/MSMS)に適した溶媒中に取り込む点を例外とする。この態様の改変形態では、内因性酵素活性(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)の阻害剤もアッセイ用カクテルに添加する。
第8の態様において、有機溶媒を用いて抽出し、生成物および内部標準を単離することを利用した上記の態様の場合、溶媒を除去した後、好適なアシル化剤(たとえば、無水酢酸)および好適な塩基(たとえば、トリエチルアミン)を好適な溶媒に溶かした溶液を添加し、その結果得られる組み合わせをインキュベート(1〜2時間)し、MS分析において感度が向上した、アシル化(たとえば、アセチル化)アグリコン生成物および内部標準を生成する。
第9の態様において、アッセイは、第8の態様に記載した通りであるが、アシル化剤および塩基を抽出(たとえば、酢酸エチル)溶媒中に含めて、抽出プロセス中にまたは抽出させてインキュベート(たとえば1〜2時間)した後で、アグリコンおよび内部標準をアシル化(たとえば、アセチル化)させる点を例外とする。
第10の態様において、基質および第2の酵素(グリコヒドロラーゼ)をアッセイ用緩衝液中で酵素源と一緒にインキュベートした後、失活させ、次いで蛍光分析により蛍光生成物を定量化する。この態様の改変形態では、内因性酵素活性(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)の阻害剤もアッセイ用カクテルに添加する。この態様の場合、タイプAアグリコンを有する基質を使用する。
第11の態様において、基質をアッセイ用緩衝液中で酵素源と一緒にインキュベートし、次いで緩衝液を添加してpHをシフトし(たとえば、pH6に)、第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ)の作用を最適化した後、グリコヒドロラーゼ(たとえば、細菌β−N−アセチルガラクトアミニダーゼ)を添加し、インキュベート(たとえば、1〜2時間)し、次いで失活して、蛍光分析で蛍光生成物を定量化する。この態様の改変形態では、内因性酵素活性(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)の阻害剤もアッセイ用カクテルに添加する。この態様の場合、タイプAアグリコンを有する基質を使用する。
ある種の態様において、追加のアッセイオプションも本発明の方法の範囲内に含まれる。2つのオプションを以下に記述する。
アッセイオプション1
所望のセットの基質と酵素源を好適な緩衝液中でインキュベートした後、反応液を、好適な溶媒、たとえば酢酸エチルを用いた液液抽出にかける。第2の酵素(グリコヒドロラーゼ)を使用せずにMPS−IIをアッセイしてアグリコンを生成する場合、混合物を、好適な酸、たとえばクエン酸で、pH約2〜3に酸性化する必要があり、これにより、MPS−II−Pのカルボキシレート基がプロトン化され、より良好に酢酸エチルに抽出される。このアッセイにおいて第2の酵素を使用して糖を除去する場合、カルボキシ基がないため、アグリコンは、酸性化しなくてもよく溶媒に抽出する。液液抽出工程の目的は、2つの部分からなり、すなわち(1)抽出が、質量分析計におけるイオン化プロセスを干渉すると考えられている緩衝塩をほとんど除去させることと、(2)抽出が、酵素基質の抽出を最小限に抑えながら、ほとんどの酵素生成物を抽出させることである。質量分析計のイオン化源中のサルフェートが損失することによって基質が部分的に分解して生成物が形成し、これが、定量化することが望ましい唯一の酵素的に生成される生成物なので、これは有用である。液液抽出の後、酢酸エチル層を新しい容器に移し、蒸発によって溶媒を除去する。残留物を、質量分析計に注入するのに適した溶媒に取り込む。例示的溶媒は、水性ギ酸アンモニウム/メタノール混合物である。生成物および内部標準を、前駆イオンが第1の四重極中で単離され、次いで衝突誘起解離を受けて1つ以上の生成イオンを形成する多重反応モニタリングモードにおいて検出する。このような1つの生成イオンが第3の四重極中で単離され、イオン検出器(タンデム質量分析)によって検出される。各フラグメント化反応は、各生成物および内部標準につき1反応とし、デューティーサイクルの様式で別々にモニタリングし、生成物および内部標準の全セットを定量化する。生成物のモル数を得るために、生成物の質量分析シグナル(イオン計数)を内部標準のそれで割り、この比に、アッセイに添加した内部標準のモル数を乗じる。
アッセイオプション2
上記アッセイの変更に、改変プレ質量分析サンプルワークアップを使用する。インキュベートして基質から生成物を酵素的に生成した後、小分割量の好適な陰イオン交換樹脂を混合物に添加する。例示的樹脂は、Whatmann製のDE52である。陰イオンが、陰イオン交換樹脂上で陽イオンと静電相互作用によって結合し、この場合、すべての陰イオン性検体が樹脂に結合することがよく知られている。基質MPS−I−S、MPS−II−S、MPS−IIIA−S、MPS−IVA−S、MPS−VI−S、およびMPS−VII−Sは、カルボキシレート(MPS−I−SおよびMPS−VII−S)または硫酸エステルのいずれかを含有することで樹脂に結合する。MPS−I−P、MPS−I−IS、MPS−IVA−P、MPS−IVA−IS、MPS−VI−P、MPS−VI−IS、MPS−VII−P、およびMPS−VII−ISは、電荷が欠乏している、または正電荷を含有し(MPS−IIIA−PおよびMPS−IIIA−IS)、そのため樹脂には結合されない。MPS−IIIB−S、MPS−IIIB−PおよびMPS−IIIB−ISも、負電荷を欠き、樹脂に結合されない。MPS−II−S、MPS−II−PおよびMPS−II−ISは、すべて陰イオン性であり、そのためすべて樹脂に結合される。このアッセイオプションでは、アッセイ用緩衝液は、MPS−II−PおよびMPS−II−ISに作用し、MPS−II−Sに作用しない組み換え型α−L−イズロニダーゼを含有し、アグリコンからイズロン酸残基を除去することにより、電荷を欠いた遊離アグリコンを残留させる。したがって、MPS−II−PおよびMPS−II−ISから誘導された、結果として得られる検体は、陰イオン交換樹脂に結合しない。組み換え型α−L−イズロニダーゼが含まれる場合、酵素はMPS−I−Sに作用してMPS−I−Pを作製するため、アッセイにMPS−I−Sを含むことはできない。α−L−イズロニダーゼの使用は、陰イオン交換樹脂を添加する、こうしたMPS−IIアッセイに限定されない。この酵素の添加は、陰イオン交換体を使用しない他のすべてのMPS−IIアッセイに適用できる。
陰イオン交換樹脂を添加した後、アッセイオプション1と同様に、混合物を酢酸エチルで抽出し、樹脂に結合されていないすべての検体は酢酸エチルに抽出される。次いで、タンデム質量分析による分析のために、アッセイオプション1に記載の通りに、酢酸エチル層を処理する。
多重アッセイ
本発明の方法は、MPS−I、MPS−II、MPS−IIIA、MPS−IIIB、MPS−IVA、MPS−VI、およびMPS−VIIの1つ以上ならびにこれらの任意の組み合わせの分析を提供する。質量分析を利用してアッセイ用生成物を定量化する態様の場合、ある種の態様において、各アッセイ用の生成物は質量が異なる。1回のアッセイを利用してすべてのアッセイ用生成物を定量化できるように、各生成物の質量は異なっている。質量の弁別性は、基質の選択によって実現される。
上記のMPS−I、MPS−II、MPS−IIIA、MPS−IIIB、MPS−IVA、MPS−VI、およびMPS−VIIの代表的な基質は、質量の異なる生成物を生成する(すなわち、質量が同一の生成物は2つとない)。対応する内部標準(上記のMPS−I、MPS−II、MPS−IIIA、MPS−IIIB、MPS−IVA、MPS−VI、およびMPS−VIIの代表的な内部標準を参照)を一緒に用いて、一度に単回より多い検定を実行し、分析する能力が得られる結果となる。
他の態様において、1つ超の生成イオンは同一の質量を有し得る。これらの態様において、これらの等圧生成物から誘導される分裂片質量が異なる限り、定量が得られる(すなわち、親イオン質量/断片イオン質量の組み合わせは、各種を混合物中で定量化する上で独特である)。
一態様において、本発明は、ここで記載する試薬を使用して、MPS−I、MPS−II、MPS−IIIA、MPS−IIIB、MPS−IVA、MPS−VI、およびMPS−VII、またはこれらの任意のサブセットを同時にアッセイする方法を提供する。
スルファターゼアッセイ:MPS II、IIIA、IVA、およびVIスクリーニング
別の態様において、本発明は、新生児スクリーニングのための、リソソーム蓄積症と関係しているスルファターゼ(MPS II、IIIA、IVA、およびVI)の検出用のアッセイ、試薬、およびキットを提供する。
タンデム質量分析を使用するリソソーム酵素のアッセイは、リソソーム蓄積症の新生児スクリーニングに有用である。アッセイには、一般的な構造:サルフェート−糖−アグリコンの基質が利用される。これらの基質は、リソソームスルファターゼによって作用し、サルフェートを欠いた生成物:糖−アグリコンを得る。ある種のアッセイにおいて、糖−アグリコン生成物を、タンデム質量分析を用いて検出した。
本発明は、こうしたスルファターゼアッセイの代替を提供する。本発明のアッセイのある種の側面において、第2の酵素をアッセイ用カクテルに添加し、糖の除去を行ってアグリコンを生成する。アグリコンのタンデム質量分析による検出は、糖−アグリコンの検出よりも高感度である。糖を除去する第2の酵素は、硫酸化糖に作用しない(すなわち、第2の酵素は、スルファターゼの基質に作用しない)。したがって、本発明は、好適なグリコヒドロラーゼまたは好適なリアーゼをアッセイ用カクテルに添加して、最終酵素生成物としてアグリコンを生成し、次いで、これをタンデム質量分析によって検出する追加工程を含む方法を提供する。
ここで使用する場合、用語「グリコヒドロラーゼ」は、グリコシドを加水分解する酵素を意味する。用語「リアーゼ」は、糖C2からプロトンを除去し、グリコシド酸素(たとえば、アグリコン脱離基)をなくし、不飽和糖誘導体を生成する酵素を意味する。
好適な第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼおよびリアーゼ)は、ここで記載する酵素生成物のアグリコンから糖を切断し(たとえば、サルフェートが除去された場合に糖を切断するのみ)、酵素基質自体には作用せず、硫酸化基質を切断してアグリコンを生成し得る、ヘキソサミニダーゼAなどの乾燥血液スポット中に存在する内因性酵素の作用を遮断するために本発明のアッセイに添加される阻害剤によって阻害されないことを特徴とする。
好適な第2の酵素は、グリコヒドロラーゼおよびリアーゼを含む。
代表的なグリコヒドロラーゼは、ヒトヘキソサミニダーゼA、細菌性N−アセチルヘキソサミニダーゼ、細菌性β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ(たとえば、パエニバチルス属TS12)、α−L−イズロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)、およびα−グルコシダーゼ(酵母)を含む。
代表的なリアーゼは、ヘパリンリアーゼ(ヘパリナーゼ)およびヘパラナーゼを含む。
アッセイ法
一側面において、本発明は、MPS II、IIIA、IVA、およびVIのスクリーニング方法を提供する。この方法は、その欠陥がリソソーム蓄積症の状態を招く特異的酵素をアッセイする。この方法は、有利には、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)、およびN−アセチルガラクトサミン−4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)のうちの1つ以上をアッセイする。
上記の通り、本発明の方法において、第2の酵素は、質量分光分析の態様の感度を改善し、蛍光分析の態様におけるフルオロフォアを生成するために利用される。本方法によれば、好適なスルファターゼ基質(すなわち、サルフェート−糖−アグリコン)を、スルファターゼ活性について評価するサンプルと接触させる。サンプルがスルファターゼを含む場合、基質は、初期酵素生成物(すなわち、糖−アグリコン)に酵素的に変換される。本発明の方法において、第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ)は、初期酵素生成物に作用して、二次酵素生成物(すなわち、アグリコン)を生成する。タンデム質量分析による二次酵素生成物(すなわち、アグリコン)の分析は、第2の酵素が存在せず、初期に形成された酵素生成物の糖−アグリコンの分析に依存する先行するアッセイと比べて高い感度を示す。タイプAアグリコンを含有する基質の場合、サルフェートが除去された後のみ、第2の酵素が作用して蛍光アグリコンを放出する。これにより、蛍光分析によるスルファターゼのアッセイが可能になる。
蛍光分析の場合、失活には、pHを約10に上げた緩衝液が含まれ得、アグリコンのフェノール性ヒドロキシを脱プロトン化することによって、生成物(アグリコン)の蛍光性を強くする。
アッセイにおいて、1種以上の基質(S)を、好適な緩衝液中で好適な酵素源、たとえば新生児スクリーニングカードまたは尿サンプルに由来する乾燥血液スポットと一緒に十分な時間をかけてインキュベートして1種以上の生成物(P1)を形成し、これを続いて第2の酵素(すなわち、グリコヒドロラーゼ)に供して二次酵素生成物(P2)を生成し、これをタンデム質量分析によって検出する。アッセイには、ある種の態様において、酵素形成生成物と化学的に同一であるが、質量が異なる(たとえば、置換されている重同位体、たとえば重水素および/または炭素−13置換)内部標準(IS)も使用する。ある種のアッセイにおいて、内部標準は、第2の酵素によっても作用し、最終内部標準を生成し、これをタンデム質量分析によって検出する。好適な緩衝液中でインキュベートを行い、酵素反応を進行させる。好適な緩衝液は、たとえば、7.5mM酢酸バリウムおよび5mM酢酸セリウムを含有する100mMギ酸アンモニウムpH4.5である。
有利には、本発明の試薬と一緒にアッセイされる酵素として、以下が挙げられる:
(a)MPS−IIの基質に作用して、MPS−II生成物を生成し、アッセイにはMPS−II内部標準を使用する、イズロン酸2−スルファターゼ、
(b)MPS−IIIAの基質に作用して、MPS−IIIA生成物を生成し、アッセイにはMPS−IIIA内部標準を使用する、ヘパランN−スルファターゼ、
(c)MPS−IVAの基質に作用して、MPS−IVA生成物を生成し、アッセイにはMPS−IVA内部標準を使用する、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼ、
(d)MPS−VIの基質に作用して、MPS−VI生成物を生成し、アッセイにはMPS−VI内部標準を使用する、N−アセチルガラクトサミン−4−硫酸スルファターゼ。
ある種の態様において、追加のアッセイオプションも、本発明の方法の範囲内に含まれる。上記のアッセイオプション1および2は、これらのアッセイ法において利用され得る。
試薬
MPS II、IIIA、IVA、およびVIをスクリーニングするための試薬は、MPS II、IIIA、IVA、およびVIをスクリーニングするための基質(S)、生成物(P)、および内部標準(IS)を含む。
酵素をアッセイするために、試薬を有利に利用することができる。試薬は、酵素基質(S)、酵素生成物(P)、およびアッセイ内部標準(IS)を含む。ある種の態様において、1種以上の基質(S)およびこれらの対応する内部標準(IS)を好適な緩衝液中で、好適な酵素源、たとえば新生児スクリーニングカードまたは尿サンプル由来の乾燥血液スポットと一緒に十分な時間をかけてインキュベートし、1種以上の生成物(P)を形成し、これを続いて第2の酵素(たとえば、グリコヒドロラーゼ)に供して、第2の酵素生成物を生成し、これは、タンデム質量分析により検出される。ある種の態様において、内部標準(IS)は、酵素形成生成物と化学的に同一であるが、標準の質量が異なる点(たとえば、置換されている重同位体、たとえば重水素および/または炭素−13置換)は例外である。
これらのスルファターゼのアッセイにおいて有用な試薬は、ここで記載されているものを含めたMPS−II、MPS−IIIA、MPS IVA、およびMPS−VIの基質(S)、生成物(P)、および内部標準(IS)を含む。
MPS−II、MPS−IIIA、MPS IVA、およびMPS−VIの代表的なアッセイは、例7〜11に記載されている。
MPS IVAおよびVIスクリーニングの代表的アッセイおよび結果
上記の通り、グリコヒドロラーゼおよびリアーゼ酵素を使用して、質量分析を用いたスルファターゼのアッセイの感度を改善し、蛍光分析用の蛍光アグリコン生成物を生成する。関連側面において、阻害剤を添加して内因性グリコヒドロラーゼ活性を遮断する工程をさらに含む方法を提供する。
好適な阻害剤は、内因性グリコヒドロラーゼ活性を遮断するが、添加したグリコヒドロラーゼの作用を有意に阻害しない。乾燥血液スポットは、たとえば、一工程で硫酸化基質に作用してアグリコンを形成できるヘキソサミニダーゼAを含有する。この場合、スルファターゼ酵素を定量化するために、タンデム質量分析法または蛍光測定法によってアグリコンを測定する際に、ヘキソサミニダーゼの阻害剤を添加することが最適である。添加した阻害剤は、初期スルファターゼ生成物をアグリコンに変換するためにアッセイに添加される第2の酵素を有意に阻害しないはずである。
好適な阻害剤は、生体サンプル中のヘキソサミニダーゼを遮断するが、第2の酵素を完全には遮断しない。阻害剤は、第2の酵素を部分的に遮断できるが、完全ではなく、第2の酵素は、初期のスルファターゼ生成物すべてがそのアグリコンにならない場合にほとんどを変換し得る。好適な阻害剤は、ヒトヘキソサミニダーゼA、ヒトヘキソサミニダーゼB、および/またはヒトヘキソサミニダーゼXを阻害する。
代表的な阻害剤として、(Z)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン)アミノ N−フェニルカーバメート (Z−PUG−NAc)、1−デオキシノジリマイシン、カスタノスペルミン、スウェインソニン、カリステギンB2、イソファガミン、タミフル、グルコノヒドロキシモラクトン、グルクロン酸ならびにそのラクトンおよびラクタム、リレンザ、ミグリトール、フェネチル置換グルコ−およびガラクト−イミダゾール、N−ヒドロキシエチルデヒドロノジリマイシン、GalNAcチアゾリン、ならびにGlcNAcチアゾリンが挙げられる。
MPS−IVAおよびMPS−VIの代表的なアッセイを以下に記述する。
ムコ多糖症IVAの代表的アッセイ。
一態様において、モルキオA症候群としても知られるMPS−IVAのアッセイを行い、MPS−IVAにおいて欠乏している酵素であるN−アセチルガラクトサミン−6−スルファターゼ(GALNSとしても知られ、ここでは、この用語と同義で使用される)を検出する。GALNS基質は、アグリコンに結合したN−アセチルガラクトース−6−サルフェートであり、ここでR1はn−ブチルであり、L2は−CH2CH2−であり、L3は−(CH25−であり、R3はフェニルである(下記参照)。本アッセイは、6−サルフェートが除去された後にのみ、アグリコンからN−アセチルガラクトサミンを除去する酵素を添加することを含む。アグリコンからN−アセチルガラクトサミンを除去する酵素は、β−グリコシドをN−アセチルガラクトサミンとN−アセチルグルコサミン残基に開裂させるβ−ヘキソサミニダーゼ(たとえば、ヒトヘキソサミニダーゼA)である。生体サンプルは、ヒトヘキソサミニダーゼAおよび他のヒトヘキソサミニダーゼを含有していてもよい。ヒトヘキソサミニダーゼAは、MPS−IVA基質に作用して、アグリコンを生成することができる。表1に示す通り、ヒトヘキソサミニダーゼAは、6位で糖が硫酸化される場合でもグリコシドを開裂することができる。Z−PUG−NAcが省かれている行を参照されたい。
表1は、乾燥血液スポット中の内因性ヘキソサミニダーゼAの量が、モルキオA症候群の新生児スクリーニング用の乾燥血液スポットを使用するGALNSアッセイにおいて問題を生じることも示す。
Figure 0006585052
ある種の態様において、細菌酵素である、パエニバチルス属TS12由来のβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ(β−NGA)(J.Biol.Chem.2011,286、14065〜14072)を、アッセイにおいて使用する。この酵素は、ヒトヘキソサミニダーゼに構造的に関連せず、表1に示すデータは、6位で硫酸化されないとき、細菌酵素が、βグリコシドをN−アセチル−ガラクトサミンに開裂させ、サルフェートを保有する場合に酵素が基質にそれほど作用しないことを示す。
ある種の態様において、ヒトヘキソサミニダーゼAの阻害剤をアッセイにおいて使用して、GALNS基質に及ぼすヒトヘキソサミニダーゼAの作用を遮断する。ある種の態様において、阻害剤は、β−NGAを有意に阻害しない。
上記のアッセイにおいて使用されるGALNS基質は、次の構造を有する:
Figure 0006585052
代表的なアッセイは、GALNS源として新生児スクリーニングカードの乾燥血液スポットを使用する。こうしたアッセイは、β−NGAおよびヒトヘキソサミニダーゼA:Z−PUG−NAc((Z)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン)−アミノN−フェニルカルバメート)の阻害剤も使用する。
乾燥血液スポット中のGALNS酵素は、上に示すGALNS基質に作用し、生成物(すなわち、6−サルフェートを含まないGALNS基質)を遊離する。アッセイカクテル中の細菌β−NGAは、6−サルフェートを含まないGALNS基質に作用してアグリコンを遊離し、GALNS基質に作用しない。アッセイカクテルへのZ−PUG−NAcの添加は、内因性ヒトヘキソサミニダーゼAのGALNS基質に作用してアグリコンを発生させる能力を遮断する。次いで、タンデム質量分析によってアグリコンを検出する。したがって、アグリコンの形成は、GALNSの作用に印をつけ、感度は、最初に形成された脱硫酸化生成物よりもアグリコンを検出することによって得られる。
MPS−IVAの代表的なスルファターゼアッセイは、例10に記載している。
MPS−VIの代表的アッセイ。
別の態様において、本発明は、MPS−VIのために開発したアッセイを提供し、MPS−VIに不足している酵素であり、マロトー・ラミー症候群としても知られる、アリールスルファターゼB(ASB)を検出した。
以下のASB(MPS−VI)基質を、アッセイにおいて使用した:
Figure 0006585052
ASBは、ASB基質のN−アセチルガラクトサミン−4−サルフェート基から4−サルフェートを除去する。本発明より以前は、N−アセチルガラクトサミン−4−サルフェートに作用するヒトヘキソサミニダーゼAの能力に関するデータは入手できなかった。組み換え型ヒトヘキソサミニダーゼAは、ASB基質に作用してアグリコンを遊離させる。アグリコンは、UHPLC−MS/MSによって検出した(図1参照)。
図1は、混合物にヘキソサミニダーゼAの量を添加するに従い、このアグリコンの量が増加することを示す。混合物は、指示量のヘキソサミニダーゼを含有するpH5.6の100mMのギ酸アンモニウム緩衝液中の1mMのASB基質を含む。37℃で5時間インキュベートした後、混合物をUHPLC−MS/MSによって分析する。ヘキソサミニダーゼAが省かれる場合はアグリコンが存在しないので、アグリコンのシグナルは、基質がアグリコンによって汚染されたわけではない。アグリコンの量は、ヘキソサミニダーゼAが増えると増加し(図1)、アグリコンのUHPLC保持期間は、認められたアグリコンのそれと一致し、ASB基質の保持期間と異なるので、アグリコンは、質量分析計のエレクトロスプレーイオン化源におけるASBの切断によって産出されたものではない。したがって、ヘキソサミニダーゼAは、ASB基質に作用してアグリコンを生成する。ヘキソサミニダーゼAは、ASB基質に作用してアグリコンを生成するため、この酵素は、ASBの連成解析において使用できず、さらに、ASB基質から直接アグリコンを生成しないようにヘキソサミニダーゼAを阻害することが重要である。
ヒトヘキソサミニダーゼAのASB基質への作用を確立し、GALNS用に開発したものと同じ手法を使用する、すなわち、β−NGAおよびZ−PUG−NAcを添加するASBアッセイを開発した。結果を以下の表2に記載する。GALNSアッセイのための実験(例10を参照)を実施したが、GALNS基質は1mMのASB基質に置きかえられる。
Figure 0006585052
実験1(血液を含む全アッセイ)と実験2(血液を含まない対照)の比較は、両方の実験で、β−NGAの存在がほとんどのASB内部標準をそのアグリコンに変換することを示す。血液を有する場合のアグリコンの量1,570,000は、血液を含まない対照において形成された58,300を大きく上回る。実験3は、血液およびZ−PUG−NAcを有するが、β−NGAは有さず、ASB生成物の量371,000を、β−NGAの存在下で、そのアグリコンのシグナル1,570,000と比較すると、ここでも生成物をアグリコンに変換する感度の利点を示す。最後に、実験4は、血液がなく、β−NGAまたはZ−PUG−NAcもなく、ASB基質が、少量の生成物3,340およびそのアグリコン33,800によって汚染されていることを示す。
本発明は、GALNSおよびASB酵素活性のアッセイを実行するために、ここで以下に記述する特性を有する任意の酵素の使用を提供する:
(a)ここで記載するアッセイに使用する酵素は、糖が4位または6位にサルフェートを保有していない場合のみ、糖を切断してアグリコンを生成する必要がある、および
(b)ここで記載するアッセイに使用する酵素は、アッセイ対象のリソソーム酵素源である生体サンプル(たとえば、乾燥血液スポット)中に存在するヒトヘキソサミニダーゼAを顕著に阻害する、アッセイ混合物に添加される阻害剤によって有意に阻害されてはならない。
蛍光検出。
いくつかの態様において、本発明のある種のアッセイは、蛍光法を用いる、ここで記載する酵素のアッセイにおいても有用である。一側面において、アグリコンは蛍光性であるが、糖とグリコシド結合を形成する場合は蛍光性が弱い。したがって、一側面において、アリールスルファターゼB(ASB)と細菌N−アセチルガラクトサミニダーゼとを組み合わせた作用は、蛍光性の強いアグリコンを形成するため、蛍光シグナルを高くする。本発明のアッセイでの使用に適した蛍光性グリコシドを以下に示す。
Figure 0006585052
上に示す蛍光性グリコシドは、追加の置換基(R基)を保有する7−ヒドロキシクマリンに結合したグリコシドを含有する蛍光性ASB基質である。ASBに後続する細菌N−アセチルガラクトサミニダーゼの連続作用は、置換された7−ヒドロキシクマリンをもたらし、これはグリコシドよりも蛍光性が強い。したがって、ASBは、蛍光シグナルの増加を観察してアッセイする。グリコシドがASBおよびN−アセチルガラクトサミニダーゼの基質であり、グリコシドを切断したときにフルオロフォアの蛍光強度が変化する限り、他のフルオロフォアも使用可能である。脱プロトン化の結果、フェノールがフェノキシドになる場合、高pHで蛍光強度が大きく向上することを理解されたい。実験的には、ある種の態様において、pH10.5の緩衝液でアッセイを失活して蛍光性を現す。
以前は、ASBをアッセイするこの方法も、グリコシドを選択的に切断するために酵素を使用することも、硫酸化されていなければ、役に立たなかった。この方法は、糖残基の6位にサルフェートを含有する好適な基質を用いてGALNSをアッセイするために使用することもできる。本発明は、グリコシドとしてガラクトース−6−サルフェートに結合される4−メチルウンベリフェロンなど、他の基質よりも迅速にGALNSによって作用する、N−アセチル−ガラクトサミン−6−サルフェートベースの基質を使用するアッセイを提供する。
以下の例は、説明を目的とし、本発明を制限せずに提供されるものである。
[実施例]
例1
代表的なMPS−IおよびMPS−II試薬の合成
この例において、代表的なMPS−I(MPS−I−S−アセチル−C6およびMPS−I−IS−アセチル−C6)試薬およびMPS−II(MPS−II−S−ペンタノイル−C6およびMPS−II−IS−ペンタノイル−C6)試薬の合成を記述する。
1−F−2,3,4−トリアセトキシ−イズロン酸メチルエステルの合成
1−F−2,3,4−トリアセトキシ−イズロン酸メチルエステルの合成を以下に記述する。
工程1
Figure 0006585052
1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−α,β−グルコピラノシルウロン酸メチル(Carbosynth、UK)の50.05g(133.0mmol)分を0℃、窒素下で295mLの33%HBr/酢酸(Acros カタログ番号123180010)中に懸濁させ、0℃で15分間攪拌した。反応液を室温まで温め、攪拌を3時間続けた。反応液を295mLのトルエンで希釈し、次いでロータリーエバポレーター(30〜35℃の水浴および水流式アスピレータによる吸引)上で濃縮した。残留物を800mLのEtOAcに溶解し、500mLの氷冷した飽和水性NaHCO3で洗浄し、氷冷したブラインで洗浄し、次いで無水Na2SO4で脱水した。溶液を濾過し、上記のように回転蒸発で溶媒を除去した。化合物を高真空下の室温に1時間置いた。プロトン−NMR(CDCl3)は、生成物と一致する。20%EtOAc/ヘキサン(5%H2SO4のMeOH溶液によるチャーリング(charring))を用いてシリカ上で実施したTLCは、Rfが約0.5の出発材料でRfが約0.6の生成物を示す。起点のすぐ上に2つの小さなスポットが検出された。
上記からの未精製臭化物を600mLの無水アセトニトリルに溶解し、窒素下で約5分間攪拌して臭化物を溶解した。フラスコをアルミニウム箔で包んで光を遮蔽した。20.27gのAgF(Oakwood カタログ番号002862)を一部ずつ添加した。室温の暗所で、反応液を24時間、窒素下で攪拌した。20%EtOAc/ヘキサン(5%H2SO4のMeOH溶液によるチャーリング)を用いてシリカ上で実施したTLCは、Rfが約0.6の出発材料でRfが約0.5の生成物を示す。混合物を、吸引によってセライトパッドに通して濾過し、次いで濾液を回転蒸発で濃縮した(30〜35℃の水浴および吸引のための水流式アスピレータ)。180gシリカをガラスカラムにローディングし、ヘキサンをカラムに通した。化合物はEtOAcに溶解し、必要最低限量の乾燥シリカを加えた。回転蒸発によってEtOAcを除去し、得られた化合物/シリカの混合物をカラム上部にローディングした。カラムは、低気圧で操作した。最初に1Lの100%ヘキサンをカラムに通し、生成物は溶出しなかった。次いで、カラムに2Lの20%EtOAc/ヘキサンを通したところ、生成物は溶出しなかった。1Lの25%EtOAc/ヘキサンでも生成物を溶出しなかった。最後にカラムに3Lの30%EtOAc/ヘキサンを通すと、すべての生成物が溶出された。各画分を貯めて、回転蒸発によって溶媒を除去して、白色の結晶性固体を得た。生成物を高真空下の室温で1時間乾燥して、27.0gの生成物(収率60.4%)を得た。プロトン−NMR(CDCl3)は、生成物と一致した。
工程2
Figure 0006585052
6.0gの上記のフッ化物および6.0gのNBS(Aldrich カタログ番号B81255−500G、熱湯から再結晶化し、高真空下で終夜乾燥した)を240mLのCCl4(JT Baker カタログ番号1512−3)に溶解し、UVランプ(450W、Ace Glass7825−34ランプ、石英ジャケット、水の循環によりランプを冷却する)の横に置いた丸底フラスコ中、窒素下で攪拌した。同じ反応液を入れた別の丸底フラスコを同UVランプの反対側に置いた。2つの反応液は、このやり方で同時に実施した。
フードの外側をアルミニウム箔で覆って化学者を保護した。ランプのスイッチを入れ、反応液を78℃で2時間還流させた。ランプをオフにし、一回分約6gのNBSをそれぞれの反応液に添加し、UVランプをオンに戻し、反応液の還流を続行させた。さらに2時間後、追加の一回分約6gのNBSを上記と同様に添加し、UVランプの存在下でさらに3時間還流を続けた。合計7時間後、ランプをオフにし、反応液を室温まで放冷させた。各反応液をガラスウールに通して濾過し、ウールを50mLのCCl4で洗浄した。回転蒸発(35℃の水浴および吸引のための水流式アスピレータ)によって溶媒を除去した。30%EtOAc/ヘキサンを用いたTLCは、出発材料のすぐ上に移動した生成物のスポットは約0.6のRfを示した(5%H2SO4のMeOH溶液によるチャーリング)。4×6g規模の反応液を、180gのシリカをローディングしたカラム上で同時に精製した。化合物をEtOAcに溶解し、必要最低限量の乾燥シリカを加え、回転蒸発によってEtOAcを除去し、次いでシリカ/化合物の混合物をカラム上部に導入した。カラムに1Lの100%ヘキサンを流したところ、生成物は溶出されなかった。カラムに2Lの10%EtOAc/ヘキサンを流したところ、生成物は溶出されなかった。カラムに3Lの20%EtOAc/ヘキサンを流したところ、生成物は溶出され、ゆっくり溶出された2つのスポットがTLCで可視化された。副生成物(速く溶出されたTLCスポット)を含有していた画分(加えた3Lのうちの700mL〜1300mL)は廃棄した。全生成物を含有する画分(加えた3Lのうちの1400mL〜2500mL)を合わせ、回転蒸発によって溶媒を除去して粘性の黄色の液体を得て、これを終夜放置して結晶性固体にした。この固体を高真空下に12時間置いた。合計生成物18.90gが4×6gの反応液から得られた(収率63.3%)。
工程3
Figure 0006585052
上記の臭化物9.92gを154mLのトルエン(非乾燥、Macron Chemicals カタログ番号4483−4L)に溶解し、窒素下で攪拌した。10.0mLのBu3SnH(Aldrich 234188−10GまたはAcros 215730500のいずれか)を添加し、混合物を110℃で1時間還流した。TLC(10%EtOAcのトルエン溶液)が、出発材料がいくらか残留していたことを示したため、さらに1時間還流を続けた。TLCを繰り返し、反応が完了したことを示した。丸底フラスコを室温に放冷させ、回転蒸発によって溶媒を除去した(約40℃の水浴および吸引のための水流式アスピレータ)。
180gのシリカをカラムに導入した。未精製残留物をシリカに吸収させ、先と同様にカラムに導入した。カラムに1Lの100%トルエンを流したところ、生成物は溶出されなかった。カラムに1Lの10%EtOAc/トルエンを流したところ、生成物は溶出されなかった。カラムに2.5Lの20%EtOAc/トルエンを流したところ、生成物は溶出され、ゆっくり溶出された2つのスポットがRf約0.6で確認された(10%EtOAc/トルエンにおけるTLC)。Rf約0.7の速く溶出されたスポットは、副生成物のグルクロン酸であった。速く溶出されたTLCスポットを含有していた画分(2.5Lのうちの600mL〜1000mL)は廃棄した。生成物を含有する画分(2.5Lのうちの1100mL〜2100mL)を貯めて、回転蒸発によって濃縮して(約40℃の水浴および吸引のための水流式アスピレータ)、高真空下で3時間置いて5.2gの生成物(収率64.7%)を得た。生成物は、精製すると、透明な粘性の液体である。
アグリコンの調製
アグリコンは2つの方法によって作製できる。第1の方法は、市販のモノ−BOC−1,6−ヘキサンジアミンの、HP−Ph−NHCO−CH=CH2へのマイケル付加、続いて第2級アミンのアセチル化、BOCの除去、および第1級アミンのベンゾイル化を利用する。フェノール−OHのベンゾイル化がいくらか生じるが、サンプルの処理前に、このエステルはけん化によって切断される。第2の方法は、モノ−BOC−1,6−ヘキサンジアミンを塩化ベンゾイルで処理し、BOCを除去してモノベンゾイル−1,6−ヘキサンジアミンを得、これをマイケル付加に使用した後、第2級アミンをアセチル化することを含む。ベンゾイル化およびBOC除去は両方ともほぼ定量的であるため、各経路は本質的に同等である。
対称ジアミンのモノベンゾイル化(Tang,W.;Fang、S.Tetrahedron Lett.2008、49、6003)
Figure 0006585052
安息香酸メチル(1.0g、7.34mmol)に、ペンタン−1,5−ジアミン(0.75g、7.34mmol)および水(0.37mL)を添加し、混合物を常時攪拌しながら24時間100℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、短いシリカカラムに直接導入した(シリカカラムは、予め、4%トリエチルアミンのクロロホルムを流し、続いて100%クロロホルムを流した後で、反応混合物を導入した)。30%メタノールのクロロホルムで溶出して、所望の淡黄色の油状物のモノベンゾイル化生成物(0.80g、53%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.83 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.58 - 7.31 (m, 4H), 3.41 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.76 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.74 - 1.21 (m, 6H).
[M+H]+に対するMS(ESI+)、計算値:207.1、観測値:207.2。
方法1
CH2Cl2(400mL)中の4−アミノフェノール(50g、458mmole)の溶液および飽和NaHCO3の水(400mL)溶液を室温で10分間攪拌し、次いで塩化アクリロイル(40.9mL、503.8mmole)を滴下添加し、反応液を室温でさらに6時間攪拌した。生成した固体を濾過によって集め、水で洗浄し、真空下(油ポンプ)で乾燥して、75gの4−アクリルアミドフェノールを得た。
4−アクリルアミドフェノール(163mg、1mmol)およびモノ−BOC−1,6−ヘキサンジアミン(Ark Pharm Inc.)(237mg、1.1mmol)を、イソプロパノール(9mL)と水(1mL)の溶液に溶解し、65℃の油浴中で48時間加熱した。反応混合物を回転蒸発によって濃縮して、マイケル付加反応生成物を得、これはさらなる精製をせずに、次の工程で使用した。
上記工程で得た残留物に、CH2Cl2(4mL)および4mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。塩化アセチル(0.21mL、3mmole)を室温で攪拌しながら滴下添加し、混合物をさらに3時間、室温で攪拌した。層を分離させ、回転蒸発によってCH2Cl2層を濃縮した。
残留物を4mLのCH2Cl2に溶解し、2mLの4M HClのジオキサンを攪拌しながら滴下添加した。室温で1時間、攪拌し続けた。生成固体を濾過によって集め、固体を真空(油ポンプ)下で乾燥した。
上記の固体に、10mLのCH2Cl2および10mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。塩化ベンゾイル(0.23mL、2mmole)を攪拌しながら滴下添加し、混合物を室温でさらに3時間攪拌した。層を分離させ、ロータリーエバポレーターによってCH2Cl2層を濃縮した。残留物を2mLのMeOHに溶解し、2mLの5%NaOH水溶液を添加した。混合物を室温で30分間攪拌した(この工程はベンゾイル化フェノールを完全に除去するために必要である)。混合物を1M HClで中性化し、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過して、回転蒸発によって溶媒を除去した。残留物を、5%MeOHのCH2Cl2を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、170mgの純粋な生成物(全体収率40%)を得た。
方法2。
氷冷したジクロロメタン(350mL)中のモノ−BOC−1,6−ヘキサンジアミン・HCl(20g、79.12mmol)の乾燥溶液に、無水トリエチルアミン(33mL、237.4mmol)を窒素雰囲気下で攪拌しながら滴下添加した。10分後、塩化ベンゾイル(9.64mL、83mmol)を0℃にて滴下添加し、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。水(200mL)を加え、水性層を一回分200mLのCH2Cl2で2回抽出し、有機抽出液を合わせ、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、回転蒸発によって濃縮した。生成固体をヘキサンで洗浄して低極性不純物を除去し、固体は、精製せずに次の工程に使用した。
上記固体を100mLのCH2Cl2に溶解し、300mLのCH2Cl2中20%のTFAを0℃で攪拌しながら滴下添加し、生成混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を回転蒸発によって濃縮した。得られた残留物を300mLの水に溶解し、一回分200mLのCH2Cl2で2回洗浄し、低極性の不純物を除去した。得られた水性層を5%NaOH水溶液で中性化し、一回分200mLのCH2Cl2で4回抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で脱水し、濾過し、回転蒸発によって溶媒を除去した。得られた粗生成物(14.6g、66.4mmol、84%)は、さらに精製せずに次の工程で使用した。このやり方で遊離アミンを得、これは次の工程(マイケル付加)に必要である。
4−アクリルアミドフェノール(8.43g、51.6mmol)およびモノ−ベンゾイル−1,6−ヘキサンジアミン(12.5g、56.8mmol)をイソプロパノール(450mL)と水(50mL)の溶液に溶解し、65℃の油浴中で48時間加熱した。反応混合物を回転蒸発によって濃縮して、マイケル付加生成物を得て、これを2部に分け、さらに精製せずに次の工程に使用した。
アセチル化。
上記工程で得た残留物に、CH2Cl2(100mL)、DMF(10mL)および100mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。塩化アセチル(3.7mL、52mmol)を室温で攪拌しながら滴下添加し、混合物を室温でさらに6時間攪拌した。有機層を分離し、水性層を一回分50mLの5%MeOHのCH2Cl2で2回抽出した。有機層を合わせ、回転蒸発によって濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜5%MeOHのCH2Cl2)によって精製し、MPS−Iアグリコン(4.5g、10.6mmol)を収率41%で得た。
ペンタノイル化。
上記工程で得た残留物に、CH2Cl2(100mL)、DMF(10mL)および100mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。塩化ペンタノイル(6.17mL、52mmol)を室温で攪拌しながら滴下添加し、混合物を室温でさらに6時間攪拌した。有機層を分離し、水性層を一回分50mLの5%MeOHのCH2Cl2で2回抽出した。有機層を合わせ、回転蒸発によって濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜5%MeOHのCH2Cl2)によって精製し、MPS−IIアグリコン(3.5g、7.5mmol)を収率29%で得た。
MPS−I−IS−アセチル−C6
内部標準MPS−I−P−アセチル−C6は、d5−塩化ベンゾイル(Aldrich)を使用する以外は、MPS−Iアグリコンについて記載したものと同様に調製した。酵素生成物MPS−I−P−アセチル−C6は、MPS−Iアグリコンである(すなわち、ISと同一であるが、ベンゾイルは重水素化されない)。
アグリコンとイズロニル−Fとの結合、脱アセチル化、およびメチルエステル加水分解
以下に、MPS−IIアグリコンと結合させるための手順を記述する。MPS−Iアグリコンと結合するための手順も同様である。
Figure 0006585052
MPS−IIアグリコン(1.9g、4.06mmol、1当量)、2,3,4−トリヒドロキシ−イズロノシ(iduronosy)−1−Fメチル(1.23g、3.66mmol、0.9当量)および2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(2.5g、12.2mmol、3当量)を高真空(油ポンプ)下で1時間乾燥し、乾燥CH2Cl2(80mL、0.05M)に溶解した。BF3−エーテラートを添加する前にすべてのMPS−IIアグリコンを溶解した。MPS−Iアグリコンとの反応では、より多くのCH2Cl2を使用して0.02Mアグリコンを得た(BF3−エーテラートを添加した後でもすべては溶解しなかった)。
BF3・Et2O(5.1mL、40.6mmol、10当量)を窒素雰囲気下の室温で攪拌しながら滴下添加した。反応混合物を室温で2.5時間攪拌した後、150mLの飽和水性NaHCO3を添加した。水性層をCH2Cl2で抽出し、有機抽出物を合わせ、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水した。溶液を濾過し、回転蒸発によって濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2、次いで1〜4%MeOHのCH2Cl2)によって精製し、生成物(1.87g、2.38mmol)を収率65%で得た。
脱アセチル化。
結合生成物(2.7g、3.44mmol、1当量)の75mLの乾燥メタノール溶液(Aldrich)に、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(2.75mL、1.38mmol、0.4当量)を0℃の窒素雰囲気下で攪拌しながら滴下添加した。反応混合物を0℃で3時間攪拌した。反応混合物をAG 50W−X8樹脂(H+)で中性化し、濾過した。濾液を回転蒸発によって濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(1〜6%MeOHのCh2Cl2溶液)によって、収率92%で生成物(2.1g、3.19mmol)を得た。
メチルエステル加水分解。
MPS−I−S−アセチル−C6は、メチルエステルを脱メチルすることによって作製する。MPS−II−S−ペンタノイル−C6の場合、脱アセチル化合物を硫酸化し、次いでメチルエステルを加水分解する。MPS−II−P−ペンタノイル−C6は、メチルエステルのけん化によって作製し、MPS−I−S−アセチル−C6の場合のような硫酸化は行わない。MPS−II−IS−ペンタノイル−C6は、MPS−II−P−ペンタノイル−C6の場合と同様に作製するが、d5−ベンゾイル基を含有するアグリコンによって作製する。
脱アセチル化合物(1.5g、2.44mmol、1当量)を150mLの水/メタノール(1:1)に室温で溶解した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液を、溶液のpHが約8(pH紙)に達するまで、0.1当量のNaOHの増加分で添加した。反応の進行に応じて0.1MのNaOH溶液を増加分添加することによって(約2当量のNaOHを添加した)、pHを維持した。反応混合物を終夜攪拌した。反応混合物を1MのHClで中性化し、回転蒸発によって濃縮した。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(5%MeOHおよび1%AcOHのCh2Cl2、次いで10%MeOHおよび2%AcOHのCh2Cl2)によって精製し、生成物MPS−I−S−アセチル−C6(1.45g、2.41mmol)を収率98%で得た。
MPS−I酵素生成物を基質から可能な限り多く除去することが重要であり、そうしなければアッセイブランクはより高くなる。生成物は抽出しやすいので、基質をpH7の水に溶解してEtOAcで抽出してもよい。しかし、そのカルボキシレートに起因して陰性の基質は、水中に残留する。1.5gのMPS−I−S−アセチル−C6を200mLの蒸留水に溶解し、pHメーターを使用して、KOHによってpHを7近くに調節する。一回分200mLのEtOAcで3回抽出する。水性層を丸底フラスコに移し、水流式アスピレーションおよび30℃の水浴を備えたロータリーエバポレーター上に配置し、約20分間、回転蒸発して水中のEtOAcをすべて除去する。次いで、水性層を凍結乾燥して最終生成物のMPS−I−S−アセチル−C6のナトリウム塩を得る。この手順により、MPS−I生成物を含有する基質が生成された。代替の精製を調べた。
一代替において、50mgのMPS−I−S−Ac−C6を5mLの水に溶解し、希釈したNaOH水溶液でpH7(pHメーター)に調節し、ボルテックスすることによって8mLの酢酸エチルを用いて抽出し、次いで遠心分離にかけて層を分離し、さらに4回繰り返した(すなわち、合計40mLの酢酸エチル)。水性層を凍結乾燥した。MPS−I生成物の量は非常に少なく、この精製によって許容されるものだった。
別の代替において、120mgのMPS−I−S−Ac−C6を、10分にわたって1〜10%MeOH/CH2Cl2線形勾配を使用し、次いで20%までのMeOH/2%水/CH2Cl2を使用したフラッシュSiカラム(10gシリカ)によって精製した。材料のピークを3つのバッチ:ピークの3分の1、3分の2および最後の3番目にプールした。30℃の水浴および水吸引を備えた回転蒸発によって溶媒を除去した。3つの別々のバッチを用いて行ったアッセイは、中間および最後の3番目のピーク材料が、許容量のMPS−I−生成物を含有していたことを示した。
硫酸化およびメチルエステル加水分解。
脱アセチル化合物(2g、3.04mmol、1当量)を無水MeOH(120mL)中に可溶化し、ジブチルスズ(IV)オキシド(1.13g、4.56mmol、1.5当量)を添加した。反応混合物を窒素下で1時間、還流下で加熱し、その後、ジブチルスズオキシドを完全に溶解した。反応混合物を放冷させ、真空下で濃縮した。残留物を、無水トルエン(100mL)を用いて一度に共蒸発し、微量の水を除去した。残留物を無水N,N−ジメチルホルムアミド(120mL)中に可溶化した。三酸化硫黄−トリメチルアミン複合体(633.8mg、4.56mmol、1.5当量)を添加し、反応混合物を室温、窒素雰囲気下で24時間攪拌した。反応混合物をMeOH(20mL)で失活した。次いで混合物を真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(10%MeOHおよび1%H2O/CH2Cl2、次いで20%MeOHおよび2%H2O/CH2Cl2)によって精製して、サルフェート化合物(1.2g、1.63mmol)を収率53.6%で得た。
サルフェート化合物(1g、1.35mmol)を室温で1:1のメタノール−水(100mL)中に可溶化した。溶液のpHが約8(pH紙)に達するまで、0.1M NaOH水溶液を0.1当量のNaOHの増加分で添加した。反応の進行に応じて(15〜30分ごと)0.1M NaOH溶液を量を増やしながら添加することによってpHを維持した。pHを高くしないことは恐らく重要であり、その理由は、これが、硫酸エステルのいくつかの加水分解をもたらし得るからである。反応混合物を終夜攪拌した(約2当量のNaOH添加)後、真空下で濃縮し、メタノールおよび水を除去した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(10%MeOHおよび1%H2O/CH2Cl2、次いで20%MeOHおよび2%H2O/CH2Cl2)によって精製して、MPS−II−S(0.77g、1.06mmol)を収率79%で得た。
硫酸化材料からの非硫酸化材料の除去は、下記の抽出またはイオン交換クロマトグラフィーによって実施することができる。
抽出クリーンアップ。
シリカゲルからの化合物(0.77g、1.06mmol)を純水(200mL)に溶解し、1M HClを滴下添加し、pHメーターによるpHを2.7に調節した。水性層をEtOAc(5×200mL)で抽出した。残りの水性層を丸底フラスコに移し、これを30℃の水浴および水流式アスピレーションを備えたロータリーエバポレーターに配置し、30分間、微量のEtOAcを水性層から除去した。水性層を凍結乾燥した。EtOAcで5回抽出したLC−MSMSは、初回のものと比較して3回目の抽出における非硫酸化材料で約100倍の落下を示した。4回目および5回目の抽出の量は少なく、3回目の抽出における量と類似していた。
イオン交換による精製。
AKTAは、溶媒A(MeOH)および溶媒B(MeOH+1Mギ酸アンモニウム)を使用する。市販のPharmacia HiLoad26/10 Q−Sepharoseカラム(3mL/分)を使用する。約10mgのMPS−II−IS−Pent−C6−d5を約0.5mLでカラム上に注入し、100%のAで20分間維持し、次いで線形勾配を0〜100%のBで30分にわたって流し、100%のBで維持した(51分で溶出)。22mgのMPS−II−S−Pent−C6の1.5mL MeOH溶液を上記のプログラム(2mLループ)を使用して注入した。基質は100分で溶出した。MeOHを回転蒸発により除去した(水流式アスピレータ、25〜30℃水浴)。残留物を約10mLの水に溶解し、予め約100mLのMeOH、次いで約100mLの水で洗浄しておいた、Waters C18 Sep−Pak(サイズ50g)に導入し、約200mLの水で洗浄した(OD280nmは0に近い)。化合物を約200mLのMeOHで溶出し、追加のMeOHは0に近いOD280を有しており、メタノールは回転蒸発(水流式アスピレータ、30℃水浴)によって除去した。残留物を数mLのMeOHに溶解し、2×5mLガラス瓶に移し(移すのを完了するためにより多くのMeOHを使用した)、加熱せずにSpeed−Vacに終夜かけた。
例2
MPS−I試薬を使用する代表的アッセイ
この例において、本発明のMPS−I試薬を使用する代表的なアッセイを記述する。これらの試薬の結果を、他のMPS−I試薬と比較する。
元のMPS−I反応を以下に示す(Blanchard,Sophie,Sadilek,Markin,Scott,C.Ronald,Turecek,Frantisek,and Gelb,Mechael H。(2008)「Tandem mass spectrometry for the direct assay of Lysosomal enzymes in dried blood spots:Application to screening newborns for Mucopolysaccharidosis I」、Clin.Chem.、54:2067〜2070)。S、PおよびISがBOC基を有し、PとISが化学的に同一ではない(Pは4つのCH2基を結合中に有し、一方、ISは3つ有する)ことに留意されたい。
Figure 0006585052
代替のMPS−I反応を以下に示す:
Figure 0006585052
異なるアグリコンが、N−アセチル基を有し、BOCカルバメート基を有さないことに留意されたい。また、内部標準が、生成物と化学的に同一ではないが、ベンゾイル基中に5つの重水素を有することにも留意されたい。
MPS−I原基質および代替基質を以下の酵素的アッセイで対照比較した:0.5mM基質、30uLの緩衝液中の3.5uM内部標準(100mMギ酸アンモニウム、pH4.0)。パンチ3mmの乾燥血液スポットを添加し、混合物を37℃で16時間、振盪させながらインキュベートした。120uLのアセトニトリルを添加することによって反応を失活した。ウェルを遠心分離にかけ、120uLの上澄みを新しいウェルに移した。120uLの水を添加することによってサンプルを希釈し、10uLをLC/MSMS系上に注入した。LCおよびMS/MS条件は、刊行されている通りである(Spacil,Z.、Tatipaka,H.、Barcenas,M.、Scott,C.R.、Turecek,F.、Gelb,M.H。(2012)「High−Throughput Assay of 9 Lysosomal Enzymes for Newborn Screening.」、Clinical Chemistry.、59(3)、1530〜8561)。ブランクアッセイも実施し、パンチ3mmの血液非含有濾紙が乾燥血液スポットと置きかわる。上記のようにブランクをインキュベートし、処理する。
Figure 0006585052
1酵素活性は、血液1リットル当たり、1時間当たりに形成された生成物のumoleとして表す。
2変動係数(CV)は、同乾燥血液スポットから異なるパンチでそれぞれ実施した6回のアッセイに基づく。
3MSMS応答は、検体のpmole当たりのタンデム質量分析チャンネルにおいて測定されたイオン計数の量である。
4血液−無血液のアッセイ比は、乾燥血液スポットのパンチを用いるアッセイにおいて測定された酵素活性と、血液非含有パンチで測定された酵素活性との比である。
どちらのMPS−I基質もMPS−I酵素(血液1リットル当たり、1時間当たりに生成された生成物umole)に対し同様の作用を示すが、代替基質が、MSMS検出において約5倍高感度な生成物(検体1pmole当たりに検出されたイオン計数)を誘発することが上記の表から分かる。同様の結果が、フローインジェクション−MSMSによって得られた。代替MPS−I生成物および内部標準に対するMSMS応答は、本来のもの(図示せず)より約5倍高かった。
MPS−I生成物のMSMS応答を、ファブリーアッセイ生成物(以下に構造を示す)と比較した。
Figure 0006585052
MPS−I生成物は、アミン上にアセチルを有し、一方でファブリー生成物はBOCカルバメートを有することに留意されたい。BOCカルバメートは、イソブチレンおよびCO2の損失に起因して、MSMS機器のエレクトロスプレーイオン化源において部分的に分解し、BOCがHに置きかわった分解生成物を生成する。ファブリー生成物は、1pmole当たり211のイオン計数を与え、一方でMPS−I生成物は、1pmole当たり500イオン計数を与える。
例3
MPS−II試薬を使用する代表的アッセイ
この例において、本発明のMPS−II試薬を使用する代表的なアッセイを記述する。これらの試薬についての結果を他のMPS−II試薬と比較する。
元のMSP−II反応を以下に示す(Wolfe,B.J.、Blanchard,S.、Sadilek,M.、Scott,C.R.、Turecek,F.、Gelb,M.H。(2011)「Tandem mass spectrometry for the direct assay of Lysosomal enzymes in dried blood spots:Application to screening newborns for Mucopolysaccharidosis II(Hunter Syndrome)」、Anal.Chem.、83:1152〜1156)。S、PおよびISは、BOC基を有することに留意されたい。
Figure 0006585052
代替のMPS−II反応を以下に示す:
Figure 0006585052
N−ペンタノイル基を有し、BOCカルバメート基がない、異なるアグリコンに留意されたい。また、内部標準が、生成物と化学的に同一であるが、ベンゾイル基中に5つの重水素を有することも留意されたい。
MPS−II原基質および代替基質を以下の酵素的アッセイで対照比較した:1mM基質、30uLの緩衝液中の5uM内部標準(100mMギ酸アンモニウム、pH4.0、7.5mM酢酸バリウム(II)、5.0mM酢酸セリウム(III))。パンチ3mmの乾燥血液スポットを添加し、混合物を37℃で16時間、振盪させながらインキュベートした。200uLの44mMクエン酸を添加した後、400uLの酢酸エチルおよび100uLの水を添加することによって、反応を失活した。ピペットで上下に数回混合した後、サンプルを遠心分離(3000rpmで10分)にかけ、液層を分離した。200uLの酢酸エチル上層を一度に新しいウェルに移し、油を含まない気流による蒸発で溶媒を除去した。残留物を100uLのメタノール/5mM 水性ギ酸アンモニウム(80/20、v/v)に取り込み、タンデム質量分析計に注入した。バリウム塩およびセリウム塩は、乾燥血液スポット中に存在する遊離サルフェートおよびホスフェートを沈降させるために存在するが、その理由は、これらの陰イオンがMPS−II酵素の生成阻害を生じるためである。クエン酸を使用して混合物を酸性化するため、MPS−II生成物および内部標準のイズロン酸部分のカルボキシレートは、プロトン化され、酢酸エチルに抽出される。ブランクアッセイも実施し、パンチ3mmの血液非含有濾紙が乾燥血液スポットと置きかわる。上記のようにブランクをインキュベートし、処理する。
Figure 0006585052
1酵素活性は、血液1リットル当たり、1時間当たりに形成された生成物のumoleとして表す。
2変動係数(CV)は、同乾燥血液スポットから異なるパンチでそれぞれ実施した6回のアッセイに基づく。
3MSMS応答は、検体のpmole当たりのタンデム質量分析チャンネルにおいて測定されたイオン計数の量である。
4血液−無血液のアッセイ比は、乾燥血液スポットのパンチを用いるアッセイにおいて測定された酵素活性と、血液非含有パンチで測定された酵素活性との比である。
どちらのMPS−II基質もMPS−II酵素(血液1リットル当たり、1時間当たりに生成された生成物umole)に対し同様の作用を示すが、代替基質が、MSMS検出において約10倍高感度な生成物(検体1pmole当たりに検出されたイオン計数)を誘発することが上記の表から分かる。
例4
代表的なMPS−IVA基質および酵素生成物の合成
この例において、代表的なMPS−IVA基質試薬の合成を記述する。MPS−IVA基質の合成の一般的なスキームを図2に示す。
(2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−2−(アセトキシメチル)−6−(4−ニトロフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル二酢酸(1)
Figure 0006585052
ピリジン(60mL)を、D−ガラクトサミン塩酸塩(5g、23.2mmol)を含有する窒素逆流置換フラスコに添加し、得られたスラリーを氷浴上で冷却した。冷却した混合物に、無水酢酸(25g、245mmol)を滴下添加し、室温に温めた後、この温度で16時間攪拌した。メタノール(15mL)を添加して反応混合物を失活させ、20分間攪拌させておいた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、混合物を温めて、残留物を20%メタノールのクロロホルムに溶解した。この溶液を1N HCl溶液、続いてブライン溶液で洗浄した。生成した有機層を、無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、滴下漏斗を備えた窒素逆流置換フラスコに取った。無水ジクロロメタン(100mL)をこの残留物に添加し、得られたスラリーを氷浴上で冷却した。滴下漏斗において、塩化チタン(6.5g、42.1mmol)を無水ジクロロメタン(40mL)に溶解し、得られた溶液を、冷却した溶液に滴下添加した。反応混合物を油浴中で50℃に温め、この温度で48時間攪拌させておいた。反応混合物を氷浴上で再度冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を激しく振盪しながら滴下添加した。得られた混合物をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で抽出した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をアセトン(60mL)に溶解し、4−ニトロフェノール(16.1g、116mmol)のアセトン(130mL)溶液および4N KOH水溶液(23.2mL)にゆっくり添加した。反応液を室温で48時間攪拌させておき、減圧下で20mL未満に濃縮した。この溶液を、1N NaOHとクロロホルムとの間で抽出した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。こうして得られた粗生成物を、ジクロロメタン中3%メタノールを溶出混合物として使用したシリカフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。TLCで決定された所望の化合物を含む画分を合わせ、減圧下で濃縮して1(3.29g、30%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 5.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.56 - 5.39 (m, 3H), 4.32 - 4.07 (m, 4H), 2.18 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (s, 3H).
[M+Na]+に対するMS(ESI+)、計算値:491.1、観測値:491.2。
N−(5−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)ベンズアミド(2)
Figure 0006585052
1(3.5g、7.47mmol)の無水メタノール(90mL)溶液に、氷浴上で冷却した、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール(3mL、1.50mmol)溶液を滴下添加し、室温に温めた。2時間後、ギ酸(0.1mL)を反応混合物に添加し、減圧下で濃縮して乾燥させた。得られた残留したメタノール(135mL)に、水(15mL)および活性炭担持10%パラジウム(125mg)を添加し、水素雰囲気下の室温で16時間攪拌させておいた。すべての白色の残留物が完全に溶解するまで、水を反応混合物に滴下添加した。反応混合物を濾過し、濾液を氷浴上で冷却した。これに、ピリジン(2mL)および続いて塩化アクリロイル(2.1g、23.2mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、2時間続行した。炭酸ナトリウム粉末(3.0g)を反応混合物に添加し、15分間攪拌させておき、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、高真空下でさらに乾燥した。残留物を2−プロパノール(50mL)と水(6.6mL)の混合物に溶解し、これに、N−(5−アミノペンチル)ベンズアミド(2.0g、9.69mmol)を添加し、65℃で40時間攪拌させておいた。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(25mL)をこれに添加した。この混合物を氷浴上で冷却し、トリエチルアミン(2.5mL)を添加した後、塩化ペンタノイル(2.7g、22.4mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、16時間続行した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン中15%メタノールを溶出混合物として使用したシリカフラッシュクロマトグラフィーによる精製にかけて、2(2.96g、60%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.84 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.59 - 7.35 (m, 5H), 7.09 - 6.91 (m, 2H), 5.00 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.28 - 4.09 (m, 1H), 3.97 - 3.55 (m, 7H), 3.46 - 3.24 (m, 4H), 2.72 - 2.51 (m, 2H), 2.49 - 2.28 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.78 - 1.49 (m, 6H), 1.49 -1.22 (m, 4H), 0.94 (t, J = 7.1 Hz, 3H).[M+H]+に対するMS(ESI+)、計算値:657.3、観測値:657.5。
((2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−6−(4−(3−(N−(5−ベンズアミドペンチル)−ペンタンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル硫酸ナトリウム(3)
Figure 0006585052
化合物2(32mg、0.048mmol)に、窒素下で、無水ピリジン(1mL)を添加した。この溶液に、三酸化硫黄ピリジン複合体(18mg、0.113mmol)を添加し、室温で5時間攪拌させておいた。メタノール(0.3mL)を添加することによって反応を失活し、30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水に再度溶解し、水−メタノール勾配系を使用した逆相(C18)HPLC精製にかけて、3(23mg、63%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.81 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.57 - 7.39 (m, 5H), 7.00 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 2H), 4.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.38 - 4.12 (m, 3H), 3.95 (t, J = 4.5 Hz, 2H), 3.83 - 3.61 (m, 3H), 3.49 - 3.34 (m, 4H), 2.72 - 2.54 (m, 2H), 2.50 - 2.30 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.78 - 1.49 (m, 6H), 1.49 - 1.24 (m, 4H), 1.02 - 0.84 (m, 3H).[M−Na+-に対するMS(ESI-)、計算値:735.3、観測値:735.5。
N−(6−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ヘキサンアミド)へキシル)ベンズアミド(4)
Figure 0006585052
1(0.27g、0.576mmol)の無水メタノール(9mL)溶液に、氷浴で冷却した、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール(0.3mL、0.15mmol)溶液を滴下添加し、室温に温めた。2時間後、ギ酸(10μL)を反応混合物に添加し、減圧下で濃縮乾固した。得られた残留したメタノール(13.5mL)に、水(1.5mL)および活性炭担持10%パラジウム(12.5mg)を添加し、水素雰囲気下の室温で16時間攪拌させておいた。すべての白色の残留物が完全に溶解するまで、水を反応混合物に滴下添加した。反応混合物を濾過し、濾液を氷浴上で冷却した。これに、ピリジン(0.16mL)および続いて塩化アクリロイル(0.16g、1.76mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、2時間続行した。炭酸ナトリウム粉末(0.3g)を反応混合物に添加し、15分間攪拌させておき、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、高真空下でさらに乾燥した。残留物を2−プロパノール(6.3mL)と水(0.7mL)の混合物に溶解し、これに、N−(6−アミノへキシル)ベンズアミド(0.17g、0.77mmol)を添加し、65℃で40時間攪拌させておいた。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(8mL)をこれに添加した。この混合物を氷浴上で冷却し、トリエチルアミン(0.25mL)を添加した後、塩化ヘキサノイル(0.24g、1.78mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、16時間続行した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン中15%メタノールを溶出混合物として使用したシリカフラッシュクロマトグラフィーによる精製にかけて、4(0.23g、58%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.80 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.56 - 7.39 (m, 5H), 6.99 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 4.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 10.7, 8.4 Hz, 1H), 3.96 - 3.51 (m, 7H), 3.44 - 3.33 (m, 4H), 2.69 - 2.50 (m, 2H), 2.48 - 2.28 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.72 - 1.49 (m, 6H), 1.49 - 1.21 (m, 9H), 0.89 (dt, J = 8.7, 4.8 Hz, 3H).[M+H]+に対するMS(ESI+)、計算値:685.4、観測値:685.5。
((2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−6−(4−(3−(N−(6−ベンズアミドへキシル)−ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル硫酸ナトリウム(5)
Figure 0006585052
化合物4(99mg、0.144mmol)に、窒素下で、無水ピリジン(5mL)を添加した。この溶液に、三酸化硫黄ピリジン複合体(34mg、0.214mmol)を添加し、室温で5時間攪拌させておいた。メタノール(0.5mL)を添加することによって反応を失活し、30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水に再度溶解し、水−メタノール勾配系を使用した逆相(C18)HPLC精製にかけて、3(36mg、32%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.81 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.59 - 7.35 (m, 5H), 7.00 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.32 - 4.10 (m, 3H), 4.03 - 3.90 (m, 2H), 3.83 - 3.60 (m, 3H), 3.44 - 3.33 (m, 4H), 2.61 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.49 - 2.29 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.72 - 1.49 (m, 6H), 1.48 - 1.22 (m, 9H), 0.98 - 0.81 (m, 3H).[M−Na+-に対するMS(ESI-)、計算値:763.3、観測値:763.7。
例5
代表的なMPS−VI基質および酵素生成物の合成
この例において、代表的なMPS−VI基質および酵素生成物試薬の合成を記述する。MPS−VI基質の合成の一般的なスキームを図3に示す。
MPS−VI基質(ヘキサンアミド)
代表的なMPS−VI基質(ヘキサンアミド)の調製を以下に記述し、図4に例示する。
N−(5−(N−(3−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ヘキサンアミド)ペンチル)−ベンズアミド(3)
Figure 0006585052
N−(5−アミノペンチル)ベンズアミド(180mg、0.872mmol)およびN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(171mg、1.05mmol)をi−プロピルアルコール(7.8mL)および水(0.87mL)に溶かした溶液を常時攪拌しながら24時間、65℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下およびさらには高真空下で濃縮した。この未精製濃縮物に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3.0mL)およびトリエチルアミン(220mg、2.17mmol)を添加し、完全に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、塩化ヘキサノイル(234mg、1.74mmol)を滴下添加し、室温に温め、2時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加して反応を失活し、反応混合物をDCM/メタノール(4:1)で抽出した。有機層を水でさらに洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下で濃縮乾固し、メタノール(3.0mL)を添加し、再度溶解した。この溶液に、5%水性水酸化ナトリウム(3.0mL)を滴下添加し、室温で2時間攪拌した。反応液を、pH紙で示されるように1N HCl溶液で酸性化し、DCM/メタノール(4:1)で抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにかけて、DCM中5%メタノールで溶出して、3(151mg、37%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.47 (s, 1H), 7.81 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.57 - 7.40 (m, 3H), 7.36 - 7.27 (m, 2H), 6.78 - 6.67 (m, 2H), 3.69 (dt, J = 18.7, 6.9 Hz, 2H), 3.46 - 3.33 (m, 4H), 2.60 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.47 - 2.29 (m, 2H), 1.63 (ddd, J = 11.6, 10.6, 5.7 Hz, 6H), 1.48 - 1.22 (m, 6H), 0.89 (td, J = 6.6, 2.6 Hz, 3H).[M+Na]+に対するMS(ESI+)、計算値:490.3、観測値:490.6。
N−(5−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ヘキサンアミド)ペンチル)ベンズアミド(4)
Figure 0006585052
3(73mg、0.156mmol)および(2R,3R,4R,5R)−5−アセトアミド−2−(アセトキシメチル)−6−クロロテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイルジアセテート(114mg、0.312mmol)の無水DMF(0.7mL)溶液に、炭酸セシウム(152mg、0.466mmol)を添加し、室温で6時間攪拌させておいた。次いで、反応混合物を水とDCMとの間で抽出し、有機層を水でさらに洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、DCM中4%メタノールを溶離液として使用したフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、過アセチル化中間体を得た。NMR分光法は、過アセチル化中間体が、出発材料3と共に溶出したことを示した。この混合物は、さらに精製せずに、次の脱アセチル化工程に使用した。上記混合物の無水メタノール(5.0mL)溶液に、0℃で、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(200μL)溶液を滴下添加し、室温で2時間攪拌させておいた。ギ酸(100μL)を添加することによって反応を失活し、セミ分取逆相HPLC精製(勾配水/メタノール系)にかけて、4(23mg、22%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.85 - 7.77 (m, 2H), 7.58 - 7.38 (m, 5H), 6.99 (dd, J = 9.1, 2.6 Hz, 2H), 4.96 (dd, J = 8.4, 1.3 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 10.7, 8.4 Hz, 1H), 3.90 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.84 - 3.60 (m, 6H), 3.38 (dd, J = 11.1, 6.8 Hz, 4H), 2.61 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.47 - 2.29 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.74 - 1.50 (m, 6H), 1.47 - 1.21 (m, 6H), 0.89 (td, J = 6.6, 3.3 Hz, 3H).[M+Na]+に対するMS(ESI+)、計算値:693.3、観測値:693.4。
(2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−6−(4−(3−(N−(5−ベンズアミドペンチル)−ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル硫酸ナトリウム(5)
Figure 0006585052
冷却した(0℃)4(22mg、32.8μmol)の無水ピリジン(0.5mL)溶液に、塩化ベンゾイル(7.7μL、65.6μmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を0℃に再度冷却し、別の部分の塩化ベンゾイル(7.7μL、65.6μmol)を添加し、室温で2時間攪拌させておいた。メタノール(200μL)を添加することによって反応を失活し、さらに30分間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、DCM中4%メタノールを溶離液として使用したフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を減圧下、さらに高真空下で濃縮した。得られた残留物を無水ピリジン(1.0mL)に溶解し、これに三酸化硫黄ピリジン複合体(17mg、109μmol)を室温で添加した。得られた混合物を3時間、45℃に加熱した後、メタノール(0.5mL)を添加し、さらに10分間攪拌した。反応混合物を減圧下で、さらに高真空下で濃縮した。得られた残留物を無水メタノール(6.0mL)に再度溶解し、0℃に冷却した。この冷却した溶液に、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(0.8mL)溶液を滴下添加し、16時間攪拌させておいた。塩基性リン酸ナトリウム(1.0mL)の1M水溶液を添加することによって反応を失活し、セミ分取逆相HPLC精製(勾配水/メタノール系)にかけて、5(12mg、47%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.85 - 7.76 (m, 2H), 7.58 - 7.38 (m, 5H), 7.05 - 6.92 (m, 2H), 5.00 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 4.75 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 10.9, 8.4 Hz, 1H), 3.95 - 3.60 (m, 6H), 3.38 (dt, J = 11.2, 5.6 Hz, 4H), 2.62 (dd, J = 15.9, 6.9 Hz, 2H), 2.47 - 2.29 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.76 - 1.51 (m, 6H), 1.47 - 1.21 (m, 6H), 0.89 (td, J = 6.6, 3.4 Hz, 3H).[M−Na+-に対するMS(ESI-)、計算値:749.3、観測値:749.5。
MPS−VI基質(ペンタンアミド)。
代表的なMPS−VI基質(ペンタンアミド)の調製を以下に記述し、図4に例示する。
N−(5−(N−(3−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)−ベンズアミド。
N−(5−アミノペンチル)ベンズアミド(207mg、1.00mmol)およびN−(4−ヒドロキシヘニル)アクリルアミド(197mg、1.21mmol)をi−プロピルアルコール(9.0mL)および水(1.0mL)に溶かした溶液を常時攪拌しながら24時間、65℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下およびさらには高真空下で濃縮した。この未精製濃縮物に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3.0mL)およびトリエチルアミン(253mg、2.50mmol)を添加し、完全に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、塩化バレリル(241mg、2.00mmol)を滴下添加し、室温に温め、2時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加して反応を失活し、反応混合物をDCM/メタノール(4:1)で抽出した。有機層を水でさらに洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下で濃縮乾固し、メタノール(3.0mL)を添加し、再度溶解した。この溶液に、5%水性水酸化ナトリウム(3.0mL)を滴下添加し、室温で2時間攪拌した。反応液を1N HCl溶液で酸性化し(pH紙で示される)、DCM/メタノール(4:1)で抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにかけて、DCM中5%メタノールで溶出して、標題化合物(203mg、45%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.45 (s, 1H), 7.83 - 7.78 (m, 2H), 7.56 - 7.40 (m, 3H), 7.34 - 7.26 (m, 2H), 6.76 - 6.68 (m, 2H), 3.69 (dt, J = 19.4, 6.9 Hz, 2H), 3.44 - 3.37 (m, 4H), 2.60 (dd, J = 14.7, 7.4 Hz, 2H), 2.47 - 2.30 (m, 2H), 1.75 - 1.49 (m, 6H), 1.47 - 1.26 (m, 4H), 0.91 (t, J = 7.3 Hz, 3H).[M+Na]+に対するMS(ESI+)、計算値:476.3、観測値:476.5。
N−(5−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)ベンズアミド。
N−(5−(N−(3−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)−ベンズアミド(148mg、0.326mmol)および(2R,3R,4R,5R)−5−アセトアミド−2−(アセトキシメチル)−6−クロロテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイルジアセテート(239mg、0.653mmol)のDCM(0.4mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(110mg、0.324mmol)および2M水酸化ナトリウム水溶液(0.4mL)を添加し、室温で3時間攪拌させておいた。反応混合物に、別の部のジアセテート(90mg、0.246mmol)を添加し、さらに13時間攪拌した。次いで、反応混合物を水とDCMとの間で抽出し、有機層を水でさらに洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、DCM中4%メタノールを溶離液として使用したフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、過アセチル化中間体を得た。NMR分光法は、過アセチル化中間体が、出発材料3と共に溶出したことを示した。この混合物は、さらに精製せずに、次の脱アセチル化工程に使用した。上記混合物の無水メタノール(5.0mL)溶液に、0℃で、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(200μL)溶液を滴下添加し、室温で2時間攪拌させておいた。ギ酸(100μL)を添加することによって反応を失活し、セミ分取逆相HPLC精製(勾配水/メタノール系)にかけて、標題化合物(29mg、14%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.83 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.59 - 7.35 (m, 5H), 7.06 - 6.90 (m, 2H), 4.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.27 - 4.11 (m, 1H), 3.96 - 3.55 (m, 7H), 3.46 - 3.35 (m, 4H), 2.71 - 2.51 (m, 2H), 2.49 - 2.27 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.76 - 1.49 (m, 6H), 1.37 (dd, J = 14.6, 7.2 Hz, 4H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H).[M+Na]+に対するM
S(ESI+)、計算値:679.3、観測値:679.7。
(2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−6−(4−(3−(N−(5−ベンズアミドペンチル)−ペンタンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル硫酸ナトリウム。
冷却した(0℃)、N−(5−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)ベンズアミド(25mg、38.1μmol)の無水ピリジン(0.5mL)溶液に、塩化ベンゾイル(4.9μL、41.9μmol)を添加した。室温で1時間後、溶液を再度0℃に冷却し、別の部の塩化ベンゾイル(9.4μL、80.4μmol)を添加し、室温で2時間攪拌させておいた。反応液を、1M HCl溶液とクロロホルムとの間で抽出した。クロロホルム層を、水とブライン溶液(1:1)の混合物でさらに洗浄した。有機層を濃縮し、DCM中5%メタノールを溶離液として使用したフラッシュシリカカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を減圧下、さらに高真空下で濃縮した。得られた残留物を無水ピリジンに溶解し、これに三酸化硫黄ピリジン複合体(8.3mg、52.1μmol)を室温で添加した。得られた混合物を3時間、45℃に加熱した後、メタノール(0.5mL)を添加し、さらに10分間攪拌した。反応混合物を減圧下で、さらに高真空下で濃縮した。得られた残留物を無水メタノール(5.0mL)に再度溶解し、0℃に冷却した。この冷却した溶液に、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール(0.5mL)溶液を滴下添加し、16時間攪拌させておいた。塩基性リン酸ナトリウム(1.0mL)の1M水溶液を添加することによって反応を失活し、セミ分取逆相HPLC精製(勾配水/メタノール系)にかけて、標題化合物(5.8mg、20%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.80 (dd, J = 7.0, 1.2 Hz, 2H), 7.58 - 7.38 (m, 5H), 7.03 - 6.94 (m, 2H), 5.01 (dd, J = 8.4, 1.1 Hz, 1H), 4.75 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 10.9, 8.4 Hz, 1H), 3.95 - 3.61 (m, 6H), 3.45 - 3.34 (m, 4H), 2.61 (dd, J = 16.1, 7.0 Hz, 2H), 2.47 - 2.31 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.73 - 1.49 (m, 6H), 1.43 - 1.23 (m, 5H), 0.91 (td, J = 7.3, 2.2 Hz, 3H).[M−Na+-に対するMS(ESI-)、計算値:735.3、観測値:735.4。
MPS−VI生成物。
代表的なMPS−VI生成物の調製を以下に記述し、図5に例示する。
(2R,3R,4R,5R,6S)−5−アセトアミド−2−(アセトキシメチル)−6−(4−ニトロフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル二酢酸(1)
Figure 0006585052
ピリジン(60mL)を、D−ガラクトサミン塩酸塩(5g、23.2mmol)を含有する窒素逆流置換フラスコに添加し、得られたスラリーを氷浴上で冷却した。冷却した混合物に、無水酢酸(25g、245mmol)を滴下添加し、室温に温めた後、この温度で16時間攪拌した。メタノール(15mL)を添加して反応混合物を失活させ、20分間攪拌させておいた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、混合物を温めて、残留物を20%メタノールのクロロホルムに溶解した。この溶液を1N HCl溶液、続いてブライン溶液で洗浄した。生成した有機層を、無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、滴下漏斗を備えた窒素逆流置換フラスコに取った。無水ジクロロメタン(100mL)をこの残留物に添加し、得られたスラリーを氷浴上で冷却した。滴下漏斗において、塩化チタン(6.5g、42.1mmol)を無水ジクロロメタン(40mL)に溶解し、得られた溶液を、冷却した溶液に滴下添加した。反応混合物を油浴中で50℃に温め、この温度で48時間攪拌させておいた。反応混合物を氷浴上で再度冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を激しく振盪しながら滴下添加した。得られた混合物をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で抽出した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をアセトン(60mL)に溶解し、4−ニトロフェノール(16.1g、116mmol)のアセトン(130mL)溶液および4N KOH水溶液(23.2mL)にゆっくり添加した。反応液を室温で48時間攪拌させておき、減圧下で20mL未満に濃縮した。この溶液を、1N NaOHとクロロホルムとの間で抽出した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。こうして得られた粗生成物を、ジクロロメタン中3%メタノールを溶出混合物として使用したシリカフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。TLCで決定された所望の化合物を含む画分を合わせ、減圧下で濃縮して1(3.29g、30%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 5.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.56 - 5.39 (m, 3H), 4.32 - 4.07 (m, 4H), 2.18 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (s, 3H).[M+Na]+に対するMS(ESI+)、計算値:491.1、観測値:491.2。
N−(5−(N−(3−((4−(((2S,3R,4R,5R,6R)−3−アセトアミド−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロピル)ペンタンアミド)ペンチル)ベンズアミド(2)
Figure 0006585052
1(3.5g、7.47mmol)の無水メタノール(90mL)溶液に、氷浴上で冷却した、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール(3mL、1.50mmol)溶液を滴下添加し、室温に温めた。2時間後、ギ酸(0.1mL)を反応混合物に添加し、減圧下で濃縮乾固した。得られた残留したメタノール(135mL)に、水(15mL)および活性炭担持10%パラジウム(125mg)を添加し、水素雰囲気下の室温で16時間攪拌させておいた。すべての白色の残留物が完全に溶解するまで、水を反応混合物に滴下添加した。反応混合物を濾過し、濾液を氷浴上で冷却した。これに、ピリジン(2mL)および続いて塩化アクリロイル(2.1g、23.2mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、2時間続行した。炭酸ナトリウム粉末(3.0g)を反応混合物に添加し、15分間攪拌させておき、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、高真空下でさらに乾燥した。残留物を2−プロパノール(50mL)と水(6.6mL)の混合物に溶解し、これに、N−(5−アミノペンチル)ベンズアミド(2.0g、9.69mmol)を添加し、65℃で40時間攪拌させておいた。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(25mL)をこれに添加した。この混合物を氷浴上で冷却し、トリエチルアミン(2.5mL)を添加した後、塩化ペンタノイル(2.7g、22.4mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を滴下添加した。反応液を氷浴上で30分間攪拌させておき、次いで室温に温め、16時間続行した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン中15%メタノールを溶出混合物として使用したシリカフラッシュクロマトグラフィーによる精製にかけて、2(2.96g、60%)を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.84 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.59 - 7.35 (m, 5H), 7.09 - 6.91 (m, 2H), 5.00 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.28 - 4.09 (m, 1H), 3.97 - 3.55 (m, 7H), 3.46 - 3.24 (m, 4H), 2.72 - 2.51 (m, 2H), 2.49 - 2.28 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.78 - 1.49 (m, 6H), 1.49 -1.22 (m, 4H), 0.94 (t, J = 7.1 Hz, 3H).[M+H]+に対するMS(ESI+)、計算値:657.3、観測値:657.5。
例6
MPS−VI試薬を使用する代表的アッセイ
この例において、本発明のMPS−VI試薬を使用する代表的なアッセイを記述する。これらの試薬の結果を、他のMPS−VI試薬と比較する。
本来のMSP−VI反応を以下に示す(Duffey,T.A.、Sadilek,M.、Scott,C.R.、Turecek,F.、Gelb,M.H。(2010)「Tandem mass spectrometry for the direct assay of lysosomal enzymes in dried blood spots:Application to screening newborns for Mucopolysaccharidosis VI(Maroteaux−Lamy Syndrome)」、Anal.Chem.、82:9587〜9591.)。S、PおよびISはBOC基を有し、PおよびISが化学的に同一ではない(Pは結合中に6つのCH2基を有し、一方でISは5つ有する)ことに留意されたい。
Figure 0006585052
代替のMPS−VI反応を以下に示す:
Figure 0006585052
N−ペンタノイル基を有するが、BOCカルバメート基を有さない異なるアグリコンに留意されたい。また、内部標準は生成物と化学的に同一であるが、ベンゾイル基中に5つの重水素を有することも留意されたい。
MPS−VI原基質および代替基質を以下の酵素的アッセイで対照比較した:1mM基質、30uLの緩衝液中の10uM内部標準(100mMギ酸アンモニウム、pH4.0、7.5mM酢酸バリウム(II)、5.0mM酢酸セリウム(III))。パンチ3mmの乾燥血液スポットを添加し、混合物を37℃で16時間、振盪させながらインキュベートした。DEAEセルロース(Whatmann DE52)(100uL)の水性懸濁液(1:1)を添加し、続いて400uLの酢酸エチルを添加することによって、反応を失活した。混合物を上下に数回ピペット操作することによって混合し、次いで遠心分離(3000rpmで10分)にかけて液層を分離し、DE52をペレット化した。300uLの部の酢酸エチル上層を新しいウェルに移し、油を含有しない気流による蒸発で溶媒を除去した。残留物を100uLのメタノール/5mM水性ギ酸アンモニウム(80/20、v/v)に取り込み、タンデム質量分析計に注入した。乾燥血液スポット中に存在する遊離サルフェートおよびホスフェートを析出するためにバリウム塩およびセリウム塩を提供するが、これは、これらの陰イオンが、MPS−VI酵素の生成阻害を生じるからである。DE52を添加して残留する基質を捕捉し、したがって生成物および内部標準(電荷中性)のみが酢酸エチルに抽出される。ブランクアッセイも実施し、パンチ3mmの血液非含有濾紙が乾燥血液スポットと置きかわる。上記のようにブランクをインキュベートし、処理する。
Figure 0006585052
1酵素活性は、血液1リットル当たり、1時間当たりに形成された生成物のumoleとして表す。
2変動係数(CV)は、同乾燥血液スポットから異なるパンチでそれぞれ実施した6回のアッセイに基づく。
3MSMS応答は、検体のpmole当たりのタンデム質量分析チャンネルにおいて測定されたイオン計数の量である。
4血液−無血液のアッセイ比は、乾燥血液スポットのパンチを用いるアッセイにおいて測定された酵素活性と、血液非含有パンチで測定された酵素活性との比である。
どちらのMPS−VI基質もMPS−VI酵素(血液1リットル当たり、1時間当たりに生成された生成物umole)に対し同様の作用を示すが、代替基質が、MSMS検出において約10倍高感度な生成物(検体1pmole当たりに検出されたイオン計数)を誘発することが上記の表から分かる。血液−無血液検査の応答における改善は、恐らく、新規の基質が生成物非含有形態で生成されやすいため、MPS−VI代替基質中の不純物であるより少量の生成物に起因するものである。
例7
MPS−IIについての代表的なスルファターゼアッセイ
この例において、本発明の代表的なアッセイ(ハンター症候群(MPS−II)に欠いた酵素である、イズロン酸2−スルファターゼについてのアッセイ)を記述する。
反応における第1の工程は上に記述の通りである(WO2009/026252(PCT/US2008/073516)、WO2010/081163(PCT/US2010/020801)、WO2012/027612(PCT/US2011/049224)、およびWO2013/070953(PCT/US2012/064205)も参照)。
アッセイにおいて、第2の酵素である、α−L−イズロニダーゼ(グリコヒドロラーゼ)をアッセイ用カクテルに添加し、これにより、イズロン酸残基が除去され、アグリコンを残すことによって、初期MPS−II生成物が最終MPS−II生成物に変換する。イズロニダーゼは、乾燥血液スポットを使ってインキュベートされるアッセイ用カクテル中に存在していてもよい、または乾燥血液スポットを使った第1のインキュベーションに後続する第2のインキュベーション期間の後に、これを加えてもよい。添加するイズロニダーゼの量は、すべての初期MPS−II生成物を最終MPS−II生成物に変換するために十分である。アッセイ用カクテルは、イズロニダーゼによって最終MPS−II内部標準に変換される、初期MPS−II内部標準(初期MPS−II生成物と同一であるが、たとえば、ベンゾイル基に5つの重水素を有する)も含有する。最終MPS−II生成物と最終MPS−II内部標準はどちらも、タンデム質量分析法によって検出され、最終MPS−II生成物の量を定量化することができる。典型的には、反応混合物を有機溶媒で抽出し、最終MPS−II内部標準と最終MPS−II生成物を、比較的塩を含まない形態の有機溶媒相に分割させる。有機溶媒は、蒸発によって除去し、残留物を溶媒に溶解し、溶媒をタンデム質量分析計に注入する。検体を、多重式反応モニタリングによって検出する。
第2の酵素(すなわち、グリコヒドロラーゼ)を含まないアッセイを用い、また新生児スクリーニングカードからのパンチ3mmの乾燥血液スポットを使用して、12〜18時間のインキュベーション時間の後、典型的には10,000〜30,000のイオン計数が初期MPS−II生成物に観察される。イズロニダーゼを用いた本発明のアッセイを用いて、典型的には1,000,000〜5,000,000のイオン計数が最終MPS−II生成物に観察される。したがって、アッセイの感度は、約100倍改善された。本発明の方法の第2の利点は、先行するアッセイにおいて、質量分析計エレクトロスプレーイオン化源に入る残留するMPS−II基質は、源における加熱によって、ある程度の脱硫酸化を経る。これは、イズロン酸2−スルファターゼの作用と無関係である生成物シグナルを高めることによってアッセイバックグランドを高める。本発明のアッセイによって、検出された生成物がアグリコン(最終MPS−II生成物)であることから、この脱硫酸化は関係がない。
使用されるイズロニダーゼは、哺乳類の細胞において過剰発現することによって得られたヒト酵素である。MPS−II基質に作用しない限り、いずれのイズロニダーゼも使用できる(すなわち、イズロン酸からサルフェートが除去された後のみ、グリコシド結合を切断する)。
例8
MPS−VIについての代表的なスルファターゼアッセイ
MPS−VIについての代表的なアッセイにおいて使用する好適な第2の酵素は、細菌N−アセチルガラクトサミニダーゼであり、MPS−VI酵素が糖の4位からサルフェートを除去した後、そのアグリコンからN−アセチルガラクトサミンを放出するために使用する。これによりアッセイ感度が約20倍改善する。その他の好適な酵素として、細菌N−アセチルヘキソサミニダーゼが挙げられる。
例9
MPS−IVAについての代表的なスルファターゼアッセイ
MPS−IVAについての代表的なアッセイにおいて使用する好適な第2の酵素は、アスペルギルス種由来のβ−ガラクトシダーゼであり、MPS−IVA酵素が糖の6位からサルフェートを除去した後、そのアグリコンからガラクトースを放出するために使用する。これによりアッセイ感度が約20倍改善する。アスペルギルス酵素は、MPS−IVAアッセイのpHであるpH4〜5で高活性を保持するため、たとえば、大腸菌(E.coli)酵素を好ましくは上回る。あるいは、N−アセチル−ガラクトサミン−6−サルフェートを有するMPS−IVA基質を使用してもよく、MPS−VIアッセイ(上記参照)において使用されるものと同じ酵素によって初期MPS−IV生成物が作用されてアグリコンを生成する。
例10
MPS−IIIAについての代表的なスルファターゼアッセイ
MPS−IIIAについての代表的なアッセイにおいて使用する好適な第2の酵素は、パン酵母由来の酵母α−グルコシダーゼであり、MPS−IIIA酵素が、グルコサミン−N−サルフェートのアミノ基からサルフェートを除去した後、そのアグリコンからグルコサミンを放出するために使用する。あるいは、MPS−IIIA酵素がサルフェートを除去した後、アセチル−CoA:グルコサミンN−アセチルトランスフェラーゼを使用して遊離アミノ基をアセチル化することができる。哺乳類と細菌両方のアセチルトランスフェラーゼを使用することができる。
例11
MPS−IVAについての代表的なアッセイ
この例において、MPS−IVAについての代表的なアッセイを、6位で硫酸化されない場合にβグリコシドをN−アセチル−ガラクトサミンに開裂させる、細菌酵素のβ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ(β−NGA)と、GALNS基質に対するヒトヘキソサミニダーゼAを遮断する、ヒトヘキソサミニダーゼAの阻害剤である(Z)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン)−アミノN−フェニルカルバメート(Z−PUG−NAc)とを使用して記述する。
本アッセイにおいて使用するGALNS基質は、次の構造を有する:
Figure 0006585052
本アッセイにおいて使用するGALNS内部標準は、次の構造を有する:
Figure 0006585052
実験1。
7.5mM酢酸バリウム、5.0mM酢酸セリウム、1mM Z−PUG−NAc、および0.01mgの細菌β−N−アセチルガラクトサミニダーゼを含有するpH4.0の50mMギ酸アンモニウム中の1mM GALNS基質からなるアッセイ用カクテル0.03mLを使って、基質無作為の新生児に由来するパンチ3mmの乾燥血液スポットをインキュベートする。混合物は、0.005mM内部標準も含有する。37℃で振盪しながら16時間経った後、0.12mLのアセトニトリルで混合物を失活させ、サンプルプレートを遠心分離にかけて沈降物をペレット化する。上澄み(0.12mL)を新しいプレートに移し、0.12mLの水を添加する。プレートを、UHPLC−MS/MS機器(Waters Acquity UHPLC系を備えたWaters Xevo TQ MS/MS)のオートサンプラ上に置く。一部のサンプル(0.01mL)を注入し、GALNS生成物(基質からサルフェートを引いたもの)、内部標準、およびGALNS生成物および内部標準に由来するアグリコンを、多重式反応モニタリング(MS/MS)によって定量化する。添加した内部標準、たとえばGALNS生成物は、細菌β−N−アセチルガラクトサミニダーゼの添加によって、そのアグリコンに変換されることに留意されたい。上記の表1は、各検体についてのMS/MSイオンピーク面積を示す。
実験1は、血液含有パンチ、GALNS基質、内部標準、1mM Z−PUG−NAc、および0.01mgのβ−NGAをアッセイ緩衝液中で用いた完全アッセイの結果を示す。イオンピーク面積411,000のアグリコンシグナルは、初期に形成されたGALNS生成物のシグナルよりもかなり高く、β−NGAがほとんどの生成物をアグリコンに変換することを示す。また、実験1は、ほとんどの内部標準がアグリコンに変換されることも示す。アグリコンおよび内部標準アグリコンの量を使用して、GALNS酵素活性の量を決定する。
実験2。
実験2は、実験1と同じであるが、パンチした濾紙(血液なし)を使用する。ほとんどの内部標準はアグリコンに変換され、添加したβ−NGAが作用していることを示す。アグリコンの量は僅か42,000であり、血液の存在下でみられる場合よりも約10倍少ない。この高い血液と無血液の比率は、GALNSアッセイが作用していることを示す。さらに、確定されたモルキオA患者由来の乾燥血液スポットを使用する場合、アグリコンの量は、無血液でみられる量(45,000)と同様であり、アッセイ試料が作用して、非罹患個人の血液に存在するGALNSのみが検出されることを示す。
実験3。
実験3は、完全アッセイであるが、β−NGAを含まないアッセイを示す。予想した通り、ほとんどの内部標準はそのアグリコンに変換されないが、それは、β−NAGがなく、血液由来のヘキソサミニダーゼAがZ−PUG−NAcによってすべて遮断されるためである。GALNS生成物の量は121,000であり、アグリコンの量は42,900である。
実験4。
実験4は、実験3と同じであるが、血液を用いない。実験4は、GALNS生成物に対し僅か753しか示さない。したがって、実験3における生成物の計数121,000のほとんどは、GALNSによるものである。β−NGAのみがアグリコンを産生するので、実験3の生成物の計数がヘキソサミニダーゼAに起因することはあり得ない。実験3および4におけるアグリコンの量は類似しており、これは、GALNS基質中に不純物として存在するアグリコンを表す。
実験1〜4は、GALNS生成物をそのアグリコンに変換する利点をも示し、血液およびβ−NGAの存在下でアグリコンシグナルは411,000であり、これを、β−NGAによってそのアグリコンに変換されなかった場合の僅か121,000のGALNS生成物と比較する。したがって、GALNSアッセイ感度に4倍の向上が得られる。
実験5。
実験5は、完全アッセイであるが、ヘキソサミニダーゼA阻害剤のZ−PUG−NAcを欠くアッセイを示す。β−NGAが存在するため、ほとんどの内部標準は、予想通り、そのアグリコンに変換される。アグリコンのシグナルは1,350,000であり、実験1よりもかなり高い。これは、ヘキソサミニダーゼAが、阻害されない場合、GALNS基質から実質的な量のアグリコンを産生することを示す。
実験6。
実験6は、血液を含有するが、β−NGAおよびZ−PUG−NAcは含まない。GALNS生成物の量は、実験5の25,100とは異なり、110,000であり、GALNSのGALNS基質に対する作用に起因する。β−NGAが不在なので、ごく少量のGALNS生成物のみがアグリコンに変換されるが、アグリコンの量は1,110,000で高いままである。これは、Z−PUG−NAcの不在下で、血液中のヘキソサミニダーゼAがGALNS基質に作用するためである。
実験7および8。
実験7および8は、濾紙(血液なし)を用いる。実験7はβ−NGAを含むが、実験8はβ−NGAを含まない。予想通り、実験7では、ほとんどの内部標準がアグリコンに変換されるが、実験8では変換されない。実験8は、GALNS基質が、不純物として少量の生成物(820)およびアグリコン(14,500)を含有することを示す。これらは、GALNS基質のさらなる一連の精製によって除去できる。
表1の結果は、乾燥血液スポット中に内生的に存在する非阻害ヒトヘキソサミニダーゼAの作用が、GALNS基質から過剰のアグリコンを産生し、ヘキソサミニダーゼA阻害剤の不在下で有用なGALNSアッセイをもたらすことを明確に示す。このデータは、β−NGAが所望の特性、すなわち、これが、ヘキソサミニダーゼAを完全に遮断するために十分なヘキソサミニダーゼA阻害剤Z−PUG−NAcの存在下であっても、ほとんどのGALNS生成物および内部標準をこれらのアグリコンに変換する特性を有することをも明確に示す。
本発明の好ましい態様を例示し、記述してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更をここで施すことが可能であることを理解されたい。
独占的な所有権または実施権が主張される本発明の態様は、以下の通りに定義される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
リソソーム蓄積症と関係している酵素についてアッセイする方法であって、
(a)サンプルを第1の溶液と接触させて、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を生成することと、
(b)溶液中の前記1種以上のリソソーム酵素を、分析しようとする各リソソーム酵素の酵素基質と接触させ、前記サンプル中に存在する各リソソーム酵素の酵素生成物を含む溶液を生成するのに十分な時間をかけて前記基質を前記酵素と一緒にインキュベートすることと、
ここで各リソソーム酵素の前記酵素基質が、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
[式中、Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(i)α−L−イズロニダーゼ、
(ii)イズロン酸2−スルファターゼ、
(iii)ヘパランN−スルファターゼ、
(iv)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(v)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(vi)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(vii)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4 は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1 は、C 1 〜C 10 アルキル基またはC 1 〜C 10 アルコキシ基であり、
2 は、それぞれの出現において、C 1 〜C 10 アルキル基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC 1 〜C 8 アルキル基である)から独立に選択され、
3 は、C 1 〜C 10 アルキル基または置換もしくは無置換のC 6 〜C 10 アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である]
を有する化合物であり、
(c)1種以上の前記酵素生成物の量を決定することと
を含む、方法。
[2]
前記酵素生成物をグリコヒドロラーゼと接触させて、第2の酵素生成物を生成することをさらに含む、[1]に記載の方法。
[3]
(a)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、および
(b)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ
からなる群から選択される1種以上の酵素の基質に作用する内因性グリコヒドロラーゼ酵素活性を遮断するために阻害剤を添加することをさらに含む、[1]に記載の方法。
[4]
1種以上のリソソーム酵素の酵素活性をアッセイする方法であって、
(a)サンプルを第1の溶液と接触させて、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を生成することと、
(b)溶液中の前記1種以上のリソソーム酵素を、分析しようとする各リソソーム酵素の酵素基質と接触させ、前記サンプル中に存在する各リソソーム酵素の第1の酵素生成物を含む溶液を生成するのに十分な時間をかけて前記基質を前記酵素と一緒にインキュベートすることと、
(c)前記第1の酵素生成物をグリコヒドロラーゼに供して、グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けやすい各第1の酵素生成物の第2の酵素生成物を生成することと、
(d)1種以上の前記第1の酵素生成物および/または1種以上の前記第2の酵素生成物の量を決定することとを含む、方法。
[5]
前記グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けやすい前記第1の酵素生成物が、
(a)イズロン酸2−スルファターゼ、
(b)ヘパランN−スルファターゼ、
(c)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、および
(d)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、
からなる群から選択される酵素の作用によって生成される、[4]に記載の方法。
[6]
前記グリコヒドロラーゼによるさらなる酵素作用を受けにくい前記第1の酵素生成物が、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、および
(c)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の作用によって生成される、[4]に記載の方法。
[7]
(a)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、および
(b)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ
からなる群から選択される1種以上の酵素の基質に作用する内因性グリコヒドロラーゼ酵素活性を遮断するために阻害剤を添加することをさらに含み、前記阻害剤が、工程(c)の前記グリコヒドロラーゼの作用を有意に阻害しない、[4]に記載の方法。
[8]
前記1種以上のリソソーム酵素が、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素を含む、[1]または[4]に記載の方法。
[9]
前記リソソーム酵素を前記基質と接触させる前、後、または同時に、分析しようとする各リソソーム酵素の内部標準を添加することをさらに含む、[1]または[4]に記載の方法。
[10]
1種以上の前記酵素生成物の量を決定する前に酵素反応を失活させることをさらに含む、[1]または[4]に記載の方法。
[11]
前記サンプルが、血液または組織サンプルである、[1]または[4]に記載の方法。
[12]
前記サンプルが、乾燥血液スポットである、[1]または[4]に記載の方法。
[13]
前記グリコヒドロラーゼが、ヒトヘキソサミニダーゼA、細菌性N−アセチルヘキソサミニダーゼ、細菌性β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、α−L−イズロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)、およびα−グルコシダーゼ(酵母)からなる群から選択される、[2]または[4]に記載の方法。
[14]
前記阻害剤が、(Z)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン)−アミノN−フェニルカルバメート、1−デオキシノジリマイシン、カスタノスペルミン、スウェインソニン、カリステギンB 2 、イソファガミン、タミフル、グルコノヒドロキシモラクトン、グルクロン酸ならびにそのラクトンおよびラクタム、リレンザ、ミグリトール、フェネチル置換グルコ−およびガラクト−イミダゾール、N−ヒドロキシエチルデヒドロノジリマイシン、GalNAcチアゾリン、ならびにGlcNAcチアゾリンからなる群から選択される、[3]または[7]に記載の方法。
[15]
前記酵素生成物の量を決定することが、質量分光分析を含む、[1]または[4]に記載の方法。
[16]
前記酵素生成物の量を決定することが、質量分光分析によって各生成物とその内部標準との比を決定することを含む、[1]または[4]に記載の方法。
[17]
前記酵素生成物の量を決定することが、生成物の親イオンおよびこれらの内部標準を生成し、単離し、衝突誘起解離を受けて、生成物断片イオンおよび内部標準断片イオンを生成する、タンデム質量分光分析を含む、[1]または[4]に記載の方法。
[18]
前記酵素生成物の量を決定することが、生成物断片イオンおよび内部標準断片イオンのピーク強度を比較して生成物の量を計算することを含む、[1]または[4]に記載の方法。
[19]
前記酵素生成物の量を決定することが、液体クロマトグラフィーまたはフローインジェクションによって生成物を質量分析計に導くことを含む、[1]または[4]に記載の方法。
[20]
前記酵素生成物の量を決定することが、蛍光分析を含む、[1]または[4]に記載の方法。
[21]
前記酵素生成物の量を用いて、前記サンプルが、1種以上のリソソーム酵素欠損症と関係している病状を治療するための候補に由来しているかどうかを決定することをさらに含む、[1]または[4]に記載の方法。
[22]
前記基質が、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
[式中、
Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4 は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1 は、C 1 〜C 10 アルキル基またはC 1 〜C 10 アルコキシ基であり、
2 は、それぞれの出現において、C 1 〜C 10 アルキル基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC 1 〜C 8 アルキル基である)から独立に選択され、
3 は、C 1 〜C 10 アルキル基または置換もしくは無置換のC 6 〜C 10 アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である]
を有する、[4]に記載の方法。
[23]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[24]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[25]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[26]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[27]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[28]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[29]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[30]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[31]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[32]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[33]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[34]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[35]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[36]
前記基質が、次式:
Figure 0006585052
を有する、[1]または[22]に記載の方法。
[37]
炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
Figure 0006585052
[式中、Sは、アグリコン部分に共有結合するときに、
(a)α−L−イズロニダーゼ、
(b)イズロン酸2−スルファターゼ、
(c)ヘパランN−スルファターゼ、
(d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
(e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
(f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
(g)β−グルクロニダーゼ
からなる群から選択される酵素の基質を与える炭水化物部分であり、
2 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
3 は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
4 は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC 1 〜C 6 アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
1 は、C 1 〜C 10 アルキル基またはC 1 〜C 10 アルコキシ基であり、
2 は、それぞれの出現において、C 1 〜C 10 アルキル基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC 1 〜C 8 アルキル基である)から独立に選択され、
3 は、C 1 〜C 10 アルキル基または置換もしくは無置換のC 6 〜C 10 アリール基であり、
nは、0、1、2、3または4である
を有する、化合物。
[38]
2 が、−(CH 2 n −(式中、nは1〜6である)である、[37]に記載の化合物。
[39]
3 が、−(CH 2 m −(式中、mは1〜12である)である、[37]に記載の化合物。
[40]
4 が、−(CH 2 n −(式中、nは1〜6である)である、[37]に記載の化合物。
[41]
4 が存在しない、[37]に記載の化合物。
[42]
1 が、C 1 〜C 5 アルキルである、[37]に記載の化合物。
[43]
2 が、C 1 〜C 8 アルキルである、[37]に記載の化合物。
[44]
3 が、C 1 〜C 6 アルキルである、[37]に記載の化合物。
[45]
3 がフェニルである、[37]に記載の化合物。
[46]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[47]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[48]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[49]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[50]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[51]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[52]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[53]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[54]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[55]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[56]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[57]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[58]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[59]
次式:
Figure 0006585052
を有する、[37]に記載の化合物。
[60]
[37]〜[59]に記載の化合物の1種以上から選択される基質を含む、リソソーム蓄積症と関係している酵素をアッセイするためのキット。
[61]
前記酵素が、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ(MPS−IIIB)、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)、N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)、およびβ−グルクロニダーゼ(MPS−VII)のうちの1つ以上から選択される、[60]に記載のキット。
[62]
アッセイしようとする前記酵素それぞれの内部標準をさらに含む、[60]に記載のキット。
[63]
サンプルを、[37]〜[59]に記載の化合物の1種以上から選択される基質と接触させることを含む、リソソーム蓄積症と関係している酵素についてアッセイする方法。
[64]
前記酵素が、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ(MPS−IIIB)、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)、N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)、およびβ−グルクロニダーゼ(MPS−VII)のうちの1つ以上から選択される、[63]に記載の方法。
[65]
前記サンプルを、アッセイしようとする前記酵素それぞれの内部標準と接触させることをさらに含む、[63]に記載の方法。
[66]
サンプルを、[46]または[47]に記載の化合物と接触させることを含む、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)をアッセイする方法。
[67]
サンプルを、[48]または[49]に記載の化合物と接触させることを含む、イズロン酸2−スルファターゼ(MPS−II)をアッセイする方法。
[68]
サンプルを、[50]または[51]に記載の化合物と接触させることを含む、ヘパランN−スルファターゼ(MPS−IIIA)をアッセイする方法。
[69]
サンプルを、[52]または[53]に記載の化合物と接触させることを含む、N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ(MPS−IIIB)をアッセイする方法。
[70]
サンプルを、[54]または[55]に記載の化合物と接触させることを含む、N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ(MPS−IVA)をアッセイする方法。
[71]
サンプルを、[56]または[57]に記載の化合物と接触させることを含む、N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ(MPS−VI)をアッセイする方法。
[72]
サンプルを、[58]または[59]に記載の化合物と接触させることを含む、β−グルクロニダーゼ(MPS−VII)をアッセイする方法。

Claims (12)

  1. α−L−イズロニダーゼについてアッセイする方法であって、
    (a)サンプルを第1の溶液と接触させて、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を生成することと、
    (b)1種以上のリソソーム酵素を含む溶液を、α−L−イズロニダーゼの酵素基質と接触させ、α−L−イズロニダーゼの基質を、1種以上のリソソーム酵素を含む溶液と、α−L−イズロニダーゼの酵素生成物を含む溶液を生成するのに十分な時間をかけてインキュベートすることと、
    ここでα−L−イズロニダーゼの前記基質が、炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
    Figure 0006585052
    [式中
    2は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    3は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    4は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    1は、C1〜C10アルキル基であり
    2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC1〜C8アルキル基である)から独立に選択され、
    3は、C1〜C10アルキル基または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基であり、
    nは、0、1、2、3または4である]
    を有する化合物であり、
    (c)α−L−イズロニダーゼの生成物の量を決定することと
    を含み、
    前記1種以上のリソソーム酵素が、
    (a)α−L−イズロニダーゼ、
    (b)イズロン酸2−スルファターゼ、
    (c)ヘパランN−スルファターゼ、
    (d)N−アセチル−α−D−グルコサミニダーゼ、
    (e)N−アセチルガラクトサミン6−硫酸スルファターゼ、
    (f)N−アセチルガラクトサミン4−硫酸スルファターゼ、および
    (g)β−グルクロニダーゼ
    からなる群から選択される酵素を含む、方法。
  2. 炭水化物部分およびアグリコン部分を有し、次式:
    Figure 0006585052
    [式中
    2は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    3は、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    4は、任意であり、存在する場合、1〜20個の炭素原子を含み、そのうちの1個以上の炭素原子がN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子で置きかえられていてもよく、かつ/または1個以上の炭素原子がC1〜C6アルキル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいリンカーであり、
    1は、C1〜C10アルキル基であり
    2は、それぞれの出現において、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ、−C(=O)NHR、または−C(=O)OR(式中、RはC1〜C8アルキル基である)から独立に選択され、
    3は、C1〜C10アルキル基または置換もしくは無置換のC6〜C10アリール基であり、
    nは、0、1、2、3または4である]
    を有する、化合物。
  3. 次式:
    Figure 0006585052
    を有する、請求項に記載の化合物。
  4. がCH CH である請求項2または3に記載の化合物。
  5. がn−C 12 である、請求項2または3に記載の化合物。
  6. がCH である、請求項2または3に記載の化合物。
  7. 前記化合物が
    Figure 0006585052
    である、請求項2または3に記載の化合物。
  8. 前記化合物が式
    Figure 0006585052
    を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記化合物が
    Figure 0006585052
    である、請求項1に記載の方法。
  10. 請求項2〜7のいずれか1項に記載の化合物の1種以上から選択される基質を含む、リソソーム蓄積症と関係している酵素をアッセイするためのキット。
  11. 前記酵素が、α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)である、請求項10に記載のキット。
  12. α−L−イズロニダーゼ(MPS−I)の内部標準をさらに含む、請求項10に記載のキット。
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