JP6584850B2 - 食肉加工品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食肉加工品を製造する方法に関する。
ソーセージ、ハム、ハンバーグ、肉団子などの食肉加工品は、外食産業および家庭で欠くことのできない食肉の一つである。例えば、練肉あるいは挽肉を用いた加工食品の代表であるソーセージは、一般的に、畜肉から塊状の肉を切り離した後、チョッパーなどを用いて挽肉とし、塩漬、ケーシングへの充填、くん煙および加熱の工程(ただし、非加熱ソーセージの場合には加熱工程は無い)を順に経て製造される。また、プレスハムは、挽肉とつなぎとの練り合わせ、塩漬、ケーシングへの充填、加熱の工程を順に経て製造される。これらの各工程の内、塩漬工程は、挽肉の結着性、食肉加工品の弾力性、保水性および発色性を決める重要な工程であり、各食品加工メーカーにて様々な工夫がなされている。塩漬工程にて挽肉に添加される塩漬剤には、例えば、食塩; 蛋白素材から成る結着剤; 重合リン酸塩などの結着補強剤; 香辛料; 調味料; 亜硝酸塩などの発色剤; 保存料; 甘味料などを含むものが知られている(特許文献1を参照)。
挽肉の結着性は、筋原線維を構成する蛋白質の一種であるミオシンの他、アクチンとミオシンとが結合したアクトミオシンに起因することが知られている。挽肉を2〜5%程度の食塩水に漬けると、筋原線維からミオシンおよびアクトミオシンが溶解抽出され、挽肉が粘り気を帯びてくる。この粘り気の正体は、アクトミオシンゾルとも称し、挽肉の結着性を決める。また、その後の加熱工程にて、アクトミオシンゾルは分子間架橋を経て三次元網目構造を形成し、その網目の中に水を封じ込める。この結果、ソーセージ等の食肉加工品は、適度な弾力性と保水性を有するようになる(特許文献2を参照)。
特開2012−147768号公報 特開2005−065550号公報
しかし、上述の従来から公知の塩漬工程には、次のような問題がある。挽肉の筋原線維からミオシンやアクトミオシンを十分に抽出するには、塩漬剤を挽肉に添加後、通常、5℃〜10℃の温度で0.5〜7日間、冷蔵室にて塩漬し熟成させる必要がある。この塩溶化を進行させるための熟成期間がソーセージ等の食肉加工品の製造工程の全期間に占める比率は、比較的大きい。このため、ソーセージ等の食肉加工品の製造期間の短縮を図るうえで、塩溶化の短期間化が強く望まれていた。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、食肉加工品の製造において、塩溶化を促進させて製造工程の短期間化を図ることを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意、研究開発を重ねてきた結果、挽肉に塩漬剤を添加後、若しくは塩漬剤を添加したカット肉を挽肉にした後、塩漬剤を含む挽肉を加圧し、かつ冷却しながら充填工程へと移送することにより、長期間の冷蔵を行うことなく塩溶化を進めることができるとの知見を得て、本発明の完成に至った。課題解決の具体的な手段は、以下のとおりである。
上記目的を達成するための本発明の一実施の形態に係る食肉加工品の製造方法は、食肉をミンチ状に挽くミンチ工程の後に、5℃〜10℃の温度下にて、塩漬剤を含む挽肉を、その移送方向の川上側よりも川下側の圧縮力を高くする加圧押出手段に通して、挽肉中の筋原線維を構成する蛋白質の一部を塩溶化させることを含む塩溶化工程を行う製造方法である。
別の実施の形態に係る食肉加工品の製造方法は、さらに、塩溶化工程を、加圧押出手段を直列に2以上接続したルートに、塩漬剤を含む挽肉を通すことを含めて行っても良い。
別の実施の形態に係る食肉加工品の製造方法は、また、塩溶化工程を、塩漬剤を含む挽肉を、上述の温度下に保持しながら、1または2以上のエクストルーダに通過させることを含む工程としても良い。
別の実施の形態に係る食肉加工品の製造方法は、さらに、エクストルーダとして、上述の温度下に保持する温度保持機能を有するエクストルーダを用いて行っても良い。
本発明によれば、食肉加工品の製造において、塩溶化を促進させて製造工程の短期間化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る食肉加工品の製造方法の例示的なフローを示す。 図2は、図1の加圧押出の工程で好適に用いられるエクストルーダの断面図(2A)および該エクストルーダ内に供された挽肉をその反対側に向かって押し出す状況の断面図(2B)をそれぞれ示す。 図3は、図2のエクストルーダの変形例の断面図およびその一部の拡大断面図をそれぞれ示す。 図4は、図2のエクストルーダを複数個直列に接続して、挽肉を複数のエクストルーダに通して塩溶化を促進する方法を説明する模式図を示す。 図5は、図1のフローの変形例を示す。
次に、本発明に係る食肉加工品の製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.定義
本願における「食肉加工品」は、ソーセージ類; プレスハムなどの小肉塊と挽肉、練肉からなるつなぎにより結着加工されるハム類; ハンバーグ; 肉団子などを含むように広義に解釈される。「塩溶化工程」は、加圧押出のみで、あるいは加圧押出と冷蔵庫等の一定温度環境下での静置との組み合わせで塩溶化を行う工程である。「塩漬剤」は、少なくとも塩を含み、食肉中に存在する塩溶性の筋原線維蛋白質の一部を抽出させる作用を有する添加剤をいう。また、「塩」は、酸と塩基との中和反応によって生じるイオン化合物であり、その代表例として塩化ナトリウムを挙げることができる。ただし、「塩」は、塩化ナトリウム以外に、例えば、塩化カリウム若しくは塩化マグネシウムなどの他種アルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩も含む。
2.食肉加工品の製造方法
図1は、本発明の一実施の形態に係る食肉加工品の製造方法の例示的なフローを示す。以下、ソーセージを例に説明する。
この実施の形態に係るソーセージの製造方法は、例えば、図1に示すように、骨からの肉塊の分離(ステップS1)、肉挽(ステップS2)、塩漬剤との混合(ステップS3)、加圧押出を含む塩溶化(ステップS4)、充填(ステップS5)、くん煙処理(ステップS6)、加熱処理(ステップS7)および冷却処理(ステップS8)の各工程を含む。以下、各工程を説明する。
(1)骨からの肉塊の分離(ステップS1)
この工程は、牛、豚、羊、山羊、鳥などの家畜あるいは鯨などの海獣(家畜等という)を解体して、家畜等の骨から、食肉に供する肉塊10を切り離す工程である。通常、この工程では、家畜等の部位ごとに肉塊10を切り離すが、部位ごとの切り離しを要しない場合もある。
(2)肉挽(ミンチ: ステップS2)
この工程は、ブロック状の肉塊10をミンチ状に細かく挽くミンチ工程である。肉挽の工程は、チョッパーと称する肉挽き機11を用いて、目開き2〜5mmのプレートから挽肉を練り出して行われる。なお、あら挽きの場合には、目開き5mmを超えるプレートを用いる。なお、この工程に先立ち、肉塊を細切りする工程を行っても良い。
(3)塩漬剤との混合(ステップS3)
この工程は、挽肉に、塩漬剤13と、好ましくは異種蛋白質とを混合する工程であり、塩漬工程ともいう。異種蛋白質としては、例えば、大豆蛋白質、卵白蛋白質を挙げることができる。異種蛋白質の添加方法は、特に限定されるものではないが、粉末状で添加、水などでゲル化してからの添加、細かく粉砕して添加等を例示できる。塩漬剤13(液状のものを、特に、ピックル液という)は、塩化ナトリウムに代表される塩を少なくとも含む。塩漬剤13は、塩以外に、例えば、発色剤、結着補強剤、香辛料、調味料、保存料および甘味料の少なくとも1以上を含むものでも良い。発色剤は、肉中のミオグロビンを変化させ、後の加熱によってソーセージの色が灰色にならずにサーモンピンクを保持するための添加物である。発色剤としては、硝酸カリウムあるいは硝酸ナトリウム等の硝酸塩の他、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を好適に例示できる。結着補強剤は、挽肉の結着性を高めるための添加物であり、リン酸一ナトリウム、リン酸二カリウムなどの正リン酸塩の他、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩を好適に例示できる。香辛料および調味料は、主に味付けを行うための添加剤であり、唐辛子、バジリコ、ヒメウイキョウの他、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウムなどを好適に例示できる。保存料は、ソーセージを長期に保存あらしめる添加剤であり、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムなどを好適に例示できる。甘味料は、甘み成分であり、スクラロース、ステビアなどを好適に例示できる。その他、アスコルビン酸、ビタミンCなどの酸化防止剤を加えても良い。塩漬剤13と挽肉との混合方法は、塩漬剤13と挽肉とを混合できる限り、如何なる方法でも良い。例えば、ミキサーを用いて、ミキサー内で塩漬剤13と挽肉とを混合することができる。
(4)加圧押出を含む塩溶化(ステップS4)
この工程は、塩漬剤を加えた挽肉14(単に、挽肉14ともいう)を、その移送方向の川上側よりも川下側の圧縮力を高くする加圧押出手段に通して、当該挽肉14中の筋原線維を構成する蛋白質の一部を塩溶化させる加圧押出の処理を含む塩溶化工程である。加圧押出手段としては、所定の方向に向かう挽肉14に対して、その移動を妨げる抵抗力を加えて押し出す手段であれば、その形態の如何を問わない。この実施の形態では、加圧押出手段として、エクストルーダ15を好適に例示できる。エクストルーダ15の一方側から挽肉14を入れて、加圧しながら、その反対側に向かって挽肉14を押し出していくと、挽肉14の外周に加えられる上記加圧作用によって、塩溶化を促進することができる。このため、0.5〜7日間冷蔵庫に挽肉14を静置させて塩溶化を行う従来の方法に比べて、極めて短時間にて塩溶化工程を行うことができる。具体的には、早ければ10〜60秒、少し時間を要するものでも1〜5時間にて塩溶化工程を完了することができる。具体的には、エクストルーダ15に挽肉14を入れて加圧押出を行うことにより塩溶化を完了できる場合には、10〜60秒の加圧押出の処理時間だけで済む。一方、エクストルーダ15に挽肉14を入れて加圧押出を行った後若しくは行う前に、冷蔵庫にて静置する必要がある場合には、10〜60秒の加圧押出時間と冷蔵庫内での静置時間とを加えて合計1〜5時間の塩溶化処理時間を要する。冷蔵庫内での静置を伴う場合でも、加圧押出を行うことにより静置時間を著しく低減できるというメリットがある。また、エクストルーダ15に挽肉14を通すだけで塩溶化を終了できる場合には、特に、挽肉14を移送する過程で塩溶化を行うことができるので、挽肉14を移送する工程から一旦、挽肉14を別の場所(冷蔵庫など)に移動することなく、スムーズに塩溶化工程を行うことができるというメリットもある。加圧押出によって行う塩溶化工程は、塩漬剤を含む挽肉14を、5℃〜10℃の温度に保持しながら、1または2以上のエクストルーダ15に通過させる工程とするのが好ましい。かかる温度保持の方法については後述する。
(5)充填(ステップS5)
この工程は、塩溶化工程後の挽肉14を、羊や豚等に由来する天然ケーシングあるいは人工的に製造されたケーシングに充填する工程である。この工程によって、複数個のソーセージがつながったリンク状ソーセージ16が出来上がる。
(6)くん煙処理(ステップS6)
この工程は、例えば、サクラ、ブナ、カシなどのチップを用いて、50℃〜85℃の温度条件でリンク状ソーセージ16を燻す工程である。くん煙に含まれる特有の香味成分、表面光沢成分、フェノール物質がリンク状ソーセージ16に付着および浸透することにより、リンク状ソーセージ16内部の脂質成分に抗酸化力および高菌力を付与できる。なお、ノンスモーク製品の場合、この工程は省かれる。
(7)加熱処理(ステップS7)
この工程は、くん煙処理後のソーセージ17(以後、単に、ソーセージ17ともいう)を湯釜18に投入してボイルする工程である。湯の好適な温度は、63℃〜90℃である。また、ボイルに代えて、ソーセージ17をスモークハウス内で蒸気加熱することもできる。この場合の蒸気の好適な温度は、ボイルと同様、63℃〜90℃である。
(8)冷却処理(ステップS8)
この工程は、加熱処理後のソーセージ17を室温まで冷却する工程である。冷却の方法は、自然放冷の他、冷蔵室内で積極的に冷やす方法でも良い。
上記工程の内、食肉加工品の種類によっては、くん煙処理(ステップS6)および/または加熱処理(ステップS7)を行わなくとも良い。例えば、サラミソーセージのような非加熱食肉加工品の場合には、充填(ステップS5)の後、乾燥工程を行い、法律で定める水分活性値となるまで乾燥して仕上げることができる。
3.加圧押出手段
図2は、図1の加圧押出の工程で好適に用いられるエクストルーダの断面図(2A)および該エクストルーダ内に供された挽肉をその反対側に向かって押し出す状況の断面図(2B)をそれぞれ示す。なお、(2B)では、(2A)に示す冷媒の循環ルートが省略されている。
図2(2A)に示すように、エクストルーダ15は、好適には金属から構成され、長さ方向両端を開口する筒体20である。筒体20の一方の開口部21は、挽肉14を供給可能な大きさである。筒体20の開口部21と反対側にある開口部22は、開口部21よりも小径に開口される。筒体20は、その内部にあって筒体20の長さ方向に延出する回転軸23を回転可能に固定する。回転軸23は、その周囲に、回転軸23の長さ方向に進行するスクリュー24を形成してなる。スクリュー24の外周と筒体20の内壁との隙間は、開口部21から開口部22に進むに従い狭くなっている。
エクストルーダ15は、5℃〜10℃の温度下に保持する温度保持機能を有するエクストルーダであるのが好ましく、筒体20の外周には、例えば、冷媒26を流すための中空状のチューブ25が巻回されている。冷媒26は、筒体20の内部に供された挽肉14から熱を奪って気化し、コンプレッサ27に送られて高圧ガスとなる。高圧ガスは、放熱器28にて放熱して液体に戻る。液体に戻った冷媒26は、エクスパンションバルブ29に送られて低圧ガスとなる。低圧ガスは、チューブ25を通過する際に再び挽肉14から熱を奪って気化し、コンプレッサ27に送られる。このように、筒体20、コンプレッサ27、放熱器28、エクスパンションバルブ29を順々に移動するサイクルによって、気化圧縮型の冷却システムを構築できる。これによって、エクストルーダ15内にて加圧押出しされる挽肉14の温度が上昇して蛋白質変性を生じないレベルに冷却できるようにしている。筒体20にチューブ25を巻回する方法以外に、スクリュー24内に冷媒26を流しても良い。エクストルーダ15で保持する温度範囲は、5℃〜10℃、好ましくは6℃〜9℃、さらに好ましくは7℃〜8℃の範囲である。5℃以上の温度とすることにより、挽肉14の塩溶化をスムーズに進行させることができる。また、10℃以下の温度とすることにより、挽肉14の蛋白質変性を防止できる。エクストルーダ15の特に内部の温度を上記温度範囲とすることにより、エクストルーダ15内で挽肉14を加圧した際に挽肉14の塩溶化を進め、かつ挽肉14が局部的に温度上昇するのを効果的に抑制することができる。かかる温度を維持するための冷媒26としては、例えば、二酸化炭素、空気、代替フロンなどを挙げることができる。また、気化圧縮型の冷却システム以外に、よりシンプルな冷水循環システムを採用しても良い。その場合の冷媒26は水である。冷水循環システムを採用する場合、エクストルーダ15の保持温度は、5℃〜10℃の範囲内において10℃に近い温度(例えば、8℃〜10℃)の場合に特に有効である。
上記気化圧縮型の冷却システム以外に、例えば、アブソーバー、ジェネレーター、セパレーター、コンデンサ、エバポレーター(筒体20側)を接続する循環システムによる気化吸収型の冷却システムを採用しても良い。この場合、冷媒26としてアンモニアを用い、吸収液として水を用いることができる。また、冷媒26として水を用い、吸収液として臭化リチウムを用いても良い。
図2(2B)に示すように、回転軸23を矢印Bの方向に回転させ、挽肉14を矢印Aの方向から筒体20の内部に向けて供給すると、挽肉14は開口部22に向かって移動する。挽肉14は、筒体20の壁面などからの圧力を受けて圧縮されながら、矢印Cに示すように、開口部22から出てくる。開口部22から出てくる挽肉14は、開口部21から供給された状態と比べて圧縮された状態となる。スクリュー24で開口部22に向かって送られながら筒体20内にて加圧されることにより、挽肉14の塩溶化を促進することができる。この結果、挽肉14を、長時間、冷蔵庫にて静置する工程を行うことなく、エクストルーダ15を通すだけ、あるいはエクストルーダ15を通した後若しくは通す前に冷蔵庫内で従来よりも短い時間の静置を行うだけで塩溶化工程を完了することができる。
図3は、図2のエクストルーダの変形例の断面図およびその一部の拡大断面図をそれぞれ示す。
図3に示すエクストルーダ15aは、図2のエクストルーダ15と異なり、気化に伴う除熱ではなく、ペルチェ方式によって筒体20を冷却する構成を有する。具体的には、エクストルーダ15aは、筒体20の外側に、ペルチェ素子30を備える温度保持機能(例えば、冷却機能)付きエクストルーダである。エクストルーダ15aの上記以外の構成は、図2のエクストルーダ15と共通する。
エクストルーダ15aの一部Dの拡大断面図に示すように、ペルチェ素子30は、金属板31と金属板32との間において、金属板31側に複数枚の導電板33を、所定間隔をあけて直列に配置し、金属板32側に複数枚の導電板34を、所定間隔をあけて、かつ対向する導電板33と一部重なるように配置する構成を備える。導電板33と導電板34との重複領域の隙間には、n型半導体35、p型半導体36を交互に配置する。この結果、金属板31から金属板32に向かって、導電板33、n型半導体35、導電板34の順に積層し、金属板32から金属板31に向かって、導電板34、p型半導体36、導電板33の順に積層したn字形状の基本ユニットが形成される。金属板31と金属板32との間には、かかる基本ユニットを直列に接続した構造が形成されている。金属板32は筒体20に接している。図3中の左端の導電板33から右端の導電板33に向かって電圧をかけると、金属板32側が吸熱、金属板31側が放熱となる熱サイクルを構成できる。これによって、エクストルーダ15aの筒体20を冷却することができる。冷媒を用いることなく、電力調整によって、金属板32の温度を調整できるので、筒体20のより正確な温度制御が可能となる。なお、外気が5℃以下であって、筒体20が5℃〜10℃よりも低温の場合には、電流の向きを変え、あるいは金属板31側を筒体20に接するようにペルチェ素子30を筒体20に固定して、5℃〜10℃の温度範囲内の所定温度に筒体20を維持できるようにしても良い。
4.食肉加工品の製造方法の変形例
図4は、図2のエクストルーダを複数個直列に接続して、挽肉を複数のエクストルーダに通して塩溶化を促進する方法を説明する模式図を示す。なお、図4では、冷媒26の循環システムは省略されている。
エクストルーダ15を直列に3つ接続し、矢印Eで示すように、挽肉14を最初のエクストルーダ15の開口部21から供給し、その反対側の開口部22から加圧押出し、押し出された挽肉14を、二番目のエクストルーダ15の開口部21に供給し、その反対側の開口部22から加圧押出する要領で最後のエクストルーダ15の開口部22から挽肉14を押し出すと、挽肉14の塩溶化を容易に促進できる。エクストルーダ15,15は、配管40を介在して容易に接続できる。なお、エクストルーダ15は、2個あるいは4個以上を接続しても良い。さらに、エクストルーダ15に代えてあるいはこれに加えて、エクストルーダ15aを接続しても良い。このように、塩溶化工程を、エクストルーダ15,15aなどの加圧押出手段を直列に2以上接続したルートに挽肉14を通すことにより行っても良い。
図5は、図1のフローの変形例を示す。
図5に示すフローは、図1に示す塩漬剤との混合(ステップS3)を、肉挽(ステップS2)の前に行う製造方法を示す。図5では、充填(ステップS5)以降のステップは図1のフローと共通するため省略されている。この例の場合、塩漬剤13を混合する対象は、挽肉ではなくブロック状の塊肉である。このため、塩漬剤13は、塊肉中にシリンジなどを用いて注入されるのが好ましい。この製造方法は、塩漬剤13を塊肉中に注入後、肉挽(ステップS2)を経て、加圧押出を含む塩溶化(ステップS4)以降の工程に進む。
このように、加圧押出を含む塩溶化(ステップS4)の前に、塩漬剤13を添加した挽肉14が存在する限り、塩漬剤13の添加時期がいつであっても良い。
5.その他の実施の形態
以上、本発明に係る食肉加工品の製造方法の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々変形を施した形態にて実施可能である。
上述のエクストルーダ15,15a以外の加圧押出手段を用いて塩溶化工程を行っても良い。例えば、入口から投入された挽肉14を複数に区分けされた出口から押し出して、挽肉14の進行に対して抵抗を生じるようにする1または2以上の加圧器具を用いても良い。複数に区分けされた出口を挽肉14が通過する際、挽肉の粒子に対して物理的にしごく効果が生じ、それにより加圧押出手段と同様の肉に対する加圧の効果が生じる。また、エクストルーダ15,15a自体が温度保持機能(例えば、冷却機能)を持っていなくとも良い。例えば、冷蔵室内に、エクストルーダに代表される加圧押出手段を設置して、加圧押出手段が外気によって冷却された条件下で、塩溶化工程を行っても良い。また、加圧押出手段の入口若しくはそれより川上側に、温度保持機器(例えば、冷却機器)を設置して、挽肉14をその冷却機器を通すことによって、若しくはその冷却機器からの冷気を挽肉14に接触させることによって、挽肉14を冷却してから加圧押出手段に入るようにしても良い。そのような場合、加圧押出手段の温度は、5℃〜10℃、好ましくは6℃〜9℃、さらに好ましくは7℃〜8℃の範囲である。
塩漬剤13は、塩を少なくとも含む限り、発色剤、結着補強剤、香辛料、調味料、保存料、甘味料あるいは酸化防止剤などの他の添加剤を含まなくとも良い。その場合、当該他の添加剤の少なくとも一種は、充填工程の前の工程において、塩漬剤13とは別に添加されるのが好ましい。
本発明は、食肉加工品の製造に利用できる。
13 塩漬剤
14 塩漬剤を含む挽肉
15,15a (温度保持機能付き)エクストルーダ(加圧押出手段の一例)

Claims (2)

  1. エクストルーダの入口若しくはそれより川上側に、冷却機器を設置して、
    食肉をミンチ状に挽くミンチ工程後の塩漬剤を含む挽肉を5℃〜10℃の温度下の前記冷却機器を経た後、その移送方向の川上側よりも川下側の圧縮力を高くする前記エクストルーダを2以上直列に通して、前記挽肉中の筋原線維を構成する蛋白質の一部を塩溶化させることを含む塩溶化工程を行い、冷却から塩溶化までを合計1〜5時間で完了する食肉加工品の製造方法。
  2. 前記エクストルーダは、前記温度下に保持する温度保持機能をさらに有するエクストルーダである請求項に記載の食肉加工品の製造方法。
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