(本発明の基礎となった知見)
上記従来の技術では、ユーザの好み、体質および健康状態に応じて在庫情報の表示が変更される。しかしながら、ユーザの好み、体質および健康状態に変化がなくても、ユーザの行動予定によってユーザに適した情報も変化する場合がある。
そこで、本開示の一態様に係る情報提供方法は、ユーザを識別するセンサを有する冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供する情報提供方法であって、前記センサにより識別したユーザの識別結果を含む信号を前記冷蔵庫からネットワークを介して受信する受信ステップと、メモリに記憶された複数のユーザのスケジュール情報のうち、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザに対応するスケジュール情報を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する抽出ステップと、前記イベントに対応する物品を決定する決定ステップと、決定された前記物品に基づいて、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報の中から前記ユーザに提供する1以上の物品の情報を生成する生成ステップと、生成された前記情報を前記ユーザが利用する機器に出力させる信号を前記機器へ前記ネットワークを介して送信する送信ステップと、を含む。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザが利用する機器からの出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また例えば、前記決定ステップでは、前記イベントに悪影響を与える物品として予め定められた物品を、前記イベントに対応する物品として決定してもよい。
これによれば、イベントに悪影響を与える物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供することができる。したがって、イベントに悪影響を与える物品をユーザが冷蔵庫から取り出すことを抑制することができる。
また例えば、前記イベントは、前記ユーザが人と会うためのイベントであり、前記イベントに悪影響を与える物品は、当該物品の食後に臭いが残る物品であってもよい。
これによれば、ユーザが人と会うためのイベントがスケジュールされている場合に、食後に臭いが残る物品を決定することができる。したがって、食後に臭いが残る物品に基づいて情報をユーザに提供することができる。その結果、ユーザが人と会うためのイベントの前に、食後に臭いが残る物品を摂取することを抑制することが可能となる。
また例えば、前記情報提供方法は、さらに、現在日時と前記イベントの開始日時との差分時間を算出する算出ステップを含み、前記決定ステップでは、食後に臭いが残る時間として予め定められた持続時間であって前記差分時間よりも大きい持続時間を有する物品を、前記イベントに対応する物品として決定してもよい。
これによれば、食後に臭いが残る持続時間と、イベントの開始日時までの差分時間とを考慮して、イベントに対応する物品を決定することができる。したがって、イベントの開始日時まで臭いが残る物品をイベントに対応する物品として決定し、イベントの開始日時までに臭いが消える物品をイベントに対応する物品として決定しないことができる。その結果、イベントに悪影響を与える物品を適切に決定することができる。
また例えば、前記生成ステップでは、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品の情報のうち、決定された前記物品と異なる物品に関する情報を、前記ユーザに提供する1以上の物品に関する情報として生成してもよい。
これによれば、イベントに悪影響を与える物品と異なる物品に関する情報をユーザに提供することができる。したがって、ユーザが提供された情報に基づいて冷蔵庫から物品を取り出せば、イベントに悪影響を与える物品を取り出すことを抑制することができる。
また、例えば、前記生成ステップでは、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品の情報のうち、決定された前記物品と同じ物品に関する情報を、前記ユーザに提供する1以上の物品に関する情報として生成してもよい。
これによれば、イベントに悪影響を与える物品と同じ物品に関する情報をユーザに提供することができる。よって、ユーザはイベントに悪影響を与える物品を認識できる。したがって、ユーザは提供された情報に基づいて冷蔵庫から物品を取り出す際に、イベントに悪影響を与える物品を取り出すことを抑制することができる。
また例えば、前記情報提供方法は、さらに、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザが他人の食事を用意する人か否かを判定する判定ステップを含み、前記抽出ステップでは、前記ユーザが他人の食事を用意する人であると判定された場合、前記ユーザのスケジュール情報および前記他人のスケジュール情報を参照して、前記イベントを抽出してもよい。
これによれば、ユーザが他人の食事を用意する人である場合に、当該ユーザのスケジュール情報に加えて他人のスケジュール情報も参照してイベントを抽出することができる。したがって、ユーザが用意した食事を摂取した他人がイベントに悪影響を与える物品を摂取することを抑制することができる。
また例えば、前記抽出ステップでは、現在日時から予め定められた期間内にスケジュールされているイベントを、前記スケジュールされた未来のイベントとして抽出してもよい。
これによれば、現在日時から予め定められた期間内にスケジュールされているイベントを抽出することができる。したがって、物品の摂取による影響が大きいイベントを抽出することができ、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をより適切にユーザに提供することができる。
また、例えば、前記ユーザが利用する機器は、前記冷蔵庫であり、前記送信ステップは、生成された前記情報を前記冷蔵庫が備えるディスプレイに表示させる信号を前記冷蔵庫へ前記ネットワークを介して送信してもよい。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を冷蔵庫が備えるディスプレイへの表示により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、例えば、前記ユーザが利用する機器は、前記冷蔵庫であり、前記送信ステップは、生成された前記情報を前記冷蔵庫が備える音声出力部に出力させる信号を前記冷蔵庫へ前記ネットワークを介して送信してもよい。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を冷蔵庫が備える音声出力部からの音声出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、例えば、前記ユーザが利用する機器は、携帯端末であり、前記送信ステップは、生成された前記情報を前記携帯端末が備えるディスプレイに表示させる信号を前記携帯端末へ前記ネットワークを介して送信してもよい。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を携帯端末が備えるディスプレイへの表示により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、例えば、前記ユーザが利用する機器は、携帯端末であり、前記送信ステップは、生成された前記情報を前記携帯端末が備える音声出力部に出力させる信号を前記携帯端末へ前記ネットワークを介して送信してもよい。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を携帯端末が備える音声出力部からの音声出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、例えば、前記ユーザの識別結果を含む信号の受信、前記未来のイベントの抽出、前記物品の決定、前記1以上の物品に関する情報の生成および生成された前記情報を前記ユーザが利用する機器に出力させる信号の送信のうちの少なくとも1つはプロセッサにより行われてもよい。
本開示の一態様に係る記録媒体は、ユーザを識別するセンサを有する冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体であって、前記プログラムは、コンピュータに前記センサにより識別したユーザの識別結果を含む信号を前記冷蔵庫からネットワークを介して受信する受信ステップと、メモリに記憶された複数のユーザのスケジュール情報のうち、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザに対応するスケジュール情報を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する抽出ステップと、前記イベントに対応する物品を決定する決定ステップと、決定された前記物品に基づいて、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報の中から前記ユーザに提供する1以上の物品の情報を生成する生成ステップと、生成された前記情報を前記ユーザが利用する機器に出力させる信号を前記機器へ前記ネットワークを介して送信する送信ステップと、を実行させる。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザが利用する機器からの出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
本開示の一態様に係るサーバは、ユーザを識別するセンサを有する冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供するサーバであって、前記センサにより識別したユーザの識別結果を含む信号を前記冷蔵庫からネットワークを介して受信する受信部と、複数のユーザのスケジュール情報および前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された複数のユーザのスケジュール情報のうち、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザに対応するスケジュール情報を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出するイベント抽出部と、前記イベントに対応する物品を決定する物品決定部と、決定された前記物品に基づいて、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報の中から前記ユーザに提供する1以上の物品の情報を生成する情報生成部と、生成された前記情報を前記ユーザが利用する機器に出力させる信号を前記機器へ前記ネットワークを介して送信する送信部と、を備える。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザが利用する機器からの出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、例えば、前記受信部、前記イベント抽出部、前記物品決定部、前記情報生成部、および前記送信部のうちの少なくとも1つは、プロセッサを含んでもよい。
本開示の一態様に係る情報提供システムは、冷蔵庫と、前記冷蔵庫とネットワークを介して接続するサーバとを備え、前記冷蔵庫は、ユーザを識別するセンサと、前記センサにより識別したユーザの識別結果を含む信号を前記ネットワークを介して前記サーバへ送信する送信部を備え、前記サーバは、前記センサにより識別したユーザの識別結果を含む信号を前記冷蔵庫からネットワークを介して受信する受信部と、複数のユーザのスケジュール情報および前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された複数のユーザのスケジュール情報のうち、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザに対応するスケジュール情報を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出するイベント抽出部と、前記イベントに対応する物品を決定する物品決定部と、決定された前記物品に基づいて、前記メモリに記憶された前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報の中から前記ユーザに提供する1以上の物品の情報を生成する情報生成部と、生成された前記情報を前記ユーザが利用する機器に出力させる信号を前記機器へ前記ネットワークを介して送信する送信部と、を備える。
これによれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザが利用する機器からの出力により、ユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
[情報提供システムの使用事例]
図1は、実施の形態1に係る情報提供システム10の使用事例を示す図である。情報提供システム10は、冷蔵庫100と、サーバ200とを備える。例えば、冷蔵庫100と、サーバ200とは、ネットワークを介して接続する。ネットワークは有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。
冷蔵庫100は、ユーザ99の体内に摂取される物品を格納する。ここでは、物品は、例えば食品(食材および調理済食品を含む)、調味料、飲料および薬品などである。
冷蔵庫100は、センサ101およびディスプレイ102を備える。センサ101は、ユーザ99の識別に用いられる。本実施の形態では、センサ101は、例えば、冷蔵庫100の近傍に存在するユーザ99を撮影するカメラである。ディスプレイ102は、冷蔵庫100に格納されている1以上の物品に関する情報の提供に用いられる。本実施の形態では、ディスプレイ102は、タッチスクリーンである。
サーバ200は、例えばクラウドサーバである。サーバ200は、冷蔵庫100からユーザ99の識別結果を受信する。そして、サーバ200は、識別結果に基づいて、冷蔵庫100に格納されている1以上の物品に関する情報を冷蔵庫100に送信する。
冷蔵庫100に格納されている1以上の物品に関する情報は、例えば、単に1以上の物品を示す情報であってもよい。また例えば、1以上の物品が複数の物品である場合、1以上の物品に関する情報は、複数の物品のうちの少なくとも1つを示す情報であってもよい。また例えば、1以上の物品に関する情報は、当該1以上の物品の在庫量を示す情報であってもよい。また例えば、1以上の物品に関する情報は、当該1以上の物品を用いる料理のレシピを示す情報であってもよい。
本実施の形態では、1以上の物品に関する情報が、複数の物品のうちの少なくとも1つの物品およびその在庫量を示す情報である場合を例に説明する。ユーザ99は、冷蔵庫100の扉を開ける前に、ディスプレイ102に表示された物品およびその在庫量を示す情報を確認することにより、所望の物品を迅速に冷蔵庫100から取り出すことができる。
[情報提供システムの機能構成]
次に、情報提供システム10の機能構成について図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る情報提供システム10の機能構成を示すブロック図である。
[冷蔵庫の機能構成]
冷蔵庫100は、識別部110と、表示部120と、通信部130とを備える。
識別部110は、例えばセンサ101、プロセッサおよびメモリなどによって実現される。識別部110は、ユーザを識別する。具体的には、識別部110は、センサ101によって撮影されたユーザ99の画像において顔領域を検出する。そして、識別部110は、検出された顔領域から特徴量を抽出する。さらに、識別部110は、抽出された特徴量を、複数のユーザの識別子に対応付けて予め保持された複数の特徴量とマッチングすることにより、ユーザ99の識別子を特定する。
表示部120は、情報提供部の一例であり、例えばディスプレイ102およびデジタルシグナルプロセッサなどによって実現される。表示部120は、サーバ200から受信された表示用情報をディスプレイ102に表示することにより、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する情報をユーザ99に提供する。
通信部130は、例えば、ネットワークアダプタなどによって実現される。通信部130は、サーバ200と通信を行う。通信部130は、例えば、受信部(図示せず)と送信部(図示せず)とを含む。具体的には、通信部130の送信部は、識別部110によるユーザ99の識別結果(例えば識別子)を含む信号をサーバ200に送信する。さらに、通信部130の受信部は、サーバ200から表示用情報をディスプレイ102に表示させるための信号を受信する。
[サーバの機能構成]
サーバ200は、記憶部210と、イベント抽出部220と、物品決定部230と、情報生成部240と、通信部250とを備える。
記憶部210は、例えばメモリによって実現される。メモリとは、例えばハードディスクあるいは半導体メモリなどを含む。記憶部210は、在庫情報211と、ユーザ情報212と、物品情報213とを記憶している。
在庫情報211は、冷蔵庫100に格納されている物品およびその数量(つまり在庫量)を示す情報である。在庫情報211の一例については、図3を用いて後述する。
ユーザ情報212は、冷蔵庫100に対応する複数のユーザに関する情報である。本実施の形態では、ユーザ情報212は、複数のユーザの各々が他人の食事を用意する人か否かを示す情報を含む。ユーザ情報212の一例については、図4を用いて後述する。
物品情報213は、物品に関する情報である。本実施の形態では、物品情報213は、食後に臭いが残る物品を示す情報を含む。物品情報213の一例については、図5を用いて後述する。
イベント抽出部220は、例えばプロセッサおよびメモリなどによって実現される。イベント抽出部220は、ユーザ99の識別結果に基づいてユーザ99に対応するスケジュール情報300を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する。未来のイベントとは、現在日時よりも後のイベントである。
なお、本説明では、行事(イベント)、約束(アポイントメント)および仕事(タスク)などを区別せず、すべてイベントと呼ぶ。
例えば、イベント抽出部220は、現在日時から予め定められた期間内にスケジュールされているイベントを、スケジュールされた未来のイベントとして抽出する。予め定められた期間は、例えば経験的または実験的に定められればよい。なお、予め定められた期間は、現在時刻に応じて変化してもよい。予め定められた期間は、例えば現在時刻が午前である場合に半日であり、現在時刻が午後である場合に1日であってもよい。
抽出されるイベントの内容は、特に限定される必要はない。例えば、イベントは、ユーザ99が人と会うためのイベントであってもよい。また例えば、イベントは、試験(例えば、学力試験、採用試験など)であってもよい。
スケジュール情報300とは、スケジュールされたイベントの日時および内容を示す情報である。例えば、スケジュール情報300は、パーソナルカレンダアプリケーションなどによって管理されるカレンダデータである。スケジュール情報300は、例えば、iCalendarあるいはvCalendarなどのファイルフォーマットが適用される。スケジュール情報300の一例については、図6を用いて後述する。
物品決定部230は、例えばプロセッサおよびメモリなどによって実現される。物品決定部230は、イベント抽出部220によって抽出されたイベントに対応する物品を決定する。具体的には、物品決定部230は、例えば、物品情報213を参照して、イベントに悪影響を与える物品として予め定められた物品を決定する。イベントに悪影響を与える物品は、例えば、当該物品の食後に臭いが残る物品である。
情報生成部240は、例えばプロセッサおよびメモリなどによって実現される。情報生成部240は、物品決定部230によって決定された物品に基づいて、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する表示用情報を生成する。具体的には、情報生成部240は、例えば、冷蔵庫100に格納されている1以上の物品のうち、物品決定部230によって決定された物品と異なる物品に関する情報を表示用情報として生成する。つまり、表示用情報は、物品決定部230によって決定された物品に関する情報を含まない。
通信部250は、例えば、ネットワークアダプタなどによって実現される。通信部250は、冷蔵庫100と通信を行う。通信部250は、例えば、受信部(図示せず)と送信部(図示せず)とを含む。具体的には、通信部250の受信部は、冷蔵庫100の識別部110によるユーザ99の識別結果を含む信号を冷蔵庫100から受信する。さらに、通信部250の送信部は、情報生成部240によって生成された表示用情報を冷蔵庫100に出力させるための信号を送信する。
さらに、通信部250の受信部は、ユーザ99の識別結果に対応するスケジュール情報300を受信する。例えば、通信部250は、カレンダアプリケーションを提供するウェブサーバ(図示せず)からネットワークを介してスケジュール情報300を含む信号を受信する。受信した信号に含まれるスケジュール情報300は、例えば、記憶部210に記憶される。または、通信部250は、一定期間毎に、冷蔵庫100を利用する複数のユーザのスケジュール情報300を含む信号をウェブサーバから受信し、受信した信号に含まれる複数のスケジュール情報300を記憶部210に記憶するように構成してもよい。
[各種情報の具体例]
ここで、本実施の形態で用いられる各種情報の具体例について、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は、実施の形態1における在庫情報211の一例を示す図である。在庫情報211は、冷蔵庫100に格納されている物品を示す情報と、当該物品の在庫量を示す情報とを含む。図3の在庫情報211によれば、例えば、牛乳の在庫量は1であり、たまごの在庫量は8であることがわかる。
図4は、実施の形態1におけるユーザ情報212の一例を示す図である。ユーザ情報212は、冷蔵庫100に対応するユーザを示す情報と、ユーザが他人の食事を用意する人(以下、調理者という)であるか否かを示す情報とを含む。図4のユーザ情報212によれば、ユーザAおよびCは調理者ではなく、ユーザBおよびDは調理者であることがわかる。
図5は、実施の形態1における物品情報213の一例を示す図である。物品情報213は、イベントに悪影響を与える物品を示す。具体的には、物品情報213は、食後に臭いが残る物品を示す情報と、臭いの持続時間を示す情報とを含む。図5の物品情報213によれば、例えばキムチは食後に6時間臭いが残ることがわかる。
図6は、実施の形態1におけるスケジュール情報300の一例を示す図である。スケジュール情報300は、イベントの開始日時および終了日時を示す情報と、イベントの内容を示す情報とを含む。図6によれば、例えば、2015年1月25日の11時〜17時にXとのデートがスケジュールされていることがわかる。
[情報提供システムの動作]
次に、以上のように構成された情報提供システム10の動作について説明する。
まず、情報提供システム10における情報の流れについて図7を用いて説明する。図7は、実施の形態1に係る情報提供システム10における情報の流れを示すシーケンス図である。
冷蔵庫100の識別部110は、ユーザ99を識別する(S102)。識別部110によるユーザ99の識別結果(例えば、ユーザ99の識別子)を含む信号は、通信部130により冷蔵庫100からサーバ200にネットワークを介して送信される。
通信部250は、冷蔵庫100から受信した識別結果を含む信号を受信する。これにより、サーバ200は、受信した信号に含まれるユーザの識別結果を得る。
サーバ200のイベント抽出部220は、冷蔵庫100から受信した識別結果に基づいて、記憶部210に記憶された複数のユーザのスケジュール情報のうちユーザ99に対応するスケジュール情報300を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する(S104)。なお、このイベント抽出処理の詳細は、図8を用いて後述する。
サーバ200の物品決定部230は、抽出されたイベントに対応する物品を決定する(S106)。なお、この物品決定処理の詳細は、図9を用いて後述する。
サーバ200の情報生成部240は、決定された物品に基づいて、ユーザ99に提供する1以上の物品に関する情報に対応する表示用情報を生成する(S108)。生成された表示用情報を冷蔵庫100のディスプレイ102に表示させる信号は、通信部250によりサーバ200から冷蔵庫100にネットワークを介して送信される。生成された表示用情報を冷蔵庫100のディスプレイ102に表示させる信号には、例えば、生成された表示用情報と表示用情報をディスプレイ102に表示させるための制御情報が含まれる。
冷蔵庫100の通信部130は、冷蔵庫100のディスプレイ102に表示させる信号をサーバ200から受信する。
冷蔵庫100の表示部120は、サーバ200から受信した信号に含まれる制御情報に従って表示用情報をディスプレイ102に表示する(S110)。これにより、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する情報がディスプレイ102に表示されることでユーザ99に提供される。
次に、ステップS104のイベント抽出処理の詳細について図8を用いて説明する。図8は、実施の形態1におけるイベント抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
イベント抽出部220は、ユーザ99の識別結果に基づいて、ユーザ99が他人の食事を用意する人か否かを判定する(S202)。具体的には、イベント抽出部220は、ユーザ99の識別結果に基づいてユーザ情報212を参照して、ユーザ99が他人の食事を用意する人か否かを判定する。
例えば、ユーザの識別結果が「A」を示す場合、イベント抽出部220は、図4に示すユーザ情報212を参照して、ユーザ99が他人の食事を用意する人ではないと判定する。また例えば、ユーザの識別結果が「B」を示す場合、イベント抽出部220は、図4に示すユーザ情報212を参照して、ユーザ99が他人の食事を用意する人であると判定する。
ここで、ユーザ99が他人の食事を用意する人であると判定された場合(S202のYes)、イベント抽出部220は、ユーザ99のスケジュール情報300および当該他人のスケジュール情報300を参照して、ユーザ99および当該他人のスケジュールされた未来のイベントを抽出する(S204)。当該他人とは、例えば、ユーザ99が用意した食事を食べる人である。例えば、ユーザの識別結果が「B」を示す場合、他人とは図4に示すユーザA、C、Dである。
例えば、ユーザ99の識別結果がBである場合、イベント抽出部220は、ユーザ情報212に含まれるユーザA〜Dのスケジュール情報300を通信部250を介して取得する。そして、イベント抽出部220は、取得されたスケジュール情報300から、ユーザA、B、CまたはDが人と会うためのイベントを抽出する。より具体的には、イベント抽出部220は、例えば、人と会うためのイベントを示すキーワード(例えば、デート、打合せ、会議、商談会、握手会など)を用いてスケジュール情報300を検索することにより、人と会うためのイベントを抽出する。
一方、ユーザ99が他人の食事を用意する人ではないと判定された場合(S202のNo)、イベント抽出部220は、ユーザ99のスケジュール情報300を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する(S206)。例えば、ユーザ99の識別結果が「A」である場合、イベント抽出部220は、ユーザAのスケジュール情報300を通信部250を介して取得する。そして、イベント抽出部220は、取得されたスケジュール情報300から、ユーザAが人と会うためのイベントであって、現在日時よりも後の日時にスケジュールされているイベントを抽出する。
次に、ステップS106の物品決定処理の詳細について図9を用いて説明する。図9は、実施の形態1における物品決定処理の詳細を示すフローチャートである。
物品決定部230は、現在日時とイベントの開始日時との差分時間を算出する(S302)。例えば、ステップS104において複数のイベントが抽出された場合、物品決定部230は、最も近い未来のイベントの開始日時と現在日時との差分時間を算出する。具体的には、現在日時が2015年1月25日6時であり、かつ、図6に示すスケジュール情報300に含まれる複数のイベントが抽出された場合、物品決定部230は、「Xとのデート」の開始日時(2015年1月25日11時)と、現在日時(2015年1月25日6時)との差分時間(5時間)を算出する。
物品決定部230は、複数の物品のうちの未選択の1つの物品を選択する(S304)。例えば、物品決定部230は、図5に示す物品情報213によって示される複数の物品のうちの1つを選択する。
物品決定部230は、選択された物品の食後に臭いが残る時間として予め定められた持続時間を取得する(S306)。例えば、物品決定部230は、選択されたキムチの持続時間として6時間を取得する。
物品決定部230は、ステップS304において取得された持続時間が、ステップS302において算出された差分時間よりも大きいか否かを判定する(S308)。例えば、キムチが選択されている場合、物品決定部230は、持続時間(6時間)が差分時間(5時間)よりも大きいと判定する。また例えば、くさやが選択されている場合、物品決定部230は、持続時間(3時間)が差分時間(5時間)よりも小さいと判定する。
ここで、持続時間が差分時間よりも大きい場合(S308のYes)、物品決定部230は、選択された物品をイベントに対応する物品と決定する(S310)。一方、持続時間が差分時間以下である場合(S308のNo)、物品決定部230は、選択された物品をイベントに対応する物品と決定しない。
物品決定部230は、図5に示す物品情報213によって示される複数の物品のすべてが選択されたか否かを判定する(S312)。ここで、すべての物品が選択されている場合(S312のYes)、物品決定処理を終了し、いずれかの物品が選択されていない場合(S312のNo)、ステップS304に戻る。
このように、物品決定部230は、食後に臭いが残る時間として予め定められた持続時間であって差分時間よりも大きい持続時間を有する物品を、イベントに対応する物品として決定する。例えば、差分時間が5時間である場合、キムチ、くさや、およびギョーザのうち、6時間の持続時間を有するキムチのみがイベントに対応する物品として決定される。
図10は、実施の形態1における情報提供の一例を示す図である。図10では、冷蔵庫100に格納されている複数の物品および、その在庫量がディスプレイ102に表示されている。上述の例では、冷蔵庫100に格納されているキムチがイベントに対応する物品として決定されているので、キムチはディスプレイ102に表示されていない。つまり、冷蔵庫100に格納されている1以上の物品のうち、決定された物品と異なる物品に関する情報がユーザ99に提供される。
冷蔵庫100に格納されている複数の物品の情報は、在庫情報211として記憶部210に記憶されている。よって、情報生成部240は、在庫情報211を参照し、冷蔵庫100に格納された1以上の物品の情報の中から、物品決定部230によって決定された物品と異なる物品を特定することができる。
図10に示す例では、冷蔵庫100に格納されている複数の物品のうち、イベントに対応する物品とは異なる物品およびその在庫量がディスプレイ102に表示されているが、これに限定をされるものではない。
例えば、冷蔵庫100に格納されている1以上の物品のうち、イベントに対応する物品と同じ物品を物品に関する表示用情報としてディスプレイ102に表示してもよい。
このとき、イベントに対応する物品を摂取すればイベントに影響を及ぼす可能性があることを示す情報(警告情報)を表示用情報に含めてもよい。
また、摂取すればイベントに影響を及ぼす可能性があることを示す情報(警告情報)とは、例えば、物品を食べない方が良い旨の内容を提供する情報であってもよい。
冷蔵庫100に格納されている複数の物品の情報は、在庫情報211として記憶部210に記憶されている。よって、情報生成部240は、在庫情報211を参照し、冷蔵庫100に格納された1以上の物品の情報の中から、物品決定部230によって決定された物品と同じ物品を特定することができる。
この場合、例えば、サーバ200の情報生成部240は、冷蔵庫100に格納されている複数の物品の情報うち、物品決定部230によって決定された物品と同じ物品の情報を含む表示用情報を生成すればよい。
または、例えば、サーバ200の情報生成部240は、冷蔵庫100に格納されている複数の物品の情報うち、物品決定部230によって決定された物品と同じ物品の情報と、摂取すればイベントに影響を及ぼす可能性があることを示す情報(警告情報)とを含む表示用情報を生成してもよい。
図11は、摂取すればイベントに影響を及ぼす可能性があることを示す情報(警告情報)の一例を示す図である。この情報には、例えば、イベントが予定されている時刻、イベントの名称、どのようにイベントに影響を及ぼすかを示す内容が含まれていることが好ましい。ここでは、イベントが予定されている時刻として「18:00」、イベントの名称として「会議」、どのようにイベントに影響を及ぼすかを示す内容として「臭いが残る」という記載を含んで警告情報が表示されている。 上記各実施の形態では、識別部110は、センサ101によって撮影されたユーザ99の画像において顔領域を検出し、検出された顔領域から特徴量を抽出する。さらに、識別部110は、抽出された特徴量を、複数のユーザの識別子に対応付けて予め保持された複数の特徴量とマッチングすることにより、ユーザ99の識別子を特定するものとして説明をした。
しかしながら、これに限定をされることはない。例えば識別部110は、センサ101によって撮影されたユーザ99の画像に含まれる、ユーザの指紋、瞳といった領域を検出し、検出された領域から特徴量を抽出するのでもよい。
また、センサ101は、例えば、ユーザ99の音声を検出するのでもよい。この場合、センサ101はマイクなどを有する。この場合、センサ101は、マイクが集音した情報に含まれるユーザ99の音声を検出する。識別部110は、センサ101により検出された音声情報から特徴量を抽出する。
要するに、識別部110は、冷蔵庫100の前のユーザ99を識別できるような構成を有していれば、具体的な構成はどのようなものであってもよい。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、ユーザに対応するスケジュール情報を参照して抽出されたイベントに対応する物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供することができる。したがって、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をユーザに提供することができる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、イベントに悪影響を与える物品に基づいて、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供することができる。したがって、イベントに悪影響を与える物品をユーザが冷蔵庫から取り出すことを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、ユーザが人と会うためのイベントがスケジュールされている場合に、食後に臭いが残る物品を決定することができる。したがって、食後に臭いが残る物品に基づいて情報をユーザに提供することができる。その結果、ユーザが人と会うためのイベントの前に、食後に臭いが残る物品を摂取することを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、食後に臭いが残る持続時間と、イベントの開始日時までの差分時間とを考慮して、イベントに対応する物品を決定することができる。したがって、イベントの開始日時まで臭いが残る物品をイベントに対応する物品として決定し、イベントの開始日時までに臭いが消える物品をイベントに対応する物品として決定しないことができる。その結果、イベントに悪影響を与える物品を適切に決定することができる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、イベントに悪影響を与える物品と異なる物品に関する情報をユーザに提供することができる。したがって、ユーザが提供された情報に基づいて冷蔵庫から物品を取り出す際に、イベントに悪影響を与える物品を取り出すことを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、ユーザが他人の食事を用意する人である場合に、当該ユーザのスケジュール情報に加えて他人のスケジュール情報も参照してイベントを抽出することができる。したがって、ユーザが用意した食事を摂取した他人がイベントに悪影響を与える物品を摂取することを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る情報提供システム10によれば、現在日時から予め定められた期間内にスケジュールされているイベントを抽出することができる。したがって、物品の摂取による影響が大きいイベントを抽出することができ、ユーザの行動予定に適した物品に関する情報をより適切にユーザに提供することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図12Aから図16を参照しながら具体的に説明する。本実施の形態では、冷蔵庫内の物品に関する情報の提供を含むサービスを提供するサービス提供システムについて説明する。
[提供するサービスの全体像]
図12Aには、実施の形態2におけるサービス提供システムの全体像が示されている。
グループ1000は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。グループ1000には、複数の機器1010に含まれる機器A、機器Bおよびホームゲートウェイ1020が存在する。例えば、機器Aは、上記各実施の形態における冷蔵庫である。複数の機器1010には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC、TV等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明、洗濯機等)も存在する。それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ1020を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。またグループ1000には複数の機器1010を使用するユーザ990Aが存在する。
データセンタ運営会社1100には、クラウドサーバ1110が存在する。クラウドサーバ1110とはインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。例えば、クラウドサーバ1110は、上記各実施の形態におけるサーバである。クラウドサーバ1110は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社1100が行っている役務については詳細を後述する。ここで、データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば複数の機器1010のうちの1つの機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ1110の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社1100に該当する(図12B)。また、データセンタ運営会社1100は1つの会社に限らない。例えば機器メーカおよび他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ1110の運営を行っている場合は、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社1100に該当するものとする(図12C)。
サービスプロバイダ1200は、サーバ1210を保有している。ここで言うサーバ1210とは、その規模は問わず例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダがサーバ1210を保有していない場合もある。
なお、上記サービスにおいてホームゲートウェイ1020は必須ではない。例えば、クラウドサーバ1110が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ1020は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
まず、グループ1000の機器Aまたは機器Bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110に送信する。クラウドサーバ1110は機器Aまたは機器Bのログ情報を集積する(図12Aの(a))。ここで、ログ情報とは複数の機器1010の、例えば運転状況や動作日時、動作モード、位置等を示す情報である。例えば、テレビの視聴履歴やレコーダの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。ログ情報は、インターネットを介して複数の機器1010自体から直接クラウドサーバ1110に提供される場合もある。また複数の機器1010から一旦ホームゲートウェイ1020にログ情報が集積され、ホームゲートウェイ1020からクラウドサーバ1110に提供されてもよい。
次に、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ1200に提供する。ここで、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ1200に提供することのできる単位でもいいし、サービスプロバイダ1200が要求した単位でもいい。一定の単位と記載したが一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。前記ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ1200が保有するサーバ1210に保存される(図12Aの(b))。そして、サービスプロバイダ1200は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。提供するユーザは、複数の機器1010を使用するユーザ990Aでもよいし、外部のユーザ990Bでもよい。ユーザへのサービス提供方法は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい(図12Aの(e)、(f))。また、ユーザへのサービス提供方法は、例えば、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110を再度経由して、ユーザに提供されてもよい(図12Aの(c)、(d))。また、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110がログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ1200に提供してもよい。
なお、ユーザ990Aとユーザ990Bとは、別でも同一でもよい。
上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現される類型はこれに限られるものでない。
[サービスの類型1:自社データセンタ型]
図13は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。本類型は、サービスプロバイダ1200がグループ1000から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ1200が、データセンタ運営会社の機能を有している。即ち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ1110を保有している。従って、データセンタ運営会社は存在しない。
本類型では、サービスプロバイダ1200は、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902およびアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902およびアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
[サービスの類型2:IaaS利用型]
図14は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す。ここでIaaSとはインフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社1100がデータセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902およびアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902およびアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
[サービスの類型3:PaaS利用型]
図15は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す。ここでPaaSとはプラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社1100は、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、アプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社が管理するOS902およびサービスプロバイダ1200が管理するアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
[サービスの類型4:SaaS利用型]
図16は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す。ここでSaaSとはソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社1100は、アプリケーション901を管理し、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社1100が管理するOS902およびアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ1200がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダもしくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーションもしくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る情報提供システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
なお、上記各実施の形態では、ユーザの識別に画像が用いられていたが、これに限定されない。例えば、ユーザの識別に熱画像を用いてもよく、熱画像に対する顔検出処理、顔抽出処理、顔識別処理などを行ってユーザを識別するとしてもよい。また例えば、ユーザの識別には、ユーザの指紋もしくは音声、ユーザによって入力された情報、または、ユーザが携帯する機器の情報が用いられてもよい。この場合、センサは、カメラに限定される必要はなく、指紋センサ、マイクロフォン、ICタグリーダ、無線通信モジュール、または、入力装置であってもよい。さらに、例えば、冷蔵庫などに利用者専用ボタン(電子ボタンなど)を備えておき、電子ボタン入力に応じてユーザを識別するとしてもよい。
なお、上記各実施の形態では、決定された物品に関する情報のユーザへの提供が禁止される例を中心に説明していたが、決定された物品がイベントに悪影響を与える物品であることがユーザに認識可能な態様で情報が提供されてもよい。
なお、上記各実施の形態では、イベントに悪影響を与える物品がイベントに対応する物品として決定されていたが、イベントに良い影響を与える物品が決定されてもよい。この場合、決定された物品に関する情報が優先的にユーザに提供されてもよい。例えば、イベントに良い影響を与える物品が決定された場合、当該物品に関する情報が優先的にユーザに提供されてもよい。情報を優先的に提供とは、当該情報のみが提供されること、および、当該情報が他の情報よりも上位にリストされて提供されることなどを含む。
なお、上記各実施の形態では、人と会うためのイベントに対応する物品として食後に臭いが残る物品が決定される例が説明されていたが、イベントおよび物品の組み合わせは、これに限定されない。
例えば、イベントは、緊張を伴うイベント(例えば、学力試験、採用試験、ピアノの発表会など)であってもよい。この場合、イベントに対応する物品として、緊張を緩和する効果を有する物品(例えば、セロトニンあるいはリプトファンを含む食品)が決定されてもよい。これにより、情報提供システムは、緊張を緩和する効果を有する物品に関する情報をユーザに優先的に提供することができるので、イベントにおいて緊張を緩和することが期待できる。
また例えば、イベントは、食事を伴うイベント(例えば、レストランでのディナー、披露宴への出席など)であってもよい。この場合、イベントに対応する物品として、腹持ちがよい食品が決定されてもよい。これにより、腹持ちがよい食品に関する情報の提供を禁止できるので、イベントの前に満腹になることを抑制することができる。
また例えば、イベントは、翌日の早朝にスケジュールされたイベントであってもよい。この場合、イベントに対応する物品として、アルコール飲料およびつまみに相当する食品が決定されてもよい。これにより、アルコール飲料およびつまみに相当する食品に関する情報の提供を禁止できるので、寝過ごして早朝のイベントに遅れることを抑制することができる。
なお、上記各実施の形態における各構成要素の配置は一例であり、どの構成要素がどの装置に含まれるかは実施の形態に限定されない。例えば、冷蔵庫は、サーバの構成要素を含んでもよい。つまり、冷蔵庫が、イベント抽出部、物品決定部および情報生成部を備えてもよい。この場合、情報提供システムにサーバは含まれなくてもよい。また、表示部は、冷蔵庫とは異なる機器(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータなど)に含まれてもよい。この場合、冷蔵庫は、表示部およびディスプレイを備えなくてもよい。また、サーバの記憶部は、スケジュール情報を記憶してもよい。この場合、サーバは、通信部を介してスケジュール情報を受信しなくてもよい。
なお、上記各実施の形態において図示された在庫情報、ユーザ情報、物品情報およびスケジュール情報は一例であり、これに限定されない。例えば、在庫情報は、さらに、物品が格納されている室(例えば、冷蔵室、冷凍室および野菜室など)を示す情報を含んでもよい。
なお、上記各実施の形態において、ユーザ情報を用いて、ユーザが他人の食事を用意する人か否かが判定されていたが、ユーザ情報は用いられなくてもよい。例えば、ユーザの冷蔵庫の開閉頻度に基づいて、ユーザが他人の食事を用意する人か否かが判定されてもよい。この場合、冷蔵庫あるいはサーバは、各ユーザによる冷蔵庫の開閉履歴を保持すればよい。
なお、上記各実施の形態では、情報をユーザに提供するために表示用情報が表示されていたが、情報の提供はこれに限定されない。例えば、情報は、音声によってユーザに提供されてもよい。この場合、情報提供システムは、表示部の代わりに音声出力部を備えればよい。音声出力部とは、例えば、スピーカである。
例えば、冷蔵庫100が音声出力部(図示せず)を備える場合、サーバ200の情報生成部240は、決定された物品に基づいて、1以上の物品に関する音声情報を生成するのでもよい。
例えば、サーバ200の通信部250は、サーバ200の情報生成部240により生成された音声情報を冷蔵庫100の音声出力部に出力させる信号を、冷蔵庫100にネットワークを介して送信する。生成された音声情報を冷蔵庫100の音声出力部に出力させる信号には、例えば、生成された音声情報と音声情報を音声出力部に出力させるための制御情報が含まれる。
冷蔵庫100の通信部130は、サーバ200から音声出力部に出力させる信号を受信する。
冷蔵庫100の音声出力部は、サーバ200から受信した信号に含まれる制御情報に従って音声情報を出力する。これにより、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する情報が音声出力部から音声として出力されることでユーザ99に提供される。
また、例えば、ユーザが利用する機器がネットワークを介してサーバ200と接続する場合、通信部250は、サーバ200の情報生成部240で生成された表示用情報または音声情報をユーザが利用する機器(図示せず)に出力させる信号をユーザが利用する機器へ送信するのでもよい。
ユーザが利用する機器とは、ユーザが利用する携帯電話またはユーザが身につける時計などの携帯端末(図示せず)であってもよい。なお、ユーザが利用する機器とは、冷蔵庫100を含む。
例えば、携帯端末がディスプレイ(図示せず)を備える場合、通信部250は、サーバ200の情報生成部240で生成された表示用情報を携帯端末のディスプレイに表示させる信号を携帯端末へネットワークを介して送信してもよい。
生成された表示用情報を携帯端末のディスプレイ(図示せず)に出力させる信号には、例えば、生成された表示用情報と表示用情報をディスプレイに出力させるための制御情報が含まれる。
携帯端末の通信部は、サーバ200からディスプレイに出力させる信号を受信する。
携帯端末のディスプレイは、サーバ200から受信した信号に含まれる制御情報に従って表示用情報をディスプレイに表示する。これにより、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する情報が携帯端末のディスプレイに表示されることでユーザ99に提供される。
または、例えば、携帯端末が音声出力部(図示せず)を備える場合、サーバ200の情報生成部240で生成された音声情報を携帯端末の音声出力部に出力させる信号を携帯端末へネットワークを介して送信してもよい。
生成された音声情報を携帯端末の音声出力部に出力させる信号には、例えば、生成された音声情報と音声情報を音声出力部に出力させるための制御情報が含まれる。
携帯端末の通信部は、サーバ200から音声出力部に出力させる信号を受信する。
携帯端末の音声出力部は、サーバ200から受信した信号に含まれる制御情報に従って音声情報を出力する。これにより、冷蔵庫100に格納された1以上の物品に関する情報が携帯端末の音声出力部から音声として出力されることでユーザ99に提供される。
なお、上記各実施の形態では、冷蔵庫に格納された1以上の物品に関する情報の提供で処理が終了していたが、さらに、抽出されたイベントに有用な情報を提供してもよい。例えば、情報提供システムは、決定された食後に臭いが残る物品が冷蔵庫から取り出されたときに、臭いを抑えるための情報を提供してもよい。
なお、上記各実施の形態において、イベントの抽出では、ユーザと会う人がどのような人であるかが考慮されていなかったが、ユーザと会う人に応じてイベントが抽出されてもよい。例えば、注意を払う必要がある人と会うためのイベントのみが抽出され、注意を払う必要がない人と会うためのイベントが抽出されなくてもよい。この場合、注意を払う必要があるか否かを判定するための情報は、例えば、サーバの記憶部に記憶されればよい。このとき、例えば、ユーザのスケジュール情報に含まれる人物名が、図示しないデータベースにおいて記憶されている人物名を含む場合に、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止されてもよい。一方、ユーザのスケジュール情報に含まれる人物名に付けられた敬称に応じて、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止されてもよい。敬称としては、例えば、「様」「さん」「先生」「教授」「博士」「大臣」「理事」「専務」「常務」「社長」などである。これにより、注意を払う必要がある人と会うためのイベントに対してのみ、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止され、より適切に情報を提供することが可能となる。
なお、上記各実施の形態において、イベントの抽出では、イベントの場所がどのような場所であるかが考慮されていなかったが、場所に応じてイベントが抽出されてもよい。例えば、狭い場所(例えば会議室など)で人と会うためのイベントのみが抽出され、広い場所(例えば野球場など)で人と会うためのイベントが抽出されなくてもよい。この場合、場所の広さを表す情報は、例えば、サーバの記憶部に記憶されればよい。これにより、狭い場所で人と会うためのイベントに対してのみ、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止され、より適切に情報を提供することが可能となる。
なお、上記各実施の形態では、ユーザのスケジュール情報を参照して当該ユーザのイベントが抽出されていたが、他人のスケジュール情報を参照してユーザのイベントが抽出されてもよい。例えば、ユーザとスケジュールを共有している他人のスケジュール情報を参照して、当該他人がユーザと会うためのイベントが抽出されてもよい。これにより、ユーザのスケジュール情報にイベントの登録漏れがある場合であっても、ユーザが関係するイベントを適切に抽出することができる。
また、ユーザのスケジュール情報に含まれるイベント名が、図示しないデータベースにおいて記憶されているイベント名に一致する場合に、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止されてもよい。図示しないデータベースに記憶されているイベント名としては、例えば、デート、面接、説明会、商談会、会議、会合、式典などの重要な相手と会う予定、サッカー、野球、社交ダンス、コーラスなどの対人距離が近いことが想定される予定、発声を行なう予定などが含まれるとしてもよい。
また、ユーザのスケジュール情報に含まれる場所の名称が、図示しないデータベースにおいて記憶されている場所の名称を含む場合に、食後に臭いが残る物品に関する情報の提供が禁止されてもよい。場所の名称としては、ユーザが事前に設定した名称であってもよいし、例えば、一般的に格式の高い場所とされている名称などが含まれていてもよい。
なお、本開示の一態様は、このような情報提供システムだけではなく、情報提供システムに含まれる特徴的な構成部をステップとする情報提供方法であってもよい。また、本開示の一態様は、情報提供方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の情報提供システムなどを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報をユーザに提供する情報提供方法であって、前記ユーザを識別する識別ステップと、前記ユーザの識別結果に基づいて前記ユーザに対応するスケジュール情報を参照して、スケジュールされた未来のイベントを抽出する抽出ステップと、前記イベントに対応する物品を決定する決定ステップと、決定された前記物品に基づいて、前記冷蔵庫に格納されている1以上の物品に関する情報を生成する生成ステップと、生成された前記情報を前記ユーザに提供する提供ステップと、を含む情報提供方法を実行させる。