JP6584020B2 - 電動車両 - Google Patents
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Description
電動車両のなかには、蓄電装置を過充電から保護するため、蓄電装置の残容量が所定値を超えたとき、電動機における回生量を制限するように構成されたものがある。しかし、電動機による回生量が制限されると、回生制動力が通常よりも弱まり、乗員にブレーキフィーリングの変化による違和感を与えてしまう。一方、ブレーキフィーリングの変化を抑えることを優先し、制動中における回生量の制限をなくすと、過充電によるバッテリの劣化を招く。
また、電動機による回生中に蓄電装置の残容量が所定値を超えたときに、車室内を冷房する冷房装置と車室内を暖房する暖房装置とを並行して動作させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この電動車両によれば、圧縮機の運転中に蓄電装置の残容量が所定値以上のときに、廃電制御により、所定温度を境に、前記第1膨張弁の減圧量に対する前記第2膨張弁の減圧量の比を切り替えるようにした。よって、例えば、所定温度を境に、第2膨張弁による冷媒の減圧量を多くする第1運転と、第1膨張弁による冷媒の減圧量を多くする第2運転とを切り替えることが可能になる。
空調装置の消費電力が、電動機による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置への過充電を防止できる。また、空調装置の消費電力が、電動機による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置の残容量の増加スピードを低下させることができる。
一方、残容量が所定値未満のときには、第1所定温度と第2所定温度との温度差を小さくして、冷房運転と暖房運転とを併用する範囲を狭くできる。これにより、第1運転のみや第2運転のみへ移行し易くして空調効率を高め、空調装置の消費電力を減少させることができる。
このように、残容量が所定値以上のときと、残容量が所定値未満のときと、に対応させて、空調装置における消費電力を自在にコントロールすることができる。
実施形態においては、電動車両として電気自動車(Battery Electric Vehicle(BEV))を例示するが、これに限定しない。例えばハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle(HV))、燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle(FCV))などの他の車両としてもよい。
図1は、車両用空調装置10を備えた電動車両Veの構成図である。
空調ユニット11は、空調空気が流通するダクト51と、ダクト51内に収容されたブロア52、第2室内熱交換器(エバポレータ)53、第1導風手段(エアミックスドア)54、第1室内熱交換器61と、を備えている。
空気取込口56a,56bは、それぞれ内気を取り込む内気取込口と、外気を取り込む外気取込口を構成している。空気取込口56a,56bは、内気ドア72と外気ドア73によってそれぞれ開閉され、例えば、制御装置15による制御により内気ドア72と外気ドア73の開度が調整されることで、ダクト51内に流入する内気と外気の流量割合が調整される。
第2室内熱交換器53は、内部に流入した低圧の冷媒と車室内雰囲気(ダクト51内)との熱交換を行ない、例えば、冷媒が蒸発する際の吸熱によって、第2室内熱交換器53を通過する空調空気を冷却する。
発熱部58は、室内コンデンサ55の下流側近傍に備えられ、蓄電装置16に接続されている。発熱部58は、蓄電装置16からの給電により電気的に加熱される。発熱部58として、例えばPTCヒータ(Positive Temperature Coefficientヒータ)が挙げられる。発熱部58は、PTCヒータに限らないで、その他の発熱部を採用することも可能である。
なお、図2〜図26においては、構成の理解を容易にするために、発熱部58を省略して説明する。
ヒートポンプサイクル12、第2室内熱交換器53および室内コンデンサ55で冷媒回路13が構成されている。すなわち、冷媒回路13は電動車両Veに備えられている。
第1膨張弁22は、例えば、開口部の口径を調整可能な絞り弁である。第1膨張弁22は、室内コンデンサ55を通過した冷媒を、減圧して膨張させた後、低温かつ低圧で気液2相(液相リッチ)の噴霧状の冷媒として室外熱交換器24に吐出する。
第2導風手段28としては、例えば室外熱交換器24の通過風量を制御するコンデンサファンが挙げられるが、その他の例として、例えばグリルシャッタなどを使用してもよい。第2導風手段28がコンデンサファンの場合、例えばコンデンサファンのモータに制御装置15による制御により印加される駆動電圧に応じて、コンデンサファンが駆動される。
三方弁25は、暖房運転の実行時には、室外熱交換器24から流出した冷媒を気液分離器26側の合流部33に向けて吐出する。一方、冷房運転の実行時には、三方弁25は、室外熱交換器24から流出した冷媒を第2膨張弁27に向けて吐出する。
第2膨張弁27は、いわゆる絞り弁であって、三方弁25と第2室内熱交換器53の流入口との間に接続されている。第2膨張弁27は、例えば、制御装置15によって制御される弁開度に応じて三方弁25から流出した冷媒を減圧して膨張させた後、低温かつ低圧で気液2相(気相リッチ)の噴霧状の冷媒として第2室内熱交換器53に吐出する。
第2室内熱交換器53は、第2膨張弁27と合流部33(気液分離器26)との間に接続されている。
また、制御装置15は、充電可能電力に基づいて、蓄電装置16の残容量が所定値以上であるか否かを判定する。さらに、制御装置15には、蓄電装置16に入力される回生電力の情報が入力される。
制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、所定温度を境に、冷房運転(第1運転)と、暖房運転(第2運転)とに切り替える制御が可能とされている。また、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、所定温度に含まれる第1所定温度と第2所定温度との差を、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときより大きくするように制御可能とされている。
(暖房運転モード)
図2に示すように、車両用空調装置10で暖房運転を行う場合には、第1導風手段54が室内コンデンサ55に向かう通風経路を開放する加熱位置とされる。また、冷房用電磁弁23が閉状態とされ、三方弁25が室外熱交換器24と合流部33とを接続する状態とされる。なお、空調ユニット11は、図2の例では、DEFドア64が開状態とされ、VENTドア63が閉状態とされているが、これらの開閉は運転者の操作によって任意に変更することができる。
室内コンデンサ55を通過した冷媒は、第1膨張弁22によって膨張させられて(減圧されて)液相リッチの噴霧状とされ、その後、室外熱交換器24において熱交換(車室外雰囲気から吸熱)して気相リッチの噴霧状となる。室外熱交換器24を通過した冷媒は、三方弁25と合流部33とを通過して気液分離器26に流入する。そして、気液分離器26に流入した冷媒は、気相と液相とに分離され、気相の冷媒が圧縮機21に吸入される。
そして、空調空気は、室内コンデンサ55を通過する際に室内コンデンサ55との間で熱交換され、空気吹出口57bを通って車室内に暖房として供給される。
(冷房運転モード)
図3に示すように、車両用空調装置10によって冷房運転を行う場合には、第1導風手段54が、第2室内熱交換器53を通過した空調空気が室内コンデンサ55を迂回するよう冷却位置とされる。さらに、冷房用電磁弁23が開状態(第1膨張弁22が閉状態)とされ、三方弁25が室外熱交換器24と第2膨張弁27とを接続する状態とされる。なお、空調ユニット11は、図3の例では、DEFドア64が閉状態とされ、VENTドア63が開状態とされているが、これらの開閉は運転者の操作によって任意に変更することができる。
第2室内熱交換器53を通過した気相リッチの冷媒は、合流部33を通過して気液分離器26に流入し、気液分離器26において気液分離された後、気相の冷媒が圧縮機21に吸入される。
図5は、冷媒圧力―エンタルピ線図を示し、縦軸に冷媒圧力、横軸にエンタルピを示す。図5において、暖房運転モードおける廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1を実線で示す。冷媒圧力―エンタルピ線図G1において、点A1→点B1は、圧縮機21における冷媒の状態変化を示す。点B1→点C1は、室内コンデンサ55における冷媒の状態変化を示す。点C1→点D1は、第1膨張弁22における冷媒の状態変化を示す。点D1→点A1は、室外熱交換器24における冷媒の状態変化を示す。
すなわち、第2導風手段28がコンデンサファンの場合、ファンの回転数を減速、または停止することにより、第2導風手段28の通過風量を低下させる。また、第2導風手段28がグリルシャッタの場合、グリルシャッタの隙間を小さく、またはグリルシャッタを閉じることにより、第2導風手段28の通過風量を低下させる。
第2導風手段28の通過風量を低下させることにより、室外熱交換器24の通過風量が低下する。このため、室外熱交換器24に流入した冷媒による吸熱が低下する。よって、室外熱交換器24から液相リッチの冷媒が気液分離器26を経て、気相の冷媒が圧縮機21に吸入される。
この状態において、廃電制御前の暖房能力を得るためには、圧縮機21の回転数を増速させて冷媒流量を増す必要がある。圧縮機21の回転数を増速することにより、図4、図6に示すように、圧縮機21の消費電力をW1からW2まで増して車両用空調装置10の廃電量を確保できる。
これにより、第1廃電制御において、圧縮機21の消費電力W2が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力W2が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
図8は、冷媒圧力―エンタルピ線図を示し、縦軸に冷媒圧力、横軸にエンタルピを示す。図8において、暖房運転モードおける廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1を実線で示す。廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1は、第1廃電制御の図5と同一線図である。
また、廃電制御後の冷媒圧力―エンタルピ線図G5を破線で示す。冷媒圧力―エンタルピ線図G5において、点A1→点B2は、圧縮機21における冷媒の状態変化を示す。点B2→点C2は、室内コンデンサ55における冷媒の状態変化を示す。点C2→点D1は、第1膨張弁22における冷媒の状態変化を示す。点D1→点A1は、室外熱交換器24における冷媒の状態変化を示す。
これにより、第2廃電制御において、圧縮機21の消費電力W3が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力W3が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
第3廃電制御は、第2廃電制御に第1膨張弁22の制御を加えることにより車両用空調装置10の消費電力を増大させるものである。
図11は、冷媒圧力―エンタルピ線図を示し、縦軸に冷媒圧力を示し、横軸にエンタルピを示す。図11において、暖房運転モードおける廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1を実線で示す。廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1は、第1廃電制御の図5と同一である。
また、廃電制御後の冷媒圧力―エンタルピ線図G6を破線で示す。冷媒圧力―エンタルピ線図G6において、点A1→点B3は、圧縮機21における冷媒の状態変化を示す。点B3→点C3は、室内コンデンサ55における冷媒の状態変化を示す。点C3→点D1は、第1膨張弁22における冷媒の状態変化を示す。点D1→点A1は、室外熱交換器24における冷媒の状態変化を示す。
第1膨張弁22の開度を減少させることにより、廃電制御前に比べて圧縮機21の吐出冷媒圧力が上昇する。よって、圧縮機21の圧縮効率が悪化して冷媒流量が低下し、暖房運転の効率を低下させることが可能になる。
これにより、第3廃電制御において、圧縮機21の消費電力W4が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力W4が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
図14は、冷媒圧力―エンタルピ線図を示し、縦軸に冷媒圧力、横軸にエンタルピを示す。図14において、暖房運転モードおける廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1を実線で示す。廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1は、第1廃電制御の図5と同一である。
また、廃電制御後の冷媒圧力―エンタルピ線図G7を破線で示す。冷媒圧力―エンタルピ線図G7において、点A3→点B1は、圧縮機21における冷媒の状態変化を示す。点B1→点C1は、室内コンデンサ55における冷媒の状態変化を示す。点C1→点D3は、第1膨張弁22における冷媒の状態変化を示す。点D3→点A3は、室外熱交換器24における冷媒の状態変化を示す。
これにより、第4廃電制御において、圧縮機21の消費電力W5が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力W5が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
図17は、冷媒圧力―エンタルピ線図を示し、縦軸に冷媒圧力、横軸にエンタルピを示す。図17において、暖房運転モードおける廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1を実線で示す。廃電制御前の冷媒圧力―エンタルピ線図G1は、第1廃電制御の図5と同一である。
また、廃電制御後の冷媒圧力―エンタルピ線図G8を破線で示す。冷媒圧力―エンタルピ線図G8において、点A4→点B4は、圧縮機21における冷媒の状態変化を示す。点B4→点C4は、室内コンデンサ55における冷媒の状態変化を示す。点C4→点D4は、第1膨張弁22における冷媒の状態変化を示す。点D4→点A4は、室外熱交換器24における冷媒の状態変化を示す。
一方、圧縮機21の回転数を第4廃電制御の状態より増加することにより、図16、図18に示すように、圧縮機21の消費電力をW1からW6まで増して車両用空調装置10の廃電量を確保できる。
これにより、第5廃電制御において、圧縮機21の消費電力W6が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力W6が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
(第6廃電制御)
第1〜第5の廃電制御の消費電力(すなわち、廃電量)W2〜W6を、例えば、
第1廃電量W2<第2廃電量W3<第3廃電量W4<第4廃電量W5<第5廃電量W6
とする。なお、第1〜第5の廃電量W2〜W6は電動車両Veの諸元などによって異なる。
(除湿暖房運転モード)
図20に示すように、車両用空調装置10によって冷房運転を行う場合には、第1導風手段54は、第2室内熱交換器53を通過した空調空気が加熱経路を通過する加熱位置とされ、除湿用電磁弁34は開状態とされる。また、冷房用電磁弁23は閉状態とされる。
また、他方の冷媒は、除湿流路35を経て第2膨張弁27に導かれ、第2膨張弁27によって膨張させられた後、第2室内熱交換器53において吸熱する。
一方の冷媒及び他方の冷媒は、合流部33において合流した後、気液分離器26内に流入し、気相の冷媒のみが圧縮機21に吸入される。
まず、冷房運転モードにおける車両用空調装置10の廃電制御として第7〜第11の廃電制御が挙げられる。以下、第7〜第11の廃電制御を順に説明する。
図21に示すように、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、圧縮機21の運転とともに冷房用電磁弁23を閉じ、さらに第1膨張弁22の流路抵抗を、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときよりも増加させるように制御する。
第7廃電制御においては、圧縮機21の運転中に蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、第1膨張弁22を絞ることにより流路抵抗を増加させる。よって、廃電制御前に比べて圧縮機21から室外熱交換器24に至る流路抵抗が増加して圧力損失(摩擦損失)が増え、冷媒流路31内の冷媒循環量を減らすことができる。すなわち、車両用空調装置10の冷房運転もしくは除湿冷房運転の効率を低下させることが可能になる。
これにより、第7廃電制御において、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
圧縮機21の制御は、例えば、第2室内熱交換器53の温度が目標値となるように、第2室内熱交換器53に設けられた温度センサなどの情報を用いて制御する。
第1膨張弁22の絞り制御は、圧縮機21の吐出圧力の制約上限以内で、必要な廃電量に応じて絞ることができる。吐出圧力センサ37の目標値を、必要な廃電量に応じて設定する。
図22に示すように、前記制御装置は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、圧縮機21の運転とともに冷房用電磁弁23を開くように制御する。さらに、室外熱交換器24の通過風量を制御する第2導風手段28の通過風量を、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときよりも低下させるように制御する。
すなわち、第2導風手段28がコンデンサファンの場合、ファンの回転数を減速、または停止することにより、第2導風手段28の通過風量を低下させる。
この場合、例えば第2導風手段28は、圧縮機21の吐出圧力の制約上限以内で、必要な廃電量に応じて減速することができる。吐出圧力センサ37の目標値は、必要な廃電量に応じて設定される。
ここで、グリルシャッタを閉じた場合、走行車両への空気抵抗が減少するため、廃電量が増えても、車両が増速してブレーキフィーリングに違和感が発生する懸念がある。
そこで、グリルシャッタの作動前と同様の車両の減速フィールを得るために、グリルシャッタ動作をつぎの条件により判定する。すなわち、
(吐出圧力センサ37の吐出圧力)<(圧縮機21の上限吐出圧力)において、
(第8廃電制御による廃電可能電力)>(グリルシャッタ動作による回生電力減少量)
の関係が成立するとき、グリルシャッタ動作による回生電力減少量Xは、図23のグラフの特性により算出される。
図23のグラフにおいて、縦軸は空気抵抗の回生電力相当量(W)を示す。「空気抵抗の回生電力相当量(W)」とは、空気抵抗と同量の抵抗力を、回生によって与えた場合の回生電力である。横軸は車速(km/h)を示す。グラフG1〜G3はグリルシャッタの開度の大小を示す。
ここで、室外熱交換器24には、冷房用電磁弁23を通過した冷媒が高温、高圧の状態で流入する。よって、室外熱交換器24の放熱量が減少することにより、冷媒の高温、高圧の状態が上昇する。よって、車両用空調装置10の冷房運転もしくは除湿冷房運転の効率を低下させることが可能になる。
これにより、第8廃電制御において、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
圧縮機21の制御は、例えば、第2室内熱交換器53の温度が目標値となるように、第2室内熱交換器53に設けられた温度センサなどの情報を用いて制御する。
図24に示すように、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、圧縮機21の運転とともに第2膨張弁27を絞るように制御する。第2膨張弁27を絞ることにより、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときよりも、第2膨張弁27の開度を減少させる。
第9廃電制御においては、圧縮機21の運転中に蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、第2膨張弁27の開度を減少させる。よって、廃電制御前に比べて圧縮機21から室外熱交換器24に至る冷媒流路31内の冷媒循環量を減らすことができる。すなわち、車両用空調装置10の冷房運転もしくは除湿冷房運転の効率を低下させることが可能になる。
これにより、第9廃電制御において、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
圧縮機21の制御は、例えば、第2室内熱交換器53の温度が目標値となるように、第2室内熱交換器53に設けられた温度センサなどの情報を用いて制御する。
第2膨張弁27の開度制御は、圧縮機21の吐出圧力の制約上限以内で、必要な廃電量に応じて減少させることができる。吐出圧力センサ37の目標値を、必要な廃電量に応じて設定する。
図25に示すように、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、切替手段59を車室外の空気を導入するように切り替えるように制御する。
例えば、切替手段59の内気ドア72で内気取込口56aを閉じた状態に切り替え、外気ドア73で外気取込口56bを開いた状態に切り替える。よって、車室外の温度の高い空気(すなわち、外気)75を外気取込口56bからダクト51内に導入できる。温度の高い外気75をダクト51内に導入することで、車両用空調装置10の運転の効率を低下させることが可能になる。
これにより、第10廃電制御において、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも大きい場合には、蓄電装置16への過充電を防止できる。また、圧縮機21の消費電力が、電動機17による発電電力よりも小さい場合には、蓄電装置16の残容量の増加スピードを低下させることができる。
なお、第10廃電制御は冷房運転のみでなく、除湿冷房運転でもよい。除湿冷房の場合、第1導風手段54の開度は冷房運転の場合よりも大きく全閉と全開の中間開度となる(不図示)。
図26に示すように、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のとき、圧縮機21の運転とともに、第2室内熱交換器53の目標温度を、前記蓄電装置の残容量が所定値未満のときよりも低下させるように制御する。同時に、制御装置15は、室内コンデンサ55の目標温度を、前記蓄電装置の残容量が所定値未満のときよりも上昇させるように制御する。
また、第2室内熱交換器53で空気の温度を下げ、温度を下げた空気を室内コンデンサ55で再加熱することにより、廃電制御前の冷房能力を得ることができる。
なお、第11廃電制御は冷房運転のみでなく、除湿冷房運転でもよい。除湿冷房の場合、第1導風手段54の開度は冷房運転の場合よりも大きく全閉と全開の中間開度となる(不図示)。
一方、第2室内熱交換器53の冷却量が多すぎるときには、第1導風手段54を開く方向に移動させて、廃電制御前の冷房能力を得ることができる。
また、第2室内熱交換器53の温度下げ幅を調整することにより、消費電力の増加量を調整できる。
つぎに、除湿暖房運転モードにおける車両用空調装置10の廃電制御について説明する。図20に示す除湿暖房運転モードにおいて廃電制御を実施する場合には、冷房運転モードに切り替えて、冷房運転モードで説明した図21〜図26に示す第7〜第11の廃電制御を実施する。
図27は、圧縮機21の吸込/吐出圧力差と空気側負荷(空調負荷)とに対する消費電力の関係を示す。図27は、縦軸に空気側負荷(W)を示し、横軸に圧縮機21の吸込/吐出圧力差ΔP(kPa)を示す。また、冷房運転範囲を線図G1で示し、消費電力を等電力線G2で示す。
等電力線G2のうち、等電力線G2aが目標消費電力(すなわち、目標廃電量)を示し、等電力線G2bが最大消費電力(すなわち、最大廃電量)を示す。
ここで、図27の線図に示す消費電力は、第2室内熱7〜第11の廃電制御を組み合わせる際の精度が一層向上する。
第一条件は、消費電力を増加する際の応答性を優先する廃電制御である。
第二条件は、耐久性への影響を優先する廃電制御である。
第三条件は、騒音/振動(NV)への影響を優先する廃電制御である。
第四条件は、AC温度変化を優先する廃電制御である。
第五条件は、AC違和感を優先する廃電制御である。
「AC温度変化」とは、吐気温の変化や、変化が連続する変動をいう。「AC違和感」とは、温度変化以外の、車両用空調装置10に由来する臭いや、吹出し口間の吐気温の差異、風量の変化変動などをいう。
すなわち、第一〜第五の条件の優先順位は、その時々でどの優先条件が満たされているかで決まる。特に、優先されるべき条件が成立していない、または複数が優先されるべき条件を満たした場合は、表1に予め設定された「A〜E」の優先順位により判断される。「優先される条件」は表1に示す。
例えば、第7〜第11の廃電制御のうち、第7〜第9の廃電制御を実施することにより、廃電制御後の消費電力W2を、廃電制御前の消費電力W1から目標廃電量まで増加させることができる。また、第10、第11の廃電制御を実施することにより、廃電制御後の消費電力W3を、廃電制御前の消費電力W1から目標廃電量まで増加させることができる。
さらに、第7〜第11の廃電制御を実施することにより、廃電制御後の消費電力W4を、廃電制御前の消費電力W1から最大廃電量まで増加させることができる。
表2に示す「Aa」〜「Ae」、「Ba」〜「Be」、「Ca」〜「Ce」、「Da」〜「De」、「Ea」〜「Ee」の良順は、車両の諸元により順番が変わる。例えば、第一条件を実施する場合、第一条件のなかで消費電力の少ないものから順に廃電制御として実施する。
一例として、消費電力量が、Aa<Ab<Ac<Ad<Aeの場合には、消費電力量が少ない「Aa」から順に廃電制御を実施する。
第9廃電制御のつぎに違和感を少なくしたい場合には、「Ed」の番号の第10廃電制御を選択する。第10廃電制御のつぎに違和感を少なくしたい場合には、「Ee」の番号の第11廃電制御を選択する。
このように、第7〜第11の廃電制御を、表2に示す第一条件〜第五条件を考慮して選択することにより、各条件を満たすような廃電制御が可能になる。
図28は、車両用空調装置10を所定温度T3において第1運転と第2運転とに切り替える制御状態を示すイメージ図である。図28において、縦軸は車両用空調装置10の消費電力、空調能力を示し、横軸は車両用空調装置10の温度を示す。
グラフG1は車両用空調装置10による暖房能力を示す。グラフG2は廃電制御前の車両用空調装置10による暖房運転の暖房消費電力を示す。図28においては、暖房能力を暖房消費電力で除した暖房COP(Coefficient of Performance)を、例えば暖房COP=2として説明する。
グラフG3は車両用空調装置10による冷房能力を示す。グラフG4は廃電制御前の車両用空調装置10による冷房運転の冷房消費電力を示す。図28においては、冷房能力を冷房消費電力で除した冷房COPを、例えば冷房COP=2として説明する。
第1所定温度T1と第2所定温度T2との温度差S1は、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときより、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときの方が大きくなるように制御装置15によって制御される。
第1所定温度T1と第2所定温度T2との範囲において、車両用空調装置10の暖房電力および冷房電力の合計消費電力をグラフG9で示す。
また、グラフG10は、第1室内熱交換器61の発熱部58の暖房消費電力を示す。グラフG11は、発熱部58の暖房消費電力および冷房消費電力の合計消費電力を示す。
第1所定温度T1、第2所定温度T2としては、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときには、例えばT1=0℃、T2=30℃が挙げられるが、その他の温度に設定してもよい。
まず、車両用空調装置10の運転状態において、電動車両Veのユーザが要求する所定温度T3が第1所定温度T1以上、第2所定温度T2未満のときに廃電制御を実施する例を説明する。
所定温度T3とは、第1所定温度T1と第2所定温度T2との範囲内で設定され、冷房運転による廃電制御と、暖房運転による廃電制御とで消費電力の大小関係が入れ替わる温度をいう。所定温度T3は、例えば、電動車両Veのユーザが要求する車室内温度である。所定温度T3としては、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときには、例えば20℃が挙げられるが、外気温度などの環境温度に対応させて他の温度に設定してもよい。
なお、実施形態においては、所定温度T3として、ユーザが要求する車室内温度を例に説明したが、これに限らない。その他の例として、所定温度T3を外気温や車室内温度(ユーザの要求が含まれない)とすることも可能である。
一例として、冷房運転においては、図1に示す第2膨張弁27による減圧量が第1膨張弁22による減圧量よりも多くなるように切り替えられる。この切替状態には、第1膨張弁22が冷媒を減圧しない状態に切り替えられ、第2膨張弁27が冷媒を減圧するように切り替えられる状態を含む。あるいは、第1膨張弁22が冷媒を微小減圧する状態に切り替えられ、第2膨張弁27が冷媒を減圧するように切り替えられる状態を含む。
なお、第1膨張弁22の減圧量に対する第2膨張弁27の減圧量の比を切り替えるという状態には、第1膨張弁22の減圧量と第2膨張弁27の減圧量との大小関係は変わらないまま運転状態が変更となった場合を含む。
一方、例えば、冷房運転において、所定温度T3を境に、暖房運転に切り替えることにより冷房効率を低下させることができる。これにより、冷房運転において、廃電制御前と同等の冷房能力(グラフG7参照)を得るために、車両用空調装置10の消費電力(グラフG9参照)を増加させることができる。
この場合、発熱部58を加熱する暖房運転において、第2膨張弁27で冷媒を減圧する冷房運転を同時に実施することにより、暖房運転における暖房効率を低下させることができる。よって、廃電制御中の暖房運転において、廃電制御前と同等の効率を得るために、車両用空調装置10の消費電力(グラフG11参照)を増加させることができる。
一方、第2膨張弁27で冷媒を減圧する冷房運転において、発熱部58を加熱する暖房運転を同時に実施することにより、冷房運転における冷房効率を低下させることができる。よって、廃電制御中の冷房運転において、廃電制御前と同等の効率を得るために、車両用空調装置10の消費電力(グラフG11参照)を増加させることができる。
具体的には、冷媒回路13の動作効率として、図4〜図19に示す暖房運転における第1廃電制御〜第6廃電制御が挙げられる。第1廃電制御〜第6廃電制御を実施することにより、暖房運転において暖房効率を低下させることができる。
また、冷媒回路13の動作効率として、図21〜図26に示す冷房運転における第7廃電制御〜第11廃電制御が挙げられる。第7廃電制御〜第11廃電制御を実施することにより、冷房運転において冷房効率を低下させることができる。
これにより、暖房運転や冷房運転において、廃電制御前と同等の効率を得るために、車両用空調装置10の消費電力を増加させることができる。
制御装置15は、電動車両Veのユーザが要求する車室内温度が、第1所定温度T1未満のときは暖房運転を実施するように制御する。暖房運転を実施することにより、第1室内熱交換器61を加熱するように制御する。
具体的には、暖房運転として、第1膨張弁22で冷媒を減圧させて第1室内熱交換器61の室内コンデンサ55を加熱し、かつ、第1室内熱交換器61の発熱部58を加熱する運転を実施する。あるいは、暖房運転として、第1膨張弁22で冷媒を減圧させて室内コンデンサ55を加熱する運転と、発熱部58を加熱する運転との一方を実施する。
よって、第1所定温度T1および第2所定温度T2の温度差S1の範囲外においては、ユーザの要求を優先して冷房運転や暖房運転を実施できる。これにより、車室内温度をユーザの要求に対応させることが可能になり、車両用空調装置10の商品性を確保(維持)できる。
ここで、第1所定温度T1未満において暖房運転を実施し、第2所定温度T2以上において冷房運転を実施することにより、それぞれの運転において暖房効率、冷房効率を高め、車両用空調装置10の消費電力を減少させることができる。
そこで、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときには、第1所定温度S1と第2所定温度T2との温度差S1を小さくして、冷房運転と暖房運転とを併用する範囲を狭くするように制御した。よって、暖房運転のみや冷房運転のみへの移行を容易にして、暖房運転のみや冷房運転のみを実施する頻度を多く確保できるようにした。これにより、蓄電装置16の残容量が所定値未満のときには、車両用空調装置10の暖房効率、冷房効率を高めて、車両用空調装置10の消費電力を減少させることができる。
そこで、制御装置15は、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときには、第1所定温度T1と第2所定温度T2との温度差S1を大きくして、冷房運転と暖房運転とを併用する範囲を広くするように制御した。よって、暖房運転のみや冷房運転のみへ移行し難くして冷房運転と暖房運転とを併用する頻度を多く確保できるようにした。これにより、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときには、車両用空調装置10の暖房効率、冷房効率を低く抑えて、車両用空調装置10の消費電力を増加させることができる。
例えば、蓄電装置16の残容量の増加に対応させて、第1所定温度T1と第2所定温度T2との温度差S1を漸次大きくできる。また、蓄電装置16の残容量の減少に対応させて、第1所定温度T1と第2所定温度T2との温度差S1を漸次小さくできる。
よって、蓄電装置16の残容量が所定値以上のときに、蓄電装置16の残容量の増加、減少に対応させて、第1運転と第2運転とを併用する範囲を変化させることができる。これにより、残容量の増加、減少に対応させて空調効率を効率よく低く抑え、空調装置の消費電力を増加させることができる。
一方、例えば、除湿冷房運転において、所定温度T3を境に、除湿暖房運転に切り替えることにより除湿冷房効率を低下させることができる。これにより、除湿冷房運転において、廃電制御前と同等の除湿冷房能力を得るために、車両用空調装置10の消費電力を増加させることができる。
例えば、前記実施形態では、電動車両として電気自動車を例示したが、これに限らない。その他の車両として、例えばハイブリッド自動車、燃料電池自動車などに本発明を適用してもよい。
よって、例えば、外気温が第1所定温度未満のときは、第1膨張弁22の減圧による第2運転(すなわち、暖房運転)を実施して、外気温に対応させて室内温度を好適に保つことができる。また、外気温が第2所定温度以上のときは、第2膨張弁27の減圧による第1運転(すなわち、冷房運転)を実施して、外気温に対応させて室内温度を好適に保つことができる。これにより、外気温に対応させて室内温度を好適に保つことが可能になり、電動車両Veの商品性を確保(維持)できる。
また、車室内温度が第1所定温度未満のときは、第1膨張弁22の減圧による第2運転を実施して車室内温度を好適に保つことができる。また、車室内温度が、第2所定温度以上のときは、第2膨張弁27の減圧による第1運転を実施して車室内温度を好適に保つことができる。これにより、車室内温度を好適に保つことが可能になり、電動車両の商品性を確保(維持)できる。
その他の例として、第1室内熱交換器61の室内コンデンサ55を加熱する構成とすることも可能である。
10…車両用空調装置
11…空調ユニット
12…ヒートポンプサイクル
13…冷媒回路
15…制御装置
16…蓄電装置(バッテリ)
17…電動機(走行用モータ)
21…圧縮機(コンプレッサ)
22…第1膨張弁(暖房用減圧弁)
24…室外熱交換器
28…第2導風手段(ファン)
31…冷媒流路
53…第2室内熱交換器(エバポレータ)
54…第1導風手段(エアミックスドア)
55…室内コンデンサ
58…発熱部
61…第1室内熱交換器
Claims (8)
- 電動機と、
前記電動機と電気的に接続される蓄電装置と、
前記電動機と前記蓄電装置とを制御する制御装置を備える電動車両において、
吸引した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記冷媒を外気と熱交換する室外熱交換器と、
前記圧縮機と前記室外熱交換器との間に配置され、前記冷媒と内気とを熱交換する第1室内熱交換器と、
前記第1室内熱交換器と前記室外熱交換器との間に配置され、前記冷媒を減圧可能な第1膨張弁と、
前記室外熱交換器と前記圧縮機との間に配置され、前記冷媒を減圧可能な第2膨張弁と、
前記第2膨張弁と前記圧縮機との間に配置され、前記冷媒と内気とを熱交換する第2室内熱交換器と、
を有する冷媒回路を備え、
前記制御装置は、前記電動機による回生中に前記蓄電装置の残容量が所定値以上となることを条件に、所定温度を境に、前記第1膨張弁の減圧量に対する前記第2膨張弁の減圧量の比を切り替えることを特徴とする電動車両。 - 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記制御装置は、前記電動車両のユーザが要求する車室内温度が、前記第1所定温度以上、前記第2所定温度未満のときは、前記第1室内熱交換器の加熱と、前記第2膨張弁による減圧と、を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。 - 前記制御装置は、前記残容量が所定値以上のときは、前記残容量が所定値未満のときよりも前記冷媒回路の動作効率を低下させることを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
- 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記制御装置は、前記電動車両のユーザが要求する車室内温度が、
前記第1所定温度未満のときは前記第1膨張弁による減圧を行い、前記第2所定温度以上のときは前記第2膨張弁による減圧を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電動車両。 - 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記制御装置は、前記電動車両の外気温が、
前記第1所定温度未満のときは前記第1膨張弁による減圧を行い、前記第2所定温度以上のときは前記第2膨張弁による減圧を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電動車両。 - 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記制御装置は、前記電動車両の車室内温度が、
前記第1所定温度未満のときは前記第1膨張弁による減圧を行い、前記第2所定温度以上のときは前記第2膨張弁による減圧を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電動車両。 - 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記残容量が所定値以上のときの前記第1所定温度と前記第2所定温度との温度差と、
前記残容量が所定値未満のときの前記第1所定温度と前記第2所定温度との温度差とは、
前記残容量が所定値以上のときの方が大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動車両。 - 前記所定温度には、第1所定温度と、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度とが含まれ、
前記残容量が前記所定値以上のとき、前記残容量の増加に基づいて前記第1所定温度と前記第2所定温度との温度差が大きくなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動車両。
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