JP6583515B2 - ガスクロマトグラフ - Google Patents
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Description
そのため、特許文献1に記載のガスクロマトグラフでは、試料気化室において試料が気化するときは、スプリットバルブの開度が固定される。
具体的には、上記の従来のガスクロマトグラフでは、試料が試料気化室に注入された直後に、スプリットバルブの開度が固定される。そのため、スプリットバルブの開度が固定れた時点では、既に試料の気化が始まっており、スプリット流路から試料ガスが多量に排出されているおそれがある。
このような構成によれば、シリンジが試料気化室に挿入されたタイミングから一定時間の間、スプリットバルブの開度を固定できる。
その結果、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
そのため、適切なタイミングに基づいてスプリットバルブの動作を制御できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100の構成例を示した概略図である。
ガスクロマトグラフ100は、キャリアガスとともに試料ガスをカラム1内に供給することにより分析を行うためのものであり、上記カラム1以外に、試料導入部2、ガス供給流路3、スプリット流路4、パージ流路5及び検出器6などが備えられている。
検出器6は、カラム1に接続されている。検出器6は、例えば水素炎イオン化検出器(FID)などの各種検出器により構成することができる。
図2は、図1のガスクロマトグラフ100の電気的構成の一例を示したブロック図である。
このガスクロマトグラフ100の動作は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む制御部7によって制御される。当該制御部7の他、ガス供給流路3、スプリット流路4、パージ流路5、供給圧センサ31、差圧センサ32、全流量バルブ33、スプリットバルブ41、入口圧センサ51、パージバルブ52及びパージ圧センサ53などは、試料導入部2からカラム入口11を介してカラム1に導入されるキャリアガス及び試料ガスの流量を制御するための流量制御装置(図1参照)を構成している。
挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出するカラム入口11の入口圧に基づいて、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを検出する。
図3は、分析中における制御部7による処理の一例を示したフローチャートである。
上記したガスクロマトグラフ100における分析が開始されると、制御部7は、カラム入口11の入口圧、及び、ガス供給流路3の全流量のフィードバック制御を行う(ステップS101)。具体的には、制御部7のバルブ制御部72は、入口圧センサ51が検出するカラム入口11の入口圧が一定となるように、スプリットバルブ41の開度の制御、及び、全流量バルブ33の開度の制御を行う。バルブ制御部72によって、フィードバック制御が行われている間は、通常、カラム入口11の入口圧が上昇すると、入口圧を一定に保つためにスプリットバルブ41の開度が大きくなる。
なお、シリンジ10を試料気化室21内に挿入する際(シリンジ10によってセプタム23を貫通する際)のシリンジ10の挿入速度は、0.15m/s以上が好ましく、0.25m/s以上がより好ましい。
なお、上記閾値は、例えば、0.05kPa以上、0.2kPa以下である。
この状態で、試料気化室21内に挿入されているシリンジ10を介して、試料気化室21内に試料が注入される。
その後、バルブ制御部72は、挿入検出部71によりシリンジ10の試料気化室21に対する挿入タイミングが検出されるたびに(ステップS102でYES)、ステップS103及びS104の処理を行い、ガスクロマトグラフ100における分析が終了した時点で、フィードバック制御を終了する(ステップS105でYES)。
このように、図4A及び図4Bからは、試料気化室21内にシリンジ10が挿入されたときに、入口圧が上昇することが確認できる。
(1)ガスクロマトグラフ100では、シリンジ10が試料気化室21に挿入されると、シリンジ10の体積分だけ試料気化室21内のガスの体積が小さくなる。また、試料気化室21内のガスの気圧が大きくなる結果、入口圧が上昇する。
そして、本実施形態では、図3に示すように、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出する入口圧の上昇に基づいて、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを検出する(ステップS102)。また、バルブ制御部72は、そのタイミングに基づいて、スプリットバルブ41に対する印加電圧を制御する(ステップS103)。
その結果、試料が気化することに起因して入口圧が急上昇しても、その間は、スプリットバルブ41の開度を固定できる。
よって、試料ガスがスプリット流路4から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
その結果、適切なタイミングに基づいてスプリットバルブ41の動作を制御できる。
以上の実施形態では、挿入検出部71は、入口圧の平均値と瞬時値との差が閾値以上となったタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして検出するとして説明したが、挿入検出部71は、他の態様で、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングを検出してもよい。例えば、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出した所定の時点における入口圧の瞬時値を記憶しておき、当該記憶している瞬時値と、定期的に入口圧センサ51から読み出す入口圧の瞬時値とを比較し、その差が閾値以上となったタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングと検出してもよい。
2 試料導入部
3 ガス供給流路
4 スプリット流路
10 シリンジ
11 カラム入口
21 試料気化室
41 スプリットバルブ
51 入口圧センサ
71 挿入検出部
72 バルブ制御部
100 ガスクロマトグラフ
Claims (3)
- 内部に試料を気化するための試料気化室が区画された試料導入部と、
前記試料導入部にキャリアガスを供給するガス供給流路と、
前記試料導入部からカラム入口を介してキャリアガス及び試料ガスが導入されるカラムと、
前記試料導入部内のガスの一部を排出するスプリット流路と、
前記スプリット流路に設けられ、前記スプリット流路を開閉可能なスプリットバルブと、
前記カラム入口における入口圧を検出する入口圧検出部と、
前記入口圧検出部が検出する入口圧の上昇に基づいて、試料を注入するためのシリンジが前記試料気化室に挿入されるタイミングを検出する挿入検出部と、
前記挿入検出部が検出するタイミングに基づいて、前記スプリットバルブに対する印加電圧を制御するバルブ制御部とを備えることを特徴とするガスクロマトグラフ。 - 前記バルブ制御部は、前記挿入検出部が検出するタイミングから一定時間の間、前記スプリットバルブに対する印加電圧を固定することを特徴とする請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記挿入検出部は、前記入口圧検出部が検出する入口圧の平均値と、前記入口圧検出部が検出する入口圧の瞬時値との差が閾値以上である場合に、前記タイミングを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ。
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