JP6583515B2 - ガスクロマトグラフ - Google Patents

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本発明は、試料導入部内のガスの一部をスプリット流路から排出するガスクロマトグラフに関するものである。
従来から、スプリット導入法を用いて試料の分析を行うガスクロマトグラフが知られている。このようなガスクロマトグラフでは、試料気化室からカラム内にキャリアガス及び試料ガスが供給され、当該カラム内をキャリアガスが通過する過程で、試料成分が分離される。そして、試料気化室に連通するスプリット流路を介して、試料ガスの一部がキャリアガスとともに外部に排出される。
この種のガスクロマトグラフでは、通常、試料気化室内の圧力が一定になるように、スプリット流路を開閉するスプリットバルブの開度が調整される。そして、試料気化室内の圧力が一定に保たれた状態で分析が行われる(例えば、下記特許文献1参照)。
また、試料気化室において試料が気化すると、試料気化室内の圧力が急激に上昇する。そして、この急激な圧力の上昇に応じてスプリットバルブの開度を調整すると、スプリットバルブが開きすぎてしまうため、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されてしまう。
そのため、特許文献1に記載のガスクロマトグラフでは、試料気化室において試料が気化するときは、スプリットバルブの開度が固定される。
特開平9−274026号公報
上記のような従来のガスクロマトグラフでは、スプリット流路から必要以上に試料ガスが排出されることを確実に防止することはできないという不具合がある。
具体的には、上記の従来のガスクロマトグラフでは、試料が試料気化室に注入された直後に、スプリットバルブの開度が固定される。そのため、スプリットバルブの開度が固定れた時点では、既に試料の気化が始まっており、スプリット流路から試料ガスが多量に排出されているおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されることを確実に防止できるガスクロマトグラフを提供することを目的とする。
(1)本発明に係るガスクロマトグラフは、試料導入部と、ガス供給流路と、カラムと、スプリット流路と、スプリットバルブと、入口圧検出部と、挿入検出部と、バルブ制御部とを備える。前記試料導入部には、内部に試料を気化するための試料気化室が区画されている。前記ガス供給流路は、前記試料導入部にキャリアガスを供給する。前記カラムには、前記試料導入部からカラム入口を介してキャリアガス及び試料ガスが導入される。前記スプリット流路は、前記試料導入部内のガスの一部を排出する。前記スプリットバルブは、前記スプリット流路に設けられ、前記スプリット流路を開閉可能である。前記入口圧検出部は、前記カラム入口における入口圧を検出する。前記挿入検出部は、前記入口圧検出部が検出する入口圧の上昇に基づいて、試料を注入するためのシリンジが前記試料気化室に挿入されるタイミングを検出する。前記バルブ制御部は、前記挿入検出部が検出するタイミングに基づいて、前記スプリットバルブに対する印加電圧を制御する。
このような構成によれば、シリンジが試料気化室に挿入されると、シリンジの体積分だけ試料気化室内のガスの体積が小さくなる。そして、試料気化室内のガスの気圧が大きくなる結果、入口圧が上昇する。また、挿入検出部は、入口圧の上昇に基づいて、シリンジが試料気化室に挿入されるタイミングを検出する。バルブ制御部は、そのタイミングに基づいて、スプリットバルブに対する印加電圧を制御する。
そのため、シリンジから試料が注入される前にスプリットバルブの動作を制御でき、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
(2)また、前記バルブ制御部は、前記挿入検出部が検出するタイミングから一定時間の間、前記スプリットバルブに対する印加電圧を固定してもよい。
このような構成によれば、シリンジが試料気化室に挿入されたタイミングから一定時間の間、スプリットバルブの開度を固定できる。
そのため、試料が気化することに起因して入口圧が急上昇しても、その間は、スプリットバルブの開度を固定できる。
その結果、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
(3)また、前記挿入検出部は、前記入口圧検出部が検出する入口圧の平均値と、前記入口圧検出部が検出する入口圧の瞬時値との差が閾値以上である場合に、前記タイミングを検知してもよい。
このような構成によれば、挿入検出部によって、シリンジが試料気化室に挿入されるタイミングを確実に検出できる。
そのため、適切なタイミングに基づいてスプリットバルブの動作を制御できる。
本発明によれば、シリンジが試料気化室に挿入されるタイミングに基づいてスプリットバルブの動作を制御できるため、試料ガスがスプリット流路から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフの構成例を示した概略図である。 図1のガスクロマトグラフの電気的構成の一例を示したブロック図である。 分析中における制御部による処理の一例を示したフローチャートである。 入口圧センサにより検出される入口圧の経時的変化を示した図であって、試料気化室において試料が気化されない場合を示した図である。 入口圧センサにより検出される入口圧の経時的変化を示した図であって、試料気化室において試料が気化される場合を示した図である。
1.ガスクロマトグラフの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ100の構成例を示した概略図である。
ガスクロマトグラフ100は、キャリアガスとともに試料ガスをカラム1内に供給することにより分析を行うためのものであり、上記カラム1以外に、試料導入部2、ガス供給流路3、スプリット流路4、パージ流路5及び検出器6などが備えられている。
カラム1は、例えばキャピラリカラムからなり、分析中はカラムオーブン内で加熱されるようになっている。カラム1内には、試料導入部2からカラム入口11を介して、キャリアガスとともに試料ガスが導入される。
試料導入部2は、その内部に、試料を気化するための空間である試料気化室21が区画されている。具体的には、試料導入部2は、中空状の筐体22と、筐体22を密閉するセプタム23とを備えている。筐体22には、図示しない開口が形成されており、可撓性を有するセプタム23によって、この開口が塞がれている。この試料気化室21には液体試料が注入され、試料気化室21内で気化された試料が、キャリアガスとともにカラム入口11からカラム1内に導入されるようになっている。試料気化室21には、ガス供給流路3、スプリット流路4及びパージ流路5が連通している。
ガス供給流路3は、試料導入部2の試料気化室21内にキャリアガスを供給するための流路である。ガス供給流路3には、例えば供給圧センサ31、差圧センサ32及び全流量バルブ33が設けられている。供給圧センサ31は、全流量バルブ33よりも上流側におけるガス供給流路3内の圧力を検出する。差圧センサ32は、当該差圧センサ32に対して上流側及び下流側の差圧に基づいて、ガス供給流路3内のキャリアガスの流量を検出する。全流量バルブ33は、ガス供給流路3を開閉することにより、ガス供給流路3から試料導入部2にキャリアガスを供給する開状態と、キャリアガスの供給が停止された閉状態との間で、ガス供給流路3内のキャリアガスの流量を任意に調整することができる。
スプリット流路4は、スプリット導入法によりカラム入口11からカラム1内にキャリアガス及び試料ガスを導入する際に、試料気化室21内のガス(キャリアガス及び試料ガスの混合ガス)の一部を所定のスプリット比で外部に排出するための流路である。スプリット流路4には、例えばスプリットバルブ41が設けられている。スプリットバルブ41は、スプリット流路4を開閉することにより、試料導入部2からスプリット流路4を介してガスを排出する開状態と、試料導入部2からのガスの排出が停止された閉状態との間で、スプリット流路4内のガスの流量を任意に調整することができる。
パージ流路5は、セプタム23などから生じる所望しない成分を外部に排出するための流路である。パージ流路5には、例えば入口圧センサ51、パージバルブ52及びパージ圧センサ53が設けられている。入口圧センサ51は、パージバルブ52よりも上流側(試料導入部2側)に設けられ、試料気化室21内のガスの圧力、すなわち、カラム入口11におけるガスの圧力(入口圧)を検出する入口圧検出部である。パージバルブ52は、パージ流路5を開閉することにより、試料導入部2からパージ流路5を介してガスを排出する開状態と、試料導入部2からのガスの排出が停止された閉状態との間で、パージ流路5内のガスの流量を任意に調整することができる。パージ圧センサ53は、パージバルブ52よりも下流側におけるパージ流路5内の圧力を検出する。
パージ流路5は、ガスの流量が少なく、ほぼ一定の流量でガスが流れるという特性により、圧力損失が生じにくいため、当該パージ流路5に入口圧センサ51を設けることにより、入口圧をより正確に検出することができる。ただし、入口圧センサ51は、パージ流路5に限らず、カラム入口11に連通する他の任意の部分(例えばスプリット流路4など)に設けられていてもよい。
検出器6は、カラム1に接続されている。検出器6は、例えば水素炎イオン化検出器(FID)などの各種検出器により構成することができる。
このガスクロマトグラフ100を用いた分析中は、全流量バルブ33によって、ガス供給流路3の開閉状態が調整され、スプリットバルブ41によって、スプリット流路4の開閉状態が調整され、パージバルブ52によって、パージ流路5の開閉状態が調整される。また、ガス供給流路3からは、試料導入部2の試料気化室21内にキャリアガスが供給される。
そして、試料を注入するためのシリンジ10が、セプタム23を貫通して試料気化室21内に挿入される。この状態で、シリンジ10から試料気化室21内に液体試料が注入される。
すると、試料気化室21内において、液体試料が気化する。そして、試料ガスは、キャリアガスとともに、カラム1内に供給される。このようにして、カラム1内をキャリアガスが通過する過程で、試料成分が分離される。分離された試料成分は、検出器6により検出される。
また、分析中において、試料気化室21に連通するスプリット流路4を介して、試料ガスの一部がキャリアガスとともに、所定のスプリット比で外部に排出される。
2.ガスクロマトグラフの具体的構成
図2は、図1のガスクロマトグラフ100の電気的構成の一例を示したブロック図である。
このガスクロマトグラフ100の動作は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む制御部7によって制御される。当該制御部7の他、ガス供給流路3、スプリット流路4、パージ流路5、供給圧センサ31、差圧センサ32、全流量バルブ33、スプリットバルブ41、入口圧センサ51、パージバルブ52及びパージ圧センサ53などは、試料導入部2からカラム入口11を介してカラム1に導入されるキャリアガス及び試料ガスの流量を制御するための流量制御装置(図1参照)を構成している。
制御部7は、CPUがプログラムを実行することにより、挿入検出部71及びバルブ制御部72などとして機能する。
挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出するカラム入口11の入口圧に基づいて、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを検出する。
バルブ制御部72は、挿入検出部71による検出結果、入口圧センサ51が検出するカラム入口11の入口圧、及び、差圧センサ32が検出するキャリアガスの流量に基づいて、全流量バルブ33及びスプリットバルブ41の開閉動作を制御する。また、バルブ制御部72は、パージ圧センサ53が検出するパージ流路5内の圧力に基づいて、パージバルブ52の開閉動作を制御する。
ガスクロマトグラフ100には、前処理装置110が電気的に接続されている。前処理装置110は、分析対象の試料に対して前処理を行うための装置である。具体的には、前処理装置110は、試料分注、試薬分注、攪拌、濾過といった各種の前処理を行う。前処理装置110は、ガスクロマトグラフ100の制御部7と、通信可能に接続されている。すなわち、前処理装置110の動作は、制御部7によって制御される。
3.制御部の制御動作
図3は、分析中における制御部7による処理の一例を示したフローチャートである。
上記したガスクロマトグラフ100における分析が開始されると、制御部7は、カラム入口11の入口圧、及び、ガス供給流路3の全流量のフィードバック制御を行う(ステップS101)。具体的には、制御部7のバルブ制御部72は、入口圧センサ51が検出するカラム入口11の入口圧が一定となるように、スプリットバルブ41の開度の制御、及び、全流量バルブ33の開度の制御を行う。バルブ制御部72によって、フィードバック制御が行われている間は、通常、カラム入口11の入口圧が上昇すると、入口圧を一定に保つためにスプリットバルブ41の開度が大きくなる。
また、制御部7は、前処理装置110を制御して、前処理装置110における試料の前処理を開始させる。そして、前処理装置110によって前処理が施された試料は、上記したように、セプタム23を貫通したシリンジ10を介して、ガスクロマトグラフ100の試料気化室21内に注入される。
このとき、シリンジ10が試料気化室21に挿入されると、シリンジ10の体積分だけ試料気化室21内のガスの体積が小さくなる。そして、試料気化室21内のガスの気圧が大きくなる結果、入口圧センサ51が検出する入口圧が上昇する。
なお、シリンジ10を試料気化室21内に挿入する際(シリンジ10によってセプタム23を貫通する際)のシリンジ10の挿入速度は、0.15m/s以上が好ましく、0.25m/s以上がより好ましい。
制御部7は、前処理装置110に対して前処理を開始させた時点を起点として、入口圧センサ51が検出する入口圧の平均値を算出する。具体的には、制御部7の挿入検出部71は、前処理装置110に対して前処理を開始させた時点から、入口圧センサ51が検出する入口圧の瞬時値を定期的に読み出す。そして、挿入検出部71は、定期的に読み出された複数の入口圧の瞬時値に基づいて、カラム入口11の入口圧の平均値を算出する。また、挿入検出部71は、算出した入口圧の平均値と、読み出した入口圧の瞬時値とを比較する。そして、挿入検出部71は、入口圧の平均値と、入口圧の瞬時値との差が閾値以上となったタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして検出する。換言すれば、挿入検出部71は、入口圧の瞬時値が、入口圧の平均値よりも閾値以上上昇したタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして検出する。
なお、上記閾値は、例えば、0.05kPa以上、0.2kPa以下である。
そして、入口圧の平均値と瞬時値との差が閾値以上となることにより(ステップS102でYES)、挿入検出部71が、シリンジ10の試料気化室21に対する挿入タイミングを検出すると、バルブ制御部72は、スプリットバルブ41の印加電圧を固定する(ステップS103)。すなわち、バルブ制御部72は、挿入検出部71が検出するシリンジ10の試料気化室21に対する挿入タイミングに基づいて、上記したフィードバック制御から、スプリットバルブ41の開度を固定する制御に切り替える。
この状態で、試料気化室21内に挿入されているシリンジ10を介して、試料気化室21内に試料が注入される。
そして、バルブ制御部72は、スプリットバルブ41の印加電圧を固定してから一定時間が経過するまでは、この印加電圧を固定する制御を続ける(ステップS104でNO)。上記一定時間は、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されてから試料が注入されるまでの時間よりも長くなるように設定されている。当該一定時間は、予め定められた時間であってもよいし、任意に設定可能であってもよい。
これにより、試料が気化することに起因して試料気化室21内の圧力(入口圧)が上昇しても、スプリットバルブ41の開度を固定でき、試料ガスがスプリット流路4から必要以上に排出されることが防止される。
そして、バルブ制御部72は、一定時間が経過すると(ステップS104でYES)、再度、フィードバック制御を開始する(ステップS101)。すなわち、バルブ制御部72は、スプリットバルブ41の印加電圧を固定してから一定時間が経過すると、スプリットバルブ41の開度を固定する制御から、フィードバック制御に切り替える。
その後、バルブ制御部72は、挿入検出部71によりシリンジ10の試料気化室21に対する挿入タイミングが検出されるたびに(ステップS102でYES)、ステップS103及びS104の処理を行い、ガスクロマトグラフ100における分析が終了した時点で、フィードバック制御を終了する(ステップS105でYES)。
図4Aは、入口圧センサ51により検出される入口圧の経時的変化を示した図であって、試料気化室21において試料が気化されない場合を示した図である。図4Bは、入口圧センサ51により検出される入口圧の経時的変化を示した図であって、試料気化室21において試料が気化される場合を示した図である。なお、図4A及び図4Bでは、横軸が時間を表し、縦軸が入口圧を表している。
図4Aは、試料気化室21内が温調されてない状態、換言すれば、試料が気化しない条件において、試料気化室21内にシリンジ10が挿入されたときの入口圧の経時的変化を示している。なお、図4Aでは、シリンジ10から試料気化室21内には、試料は注入されていない。また、試料気化室21内が温調されていないため、シリンジ10に微量の試料が付着していたとしても、その試料は気化していない。
図4Aでは、グラフ中のAの時点において、入口圧が上昇していることが確認できる。上述の通り試料は気化しておらず、試料の気化に伴う入口圧の変動は生じ得ないことから、図4Aのグラフ中のAの時点が、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして確認できる。
対して、図4Bは、試料気化室21内が高温で温調されている状態、換言すれば、試料が気化される条件において、試料気化室21内にシリンジ10が挿入されたときの入口圧の経時的変化を示している。なお、図4Bでは、シリンジ10が試料気化室21内に挿入された後に、シリンジ10から試料気化室21内に試料が注入される。
図4Bでは、グラフ中のBの時点において、入口圧が上昇していることが確認できる。そして、Bの後のCの時点において、急激に入口圧が上昇していることが確認できる。すなわち、図4Bのグラフ中のBの時点が、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして確認できる。また、図4Bのグラフ中のCの時点が、試料気化室21内に試料が注入されて、試料が気化したタイミングとして確認できる。
このように、図4A及び図4Bからは、試料気化室21内にシリンジ10が挿入されたときに、入口圧が上昇することが確認できる。
4.作用効果
(1)ガスクロマトグラフ100では、シリンジ10が試料気化室21に挿入されると、シリンジ10の体積分だけ試料気化室21内のガスの体積が小さくなる。また、試料気化室21内のガスの気圧が大きくなる結果、入口圧が上昇する。
そして、本実施形態では、図3に示すように、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出する入口圧の上昇に基づいて、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを検出する(ステップS102)。また、バルブ制御部72は、そのタイミングに基づいて、スプリットバルブ41に対する印加電圧を制御する(ステップS103)。
そのため、シリンジ10から試料が注入される前にスプリットバルブ41の動作を制御でき、試料ガスがスプリット流路4から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
(2)また、本実施形態では、図3に示すように、バルブ制御部72は、挿入検出部71が検出するタイミングから一定時間の間、スプリットバルブ41に対する印加電圧を固定する(ステップS103、S104)。
そのため、シリンジ10が試料気化室21に挿入されたタイミングから一定時間の間、スプリットバルブ41の開度を固定できる。
その結果、試料が気化することに起因して入口圧が急上昇しても、その間は、スプリットバルブ41の開度を固定できる。
よって、試料ガスがスプリット流路4から必要以上に排出されることを確実に防止できる。
(3)また、本実施形態では、図3に示すように、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出する入口圧の平均値と、入口圧センサ51が検出する入口圧の瞬時値との差が閾値以上となったタイミング(ステップS102でYES)を、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして検出する。
そのため、挿入検出部71によって、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを確実に検出できる。
その結果、適切なタイミングに基づいてスプリットバルブ41の動作を制御できる。
5.変形例
以上の実施形態では、挿入検出部71は、入口圧の平均値と瞬時値との差が閾値以上となったタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングとして検出するとして説明したが、挿入検出部71は、他の態様で、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングを検出してもよい。例えば、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出した所定の時点における入口圧の瞬時値を記憶しておき、当該記憶している瞬時値と、定期的に入口圧センサ51から読み出す入口圧の瞬時値とを比較し、その差が閾値以上となったタイミングを、シリンジ10が試料気化室21内に挿入されたタイミングと検出してもよい。
また、以上の実施形態では、挿入検出部71は、前処理装置110に対して前処理を開始させた時点から、入口圧センサ51が検出する入口圧の瞬時値を定期的に読み出し、読み出された複数の入口圧の瞬時値に基づいて、入口圧の平均値を算出するとして説明したが、挿入検出部71は、他の時点を起点として、入口圧の平均値を算出してもよい。例えば、挿入検出部71は、前処理装置110に対して前処理を開始させた時点から一定時間経過した時点を起点として、入口圧の平均値を算出してもよい。
また、挿入検出部71は、入口圧センサ51が検出する入口圧の上昇に基づいて、シリンジ10が試料気化室21に挿入されるタイミングを検出するような構成であればよく、入口圧の大きさではなく、例えば、入口圧の変動の傾きなどに基づいて、上記タイミングを検出してもよい。
1 カラム
2 試料導入部
3 ガス供給流路
4 スプリット流路
10 シリンジ
11 カラム入口
21 試料気化室
41 スプリットバルブ
51 入口圧センサ
71 挿入検出部
72 バルブ制御部
100 ガスクロマトグラフ

Claims (3)

  1. 内部に試料を気化するための試料気化室が区画された試料導入部と、
    前記試料導入部にキャリアガスを供給するガス供給流路と、
    前記試料導入部からカラム入口を介してキャリアガス及び試料ガスが導入されるカラムと、
    前記試料導入部内のガスの一部を排出するスプリット流路と、
    前記スプリット流路に設けられ、前記スプリット流路を開閉可能なスプリットバルブと、
    前記カラム入口における入口圧を検出する入口圧検出部と、
    前記入口圧検出部が検出する入口圧の上昇に基づいて、試料を注入するためのシリンジが前記試料気化室に挿入されるタイミングを検出する挿入検出部と、
    前記挿入検出部が検出するタイミングに基づいて、前記スプリットバルブに対する印加電圧を制御するバルブ制御部とを備えることを特徴とするガスクロマトグラフ。
  2. 前記バルブ制御部は、前記挿入検出部が検出するタイミングから一定時間の間、前記スプリットバルブに対する印加電圧を固定することを特徴とする請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
  3. 前記挿入検出部は、前記入口圧検出部が検出する入口圧の平均値と、前記入口圧検出部が検出する入口圧の瞬時値との差が閾値以上である場合に、前記タイミングを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ。
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