JP6582622B2 - 円錐ころ軸受組立装置及び円錐ころ軸受組立方法 - Google Patents

円錐ころ軸受組立装置及び円錐ころ軸受組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、円錐ころ軸受組立装置及び円錐ころ軸受組立方法に関する。
円錐ころ軸受においては、図7に示すように、内輪210と、複数の円錐ころ220と、保持器230と、が三位一体に組付けられている。内輪210は、テーパ状に形成された軌道面216の大径側及び小径側の端部にそれぞれに大鍔部212と小鍔部214とを有する。各円錐ころ220は、それぞれの両端面220a,220bが内輪210の両鍔部212,214に挟まれた位置にある。そして、保持器230は、各円錐ころ220を両鍔部212,214の間に保持している。したがって、各円錐ころ220が軌道面216から離脱することが防止されている。なお、保持器230は、内輪210の大径側と小径側とのそれぞれに対応した位置に、大径環状部232(図8参照)と小径環状部234とを有する。両環状部232,234は、複数の柱部236でつながれている。そして、隣り合う柱部236の間のポケット部238に、各円錐ころ220(図7参照)が収容されている。
内輪210と、各円錐ころ220と、保持器230とは、つぎのようにして三位一体に組付けられる。まず、図9に示すように、内輪210と保持器230とは、それぞれ小径端面218と大径環状部232とを対向させて配置される。なお、保持器230には、円錐ころ220が収容されている。この後、図9の矢印で示すように、保持器230の内周側に、内輪210を組み入れる。なお、図9の仮想線は、図7で示した組付け状態の保持器230の外形を表している。
図9に示すように、内輪210を組み込む前の保持器230(図9の実線)においては、小径環状部234の径W1が、組付け状態の保持器230(図9の仮想線)の当該径W2よりも大きく設計されている。つまり、内輪210を組み込む前の保持器230(図9の実線)においては、円錐ころ220の内接円径W3(保持器230に保持された各円錐ころ220を平面視した際の、各円錐ころ220の小径側の端部を繋いだ仮想円の径)が、内輪210の小鍔部214の径W4よりも大きくなっている。したがって、各円錐ころ220と小鍔部214との干渉を避けて内輪210を保持器230の内周側に配置できる。この後、保持器230の各柱部236を実線の位置から仮想線の位置へかしめることで、円錐ころ220の内接円径W3を小鍔部214の径W4よりも小さくし、内輪210、各円錐ころ220、及び保持器230を三位一体にできる。
従来においては、例えば図10に示すかしめ型300を利用して保持器230(図8,9参照)の柱部236をかしめていた。図10に示すように、かしめ型300の内周面302は、テーパ状に傾斜している。当該内周面302には、保持器230(図8,9参照)の柱部236に対応するかしめ傾斜面302aと、柱部236(図9参照)よりも径方向外方へ突出した円錐ころ220の側面部分に対応した凹部302b(図10参照)と、が周方向に交互に形成されている。このかしめ型300の内周面302に、当該内周面302の大径側から、各円錐ころ220を収容した保持器230(図9参照)及び内輪210をセットする。保持器230及び内輪210は、それぞれ小径側からかしめ型300にセットされる。また、保持器230は、各柱部236が各かしめ傾斜面302a(図10参照)と対向するようにかしめ型300にセットされる。この後、保持器230を軸方向にプレスすることで、各柱部236が各かしめ傾斜面302aによって径方向内方に押し込まれ、各柱部236がかしめられる。
特開2007−64312号公報
図10に示すかしめ型300を用いて保持器をかしめた場合、かしめ傾斜面302aと保持器230(図8参照)の柱部236とを接触させた状態で保持器230を軸方向に移動させて柱部236をかしめるので、かしめ傾斜面302aと柱部236とがこすれて柱部236にすり傷が付く場合があり、外観上好ましくない。
そこで、本発明の課題は、円錐ころ軸受の保持器の柱部をかしめる際に、当該柱部に傷が付くことを抑制することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の円錐ころ軸受組立装置はつぎの手段をとる。
本発明の第1の発明は、円錐ころ軸受における円環状の内輪の外周面の一部である軌道面に、保持器とともに複数の円錐ころが配置された組立体における保持器を内輪の径方向内方に向けてかしめる円錐ころ軸受組立装置である。組立体は、内輪と保持器と複数の円錐ころとを有する。内輪は、円環状に形成されて、大径端面と、外径が大径端面の外径よりも小さい小径端面と、外周面を周回するように設けられた軌道面と、を有する。保持器は、前記大径端面の側に配置される大径環状部と、外径が大径環状部の径よりも小さく前記小径端面の側に配置される小径環状部と、内輪の軸方向に対して径方向に傾斜した方向に延びて大径環状部と小径環状部とを連結する複数の柱部と、を有し、かつ、大径環状部と小径環状部と柱部とで囲まれた空間である複数のポケット部を有する。複数の円錐ころは、それぞれの前記ポケット部に収容されて、保持器とともに前記軌道面に配置されている。円錐ころ軸受組立装置は、組立体における保持器をかしめ対象としている。円錐ころ軸受組立装置は、内周面がテーパ状の傾斜面とされた貫通孔部を有する台座と、貫通孔部の中心軸に沿って貫通孔部と相対的に移動するかしめ治具と、を有する。かしめ治具は、往復移動軸と、複数の回動アームと、を有する。往復移動軸は、前記中心軸と同軸に配置されて前記中心軸に沿って往復移動可能である。複数の回動アームのそれぞれの一方端は、往復移動軸の一方端に、回動可能となるように接続されている。複数の回動アームは、往復移動軸を中心として放射状となるように往復移動軸の一方端の周囲に接続されている。往復移動軸の周方向における複数の回動アームのそれぞれの幅は、組立体の内輪の周方向における複数の柱部のそれぞれの幅以下に設定されている。複数の回動アームのそれぞれには、回動アームの一方端から他方端の側へ第1所定距離だけ離れた第1位置であって回動アームと往復移動軸とが対向するように回動アームを回動させた場合に径方向内方となる第1位置に、径方向内方に向かって突出して組立体の前記小径端面を支持する小径端面支持部が設けられている。複数の回動アームのそれぞれには、回動アームの一方端から他方端の側へ前記第1所定距離よりも長い第2所定距離だけ離れた第2位置であって回動アームと往復移動軸とが対向するように回動アームを回動させた場合に径方向内方となる第2位置に、径方向内方に向かって突出して組立体の前記大径環状部を支持する大径環状部支持部が設けられている。複数の回動アームのそれぞれにおいて、小径端面支持部と大径環状部支持部との間となるかしめ面であって前記柱部をかしめるかしめ面における小径端面支持部から大径環状部支持部までのかしめ距離は、組立体における前記柱部が延びた方向の距離であって、前記小径端面の延長面上と、前記大径環状部における前記小径端面の反対側となる保持器大径端面とを結んだ距離、に設定されている。
上述の円錐ころ軸受組立装置によれば、組立体を周方向に取り囲む複数の回動アームのそれぞれによって内輪の小径端面と保持器の大径環状部とをそれぞれ支持して組立体の径方向、周方向、軸方向への位置ズレを抑えた状態で、各回動アームを回動させて保持器の各柱部をかしめることができる。したがって、保持器の各柱部をかしめる際に、各柱部が各回動アームに対してズレ動いて各柱部がこすれることを抑制でき、各柱部が傷付くことが抑制される。
本発明の第2の発明は、上述した第1の発明に記載の円錐ころ軸受組立装置であって、往復移動軸と複数の回動アームのそれぞれとの間には、回動アームと往復移動軸とが対向するように回動アームを回動させた場合に、前記かしめ面から前記中心軸までの距離が所定距離未満とならないように回動アームの回動量を規制する回動量規制部材が設けられている。
上述の構成においては、回動量規制部材を設けることで、回動アームが過度に回動することが防止される。これによって、保持器の柱部が過度にかしめられることがなく、適切なかしめ量が設定される。
本発明の第3の発明は、上述した第1の発明または第2の発明に記載の円錐ころ軸受組立装置であって、複数の回動アームのそれぞれは、リンク部材を介して往復移動軸に接続されている。
リンク部材を設けることで、回動アームは、保持器の大径環状部を支持する大径環状部支持部の位置を略一定に保ったまま、保持器の小径環状部の側に位置する内径端面支持部を、往復移動軸に近づけるように径方向内方に回動できる。したがって、各回動アームは、保持器の大径環状部の径を略一定に保ったまま、各柱部を、小径環状部の側ほど径方向内方にかしめることができる。
本発明の第4の発明は、上述した第1〜第3発明のいずれか一つに記載の円錐ころ軸受組立装置を用いた円錐ころ軸受組立方法である。この円錐ころ軸受組立方法では、複数の回動アームのそれぞれと往復移動軸とが対向するように回動アームのそれぞれを回動させ、小径端面支持部と大径環状部支持部との間に、かつ、小径端面支持部と前記小径端面とが対向するように、かつ、前記かしめ面と保持器の柱部とが対向するように、組立体を配置する。そして、台座に対してかしめ治具を、台座が往復移動軸の一方端の側から他方端の側に移動するように、前記中心軸に沿って相対的に移動させるとともに、前記貫通孔部の内周面に回動アームの径方向外方部を接触させながら移動させて、前記貫通孔部の内周面にて、往復移動軸の周囲を囲む複数の回動アームのかしめ面を徐々に往復移動軸に近づけて、保持器の柱部を内輪の径方向内方に向けてかしめる。
上述の構成においては、台座の貫通孔部の内周面に各回動アームを接触させて各回動アームを往復移動軸に近づけることにより、各回動アームを均等に往復移動軸に近づけることができる。したがって、各回動アームから対応する各柱部に均等に力がかかり、各柱部を均等にかしめることができる。また、各回動アームのかしめ面に接触させた各柱部が、かしめ面に対して移動することがないので、かしめ面と柱部とがこすれることがない。したがって、各柱部が傷つくことが抑制される。
本発明によれば、円錐ころ軸受の保持器の柱部をかしめる際に、当該柱部に傷が付くことを抑制できる。
円錐ころ軸受組立装置及び分解状態にある組立体を表した斜視図である。 円錐ころ軸受組立装置における初期準備状態を表した側面図である。 円錐ころ軸受組立装置におけるかしめ準備状態を表した側面図である。 円錐ころ軸受組立装置におけるかしめ状態を表した側面図である。 図4における仮想線V領域を表した拡大図である。 かしめ状態にある円錐ころ軸受組立装置を図4のVI方向から視た平面図である。 内輪、保持器、及び円錐ころが一体化された状態を表した断面図である。 保持器を表した斜視図である。 内輪、保持器、及び円錐ころが一体化される前の状態を表した断面図である。 かしめ型を表した斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。図1に示す円錐ころ軸受組立装置1は、円錐ころ軸受における組立体100をかしめるための装置である。組立体100は、図1〜5に示すように、内輪110と、複数の円錐ころ130と、保持器120と、を有する。なお、図1においては、組立体100が分解状態で示されている。図2,3においては、組立前状態の組立体100が示されている。図4,5においては、最終組立状態の組立体100が示されている。組立前状態では、保持器120がかしめられていないため、内輪110と各円錐ころ130と保持器120とが一体化されていない。最終組立状態では、保持器120が内輪110に対してかしめられているため、内輪110と各円錐ころ130と保持器120とが一体化されている。なお、図2〜4においては、相対向する2つの回動アーム50(後述参照)を対象として円錐ころ軸受組立装置1を表し、他の回動アーム50を省略している。また、図2〜5では、内輪110及び保持器120を断面によって表している。
内輪110は、図1,2に示すように、円環状に形成されている。内輪110の外観形状は略円錐台形状である。内輪110の軸方向の両端面はそれぞれ小径端面112と大径端面114とで構成されている。小径端面112の外径は、大径端面114の外径よりも小さい。小径端面112及び大径端面114は、内輪110の軸方向に対して略直交して設けられた平坦面である。内輪110の外周面には、テーパ状に傾斜して設けられた軌道面116が形成されている。軌道面116は、周方向に亘って連続している。軌道面116の小径側の縁には小鍔部117が形成されている。また、軌道面116の大径側の縁には大鍔部118が形成されている。両鍔部117,118はそれぞれ周方向に亘って連続している。なお、小鍔部117は小径端面112に連続している。また、大鍔部118は大径端面114に連続している。
保持器120は、図1に示すように、小径環状部122と、大径環状部124と、柱部128と、ポケット部129と、を有する。小径環状部122の外径は、図2に示すように、大径環状部124の内径よりも小さい。小径環状部122と大径環状部124とは、同軸、かつ、軸方向に離れた位置に設けられている。両環状部122,124の中心軸が保持器120の中心軸である。大径環状部124において、保持器120の軸方向の外側端面は保持器大径端面126となっている(図1参照)。保持器大径端面126は、大径環状部124において、小径環状部122とは反対側に位置している。保持器大径端面126は、保持器120の軸方向に対して略直交して設けられた平坦面である。
柱部128は、図1,2に示すように、軸方向に対して径方向に傾斜して延びて小径環状部122と大径環状部124とを連結している。柱部128は、等間隔で複数設けられている。なお、柱部128の周方向の幅である柱幅H(図1参照)は、小径環状部122の側から大径環状部124の側へ向けて徐々に狭まっている。そして、柱幅Hは、大径環状部124側の端部において、最小値Hmとなっている。なお、図1において符号Hは、小径環状部122と大径環状部124との間の、任意の位置の柱幅を指している。
隣合う柱部128の間には、個々にポケット部129が形成されている(図1参照)。ポケット部129は、隣合う柱部128と小径環状部122と大径環状部124とで囲まれた空間である。そして、各ポケット部129に、各円錐ころ130が個別に収容されている。なお、図1においては、例として円錐ころ130を2つのみ表しているが、各ポケット部129の各々に円錐ころ130が収容されている。円錐ころ130は略円錐台形状に形成され、ころ小径端面130aと、ころ小径端面130aより大径のころ大径端面130bとを有する。ころ小径端面130aが小径環状部122の側に位置しており、ころ大径端面130bが大径環状部124の側に位置している。
保持器120は、組立前状態(図2,3参照)及び最終組立状態(図4,5参照)において、内輪110の外周に同軸で配置されている。以下、組立体100に関する説明に関して、軸方向とは、内輪110及び保持器120の双方の軸方向を指す。保持器120の小径環状部122は、内輪110の小径端面112の側に配置されている(図2,3,5参照)。小径環状部122は、詳細には、小鍔部117の外周に配置されている。また、大径環状部124は、内輪110の大径端面114の側に配置されている。大径環状部124は、詳細には、大鍔部118の外周に配置されている。そして、各柱部128は、軌道面116の外周に配置されている。
組立前状態(図2参照)における小径環状部122の外径Z1は、最終組立状態(図4の実線)における当該外径Z2よりも大きく設定されている。組立前状態においては、図2に示すように、円錐ころ130の内接円径A1(保持器120に保持された各円錐ころ130を平面視した際の、各円錐ころ130の小径側の端部を繋いだ仮想円の径)が、内輪110の小鍔部117の外径A2よりも大きい。したがって、組立前状態においては、各円錐ころ130が内輪110の軌道面116から径方向外方に離れた位置にある。一方、最終組立状態においては、図5に示すように、円錐ころ130の側面が軌道面116に接触している。そして、円錐ころ130の両端面130a,130bは、内輪110の両鍔部117,118で軸方向に挟まれている。保持器120は、各円錐ころ130が両鍔部117,118の間から径方向外方に外れないように、各円錐ころ130を保持している。なお、最終組立状態にある保持器120の各柱部128は、最終組立角度θ1(図5参照)にて、軸方向に対して径方向へ傾斜している。
円錐ころ軸受組立装置1は、図1に示すように、台座10と、かしめ治具30と、を有する。台座10は、台部12と支持脚18とを有する。台部12は、円環状に形成され、かつ、その中心軸に沿う方向に所定の厚みを有する。台部12は、径方向の中央に貫通孔部14を有する。この貫通孔部14の中心軸である孔部中心軸Pに沿う方向が、円錐ころ軸受組立装置1の軸方向となる。そして、この孔部中心軸Pまわりの径方向及び周方向が、円錐ころ軸受組立装置1の径方向及び周方向となる。貫通孔部14の内周面である孔部内周面16は、テーパ状の傾斜面とされている。孔部内周面16の表面は、滑らかである。
支持脚18は、貫通孔部14の小径側に対応する端面に複数本設けられている。各支持脚18は、台部12の端面から軸方向に延びて、台部12を支持している。支持脚18の本数は、後述のかしめ工程において台部12を支えることができる本数に設定されている。台部12と支持脚18は、例えば金属製である。
かしめ治具30は、図1〜6に示すように、往復移動軸40と、複数の回動アーム50と、回動量規制部材90と、を有する。往復移動軸40と、各回動アーム50と、回動量規制部材90とは、それぞれ、例えば金属製である。各回動アーム50の構成及び機能は同一である。なお、図6では、回動量規制部材90が省略されている。
往復移動軸40は、図1,4に示すように、一方向に延びた円柱状の部材である。往復移動軸40は、台座10の孔部中心軸Pと同軸に配置されて当該中心軸Pに沿って往復移動可能である。往復移動軸40の一方端には、接続脚42が設けられている。接続脚42は、図6に示す平面視で、往復移動軸40を中心として放射状となるように、複数設けられている。接続脚42は、往復移動軸40に対して直交して設けられている(図4参照)。接続脚42の数は、つぎに説明する回動アーム50の数、及び保持器120の柱部128の数、と一致している。図1〜6に示す例においては、接続脚42は例えば16個設けられている。なお、以下では、往復移動軸40における接続脚42が設けられた側の端部を、対向端44と記す。また、往復移動軸40における対向端44とは反対側の端部を非対向端46と記す。
回動アーム50は、図1〜4に示すように、角度の緩い略への字状に延びている。各回動アーム50の一方端である接続端56は、各接続脚42に個別に接続されている。各回動アーム50の接続端56は、対応する各接続脚42に対して回動可能である。各回動アーム50の接続端56と各接続脚42との接続の様子については、後述するリンク部材Lとの関連において詳しく説明する。各回動アーム50において、接続端56と反対側の端部は自由端58になっている。自由端58は接続端56の側を支点として回動自在である。以下の説明においては、各回動アーム50の自由端58を回動させて、各回動アーム50が往復移動軸40と対向した状態にあるものとする。各回動アーム50において、往復移動軸40と対向した側を内周側する。また、各回動アーム50において、往復移動軸40と反対側となる側を外周側とする。なお、各回動アーム50は、図6に示す平面視において、往復移動軸40を中心として放射状となるように配置されている。
回動アーム50は、図1,4,6に示すように、第1アーム部52と第2アーム部54とを有する。両アーム部52,54は、共に直線的に延び、かつ、互いに一つながりに連続している。第1アーム部52における第2アーム部54と反対側の端部が、上述の接続端56を構成している。また、第2アーム部54における第1アーム部52と反対側の端部が、上述の自由端58を構成している。軸方向に関して(図4参照)、第2アーム部54は、第1アーム部52に対して鈍角で緩やかに屈曲している。径方向に関して(図6参照)、両アーム部52,54は、同一直線上に延びている。
回動アーム50の周方向の幅であるアーム幅Bは、図6に示すように、接続端56から自由端58に向けて連続的に大きくなっている。そして、アーム幅Bは、回動アーム50の自由端において、最大となっている。アーム幅Bの最大値B2は、保持器120の柱幅Hの最小値Hm(図1参照)以下に設定されている。なお、接続端56側のアーム幅Bは、径方向の所定位置までは一定値B1に設定されている。この一定値B1は、接続脚42の周方向の幅と一致している。回動アーム50は、アーム幅Bが一定値B1である箇所において、後述のリンク部材Lを介して接続脚42と接続されている。接続脚42の周方向の幅は、径方向に一定である。
回動アーム50は、図4に示すように、小径端面支持部60と、大径環状部支持部70と、かしめ面80と、を有する。小径端面支持部60は、回動アーム50の接続端56を始点として、当該接続端56から自由端58の側へ第1所定距離離れた第1位置に配置されている。大径環状部支持部70は、回動アーム50の接続端56を始点として、当該接続端56から自由端58の側へ第2所定距離離れた第2位置に配置されている。第2所定距離は、第1所定距離よりも長く設定されている。かしめ面80は、小径端面支持部60と大径環状部支持部70との間に設けられている。
小径端面支持部60は、図5に示すように、第2アーム部54における第1アーム部52と連続した側の端部に位置している。小径端面支持部60は、第2アーム部54の内周面から径方向内方へ突出している。小径端面支持部60において、大径環状部支持部70と対向する側の面は、小径端面支持面62となっている。小径端面支持面62は、図5に示すかしめ状態において、内輪110の小径端面112と面接触して当該小径端面112を支持するとともに、小径端面112を軸方向に位置決めする。小径端面支持面62は、平坦面にて構成されている。小径端面支持面62は、図5に示すかしめ状態で、軸方向に対して略直交するように設けられている。また、小径端面支持面62の径方向の寸法C1は、つぎのように設定されていることが好ましい。すなわち、当該寸法C1は、図5に示すかしめ状態で、小径端面支持面62の先端部62aが、内輪110の小径端面112の内側端部112aを越えた位置に配置される寸法であることが好ましい。
大径環状部支持部70は、図5に示すように、第2アーム部54における第1アーム部52とは反対側の端部(回動アーム50の自由端58)に位置している。大径環状部支持部70は、第2アーム部54の内周面から径方向内方へ突出している。大径環状部支持部70において、小径端面支持部60と対向する側の面は、大径環状部支持面72となっている。大径環状部支持面72は、図5に示すかしめ状態において、保持器大径端面126と面接触して当該保持器大径端面126を支持するとともに、保持器大径端面126の軸方向への浮上りを防止する。大径環状部支持面72は、平坦面にて構成されている。大径環状部支持面72は、図5に示すかしめ状態において、軸方向に対して略直交するように設けられている。大径環状部支持面72の径方向の寸法C2は、保持器大径端面126の径方向の寸法よりも長く、かつ、図5に示すかしめ状態において、内輪110の大鍔部118に接触しない長さに設定されている。
かしめ面80は、図5に示すように、第2アーム部54の内周面によって構成されている。かしめ面80は、図5に示すかしめ状態において、保持器120の柱部128の外周面128aと面接触して当該外周面128aを径方向内方へかしめる。かしめ面80は、図5に示すかしめ状態において、軸方向に対する径方向への傾斜角度がかしめ角度θ2となるように設定されている。このかしめ角度θ2は、保持器120の柱部128の最終組立角度θ1と一致している。かしめ面80は、小径端面支持部60と大径環状部支持部70との間に亘って連続している。小径端面支持部60と大径環状部支持部70との間の距離である、かしめ距離C3は、最終組立状態にある保持器120の柱部128が延びた方向の距離であって、保持器大径端面126と、内輪10の小径端面112を径方向に延長させた延長面上と、を結んだ距離に設定されている(図5参照)。なお、かしめ面80の周方向の幅であるかしめ面幅BB(図6参照)は、図1に示す柱幅Hの最小値Hm以下である。かしめ面80は、柱部128の外周面に倣った面形状に構成され、かつ、保持器120の柱部128を傷つけることのない滑らかな面にて構成されている。
かしめ面80と反対側の面(第2アーム部54の外周面)は、摺動面54aとなっている(図5参照)。摺動面54aは、図5に示すように、かしめ面80と平行なるように設けられ、かつ、滑らかに構成されている。そして、摺動面54aは、図5に示すかしめ状態において、かしめ角度θ2と一致した摺動面角度θ3にて軸方向に対して径方向に傾斜する。なお、摺動面54aは、台座10の孔部内周面16に倣った面形状に構成されている。したがって、摺動面54aは、孔部内周面16と面接触可能である。図5に示すように、孔部内周面16の軸方向に対する径方向への傾斜角度は貫通孔角度θ4に設定されている。貫通孔角度θ4は、かしめ角度θ2と一致している。すなわち、組立最終角度θ1とかしめ角度θ2と摺動面角度θ3と貫通孔角度θ4とは、すべて一致している。
回動アーム50は、図4,6に示すように、リンク部材Lを介して、接続脚42に接続されている。この接続の様子について説明する。図6に示すように、互いに接続される回動アーム50と接続脚42とにおける、周方向の両脇にはリンク部材Lが配置されている。両リンク部材Lは、図4に示すように、回動アーム50の接続端56と接続脚42とを跨いで配置されている。両リンク部材Lの一方端は、第1回動軸J1によって接続脚42に接続されている。なお、第1回動軸J1は、両リンク部材L及び接続脚42を貫通している。そして、両リンク部材Lは、第1回動軸J1を支点として接続脚42に対して回動可能である。第1回動軸J1は、例えばピンである。
両リンク部材Lの他方端は、図4に示すように、第2回動軸J2によって回動アーム50の接続端56と接続されている。第2回動軸J2は、両リンク部材L及び回動アーム50の接続端56を貫通している。回動アーム50と両リンク部材Lとは、第2回動軸J2を支点として相互に回動可能である。第2回動軸J2は、例えばピンである。
回動アーム50は、リンク部材Lを介して接続脚42に連結されることで、2つの回動軸J1,J2を支点とした回動が可能である。そして、回動アーム50は、図4の仮想線に示す位置から実線に示す位置へ回動できる。つまり、回動アーム50は、自由端58の位置を略一定に保ったまま、接続端56の側を往復移動軸40の側へ回動させることができる。なお、図4の仮想線は、後述のかしめ準備状態(図3参照)における回動アーム50の位置を表している。
回動量規制部材90は、図4に示すように、往復移動軸40の対向端44に嵌めこまれている。回動量規制部材90は往復移動軸40の外周面に亘って環状に設けられている。回動量規制部材90は、円筒部92と傾斜部94とを有する。円筒部92と傾斜部94とは、軸方向に互いに連続して設けられている。円筒部92は接続脚42と対向して設けられている。円筒部92の外周面の径は一定である。円筒部92の端面は接続脚42で支持されている。
傾斜部94の外周面は、テーパ状に傾斜している。傾斜部94の外周面の径は、非対向端46の側へ向かって大きくなっている。傾斜部94は、図4に示すように、回動アーム50を往復移動軸40に向けて回動させた際に、第1アーム部52の内周面と接触し、かしめ面80から孔部中心軸Pまでの距離が所定距離D未満とならないように回動アーム50の回動量を規制する。この規制機能を可能にすべく、傾斜部94の孔部中心軸Pに対する傾斜角度θ5が設定されている。なお、かしめ面80から孔部中心軸Pまでの距離が所定距離Dであるとき、かしめ面80は、保持器120の柱部128を適切な量だけかしめることができる。本実施形態では、上述の所定距離Dが、かしめ面80における小径端面支持面62と連続する端部にて定義されているが、所定距離Dは、第2アーム部54のいずれの箇所で定義してもよい。なお、第1アーム部52の内周面は、傾斜部94の面形状に倣った形状に設定されている。したがって、第1アーム部52の内周面と傾斜部94とは面接触可能である。
回動量規制部材90は、例えば金属製である。回動量規制部材90は、図4に示すように、固定部材Nによって往復移動軸40に対して固定されている。固定部材Nは、例えばナットであり、傾斜部94の端面に設けられている。なお、図6では、回動量規制部材90及び固定部材Nが省略されている。
なお、図3に示すように、台座10における貫通孔部14の最大径G1は、後述するかしめ準備状態における各回動アーム50の自由端58の外周面を繋いだ仮想円の径G2よりも小さい。
つづいて、円錐ころ軸受組立装置1を用いた円錐ころ130軸受組立方法について説明する。図2の初期準備状態に示すように、かしめ治具30は、往復移動軸40の対向端44を、台座10の貫通孔部14の大径側と対向させて配置されているものとする。また、各回動アーム50は、それぞれのかしめ面80が往復移動軸40と対向した状態となるように、往復移動軸40に対して所定角度まで回動されているものとする。この所定角度においては、図2に示すように、各回動アーム50の大径環状部支持面72の先端部72aを繋いで形成される仮想円の径F2が、円錐ころ130の仮想外周円径F1よりも大きい。円錐ころ130の仮想外周円径F1は、保持器120に保持された各円錐ころ130を平面視した際の、各円錐ころ130の大径側の端部を繋いだ仮想円の径である。円錐ころ130の仮想外周円径F1は、組立前状態にある組立体100を平面視した際の最外径を構成するものである。この仮想外周円径F1よりも大径環状部支持面72の先端部72aによる径F2を大きく設定することで、後述の初期準備工程においては、組立体100を各回動アーム50の大径環状部支持部70と干渉させることなく、組立体100を各回動アーム50の内周側に配置できる。なお、各回動アーム50は、図2に示す初期準備状態よりも径方向外方へは回動しないように、図示しない保持手段(例えばワイヤー)で互いに繋がれていてもよい。
まず、初期準備工程を行う(図2参照)。この初期準備工程においては、組立前状態の組立体100を、往復移動軸40の非対向端46から往復移動軸40に挿通する。既に説明したとおり、組立前状態の組立体100においては、保持器120がかしめられていないので、各円錐ころ130を収容した保持器120と、内輪110と、が一体化されていない。そのため、保持器120と内輪110とを往復移動軸40に挿通する際、保持器120及び内輪110は、保持器120の内周側に内輪110を配置した状態で互いを例えば手で押さえて、往復移動軸40に挿通される。なお、保持器120及び内輪110は、小径環状部122及び小径端面112の側からそれぞれ往復移動軸40に挿通される(図2参照)。
この後、かしめ準備工程を行う(図3参照)。かしめ準備工程においては、組立体100及び各回動アーム50を調節しながら動かして、組立体100を各回動アーム50の小径端面支持部60と大径環状部支持部70との間に配置する。詳細には、各回動アーム50の小径端面支持面62と内輪110の小径端面112とが対向し、かつ、各回動アーム50のかしめ面80と保持器120の各柱部128の外周面128aとが対向し、かつ、各回動アーム50の大径環状部支持面72と保持器120の保持器大径端面126とが対向するように、組立体100を配置する。この後、各回動アーム50を径方向内方に回動させて、各回動アーム50の小径端面支持面62を内輪110の小径端面112の一部と接触させ、かつ、各回動アーム50のかしめ面80を保持器120の各柱部128の外周面128aと面接触させる。この状態、つまり、各回動アーム50の小径端面支持面62と内輪110の小径端面112の一部とが接触し、各回動アーム50のかしめ面80と保持器120の各柱部128の外周面128aとが面接触した状態が、かしめ準備状態(図3参照)である。なお、各回動アーム50は、隣合う円錐ころ130の間に配置されて保持器120の各柱部128と接触している。かしめ準備状態(図3参照)及びこの後のかしめ工程が終了するまでの間、内輪110及び保持器120は、貫通孔部14と同軸に配置される。
この後、かしめ工程を行う(図4,5参照)。このかしめ工程では、往復移動軸40を、孔部中心軸Pに沿って対向端44の側へ移動させ、当該往復移動軸40を台座10の貫通孔部14(図1参照)に挿通する。往復移動軸40の挿通を継続すると、やがて、孔部内周面16に各回動アーム50の摺動面54aが接触する。この後、往復移動軸40を対向端44の側へ強くプレスすると、孔部内周面16と各回動アーム50の摺動面54aとが摺動接触し、各回動アーム50が孔部内周面16によって径方向内方へ押し込まれる。詳細には、各回動アーム50は、大径環状部支持部70の位置が、図4の仮想線と実線とで示すように略一定に保たれたまま、小径端面支持部60が図4の仮想線の位置から実線の位置へと径方向内方へ回動される(図4参照)。図4の仮想線は、かしめ準備状態(図3参照)における回動アーム50の位置を表している。
なお、各回動アーム50は、孔部内周面16によって径方向内方へ押し込まれると、互いに均一に径方向内方へ回動する。図4では、各回動アーム50における小径端面支持面62の先端部62aをつないで形成される仮想円の径を、かしめ準備状態に関して符号E1で、かしめ状態に関して符号E2で表している。符合E1で表される径は、符合E2で表される径よりも大きい。各回動アーム50が径方向内方へ回動すると、それぞれのかしめ面80が、保持器120の各柱部128の外周面128aと面接触して、各柱部128を内輪110の軌道面116に向けて径方向内方にかしめる。こうして、各回動アーム50は、図4,5に示すかしめ状態となる。
かしめ状態においては(図4,5参照)、各回動アーム50の小径端面支持面62が内輪110の小径端面112と面接触し、各回動アーム50のかしめ面80と保持器120の各柱部128の外周面128aとが面接触し、各回動アーム50の大径環状部支持面72が保持器120の保持器大径端面126と面接触している。そして、組立体100は最終組立状態とされている。保持器120の各柱部128は、最終組立角度θ1で傾斜している。
上述したように、かしめ状態においては(図4,5参照)、各回動アーム50の小径端面支持面62が内輪110の小径端面112と面接触して当該小径端面112を軸方向に位置決めしている。また、各回動アーム50の大径環状部支持面72が保持器120の保持器大径端面126と面接触して、当該保持器大径端面126の軸方向への浮上りを防止している。つまり、各回動アーム50は、相対向する小径端面支持面62と大径環状部支持面72とで組立体100を軸方向に挟みこんで、組立体100の軸方向への位置ズレを抑えた状態にある。また、各回動アーム50は、往復移動軸40に対して放射状に設けられることで、互いに周方向に均一な位置関係で組立体100を取り囲んでいる。その上で、各回動アーム50は、台座10の孔部内周面16によって互いに均一に径方向内方に押し込まれることで、各かしめ面80によって各柱部128を均一に押圧している。したがって、各回動アーム50は、周方向に均一な位置から、径方向内方に均一に組立体100を支持して、組立体100の径方向及び周方向への位置ズレを抑えた状態にある。こうして、軸方向、径方向、周方向への組立体100の位置ズレを抑制した状態にて、各回動アーム50は、径方向内方へ動いて保持器120の各柱部128をかしめる。したがって、保持器120の各柱部128をかしめる際に、各柱部128が各回動アーム50に対してズレ動いて各柱部128がかしめ面80とこすれることを抑制でき、各柱部128が傷付くことが抑制される。
また、各回動アーム50は、リンク部材Lを介して各接続脚42に接続されていることで、保持器120の大径環状部124を支持する大径環状部支持部70の位置を略一定に保ったまま、保持器120の小径環状部122の側に位置する内径端面支持部60を、往復移動軸40に近づけるように径方向内方に回動できる(図4参照)。したがって、各回動アーム50は、保持器120の大径環状部124の径を略一定に保ったまま(大径環状部124をかしめることなく)、各柱部128を、小径環状部122の側ほど、径方向内方にかしめることができる。
なお、往復移動軸40の対向端44には、回動量規制部材90を設けられている(図4参照)。そのため、各回動アーム50は過度に回動して保持器120の各柱部128を過度にかしめることが防止される。したがって、各柱部128は適切な量だけかしめられる。
各回動アーム50は、それぞれの摺動面54aが孔部内周面16に接触して、径方向内方に押し込まれる(図4参照)。そのため、各回動アーム50は、互いに均等に往復移動軸40に近づいていく。したがって、各回動アーム50は、各柱部128部を均等に径方向内方に押圧して、各柱部128を均等にかしめることができる。
以上は、本発明を実施するための形態を図面に関連して説明したが、本発明は、他の形態でも実施可能である。上述の実施形態では、往復移動軸40を台座10に向けて移動させたが、台座10を、往復移動軸40の対向端44の側から非対向端46の側に移動させてもよいし、台座10と往復移動軸40との双方を相対的に移動させて、台座10が往復移動軸40の対向端44の側から非対向端46の側に移動するようにしてもよい。
両回動軸J1,J2は、ピンに限定されるものではなく、リンク部材Lを往復移動軸40及び回動アーム50と回動可能に接続できるものであれば、どのようなものでもよい。リンク部材Lは省略してもよい。固定部材Nは、ナットに限定されるものではなく、回動量規制部材90を往復移動軸40に対して固定できるものであれば、どのようなものでもよい。台座10、往復移動軸40、回動アーム50、及び回動量規制部材90は、金属製でなくてもよく、上述のかしめ工程を実現できるものであれば、どのような材料で構成されてもよい。
1 円錐ころ軸受組立装置
10 台座
14 貫通孔部
16 孔部内周面(内周面)
30 かしめ治具
40 往復移動軸
42 接続脚
44 対向端(一方端)
46 非対向端(他方端)
50 回動アーム
54a 摺動面(径方向外方部)
56 接続端(一方端)
58 自由端(他方端)
60 小径端面支持部
62 小径端面支持面
70 大径環状部支持部
72 大径環状部支持面
80 かしめ面
90 回動量規制部材
100 組立体
110 内輪
112 小径端面
114 大径端面
116 軌道面
120 保持器
122 小径環状部
124 大径環状部
126 保持器大径端面
128 柱部
129 ポケット部
130 円錐ころ
B アーム幅
BB かしめ面幅
C1 かしめ距離
D 所定距離
H 柱幅
L リンク部材
P 孔部中心軸(中心軸)

Claims (4)

  1. 円錐ころ軸受における円環状の内輪の外周面の一部である軌道面に、保持器とともに複数の円錐ころが配置された組立体における前記保持器を前記内輪の径方向内方に向けてかしめる円錐ころ軸受組立装置であって、
    前記内輪は、円環状に形成されて、大径端面と、外径が前記大径端面の外径よりも小さい小径端面と、外周面を周回するように設けられた前記軌道面と、を有し、
    前記保持器は、前記大径端面の側に配置される大径環状部と、外径が前記大径環状部の径よりも小さく前記小径端面の側に配置される小径環状部と、前記内輪の軸方向に対して径方向に傾斜した方向に延びて前記大径環状部と前記小径環状部とを連結する複数の柱部と、を有して、前記大径環状部と前記小径環状部と前記柱部とで囲まれた空間である複数のポケット部が形成され、
    それぞれの前記ポケット部に収容されて、前記保持器とともに前記軌道面に配置された複数の前記円錐ころを有する前記組立体における前記保持器をかしめ対象として、
    前記円錐ころ軸受組立装置は、内周面がテーパ状の傾斜面とされた貫通孔部を有する台座と、前記貫通孔部の中心軸に沿って前記貫通孔部と相対的に移動するかしめ治具と、を有し、
    前記かしめ治具は、往復移動軸と、複数の回動アームと、を有し、
    前記往復移動軸は、前記中心軸と同軸に配置されて前記中心軸に沿って往復移動可能であり、
    複数の前記回動アームのそれぞれの一方端は、前記往復移動軸の一方端に、回動可能となるように接続されており、
    複数の前記回動アームは、前記往復移動軸を中心として放射状となるように前記往復移動軸の一方端の周囲に接続されており、
    前記往復移動軸の周方向における複数の前記回動アームのそれぞれの幅は、前記組立体の前記内輪の周方向における複数の前記柱部のそれぞれの幅以下に設定されており、
    複数の前記回動アームのそれぞれには、
    前記回動アームの一方端から他方端の側へ第1所定距離だけ離れた第1位置であって前記回動アームと前記往復移動軸とが対向するように前記回動アームを回動させた場合に径方向内方となる前記第1位置に、径方向内方に向かって突出して前記組立体の前記小径端面を支持する小径端面支持部と、
    前記回動アームの一方端から他方端の側へ前記第1所定距離よりも長い第2所定距離だけ離れた第2位置であって前記回動アームと前記往復移動軸とが対向するように前記回動アームを回動させた場合に径方向内方となる前記第2位置に、径方向内方に向かって突出して前記組立体の前記大径環状部を支持する大径環状部支持部と、が設けられており、
    複数の前記回動アームのそれぞれにおいて、
    前記小径端面支持部と前記大径環状部支持部との間となるかしめ面であって前記柱部をかしめるかしめ面における前記小径端面支持部から前記大径環状部支持部までのかしめ距離は、前記組立体における前記柱部が延びた方向の距離であって、前記小径端面の延長面上と、前記大径環状部における前記小径端面の反対側となる保持器大径端面とを結んだ距離、に設定されている、
    円錐ころ軸受組立装置。
  2. 請求項1に記載の円錐ころ軸受組立装置であって、
    前記往復移動軸と複数の前記回動アームのそれぞれとの間には、前記回動アームと前記往復移動軸とが対向するように前記回動アームを回動させた場合に、前記かしめ面から前記中心軸までの距離が所定距離未満とならないように前記回動アームの回動量を規制する回動量規制部材が設けられている、
    円錐ころ軸受組立装置。
  3. 請求項1または2に記載の円錐ころ軸受組立装置であって、
    複数の前記回動アームのそれぞれの前記一方端は、リンク部材を介して前記往復移動軸の前記一方端、回動可能となるように接続されている、
    円錐ころ軸受組立装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の円錐ころ軸受組立装置を用いた円錐ころ軸受組立方法であって、
    複数の前記回動アームのそれぞれと前記往復移動軸とが対向するように前記回動アームのそれぞれを回動させ、
    前記小径端面支持部と前記大径環状部支持部との間に、かつ、前記小径端面支持部と前記小径端面とが対向するように、かつ、前記かしめ面と前記保持器の前記柱部とが対向するように、前記組立体を配置し、
    前記台座に対して前記かしめ治具を、前記台座が前記往復移動軸の一方端の側から他方端の側に移動するように、前記中心軸に沿って相対的に移動させるとともに、前記貫通孔部の内周面に前記回動アームの径方向外方部を接触させながら移動させて、前記貫通孔部の内周面にて、前記往復移動軸の周囲を囲む複数の前記回動アームの前記かしめ面を徐々に前記往復移動軸に近づけて、前記保持器の前記柱部を前記内輪の径方向内方に向けてかしめる、
    円錐ころ軸受組立方法。

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