JP6581438B2 - 溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は溶接方法に関するものである。
一対の母材の端面同士が対向するように配置された状態で端面同士が接合されるように溶接される突合せ溶接においては、溶接による溶融領域が母材を厚み方向に貫通するように形成されることで(貫通溶接)、溶接の作業効率を向上させることができる。貫通溶接の達成には、サブマージアーク溶接の採用が有効である。サブマージアーク溶接を採用した突合せ溶接において、溶接部の品質向上等を達成するための方策が提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特開2010−221298号公報 特開2007−260692号公報
しかし、サブマージアーク溶接においては、粒状のフラックスを溶接部に供給する必要がある。そのため、サブマージアーク溶接においては、溶接の姿勢が制限される。また、サブマージアーク溶接においては、溶接装置が大型化する傾向にある。
サブマージアーク溶接は、貫通溶接の達成が容易である反面、上記のようなデメリットも存在する。そこで、本発明は、GMA(Gas Metal Arc)溶接によって突合せ溶接における貫通溶接を達成することにより、溶接の作業効率向上を可能とする溶接方法を提供することを目的とする。
本発明に従った溶接方法は、第1母材および第2母材を準備する工程と、第1母材の第1端面と第2母材の第2端面とが対向するように、第1母材および第2母材を配置する工程と、第1端面と第2端面とが接合されるように第1母材と第2母材とをGMA溶接により溶接する工程と、を備える。第1母材と第2母材とを溶接する工程では、溶接ワイヤと第1母材および第2母材との間にアークが形成され、アークの熱により第1母材および第2母材に溶融領域が形成されることで第1母材と第2母材とが溶接される。第1母材と第2母材とを溶接する工程では、溶接ワイヤが溶融領域に取り囲まれる領域にまで侵入した状態で、溶接ワイヤの先端の位置が第1母材および第2母材の厚み方向において第1の深さと第1の深さよりも深い第2の深さとの間を往復しつつアークが形成されることで、溶融領域が第1母材および第2母材を厚み方向に貫通するように形成される。
本発明者らは、GMA溶接により貫通溶接を達成する方策について検討を行った。その結果、以下のような知見を得て本発明に想到した。溶接ワイヤが溶融領域に取り囲まれる領域にまで侵入した状態でアークが形成される状態(埋もれアーク状態)を維持しつつ溶接を実施することにより、貫通溶接の達成が容易となる。
一方、このようにして貫通溶接を達成した場合、溶融領域が凝固して形成されるビードが、溶融しない状態が維持された母材の主表面(溶接ワイヤが侵入する側の主表面)の一部を覆う状態(オーバーラップ)が発生する場合がある。この場合、母材の主表面とビードとが十分に接合されていない状態となる。そのため、オーバーラップが発生した領域が、接合体の欠陥となり、接合体の強度を低下させるおそれがある。本発明者らの検討によれば、溶接ワイヤの先端の位置が第1母材および第2母材の厚み方向において往復しつつアークが形成されるようにすることで、オーバーラップの発生を抑制しつつ貫通溶接を達成することができる。すなわち、溶接ワイヤが深く(第2の深さまで)侵入した状態では、溶接ワイヤが侵入する側の母材の主表面から遠い領域にアークの熱が付与され、貫通溶接の達成に寄与する。溶接ワイヤが浅く(第1の深さまで)侵入した状態では、溶接ワイヤが侵入する側の母材の主表面に近い領域にアークの熱が付与され、オーバーラップの発生が抑制される。溶接ワイヤが深く侵入した状態と浅く侵入した状態とが繰り返されることにより、オーバーラップの発生を抑制しつつ貫通溶接を達成することができる。
本発明の溶接方法においては、溶接ワイヤが溶融領域に取り囲まれる領域にまで侵入した状態で、溶接ワイヤの先端の位置が第1母材および第2母材の厚み方向において往復しつつアークが形成されることで、溶融領域が第1母材および第2母材を厚み方向に貫通するように形成される。そのため、本発明の溶接方法によれば、GMA溶接によって突合せ溶接における貫通溶接を達成することにより、溶接の作業効率を向上させることができる。
上記溶接方法において、第1母材と第2母材とを溶接する工程では、溶接ワイヤが第1の深さまで侵入し、溶接ワイヤが溶融して形成される溶摘の溶融領域への移行形態がローテーティング移行の状態と、溶接ワイヤが第2の深さまで侵入し、移行形態がローテーティング移行以外の状態とが繰り返されてもよい。
ローテーティング移行の状態においては、溶接ワイヤの先端が、第1母材および第2母材の厚み方向に沿った軸の周りを回転する。そのため、形成されるアークは、当該軸回りに回転する。溶接ワイヤが浅く(第1の深さまで)侵入した状態でローテーティング移行の状態とすることにより、オーバーラップの発生懸念される領域にアークの熱が供給されやすくなる。その結果、オーバーラップの発生がより確実に抑制される。
上記溶接方法においては、第1母材と第2母材とを溶接する工程において、溶接ワイヤの送給速度は30m/min以上であってもよい。このようにすることにより、埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
上記溶接方法において、第1母材および第2母材を準備する工程では、厚みが10mm以上30mm以下の第1母材および第2母材が準備されてもよい。GMA溶接による貫通溶接の達成は、厚み10mm以上の母材において、作業効率向上の観点から特に有効である。一方、母材の厚みが30mmを超えると、貫通溶接の達成が難しくなるおそれがある。そのため、第1母材および第2母材の厚みは10mm以上30mm以下とされてもよい。
上記溶接方法において、第1母材と第2母材とを溶接する工程では、開先の形成されていない第1母材と第2母材とが溶接されてもよい。
本発明の溶接方法によれば、開先の形成されていない母材の溶接も可能である。開先が形成された場合、溶接時に開先が形成された領域を充填する必要がある。そのため、たとえば溶接部に供給される溶加材の量が増える等の理由により母材の歪みが大きくなるおそれがある。本発明の溶接方法により開先の形成されていない母材を溶接することにより、このような問題の発生を抑制することができる。
上記溶接方法において、上記溶接ワイヤはソリッドワイヤであってもよい。本発明の溶接方法では、ソリッドワイヤの採用は好適である。
上記溶接方法において、溶接ワイヤの直径は1.2mm以上1.6mm以下であってもよい。これにより、溶接時に埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の溶接方法によれば、GMA溶接によって突合せ溶接における貫通溶接を達成することにより、溶接の作業効率向上を可能とする溶接方法を提供することができる。
溶接の手順の概略を示すフローチャートである。 実施の形態1における溶接の開始前の状態を示す概略図である。 実施の形態1における溶接工程の、溶接ワイヤが深く侵入した状態を示す概略図である。 実施の形態1における溶接工程の、溶接ワイヤが浅く侵入し、溶滴の移行形態がローテーティング移行である状態を示す概略図である。 電流、電圧および溶接ワイヤの送給速度の制御状態を示すタイミングチャートである。 実施の形態2における溶接の開始前の状態を示す概略図である。 実施の形態2における溶接工程の、溶接ワイヤが深く侵入した状態を示す概略図である。 実施の形態2における溶接工程の、溶接ワイヤが浅く侵入し、溶滴の移行形態がローテーティング移行である状態を示す概略図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における溶接方法について説明する。図1を参照して、実施の形態1の溶接方法においては、まず工程(S10)として母材準備工程が実施される。この工程(S10)では、溶接により接合されるべき一対の母材が準備される。具体的には、図2を参照して、第1母材50および第2母材60が準備される。第1母材50および第2母材60は、たとえば軟鋼、機械構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼などの鋼からなる鋼板である。鋼板の厚みは、たとえば10mm以上30mm以下である。
次に、工程(S20)として母材配置工程が実施される。この工程(S20)では、図2を参照して、工程(S10)において準備された第1母材50および第2母材60が溶接装置100にセットされる。溶接装置100は、トーチ19と、電源30と、ワイヤ送給装置29とを備えている。トーチ19は、コンタクトチップ17と、コンタクトチップ17を取り囲む中空円筒形状を有するノズル18とを含む。コンタクトチップ17は、銅合金などの導電性を有する材料(金属)からなっている。コンタクトチップ17は、溶加材である溶接ワイヤ15に接触しつつ、溶接ワイヤ15を案内する。すなわち、溶接ワイヤ15とコンタクトチップ17とは電気的に接続されている。溶接ワイヤ15は、消耗電極として機能する。本実施の形態において、溶接ワイヤ15はソリッドワイヤである。溶接ワイヤ15の直径は、たとえば1.2mm以上1.6mm以下である。
ノズル18は、コンタクトチップ17との間にシールドガスを流す流路を形成する。溶接ワイヤ15は、ノズル18の中央軸を含む領域に位置する。ワイヤ送給装置29は、溶接ワイヤ15をノズル18内へと送給する。電源30は、配線34を介してコンタクトチップ17に電気的に接続されている。電源30は、配線64を介して第2母材60に電気的に接続される。
第1母材50は、一方の主表面52と、他方の主表面53と、第1端面51とを有する。第2母材60は、一方の主表面62と、他方の主表面63と、第2端面61とを有する。第1端面51と第2端面61とが対向するように、第1母材50および第2母材60は配置される。第1端面51と第2端面61とが接触するように、第1母材50および第2母材60は配置される。第1母材50および第2母材60には開先は形成されていない。すなわち、第1端面51と第2端面61とは、厚み方向の全域にわたって平行となっている。
次に、工程(S30)として溶接工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において配置された第1母材50と第2母材60とがGMA溶接により溶接される。具体的には、図3および図4を参照して、ワイヤ送給装置29により溶接ワイヤ15が送給されつつ、電源30により第1母材50および第2母材60と溶接ワイヤ15との間に電圧が印加されると、溶接ワイヤ15と第1母材50および第2母材60との間にアーク11が形成される。このとき、たとえば炭酸ガス等のシールドガスがノズル18内に供給されて、コンタクトチップ17とノズル18の内周面との間の空間を流れる。そして、ノズル18の出口からシールドガスが矢印Gに沿って吐出され、アーク11と外気とが遮断される。このようにして形成されたアーク11の熱により第1母材50および第2母材60に溶融領域12が形成される。
このとき、溶接ワイヤ15が溶融領域12に取り囲まれる領域にまで侵入した状態(埋もれアーク状態)で、溶接ワイヤ15の先端15Aの位置が第1母材50および第2母材60の厚み方向において第1の深さと第1の深さよりも深い第2の深さとの間を往復しつつアーク11が形成されることで、溶融領域12が第1母材50および第2母材60を厚み方向に貫通するように形成される。すなわち、第1母材50の一方の主表面52および第2母材60の一方の主表面62の側から侵入した溶接ワイヤ15の先端15Aが溶融領域12に取り囲まれる領域内に位置する状態で、先端15Aの位置が第1母材50および第2母材60の厚み方向において往復しつつアーク11が形成される。溶融領域12は、第1母材50の他方の主表面53および第2母材60の他方の主表面63において露出する。
より具体的な制御方法を図3〜図5を参照して説明する。図5において、横軸は時間tに対応する。また、図5において縦軸は溶接電流I、溶接電圧Vおよび溶接ワイヤ15の送給速度Wに対応する。図3〜図5を参照して、電流Iは、閾値電流ITHよりも低いIの状態とITHよりも高いIの状態とを繰り返すように制御される。電流IがIの状態である時刻tから時刻tの間(時間T)、電圧VはVであり、送給速度WはWfHとされる。電流IがIの状態である時刻tから時刻tの間(時間T)、電圧VはVよりも低いVであり、送給速度WはWfHよりも小さいWfLとされる。時間Tと時間Tとの和が1サイクルあたりの時間Tである。Tの逆数1/Tが周波数である。周波数1/Tは、たとえば0.2Hz以上2Hz以下とすることができる。
電流Iが閾値電流ITHよりも小さい状態では、図3に示すように、溶接ワイヤ15が第1母材50および第2母材60の厚み方向において深く(第2の深さまで)侵入した状態となる。このとき、溶接ワイヤ15が溶融して形成される溶摘の溶融領域12への移行形態がローテーティング移行以外の状態、たとえばドロップ移行の状態、または溶接ワイヤ15の先端15Aが振り子状に運動する状態での移行(振り子状移行)の状態となる。一方、電流Iが閾値電流ITHよりも大きい状態では、図4に示すように、溶接ワイヤ15が第1母材50および第2母材60の厚み方向において浅く(第1の深さまで)侵入した状態となる。このとき、溶接ワイヤ15が溶融して形成される溶摘の溶融領域12への移行形態がローテーティング移行の状態となる。
ローテーティング移行の状態においては、溶接ワイヤ15の先端15Aに近い領域が、第1母材50および第2母材60の厚み方向に沿った軸αから離れるように湾曲する。そして、溶接ワイヤ15の先端15Aが、軸αの周りを回転する。そのため、形成されるアーク11は、軸α周りに回転する。溶接ワイヤ15が浅く侵入した状態でローテーティング移行の状態とすることにより、オーバーラップの発生が懸念される領域(第1母材50の一方の主表面52および第2母材60の一方の主表面62に近い領域)にアーク11の熱が供給されやすくなる。
第1母材50および第2母材60に対してトーチ19が相対的に移動することにより、溶融領域12が形成される領域が移動する。先に形成された溶融領域12は、温度の低下に伴って凝固する。溶接されるべき領域(第1端面51と第2端面61とが対向する領域)の延在方向に沿って溶融領域12が順次形成され、形成された溶融領域12が凝固することにより、本実施の形態における第1母材50と第2母材60との溶接が完了する。
本実施の形態の溶接方法では、工程(S30)において、溶接ワイヤ15が溶融領域12に取り囲まれる領域にまで侵入した状態で、溶接ワイヤ15の先端15Aの位置が第1母材50および第2母材60の厚み方向において第1の深さと第1の深さよりも深い第2の深さとの間を往復しつつアーク11が形成されることで、溶融領域12が第1母材50および第2母材60を厚み方向に貫通するように形成される。
このとき、溶接ワイヤ15が第1母材50および第2母材60の厚み方向において浅く(第1深さまで)侵入し、溶接ワイヤ15が溶融して形成される溶摘の溶融領域12への移行形態がローテーティング移行の状態と、溶接ワイヤ15が深く(第2の深さまで)侵入し、移行形態がローテーティング移行以外の状態とが繰り返される。溶接ワイヤ15が深く侵入した状態でアーク11が形成されることにより、アーク11の熱が第1母材50の他方の主表面53および第2母材60の他方の主表面62に近い領域に供給される。そのため、貫通溶接の達成が容易となる。一方、溶接ワイヤ15が浅く侵入した状態でローテーティング移行の状態とすることにより、オーバーラップの発生懸念される領域(第1母材50の一方の主表面52および第2母材60の一方の主表面62に近い領域)にアーク11の熱が供給されやすくなる。そのため、オーバーラップの発生が抑制される。そして、これらの状態が繰り返されることにより、オーバーラップの発生を抑制しつつ貫通溶接を達成することができる。そのため、本実施の形態の溶接方法によれば、GMA溶接によって突合せ溶接における貫通溶接を達成することにより、溶接の作業効率を向上させることができる。
上記工程(S30)において、溶接ワイヤの送給速度は30m/min以上とすることが好ましい。これにより、埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の他の実施の形態である実施の形態2における溶接方法について説明する。実施の形態2の溶接方法は、基本的には上記実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2の溶接方法は、母材の端面の形状において実施の形態1の場合とは異なっている。
図6を参照して、実施の形態2における溶接方法においては、工程(S10)において、開先70が形成された第1母材50および第2母材60が準備される。開先70は、第1母材50および第2母材60の一方の主表面52,62側に形成される。開先70は、第1端面51と一方の主表面52とが接続される第1母材50の角部、および第2端面61と一方の主表面62とが接続される第2母材60の角部を除去するように形成される。そのため、工程(S20)において、第1端面51と第2端面61とが対向するように第1母材50および第2母材60が配置されると、開先70に対応する領域において、一方の主表面52,62に近づくにしたがって第1母材50と第2母材60との間隔が広がる。
そして、工程(S30)では、図7および図8を参照して、開先70が形成された状態で第1母材50と第2母材60とが溶接される。このとき、開先70に対応する領域は、溶接によって充填される。すなわち、開先70が形成されない上記実施の形態1の場合に比べて、溶融領域12に供給される溶加材としての溶接ワイヤ15の量が多くなる。
このように、開先70を形成しておくことにより、工程(S30)において貫通溶接を達成することが容易となる。そのため、厚みの大きい第1母材50および第2母材60が溶接される場合に、本実施の形態の溶接方法は好適である。
なお、上記実施の形態においては、溶接電流、溶接電圧および溶接ワイヤの送給速度を大きくして溶接ワイヤが浅く侵入する状態とし、溶接電流、溶接電圧および溶接ワイヤの送給速度を小さくして溶接ワイヤが深く侵入する状態とすることで、溶接ワイヤの先端の位置を母材の厚み方向に往復させる方法について説明したが、本発明の溶接方法はこれに限られない。たとえば、溶接電圧一定の下で溶接ワイヤの送給速度および溶接電流を大きくして溶接ワイヤが深く侵入する状態とし、溶接ワイヤの送給速度および溶接電流を小さくして溶接ワイヤが浅く侵入する状態とすることで、溶接ワイヤの先端の位置を母材の厚み方向に往復させてもよい。
本発明の溶接方法により、GMA溶接によって突合せ溶接における貫通溶接を達成可能であることを確認する実験を行った。具体的な実験方法は以下の通りである。
まず、母材として、厚み12mmの2枚の鋼板を準備した。次に、図2を参照して、上記実施の形態1の場合と同様に、開先を形成することなく2枚の鋼板を互いの端面同士が接触するように溶接装置100にセットした。そして、表1に示す条件で溶接を実施した。
Figure 0006581438
溶接により接合された鋼板を観察した結果、貫通溶接が達成されていることが確認された。また、オーバーラップの発生は確認されなかった。以上の実験結果から、本発明の溶接方法によれば、溶接ワイヤが深く侵入した状態と浅く侵入した状態とが繰り返されることにより、オーバーラップの発生を抑制しつつ貫通溶接を達成することができることが確認される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の溶接方法は、作業効率の向上が求められる溶接に、特に有利に適用され得る。
11 アーク、12 溶融領域、15 溶接ワイヤ、15A 先端、17 コンタクトチップ、18 ノズル、19 トーチ、29 ワイヤ送給装置、30 電源、34 配線、50 第1母材、51 第1端面、52,53 主表面、60 第2母材、61 第2端面、62,63 主表面、64 配線、70 開先、100 溶接装置。

Claims (7)

  1. 第1母材および第2母材を準備する工程と、
    前記第1母材の第1端面と前記第2母材の第2端面とが対向するように、前記第1母材および前記第2母材を配置する工程と、
    前記第1端面と前記第2端面とが接合されるように前記第1母材と前記第2母材とをGMA溶接により溶接する工程と、を備え、
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、溶接ワイヤと前記第1母材および前記第2母材との間にアークが形成され、前記アークの熱により前記第1母材および前記第2母材に溶融領域が形成されることで前記第1母材と前記第2母材とが溶接され、
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、前記溶接ワイヤが前記溶融領域に取り囲まれる領域にまで侵入した状態で、前記溶接ワイヤの先端の位置が前記第1母材および前記第2母材の厚み方向において第1の深さと前記第1の深さよりも深い第2の深さとの間を往復しつつ前記アークが形成されることで、前記溶融領域が前記第1母材および前記第2母材を厚み方向に貫通するように形成され
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程において、前記溶接ワイヤの送給速度は30m/min以上である、溶接方法。
  2. 前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、開先の形成されていない前記第1母材と前記第2母材とが溶接される、請求項1に記載の溶接方法。
  3. 第1母材および第2母材を準備する工程と、
    前記第1母材の第1端面と前記第2母材の第2端面とが対向するように、前記第1母材および前記第2母材を配置する工程と、
    前記第1端面と前記第2端面とが接合されるように前記第1母材と前記第2母材とをGMA溶接により溶接する工程と、を備え、
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、溶接ワイヤと前記第1母材および前記第2母材との間にアークが形成され、前記アークの熱により前記第1母材および前記第2母材に溶融領域が形成されることで前記第1母材と前記第2母材とが溶接され、
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、前記溶接ワイヤが前記溶融領域に取り囲まれる領域にまで侵入した状態で、前記溶接ワイヤの先端の位置が前記第1母材および前記第2母材の厚み方向において第1の深さと前記第1の深さよりも深い第2の深さとの間を往復しつつ前記アークが形成されることで、前記溶融領域が前記第1母材および前記第2母材を厚み方向に貫通するように形成され、
    前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、開先の形成されていない前記第1母材と前記第2母材とが溶接される、溶接方法。
  4. 前記第1母材と前記第2母材とを溶接する工程では、前記溶接ワイヤが前記第1の深さまで侵入し、前記溶接ワイヤが溶融して形成される溶摘の前記溶融領域への移行形態がローテーティング移行の状態と、前記溶接ワイヤが前記第2の深さまで侵入し、前記移行形態がローテーティング移行以外の状態とが繰り返される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接方法。
  5. 前記第1母材および前記第2母材を準備する工程では、厚みが10mm以上30mm以下の前記第1母材および前記第2母材が準備される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接方法。
  6. 前記溶接ワイヤはソリッドワイヤである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接方法。
  7. 前記溶接ワイヤの直径は1.2mm以上1.6mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶接方法。
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