JP6580442B2 - 耕耘機における耕耘爪の配列構造 - Google Patents
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Description
本発明の一態様に係る耕耘爪の配列構造は、回転軸と、前記回転軸の軸心方向に間隔をおいて設けられた複数のフランジと、前記フランジに取り付け可能な複数の耕耘爪と、を備えた耕耘機における耕耘爪の配列構造であって、前記回転軸を1回転させて展開図として示した場合において、前記軸心方向に隣接するフランジに取り付けられた耕耘爪であって且つ互いに向き合う2つの耕耘爪のフランジの周方向の距離を第1の間隔とし、前記軸心方向に隣接する他のフランジに取り付けられた耕耘爪であって且つ互いに向き合う2つの耕耘爪のフランジの周方向の距離を第2の間隔としたとき、前記複数の耕耘爪は、隣接するフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪における第1の間隔と、隣接する他のフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪における第2の間隔とが異なるように、フランジに取り付けられており、前記複数のフランジのうち、同一のフランジに、前記軸心方向の一方を向く複数の耕耘爪と、前記軸心方向の他方を向く複数の耕耘爪とがフランジの周方向に交互に取り付けられ、前記同一のフランジに取り付けられた耕耘爪のうち、同じ方向を向く耕耘爪は、前記回転軸の軸心に対して非点対称になるように位相をずらせて取り付けられている。
また、前記フランジは、複数の耕耘爪を取り付ける複数の取付部を有し、前記複数のフランジのうち、同一のフランジに形成された各取付部は、前記回転軸を中心とする同一円周上において該円周の方向に間隔をあけて設けられた第1挿通孔と第2挿通孔を有する。
隣接するフランジにおける互いに向き合う耕耘爪における第1の間隔と、隣接する他のフランジにおける互いに向き合う耕耘爪における第2の間隔とが異なる。第1の間隔と第2の間隔とを異ならせたことによって、耕耘時における耕耘爪の土の抱込みを抑制することができる。例えば、第1の間隔を第2の間隔よりも大きくしたり、或いは、第1の間隔を第2の間隔よりも小さくすることができる。それゆえ、土の抱込みが生じたとしても土の抱込みによる負荷が同時に発生することを、間隔の違いによって、抑制することができる。
を結ぶ第1線の角度と、二のフランジに取り付けた三の耕耘爪と三のフランジに取り付けた四の耕耘爪とを結ぶ第2線の角度とを異ならせている。そのため、隣接する3つのフランジ(一のフランジ、二のフランジ、三のフランジ)に掛かる負荷を抑制することができる。
また、複数のフランジが、軸心方向に行くに従って、フランジの周方向一方向に位相をずらせて取り付けられている。そのため、耕耘爪による同時打ちを防止することができる。
図1、2は、サイドドライブ式の耕耘機1、即ち、ロータリ耕耘機を示している。ロータリ耕耘機1は、トラクタ2の後部に3点リンク機構3等の連結機構を介して昇降可能に連結される。
本発明の実施形態において、図1の矢印A1方向を前方、図1の矢印A2方向を後方、図2の矢印B1方向を左方、図2の矢印B2方向を右方として説明する。また、図2に示すように、ロータリ耕耘機1の前後に直交する方向である水平方向を機体幅方向X1として説明する。ロータリ耕耘機1の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向X1であってロータリ耕耘機1から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向X1であってロータリ耕耘機1に近づく方向である。
ギヤケース4は、ロータリ耕耘機1の機体幅方向X1の中央部に位置する。サポートアーム5Lは、ギヤケース4から左側へ突出している。サポートアーム5Rは、ギヤケース4から右側へ突出している。伝動ケース6は、サポートアーム5Lの外端(機体外方側の端部)に取り付けられている。サイドフレーム7は、サポートアーム5Rの外端に取り付けられている。
ギヤケース4には、入力軸15と、ギヤ伝動機構18とが設けられている。入力軸15には、牽引車両であるトラクタ2等のPTO軸16からジョイント17を介して動力が伝達される。入力軸15に伝達された動力は、ギヤ伝動機構18、サポートアーム5Lに設けた伝動軸19及び伝動ケース6に設けたチェーン伝動機構20に伝達される。チェーン伝動機構20の動力は、支軸9Lに伝達される。支軸9Lに伝達された動力によって、回転軸10は、図1に矢印Y1(回転方向Y1)で示す方向に回転する。
このロータリ耕耘部23の上方は、第1カバー24(図2参照)によって覆われ、ロータリ耕耘部23の後方は、図示省略の第2カバーによって覆われる。
サイドフレーム7及び伝動ケース6には、耕深調整用のスキッド25が着脱自在に取り付けられている。スキッド25は、上下方向に位置が調整可能である。スキッド25は、サイドフレーム7又は伝動ケース6の一方に取り付けられていてもよい。
図4は、左端のフランジF1を示している。図5は、左端のフランジF1及び右端のフランジF9以外のフランジF2〜F8を示している。図6は、右端のフランジF9を示している。図4〜図6に示すように、フランジF1〜F9は、板材によって円板状に形成されている。フランジF1〜F9の中心部には、環状の縁部によって形成された第1孔28が設けられている。この第1孔28に回転軸10を挿通し、第1孔28の縁部を回転軸10に溶接することでフランジF1〜F9が回転軸10に固定されている。
図4、図6に示すように、左端のフランジF1と右端のフランジF9には、締結具29を挿通する取付孔34が形成されている。締結具29は、取付孔34を挿通して支軸9L、9Rに形成されたネジ孔に螺合されている。左端のフランジF1と右端のフランジF9には、回転軸10に固定される補強リブ35が設けられている。
図3、図7に示すように、なた爪N1〜N32は、板材を湾曲状に屈曲することにより形成されている。なた爪N1〜N32は、基部53と、直刃部54と、湾曲部55とを有する。
図8に示すように、フランジF1には、2つのなた爪N1,N2がフランジF1の周方向C1に180°以上、位相をずらせて取り付けられている。即ち、なた爪N1,N2は、非点対称にフランジF1に取り付けられている。フランジF1に取り付けたなた爪N1,N2は、直刃部54或いは湾曲部55がサイドフレーム7側に向く右向きの爪である。
図9に示すように、フランジF2には、4つのなた爪N3〜N6が取り付けられている。フランジF2には、6つの取付部30が設けられているが、そのうち、4つの取付部30に、なた爪が取り付けられている。
さらに、フランジF2には、なた爪N3〜N6が、非点対称に配置されて取り付けられている。即ち、フランジF2に取り付けた所定のなた爪を、回転軸10(軸心)を中心として仮想的に180°回転させた場合、所定のなた爪は、その他のなた爪に輪郭が重ならないように、フランジF2に対する所定のなた爪の配置が設定されている。例えば、なた爪N6を、回転軸10を中心として仮想的に180°回転させた場合、なた爪N5に重ならない。即ち、フランジF2に取り付けたなた爪の配置は、点対称ではない非点対称である。
図10に示すように、フランジF3には、右向きのなた爪N9,N10と、左向きのなた爪N7,N8とが交互に取り付けられている。図11に示すように、フランジF4には、右向きのなた爪N13,N14と、左向きのなた爪N11,N12とが交互に取り付けられている。図12に示すように、フランジF5には、右向きのなた爪N17,N18と、左向きのなた爪N15,N16とが交互に取り付けられている。図13に示すように、フランジF6には、右向きのなた爪N21,N22と、左向きのなた爪N19,N20とが交互に取り付けられている。図14に示すように、フランジF7には、右向きのなた爪N25,N26と、左向きのなた爪N23,N24とが交互に取り付けられている。図15に示すように、フランジF8には、右向きのなた爪N29,N30と、左向きのなた爪N27,N28とが交互に取り付けられている。
複数のフランジF1〜F9のうち、同一のフランジに取り付けたなた爪は、非点対称である。それゆえ、展開した状態において、展開方向のなた爪間の間隔やなた爪を結ぶ角度等を変更することができる。
図8〜図16に示すように、フランジF1〜F9に設けた所定の取付部30(ある1つの取付部30)に着目すると、所定の取付部30は、フランジF1からフランジF9に向かうにつれて、時計回りに位置が変わっている。
フランジF2は、フランジF1に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF4は、フランジF3に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF5は、フランジF4に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF6は、フランジF5に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF7は、フランジF6に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF8は、フランジF7に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。フランジF9は、フランジF8に対して時計回りに18°回転した状態で回転軸10に取り付けられている。
図17は、図8〜図16に示すように、フランジF1〜F9になた爪N1〜N32を取り付けた状態において、回転軸10を1回転(360°回転)させた場合のなた爪N1〜N32の位置を、展開図として表した図である。展開図における丸「○」の位置は、取付部30の位置を示している。
このような場合、第7爪配列72、第8爪配列73、第9爪配列74、第10爪配列75、第11爪配列76におけるなた爪の配列方向(並び方向V2)は、全て同じである。例えば、第7爪配列72の並び方向V2a、第8爪配列73の並び方向V2b、第9爪配列74の並び方向V2c、第10爪配列75の並び方向V2d、第11爪配列76の並び方向V2eは、同じ向きである。なお、実施形態では、全ての並び方向が同じ向きであるが、一部の並び方向が同じ向きであってもよい。
次に、図17に示す展開図において、互いに向き合う2つのなた爪について着目する。ここで、軸心方向X2に隣接するフランジに取り付けられたなた爪であって且つ互いに向き合う2つのなた爪の間隔を「第1の間隔M1」とし、隣接する他のフランジに取り付けられたなた爪であって且つ互いに向き合う2つのなた爪の間隔を「第2の間隔M2」とする。第1の間隔M1及び第2の間隔M2で示す間隔とは、展開した時の展開方向(フランジの周方向)の距離のことであり、耕耘時における回転軸10の回転方向(進行方向)でのなた爪の距離とも言える。第1の間隔M1と第2の間隔M2とは、異なっている。
図17に示すように、第1の間隔M1及び第2の間隔M2は、9つのフランジF1〜F9のうち、軸心方向に隣接する3つのフランジ(一のフランジ、二のフランジ、三のフランジ)に取り付けられたなた爪の間隔である。ここで、一のフランジを「フランジF5」とすると、二のフランジは「フランジF6」、三のフランジは、「フランジF7」である。
以上のように、第1の間隔M1と第2の間隔M2とを異ならせたことによって、耕耘時におけるなた爪の土の抱込みを抑制することができる。例えば、第1の間隔M1を第2の間隔M2よりも大きくしたり、或いは、第1の間隔M1を第2の間隔M2よりも小さくしたりすることがでる。このように、なた爪の間隔を同じにしていないため、土の抱込みが生じたとしても土の抱込みによる負荷が同時に発生することを抑制することができる。
図17に示すように、第1線N1の角度θN1及び第2線N2の角度θN2は、9つのフランジF1〜F9のうち、軸心方向に隣接する3つのフランジ(一のフランジ、二のフランジ、三のフランジ)に取り付けられたなた爪を結ぶ角度である。上述したように、一のフランジを「フランジF5」、二のフランジを「フランジF6」、三のフランジを「フランジF7」とする。
M1 第1の間隔
M2 第2の間隔
N1 第1線
N2 第2線
θN1 第1線の軸心方向に対する角度
θN2 第2線の軸心方向に対する角度
F1〜F9 フランジ
N1〜N32 耕耘爪(なた爪)
Claims (7)
- 回転軸と、
前記回転軸の軸心方向に間隔をおいて設けられた複数のフランジと、
前記フランジに取り付け可能な複数の耕耘爪と、
を備えた耕耘機における耕耘爪の配列構造であって、
前記回転軸を1回転させて展開図として示した場合において、前記軸心方向に隣接するフランジに取り付けられた耕耘爪であって且つ互いに向き合う2つの耕耘爪のフランジの周方向の距離を第1の間隔とし、前記軸心方向に隣接する他のフランジに取り付けられた耕耘爪であって且つ互いに向き合う2つの耕耘爪のフランジの周方向の距離を第2の間隔としたとき、
前記複数の耕耘爪は、隣接するフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪における第1の間隔と、隣接する他のフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪における第2の間隔とが異なるように、フランジに取り付けられており、
前記複数のフランジのうち、同一のフランジに、前記軸心方向の一方を向く複数の耕耘爪と、前記軸心方向の他方を向く複数の耕耘爪とがフランジの周方向に交互に取り付けられ、
前記同一のフランジに取り付けられた耕耘爪のうち、同じ方向を向く耕耘爪は、前記回転軸の軸心に対して非点対称になるように位相をずらせて取り付けられている耕耘機における耕耘爪の配列構造。 - 前記第1の間隔は、前記複数のフランジのうちの一のフランジに取り付けた任意の耕耘爪である一の耕耘爪と、前記一のフランジに隣接するフランジである二のフランジに取り付けた耕耘爪であって前記一の耕耘爪と向き合う耕耘爪である二の耕耘爪との間隔であり、
前記第2の間隔は、前記二の耕耘爪とは異なる耕耘爪であって前記二のフランジに取り付けられた耕耘爪である三の耕耘爪と、前記一のフランジ及び二のフランジとは異なり且つ二のフランジに隣接するフランジである三のフランジに取り付けた任意の耕耘爪であって前記三の耕耘爪と向き合う耕耘爪である四の耕耘爪との間隔である請求項1に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。 - 前記複数の耕耘爪は、隣接するフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪を結ぶ第1線の前記軸心方向に対する角度と、隣接する他のフランジに取り付けられた互いに向き合う耕耘爪を結ぶ第2線の前記軸心方向に対する角度とが異なるように、フランジに取り付けられている請求項1又は2に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。
- 前記複数のフランジのうちの一のフランジに取り付けた任意の耕耘爪である一の耕耘爪と、前記一のフランジに隣接するフランジである二のフランジに取り付けた耕耘爪であって前記一の耕耘爪と向き合う耕耘爪である二の耕耘爪とを結ぶ前記第1線の前記軸心方向に対する角度と、
前記二の耕耘爪とは異なる耕耘爪であって前記二のフランジに取り付けられた耕耘爪である三の耕耘爪と、前記一のフランジ及び二のフランジとは異なり且つ二のフランジに隣接するフランジである三のフランジに取り付けた任意の耕耘爪であって前記三の耕耘爪と向き合う耕耘爪である四の耕耘爪とを結ぶ前記第2線の前記軸心方向に対する角度と、を異ならせている請求項3に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。 - 前記二の耕耘爪は、前記二のフランジに取り付けた耕耘爪であって前記一の耕耘爪との周方向の距離が最も小さい耕耘爪であり、前記四の耕耘爪は、前記三のフランジに取り付けた耕耘爪であって前記三の耕耘爪との周方向の距離が最も小さい耕耘爪である請求項2又は4に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。
- 前記フランジは、複数の耕耘爪を取り付ける複数の取付部を有し、
前記複数のフランジのうち、同一のフランジに形成された各取付部は、前記回転軸を中心とする同一円周上において該円周の方向に間隔をあけて設けられた第1挿通孔と第2挿通孔を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。 - 前記複数のフランジが、前記軸心方向に行くに従って、フランジの周方向一方向に位相をずらせて取り付けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の耕耘機における耕耘爪の配列構造。
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