JP6580009B2 - スポーツシューズのソール構造 - Google Patents
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Description
i) 高い最高速度が出るシューズはスタート時の加速が悪い。
これは、トップギヤでスタートするイメージである。
ii)スタート時に加速しやすいシューズは最高速度が伸びない。
これは、最後までローギヤで走るイメージである。
このような点を考慮すると、走行中にギヤチェンジを行えるようなシューズを開発できれば、効果的にタイム短縮を行えるようになると推測される。
図1ないし図13は、本発明の一実施例によるスポーツシューズ用ソール構造を説明するための図である。ここでは、スポーツシューズとして陸上短距離スパイクシューズを例にとる。なお、以下の説明中、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズの上下方向の位置関係を表し、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズの前後方向の位置関係を表しており、幅方向とはソール左右方向を指すものとする。すなわち、上方および下方は、図3を例にとった場合、同図の紙面奥側および紙面手前側をそれぞれ指しており、前方および後方は、同図の上方および下方をそれぞれ指しており、幅方向は、同図の左右方向を指している。また、図3中、Hはソール構造の踵部を、Mは中足部を、Fは前足部をそれぞれ示している。
上述したスパイクソール1のプロトタイプ・サンプルとして、図12に示すようなスパイクソール1’を用意した。なお、同図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示している。スパイクソール1’においては、ソール本体2’の前足部領域に繊維強化シート2Aが設けられておらず、その代わりに、ソール本体2’の底面には、実質的に前後方向に延びる複数の縦溝10が形成されている。これらの縦溝10によって、スパイクソール1’の曲げ剛性に関しては、縦剛性を低下させることなく、横剛性を低下させている。すなわち、前後方向の屈曲抵抗を維持しつつ、幅方向の屈曲抵抗が低下して、幅方向に曲がりやすくなっている。
前記実施例では、繊維強化シート2Aが、着用者の足の踏付け部ならびに第1趾および第2趾を含む領域に配置された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。繊維強化シート2Aは、第1趾および第2趾に加えて、第3趾ないし第5趾のいずれかまたはすべてを含む領域に配置するようにしてもよい。したがって、繊維強化シート2Aの前端縁部の位置およびその形状は、前記実施例に示すものには限定されない。
前記実施例では、繊維強化シート2Aの後端が、中足部Mの前後方向略中央部まで延設された例を示したが、繊維強化シート2Aの後端の位置は、これより前側でも後側でもよい。したがって、繊維強化シート2Aの後端縁部の位置およびその形状は、前記実施例に示すものには限定されない。
図40および図41は、3点曲げ試験の概要を説明するための図である。これらの図において、架台を構成するベース100のベース面上には、所定の間隔Sを隔てて一対の支持部101、102が取り付けられており、各支持部101、102によってスパイクソール1のソール本体2の足裏当接部20の下面が下方から支持されるようになっている。ベース100の上方には、図示しない駆動機構を介して昇降可能に設けられた圧縮ヘッド110が配置されており、圧縮ヘッド110の上端は駆動機構の駆動ヘッドにチャックされ、下端111には円弧状の先端面111aが形成されている。ここでは、各支持部101、102の間隔Sが75mmに設定されるとともに、圧縮ヘッド110の先端面111aのアール(曲率半径)がR10に設定されている。
前記実施例では、繊維強化シート2Aの各繊維が足長方向にのみ配設され、足幅方向には配設されていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。各繊維は、足長方向および足幅方向(または足長方向と交差する方向)の双方に配設されていてもよい。ただし、この場合、足長方向に配設される繊維の量が足幅方向(または足長方向と交差する方向)に配設される繊維の量よりも多くなっている、すなわち、多くの繊維が足長方向に平行に(または略平行に)延びかつ残りの繊維が足幅方向に平行に(または略平行に)延びているのが好ましい。
前記実施例では、ソール本体2の足裏当接部20の貫通孔2aが前後方向に長い六角形状を有している例を示したが、貫通孔2aの形状はこれに限定されるものではなく、矩形状、台形状、多角形状、円形状、楕円状、長孔状等の任意の適切な形状を採用し得る。
前記実施例では、ソール本体2の足裏当接部20の上面側(足裏当接面側)に軟質弾性部材製のミッドソール8が配設された例を示したが、ミッドソール8は省略することも可能である。
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
前記実施例では、当該ソール構造体が陸上短距離スパイクシューズに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は、フットボールやその他の競技用のスパイクシューズにも適用でき、さらに、スパイクのないスポーツシューズにも適用可能である。
2: ソール本体
2A: 繊維強化シート
F: 前足部
M: 中足部
Claims (8)
- スポーツシューズのソール構造において、
シューズの前後方向に延びるソールプレートを備え、
前記ソールプレートが、硬質弾性部材製のソール本体と、前記ソール本体の足裏当接側の面において、前端が前足部に配置されかつ後端が中足部に配置されることで前足部から中足部にかけての領域に配設された繊維強化シートとを有し、
前記繊維強化シートの前記前端が着用者の足の第1趾および第2趾の各先端まで延設されるとともに、第3趾ないし第5趾の各先端までは延設されておらず、
前記領域内の各部位において、前記ソールプレートの幅方向の剛性である横剛性が、前後方向の剛性である縦剛性よりも低くなっており、
前記ソール本体が前記領域において複数の貫通孔を有し、前記繊維強化シートが前記貫通孔を覆うとともに、前記貫通孔を通して前記ソール本体の底面に臨んでいる、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記繊維強化シートの縦剛性/横剛性の比が1.8以上14以下になっている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記繊維強化シートが、前後方向に延びる第1の繊維と、前記第1の繊維と交差する方向に延びる第2の繊維とを有し、前記第2の繊維の本数が前記第1の繊維の本数よりも少なくなっている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記繊維強化シートが、前後方向に延びる繊維のみを有している、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記ソールプレートが、前記ソール本体の成形時に繊維強化シートをインサート成形して構成されている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記繊維強化シートが、着用者の足の踏付け部ならびに第1趾および第2趾を含む領域に配置されている、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記ソールプレートの縦剛性/横剛性の比が1より大きく、かつ縦剛性が8N/mm以上である、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。 - 請求項1において、
前記ソールプレートがスパイクソールである、
ことを特徴とするスポーツシューズのソール構造。
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