JP6579032B2 - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に関する。
LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスの回路線幅はさらに微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ回路パターンを形成するための露光用マスク(ステッパやスキャナで用いられるものはレチクルともいう。)を形成する方法として、優れた解像性を有する電子ビーム描画技術が用いられている。
マスクに電子ビーム描画を行う描画装置は、例えば、矩形の開口が形成された第1アパーチャと、可変成形開口が形成された第2アパーチャとを備える。第1アパーチャの開口を通過して矩形形状に成形された電子ビームが、偏向器により偏向され、第2アパーチャの可変成形開口を通過して、所望の形状・サイズに成形される。第2アパーチャを通過した電子ビームは、可動ステージ上に載置された試料に照射される。
このような描画装置では、描画中に、偏向器等のチャージアップにより、第1アパーチャを通過した電子ビームの第2アパーチャ上での照射位置が変化する成形変動が発生し、ビームの形状・サイズが所望のものとならなくなり、描画精度の低下を招いていた。
そのため、従来の描画装置では、所定の時間間隔で成形変動の補正が行われていた。成形変動の補正では、例えば、第1アパーチャを通過したビームの第2アパーチャ上での照射位置を徐々に移動させる。そして、第2アパーチャを通過した電子ビームの電流量から、第2アパーチャの可変成形開口の基準点(頂点)の位置を検出し、所望の形状・サイズのビームが成形できるように偏向パラメータ等を補正する。
成形変動補正を所定の時間間隔で行っていたため、成形変動補正を行ってから、次回の成形変動補正までの間に、ビーム形状の変動量が徐々に大きくなり、描画精度が劣化するという問題があった。成形変動補正の実施間隔を短くすることで描画精度の劣化を抑えられるが、上述したような基準点の位置検出を頻繁に行うことになり、描画処理のスループットが低下するという問題があった。
特開平8−195340号公報 特開2014−138183号公報 特開平10−256110号公報 特開2006−135260号公報 特開昭62−6130号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、スループットの低下を抑えつつ、成形変動補正を行い、描画精度を向上させることができる荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置は、荷電粒子ビームを成形する第1アパーチャと、前記第1アパーチャを通過したアパーチャ像の荷電粒子ビームが照射され、前記荷電粒子ビームを成形する第2アパーチャと、前記第1アパーチャと前記第2アパーチャとの間に設けられ、前記荷電粒子ビームを偏向し、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置を決定する偏向器と、前記第2アパーチャを通過した荷電粒子ビームの電流値を計測する検出器と、前記荷電粒子ビームのショット数と、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットの変動量との関係を規定する成形補正式を記憶する記憶部と、前記偏向器のビーム偏向量を制御し、前記オフセットによる前記荷電粒子ビームの成形変動を補正する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電流値を用いて前記第2アパーチャの開口の基準点の位置を検出し、前記基準点の位置に基づいて成形変動を補正する第1補正処理を所定時間間隔で実行すると共に、前記荷電粒子ビームのショット数をカウントし、カウントしたショット数を前記成形補正式に代入してオフセット変動量を計算し、算出したオフセット変動量に基づいて成形変動を補正する第2補正処理を、前記第1補正処理の実行間隔の間に行うものである。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置において、前記制御部は、ショットサイズが所定値以下の前記荷電粒子ビームのショット数をカウントして前記第2補正処理を行う。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを出射する工程と、第1アパーチャの下方に設けられた第2アパーチャと、前記第1アパーチャと前記第2アパーチャとの間に設けられた偏向器とを用いて、前記第1アパーチャを通過したアパーチャ像の前記荷電粒子ビームを成形する工程と、前記第2アパーチャを通過した前記荷電粒子ビームを試料に照射する工程と、を備え、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットによる前記荷電粒子ビームの成形変動を補正する荷電粒子ビーム描画方法であって、前記第2アパーチャを通過した荷電粒子ビームの電流値を計測し、前記電流値を用いて前記第2アパーチャの開口の基準点の位置を検出し、前記基準点の位置に基づいて成形変動を補正する第1補正処理を所定時間間隔で実行すると共に、前記荷電粒子ビームのショット数と、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットの変動量との関係を規定する成形補正式を使用し、前記荷電粒子ビームのショット数をカウントし、カウントしたショット数を前記成形補正式に代入してオフセット変動量を計算し、算出したオフセット変動量に基づいて成形変動を補正する第2補正処理を、前記第1補正処理の実行間隔の間に行うものである。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画方法は、ショットサイズが所定値以下の前記荷電粒子ビームのショット数をカウントして前記第2補正処理を行う。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画方法は、前記第1補正処理の実行間隔の間に前記第2補正処理を複数回行う。
本発明によれば、スループットの低下を抑えつつ、成形変動補正を行い、描画精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る電子ビーム描画装置の概略図である。 第1成形アパーチャ及び第2成形アパーチャの斜視図である。 第1アパーチャ像と第2成形アパーチャの可変成形開口との重なり位置の例を示す平面図である。 (a)は小寸法の矩形像を形成する例を示し、(b)は大寸法の矩形像を形成する例を示す図である。 描画領域を説明するための概略図である。 (a)〜(f)は第1アパーチャ像と第2成形アパーチャの可変成形開口との位置関係の例を示す図である。 (a)〜(d)は可変成形開口の基準点の検出方法を説明する図である。 テストレイアウトを描画した際のオフセットの変化の例を示すグラフである。 (a)(b)はショット数とオフセット変動量との関係を示すグラフである。 成形補正式作成のためにテストレイアウトを描画する際のショット数の変遷の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電子ビーム描画装置の概略図である。図1に示す電子ビーム描画装置は、制御部100と描画部200とを備えた可変成形型の描画装置である。
描画部200は、電子鏡筒220と描画室230を備えている。電子鏡筒220内には、電子銃201、照明レンズ202、ブランカ203、第1成形アパーチャ204、投影レンズ205、成形偏向器206、第2成形アパーチャ207、対物レンズ208、主偏向器209、及び副偏向器210が配置されている。
描画室230内には、XYステージ211が配置されている。XYステージ211上には、描画対象の基板が載置されるが、ここでは図示を省略している。XYステージ211上には、基板が載置される位置とは異なる位置にファラデーカップ240が配置される。ファラデーカップ240は、第2成形アパーチャ207を通過した電子ビームBの電荷を捕捉し、ファラデーカップ240に入射した電子の数に応じた電流を計測する。
電子鏡筒220内に設けられた電子銃201(放出部)から放出された電子ビームBは、ブランカ(ブランキング偏向器)203内を通過する際にブランカ203によって、電子ビームを基板に照射するか否か切り替えられる。
電子ビームBは、照明レンズ202により、矩形の開口32(図2参照)を有する第1成形アパーチャ204全体に照射される。第1成形アパーチャ204の開口32を通過することで、電子ビームBは矩形に成形される。
第1成形アパーチャ204を通過した第1アパーチャ像の電子ビームBは、投影レンズ205により、可変成形開口34(図2参照)を有した第2成形アパーチャ207上に投影される。その際、偏向器206によって、第2成形アパーチャ207上に投影される第1アパーチャ像は偏向制御され、後述の図3の通り、可変成形開口34を通過する電子ビームの形状と寸法を変化させる(可変成形を行う)ことができる。
第2成形アパーチャ207の可変成形開口34を通過した第2アパーチャ像の電子ビームBは、対物レンズ208により焦点を合わせ、主偏向器209及び副偏向器210によって偏向され、連続的に移動するXYステージ211上に載置された基板又はファラデーカップ240に照射される。
図2は、第1成形アパーチャ204及び第2成形アパーチャ207によるビーム成形を説明するための概略図である。第1成形アパーチャ204には、電子ビームBを成形するための矩形の開口32が形成されている。
また、第2成形アパーチャ207には、第1成形アパーチャ204の開口32を通過した電子ビームBを所望の形状に成形するための可変成形開口34が形成されている。可変成形開口34は、図3の通り、開口32の一辺に対して平行な辺34a、34eと、直交する辺34b、34hと、開口32の一辺に対して45度又は135度をなす辺34c、34d、34f、34gとが組み合わされた形状を有する。
可変成形開口34は、辺34c〜34gによって囲まれた六角形状部と、辺34a、34b、34hによって囲まれ該六角形状部に連なる四角形状部とを共有した八角形状である。
第1成形アパーチャ204の開口32と第2成形アパーチャ207の可変成形開口34との両方を通過できるビーム形状が、連続的に移動するXYステージ211上に搭載された基板の描画領域に描画される。
図3は、第1成形アパーチャ204の開口32を通過した第1アパーチャ像50と、第2成形アパーチャ207の可変成形開口34との重なり位置の例を示している。
電子ビームBを矩形に成形する場合、第1アパーチャ像50は、偏向器206によって偏向されて、#1で示す位置に照射される。可変成形開口34を通過する斜線部分が成形された像となる。
電子ビームBを直角二等辺三角形に成形する場合、第1アパーチャ像50は、偏向器206によって偏向されて、#2〜#5のいずれかの位置に照射される。
例えば、図4(a)、(b)に示すように、第1アパーチャ像50の可変成形開口34を通過する部分の大きさを変えることで、矩形を保持したまま像(ショット)の寸法が変化する。図4(a)では第1アパーチャ像50と可変成形開口34との重なりを小さくすることにより小寸法の矩形像を形成している。図4(b)では、第1アパーチャ像50と可変成形開口34との重なりを大きくすることにより大寸法の矩形像を形成している。
このように、第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の照射位置(偏向位置)を変えることで、電子ビームを所望の形状・サイズに成形できる。
図5は、描画領域を説明するための概略図である。図5において、基板Mの描画領域20は、主偏向器209の偏向可能幅で、例えばy方向に向かって短冊状に複数のストライプ領域22に仮想分割される。また、各ストライプ領域22は、副偏向器210の偏向可能サイズで、メッシュ状に複数のサブフィールド(SF)24に仮想分割される。そして、各SF24の各ショット位置26にショット図形が描画される。
図1に示すように、制御部100は、制御計算機110、制御回路120、記憶部130、132、及び検出器140を有する。記憶部130には、レイアウトデータとなる描画データが外部から入力され、格納されている。
記憶部132には、ショット数とオフセット変動量との関係を示す成形補正式データが格納されている。オフセット変動量、及び成形補正式については後述する。
検出器140は、例えば電流計であり、ファラデーカップ240で捕捉される電子の数に応じた電流量を検出する。検出器140は、電子ビームの電流量(電流値)に関する情報を制御計算機110へ送信する。
制御計算機110は、ショットデータ生成部111、基準点検出部112、オフセット変動量計算部113、及び補正部114を有する。制御計算機110の各部は、電気回路等のハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、制御計算機110の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを記録媒体に収納し、電気回路を含むコンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
ショットデータ生成部111は、記憶部130から描画データを読み出し、複数段のデータ変換処理を行ってショットデータを生成する。ショットデータには、ショット形状、ショットサイズ、ショット位置等の情報が含まれている。制御回路120は、生成されたショットデータを用いて、ブランカ203、偏向器206、主偏向器209及び副偏向器210の偏向量を制御し、描画処理を行う。
上述したように、描画処理では、第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置を変えることで、ビームの形状やサイズを変えている。このとき、可変成形開口34を通過せず、第2成形アパーチャ207で反射された電子により、偏向器206がチャージアップ(帯電)する。偏向器206がチャージアップすると、第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置にずれが生じ、ビームを所望の形状やサイズに成形できなくなる。
例えば、図6(a)に示すように、可変成形開口34の四角形状部の頂点の1つを基準点Cとし、ショットサイズがゼロの時に、第1アパーチャ像50の図中右下の頂点と基準点Cとが一致するように偏向器206がビームを偏向できる場合は、図6(b)に示すように、ショットデータに基づいて所望のサイズ(x方向の長さLx、y方向の長さLyの矩形)のビームを成形できる。
しかし、偏向器206のチャージアップに伴い第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置にずれが生じ、ショットサイズがゼロの時に、図6(c)(d)に示すように、第1アパーチャ像50の図中右下の頂点と基準点Cとが一致しない場合、成形されるビームは、図6(e)(f)に示すように、所望のサイズにならず、成形変動が生じる。
そのため、本実施形態では、基準点Cの位置を検出し、基準点Cの位置に基づいて成形変動を補正する第1補正処理を所定の時間間隔で行うと共に、第1補正処理の実施間において、記憶部132に格納されている成形補正式を用いて第1アパーチャ像50の位置ずれ(オフセット)の変動量を算出して成形変動を補正する第2補正処理を行う。
例えば第1補正処理を時間T1毎に行い、第2補正処理を時間T2毎に行う(T1>T2)。あるいはまた、第1補正処理をショット数N1毎に行い、第2補正処理をショット数N2毎に行う(N1、N2はN1>N2を満たす整数)。第1補正処理を行った後、次に第1補正処理を行うまでに、複数回の第2補正処理を行う。
第1補正処理において、基準点Cの位置を検出する方法を図7(a)〜(d)に示す。例えば、図7(a)(b)に示すように、第1アパーチャ像50の位置をx方向に徐々に移動し、ファラデーカップ240で第2成形アパーチャ207を通過した電子を捕捉し、検出器140で電流量を計測する。基準点検出部112は、計測された電流量の変化から、基準点Cのx座標を検出する。具体的には、電流量が立ち上がる位置が、基準点Cのx座標となる。
同様に、図7(c)(d)に示すように、第1アパーチャ像50の位置をy方向に徐々に移動し、ファラデーカップ240で第2成形アパーチャ207を通過した電子を捕捉し、検出器140で電流量を計測する。基準点検出部112は、計測された電流量の変化から、基準点Cのy座標を検出する。
補正部114は、検出された基準点Cの位置に基づいて、偏向器206の偏向量を補正する。例えば、ショットサイズがゼロの時に第1アパーチャ像50の図中右下の頂点と基準点Cとが一致するように偏向器206の偏向量(偏向パラメータ)を再設定する。補正された偏向量は、偏向器206のチャージアップに伴う第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置ずれを考慮したものとなる。
あるいはまた、補正部114は、検出された基準点Cの位置に基づいて、ショットデータ生成部111により生成されたショットデータ内のショットサイズ情報を補正する。補正されたショットサイズは、偏向器206のチャージアップに伴う第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置ずれを考慮したものとなる。
第2補正処理で用いられる成形補正式は、事前に作成しておく。成形補正式を作成するには、まず、テストレイアウトを描画し、第1アパーチャ像50の位置ずれ(オフセット)を測定する。テストレイアウトは、パターン密度の異なる複数の領域を含む。テストレイアウトの描画中に、上述した方法で基準点Cの位置を検出し(図7(a)〜(d)参照)、オフセットを測定する。テストレイアウトを描画する際、XYステージ211上にセットした基板にパターンを描画してもよいし、基板をセットしなくてもよい。
図8は、ショット数とオフセットとの関係の一例を示すグラフである。グラフ縦軸のショット数は1つのストライプ領域(図5参照)内のショット数を示している。図8に示す例では、ショット数の少ない(パターン密度の低い)ストライプ領域とショット数の多い(パターン密度の高い)ストライプ領域の描画を交互に行ったものとなっている。
ショット数の多い時間帯では、オフセットの変動量ΔLが大きくなっている。ショット数が多いと、第2成形アパーチャ207からの反射電子の量が多くなり、偏向器206がチャージアップしやすいためである。
また、ショット数の多い時間帯の後のショット数の少ない時間帯においても、オフセットの変動量ΔLが大きくなっている。ショット数の多い時間帯にチャージアップした偏向器206がディスチャージ(放電)して帯電量が変化するためである。
図9(a)(b)は、オフセット変動量とショット数との関係をプロットしたグラフである。図9(a)はx方向のオフセット変動量を示し、図9(b)はy方向のオフセット変動量を示す。
図9(a)(b)の横軸のショット数は、描画中のストライプ領域のショット数でもよいし、描画済みの直近複数個のストライプ領域のショット数の平均値でもよい。平均値は、単純移動平均でもよく、加重移動平均や指数移動平均等の各ストライプ領域のショット数に異なる重みをつけるものでもよい。また、セトリング時間に対するショット時間の比率をショット数に乗じたショットデューティを横軸にとってもよい。
このオフセット変動量とショット数との関係を1次式で近似(フィッティング)する。この近似式が記憶部132に格納される成形補正式となる。
第2補正処理では、まず、オフセット変動量計算部113が、記憶部132から成形補正式データを読み出し、成形補正式にショット数を代入してオフセット変動量を算出する。
そして、補正部114が、算出されたオフセット変動量に基づいて、偏向器206の偏向量を補正するか、又はショットデータ内のショットサイズ情報を補正する。これにより、偏向器206のチャージアップに伴う成形変動を補正することができる。
このように、本実施形態では、所定のタイミング(時間間隔)で第1補正処理を実行し、可変成形開口34の基準点Cの位置を測定し、第2成形アパーチャ207上での第1アパーチャ像50の位置ずれを考慮して、偏向器206の偏向量又はショットサイズを補正する。また、第1補正処理の実行間隔の間は、成形補正式を用いてショット数からオフセット変動量を計算し、偏向器206の偏向量又はショットサイズを補正する。
第1補正処理では、基準点Cの位置を測定するため、第2補正処理よりも、成形変動の補正を高精度に行うことができる。第2補正処理では、成形補正式を用いてオフセット変動量を計算により求めるため、第1補正処理よりも、成形変動の補正を速やかに行うことができる。
第1補正処理を一定時間間隔で行いつつ、第1補正処理の実行間隔の間は第2補正処理を行うことで、描画処理のスループットの低下を抑えつつ成形変動補正を行い、描画精度を向上させることができる
上記実施形態では、図8に示すように、ショット数の少ないストライプ領域とショット数の多いストライプ領域が交互に配置されたテストレイアウトの描画を行う例を示していたが、図10に示すように、様々なショット数のストライプ領域が配置されたテストレイアウトを描画し、オフセットを測定して成形補正式を作成することが好ましい。
上述したように、第2成形アパーチャ207で反射された電子により、偏向器206がチャージアップする。ショットサイズが小さい程、第2成形アパーチャ207からの反射電子量は多くなる。そのため、上記実施形態において、成形補正式を作成する際のショット数(図8、図10のグラフの横軸のショット数)、及びオフセット変動量を計算する際に成形補正式に代入するショット数は、所定のショットサイズ以下のショット数をカウントしたものとしてもよい。例えば、最大ショットサイズの1/2以下のショットサイズのショット数をカウントする。
上記実施形態では、電子ビームを照射する描画装置について説明したが、イオンビーム等の他の荷電粒子ビームを照射するものであってもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100 制御部
110 制御計算機
111 ショットデータ生成部
112 基準点検出部
113 オフセット変動量計算部
114 補正部
140 検出器
240 ファラデーカップ

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを成形する第1アパーチャと、
    前記第1アパーチャを通過したアパーチャ像の荷電粒子ビームが照射され、前記荷電粒子ビームを成形する第2アパーチャと、
    前記第1アパーチャと前記第2アパーチャとの間に設けられ、前記荷電粒子ビームを偏向し、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置を決定する偏向器と、
    前記第2アパーチャを通過した荷電粒子ビームの電流値を計測する検出器と、
    荷電粒子ビームのショット数と、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットの変動量との関係を規定する成形補正式を記憶する記憶部と、
    前記偏向器のビーム偏向量を制御し、前記オフセットによる荷電粒子ビームの成形変動を補正する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電流値を用いて前記第2アパーチャの開口の基準点の位置を検出し、前記基準点の位置に基づいて成形変動を補正する第1補正処理を所定時間間隔で実行すると共に、
    前記荷電粒子ビームのショット数をカウントし、カウントしたショット数を前記成形補正式に代入してオフセット変動量を計算し、算出したオフセット変動量に基づいて成形変動を補正する第2補正処理を、前記第1補正処理の実行間隔の間に行うことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記制御部は、ショットサイズが所定値以下の前記荷電粒子ビームのショット数をカウントして前記第2補正処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 荷電粒子ビームを出射する工程と、
    第1アパーチャの下方に設けられた第2アパーチャと、前記第1アパーチャと前記第2アパーチャとの間に設けられた偏向器とを用いて、前記第1アパーチャを通過したアパーチャ像の前記荷電粒子ビームを成形する工程と、
    前記第2アパーチャを通過した前記荷電粒子ビームを試料に照射する工程と、
    を備え、
    前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットによる荷電粒子ビームの成形変動を補正する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記第2アパーチャを通過した荷電粒子ビームの電流値を計測し、前記電流値を用いて前記第2アパーチャの開口の基準点の位置を検出し、前記基準点の位置に基づいて成形変動を補正する第1補正処理を所定時間間隔で実行すると共に、
    前記荷電粒子ビームのショット数と、前記第2アパーチャ上における前記アパーチャ像の照射位置のずれに対応するオフセットの変動量との関係を規定する成形補正式を使用し、前記荷電粒子ビームのショット数をカウントし、カウントしたショット数を前記成形補正式に代入してオフセット変動量を計算し、算出したオフセット変動量に基づいて成形変動を補正する第2補正処理を、前記第1補正処理の実行間隔の間に行うことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  4. ショットサイズが所定値以下の前記荷電粒子ビームのショット数をカウントして前記第2補正処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 前記第1補正処理の実行間隔の間に前記第2補正処理を複数回行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
JP2016090845A 2016-04-28 2016-04-28 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Expired - Fee Related JP6579032B2 (ja)

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