JP6576746B2 - 地中熱熱源機システム、目標値決定方法及び地中熱熱源機システムの運転方法 - Google Patents

地中熱熱源機システム、目標値決定方法及び地中熱熱源機システムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は地中熱熱源機システム、目標値決定方法及び地中熱熱源機システムの運転方法に関し、特に地中熱交換器周辺の地中の状態に適した運転を行うことができる地中熱熱源機システム、目標値決定方法及び地中熱熱源機システムの運転方法に関する。
自然エネルギーを有効利用するべく、地中熱を利用して熱源機の効率を改善させるシステムがある。地中熱を利用した熱源システムは、典型的には、熱源機と地中に埋設した熱交換器との間で熱媒体を循環させて熱媒体と地中との間で熱交換させるものであるが、熱媒体の循環流量を一定にして地中と熱媒体とを熱交換させると、熱交換器の周辺の地中の温度が熱交換器に導入される熱媒体の温度に近づき、地中に対して採取又は放出することができる熱量が少なくなり、システムの効率が低下してしまうこととなる。このような不都合を解消するものとして、地中熱ヒートポンプ装置の負荷運転中に、地中往き温度検出手段又は地中戻り温度検出手段の検出する熱媒温度の温度勾配が、下り勾配の場合は地中熱循環ポンプの回転数を増加させ、上り勾配の場合は地中熱循環ポンプの回転数を減少させることとして、負荷に対して必要な採熱量を確保するための最低限の循環流量となるように地中熱循環ポンプの回転数を設定するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5356900号公報
しかしながら、熱媒の温度勾配はヒートポンプ二次側の負荷の影響も受けるため、特許文献1に記載された装置では、必ずしも地中の熱交換器の状態を表しているといえず、システムの効率低下が生じ得る。
本発明は上述の課題に鑑み、地中熱交換器周辺の地中の状態に適した運転を行うことができる地中熱熱源機システム、目標値決定方法及び地中熱熱源機システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る地中熱熱源機システムは、例えば図1に示すように、地中Gと一次熱媒体SWとの間で熱交換を行わせる地中熱交換器10と;熱利用機器80に供給される二次熱媒体CHの温度を調節する熱源機20であって、機内熱媒体を相変化させて一次熱媒体SWと二次熱媒体CHとの間で熱移動を行わせる熱源機20と;一次熱媒体SWを、地中熱交換器10及び熱源機20を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置30であって、一次熱媒体SWの循環流量を変化させる流量調節手段32vを有する一次熱媒体循環装置30と;地中熱交換器10を出て熱源機20に入る一次熱媒体SWの温度と相関を有する値である出口温度相関値Ts1を取得する出口温度相関値取得手段35と;熱源機20の運転時における負荷率を検知する負荷率検知手段47、55と;出口温度相関値Ts1に対して所定の条件を充足する一次熱媒体SWの循環流量が負荷率ごとに記憶されている記憶部51と;負荷率検知手段47、55で検知された負荷率と、出口温度相関値取得手段35で取得された出口温度相関値Ts1と、を記憶部51に記憶されている関係に照らして、一次熱媒体SWの循環流量の目標値である循環流量目標値を決定する目標流量決定部57と;目標流量決定部57で決定された循環流量目標値に基づいて、流量調節手段32vを調節する制御部59とを備える。
このように構成すると、地中熱交換器周辺の地中の状態に応じて所定の条件に適うようにすることができる。
また、本発明の第2の態様に係る地中熱熱源機システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る地中熱熱源機システム1において、一次熱媒体SWの循環流量を検知する一次熱媒体流量検知器34を備え;制御部59は、一次熱媒体流量検知器34で検知された値が循環流量目標値になるように流量調節手段32vを調節する。
このように構成すると、所定の条件に適うような適切な流量の一次熱媒体を精度よく循環させることができる。
また、本発明の第3の態様に係る地中熱熱源機システムは、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様に係る地中熱熱源機システム1Aにおいて、熱源機20を出て地中熱交換器10に入る一次熱媒体SWの温度と相関を有する値である入口温度相関値を取得する入口温度相関値取得手段36と;熱源機20と一次熱媒体SWとが熱交換した単位時間当たりの熱量を検知する一次側熱量検知手段56と;出口温度相関値取得手段35で取得された出口温度相関値Ts1と、一次側熱量検知手段56で検知された単位時間当たりの熱量と、目標流量決定部57Aで決定された循環流量目標値とから、入口温度相関値の目標値である目標入口温度相関値を算出する目標入口温度算出部57Aとを備え;制御部59は、入口温度相関値取得手段36で取得された入口温度相関値が目標入口温度算出部57Aで算出された目標入口温度相関値になるように流量調節手段32vを調節する。
このように構成すると、一次熱媒体の循環流量を計測することなく、適切な流量の一次熱媒体を循環させることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る地中熱熱源機システムは、例えば図4を参照して示すと、地中Gと一次熱媒体SWとの間で熱交換を行わせる地中熱交換器10と;熱利用機器80に供給される二次熱媒体CHの温度を調節する熱源機20であって、機内熱媒体を相変化させて一次熱媒体SWと二次熱媒体CHとの間で熱移動を行わせる熱源機20と;一次熱媒体SWを、地中熱交換器10及び熱源機20を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置30であって、一次熱媒体SWの循環流量を変化させる流量調節手段32vを有する一次熱媒体循環装置30と;熱源機20を出て地中熱交換器10に入る一次熱媒体SWの温度と相関を有する値である入口温度相関値を取得する入口温度相関値取得手段36と;入口温度相関値取得手段36で取得された入口温度相関値があらかじめ決定された値になるように流量調節手段32vを調節する制御部59とを備える。
このように構成すると、簡便な構成で、熱源機の負荷率を考慮しつつシステムCOPの低下を抑制することが可能となる。
また、本発明の第5の態様に係る目標値決定方法は、例えば図4及び図5を参照して示すと、上記本発明の第4の態様に係る地中熱熱源機システム1Aにおいて、制御部59が目標とするあらかじめ決定された値を決定する方法であって;地中熱熱源機システム1Aによって熱負荷処理される対象80の所定の期間の想定熱負荷に基づいて、地中熱交換器10を出て熱源機20に入る一次熱媒体SWの温度と相関を有する値である出口温度相関値Ts1の所定の期間における平均である平均出口温度相関値を予測する平均出口温度相関値予測工程(S11)と;想定熱負荷に基づいて、熱源機20の運転時における負荷率の所定の期間における平均である平均負荷率を予測する平均負荷率予測工程(S13)と;想定熱負荷に基づいて、熱源機20と一次熱媒体SWとが熱交換する単位時間当たりの熱量の所定の期間における平均である平均一次側熱量を予測する平均一次側熱量予測工程(S14)と;所定の条件を充足するようにあらかじめ関係づけられている、出口温度相関値Ts1と、一次熱媒体SWの循環流量と、負荷率との関係に対して、平均出口温度相関値予測工程(S11)で予測された平均出口温度相関値と、平均負荷率予測工程(S13)で予測された平均負荷率とを照らし合わせて、目標とする一次熱媒体SWの循環流量の所定の期間における平均である平均循環流量目標値を決定する平均目標流量決定工程(S15)と;平均出口温度相関値予測工程(S11)で予測された平均出口温度相関値と、平均一次側熱量予測工程(S14)で予測された平均一次側熱量と、平均目標流量決定工程(S15)で決定された平均循環流量目標値とから、目標とする入口温度相関値の所定の期間における平均である平均入口温度相関値を算出し、算出された平均入口温度相関値を前記あらかじめ決定された値とする目標値算出工程(S16)とを備える。
このように構成すると、適切な流量の一次熱媒体を循環させる目安となる入口温度相関値の目標値を決定することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第6の態様に係る地中熱熱源機システムの運転方法は、例えば図1及び図3を参照して示すと、地中Gと一次熱媒体SWとの間で熱交換を行わせる地中熱交換器10と、機内熱媒体を相変化させて一次熱媒体SWと熱利用機器80に供給される二次熱媒体CHとの間で熱移動を行わせて二次熱媒体CHの温度を調節する熱源機20と、一次熱媒体SWを地中熱交換器10及び熱源機20を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置30と、を有する地中熱熱源機システム1を運転する方法であって;地中熱交換器10を出て熱源機20に入る一次熱媒体SWの温度と相関を有する値である出口温度相関値Ts1を取得する出口温度相関値取得工程(S1)と;熱源機20の運転時における負荷率を検知する負荷率検知工程(S3)と;所定の条件を充足するようにあらかじめ関係づけられている、出口温度相関値と、一次熱媒体SWの循環流量と、負荷率との関係に対して、出口温度相関値取得工程(S1)で取得された出口温度相関値Ts1と、負荷率検知工程(S3)で検知された負荷率とを照らし合わせて、一次熱媒体SWの循環流量の目標値である循環流量目標値を決定する目標流量決定工程(S5)と;目標流量決定工程(S5)で決定された循環流量目標値に基づいて、一次熱媒体SWの循環流量を変化させる流量調節工程(S7)とを備える。
このように構成すると、地中熱交換器周辺の地中の状態に応じて所定の条件に適うようにすることができる。
本発明によれば、地中熱交換器周辺の地中の状態に応じて所定の条件に適うようにすることができる。
本発明の実施の形態に係る地中熱熱源機システムの模式的系統図である。 本発明の実施の形態に係る地中熱熱源機システムの記憶部に記憶されている、地中出口温度と熱源水の循環流量と熱源機の負荷率との関係の例を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る地中熱熱源機システムの運転時の制御を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に係る地中熱熱源機システムの模式的系統図である。 本発明の実施の形態の別の変形例に係る地中熱熱源機システムを運転するために目標入口温度をあらかじめ決定する手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る地中熱熱源機システム1を説明する。図1は、地中熱熱源機システム1の模式的系統図である。地中熱熱源機システム1は、地中Gに設置された地中熱交換器10と、地中Gの熱を熱源として空調設備80に供給する冷温水CHの温度を調節する熱源機20と、地中熱交換器10と熱源機20との間で熱源水SWを循環させる熱源水循環部30と、地中熱交換器10を出て熱源機20に入る熱源水SWの温度を検知する熱源水出口温度計35と、熱源機20と冷温水CHとが熱交換した熱量を検知する冷温水熱量検知部47と、制御装置50とを備えている。
地中熱交換器10は、地中Gと熱源水SWとの間で熱交換を行わせる機器である。地中熱交換器10は、本実施の形態では、地中Gを鉛直方向に掘削し、掘削した孔にUチューブ12を挿入し、Uチューブ12が挿入された掘削孔を埋め戻して構成される、いわゆるボアホール方式となっている。地中Gは、地表から概ね10mよりも深い部分の温度が1年を通じて安定している。したがって、掘削孔は、Uチューブ12が10mよりも深い部分まで達するように、10mよりも深くなっており、20m、30mの深さとしてもよく、50m〜100m程度の深さとしてもよい。Uチューブ12には、熱源水SWが流れるようになっている。熱源水SWは、一次熱媒体に相当する。1つの掘削孔には、典型的には1対又は2対のUチューブ12が挿入される。地中熱交換器10は、地中Gと熱源水SWとの交換熱量に応じて、Uチューブ12が挿入された掘削孔を複数設け、各掘削孔に挿入されたUチューブ12を並列に接続した構成にしてもよい。
熱源機20は、熱源水SWが地中Gから伝達された熱(冷熱又は温熱)を熱源として、熱利用機器としての空調設備80に供給する冷温水CHの温度を調節する機器である。熱源機20には、典型的には、水熱源ヒートポンプチラーが用いられる。熱源機20は、内部において、冷媒及び熱媒となる機内熱媒体が相変化を伴う冷凍サイクル又はヒートポンプサイクルを行う。熱源機20は、典型的には、夏季に、液体の機内熱媒体が蒸発する際に費やされる潜熱を冷温水CHから奪うことで冷温水CHを冷却し、蒸発した機内熱媒体を熱源水SWで冷却する冷凍サイクルを行う。また、熱源機20は、典型的には、冬季に、熱源水SWで機内熱媒体を蒸発させ、気体の機内熱媒体が凝縮する際の凝縮熱を冷温水CHに与えることで冷温水CHを加熱するヒートポンプサイクルを行う。冷温水CHは、典型的には、夏季は冷水として機能し、冬季は温水として機能する。冷温水CHは、二次熱媒体に相当する。熱源機20は、機内熱媒体のサイクルの原理が、圧縮式及び吸収式のいずれであってもよい。
熱源水循環部30は、熱源水往管31と、熱源水ポンプ32と、熱源水還管33とを有している。熱源水往管31は、一方が地中熱交換器10のUチューブ12の一端と接続され、他方が熱源機20と接続されている。熱源水往管31は、地中熱交換器10で地中Gと熱交換した熱源水SWを、熱源機20に導く配管である。熱源水還管33は、一方が熱源機20に接続され、他方がUチューブ12の他端と接続されている。熱源水還管33は、熱源水SWを、熱源機20から地中熱交換器10に導く配管である。地中熱交換器10のUチューブ12、熱源水往管31、熱源機20、熱源水還管33がこの順で接続されて形成される熱源水SWの流路は、密閉流路となっている。熱源水ポンプ32は、熱源水往管31に配設されており、上述の密閉流路内の熱源水SWを流動させることができるように構成されている。熱源水循環部30を構成する熱源水往管31、熱源水ポンプ32、熱源水還管33が介在することによって、熱源水SWを、地中熱交換器10と熱源機20との間で循環させることができる。熱源水循環部30は、一次熱媒体循環装置に相当する。熱源水ポンプ32は、本実施の形態ではインバータ32vを有しており、上述の密閉流路を循環する熱源水SWの流量を変化させることができるように構成されている。インバータ32vは、流量調節手段に相当する。
熱源水往管31には、熱源水出口温度計35が設けられている。熱源水出口温度計35は、出口温度相関値取得手段に相当する。つまり、地中熱交換器10を出て熱源機20に入る熱源水SWの温度自体も出口温度相関値に含まれる。以下、熱源水出口温度計35で検知された温度を、「地中出口温度Ts1」という場合もある。また、熱源水往管31には、熱源水SWの循環流量を検知する熱源水流量計34が設けられている。熱源水流量計34は、一次熱媒体流量検知器に相当する。また、熱源水ポンプ32より上流側の熱源水往管31には、密閉式の膨張タンク38が接続されている。
熱源機20から冷温水CHが供給される空調設備80には、例えば、輻射パネルや、ファンコイルユニット等の、設置される環境の熱負荷の処理に適した機器が用いられる。熱源機20と空調設備80とは、冷温水往管81及び冷温水還管83で接続されており、これによって、熱源機20と空調設備80との間を冷温水CHが循環することができる密閉流路が構成されている。冷温水還管83には、密閉流路内の冷温水CHを循環させる冷温水ポンプ82が配設されている。他方、冷温水往管81には、冷温水CHの循環流量を検知する冷温水流量計44と、熱源機20を出て空調設備80に入る冷温水CHの温度を検知する往冷温水温度計45とが設けられている。冷温水還管83には、空調設備80を出て熱源機20に入る冷温水CHの温度を検知する還冷温水温度計46が設けられている。往冷温水温度計45で検知された温度と還冷温水温度計46で検知された温度との差と、冷温水流量計44で検知された流量とから、熱源機20と冷温水CHとが熱交換した単位時間当たりの熱量(以下「冷温水交換熱量」という。)を算出することができるため、冷温水流量計44と、往冷温水温度計45と、還冷温水温度計46とで、冷温水熱量検知部47(二次側熱量検知手段)を構成する。また、冷温水ポンプ82より上流側の冷温水還管83には、密閉式の膨張タンク88が接続されている。
制御装置50は、地中熱熱源機システム1の動作を制御する装置である。制御装置50は、記憶部51と、受信部53と、負荷率検知部55と、目標値決定部57と、制御部59とを有している。記憶部51は、地中熱熱源機システム1全体のCOP(成績係数)が最大となるような、地中出口温度Ts1と、熱源水SWの循環流量と、熱源機20の負荷率との関係が記憶されている。本実施の形態では、地中熱熱源機システム1全体のCOPが最大となることを、所定の条件としている。
図2(A)及び図2(B)に、記憶部51に記憶されている、地中出口温度Ts1と、熱源水SWの循環流量と、熱源機20の負荷率との関係の例を示す。図2(A)は、専ら夏季に、地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度が地中Gの温度よりも高い場合のものであり、この場合は、地中熱交換器10において熱源水SWから地中Gに放熱されることとなる。他方、図2(B)は、専ら冬季に、地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度が地中Gの温度よりも低い場合のものであり、この場合は、地中熱交換器10において熱源水SWは地中Gから採熱することとなる。図2(A)及び図2(B)に示す地中出口温度Ts1と熱源水SWの循環流量と熱源機20の負荷率との関係は、地中熱交換器10の設置後に行われる熱応答試験に基づいて規定されて、記憶部51に記憶されている。なお、図2(A)及び図2(B)では、地中出口温度Ts1と熱源水SWの循環流量と熱源機20の負荷率との関係がグラフで示されているが、地中出口温度Ts1と熱源機20の負荷率とから熱源水SWの循環流量を導き出すことができればよく、数式で記憶されていてもよい。
受信部53は、熱源水流量計34及び熱源水出口温度計35と、それぞれ、信号ケーブル等の有線又は無線で電気的に接続されており、熱源水流量計34で検知された値及び熱源水出口温度計35で検知された値をそれぞれ信号として受信することができるように構成されている。また、受信部53は、冷温水流量計44、往冷温水温度計45、還冷温水温度計46と、それぞれ信号ケーブル等の有線又は無線で電気的に接続されており、冷温水流量計44で検知された値、往冷温水温度計45で検知された値、還冷温水温度計46で検知された値をそれぞれ信号として受信することができるように構成されている。換言すれば、受信部53は、冷温水熱量検知部47と有線又は無線で電気的に接続されており、冷温水交換熱量を算出するために用いられる値を信号として受信することができるように構成されている。
負荷率検知部55は、熱源機20の運転時における負荷率を検知する負荷率検知手段の一形態である。負荷率検知部55は、あらかじめ把握した熱源機20の定格能力を入力することができるようになっており、典型的には熱源機20の設置後に、初期設定として、熱源機20の定格能力が入力(設定)される。また、負荷率検知部55は、受信部53が冷温水熱量検知部47から受信した冷温水交換熱量を算出するための値と、設定されている熱源機20の定格能力とから、熱源機20の負荷率を把握することができるように構成されている。負荷率検知部55は、典型的には、冷温水交換熱量を熱源機20の定格能力で除して熱源機20の負荷率を割り出す(熱源機20の負荷率=冷温水交換熱量[kW]/熱源機20の定格能力[kW])。冷温水交換熱量は、往冷温水温度計45で検知された温度と還冷温水温度計46で検知された温度との差の絶対値と、冷温水流量計44で検知された流量との積から求めることができる(次式参照)。
冷温水交換熱量[kW]=(冷温水流量計44の値[m/h]×|還冷温水温度計46の値[℃]−往冷温水温度計45の値[℃]|)/0.86
目標値決定部57は、本実施の形態では、地中熱熱源機システム1全体のCOPが最大となる熱源水SWの循環流量を決定する部位であり、目標流量決定部に相当する。目標値決定部57は、熱源水出口温度計35で検知された地中出口温度Ts1と、負荷率検知部55で検知した熱源機20の負荷率とを、記憶部51に記憶されている関係(図2参照)に照らし合わせて、目標とする熱源水SWの循環流量(循環流量目標値)を決定するように構成されている。例えば、熱源水出口温度計35で検知された地中出口温度Ts1が23.5℃で、負荷率検知部55で検知された負荷率が100%であった場合は、目標とする熱源水SWの循環流量が毎分36リットル(36L/min)となる。
制御部59は、地中熱熱源機システム1の動作を司る部位である。制御部59は、熱源機20の発停及び運転容量を制御することができるように構成されている。また、制御部59は、熱源水ポンプ32と電気的に接続されており、熱源水ポンプ32の発停及び回転速度を制御することができるように構成されている。また、制御部59は、直接又は間接的に冷温水ポンプ82の発停を制御することができるように構成されている。また、制御部59は、受信部53が受信した熱源水流量計34で検知された値と、目標値決定部57で決定された熱源水SWの循環流量の目標値とを参照することができるように構成されている。
なお、図1では、記憶部51、受信部53、負荷率検知部55、目標値決定部57、制御部59が別々に構成されているように示しているが、これは機能の観点から概念的に別々に表現したものであり、物理的には渾然一体に構成されていてもよい。また、図1では、記憶部51、受信部53、負荷率検知部55、目標値決定部57、制御部59が1つの筐体に収容されて制御装置50を構成しているように示されているが、これは概念を示しているものであって、物理的にはこれらが分離して配設されていてもよい。
引き続き図1及び図2を参照して、地中熱熱源機システム1の作用を説明する。制御部59は、地中熱熱源機システム1を起動させる旨の指令を外部から受けると、熱源水ポンプ32及び冷温水ポンプ82を起動する。また、制御部59は、熱源機20を起動する。熱源水ポンプ32の起動により、熱源水SWは、熱源水往管31及び熱源水還管33を介して、地中熱交換器10と熱源機20との間を循環する。このとき、空調設備80で冷房が行われるとき(以下「冷房時」という。)は地中Gで冷やされた熱源水SWが熱源水往管31を流れ、空調設備80で暖房が行われるときは(以下「暖房時」という。)地中Gで温められた熱源水SWが熱源水往管31を流れる。熱源水往管31を流れる熱源水SWは、熱源機20に流入する。
熱源機20に流入した熱源水SWは、機内熱媒体を介して冷温水CHと熱交換し、冷房時は温度が上昇し、暖房時は温度が低下する。このときの熱源水SWの温度は、冷房時は地中Gの温度よりも高く、暖房時は地中Gの温度よりも低くなっている。熱源機20で機内熱媒体を介して冷温水CHと熱交換した熱源水SWは、熱源機20を出て、熱源水還管33を流れ、地中熱交換器10に流入する。地中熱交換器10に流入した熱源水SWは、Uチューブ12を流れる過程で地中Gと熱交換し、冷房時は温度が低下し、暖房時は温度が上昇する。地中Gと熱交換した熱源水SWは、熱源水往管31を流れ、上述した作用を繰り返す。
他方、冷温水ポンプ82の起動により、冷温水CHは、冷温水往管81及び冷温水還管83を介して、熱源機20と空調設備80との間を循環する。このとき、冷房時は熱源機20で冷やされ、暖房時は温められた冷温水CHが、冷温水往管81を流れて空調設備80に流入する。空調設備80に流入した冷温水CHは、熱負荷を処理する過程で、冷房時は温度が上昇し、暖房時は温度が低下する。熱負荷を処理して温度が変化した冷温水CHは、空調設備80を出て冷温水還管83を流れ、熱源機20に流入する。熱源機20に流入した冷温水CHは、機内熱媒体を介して熱源水SWと熱交換し、冷房時は温度が低下し、暖房時は温度が上昇する。熱源機20で機内熱媒体を介して熱源水SWと熱交換した冷温水CHは、冷温水往管81を流れ、上述した作用を繰り返す。
上述のような地中熱熱源機システム1の運転を続けていくと、冷房時は地中Gの温度が徐々に上昇し、暖房時は地中Gの温度が徐々に低下する。この地中Gの温度の変化に伴い、熱源機20の効率が低下する。それでも地中熱熱源機システム1の運転を継続すると、地中Gの温度が、冷房時はさらに上昇し、暖房時はさらに低下して、ついには、熱飽和した状態になる。この地中Gの温度の変化に伴い、熱源機20の効率はさらに低下する。このように、地中熱を利用した地中熱熱源機システム1は、採取又は放出することができる熱量に限りがある。したがって、熱源機20の運転において、空調設備80の熱負荷の増減にあわせて熱源水SWと地中Gとの熱交換を行わせることとすると、地中Gの温度が思い掛けず早く熱飽和してしまう場合があり、システムCOPの向上を図れない場合が生じ得る。本発明者らは、熱源機20の起動当初は熱源水SWの循環流量を少なくし、地中Gの温度が熱源水SWの温度に近づくに連れて熱源水SWの循環流量を増大させるとシステムCOPが向上するという知見を得た。熱源水SWと地中Gとの熱交換において、どれだけの熱量を採取/放出すればよいかは、熱源機20の負荷率も影響する。そこで、地中熱熱源機システム1では、運転中、以下の制御を行うこととしている。
図3は、地中熱熱源機システム1の運転時の制御を説明するフローチャートである。以下の説明において、地中熱熱源機システム1の構成に言及しているとき、あるいは記憶部51に記憶されている情報に言及しているときは、適宜図1又は図2を参照することとする。地中熱熱源機システム1の運転を開始すると、受信部53が、熱源水出口温度計35が検知した地中出口温度Ts1を取得する(出口温度相関値取得工程:S1)。次に、負荷率検知部55が、熱源機20の運転時における負荷率を検知する(負荷率検知工程:S3)。負荷率は、前述のように、冷温水熱量検知部47が検知した冷温水交換熱量を算出するための値と、あらかじめ設定されている熱源機20の定格能力とから算出する。次に、目標値決定部57は、受信部53が取得した地中出口温度Ts1と、負荷率検知部55が算出した負荷率とを、記憶部51に記憶されている関係に照らして、目標とする熱源水SWの循環流量(循環流量目標値)を決定する(目標流量決定工程:S5)。循環流量目標値を決定したら、制御部59は、熱源水流量計34が検知する流量が、決定した循環流量目標値となるように、熱源水ポンプ32のインバータ32vを制御する(流量調節工程:S7)。ただし、ここでの熱源水SWの循環流量の制御は、熱源機20の仕様で決まる熱源水SWの上限流量と下限流量との範囲内で行うこととする。
上述のような制御を行うと、地中熱交換器10の熱交換能力に余裕がある運転初期は、熱源水SWの循環流量が少なくなるため、熱源水ポンプ32の動力を減らすことができ、システムCOPの向上に寄与する。その後、地中熱交換器10周辺の地中Gの温度が熱源水SWの温度に近づいていき、地中熱交換器10における交換熱量が減少していくと、熱源水SWの循環流量が増加していくため、システムCOPの低下を抑制することができる。このように、地中熱熱源機システム1の運転における制御を行うことで、システムCOPを最大化することができる。熱源水SWの循環流量が循環流量目標値となるようにインバータ32vの制御を行ったら、受信部53は、地中熱熱源機システム1を停止する旨の指令を受けたか否かを判断する(S9)。停止する旨の指令を受けていないときは、出口温度相関値取得工程(S1)に戻り、上述の制御を繰り返す。他方、停止する旨の指令を受けたときは、地中熱熱源機システム1の運転を停止する。
以上で説明したように、本実施の形態に係る地中熱熱源機システム1によれば、地中出口温度Ts1と熱源機20負荷率とをあらかじめ記憶部51に記憶されている関係に照らして循環流量目標値を決定し、熱源水SWの循環流量が循環流量目標値となるようにインバータ32vの制御を行うので、概ね、運転初期は熱源水SWの循環流量が少なくなり、地中熱交換器10における交換熱量が減少するに連れて熱源水SWの循環流量が増加して、地中熱熱源機システム1のシステムCOPを最大化することができる。
次に図4を参照して、本発明の実施の形態の変形例に係る地中熱熱源機システム1Aを説明する。図4は、地中熱熱源機システム1Aの模式的系統図である。地中熱熱源機システム1Aは、地中熱熱源機システム1(図1参照)と比較して、以下の点が異なっている。地中熱熱源機システム1Aは、熱源水還管33に、熱源機20を出て地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度を検知する熱源水入口温度計36が設けられている。熱源水入口温度計36は、入口温度相関値取得手段に相当する。つまり、熱源機20を出て地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度自体も入口温度相関値に含まれる。また、地中熱熱源機システム1Aは、熱源機20に、消費電力を検知する消費電力計25が設けられている。また、地中熱熱源機システム1Aは、制御装置50が、熱源水交換熱量検知部56を有している。熱源水交換熱量検知部56は、熱源機20における熱源水SWの交換熱量(冷房時は加熱熱量、暖房時は冷却熱量)を検知する部位であり、一次側熱量検知手段に相当する。熱源水交換熱量検知部56で求められる熱源機20における熱源水SWの単位時間当たりの交換熱量は、冷温水熱量検知部47で検知された値に基づいて負荷率検知部55において算出された冷温水交換熱量と、消費電力計25で検知された熱源機20の消費電力の冷房運転時は和、暖房時は差で求められる(冷房時[熱源機20における熱源水SWの単位時間当たりの交換熱量]=[冷温水交換熱量]+[熱源機20の消費電力]、暖房時運転[熱源機20における熱源水SWの単位時間当たりの交換熱量]=[冷温水交換熱量]−[熱源機20の消費電力])。また、地中熱熱源機システム1Aは、目標値決定部57Aが、地中熱熱源機システム1A全体のCOPが最大となるような、熱源機20を出て地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度(以下「目標入口温度」という。)を決定する部位であり、目標入口温度算出部に相当する。つまり、本変形例では、目標値決定部57Aが、目標流量決定部と目標入口温度算出部とを兼ねている。目標入口温度は、地中出口温度Ts1と、熱源機20における熱源水SWの交換熱量と、循環流量目標値とから求めることができる(次式参照)。
冷房時:目標入口温度[℃]=地中出口温度Ts1[℃]+(熱源機20における熱源水SWの交換熱量[kW]/(循環流量目標値[m/h]×0.86))、暖房時:目標入口温度[℃]=地中出口温度Ts1[℃]−(熱源機20における熱源水SWの交換熱量[kW]/(循環流量目標値[m/h]×0.86))
なお、地中熱熱源機システム1(図1参照)に設けられていた熱源水流量計34(図1参照)を省略してもよい。地中熱熱源機システム1Aの上記以外の構成は、地中熱熱源機システム1(図1参照)と同様である。
上述のように構成された地中熱熱源機システム1Aの基本的な作用は、地中熱熱源機システム1(図1参照)と同様であるが、運転時の制御が一部異なっている。地中熱熱源機システム1Aの運転時の制御は、図3に示すフローにおいて、目標流量決定工程(S5)の後に、地中出口温度Ts1と、熱源機20における熱源水SWの単位時間当たりの交換熱量と、循環流量目標値とから、目標入口温度を算出し(目標入口温度算出工程)、その後に、流量調節工程(S7)において、熱源水入口温度計36で検知した温度が、目標入口温度算出工程で算出した目標入口温度となるように、熱源水ポンプ32のインバータ32vを制御する。地中熱熱源機システム1Aの上記以外の運転時の制御は、図3に示す地中熱熱源機システム1(図1参照)の運転時の制御と同様である。以上で説明したように、地中熱熱源機システム1(図1参照)は熱源水SWの循環流量を制御対象としているのに対し、本変形例に係る地中熱熱源機システム1Aは熱源機20を出て地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度を制御対象としている。
なお、図4に示す地中熱熱源機システム1Aの構成において、地中熱熱源機システムの運転中に目標入口温度を随時算出することを行わず、目標入口温度をあらかじめ決定し、制御部59は、熱源水入口温度計で検知した温度が当該決定した目標入口温度になるように、熱源水ポンプ32のインバータ32vを制御することとしてもよい。この場合、図4に示す地中熱熱源機システム1Aの構成中、記憶部51、負荷率検知部55、熱源水交換熱量検知部56、目標値決定部57Aを省略することが可能となり、システム構成及び制御の簡素化を図ることができる。あらかじめ決定する目標入口温度は、例えば、一般的な熱源機の冷房時の冷却水出入口温度(32℃〜37℃)の概ね中間値である35℃等にしてもよいが、以下の手順で決定してもよい。
図5は、目標入口温度をあらかじめ決定する手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明において、地中熱熱源機システム1Aの構成に言及しているときは、適宜図4を参照することとする。目標入口温度をあらかじめ決定するために、まず、地中熱熱源機システムが導入される施設(空調設備80)での、所定の期間において処理することが想定される熱負荷(想定熱負荷)を割り出す(S10)。所定の期間は、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月、季節ごと、1年等、制御の精度や制御の簡素化等を勘案して任意に決定することができるが、実際に処理する熱負荷の差が極力小さくなるように少なくとも季節ごとまで細分化することが好ましい。次に、想定熱負荷を処理するために熱源機20及び熱源水循環部30を稼働した際の、地中出口温度Ts1の当該所定の期間における平均(平均地中出口温度)を予測する(平均出口温度相関値予測工程:S11)。平均地中出口温度は、平均出口温度相関値に相当する。次に、想定熱負荷を処理するために熱源機20を稼働した際の、負荷率の当該所定の期間における平均(平均負荷率)を予測する(平均負荷率予測工程:S13)。負荷率の予測は、負荷率検知部55における算出手法に沿って行うことができる。次に、想定熱負荷を処理するために熱源機20及び熱源水循環部30を稼働した際の、熱源水SWの単位時間当たりの交換熱量(冷房時は加熱熱量、暖房時は冷却熱量)の当該所定の期間における平均(平均熱源水交換熱量)を予測する(平均一次側熱量予測工程:S14)。平均熱源水交換熱量は、平均一次側熱量に相当する。平均熱源水交換熱量の予測は、熱源水交換熱量検知部56における算出手法に沿って行うことができる。
平均熱源水交換熱量を予測したら、工程(S11)で予測した平均地中出口温度と、工程(S13)で予測した平均負荷率とを、地中熱熱源機システム全体のCOPが最大となるようにあらかじめ関係づけられている、地中出口温度Ts1と熱源機20の負荷率と熱源水SWの循環流量との関係に照らし合わせて、目標とする熱源水SWの循環流量の、当該所定の期間における平均(平均循環流量目標値)を決定する(平均目標流量決定工程:S15)。予測した平均地中出口温度及び平均負荷率を照合する、地中出口温度Ts1と熱源機20の負荷率と熱源水SWの循環流量との関係は、図2(A)又は図2(B)にグラフで示す関係を用いることができる。次に、工程(S11)で予測した平均地中出口温度と、工程(S14)で予測した平均熱源水交換熱量と、工程(S15)で決定した平均循環流量目標値とから、目標とする熱源水入口温度の、当該所定の期間における平均(平均目標入口温度)を算出し、算出した値を、目標入口温度(あらかじめ決定された値)として制御部59に設定する(目標値算出工程:S16)。平均目標入口温度は、平均入口温度相関値に相当し、目標値決定部57Aにおける算出手法に沿って行うことができる。
上述した目標入口温度をあらかじめ決定する手順において、各値は、地中熱熱源機システムが導入される場所の現況調査や実測値の平均値等に基づいて、典型的にはコンピュータを用いて算出されるが、人間が予測、算出してもよい。以上で説明したように、熱源水ポンプ32によって制御される熱源水SWの目標入口温度を、あらかじめ決定した一定値とすることで、システム構成及び制御の簡素化を図ることができる。
以上の説明では、地中熱交換器10が、鉛直に延びる掘削孔にUチューブ12を配設して構成されることとしたが、地中Gの温度が安定する深さで水平方向の掘削孔を形成し、Uチューブ12を水平に配設することとしてもよい。
以上の説明では、流量調節手段がインバータ32vであるとしたが、熱源水ポンプ32を複数台設置して、熱源水ポンプ32の運転台数を変化させることにより、熱源水SWの循環流量を変化させることとしてもよい。
以上の説明では、出口温度相関値取得手段が、地中熱交換器10を出て熱源機20に入る熱源水SWの温度を直接検知する熱源水出口温度計35であるとしたが、例えば地中熱交換器10を出た熱源水SWの温度と相関を有する地中Gの温度を検知する地中温度計等であってもよい。換言すれば、出口温度相関値は、地中熱交換器10を出た熱源水SWの温度自体も含まれる。同様に入口温度相関値取得手段が、熱源機20を出て地中熱交換器10に入る熱源水SWの温度を直接検知する熱源水入口温度計36であるとしたが、例えば熱源機20を出た熱源水SWの温度と相関を有する熱源機20の温度を検知する熱源機温度計等であってもよい。
1、1A 地中熱熱源機システム
10 地中熱交換器
20 熱源機
30 熱源水循環部
32v インバータ
34 熱源水流量計
35 熱源水出口温度計
36 熱源水入口温度計
47 冷温水熱量検知部
51 記憶部
55 負荷率検知部
56 熱源水交換熱量検知部
57、57A 目標値決定部
59 制御部
80 空調設備
G 地中
SW 熱源水
CH 冷温水
Ts1 地中出口温度

Claims (6)

  1. 地中と一次熱媒体との間で熱交換を行わせる地中熱交換器と;
    熱利用機器に供給される二次熱媒体の温度を調節する熱源機であって、機内熱媒体を相変化させて前記一次熱媒体と前記二次熱媒体との間で熱移動を行わせる熱源機と;
    前記一次熱媒体を、前記地中熱交換器及び前記熱源機を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置であって、前記一次熱媒体の循環流量を変化させる流量調節手段を有する一次熱媒体循環装置と;
    前記地中熱交換器を出て前記熱源機に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である出口温度相関値を取得する出口温度相関値取得手段と;
    前記熱源機の運転時における負荷率を検知する負荷率検知手段と;
    前記出口温度相関値に対して所定の条件を充足する前記一次熱媒体の循環流量が前記負荷率ごとに記憶されている記憶部と;
    前記負荷率検知手段で検知された前記負荷率と、前記出口温度相関値取得手段で取得された前記出口温度相関値と、を前記記憶部に記憶されている関係に照らして、前記一次熱媒体の循環流量の目標値である循環流量目標値を決定する目標流量決定部と;
    前記目標流量決定部で決定された前記循環流量目標値に基づいて、前記流量調節手段を調節する制御部とを備える;
    地中熱熱源機システム。
  2. 前記一次熱媒体の循環流量を検知する一次熱媒体流量検知器を備え;
    前記制御部は、前記一次熱媒体流量検知器で検知された値が前記循環流量目標値になるように前記流量調節手段を調節する;
    請求項1に記載の地中熱熱源機システム。
  3. 前記熱源機を出て前記地中熱交換器に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である入口温度相関値を取得する入口温度相関値取得手段と;
    前記熱源機と前記一次熱媒体とが熱交換した単位時間当たりの熱量を検知する一次側熱量検知手段と;
    前記出口温度相関値取得手段で取得された前記出口温度相関値と、前記一次側熱量検知手段で検知された単位時間当たりの熱量と、前記目標流量決定部で決定された前記循環流量目標値とから、前記入口温度相関値の目標値である目標入口温度相関値を算出する目標入口温度算出部とを備え;
    前記制御部は、前記入口温度相関値取得手段で取得された前記入口温度相関値が前記目標入口温度算出部で算出された前記目標入口温度相関値になるように前記流量調節手段を調節する;
    請求項1に記載の地中熱熱源機システム。
  4. 前記熱源機を出て前記地中熱交換器に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である入口温度相関値を取得する入口温度相関値取得手段を備え
    前記制御部は、前記入口温度相関値取得手段で取得された前記入口温度相関値が、前記目標流量決定部で決定された前記循環流量目標値に基づいて算出されたあらかじめ決定された値になるように前記流量調節手段を調節する;
    請求項1に記載の地中熱熱源機システム。
  5. 地中と一次熱媒体との間で熱交換を行わせる地中熱交換器と
    熱利用機器に供給される二次熱媒体の温度を調節する熱源機であって、機内熱媒体を相変化させて前記一次熱媒体と前記二次熱媒体との間で熱移動を行わせる熱源機と
    前記一次熱媒体を、前記地中熱交換器及び前記熱源機を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置であって、前記一次熱媒体の循環流量を変化させる流量調節手段を有する一次熱媒体循環装置と
    前記熱源機を出て前記地中熱交換器に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である入口温度相関値を取得する入口温度相関値取得手段と
    前記入口温度相関値取得手段で取得された前記入口温度相関値があらかじめ決定された値になるように前記流量調節手段を調節する制御部とを備える地中熱熱源機システムにおいて前記制御部が目標とする前記あらかじめ決定された値を決定する方法であって;
    前記地中熱熱源機システムによって熱負荷処理される対象の所定の期間の想定熱負荷に基づいて、前記地中熱交換器を出て前記熱源機に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である出口温度相関値の前記所定の期間における平均である平均出口温度相関値を予測する平均出口温度相関値予測工程と;
    前記想定熱負荷に基づいて、前記熱源機の運転時における負荷率の前記所定の期間における平均である平均負荷率を予測する平均負荷率予測工程と;
    前記想定熱負荷に基づいて、前記熱源機と前記一次熱媒体とが熱交換する単位時間当たりの熱量の前記所定の期間における平均である平均一次側熱量を予測する平均一次側熱量予測工程と;
    所定の条件を充足するようにあらかじめ関係づけられている、前記出口温度相関値と、前記一次熱媒体の循環流量と、前記負荷率との関係に対して、前記平均出口温度相関値予測工程で予測された前記平均出口温度相関値と、前記平均負荷率予測工程で予測された前記平均負荷率とを照らし合わせて、目標とする前記一次熱媒体の循環流量の前記所定の期間における平均である平均循環流量目標値を決定する平均目標流量決定工程と;
    前記平均出口温度相関値予測工程で予測された前記平均出口温度相関値と、前記平均一次側熱量予測工程で予測された前記平均一次側熱量と、前記平均目標流量決定工程で決定された前記平均循環流量目標値とから、目標とする前記入口温度相関値の前記所定の期間における平均である平均入口温度相関値を算出し、算出された前記平均入口温度相関値を前記あらかじめ決定された値とする目標値算出工程とを備える;
    目標値決定方法。
  6. 地中と一次熱媒体との間で熱交換を行わせる地中熱交換器と、機内熱媒体を相変化させて前記一次熱媒体と熱利用機器に供給される二次熱媒体との間で熱移動を行わせて前記二次熱媒体の温度を調節する熱源機と、前記一次熱媒体を前記地中熱交換器及び前記熱源機を通過するように循環させる一次熱媒体循環装置と、を有する地中熱熱源機システムを運転する方法であって;
    前記地中熱交換器を出て前記熱源機に入る前記一次熱媒体の温度と相関を有する値である出口温度相関値を取得する出口温度相関値取得工程と;
    前記熱源機の運転時における負荷率を検知する負荷率検知工程と;
    所定の条件を充足するようにあらかじめ関係づけられている、前記出口温度相関値と、前記一次熱媒体の循環流量と、前記負荷率との関係に対して、前記出口温度相関値取得工程で取得された前記出口温度相関値と、前記負荷率検知工程で検知された前記負荷率とを照らし合わせて、前記一次熱媒体の循環流量の目標値である循環流量目標値を決定する目標流量決定工程と;
    前記目標流量決定工程で決定された前記循環流量目標値に基づいて、前記一次熱媒体の循環流量を変化させる流量調節工程とを備える;
    地中熱熱源機システムの運転方法。
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