JP6576509B2 - ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法 - Google Patents

ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6576509B2
JP6576509B2 JP2018099269A JP2018099269A JP6576509B2 JP 6576509 B2 JP6576509 B2 JP 6576509B2 JP 2018099269 A JP2018099269 A JP 2018099269A JP 2018099269 A JP2018099269 A JP 2018099269A JP 6576509 B2 JP6576509 B2 JP 6576509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter member
cleaning
oil
gas
cleaning liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018099269A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018134641A (ja
Inventor
上林 史朗
史朗 上林
吉岡 洋仁
洋仁 吉岡
史樹 寳正
史樹 寳正
野邑 尚史
尚史 野邑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2018099269A priority Critical patent/JP6576509B2/ja
Publication of JP2018134641A publication Critical patent/JP2018134641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6576509B2 publication Critical patent/JP6576509B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

本発明は、油分含有ガスから油分を回収するフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄する洗浄機構とを備えているガス処理設備、ガス処理設備の制御装置、及びガス処理設備の運転方法に関する。
従来、下水処理場、し尿処理場、各種産業排水処理場等で発生した汚泥は濃縮及び脱水工程を経て焼却処分または溶融処分されていた。このような汚泥に含まれる有機成分を熱源として利用することにより、焼却処分や溶融処分に要する化石燃料の消費量を抑制することができ、そのために焼却処分や溶融処分の前に脱水工程を経た汚泥を乾燥させる汚泥乾燥設備が構築されている。
図13には、このような汚泥乾燥設備100が例示されている。汚泥乾燥設備100は、熱源となる熱風炉110を備えた汚泥乾燥機120と、汚泥乾燥機120の排ガスを熱風炉110に導く熱風循環ファン170等を備え、排ガスが熱風炉110に循環供給されるように構成されている。熱風炉110には熱源として高温排ガスもしくは補助燃料が導入され、汚泥乾燥機120の排ガスが300〜800℃に昇温される。
汚泥乾燥機120では300〜800℃の温度で汚泥が乾燥され、120〜200℃の排ガスが排ガス流路に備えたサイクロン130やスクラバ140に導かれる。サイクロンでは排ガスに同伴した固形異物が除去され、スクラバ140では急冷によって排ガスから水分が凝縮除去される。
スクラバ140の下流側にはデミスタ150やミストセパレータ160が配置され、スクラバ140を通過した排ガスに含まれる水分やタール等の油分が除去される。タール等の油分は、汚泥乾燥機120で乾燥処理される際に汚泥に含まれる有機成分の一部が熱分解されることにより排ガスに混入したものである。
デミスタ150やミストセパレータ160で十分に除去されなかったタール等の油分や灰分は熱風循環ファン170のインペラに付着して、次第に熱風循環ファン170の負荷が増すとともに熱風循環ファン170自体に振動が発生する等の異常な事態を招く虞がある。さらに後段の熱風炉110の伝熱面にタール等の油分や灰分が付着堆積してコーキングが発生すると伝熱損失が発生するばかりでなく熱風炉110の圧力損失の上昇につながるという問題があった。
そのため、インペラを連続的に水洗浄処理するための専用の装置を設置したり、デミスタ150やミストセパレータ160を頻繁にメンテナンスしたりすると設備コストやメンテナンスコストが嵩むという問題もあった。特に、厚さ100mm程度のデミスタ150が水平設置され、下方から上方への排ガスの流れに沿って専らデミスタの下面に付着するタール等をデミスタの上面から供給する洗浄水で除去するような構成を採用する場合には、タールの付着部位まで十分な洗浄力を持つ洗浄水が到達することができず、圧損が増して熱風循環ファン170の負荷が一層増大するため、デミスタ150を頻繁に取り換える必要があるという問題もあった。
特許文献1には、そのような問題に対して、アルカリ溶液からなる鹸化液と排ガスとを直接接触させ、排ガス中のタールを鹸化して取り除くタール鹸化除去装置と、排ガスが衝突する衝突壁と、この衝突壁表面にタール付着防止液を供給する衝突壁付着防止液供給手段とを有する慣性集塵機とを設け、タールを含有する排ガスをタール鹸化除去装置に供給してタールを鹸化して取り除いた後、慣性集塵機に供給してタールを除去するとともにミストを分離除去するタール含有排ガスの処理設備が提案されている。
特開2005−279420号公報
しかし、特許文献1に記載されたようなタール含有排ガスの処理設備では、大量の鹸化液が必要になるばかりか、水平姿勢に設置されたメッシュ状の衝突壁の上部から鹸化液を供給してタールに接触させて鹸化させる構成であるため、メッシュ状の衝突壁に鹸化物が留まり、次第に堆積して排ガス路の圧損が高くなる虞があり、頻繁に衝突壁を清掃する必要があるという点に変わりはなく、またメンテナンス時には手動で衝突壁を交換する必要があり、安全性を確保するための対策を講じる必要があるばかりでなく、煩雑な作業が要求されるという問題もあった。
そこで、衝突壁の下部から鹸化液を供給すると、鹸化液は衝突壁やガスの流れによる抵抗を受けてタール分の多い衝突壁の上層側まで達せず十分に鹸化処理できないという問題があった。
さらに、洗浄液ミストに油分が同伴して後段に流出して油分の回収率が低下するという問題もあった。
同様の問題は、例えばバイオマスのガス化プロセスや炭化プロセスで発生するガス、バイオマスの乾燥化プロセスで発生するガス、石炭の乾留プロセスで発生するガス等の油分含有ガスから油分を回収する必要があるガス処理設備に広く共通の問題であった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、油分含有ガスから油分を除去するフィルタ部材を用いながらも、メンテナンスが容易で且つ長期に亘り連続稼働可能なガス処理設備及びガス処理設備の運転方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるガス処理設備の第一特徴構成は、特許請求の範囲の請求項1に記載した通り、油分含有ガスから油分を回収するフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄する洗浄機構とを備えているガス処理設備であって、前記フィルタ部材全体をガス通流部に配置してガスに同伴する油分を前記フィルタ部材で回収する油分回収位置と、前記フィルタ部材全体を前記洗浄機構に配置して回収した油分を前記フィルタ部材から分離する洗浄位置との間で、前記フィルタ部材の位置を変更する位置変更機構を備え、前記洗浄位置で前記フィルタ部材を洗浄液と接触させつつ前記フィルタ部材を加振する加振機構を備えている点にある。
上述の構成によれば、位置変更機構で油分回収位置に位置変更されたフィルタ部材によって油分含有ガスに含まれる油分が捕捉され、油分を捕捉して汚れたフィルタ部材は位置変更機構によって洗浄位置に位置変更された後に洗浄されるので、人手でフィルタ部材を装置から取り外すような手間が不要になる。また、洗浄位置に位置変更されたフィルタ部材は洗浄液と接触した状態で加振機構によって加振され、例えば往復動、搖動、正逆回転等されることによって、フィルタ部材に捕捉された油分等の汚れが離脱し易くなり洗浄効率が向上する。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記位置変更機構は前記油分回収位置と前記洗浄位置との間で前記フィルタ部材を進出駆動または引退駆動するシリンダ機構で構成され、前記洗浄位置で短距離での進出駆動と引退駆動を繰り返す前記シリンダ機構により前記加振機構が構成されている点にある。
シリンダ機構の進出駆動と引退駆動を短い距離で繰り返すことによってフィルタ部材を洗浄液と接触した状態で上下に振動させると、洗浄液により汚れが押されることでフィルタ部材に捕捉された油分等の汚れが離脱し易くなり洗浄効率が向上する。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記洗浄機構は、前記洗浄位置で前記フィルタ部材全体を洗浄液に浸漬する洗浄槽を備えている点にある。
フィルタ部材全体が洗浄槽の内部で洗浄液に浸漬されることによって湿潤状態となり、その状態でフィルタ部材が加振されるので、効率的に洗浄される。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記洗浄機構は、前記洗浄位置にある前記フィルタ部材に対して洗浄液に浸漬させることなく背面側から油分回収面側に向けて洗浄液を噴射供給する給液部を備えている点にある。
給液部から洗浄液がフィルタ部材に向けて供給されるので、油分を含む異物がフィルタ部材から効率的に離脱する。
本発明によるガス処理設備の運転方法の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、油分含有ガスから油分を回収するフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄する洗浄機構とを備えているガス処理設備の運転方法であって、前記フィルタ部材全体をガス通流部に配置してガスに同伴する油分を前記フィルタ部材で回収する油分回収位置と、前記フィルタ部材全体を前記洗浄機構に配置して回収した油分を前記フィルタ部材から分離する洗浄位置との間で、前記フィルタ部材の位置を変更する位置変更ステップを備え、前記洗浄位置で前記フィルタ部材を洗浄液と接触させつつ前記フィルタ部材を加振する加振ステップを備えている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、油分含有ガスから油分を除去するフィルタ部材を用いながらも、メンテナンスが容易で且つ長期に亘り連続稼働可能なガス処理設備及びガス処理設備の運転方法を提供することができるようになった。
本発明によるガス処理設備が組み込まれた汚泥乾燥設備の説明図 (a)はガス処理設備の側面から視た説明図、(b)は同正面から視た説明図 フィルタ部材が油分回収位置に位置するガス処理設備の概略図 フィルタ部材が洗浄位置に位置するガス処理設備の概略図 ガス処理設備の別実施形態の概略図 ガス処理設備の別実施形態の概略図 ガス処理設備の別実施形態の概略図 ガス処理設備の別実施形態の概略図であって、(a)は油分回収位置、(b)は洗浄位置を示す概略図 ガス処理設備の別実施形態の概略図であって、(a)は正面図、(b)は平面図 ガス処理設備の別実施形態の概略図 ガス処理設備が並列配置された汚泥乾燥設備の説明図 フィルタ部材模擬材からの油分除去実験の結果を示す表 従来の汚泥乾燥設備の説明図
以下、本発明によるガス処理設備の第一の実施形態を説明する。
図1には、下水処理場に設置された汚泥乾燥設備100が示されている。汚泥乾燥設備100は、熱源となる熱風炉110を備えた汚泥乾燥機120と、汚泥乾燥機120の排ガスを熱風炉110に導く熱風循環ファン170等を備え、排ガスが熱風炉110に循環供給されるように構成されている。熱風炉110には熱源として高温排ガスもしくは補助燃料が導入され、40〜50℃に下がった汚泥乾燥機120の排ガスが300〜800℃に昇温される。
汚泥は汚泥乾燥機120で300〜800℃の熱風を用いて乾燥されて乾燥汚泥として排出され、汚泥乾燥機120から排出された120〜200℃の排ガスは排ガス流路に備えたサイクロン130とスクラバ140に導かれる。サイクロン130では排ガスに同伴した固形異物が除去され、スクラバ140では急冷によって排ガスから水分が凝縮除去され、さらにデミスタ150によってガスに同伴する水分が除去される。40〜50℃に下がった排ガスは熱風炉110で300℃〜800℃に昇温される。
本発明によるガス処理設備1はデミスタ150の下流側にガス通流方向に沿って直列に2段連設され、デミスタ150を通過した排ガスに含まれるタール等の油分を含む異物が除去される。これによりタール等の油分や灰分が熱風循環ファン170のインペラに付着したり、さらに後段の熱風炉110の伝熱面に付着堆積したりする事態が回避されるように構成されている。
図2(a),(b)に示すように、ガス処理設備1は、ガス通流部2と、フィルタ部材10と、位置変更機構11と、洗浄機構12と、制御装置C等を備えている。
ガス通流部2は汚泥乾燥機120から排出された油分含有ガス(排ガス)を導く略水平姿勢の流路で、排ガス流入管及び流出管が接続される入口及び出口のフランジ径が約150mm、入口と出口のフランジ面間が約500mmに設定されている。ガス通流部2の中央部にフィルタ部材10が配置されるろ過用の拡径空間が形成され、当該拡径空間に配置されるフィルタ部材10によって排ガスに混入した油分を含む異物が除去される。尚、フランジ径やフランジ面間は例示であり、ガス量やフィルタの面積等により決定される。
フィルタ部材10は排ガスに同伴されるタール等の油分や粉塵を慣性衝突させて分離するための部材で、SUS316等を用いた金属ワイヤー等の線材を用いてメッシュ状に形成され、一辺が220mmの方形の金属網を重ね合わせて厚さ100mmに構成されている。フィルタ部材10は周囲が支持フレーム10aに固定されている。排ガスがガス通流部2の上流側(以下、「油分回収面」と記す。)からフィルタ部材10の上流側面に流入して下流側面(以下、「背面」と記す。)に通流する際に、排ガスに同伴する油分等がフィルタ部材10、主に油分回収面で捕捉される。
尚、フィルタ部材10を構成する素材やサイズは例示であり、当該素材やサイズに制限されるものではない。線材の材質や太さ、断面形状、メッシュの数はフィルタの圧力損失と捕集効率、洗浄効率を考慮して選定され、金属網に替えて金属製のパンチングメタルでもよい。さらに、PP,PE,PVC,PTFE等の樹脂材を用いた樹脂網や不織布を採用してもよいし、ビーズ状の樹脂部材をメッシュ容器に充填した充填層をフィルタ部材10に採用してもよい。
洗浄機構12はフィルタ部材10が捕捉した油分を含む異物を洗浄する機構であり、ガス通流部2の拡径空間直下に配置されている。位置変更機構11はフィルタ部材10をガス通流部2に配置してガスに同伴する油分を回収する油分回収位置と、フィルタ部材10を洗浄機構12に配置して回収した油分を分離する洗浄位置との間で、フィルタ部材10の位置を変更する機構である。
位置変更機構11はガス通流部2の拡径空間直上に上部遮蔽部材11eを介して立設された支持部11aと支持部11aの上端に配置されたエアシリンダ11bと、エアシリンダ11bを圧縮空気で駆動する流体回路FC(図3,4参照。)を備えたシリンダ機構で構成されている。
エアシリンダ11bのピストン11c先端部に中空のリンク部材11dが接続され、リンク部材11dの先端部にフィルタ部材10の支持フレーム10aが固定されている。上部遮蔽部材11eにはシール部材を介してリンク部材11dが上下移動する貫通孔が形成され、ピストン11cが引退作動することによりフィルタ部材10が油分回収位置に位置移動され(図2(b)に、二点鎖線で示されている。)、ピストンが進出作動することによりフィルタ部材10が洗浄位置に位置移動される(図2(b)に、実線で示されている。)。
フィルタ部材10を挟んでガス通流部2の上流側及び下流側に圧力センサGSが配置され、両センサの差圧によってフィルタ部材10の汚れの程度をモニタ可能に構成されている。即ち、二つの圧力センサによって差圧センサPSが構成されている。
洗浄機構12は、洗浄槽13と、異物除去機構14と、洗浄液供給機構15と、加熱機構16を備えている。
洗浄槽13はフィルタ部材10を洗浄するための液槽で、洗浄位置でフィルタ部材10のほぼ全体が洗浄液に浸漬されるように液位が調整されている。本実施形態では、アルカリ洗浄液(濃度約5重量%、温度約40℃の水酸化ナトリウム水溶液)が用いられている。
洗浄液供給機構15は給液部15aと、排液部15bと、洗浄液循環機構15cと、洗浄液補給部15dを備えている。
給液部15aは排液部15bから洗浄液循環機構15cを経由して供給される洗浄液をフィルタ部材10の背面側から略均等に供給する部位で、水平方向に形成されたスリット状のノズルがフィルタ部材10の上下方向に沿って複数段配列された洗浄液ヘッダー部で構成されている。各ノズルから供給された所定圧力の洗浄液がフィルタ部材10の背面側から油分回収面側に流れることによって、フィルタ部材10に捕捉された油分を含む異物が鹸化されるとともにフィルタ部材10から離脱して除去される。
このとき、エアシリンダ11bの進出駆動と引退駆動を短い距離で繰り返すことによってフィルタ部材10を洗浄液中で上下に振動させると、洗浄液により汚れが押されることでフィルタ部材10に捕捉された油分等の汚れが離脱し易くなり洗浄効率が向上する。即ち、シリンダ機構によって洗浄位置でフィルタ部材10を加振する加振機構を構成することができる。尚、エアシリンダ11b以外の加振機構を設けてもよい。例えば、リンク部材11dを軸心周りに正逆回転駆動したり、搖動駆動したりする駆動機構を設けてもよい。このような駆動機構はリンク部材11dに嵌入したギアとギアを駆動するモータ等で構成することができる。
排液部15bは洗浄槽13に供給された洗浄水を循環供給するために回収する部位で、洗浄液に浮遊する油分や鹸化物等の異物が同伴しないように、液面より下方、本実施形態では洗浄槽13に形成された給液部15aより下方に設けられている。
洗浄液循環機構15cは排液部15bから回収された洗浄液を給液部15a及び後述の異物導出機構14bに循環供給する管路とバルブ機構とポンプとで構成されている(図3、図4参照。)。
洗浄液補給部15dは、洗浄槽13の液位を略一定に維持するために洗浄液循環機構15cとは別経路で洗浄液を補給する部位で、洗浄槽13に備えた液位計の値が一定になるように必要に応じて図外の洗浄液タンクから補充供給されるように構成されている。
異物除去機構14は洗浄液とともに鹸化物や油分等の浮遊物を洗浄槽13から溢流させる溢流機構14aと洗浄液の液面に溢流機構14aへ向かう流れを発生させて液面に浮遊する異物を溢流機構14aへ導く異物導出機構14bとを備えて構成されている。
溢流機構14aから洗浄液が溢流することによって低下した液位を回復させるべく、洗浄液補給部15dによって洗浄液が補充され、溢流機構14aの機能が維持される。尚、洗浄液補給部15dは、洗浄液の液面より下方で、溢流機構14aよりも下方に位置するので、補充した新しい洗浄液がそのまま溢流機構14aに直接流れていかないので洗浄槽13内の水の汚れを抑制することもできる。
溢流機構14aから溢流した洗浄液は、U字管を通って固液分離装置(図示せず)に排水され、鹸化物等の固形分が除去された後に下水処理設備の原水として供給され、下水として処理される。U字管とU字管に貯留される所定量の洗浄液とによって水封機構が構成され、フィルタ部材10が配置されるガス通流部2と洗浄槽13の空間が気密に封止されるように構成されている。尚、固液分離後の洗浄液を上述の洗浄液循環機構15cを介して循環供給するように構成することも可能である。
異物導出機構14bによって供給される洗浄液の流れ方向と給液部15aによって供給される洗浄液の流れ方向は平面視で直交するように設定されるとともに、異物導出機構14bによって供給される洗浄液の供給位置が給液部15aによって供給される洗浄液の供給位置よりも液面側に設定されているので、洗浄槽内で洗浄液の流れの相互干渉が小さくなり、流れの乱れに起因する洗浄能力の低下及び異物導出能力の低下が回避されている。尚、異物導出機構14bによって供給される洗浄液の流れ方向と給液部15aによって供給される洗浄液の流れ方向を平面視で平行になるように設定することで、異物の導出をより効率良くすることもできる。
また、異物導出機構14bとして洗浄液の流れで説明したが、空気など気体による押し流しやスクレーパによる押し出しなど、他の手段であってもよい。
加熱機構16は洗浄槽13の底面に配置された3本のヒータで構成され、洗浄槽13内の洗浄液の温度が約40℃に維持されるように洗浄液を加熱する熱交換部位である。ヒータの熱源として電気が用いられているが、汚泥焼却炉で発生した高温の排ガス、排ガスと熱交換した温水や蒸気等を用いることも可能である。尚、加熱機構16は洗浄槽13の底部に備えることによって洗浄槽13に浸漬され洗浄されるフィルタ部材10と干渉することなく設置でき、加熱機構16の上方に位置するフィルタ部材10の周囲の洗浄液に効率的に熱伝達し、洗浄液を昇温することができる。
一方のガス処理設備1のフィルタ部材10が洗浄位置に位置するときに、他方のガス処理設備1のフィルタ部材10が油分回収位置に位置するように相補的にフィルタ部材10の位置を制御することにより、長期連続して汚泥乾燥設備100を稼働させることができるようになる。
図3及び図4に示すように、ガス処理設備1の制御装置Cは、差圧センサPSの出力が第1所定圧力になると、位置変更機構11を制御してフィルタ部材10の位置を油分回収位置から洗浄位置に位置変更する位置変更制御部C1と、位置変更制御部C1により洗浄位置に位置変更された後にフィルタ部材10の背面側から油分回収面側に洗浄液を供給するように給液制御する給液制御部C2と、差圧センサPSの出力が第1所定圧力より低い第2所定圧力になると、給液部15aから供給される洗浄液を加熱機構16で所定温度に加熱する加熱制御部C3と、を備えている。
フィルタ部材10への油分の付着量が増加するとフィルタ部材10に目詰まりが生じて通過ガス流量が低下し、フィルタ部材10を挟んでガス通流部2の上流側と下流側で圧力差が生じる。位置変更制御部C1はその圧力差を検知した差圧センサPSの出力に基づいてフィルタ部材10の汚れの程度を推定し、圧力差が第1所定圧力になるとフィルタ部材10の洗浄時期になったと判断して、フィルタ部材10の位置を油分回収位置から洗浄位置に自動的に位置変更する。その後、給液制御部C2はフィルタ部材10の背面側から油分回収面側に自動的に洗浄液を供給して洗浄する。
また、差圧センサPSの出力が第1所定圧力に達した時点で洗浄液が所定温度に達していると低い温度つまり洗浄力が弱い洗浄液で洗浄されるようなことがないので洗浄時間を短縮できるとともに、昇温を待つ必要がなく効率的な洗浄処理ができる。そのために洗浄液を所定温度に加熱するのに要する凡その時間が第2所定圧力から第1所定圧力に達するまでの時間になるように第2所定圧力が設定されている。加熱制御部C3は第2所定圧力を検知すると温度センサTSが約40℃になるように加熱機構16を制御する。
二台のガス処理設備1の各制御装置Cは互いに通信線で接続され、一方の制御装置Cがマスタ制御部として機能し、他方の制御装置Cがスレーブ制御部として機能するように設定されている。初期状態でマスタ制御部側のフィルタ部材10が油分回収位置に位置し、スレーブ制御部側のフィルタ部材10が洗浄位置に位置するように制御される。
その後、マスタ制御部側の差圧センサPSの出力が第2所定圧力に達するとマスタ制御部側の加熱機構16によって洗浄槽13内の洗浄液を加熱制御し、第1所定圧力に達するとスレーブ制御部側のフィルタ部材10を油分回収位置に位置移動させた後にマスタ制御部側のフィルタ部材10を洗浄位置に位置移動させる。
さらにその後、スレーブ制御部側の差圧センサPSの出力が第2所定圧力に達するとスレーブ制御部側の加熱機構16によって洗浄槽13内の洗浄液を加熱制御し、第1所定圧力に達するとマスタ制御部側のフィルタ部材10を油分回収位置に位置移動させた後にスレーブ制御部側のフィルタ部材10を洗浄位置に位置移動させる。
このような制御を繰り返すことにより、油分を含む排ガスを後流側へ流すことなく連続的に排ガスから油分を除去できるようになり、長期連続して汚泥乾燥設備100を稼働させることができるようになる。
即ち、上述の制御装置Cによって、各ガス通流部の上流側と下流側の圧力差を監視する差圧監視ステップと、差圧監視ステップで圧力差が第1所定圧力になると、位置変更機構を操作してフィルタ部材の位置を油分回収位置から洗浄位置に位置変更する位置変更ステップと、位置変更ステップで洗浄位置に位置変更した後にフィルタ部材に洗浄液を供給するように給液する給液ステップと、が実行される。
また、制御装置C同士が通信線で接続されることによって、ガス通流部の上流側と下流側の圧力差を監視する差圧監視ステップと、差圧監視ステップで圧力差が第1所定圧力になると、位置変更機構を操作して洗浄位置に位置するフィルタ部材を油分回収位置に移動させるとともに、油分回収位置に位置するフィルタ部材を洗浄位置に相補的に位置変更する位置変更ステップと、位置変更ステップにより洗浄位置に位置変更されたフィルタ部材に対して背面側から油分回収面側に洗浄液を供給するように給液する給液ステップと、が実行される。
アルカリ洗浄液の原料として苛性ソーダが好適に用いられるが、苛性ソーダ以外の原料も利用可能である。尚、汚泥が排出される排水処理場では水処理に苛性ソーダが使われているので苛性ソーダを利用するのが好適である。アルカリ洗浄液の濃度は1重量%以上15重量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは3重量%以上7重量%以下、さらに好ましくは5重量%±1重量%に調製されていることが好ましい。また、アルカリ洗浄液は10℃以上60℃以下の範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは30℃以上50℃以下、さらに好ましくは40℃±5℃の範囲に調温されていることが好ましい。
洗浄位置でのフィルタ部材10の洗浄時間は、油分回収位置で他方のフィルタ部材10の油分回収時の圧力差が第1所定圧力に達するまでの間であれば、常時洗浄していなくてもよく、一定時間で洗浄を終了してもよい。更に、洗浄の代わりに洗浄位置でフィルタ部材10を加振させて洗浄しても良い。
時間当たりの油分の付着量に大きな変動が無ければ、経過時間によってフィルタ部材の汚れの程度が推定できる。そこで、制御装置Cにフィルタ部材が前記油分回収位置に位置変更された後の経過時間を計時するタイマを備え、タイマにより第1設定時間が計時されると位置変更制御部が位置変更機構を制御してフィルタ部材の位置を油分回収位置から洗浄位置に位置変更するように構成し、位置変更制御部により洗浄位置に位置変更された後に給液制御部がフィルタ部材の背面側から油分回収面側に洗浄液を供給するように給液制御するように構成してもよい。このような経過時間の計時はタイマによると全て自動で行えるので好適であるが、人による計時などタイマによらない計時で行うこともできる。
設定時間を決定するために、初期には圧力差に基づいて位置制御し、位置変更される経過時間を所定数サンプリングして凡その傾向が把握された後に設定時間を決定し、時間によって位置制御するように切替えてもよい。
また、洗浄液を所定温度に加熱するのに要する凡その時間が第2設定時間から第1設定時間に達するまでの時間になるように第2設定時間を設定し、第1設定時間より短い第2設定時間が計時されると、加熱制御部が加熱機構を制御して洗浄液を所定温度に加熱するように構成することも可能である。この場合、タイマの出力が第1設定時間に達した時点で洗浄液が所定温度に達しているため、直ちに洗浄処理ができ、無駄なエネルギーや時間を無くしてランニングコストを低減できるようになる。
上述と同様に、制御装置C同士が通信線で接続されることによって、差圧センサの出力が第1所定圧力になると、位置変更機構を制御して洗浄位置に位置するフィルタ部材を油分回収位置に位置変更するとともに、油分回収位置に位置するフィルタ部材を洗浄位置に相補的に位置変更する位置変更制御部と、位置変更制御部により洗浄位置に位置変更されたフィルタ部材に洗浄液を供給するように給液制御する給液制御部とを備えた制御装置を構成することができる。
即ち、上述の制御装置Cによって、油分回収位置へのフィルタ部材の設置時間をタイマで計時する時間監視ステップと、時間監視ステップで時間が第1設定時間を経過すると、位置変更機構を操作してフィルタ部材の位置を油分回収位置から洗浄位置に位置変更する位置変更ステップと、位置変更ステップで洗浄位置に位置変更した後にフィルタ部材に洗浄液を供給するように給液する給液ステップとが実行される。
また、制御装置C同士が通信線で接続されることによって、油分回収位置に位置変更された後のフィルタ部材の経過時間をタイマで計時する時間監視ステップと、時間監視ステップで経過時間が第1設定時間になると、位置変更機構を操作して洗浄位置に位置するフィルタ部材を油分回収位置に移動させるとともに、油分回収位置に位置するフィルタ部材を洗浄位置に相補的に位置変更する位置変更ステップと、位置変更ステップにより洗浄位置に位置変更されたフィルタ部材に対して背面側から油分回収面側に洗浄液を供給するように給液する給液ステップとが実行される。
次に、ガス処理設備の第二の実施形態を説明する。
上述した実施形態では、洗浄槽13に貯留された洗浄液にフィルタ部材10が浸漬される態様を説明したが、洗浄機構12はフィルタ部材10を湿潤状態に維持しつつフィルタ部材10に洗浄液を供給する洗浄液供給機構を備えていればよく、必ずしも浸漬させる必要はない。
図5に示すように、洗浄槽13を洗浄液で満たすことなく、洗浄液を噴射供給するノズルを備えた給液部15aを備え、洗浄槽13内のフィルタ部材10の背面側から油分回収面側に向けて洗浄液を噴射供給するように構成してもよい。
洗浄液によってフィルタ部材10から除去された鹸化された油分等の異物は洗浄槽13の底部または底部近傍に設けられた排液部15bを経由して分離機構18へ導かれ、分離機構18で汚物が除去された後に洗浄液として循環供給されるように洗浄液循環機構15cを設けてもよい。
分離機構18として、比重分離法や固液分離法を用いることができる。図5に示す分離機構18は比重分離法が採用され、洗浄槽13から引き抜かれた洗浄液を受け入れる受入槽18aと、洗浄液を受入槽18aの下方から上方へ導く案内板18bとを備えて構成されている。洗浄液よりも比重の小さな異物は案内板18bの下端を通過することなく受入槽18aに浮遊し、案内板18bの下端を通過した洗浄液のみが洗浄液循環機構15cによって洗浄液として循環供給されるようになる。固液分離法を採用した分離機構18として、ろ布やメッシュ等のフィルタ機構を用いたろ過方式を採用することができる。
尚、加熱機構16は洗浄槽に必ず設ける必要はなく、給液部15aから噴射供給する洗浄液を予め加熱する加熱機構を給液部15aの前段に設ければよい。例えば、受入槽18aに加熱機構を設けて、加熱された洗浄液を給液部15aに循環供給してもよい。
以下、ガス処理設備のその他の実施形態を述べる。
第一、第二の実施形態は何れも油分含有ガスを横方向に通流させ、洗浄位置が油分回収位置の下方に設けられた例を説明したが、油分含有ガスを縦方向に通流させ、洗浄位置を油分回収位置の側方に設けてもよい。
図6に示すように、例えば油分含有ガスがガス通流部2を上方から下方へ通流するように構成することができる。この場合、フィルタ部材10の上側が油分回収面となるため、洗浄液に浸漬して液面に油分を浮遊させることが容易である。
但し、水平方向に直線運動する位置変更機構11では予め洗浄槽13に満たされた洗浄液にフィルタ部材10を浸漬させることは困難であるため、位置変更ステップでフィルタ部材10を油分回収位置から洗浄位置へ位置変更し、洗浄槽13とガス通流部2の間をシール部材17によりシールした後に洗浄槽13に洗浄液を供給するように構成すればよい。
また、位置変更機構11にフィルタ部材10の油分回収面と背面とを反転させる回転機構を備え、油分回収位置で油分が付着した油分回収面が洗浄位置で下側に向くように反転させ、上方の背面側から下方に向けて洗浄液を噴射供給して油分を落下させてもよい。
図7に示すように、油分含有ガスがガス通流部2を下方から上方へ通流するように構成することもできる。この場合、フィルタ部材10の下側が油分回収面となるため、洗浄液を背面側からフィルタ部材10に噴射供給して汚れを直接落下させることが容易である。
同様に、位置変更機構11にフィルタ部材10の油分回収面と背面とを反転させる回転機構を備え、油分回収位置で油分が付着した油分回収面が洗浄位置で上側に向くように反転させ、洗浄液に浸漬させて油分を液面に浮遊させるように構成してもよい。
図8(a),(b)に示すように、上述したようなシリンダ機構を備えた位置変更機構11に替えて、電動機Mと電動機Mにより回転駆動される支軸で位置変更機構11を構成してもよい。電動機Mによって回転駆動される支軸にフィルタ部材10が取り付けられ、例えば支軸が180度回転すると、図8(a)に示す油分回収位置と図8(b)に示す洗浄位置との間で位置が切り替わるように構成してもよい。この場合にも、ガスの通流方向は任意に設計変更可能である。
図9(a),(b)に示すように、電動機Mと電動機Mにより回転駆動される支軸で位置変更機構11を構成し、円盤状に形成されたフィルタ部材10の中心に支軸を取り付けて、円盤状のフィルタ部材の回転軸心を挟んでそれぞれ異なる領域、例えば180度異なる領域にガス通流部2及び洗浄槽13が配置されるように構成してもよい。
電動機Mを連続的に駆動することでフィルタ部材10が油分回収位置から洗浄位置に連続的に位置変更され、或いは電動機Mをステップ的に駆動することでフィルタ部材10が油分回収位置から洗浄位置にステップ的に位置変更されるようになる。
上述した実施形態ではアルカリ洗浄液を用いてフィルタ部材10を洗浄する例を説明したが、アルカリ洗浄液に替えて所定温度範囲の温水を用いることも可能である。この場合、油分が洗浄液に浮かぶため、上述した比重分離法を用いて洗浄液と油分を容易に分離することができる。
上述した実施形態では、2台のガス処理設備1が排ガス流路に沿って直列に連設された態様を説明したが、2台以上の複数台を排ガス流路に沿って直列に連設してもよい。
また、図10に示すように、1台のガス処理設備1のガス通流部に2つのフィルタ部材10を直列に配設し、双方のフィルタ部材10を油分回収位置と洗浄位置との間で相補的に移動させるように構成してもよい。同様に、1台のガス処理設備1のガス通流部に3つ以上のフィルタ部材10を直列に配設して、少なくとも1つのフィルタ部材が油分回収位置に位置するように構成してもよい。
図11に示すように、汚泥乾燥設備100の排ガス流路に沿って2台のガス処理設備1を並列に設置し、それぞれのフィルタ部材10を油分回収位置と洗浄位置との間で相補的に位置切替えしてもよい。この場合、ガス処理設備1の上流側で排ガス流路を分岐し、下流側で合流するように構成するとともに、上流側の分離路にダンパ機構190を備え、何れか一方の分岐路に排ガスが流下するように切替えるとともに、排ガスが流下する分岐路に備えたガス処理設備1のフィルタ部材が油分回収位置に位置し、他方の分岐路に備えたガス処理設備1のフィルタ部材が洗浄位置に位置するように位置切替え機構を制御する制御装置を構成すればよい。
例えば、当該制御装置は、油分回収位置に位置する一方のフィルタ部材に対する差圧センサの出力が第1所定圧力になると、洗浄位置に位置する他方のフィルタ部材を油分回収位置に位置移動させた後にダンパ機構190を切替え、その後当該一方のフィルタ部材を油分回収位置から洗浄位置に位置移動させるように構成すればよい。
さらに、1台のガス処理設備1のガス通流部に2つのフィルタ部材10を並列に配設し、それぞれのフィルタ部材が汚泥乾燥設備100の排ガス流路の分岐路に位置するように設置し、双方のフィルタ部材を油分回収位置と洗浄位置との間で相補的に移動させるように構成してもよい。
上述した各種の実施形態を適宜組み合わせたガス処理設備を構成することも可能である。
尚、単一のフィルタ部材を備えた1台のガス処理設備を用いることも可能である。但し、その場合には、フィルタの洗浄時には油分回収ができないので、それを許容するか汚泥乾燥設備100を停止させるか二者択一になる。
上述の実施形態ではガス処理設備1が汚泥乾燥設備100に設置される場合を説明したが、本発明によるガス処理設備1は汚泥乾燥設備100以外の設備にも適用できることは言うまでもない。例えば、バイオマスのガス化プロセスや炭化プロセスで発生するガス、バイオマスの乾燥化プロセスで発生するガス、石炭の乾留プロセスで発生するガス等の油分含有ガスから油分を回収する必要があるガス処理設備として広く活用できる。
上述した実施形態では、ガス処理設備の上流側にデミスタを設置した態様を説明したが、デミスタは必ずしも設置する必要はない。また、ガス処理設備の下流側に排ガスに同伴する水分を除去するミストセパレータを設けてもよい。
上述した様々な実施形態は、本発明によるガス処理設備の一具体例を説明したに過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
寸法100mm×100mmのSUS316を素材とする金網(144メッシュ)を2枚重ねにして構成されたフィルタ部材模擬材にタールを約10g塗布したものを苛性ソーダ及び温水に浸漬し、油分としてのタールを分離する実験を行った。
図12に示した実験結果から、温度が40℃から60℃の範囲で、濃度5重量%の苛性ソーダ水溶液を洗浄液として用いて30分間洗浄すると、90%以上の分離率でタール除去効果が発現することが確認された。また、洗浄液に60℃の温水を用いて30分間洗浄すると、86%の分離率でタール除去効果が発現することも確認された。
種々の濃度範囲、温度範囲、時間範囲で洗浄実験を繰り返した結果、アルカリ洗浄液の濃度は1重量%以上15重量%以下の範囲が好ましく、3重量%以上7重量%以下がより好ましく、5重量%±1重量%に調製されていることがさらに好ましいこと、アルカリ洗浄液は10℃以上60℃以下の範囲に設定されていることが好ましく、30℃以上50℃以下がより好ましく、40℃±5℃の範囲がさらに好ましいことが明らかになった。
1:ガス処理設備
2:ガス通流部
10:フィルタ部材
11:位置変更機構
12:洗浄機構
13:洗浄槽
14:異物除去機構
14a:溢流機構
14b:異物導出機構
15:洗浄液供給機構
15a:給液部
15b:排液部
15c:洗浄液循環機構
15d:洗浄液補給部
16:加熱機構
18:分離機構

Claims (5)

  1. 油分含有ガスから油分を回収するフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄する洗浄機構とを備えているガス処理設備であって、
    前記フィルタ部材全体をガス通流部に配置してガスに同伴する油分を前記フィルタ部材で回収する油分回収位置と、前記フィルタ部材全体を前記洗浄機構に配置して回収した油分を前記フィルタ部材から分離する洗浄位置との間で、前記フィルタ部材の位置を変更する位置変更機構を備え、
    前記洗浄位置で前記フィルタ部材を洗浄液と接触させつつ前記フィルタ部材を加振する加振機構を備えているガス処理設備。
  2. 前記位置変更機構は前記油分回収位置と前記洗浄位置との間で前記フィルタ部材を進出駆動または引退駆動するシリンダ機構で構成され、
    前記洗浄位置で短距離での進出駆動と引退駆動を繰り返す前記シリンダ機構により前記加振機構が構成されている請求項1記載のガス処理設備。
  3. 前記洗浄機構は、前記洗浄位置で前記フィルタ部材全体を洗浄液に浸漬する洗浄槽を備えている請求項1または2記載のガス処理設備。
  4. 前記洗浄機構は、前記洗浄位置にある前記フィルタ部材に対して洗浄液に浸漬させることなく背面側から油分回収面側に向けて洗浄液を噴射供給する給液部を備えている請求項1または2記載のガス処理設備。
  5. 油分含有ガスから油分を回収するフィルタ部材と、前記フィルタ部材を洗浄する洗浄機構とを備えているガス処理設備の運転方法であって、
    前記フィルタ部材全体をガス通流部に配置してガスに同伴する油分を前記フィルタ部材で回収する油分回収位置と、前記フィルタ部材全体を前記洗浄機構に配置して回収した油分を前記フィルタ部材から分離する洗浄位置との間で、前記フィルタ部材の位置を変更する位置変更ステップを備え、
    前記洗浄位置で前記フィルタ部材を洗浄液と接触させつつ前記フィルタ部材を加振する加振ステップを備えているガス処理設備の運転方法。
JP2018099269A 2018-05-24 2018-05-24 ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法 Active JP6576509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018099269A JP6576509B2 (ja) 2018-05-24 2018-05-24 ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018099269A JP6576509B2 (ja) 2018-05-24 2018-05-24 ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271828A Division JP6345932B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 ガス処理設備、ガス処理設備の制御装置、及びガス処理設備の運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018134641A JP2018134641A (ja) 2018-08-30
JP6576509B2 true JP6576509B2 (ja) 2019-09-18

Family

ID=63365943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018099269A Active JP6576509B2 (ja) 2018-05-24 2018-05-24 ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6576509B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52115841A (en) * 1976-03-25 1977-09-28 Dainippon Toryo Co Ltd Equipment for recovering over-sprayed paint
JPH0599468A (ja) * 1991-10-04 1993-04-20 Toto Ltd レンジフード
JP2559360Y2 (ja) * 1992-07-01 1998-01-14 高砂熱学工業株式会社 オイルミスト除去装置
JP2000334233A (ja) * 1999-05-25 2000-12-05 Miyoshi:Kk フィルタエレメント洗浄装置
JP2004195631A (ja) * 2002-12-13 2004-07-15 Kinji Matsumoto オイルミスト回収装置
JP3856394B2 (ja) * 2004-03-29 2006-12-13 月島機械株式会社 タール含有排ガスの処理設備および排ガス処理におけるタール除去方法
JP4994709B2 (ja) * 2006-05-16 2012-08-08 株式会社パウレック 流動層装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018134641A (ja) 2018-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6345932B2 (ja) ガス処理設備、ガス処理設備の制御装置、及びガス処理設備の運転方法
CN106111618A (zh) 全自动超声波镍基导体材料清洗机
CN102089053A (zh) 压滤式脱水机的滤布的清洗方法及其装置
CN215692417U (zh) 一种转移印花烫布机废气处理装置
CN104353639A (zh) 带钢清洗系统
CN104353663A (zh) 一种具有出料除尘功能的土壤热脱附处理系统
JP4872729B2 (ja) 電気集塵機
CN113819475A (zh) 一种火电厂锅炉排烟余热回收利用系统
CN203494840U (zh) 用于耐腐蚀烟气余热换热器的在线循环清洗装置
CN112361407A (zh) 新型自动清洗抽油烟机
JP6576509B2 (ja) ガス処理設備及びガス処理設備の運転方法
KR102153748B1 (ko) 폐비닐류를 이용한 재생 펠릿 제조 시스템
CN104587722A (zh) 自清洗刮板排渣过滤器
JP2010201321A (ja) グリーストラップ内の汚水中の油脂分の回収方法および油脂分固化装置
US3683593A (en) Gas scrubber having tiltable grids and method of using
KR100740269B1 (ko) 기계부품용 초음파 자동세척기
CN110327706B (zh) 一种带废热回收利用的工业废气净化处理装置
JP4127656B2 (ja) 湿式バグフィルタ装置
CN218653816U (zh) 一种危废垃圾物焚烧用碱洗塔
CN218980909U (zh) 烟气降温除油系统
CN204034488U (zh) 全自动除油防堵VOCs净化洗涤塔
CN209013820U (zh) 一种方形横流式冷却塔的毛絮滤除装置
JP3856394B2 (ja) タール含有排ガスの処理設備および排ガス処理におけるタール除去方法
JP7103729B2 (ja) 不純物除去剤の再生システム
JP3594211B2 (ja) 生下水未利用熱活用システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6576509

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150