JP6576469B2 - 心不全の治療のためのサクビトリル−バルサルタンの用量計画 - Google Patents

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Description

本発明は、患者の心不全の治療のための新規な方法および医薬組成物、特に、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)と中性エンドペプチダーゼ阻害剤(NEPi)もしくはNEPiプロドラッグとの組合せの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、前記ARNiを少量の初期用量で1日2回投与し、その後1日2回の目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画に関する。
慢性心不全(CHF)は、顕著な死亡率、高頻度の入院、および劣悪な生活の質を特徴とする公衆衛生上の大きな問題であり、全体的な有病率は、世界中で増加している。米国(US)単独では、およそ500万人の患者が心不全(HF)を有し、新規診断症例は年間50万例を超える。欧州では、HFの有病率は2〜3%の間であり、高齢者の有病率は、10〜20%と推定される。
LVEFが低いHFの転帰改善を目標とした薬物療法が、過去20年にわたり十分に研究され、生存率の改善、および罹患率の減少につながり、その多くは、HFによる再入院の減少の形態であった。これらの薬物療法としては、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、β遮断薬およびミネラルコルチコイド拮抗薬が挙げられる。
しかし、薬理学(および装置療法)の進歩にも関わらず、展望は乏しいままである。患者全体の50%が4年以内に死亡し、HFで病院に入院中の患者の40%が1年以内に死亡または再入院している。したがって、HFは、依然として、心臓関連の死亡率および罹患率の主な原因に相当し、良好な療法が明らかに必要とされている。
LCZ696は、CHFの治療用に開発中の新規クラスのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)である。摂取後、LCZ696は、サクビトリル(AHU377;(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチル−ペンタン酸エチルエステル、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルとも称される)、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ24.11、NEP)阻害剤(NEPi)およびバルサルタン、ARBへのモル比1:1での全身曝露をもたらす。AHU377は、エステラーゼを介してさらに代謝され、活性NEPi、LBQ657になる。ネプリライシンは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)およびC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)を含む、生物学的に活性なナトリウム利尿ペプチド(NP)を分解する。NEP阻害剤の効果は、生物学的に活性なNPの増強効果に起因する。セカンドメッセンジャーである環状グアノシン一リン酸を介して作用するNPは、強力なナトリウム利尿特性および血管拡張特性を有し、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS)の活性を阻害し、交換神経活動を低下させ、抗線維化および抗肥大効果を有する。アンジオテンシン受容体の遮断は、特異的であり、心血管系でアンジオテンシンIIの有害作用を媒介する、アンジオテンシン1型(AT1)受容体と競合する。LCZ696は、その二重の作用様式により、AT1受容体の遮断を介してRASを阻害しながら、NEPの阻害を介してNPを増強する。これらの機構はいずれも、補完的および相加的に作用し、HF患者の罹患率および死亡率を改善すると考えられる。
心血管系死およびHF−rEF患者のHFによる入院を低減するLCZ696の臨床効果を、LCZ696B2314 PARADIGM−HF研究で評価した。PARADIGM−HF研究には、単盲検能動的導入相(single-blind, active run-in phase)が組み込まれ、それは、長期にわたる研究中、患者の大半が研究薬の目標用量を維持することが保証されるような設計であった。単盲検能動的導入相に参加した患者は、エナラプリル10mg bid、次いでLCZ696 100mg bid、次いでLCZ696 200mg bidを服用した。無作為化のため、患者は研究目標用量(10mg bid)のエナラプリルおよび研究目標用量(200mg bid)のLCZ696に少なくとも2週間耐性がなくてはならない。しかし、PARADIGM−HF研究設計に含まれる能動的導入相(エナラプリル、次いでLCZ696の逐次使用)では、医師が臨床業務において、特に、現在、低用量のACEIもしくはARBを服用している患者、またはACEI/ARB−未投与の患者に対してLCZ696療法をどのように開始すべきであるかについての情報が限られていた。
したがって、LCZ696(モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタン)の投与および漸増(up-titration)に関する指針を提供する必要があった。
本明細書に開示する化合物および医薬組成物としては、高血圧症および/または心不全の治療に潜在的に有用な新規薬物候補が挙げられる。このような化合物または医薬組成物は、国際公開第2003/059345号パンフレット、国際公開第2007/056546号パンフレット、国際公開第2009/061713号パンフレットおよび国際公開第2014/029848号パンフレットに既に開示されており、これらは本明細書に参考として援用される。
驚くべきことに、サクビトリルおよびバルサルタン(例えば、LCZ696)(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画により、目標用量が患者の大部分で安全に達成され得ることが示された。
低用量のACEI/ARBを服用していた患者(即ち、低RAAS層)において、高用量のACEI/ARBを服用していた患者よりも、段階的に漸増した場合、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタン(例えば、LCZ696)での治療成功率はさらに改善された。低RAAS層の患者の治療成功率は、6週間にわたり段階的に漸増した患者では、3週間にわたり短縮漸増(condensed up-titration)した患者と比較して10%高かった(85%)。この差は、大抵の場合、低血圧症、高カリウム血症および腎機能障害によるものであった。一方で、驚くべきことに、漸増速度(3週間対6週間)に関わらず、高RAAS層患者の治療成功率には差がなかった。
したがって、第1の実施形態において、本発明は、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量を、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画に関する。
その一実施形態において、患者はヒト患者である。
その別の実施形態において、式(I)の化合物は、トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)である。
別の実施形態において、本発明は、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量を、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達し、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量の1日2回の投与が、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、心不全の治療計画に関する。
別の実施形態において、本発明は、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達し、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量で1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、心不全の治療計画に関する。
別の実施形態において、本発明は、患者における心不全の治療において使用するための、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量に関する。
別の実施形態において、本発明は、患者における心不全の治療のための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用であって、薬剤が、200mgを1日2回投与する目標用量のサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)を含み、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日1回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用に関する。
定義
本明細書全体を通じて、および以下に続く特許請求の範囲において、以下の用語は、別途明記されない限り、以下の意味を有するものとして定義される。
「予防」という用語は、本明細書に記載する状態の発症を予防するための健康な対象への予防的投与を指す。さらに、「予防」という用語は、治療されるべき状態の前段階にある患者への予防的投与を意味する。
「治療」という用語は、疾患、状態または障害に対抗するための患者の管理およびケアと理解される。
「治療有効量」という用語は、研究者または臨床医により求められている、組織、系統または動物(ヒトを含む)の所望の生物学的および/または医学的応答を誘発する薬物または治療薬の量を指す。
「患者」という用語は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ウサギおよびマウスを含むが、これらに限定されない。好ましい患者はヒトである。
化合物「の投与」およびまたは「を投与する」という用語は、本発明の化合物またはその薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、またはそのプロドラッグを、治療を必要とする対象に提供することを意味すると理解されるべきである。本治療方法を実施するための本発明の組成物の投与は、組成物中の化合物の治療有効量をこのような治療または予防を必要とする対象に投与することにより行われる。本発明の方法による予防的投与の必要性は、周知のリスク因子の使用により決定される。個々の化合物の有効量は、症例の担当医により最終的な分析で決定されるが、治療されるべきまさにその疾患、疾患の重症度および患者が罹患している他の疾患または状態、選択された投与経路、患者が同時に必要とし得る他の薬物および治療、ならびに医師の判断内の他因子などの因子に依存する。
本明細書で使用する「予防的有効量」という用語は、心房拡大および/またはリモデリングを特徴とするおよび/または呈する疾患の発症を予防するために、研究者、獣医、医師または他の臨床医により求められている、組織、系統、対象またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する、組成物中の活性化合物の量を意味する。
本明細書で使用する「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応および他の問題となる合併症を伴うことなく、哺乳動物、とりわけヒトの組織との接触に適し、妥当な損益比に見合う、化合物、材料、組成物および/または剤形を指す。
ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類は、心不全症状の重症度を4つの心機能度の1つとして類別している。NYHA分類は、治療への反応を評価し、管理を導くために使用できる、重症度の標準的な説明を提供するので、臨床診療および研究で広範に用いられている。症状の重症度および身体活動に基づくニューヨーク心臓協会心機能分類:
I度:身体活動に制限なし。通常の身体活動では、過度の息切れ、疲労または動悸を引き起こさない。
II度:身体活動の軽度の制限。安静時には快適だが、通常の身体活動により、過度の息切れ、疲労または動悸が引き起こされる。
III度:身体活動に顕著な制限。安静時には快適だが、通常未満の身体活動により、過度の息切れ、疲労または動悸が引き起こされる。
IV度:不快感なしにあらゆる身体活動を行うことができない。安静時でも症状が認められ得る。任意の身体活動を行うと不快感が高まる。
エンドポイントの選択:心血管系死および心不全による入院はいずれも、心不全症候群の進行性の悪化と関連し、収縮期心不全の患者が経験する疾患特異的エンドポイントを反映する。これらのエンドポイントは、この状態を改善する治療により修正でき、これは、ACEI、アルドステロン拮抗薬およびβ遮断薬などの薬物、ならびに心臓再同期療法用の装置に当てはまることが一般に証明されている。
本発明の文脈において、「モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタン」という用語は、
a)トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)または
b)治療有効量のモル比1:1の
i)バルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩、および
ii)サクビトリルもしくはその薬学的に許容される塩
を含む組合せ
である、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)を指す。
研究設計を示す図。
本発明は、臨床試験TITRATION(実施例の項参照)に基づき、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始した患者の大部分が、12週間にわたり任意の用量中断または漸減(down-titration)なしに、200mgを1日2回投与する目標用量を達成および維持したことを示した。以前にACE阻害剤またはARB療法を受けたことがないか、または低用量療法(エナラプリル<10mg/日に相当)を受けていた多くの患者は、6週間または3週間にわたり漸増したとき、200mgの目標用量を達成および維持することができた。
したがって、本発明は以下に関する:
治療方法
実施形態1:本発明は、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画を包含する。
2〜20の番号が付けられた以下の実施形態で本発明をさらに説明する。
2.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
3.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態2に記載の心不全の治療計画。
4.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
5.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態4に記載の心不全の治療計画。
6.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、実施形態2または3に記載の心不全の治療計画。
7.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態2に記載の心不全の治療計画。
8.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、実施形態7に記載の心不全の治療計画。
9.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
10.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態4または5に記載の心不全の治療計画。
11.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、実施形態10に記載の心不全の治療計画。
12.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
13.患者がヒト患者である、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
14.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
15.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
16.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
17.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
18.患者が、継続的な用量(stable dose)のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
19.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
20.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
実施形態1に記載の心不全の治療計画。
前記の別の実施形態において、患者はヒト患者である。
前記の別の実施形態において、慢性収縮期心不全に罹患している患者、特に駆出率低下型慢性収縮期心不全を有する患者は、
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する。
さらに、患者は、
iv)過去12か月以内の心不全による入院歴、
v)エナラプリル≧10mg/日の用量での継続的なACE阻害剤またはARB+β遮断薬(禁忌または不耐性でない場合)+アルドステロン拮抗薬(適応がある場合)
vi)収縮期血圧≧95mmHg
vii)eGFR≧30ml/分/1.73m、および
viii)血清K≦5.4mEq/L
のうちの1つまたは複数を特徴とし得る。
前述の別の実施形態において、患者は、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される心不全を有し、収縮機能障害を有する。別の実施形態において、患者は、NYHA II度に分類される心不全を有する。更なる実施形態において、患者は、収縮機能障害を伴うNYHA II度に分類される心不全を有し、≦35%の左室駆出率(LVEF)の低下を有する。
本発明による予防および治療方法についての前記実施形態はすべて、以下に等しく適用される:
- 本発明による使用のための医薬を製造するための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)の使用、
- 本発明による本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)の使用、
- 本発明による使用のための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)、
- 本発明による使用のための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物、
- 本発明による本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物の使用、および
- 本発明による使用のための医薬を製造するための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物の使用。
これらの態様の一部を、以下でより詳細にさらに説明するが、この説明は、限定として解釈されるべきではない。
使用のための化合物または組合せ
別の態様において、本発明は、以下の実施形態20に関する。
患者における心不全の治療において使用するための、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、1日2回の目標用量。
22〜40の番号が付けられた以下の実施形態で本発明をさらに説明する。
22.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者の心不全の治療での使用のための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
23.前記用量にはサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22に記載の1日2回の目標用量。
24.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
25.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態24に記載の1日2回の目標用量。
26.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22または23に記載の1日2回の目標用量。
27.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22に記載の1日2回の目標用量。
28.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態27に記載の1日2回の目標用量。
29.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
30.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態4または5に記載の1日2回の目標用量。
31.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態30に記載の1日2回の目標用量。
32.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
33.患者がヒト患者である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
34.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
35.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、患者の心不全における治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
36.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
37.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
38.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
39.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
40.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
医薬を製造するための使用
別の態様において、本発明は以下の実施形態41に関する。
41.患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用であって、前記薬剤が、200mgを1日2回投与する目標用量のサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)を含み、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
42〜61の番号が付けられた以下の実施形態で本発明をさらに説明する。
42.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
43.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態42に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
44.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
45.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態44に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
46.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、実施形態42または43に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
47.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態42または43に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
48.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、実施形態47に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
49.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
50.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態44または45に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
51.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上に相当する、実施形態50に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
52.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
53.患者がヒト患者である、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
54.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の左室駆出率(LVEF)の低下
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
55.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
56.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
57.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
58.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
59.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、および任意にアルドステロン拮抗薬での基礎的治療を受ける、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
60.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
61.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
実施形態41〜51のいずれかに記載の患者の心不全の治療のための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
本発明による使用のための化合物および組合せ、ならびに医薬組成物
前記方法で用いられる本発明の「モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタン」は、
a)化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)または
b)モル比1:1の
i)バルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩、および
ii)サクビトリルもしくはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物
の形態で提供される。
サクビトリルはN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルのINNである。これは、(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチルペンタン酸のプロドラッグである。
好ましい実施形態において、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物は結晶形態で存在する。
別の実施形態において、組合せはモル比1:1の
(i)バルサルタン、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩、例えば、ナトリウムもしくはカルシウム塩
を含む。
好ましい実施形態において、本発明は、治療有効量のトリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(化合物LCZ696)を含む、使用のための医薬組成物を包含する。このような化合物および医薬組成物は、国際公開第2007/056546号パンフレットおよび国際公開第2009/061713号パンフレットに既に開示されており、その調製上の教示は本明細書に参考として援用される。
本発明の更なる実施形態において、本発明による使用のための医薬組成物は、トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)を含み、投与時にNEP阻害剤プロドラッグサクビトリルおよびアンジオテンシン受容体遮断薬バルサルタンを同時に患者に送達する。
その使用すべてに関する本発明の一実施形態において、医薬組成物は、NEP阻害剤プロドラッグサクビトリル、即ちN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル、またはNEP阻害剤N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸、またはそれらの薬学的に許容される塩、およびアンジオテンシン受容体遮断薬バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩を含む。このような組合せは、例えば国際公開第2003/059345号パンフレットに開示されており、これは本明細書に参考として援用される。
一実施形態において、医薬組成物は、NEP阻害剤プロドラッグサクビトリル、即ち、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル、またはNEP阻害剤N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸、またはその薬学的に許容される塩、およびアンジオテンシン受容体遮断薬バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩をモル比1:1で含む。
(i)バルサルタンもしくは(S)−N−バレリル−N−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−メチル}−バリン)またはその薬学的に許容される塩は、商業的供給源から購入してもよく、または例えば米国特許第5399578号明細書および欧州特許第0443983号明細書に記載の公知の方法により調製してもよく、その調製上の教示は、本明細書に参考として援用される。バルサルタンは、その遊離酸の形態、および任意の適当な塩形態で、本発明のある種の実施形態において用いられ得る。状況に応じて、カルボキシル基のエステルまたは他の誘導体、ならびにテトラゾール基の塩および誘導体が用いられ得る。
(ii)サクビトリル、即ち、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステル、または(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチル−ペンタン酸は、米国特許第5217996号明細書に記載の公知の方法で調製され得、これは本明細書に参考として援用される。
対応する有効成分またはその薬学的に許容される塩は、水和物の形態で用いられてもよく、または結晶化に用いられる他の溶媒を含んでいてもよい。
本発明による医薬組成物は、それ自体公知の方法で調製でき、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、例えば経口または直腸投与、および非経口投与に適したものであり、治療有効量の薬学的に活性な化合物を単独で、または1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、とりわけ経腸もしくは非経口適用に適したものと組合せて含む。
本発明の医薬製剤は、有効成分を例えば、約0.1〜約100%、例えば、80%もしくは90%、または約1%〜約60%含有する。各事例において、本明細書で使用する「約」または「およそ」という用語は、所定の値または範囲の10%以内、より好ましくは5%以内の意味を有するものとする。
経腸または非経口投与のための本発明による医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル、バー、サシェ、顆粒、シロップ、水性または油性懸濁液または坐剤、およびさらにはアンプルなどの単位剤形のものである。これらは、それ自体公知の方法、例えば、従来の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥法により調製される。したがって、経口使用の医薬製剤は、有効成分と固体担体とを合せ、所望される場合、得られた混合物を造粒し、所望される場合または必要な場合、適当な賦形剤の添加後、混合物または顆粒を処理し、錠剤または糖衣錠コアにすることによって得られ得る。
錠剤は、公知の方法での混合物の錠剤化を可能にするために、充填剤、例えば、リン酸カルシウム、崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、結合剤、例えば、微結晶性セルロースまたはポリビニルピロリドン、および当技術分野で公知の他の任意選択の成分を含む活性化合物から形成され得る。同様に、追加の賦形剤を含むまたは含まない活性化合物を含有するカプセル、例えば、硬または軟ゼラチンカプセルは、公知の方法で調製され得る。カプセルの内容物は、活性化合物の徐放を得るために、公知の方法で配合され得る。
経口投与のための他の剤形としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの非毒性懸濁化剤の存在下で、水性媒体中に活性化合物を含有する水性懸濁液、および適当な植物性油、例えば、ラッカセイ油に活性化合物を含有する油性懸濁液が挙げられる。
活性化合物は、追加の賦形剤を含むまたは含まない顆粒に配合されてもよい。顆粒は、患者により直接摂取されてもよく、または摂取前に適当な液体担体(例えば、水)に添加されてもよい。顆粒は、液体媒体への分散を促進するために、崩壊剤、例えば、酸と炭酸塩または重炭酸塩からなる発泡性ペアを含有し得る。
組成物の有効成分の用量は、当然ながら、治療される状態の重症度の性質、ならびに組成物中の特定の化合物およびその投与経路で異なる。それは、個々の患者の年齢、体重および応答によっても異なる。
医薬組成物が、本発明の状況で使用するための医薬組成物中にトリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)を含む実施形態において、治療薬サクビトリルとバルサルタンを合せた単位用量は、1日当たり約1〜約1000mg、例えば、40mg〜400mg(例えば、50mg、100mg、200mg、400mg)の範囲である。あるいは、より低用量、例えば、1日当たり0.5〜100mg、0.5〜50mg、または0.5〜20mgの用量が投与される場合もある。注記すると、2つの薬剤サクビトリルおよびバルサルタン100mgを送達するLCZ696 100mgの単位用量は、トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物113.1mgに相当する。それに対応して、200mgの単位用量は、トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物を226.2mg必要とし、400mgの単位用量は、それを452.4mg必要とする。
医薬組成物の組合せ中の個々の化合物(i)/(ii)の合計用量は、約1〜約1000mg、例えば40mg〜400mgの範囲であり、5mg、20mg、25mg、40mg、50mg、80mg、100mg、200mg、400mg、800mgおよび1000mgを含むが、これらに限定されない。化合物(i)/(ii)のこのような用量は、治療有効量または用量強度と考えられ得る。医薬組成物中の各化合物の量比は、心血管系ベネフィットを依然として提供しながら、最適な腎臓保護を実現するために、好ましくはモル比約1:1である。好ましい実施形態において、個々の化合物(i)/(ii)の用量は、LCZ696を50mg、100mg、200mgまたは400mgの用量で含む医薬組成物と同様の分子量に相当する。例えば、LCZ696 200mgの用量は、バルサルタン103mgおよびサクビトリル97mgにおよそ相当する。
式(I)の化合物(例えば、化合物LCZ696)、または化合物(i)/(ii)を含有する医薬組成物は、1日当たり任意の回数、即ち、即時放出構成では1日1回(q.d.)、2回(b.i.d.)、3回、4回など、または持続放出もしくは徐放構成の場合は少ない頻度で投与され得る。好ましくは、医薬組成物は1日2回(b.i.d.)投与される。対応する用量は、例えば午前、日中または夕方に服用され得る。
以下の実施例は、例示的であり、本明細書に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
2つのタイトレーション計画を比較して、心不全患者でのLCZ696の開始の安全性および忍容性を評価するための多施設、無作為化、二重盲検、並行群間研究
研究薬LCZ696
LCZ696は、超分子複合体トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物を指す。この化合物およびその医薬組成物は、国際公開第2007/056546号パンフレットおよび国際公開第2009/061713号パンフレットに既に開示されており、その調製上の教示は、本明細書に参考として援用される。
LCZ696は、新規クラスのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤であり、NEP(中性エンドペプチダーゼEC3.4.24.11)阻害剤プロドラッグサクビトリル(INN、AHU377およびN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルとしても知られる)およびアンジオテンシン受容体遮断薬バルサルタンの分子部分を単一の化合物として含む。サクビトリルは、酵素的切断により代謝され、心房性ナトリウム利尿ペプチドの分解に関与する主要な酵素である、中性エンドペプチダーゼの活性阻害剤LBQ657(N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸)になる。
全体的な研究設計
これは多施設、無作為化、二重盲検、並行群間研究であり、左室駆出率(LVEF)≦35%により定義される駆出率低下型心不全患者(ニューヨーク心臓協会[NYHA]II〜IV度)でのLCZ696の開始の安全性および耐性が評価された。LCZ696の目標用量200mg bidへの3週間または6週間の漸増計画を評価した。この研究は、(1)およそ1週間続く非盲検LCZ696導入相、および(2)およそ11週間続く二重盲検無作為化相の2つの主な相で構成されていた。登録患者を、RAAS阻害の研究前レベル(高/低)に基づき層化した。
研究目的
主目的
報告された有害事象および実験室評価に基づく12週間にわたる3週間および6週間の漸増計画によりHFrEF患者でのLCZ696の開始の安全性および耐性を特徴づけること。
二次目的
二次目的は
・ 12週間にわたり任意の用量中断または漸減なしに、LCZ696 200mg bidを達成および維持したものとして定義される、治療成功を達成した2つの治療群の患者の割合を評価すること、
・ 過去の用量中断または漸減にかかわらず、LCZ696 200mg bidの計画に少なくとも2週間耐性があり、研究終了に至った患者の割合を評価すること
であった。
研究設計
これは、HFrEFを有する外来患者と入院中の患者(入院患者)の両方における2つの漸増計画を比較してLCZ696の安全性および耐性を評価するために行われた、多施設、無作為化、二重盲検、並行群間研究であった。
患者を、以下の通りRAAS阻害レベルに基づき層化した:
・ 高RAAS層:スクリーニング時にバルサルタン>160mgもしくはエナラプリル1日総量>10mg、または当量の他のARB/ACEIを各々服用していた患者、
・ 低RAAS層:スクリーニング時にバルサルタン≦160mgもしくはエナラプリル1日総量≦10mg、または当量の他のARB/ACEIを各々服用していた患者。この層には、スクリーニングの4週間前にACEIまたはARBを服用していなかった患者(即ち、ACEI/ARB未投与の患者)も含まれた。
無作為化された患者の少なくとも25%(50%以下)が、低RAAS阻害層になる予定であった。非代償性HFで入院中の患者を、該患者が入院中に服用した直近のACEIまたはARB耐性用量に応じて、低または高RAAS阻害層のいずれかに参加させた。
この研究は3相で構成されていた:図1参照。
(1)およそ1週間続く、スクリーニング相
(2)およそ1週間(Day1〜5)続く、非盲検LCZ696導入相
(3)およそ11週間続く、無作為化相。
スクリーニング相
スクリーニング相中の訪問1で、書面によるインフォームドコンセントを提出した全患者を、研究に参加する適格性について評価した。適格性に必要とされる左室駆出率(LVEF)の測定値は、過去12か月以内に行われた局所的な心エコー、MUGA(マルチゲート収集法)スキャン、CT(コンピューター断層撮影)スキャン、MRI(磁気共鳴断層撮影)スキャンまたは心室造影に基づくものであったが、但し、その後の測定値が>35%でないこととした。過去12か月以内のLVEF測定値を利用できない場合、患者は、スクリーニング相中、即ち、研究薬物の摂取開始前に得られたLVEF≦35%に基づき試験に参加できた。患者が埋込型心臓再同期療法(CRT)装置を有する場合、研究を受ける資格を得るために用いられるLVEF値は、装置が埋め込まれてから少なくとも3か月後までに得られたものでなくてはならなかった。
入院患者と外来患者の両方が、この研究に参加する適格性を有していた。スクリーニング時にすべての適格基準を満たした患者は、非盲検LCZ696導入相に参加する適格性を有しており、訪問2に進んで、研究薬物の服用を開始した。ACEIを使用していた患者は、研究責任医師(study investigator)の監督下でこの薬物を中止し、訪問2に参加する前に36時間のACEI除去洗浄期(ACEI-free washout period)に入る必要があった。
非盲検LCZ696導入相
すべての参加基準を満たし、ACEI除去洗浄期(必要な場合)を終了した患者は、訪問1後およそ1週間以内に、訪問2に参加した。訪問2では、患者は非盲検LCZ696 50mg bidの服用を開始した。適格性のある入院中の患者も、入院中および退院前に、研究薬物を服用した。患者は、研究薬物に置き換えられたACEIおよびARBを除く基礎HF療法(background HF therapy)に加えて研究薬物を服用した。
患者は、5±2日後に再訪し、訪問3/777(無作為化訪問)に参加することが求められた。
無作為化相
訪問3/777では、LCZ696 50mg bidの安全性および耐性を評価した(以下の表参照)。表に列挙した基準に従ってLCZ696 50mg bidに耐性がなかった患者は、研究を中断し、導入失敗とみなされた。
非盲検導入を成功裏に終了し、LCZ696 50mg bidに耐性があった患者は、無作為化され、1:1の比の2つの異なるタイトレーションスキームのうちの1つで二重盲検LCZ696を服用した。該患者については、次の2週間にわたり200mg bidに漸増してもよく(短縮タイトレーション)、または次の5週間にわたり200mg bidに漸増してもよかった(保守的タイトレーション)。
訪問3/777では、短縮漸増治療群に無作為化された患者については、LCZ696 100mg bidに漸増し、保守的漸増治療群に無作為化された患者は、LCZ696 50mg bidを引き続き服用した。
訪問3/777の2週間後、訪問4では、表の安全性基準に従って研究薬物に耐性があると責任医師が判断した患者については、次の用量レベルまで漸増した。短縮漸増治療群の患者は、LCZ696 200mg bidを服用し、保守的漸増治療群の患者は、LCZ696 100mg bidを服用した。
患者は3週間後に再訪し、訪問5に参加した。表の安全性基準に従って研究薬物に耐性があると責任医師が判断した患者は、上に概説したタイトレーション計画をさらに続けた。短縮漸増治療群の患者は、LCZ696 200mg bidを引き続き服用し、保守的漸増治療群の患者については、LCZ696 200mg bidに漸増した。
患者は3週間後に再訪し、訪問6に参加した。表の安全性基準に従って研究薬物に耐性があると責任医師が判断した患者は、LCZ696 200mg bidを引き続き服用し、3週間後に再訪し、訪問778/研究終了(EoS)に参加し、最終安全性評価を受けることが求められた。
(併用薬物の変更にも関わらず)任意の無作為化後訪問時に投与していた研究薬物の用量削減または中断が必要であると責任医師が判断した患者は、治療失敗とみなされた。該患者については、責任医師の判断による用量レベルで非盲検LCZ696に切り替えた。治療失敗の患者は、スケジュール通り、残りの研究訪問に参加することが期待され、その患者の用量は、少なくとも連続2週間および訪問778/EoSまで、目標用量(LCZ696 200mg bid)を達成および維持する全体目標と共に責任医師の判断に基づき変更された。
無作為化相中、患者は、研究薬物自体に置き換えられたACEIおよびARBを除く基礎HF療法に加えて研究薬物を服用した。患者が割り当てられた試験薬物を試験の間維持するためにあらゆる試みがなされた。
各訪問時、患者の薬物治療コンプライアンスならびに研究薬物の安全性および耐性が評価され、これは低血圧症の徴候および症状、カリウム濃度の上昇および腎機能低下を含むが、これらに限定されない。しかし、責任医師の見解において、患者が割り当てられた研究薬物に耐性がなかった場合、責任医師は、患者に治療失敗を宣告し、続いて非盲検研究薬物に切り替える前に、耐性を管理するために、非疾患修飾薬物(例えば、CCB、利尿薬、硝酸塩、α遮断薬)を削減できるか否かを検討できた。他の疾患修飾薬物が副作用の原因である可能性が最も高いと考えられる場合、責任医師は、他の疾患修飾薬の用量を調整することもできた。
患者
何らかの評価が行われる前に、書面でのインフォームドコンセントを得た。
この研究に参加する適格性を有する患者は、以下に列挙する以下の基準すべてを満たす必要がある:
1.入院患者または外来患者のいずれかである18歳以上の男性および/または女性、
2.慢性心不全(CHF)NYHA II〜IV度の診断、
3.スクリーニング時の左室駆出率(LVEF)≦35%(心エコー、MUGA、CTスキャニング、MRIまたは心室造影により過去12か月以内に行われた任意の局所測定値が受け入れられたが、但し、その後の測定値が>35%でないこととした)。
4.以下の基準のうちの1つを満たす:
・ ACEI/ARB未投与の患者、即ち、スクリーニングの少なくとも4週間前にACEIまたはARBを服用していなかった患者。
・ ACEIまたはARBでの治療を受けていた外来患者については、用量が、スクリーニングの少なくとも2週間前に安定用量でなくてはならなかった。
・ 入院中の患者(入院患者)については、スクリーニング時、ACEI/ARBを服用していなかったか、または耐性用量のACEIまたはARBを服用していた。
5.禁忌または不耐性でない限り、β遮断薬での治療を受けていた患者(その薬物が不在の場合、理由を文書化する必要がある)
6.アルドステロン拮抗薬も、腎機能、血清カリウムおよび耐性を考慮しながら、全患者で検討されるべきであった。投与される場合、アルドステロン拮抗薬の用量は、指針の推奨および患者の耐性に従って最適化されるべきであった。指針で推奨されるように、心臓再同期療法および特定の患者の埋込型除細動器など、HFに対する他の根拠に基づく療法も検討されるべきであった。
治療群
患者を、以下に示す1:1の比の以下の2つの治療群のうちの1つに割り当てた:
・ 短縮漸増:3週間(導入相を含む)にわたるLCZ696 50mg bidから200mg bidへの漸増。
・ 保守的漸増:6週間(導入相を含む)にわたるLCZ696 50mg bidから200mg bidへの漸増。
参照
研究設計および手順は、www.clinicaltrials.gov、研究番号NCT01922089に見出すことができ、これは本明細書に参考として援用される。
結果
概要
AEと関係のない理由で中止した患者を除く、無作為化された患者の81%が、12週間の研究期間全体にわたり任意の漸減または用量中断なしに、目標のLCZ696 200mg bid用量を達成し、85%が、研究終了の少なくとも2週間前にLCZ696 200mg bidの目標用量を服用していた。用量調節/中断または永久的中止の最も一般的な理由は、低血圧症、腎機能障害または高カリウム血症に関連したAEであった。
無作為化期中、低RAAS層患者において、より段階的に漸増した場合、該患者は高い割合でLCZ696 200mg bidの目標用量を達成し、12週間にわたり用量調節/中断がなかった。ACEI/ARB未投与であるか、または以前に低レベルのRAAS療法を受けていた患者では、3週間にわたり漸増した患者の74%と比較して、6週間にわたり漸増した患者の85%が、LCZ696 200mg bidの目標用量を達成し、12週間にわたり用量調節/中断がなかった。この差は、低血圧症、腎機能障害または高カリウム血症に関連したAEが少ないことによるものであった。以前に高レベルのRAAS療法を受けていた患者の83%が、12週間にわたり任意の用量調節/中断なしに、LCZ696 200mg bidの目標用量を達成し、漸増速度(3週間対6週間)による差はなかった。ACEI/ARM未投与の患者の治療成功率においては、漸増計画間で大きな差はなかった。
結論
導入期と無作為化期の両方にわたり、12週間にわたり任意の用量調節または中断なしにLCZ696 200mg bidの目標用量を達成した患者の割合は、AE以外の理由による中止を除いた場合、76%であり、少なくとも1回量の研究薬を服用した患者総数に対して70%であった。
低用量層では、LCZ696をより段階的に漸増した場合、治療成功率がより高かった。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgの1日2回の目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画。
[2] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[3] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[2]に記載の心不全の治療計画。
[4] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を投与するタイトレーション後に達する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[5] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[4]に記載の心不全の治療計画。
[6] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、[2]または[3]に記載の心不全の治療計画。
[7] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[2]に記載の心不全の治療計画。
[8] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、[7]に記載の心不全の治療計画。
[9] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[10] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[4]または[5]に記載の心不全の治療計画。
[11] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、[10]に記載の心不全の治療計画。
[12] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、[1]に記載の心不全の治療計画。
[13] 前記患者がヒト患者である、[1]に記載の心不全の治療計画。
[14] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[15] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[16] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、[1]に記載の心不全の治療計画。
[17] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、[1]に記載の心不全の治療計画。
[18] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、[1]に記載の心不全の治療計画。
[19] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、[1]に記載の心不全の治療計画。
[20] a)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
[1]に記載の心不全の治療計画。
[21] 患者における心不全の治療において使用するための、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、1日2回の目標用量。
[22] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[23] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[22]に記載の1日2回の目標用量。
[24] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[25] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[24]に記載の1日2回の目標用量。
[26] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[22]または[23]に記載の1日2回の目標用量。
[27] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[22]に記載の1日2回の目標用量。
[28] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、[27]に記載の1日2回の目標用量。
[29] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[30] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[4]または[5]に記載の1日2回の目標用量。
[31] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、[30]に記載の1日2回の目標用量。
[32] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[33] 前記患者がヒト患者である、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[34] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[35] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[36] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[37] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[38] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[39] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[40] a)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[41] 患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用であって、前記薬剤が、200mgの1日2回の目標用量のサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)を含み、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与し、200mgの目標用量を1日2回、約2〜約8週間投与して増量するタイトレーション後に達する、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[42] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いで約サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[43] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[42]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[44] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[45] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[44]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[46] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、[42]または[43]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[47] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[42]または[43]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[48] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、[47]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[49] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[50] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[44]または[45]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[51] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、[50]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[52] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[53] 前記患者がヒト患者である、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[54] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[55] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[56] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[57] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[58] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[59] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、および任意にアルドステロン拮抗薬での基礎的治療を受ける、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[60] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[61] a)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。

Claims (16)

  1. 患者における心不全を治療するための、サクビトリルおよびバルサルタンを1:1のモル比で含む医薬組成物であって、サクビトリルおよびバルサルタンは、200mgの目標用量を1日2回投与され、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達し、
    (i)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものであるか、あるいは
    (ii)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものであ前記低用量のACE阻害剤またはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、
    医薬組成物。
  2. 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記患者がヒト患者である、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記患者が
    i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
    ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
    iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
    の特徴のうちの少なくとも1つを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
    (i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
    (ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
    を含む医薬組成物の形態で送達される、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、請求項1〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. a)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
    b)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
    c)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記タイトレーションが、低血圧症のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 前記タイトレーションが、高カリウム血症のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 前記タイトレーションが、腎臓有害事象のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 目標用量に到達するまでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mgの用量および100mgの用量を1日2回投与することを含む、全漸増期間が、およそ6週間継続する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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