JP6576469B2 - 心不全の治療のためのサクビトリル−バルサルタンの用量計画 - Google Patents
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Description
本明細書全体を通じて、および以下に続く特許請求の範囲において、以下の用語は、別途明記されない限り、以下の意味を有するものとして定義される。
I度:身体活動に制限なし。通常の身体活動では、過度の息切れ、疲労または動悸を引き起こさない。
II度:身体活動の軽度の制限。安静時には快適だが、通常の身体活動により、過度の息切れ、疲労または動悸が引き起こされる。
III度:身体活動に顕著な制限。安静時には快適だが、通常未満の身体活動により、過度の息切れ、疲労または動悸が引き起こされる。
IV度:不快感なしにあらゆる身体活動を行うことができない。安静時でも症状が認められ得る。任意の身体活動を行うと不快感が高まる。
a)トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)または
b)治療有効量のモル比1:1の
i)バルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩、および
ii)サクビトリルもしくはその薬学的に許容される塩
を含む組合せ
である、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)を指す。
治療方法
実施形態1:本発明は、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画を包含する。
2.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
3.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態2に記載の心不全の治療計画。
4.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
5.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態4に記載の心不全の治療計画。
6.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、実施形態2または3に記載の心不全の治療計画。
7.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態2に記載の心不全の治療計画。
8.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、実施形態7に記載の心不全の治療計画。
9.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
10.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態4または5に記載の心不全の治療計画。
11.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、実施形態10に記載の心不全の治療計画。
12.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
13.患者がヒト患者である、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
14.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
15.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
16.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
17.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
18.患者が、継続的な用量(stable dose)のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
19.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、実施形態1に記載の心不全の治療計画。
20.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
実施形態1に記載の心不全の治療計画。
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する。
iv)過去12か月以内の心不全による入院歴、
v)エナラプリル≧10mg/日の用量での継続的なACE阻害剤またはARB+β遮断薬(禁忌または不耐性でない場合)+アルドステロン拮抗薬(適応がある場合)
vi)収縮期血圧≧95mmHg
vii)eGFR≧30ml/分/1.73m2、および
viii)血清K≦5.4mEq/L
のうちの1つまたは複数を特徴とし得る。
- 本発明による使用のための医薬を製造するための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)の使用、
- 本発明による本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)の使用、
- 本発明による使用のための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)、
- 本発明による使用のための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物、
- 本発明による本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物の使用、および
- 本発明による使用のための医薬を製造するための、本明細書で定義する式(I)の化合物または組合せ(i)/(ii)を含む医薬組成物の使用。
別の態様において、本発明は、以下の実施形態20に関する。
22.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者の心不全の治療での使用のための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
23.前記用量にはサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22に記載の1日2回の目標用量。
24.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
25.前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態24に記載の1日2回の目標用量。
26.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22または23に記載の1日2回の目標用量。
27.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態22に記載の1日2回の目標用量。
28.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態27に記載の1日2回の目標用量。
29.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21に記載の1日2回の目標用量。
30.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態4または5に記載の1日2回の目標用量。
31.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態30に記載の1日2回の目標用量。
32.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
33.患者がヒト患者である、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
34.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
35.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、患者の心不全における治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
36.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
37.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
38.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
39.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
40.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
患者における心不全の治療において使用するための、実施形態21〜31のいずれか一項に記載の1日2回の目標用量。
別の態様において、本発明は以下の実施形態41に関する。
41.患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用であって、前記薬剤が、200mgを1日2回投与する目標用量のサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)を含み、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
42.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
43.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態42に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
44.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
45.前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、実施形態44に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
46.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、実施形態42または43に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
47.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態42または43に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
48.低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、実施形態47に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
49.前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、実施形態41に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
50.サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、実施形態44または45に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
51.高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上に相当する、実施形態50に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
52.患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
53.患者がヒト患者である、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
54.患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の左室駆出率(LVEF)の低下
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
55.患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
56.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
57.モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
58.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
59.患者が、継続的な用量のβ遮断薬、および任意にアルドステロン拮抗薬での基礎的治療を受ける、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
60.患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、実施形態41〜51のいずれかに記載の患者において心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
61.a)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
実施形態41〜51のいずれかに記載の患者の心不全の治療のための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
前記方法で用いられる本発明の「モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタン」は、
a)化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)または
b)モル比1:1の
i)バルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩、および
ii)サクビトリルもしくはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物
の形態で提供される。
(i)バルサルタン、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩、例えば、ナトリウムもしくはカルシウム塩
を含む。
以下の実施例は、例示的であり、本明細書に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
LCZ696は、超分子複合体トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物を指す。この化合物およびその医薬組成物は、国際公開第2007/056546号パンフレットおよび国際公開第2009/061713号パンフレットに既に開示されており、その調製上の教示は、本明細書に参考として援用される。
これは多施設、無作為化、二重盲検、並行群間研究であり、左室駆出率(LVEF)≦35%により定義される駆出率低下型心不全患者(ニューヨーク心臓協会[NYHA]II〜IV度)でのLCZ696の開始の安全性および耐性が評価された。LCZ696の目標用量200mg bidへの3週間または6週間の漸増計画を評価した。この研究は、(1)およそ1週間続く非盲検LCZ696導入相、および(2)およそ11週間続く二重盲検無作為化相の2つの主な相で構成されていた。登録患者を、RAAS阻害の研究前レベル(高/低)に基づき層化した。
主目的
報告された有害事象および実験室評価に基づく12週間にわたる3週間および6週間の漸増計画によりHFrEF患者でのLCZ696の開始の安全性および耐性を特徴づけること。
二次目的は
・ 12週間にわたり任意の用量中断または漸減なしに、LCZ696 200mg bidを達成および維持したものとして定義される、治療成功を達成した2つの治療群の患者の割合を評価すること、
・ 過去の用量中断または漸減にかかわらず、LCZ696 200mg bidの計画に少なくとも2週間耐性があり、研究終了に至った患者の割合を評価すること
であった。
これは、HFrEFを有する外来患者と入院中の患者(入院患者)の両方における2つの漸増計画を比較してLCZ696の安全性および耐性を評価するために行われた、多施設、無作為化、二重盲検、並行群間研究であった。
・ 高RAAS層:スクリーニング時にバルサルタン>160mgもしくはエナラプリル1日総量>10mg、または当量の他のARB/ACEIを各々服用していた患者、
・ 低RAAS層:スクリーニング時にバルサルタン≦160mgもしくはエナラプリル1日総量≦10mg、または当量の他のARB/ACEIを各々服用していた患者。この層には、スクリーニングの4週間前にACEIまたはARBを服用していなかった患者(即ち、ACEI/ARB未投与の患者)も含まれた。
(1)およそ1週間続く、スクリーニング相
(2)およそ1週間(Day1〜5)続く、非盲検LCZ696導入相
(3)およそ11週間続く、無作為化相。
スクリーニング相中の訪問1で、書面によるインフォームドコンセントを提出した全患者を、研究に参加する適格性について評価した。適格性に必要とされる左室駆出率(LVEF)の測定値は、過去12か月以内に行われた局所的な心エコー、MUGA(マルチゲート収集法)スキャン、CT(コンピューター断層撮影)スキャン、MRI(磁気共鳴断層撮影)スキャンまたは心室造影に基づくものであったが、但し、その後の測定値が>35%でないこととした。過去12か月以内のLVEF測定値を利用できない場合、患者は、スクリーニング相中、即ち、研究薬物の摂取開始前に得られたLVEF≦35%に基づき試験に参加できた。患者が埋込型心臓再同期療法(CRT)装置を有する場合、研究を受ける資格を得るために用いられるLVEF値は、装置が埋め込まれてから少なくとも3か月後までに得られたものでなくてはならなかった。
すべての参加基準を満たし、ACEI除去洗浄期(必要な場合)を終了した患者は、訪問1後およそ1週間以内に、訪問2に参加した。訪問2では、患者は非盲検LCZ696 50mg bidの服用を開始した。適格性のある入院中の患者も、入院中および退院前に、研究薬物を服用した。患者は、研究薬物に置き換えられたACEIおよびARBを除く基礎HF療法(background HF therapy)に加えて研究薬物を服用した。
訪問3/777では、LCZ696 50mg bidの安全性および耐性を評価した(以下の表参照)。表に列挙した基準に従ってLCZ696 50mg bidに耐性がなかった患者は、研究を中断し、導入失敗とみなされた。
何らかの評価が行われる前に、書面でのインフォームドコンセントを得た。
1.入院患者または外来患者のいずれかである18歳以上の男性および/または女性、
2.慢性心不全(CHF)NYHA II〜IV度の診断、
3.スクリーニング時の左室駆出率(LVEF)≦35%(心エコー、MUGA、CTスキャニング、MRIまたは心室造影により過去12か月以内に行われた任意の局所測定値が受け入れられたが、但し、その後の測定値が>35%でないこととした)。
4.以下の基準のうちの1つを満たす:
・ ACEI/ARB未投与の患者、即ち、スクリーニングの少なくとも4週間前にACEIまたはARBを服用していなかった患者。
・ ACEIまたはARBでの治療を受けていた外来患者については、用量が、スクリーニングの少なくとも2週間前に安定用量でなくてはならなかった。
・ 入院中の患者(入院患者)については、スクリーニング時、ACEI/ARBを服用していなかったか、または耐性用量のACEIまたはARBを服用していた。
5.禁忌または不耐性でない限り、β遮断薬での治療を受けていた患者(その薬物が不在の場合、理由を文書化する必要がある)
6.アルドステロン拮抗薬も、腎機能、血清カリウムおよび耐性を考慮しながら、全患者で検討されるべきであった。投与される場合、アルドステロン拮抗薬の用量は、指針の推奨および患者の耐性に従って最適化されるべきであった。指針で推奨されるように、心臓再同期療法および特定の患者の埋込型除細動器など、HFに対する他の根拠に基づく療法も検討されるべきであった。
患者を、以下に示す1:1の比の以下の2つの治療群のうちの1つに割り当てた:
・ 短縮漸増:3週間(導入相を含む)にわたるLCZ696 50mg bidから200mg bidへの漸増。
・ 保守的漸増:6週間(導入相を含む)にわたるLCZ696 50mg bidから200mg bidへの漸増。
研究設計および手順は、www.clinicaltrials.gov、研究番号NCT01922089に見出すことができ、これは本明細書に参考として援用される。
概要
AEと関係のない理由で中止した患者を除く、無作為化された患者の81%が、12週間の研究期間全体にわたり任意の漸減または用量中断なしに、目標のLCZ696 200mg bid用量を達成し、85%が、研究終了の少なくとも2週間前にLCZ696 200mg bidの目標用量を服用していた。用量調節/中断または永久的中止の最も一般的な理由は、低血圧症、腎機能障害または高カリウム血症に関連したAEであった。
導入期と無作為化期の両方にわたり、12週間にわたり任意の用量調節または中断なしにLCZ696 200mg bidの目標用量を達成した患者の割合は、AE以外の理由による中止を除いた場合、76%であり、少なくとも1回量の研究薬を服用した患者総数に対して70%であった。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回、それを必要とする患者に投与することを含む心不全の治療計画であって、前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgの1日2回の目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、心不全の治療計画。
[2] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[3] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[2]に記載の心不全の治療計画。
[4] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を投与するタイトレーション後に達する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[5] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[4]に記載の心不全の治療計画。
[6] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、[2]または[3]に記載の心不全の治療計画。
[7] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[2]に記載の心不全の治療計画。
[8] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、[7]に記載の心不全の治療計画。
[9] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[10] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[4]または[5]に記載の心不全の治療計画。
[11] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、[10]に記載の心不全の治療計画。
[12] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、[1]に記載の心不全の治療計画。
[13] 前記患者がヒト患者である、[1]に記載の心不全の治療計画。
[14] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[15] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、[1]に記載の心不全の治療計画。
[16] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、[1]に記載の心不全の治療計画。
[17] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、[1]に記載の心不全の治療計画。
[18] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、[1]に記載の心不全の治療計画。
[19] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、[1]に記載の心不全の治療計画。
[20] a)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
[1]に記載の心不全の治療計画。
[21] 患者における心不全の治療において使用するための、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgを1日2回投与する目標用量であって、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与してから、200mgを1日2回投与する目標用量まで約2〜約8週間で増量するタイトレーション後に達する、1日2回の目標用量。
[22] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[23] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[22]に記載の1日2回の目標用量。
[24] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[25] 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、患者における心不全の治療において使用するための、[24]に記載の1日2回の目標用量。
[26] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[22]または[23]に記載の1日2回の目標用量。
[27] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[22]に記載の1日2回の目標用量。
[28] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、[27]に記載の1日2回の目標用量。
[29] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]に記載の1日2回の目標用量。
[30] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、患者における心不全の治療において使用するための、[4]または[5]に記載の1日2回の目標用量。
[31] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、患者における心不全の治療において使用するための、[30]に記載の1日2回の目標用量。
[32] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[33] 前記患者がヒト患者である、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[34] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[35] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[36] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[37] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[38] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[39] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[40] a)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する
患者における心不全の治療において使用するための、[21]〜[31]のいずれかに記載の1日2回の目標用量。
[41] 患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用であって、前記薬剤が、200mgの1日2回の目標用量のサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)を含み、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の少なくとも50mgの初期用量を1日2回投与し、200mgの目標用量を1日2回、約2〜約8週間投与して増量するタイトレーション後に達する、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[42] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いで約サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[43] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[42]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[44] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[45] 前記目標用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回、約2週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、[44]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[46] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものである、[42]または[43]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[47] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[42]または[43]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[48] 前記低用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、[47]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[49] 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、[41]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[50] サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、高用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものである、[44]または[45]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[51] 前記高用量のACEIまたはARBが、1日当たりエナラプリル10mg以上と等価である、[50]に記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[52] 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[53] 前記患者がヒト患者である、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[54] 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[55] 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[56] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[57] モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[58] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[59] 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、および任意にアルドステロン拮抗薬での基礎的治療を受ける、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[60] 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
[61] a)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
[41]〜[51]のいずれかに記載の患者における心不全を治療するための医薬を製造するための、モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンの使用。
Claims (16)
- 患者における心不全を治療するための、サクビトリルおよびバルサルタンを1:1のモル比で含む医薬組成物であって、サクビトリルおよびバルサルタンは、200mgの目標用量を1日2回投与され、前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約2週間〜約4週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達し、
(i)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していなかった患者において使用するためのものであるか、あるいは
(ii)サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回投与することが、サクビトリルおよびバルサルタンでの治療を開始する前に、低用量のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)を服用していた患者において使用するためのものであり、前記低用量のACE阻害剤またはARBが、1日当たりエナラプリル10mg未満と等価である、
医薬組成物。 - 前記用量には、サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)50mgの初期用量を1日2回、約2週間〜約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)100mgの用量を1日2回、約3週間投与し、次いでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)200mgの目標用量を1日2回投与するタイトレーション後に達する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記タイトレーションが、低血圧症、高カリウム血症および腎臓有害事象から選択されるリスクを軽減する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 前記患者が、駆出率低下型慢性収縮期心不全に罹患している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記患者がヒト患者である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記患者が
i)NYHA II、IIIまたはIV度の心不全、
ii)血漿BNPまたはNT−proBNP濃度の上昇、好ましくは血漿BNP≧100pg/mL(またはNT−proBNP≧400pg/mL)、より好ましくは血漿BNP≧150pg/mLまたはNT−proBNP≧600pg/mL、および
iii)40%以下、好ましくは35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)
の特徴のうちの少なくとも1つを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。 - 前記患者が、NYHA II、IIIまたはIV度に分類される慢性心不全に罹患しており、収縮機能障害を有し、好ましくは前記患者が、35%以下の低下した左室駆出率(LVEF)を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、化合物トリナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- モル比1:1のサクビトリルおよびバルサルタンが、
(i)バルサルタンまたはその薬学的に許容される塩、および
(ii)サクビトリルまたはその薬学的に許容される塩
を含む医薬組成物の形態で送達される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。 - 前記患者が、継続的な用量のβ遮断薬、アルドステロン拮抗薬および/または利尿薬での基礎的治療を受ける、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記患者が、薬剤を服用する少なくとも36時間前に、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはACE阻害剤の服用を中止しなければならない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- a)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mg用量がサクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の100mg用量がサクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、
c)前記サクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の200mg用量がサクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。 - 前記タイトレーションが、低血圧症のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記タイトレーションが、高カリウム血症のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記タイトレーションが、腎臓有害事象のリスクを軽減する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 目標用量に到達するまでサクビトリルおよびバルサルタン(モル比1:1)の50mgの用量および100mgの用量を1日2回投与することを含む、全漸増期間が、およそ6週間継続する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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