JP6575089B2 - 移動端末の施設内外判定装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、閾値を決定に関与させる携帯端末の数を決めることができる。
(1)全体構成
図1は、本発明に係る施設内外判定装置が用いられる場所の一例であるモールMを示している。モールMには、複数の店舗Sと、それらの店舗Sへ近づくための歩道Wが設けられている。歩行者Pは、歩道Wを歩き、興味を引かれた店舗Sへ入る。
図3は、施設内外判定装置100のブロック図である。施設内外判定装置100は、アンテナ10、電波検出部20、制御部30、データ蓄積部40、閾値決定部50、内外判定部60、表示部70、および閾値決定命令部80を備える。
アンテナ10は、施設内外判定装置100の設置箇所の付近に存在する携帯端末200から発された電波を受信する。
電波検出部20は、アンテナ10が受信した電波を検出する。加えて、電波検出部20は、その電波に関する情報セットISを取得する。情報セットISに関しては「(3)蓄積データADの内容」で後述する。
データ蓄積部40は、受信した電波に関する情報セットISを逐次蓄積することによって、蓄積データADを保持する。
閾値決定命令部80は、各種の条件が満足されたときに、閾値決定部50に対し閾値決定命令を発する。
閾値決定部50は、閾値決定命令部80から閾値決定命令を受け取ったときに、蓄積データADを用いて演算を行い、閾値を決定する。
内外判定部60は、施設内外判定装置100のアンテナ10が受信した特定の電波について、信号強度と閾値を比較し、その電波を発した携帯端末200が店舗Sの内外のいずれにあるのかを判定する。
表示部70は、内外判定部60が出力した判定結果を表示する。
制御部30は、上述した各ユニットを統括的に制御する。
図4は、蓄積データADの内容の一例である。
図5は、本実施形態に係る施設内外判定装置100において、閾値決定部50が行う閾値決定演算のアルゴリズムに関連するグラフである。
まず、閾値決定部50は、検出回数集計処理を行う。この処理では、蓄積データADに含まれる複数の情報セットIS1〜ISnの、信号強度データSSの大きさに対する分布が把握される。
次に、閾値決定部50は、1回微分処理を行う。この処理では、複数の強度ランクRA1〜RAxのうちのある強度ランクについての計数と、それに隣接する強度ランクについての計数との差分が算出される。この差分は、検出回数集計処理で求めた分布の「傾き」を表す曲線に相当する。
次に、閾値決定部50は、2回微分処理を行う。この処理では、1回微分処理で求めた「傾き」の曲線について、複数の強度ランクRA1〜RAxのうちのある強度ランクについての「傾き」と、それに隣接する強度ランクについての「傾き」との差分が算出される。この差分は、検出回数集計処理で求めた分布の「傾きの変化の急激さ」を表す曲線に相当する。
最後に、閾値決定部50は、最終処理を行う。この処理では、2回微分処理で求めた「傾きの変化の急激さ」を表す曲線につき、考慮しなくてよい範囲がマスクされる。例えば、図5における左側の極大値よりも左側に位置する、微弱な信号強度データSSに相当する領域のデータがマスクされ、考慮から外される。次いで、「傾きの変化の急激さ」を表す曲線の絶対値が最大となる強度ランクが見出される。図5のグラフに関しては、強度ランクRA11が閾値Thとして決定される。
ノイズ除去のための平滑化処理などは適宜行われる。
(5−1)
施設内外判定装置100は、データ蓄積部40と閾値決定部50とを有する。データ蓄積部40は、施設内外判定装置100の稼動前等の比較的長期間にわたり、店舗Sの内外を行き交う歩行者Pが持つ多数の携帯端末200が発する電波に関する情報セットISを蓄積して蓄積データADを保持する。閾値決定部50は、その蓄積データADに基づいて自動的に閾値Thを決定する。したがって、閾値決定作業が容易である。
データ蓄積部40は、多くの歩行者Pの携帯端末200が発する電波の信号強度データSSを取得する。したがって、信号強度データSSを用いることにより、施設内外判定装置100にとって処理負担の少ない方法で閾値Thを決定することができる。
データ蓄積部40は電波の検出時刻データDTを取得する。したがって、閾値決定に用いるデータを、検出時刻データDTにより選別することができる。
データ蓄積部40は携帯端末200のIDコードデータIDを取得する。したがって、施設内外判定装置100は、取得されたIDコードデータIDを用いてより高度な分析を行うことができる。
統計処理では検出回数集計処理が用いられる。したがって、必ずしも携帯端末200を特定することなく、簡単な計算によって閾値Thを決定できる。
統計処理では2回微分処理が用いられる。したがって、比較的簡単なコンピュータ演算によって閾値Thを決定できる。
施設内外判定装置100は閾値決定命令部80を備える。したがって、適切なタイミングで閾値決定命令を発することができる。ユーザは、閾値決定命令部80に接続されたスイッチを押すことで、自分が望んだタイミングで閾値Thを決定することができる。
施設内外判定装置100が検出する波動は電波である。したがって、波動を発する携帯端末200として、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、音楽プレイヤ、またはその他の無線通信可能な既存の機器などを使用することができる。
(6−1)
閾値決定アルゴリズムの統計処理においては、蓄積データADの全てではなく、蓄積データADの一部だけを用いてもよい。例えば、閾値決定部50は、閾値を決定するのに、蓄積データADのうち、検出時刻データDTが第1時刻と第2時刻の間にある情報セットISを用いることができる。第1時刻は、ユーザによって指定される時刻、または施設内外判定装置100によって決定される時刻であってよい。同様に、第2時刻も、ユーザによって指定される時刻、または施設内外判定装置100によって決定される時刻であってよい。
閾値決定命令部80が閾値決定命令を発するのは、ユーザがスイッチを押したときではなく、ユーザによって指定される開始時刻から、同じくユーザによって指定される待機期間が経過したときであってよい。
閾値決定命令部80が閾値決定命令を発するのは、ユーザがスイッチを押したときではなく、蓄積データADに含まれる情報セットISの個数nが所定の母数に達したときであってよい。
閾値決定命令部80が閾値決定命令を発するのは、ユーザがスイッチを押したときではなく、蓄積データADに含まれるIDコードデータIDの数が、重複を除いて所定の端末数に達したときにであってよい。
施設内外判定装置100が内外判定を行う施設は、店舗Sに代えて、例えば、公民館、地方自治体の役所、駅、ホテル、集合住宅の一区画などの施設でもよい。
施設内外判定装置100の設置場所は、施設の天井に代えて、床、壁、レジカウンター、その他の場所であってもよい。
(1)構成
本実施形態においても、図3に示した施設内外判定装置100を用いる。第1実施形態との差異は、閾値決定アルゴリズムの内容のみである。
図6は、本実施形態に係る施設内外判定装置100において、閾値決定部50が行う閾値決定演算のアルゴリズムに関連するグラフである。
まず、閾値決定部50は、滞在時間算出処理を行う。この処理では、蓄積データADに含まれる複数の情報セットIS1〜ISnの、店舗Sでの滞在時間の長さに対する分布が把握される。
次に、閾値決定部50は、平均値算出処理を行う。この処理では、蓄積データADに含まれる複数の情報セットIS1〜ISnは、信号強度データSSの大きさに応じてy個の強度ランクRB1〜RByに分類される。次いで、強度ランクRB1〜RByの各々に含まれる複数の情報セットIS1〜ISnの各々に含まれるIDコードに相当する滞在時間の平均値AVEが算出される。
最後に、閾値決定部50は、最終処理を行う。この処理では、平均値AVEが大きく変化する強度ランクを閾値Thとして決定する。図6のグラフに関しては、強度ランクRB7が閾値Thとして決定される。
ノイズ除去のための平滑化処理などは適宜行われる。
(3−1)
統計処理ではIDコードデータIDを参照して、携帯端末200の所有者の店舗Sでの滞在時間が算出される。したがって、多数の歩行者Pの滞在時間の情報を用いて、より精度の高い施設内外判定を行うことができる。
強度ランクRB1〜RByごとに歩行者Pの滞在時間の平均値AVEが算出される。したがって、平均値AVEの変化率などを参照することで、施設内外判定装置100にとって処理負担のより少ない方法で閾値Thを決定することができる。
第1実施形態の変形例を、本実施形態に適用してもよい。
(1)全体構成
図7は、第3実施形態に係る施設内外判定装置100’の使用場面を示す。施設内外判定装置100’は、施設内外判定に用いる波動が、電波または電磁波ではなく、音波または超音波である点において、第1および第2実施形態に係る施設内外判定装置100とは異なっている。使用する音波の周波数は、ユーザに不快感を与えないようにするため、可聴周波数よりも高いことが望ましい。
図8は、施設内外判定装置100’のブロック図である。施設内外判定装置100’は、アンテナ10(図3)に代えてマイク10’を有している点で、第1および第2実施形態に係る施設内外判定装置100と異なっている。
本実施形態に係る施設内外判定装置100’が実行する閾値決定アルゴリズムは、第1実施形態と同じである。
施設内外判定装置100’が検出する波動は、音波または超音波である。この構成によれば、金属遮蔽物などが存在している場所においても、波動の検出を行いやすい。
施設内外判定装置100’は、電波または電磁波と、音波または超音波を併用してもよい。
(1)構成
本実施形態においても、図8に示した施設内外判定装置100’を用いる。第3実施形態との差異は、閾値決定アルゴリズムの内容のみである。
本実施形態に係る施設内外判定装置100’が実行する閾値決定アルゴリズムは、第2実施形態と同じである。
この構成によれば、金属遮蔽物などが存在している場所においても、波動の検出を行いやすい。
第3実施形態の変形例を、本実施形態に適用してもよい。
DT 検出時刻データ
ID 識別コードデータ
IS 電波に関する情報セット
M モール
P 歩行者
S 店舗
SS 信号強度データ
RA1〜RAx 第1実施形態に係る強度ランク
RB1〜RBy 第2実施形態に係る強度ランク
W 歩道
10 アンテナ
10’ マイク
20 電波検出部
30 制御部
40 データ蓄積部
50 閾値決定部
60 内外判定部
70 表示部
80 閾値決定命令部
100 施設内外判定装置
100’ 施設内外判定装置
200 携帯端末
200’ 携帯端末
Claims (12)
- 携帯端末(200、200’)から発される波動を検出する波動検出部(20)と、
前記波動検出部に検出された前記波動に関する情報セット(IS)を蓄積するデータ蓄積部(40)と、
前記データ蓄積部に蓄積された蓄積データ(AD)の統計処理を行うことによって閾値を決定する閾値決定部(50)と、
前記閾値を用いて携帯端末所有者が施設の中または外のどちらにいるのかを判定する内外判定部(60)と、
を備え、
前記波動に関する前記情報セットは、前記波動の信号強度(SS)を含み、
前記統計処理は、前記蓄積データに含まれる複数の前記情報セットを前記信号強度の大きさに応じて複数の強度ランク(RA1〜RAn)に分類したのち、前記複数の強度ランクの各々に含まれる前記情報セットの個数を集計する検出回数集計処理を含み、
前記統計処理は、X軸を前記信号強度の前記複数の強度ランクとし、Y軸を前記複数の強度ランクの各々に含まれる前記情報セットの個数として描画したグラフ曲線の傾きの変化率を算出する2回微分処理をさらに含み、
前記統計処理は、前記グラフ曲線の前記傾きの前記変化率の絶対値が最大となる箇所に相当する前記強度ランクを前記閾値とする処理をさらに含む、
施設内外判定装置(100、100’)。 - 前記波動に関する前記情報セットは、前記波動検出部が前記波動を検出した検出時刻(DT)を含む、
請求項1に記載の施設内外判定装置。 - 前記波動に関する前記情報セットは、前記波動を発した前記携帯端末を一義的に識別するIDコード(ID)を含む、
請求項1に記載の施設内外判定装置。 - 前記波動に関する前記情報セットは、前記波動を発した前記携帯端末を一義的に識別するIDコード(ID)を含む、
請求項2に記載の施設内外判定装置。 - 前記統計処理は、前記蓄積データに含まれる複数の前記情報セットのうち、第1時刻から第2時刻の間に前記波動検出部によって検出された複数の期間限定情報セットのみを用いて行われ、前記第1時刻および前記第2時刻の各々は、ユーザによって指定される時刻または施設内外判定装置によって決定される時刻である、
請求項1から4のいずれか1つに記載の施設内外判定装置。 - 前記閾値決定部に前記閾値の決定を実行させる閾値決定命令を発する閾値決定命令部(80)と、をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1つに記載の施設内外判定装置。 - 前記閾値決定命令部は、ユーザによる指定がなされたときに前記閾値決定命令を発する、
請求項6に記載の施設内外判定装置。 - 前記閾値決定命令部は、開始時刻から待機期間が経過したときに前記閾値決定命令を発し、前記開始時刻および前記待機期間はユーザによって指定される、
請求項6に記載の施設内外判定装置。 - 前記閾値決定命令部は、前記蓄積データに含まれる前記情報セットの個数が所定の母数に達したときに前記閾値決定命令を発する、
請求項6に記載の施設内外判定装置。 - 前記閾値決定部に前記閾値の決定を実行させる閾値決定命令を伝達する閾値決定命令部(80)と、をさらに備え、
前記閾値決定命令部は、前記蓄積データに含まれる前記IDコードの数が、重複を除いて所定の端末数に達したときに前記閾値決定命令を発する、
請求項3又は請求項4に記載の施設内外判定装置。 - 前記波動は、電波または電磁波を含む、
請求項1から10のいずれか1つに記載の施設内外判定装置(100)。 - 前記波動は、音波または超音波を含む、
請求項1から11のいずれか1つに記載の施設内外判定装置(100’)。
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