JP6574843B2 - 化合物のa結晶形およびその製造方法 - Google Patents

化合物のa結晶形およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬物化学の分野に関し、具体的に、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形およびその製造方法に関する。
糖尿病(Diabetes Mellitus、DM)は、病因の多い代謝性疾患で、人体のインスリンの分泌の絶対的または相対的不足、あるいは標的組織の細胞のインスリンに対する感度の低下によるタンパク質、脂肪、水および電解質などの一連の代謝失調症候群である。糖尿病の急性合併症は、 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性高浸透圧性昏睡、様々な急性感染や乳酸アシドーシスなどを含む。また、糖尿病の治療過程で現れる低血糖症も最も見られる急性合併症の一つである。糖尿病の慢性合併症は、糖尿病性眼疾患、糖尿病性腎疾患、糖尿病性神経病変、糖尿病性心・脳・四肢大血管障害、糖尿病性足・皮膚病変などを含む。
2型糖尿病は、体内における血糖レベルの制御不能による代謝症候群である。2型糖尿病の主な特徴は、高血糖、インスリン抵抗性およびインスリンの分泌不足で、通常、脂質異常症、高血圧および肥満症と関連する。2型糖尿病は、世界中でよく見られる疾患で、現在全世界の6%の人口は2型糖尿病を罹患し、世界で3位の人類の健康を脅かす慢性非伝染性疾患になっている。2型糖尿病患者は、体内でインスリンが分泌されるが、量が相対的に不足するか、あるいは生成されたインスリンは組織の感度の低下またはインスリン抵抗性によって、作用が有効に発揮されないため、血液におけるブドウ糖が蓄積し、レベルが向上する。このような糖尿病患者はインスリンを分泌することができるため、通常インスリンで治療する必要がなく、飲食の調整または血糖降下薬の経口投与だけで血糖が抑えられる。
2000年では、全世界で糖尿病患者は約1.71億いるが、有効な治療策が実施されないと、2030年に、全世界の糖尿病患者は3億6千万人になり、そのうち90%超の糖尿病患者が2型糖尿病患者であると予測される。中国では糖尿病の治療費用は毎年1734億元と高く、糖尿病による直接の医療支出は既に中国の全医薬支出の13%を占めている。2028年に米国の糖尿病患者数が5千万人に達し、毎年の増加速度は5%であると推測されている。一方、我が国では、糖尿病患者は9250万と高く、2028年に中国の糖尿病患者数が1億人に達し、毎年の増加速度は4%であると推測されている。複雑性疾患として、2型糖尿病患者は異質性が強く、しかも東洋人は西洋人よりも2型糖尿病を罹患しやすく、個別的治療の需要が高い。
現在、2型糖尿病の治療薬は主にインスリン、スルホニルウレア系、メトホルミン系、チアゾリジンジオン系、PPARα/γデュアルアゴニスト、DPP IV阻害剤およびGLP-1類似体を含む。既存の薬物は血糖レベルを抑え、合併症の発生率を減少することができるが、その多くは重い副作用、たとえば胃腸管毒性、体重増加、水腫、低血糖などがあり、2型糖尿病を根本から抑えて治癒することができない。従来の糖尿病治療薬の効果は限りがあって耐性も良くなく、同時に顕著な副作用があるため、人類の健康および経済利益の角度から考えると、安全で効率的な糖尿病治療薬の研究・開発は重要な研究の意義がある。
DPP IV阻害剤は顕著に体内における血糖濃度を低下させ、耐糖能を増加させ、インスリンの分泌を促進し、グルカゴンレベルを低下させ、インスリン抵抗性を緩和し、2型糖尿病患者の血糖増加時のインスリンの応答レベルを向上させることができる。DPP IV阻害剤は既存の経口投与糖尿病薬と比べ、以下の特徴を有する。(1) DPP IV阻害剤は注射の必要がなく、経口投与の様態で持続的にグリコヘモグロビンレベルを低下させる。(2) DPP IV阻害剤の長期間使用は優れた薬剤耐性を有する。(3) インスリンの分泌を強化させ、かつグルカゴンの放出を向上させる。(4) インスリン感度を改善すると同時に、膵島β細胞の機能を向上させる。(5) 低血糖の発生率が低く、体重増加がなく、吐き気・嘔吐および胃腸管の機能不全が生じることがない。(6) DPP IV阻害剤とほかの2型糖尿病薬の併用は協同作用がある。
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸(式I)は新規なDPP IV阻害剤で、強い体内血糖低下活性を有する。しかし、既存の各結晶形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の総合的な性能は満足できるものではない。
そのため、本分野では、より優れた性能を有する薬物活性成分を得るには、効率的で、毒性が低く、長期的に有効な(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の新規な結晶形の開発が切望されている。
本発明の目的は、効率的で、毒性が低く、長期的に有効な(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を提供することにある。
本発明の第一の側面では、式Iで表される(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形であって、XRDスペクトルでは面間隔d表示で8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、20.67±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれるA結晶形を提供する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で8.87 A、14.18 A、20.67 A、25.18 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25±0.2 A、8.09±0.2A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、16.65±0.2 A、20.67±0.2 A、21.95±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、16.65 A、20.67 A、21.95 A、25.18 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25±0.2 A、8.09±0.2 A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、16.65±0.2 A、19.03±0.2 A、20.01±0.2 A、20.67±0.2 A、21.95±0.2 A、24.53±0.2 A、25.18±0.2 A、27.47±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、16.65 A、19.03 A、20.01 A、20.67 A、21.95 A、24.53 A、25.18 A、27.47 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で5.42±0.2 A、7.25±0.2 A、8.09±0.2 A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、15.59±0.2 A、16.65±0.2 A、17.84±0.2 A、19.03±0.2 A、20.01±0.2 A、20.67±0.2 A、21.72±0.2 A、21.95±0.2 A、22.49±0.2 A、24.53±0.2 A、25.18±0.2 A、25.56±0.2 A、27.47±0.2 A、28.61±0.2 A、33.09±0.2 A、34.25±0.2 A、37.86±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で5.42 A、7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、15.59 A、16.65 A、17.84 A、19.03 A、20.01 A、20.67 A、21.72 A、21.95 A、22.49 A、24.53 A、25.18 A、25.56 A、27.47 A、28.61 A、33.09 A、34.25 A、37.86 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図2で示されるようなXRDスペクトルを有する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示の特徴吸収ピークは±0.5の偏差、好ましくは±0.3の偏差、より好ましくは±0.1の偏差が存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、以下の群から選ばれる1つまたは複数の特徴を有する。
1)前記A結晶形のTGグラフでは、261±2℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のTGグラフでは、262.1℃に特徴吸収ピークが存在する。
2)前記A結晶形のTGグラフでは、323±5℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のTGグラフでは、324℃に特徴吸収ピークが存在する。
3)前記A結晶形の400℃における熱重量減少は77-78wt%である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の400℃における熱重量減少は77.65wt%である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図3で示されるようなTGグラフを有する。
4)前記A結晶形のDSCチャートでは、135±5℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のDSCチャートでは、135.67℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の吸熱転移温度の開始値は131±2℃である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の吸熱転移温度の開始値は131.84℃である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図4で示されるようなDSCチャートを有する。
5)前記A結晶形の吸湿性は1%未満である。
もう一つの好適な例において、相対湿度RHが50%未満の場合、前記A結晶形の吸湿性は0.3%未満である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図5で示されるようなDVSグラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のIRスペクトルでは、波長λ表示で、3368±2 cm-1、2940±2 cm-1、2848±2 cm-1、2222±2 cm-1、1729±2 cm-1、1672±2 cm-1、1564±2 cm-1、1529±2 cm-1、1470±2 cm-1、1454±2 cm-1、1387±2 cm-1、1298±2 cm-1、1203±2 cm-1、1105±2 cm-1、1075±2 cm-1、921±2 cm-1、781±2 cm-1、709 ±2 cm-1の特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のIRスペクトルでは、波長λ表示で、3368 cm-1、2940 cm-1、2848 cm-1、2222 cm-1、1729 cm-1、1672 cm-1、1564 cm-1、1529 cm-1、1470 cm-1、1454 cm-1、1387 cm-1、1298 cm-1、1203 cm-1、1105 cm-1、1075 cm-1、921 cm-1、781 cm-1、709 cm-1の特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図6で示されるようなIRスペクトルを有する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図7で示されるようなラマンスペクトルを有する。
本発明の第二の側面では、本発明の第一の側面に記載のA結晶形の結晶を含むか、または本発明の第一の側面に記載のA結晶形の結晶から製造される結晶組成物を提供する。
もう一つの好適な例において、前記結晶組成物の全重量で計算すると、A結晶形の結晶の重量百分率含有量は60〜99.999%、好ましくは80〜99.999%、より好ましくは90〜99.999%である。
もう一つの好適な例において、前記結晶組成物は、さらに、非A結晶形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶、無定形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を含む。
本発明の第三の側面では、本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形の製造方法であって、以下のような工程を含む方法を提供する。
1)第1の溶媒および前記第1の溶媒に溶解した(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を含有する第1の溶液を提供する。
前記第1の溶媒は良溶媒で、アルコール系、ケトン系、エステル系、塩化アルカン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記アルコール系はC1-C10のアルコール、好ましくはC1-C8のアルコール、より好ましくはC1-C5のアルコールである。
もう一つの好適な例において、前記アルコール系はメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ネオペンチルアルコール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記ケトン系はC2-C8のケトン、好ましくはC3-C5のケトンである。
もう一つの好適な例において、前記ケトン系はアセトン、イソブタノールブタノン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記エステル系はC1-C10のエステル、好ましくはC1-C7のエステル、より好ましくはC1-C5のエステルである。
もう一つの好適な例において、前記エステル系は、ギ酸メチル、酢酸エチル、ギ酸イソブチル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記塩化アルカンは、ジクロロメタン、トリクロロメタン、またはこれらの組み合わせで、好ましくはジクロロメタンである。
もう一つの好適な例において、前記(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸は無定形の化合物である。
2)第2の溶媒を前記第1の溶液に入れ、結晶析出させて本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を得る。
前記第2の溶媒は貧溶媒で、水、エーテル形、アルカン系、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記エーテル系はC1-C10のエーテル、好ましくはC1-C8のエーテル、より好ましくはC1-C6のエーテルである。
もう一つの好適な例において、前記エーテル系は石油エーテル、t-ブチルメチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記アルカン系はC2-C15のアルカン、好ましくはC3-C10のアルカン、より好ましくはC4-C8のアルカンである。
もう一つの好適な例において、前記アルカン系はn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好ましい例において、工程2)の後、さらに、以下のような工程を含む。
3)工程2)で得られた固体をろ過および/または乾燥し、本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を得る。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の温度は、10〜70℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは25〜40℃である。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の圧力は0-20KPa、好ましくは0-10Kpa、より好ましくは5-10KPaである。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の時間は5〜150時間、好ましくは30〜100時間、より好ましくは60〜80時間である。
もう一つの好適な例において、前記方法の収率は50%〜99%、好ましくは75%〜99%、より好ましくは85%〜99%である。
もう一つの好適な例において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は0.1 g/L〜飽和濃度である。
もう一つの好適な例において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は0.1 g/L〜100 g/L、好ましくは1 g/L〜870 g/L、より好ましくは10 g/L〜70 g/L、最も好ましくは10 g/L〜50 g/Lである。
もう一つの好適な例において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は非飽和濃度である。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出は0〜50℃で行われる。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出は0〜40℃で行われ、好ましくは20〜30℃で行われ、室温が好適である。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出は撹拌しながら行われる。
本発明の第四の側面では、本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬物組成物を提供する。
もう一つの好適な例において、前記賦形剤は充填剤、崩壊剤、バインダー、潤滑剤、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記充填剤はデンプン、乳糖、微晶質セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記崩壊剤はカルボキシメチルセルロースおよびその塩、クロスカルメロースおよびその塩、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記バインダーはポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプンペースト、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
本発明の第五の側面では、本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形または本発明の第二の側面に記載の結晶組成物または本発明の第四の側面に記載の薬物組成物の使用であって、2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を予防または治療する薬物の製造における使用を提供する。
もう一つの好適な例において、前記2型糖尿病の合併症は、冠状動脈性疾患、卒中、高血圧、腎臓病、末梢血管性疾患、神経系疾患、網膜症からなる群から選ばれる。
本発明の第六の側面では、2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を治療または予防する方法であって、患者に治療有効量の本発明の第一の側面に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形または本発明の第二の側面に記載の結晶組成物または本発明の第四の側面に記載の薬物組成物を投与する方法を提供する。
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
図1は本発明の実施例1の結晶のA結晶形の偏光写真である。 図2は本発明の実施例1の結晶のA結晶形のXRDスペクトルである。 図3は本発明の実施例1の結晶のA結晶形のTGグラフである。 図4は本発明の実施例1の結晶のA結晶形の示差走査熱量測定(DSC)チャートである。 図5は本発明の実施例1の結晶のA結晶形の吸湿性分析(DVS)グラフである。 図6は本発明の実施例1の結晶のA結晶形の赤外(IR)スペクトルである。 図7は本発明の実施例1の結晶のA結晶形のラマン(Raman)スペクトルである。
本発明者は長期間にわたって深く研究したところ、意外に、より優れた薬学的性能を有する(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を製造した。上記の知見に基づき、発明者らは本発明を完成させた。
無定形粉末
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸(式I)は新規なDPP IV阻害剤で、強い体内血糖低下活性を有する。当該化合物はDPP IVの選択性の可逆的な競合阻害剤で、抑制活性はナノモル級に達し、体外DPP IV抑制活性および選択性は市販薬のシタグリプチンおよびビルダグリプチンよりも良い。動物体内において、当該化合物は有効に正常のマウスおよびラットの血漿におけるDPP IVの活性を抑制することができ、そのDPP IV抑制活性は市販薬のアログリプチンよりも良い。投与量依存的に正常ICRマウスの経口投与耐糖能を向上させることができ、効果が現れ始める投与量は0.1 mg/kgだけで、効果はアログリプチンよりも良い。当該化合物をob/obマウスに慢性投与すると、有効にob/obマウスの空腹血糖を低下させることができ、陽性コントロール薬のアログリプチンよりも良い。当該化合物の慢性投与よる遺伝子欠失型db/dbマウスの空腹血糖の低下は、陽性コントロール薬のアログリプチンに相当する。薬物動態学および安全性の研究結果から、当該化合物のラットおよびイヌにおける薬物動態学的性質および安全性が良いことが示された。中では、当該化合物のラットおよびイヌにおける半減期およびAUC0-tは市販薬のアログリプチンよりも良い。安全性実験では、当該化合物の安全性が良いことが示され、中では、ICRマウス急性毒性実験では、300 mg/kg投与群で動物の死亡が見られなかったことが示された。ビーグル犬急性毒性実験では、1 g/kg投与群で動物の死亡が見られなかったことが示された。ラット亜急性毒性実験では、ラット経口投与150 mg/kg群で顕著な毒性反応がなかったことが示された。体外薬効学の評価、体内薬理学の評価、薬物動態学の研究および安全性の評価などの研究結果をまとめると、当該化合物の体内血糖低下作用は現在臨床で使用されるDPP IV阻害剤よりも良いため、当該化合物は新規な2型糖尿病治療薬への開発が期待されている。
薬物多形(Drug Polymorphism)とは薬物に2種類または2種類以上の異なる結晶形の物質状態が存在することをいう。固体の化学薬物は、その分子の配列様態および対称の規律によって、同じ薬物は様々な結晶形の固体の物質状態になり、この同一の物質の異なる結晶形の固体状態は通常「多形現象」と呼ばれる。多形現象は固体薬物によくあることで、固体薬物の品質および治療効果に影響する要素の一つである。
特許出願番号CN201210262331.3に記載の製造方法によって無定形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を製造した。1H NMR(CDCl3): δ 7.76(s, 1H), 7.610 (d, 1H), 7.493 (t, 1H), 7.320 (t, 1H), 7.180 (d, 1H), 5.500 (quartet, 2H), 3.895 (s, 3H), 3.680 (d, 2H), 3.355 (m, 1H), 3.010 (m, 2H), 2.150 (m, 1H), 1.894 (m, 2H), 1.644 (m, 1H) ; LC-MS m/z 424.1 [M+H]+
A結晶形
本発明は、式Iで表される(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形であって、XRDスペクトルでは面間隔d表示で8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、20.67±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれるA結晶形を提供する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で8.87 A、14.18 A、20.67 A、25.18 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
典型的には、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25±0.2 A、8.09±0.2A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、16.65±0.2 A、20.67±0.2 A、21.95±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、16.65 A、20.67 A、21.95 A、25.18 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25±0.2 A、8.09±0.2 A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、16.65±0.2 A、19.03±0.2 A、20.01±0.2 A、20.67±0.2 A、21.95±0.2 A、24.53±0.2 A、25.18±0.2 A、27.47±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、16.65 A、19.03 A、20.01 A、20.67 A、21.95 A、24.53 A、25.18 A、27.47 A、28.61 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で5.42±0.2 A、7.25±0.2 A、8.09±0.2 A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、15.59±0.2 A、16.65±0.2 A、17.84±0.2 A、19.03±0.2 A、20.01±0.2 A、20.67±0.2 A、21.72±0.2 A、21.95±0.2 A、22.49±0.2 A、24.53±0.2 A、25.18±0.2 A、25.56±0.2 A、27.47±0.2 A、28.61±0.2 A、33.09±0.2 A、34.25±0.2 A、37.86±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で5.42 A、7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、15.59 A、16.65 A、17.84 A、19.03 A、20.01 A、20.67 A、21.72 A、21.95 A、22.49 A、24.53 A、25.18 A、25.56 A、27.47 A、28.61 A、33.09 A、34.25 A、37.86 Aの特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図2で示されるようなXRDスペクトルを有する。
本発明において、前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示の特徴吸収ピークは±0.5の偏差、好ましくは±0.3の偏差、より好ましくは±0.1の偏差が存在する。
具体的に、前記A結晶形は、以下の群から選ばれる1つまたは複数の特徴を有する。
1)前記A結晶形のTGグラフでは、261±2℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のTGグラフでは、262.1℃に特徴吸収ピークが存在する。
2)前記A結晶形のTGグラフでは、323±5℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のTGグラフでは、324℃に特徴吸収ピークが存在する。
3)前記A結晶形の400℃における熱重量減少は77-78wt%である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の400℃における熱重量減少は77.65wt%である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図3で示されるようなTGグラフを有する。
4)前記A結晶形のDSCチャートでは、135±5℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のDSCチャートでは、135.67℃に特徴吸収ピークが存在する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の吸熱転移温度の開始値は131±2℃である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形の吸熱転移温度の開始値は131.84℃である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図4で示されるようなDSCチャートを有する。
5)前記A結晶形の吸湿性は1%未満である。
もう一つの好適な例において、相対湿度RHが50%未満の場合、前記A結晶形の吸湿性は0.3%未満である。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図5で示されるようなDVSグラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のIRスペクトルでは、波長λ表示で、3368±2 cm-1、2940±2 cm-1、2848±2 cm-1、2222±2 cm-1、1729±2 cm-1、1672±2 cm-1、1564±2 cm-1、1529±2 cm-1、1470±2 cm-1、1454±2 cm-1、1387±2 cm-1、1298±2 cm-1、1203±2 cm-1、1105±2 cm-1、1075±2 cm-1、921±2 cm-1、781±2 cm-1、709 ±2 cm-1の特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形のIRスペクトルでは、波長λ表示で、3368 cm-1、2940 cm-1、2848 cm-1、2222 cm-1、1729 cm-1、1672 cm-1、1564 cm-1、1529 cm-1、1470 cm-1、1454 cm-1、1387 cm-1、1298 cm-1、1203 cm-1、1105 cm-1、1075 cm-1、921 cm-1、781 cm-1、709 cm-1の特徴吸収ピークが含まれる。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図6で示されるようなIRスペクトルを有する。
もう一つの好適な例において、前記A結晶形は、基本的に図7で示されるようなラマンスペクトルを有する。
無定形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の粉末と比べ、本発明のA結晶形の化合物は2型糖尿病の予防または治療においてより優れた経口血糖低下活性を有し、かつA結晶形は化合物の溶解性を向上させ、経口吸収能力を強化し、生物的利用能を上げ、2型糖尿病の予防または治療において効果がより良い。
結晶組成物
本発明において、前記結晶組成物は前記のA結晶形の結晶を含むか、または前記のA結晶形の結晶から製造される。
もう一つの好適な例において、前記結晶組成物の全重量で計算すると、A結晶形の結晶の重量百分率含有量は60〜99.999%、好ましくは80〜99.999%、より好ましくは90〜99.999%である。
もう一つの好適な例において、前記結晶組成物は、さらに、非A結晶形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶、無定形の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を含む。
A結晶形の製造方法
本発明において、前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形の製造方法であって、以下のような工程を含む方法を提供する。
1)第1の溶媒および前記第1の溶媒に溶解した(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を含有する第1の溶液を提供する。
前記第1の溶媒は良溶媒で、アルコール系、ケトン系、エステル系、塩化アルカン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
本発明において、前記アルコール系、ケトン系、エステル系は特に制限されず、本分野の通常の材料を使用してもよく、または通常の方法で製造してもよく、または市場から購入してもよい。
典型的に、前記アルコール系はC1-C10のアルコール、好ましくはC1-C8のアルコール、より好ましくはC1-C5のアルコールである。
代表的に、前記アルコール系はメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ネオペンチルアルコール、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
典型的に、前記ケトン系はC2-C8のケトン、好ましくはC3-C5のケトンである。
代表的に、前記ケトン系はアセトン、イソブタノールブタノン、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
典型的に、前記エステル系はC1-C10のエステル、好ましくはC1-C7のエステル、より好ましくはC1-C5のエステルである。
代表的に、前記エステル系はギ酸メチル、酢酸エチル、ギ酸イソブチル、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
代表的に、前記塩化アルカンは、ジクロロメタン、トリクロロメタン、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されず、好ましくはジクロロメタンである。
もう一つの好適な例において、前記(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸は無定形の化合物である。
2)第2の溶媒を前記第1の溶液に入れ、結晶析出させて前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を得る。
前記第2の溶媒は貧溶媒で、水、エーテル形、アルカン系、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
典型的に、前記エーテル系はC1-C10のエーテル、好ましくはC1-C8のエーテル、より好ましくはC1-C6のエーテルである。
代表的に、前記エーテル系は石油エーテル、t-ブチルメチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
典型的に、前記アルカン系はC2-C15のアルカン、好ましくはC3-C10のアルカン、より好ましくはC4-C8のアルカンである。
代表的に、前記アルカン系はn-ペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタン、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
もう一つの好ましい例において、工程2)の後、さらに、以下のような工程を含む。
3)工程2)で得られた固体をろ過および/または乾燥し、前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を得る。
本発明において、前記乾燥条件(たとえば温度、圧力、時間など)はいずれも特に制限されない。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の温度は、10〜70℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは25〜40℃である。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の圧力は0-20KPa、好ましくは0-10Kpa、より好ましくは5-10KPaである。
もう一つの好適な例において、前記乾燥の時間は5〜150時間、好ましくは30〜100時間、より好ましくは60〜80時間である。
もう一つの好適な例において、前記方法の収率は50%〜99%、好ましくは75%〜99%、より好ましくは85%〜99%である。
本発明において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は0.1 g/L〜飽和濃度である。
もう一つの好適な例において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は0.1 g/L〜100 g/L、好ましくは1 g/L〜870 g/L、より好ましくは10 g/L〜70 g/L、最も好ましくは10 g/L〜50 g/Lである。
もう一つの好適な例において、前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は非飽和濃度である。
典型的に、前記結晶析出は0〜50℃で行われる。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出は0〜40℃で行われ、好ましくは20〜30℃で行われ、室温が好適である。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出の時間は特に制限されず、好ましくは0.05〜72時間(またはそれ以上)、より好ましくは0.1〜48時間、さらに好ましくは1〜24時間、最も好ましくは2〜12時間である。
もう一つの好適な例において、前記結晶析出は撹拌しながら行われる。
薬物組成物及び使用
本発明は、前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬物組成物を提供する。
もちろん、本発明において、前記賦形剤は特に制限されず、本分野の通常の材料を使用してもよく、または通常の方法で製造してもよく、または市場から購入してもよい。
代表的に、前記賦形剤は充填剤、崩壊剤、バインダー、潤滑剤、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
代表的に、前記充填剤はデンプン、乳糖、微晶質セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
代表的に、前記崩壊剤はカルボキシメチルセルロースおよびその塩、クロスカルメロースおよびその塩、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
代表的に、前記バインダーはポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプンペースト、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
代表的に、前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
また、本発明において、前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形または前記の結晶組成物または前記の薬物組成物の使用であって、2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を予防または治療する薬物の製造における使用を提供する。
代表的に、前記2型糖尿病の合併症は、冠状動脈性疾患、卒中、高血圧、腎臓病、末梢血管性疾患、神経系疾患、網膜症を含むが、これらに限定されない。
また、本発明において、2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を治療または予防する方法であって、患者に治療有効量の前記の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形または前記の結晶組成物または前記の薬物組成物を投与する方法を提供する。
本発明のA結晶形またはその薬物組成物の投与量は、患者の年齢、性別、種族、病態などによる。
本発明化合物は、単独で投与してもよいし、あるいはほかの薬物または活性成分といっしょにまたは併用して投与してもよい。
本発明において、本発明のA結晶形または薬物組成物の施用様態は特に限定されない。通常の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸と同様または類似の投与形態を使用してもよいが、経口投与、経皮、静脈内、筋肉内、局部投与などを含むが、これらに限定されない。
既存技術と比べ、本発明は以下の主な利点を有する。
(1)本発明方法で製造されるA結晶形はより高い純度を有する。
(2)本発明A結晶形はより優れた安定性、特に熱安定性を有する。
(3)本発明A結晶形はより低い吸湿性を有し、相対湿度RHが50%未満の場合、前記A結晶形の吸湿性は0.3%未満である。
(4)本発明A結晶形は通常の条件で分解しにくい。
(5)本発明A結晶形の製造方法は操作が簡単で、制御しやすく、再現性が良く、工業化生産に適する。
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、あるいはメーカーの薦めの条件で行われた。特に断らない限り、%と部は、重量で計算される。
別の定義がない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、本分野の技術者に知られている意味と同様である。また、記載の内容と類似或いは同等の方法及び材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載の好ましい実施方法及び材料は例示のためだけである。
共通の測定方法および測定パラメーター
本発明において、前記結晶に対して一連の共通の測定を行った。
粉末X線回折分析(X-ray Diffraction、XRD)は結晶によるX線回折を利用し、物質に対して内部の原子の空間における分布状況の構造分析を行う方法である。所定波長を持つX線を結晶性物質に照射させると、X線は結晶内で規則的に配列する原子またはイオンに当たって散乱し、散乱したX線はある方向で位相が強くなることで、結晶の構造に相応する特有の回折現象を示す。
本発明において、XRDの測定パラメーターは以下の通りである。装置型式:Bruker D8advance、ターゲット:Cu-Kα (40 kV, 40 mA)、サンプルから検出器までの距離:30 cm、走査範囲:3o〜40o(2θ値)、走査ステップ:0.1 s。
熱重量分析法(Thermo Gravimetric Analysis、TGA)はプログラム温度制御条件において、物質の温度に伴う質量の変化を測定する分析技術である。熱重量分析はサンプルの熱変化による熱量を得ることができ、結晶物質における結晶溶媒または結晶水分子の喪失またはサンプルの昇華、分解の過程および量値の検出に適し、物質が結晶溶媒または結晶水成分を含有するかを有効に区別することもできる。
本発明において、TGAの測定パラメーターは以下の通りである。装置型式:Netzsch TG 209F3、坩堝:酸化アルミニウム坩堝、温度範囲:30〜400℃、走査速度:10 K/min、吹付ガス:25 mL/min、保護ガス:15 mL/min。
示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimeter、DSC)はプログラム制御の昇温または降温を利用し、温度に伴うサンプルと不活性参照物(通常α-Al2O3)の間の熱量差の変化を測定する技術である。DSC検出はサンプルの溶融分解状態、混晶物質の状態、結晶転移物質の状態などの分析に適する。
本発明において、DSCの測定パラメーターは以下の通りである。 装置型式:Perkin Elmer DSC 8500、坩堝:アルミニウム坩堝。窒素ガスで振り付けながら10℃/minの昇温速度で、50℃から280℃まで走査した。
ラマンスペクトル(Raman Spectroscopy、RM)はラマン効果に基づいて分子の振動を研究する方法で、赤外吸収スペクトルと反対で、ラマンスペクトルは分子と光の相互作用による散乱光の周波数を研究するものである。通常、赤外吸収が顕著ではない非極性基はラマンスペクトルにおける吸収が顕著である。
本発明において、RMの測定パラメーターは以下の通りである。装置型式:Thermo DXR Raman Microscope共焦点顕微ラマン分光計、レーザー波長:532 nm、露出時間:1.0 sec、露出回数:10。
赤外スペクトル(Infra-red Spectrometry、IR)は最初に結晶物質の識別と同定に使用される分析方法である。異なる結晶形の分子の共有結合の電荷環境が異なるため、共有結合の強度も変わり、共有結合の強度の変化は必然的に異なる結晶形のIRスペクトルの違いにつながる。
本発明において、IRの測定パラメーターは以下の通りである。装置型式:Nicolet 6700型フーリエ変換赤外分光計、単点ATR法、分離度4.0cm-1
動的水蒸気吸着(DVS)測定/吸水性測定は、快速に相対湿度(RH)を設定した流動キャリアガスによるサンプルの水分の増加および流失を測定するもので、サンプルを自身がぶら下がっている状態の高感度、高安定性のデジタル微量天秤に置いた後、材料の質量の増加/減少を測定することによって水蒸気の吸着/脱着を検出することで、サンプルの吸湿性を確認する。
本発明において、DVSの測定パラメーターは以下の通りである。装置型式:SMS DVS Intrinsic、無水和物:0〜95%−0% RH、温度:25 ℃、水和物:40〜95%−0% RH、温度:25 ℃。
実施例1
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.1)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLのエタノールに溶解させ、12 mLの石油エーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、結晶析出の時間は約2時間であった。ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を110 mg得た。
結果
実施例1で得られた結晶のA結晶形に対して偏光、XRD、TGA、DSC、DVS、IRおよびRamanなどの測定を行った。
図1は実施例1の結晶のA結晶形の偏光写真で、図1からA結晶形は粉末状結晶であることがわかる。
図2は実施例1の結晶のA結晶形のXRDスペクトルで、図2からA結晶形は5.42 A、7.25 A、8.09 A、8.87 A、14.18 A、15.59 A、16.65 A、17.84 A、19.03 A、20.01 A、20.67 A、21.72 A、21.95 A、22.49 A、24.53 A、25.18 A、25.56 A、27.47 A、28.61 A、33.09 A、34.25 A、37.86 Aに吸収ピークがあることがわかる。
図3は実施例1の結晶のA結晶形のTGグラフで、図3からA結晶形は210〜400 ℃に77.65%の重量減少があることがわかる。
図4は本発明の実施例1の結晶のA結晶形の示差走査熱量測定(DSC)チャートで、図4からA結晶形に相応するDSCで示された融点は131.84であることがわかる。
図5は実施例1の結晶のA結晶形の吸湿性分析(DVS)グラフで、図5からA結晶形はやや吸湿性があり、通常の保存の湿度範囲内で、湿度の変化の幅が小さく、2.0%未満であることがわかる。40%RHで水分を0.26%含有し、65%RHで水分を0.42%、80%RHで水分を0.57%吸収した。
図6は実施例1の結晶のA結晶形の赤外(IR)スペクトルで、図6からA結晶形は3368 cm-1、2940 cm-1、2848 cm-1、2222 cm-1、1729 cm-1、1672 cm-1、1564 cm-1、1529 cm-1、1470 cm-1、1454 cm-1、1387 cm-1、1298 cm-1、1203 cm-1、1105 cm-1、1075 cm-1、921 cm-1、781 cm-1、709 cm-1に特徴吸収ピークがあることがわかる。
図7は実施例1の結晶のA結晶形のラマン(Raman)スペクトルで、図7からA結晶形は3375.5 cm-1、3300.3 cm-1、3081.8 cm-1、3074.7 cm-1、2961.9 cm-1、2839.7 cm-1、2224.1 cm-1、1711.9 cm-1、1676.6 cm-1、1596.8 cm-1、1554.5 cm-1、1521.6 cm-1、1474.6 cm-1、1373.5 cm-1、1267.8 cm-1、1209.1 cm-1、1157.4 cm-1、1039.9 cm-1、917.7 cm-1、812.0 cm-1、755.6 cm-1、633.4 cm-1に特徴吸収ピークがあることがわかる。
実施例2
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.2)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLの酢酸エチルに溶解させ、8 mLの石油エーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を100 mg得た。
得られた産物のXRD結果は実施例1と基本的に同様である。
実施例3
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.3)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLの酢酸エチルに溶解させ、10 mLのエチルエーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を80 mg得た。
得られた産物のXRD結果は実施例1と基本的に同様である。
実施例4
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.4)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLのエタノールに溶解させ、10 mLのエチルエーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を60 mg得た。
得られた産物のXRD結果は実施例1と基本的に同様である。
実施例5
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.5)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLのアセトンに溶解させ、10 mLの石油エーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を80 mg得た。
得られた産物のXRD結果は実施例1と基本的に同様である。
実施例6
(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形(No.6)の製造
200 mgの(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を1 mLのジクロロメタンに溶解させ、8 mLの石油エーテルを入れ、固体が析出しないまで、室温で撹拌しながら結晶を析出させ、ろ過し、得られた固体物質を真空乾燥器に置き、25℃、5 KPaの条件で70時間真空乾燥し、(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸のA結晶を100 mg得た。
得られた産物のXRD結果は実施例1と基本的に同様である。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。

Claims (10)

  1. 式Iで表される(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形であって、XRDスペクトルでは面間隔d表示で8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、20.67±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれることを特徴とするA結晶形。
  2. 前記A結晶形のXRDスペクトルでは面間隔d表示で7.25±0.2 A、8.09±0.2A、8.87±0.2 A、14.18±0.2 A、16.65±0.2 A、20.67±0.2 A、21.95±0.2 A、25.18±0.2 A、28.61±0.2 Aの特徴吸収ピークが含まれることを特徴とする請求項1に記載のA結晶形。
  3. 以下の群から選ばれる任意の1つまたは複数の特徴を有することを特徴とする請求項1または2に記載のA結晶形:
    1)前記A結晶形のTGグラフでは、261±2℃に特徴吸収ピークが存在する;
    2)前記A結晶形のTGグラフでは、323±5℃に特徴吸収ピークが存在する;
    3)前記A結晶形の400℃における熱重量減少は77-78wt%である;
    4)前記A結晶形のDSCチャートでは、135±5℃に特徴吸収ピークが存在する;
    5)前記A結晶形の吸湿性は1%未満である。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のA結晶形の結晶を含むことを特徴とする結晶組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形の製造方法であって、以下のような工程を含むことを特徴とする方法:
    1)第1の溶媒および前記第1の溶媒に溶解した(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸を含有する第1の溶液を提供する;
    前記第1の溶媒は良溶媒で、アルコール系、ケトン系、エステル系、塩化アルカン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる;
    2)第2の溶媒を前記第1の溶液に入れ、結晶析出させて請求項1に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形を得る;
    前記第2の溶媒は貧溶媒で、水、エーテル、アルカン系、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、前記エーテル系はC1-C10のエーテルである。
  6. 前記第1の溶液において、溶質である(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の濃度は0.1 g/L〜飽和濃度であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記結晶析出は0〜50℃で行われることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形と薬学的に許容される賦形剤とを含むことを特徴とする薬物組成物。
  9. 2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を治療または予防するための、請求項8に記載の薬物組成物。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の(R)-メチル-2-(3-アミノピペリジン-1-イル)-3-(2-シアノベンジル)-4-カルボニル-3,4-ジヒドロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボン酸の結晶のA結晶形または請求項4に記載の結晶組成物または請求項8に記載の薬物組成物の使用であって、2型糖尿病および/または2型糖尿病の合併症を予防または治療する薬物の製造に使用されることを特徴とする使用。
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