JP6574688B2 - シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6574688B2
JP6574688B2 JP2015226829A JP2015226829A JP6574688B2 JP 6574688 B2 JP6574688 B2 JP 6574688B2 JP 2015226829 A JP2015226829 A JP 2015226829A JP 2015226829 A JP2015226829 A JP 2015226829A JP 6574688 B2 JP6574688 B2 JP 6574688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
resin composition
shaped resin
meth
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015226829A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017098331A (ja
Inventor
章洋 福井
章洋 福井
尚英 高本
尚英 高本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2015226829A priority Critical patent/JP6574688B2/ja
Publication of JP2017098331A publication Critical patent/JP2017098331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6574688B2 publication Critical patent/JP6574688B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/731Location prior to the connecting process
    • H01L2224/73101Location prior to the connecting process on the same surface
    • H01L2224/73103Bump and layer connectors
    • H01L2224/73104Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/80Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected
    • H01L2224/83Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using a layer connector
    • H01L2224/8319Arrangement of the layer connectors prior to mounting
    • H01L2224/83191Arrangement of the layer connectors prior to mounting wherein the layer connectors are disposed only on the semiconductor or solid-state body

Landscapes

  • Dicing (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Description

本発明は、シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体装置及びそのパッケージの薄型化、小型化がより一層求められている。そのための方策として、半導体チップ等の半導体素子が基板上にフリップチップボンディングにより実装された(フリップチップ接続された)フリップチップ型の半導体装置が広く利用されている。フリップチップ接続は、半導体チップの回路面を被着体の電極形成面と対向した状態とし(フェイスダウン)、半導体チップの回路面に形成された突起電極と被着体の電極とを接合することで固定する実装法である。
フリップチップ接続後には、半導体素子表面の保護や半導体素子と基板との間の接続信頼性を確保するために、半導体素子と基板との間の空間への封止樹脂の充填が行われている。このような封止樹脂としては、液状の封止樹脂が広く用いられているものの、液状の封止樹脂では注入位置や注入量の調節が困難である。そこで、シート状の封止樹脂(アンダーフィルシート)を用いて半導体素子と基板との間の空間を充填する技術が展開されつつある。
アンダーフィルシートとしてシート状樹脂組成物を用いるプロセスとしては、シート状樹脂組成物を貼り合わせた半導体ウェハをダイシングテープの保持下にてブレードによりダイシング(いわゆるブレードダイシング)した後、ダイシングテープを延伸し、次いで個片化されたチップをシート状樹脂組成物とともにピックアップし、半導体チップに貼りつけられているシート状樹脂組成物にて基板等の被着体と半導体素子の間の空間を充填しながら半導体チップを被着体に接続して実装するという手順が検討されている。
ブレードダイシングの場合には、半導体ウェハとともにシート状樹脂組成物を切断する必要がある。ところが、ダイヤモンドブレードを用いるダイシング方法においては、ダイシング時に発生する熱の影響によるシート状樹脂組成物とダイシングテープとの癒着、切削屑の発生による半導体チップ同士の固着、半導体チップ側面への切削屑の付着、薄い半導体ウェハの場合はチッピング等が懸念されるため、切断速度を遅くする必要があり、コストの上昇を招いていた。
これに対し、半導体ウェハにおける分割予定ラインにレーザー光を照射して改質領域を形成することにより、半導体ウェハを分割予定ラインにて容易に分割可能とした後、引張応力を加えることによりこの半導体ウェハを破断して、個々の半導体チップを得る方法(以下「ステルスダイシング(登録商標)」ともいう)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、特に半導体ウェハの厚さが薄い場合にチッピング等の不良が発生することを低減することを可能とするとともに、カーフ幅(切り白)を従来に比して狭くして半導体チップの収率向上を図ることができるとされている。
特開2014−195102号公報
シート状樹脂組成物の保持下において、ステルスダイシングによりシート状樹脂組成物付の個々の半導体チップを得るためには、エキスパンド工程における引張応力により半導体ウェハとともにシート状樹脂組成物を破断する必要がある。そこで、ステルスダイシングでは、シート状樹脂組成物の破断性を高めるために、低温下(例えば、0℃)にてエキスパンドするという手法が提案されつつある。しかしながら、従来のシート状樹脂組成物を低温下でエキスパンドすると、部分的に半導体ウェハやシート状樹脂組成物が破断されないという不具合が発生しており、半導体装置の製造の歩留まりが低下する結果となっている。
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、低温下において引張応力により好適に破断されるシート状樹脂組成物及びその用途を提供することにある。
本願発明者らは、前記問題点を解決すべくシート状樹脂組成物の低温下での特性に着目して鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、複数の突起電極が形成された半導体ウェハの回路面とシート状樹脂組成物とを貼り合わせる工程Aと、
前記半導体ウェハを分割可能にする工程Bと,
−20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハを前記シート状樹脂組成物とともに破断してシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体を得る工程Cと、
被着体と前記積層体の半導体チップとの間の空間を前記シート状樹脂組成物で充填しつつ前記半導体チップの突起電極と前記被着体とを電気的に接続する工程Dと
を工程A−B−C−D又は工程B−A−C−Dの順で含む半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性のシート状樹脂組成物であって、
熱硬化前の0℃における貯蔵弾性率が1GPa以上20GPa以下であるシート状樹脂組成物に関する。
当該シート状樹脂組成物では、熱硬化前の低温下(0℃)での貯蔵弾性率を所定範囲として破断性を向上させているので、低温下での引張応力の負荷により好適に破断することができる。貯蔵弾性率が低すぎる場合は、低温下でのシート状樹脂組成物の柔軟性ないし粘性が高くなってしまい、それゆえ破断性としては低下することになる。
前記シート状樹脂組成物は絶縁性であることが好ましい。これにより、フリップチップ接続を行った際でもシート状樹脂組成物を介しての導通を防止することができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
前記シート状樹脂組成物の熱硬化前の80℃〜230℃の範囲での最低溶融粘度が100Pa・s〜10000Pa・sであることが好ましい。これにより、半導体ウェハとシート状樹脂組成物との貼り合わせの際に突起電極の埋まり込みがスムーズになるとともに、実装時の突起電極の接合が不十分となるのを防止することができる。
当該シート状樹脂組成物は、前記工程Bにおいて、半導体ウェハの分割予定ラインに、レーザー光を照射して前記分割予定ライン上に改質領域を形成し、
前記工程Cにおいて、−20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハと前記シート状樹脂組成物とを前記分割予定ラインにて破断し、半導体チップを形成する半導体装置の製造方法に特に好適に用いることができる。
本発明には、当該シート状樹脂組成物が、基材上に粘着剤層が積層されたダイシングテープ上に積層されている積層シートも含まれる。
本発明はまた、複数の突起電極が形成された半導体ウェハの回路面と当該シート状樹脂組成物とを貼り合わせる工程Aと、
前記半導体ウェハを分割可能にする工程Bと、
−20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハを前記シート状樹脂組成物とともに破断してシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体を得る工程Cと、
被着体と前記積層体の半導体チップとの間の空間を前記シート状樹脂組成物で充填しつつ前記半導体チップの突起電極と前記被着体とを電気的に接続する工程Dと
を工程A−B−C−D又は工程B−A−C−Dの順で含む半導体装置の製造方法に関する。
当該製造方法では、低温破断性の良好なシート状樹脂組成物を用いているので、低温下での引張応力の負荷でもシート状樹脂組成物を好適に破断することができ、製造効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る積層シートを示す断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る積層シートを示す断面模式図である。 本実施形態に係る半導体装置の一製造方法を説明するための断面模式図である。 本実施形態に係る半導体装置の一製造方法を説明するための断面模式図である。 (a)、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の一製造方法を説明するための断面模式図である。 本実施形態に係る半導体装置の一製造方法を説明するための断面模式図である。 (a)、及び、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の他の製造方法を説明するための断面模式図である。 本実施形態に係る半導体装置の他の製造方法を説明するための断面模式図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、特段の言及がない限り、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
《第1実施形態》
<積層シート>
本実施形態の積層シートについて以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る積層シートを示す断面模式図である。図2は、本発明の他の実施形態に係る積層シートを示す断面模式図である。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。
図1に示すように、積層シート10は、ダイシングテープ11上にシート状樹脂組成物3が積層された構成を有する。ダイシングテープ11は基材1上に粘着剤層2を積層して構成されており、シート状樹脂組成物3はその粘着剤層2上に設けられている。また本実施形態は、図2に示す積層シート12のように、半導体ウェハ貼り付け部分にのみシート状樹脂組成物3’を形成した構成であってもよい。
(ダイシングテープ)
前記基材1は紫外線透過性を有するものが好ましく、積層シート10、12の強度母体となるものである。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、金属(箔)、紙等が挙げられる。
また基材1の材料としては、前記樹脂の架橋体等のポリマーが挙げられる。前記プラスチックフィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。延伸処理等により熱収縮性を付与した樹脂シートによれば、ダイシング後にその基材1を熱収縮させることにより粘着剤層2とシート状樹脂組成物3、3’との接着面積を低下させて、半導体チップ(半導体素子)の回収の容易化を図ることができる。
基材1の表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高める為、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理を施すことができる。前記基材1は、同種又は異種のものを適宜に選択して使用することができ、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。また、基材1には、帯電防止能を付与する為、前記の基材1上に金属、合金、これらの酸化物等からなる厚さが30〜500Å程度の導電性物質の蒸着層を設けることができる。基材1は単層あるいは2種以上の複層でもよい。
基材1の厚さは、特に制限されず適宜に決定できるが、一般的には5〜200μm程度である。
前記粘着剤層2は紫外線硬化型粘着剤を含み構成されていることが好ましい。紫外線硬化型粘着剤は、紫外線の照射により架橋度を増大させてその粘着力を容易に低下させることができ、図2に示す粘着剤層2の半導体ウェハ貼り付け部分に対応する部分2aのみを紫外線照射することにより他の部分2bとの粘着力の差を設けることができる。
また、図2に示すシート状樹脂組成物3’に合わせて紫外線硬化型の粘着剤層2を硬化させることにより、粘着力が著しく低下した前記部分2aを容易に形成できる。硬化し、粘着力の低下した前記部分2aにシート状樹脂組成物3’が貼付けられる為、粘着剤層2の前記部分2aとシート状樹脂組成物3’との界面は、ピックアップ時に容易に剥がれる性質を有する。一方、紫外線を照射していない部分は十分な粘着力を有しており、前記部分2bを形成する。
前述の通り、図1に示す積層シート10の粘着剤層2に於いて、未硬化の紫外線硬化型粘着剤により形成されている前記部分2bはシート状樹脂組成物3と粘着し、ダイシングする際の保持力を確保できる。この様に紫外線硬化型粘着剤は、半導体チップを基板等の被着体にダイボンドする為のシート状樹脂組成物3を、接着・剥離のバランスよく支持することができる。図2に示す積層シート12の粘着剤層2に於いては、前記部分2bがウェハリングを固定することができる。
前記紫外線硬化型粘着剤は、炭素−炭素二重結合等の紫外線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性粘着剤に、紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の紫外線硬化型粘着剤を例示できる。
前記感圧性接着剤としては、半導体ウェハやガラス等の汚染をきらう電子部品の超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性等の点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等のアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等)の1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー等が挙げられる。尚、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性等の改質を目的として、必要に応じ、前記
(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。この様なモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、
(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
更に、前記アクリル系ポリマーは、架橋させる為、多官能性モノマー等も、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。この様な多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。清浄な被着体への汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上、更に好ましくは40万〜300万程度である。
また、前記粘着剤には、ベースポリマーであるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高める為、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤等のいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、更には、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、前記ベースポリマー100重量部に対して、5重量部以下が好ましい。また、下限値としては0.1重量部以上であることが好ましい。更に、粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、各種の粘着付与剤、老化防止剤等の添加剤を用いてもよい。
配合する前記紫外線硬化性のモノマー成分としては、例えば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また紫外線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、前記粘着剤層の種類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる量を、適宜に決定することができる。一般的には、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましくは70〜150重量部程度である。
また、紫外線硬化型粘着剤としては、前記説明した添加型の紫外線硬化型粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の紫外線硬化型粘着剤が挙げられる。内在型の紫外線硬化型粘着剤は、低分子量成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、又は多くは含まない為、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層を形成することができる為好ましい。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。この様なベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示したアクリル系ポリマーが挙げられる。
前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが分子設計が容易である。例えば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の紫外線硬化性を維持したまま縮合又は付加反応させる方法が挙げられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、前記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物等を共重合したものが用いられる。
前記内在型の紫外線硬化型粘着剤は、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー
(特にアクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に前記紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。紫外線硬化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部の範囲内であり、好ましくは0〜10重量部の範囲である。
前記紫外線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば0.05〜20重量部程度である。
また紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、特開昭60−196956号公報に開示されている、不飽和結合を2個以上有する付加重合性化合物、エポキシ基を有するアルコキシシラン等の光重合性化合物と、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過酸化物、アミン、オニウム塩系化合物等の光重合開始剤とを含有するゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤等が挙げられる。
前記粘着剤層2に前記部分2aを形成する方法としては、基材1に紫外線硬化型の粘着剤層2を形成した後、前記部分2aに部分的に紫外線を照射し硬化させる方法が挙げられる。部分的な紫外線照射は、半導体ウェハ貼り付け部分3a以外の部分3b等に対応するパターンを形成したフォトマスクを介して行うことができる。また、スポット的に紫外線を照射し硬化させる方法等が挙げられる。紫外線硬化型の粘着剤層2の形成は、セパレータ上に設けたものを基材1上に転写することにより行うことができる。部分的な紫外線硬化はセパレータ上に設けた紫外線硬化型の粘着剤層2に行うこともできる。
積層シート10の粘着剤層2に於いては、(前記部分2aの粘着力)<(その他の部分2bの粘着力)、となるように粘着剤層2の一部を紫外線照射してもよい。即ち、基材1の少なくとも片面の、半導体ウェハ貼り付け部分3aに対応する部分以外の部分の全部又は一部が遮光されたものを用い、これに紫外線硬化型の粘着剤層2を形成した後に紫外線照射して、半導体ウェハ貼り付け部分3aに対応する部分を硬化させ、粘着力を低下させた前記部分2aを形成することができる。遮光材料としては、支持フィルム上でフォトマスクになり得るものを印刷や蒸着等で作製することができる。これにより、効率よく本発明の積層シート10を製造可能である。
粘着剤層2の厚さは特に限定されないが、チップ切断面の欠け防止や接着層の固定保持の両立性等の点から、1〜50μm程度が好ましく、より好ましくは2〜30μm、更に好ましくは5〜25μmである。
(シート状樹脂組成物)
本実施形態におけるシート状樹脂組成物3、3’は、表面実装された半導体素子と被着体との間の空間を充填する封止用フィルムとして用いることができる。
シート状樹脂組成物3、3’では、0℃における貯蔵弾性率が1GPa以上20GPa以下である。0℃における貯蔵弾性率は1.5GPa以上が好ましく、2GPa以上がより好ましい。貯蔵弾性率を上記範囲とすることにより、シート状樹脂組成物の結晶化度ないし分子鎖の凝集度を高めて低温下でのエキスパンド時の破断性を向上させることができる。ウエハラミネート性の点から、シート状樹脂組成物の0℃における貯蔵弾性率は18GPa以下が好ましく、15GPa以下がより好ましい。
シート状樹脂組成物3、3’の熱硬化前の80℃〜230℃における最低溶融粘度は100Pa・s〜10000Pa・sであることが好ましく、200Pa・s〜8000Pa・sがより好ましく、300Pa・s〜6000Pa・sがさらに好ましい。最低溶融粘度を上記範囲とすることで、半導体ウェハの突起電極のシート状樹脂組成物への埋まり込みを良好にすることができる。最低溶融粘度が高すぎると実装時の突起電極の接合が不十分となる場合がある。
シート状樹脂組成物の層構造は特に限定されず、例えば、シート状樹脂組成物3、3’(図1、図2参照)のように接着剤層の単層のみからなるものや単層の接着剤層を積層したもの、コア材料の片面又は両面に接着剤層を形成した多層構造のもの等が挙げられる。前記コア材料としては、フィルム(例えばポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム等)、ガラス繊維やプラスチック製不織繊維で強化された樹脂基板、シリコン基板又はガラス基板等が挙げられる。シート状樹脂組成物が多層構造のものである場合、多層構造のシート状樹脂組成物全体として、各特性が所定数値範囲内であればよい。
前記シート状樹脂組成物3、3’を構成する接着剤組成物としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を併用したものが好適に挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、又は熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。特に、半導体素子を腐食させるイオン性不純物等の含有が少ないエポキシ樹脂が好ましい。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂は、接着剤組成物として一般に用いられるものであれば特に限定は無く、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオンレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型若しくはグリシジルアミン型等のエポキシ樹脂が用いられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型樹脂又はテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
更に、前記フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。半導体装置の接続信頼性を向上させることができるからである。
熱硬化性樹脂としては、23℃において固形の熱硬化型樹脂が好ましい。これにより低温下でのシート状樹脂組成物の柔軟性を抑制して破断性を向上させることができる。23℃において固形の熱硬化型樹脂としては市販品を好適に用いることができ、例えば、エポキシ樹脂としては、AER−8039(旭化成エポキシ製、融点78℃)、BREN−105(日本化薬製、融点64℃)、BREN−S(日本化薬製、融点83℃)、CER−3000L(日本化薬製、融点90℃)、EHPE−3150(ダイセル化学製、融点80℃)、EPPN−501HY(日本化薬製、融点60℃)、ESN−165M(新日鉄化学製、融点76℃)、ESN−175L(新日鉄化学製、融点90℃)、ESN−175S(新日鉄化学製、融点67℃)、ESN−355(新日鉄化学製、融点55℃)、ESN−375(新日鉄化学製、融点75℃)、ESPD−295(住友化学製、融点69℃)、EXA−7335(大日本インキ製、融点99℃)、EXA−7337(大日本インキ製、融点70℃)、HP−7200H(大日本インキ製、融点82℃)、TEPIC−SS(日産化学製、融点108℃)、KI−3000(東都化成製、融点64℃)、YDC−1312(東都化成製、融点141℃)、YDC−1500(東都化成製、融点101℃)、YL−6121HN(JER製、融点130℃)、YSLV−120TE(東都化成製、融点113℃)、YSLV−80XY(東都化成製、融点80℃)、YX−4000H(JER製、融点105℃)、YX−4000K(JER製、融点107℃)、ZX−650(東都化成製、融点85℃)、エピコート1001(JER製、融点64℃)、エピコート1002(JER製、融点78℃)、エピコート1003(JER製、融点89℃)、エピコート1004(JER製、融点97℃)、エピコート1006FS(JER製、融点112℃)を挙げることができる。
また、フェノール樹脂としては、DL−65(明和化成製、融点65℃)、DL−92(明和化成製、融点92℃)、DPP−L(日本石油製、融点100℃)、GS−180(群栄化学製、融点83℃)、GS−200(群栄化学製、融点100℃)、H−1(明和化成製、融点79℃)、H−4(明和化成製、融点71℃)、HE−100C−15(住友ケミカル製、融点73℃)、HE−510−05(住友ケミカル製、融点75℃)、HF−1(明和化成製、融点84℃)、HF−3(明和化成製、融点96℃)、MEH−7500(明和化成製、融点111℃)、MEH−7500−3S(明和化成製、融点83℃)、MEH−7800H(明和化成製、融点86.5℃)、MEH−7800−3L(明和化成製、融点72℃)、MEH−7851(明和化成製、融点78℃)、MEH−7851−3H(明和化成製、融点105℃)、MEH−7851−4H(明和化成製、融点130℃)、MEH−7851SS(明和化成製、融点66.5℃)、MEH−7851S(明和化成製、融点73℃)、P−1000(荒川化学製、融点63℃)、P−180(荒川化学製、融点83℃)、P−200(荒川化学製、融点100℃)、VR−8210(三井化学製、融点60℃)、XLC−3L(三井化学製、融点70℃)、XLC−4L(三井化学製、融点62℃)、XLC−LL(三井化学製、融点75℃)等を挙げることができる。
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との配合割合は、例えば、前記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
前記熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体素子の信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体(アクリル共重合体)等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
上記アクリル樹脂のなかでも、凝集力向上の理由で、アクリル共重合体が特に好ましい。上記アクリル共重合体としては、例えば、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとの共重合体、アクリル酸とアクリロニトリルとの共重合体、アクリル酸ブチルとアクリロニトリルとの共重合体を挙げることができる。
上記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30℃以上30℃以下が好ましく、−20以上15℃がより好ましい。上記アクリル樹脂のガラス転移温度を−30℃以上とすることにより、シート状樹脂組成物が硬くなり、破断性が向上し、30℃以下とすることにより、低温でのウエハラミネート性が向上する。ガラス転移温度が−30℃以上30℃以下のアクリル樹脂としては、例えば、ナガセケムテックス(株)製:SG−708−6(ガラス転移温度:4℃)、SG−790(ガラス転移温度:−25℃)、WS−023(ガラス転移温度:−5℃)、SG−70L(ガラス転移温度:−13℃)、SG−80H(ガラス転移温度:7.5℃)、SG−P3(ガラス転移温度:12℃)を挙げることができる。
また、前記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂の配合割合としては、所定条件下で加熱した際にシート状樹脂組成物3、3’が熱硬化型としての機能を発揮する程度であれば特に限定されないが、5〜60重量%の範囲内であることが好ましく、10〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。
前記シート状樹脂組成物3、3’のなかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び、アクリル樹脂を含有し、前記エポキシ樹脂と前記フェノール樹脂との合計重量をXとし、前記アクリル樹脂の重量をYとしたとき、X/(X+Y)が0.3以上0.9未満であることが好ましく、0.35以上0.85未満であることがより好ましく、0.4以上0.8未満であることがさらに好ましい。エポキシ樹脂及びフェノール樹脂は、含有量が多くなるにつれて破断され易くなる一方、半導体ウェハ4への接着性が低下する。また、アクリル樹脂は、含有量が多くなるにつれて貼り合わせの際やハンドリングの際にシート状樹脂組成物3、3’が割れ難くなり作業性が良好となる一方、破断され難くなる。そこで、X/(X+Y)を0.3以上とすることにより、ステルスダイシングにより半導体ウェハ4から半導体素子5を得る際に、シート状樹脂組成物3、3’と半導体ウェハ4とを同時に破断することがより容易となる。また、X/(X+Y)を0.9未満とすることより、作業性を良好とすることができる。
シート状樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物を含んでもよい。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性官能基以外の骨格部分が単量体に基づく繰り返し単位を有するオリゴマー又はポリマーを好適に用いることができる。ラジカル重合性化合物の重量平均分子量が1000未満である場合にはオリゴマーに分類し、重量平均分子量が1000以上である場合にはポリマーに分類することができる。
上記オリゴマーまたはポリマーの骨格としては、例えば、ポリエステル系骨格、ポリエーテル系骨格、ポリウレタン系骨格、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン系ポリマー骨格、ポリ(メタ)アクリレート系骨格、フェノール樹脂骨格、アニリン樹脂骨格、ポリオレフィン系骨格、ポリアミド系骨格、シクロオレフィン系ポリマー骨格、ポリシロキサン系骨格などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの骨格のなかでは、ポリエステル系骨格、ポリエーテル系骨格、ポリウレタン系骨格、共役ジエン系ポリマー骨格、ポリ(メタ)アクリレート系骨格、フェノール樹脂骨格およびアニリン樹脂骨格が好ましい。
骨格部分とラジカル重合性官能基とは、共有結合で結合していればよいが、エステル結合および/またはウレタン結合を介して結合していることが好ましい。
ラジカル重合性化合物のオリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基が骨格部分とウレタン結合を介して結合しているウレタン(メタ)アクリレート系重合性オリゴマー、(メタ)アクリロイル基が骨格部分とウレタン結合を介して結合しているウレタン(メタ)アクリレート系ポリマー、エポキシ樹脂(エポキシ基を有するオリゴマーまたはポリマー)に(メタ)アクリル酸を付加させた構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート系重合性オリゴマー、エポキシ樹脂(エポキシ基を有するオリゴマーまたはポリマー)に(メタ)アクリル酸を付加させた構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート系ポリマー、(メタ)アクリロイル基がポリエステル系骨格とエステル結合を介して結合しているポリエステル(メタ)アクリレート系重合性オリゴマー、(メタ)アクリロイル基がポリエステル系骨格とエステル結合を介して結合しているポリエステル(メタ)アクリレート系ポリマー、(メタ)アクリロイル基がフェノール樹脂骨格とエステル結合を介して結合しているフェニルメタン(メタ)アクリレート系重合性オリゴマー、(メタ)アクリロイル基がフェノール樹脂骨格とエステル結合を介して結合しているフェニルメタン(メタ)アクリレート系ポリマー、アニリン樹脂骨格にマレイミド基が直接結合しているフェニルメタンマレイミド系重合性オリゴマー、アニリン樹脂骨格にマレイミド基が直接結合しているフェニルメタンマレイミド系ポリマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ラジカル重合性オリゴマー又はポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は300、好ましい上限は2万である。重量平均分子量が2万を超えると、増粘のためシート状樹脂組成物の流動性が低下することがある。重量平均分子量のより好ましい下限は500、より好ましい上限は1万である。なお、重量平均分子量は、液体クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値である。
シート状樹脂組成物中のラジカル重合性オリゴマー又はポリマーの添加量は、5〜35重量%程度の範囲が好ましく、9〜25重量%の範囲がより好ましい。ラジカル重合性オリゴマー又はポリマーの添加量が上記下限未満では硬化性が不十分となり、上記上限を超えるとシート成形性や硬化物の特性が低下する場合がある。
シート状樹脂組成物には、ラジカル重合性オリゴマー又はポリマーに加え、必要に応じてラジカル重合性モノマーを本発明の効果を損なわない範囲で含ませることができる。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の多官能(メタ)アクリレート;
上記した(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらラジカル重合性モノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性オリゴマーとラジカル重合性モノマーとを併用する場合は、該ラジカル重合性モノマーの使用量は、シート状樹脂組成物のタック上昇をさけるため、オリゴマー100重量部に対して100重量部以下であることが好ましく、なかでも10〜70重量部であることが好ましい。
シート状樹脂組成物は、ラジカル発生剤を含んでもよい。ラジカル発生剤としては10時間半減期温度が170℃以下であることが好ましい。このようなラジカル発生剤としては、特定の温度や紫外線照射によりラジカルを発生し得る一般的なラジカル発生剤を好適に用いることができる。上記範囲の10時間半減期温度の採用により、実装工程(ボンディング工程)の温度(例えば、100〜260℃)にて容易にラジカル発生剤からラジカルを発生させることができる。実装工程中にラジカルが発生しやすいことで、シート状樹脂組成物の硬化が進行し、ボイドの膨張や半導体チップからのはみ出しを抑制することができる。ラジカル発生剤は有機過酸化物であることが好ましい。これによりラジカル発生剤と構成樹脂との親和性が高まって相分離を低減することができ、ラジカル重合性化合物の均一な硬化を促進させることができる。また、10時間半減期温度の調整が容易となり、半導体装置の製造プロセスの設計が容易となる。
10時間半減期温度が170℃以下であるラジカル発生剤は、市販のものを好適に用いることができ、例えば、パーロイルL(10時間半減期温度:61.6℃、日油株式会社製)、ナイパーFF(10時間半減期温度:73.6℃、日油株式会社製)、パーヘキサHC(10時間半減期温度:87.1℃、日油株式会社製)、パーヘキサ25B(10時間半減期温度:117.9℃、日油株式会社製)、パークミルD(10時間半減期温度:116.4℃、日油株式会社製)、パーブチルE(10時間半減期温度:99℃、日油株式会社製)、パーブチルP(10時間半減期温度:119.2℃、日油株式会社製)、パーヘキサV(10時間半減期温度:104.5℃、日油株式会社製)、パーヘキシルI(10時間半減期温度:95℃、日油株式会社製)、パーブチルL(10時間半減期温度:98.3℃、日油株式会社製)、パーヘキサ22(10時間半減期温度:103.1℃、日油株式会社製)、パーヘキシン25B(10時間半減期温度:128.4℃、日油株式会社製)、パーブチルH(10時間半減期温度:166.5℃、日油株式会社製)、OT AZO−15(10時間半減期温度61℃、大塚化学株式会社製)、ACVA(10時間半減期温度68℃、大塚化学株式会社製)等が挙げられる。
ラジカル発生剤の配合量は、ラジカル重合性化合物のラジカル重合を誘起し得る範囲であればよいものの、ラジカル重合性化合物100重量部に対し、0.1〜15重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
本発明のシート状樹脂組成物3、3’を予めある程度架橋をさせておく場合には、作製に際し、重合体の分子鎖末端の官能基等と反応する多官能性化合物を架橋剤として添加させておくことができる。これにより、高温下での接着特性を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。
前記架橋剤としては、従来公知のものを採用することができる。特に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、多価アルコールとジイソシアネートの付加物等のポリイソシアネート化合物がより好ましい。架橋剤の添加量としては、前記の重合体100重量部に対し、通常0.05〜7重量部とするのが好ましい。架橋剤の量が7重量部より多いと、接着力が低下するので好ましくない。その一方、0.05重量部より少ないと、凝集力が不足するので好ましくない。また、この様なポリイソシアネート化合物と共に、必要に応じて、エポキシ樹脂等の他の多官能性化合物を一緒に含ませるようにしてもよい。
また、シート状樹脂組成物3、3’には、無機充填剤を配合することができる。無機充填剤の配合は、導電性の付与や熱伝導性の向上、貯蔵弾性率の調節等を可能にする。
前記無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック類、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、はんだ等の金属、又は合金類、その他カーボン等からなる種々の無機粉末が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、シリカ、特に溶融シリカが好適に用いられる。
無機充填剤の平均粒径は、チクソトロピー性の制御等の点から、500nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましく、30nm以上300nm以下がさらに好ましく、50nm以上200nm以下が特に好ましい。上記無機充填剤の平均粒径が上記範囲を下回ると、粒子の凝集が発生しやすくなり、シート状樹脂組成物の形成が困難となる場合がある。また、シート状樹脂組成物の可撓性が低下する原因にもなる。一方、上記平均粒径が上記範囲を超えると、シート状樹脂組成物と被着体との接合部への無機粒子の噛み込みが発生しやすくなるため、半導体装置の接続信頼性が低下するおそれがある。また、粒子の粗大化によりヘイズが上昇するおそれがある。なお、本発明においては、平均粒径が相互に異なる無機充填剤同士を組み合わせて使用してもよい。また、平均粒径は、光度式の粒度分布計(HORIBA製、装置名;LA−910)により求めた値である。
前記無機充填剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対し50〜1000重量部であることが好ましく、100〜800重量部がより好ましい。無機充填剤の含有量を上記範囲とすることで、シート状樹脂組成物に適度な粘性と粘性変化性を付与することができ、実装時の過剰なはみ出し防止及び加圧加熱硬化工程でのボイドの狭小化をより効率的に行うことができる。
尚、シート状樹脂組成物3、3’には、前記無機充填剤以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、例えば難燃剤、シランカップリング剤又はイオントラップ剤等が挙げられる。前記難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。前記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
シート状樹脂組成物の構成材料として熱硬化触媒を用いてもよい。その含有量としては、シート状樹脂組成物がアクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂を含む場合、アクリル樹脂成分100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。含有量を上記下限以上にすることにより、ダイボンディング時においては未反応であったエポキシ基同士を、後工程において重合させ、当該未反応のエポキシ基を低減ないしは消失させることができる。その結果、被着体上に半導体素子を接着固定させ剥離のない半導体装置の製造が可能になる。その一方、配合割合を上記上限以下にすることにより、硬化阻害の発生を防止することができる。
前記熱硬化触媒としては特に限定されず、例えば、イミダゾール系化合物、トリフェニルフォスフィン系化合物、アミン系化合物、トリフェニルボラン系化合物、トリハロゲンボラン系化合物等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記イミダゾール系化合物としては、2−メチルイミダゾール(商品名;2MZ)、2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z)、2−ヘプタデシルイミダゾール(商品名;C17Z)、1,2−ジメチルイミダゾール(商品名;1.2DMZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2−フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(商品名;2P4MZ)、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(商品名;1B2MZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(商品名;1B2PZ)、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(商品名;2MZ−CN)、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z−CN)、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(商品名;2PZCNS−PW)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;2MZ−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;C11Z−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名;2E4MZ−A)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MA−OK)、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2PHZ−PW)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2P4MHZ−PW)等が挙げられる(いずれも四国化成(株)製)。
前記トリフェニルフォスフィン系化合物としては特に限定されず、例えば、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ(p−メチルフェニル)フォスフィン、トリ(ノニルフェニル)フォスフィン、ジフェニルトリルフォスフィン等のトリオルガノフォスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(商品名;TPP−PB)、メチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MB)、メチルトリフェニルホスホニウムクロライド(商品名;TPP−MC)、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MOC)、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(商品名;TPP−ZC)等が挙げられる(いずれも北興化学社製)。また、前記トリフェニルフォスフィン系化合物としては、エポキシ樹脂に対し実質的に非溶解性を示すものであることが好ましい。エポキシ樹脂に対し非溶解性であると、熱硬化が過度に進行するのを抑制することができる。トリフェニルフォスフィン構造を有し、かつエポキシ樹脂に対し実質的に非溶解性を示す熱硬化触媒としては、例えば、メチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MB)等が例示できる。なお、前記「非溶解性」とは、トリフェニルフォスフィン系化合物からなる熱硬化触媒がエポキシ樹脂からなる溶媒に対し不溶性であることを意味し、より詳細には、温度10〜40℃の範囲において10重量%以上溶解しないことを意味する。
前記トリフェニルボラン系化合物としては特に限定されず、例えば、トリ(p−メチルフェニル)フォスフィン等が挙げられる。また、トリフェニルボラン系化合物としては、更にトリフェニルフォスフィン構造を有するものも含まれる。当該トリフェニルフォスフィン構造及びトリフェニルボラン構造を有する化合物としては特に限定されず、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名;TPP−K)、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリボレート(商品名;TPP−MK)、ベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名;TPP−ZK)、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン(商品名;TPP−S)等が挙げられる(いずれも北興化学社製)。
前記アミノ系化合物としては特に限定されず、例えば、モノエタノールアミントリフルオロボレート(ステラケミファ(株)製)、ジシアンジアミド(ナカライテスク(株)製)等が挙げられる。
前記トリハロゲンボラン系化合物としては特に限定されず、例えば、トリクロロボラン等が挙げられる。
シート状樹脂組成物3、3’には、はんだバンプの表面の酸化膜を除去して半導体素子の実装を容易にするために、フラックスを添加してもよい。フラックスとしては特に限定されず、従来公知のフラックス作用を有する化合物を用いることができ、例えば、ジフェノール酸、アジピン酸、アセチルサリチル酸、安息香酸、ベンジル酸、アゼライン酸、ベンジル安息香酸、マロン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、サリチル酸、o−メトキシ安息香酸(o−アニス酸)、m−ヒドロキシ安息香酸、コハク酸、2,6−ジメトキシメチルパラクレゾール、安息香酸ヒドラジド、カルボヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、チオカルボヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド及びアジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。フラックスの添加量は上記フラックス作用が発揮される程度であればよく、通常、シート状樹脂組成物に含まれる樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部程度である。
シート状樹脂組成物の厚さ(複層の場合は総厚)は特に限定されないものの、シート状樹脂組成物の強度や半導体チップと被着体との間の空間の充填性を考慮すると10μm以上100μm以下程度であってもよい。なお、シート状樹脂組成物の厚さは、半導体チップと被着体との間のギャップや突起電極の高さを考慮して適宜設定すればよい。
前記積層シート10、12のシート状樹脂組成物3、3’は、セパレータにより保護されていることが好ましい(図示せず)。セパレータは、実用に供するまでシート状樹脂組成物3、3’を保護する保護材としての機能を有している。また、セパレータは、更に、粘着剤層2にシート状樹脂組成物3、3’を転写する際の支持基材として用いることができる。セパレータは積層シートのシート状樹脂組成物3、3’上にワークを貼着する際に剥がされる。セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等も使用可能である。
<積層シートの製造方法>
本実施の形態に係る積層シート10、12は、例えば、次の通りにして作製される。
先ず、基材1は、従来公知の製膜方法により製膜することができる。当該製膜方法としては、例えばカレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、共押出し法、ドライラミネート法等が例示できる。
次に、基材1上に粘着剤組成物溶液を塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させ(必要に応じて加熱架橋させて)、粘着剤層2を形成する。塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度80〜150℃、乾燥時間0.5〜5分間の範囲内で行われる。また、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布して塗布膜を形成した後、前記乾燥条件で塗布膜を乾燥させて粘着剤層2を形成してもよい。その後、基材1上に粘着剤層2をセパレータと共に貼り合わせる。これにより、ダイシングテープ11が作製される。
シート状樹脂組成物3、3’は、例えば、次の通りにして作製される。
先ず、シート状樹脂組成物3、3’の形成材料である接着剤組成物溶液を作製する。当該接着剤組成物溶液には、前述の通り、前記接着剤組成物や無機充填剤、その他各種の添加剤等が配合されている。
次に、接着剤組成物溶液を基材セパレータ上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させ、シート状樹脂組成物を形成する。塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜5分間の範囲内で行われる。また、セパレータ上に接着剤組成物溶液を塗布して塗布膜を形成した後、前記乾燥条件で塗布膜を乾燥させてシート状樹脂組成物を形成してもよい。その後、基材セパレータ上に接着剤層をセパレータと共に貼り合わせる。
続いて、ダイシングテープ11及びシート状樹脂組成物からそれぞれセパレータを剥離し、シート状樹脂組成物と粘着剤層とが貼り合わせ面となる様にして両者を貼り合わせる。貼り合わせは、例えば圧着により行うことができる。このとき、ラミネート温度は特に限定されず、例えば30〜70℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。また、線圧は特に限定されず、例えば0.1〜20kgf/cmが好ましく、1〜10kgf/cmがより好ましい。次に、シート状樹脂組成物上の基材セパレータを剥離し、本実施の形態に係る積層シートが得られる。
なお、シート状樹脂組成物に紫外線感応性化合物(ラジカル重合性化合物やラジカル発生剤)が含まれており、かつ粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤により形成されている場合は、貼り合わせ前に粘着剤層におけるシート状樹脂組成物との貼り合わせ面に対して予め紫外線を照射し、硬化させておく。これにより、粘着剤層の粘着力が低下してピックアップ工程を好適に行うことができるとともに、シート状樹脂組成物に含まれる紫外線感応性化合物への不用意な紫外線照射を防止することができる。例えば、紫外線を照射する際の照射強度、照射時間等の条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。また、紫外線照射に使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、低圧高出力ランプ、中圧水銀ランプ、無電極水銀ランプ、キセノン・フラッシュ・ランプ、エキシマ・ランプ、紫外LED等を用いることができる。
シート状樹脂組成物に紫外線感応性化合物が含まれていない場合は、紫外線硬化型の粘着剤層への紫外線照射は貼り合わせ前でも貼り合わせ後でもいずれであってもよい。また、貼り合わせの段階では紫外線照射を行わず、ピックアップ工程(後述)におけるシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体のピックアップの前に紫外線照射を行ってもよい。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法は、複数の突起電極が形成された半導体ウェハの回路面とシート状樹脂組成物とを貼り合わせる工程Aと、
前記半導体ウェハを分割可能にする工程Bと、
−20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハを前記シート状樹脂組成物とともに破断してシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体を得る工程Cと、
被着体と前記積層体の半導体チップとの間の空間を前記シート状樹脂組成物で充填しつつ前記半導体チップの突起電極と前記被着体とを電気的に接続する工程D
を工程A−B−C−D又は工程B−A−C−Dの順で含む。
以下、積層シート12を用い、工程B−A−C−Dの順で行う半導体装置の製造方法について説明する。図3〜図6は、本実施形態に係る半導体装置の一製造方法を説明するための断面模式図である。
(工程B)
まず、半導体ウェハ4の分割予定ライン4Lにレーザー光を照射して分割予定ライン4L上に改質領域を形成する。本方法は、半導体ウェハの内部に集光点を合わせ、格子状の分割予定ラインに沿ってレーザー光を照射し、多光子吸収によるアブレーションにより半導体ウェハの内部に改質領域を形成する方法である。レーザー光照射条件としては、以下の条件の範囲内で適宜調整すればよい。
(A)レーザー光
レーザー光源 半導体レーザー励起Nd:YAGレーザー
波長 1064nm
レーザー光スポット断面積 3.14×10−8cm
発振形態 Qスイッチパルス
繰り返し周波数 100kHz以下
パルス幅 1μs以下
出力 1mJ以下
レーザー光品質 TEM00
偏光特性 直線偏光
(B)集光用レンズ
倍率 100倍以下
NA 0.55
レーザー光波長に対する透過率 100%以下
(C)半導体基板が載置される裁置台の移動速度 280mm/秒以下
なお、レーザー光を照射して分割予定ライン4L上に改質領域を形成する方法については、特許第3408805号公報や、特開2003−338567号公報に詳述されているので、ここでの詳細な説明は省略することとする。
(工程A)
次に、図1及び図4に示すように、シート状樹脂組成物3’上に、改質領域形成後の半導体ウェハ4を突起電極7が形成された回路面をシート状樹脂組成物と対向させて圧着し、これを接着保持させて固定する(マウント工程)。なお、図1では半導体ウェハ4をシート状樹脂組成物3に貼り合わせているが、図2に示すシート状樹脂組成物3’にも同様に貼り合わせることができる。本工程は、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行う。マウントの際の貼り付け温度は特に限定されないが、40〜80℃の範囲内であることが好ましい。半導体ウェハ4の反りを効果的に防止することができるとともに、積層シートの伸縮の影響を低減することができるからである。
(工程C)
次に、積層シート12に引張応力を加えることによって、半導体ウェハ4とシート状樹脂組成物3’とを分割予定ライン4Lにて破断し、半導体チップ5を形成する(チップ形成工程)。本工程には、例えば、市販のウェハ拡張装置を用いることができる。具体的には、図5(a)に示すように、半導体ウェハ4が貼り合わせられた積層シート12の粘着剤層2周辺部にダイシングリング31を貼り付けた後、ウェハ拡張装置32に固定する。次に、図5(b)に示すように、突き上げ部33を上昇させて、積層シート12に張力をかける。
このチップ形成工程は、−20℃〜25℃の条件下において実行されることが好ましく、−15〜23℃の条件下において実行されることが好ましく、−10〜20℃の条件下において実行されることがより好ましい。チップ形成工程が上記温度条件下において実行することで、シート状樹脂組成物3’の結晶化度を高めることができ、良好な破断性を得ることができる。
また、チップ形成工程において、エキスパンド速度(突き上げ部が上昇する速度)は100〜400mm/秒が好ましく、100〜350mm/秒であることがより好ましく、100〜300mm/秒であることがさらに好ましい。エキスパンド速度を100mm/秒以上とすることにより、半導体ウェハ4とシート状樹脂組成物3’とを略同時に容易に破断することができる。また、エキスパンド速度を400mm/秒以下とすることより、ダイシングテープ11が破断することを防止することができる。
また、チップ形成工程において、エキスパンド量は6〜12%であることが好ましい。前記エキスパンド量は、前記数値範囲内において、形成されるチップサイズに応じて適宜調整すればよい。なお、本明細書において、エキスパンド量とは、エキスパンド前のダイシングテープの表面積を100%としてエキスパンドにより増加した表面積の値(%)である。エキスパンド量を6%以上とすることにより、半導体ウェハ4、及び、シート状樹脂組成物3’の破断を容易とすることができる。また、エキスパンド量を12%以下とすることより、ダイシングテープ11が破断することを防止することができる。
このように、積層シート12に引張応力を加えることにより、半導体ウェハ4の改質領域を起点として半導体ウェハ4の厚さ方向に割れを発生させるとともに、半導体ウェハ4と密着するシート状樹脂組成物3’を破断させることができ、シート状樹脂組成物3’付きの半導体チップ5を得ることができる。
次に、積層シート12に接着固定された半導体チップ5とシート状樹脂組成物3’との積層体を剥離する為に、半導体チップ5のピックアップを行う(ピックアップ工程)。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体チップ5を積層シート12側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップ5をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。
ここでピックアップは、上述のように、シート状樹脂組成物に紫外線感応性化合物が含まれず、粘着剤層2が紫外線硬化型であり、かつ粘着剤層2の紫外線硬化が行われていない場合、該粘着剤層2に紫外線を照射した後に行う。これにより、粘着剤層2のシート状樹脂組成物3’に対する粘着力が低下し、半導体チップ5の剥離が容易になる。その結果、半導体チップ5を損傷させることなくピックアップが可能となる。紫外線照射の際の照射強度、照射時間等の条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。なお、粘着剤層が紫外線硬化されたダイシングテープにシート状樹脂組成物が貼り合わされた積層シートを用いている場合は、ここでの紫外線照射は不要である。
(工程D)
次に、図6に示すように、被着体6と半導体チップ5の間の空間をシート状樹脂組成物3’で充填しつつ突起電極7を介して半導体チップ5と被着体6とを電気的に接続する(実装工程)。具体的には、ピックアップした積層体の半導体チップ5を、半導体チップ5の回路面が被着体6と対向する形態で、被着体6に常法に従い固定させる。例えば、半導体チップ5に形成されている突起電極7を、被着体6の接続パッドに被着された接合用のはんだ導電材(図示せず)に接触させて押圧しながら導電材を溶融させることにより、半導体チップ5と被着体6との電気的接続を確保し、半導体チップ5を被着体6に固定させることができる。半導体チップ5の回路面にはシート状樹脂組成物3’が貼り付けられているので、半導体チップ5と被着体6との電気的接続と同時に、半導体チップ5と被着体6との間の空間がシート状樹脂組成物3’により充填されることになる。
一般的に、実装工程における仮固定条件としては温度100〜200℃であり、加圧0.5〜100Nである。また、実装工程における接合条件としては温度150〜300℃であり、加圧1〜200Nである。実装工程での接合処理は複数回に分けて行ってもよい。例えば、150℃、20Nで10秒間処理した後、260℃、30Nで10秒間処理するという手順を採用することができる。複数回での接合処理を行うことにより、突起電極とパッド間ないし突起電極と裏面電極間の樹脂を効率よく除去し、より良好な金属間接合を得ることが出来る。
被着体6としては、リードフレーム、TABフィルム、基板又は別途作製した半導体チップ等が挙げられる。被着体6は、例えば、容易に変形されるような変形型被着体であってもよく、変形することが困難である非変形型被着体(半導体ウェハ等)であってもよい。
前記基板としては、従来公知のものを使用することができる。また、前記リードフレームとしては、Cuリードフレーム、42Alloyリードフレーム等の金属リードフレームやガラスエポキシ、BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ポリイミド等からなる有機基板を使用することができる。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、半導体素子を接着固定し、半導体素子と電気的に接続して使用可能な回路基板も含まれる。
次に、封止樹脂8により半導体チップ5を封止する(封止工程)。本工程は、被着体6に搭載された半導体チップ5を保護する為に行われる。本工程は、封止用の樹脂を金型で成型することにより行う。封止樹脂8としては、例えばエポキシ系の樹脂を使用する。樹脂封止の際の加熱温度は、通常175℃で60〜90秒間行われるが、本実施形態ではこれに限定されず、例えば165〜185℃で、数分間キュアすることができる。これにより、封止樹脂を硬化させる。即ち、本実施形態に於いては、後述する後硬化工程が行われない場合に於いても、本工程に於いてシート状樹脂組成物3’による硬化が可能であり、製造工程数の減少及び半導体装置の製造期間の短縮に寄与することができる。
さらに、後硬化工程を行ってもよい。後硬化工程に於いては、前記封止工程で硬化不足の封止樹脂8を完全に硬化させる。封止工程に於いてシート状樹脂組成物3’が完全に熱硬化していない場合でも、本工程に於いて封止樹脂8と共にシート状樹脂組成物3’の完全な熱硬化が可能となる。本工程に於ける加熱温度は、封止樹脂の種類により異なるが、例えば165〜185℃の範囲内であり、加熱時間は0.5〜8時間程度である。
なお、本実施形態の積層シートは、複数の半導体チップを積層して3次元実装をする場合にも好適に用いることができる。このとき、半導体チップ間にシート状樹脂組成物とスペーサとを積層させてもよく、スペーサを積層することなく、シート状樹脂組成物のみを半導体チップ間に積層させてもよく、製造条件や用途等に応じて適宜変更可能である。
《第2実施形態》
第1実施形態では、予め改質領域を形成した半導体ウェハ4をシート状樹脂組成物3’上に圧着する。第2実施形態では、シート状樹脂組成物3’に半導体ウェハを圧着し(工程A)、次いで、シート状樹脂組成物3’上に配置された半導体ウェハにレーザー光を照射して内部に改質領域を形成する(工程B)。すなわち、工程A−B−C−Dの順で行うことになる。圧着条件及びレーザー光照射条件は第1実施形態の条件を好適に採用することができる。なお、シート状樹脂組成物と半導体ウェハとを貼り合わせた後、ダイシングテープをいずれの面に貼り合わせるかについては、製造プロセスの設計に応じて決定することができる。第1実施形態では、ダイシングテープ上のシート状樹脂組成物に半導体ウェハの突起電極が形成された回路面を貼り合わせている。これに代えて、半導体ウェハの突起電極が形成された回路面とシート状樹脂組成物とを貼り合わせた後、ウェハ面側にダイシングテープを貼り合わせるようにしてもよい。
《第3実施形態》
第1実施形態では、所望の厚さを有する半導体ウェハを用いている。第3実施形態では、半導体ウェハの裏面研削を行って厚さを調整する。すなわち、裏面研削用テープとシート状樹脂組成物3’との積層シートに半導体ウェハを圧着し(工程A)、次いで、シート状樹脂組成物3’上に配置された半導体ウェハにレーザー光を照射して内部に改質領域を形成し(工程B)、半導体ウェハの裏面を所定の厚さまで研削し、研削面にダイシングテープとシート状樹脂組成物3’との積層シートを貼り合わせた後、裏面研削用テープを剥離し、ダイシングテープに引張応力を付与することで半導体ウェハを破断する(工程C)。裏面研削は公知のバックグラインダを用いることができる。
《第4実施形態》
第1実施形態及び2実施形態では、半導体ウェハの片面に突起電極が形成されている。第4実施形態では、半導体ウェハの両面のそれぞれに複数の突起電極が形成さている態様について説明する。両面の突起電極同士の電気的接続には、TSV(Through Silicon Via)形式と呼ばれるビアを介しての接続等が挙げられる。この点以外は、第1実施形態及び2実施形態と同様に工程を行えばよい。すなわち、半導体ウェハにレーザー光を照射して内部に改質領域を形成し(工程B)、改質領域を形成した半導体ウェハ4を積層シートのシート状樹脂組成物3’上に圧着してもよい(工程A)。あるいは、積層シートのシート状樹脂組成物3’に半導体ウェハを圧着し(工程A)、次いで、シート状樹脂組成物3’上に配置された半導体ウェハにレーザー光を照射して内部に改質領域を形成してもよい(工程B)。
《第5実施形態》
次に、半導体ウェハの表面に溝を形成し、その後、裏面研削を行う工程を採用した半導体装置の製造方法について以下に説明することとする。図7、図8は、本実施形態に係る半導体装置の他の製造方法を説明するための断面模式図である。
(工程B)
まず、図7(a)に示すように、回転ブレード41にて半導体ウェハ4の表面4Fに裏面4Rまで達しない溝4Sを形成する。なお、溝4Sの形成時には、半導体ウェハ4は、図示しない支持基材にて支持される。溝4Sの深さは、半導体ウェハ4の厚さやエキスパンドの条件に応じて適宜設定可能である。次に、図7(b)に示すように、表面4Fが当接するように半導体ウェハ4を保護基材42に支持させる。その後、研削砥石45にて裏面研削を行い、裏面4Rから溝4Sを表出させる。なお、半導体ウェハへの保護基材42の貼り付けは、従来公知の貼付装置を用いることができ、裏面研削も、従来公知の研削装置を用いることができる。
(工程A)
次に、図8に示すように、積層シート12上に、溝4Sが表出した半導体ウェハ4を圧着し、これを接着保持させて固定する(仮固着工程)。
(工程C)
その後、保護基材42を剥がし、ウェハ拡張装置32により積層シート12に張力をかける。これにより、シート状樹脂組成物3’を破断し、半導体チップ5を形成する(チップ形成工程)。なお、チップ形成工程における温度、エキスパンド速度、エキスパンド量は、レーザー光を照射して分割予定ライン4L上に改質領域を形成する場合と同様である。工程C以降の工程は、レーザー光を照射して分割予定ライン4L上に改質領域を形成する場合と同様であるからここでの説明は省略することとする。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1〜5及び比較例1>
(シート状樹脂組成物の作製)
以下の成分を表1に示す固形分の割合でメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が25.4〜65.6重量%となる接着剤組成物の溶液を調製した。
アクリルポリマー1:アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」、根上工業株式会社製)
アクリルポリマー2:商品名「SG−P3」、ナガセケムテックス株式会社製
エポキシ樹脂1:商品名「エピコート1004」、JER株式会社製
エポキシ樹脂2:商品名「エピコート828」、JER株式会社製
エポキシ樹脂3:商品名「HP4700」、DIC株式会社製
フェノール樹脂:商品名「MEH−7851−H」、明和化成株式会社製
ラジカル重合性化合物:商品名「VR90」、昭和電工株式会社製
フラックス:2−フェノキシ安息香酸
無機充填剤:球状シリカ(商品名「SO−25R」、株式会社アドマテックス製)
熱硬化促進触媒:イミダゾール触媒(商品名「2PHZ−PW」、四国化成株式会社製)
ラジカル発生剤:商品名「パーブチルD」、日油株式会社製
実施例1〜実施例3及び比較例1に関しては、この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μm及び35μmのシート状樹脂組成物をそれぞれ作製した。
実施例4〜実施例5に関しては、調製した接着剤組成物の溶液を、剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、120℃で3分間乾燥させることにより、厚さ20μm及び35μmのシート状樹脂組成物をそれぞれ作製した。
<評価>
作製したシート状樹脂組成物について、以下の測定ないし評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
(貯蔵弾性率の測定)
粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、製品名「RSA III」)にて、貯蔵弾性率を測定した。塗布乾燥後の熱硬化処理をしていないシート状樹脂組成物を160μmの厚さとなるまで積層し、幅10mm、長さ50mmの短冊状サンプルを切り出した。このサンプルの貯蔵弾性率を、−10℃〜100℃の範囲で、昇温速度10℃/min、周波数1Hzの条件で測定し、0℃での貯蔵弾性率[GPa]を得た。
(最低溶融粘度の測定)
塗布乾燥後の熱硬化処理をしていないシート状樹脂組成物の静的粘度を、回転式粘度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、製品名「HAAKE MARS III」)にて測定した。塗布乾燥後の熱硬化処理をしていないシート状樹脂組成物を160μmの厚さとなるまで積層し、測定サンプルとした。測定条件は、ギャップ100μm、回転プレート直径20mm、昇温速度10℃/min、せん断速度5s−1とし、80℃〜230℃における粘度を測定して、この範囲における最低値を最低溶融粘度[Pa・s]とした。
(破断性の評価)
レーザー加工装置として株式会社東京精密製、ML300−Integrationを用いて半導体ウェハの内部に集光点を合わせ、格子状(10mm×10mm)の分割予定ラインに沿って半導体ウェハの表面側からレーザー光を照射し、半導体ウェハの内部に改質領域を形成した。半導体ウェハは、シリコンウェハ(厚さ75μm、外径12インチ)を用いた。また、レーザー光照射条件は、下記のようにして行った。
(A)レーザー光
レーザー光源 半導体レーザー励起Nd:YAGレーザー
波長 1064nm
レーザー光スポット断面積 3.14×10−8cm
発振形態 Qスイッチパルス
繰り返し周波数 100kHz
パルス幅 30ns
出力 20μJ/パルス
レーザー光品質 TEM00 40
偏光特性 直線偏光
(B)集光用レンズ
倍率 50倍
NA 0.55
レーザー光波長に対する透過率 60%
(C)半導体基板が載置される裁置台の移動速度 100mm/秒
シート状樹脂組成物のそれぞれに、レーザー光による前処理を行った半導体ウェハを貼り合わせた後、破断試験を行った。破断試験は、エキスパンド温度0℃の条件下において行った。エキスパンド速度は400mm/秒、エキスパンド量は6%とした。破断試験の結果、半導体ウェハの中央部100チップについて、分割予定ラインにてチップとシート状樹脂組成物とが良好に破断されているチップ数をカウントした。チップとそれに付随するシート状樹脂組成物が良好に破断されているチップ数が90以上であった場合を「○」、90未満であった場合を「×」として評価した。
(接合状態の評価)
(株)ウォルツのテストビークル(厚さ725μmのウェハに高さ40μmのバンプが形成されたもの)に、厚さ35μmのシート状樹脂組成物を貼り付け、積層体Aとした。貼付条件は、真空度:100Paの条件下において、温度:80℃、貼り付け圧力:0.5MPaとした。
次いで、ダイシングテープ(商品名「WS−01」、日東電工社製)に積層体Aのウェハ側を貼り合わせて固定し、積層体Aをブレードダイシングすることで、シート状樹脂組成物と半導体チップ(チップサイズ:7mm角)との積層体Bを作製した。
次に、ピックアップした積層体Bを、表面に電極を有する実装用基板(電極の高さ:15μm)に実装した。実装は、東レエンジニアリング社のフリップチップボンダー(FC3000W)を用いて行った。実装条件は、荷重:1MPaの条件下、200℃で10秒間保持した後、260℃で10秒保持するというものであった。
得られた実装後のサンプルに通電し、実際に動作確認を行うことで接合状態を確認した。導通がとられて正常に作動しており、かつ接合断面に割れ等の無い良好な接合状態の場合を「○」、導通がとられていないか、もしくは不十分であり正常に作動しなかった場合、又は接合断面に割れ等の不具合が発生していた場合を「×」として評価した。
Figure 0006574688
実施例1〜5のシート状樹脂組成物では、0℃におけるチップ及びシート状樹脂組成物の破断性は良好であった。また、半導体チップのバンプと基板の電極との接合状態も良好であり、シート状樹脂組成物をアンダーフィル材として好適に用いることができることが分かった。これに対し、比較例1のシート状樹脂組成物の破断性は劣る結果となった。これは0℃での貯蔵弾性率が小さくなっていることから、シート状樹脂組成物においては弾性よりも粘性の影響が強くなり、それによりシート状樹脂組成物の破断が不十分となったと考えられる。
なお、接合状態の評価では、半導体ウェハの個片化をブレードダイシングにより行ったものの、ステルスダイシングによっても同様の接合状態が得られると考えられる。また、本実施例ではステルスダイシングによる評価を行ったものの、DBG法による評価でも同様の結果が得られると考えられる。
1 基材
2 粘着剤層
3、3’ シート状樹脂組成物
4 半導体ウェハ
5 半導体チップ
6 被着体
7 突起電極
8 封止樹脂
10、12 積層シート
11 ダイシングテープ

Claims (6)

  1. 複数の突起電極が形成された半導体ウェハの回路面とシート状樹脂組成物とを貼り合わせる工程Aと、
    前記半導体ウェハを分割可能にする工程Bと、
    −20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハを前記シート状樹脂組成物とともに破断してシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体を得る工程Cと、
    被着体と前記積層体の半導体チップとの間の空間を前記シート状樹脂組成物で充填しつつ前記半導体チップの突起電極と前記被着体とを電気的に接続する工程Dと
    を工程A−B−C−D又は工程B−A−C−Dの順で含む半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性のシート状樹脂組成物であって、
    熱硬化前の0℃における貯蔵弾性率が1GPa以上20GPa以下であり、
    無機充填剤が、樹脂成分100重量部に対し100〜800重量部の配合量で配合されているシート状樹脂組成物。
  2. 前記シート状樹脂組成物が絶縁性である請求項1に記載のシート状樹脂組成物。
  3. 前記シート状樹脂組成物の熱硬化前の80℃〜230℃の範囲での最低溶融粘度が100Pa・s〜10000Pa・sである請求項1又は2に記載のシート状樹脂組成物。
  4. 前記工程Bにおいて、半導体ウェハの分割予定ラインに、レーザー光を照射して前記分割予定ライン上に改質領域を形成し、
    前記工程Cにおいて、−20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハと前記シート状樹脂組成物とを前記分割予定ラインにて破断し、半導体チップを形成する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載のシート状樹脂組成物が、基材上に粘着剤層が積層されたダイシングテープ又は裏面研削用テープ上に積層されている積層シート。
  6. 複数の突起電極が形成された半導体ウェハの回路面と請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状樹脂組成物とを貼り合わせる工程Aと、
    前記半導体ウェハを分割可能にする工程Bと、
    −20℃〜25℃の条件下において、引張応力を加えることにより、前記半導体ウェハを前記シート状樹脂組成物とともに破断してシート状樹脂組成物と半導体チップとの積層体を得る工程Cと、
    被着体と前記積層体の半導体チップとの間の空間を前記シート状樹脂組成物で充填しつつ前記半導体チップの突起電極と前記被着体とを電気的に接続する工程Dと
    を工程A−B−C−D又は工程B−A−C−Dの順で含む半導体装置の製造方法。
JP2015226829A 2015-11-19 2015-11-19 シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法 Active JP6574688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015226829A JP6574688B2 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015226829A JP6574688B2 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017098331A JP2017098331A (ja) 2017-06-01
JP6574688B2 true JP6574688B2 (ja) 2019-09-11

Family

ID=58804026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015226829A Active JP6574688B2 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6574688B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7066350B2 (ja) * 2017-08-03 2022-05-13 三井化学東セロ株式会社 生産性に優れたギャングボンディングプロセス用アンダーフィル絶縁フィルム
JP7157301B2 (ja) * 2017-11-06 2022-10-20 株式会社東京精密 ウェーハの加工方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4976522B2 (ja) * 2010-04-16 2012-07-18 日東電工株式会社 熱硬化型ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、及び、半導体装置の製造方法
JP5827878B2 (ja) * 2011-11-28 2015-12-02 日東電工株式会社 半導体装置の製造方法
JP2013127997A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Nitto Denko Corp 半導体装置の製造方法
JPWO2014080918A1 (ja) * 2012-11-20 2017-01-05 古河電気工業株式会社 半導体チップの製造方法およびそれに用いる薄膜研削用表面保護テープ
JP6068386B2 (ja) * 2014-03-31 2017-01-25 日東電工株式会社 熱硬化型ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム及び半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017098331A (ja) 2017-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6068386B2 (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム及び半導体装置の製造方法
JP4976522B2 (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、及び、半導体装置の製造方法
JP5666335B2 (ja) 保護層形成用フィルム
JP5830250B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5561949B2 (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム
JP6445315B2 (ja) ダイシングシート、ダイシング・ダイボンドフィルム及び半導体装置の製造方法
JP6101492B2 (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2011060848A (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、及び、半導体装置
JP2011102383A (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム
JP2009049400A (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム
JP2015092594A (ja) 保護層形成用フィルム
JP5828881B2 (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2014216488A (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2011103440A (ja) 熱硬化型ダイボンドフィルム
JP5908543B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5888805B2 (ja) 接着フィルム及びダイシング・ダイボンドフィルム
JP6574685B2 (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム及び半導体装置の製造方法
JP6574688B2 (ja) シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法
JP2015122425A (ja) 半導体装置の製造方法、半導体装置、包埋用接着フィルム、及びダイシング・ダイボンドフィルム
JP2015120836A (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP6407684B2 (ja) シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法
JP2018098231A (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP6312422B2 (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP6193926B2 (ja) 接着フィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、及び、半導体装置の製造方法
JP2015214660A (ja) シート状樹脂組成物、積層シート及び半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6574688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250