以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態における搬送車両100の上面図であり、図1(b)は、搬送車両100の側面図である。
なお、図1(a)では、理解を容易にするために、車輪120、プラグ130、チューブ131、位置調整機構140、エアベアリング150及び制御盤160を点線で図示すると共に位置調整機構140の詳細構成は省略して図示している。また、図1(b)では、プラグ130、チューブ131、位置調整機構140を点線で図示すると共に、ガイド200,300の断面を図示している。
まず、図1を参照して、搬送車両100の全体構成について説明する。
図1に示すように、搬送車両100は、積載物(図示せず)を所定位置に搬送するための車両であり、車体110と、車輪120と、一対のプラグ130と、それら一対のプラグ130が配設される位置調整機構140と、エアベアリング150と、制御盤160とを主に備える。車体110は、その上面に積載物を載置するための部材であり、鉄鋼材料によって上面視略矩形状に形成される。
車輪120は、車体110を走行させるためのものであり、車体110の下面に配設される。この車輪120は、走行駆動装置(図示せず)とステアリング装置(図示せず)とによってそれぞれ独立して回転駆動、操舵駆動される。これにより、搬送車両100は、前後進走行や横行走行を行うことができる。
プラグ130は、搬送車両100の停止位置の位置決めの際に後述するガイド200,300と嵌合するための軸状部材であり、その先端部にガイド200,300が備える傾斜部と同一の角度で傾斜する傾斜面を備え、押出運動、引込運動可能に形成されると共に、車体110の中心101に対して点対称となる位置にそれぞれ配設される。
位置調整機構140は、車体110に対するプラグ130の位置を調整するためのものであり、プラグ130が配設されると共に、車体110の下面に配設される。この位置調整機構140によって、プラグ130の位置を車体110の幅方向(図1(a)の上下方向)で調整することができるので、所定の停止位置に対する搬送車両100の停止位置のずれを容易に補正することができる。なお、プラグ130及び位置調整機構140の詳細構成については、図2及び図3を参照して後述する。
エアベアリング150は、ガイド200,300が埋設される所定位置近傍に至った車体110を地面から浮上させるための浮上装置であり、略円形状の柔軟なダイヤフラム151を有し、車体110の下面に配設される。
ダイヤフラム151は、コンプレッサ(図示せず)から供給される空気により膨張し、その空気はダイヤフラム151の孔(図示せず)から排出される。これにより、排出される空気によってダイヤフラム151と地面との間に空気膜が形成され、車体110が地面から浮上する。浮上した車体110は僅かな力で移動するので、後述するように、プラグ130をガイド200,300へ挿入し嵌合させる際の力で、車体110を移動させることができる。即ち、浮上した車体110をプラグ130がガイド200,300に嵌合する位置に高精度に移動させることができる。
一方、コンプレッサの駆動が停止すると、ダイヤフラム151への空気供給が停止される。よって、ダイヤフラム151内の空気が排出されて収縮し、車体110は降下する。これにより、所定位置への搬送車両100の移動を高精度に完了できる。
制御盤160は、走行駆動装置、プラグ130及びコンプレッサ等を制御するための制御装置であり、車体110の下面に配設される。
ガイド200,300は、搬送車両100の停止位置を位置決めするためにプラグ130と嵌合するための凹部であり、所定位置の地面に埋設される。ガイド200,300は、その軸心が所定位置に位置する搬送車両100の一方又は他方のプラグ130の軸心と略一致する位置に埋設される。
ガイド200は、上面視略円形状に形成され、その中心から上方へ向けて拡径する略円錐状の傾斜部を備える。よって、プラグ130がガイド200に挿入された状態で車体110が浮上すると、プラグ130がガイド200の傾斜部の傾斜面に沿ってガイド200の中心へ向けて滑動し、ガイド200と嵌合する。従って、所定位置近傍に位置する搬送車両100を所定位置に高精度に移動させることができる。
ガイド300は、上面視略矩形状に形成され、その幅方向(図1(b)の紙面垂直方向)の中心から幅方向両側の上方へ向けてそれぞれ傾斜する傾斜部を備える。よって、プラグ130がガイド300に挿入された状態で車体110が浮上すると、プラグ130がその傾斜部の傾斜面に沿ってガイド300の幅方向の中心へ向けて滑動し、ガイド300と嵌合する。
また、ガイド300は、その幅方向両側のみに傾斜部が形成されているので、その長手方向(図1(b)の左右方向)におけるプラグ130の動きを許容することができる。即ち、各プラグ130同士の離間距離が変化した場合においても、各プラグ130をガイド200,300にそれぞれ確実に挿入することができる。よって、ガイド200,300を基準にして搬送車両100をガイドが埋設される所定位置に高精度に位置決めすることができる。また、本実施形態では、ガイド300が搬送車両100の長手方向に沿って凹部を形成するため、プラグ130は、ガイド300の長手方向と直交する方向(車体110の幅方向)で調整される。
次いで、図2及び図3を参照して、プラグ130及び位置調整機構140の詳細構成について説明する。図2は、図1(b)の矢印II方向から見たプラグ130及び位置調整機構140の側面図である。図3(a)は、図2の矢印III方向から見たプラグ130及び位置調整機構140の正面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における位置調整機構140の部分拡大断面図である。また、図3(b)では、理解を容易にするために、ブロック142bの詳細構成を省略して図示している。
図2及び図3に示すように、プラグ130は、チューブ131と、そのチューブ131内に配設されるピストン(図示せず)と、そのピストンに固定されるロッド130aとを備え、油圧によりピストンをチューブ131内で移動させることで、ロッド130aを押出運動、引込運動させる油圧シリンダとして構成される。ロッド130aの先端には、略円錐状の先端部130bが形成されると共に、ロッド130aの外周面からは、フランジ状の張出部130cが径方向へ張り出して形成される。
ロッド130aの外径寸法は、ガイド200の開口寸法およびガイド300の幅方向の寸法よりも小さく設定されている。また、張出部130cの外径寸法は、ガイド200の開口寸法およびガイド300の幅方向の寸法よりも大きく設定されている。これにより、ロッド130aは、ガイド200,300への挿入が許容される一方、張出部130cは、ガイド200,300への挿入が抑制される。その結果、例えば、ガイド200,300の深さが何らかの原因で変形して深くなっても、張出部130cの下面はガイド200,300の上面と当接するので、プラグ130がガイド200,300に過剰に挿入されることを抑制することができる。
先端部130bは、先端側(図2の下側)へ向けて縮径する略円錐状に形成され、その傾斜面は、ガイド200,300の傾斜部の傾斜角と同一の角度で傾斜している。これにより、プラグ130を伸長させた場合、プラグ130の軸心とガイド200の軸心又はガイド300の幅方向の中心との間にずれがあっても、プラグ130の先端部130bをガイド200,300の傾斜部に当接させることができる。
よって、プラグ130の先端部130bをガイド200,300の傾斜部に当接させた状態で上述したように車体110を浮上させつつプラグ130を更に伸長させることにより、プラグ130はガイド200,300の傾斜部に沿って滑動し、プラグ130の軸心とガイド200の軸心又はガイド300の幅方向の中心とが一致した状態で嵌合する。よって、ガイドが埋設される所定位置近傍に位置する搬送車両100を所定位置へ高精度に移動させることができる。
位置調整機構140はプラグ130の位置を車体110の幅方向(図1(a)の上下方向および図3(a)の左右方向)に調整するためのものであり、車体110の下面に連結されるベース体側本体部141と、そのベース体側本体部141にリニアガイドウェイ(ガイドレール141a及び脚部142a)を介して直線運動可能に配設されるベース体142と、車体110の下面に連結される連設体側本体部143と、シリンダ145の駆動源である電動モータ144と、その電動モータ144を駆動源として伸縮運動するシリンダ145と、そのシリンダ145に連結される連設体146とを備える。
ベース体側本体部141は、位置調整機構140のベース体142側の基盤となる板状部材であり、ガイドレール141a及びストロークセンサ141bを備えると共に、車体110の下面に連結される。
ガイドレール141aは、ベース体142をベース体側本体部141に対して直線運動可能に案内するためのリニアガイドウェイのレールであり、ベース体側本体部141に固定される。また、ガイドレール141aは、車体110の幅方向に平行に2個延設されると共に、後述する脚部142aを介してベース体142が配設される。
また、プラグ130は、ベース体142に配設されると共に、その配設位置は、プラグ130の軸心が2個のガイドレール141aの中間に一致する位置とされる。これにより、ベース体142に配設されるプラグ130の軸心が常に2個のガイドレール141aの中間に位置するため、プラグ130がガイド200,300に嵌合する際にガイドレール141aにかかる力が均等に分散し、ガイドレール141aの耐久性が向上する。
ストロークセンサ141bは、ベース体142の移動量を検出するためのセンサであり、その移動量を確認することによって、ベース体142の位置、即ちプラグ130の位置を検出することができる。
ベース体142は、プラグ130が配設されると共に、自身の直線運動に合わせてプラグ130の位置を調整するための板状部材であり、脚部142aとブロック142bとを備え、脚部142aとガイドレール141aとが係合することでベース体側本体部141に配設される
脚部142aは、ベース体142をベース体側本体部141に対して直線運動可能に案内するためのリニアガイドウェイのキャリッジであり、ベース体142におけるプラグ130が配設される面とは反対側の面上に4個配設されると共に、ガイドレール141aと係合する。これにより、ベース体142は、ガイドレール141a及び脚部142aを介して車体110の幅方向に直線運動可能となる。よって、ベース体142に配設されるプラグ130の位置を車体110の幅方向で調整することが可能となる。また、ベース体142が2個のガイドレール141aによって案内されるので、ベース体142の直線運動を安定して案内することができる。
ブロック142bは、連設体146の直線運動をベース体142に伝達するためのリニアガイドウェイのキャリッジであり、ベース体142に配設されると共に、後述する連設体146の直線運動の方向(図3(a)の上下方向)に対して所定の傾斜角で傾斜した方向に沿ってガイドレール146cと係合する。なお、ブロック142b及びガイドレール146cの係合部分については、図3(b)を参照して後述する。
連設体側本体部143は、位置調整機構140の連設体146側の基盤となる板状部材であり、ブロック143aを備えると共に、車体110の下面に連結される。
ブロック143aは、連設体146の直線運動を案内するためのリニアガイドウェイのキャリッジであり、連設体側本体部143に固定されると共に、後述するリニアガイドウェイのレールであるガイドレール146bと係合する。
電動モータ144は、後述するシリンダ145の駆動源であり、シリンダ145に配設される。
シリンダ145は、後述する連設体146を介してベース体142に駆動力を付与するための駆動手段であり、ロッドの先端に孔145aを備え、連設体側本体部143に配設される。また、シリンダ145は、本実施形態ではボールねじ機構のシリンダによって構成され、その内部にらせん状の溝が形成されるロッド(図示せず)及びそのロッドの溝を転動するボール(図示せず)を備える。そのボールを駆動源である電動モータ144によって転動させ、シリンダ145を伸縮運動させる。
連設体146は、シリンダ145の伸縮運動をベース体142に伝達するための板状部材であり、突起部146a及びガイドレール146b,146cを備える。
突起部146aは、シリンダ145及び連設体146を連結固定するための部材であり、連設体146から車体110の下面に向けて突出して2個形成されると共に、その2個の突起部146aは各個が孔を備え、ボルトを軸支可能に形成される。即ち、シリンダ145の先端の孔145a及び突起部146aの孔をボルト止めすることで、シリンダ145及び連設体146を連結固定することができる。よって、シリンダ145の伸縮運動を連設体146に伝達することができる。
ガイドレール146bは、連設体146の直線運動を案内するためのリニアガイドウェイのレールであり、シリンダ145の伸縮運動の方向に対して平行に形成される。即ち、シリンダ145の伸縮運動の方向と平行な方向に沿ってブロック143aと係合するので、シリンダ145の伸縮運動による連設体146の直線運動を安定して案内することができる。
ガイドレール146cは、連設体146の直線運動をベース体142に伝達するためのリニアガイドウェイのレールであり、連設体146の直線運動の方向に対して所定の傾斜角で傾斜して形成されると共に、その傾斜の方向に沿ってブロック142bと係合する。
より詳細には、図3(b)に示すように、ブロック142bは、その内部にガイドレール146cを保持するためのボール142b1及びそのボール142b1が転動するための循環路(図示せず)を備え、そのボール142b1によって断面視4点でガイドレール146cを支持すると共に、ボール142b1がボール循環路を転動し、第1摺動部A1,B1及び第2摺動部A2,B2においてボール142b1とガイドレール146cとが摺動することでガイドレール146cを直線運動可能に案内する。
即ち、連設体146が対向するブロック143a,142bに沿って直線運動する場合、連設体146が図3(a)の上方向に直線運動することでベース体142は第1方向(図3(a)の右方向)に移動し、連設体146が図3(a)の下方向に直線運動することでベース体142は第1方向と反対の方向である第2方向(図3(a)の左方向)へ移動する。よって、連設体146が対向するブロック143a,142bに沿って往復動作をすることで、ベース体142の往復動作が可能となる。
なお、本実施形態における各部のリニアガイドウェイは、上述したブロック142bとガイドレール146cとからなるリニアガイドウェイと同様に構成されるため、その説明は省略する。
次いで、図4を参照して、位置調整機構140の動作について説明する。
図4(a)及び図4(b)は、プラグ130及び位置調整機構140の正面図であり、位置調整機構140によってプラグ130が動作する際の遷移状態が図示される。なお、図3(a)は図4(a)から図4(b)にかけての遷移状態の中間の状態が図示される。
図4(a)に示すように、シリンダ145がその伸縮運動における伸長方向に最大に伸長した場合、ブロック142bは、連設体146の末端側(図4の上側)でガイドレール146cと係合する。即ち、シリンダ145が最大に伸長した場合、ベース体142は、そのベース体142の可動範囲においてシリンダ145側(図4の左側)に最も近接する。
この状態からシリンダ145が短縮運動をした場合、図3(a)の状態を経て、図4(b)に示すように、ブロック142bはガイドレール146cに摺動しつつその傾斜に沿って連設体146の先端側(図4の下側)に移動する。即ち、シリンダ145がその伸縮運動における短縮方向に最も短縮した場合、ベース体142は第1方向(図4の右方向)に移動し、ベース体142の可動範囲においてシリンダ145側から最も離間する。
また、このシリンダ145が短縮した状態から伸長運動をした場合、ベース体142は第1方向とは反対の方向である第2方向(図4の左方向)に移動する。即ち、上述した通り、ベース体142及び連設体146のそれぞれが第1摺動部A1,B1及び第2摺動部A2,B2を備えるので、シリンダ145が伸縮運動の往復動作をすることで、連設体146を介してベース体142の往復動作が可能となる。
このように、シリンダ145の駆動力によってプラグ130の位置を調整できるので、ガイドの内面やプラグの外面にシムやシートを貼り付けるという従来の方法に比べ、所定の停止位置に対する搬送車両100の停止位置のずれを容易に補正することができる。
この場合、シリンダ145の伸縮運動によるベース体142の移動距離は、ブロック142b及びガイドレール146cの傾斜の作用により、シリンダ145(連設体146)の移動距離に対して短くなる。即ち、シリンダ145の伸縮運動による連設体146の移動距離をLとし、連設体146の直線運動の方向に対するブロック142b及びガイドレール146cの傾斜角をθとした場合、ベース体142の移動距離はLtanθとなる。
よって、傾斜角θを45度未満且つ0度に近い角度に設定するほど、シリンダ145の移動距離に対してベース体142の移動距離を短くできる。本実施形態では、その傾斜角θが6°に設定されるので、シリンダ145の移動距離に対してベース体142の移動距離を約10分の1とできるので、シリンダ145の動作精度よりも高い精度でベース体142の位置を調整することができる。よって、所定の停止位置に対する搬送車両100の停止位置のずれを高い精度で補正することができる。
また、ベース体142及び連設体146がそれぞれ2箇所の摺動部(第1摺動部A1,B1及び第2摺動部A2,B2)を備えるので、1個のシリンダ145の往復動作に応じてプラグ130の位置を調整することができる。
また、搬送車両100は、100トン以上の重量の積載物を搭載することがあり、その場合、例えば、ブロック142b及びガイドレール146cを省略した構成、即ち、ベース体142をシリンダ145の直線運動によって直接動作させる構成では、プラグ130がガイド200,300の傾斜部の傾斜面に沿って滑動する際の外力がシリンダ145に直接入力されるため、その荷重によってシリンダ145が破損し易い。これに対して本実施形態では、上述の通り、連設体146の直線運動の方向に対するブロック142b及びガイドレール146cの傾斜角θが6度に設定されるので、ベース体142(プラグ130)に外力が入力されても、シリンダ145へ入力される力をベース体142(プラグ130)に入力された外力の約10分の1とすることができる。よって、シリンダ145の耐久性が向上する。
ここで、シリンダ145は、上述した通りボールねじ機構のシリンダで構成されているので、電動モータ144を停止させていても、ベース体142(プラグ130)の位置を固定することができる。よって、ベース体142(プラグ130)の位置を保持するための部品を別途設ける必要がなく、サーボモータのような保持力を有するモータを使用する必要もなくなるので、製品コストを抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、シリンダ145の駆動力を連設体146を介してベース体142に伝達する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ベース体142に直接シリンダ145のロッドやアクチュエータを連結してベース体142を運動させる構成でも良い。アクチュエータの一例としては、ラック・ピニオン機構およびモータからなるもの(即ち、ベース体142にラックを配設し、そのラックに歯合するピニオンをベース体側本体部141に軸支し、そのピニオンをモータで回転駆動するもの)が例示される。
上記実施形態では、プラグ130及び位置調整機構140が2個ずつ配設され、プラグ130の位置調整の方向が車体110の幅方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、プラグ130及び位置調整機構140は1個でも良いし、3個以上でも良い。また、プラグ130の位置調整の方向は車体110の幅方向を基準に0°から90°までの範囲でどの方向であっても良い。
上記実施形態では、位置調整機構140によるプラグ130の位置調整が1軸方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、2個の位置調整機構140それぞれのベース体142の直線運動の方向が直交するように2段に重ね、一方のベース体側本体部141と他方のベース体142とを連結させ、上段の位置調整機構140のベース体142にプラグ130を配設して2軸方向にプラグ130の位置調整をしても良い。
上記実施形態では、連設体146にその直線運動の方向に対して所定の角度で傾斜する傾斜面を設け、その傾斜面でベース体142と摺動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、シリンダ145の先端にその直線運動の方向に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面を設けてベース体142又はプラグ130と直接摺動する構成にしても良い。
上記実施形態では、シリンダ145(連設体146)の伸縮運動方向の平面と、ベース体142の直線運動方向の平面とが平行であり、且つシリンダ145(連設体146)の伸縮方向がベース体142の直線運動の方向に対して直交する方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、シリンダ145(連設体146)の直線運動の方向がベース体142の直線運動の方向に対して傾斜角を有し、且つ第1摺動部A1,B1及び第2摺動部A2,B2がシリンダ145(連設体146)の直線運動の方向に対して45°未満の傾斜角で傾斜する条件であれば、シリンダ145(連設体146)及びベース体142の直線運動の方向は任意で良い。
上記実施形態では、ベース体142及び連設体146をリニアガイドウェイで案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、スライドレールやボールスプラインで案内する機構でも良い。また、ベース体142側がキャリッジであり、連設体146側がレールで構成されて摺動する場合を説明したが、ベース体142側をレールとし、連設体146側をキャリッジとして摺動させても良い。
上記実施形態では、シリンダ145がボールねじ機構のシリンダで構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連設体146を直動させることができるものであればいずれも代替可能であり、例えば、油圧シリンダやラック・ピニオン機構が挙げられる。ボールねじ機構のような保持力を持たないものを用いる場合は、ベース体142(プラグ130)の位置を固定する部品、例えば、リニアクランプのような保持機構を別途設けることでベース体142の位置を固定すれば良い。
上記実施形態では、1個の連設体146が2箇所の摺動部(第1摺動部B1及び第2摺動部B2)を備えて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、1箇所の摺動部を備える連設体146をベース体142に対して2方向から摺動させることでベース体142を往復運動させても良く、この場合、駆動手段を2箇所に設ければよい。